春香「ウルトラマンプロデューサー?」 (81)

・第二期昭和ウルトラマンとアイドルマスターのクロスSSです。

>>1は内山まもる先生のウルトラマンが大好きです。

・765プロ限定でアニマス設定や、ゲーム設定を織り交ぜながらやっていく予定です。

・第二期ウルトラマンで誰が主役か決まっていませんので、最初だけ安価を取りたいと思います。
 一応、最終回後の設定にする予定ですが、タロウとレオは変身道具の関係で最終回以前の時代にするつもりです。

では、安価を取る前に、選択可能のウルトラマンと、選択した場合のアイマスとのストーリーを載せたいと思います。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364229746

�帰ってきたウルトラマン(新マン、帰マン、ジャック)
 人間時の姿:郷秀樹
 バット星人と二代目ゼットンを倒し、戦争を喰い止める為、ウルトラ5つの誓いを残し光の国へと帰還。
 戦いが終わり新たな任務を授かるが、その最中に巨大なブラックホールに吸い込まれアナザースペースへ……。
 一見平和そうな地球であったが、そこには侵略者の影が……。
 
 1.最終回で郷が残した【ウルトラ5つの誓い】が話のキーワードになります。
 2.帰ってきたウルトラマンで他のウルトラマンと共闘する場面が無かったため、兄弟は登場しません。
 (冒頭にセブンくらいは出すかもしれませんが、ゾフィーとマンは……Orz)
 3.ラスボスは未定です。

�ウルトラマンA(エース)
 人間時の姿:北斗星司
 ジャンボキングを倒し、子供達に別れを告げて去っていったが、その直後異次元の歪みに吸い込まれ気を失ってしまう。
 目を覚ました北斗が見たのは、自分がいた場所とは全く異なる地球であった。
 高木社長の提案で765のプロデューサーとなったが、何故自分はこの世界に飛ばされたのか?
 それはやはり、【奴】の仕業であった。

 1.話のキーワードはエース特有の【信じられない北斗】と【人々の心の闇】。
 2.他とは違い、貴音がヒロインポジションになります。
 3.黒幕はあいつです。
 4.ピンチの時に現れる強い兄貴が登場予定。

�ウルトラマンタロウ
 人間時の姿:東光太郎
 テンペラー星人との決戦後、いつものようにZATの任務でパトロールをしていたが、気が付くと別世界へ。
 突如として怪獣が現れ、状況も飲み込めないままタロウへと変身し勝利するがその姿を見てしまっていたアイドルが……。
 怪獣がいなかったはずのこの世界での異変に気づき、光太郎は暫くこの世界に留まり、原因を探る。

 1.タロウの単純明快の明るさを全面的に出していく予定。
 2.兄弟登場予定。


�ウルトラマンレオ
 人間時の姿:おおとりゲン
 MACが円盤生物シルバーブルーメに捕食され壊滅し、愛する人と仲間達を失いながらも孤独に戦い続けるレオ。
 ある日、夢にキングが現れ、別世界の危機を知る。
 キングから授かったウルトラマントの力で別世界へと跳び、レオの新たな戦いが始まる。

 1.【レオの孤独の戦い】【悲壮感】をテーマにする予定。
 2.ウルトラ兄弟の登場予定はないが、アストラ、キングは登場予定。

�ゾフィー
 強い兄貴だ、ゾフィー、ゾフィー。
 ウルトラ兄弟ナンバー1。
 1.内山まもる版のゾフィーとstory0のゾフィーが参考になります。
 2.完全におまけキャラです。そもそも、ゾフィーの活躍?は二期ウルトラマンからであるから間違いでないはず。

 特に書いてませんが、どのルートでも765のプロデューサーは確定です。


 それでは↓3で番号かウルトラマンの名前を

 2:15辺りからプロローグだけでもあげたいと思います。
 そんなに見る人がおらず、安価が取れてなかった場合は>>1が勝手に決めます。

正直若干引いたんだがそこまで考えているのなら自分でやりたいのを決めればいいじゃない
こういうのは周りとか気にせず自分の好きにやるのが一番よ

>>4
もっとな意見だと思います。
ですが、どれも設定はできており後は書くだけの状態だったのでどれが見たいのか知りたかったためこのような形にしました。
ウルトラマンが決まったので、あとはやりたいようにやっていきます。


安価の結果�ウルトラマンタロウに決定しました。
それぞれの意見ありがとうございました。

それでは暫くしたらプロローグの一部を上げたいと思います。

 テンペラー星人との決戦が終わり、地球は平和そのものであった。
 だが、ZATは次の怪獣・星人襲来に備え、パトロールだけは常時続けられていた。


光太郎「こちら東。Bの7地区異常はありません、平和そのものです」

 ヘルメットに付いた通信機を使って本部へと定時報告をする。
 辺りを見回せば無邪気に走り回る子供や、優雅に飛び回る小鳥達。
 数日前のテンペラー星人との決戦が嘘のように平和であった。

荒垣『そうか、だけど気を抜くなよ。いつ怪獣が現れるか解らないからな』

光太郎「はは、解ってますよ。怪しいものを見かけたらちゃんと連絡しますよ。……それじゃあ」

 通信を切ると、ついあくびが出てしまう。
 太陽が空を照らし、寒くも暑くもない天気——俗にいう絶好の昼寝日和である。

光太郎「でも、本当にいい天気だな。そう思うと、つい眠気が……」

 右腕で瞼を擦る。
 ZATの使命は人々の平和を守ること。少しの気の緩みが大きな失敗になってしまうこともあるが……。
 眠気には勝てないものである。

健一「あっ、光太郎さん!!」

光太郎「おっ、健一君!!」

 向かい側から走ってきたのは、光太郎の居候先の少年・白鳥健一である。
 光太郎の事を本当の兄のように慕っており、また、光太郎も本当の弟の様に接している。

健一「光太郎さん、パトロールの最中なんでしょ。そんなに眠たそうで大丈夫なの?」

光太郎「アハハ、大丈夫だって。それに街だって平和そのものだし、歩きでパトロールしてるくらいだよ。怪獣だってそう出て来やしないよ」

健一「はぁ〜、ZATの隊員がこれじゃあな〜。怪獣だって出てこないよ」

光太郎「あっ、言ったなぁ!!」

 そんな風に健一と暫く話をしていく。
 それに市民との触れ合いだって立派なZATの任務であり、ただサボっているわけではない。

健一「それじゃあ、光太郎さん。また後で、今日は早く帰れるんだよね?」

光太郎「うん、久しぶりにさおりさんの手料理が食べられるよ。楽しみだな」

健一「光太郎さんが楽しみにしてるから腕によりをかける様にって、姉ちゃんに伝えとくよ」

光太郎「おっ、ありがとう。健一君」

 大きく手を振りながら健一は光太郎と別れる。
 今から夕食が楽しみになってしまう。

光太郎「よぉ〜し、それじゃあ、パトロールを頑張って終わらせるか」

 再び気合を入れると、パトロールの続きをする。

 確かに、この地球は平和そのものである。
 だが、光太郎は気づいていなかった、自分を監視するかのように見つめる巨大な【影】を。
 【影】は邪悪なオーラを全体に纏っており、赤い瞳で光太郎を捉える。



—今から連れて行ってやる。お前を……私が、支配すべき世界へ—

—そこで決着をつけてやる……—

—受けてみるがいい……貴様らに倒された怪獣、宇宙人の恨みを、痛みを、苦しみを……—

—われらの復讐を……—



 【影】の体から発せられる漆黒のオーラが徐々に光太郎を包み込んでいく。
 少しずつ、空気に混ざるかのように光太郎の体を包み込んでいき、その微量な変化にはウルトラ戦士と言えども気づく事が出来ない。


光太郎「ん、何か可笑しいぞ……これは?」


 異変に気づいた時にはもう遅い。
 光太郎の姿はこの世界から消えていた。

取り敢えず今日はここまで。
続きは今日か明日に上げていきます

アイマスキャラもタロウも次に出したいと思います。

おつにゃん
期待しとくぜ

内山まもるは、大好きだったなあ

最近ウルトラマンスレが元気で非常によろしい

>>13
>>14
>>15
ありがとうございます。完結まで頑張っていきたいと思います。
内山まもるはいいですよね。新マン、A、タロウ、レオの復刻版を購入するほど大好きです。
なんといってもタロウのゾフィープッシュが最高です。

それでは投下

春香「はぁ〜あ、今日もレッスンか……。トップアイドル目指してアイドルになったけど、今のままで大丈夫なのかなぁ」

 765プロから新人アイドルとしてデビューしてから随分と経つが、レッスン以外の用事が全く入っていない状況が続いている。
 始めこそ小さな仕事が幾つもあったのだが、気付けばホワイトボードは真っ白。
 最後の頼みの資金営業も、最近発足された765プロ期待のユニット竜宮小町にばかり使われてしまっており、新人の春香には回ってこない。

春香「私って、アイドル向いてないのかな……いや、大丈夫だよね。弱気な気持ちが駄目だよね。よ〜し、天海春香、目覚め!! トップアイドル!!」

 思わず大声で叫んでしまい、人々の注目が集まる。

通行人A「なにかしら? あの子?」

通行人B「トップアイドル? アイドルなのかしら、可愛いわね」

通行人C「お嬢ちゃん、頑張りなよ」

春香「は、はい。あり、ありがとうございます」


 恥ずかしそうに顔を俯き取り敢えずお礼を返すと、一刻でも早くこの場所を去ろうと足早に歩きだす。
 顔を真っ赤にしながら、先程までの行動を思い返す。
 道の真ん中で独り言というのはかなり恥ずかしいのではないだろうか?

春香「ううぅ〜。速く事務所に戻ろう……って、うわっ!?」

 恥ずかしさで目を瞑っていた為か、それとも普段からのおっちょこちょいの性格からか、何もない場所で盛大に躓き、頭から地面へとダイブしていく。
 アイドルにとって顔は命……。
 もし顔を傷つけてしまったら、まだアイドルとして何も始まっていないのに、アイドル活動が幕を閉じてしまう。

春香(私のアイドル人生ってなんだったんだろう……)

 走馬灯のように今までアイドルとしての活動が——尤も振り返るほどはないのだが。

「おっと危ない!!」

 声が聞こえてきたかと思うと、ポッスと春香の体を受け止める。

「君、大丈夫かい?」

 声からしてどうやら男性が受け止めてくれたらしい。
 転ばなかったことはいいのだが、春香の心情はそれどころではなかった。

春香(う、ウワァァァァァァ!! ま、まさか、男の人に助けてもらうなんて、う、う、う、……恥ずかしい、絶対変な子だって思われたよ)

 恥ずかしさで顔を上げられない。
 もしこれが、自分ではなく同じ事務所の萩原雪歩とかだったなら、猛スピードで逃げていき、穴を掘って埋まっていただろう。

 兎に角、助けてくれたお礼だけでも言わなければ。
 胸に蹲っていた顔を上げる。

春香「あ、あのありがとうございました」

「別に大丈夫だよ。それよりも、いつまで抱き着いてるようだけど、足でも痛めの?」

春香「え? あぁぁぁぁ!?」

 ついつい忘れていたが、抱きついた体勢のままであった。
 青年に言われて気づき、咄嗟にはなれる。

春香「す、すみましぇん、わ、わたし、おっちょこちょいで、あの、あの」

 噛み噛みになりながらも必死に言おうとする。
 なんだか一生分の恥ずかしさを味わった様な気がする……。

「落ち着いて、俺は大丈夫だからさ」

 青年の方は言葉通り全然気にしていないようだが。
 チラッと青年の方を見ると、その奇妙な格好に気づく。

春香(え、何だろう、この赤とか青とかの服装。それにこの奇妙な形をしたヘルメット……ZAT? 何か書いてあるけど……腰にある銃とか、玩具……だよね?)

「ん、何か俺についてるのかな? あっ、そうそう、僕の名前は東光太郎。よろしく」

春香「え、あ、はい。天海春香です。本当にありがとうございました」

 もう一度お礼を言い、お辞儀をする。
 明らかに浮いている格好であるが、光太郎は気にする様子は見せない。
 彼の感覚では、ZATが制服を着て街を歩くのは普通の事だからである。

 だが、春香はZATなど知らない。
 いや、この世界の人は【ZAT】や【ウルトラマン】の事など知らないのである。

春香(何かの撮影かな? そういえば、スタイルもいいしモデルさんとかじゃないのかな。えぇ〜と、確か響ちゃんもそういうヒーローもの見てるって言ってたし)

 あまり特撮に詳しくない春香であるが、この格好からそういう系である事はわかる。
 ただし、このダサ——独特な制服はどうにもならなかったのであろうか?

光太郎「そういえば、ここって何処なんだろう? 確か河原沿いを歩いていたはずなんだけど」

春香「河原沿いですか? あぁ、そこで撮影があるんですね。でも、ここから河原って結構遠いですよ」

光太郎「撮影? いったい何の話を」

——ゴゴゴゴゴゴ
——ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


 言いかけた瞬間、突然地面が大きく揺れ始める。
 ただの揺れではない、徐々に揺れが大きくなっている。

春香「えっ、地震!?」

 街は突然の大地震にパニックに包まれる。
 鞄を捨て走り出す人や、何度も転びながらも逃げ回る人。

春香「うわっ、押さないでください、キャッ!!」

光太郎「春香ちゃん、危ない!!」

 人波に呑み込まれそうになる春香を抱きしめる様に支える。
 光太郎は気づいていないようであったが、春香の顔は真っ赤になっていた。

——ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 揺れはさらに強くなり地響きが起こる。

——ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

——ドガァァァァァァァァァァ

 ビルが崩れ、大地が避け、中から巨大な生物が現れる。

「う、うわぁぁぁぁぁ、化け物だぁぁぁぁぁ!!」

「ヒィィィィ、地球はどうなっちまったんだぁ!!」


 大地から現れたのは、トカゲを模したような茶色い生物——怪獣。


——ググウググゥ……ギャァァァァァァァ!!


 怪獣は大きな雄たけびを上げると、手始めと言わんばかりにビルを破壊する。
 そのビルは、以前一度だけオーディションを受けに行ったことがあるビルだ。破片がこの辺まで飛んでくる。

春香「キャアッ!?」

光太郎「春香ちゃん!?あれは、テレスドン。でも、テレスドンはウルトラマンが倒したはず……」

春香「テレス……ドン?」


 地底怪獣テレスドン。
 かつて、地球侵略を企む地底人が送り込んだ怪獣であるが、初代ウルトラマンの活躍により倒されたはずである。

——ギャアアアアアアアア!!


 街を破壊していくテレスドン。
 このままでは街が崩壊してしまう、それだけは避けなければならない。

光太郎「よぉし」

 腰に収められたZATガンを引き抜く。

春香「えぇ、光太郎さん。何を……?」

光太郎「俺がテレスドンを引き受けるから、その間に春香ちゃんは逃げるんだ」

春香「む、無理ですよ。だって、それ玩具じゃ」

光太郎「それじゃあ、行くぞ!!」

 春香をその場に残すと、テレスドンへと向かって走り出す。
 パニックになる人々を潜り抜けながらテレスドンへと向かい、ZATガンの引き金を引く。

春香「あれ……玩具じゃない……それじゃあ……」

 その光景を見た春香は、ZATガンが玩具ではないことに驚きを隠せなかった。
 何か嫌な予感がしてならない、迷いながらも春香は光太郎の後を追いかけた。

光太郎「ほらっ、テレスドン!! こっちだ、こっちに来るんだ!!」

 何度も引き金を引きテレスドンを挑発する。
 光太郎の挑発に乗ったテレスドンは、光太郎に向かって走ってくる。

光太郎「よぉ〜し、いいぞぉ!!」

 少しでも街からテレスドンを引き離す。
 走りながらも光太郎はZAT本部へと連絡を始める。

光太郎「こちら、東。テレスドンが現れました!! ZAT本部応答願います!!」

『ザ……ザザ……ザ……ザー……』

光太郎「こちら、東!! 駄目だ、応答が無い……」

 返ってくるのはノイズだけ。
 本部と繋がらない。

——グアァァァァアァァァァ

 口から溶岩熱線が吐き出される。
 光太郎のあたり一面が高温によりと熱される。道路は解け、木々は消滅していく。

光太郎「うぅ……このぉぉぉ!! よし、これならどうだ!!」

 ZATガンだけではテレスドンの強靭な皮膚を破壊することはできない。
 ビルが破壊されて飛んできた鉄パイプを、テレスドンの右目に向かって投げつける。

——グ、ギャアアアアァァァ

 思惑通り右目に直撃し、悲鳴を上げる。
 武器だけには頼らない、いざという時は肉弾戦をもするのがZATの醍醐味である。


——ギャアアアアアアアアアアアアア!!

 怒りに身を震わせながら尻尾を振り回す。
 左程長くはない尻尾であり、光太郎にまでは届かないが瓦礫を飛ばすには十分である。

 瓦礫が光太郎に迫る。

—ピカァン


 刹那、左腕に装着されたバッジが光り輝く。
 ウルトラの母により授かったウルトラバッジが、光太郎の勇気という名の光に反応したのだ。

 その時、強大な光——ウルトラの命が誕生する。


光太郎「よぉーし……」


 ウルトラバッジを腕から外し、頭上高くに翳す。


光太郎「タロォォォォォォォォォォウ!!」


 叫びと同時に光太郎の体が眩い光に包まれる。

 瞬間、テレスドンを空中から巨大な赤い影が蹴りつける。

「フゥン!!」

 大地を揺らし、地面に着地する。

 ウルトラの父とウルトラの母の実の子の証であるウルトラホーンを持つ、ウルトラ兄弟6番目の戦士。
 東光太郎の真の姿——ウルトラマンタロウがこの世界に降臨した瞬間であった。


「嘘……光太郎さんが……巨人に?」

 その一部始終を見ていたものがいた。

 そして、物語は動き出す。
 彼女達の世界も動き出そうとしていた。

取り敢えずここまでです。

怪獣はなるべくわかりやすいのを選んでいきたいと思います。
あまりにもマイナーなのは出さない予定です。

ウルトラマンを知らない、存在しない世界はどこか平成的だね
多少マイナーでも画像とかあればわかりやすいかも

>>29
昭和ウルトラマンのような展開をしていた方には申し訳ありません。
このSSでは昭和ウルトラマンが平成ウルトラマンのような展開になると思います。

さすがにすべて昭和展開にしてしまっては、物語が成り立ちませんので。
ただし昭和らしさも入れていくように努力します。

画像の方は……検討しておきます。

それでは投下

 ウルトラマンタロウとテレスドンが対峙する。

テレスドン『ギャアアァァァ!!』

 大地を揺らしタロウへと迫ってくるテレスドンであるが、タロウは大地を蹴って高く跳び上がる。
 体操の選手の様に空中で何度も体を捻らせる。

タロウ「トアァ!!」

 一回、二回、三回と体をスピンさせ、急降下キック——スワローキックをその頭部に落とす。
 頭部への強烈な衝撃によりテレスドンは脳震盪を起こし、仰向けに倒れる。

 逃がすものかと言わんばかりに、タロウはテレスドンに圧し掛かりその腹部にパンチのラッシュを浴びせる。
 いくらミサイルをも弾き返す強靭な肉体を持つテレスドンと言えども、原子爆弾と同じ威力を持つパンチを何度も浴びてしまっては一溜りもない。

テレスドン『ギャアァァァァ!!』

 体を大きく揺さぶってタロウを無理やり引き離す。

 同時に起き上がると、互いに戦闘体制をとりながら一定の距離を保つ。

 再び先に動いたのはテレスドンだった。
 やられっ放しだったのが頭に来たのだろうか、口から溶岩熱線を吐きタロウを丸焼きにしようとするが、背後へとバク天をし難無く回避する。

 溶岩熱線が止まると、タロウはテレスドンへと走る。
 テレスドンも同じように走りだし、互いに相手の腕を自分の腕で掴んで抑えを込み、単純な力同士の押し合いとなる。

タロウ「フゥゥン!! テヤァァ!!」

テレスドン『ギ……』

 ウルトラ兄弟でAに次ぐ力の持ち主であるタロウに、テレスドンが力で勝てるはずがなく背後へ押され、腹部へとタロウの丸太の様に強靭な足による蹴りが入る。
 よろけるテレスドンへと、ウルトラホーンまで戻した両腕をテレスドンへと突きだし、アロー光線を浴びせる。

テレスドン『ギギヤヤヤヤヤヤヤ!!』」

 もはや悲鳴を上げる事しかできないテレスドン。
 悪足掻きのように、口から溶岩熱線を吐き続けるが、タロウは構わずに右腕を天に掲げる。

タロウ「ストリウム光線」

 一瞬タロウの体が虹色に輝くと、握り拳にした左腕に右腕を重ねる。
 T字型にした両腕から強力な光波熱線が発射される。
 幾多の怪獣を葬ってきたタロウの必殺技——ストリウム光線がテレスドンに炸裂した。

テレスドン『ギ、ギ……』

 断末魔の叫びを上げることなく爆発し、木端微塵となる。

 地底怪獣テレスドンに、タロウが圧倒的な戦力差で勝利したのだった。

 その光景を地上から見ていた春香はただ驚くことしかできなかった。

春香「凄い……あの赤い巨人……」

 それが素直な感想であった。

 東光太郎が【なった】であろう赤い巨人——ウルトラマンタロウは、まったく怯むことなく怪獣に向かっていき、見事勝利を収めた。

 けれども、あの赤い巨人は何者なのであろうか?
 怪獣と同じように新たな脅威かもしれないにもかかわらず、不思議とそんな感覚が湧いてこない。
 寧ろ、太陽のような温かさが感じられる。

春香「もしかして、私達の味方……?」

 そうとしか感じる事が出来ない。
 もし、見間違いではなく、本当に東光太郎があの赤い巨人ならば間違いと思う。

 刹那、空が暗黒に包まれた。

 黒雲から現れる巨大な黒い影。
 禍々しいオーラを全身に纏っており、シルエットのような感じでしかその姿を確認する事が出来ない。

 それは赤い巨人も同じであった。

春香「あの影……赤い巨人に似てる……」

 微かにしか見えないが、テレスドンとは違い人型であり、頭部に角の様な物が確認できる。
 腕になどには赤い巨人にはない刃の様な物も見えるが……どことなく似ている。

春香「何だろう? 何か……話してる?」

 両者は互いに睨み合いながら固まっており、春香には聞こえないが会話しているように見える。

 すると、【影】が赤い巨人に向かって紫色の光線を放つ。
 先程の赤い巨人の光線が【光】とするならば、この光線は相反する【闇】のように感じられる。

春香「キャアッ!!」

 赤い巨人の体に光線が直撃し、背中から地面に倒れる。
 その光景に思わず悲鳴を上げてしまう。


——ピコン、ピコン……


 突如赤い巨人の胸の高級が青から赤へと点滅を始める。
 何故だか解らないが、それが赤い巨人の危険信号であるかのように聞こえてくる。

 空を見上げれば、【影】は更なる一撃を浴びせるべく紫色の光線の準備をしていた。
 赤い巨人はそれに気づいていない。

春香「ダメ!!逃げて!!もう一発くる!!」

 叫んだ。
 喉が潰れてしまいそうなほど大声で。

「フゥン!!」

 赤い巨人はその声に反応して立ち上がる。
 だが、逃げはしない。
 その光線を向かえ撃つ気でいた。

 【影】から再び交戦が発射される、赤い巨人は腕をクロスにする。

「ディア!!」

 X型にした両腕から光線が発射され、【影】の放った光線とぶつかる。

 二つの相反するエネルギーがぶつかったためか、爆発したかのように辺りは光に包まれる。


春香「キャアアア……ァァァァァァァ……ァァ……」


 春香の視界は真っ白になり、それと同時に意識を失った。

取り敢えずここまでです。
次回でプロローグ部分終わると思います。

今回で分かった人もいると思いますが、黒幕は【あいつ】の予定です。
そもそも、タロウ辺はあれを見た瞬間にティンときましたから。

おつおつ
なるほどな、だいたいわかった

平成風なのもこれから絆を深めるんだなぁってワクワクしてくるし楽しみ

エースだったら、南夕子と貴音が知り合いだったりしたんだろうか……

おぉ、3つも感想が来てる。
文章にする時に何よりも励みになるのが、このような感想です。
ありがとう。

>>38
平成風なのは言う通り絆を深めるのが理由です。
昭和風にすると、一瞬で打ち解けてしまうので。

>>40
エース編だったら、最初に書いた鳥貴音がヒロインとなり、タロウ編でヒロインの春香が準ヒロインに降格します。
貴音を月星人にするかは……。
いつか要望があれば、ダイジェストで書いてみたいと思います。

それでは、投下する前に>>36で誤字があったので最初に修正版を投下します。

>>36の修正版
胸の高級×→胸の光球○


春香「何だろう? 何か……話してる?」

 両者は互いに睨み合いながら固まっており、春香には聞こえないが会話しているように見える。

 すると、【影】が赤い巨人に向かって紫色の光線を放つ。
 先程の赤い巨人の光線が【光】とするならば、この光線は相反する【闇】のように感じられる。

春香「キャアッ!!」

 赤い巨人の体に光線が直撃し、背中から地面に倒れる。
 その光景に思わず悲鳴を上げてしまう。


——ピコン、ピコン……


 突如赤い巨人の胸の光球が青から赤へと点滅を始める。
 何故だか解らないが、それが赤い巨人の危険信号であるかのように聞こえてくる。

 空を見上げれば、【影】は更なる一撃を浴びせるべく紫色の光線の準備をしていた。
 赤い巨人はそれに気づいていない。

春香「ダメ!!逃げて!!もう一発くる!!」

 叫んだ。
 喉が潰れてしまいそうなほど大声で。

「フゥン!!」

 赤い巨人はその声に反応して立ち上がる。
 だが、逃げはしない。
 その光線を向かえ撃つ気でいた。

 【影】から再び交戦が発射される、赤い巨人は腕をクロスにする。

「ディア!!」

 X型にした両腕から光線が発射され、【影】の放った光線とぶつかる。

 二つの相反するエネルギーがぶつかったためか、爆発したかのように辺りは光に包まれる。


春香「キャアアア……ァァァァァァァ……ァァ……」


 春香の視界は真っ白になり、それと同時に意識を失った。

ここからは新規投稿となります

 数日後
 765プロ事務所

春香「はぁ〜……」

 ソファーに腰を下ろした春香は大きく溜息を吐いた。
 今日もこれといった仕事はない、スコアボードは相変わらず真白である。

 溜息の理由はそれだけではないのだが。

真美「おやおや、はるるん。溜息なんてしちゃって、何かお悩み事かな〜?」

亜美「もしかして恋のお悩み事か〜? ほれほれ、誰に恋したのかはいちゃいなよ→」

春香「しょ、しょんなんじゃないよ」

真美・亜美(あっ、噛んだ)

 噛み噛みになりながらも首を左右に何度も振って否定をする。
 恋のお悩みと聞いて真っ先に浮かんだのは、赤い巨人となって怪獣と戦っていた東光太郎の顔である。

 しかし、あれ以降東光太郎とは会っていない。
 ——そもそも。

真美「ていうかさー、はるるん、この前からおかしいよねー。びんけつで倒れた時からさー」

亜美「そうそーう。実際何があったのよー? 千早姉ちゃんは、はるるんは疲れてるからそっとしておきなさいって、言ってたけどさー。よく分かんないYO」

律子「ちょっと、それを言うなら【貧血】でしょ。ほら、そろそろ社長が大切な話を伝えに来るんだから、静かに待ってなさい」

真美「ぶーぶー、りっちゃんのけちー」

亜美「そうだよ、私達ははるるんの事を心配してるのに」

 詰め寄る双子を律子が引き離す。

律子「……大丈夫よ、春香。皆、貴女の味方だから」

 律子の春香を見る瞳は、まるで可哀想な人を見るかのような生暖かいものだった。

春香「はは……は……」

 苦笑いで答える事しかできない。
 律子がああなってしまったのは、赤い巨人と【影】との光線がぶつかり合い、春香が気を失った後の出来事が原因であった。

 周囲が文字通り【白】に包まれ、春香は意識を失った。
 次に目覚めた時には、知らない天井が広がる——病院のベッドの上だった。

千早「よかった、……春香、目が覚めたのね」

 親友である千早が嬉しそうに春香へと駆け寄る。

 どうやら、春香の両親は娘が病院に搬送された連絡を受け急いでこちらへと向かっているらしいが、到着まで時間がかかるらしい。
 事務所にも春香の両親から連絡があったようで、たまたま事務所にいた千早が心配して病院へと来たとのことだった。

 千早からそのような説明を受けている間、起きたばかりでボーっとしていた春香の頭が目を覚ます。
 そして、叫ぶように聞いた。

春香「千早ちゃん、街はどうなったの!? それに、あの赤い巨人は!! はっ、も、もしかして、巨人が影に負けて、街が破壊されちゃったんじゃ!!」

千早「は、春香、い、いったいなにを」

春香「ねぇ、千早ちゃん、教えて!! 街は!! 皆はどうなったの!! ねぇ、千早ちゃん!!」

 千早の肩を掴みブンブンと揺らしながら、涙目で訴えかける。

千早「は、春香。落ち着いて聞いて、取り敢えず深呼吸でもして」

春香「う、うん。ごめん、そうだよね、千早ちゃんだって急にあんなことがあったんじゃね……」

 言われた通り深呼吸をする。

 何故だか解らないが、この時、千早は顔を伏せていた。その顔は不思議と赤くなっている……。
 気にはなったが、今は赤い巨人がどうなったのか聞くのが優先である。

千早「春香……街は」

 スッと指を春香の隣にある窓へと向ける。
 示された通り、春香は隣を振り向き窓を除いた。

 この先に破壊された町が広がっていると思うと……。
 いや、逃げちゃダメだ、天海春香、今こそ腹を括るのだ。


千早「平和そのものよ」

春香「……えっ?」

 窓から見える景色は、千早の言う通りいつもと変わらない平和そのものである。
 壊されたビルは一つも無く、大地は地割れを起こしてなどいない。
 通行人や車で賑わっているいつも通りの光景であった。


春香「嘘……だって……」


 怪獣——テレスドンによって破壊された【はず】のビルがここから見える。
 ビルは破壊され跡などはなく、何事も無いように聳え立っている。

春香「そんな……」

 言葉が出ない。
 確かにあの時、崩れていくのをこの目で見たはずである。

 固まってしまった春香へと千早は、優しく——まるで春の暖かさにやられてしまった人へと話しかける様に語りかける。

千早「ゆ、夢で何があったのか分からないけど、春香、貴女は疲れてるのよ。貴女は貧血でこの病衣に運び込まれたのよ」

 やっと春香も千早が顔を真っ赤にしている理由に気づく。

 春香たちがいる部屋は個室ではない、気づけば病室中の視線が春香たちに集まっていた。
 先程から千早は恥ずかしさを耐えていたのだ。

千早「それじゃあ、私は帰るから。春香、貴女はしっかりと休んでなさい。大丈夫、解ってる。社長達に私から伝えておくから」

春香「待って、千早ちゃん!! 何一つ解ってないから!! ねぇ、千早ちゃんてばっ!!」

 足早に逃げるように病室から去っていく。


 ——春香がどうやら凄い疲れているようです。
 この後、社長や律子にそう伝えたようで、それから3人が春香に対して優しく接するようになった。

 春香(あの後、テレビやインターネットでも赤い巨人や怪獣について調べてみたんだけど、目撃情報は一つもなかったんだよね……やっぱり、私の夢?)

 しかし、夢にしてはかなりリアルだった様な気がする。
 それに、夢なのにここまで明確に【東光太郎】という名前を憶えているだろうか?

春香「何だったんだろう? う〜ん、でもな〜」

 退院した後、妙に優しかった社長に休暇を貰い、休みの間ずっと考えたが答えは出なかった。
 やはり、夢オチと考えるのが一番なんだろうか?


千早「また春香が何か悩んでるみたい。赤い巨人とか、怪獣とか、最近そんな事ばかり呟いてて……わたしあの子が心配で」

律子「う〜ん。私も竜宮につきっきりで春香の事見てあげられなかったから……。また休みを与えた方がいいかしら」

 少し離れた場所での会話を春香が知る由はなかった。

——ガチャ バタン

 事務所の扉が開き、中から765プロの経営者である高木順二郎が入ってくる。

社長「いや〜、皆お待たせ」

伊織「お待たせじゃないわよ!! 大事な話があるっていうからこんな朝早くから集まったのに、肝心の社長が遅れてどうするのよ!!」

 昨日、明日は重大な発表があるから遅れないように、と社長からの連絡があった。
 その為、事務所には事務員である小鳥を含めた全員が集まっている。

社長「いやいや、すまない。少し話が長引いてしまってね」

律子「それで、重大な話ってなんなんですか? 私も小鳥さんも何も聞かされてませんけど……」

真美「まさか、事務所がけーえー困難でとーさんしたとかー!!」

亜美「そんな、亜美たちはともかく、彼氏もないのに職も無くなっちゃうピヨちゃんがろあたまに迷っちゃうよー!!」

小鳥「ピヨっ!?」

律子「ちょっと、それを言うなら【路頭】でしょ。何処をどうしたらそんな間違えすんのよ。……ってほら、あなた達が余計な事を言うから事務所がパニックになってるじゃない!!」

 何気ない冗談で言ったつもりなのだが、雪歩は今にも泣きそうになっており、響や真はどうしよー、どうしよーと事務所を走り回りながら騒いでいたり、伊織や貴音は社長に詰め寄っていたり、と随分と大変なことになっている。
 唯一、この状況でも動じていない——というよりもマイペースなのが、ソファーで寝ている美希と、「あらあら〜」としか言っていないあずさである。

社長「諸君落ち着きたまえ、秋月君がプロデュースする竜宮小町の活躍もあって、765プロは潰れたりはしないよ。もっとも、今後は君達アイドルの頑張り次第だがね」

貴音「では、わたくし達へと伝えたい事とはなんなのでしょうか? 表情を見る限りは良き報告のように思われますが」

社長「うむ、よく聞いてくれた。実をいうと、本日より新しいプロデューサーがこの事務所で働くことになったんだ」

律子「あぁ、なるほど……。そんな事でしたか……」

真「な〜ンだ、新しいプロデューサーが来るのか……」


全員「って、えぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 さり気無く言われた衝撃発言に、事務所にいた全員が驚きで叫んだ。

社長「一目見てティンときたよ。彼なら、絶対に君達をトップアイドルに導けるとね」

雪歩「うぅ……彼って事は男の人なんですよね……わたし、男の人は……」

やよい「うっうー。765プロに新しい仲間が来るんですねー。早く会ってみたいです」

響「自分も早く見てみたいぞ。一体何処にいるんだー」

あずさ「あらあら、どんな人なのかしら?」


 新しいプロデューサーへの期待がどんどん高まっていく。
 社長はその様子を満足そうに眺め、事務所の外に待機している人物へと目を向ける。

社長「よし、それでは入ってきてもらうとしよう。おーい、入って来たまえー!!」

——ガチャ

 扉が開き、今日から765プロで一緒に働く仲間である【彼】が入ってくる。

春香「え!?」

 着慣れていないスーツを纏った【彼】は、恥ずかしそうに社長の隣へと歩いていく。
 【彼】は元気よく笑顔で、アイドル達に挨拶をする。


「今日からお世話になる、東光太郎です。よろしく」


春香「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 彼——東光太郎を見て、春香は今日一番の声を上げた。


 余談だが、この後、やはり千早と律子に凄く心配された春香であった。

取り敢えずここまでです。

次回はアニマスの3話を参考にした話を書きたいと思います。
ただし怪獣は出ます。

では次回。

すみません、日付が変わるころバイトが終り帰ってきてからも色々と頑張っていたのですが、もう限界です。
今日は少しだけで勘弁してください。

それでは投下
春香視点となります。

 ——春香視点。

 今日で光太郎さんが私達のプロデューサーになってから一週間になります。
 初めはすごく驚いちゃいました。
だって夢で出会った人かと思ったら普通に会えちゃうんですから。

 光太郎さんも私の事は覚えてくれていたようで、自己紹介の時に笑いながら

光太郎「へぇ、春香ちゃん、アイドルだったんだ。道理で可愛いと思ったよ」

 って言ってくれました。
 う〜、皆の前でそう言われてすごく恥ずかしかったです。

 そうそう、光太郎さんに赤い巨人の事とかを聞こうとしたんですけど、怪獣の話をした途端、明らかに話題を切り替えてきて聞けないんでいるんですよね。
 怪獣の話も聞けないのに、赤い巨人に変身しましたよね? なーんて聞けるはずもなく、まだ何も聞きだせていません。
 
 う〜ん、明らかに怪しいけど、やっぱり私の夢だったのかな?
 でもな〜。


 ——ガチャ


 あっ、真君と雪歩ちゃんが来たみたいです。
 私は2人に挨拶をすると、2人とも元気良く返してくれました。
 やっぱり挨拶って大切だよね、なんか元気がもらえるって感じで。


真「春香は聞いた? 今日の仕事の内容!!」

 嬉しそうに私に詰め寄ってくる。

春香「うん、聞いたよ。私達3人でのライブだよね。この前まで仕事が全然なかったのに、光太郎さんってすごいよね」

 そうです、今日はこの3人でライブがあるんです。
 っていっても、首都じゃなくて地方でのライブなんですけどね。

真「そうそう、普段は全然仕事できなくって律子に怒られてばっかだけど、なんていうのかな〜、仕事を取ってくる時は凄いよね。一体どうやってるのかな?」

雪歩「私は、律子さんに会社に乗り込んでお偉いさんと交渉してるって聞きましたけど……。あの、私はまだ男の人は苦手ですけど、凄く頑張ってると思います」

 この前まで真っ白だったスコアボードには沢山の予定が書きこまれています。

 事務仕事なんかは毎日のように律子さんに怒られてる光太郎さんですけど、ボディーランゲージって言うのかな?
 直接会って交渉すると絶対に仕事を取ってくるんです。
 光太郎さんの人の好さがあってからこそできる芸当だと思います。

 ただ、それも律子さんに事務所のイメージが悪くなるから、と怒られていましたけど……。


 ——ガチャ


 あっ、どうやら光太郎さんが来たようです。
 今日はライブ会場まで光太郎さんが送ってくれるんです。

 よ〜し、光太郎さんの正体は一回置いといて。
 今日のライブ頑張るぞー!!

 天海春香〜、ファイトー!!

ウルトラマンタロウ×THE IDOLM@STER

水牛怪獣オクスター
登場 

ここからは、いつも道理の書き方となります。


 事務所を出てから数時間。
 光太郎が運転していた車は自然豊かな——悪く言えばド田舎の村に到着する。

 車から降りると、光太郎は大きく深呼吸をして体を伸ばす。

光太郎「よ〜し、着いた。う〜ん、空気が美味しいな。なぁ、皆!!」

真「空気はおいしいですけど、……本当に自然豊かで広々とした場所ですね」

春香「校庭にある、よくお祭りとかで見るようなステージでライブするんですね」

 移動中に今日のライブが、村祭りの出し物の一つである事が伝えられた。
 不満が無いと言えば嘘になるが……光太郎の嬉しそうな顔を見ると不思議とまぁいいかと思えてくる。
 恐らく、どんな失敗しても不思議と他者がそれを許してしまうような点が光太郎の魅力の一つなのだろう。

光太郎「よし、それじゃあまずは荷物を降ろさないと」

真「あっ、僕も手伝いますよ」

 車から降りると今日のライブに必要な大道具を光太郎と真は降ろしていく。
 流石に2人のように大道具を降ろせない春香と雪歩は、ステージ衣装などの小さな道具をトランクから降ろそうとする。

 雪歩がステージ衣装の入ったカバンを持ち上げようとすると、その肩に大きな手が置かれる。
 恐る恐る、雪歩はその手の主を見てみる。

筋肉男A「すみません、アイドル達にこんなことさせちゃって」

筋肉男B「俺達も手伝いますよ」

光太郎「ありがとうございます。それじゃあこれをお願いできますか?」

筋肉男C「ハハ、任せてくださいよ。力仕事は俺達の仕事ですから。皆さんは控室、と言っても教室なんですけど、そこで夜のステージに備えて休んでいてください」

 春香達の体が小さく見えてしまうほどの筋肉を持つ男達は、真をどかすとトランクに積んでいた機材を軽々と降ろしていく。

真「う〜ん、これじゃあ、僕たち必要ないね。言われた通り休んで……って雪歩?」

 不意に隣を見ると、雪歩は何かブツブツと呟きながら小刻みに震えていた。
 顔を覗き込んでみると、その顔は真っ青で今にも泣きそうになっていた。

雪歩「男の人は……男の人だけは……」

真「ちょっと雪歩、落ち着いて。ねっ」

雪歩「男の人だけは駄目なんですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 そう言い残すと、いつもの姿からは想像できないようなスピードで走り去っていく。
 慌てて春香と真は止めようとする。

春香「ちょっと駄目だって、雪歩ちゃん!! ってうわっ!?」

真「うわっ、春香、掴まないで!!」

 ——ズッテン

 いつものように春香が滑って転び、それに真も巻き込まれる。
 転びながらも見つめた先では雪歩の姿がどんどん小さくなっていく。

真「……」

春香「のワの」

真「春香ぁ!!」

春香「……ごめん」

 ただ謝る事しかできなかった。

 校舎を抜けて、無我夢中に走り続けていると大きなへと辿り着いた。
 そこで正気に戻った雪歩だが、今度は大声で大声で逃げてしまった自分を思いだし、無性に恥ずかしくなると同時に、こんな自分の性格が嫌になる。

雪歩「大事な仕事なのにほったらかしにして逃げちゃう私なんて……私なんて穴を掘って埋まってた方がいいんですぅ……」

 何処から持ち出したか解らない、小さなスコップで一心不乱に土を掘っていく。

 最近やっと、男のプロデューサーである東光太郎に馴れた——といっても本当に話せるようになった程度であるが、基本的に男性は苦手である。
 それなのに、急に何人もの男が現れて……あぁ、考えただけでも駄目である。

 それでは駄目な事は解っているのだが。
 どうにも克服できない。
 男性が怖い。
 そして、そんな自分が嫌いだった。

雪歩「真ちゃんや、春香ちゃんに迷惑かけちゃうこんなダメダメな私なんか、私なんか」

——カツンッ

 穴を掘り進めているとスコップが何か硬いものにぶつかる。

雪歩「ほえ?何でしょうか?」

 何にぶつかったのか?
 少し興味が湧いてきて、ゆっくりと慎重に掘り進めてみる。

 徐々に姿を現すのは白くて硬いもの……。
 それは——。


雪歩「ひぃ!? きゃあああああああああああああ!!」

すみません、ここまでで許してください。
本当はタロウ登場まで書きたかったのですが限界です。

そういえば、列伝のOP映像が変わりましたね。
ゾフィー好きの私として、やたらゾフィー兄さんがプッシュされているなと思ったら、タロウと緑色のあいつが戦っている場面が!?
完全に、来月はあの話がやりますね。
まぁ、3話は長いので総編集だと思いますけどね。

それではまた次回。

おつー
春香が「ちゃん」って呼ぶのは千早と響だけなのぜ

バイト終了。帰ってきたら2時……。
閉店作業がすごくつらいです。明日も朝早いので、少しだけの投下にします。
話は進みませんがお許しください。

>>60
やってしまいました。
修正版を上げるのもあれ何で春香が雪歩を呼ぶ場面は脳内修正でお願いします。
わざわざ忠告ありがとうございます。

どなたでもいいので修正点があればこれからもよろしくお願いします。

光太郎「雪歩ちゃーん!! おーい、雪歩ちゃん!!」

真「雪歩ー!! 確かにこっちに来たと思うんだけどな。あの時捕まえてればこんなことにならなかったのに」

 後ろを歩く春香をチラッと見る。

春香「うぅ、本当にごめん」

 機材の配置を男達に任せ、3人はいなくなった雪歩を探していた。
 名前を呼び続けるが、一向に雪歩の声が返ってこない。

光太郎「駄目だ、見つからない」

春香「もしかして、こっちじゃないとか?」

真「でも、足跡はこの直前で消えてるし」


——キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


 頭を抱えて考えていると、林の奥から女性の叫び声が聞こえてくる。

真「今の雪歩の声……!? もしかして何か遭ったんじゃ!? 雪歩!!」


 まず一番最初に動いたのは真だった。
 普段から雪歩と仲の良い真は、叫び声を聞くとその方向へと一心不乱に駆け出した。

春香「光太郎さん、私達も追いかけましょう」

光太郎「よぉし、解った」

 さきに行った真を追いかけるように、2人も走り出した。

真「雪歩ー!!」

雪歩「ま、真ちゃん。き、来てくれたんだ」

 一心不乱に走り大きな沼へと辿り着く。
 そこでやっと、涙目でへたり込んでいる雪歩を発見する。

真「どうしたの、一体何が?」

 問いただすと雪歩は、ある一点——先程まで掘っていた穴を指さす。
 不思議に思いながら、真はその穴へ近づき、そーっと覗き込む。
 そして、その中を見た瞬間、雪歩と同じように涙目になりながら後ろへと後ずさる。

真「あ、あ、あ、あれって……」

雪歩「真ちゃん、ど、どうしよう?」

 がくがくと震える真へと抱きつく。
 そこへ丁度、光太郎と春香が辿り着く。

光太郎「ふぅ〜、やっと見つけた」

春香「待ってくださいよ、光太郎さん。ってあれ、2人ともどうしたの?」

 真は雪歩がした様に穴を指さし、あれ、と震えた声でつぶやく。
 2人は穴を覗き込み、春香はそれを見ると驚きで顔を引き攣らせた。

春香「こ、これって骨ですよ、骨!? 光太郎さん!!」

 穴の中にあった物は、風化もしていない綺麗な状態の——【頭骨】だった。
 これを見た雪歩が叫び、真は震えが止まらくなったのだ。

真「ぷ、プロデューサー!! は、速く警察にれ、連絡しないと、死体を見つけた僕達も殺されちゃいますよー」

雪歩「ひ、ひぃ、殺されたくないです」

春香「こ、光太郎さん、何してるんですか!! 早く電話を」

光太郎「ちょっと待って、これって」

 穴の中に手を伸ばして頭骨を持ち上げる。
 その光景に3人が悲鳴を上げたのは言うまでもない。

光太郎「皆、これをちゃんと見てみなよ」

真「う、うわ、うわ。そんなもの見せないでくださいよ—!!」

 恐ろしさのあまり雪歩は真へとしがみつく。
 だが、光太郎は頭骨を持ちながら可笑しそうに笑っていた。

光太郎「違うよ、これ牛の骨だよ。ほら、人の頭の形とは全然違うだろ」

春香「う、牛の……」

真「骨……」

雪歩「なんですか……?」

 ゆっくりと近づいて、光太郎が掴んでいるそれを確認してみる。
 土の中から骨が出てきたという事でパニックになっていたが、よく確認してみると全然人の頭とは全然違う。
 それが分かると、ホッと胸を撫で下ろす。

春香「なぁんだ、牛の骨だったのか」

雪歩「ごめんね、私のせいで」

光太郎「全然大丈夫だよ、逆になんともなくてよかったよ」

 骨を片手で持ち、雪歩の頭を撫でようと腕を伸ばす。
 しかし、雪歩は「ヒぃ」と小さな悲鳴を上げて数歩後ずさる。

真「プロデューサー、雪歩を怖がらせちゃダメですよ」

光太郎「いや、そんなつもりは」

雪歩「す、すみません。ただ、やっぱりまだ、男の人は苦手で……」

 どうやら、まだまだ雪歩と打ち解けるには時間がかかるのかもしれない。
 何処か残念そうに、光太郎は腕を引き下げる。

春香「光太郎さん、そろそろ戻りませんか? なんかこの沼気味が悪いですし」

光太郎「あ、うん。そうしようか。えぇと、骨は穴の中に戻して」

 骨を穴の中に戻すと、上から土を被せて埋め直す。

光太郎「さぁて、それじゃあ行くとしようか」

春香「はい、光太郎さん」

 沼を立ち去ろうとする一同。


 誰も、光太郎でさえ気付かなかったが、先程の牛の骨に気になる点がある。
 何故、あの骨は土の中に埋まっていたにも関わらず、あんな綺麗な状態で残っていたのか?
 普通ならあり得ない。

 まるで、誰かがあえて【そいつ】を怒らせる為に埋めたかのようである。

 【そいつ】は、沼の奥で骨が荒らされたことに怒りを感じていた。
 【そいつ】は、沼から獲物の気配を探り、ゆっくりとその巨体を動かした。

 【そいつ】は、決して骨を荒らした人物を許しはしない。

疲労しきった深夜のテンションで書いたため、文章がかなりおかしいと思います。
毎回こんな感じですが、完成を目指していきますのでよろしくお願いします。

真「あれ、また沼に戻ってきた」

春香「えぇ!? 沼とは逆方向に向かったはずだよね!? 何で、またここに戻ってきてるの?」

 校舎へと戻ろうと来た道を戻っていたはずだが、何故かまた沼に戻ってしまった。
 帰ろうとして沼に戻ってきてしまったのはこれで2度目である。


光太郎「うぅん、可笑しいな。どっかで道を間違えたのかな?」

 来た道を見てみる。
 この道を真っ直ぐ進むだけだから間違える事なんてないと思うのだけど。

 何だか嫌な予感がする。
 光太郎の脳裏には【あいつ】の言葉が蘇る。
 【あいつ】は言っていた、自分には完全にこの世界を支配する力はまだない、と。

雪歩「うひゃ!?

 すると、雪歩の背中に奇妙な感触が伝わってくる。
 なんというか、凄くくすぐったい。

雪歩「ま、真ちゃん、そんなに触らないで……」

真「ん、何か言った?」

雪歩「え?」

 背後にいると思っていた真が目の前にいる。
 同様に春香も光太郎の隣におり背後にはいない。

雪歩「じゃあ、今のって……?」

 ゆっくりと後ろを振り返ると、沼から赤い触覚の様な物が雪歩の体を触っていた。
 あああ……、と恐怖から叫ぶ事もままならない。

——ブクブクブクブクブク……

 突如として沼が大きく揺らめく。
 それと同時に触覚が雪歩の体に絡み付く。

雪歩「うわ、キャアッ!!」

——ザパァァァァァァァァァァァン

 雪歩の体が宙に浮いたと同時に、沼から巨大な影が現れる。

春香「うわっ!? なに? 何の音!!」

真「沼から怪獣!? 雪歩が!?」」

 沼から現れた、タコの頭の様な胴体と牡牛の頭、巨大なの赤い二本角を持つ怪獣——水牛怪獣オクスター。
 かつて、帰ってきたウルトラマンと戦った沼地に住む怪獣である。

 オクスターの口から出されている舌によって雪歩が捕えられていた。

雪歩「うあ、ああああああぁ……」

 恐怖で動けなくなる。

 オクスターは怒りで真赤になった瞳を雪歩へと向ける。
 本来沼地に住む穏やかな怪獣であるオクスターが地上に現れて暴れる時、それは仲間の骨が荒らされた時である。
 埋まっていた骨を荒らした雪歩対して怒って現れたのだ。

 春香「こ、光太郎さん、雪歩が!!」

 何処かで期待していた。
 こう言えば、光太郎がまた赤い巨人に変身してくれると。
 あの時見たのが夢ではないと確信になると思っていた。

真「このぉ、雪歩を放せ!! この化け物!!」

 石でも落ちていれば投げつけたのだろうが、沼の周りにはそんな物はなく、泥の塊を投げつける。
だが、どんなに剛速球で投げたとしても泥は泥。オクスターは気づいてすらいない。

真「このっ、こうなったら、僕が」

光太郎「行ったら、駄目だ。危険すぎる」

真「プロデューサー。……だったらどうしろって言うんですか。このままじゃあ、雪歩が」

 オクスターに向かって行こうとする真を光太郎が制止する。
 真にとって、雪歩は大切な親友であり、自分が犠牲になる事で彼女が救われるならそれで良いと思っていた。

 光太郎を振り解こうとした真であるが、その力強い瞳を見て何も言えなくなる。

光太郎「君の勇気は確かに見せてもらった。今度は俺の番だ!!」

春香「俺の番って、何をするつもりんですか?」

 当然、赤い巨人に変身するんだろうと思っていた。
 だが、光太郎はオクスターとは逆の方向に駆け出し、柳の木の様にしな垂れている木に上りだす。

真「ぷ、プロデューサー!! 本当に何をする気ですか!?」

春香「危ないですよ、そんな事するよりも」

 何故だかその先が言い出せなかった
 光太郎は人間として自分に出来ることを精一杯しようとしている。
 その姿を見ていると、赤い巨人の事を言い出せなかった。

光太郎「雪歩ちゃーん、待っろよ、今行くからな!!」

 木の先端部分を掴みながらオクスターとは逆方向へと跳びおりる。
 光太郎に掴まれている木は、曲がった状態から元通りに戻ろうとし、バネの様に反発し光太郎を上空へと吹き飛ばした。

光太郎「やぁぁぁぁぁ!!」

 空中へと飛ばされた光太郎はオクスターの頭上に着陸する。

春香「嘘ぉぉぉ?」

真「あんなのって、僕より無茶しすぎじゃないですか!!」

 その一生に一度見れるかどうかの光景を見ていた二人は驚く事しかできない。

光太郎「雪歩ちゃーん!!」

雪歩「プロデューサー……」

 雪歩も光太郎の行動には驚いた。
 男が苦手という理由で、ヒドイ態度をとってしまった事があるにも関わらずに危険を顧みず助けに来てくれた。

光太郎「この、これでどうだ!!」

 頭を殴っても一切反応を示さないオクスターへと光太郎は噛みついた。
 どっちが怪獣かは解らないが、オクスターには通じたらしく痛みから舌に絡み付いていた雪を開放する。

雪歩「いやぁぁぁぁ!!」

 地球の重力に従い、雪歩は沼へと落ちていく。

光太郎「たぁぁっ!!」

 頭上から雪歩に向かって飛び込み、落下していく雪歩を見事キャッチする。
 そして、光太郎は掴んでいる雪歩を守る為に背中から地面に叩き付けられる。

光太郎「イタタ……」

雪歩「ぷ、プロデューサー。私のせいで……ごめんなさい」

 あの時こんな場所に逃げなければこんなことにはならなかった。
 光太郎が怪我をすることはなかった。
 自分を責めていると、光太郎は笑いながら雪歩の頭を撫でる。

光太郎「大丈夫だよ。無事で本当に良かった」

雪歩「プロデューサー……」

春香「光太郎さーん!! 雪歩ー!!」

真「2人とも大丈夫ですか!?」

 倒れていた3人に駆け寄る真と春香。
 光太郎はオクスターの頭上に乗ったり、地面に打ち付けられたりしたため、スーツは泥塗れで破けたりしているが目立った外傷はない。
 雪歩も服が濡れてしまった事以外は特に問題が無い。

雪歩「だいじょうぶです。こ、怖かったけど、プロデューサーが助けてくれたから……あ、あうぁ……」

 恥ずかしそうに言うと、言った言葉を思い返し顔が真っ赤になる。

真「凄いですよ、プロデューサー。自分の危険を顧みずに雪歩を助けるなんて。くぅー、ああいうのを王子様って言うんだなって思いましたよ!!」

 やたら興奮気味な真。
 どうやらさっきの場面が、彼女の理想とする王子様像にピッタリはまったようである。

春香「いや、皆!! 結構呑気にしてるけど、あの怪獣凄い怒ってるよ!! だって、凄い暴れてるもん!!」

 獲物には逃げられ、光太郎には噛みつけられオクスターの怒りは頂点を迎えていた。
 その狙いは、雪歩ではなく邪魔をした光太郎に変わっている。
 どうやら邪魔者を殺してから雪歩を殺そうとしているらしい。

光太郎「皆、何処かに隠れてるんだ!! 俺があいつを引き付けてる!!」

真「えっ、駄目ですよ!! 逃げるなら一緒に逃げましょう!!」

雪歩「そ、そうですよ。皆で一緒にあの怪獣がいなくなるまで何処かに隠れましょう。そうればぁ、多分。うぅ」

 怪獣に向かっていく光太郎を止めようとする二人だが、春香だけは止めようとはしなかった。
 知っているからだ、光太郎の真の姿を。
 そして、光太郎の正義に燃える性格を。

光太郎「よし、いくぞ!!」

 制止の声も聞かずに沼に向かって走っていく。
 怒り狂うオクスターは、暴れ牛の様に体を激しく動かしながら光太郎を威嚇する。
 誰がどう見たって【普通】の人間が勝てるとは思えない、

真「無理だよ。幾らプロデューサーが凄くても、あんな化け物相手じゃ」

雪歩「うぅ、私のせいで」

春香「大丈夫だよ、二人とも。光太郎さんは絶対戻ってくるよ!!」

真「何で春香はそんなこと言えるのさ。プロデューサーが心配じゃないの!!」

 心配じゃないわけがない。
 だけど、春香は一度目撃している。
 あの時、怪獣に向かっていく光太郎の姿を見て確信した、あれは夢じゃないと。
 だから、信じてる。

春香「心配だよ。でもね、光太郎さんは……」

 光太郎の背中へと目を向ける。

光太郎「このぉ!!」

 泥が体中に当たる、オクスターの鉄さえも溶かす唾液が飛んでくる。
 だが光太郎は走る。

——ピカァッ

 Yシャツに付けていたウルトラバッジが光る。
 それを腕に持つと、自ら進んで沼へと飛び込んだ。


光太郎「タロォォォォウ!!」

光太郎ってすごい無茶なことを平気でやりますよね。
そもそもZATがあんなんだからかもしれませんが、怪獣に飛び乗るのは光太郎くらいでしょうね。

では、また今度。

毎回乙コメくれる方ありがとうございます。
凄い励みになります。

ベムスターに乗った男いましたね
爆弾背負ってましたよね?
ZATというよりもタロウの雰囲気がそうさせるのかもしれませんねww

今回で、雪歩、真編終了です。
無理やり感がありますがご了承ください。
それでは、投下。

 沼の中から突如として赤い巨人——ウルトラマンタロウが泥しぶきを上げながら登場する。
 身長50メートルを超すタロウの登場に、雪歩と真は口を開けて驚くことしかできなかった。

真「きょ、巨人が現れた……」

雪歩「ど、どうなってるんですかぁ? あの沼って、何か呪われてるんじゃ……。わ、私達、きっとあの巨人に踏みつぶされちゃうんですぅ」

春香「違うよ、二人とも」

 驚く2人へと春香は笑顔で答える。
 これでウルトラマンタロウを見るのは二度目である。
 だからこそ、自信を持って言える。

春香「あの巨人は私達の味方だよ!!」

タロウ「テェアッ」

 暴れるオクスターを抑えこむ様に掴みかかる。
 だが、タロウの怪力を持ってしてもオクスターは止まらない。
 逆にその巨体を激しく動かしてタロウを吹き飛ばす。

——グゥロロロロ

 雄叫びを上げながらバランスを崩したタロウへと突っ込んでくる。
 巨大な二本の角がタロウを串刺しにせんと狙う。

タロウ「フンンッ!!」

 突っ込んでくるオクスターの角を掴み、なんとか突進を喰い止める。
 沼の中では無敵と呼ばれる力を持つオクスターを長時間押さえていることは出来ない。
 タロウは角を放すと、上空へとジャンプする。

タロウ「トワァァ!!」

 ジャンプからスピンを繰り返しては夏、タロウの得意技スワローキックを浴びせる。
 倒れるオクスターへと更なる一撃を決めるべく、走るタロウ。

 オクスターはそれを狙っていたかのように、口を開き溶解液をタロウへと放つ。
 溶解液は頭から全体へと吹きかけられ、タロウは苦しそうに顔を抑える。

 その瞬間をオクスターは見逃さない。
 タロウへと体当たりを繰り出す。

タロウ「ティヤァ!?」

 今度は避ける事が出来ず、背中から倒れる。
 その際に、大量の泥水が衝撃で吹き飛んだ。

——ピコン ピコン ピコン

 カラータイマーが点滅を開始する。

 このままではオクスターには勝てない。
 勝つためには、オクスターをこの沼から出さなければならない。

 タロウは立ち上がると、左腕に嵌められた万能武器キングブレスレット外す。

タロウ「フゥン!!」

 大きく腕を上げ眼の前に翳すと、キングブレスレットは縄のついた牛の鼻ぐりへと変形する。
 鼻ぐりをオクスターへと投げると、見事その鼻に装着される。

タロウ「フゥンッ!!」

 縄を引っ張りながら沼から上がり、オクスターを沼から引っ張り上げる。
 最初は抵抗していたオクスターだが、鼻には鼻ぐりがついており力を出す事が出来ない。
 今のオクスターには、ただ陸地へと引き上げられることしか出来ない。

タロウ「タァッ!!」

——ザパァァァァン

 最後の力を振り絞り、オクスターを陸へと上がらせる。

 沼での生活に適応したオクスターは陸地では生きることはできない。
 陸に上がったオクスターは呼吸困難に陥り苦しそうに体を動かしていた。

 鼻ぐりをキングブレスレットに戻すと、腕を上げ必殺技の態勢に入る。

タロウ「ストリウム光線」

 体が七色に輝き、腕をT字にしストリウム光線を放つ。
 ストリム光線を浴びたオクスターは後方——沼へと吹き飛ばされ、その体は骨になる。

——オゥゥゥウゥ……

 骨になったオクスターの体はゆっくり沼へと沈む。
 沈んでいくオクスターを見ながらタロウは手を合わせる。

 オクスターは利用されたにすぎない。
 悪いのは、オクスターを利用した【あいつ】なのだ。

 オクスターよ、もう利用されることなく安らかに眠ってくれ。
 タロウはそう願った。

 合掌を止めると、空を見る。

タロウ「トアッ!!」

 腕を上げると、タロウは空の彼方へと飛んでいった。

 春香達は飛んでいくタロウを見送った。

真「やっりー!! 巨人が勝った!!」

雪歩「うん。でも、何だったんだろうね?あの巨人」

 タロウとオクスターが戦っている間、真は小さな子供の様に騒いでいた。
 女の子っぽくなりたいというわりには、そういうものも嫌いではないらしい。

 対して雪歩は、巨人の事が信用しきれなかったらしく不安そうに戦いを見ていた。
 どっちが勝っても次に狙われるのは自分ではないか? そう考えると素直に応援できなかった。

 春香「正義の味方だよ。絶対にあの巨人は私達の味方だよ」

真「うん。僕も不思議とそう思うんだよね。なんていうのかなぁ……敵と思えないっていうか、あれも一種の王子様って感じがするんだよね」

雪歩「でもぉ……」

光太郎「大丈夫、彼は味方だよ」

 春香や真は信じているようだが、果たしてどうなのだろうか?
 迷っている雪歩へと光太郎が答える。

 沼に跳びこんだ為、その体は泥塗れになっていた。

春香「こ、光太郎さん!? 大丈夫なんですか!?」

雪歩「あの、これ、ハンカチですけど、使ってください」

光太郎「ありがとう、雪歩ちゃん」

 ハンカチを受け取る。
 その雪歩の変化に真と春香は気づいた。
 男性が苦手の雪歩が進んで男性と話すなんて今までなかった。しかも、ハンカチまで渡すなんて快挙と言っても過言ではない。

雪歩「あの、そ、それで、プロデューサーもあの巨人が味方だと思うんですか?」

光太郎「うん。彼は絶対に雪歩ちゃんの味方だよ。俺が保証するよ」

 俺が保証する。
 そん言葉に、まだ男性は苦手だが、必死に光太郎の顔を見ながら答える。

雪歩「私も……し、信じてみます。あのき、巨人が私達の味方だって」

光太郎「うん」

 満足そうに光太郎が頷く。

 そういえば、と春香には光太郎に聞きたいことがあった。

春香「あの、光太郎さん?」

 その名前を呼ぶ。
 だけど……。

春香「あの赤い巨人の名前はなんていうんですか?」

 光太郎さんが赤い巨人なんですよね?
 そう聞くつもりだった。

 光太郎が赤い巨人であるという事は確信している。
 だけど、それを本人に認めさせなくてもいい。

 自分は光太郎の事を信じている。
 何が起ころうとも守ってもらえると信じている。

 そして……彼に対しての、この感情も決して嘘ではないと信じている。

 光太郎は答える。
 ウルトラの母から授かったもう一つの命の名を。
 ウルトラ兄弟6番目の戦士であるその名を。

 それを聞いた春香は笑顔で言う。

「ウルトラマン、ウルトラマンタロウですね」

——これからも私達を守ってくださいね。光太郎さん、ウルトラマンタロウ

 その後、4人は歩いて校舎へと戻った。
 泥塗れの光太郎や、水を被ったかのようにびしょびしょになっている雪歩の姿に、機材の設備をしていた男達は驚いていた。

 そして、何があったのか男達に聞かれ、沼に怪獣が現れたと答えたら笑われた。
 真は本当なんですと、何度も訴えていたが、村人達にこの村に沼はなんて無いと言われ、その顔からサーと血の気が引いていた。
 信じられないと、沼があった場所へと行ってみると、先程まであったはずの巨大な沼が消えていた。
 怖いものが苦手な雪歩と真はギャーギャーと騒ぎ、それを光太郎と春香が必死に宥めた。

 ライブの方は、小さな祭りであるにも関わらず村人全員がお踊り騒ぎの大成功を収めた。

 ライブの終わりに、光太郎は雪歩と真と約束を交わした。


——プロデューサー。こんな私ですけどぉ、これからも、よろしくお願いしますね。私、頑張りますから


——プロデューサー。あの、もし僕がさっきの雪歩みたいな状態になってもきっと助けてくれますよね。へへっ、約束ですよ

これで真雪歩編終了です。
いやー本当は個別にやる予定でしたが、まぁ、私の力不足で今回のように何人かで纏めてにします。

次回は、双子編の予定ですが、間にタロウと黒幕の会話や、光の国の様子を入れるかもしれません。
それではまた今度。

そういえば、みなさんの好きなウルトラマンって誰ですか?

私は、ゾフィー、マックス、エース。でその次に新マン(ジャック)です。
後は並列となっています。

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