上条「超電磁砲のこわしかた」(1000)
問:超電磁砲の壊し方 答:何もしない
美琴「勝負よ勝負! 今日こそ決着をつけてやるわ!」
上条「…」
美琴「ちょっと! 無視してんじゃないわよ!」
上条「…」
美琴「も、もしもーし。聞こえてるんでしょ? いいかげんにしなさいよ」
上条「…」
美琴「ね、ねぇ、私何かあんたを怒らせるようなことした? もしそうなら言ってよ。謝るから」
上条「…」
美琴「…」
上条「…」
美琴「…何か言ってよ。無視しないでよぉ…」
上条「…」
美琴「ごめんなさいっ。許してください。もう電撃したりしないからぁ…!」
上条「…」
美琴「ここで会ったが百年目っ!いざ勝負よっ!」
上条「直死………七夜」ズバババババババッ
美琴「」
上条「解ったか?これが物を壊すという事だ」
美琴「ひっぐ。ごえんなさい。ごえんあさぃ。ぐすっ」
上条「…」
インデックス「ふふふ…! ざまぁないね、短髪!」
美琴「ひぐっ…。シ、シスター…」
インデックス「優しいとうまも、ついに堪忍袋の緒が切れたんだよ。仕方ないよね。
今まで短髪がとうまにしてきた仕打ちを考えたら当たり前なんだよ」
美琴「うぇっ。ごぇん、なさいっ」
上条「…」
インデックス「とうま、短髪なんかほっといて行こう?」
上条「…」
インデックス「? とうまー?」
上条「…」
インデックス「…なに? 私のことも無視?」
上条「…」
インデックス「わ、私は短髪みたいにメンタル弱くないから、こんなことじゃうろたえないんだよ!」
美琴「メ、メンタル、弱くないもんっ。ないで、ないっ」
上条「…」
インデックス「とうま! いいかげんにしないと噛みつくよ!?」
上条「…」
インデックス「とうまー!」バッ
パチン(びんた)
インデックス「…へ?」
上条「…」
インデックス「…とうまが、私を…。え?」
上条「…」
インデックス「…う、うわあああああああああああああん。どうまがぶったああああああああああああ」
上条「…」
インデックス「うわああああ!!! ああああああああああああああああああああ!???!!!!!」
美琴「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」(貰い泣き)
上条「…」
インデックス「とうまのばがあああああああ!!!! びゃああああああああああああ」
上条「…」
10分後
インデックス「ごめん、なあぃ。ごえ、ぁい」
上条「…」
インデックス「も、わがまま言いまえん。噛みませんがらっ許してください」
上条「…」
インデックス「う、うぅぅぅぅぅぅ…」
美琴「うぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁ…」
黒子「風紀委員ですの! 男が女子二人を泣かせているとの通報を…ってお姉様?」
美琴「く、くろごぉ…っ」
上条「ん? 白井か」
美琴「!?」
インデックス「!?」
上条「何か事件か? 俺にできることがあれば協力するぞ」
美琴「うわあああああああああやっばり私のこと怒ってるんだああああ!!!!! ごめんなさびぃいいいいぃ」
黒子「お、お姉様、落ち着きになってください。お顔が、お顔が大変なことにっ」
上条「? 何やってんだお前」
黒子「何やってんだって…知り合いの女の子が泣いてるのにあんまりですの!」
上条「え?」
黒子「状況から見てあなたが下手人ですのね…。どんな非道を働いたかはわかりませんが、
お姉様をここまで傷つけた罪、万死に値しますの!」
上条「下手人? 非道…。…?」
黒子「とぼけたって無駄ですの! 顔をくしゃくしゃにした女の子が二人! 動かぬ証拠ですのよ!」
上条「女の子? 二人? なぁ、さっきから何言ってるんだ?」
上条「ここには俺とお前しかいないじゃないか」
上条「さっきから御坂がそこにいるみたいなこと言ってるけど…。大丈夫か? 風紀委員の仕事で疲れてるんじゃ…」
美琴「…」
黒子「ふざけるのはおよしになってください! お姉様ならここにちゃんと…」
美琴「あ、あー。そっか。なるほど」
黒子「お姉様?」
美琴「きっとこれはあれよ。私はもう死んでて、私だけがそれに気づいてないってやつ。この前観た怖い映画でやってた」
黒子「お姉様?」
美琴「じゃあ、私もう天国に旅立つね。さよなら当麻。ずっと好きだった。ふふ、おかしいわね。
死んで初めて素直になれるなんて。生きてるうちに伝えたかった」
黒子「お姉様しっかりしてください! ちゃんと生きてますの! ほら脈もあるし、呼吸も正常ですのー」
上条「し、白井、病院行った方が…。…いや、一緒に病院に行こう! 大丈夫。すぐによくなるさ。きっと…」
インデックス「どうまああああああ!!!! 置いてかないでええええええええ」
病院
上条「先生、白井はどうなんですか…?」
カエル顔「君の剣幕におされて診察したけど、どこも問題ないよ。健康体だね?」
黒子「だから何度もそう言いましたのに…」
カエル顔「それよりも、その、君の後ろにいるその子たちの方が、診察が必要な気がするんだけどね?」
美琴「…」
インデックス「とうまぁ…。とうまぁっ」
上条「先生も白井みたいなこと言って…。からかわないでくださいよ」
黒子「というかあなたの方こそ診てもらうべきだと思いますの」
カエル顔「僕らとは会話ができてるから、目や耳に疾患があるわけではないと思うけどね?
だとすると何かの能力の影響かな?」
カエル顔(あるいは魔術の方かな?)
上条「ほ、本当にそこにインデックスと御坂がいるのか? 冗談じゃなくて」
美琴「いるよっ。ここにいるよ、当麻! 私を見て! 私のみを見て!」
インデックス「どさくさにまぎれて何言ってるんだよ短髪! とうまー! とうまの大好きなインデックスはここなんだよー!」
上条「…」
黒子「…本当に見えてないし、聞こえてませんのね…」
美琴「当麻ー! 当麻ああああああああああああ」
インデックス「とうまああああああああああああああああああああああああああ」
カエル顔「うん。病院では、静かにしてほしいよね?」
カエル顔「能力の研究所に伝手があるからね? そこで診てもらうといいよ?」
上条「…というわけで、研究所へやってきたのだ」
黒子「誰に説明してますの…」
美琴「私?」
上条「…」
木山「ようこそ。…おや、知った顔ばかりだな」
黒子「あれ? あなたたしか服役中じゃ…」
木山「細かいことは気にするな。能力の説明役に私は使いやすいんだよ」
木山「…ふむ。検査してみたところ、やはりこれは能力によるものだな」
美琴「よかった…。当麻が私を無視するのはファッキン能力者のせいで、私を嫌いになったわけじゃなかったんだ…」
木山「いや、これは外部からの影響ではないよ。この少年自身の能力だ」
上条「俺の能力…?」
木山「ああ。君は女性の好意にまるで気づかない朴念仁だそうだな。私が思うに、それは君の性格ではなく、
君の秘められた能力が原因だったんだ」
インデックス「た、たしかにとうまの鈍感さは異常なんだよ。もはや一種の能力なんだよ!」
木山「今までは『女性の好意に気づかない』レベルだったが、
『自分に好意を持つ女性の存在すら認識できない』レベルにまで強化…いやこれは悪化というのか?
…とにかくそう変化してしまったんだ」
黒子「そんなむちゃくちゃな…」
木山「むちゃくちゃでも、実験した上での確かな結果だよ」
黒子「実験?」
木山「少年の知人を数名招いてね。しばらく二人きりにさせてみたんだ」
実験体Kさん「…」
実験体Hさん「…」
実験体Iさん「…」
木山「結果、少年に好意を抱いている女性は少年に一度も相手にされなかった」
黒子「全員この世の終わりみたいな顔してますの…」
美琴「…はっ!? それじゃまるで私がこいつのことを、す、すす好きってことみたいじゃない! 違うわよ!?
わ、私は別にこいつのことなんか、これっぽっちも…」
上条「…」
黒子「お姉様…。いつもの調子を取り戻してくれて黒子は嬉しいですけど、色々と今さらですし、
肝心の殿方には届いてませんの…。虚しいことこの上ないですの…」
インデックス「…うーん、でも一つ腑に落ちないことがあるんだよ。私がとうまに噛みつこうとしたら、
とうまは私をぶったんだよ。認識できてないのにどうしてそんなこと…」
美琴「ぷっwwwwwwww嫌われてんじゃないのあんたwwwwwwwwwwwwwwww」
インデックス「あぁ?」
木山「ふむ…。気になる話だな。ちょっと彼に触れてみてくれないか」
美琴「え!? そ、そんな『抱きつけ』なんて言われても困るわよ! 心の準備が…」
木山「いや…軽く触ろうとしてくれればそれで充分なんだが…」
美琴「うおおおおおおおおおお! 当麻!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」タックル
上条「…」ヒョイ
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアン
黒子「お姉様あああああああああああああああ」
美琴「…う…」ユラリ
美琴「む…無視すんなやごらああああああああああああああ!!!!」
上条「…」ヒョイ
ゴシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
上条「…はっ? 俺は今何を…?」
木山「これは…記憶が飛んでるのか?」
美琴「」
黒子「お姉様! お姉様あああああ!」
インデックス「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
木山「迎撃や回避も能力によるものなのか…? うーん、わからないな…」
木原くん「それについてはこの俺が説明しちゃうぜ!」
木山「え、誰?」
また御坂sageスレかと思ったら面白い
木原くん「ウニ頭のガキ、テメェいかにも一般人ですって顔してるが、結構修羅場くぐってんだろ?」
上条「え、おっさん誰? …まぁ、少しはケンカ慣れしてる方だと思うけど…」
木原くん「ケンカ慣れねえ…。ま、そういうことでいいや。とにかく、テメェの体には戦闘の経験が刻まれてるってことだ。
無想陰殺って聞いたことあるか?」
上条「全然」
木原くん「かーっ。これがカルチャーギャップってやつか!? 泣いちゃいそうだぜ一方通行!」
上条(なんだ、一方通行の友だちか。気づいてみれば、見た目とか言動とかいかにもそうだわ)
木原くん「訓練や実戦で身についた動きってのはな、頭で考える手順をすっとばして反射的に行えるんだぜ。
いわゆる無我の境地ってやつだな。敵が見えなくても聞こえなくても、体が勝手に動いてくれるのさ」
上条「そんな超人じみたこと…。上条さんは人間をやめた覚えはありませんよ?」
木原くん「そこまででたらめな話じゃないぜ? なんせ俺にだってできることだからな」
インデックス「ってことは攻撃じゃなければ触れるんだね!? こんな風に手を握ることは…」
ペチン
インデックス「…」
上条「…あ? また記憶が…」
インデックス「なんでなんだよ…」
木原くん「普段のスキンシップの問題じゃねえか? テメェが体に触れる=攻撃って体が覚えてんだよ。
おせっかいで言わせてもらうが、愛情表現に暴力を使うのはやめた方がいいぜ? 伝わらねえから」
美琴「うっ」グサリ
木山「あ、復活してた」
すごい…ニコ厨の友人みたいな症状の患者が多すぎる…
これは冥土返しを呼んだ方が…
インデックス「状況はわかったけど、解決方法は…?」
木原くん「さぁ? 同じ無我の境地に立てば拳を交えることはできるだろうが、どちらかが悲しみを背負うことになるな」
インデックス「おじさんなんのために登場したんだよ…」
木原くん「科学と拳法を同時に説明できそうなのが俺ぐらいしかいなかったってだけの話だろ。…さて、仕事はしたし、
『木山くん』とか間違えて書かれる前に俺は帰る。じゃあな」スー…
上条「…」
美琴「…」
黒子「…」
木山「…消えた…」
インデックス「おっさんが一人消えたこととかどうでもいいんだよ。大切なのはこれからどうするかなんだよ」
美琴「そうね。木山…さん、何かないの?」
木山「難しいな…。能力を妨害する手段はあるにはあるが、周囲を巻き込む上に危険を伴う物ばかりだ。
個人の能力を限定的に封じる手段は(たぶん)ない」
インデックス「そんな…。じゃあ一生このままなの?」
木山「私の方でも方法は探してみるが、あまり期待はしないでくれ。とにかく今日は帰りなさい」
>>148
冥土帰しだ
インデックス「とうま」
上条「…」
インデックス「とうま。とうま。ねーとうまー」
上条「…」
インデックス「聞こえてないんだろうけど、平気なんだよ。とうまは私を無視してるわけじゃないし、
見えなくても私がそばにいるってことは知ってるんだもんね?」
上条「…」
上条(何も見えないし、聞こえないけど。インデックスがそばにいるんだよな…。それってなんか、あれだな)
上条(すげえ気味悪い)
上条「インデックス、もう部屋の中入ったか?」
インデックス「うん、入ってるよ、とうま」
上条「あと10秒以内に入れよー? 鍵閉めるからなー?」
インデックス「もう入ってるよ」
上条「じゅうー、きゅー、はち、なな、ろく、ごー」
インデックス「もう入ってるんだよ。鍵閉めていいよ」
上条「よん、さん、にー、いちー」
インデックス「もう鍵閉めていいってば…」
上条「さて、飯作るかー」
インデックス「ごはん♪ ごはん♪」
上条「…」
インデックス「あと何分ぐらいでできる?」
上条「…」
インデックス「とうま…」
上条「インデックス、おかずはもやし炒めでいいか?」
インデックス「! う、うん! とうまのごはんならなんだっていいんだよ!」
上条「ははは、わがままなやつだな。わかったよ。明日使うつもりだった豚肉も入れよう」
インデックス「と、とうま…」
インデックス「い、いただきます…」
上条「…」モグモグ
インデックス「…」モグモグ
上条「…」モグモグ
インデックス「…ごちそうさま」
上条「…」モグモグ
インデックス「ごちそうさま…」
上条「…」モグモグ
インデックス「…」
上条「インデックス、近くにいるか?」
インデックス「うん」
上条「いるよな、たぶん。お前が先に風呂入ると、入ってるか入ってないのかわからなくなって、
ばったり遭遇しちゃうかもしれないだろ? 俺はお前に気づかないけど、お前はそうもいかないし…。
だから、俺が先に入るからな。ちょっと待っててくれよ」
インデックス「うん。待ってるんだよ」
上条「…」
上条「…」
上条(…さっきの話は、ちゃんとインデックスに伝わったよな…?)
上条(例えば、さっき話してたときにインデックスが既に風呂に入っていたら…?)
上条(今、目の前にインデックスがいるかもしれないんだよな…?)
上条「」ゾクッ
上条(ムフフなシチュとかそんな話じゃない)
上条(ただひたすらに気味が悪い)
上条(そもそもインデックスはちゃんと家にいるのか? 鍵の閉まった扉の前で、開くのをずっと待ってるんじゃないのか)
上条(会話は成立してたのか? 誰もいないのに一人で喋ってただけじゃないのか…?)
上条(そのどれもが)
上条(俺には確認しようがない)ゾワッ
上条(風呂から出て何時間か経った…)
インデックス「とうま、私もう寝るね…」
上条(インデックスはもう出たよな。…今から入る、なんてことはないよな?)
インデックス「おやすみ」
上条(まだ家に帰ってない可能性すらあるわけで…。…さっきから同じようなことぐるぐる考えてるな…)
青髪「カミやんどうしたん? ごっつ寝むそうやけど…」
上条「ちょっとな…」
上条(あの後、結局風呂場に入れなくて、もちろんベッドのある部屋で寝るわけにもいかなくて、玄関で寝た…。
インデックスが家に帰ってないことも考えて鍵は開けたまま…)
上条(インデックスは今家にいるのか…いないのか…)
上条(まさか隣に…っ?)
青髪「カミやん」
上条(…ねーよ。俺以外には見えてるんだから。もしいたら騒ぎになる)
青髪「カミやん!」
上条「な、なんだ!?」
青髪「なんだやない。ぼーっとしすぎやで。早く返事したり」
上条「返事…? そういえばまだ小萌先生来てないよな。もう一限始まるのに…」
ザワッ
上条(何故か知らんが、あの後クラス中から刺すような視線をぶつけられた…)
上条(にしても今日は欠席多かったな。姫神も休みか)
黄泉川「泣くなじゃん。きっとちょっとした悪戯心じゃん。いじめとかじゃないって」
上条(黄泉川先生…。電話でもかけてるのか…?)
黄泉川「そんなことで辞職なんて考えちゃ駄目じゃん…あ、上条」
上条「黄泉川先生、さよーなら」
黄泉川「ああ!? ほら、生徒が見てるから! 泣くなって! 落ち着くじゃん!」
上条(? 大変そうだな…)
上条(家に帰って…。インデックスはいるのか。それとも外出してるのか…)
黒子「あら」
上条(昨日は一緒に帰った…はず…だから、まだなんとかなったけど、今度こそ本当に確かめるすべがない…)
黒子「ちょっと…え?」
上条(どうしよう…。また誰かいるかもわからない空間に向けて話しかけるのか? 何度も?)
黒子「ち、違いますのよ! 黒子はお姉様一筋ですの! 落ち着いてくださいませ!」
上条「静かにしてくれ白井…。今考えごとしてるんだ」
黒子「ああ、よかった…。もう少しで黒焦げになるところでしたの」
黒子「…お姉様、その親父ギャグはいささか寒いかと…」
上条「隣に御坂がいるのか。(寒いギャグって、一体何言ったんだろう…)」
黒子「『いないって言って』…だそうですの」
上条「おお…誰かが間にいれば会話ができるんだな…」
上条「…これだ!」
黒子「どうしましたの?」
上条「白井! よく聞いてくれ!」
上条「俺にはお前が必要だ! 頼む! 一緒に暮らしてくれっ!!」
黒子「…え? え、え!?」
上条「!?」
上条「白井が消えていく…!?」
黒子「はっ! 駄目ですの白井黒子! お姉様という人がありながら殿方にうつつをぬかすなど許されませんのっ!
思い出しなさい! お姉様と初めて出会ったあの日! 初めて受けた電撃っ! 拳! 肢体!! 水に濡れた御髪!
下着!! 寝間着! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
上条「…元に戻った…」
黒子「黒子の…はぁ…お姉様への愛は…ぜぇ…本物ですのよ…」
上条「よくわからんが、お前がすごいやつだってことはなんとなくわかったぜ…」
黒子「つまり、見えないあの女の子…インデックスさんとの通訳になってほしいと…」
上条「最初からそう言ってるだろ?」
黒子「『言ってない!』…と言ってますの。同意見ですの」
上条「なあ頼むよ。俺、このままだと気が狂っちまう」
黒子「…他に頼める方はいませんの? 隣人さんとか」
上条「ああ、それが朝訪ねたけどいなかったんだ。学校も休んでたし」
そのころ イギリス
土御門「仕事でこっちまで来てるんだにゃー。当分は帰れないぜい」
ローラ「土御門? 誰に向こうて話したるの?」
土御門「なんでもないにゃー」
てっきり解決のために奔走してるのかと思ったのに
黒子「殿方の部屋に女子が暮らすというのは、やはり問題が…」
上条「インデックスも既に暮らしてるわけだし、そこをなんとか。小萌先生も姫神も今日学校休んでたし、
お前しか頼れないんだよ」
黒子「…わかりました。この問題が解決するまで、なら構いませんの」
上条「本当か! ありがとう黒子!」
黒子「え?」
上条「どうした?」
黒子「『私も一緒に住む!』…と言ってますの。お姉様が」
上条「ただいまー」
黒子「ひぃぃっ!??」
上条「し、白井!?」
黒子「…だ、大丈夫ですの。ちょっと驚いただけですの。…上条さんは見えなくてよかったかもしれませんの。
…いや、そもそも上条さんが見えないからこんなことに…?」
上条「落ち着け。どうした?」
黒子「インデックスさんがそこにいますの。…『おかえり、とうま』…だそうですの」
黒子(まるで幽鬼のようですの…。一日中そこで待ってたんですの?)
こえええええええええええ
上条「お、おう、ただいま、インデックス…」ドキドキ
黒子「『なんで短髪と黒子もいるの?』…と言ってますの」
上条「黒子に意思疎通を手伝ってもらおうと思ってな。しばらく住んでもらうことにしたんだ」
インデックス「黒子はわかるけど、なんで短髪もいるの…? 短髪はいらないよね…」
黒子「…」
インデックス「私ずっととうまを待ってたんだよずっと待ってたんだよずっとずっと待ってたんだよ
外に出たりしたらとうまが心配するからだからずっとここで待ってたんだよスフィンクスは私の顔見て
どっか行っちゃったし一人でとうまを待ってたんだよなのになんで短髪なんか連れてくるかなとうまは」
上条「白井、インデックスは何か言ってるのか?」
黒子「えーと、えーと『寂しかったんだから、ばか』って言ってますの」
上条「御坂は? さっきから黙ってるのか?」
黒子「お、お姉様は…」
美琴「」
黒子(さっきインデックスさんを見たときの衝撃で気を失ってますの…)
>>340
三行目だけナチュラルに「黒子」って言ってるな
>>346
ついんてとか言いそうだよな
上条「さて、飯作るか。…インデックス、何が食べたい?」
インデックス「食欲なんてないんだよそれに食べ物なんかで短髪を連れこんだ件をうやむやにできると思ったら
大間違いなんだよでも昨日はお肉だったし今日はお魚が食べたかも」
黒子「魚がいいそうですの」
上条「よし、任せろ」
インデックス「じゃあ私は短髪の所に行ってるんだよどういうつもりか問い詰めないと…」ブツブツ
>>348
言わないだろ
「こもえ」「まいか」「あいさ」って普通はファーストネームを平仮名で呼んでる
例外は短髪とクールビューティくらい
美琴「…」
美琴「…はっ」
美琴「…あれ? 私今まで何を…。当麻と同棲の約束して、
扉を開けるとき『ふつつか者ですがよろしくお願いします』ってお願いして…」
インデックス「おはよう短髪」ヌッ
美琴「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!????????????????????」
上条「さかなさかなさかなーさかなーをーたべーるとー」
黒子(今のが聞こえてないとかうらやましすぎですの)
上条「全員いるか?」
黒子「はい」
黒子(お姉様は魂が半分抜けかかってますけど…)
美琴「」
インデックス「…」
上条「じゃあ…いただきます」
黒子「いただきますの」
インデックス「…いただきます」
美琴「」
黒子「『いただきます』と言ってますの」
黒子(お姉様は箸すら持ってませんけど…)
インデックス「…」モグモグ
上条「…インデックス、美味いか?」
インデックス「…」
黒子「…」
上条「…インデックスは、なんて…?」
黒子「…『美味しい』って言ってますの」
インデックス「い、言ってないよ」
上条「そうか…。…やっぱりそこにいるってことがわかると、安心するな」
インデックス「…」
上条「…俺はお前がいるかいないかわからなくて不安だったけど、お前はもっと辛かったんだろうな。
ごめんな、インデックス」
インデックス「…ごはん、美味しいよ」
黒子「『ごはんが美味しい』って言ってますの」
上条「? それはさっきも聞いたぞ」
黒子「そうでしたわね、ふふ」
美琴「…」
美琴「…はっ 私は今まで何を…」
インデックス「おはよう短髪」ニコッ
美琴「いやああああああお化けええええええええええええ…あれ?」
インデックス「大丈夫? 怖い夢でも見たの?」ニコー
美琴「え? あ、大丈夫…」
美琴(夢…。一体どこから…? 当麻が一緒に暮らそう(キリッって言ってくれた辺りは本当よね…?)
美琴「…」グー
黒子「あら、お姉様お目覚めですのね」
美琴「…おなかすいた」
黒子「えっ」
上条「どうかしたか?」
黒子「…空腹だそうですの」
上条「えっ」
美琴「…ごめん、何か食べる物ない?」
黒子「…上条さんが、料理してくださって、さっきまでお姉様の分もあったのですけれど…」
美琴「当麻が私のために料理を!? …さっきまで?」
上条「御坂は朝まで寝てるだろうと思って、それで…」
インデックス「げふぅ」
美琴「当麻が…私のために作ってくれた料理を…」
インデックス「言っとくけどあれはとうまがわ・た・しのために作ってくれた料理なんだよ。
私が食べるのは当然の権利なんだよ」
美琴(空腹で突っかかる気力もない…)
黒子「お姉様…黒子の携帯食糧でよろしければ…」
美琴「…」ムグムグ
美琴「…すごいぱさぱさしてる」
黒子「…」
上条「白井?」
黒子「『美味しい』って言ってくれてますの…」
上条「風呂湧いたぞ。先入ってくれ」
美琴「え? 私は当麻の残り湯の方が…」
黒子(殿方に見えない聞こえないことの解放感からでしょうか? お姉様がだんだん酷くなってますの…)
インデックス「いいからみんなで一緒に入るんだよ、短髪!」
インデックス「気持ち良かったー」
美琴(考えてみれば、私が入った後のお湯にあいつが浸かるのよね…。それはそれで…)
黒子「あがりましたの。お次どうぞ」
上条「おう」
黒子(…あれ? 何か違和感が…)
黒子(…)
黒子(…!)
黒子( お 姉 様 と 一 緒 に 入 浴 す る と い う イ ベ ン ト を
な ん で も な い こ と の よ う に 消 化 し て し ま っ た )
黒子( 体 の 洗 い っ こ は お ろ か 目 に 焼 き つ け る こ と す ら 怠 っ て し ま っ た )
黒子(千載一遇の好機を逃すどころか、自分の個性を見失うとはなんたる不覚)
黒子(いつもの黒子ならこんなことありえませんのに、何故…)
美琴「…マーキング的な何か、しておけばよかったかなぁ…」
黒子(あ、これだ)
黒子(お姉様が変態性を発露した故に、黒子は自分を捨て、常識人の振る舞いを全うするしかなかったんですのね)
美琴「どうしたの、黒子」
黒子「己の存在に疑問を投げかけてますの。私は誰なのか…白井黒子とは一体何なのか…」
美琴「ふーん? そんなことはどうでもいいけどさ。その、泊めてもらうんだから何か家事手伝うのって自然だよね?
洗濯とか。し、下着を手洗いしても全然変じゃないよねっ?」
黒子「お姉様およしになって…はぅあっ!?」
美琴「な、何!? やっぱ変?」
黒子「い、いえ…。変ですけど、それ以上に自分の言葉に驚いてますの…」
黒子(今のお姉様と話していると自分の存在を奪われる…。私が、私でなくなる気がする…!)
ちなみにラッキースケベ的なイベントは何一つ起こらなかった
ごめん寝てた
ねます
起きたら立てるから、落としていいから解散しよう
起きました 残してくれてありがとう
ダラダラと書いてきます
上条「じゃ、俺は風呂場行くけど、そっち大丈夫か? スペース的に」
黒子「問題ありませんの」
美琴「居候の分際でベッドで寝て、家主には風呂場で寝かせるって、あんたいくらなんでも図々しすぎるんじゃないの?」
インデックス「う…。返す言葉もないけど、役に立たないのにここまで押しかけた短髪に、
図々しいとか言われたくないんだよ」
黒子「…どっちにしろこの人数と男女比ではこう分けるしかありませんの」
黒子「ではお姉様、インデックスさん、おやすみなさいませ」
インデックス「おやすみなんだよ」
美琴「おやすみー」
黒子「…」
インデックス「…」
美琴「…」
黒子「ZZZ...」
インデックス「ZZZ...」
美琴「…」
上条「ZZZ...」
美琴「えへへ…き、来ちゃった」
上条「ZZZ...」
美琴「…」
上条「ZZZ...」
美琴「…寝てる今なら触れるよね? ほっぺたとか」ゴクリ
上条「ZZZ...」
美琴「…」ドキドキ
ガシッ
美琴「え」
美琴(腕をつかまれ…え? 寝てるはずじゃ…)
グルン
美琴(視界が回る 受け身 否 間に合わ)
ビターン!
美琴「ぎぇっ」
上条「ZZZ...」
上条「ZZZ...」
ギリギリ…!
美琴「いだだだだだだだ! ギブ! ギブ! それ関節極まってるからっ!」
上条「ZZZ...」
美琴「寝てる人間がどうやって…あ、でもやっと触ってもらえた…。…ちょっと嬉しいかも」
木原くん「マゾヒストかよ? やっぱ最近のガキは進んでんなぁ、おい」
美琴「!?」
美琴「なんであんたがここに…」
木原くん「ん? 知りたい? っていうか知らねえの?」
美琴「?」
木原くん「…水気のある風呂場ってのは…色々と、出やすいんだぜ…?
水ってのは呼び寄せる性質があるらしいからな…」
美琴「なに普通に怖い話してんのよ! 明日お風呂に入れないじゃない、馬鹿ぁ!」
木原くん(俺と会話してる時点でそれ今更じゃねえの?)
上条「ZZZ...」
ギリギリギリ…!
美琴「ぐ…! 出てきたなら出てきたで、これ、どういうことか説明してよ…!」
木原くん「説明したじゃねえか、無意識で動いてるって。…しかし寝てるときまで隙がねえとは、まるであのクソガキ…」
美琴「…?」
木原くん「あ゛ー…嫌なこと思い出したわ」
上条「ZZZ...」
ミシッ…
美琴「いぎっ…! そ、それで、どうすればこの状態を解除できるの」
木原くん「逆に考えるんだ。腕の一本ならあげちゃってもいいさと考えるんだ」
美琴「そんなの無理に決まって…」
木原くん「まぁ聞けよ。今、そのガキの体は攻撃の気配を読んで動いてるわけだ。
逃げようともがけばもがくほど強い力で抑えつけてくる。ならその逆をやればいいって理屈だ。
呼吸を整えて、腕の力を抜くんだよ」
美琴「呼吸を…整える…」
美琴「…ひっ、ひっ、ふー。ひっ、ひっ、ふー…」
上条「ZZZ...」
美琴「ひっ、ひっ、ふー。ひっ、ひっ、ふー…」
スルッ
美琴「…ぬ、抜けた…」
上条「ZZZ...」
美琴「ありがとう、おじさ…」
シーン…
美琴「…おじさん…」
上条「ZZZ...」
美琴「…寝顔、あどけないなぁ…」
上条「ZZZ...」
美琴「私が何言っても、絶対に聞こえないんだよね…? だったら…」
上条「ZZZ...」
美琴「と、当麻」
上条「ZZZ...」
美琴「うふふ、呼んでみただけ…なんちゃって」
上条「ZZZ...」
美琴「当麻」
上条「ZZZ...」
美琴「当麻っ」
上条「ZZZ...」
美琴「当麻ー」
上条「ZZZ...」
美琴「えへへ」
上条「ZZZ...」
美琴「私のことが見えなくなって、聞こえなくなって…でもそのおかげよね。寝顔見れるのも、名前で呼べるのも。
普段なら絶対無理よ」
上条「ZZZ...」
美琴「…ちゃんと言えてないけど、助けてくれたこと、感謝してるんだよ…」
上条「ZZZ...」
美琴「いつも『勝負だー』なんて言ってるけど、本当はね、相手してほしいだけで…」
上条「ZZZ...」
美琴「当麻」
上条「ZZZ...」
美琴「す…」
上条「ZZZ...」
美琴「す、すす、す…」
上条「ZZZ...」
美琴(聞こえてない聞こえてない。大丈夫大丈夫…)
美琴「す…」
上条「ZZZ...」
美琴「…き、です」
美琴(言っちゃった言っちゃった! 聞こえてないけどついに言っちゃった!)
上条「ZZZ...」
美琴「…当麻、すき」
上条「ZZZ...」
美琴「好き」
上条「ZZZ...」
美琴「だ、大好き」
上条「ZZZ...」
美琴「えへ、えへへ」
上条「ZZZ...」
美琴「当麻」
上条「ZZZ...」
美琴「大好き」
上条「ZZZ...」
黒子(…慣れない枕だから、あまり眠った気がしませんの…)
…うま …き …いすき
黒子(お風呂の方から声…?)
ガラッ
美琴「当麻。好き。当麻、大好き。当麻、当麻。大好き。好き。好き。当麻、好き、当麻。当麻…」
上条「ZZZ...」
黒子「…」
美琴「大好き。ふふ、ふふふ…。当麻。当麻。当麻。好き、大好き。当麻」
上条「ZZZ...」
黒子「…」
黒子「…」
黒子「お」
黒子「お姉様」
美琴「当麻、当麻、当麻、当麻」
黒子「お姉様っ」
上条「…ん…白井、か…?」
美琴「あ、当麻、おはよう。大好き。黒子がうるさくてごめんね? もっと寝ていたかった? 好きだよ?」
黒子「お姉様…酷いクマが…。まさか寝てないんですの…?」
上条「御坂もいるのか」
美琴「うん。私は当麻が好きなの」
上条「朝飯の用意しなきゃな…」
美琴「大好き。手伝うね」
おなかすいたんでごはん買いに行ってきます
黒子「…手伝いなら黒子がします。お姉様は少し休んだ方がいいと思いますの」
美琴「なんで? 私は当麻が好きなのに」
黒子(文脈全然つながってませんの…)
上条「御坂がどうかしたのか?」
黒子「…顔色が優れてませんの。寝不足のようで…」
美琴「ううん、私は当麻が好きだよ」
上条「御坂、悪いことは言わないから寝とけ。後になって倒れたりしたら大変だ」
美琴「わかった。大好き」
インデックス(…ん…誰か布団の中に入ってきてる…。黒子…?)
美琴「えへへ、当麻、当麻」
インデックス「…」
美琴「好き。当麻。大好き。大好き。大好き。当麻」
インデックス(え? なにこれ。呪文?)
美琴「当麻。当麻。好き、当麻」
インデックス「…短髪。朝っぱらからなに口走ってるんだよ」
美琴「当麻が寝てなさいって。大好きなの」
インデックス「え、あ、そうですか…」
美琴「好き、大好き。当麻…」
インデックス(寝ぼけてるんだね、私…。顔洗ってこよう)
上条「…」モグモグ
インデックス「…」モグモグ
黒子「…」モグモグ
美琴「当麻、好き。大好き。ふふ。好き、好き…」
上条「…」モグモグ
インデックス「…」
黒子「…」
美琴「当麻、当麻。大好き、当麻…」ムニャムニャ
インデックス「…あれ、寝言だよね? ちゃんと寝てるんだよね? すごく怖いんだよ。すっごく怖いんだよ」
上条「じゃ、俺は学校に行くけど…」
黒子「お姉様は休ませます。黒子も休んでお姉様につき添いますの。留守はお任せになってください」
上条「よろしくな」
美琴「当麻、好き。行ってらっしゃい。大好き」ムニャムニャ
インデックス「うわぁ…寝言で受け答えしてるし、しかも何言ってるかわからないんだよ…」
インデックス「くろこ、短髪に何があったの?」
黒子「…お姉様は好意を表に出すことが苦手なお人ですの。相手を憎からず思っていても、
素直になることができませんの」
インデックス「ツンデレってやつだね」
黒子「…そんな自分を、お姉様はお嫌いだったのかもしれません…。殿方に対して素直になりたいとずっと願ってて…
その思いが、自分をさらけ出しても大丈夫なこの状況になって爆発したんですのね…
インデックス「ヤンデレってやつだね!」
黒子(…病んでいるというより、これは…)
美琴「当麻、大好き。大好き。好き。大好き、当麻、当麻」
黒子(…壊れたスピーカーでも見ているような…)
>インデックス「うわああああ!!! ああああああああああああああああああああ!???!!!!!」
>美琴「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」(貰い泣き)
かわいいww
上条「…ただいま」
インデックス「おかえり、とうま」
美琴「大好き、当麻!」
黒子「おかえりなさいませ…あら? お顔が腫れて…?」
上条「ああ、大丈夫。なんでもねえよ」
上条(『いくら温厚な僕でも許さへん!』とかなんとか言って思いっきり殴りやがって…。
小萌先生たちが二日続けて休んでるから、それを心配しただけなのに、なんで…)
黒子「…上条さん、今から木山春生を訪ねませんか?」
上条「木山さんを? 昨日の今日じゃ、まだなんの解決策も見つけてないんじゃないか」
美琴「当麻、大丈夫? 私は当麻が好きよ」
黒子「…昨日の今日でもうこれですの…。じっとしていられませんわ」
上条「?」
木山「…まさか一日と空けずにやってくるとは思わなかったよ」
上条「すみません。やっぱりまだ何も…」
木山「ああ、さすがに今日中というのは無理だ。せめて明日まで待ってくれないか」
上条「はい、明日また…え?」
木山「君の能力を抑える手段の話だろう? なんとか形にはなったんだが、調整もなしに使うわけにはいかないんだ」
インデックス「はるみが一晩でやってくれたんだよ…」
木山「キャパシティダウンって知ってるかい? 要はあれを小型化したものなんだが。
オリジナルは能力者にかなりの負荷をかけるんだが、出力を大幅に落として、日常生活に支障が出ないようにした。
能力を完全に封じることは…まぁ無理だろうが、それでも効果はあると思うよ」
上条「よくわからないけど、ありがとうございます!」
木山「だが、言ったように今は調整中だ。問題なしと言えるまでは我慢してくれ」
黒子(…よかった。これでお姉様も…)
美琴「…」
上条「やっと…って感じだな。まだこうなって二日だってのに」
美琴「当麻」
上条「ありがとな、白井。本当に助かったよ」
美琴「好き」
黒子「お礼の言葉は明日、私の助けが必要なくなってからいただきますの」
美琴「好き」
上条「そうだったな。明日まではよろしく頼む」
美琴「…」
上条「いただきます」
インデックス「いただきます」
黒子「いただきますの」
美琴「好き」
インデックス「…」モグモグ
美琴「好き」
インデックス「…短髪。ごはん食べなよ」
美琴「好き」
黒子「お姉様…」
インデックス「…食べないなら、また私がもらっちゃうよ?」
美琴「好き」
インデックス「とうまの料理が食べられるの、今日で最後なんだよ?
…別に明日食べに来たってとうまは気にしないだろうし、私も構わないけどさ」
美琴「…」
美琴「…」モグモグ
美琴「…マーキング的な何か、しておけばよかったかなぁ…」
黒子(あ、これだ)
なんか冷静で吹いたww
上条「おやすみ」
インデックス「おやすみー」
黒子「おやすみなさい」
美琴「大好き。おやすみ」
インデックス「ZZZ...」
美琴「…」
美琴「…当麻、大好き」
美琴「いってきます」
_____
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/ ( ● l l ● ) \
/ ヽ_ _ノ ヽ_ _ノ ; \
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\ !、__,! U /
/ 、____,, \
/ ヽ
| 、 , |
黒子「どちらまで行かれますの?」
美琴「…」
黒子「研究所ですの?」
美琴「…」
黒子「…上条さんを元に戻す装置をどうにかするために?」
美琴「…」
黒子「…」
美琴「…」
黒子「…これは、黒子の、ただの妄想ですの」
美琴「…」
黒子「…お姉様が一言『違う』と言ってくだされば、黒子はお布団に戻りますの」
美琴「…」
黒子「お姉様…」
美琴「私は」
黒子「…」
美琴「当麻が好き」
満足じゃなくてもここまできたら少なからず依存しちゃうだろうな
黒子「存じておりますの」
美琴「当麻のことが、大好き」
黒子「承知ですの」
美琴「大好きって、ずっと言いたかったの」
黒子「…」
美琴「やっと言えたの」
黒子「…」
美琴「もっと言いたいの」
黒子「…だから、現状が続いた方がいいと、そういうことですの…?」
美琴「…」
黒子「それではインデックスさんはどうなりますの? 上条さんも…」
美琴「…」
黒子「それに、お姉様の気持ちは…!?」
美琴「私の…?」
黒子「いくら素直な言葉を口にしても、それは上条さんに一つも届いてないんですのよ?
お姉様の気持ちは、何一つ伝わってませんの」
美琴「…」
黒子「それって本末転倒ですの! それで満足なんて、そんなの、おかしいですの…」
美琴「…うん」
黒子「お姉様…?」
美琴「私も、そう思う。
…こんなときじゃないと好きの一言も言えない自分が情けなくてさ。それでもやもやして眠れないから、
外に出て、頭冷やそうと思ってたんだけど…」
黒子「で、では、引きとめたのは黒子の早とちり…」
美琴「ううん? 黒子が私の頭冷やしてくれたんだから、早とちりでもなんでもないよ。
…ありがとう。『お姉様の気持ちは』って…あんた、誰より私のためを思って怒ってくれたんだよね?」
黒子「あ、当たり前ですの! だって、黒子はお姉様が大好きですから!」
美琴「うん。私も大好きだよ、黒子のこと。
…やっぱり、『大好き』って伝わる方が嬉しいんだね」
黒子健気やでぇ……
木山「…耳の周りにはめて…眼鏡をかけるような感じで…」
上条「こんな感じですか?」
木山「違和感はないか? いくらか調節できるが…」
上条「平気です。それに早く試してみたい」
木山「うむ。では電源を入れてみてくれ」
カチッ
インデックス「…」
御坂「…」
上条「…見える」
インデックス「と、とうま」
上条「聞こえるぞ」
インデックス「とうま。とうま、とうま」
上条「ああ」
インデックス「とうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまとうまー!!」
カチッ
シーン…
上条(おお、聞こえなくなった。…便利だ)
カチッ
インデックス「どうまああああああああああああああああああ」
上条「うわっびっくりした!」
インデックス「う゛ぅ~っ」
上条「ごめん、すみませんインデックスさん。悪ふざけが過ぎました。もう二度としません」
美琴「…」
上条「御坂」
美琴「!? み、見えてる?」
上条「ああ」
美琴「こ、声もっ?」
上条「聞こえてるよ」
美琴「そ、そう…」
上条「…」
美琴「えあ…ぅ…」
上条「…」
美琴「…な! な、治ってよか
上条「白井、本当にありがとう」
黒子「あ、はい」
上条「改めて礼を言うぜ。お前のおかげで助かった。…ごめん御坂。今なんて言おうとしたんだ?」
美琴「む」
上条「む?」
美琴「無視すんなやごらああああああああああああああああああっ」
上条「ぐほぉっ!」
木山「おお? 見えていると避けられないのか。一体どういう理屈なんだ…?」
美琴(あ、ほんとだ。触れる)ペタペタ
インデックス「ずるいんだよ短髪! 触れるようになったら、まず私が噛むのが筋ってもんなんだよ!」
実際過剰反応してる人たちも同じにしか見えないよね
黒子「戯れもそこまでにしておいた方がよろしいかと思いますの。上条さん、そろそろ一限ではございませんの?
お姉様と私もあまりのんびりしていられませんの」
木山「朝早くに来るとは少し驚いた。まぁ、明日来いとしか言ってなかったし、昼夜逆転生活だから問題はないが」
黒子「空間移動でインデックスさんを送った後、お姉様と常盤台へ向かいますの」
上条「…俺は?」
黒子「右手のことがありますので…徒歩で」
上条「ですよね」
黒子「それではお姉様、インデックスさん。私の手を放さないでくださいましね」
美琴「ま、待って黒子。…あ、あの」
上条「?」
美琴「と、と…」
上条「なんだよ? もう行くぞ」
美琴「当麻!」
上条「…」
美琴「と、当麻、す…」
上条「…」
美琴「す…」
上条「…」
美琴「…ごめん、黒子。飛んで…」
黒子「はいですの」
木山「行ったな…」
上条「…御坂。最後にあいつ…」
木山「…」
上条「『トーマス』って言ってたけど、一体なんのことだ…」
木山「さぁ」
上条「じゃあ俺も学校へ行きます。木山さん、装置、本当にありがとうございました」
黒子「到着ですの」
インデックス「ありがとう、くろこ」
黒子「これぐらいなんてことありませんの」
インデックス「そっちもだけど、他のことも。くろこのおかげでとうまだけじゃなくて私も助かったんだよ」
美琴「…ちゃんと言えなかった…。でも半分以上は言ったわけだし、ひょっとして伝わってたり…!?」
インデックス(それはたぶん)
黒子(ないと思いますの)
黒子「では、私たちも学校に向かいますの。さようなら、インデックスさん」
インデックス「うん。くろこ、くろこさえよければいつでも家に遊びに来ていいんだよ。…短髪もたまーになら来てもいいかも」
美琴「う、うん。ありがと」
上条(…教室の至る所から注がれる視線が痛い。なんでだ)
上条(…小萌先生、風邪治ったんだな。姫神も)
小萌「か、上条ちゃーん…」
上条「はい」
小萌「…!」
上条「? 小萌先生?」
小萌「か、上条ちゃんが、上条ちゃんがやっと返事してくれたですよ…。う、うぇっ…」
上条(何故!?)
ポン
上条(青髪?)
青髪「カミやん、次小萌ちゃん泣かせたら、そのときこそ一切容赦せえへんで?」
上条(は?)
黒子「ただいま帰りましたの」
美琴「おかえり。風紀委員の仕事おつかれ…」
黒子「…お姉様の方こそ、元気がありませんのね?」
美琴「…」
黒子「別れ際のあれをまだ気にしてますの?」
美琴「うん…。ありったけの勇気を振り絞ったのに、結局ちゃんと言えなかった。
…やっぱり私には素直に気持ちを伝えるなんて無理なのかな…」
黒子「そんなことはありませんの。あのときのお姉様は確かに前進しましたの。…次こそはきっと大丈夫ですの」
美琴「黒子…。うん、ありがとう」
美琴「私、シャワー浴びてくるね」
黒子「はい。行ってらっしゃいませ」
黒子(あら。お姉様、ノート開きっぱなしですの)
黒子(…ずいぶん文字がびっしりと…)
当麻
当麻好き当麻当麻当麻好き大好き当麻大好き当麻当麻当麻大好き当麻好き当麻当麻当麻好き好き当麻当麻当麻
当麻当麻当麻大好き当麻当麻当麻当麻大好き好き当麻当麻当麻大好き当麻好き当麻当麻当麻当麻当麻好き当麻
当麻当麻当麻当麻当麻当麻当麻好き当麻当麻大好き当麻当麻当麻当麻当麻当麻当麻当麻好き大好き大好き当麻
大好き当麻当麻当麻当麻当麻好き大好き好き当麻当麻当麻当麻当麻当麻当麻好き当麻当麻好き当麻当麻当麻当麻
当麻当麻当麻好き当麻当麻好き大好き当麻当麻大好き当麻当麻当麻当麻好き当麻当麻当麻当麻当麻当麻当麻当麻
当麻当麻当麻当麻大好き当麻当麻当麻当麻好き当麻当麻当麻好き当麻大好き好き好き当麻当麻大好き当麻当麻
黒子「…」
美琴「あはは、下着忘れちゃったー」
黒子「ひゅぃっ!???!」
美琴「? 黒子、何見て…」
黒子「…」
美琴「あ、違うのよ、それは。離れて暮らしてることが辛くて切なくて思い募ってとかそういうんじゃなくて
なんていうか、授業中手が寂しくて、暇つぶしに、ちょっとね」
黒子「…」
美琴「大丈夫よ。私、あいつとはちゃんと向き合うから。それは趣味みたいなもんだから。ね。だから、ね」
黒子「…」
美琴「黒子、それ、返して。…返せよ」
色 々 と お し ま い で す の
終わりですよー
この状況でも終わらせてくれてありがたい
乙
読んでくれてありがとう
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