クラスメイト1「暁美さんって運動も勉強も本当ひっどいよね」
クラスメイト2「入院を言い訳にして甘えてるっていうかさー、そんな感じする」
クラスメイト3「あれで愛想でも良ければまあ許せるのに、性格もあれだからね」
クラスメイト1「マジ生きてて楽しいのかな?」
クラスメイト2「あっはははは、それ言い過ぎー。本人聞いてたらやばいっしょ」
クラスメイト3「でも実際あんな風になるぐらいなら、私だったら死ぬね」
ほむら「……」
夕日に赤く染め上げられた橋の上を、一人の少女が俯きがちに歩いている
その表情は暗く沈んでおり、目にはうっすらと涙が溜まっていた
ほむら「あの人達の言う通り……」
ほむら「私、なんにもできない……」
ほむら「人に迷惑ばっかりかけて、恥かいて……」
ほむら「どうしたら……」
ほむら「……」
ほむら「私、これからもずっとこのままなの……?」
ほむら「だったら、いっそ……、死んじゃった方が」
「ほむらちゃーん!」
ほむら「かっ、鹿目さん?」
まどか「保健委員の仕事がちょっと長びいたから今帰りなの。一緒に帰ろう?」
ほむら「う、うん」
まどか「それにしてもほむらちゃん、今日は遅いんだね。委員会の仕事がある私と同じぐらいの時間なんて」
ほむら「掃除があったんです……」
まどか「あれ? ほむらちゃん今日掃除当番だったっけ?」
ほむら「ち、違うけど……、たの、まれて」
まどか「そっか。優しいんだね」
なんか見たことあるぞ
ほむら「や、優しくなんてないです……」
まどか「ううん、そんなことない。誰かの為に自分の帰りを遅くするなんて、普通なかなかできないことだよ」
ほむら「……誰かの為なんかじゃない」
まどか「えっ?」
ほむら「ほっ、本当は私……掃除が、嫌、で……、でも、断るのが怖くって、それで引き受けちゃって……」
まどか「そうなんだ……」
ほむら(こんなこと言って、幻滅された、かな……)
>>5
途中までは前に落ちたスレの焼き直し
たぶん6~70レスぐらい
まどか「それならほむらちゃん。明日から私と一緒に帰ることにしよっか」
ほむら「えっ!? か、鹿目さんと?」
まどか「うん。そうすれば、掃除の押しつけを断る言い訳が1つできるでしょ?」
ほむら「で、でも……」
まどか「どうしても言い難いなら私が代わりに断ってあげる。
ほむらちゃんは今から私がさらっていくので無理でーす、なんてね」
ほむら「……」
まどか「どうかなぁ?」
ほむら「……わ、私なんかと帰ったら、鹿目さん、退屈じゃない?」
まどか「えーっ。そんなことないよ! ほむらちゃんともっともっとお話しして、仲良くなりたいな」
ほむら「私も……、鹿目さんと、もっと仲良く……」
まどか「ありがとう! じゃあ決まりだね!」
まどか「それならほむらちゃん。明日から私と一緒に帰ることにしよっか」
ほむら「えっ!? か、鹿目さんと?」
まどか「うん。そうすれば、掃除の押しつけを断る言い訳が1つできるでしょ?」
ほむら「で、でも……」
まどか「どうしても言い難いなら私が代わりに断ってあげる。
ほむらちゃんは今から私がさらっていくので無理でーす、なんてね」
ほむら「……」
まどか「どうかなぁ?」
ほむら「……わ、私なんかと帰ったら、鹿目さん、退屈じゃない?」
まどか「えーっ。そんなことないよ! ほむらちゃんともっともっとお話しして、仲良くなりたいな」
ほむら「私も……、鹿目さんと、もっと仲良く……」
まどか「ありがとう! じゃあ決まりだね!」
翌日
クラスメイト1「暁美さーん。今日も掃除お願いしていい?」
ほむら「あ、あの、私」
クラスメイト1「何? 何か言いたいことがあるの?」
ほむら「よ、用事が……」
まどか「ごめんねー。今日、ほむらちゃんと約束があるの」
クラスメイト1「あ、そうなんだ」
まどか「ね? 無理なら無理って言えば、ちゃんと伝わるんだよ」
ほむら「う、うん……」
まどか「よーっし、約束通り一緒に帰ろう」
l:::|::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::::::::::}::::::|:l|::::::::::::::::::::::::::ト.
|:::|:::::::::::::|::::::::ハ:::::::N:::::::::::ハ:斗七::アヽ:|l:::::::::|:l
|:::|:::::::::::::|_l::斗チ::升 ヽ::::/ ∨-‐∨ Y:::::::::|:|
|:::|:::::::::::::|∧/ |/-l- 、∨ rf爪笊刈l:::::::::|:l
∨:::::::::::::l rf芥笊圷 弋廴ソ ||:::::::::リ
‘,:::::::::::::ト、 V廴ツ ///ヽ|l:::::::::| ほ
、:::::::::|ヒヘ ///ヽ ' ノ|:::::::::| む
ほ l::::::::|`ー'、 -‐( ....:::::::|:::::::::|
む |::::::::|:::::::::>- __ イ__:::::::::|:::::::::|
l::::::::|::::::::::::::::::::rf_」_  ̄ _}ノノ}::::::l:::::::∧
∧::::‘,::::::::::::::::::::〉 ̄ ̄`Y´ ̄ ̄ (__::/::::::∧:ヽ、
/::∧::::<工工二 -- 、_人_ -─‐-/::::::/ー─- 、
/::/ }:::::::〔::.::.::.::.::.::.::.::.::.{::.::.::.}:-:、:::.::/::::::/.::.:〕 ハ
http://vipquality.sakura.ne.jp/town/start.htm
【列島Wiki】http://www21.atwiki.jp/viprettou/pages/1.html
【紹介フラッシュ】http://vipquality.sakura.ne.jp/town/flash/viprettou.swf
まどか「今日はどこか寄ってく? 真っ直ぐ帰る?」
ほむら「ど、どっちでも……」
まどか「それなら寄り道しちゃおっか」
ほむら「うん……」
ほむら(クラスの人と寄り道なんて、初めて……)
ほむら「そっ、そういえば……」
まどか「ん? どうしたの?」
ほむら「いつも一緒に帰ってる人は、今日は」
まどか「ああ、さやかちゃんと仁美ちゃん? 先に帰ってもらったよ」
ほむら「ど、どうして?」
まどか「うーん。ほむらちゃんは大勢で帰るのって、あんまり好きじゃなさそうかなって思って」
ほむら(私の為にわざわざそんなことまで……)
まどか「あっ、この喫茶店空いてる! ここに入ろっか?」
ほむら「う、うん」
まどか「決まりだね」
まどか「ねえ、ほむらちゃん。答えにくいかもしれない質問をしてもいいかな?」
目の前のココアをくるくるストローでかき混ぜながら、まどかがそう切り出す
ほむら「えっ……?」
まどか「もしどうしても答えたくなかったら、そう言ってくれればいいから」
ほむら「……わ、分かった。私に答えられることなら……」
まどか「ありがとう」
まどかは笑顔で礼を言うと、表情を一転して真顔になった
まどか「どうして死んだ方がいいなんて考えたの?」
ほむら「え……」
まどか「ごめんね。昨日の橋の上での独り言、実はちょっとだけ聞いちゃってたんだ」
ほむら「だって……わ、私なんて……、生きててもどうしようないから」
まどか「そんなことないよ」
ほむら「勉強も運動も、何をやっても人並以下だし……、性格だって、暗くて、皆から嫌われてて……」
まどか「半年のブランクがあったんだもん。上手くいかないのは当然だよ。
それに、勉強や運動なんて、その人のほんの一部分でしかない。あとね……」
ほむら「……?」
まどか「私は好きだよ、ほむらちゃんのこと」
ほむら「あ、え、えっ!?」
まどか「ほむらちゃんとお話してると凄くね、落ち着くんだ。えへへ」
ほむら「あっ……あり、が、とう」
まどか「どういたしまして」
まどか「そうそう。よかったら明日の土曜日、うちにこない?」
ほむら「鹿目さんの家に……?」
まどか「うん! それでね、一緒にお勉強しよう。私もあんまり勉強ができるわけじゃないけど、
遅れを取り戻すお手伝いぐらいならできると思うから」
ほむら「……どっ、どうして」
まどか「ん?」
ほむら「そうしてそんなに……、よく、してくれるんですか?」
まどか「さっきも言った通り、私はほむらちゃんのことがなーんか好きなんだ。
だからね、少しでも力になってあげられたらなって」
ほむら「鹿目さん……」
――――
翌日
ほむら「おっ、おじゃまします」
まどか「どうぞー。今私以外出かけてて誰もいないから、そんな緊張しなくていいよ」
ほむら「ご、ごめんなさい……。あっ、こ、これ、よかったらどうぞ」
まどか「どれどれ……あっ、シュークリームだ!」
ほむら「い、一緒に食べようと思って」
まどか「わーい、ありがとうほむらちゃん!」
ほむら(喜んでくれた……。買ってきて良かった……)
まどか「こっちこっち! ここが私の部屋だよ」
ほむら(私の家よりも広くて綺麗だなぁ……)
まどか「さって、と。それじゃあ始めよっか。何から手をつけよう」
ほむら「でっ、できれば……、数学からお願いします」
まどか「分かった! まずは今やってる単元の最初の部分から復習してみよう。教科書開いてくれる?」
ほむら「はい」
まどか「ありがとう。えーっとね、まずはこの公式を―――」
ほむら「っ!?」
ほむら(かっ、鹿目さんの顔が……私の教科書を覗き込むから、すぐ傍に……)
まどか「―――こんな感じ。分かったかな?」
ほむら「……」
まどか「おーい?」
ほむら「……あっ! ごっ、ごめんなさい!」
まどか「大丈夫? なんだか顔が赤いけど……」
ほむら「なな何でもないです!」
まどか「本当に?」
ほむら「はっ、はい!」
まどか「それならよかった。でも無理だけはしないでね」
数十分後
まどか「うん、そうそう、その公式はそうやって使うの!
凄いねほむらちゃん、飲み込みが早いよ!」
ほむら「そっ、そんなこと……」
まどか「この調子ならすぐにブランクを埋められると思う!」
ほむら「きっと、鹿目さんの教え方がいいから……」
まどか「ううん! ほむらちゃんが凄いんだよ!」
まどか「さーってっとー。まだ始めたばっかだけど、ちょっと休憩しちゃおっか。
ほむらちゃんが持ってきてくれたシュークリーム、いただいてもいいかな?」
ほむら「はい! えっと、こっちがカスタードで、こっちがチョコクリーム……」
まどか「2種類あるの?」
ほむら「どっ、どちらの味が好きか分からなかったから」
まどか「どっちも好きだよ。……うーん、それだけにどちらを食べるか迷うなぁ」
ほむら「もしよかったら……、2つとも鹿目さんに……」
まどか「それはほむらちゃんに悪いって。それに2人で食べた方が絶対美味しいはずだよ」
ほむら「……」
まどか「あっ、そうだ! どっちの味も2人で半分こして食べよう!」
ほむら「半分こ……?」
ほむら(も、もしかしてそれって、間接キ……)
まどか「はい、どうぞ」
ほむら「あ、あり、がとう」
ほむら(そうだよね……、手でちぎって渡すのが普通だよね……)
ほむら(何、期待してたんだろう私)
ほむら(……期待?)
ほむら(どうして私、かっ、間接キスなんかを期待して……)
さやかは第一印象次第でまどか以上に優しくするかいじめの筆頭に立つかの二極だな
まどか「このシュークリーム美味しーい! どこのお店で買ったの?」
ほむら「えっと、家の近くのケーキ屋さんで」
まどか「へーっ、この近所にそんないいお店があったんだぁ」
ほむら「……よっ、よかったら、今度一緒に」
まどか「うん! 一緒に行こう! 約束だよ!」
まどか「……。あのね、ほむらちゃん」
ほむら「どうしたの?」
まどか「1つ謝っておきたいことがあるの」
ほむら「か、鹿目さんが私に謝ることなんて何にも……」
まどか「ううん。あるよ。私ほむらちゃんに嘘ついてたもん」
ほむら「嘘……?」
まどか「私がほむらちゃんのためになることをしたいって思ったのはね。
本当は……、私の自己満足のためなの」
ほむら「……」
まどか「私には、特に人と比べて秀でたところがあるわけでもない。
だから自分には誰かの為になることなんかできそうにもないって、ずっとそう思ってたの」
でも、と、まどかは続ける
まどか「もしかしたら、凄く悩んでいる様子のほむらちゃん相手なら、何か私でも出来ることがあるかもって。
誰かを助けられたらそれはとっても素敵だなって。
そんな上から目線の自己満足のためにほむらちゃんに話しかけたの」
まどか「嘘ついてごめんね」
ほむら「そんなの……、関係ない」
まどか「えっ?」
ほむら「私、鹿目さんに親切にしてもらえて本当に嬉しかった」
まどか「……」
ほむら「だから、私に優しくしてくれてありがとう、鹿目さん」
まどか「……えへへ。どういたしまして」
ほむら「えっと、それで、その……」
まどか「ん?」
ほむら「鹿目さんさえよかったら、私と、お友達に……」
まどか「もうお友達だよ、私とほむらちゃんは」
ほむら「えっ? と、友達?」
まどか「うん!」
ほむら(とも、だち……)
ほむら(やっ、やったー! 初めてのお友達!)
――――
数日後
まどか「ふうっ、今日も疲れたぁ。一緒に帰ろうほむらちゃん!」
ほむら「うん、鹿目さん」
さやか「……」
仁美「……」
さやか「最近まどか付き合い悪くなったなぁー」
仁美「暁美さんに付きっきりですものね」
さやか「別にアタシも、あの転入生が嫌いな訳じゃないんだけどさ。
本音言うと、まどかを取られたみたいでちょっとジェラシー感じるわ」
仁美「そうですわねぇ。私も少し寂しいような気がします」
さやか「それに……、まどかが優しい子だってのは分かるんだけど、過保護過ぎだと思うんだよね」
仁美「暁美さんは大勢と話すのが苦手だから、私達とは一緒に帰れない。
まどかさんはそうおっしゃっていましたが、確かに私もあれは少々いきすぎのように……」
さやか「実は何か、他に理由があったりなんかして」
仁美「理由、ですか? ……あら。あそこでベンチに腰掛けられていらっしゃるのはもしかして」
さやか「あ、噂のまどかと転入生だ。あたし達より先に出たのに、ずいぶんゆっくりとお帰りでー」
仁美「何をしていらっしゃるのでしょう」
さやか「んー。大方適当に雑談でも……って、え? な、何あの二人!?」
――――
数分前
まどか「まだ時間も早いし、あそこのベンチでお話ししていかない?」
ほむら「ええ」
まどか「よいしょっと。はー、いい天気だねー」
ほむら「最近雨が少ないね」
まどか「だね。晴れの日って好きだなあ。……持久走がある時以外は」
ほむら「ふふっ……、私も持久走の時は雨降って欲しいかも」
まどか「あっ、肩のとこにほこりがついてるよ?」
ほむら「えっ? ほ、本当に?」
まどか「そっちじゃなくて反対の肩の……。いいや、私がとってあげる」
ほむら「うん、お願いできる?」
まどか「はーい」
ほむらの肩の埃をとるため、身を乗り出すまどか
2人の顔が触れそうなほどに近くなる
ほむら(かかっ、か、鹿目さんの顔が……!?)
思わずほむらは顔を反らしてしまった
まどか「ね、ほむらちゃん」
ほむら「はっ、はい!?」
まどか「この前ほむらちゃんが家に来た時、私、嘘ついてたって謝ったよね?」
ほむら「う、うん」
まどか「もう一つあるんだ、私がついてた嘘」
「あー確かに友達付き合い放り出しすぎだ」→リア充
「はふざけんなしまどほむの邪魔すんなし」→ぼっち百合豚
さあお前らはどっちだ
まどか「ほむらちゃん、こっち向いて」
頬を赤らめさせながらも言われた通り視線をまどかの方へと戻す
するとそこにいたのは、ほむらと同じように頬を染めたまどかだった
まどか「今、顔が赤くなってるのは……、ほむらちゃんだけじゃないの」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃんと一緒にいると落ち着くなんて大嘘。
本当はむしろその逆。どきどきしっぱなしだった」
ほむら「か、鹿目さん……?」
まどか「こんなの、気持ち悪いから……、言わないつもりだった。だけど……」
ほむら「……」
まどか「自惚れかもしれないけれど、ほむらちゃんも、一緒みたいだったから」
>>43
う、うえにきまってるじゃないか
ほむら「まど、か……」
まどか「やっと名前で呼んでくれたね」
ほむら「あっ……」
まどか「嬉しいよ、ほむらちゃん」
ほむら「……うん!」
まどか「私、ほむらちゃんのことが大好き」
ほむら「私もまどかのことが一番好き」
さやか「あの、2人……まさか女同士で?」
仁美「友人同士のじゃれ合いという雰囲気では無さそうですわね。まさしく禁断の愛ですわ……」
――――
さやか「はあっ……」
クラスメイト1「美樹さんどうしたの? なんか暗くない?」
さやか「あー、うん。実はその、まどかと転入生が――」
クラスメイト1「ちょっ、それマジ!?」
さやか「ちょっと信じらんないけど、本当」
クラスメイト1「へーっ。あの2人が、ねえ……」
――――
クラスメイト3「ぎゃはははは! 根暗の上にレズとかマジで? 超きもっ」
クラスメイト1「つーかぶっちゃけさ、私前から鹿目さんのことも気にくわなかったんだよね」
クラスメイト2「あー、分かる。ぶりっこっていうの? そんな感じ」
クラスメイト3「潰れ饅頭の癖にいい子ちゃんぶんのはちょっとないわなぁ」
クラスメイト1「ちょうどいいし、まとめてやっちゃおうか?」
クラスメイト2「やっちゃうって、何を?」
クラスメイト1「決まってんじゃん。いじめ」
――――
『レズキモい』
『暁美ほむらとウザいどうしお似合い』
『死ね、目ざわり』
まどか「どうして机にこんな落書きが……」
ほむら「ま、まどか……」
まどか「そっか、ほむらちゃんも……」
ほむら「ごめ、んなさい……。私と関わったばかりに、まどかがこんな目に……」
まどか「何1つ悪いことをしてないほむらちゃんが謝る必要なんてないよ。
それに、私がほむらちゃんを好きなのは事実だもん」
ほむら「……うん、私も」
まどか「私、ほむらちゃんがいる限り負けないよ」
――――
体育の時間
まどか(バレーボールかぁ……)
ほむら「一緒のチームだね」
まどか「えへへ。頑張ろうね!」
審判「試合開始」
まどか(よーし、まずは相手サーブ)
クラスメイト2(……ま、いじめとか何とか抜きにしても、暁美狙いが無難だわな)
つか「ハブられてる子を助けちゃう私最高!てしたいから近づきました」と
ハブられてる本人に向かってカミングアウトとか最低じゃねーか
せめて黙ってやれせめて
ほむら「あっ……」
審判「5-0」
ほむら「ごっ、ごめんなさい!」
まどか「ドンマイほむらちゃん」
ほむら「ほ、本当にごめんなさい……」
まどか「大丈夫大丈夫。次は私がカバーするから、ほむらちゃんも頑張って」
他メンバー「……」
ほむら「あ、手に当たった……」
まどか「よいしょっと」
まどか(ふうっ、なんとかボールが繋がった)
まどか(でもふわっとしたボールを返しちゃったから、アタックがくるかな……?)
まどか(……)
まどか(!! やばいかもっ、ほむらちゃんの方へ速い球が!!)
ほむら「っ!?」
まどか(がっ、顔面ヒット!?)
まどか「大丈夫ほむらちゃん!?」
ほむら「め、眼鏡が……」
クラスメイト3「ナイスレシーブ!」
クラスメイト1「wwwwwwwwwwww」
ほむら「いた、いよぉ……」
まどか「もっ、もしかしてほむらちゃん……、レンズの破片が目に!?」
ほむら「痛い……、いたいぃ……」
まどか「保健室行こう! 歩ける? 肩貸すよ?」
クラスメイト3「いたいぃ~」
クラスメイト1「やばい似てるwwwwwww」
クラスメイト2「ぶはっwwwwwwww」
さやか「あ、あはは……」
――――
まどか(ひとまず視力に障害が出てるようじゃなくて良かった……)
まどか「一応後で眼科に行こうね?」
ほむら「ひっく、ぐすっ、ぐすっ……」
まどか「よしよし、もう大丈夫だよ」
ほむら「まどかぁ……」
まどか「大丈夫。私が守ってあげるから、ほむらちゃんは心配しないで」
ほむら「……うん。ありがとう、まどか」
まどか(あ……。めっ、眼鏡をとったほむらちゃん……)
まどか「綺麗……」
ほむら「え……?」
まどか「あ、えっと、こんな時にごめん。でも、眼鏡を取ったほむらちゃん、本当に綺麗で……」
ほむら「まどかは眼鏡が無い私の方が好き?」
まどか「どっちも同じぐらい好きだよ」
ほむら「そっか」
まどか「うん」
ほむら「私は……、まどかが好きになってくれるような自分になりたいから、
もし眼鏡を取らせたくなったらいつでも言ってね?」
まどか「分かった。そうするね」
ほむら「……」
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「あ。チャイムだ。……どうするほむらちゃん?」
ほむら「……。まどかが一緒なら平気」
まどか「分かった。じゃあひとまず更衣室へ寄ろうか」
まどか「……何、これ」
ほむら「……」
まどか「踏まれた跡……? 制服、こんなに汚れて……」
ほむら「ねえ。2人で帰ろう、まどか」
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「このまま学校に残ってもどうせまた何かやられるよ。早退しちゃおう」
まどか「ごめん。私は学校に残る」
ほむら「でも……」
まどか「こんな卑怯な真似をする人に負けたくないよ。
それに……、いつまでも逃げ続けるなんて不可能だから……」
ほむら「……」
まどか「ただ、ほむらちゃんまで私につきあう必要は無いよ。辛かったら帰っても責めたりしない。
それはそれで1つの選択肢だと思う」
ほむら「ううん……。まどかが頑張るなら私も頑張る。
弱音を吐いてごめんね」
――――
放課後
まどか「はあっ。今日は疲れたねぇ」
ほむら「そうね」
まどか「目は大丈夫? 後から痛くなったりとかしてない?」
ほむら「ありがとう、平気だよ。でも眼鏡が無くて周りが見えないから、それはちょっと不安かな」
まどか「そっか……。それなら、はい」
まどかはほむらに手を差し出した
まどか「手を繋ごう。その方が安心だよ」
ほむら「うんっ!」
並んだままゆっくりと通学路を歩く
まどか「どうして嫌がらせなんかするんだろうね」
ほむら「うん」
まどか「女の子同士ってそんなにいけないことなのかなぁ」
ほむら「……」
ほむらは無言のまま、まどかの手を握りしめる力を強めた
それがほむらなりの答えだった
まどか「そう、だよね……。好き合ってるのならいいよね……」
分かれ道に差し掛かった
2人が真っすぐ帰宅するのならば、ここで別々の方向へ行かなくてはならない
しかしどちらとも、まだ離れたくないという気持ちでいた
まどか「……」
ほむら「……」
まどか「うち寄ってく?」
ほむら「うん!」
まどか「よーし。それじゃ、こっちだよ」
ほむら「まどかの家にあがらせてもらうのは2回目だね」
まどか「あの時はまだこんな関係になれるとは思ってなかったなぁ」
ほむら「わ、私も……」
ほむら「おじゃましまーす」
まどか「ちょっと飲み物取ってくるから先に私の部屋に行って待っててくれる?」
ほむら「うん」
まどかはリビングの方へと消えていった
ほむらは、先日の記憶を頼りに、まどかの部屋がある2階に移動する
ほむら(ここだよね)
念のためノックをし、返事が無いのを確認してから、そっと部屋の扉を開ける
ほむら(まどかの部屋。やっぱり可愛い)
ほむらはなんとなくベッドの方に近寄ると、おずおずとシーツに顔をうずめた
布の匂いの中に、ほのかに甘い香りが混じっている
ほむら(まどかの匂い……)
まどか「お待たせー! ……って、ほむらちゃん何してるの?」
ほむら「あ、ご、ごめっ……」
慌てて身体を起こし、しどろもどろになりながらも謝ろうとするほむらに対し、
まどかはじとっとした目を向ける
まどか「もしかしてやらしいこと考えてた?」
ほむら「……」
まどか「ほむらちゃんのむっつり。でも……」
飲み物ののったお盆を机に置くと、ベッドの上にいるほむらの方へ近づいていき、
彼女のその華奢な体を抱きしめて耳元で一言
まどか「大好き」
そしてまどかは、ほむらを抱きしめたまま、ごろんとベッドの上に寝転んだ
勢いに引きずられるようにして、ほむらもベッドの上に倒れ込んでしまう
密着した身体
間近に迫った顔
まどか「どきどきするね」
ほむら「うん」
まどか「……触ってみる?」
まどかはほむらの片手を取り、それを自分の左胸の方に誘導した
胸の柔らかさと、痛いぐらいに波打つ心臓の音が、掌を通してほむらに伝わってくる
まどか「本当、どきどきしっぱなしだよ、ほむらちゃんといる時は」
ほむら「私もずっとずっとどきどきしてるよ。……なのにまどかと一緒の時が一番ホッとする」
まどか「うん。分かるわかる」
ほむら「不思議だね」
まどか「そうだね」
2人はくすくすと笑い合うと、手と手を絡ませ合った
ほむら「まどか……」
まどか「んー?」
ほむら「私達、いけない恋をしてるのかな?」
まどか「うーん。どうなんだろうね」
ほむら「私が……、男だったら、普通の恋ができたのかな……」
まどか「ええーっ、そんなのやだよ。私が好きなのは今のほむらちゃんだもん。
それなら私が男の子になるよ」
ほむら「駄目。私が好きなのも、今の女のまどかなんだから」
まどか「あははっ、じゃあどうしようもないね」
ほむら「そうだね。どうしようもないね」
まどか「……」
ほむら「……」
ほむら「……今から、しちゃおっか」
まどか「えっ? しちゃうって、その……」
ほむら「うん……。世間に認められない恋なら、いっそ周りも文句のつけようがなくなるぐらい2人で……」
まどか「……いいのかなぁ。私達まだ中学生だけど」
ほむら「さあ」
まどか「あははは……。“さあ”ってほむらちゃん、そこは嘘でも頷いておかないと」
ほむら「えへへ……、ごめんね。私不器用だから」
まどか「でもそんなところも可愛い」
―――――
異なる時間軸
瓦礫の山に変わり果てた見滝原の一角で、暁美ほむらの亡骸を抱える1人の少女
まどか「ほむら、ちゃん……」
QB「やはり彼女1人ではワルプルギスの夜を倒すことはできなかったようだね」
まどか「……戦いの前にほむらちゃんは、ずっとずっと、私のために戦ってきたって話してた。
何度も何度も、時間を行き来して……」
QB「彼女の話は僕にも予想外なものだったよ」
まどか「そんなほむらちゃんの頑張りを無駄にしたくなくって、
私は最後までほむらちゃんの戦いを傍観していた」
QB「結果的には彼女を見捨てたようなものだね」
まどか「否定はしないよ……。でも、」
QB「やっとその気になってくれたのかい」
まどか「うん。私の願いはね、QB」
まどか「魔法少女なんてものが必要の無い、そんな世界でほむらちゃんとの出会いをやり直したい」
QB「なるほど。並の少女には叶えきれない規模の願いだけど、君なら可能かもしれない」
まどか「……」
QB「そして、その願いならば……、ある意味、エネルギー問題を恒久的に解決することに繋がるのかもね。
魔法少女が必要とされない世界に僕たちの居場所があるのかどうかは、少し不安だけれど」
まどか「ただ、気になることがあるの。これを叶えてもらった場合、私の体は……」
QB「最初から魔法少女が必要なかった世界ならば、当然魔法少女なんてものは存在してはならない。
そこから考えると……、想定できる可能性は3つある」
まどか「教えて」
QB「1つ。ただの人間として出会いをやり直せる可能性」
まどか「うん」
QB「2つ。あくまで君自身は魔法少女として過去に戻り、出会いをやり直す可能性。
この場合、君以外の魔法少女や魔女はその世界にはいないだろうから、君に残された道は破滅だけだ」
まどか「……うん。」
QB「そして3つ。魔法の力で異なる時間軸からやってきた君の存在が、新しい世界の条理に反した存在である
とみなされ、
パラドックスのつじつま合わせの為に跡形もなく消滅する可能性」
まどか「跡形もなく……、消滅……」
QB「君の願いが引き起こす事象は、僕達にも計算のしようのない規模だ。
だから、何が起こるかははっきり分からないけれど……、僕に考えられる主な可能性はこの3つだ」
少し俯き、何やら考え込むまどか
まどか「……最初から魔法少女がいなかった世界になれば」
QB「うん」
まどか「ほむらちゃんもさやかちゃんもマミさんも杏子ちゃんも、みんな生き返るんだよね?」
QB「その点は保証するよ」
まどか「そっか。ならやっぱり、さっきのお願いでいいかな」
QB「そうかい」
まどか「うん」
――――
一糸纏わぬ姿となった2人の少女
互いの身体を抱き、汗に湿った肌を吸いつかせ合う
まどか「本当に肌白いよねー。雪みたいで綺麗」
ほむら「私はまどかみたいな肌の方が……、んっ」
まどかがほむらの口を唇で塞いだ
2人はおそるおそる舌を出し、先の方をちろちろと触れ合わせる
まどか「なんか大人な感じだね」
ほむら「うん。きっとクラスの皆もまだこんなことしたことないよ」
まどか「えっと、それじゃあ次は……」
そこで言葉を濁らせるまどか
まどか「ごっ、ごめん、ほむらちゃん。キスの次って……、何するのかな?」
ほむら「えっ!? あ、わ、私も……、よく、分からない……」
まどか「……あははは、やっぱり私達まだ大人には早かったかな」
ほむら「ふふっ……、そうかもね……」
まどか「んー、でもいいや。こうして裸で触れ合ってるだけで凄く気持ちいいもん」
そう笑って、ほむらの華奢な体をぎゅっと抱き締める
足も深く絡ませ合い、時にもぞもぞと動かし、心地のいいくすぐったさを満喫する
ほむら「まどか、もう一回キスしよ?」
まどか「うん!」
それから二人は抱きしめ合ったまま、何度も何度もキスを交わした
うお、ごめん
ちょっと2~30分抜ける
だいたい最後まで書けてるから、戻り次第一気にいく
2人がおこなったのは、ただ抱きしめ合い、キスを繰り返すだけの稚拙な絡みあい
しかし、どこか背徳感のあるその行為は、2人の気持ちを満足させるに十分なものだった
ほむら(……家に帰ったら、パソコンで調べてみようかな)
ほむら(どっ、どうやって……、するのか、とか……)
のぼせてボーっとした頭の片隅で、ほむらはそんなことを考える
検索ワードは何がいいだろうか
性行為、同性愛、女、レズビアン……
まどか「ほむらちゃん、またやらしいこと考えてるでしょ」
ほむら「えっ!? あ、そ、その……」
まどか「図星?」
ほむら「……ごめんね」
まどか「謝らなくていいよ。だって私も……、多分似たようなこと考えてたから」
まどか「それにしても……」
自分とほむらの身体を交互に見て苦笑する
まどか「汗で凄くべとべとになっちゃったね」
ほむら「うん。……怪しまれないかな」
まどか「あはは、怪しまれるかも。ちょっと洗面所行ってタオルとってくる」
まどかは汗をかいた肌の上に手早く衣服を纏うと、そのまま自室を出ていった
急に部屋ががらんとしてしまったようにほむらは感じる
ほむら「ふうっ……」
大きくため息をひとつ
心の中がとても満たされるような心地だ
これなら明日からも頑張れそうかな、そう思っていた時のこと
ガチャリと、まどかの部屋の扉が開いた
ほむら「あ、早かった……ね……?」
タツヤ「……? 裸のお姉さん?」
ほむら「っ!?」
頭の中が真っ白になる
とりあえず近くに投げ捨ててあったカッターシャツを羽織るが、
そんなことでは誤魔化しきれない
タツヤ「どうして裸なの?」
まどかの弟、タツヤはまだ3歳
汗をかいた状態で裸でいることの意味を、今一つ理解できてはいないようだった
と、まどかが部屋に戻ってきた
まどか「タックン!?」
まどかはタツヤを部屋の中に連れ込むと、慌てて扉を閉めた
まどか「いい、タックン。このお姉ちゃんは……、お体の調子が悪かったの。
それで身体の汗を拭くために、お洋服を脱いでもらったんだよ。分かった?」
タツヤ「うん!」
本当に分かっているのかいないのか
タツヤは底抜けに無邪気な返事をした
まどか「えらいえらい! それじゃあ私はちょっとこのお姉ちゃんとお話があるから、
お夕飯までパパのところへ行っててくれるかな?」
タツヤが部屋を出ていくと、まどかは急くように部屋の内鍵を閉めた
まどか「失敗したなぁ……、ちょっと気が弛んでた」
ほむら「ごめんね。私がもっと早く服を着ておけばよかったのに……」
まどか「ううん。本当なら汗を拭いてから服を着る方が理にかなってるよ。
これは鍵のことに気を回していなかった私のミス」
沈んだ顔をしたほむらを安心させるように、優しく笑いかける
まどか「まあ、仮にばれたとしても、家の親はどちらかといえば放任主義だから……、なんとかなるよ、きっと」
ほむら「……」
まどか「そんなに暗い顔しないで。ね。だって何も悪いことをしたって訳じゃないんだもん!」
ほむら「そっ、そうだよね。悪いことじゃ……、ない、よね」
まどか「うん!」
ほむらが汗を拭い、衣服を整え終える頃には、
既に時刻は夕方と夜の境とも言える時間になっていた
ほむら「そろそろ帰るね」
まどか「あ、送っていくよ。眼鏡が無いのに暗い道を歩いたら危ないもん」
ほむら「わざわざいいの?」
まどか「もっちろん!」
ほむら「そっか……。ありがとう、まどか。頼もしいよ」
まどか「頼もしい、か。なんかいいな、そんな風に言ってもらえるの」
まどか「パパー! ちょっとお友達をお見送りしてくるね!」
知久「あ、ああ、気をつけてね。夕飯はもうすぐ用意できるから」
知久はどこか落ち着かない様子だった
何も気がつかないふりをしながらも、まどかは内心で溜め息をつく
まどか(やっぱりばれちゃってるよねぇ。たぶん無理だったろうけど、
駄目もとでタックンに口止めしておけばよかったかな……)
ほむら「まどか、どうだった?」
玄関に戻ると、ほむらはちょうど靴を履きおえたところだった
自分も靴を履きつつ、まどかはその質問に答える
まどか「大丈夫大丈夫! それよりほら、行こっ?」
まどかは小首をかしげて微笑むと、ほむらの手を握りしめた
ほむら「寒い……」
ひんやり冷えた空気と、時折吹きつける夜風は、
タオルで拭いたとはいえ、まだ湿り気のあるほてった肌によく沁みた
まどか「それじゃ、くっついちゃおっかな!」
まどかはほむらの方へ身体を寄せた
ほむら「うん。少しだけあったかくなった」
それから数分の間、2人は無言で夜道を歩いた
2人の頭の中には、やはりさきほどのタツヤとの一件が引っかかっていた
まどか「……誰が反対しても」
小さいけれど力強い声が、静寂の中に響く
まどか「私はほむらちゃんのことが好きだから」
ほむらの住んでいる家が近づいてきた
ほむら「ここら辺まででいいよ」
まどか「そう? ここまできたら最後まで送っていっても……」
ほむら「ううん。大丈夫。心配してくれてありがとう」
まどか「お礼なんていいよ。私は好きでこうしてるんだから」
それはまどかの偽りない本心だった
ほむら「それじゃあ、また明日学校で、ね」
まどか「うん! 学校で!」
――――
その日、鹿目家の夕食は、表面上特に何事もなく済んだ
一家の大黒柱である母は仕事の都合上席を外していたが、それもよくあること
しかしまどかは、やはりどこか居心地の悪さを感じずには居られなかった
まどか「それじゃあ私、部屋に戻るね」
まどかは食事を終え、自分の分の食器を洗うと、そそくさと自室へ戻っていった
それから二時間ほど後
そろそろ風呂に入ろうかと考えた出した頃合いに、扉が数度ノックされた
まどか「はーい」
扉を開けて部屋に入ってきたのは、案の定まどかの父、知久だった
知久「や、やあ、まどか」
まどか「どうしたのパパ?」
知久「えーっと……、今日の夕飯、どうだった?」
まどか「美味しかったよ。特に鳥の料理がよかった!」
知久「そうかい、それは嬉しいな。今度は味付けをアレンジして、また似たような料理をつくってみようかな」
まどか「……」
知久「……」
ぎこちない会話はすぐに途切れた
このままでは埒があかないと、まどかは自分から話を振る
まどか「……それで、本当の用事は?」
知久は頭をぽりぽり掻くと、言いにくそうな様子でこう切り出した
知久「今日、お友達とこの部屋で何をしていたんだい?」
まどか「たぶん、パパが想像してる通りのことだよ」
知久「そっか……。まあ、まどかも年頃だもんなあ……」
まどか「……」
知久「うん……、だから誰かを好きになったり、そういうのはむしろ必要なことだと思うんだ。
ただ、ね。相手が、その、女の子っていうのは……」
まどか「悪いことなの?」
知久「いっ、いや、決して悪いことではないよ!
だけど世間の風当たりはどうしても強くなってくると思うんだ」
まどか「……」
知久「僕はまどかに幸せになって欲しいと考えている。だからこそ言うよ。
女の子のお友達とそういうことをするのはもう止めておいた方がいい」
まどか「私の幸せはほむらちゃんといることだもん。他の幸せなんていらないよ」
知久「今はそうかもしれない。でも、成長して視野が広がれば、
また別の幸せが見えてくることだってあるんだよ」
まどか「ほむらちゃんといる以上の幸せなんて見つかりっこないよ……」
知久「うーん。どうかな。若い内はそんな風に思いこんじゃうこともあるけど、いつかは――――」
まどか(思い、込み……? そんな訳ない。そんな訳ない!)
以後の知久の言葉は、まどかの耳にはよく入ってこなかった
知久「さて、それじゃあ僕はタツヤを寝かせてくるよ。また今度ゆっくり話そう」
知久との話を通じ、まどかの心の中に残ったのは、
自分の思いを父親から否定されたことへのショックと、
初めて芽生えた親への反抗心だけだった
――――
一方その頃
ほむら(ネットで検索、っと)
ほむら(文字が見えにくい。早く眼鏡買わないとなぁ……)
ほむら(……)
ほむら(……? れ、レズセックス?)
ほむら(これがそうなのかな。見てみよう)
ほむら(キスして、服を脱がせて、ここまでは私達と同じみたいだけど……)
ほむら(!!)
ほむら(あ、あそこを舐めるの!?)
ほむら(汚く……ないの?)
ほむら(でっ、でも……、まどかのなら……)
ほむら(……)
ほむら(!?)
ほむら(あそことあそこをくっつけて……)
ほむら(うわぁ……)
ほむら(こんなのできるかな)
ほむら(……)
「あんあんあん!」
ほむら「……って、わああああっ!!」
ほむら(こ、こんな映像を見てる時にヘッドホンの線が抜けるなんて……)
ほむら(誰かに聞かれなかったかな……、泣きたい)
――――
まどか「んんーっ……」
カーテン越しに差し込んでくる朝日に、まどかはじんわりと意識を覚醒させられた
時計で時間を確認すると、ベッドから抜け出し、眠い目をこすりながら階下へと降りていく
知久「おはようまどか」
まどか「うん、おはよう。けっきょく昨夜はママは帰ってこなかったの?」
知久「ああ、どうも仕事に追われてるみたいでね。泊まりで仕事だって夜遅くに連絡があったよ」
いつも通りの朝の風景
しかしまどかは、自分と父の間に、何か昨夜までは存在していなかった
壁のようなものがある気がしてならなかった
まどか(誰が否定しても……私はほむらちゃんを大好きでいよう)
知久の説得は、結果的にまどかを意固地にさせてしまった
――――
再び異なる時間軸
QBは、契約を結ぼうとしているまどかに対し、あることを語りはじめた
QB「契約の前にもう1つだけ言っておきたいことがある。
あまりに不確かだからさっきは言わずにおいたけれど、実は想定しうる可能性は他にもあるんだ」
まどか「4つ目の可能性が?」
QB「ああ」
そう相槌を打つと、まどかの足元へ近寄り、彼女の顔をじっと見つめる
QB「君の願いと暁美ほむらの願いは、出会いをやり直したいという点が共通している。だから、その2つの奇跡が絡み合い、
暁美ほむらの願いの効力が及ぶ“1ヶ月”の間だけ、通常より大きな奇跡が起こるかもしれない。これが4つ目の可能性だ」
まどか「それってつまり……」
QB「例えばこんなパターンが考えられる」
QB「まず君は、2つの奇跡が効力を発する初めの1ヶ月は、問題なく新しい世界に存在できる。
そしてその期間が終わり、奇跡の力が不足し始めると―――」
――――
朝、登校してきたほむらが教室に入ると、
クラスの女子生徒はひそひそと陰口を叩き始めた
ほむら「……」
ああ、やはりか、と気持ちが沈む
椅子に腰かけると鋭い痛みが走った
ほむら「いっ、たぁ……!」
一度席を立ちあがり、何事かと自分の椅子を見てみる
そこにはがびょうが数個置かれていた
ほむら「……」
がびょうを手で拾ってどけて、もう一度腰かけようとする
ほむら「っ!?」
椅子に全体重をかけた瞬間、またしても激痛が走った
腰を持ち上げ、手で触って確かめてみると、数本のがびょうがスカートに刺さっていた
最初に座った際に、スカート生地に深く食い込んでしまったのだろう
教室にくすくす笑いが巻き起こった
ほむら「……」
じくじくとお尻に走る痛みと、周りの女生徒の冷たさに、ほむらは涙が溢れそうになってきた
と、その時
教室の扉ががらがらと開く
まどか「おっはよー、ほむらちゃん!」
まどかは人目もはばからずにほむらに抱きついた
ほむら「うん……。おはよう、まどか」
腕の中で、恥ずかしそうな顔をしながらも挨拶を返すほむら
いつの間にか暗い気持ちは全て吹き飛んでいた
その日の午前の授業は滞りなく進んだ
あっという間に昼食の時間をむかえる
まどか「ほーむらちゃん! 外でご飯食べよ!」
4限目終了のチャイムが鳴ると、まどかはほむらの机に近付いてそう誘った
ほむら「うん! 今日は自分でお弁当作ってきたんだ。まどかにもお裾分けするね」
まどか「ほむらちゃんの手作り!? わー、楽しみだなぁ!」
クラスメイト1「なーんか張り合いが無いんだよね。2人が揃ってると結局傷をなめ合っちゃうし」
クラスメイト2「何か2人をバラバラにする方法はないかな」
クラスメイト3「あー、そうだなあ……。じゃあこういうのはどう?」
クラスメイトタヒね
――――
まどか「やっぱり屋上は落ち着くなー」
ほむら「ここなら意地悪な人もいないもんね」
二人は段差に腰かけて、それぞれの昼食をとりだした
ほむら「どうかな?」
恥ずかしそうな顔をしながら、蓋を開けた弁当箱をまどかに見せる
唐揚げ、卵焼き、きんぴらごぼうなど、スタンダードな具が納まった手作り弁当だった
まどか「凄い凄い! 綺麗に出来てる!」
ほむら「そっ、そんな……大袈裟だよ」
まどか「そんなことないって! 私もこんな風に料理できたらいいのになぁ」
ほむら「それなら……、今度一緒に料理する?」
まどか「それいいかも! すっごく楽しそう!」
ほむら「約束だよ」
まどか「うん、約束」
二人は小指と小指を絡ませて指切りをした
ほむら「まどかはどのおかずが食べたい?」
まどか「うーん。……卵焼きで」
ほむら「分かった。はい、どうぞ」
まどか「せっかくだからほむらちゃんに食べさせて欲しいな」
ほむら「たっ、食べさせる!? それってその……」
まどか「あーん、ってやつ。あはは、実は前から一度やってみたくって。……駄目かな?」
ほむら「ううん、まどかがしたいなら」
箸で卵焼きをつまみ、それをまどかの顔の方へと運んでいく
ほむら「あーん」
まどか「あーん。……うん、美味しい!」
ほむら「本当に? 良かった!」
まどか「ほむらちゃんは良いお嫁さんになれるね!」
まどかは笑顔でそう言うと、ほむらに抱きついた
まどか「今すぐ私の嫁になってー!」
ほむら「まどかったら、もう……」
我保守
食事を終えた2人は、昼休み終了までの間、屋上で雑談をすることにした
何といっても教室は居心地が悪い
まどか「今日の帰りもどこかに寄る?」
ほむら「もしよかったら……」
まどか「うんうん」
ほむら「2人で、その……、プリクラを撮ってみたいなって」
まどか「あ、いいねプリクラ! 2人の思い出ーって感じで」
ほむら「まどかはプリクラ撮ったことある?」
まどか「んー、何度かあるよ。ほむらちゃんは?」
ほむら「私は初めて」
まどか「そっかぁ。とはいえ私にとっても、ほむらちゃんとプリクラを撮るのは初めての経験なんだけどね!」
ほむら「あ、予鈴だ」
まどか「そろそろ戻ろっか」
ほむら「憂鬱だなあ……」
まどか「だね。ずっと2人でいられたらいいのに。
……そうそう、教科書出しておかなきゃ」
まどかは次の授業で使う教科書をロッカーに入れっぱなしにしていたことを思い出した
自分のロッカーの扉を開ける
まどか「はぁ……」
まどかの教科書の表紙は、カッターか何かでボロボロに傷つけられていた
ほむら「大丈夫、まどか?」
まどか「まあ、中は無事みたいだからまだマシかな……。ほむらちゃんはどうだった?」
ほむら「私はカバンに教科書を全部入れていったから、なんとか」
まどか「あー。私も次からはそうしようかな」
午後の授業も坦々と過ぎていった
いじめっ子達は表向き優等生ぶっているので、座学の時間までは行動を起こさない
まどか「……」
気がつくとまどかは、後ろからほむらの姿を眺めていた
黒くてさらさらした長い髪
編み込みが純朴さを強調するその髪型が、まどかは大好きだった
ほむら「……」
ほむらが後ろの方をちらっと見る
2人の視線があった
もう少し頑張ろう、まどかはそう思い直した
ここまでが前スレ分
――――
その日の帰り道
まどかとほむらは、昼食時に話していたプリクラを撮るため、
真っ直ぐゲームセンターへと向かった
「……ああああっ! ミスったぁ!」
入り口の自動ドアをくぐると、がやがやとした騒音の中から、一際目立つ甲高い声が耳に入ってきた
見ると、ダンスゲームのモニター前で、赤毛の少女が溜め息をついている
その傍らには、似たような顔立ちながらやや幼い少女が立っていた
「お姉ちゃん下手すぎ」
「ぐ……。も、もう一回! もう一回だ!」
「はいはい、いいから早く教会のお掃除に戻る戻る。お父さんに怒られちゃうよ?」
「あー、もうこんな時間……? 仕方ない、リベンジはまたにするか。付き合わせて悪かったね」
「別にいいよ。伊達に妹やってませんから、不出来な姉のお世話ぐらい馴れたものです」
「だーれが不出来だって!?」
姉妹と思しき二人組は、小突き合いながらゲームセンターを出ていった
キター
まどか「プリクラプリクラーっと。……あったあった!」
ほむら「わあっ。プリクラを撮るのってこんな機械なんだ」
まどか「さ、入って入って」
まどかはほむらをモニターの前に手招きした
ほむら「なんだかわくわくするね」
まどか「ね! さってと、背景やフレームはどれにしよう」
ほむら「フレーム? ……あっ、周りの枠のこと?」
まどか「そうそう」
ほむら「それなら……、これ、とか……」
まどか「ハートがいっぱいのやつ?」
ほむら「う、うん」
まどか「へぇー、ほむらちゃんってこういうのが……」
まどかはにやにやとした表情でほむらの顔を見る
ほむら「まどかの意地悪」
ほむらは照れたように俯いてしまった
そんなほむらに、まどかはがっしりと腕をからめて笑いかける
まどか「あはは、ごめんごめん! 私もそのフレームでいいと思う!
なんかこう、熱々カップルーって感じで!」
ほむら「……まどか」
まどか「ん?」
ほむら「私達、カップル……なのかな?」
まどか「そういえば、きちんとそういうこと話してなかったね」
少しだけ場の空気が変わる
ほむら「私は……」
ほむらが何か言おうとした瞬間、フラッシュの光が瞬いた
まどか「って、あああ! 撮影始まってた!」
ほむら「えっ?」
まどか「ほむらちゃんほむらちゃん、ここ覗いて! カメラ!」
ほむら「あ、う、うん!」
まどか「うわー、やっぱり1枚目はひどっ。後の方に撮った奴を使おっと。
分割枚数は……、こんなもんでいっか」
ほむら「やっぱりなれてるね」
まどか「んー、そんなことないよ。2、3回撮れば誰でもこんなもんじゃないかな」
会話をしながらも、設定を手早く決定していく
そうこうする内に、画面が、写真を加工するモードへと切り替わった
まどか「そいじゃあ色々落書きしよっか!」
ほむら「落書き?」
まどか「うん! 好きなスタンプを貼ったり、このペンみたいな機械で自由に文字を書いたりできるんだよ」
まどかはそう説明すると、二人で抱きあっている写真の上にささっとペンを走らせた
そうして出来上がったのは……、
ほむら「相々傘……」
まどか「えへへ、いいでしょ」
ほむら「古っ」
まどか「あー、そういうこと言う?」
ほむら「ふふっ、嘘嘘。少し恥ずかしいけど……、嬉しいな、まどかと相々傘」
――――
異なる時間軸で交わされた最後の会話
QB「契約なんてものは、実はよくよく仕組みを考えてみれば、ただのエネルギー変換に過ぎない」
QB「希望を生じさせるために要したエネルギーを、後から絶望で賄う。
ね? 骨組みを限界まで解体してみると、実はこんなにシンプルなシステムなんだ」
QB「他のエネルギー変換と比べて特殊な点は、今から言うたった2つだけ。
奇跡を起こすことで消費したエネルギーの帳尻合わせが、エネルギーの消費から遅れておこなわれる点。
発生するエネルギーの量が、コストを大きく上回る点。この2つだ」
まどか「それで?」
QB「言いかえるとね。契約というシステムは、希望と絶望を“必ず両方とも”発生させる。
そういうことが織り込み済みの仕組みなんだ」
まどか「……変だよ」
QB「ん? どこか腑に落ちない点があったかい?
僕は当たり前の説明をしているつもりなんだけれど」
まどか「違う。変なのはあなた自身」
QB「僕が?」
まどか「だって、私は今まさに契約しようとしていたんだよ? QBは黙ってそれを受け入れればいい。
なのに……、今更そんな躊躇わせるような説明をするなんて、理にかなってないよ」
QB「確かに今の僕は、どこかおかしいのかもしれない」
QB「最後の契約ぐらいは、フェアなものにしても悪くない。
どうやらいつの間にか、そんな非合理的なことを考えてしまっていたようだ」
まどか「もしかしたら、魔法少女の必要ない世界ってQB達が……。
……ううん、やっぱいいや。何でもない」
――――
まどか「はい、これはほむらちゃんの分」
まどかはハサミで半分に切ったプリクラのシートをほむらに手渡した
ほむら「こういうのずっと憧れてた」
そう言ってほむらは、プリクラのシートを大事そうにぎゅっと抱える
ほむら「でも……、大事すぎて、一生使えないかも」
まどか「あはは、私も。ほむらちゃんとの大切な思い出だからね」
まどか「そうだ! 今から手帳を買いに行かない?」
ほむら「手帳?」
まどか「うん! プリクラを貼ったり、思い出になることがあったら日記を書いたり、そんな手帳。
そういうものがあったら素敵だなって思ったんだけど……、どうかな?」
ほむら「凄く良さそう!」
まどか「だよねだよねー!」
2人は手を取って楽しそうに笑いあった
まどか「よーし、雑貨屋さんにレッツゴー!」
――――
文房具から美容品、パーティーグッズに海外の菓子まで、
とにかく様々な商品が所狭しと並べられた雑貨屋
ほむらは、まどかに案内されて訪れたそんな店の中で、
きょろきょろと落ち着かなさげに視線をさまよわせていた
まどか「手帳はどこだったかなー」
ほむら「色んなものが置いてあるお店だね」
まどか「こういうお店は初めて?」
ほむら「う、うん……」
まどか「ふふっ、そんなに緊張すること無いよ! のんびり気楽に気楽にー」
ぽんぽんと、ほむらの背中を2度叩く
ほむらは少し安心したような表情を浮かべた
まどか「あっ、いいもの発見!」
ほむら「……それ、カチューシャ?」
まどかが手に取ったのは、ライオンの耳が付いた髪飾りだった
他にもネコミミやウサギミミ、果てはゾウミミなどといったマニアックなものまで、
色々な種類の動物耳付き髪飾りが並べられている
まどか「がおー!」
まどかはライオンの耳を頭にのせると、ほむらの脇をこちょこちょとくすぐった
ほむら「あ、あははっ、くすぐったいよまどか!」
まどか「まいったかー」
ほむら「まっ、まいったまいった!」
まどか「さてさて、負けを認めてしまったほむらちゃんには、罰としてこれをつけてもらおうかな」
ほむら「う、ウサギ耳!? こっ、こんな可愛いの似合わないよ!」
まどかの手の中にあるウサギ耳カチューシャを見て、思わず後ずさりするほむら
しかし抵抗空しく、カチューシャはほむらの頭の上にひょいとのせられてしまった
ほむら「絶対似合わないのに……」
まどか「そんなことないって! よく似合ってるよ!」
ほむら「本当に……?」
まどか「うん!」
ほむら「そ、そうかな……」
ほむらは恥ずかしそうに手をもじもじとさせた
まどか「手帳コーナー発見!」
ほむら「お揃いにしようね」
まどか「それもいいんだけど……、2人で1冊のノートを使うっていうのはどうかな?」
ほむら「えーっと、交換日記みたいな感じにするの?」
まどか「うんうん、そんなイメージ!」
ほむら「なんだかロマンチックだね。良いと思う」
まどか「よかったぁ。それで肝心の手帳だけど……」
ほむら「あ、これ可愛い……」
まどか「このピンクの手帳? ふふっ、やっぱりほむらちゃんこういうファンシーなの好きなんだ」
ほむら「そっ、そういうわけじゃ……」
まどか「まあまあまあ。何はともあれ、この手帳で決まりだね」
まどか「ああ、楽しかったー!」
ほむら「そうだね。こんなに楽しいのは初めてかも」
まどか「えぇー、そんなに?」
ほむら「うん。私、まどかといる時間が好き」
まどか「そんなこと真顔で言われたら照れちゃうよ……」
まどかははにかんだような笑顔を作り、頭を数度掻いた
まどか「でも、私もほむらちゃんと一緒の時間が大好き。一番好き。だから……」
ほむら「?」
まどかは何かを言おうとし、しかしそこで口ごもった
少し間をおいてから、こう提案する
まどか「……この手帳。今日は私が借りてっていいかな?」
――――
ほむら(今日は本当に楽しかったなぁ)
ほむら(まどか、手帳にどんなこと書いてきてくれるんだろう)
ほむら(……)
ほむら(あれ? あそこにいるのは……)
ほむらは、玄関の前に誰かがしゃがみ込んでいるのを見つけた
人影の方もほむらの存在に気がついたのか、こちらの方に歩み寄ってきた
さやか「こっ、こんばんはー」
ほむら「こんばんは……?」
ほむらの家の前に待機していたのはさやかだった
おい
さやかしね
ほむほむあああああああああああああああああああああああああああ
ほむら「美樹さん……でしたっけ? どうして私の家の前に……」
さやか「あー、住所なら名簿を見て……。って、そういう意味じゃないよね……」
ほむら「……」
さやか「用があるの」
ほむら「……?」
さやか「単刀直入に言うよ。まどかと距離を置いてくれないかな。
ううん、もう金輪際まどかには話しかけないで欲しい」
ほむら「どっ、どうしてそんな……。そんなの絶対に嫌!」
さやか「まどかの為なのよ」
ほむら「……えっ?」
さやか「いじめの主犯格がね、こう言ってきたの。
まどかと暁美さんが一緒だといじめ甲斐が無い。2人を引き離したいって」
ほむら「そ、それ……で……」
さやか「それでこうも言ったわ。暁美さんがまどかと距離を置くのなら、
まどかに対する嫌がらせは止めてもいいかな、ってね」
さやか「アンタとまどかが物凄く仲が良いのは分かってる。だけど……、ごめん。
まどかの為にも、距離を置いてやってくれないかな?」
ほむら「……」
さやか「正直言うとね……。アンタとまどかの関係をうっかりクラスで喋っちゃったのはアタシなんだ」
ほむら「っ!?」
さやか「ごめんなさい。まさかこんなことになるなんて、思っても、みなく……て……」
次第に、さやかの声が涙交じりになっていく
さやか「虫のいい話だってことは分かってる!
だけど、まどかが虐められるところは……、これ以上見たくなくって……」
ほむら「……」
さやか「ごめん……なさい……。本当に……ごめんなさい……」
ほむら「……私、あなたのことは好きになれそうにない」
さやか「うん、当然……だよ……ね」
ほむら「でも、まどかが虐められてるところを見たくないって部分だけは、よく分かる」
さやか「……」
ほむら「だから……、あなたの言う通りまどかと距離を置くことにするね」
さやか「あり……がとう……。本当にごめっ……、んな、さい……」
さやかはほむらに頭を下げたまま涙を流し続けた
――――
翌朝
ほむらが教室に入ると、やはりひそひそ話が始まった
ほむら(辛いなぁ……)
こういうことに慣れという言葉は存在しない
と、足に何かが引っかかるのを感じた
ほむら「きゃっ!?」
ほむらはバランスを崩し、盛大に床に転んでしまった
誰かが足を突き出して、わざとほむらを転ばせたようだった
クラスメイト3「ださっ」
ほむら「……」
痛さと悔しさで涙目になった
いつまでも床に寝たままという訳にもいかない
服についたほこりを手で払い、かばんから飛び出した教科書の回収にとりかかる
ほむら「……あっ」
教科書の1冊が足で踏み潰された
クラスメイト2「あ、ごっめーん! 気が付かなかった!」
教科書を踏んだ女生徒は、白々しくそう言ってのけた
ほむら「……」
足跡がつき、表紙がぐしゃぐしゃによれてしまった教科書を拾い上げる
ほむら(ついこの間まで新品だったのに……)
ほむらは、また何かされる前にと、素早く自分の席についた
「……キモイよねー、……」
「……、……ないよ、レズとか……」
ひそひそと自分のことを噂しているのが聞こえてくる
もしかしたら自分の悪口ではないものも混ざっているのかもしれない
しかし、ほむらには、周りの全員が自分の陰口を叩いているかのように思えてならなかった
ほむら「……」
なんとなくやりきれなくなり、机の上に頭を伏せる
「寝たふりしてる」
「絶対起きてるよ、あれ」
ほむら「……ぐすっ」
でもこのさやかはゴミ屑
少しして、ほむらの耳にある声が飛び込んできた
まどか「おはようほむらちゃん! ……あれ? もしかして寝てる?」
ほむら(まどか……)
ほむらは、まどかに泣きつくたくなる自分を必死で抑えた
ここでまどかに話しかけたら、これからもまどかをいじめに巻き込むことになる
自分が我慢しさえすれば、まどかは酷い目にあわずにすむのだ
まどか「また後でお話ししようね……?」
まどかは寂しそうな声色でそう言うと、自分の席へと戻っていった
ほむら(これでいいんだ。1人で頑張らなくちゃ……)
>>165
親友がいきなり現れたレズっぽいぼっちのせいでいじめに巻き込まれそうならなんか動くだろ
が、肝心のまどかが「あたしほむらちゃんと二人っきりで帰るから」と言って輪に入れようとしない
明らかにほむほむをぼっちと認識し、にもかかわらず仲間を増やすどころか減らしたまどっちの失敗
早期にさやかと仁美と四人で帰っておかないからこういうことになる
そういう気遣い・友達付き合いできないといつまで経ってもぼっちはぼっちっすよ
ほむらは休み時間のたびに寝たふりをした
まどかは毎回毎回話しかけに来るのだが、ほむらは一切反応を返さなかった
そうこうする内に、昼食の時間をむかえる
まどか「ほむらちゃーん! お昼食べよう!」
さすがにこの時ばかりは、寝たふりだけでは誤魔化しきれない
ほむら(辛いけど……、はっきり断らないと……)
まどか「今日はほむらちゃん寝不足だったのかな?
実を言うと私も、昨夜はなかなか―――」
ほむら「ごっ、ごめんなさい……。私、お昼は一人で食べたいの」
まどか「え……?」
ほむら「ううん。お昼だけじゃなくて、帰りも1人が良い」
まどか「ほむら……ちゃん?」
ほむら「まどかといると、その……」
なんとかまどかを突き放そうと、色々思考を巡らせる
しかしほむらには、まどかを罵倒する言葉が1つも思いつかなかった
仕方なく、心にも無い嘘をつく
ほむら「同性愛者扱い……、されるのが……もう嫌なの」
まどか「……そっか、そうだったんだ……。
ごめんね、ほむらちゃんの気持ちに気付いてあげられなくって」
まどかは、泣きそうな声でそう呟くと、ふらふらと教室を出ていった
ほむら「うっ……、ああ、うあぁぁ……」
まどかの姿が見えなくなってから、ほむらは声を出して泣いた
事情を知らない生徒達は怪訝そうな顔でほむらの方を見る
そんな中、いじめの主犯者達は、楽しそうに笑いあっていた
クラスメイト1「おっもしろー!」
クラスメイト2「やっぱバラバラにしたのは正解だったね」
クラスメイト3「つーかさ、実際のところ鹿目さんって、自分がいじめられるよりも
他人がいじめられているのを見る方が苦手そうなタイプだよね」
クラスメイト2「おー。そう考えると、なんか超効率的に虐めてる感じ」
クラスメイト3「もしかして私いじめの才能あるかも」
さやか(本当にごめんね、転校生……)
さやかは心の中でほむらに謝るも、実際の行動に移すことはできなかった
もう色々とわろた
__,冖__ ,、 __冖__ / // ∧ /| __
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ / __..:::{>゙´: : : : : : : `ヽ-.、
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ / _//: : : : : : : : : : : : : : : : ∧∧
__,冖__ ,、 ,へ / ,ィ `フ./.: : : : : : ;i : : : : : : : : : : {: :} ; ‐-.、
`,-. -、'ヽ' く <´ .7_i// .,´: :i : : /!ノへ,j: : :i!: : : : : : : : ;' : : : : : :`ゝ
ヽ_'_ノ)_ノ \> / !..:/: : :/γ¨ヽ !: : j|:/ ゞi: : : | : : : : : : : |
n 「 | / ノ 1 /: :i (::ソ w/γ¨ヽ:!: : : | : : : : : : : |
ll || .,ヘ / {∧: :| ' ji' , (::ソ |: j-、; : : : : : : |`
ll ヽ二ノ__ { Ⅵ\ ;' ァ-、 ' }}' ; /.ノ|/!:∧:ト、 |
l| _| ゙っ  ̄フ > 、__ j; /:'`ヽ、__′ i! .)'
|l (,・_,゙> / j _|_/`ヽ´ /____/ `ヽ-、
ll __,冖__ ,、 > ヽ 〉:::::`x__x:´::::::::ヘ ハ
l| `,-. -、'ヽ' \. }:::::::::::{::{:::::::::::::::::} i / ` ‐ 、__
|l ヽ_'_ノ)_ノ ト-‐- ∨; :イ|_|:|、::::::::::/ `ヽ__!、_ `Y
ll __,冖__ ,、 | /`|:| |:|  ̄ ̄ `、‐、ノ |
n. n. n `,-. -、'ヽ' iヾ /||' !:! !:ト、 \} ',
|! |! |! ヽ_'_ノ)_ノ { ‐-/ .ヾ.、/ ∨ / /| __」
o o o l (ィ 乂 / / 〆 / .Y´ !
――――
まどか「ぜーんぶ、私の勘違いだったのかなぁ……」
屋上でひとしきり泣いた後、
まどかは、やはりほむらのことを考えていた
まどか「私の一方的な思いを、優しいほむらちゃんはなかなか否定できずに、それであんなに思いつめて……」
仁美「それは違うと思いますわ」
まどか「仁美ちゃん……?」
仁美「ええ。お隣、失礼します」
まどか「うん……」
仁美「まどかさんとは、なんだか久しぶりに会話をするような気がしますわね」
まどか「そうだね……。なんか、ごめんね」
仁美「まどかさんが席を立たれた後、暁美さんは泣いていましたわ」
まどか「そう、なんだ……。ほむらちゃん優しいから、
私に本当のこと言うのが泣くほど辛かったのかな……?」
仁美「あれはそういう涙ではなかったように思います」
まどか「そんなことないよ……、だってほむらちゃんは……」
仁美「暁美さんが、器用な演技のできるような方に見えますか?」
まどか「えっ?」
仁美「もちろん私は詳しいことは存じません。
ですが、今まで暁美さんがまどかさんに見せ続けてきた顔と、先ほどの言動。
その片方だけが嘘だとした場合、それがどちらであるかというのは……、蚊帳の外の私にも判断できます」
まどか「……そう、だね」
まどか「ほむらちゃん、ちょっと不器用な子だもんね。
演技であんなに嬉しそうにプリクラ撮れる子じゃ……ないよね」
仁美「暁美さんを近くで見てきたまどかさんがそう言うのなら、きっとそうなのでしょうね」
まどかは指で涙を拭い、仁美の方に向き直る
まどか「私、今日までのほむらちゃんとの思い出をもう一度信じてみる」
仁美「恐らく暁美さんにもきっと何か事情があったんだと思います。
頑張ってください。応援していますわ」
まどか「うん。ありがとう、仁美ちゃん。
それと……、ここ最近のこと、ごめんなさい」
教室に戻るとまどかは、ほむらと共同で買ったピンクの手帳を取り出した
そしてそれを、机に伏せて寝たふりをしているほむらに渡そうと試みる
まどか「これ、受け取ってくれる?」
ほむら「……」
ほむらは顔を伏せたまま反応を返さない
まどか(今は無理に気持ちを押し付けない方がいいのかもしれないけど……)
まどか(せめてこれだけは受け取って欲しいな)
まどか「手帳、ほむらちゃんの鞄の中に入れておくね。
もし気が向いたら、お家に帰ってから読んでみてね」
結局その日、まどかとほむらが学校で直接言葉を交わすことはなかった
やだ仁美ちゃんかっこいい
――――
【手帳、2ページ目】
今日はほむらちゃんとの初プリクラ(前のページに貼ったよ)! そして初ショッピング!
普通のことのはずなのに凄く楽しかったのは、
きっと一緒にいたのがほむらちゃんだったから
これからも2人でたくさん思い出作りたいなって、そう思ったよ
プリクラを撮る時、私達は恋人なのかなって、ほむらちゃんそんなことを聞いたよね?
私は……、恋人なんじゃないかなって思ってる
お互いに好きで、キスをしてて、もうちょっと進んだこともしてて
でも、今日のことで、やっぱりきちんと告白って形をとるべきなんじゃないかって感じたの
だから……、できたら今日の5時半、公園のベンチにきてください
そこで私の気持ちを伝えます
ごめんね、文章なんて回りくどい形で誘っちゃって
でも、やっぱり色々と不安で、踏ん切りがつかなくって
こんな駄目な私だけど、もし良かったら、待ち合わせ場所に来て下さい
長くなっちゃったけどこんなところかな
ではでは
仁美はさやかの事情なんて知らなかったんだからある意味筋は通してるだろ
きょーすけのケガ治ったから告白したのかよとも思うかもしれんが
――――
公園のベンチで、まどかは1人ほむらを待っていた
まどか(ほむらちゃんきてくれるかなぁ……)
まどか(なんて、それ以前に文章を読んでくれるかどうかも分かんないか)
まどか(まあ、それならそれで、仕方ないのかな)
まどか(時間は……って、まだ4時台か)
日が落ち始め、風が徐々に冷たくなってきた
思わずぶるりと身震いしてしまう
まどか(缶のココアでも飲もうかな)
まどかは財布を取り出しながら自販機の方へと向かった
>>197
筋というか、あの時点で上條くんは誰のものでもないからね
さやかにあらかじめ宣言する分いい子なのになぜか叩かれるっていう
――――
一方、ほむらは、学校に残って掃除をしていた
まどかを突き放した結果、再び掃除の頼みを断れない状況に戻ってしまったのだ
ほむら「……」
教室の掃除を1人で終える頃には、日はすっかり沈んでいた
ほむら「まどか……」
ほむらは掃除をしている間中まどかのことを考えていた
自分が冷たい言葉をかけた時のまどかの悲しそうな声は、彼女の耳について離れなかった
はいはいどーせ本編でも全部さやかが悪いですよーだ
ほむら「……そういえば、手帳」
ふと、まどかが自分のカバンの中に入れていった手帳の存在を思い出した
カバンから手帳を取り出し、ページをめくってみる
ほむら「……」
まどかが書いた文章を読んでいる内に、大きな喪失感が込み上げてきた
ほむら「私にはやっぱり、今更まどか無しの毎日なんて……無理だよ」
自分はまどかに依存してしまっている
そのことを自覚する
ほむら「たとえまどかがいじめられることになろうとも、まどかと一緒にいたい。
そう考えちゃうのはいけないことなのかな……?」
手帳を見つめて、悩む
悩んで悩んで、悩み抜いた末に出した結論は、
ほむら「……行こう。まどかを迎えに」
自分の感情に素直になろうというものだった
>>203
それはないだろ
コミュ障視聴者がさやかの周囲のコミュ障をひたすら擁護して
さやかを追いこんだ面をまったく無視しているのが現状
いや、視てる本人がコミュ障だから無視というよりか
「こんなのどうしようもないじゃん」と投げてるんだよね
ほむら「はあっ、はあっ……」
まだ待ち合わせの時間には余裕がある
だけど、一刻も早くまどかに会いたくて
気が付くとほむらは公園へと走っていた
ほむら(きっとまどかは待ってくれている……)
心臓を気遣いながら、時々ペースを落としながら、それでも走る
公園が目の前に迫ってきた
ほむら(いた! まどかだ!)
ほむらは、ベンチに腰掛けているまどかの姿を発見した
ほむら「まどかっ!!」
まどか「ほむらちゃん? きてくれたんだね!」
まどかもほむらの方に近づいてきた
ほむら「まどかっ、私ね! やっぱり、まどかがいないと……」
あと少しで手が触れそうになった、その瞬間
からん……
乾いた音をたて、まどかの握りしめていたココアの缶が地面に落下した
お前ら落ち着けよ
青が嫌なやつってのは公式なんだから今更だろ
立ち位置が一般人代表のまどかに対して、頭の中が一般人代表のさやかってのは面白いよな
鹿目まどかという人物は、本来なら同性であるほむらには決して恋をすることのない人物だった
しかし、出会いをやり直したいという、極度に強い思いからくる2つの願いの影響を受け、
この世界のまどかのあり方は通常とは大きくずれてしまっていた
ほむら「え……?」
急に頭の中の一部分がぼやけ始める
今日は、ほむらの奇跡の効力が切れる、ちょうどその日だった
ほむら「私、どうしてこんなところに」
魔法の存在しないこの世界において、辻褄の合わない存在となったまどかは、
二重の奇跡による保護の切れた今、全ての帳尻を合わせるためにこの世から消滅したのだった
ほむら「あっ、あれ? えっ?」
何かがどんどん頭の中から消えていくような奇妙な感覚
自分の目の前にあるのは、地面に転がったココアの缶だけ
ほむら「いっ、いや! やだぁ!」
忘れたくない
もはや対象の抜け落ちてしまったそんな感情を、何か形に残しておきたくなって
ほむらは咄嗟に、ピンクの手帳を取り出し、自分の思いを綴ろうとした
ほむら「私は、私は……」
そうこうしている間にも、記憶はどんどんと褪せていく
涙がぽろぽろとこぼれ出す
急いでペンを走らせるも、たった3文字を記したところで、
もはや自分が何を記録したいのかも分からなくなり
ほむら「……」
数分後
鹿目まどかのことも、彼女との思い出も、彼女に向けていた感情も、
その何もかもが、ほむらの記憶の中から消え去った
>>209
嫌な奴が公式設定なんて初めて聞いたわw
ほむらにとってのさやかが「何度ループしてもまどかとの仲を邪魔する嫌な奴」であると同時に
さやかにとってのほむらが「初対面なのにクラスメート無視してまどかにだけ執着する嫌な奴」
そのすれ違いが見ていて面白いのに、ループしているということを忘れて
「ほむほむはこんなに辛い過去があるのにさやかはなんて嫌な奴!」
なんてアホなコメント出す視聴者が多いんだろ
まあ稀に「ループしてるほむほむが上手くやれば解決するのにいらいらする!」
なんて逆方向にアホなこと考えちゃってる奴もいるみたいだけれど
全員どこか残念な部分を持っててそれが連鎖して上手くいかないって作品なのにもったいな見方だと思ってる
ただそれだけ
――――
ほむら「……」
教室に入ると、いつものように陰口を叩かれる
机周りには当たり前のように何かしらの嫌がらせ
『死ね』
『根暗レズ』
『消えろ』
ほむら「……」
落書きを雑巾でこすって落としている内に、ふと気になった
どうして自分は虐められることになったのか
なぜレズ扱いされているのか
きっかけを思い出すことができなかった
ほむら(いじめなんてそんなものなのかな……)
ほむらにとって気の重い体育の時間がやってきた
今日の種目は、先日に引き続きバレーボール
ほむら「あっ」
ほむらが失敗をするたびに、周りの白い目線が刺さった
大袈裟に溜め息をつく者や、わざと聞こえるように舌打ちをする者もいる
ほむら「……」
周りが冷たく当たると、余計に動きが委縮し、ますますミスが増えてしまう
体育の時間中、ほむらは、まるで曝し者にされているかのような気持ちを味わい続けた
昼食時になった
自分で作った弁当を取り出す
ほむら(今日は……、卵焼きの味付けが上手くいったっけ)
今朝の味見のことを思い出す
今日の卵焼きは、ちょうど自分好みに味付けできていたはずだ
ほむらは、卵焼きを前に、ほんのちょっとだけ胸を弾ませた
しかし、彼女が卵焼きを食べることはかなわなかった
クラスメイト3「おっとっと!」
ほむら「あっ……」
女子生徒がわざとらしく机に手をついてきて、ほむらの弁当を床に落としてしまったのだ
弁当箱の中身が散乱する
クラスメイト3「ごっめーん! バランス崩しちゃってさー」
ほむら「……」
ほむらは床に落ちてしまった弁当を1人で片づけた
その日ほむらは、昼食を抜いた
おどろきの
――――
いつかと同じように、夕日の照らす中、とぼとぼと1人で下校するほむら
長い橋の上を歩きながら考える
ほむら「こんな生活が続く位なら、いっそ……、死んじゃった方が」
橋のふちに寄り、下に広がる風景を見下ろしてみる
ほむら「ここから落ちたら……楽になれるのかな……」
一瞬だけ気の迷いが生じる
だが、ほむらにはそれを実行に移すことができなかった
ほむら「……やだよぉ、死にたくないよ……」
結局、真剣に死というものに向き合えるほど、
ほむらという少女は強くもなければ壊れてもいなかった
それからしばらくの間、ほむらはその場にしゃがみ込んで泣き続けた
ほむら「ただいま」
誰もいない家へ帰宅する
ほむら「はあっ……」
ほむらは、かばんを放り投げると、床にごろんと大の字になった
ほむら(明日から学校さぼっちゃおうかなぁ……)
真剣にそんなことを検討する
その時、不意にほむらの視界の中に、あるものが入ってきた
ほむら「あんなもの家にあったかな……?」
それは、ピンク色の手帳だった
見覚えの無い手帳なのに、何故だか、とても大切なものだったような気がする
ほむらは誘われるようにその表紙をめくった
ほむら「……」
一番最初のページには、ほむら1人しか写っていない寂しいプリクラが貼られていた
写真の左半分には、誰もいないスペースが不自然に空いている
どうしてこんなものをとったんだろうと、ほむらは首を傾げた
ほむら(次のページは……、空白?)
プリクラが貼ってあったページをめくると、そこに広がっていたのはただの空白だった
ほむら(最初の1ページしか使っていなかったのかな)
ページをめくって確認してみる
ほむら(あ。今度は文字が……)
「大好き」
そこには自分の文字で、そう一言だけ書かれていた
それは、ほむらがまどかに対して抱いていた、最後の感情だった
大好きという文字が誰に、あるいは何に向けたものなのか、ほむらには全く思い出せなかった
だが、焦りながら書かれたようなその文字からは、強い何かが感じられる
ほむら「……あれ? この紙、なんだか……」
ほむらは、紙がゴワゴワしていることに気が付いた
まるで涙か何かで濡れた後のように
ほむら「まどか……」
気が付くとほむらは、記憶の中に無いはずの少女の名を呼んでいた
ほむら「まどかに会いたい……。会いたいよぉ……」
「それが君の望みかい?」
ほむらが声の方を見ると、そこには白色の毛に包まれた小動物が座っていた
QBループwwwwwwwwwwwwwwwwww
ほむら「あなたは……」
QB「僕はQB。さっそくだけど、もし君が望むなら、僕は君の願いを何でも1つだけ叶えてあげよう」
ほむら「願いを何でも?」
QB「疑わしいという目をしているね。もっともだ。
だけど、何もしないよりは、たとえ低い可能性であっても試してみた方がいいとは思わないかい?」
ほむら「……」
QB「少し、長い話をするよ。
僕達の星は、エネルギー不足に頭を悩ませていた」
ほむら(僕達の……、星? まるで自分が地球の外からやってみたいな言い方ね)
QB「研究を続けるうちに僕たちは、絶望という感情の特異性に気が付いた。
そしてそれを利用し、多大なエネルギーを生み出す仕組み、通称“魔法少女システム”を構築しようとした」
ほむら「話がよく分からないわ……。それに、その話は今の状況と何も関係が……」
QB「まあいいから聞いていて」
QBェ…
こんなんしたらほむほむのSG一発で真っ黒になってしまうじゃないか
QB「今にも完成しようとしていた魔法少女システム。
だけどシステムが実用に移される寸前で、全く正反対のエネルギー生成法が発案された」
ほむら「全く正反対の?」
QB[それは、絶望が希望に転換される際に生じる、ある特殊な現象を利用したシステムだった。
これにより、魔法少女なんてものは……、必要なくなった」
ほむら「絶望を、希望に転換……」
QB「ざっくばらんに言うと、大きな絶望が希望へと変化する際には、非常に大きなエネルギーが発生するんだ。
僕はそのエネルギーを手に入れる為に、絶望している人を探し、そういった人々の願いを叶えて回っている」
ほむら「それで、私の願いをかなえると?」
QB「理解が早くて助かるよ」
「魔法少女なんてものが必要の無い、そんな世界でほむらちゃんとの出会いをやり直したい」
システムの構築に、ある少女のそんな願いが関与していたことを、この世界の誰も知らない
QB「君にこの話をしたのは、あらかじめ利害関係をはっきりさせることで、
できる限りすっきりした気持ちで願いを叶えて欲しかったからだ。
その方が、事がスムーズにいくからね」
ほむら「……信じていいの?」
QB「やってみれば分かるよ。さあ、君の願いを聞かせておくれ」
ほむら「分かった……」
少しだけ迷った後
ほむらは、目の前の不思議な生物の言葉に賭けてみることにした
ほむら「まどかとずっと一緒にいたい。これが私の願い」
QB「……よし。君の願いは、今エントロピーを凌駕して成就した」
そして鹿目まどかという少女の存在が、再びこの世界で息を吹き返した
/ `ヽ , -―っ
', /・ ニつ _ ____
...:::::::::... \__ノ} y'´ ̄`ヽ> ´ `ヽ. /
`Y⌒Yニヽ _ / ._{_{_、::::::::7: ( ∨
l . 〉:. (ニ )-、_ ン- )_:ーi:: ( l
|. (:::::../ /‐- 、`ー-=-┴ (ニ `Y::: ( .:l
. 、 ノ `Y:::::,'::. ヽ ./` .ノ:、:::. ● ..:::\
::. `ヽ、___└::、:::::. ......::::::ゝ:::::::::::人:::::... ...::/入 ヽ
:::::::::....... ......::::::::::::::::::::ヽ::::::.....::::::::::::::_;:-‐‐ ´. ,.-、\::::::::::://--‐'´
、::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ̄ `ー-‐ ´ ̄ , -―‐‐┴‐┼―‐'´/
. ` ー- :::::::::::: -‐ ´ ど__ ’. .| _, -‐´
 ̄ /__ ・ _,ィ 「
(// / 乂_ノ
し'
ほむら「っ!? この、気持ち、は……」
ほむら(そっか。私はこんなにまどかのことが好きで……)
QB「その顔を見るに、どうやら上手くいったようだね」
ほむら「QB。私、行ってくる」
QB「健闘を祈っているよ」
ほむら「うん。それと……、ありがとう」
ほむらは一言礼を言うと、ピンクの手帳を掴み取り、
急いだ様子で部屋を飛び出していった
QB「本当は……、希望を絶望に転移した方が、効率はいいんだけどね……」
誰もいなくなった部屋で、ぽつりと呟く
QB「でもまあ、こんなやり方も悪くはないのかな」
そう言ってQBは小さく微笑んだ
まどかの願いは、QB達にほんの僅かな感情を付与させた
結果的にそのことが、QB達の行動に大きな変化をもたらしたのだった
QB「さて、そろそろマミのところへ戻ろうかな」
QBは、初めて自分が願いを叶えた少女のところへと帰っていた
ヽ / / / ( )`ヽ
ヽ / / / /`='ヽ .l
ヽ / / l ゝ== ' l
/ .l ヽ ノ
/ ,l _ ` ー― '
/ | ,r'´ ,´`ヽヽ
/ | / rヽ--{ i
/ | l l ゝ __ノ l
/ | ヽ ゙、 / /
_____ / | ` ―― ´ /
ー―、ヽ' 、 ノ <
/ 、 r― --- ' `ヽ
/ 、 、 ノ
/ ヽ  ̄
/ ヽ ,.
|\ ,.イ
ヽ / `ヽ、 ,. - ' /
、 ヽ ./ ` ー 、 _____ , - ' / どうだい僕が登場すると
..ヽ ヽ ,〈 /
ヽ ヽ ∧ヽ / とても安心するだろう?
――――
ほむらは、手帳でまどかが指定した公園へと向かっていた
まどかがそこにいるであろうことが、何故だか確信できた
そしてその予感は正しかった
ほむら「まどかーっ!!」
声の限り、まどかの名を呼ぶ
まどか「ほむらちゃん? だっ、大丈夫!? 凄い汗だけど」
まどかの心配の声を無視し、彼女の胸に飛び込む
ほむら「会いたかったよぉ……」
まどか「……うん。私も」
ほむらは嗚咽を漏らしながら、強く強くまどかに抱きついた
まどかは、そっとほむらを抱き返した
ほむら「きっと、私といると、まどかはこの先いじめに巻き込まれつづけると思う。だけどね……」
まどか「……」
ほむら「凄くわがままで、勝手な思いなんだけど……、私はそれでもまどかの傍にいたい」
まどか「わがままなんかじゃ、ないよ……」
まどかは泣きそうな、だけど嬉しそうな声で、ほむらの言葉を否定する
まどか「わがままなんかじゃ、ないんだよ……」
ほむら「私はまどかのことが好き。友達としてではなく、もっと深い意味で」
まどか「うん、私も。ほむらちゃんのことが、誰よりも何よりも好き」
ほむら「こんな私で……いいの?」
まどか「そんなほむらちゃんだから好きなんだよ」
まどかは、穏やかな笑みを浮かべてそう言った
まどか「……だから、私と付き合ってくれないかな?」
ほむら「うん!」
そして2人はキスを交わした
――――
明かりの消えた部屋の中
ぴちゃぴちゃと響く湿った音
時折そこに、少女の喘ぎ声が混ざる
「ほむらちゃん……」
「うん」
「大好き」
ぴちゃぴちゃと、何かが飛び散るような音がした
「うぅ……」
呻き声が漏れる
「私も……、まどかが大好き」
荒い息遣いの向こうから、そんな言葉が聞こえてきた
世間から認められない恋を、2人は成就させた
ベッドで横になりながら、まどかは自分の隣で寝転んでいるほむらに話しかける
「きっとこれから辛いこと、たくさんあるんだろうね」
「そうだね。でも……」
「……?」
「私には、まどかといられないこと以上に辛いことなんてないよ」
「ふふっ。やったね、ほむらちゃんを虜にしちゃった」
「あはは……、そうだね、虜にされちゃったの、かも」
「責任、とるから」
「うん……。愛してるよ、まどか」
「私も愛してるよ、ほむらちゃん」
再び、湿った音が響き始める
夜が明けるまでは、まだたっぷりと時間がありそうだった
おわり
QBちゃんぺろぺろ
あれっ
>>1乙ぺろぺろ
乙
なんかもやもやした終わり方だった
パパ、さやか、仁美との関係修復がなきゃいじめ問題解決しないのに
なんかレズセックスひゃっほうベストエンドみたいな空気なんだよなあ
乙乙
後日談、まどかの両親周りやマミさんとQBのこととか、だんだん書きたくなってきた
物凄い勝手な願望なんだけど、もしも明日の夜までスレが残ってたらそこらへんの話を書きたい
今日はもう時間がなくて無理だ。ごめん
あと読んでくれてありがとう
!
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02:00-04:00 30分以内
04:00-09:00 50分以内
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16:00-19:00 20分以内
19:00-00:00 10分以内
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00:00-02:00 20分以内
02:00-04:00 35分以内
04:00-09:00 60分以内
09:00-16:00 35分以内
16:00-19:00 20分以内
19:00-00:00 10分以内
まどっちまどまど
.,-'''''~~~ ̄ ̄~~''' - 、
\ ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/ _,,..-一" ̄
\ £. CO/ ̄ \ _,,..-" ̄ __,,,...--
∫ / ,、.,、 |,,-¬ ̄ _...-¬ ̄
乙 イ / / ._//ノ \丿 ..|__,,..-¬ ̄ __,.-一
.人 | / ../-" ̄ || | 丿 / ). _,,..-─" ̄ ._,,,
マ .ゝ∨ / || " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
( \∨| " t-¬,,...-一" ̄ __--¬ ̄
ミ ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")
.⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_ (/
/ ( / ∪.冫 干∪ 人 ` 、 `
/ ) ノ '`--一`ヽ 冫
く.. /
. ト─-----イ |
∪ ∪
――――
ほむら「えっ? 今日から4人で帰るの?」
まどか「うん。ほむらちゃんが私としか話さない状況って、
長い目で見るとあんまりいいことじゃないかなって感じるから」
ほむら(それはその通りなのかもしれないけど……、4人でっていうと、やっぱりその中には……)
ほむら「美樹さんも一緒なの?」
まどか「うん! さやかちゃん、仁美ちゃん、ほむらちゃん、私の4人で帰るつもりだよ!」
ほむら(やっぱりそうだよね……)
仁美「大勢で帰ると賑やかでよろしいですわね」
まどか「だねぇ!」
さやか「とかなんとか言いながら、さっきから転校生に付きっきりのまどかであった」
まどか「あはは、ばれたか」
仁美「まどかさんの暁美さん依存性にも困ったものですわ。ね、暁美さん?」
ほむら「あっ、えっと、その……まどかがそうしたいのなら、私は別に……」
まどか「ほむらちゃーん!」
仁美「……どちらも重症ですわ」
まどか「ああー、どうしよう仁美ちゃん! このままだと4人で帰る意味が無いよ!」
仁美「どうしようと言われましても……、まどかさん自身が変わらないことには……」
さやか「あー、んじゃさ、今日のところは2人ペアを2つ作って、
まどかと転入生を無理やり分断しちゃうってのはどう?」
まどか「2人・2人で帰るってこと?」
さやか「そうそう。あたしがまどかと帰るから、仁美が転校生と」
仁美「いえ。それなら私がまどかさんと帰りますわ」
さやか「えっ!? なんで!?」
仁美「なんとなく、ですが……、さやかさんと暁美さんの間には何か距離感のようなものを感じますの」
ほむら・さやか(鋭い……)
仁美「ですからどうせペア分けをするのなら、この機会にお2人には親睦を深めていただけたらなと」
まどか「私も仁美ちゃんの意見に賛成!」
仁美「さやかさんと暁美さんはどうでしょうか?」
さやか「あ、あたしは……えーっと」
ほむら「……」
仁美「決まりですわね!」
さやか(自爆した……あたしって、ほんとバカ)
さやか「あ、あのさぁー」
ほむら「……何?」
さやか「あー、何でもない……」
ほむら「そう」
さやか「……」
ほむら「……」
さやか(気まずい……)
さやか(いっ、いや、でも!)
さやか(こうなる原因を作ったのはあたしなんだ)
さやか(ここらでもう一度きちんと謝っておかないと……)
さやか(よし!)
さやか「その、ね。アンタには本当に悪いことしたと思ってる」
ほむら「あの、美樹さん。私、本当はもうそんなことどうでも……」
さやか「そっ、そうだ! 何でも1つお願いを聞いてあげる!」
ほむら「えっ? お願いを?」
さやか「そう! ほら、何か無い? 私にやらせたいこととか!」
ほむら「分かった。それじゃあ>>395をしてくれる?」
コロンビアンネクタイ
ほむら「コロンビアンネクタイをしてくれる?」
さやか「へっ? コロンビアンネクタイ?」
ほむら「コロンビアンネクタイっていうのは、喉をナイフで切り裂いて、
その裂け目から舌をひっぱりだす処刑法のこと」
さやか「無理無理むり! 何でもとは言ったけど、さすがにそれは無理!」
ほむら「そっか。美樹さんの覚悟の気持ちってその程度のものだったんだ……」
さやか「いや、その程度って、だってほら……」
ほむら「凄く、辛かった」
さやか「えっ?」
ほむら「自分がいじめられるのもそうだけど、それ以上に、まどかが自分のせいでいじめられるのが……」
さやか「あ、その、それについては本当に……」
ほむら「じゃあコロンビアネクタイしてくれる?」
さやか「い、いやー、それとこれとは話が……」
ほむら「辛かった。大好きなまどかに冷たくしなければならないはめになって、凄く辛かった」
さやか(どうすりゃいいのよぉおおおおお!)
さやか「あ、あの、やっぱ、その……、なるべく、死なないで済むやつにしてくれない?」
ほむら「ふふっ」
さやか「……え?」
ほむら「コロンビアネクタイなんて冗談だよ。本気にしないで」
さやか「そっ、そうなの!?」
ほむら「というか、ねえ美樹さん、あれを本気にするなんて、一体私のことどんな人だと思ってたの?」
さやか「どんな人って言われても……」
ほむら「分からないよね」
さやか「……うん」
ほむら「私も、美樹さんのこと全然知らない。まどかの友達ってことしか……」
さやか「あんたも冗談なんて言うんだね」
ほむら「暗いからそんなこと言わないだろうと思ってた?」
さやか「えーっと、そりゃその……」
答えに窮するさやか
図星だった
ほむら「本当は私、美樹さんのこともう怒ってないよ」
さやか「へっ?」
ほむら「ただ、なんとなく、話しづらくて……」
さやか「……うん。私も」
ほむら「でもね。さっきの美樹さんの慌てぶりを見たら、なんだか急に親近感がわいた。
そのおかげでこんな風に話せるの」
ほむら「さっき何でも言うこと聞いてくれるって、そう言ったよね?
今から言うのが、私の本当のお願い。コロ……」
さやか「コロンビアネクタイ以外で頼みます!!」
ほむら「あ、先手を打たれちゃった」
さやか「おいおーい、勘弁してって!」
ほむら「なーんてね。うそうそ。これからするのが本当のお願い」
さやか「うん。聞かせて」
ほむら「私と……」
さやか「私と?」
ほむら「……友達になって、くれる?」
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