博士「ええ、そうよ。この装置を相手に被せればいいの」
博士「相手は設定された臭いをかぐと、興奮状態になるよう脳内麻薬が分泌……つまり、発情するの」
妹「へー、でも臭いでしょ?なんか……きも。発情っていい方もなんか……」
博士「あなたぐらいの年頃だと、臭いにいいイメージはないかもしれないけれど」
博士「臭いってバカにできないものよ?それで離婚を決める人もいるんだから」
妹「ふぅん……博士は使ってみたの?」
博士「いいえ。まだ人では試したことないの。使ってみる?」
妹「いいの?」
博士「ええ、あなたならね。感想を聞かせてくれれば」
博士「あと、それを被せる時は、相手が眠っている時がいいわ」
博士「設定が完了するまで、だいたい五時間くらいかかるけど、装置を取るまで起きないようにしてくれるから安心よ」
博士「あ、そうそう。臭いの設定は今しちゃうわね。サンプルを取らせてちょうだい」
兄「ただいまー」
しーん
兄(誰もいないのか。いや、妹の靴はあるな)
兄(こういう時って、あれやってくるんだよな……あいつ)テクテクテク
兄(さて、部屋についたが……はぁ)ガチャッ
兄(……やっぱり)
白い布「……」
兄(またわざとらしく、部屋の真ん中に起きやがって……)
兄(あの布がなにか……俺は知っている)
兄(知っているから、触るわけにはいかない)
妹の部屋「……」
兄(はぁ……行くか)
兄「……」コンコン
妹の部屋「……」シーン
兄「開けるぞ」ガチャッ
「きゃああああああああああ」
兄「……」
「ぁぁぁぁぁぁ……ハァハァ」
兄「見てないから、とっとと服を着ろ」
兄「そしてお前のパンツをとっとと俺の部屋から撤去してくれ」
妹「えー……もう全然引っ掛かってくれないんだ。つまんない」
兄「遊びでゆすられるこっちの身にもなれよ」
妹「ゆするなんて、怖いこと言わないでよ」
妹「ちょっと出掛けるのについて来て欲しいだけ」
兄「おごらせるだろうが。それに、それなら正直に言ってきたほうが可愛いげがある」
妹「むー……じゃあ、今度の日曜日ついてきて」
兄「日曜?あ、無理だ」
妹「え、なんで!?」
兄「いや、約束が……っておい、まだ下パンツだけじゃないか」
妹「なんで、なんで」
兄「だから約束があるんだよ」
妹「……誰と」
兄「友達」
妹「友達……?」
兄「うん」
妹「……そう」部屋に戻る
兄(なんかいつもよりも聞き分けがいいな……楽だけど)
兄(それにしても、いつまでこんな悪戯をしかけてくるのか……)
兄「……はぁ」
妹「お兄ちゃんさ」
兄「なんだよ」
妹「下着とか興味ないの?」
兄「ない。それにお前のじゃな」
妹「ふぅん」
妹「友達と約束、ね」
妹(嘘ばっか。ほんとにただ友達なら、誰か言う癖に)
妹(どうしてくれよう……)チラッ
装置「……」
妹「これ……使ってみようかな」
「起きて」
兄(……なんだろう)
「起きてよ」
兄(いい……臭いがする……)
「起きてってば」
兄(でも……昔、嗅いだことがあるような……これは)ウスボンヤリ
妹「朝だよ、お兄ちゃん」
兄(……妹?じゃあ、これ、こいつの、臭い……?)
兄(こんないい臭いだったっけ……?)
妹「もう八時だよ」
兄「!」ガバッ
妹「え?あ!」
ごっちーん!
兄「いっ」
妹「ったー!!いきなり起きないでよー!もう!」
兄「いつつつ……」チラッ
妹「あと残ってなってないかなぁ?」
兄(どんなに上向いたって、自分の凸は見えないだろ……それにしても)スンスン
兄(やっぱり、なんかいい臭いが……)
妹「ん?どしたの?」
兄「なんでもない。着替えるから、出てけよ」
妹「起こしたんだからお礼くらい言ってよねー、もう」
兄「……ふん」
兄(まだ、臭いが残ってる……)
兄(よし、着替えたし、トイレだけは済ましてくか)
トイレ「ガチャッ」
妹「あ」
兄「……」スッ
妹「?今顔背けたでしょ」
兄「そんなことない」
妹「ううん、見てたもん。なにさ」
兄「なんでもないって」
妹「さっきのことなら、私は悪くないからね」
兄「わかったよ。それより、いいからどけ」
妹「ふん、むしろ起こしてあげたんだから、感謝して欲しいくらいだわ」
兄「ああ、ありがと」
妹「むー……じゃ、私先行くから」
兄「ああ……」バタン
兄「……」
兄(やばい、臭いが充満してる……)スンスン
兄(くそ、妹のだぞ……)ムクッ
兄「!?」
兄(ああもう、なんなんだよ!)
なんでもいいけど臭い→匂いにしたら?
いい匂いなんだろうけど臭そうに感じる
>>15
それはどちらか悩みましたが、あえて臭いにしました
でもそちらがいいならそっちにします
妹「はぁはぁ……きいてるのかな?お兄ちゃん、変だったけど」
妹(一応きいてるのかも……そしたら次は)
博士『刷り込みがされたら、最初はスキンシップなんかで相手にたくさん嗅がせて、臭いを意識させるの』
妹「あはは、でも、あれはやりすぎたかな」
妹(朝からトイレでしちゃうなんてね……///)
妹「……よし、とりあえず学校いこ」
兄(結局遅刻かよ……)チラッ
女「……」フリフリ
兄「(おはよ)」
女「(遅刻なんて珍しいね)」
兄「(寝坊しちゃってさ)」
女「(なんだ、寝坊か。いけないんだぁ)」
先生「……」チラッ
兄、女「……」
女「(……日曜日は遅刻しないでよね)」
兄「(もちろん)」
兄「ただいまー」
しーん
兄(……妹の靴……ある)
兄(二日連続かよ)テクテクテク
兄「はぁ……」ガチャッ
パラッ
兄「え」
兄(顔に落ちてきたのって……)
パンツ「……」
兄(あいつ……俺がとらなくなったから、今度は扉を開けると落ちてくる小細工を……)
兄「はぁ、工夫するならもっと勉強とかでしろよ……」
兄「……」
兄(いかん、早く捨てなければ。部屋で下着姿で待機しているであろう妹が、服を着てこっちに来る前に)
兄「……」
兄「……」スンスン
兄(臭う……まさか脱ぎたてじゃないだろうな……)スンスン
兄(っていかんいかん!いけない!妹が今来たらやばいだろ!やばい、のに……)スンスン
兄(なんだこれ、すごい癖になる……)スンスン
兄「はぁはぁ……」スンスン
妹「お、お兄ちゃん?」
兄「」
妹「お兄ちゃんが……ついに変態に!」
兄「いや……これは……その……って、待てよ!そもそもお前が悪いんだろ!」
兄「このパンツが勝手に俺の顔に落ちてきただけだ!!」
妹「かいでたじゃん」
兄「かいでない!」
妹「昨日はパンツ、しかも妹のになんか興味ない、とか言ってたのに」
兄「い、今だってない!」
妹「ほんとにぃ?」
兄「当たり前だ!」
妹「ふぅん……じゃあ、日曜付き合ってくれたら、信じてあげようかなあ」
兄「またそれかよ。だから日曜は先約があるって言っただろ」
妹「ずらせばいいじゃん」
兄「無理」
妹「むー!じゃあいいよ!変態兄貴!」
兄「変態言うな!……ったく」
兄「……」
兄(……さっきは……やばかったな)
兄(くそっ!妹のパンツを嗅ぐなんて、ほんとに変態じゃないか!)
兄(俺はいったいどうしたんだ……)
妹「今のでも断るなんて……」
妹「やっぱり、彼女でもできたのかな……」
妹「……でも、さっきは確実に嗅いでたよね」
妹「じゃあ……」
妹「日曜日までに、私の臭いにはめちゃえばいいんだ」
兄(はぁ、やっぱりあいつの臭いが気になる……)
兄(それでまた、やたらと近くに来やがって……くそぅ、ムラムラする)
兄「……」ゴソゴソ
兄「はぁはぁ……」
ガチャッ
兄「」ビクッ
妹「お兄ちゃん?寝ちゃった?」
兄(あっぶねー!ベッドの中にいて良かった!)
妹「お兄ちゃん。ねーお兄ちゃん」ユサユサ
そういえば途中でID変わった?
>>31
一回繋がらなくなったので、繋ぎなおしました
兄「んー?」
兄(寝てたふり!寝てたふり!今布団から出るのは、まずい!)
妹「そっち詰めてね」
兄「え」
妹「えへへ」
兄「お、おま!何あがってきて」
妹「昔は一緒に寝てくれたよね」
兄「ど、どうしたんだよ」
兄(まずいまずいまずい)
妹「お兄ちゃん……」
兄「な、なん――うへ!?」ギュッ
兄(こいつ、抱きついて――俺を殺す気か!?)
兄(我慢しろ!我慢!抱きついて臭い嗅ぎまくりたいなんて!こいつにやるわけにはいかない!)
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