男「東方幻想来」 (11)

――――うっそうとした森の中
一人、駆けて行く男がいた。

「チクショウ!なんでこんなことになってたってんだっけェ!?」

彼は天上航、ごく普通の一般中学生だ

航「くっそ!家族旅行終えて今日が始業式だったってのにぃ!」

どうして、こんなことになったのだろうか?

俺は今までのことを、走りながら思い出していく

航「えーっと…たしか返ってきて、そのまま寝たんだっけか?
  して持ってる鞄には、予備に持って行った着替えがあって…と」
 「そんでポケットにはなぜかサンドウィッチが…これだ!」

何か思いつくと同時、茂みから少女が飛び出す
そう…こいつだ、この森の中で初めて会った少女
会うなりいきなり「あなたは食べてもいい人類?」と聞かれたんだ、そりゃ逃げるだろうよ

「いっただ…ぁぅぅ」

ギュルルルーとお腹を鳴らし、倒れこんだ
そしてい一言、

「お腹すいた~」

航「………」

「はぁ」とため息をつく

航「これ…喰うか?」

「食べたい」

航「…」

サンドウィッチを袋から取り出し、少女にちぎって与える

「おいし~」

航「…で?」

「?」

目の前の少女は可愛らしく小首をかしげている

航「まず、俺は天上航(あまうえわたる)お前は?」

「ルーミア」

航「さて、三つ質問だ、Q1、ここは何処だ」

ルーミア「幻想郷」

…なんてこった、そんな地名聞いたこともねェ

航「Q2、お前何者だ」

ルーミア「妖怪」

…なんてこった、この町の子供は妖怪ごっこが流行っているらしい、しかも過度の

航「Q3、なんで食べようとした?」

ルーミア「お腹すいたから」

…おいおい、この子の親どんな教育してんだ、ここはほんとに日本か?人同士の共食いなんて聞いたこともねェ

航「聞きたいことが増えた、Q4、お前の親は?」

ルーミア「いない」

航「ってことは一人?」

ルーミア「うん」

どんな生活してきたんだこいつ…親の顔も知らんのか?可哀想に

航「Q5、お前今いくつ?」

ルーミア「わかんない」

まぁ当然だろう、学校にも行って無いに違いない。4年生か5年生位か

航「よし、俺と来るか?」

ルーミア「へ?」

ここでこの子の親も見つけられるし、俺もこの森から出られる。まさに一石二鳥
いや、三鳥とれるかもしんない

ルーミア「うん、いくー」

航「そうか、よし…」

いこうぜ、と言おうとしたその瞬間、危なく死にかけるとこだった

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