エルフ娘「クチュン! ……寒いよぉ……」(901)
な?
エルフ耳もふもふしてあげたい
旅人「そこにいるのは誰だ」
エルフ娘「ひうっ」ビクッ
旅人「女の子……? おい、お前一人なのか?」
エルフ娘「あ……う……」
旅人「言葉が通じないのか? まさかモンスターじゃないだろうな」
エルフ娘「」フルフル
旅人「俺の言ってること分かるんなら返事くらいしたらどうだ」
エルフ娘「あ……うう……」
旅人「女の子がこんな夜更けに一人で何をしているんだ。迷子か?」
エルフ娘「……」
旅人「なあ」
エルフ娘「クチュン!」
旅人「お」
エルフ娘「」クシュ……ズズズ
旅人「……あーとりあえずこい。話はそれからだ」
旅人「俺の仮の家だ。暖房なんて無いが外よりはマシだろ」
エルフ娘「……」
旅人「どうした? 入らないのか」
エルフ娘「……」
旅人「別にいいけどな。せいぜい腹を空かせたモンスターに襲われないよう気をつけな」
エルフ娘「!」
旅人「俺は疲れた。先に寝かせてもらうわ」
エルフ娘「」ギュッ
旅人「お」
エルフ娘「」フルフル
旅人「結局入るのか?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「そうか。まー無理にでも連れてこさせるつもりだったけどな」
エルフ娘「……!」
旅人「そういう意味じゃないって。女の子一人、外にほったらかすのも夢見が悪いだろ。ほら入んな」
旅人「まぁ待ってろ。あったかい飲み物作るから」
エルフ娘「……」
旅人「部屋の中ぐらい帽子取れば?」
エルフ娘「……」
旅人「まぁ取りたくないならいいけど」
エルフ娘「……」
旅人「で名前は?」
エルフ娘「……」
旅人「おうちは? おとうさんおかあさんは? 迷子なのか?」
エルフ娘「…………」
旅人「黙ってちゃ分かんないだろう」
エルフ娘「……」
旅人「スキあり!」バッ
エルフ娘「!?」
旅人「お。おっ? お前その耳。……エルフ?」
旅人「エルフの女の子ねぇ」
エルフ娘「……」
旅人「……まぁいいや。ほら、飲み物できたぞ。熱いから気をつけな」 コトン
エルフ娘「……」
旅人「飲まないのか。すぐ冷めるぞ」
エルフ娘「…………」
旅人(警戒してるなー。エルフは人間嫌いって聞いたことがあるけど)
エルフ娘「……」
旅人(人買いが連れ歩いてた値段は半年分の生活が賄えるほどだったが)
エルフ娘「……」
旅人(上玉の少女のエルフとなったらどんだけの値がつくんだろうな)
エルフ娘「……」コト…
旅人「お」
エルフ娘「! あ、あつ」
旅人(…………まぁあんなゴミ共に頼るほど俺も落ちぶれてないけどな)
旅人「……ん。少し苦かったな。飲めるか?」
エルフ娘「」コクン
旅人「そうか。……エルフは薬を作るのが得意なんだってな。お前も何か作るのか」
エルフ娘「」コクン
旅人「へえ、その年でね。何を使うんだ」
エルフ娘「…………」
旅人「なぁ、そろそろ口きいてくれてもいいんじゃないか。飲み代としてさ」
エルフ娘「………………」
旅人「まぁいいけど」
エルフ娘「に、人間と、話しちゃいけないって、おかあさんにいわれた」
旅人「お。見たまんまの可愛らしい声だな」
エルフ娘「」フルフル
旅人「まぁたぶんそりゃ正しいよ。人間は口八丁で誰かを騙すのが得意だからな」
エルフ娘「……」
旅人「その用心深さ。忘れちゃだめだぞ」
旅人「この辺の地図だ。汚いうえに大雑把過ぎるけどな」バサッ
エルフ娘「……」
旅人「今いるのがこの辺……いやこの辺かな? 霞んでてよく分からないが」
エルフ娘「……」
旅人「この地図で、お前の家はどの辺にあるか分かるか?」
エルフ娘「……」
旅人「ああ、まぁ教えるはずないよな。どんな優秀な犬を使ってもエルフの里だけは突き止められないというし」
エルフ娘「……」
旅人「でも困ったな。これじゃ親元に送りに行けない――」
エルフ娘「」パタン
旅人「お」
エルフ娘「Zzz……」
旅人「おおー。よっぽど疲れてたのか」
エルフ娘「Zzz」
旅人「……ベッドに運んでやるか」
旅人「よいしょ。お。軽い軽い」
エルフ娘「Zzz」
旅人(ふーん。エルフの女の子って身体柔らかくていいなー。いい匂いするし)
エルフ娘「Zzz」
旅人(とくにこのケモノ耳が嗜虐性を煽る)フーッ
エルフ娘「んっ……」ピクン
旅人「お。動いた。どうなってんだろなこれ」ツンツン
エルフ娘「んっ……んん……」ピクンピクン
旅人(なんだこれ。可愛いな)
エルフ娘「……Zzz」
旅人「……いややっぱ寝かしとこう。よいーしょっと。固くて毛布薄いけど我慢しろよ。じゃあな」
エルフ娘「」ギュッ
旅人「お」
エルフ娘「Zzz……」
旅人「お。お。なんだこの手」
8
旅人「手ぇはなせよ」
エルフ娘「Zzz」
旅人「二人きりの家でベッドの上から男誘うなんていい度胸してるな」
エルフ娘「Zzz」
旅人(……こいつの手、冷たいな。見た目よりかなり冷え込んでいるのか?)
エルフ娘「Zzz」
旅人「いーからとりあえず放せ」
エルフ娘「んーん!!」
旅人「お」
エルフ娘「…………スースー」
旅人「……。まだ親離れしてないのか」
エルフ娘「」ギュウウ
旅人(……仕方ないな。添い寝してやればいいんだろ)バサ
エルフ娘「Zzz♪」ひしっ
旅人「お? おおー……」
まさか残ってるとは思わなかったんだけど忙しいから誰か続きたのむ
いや 乗っ取りは何度かやったことあるけど
大抵は尻切れトンボのgdgd進行が何日か続いて
最後は立ち消えもしくは糞打ち切りで終わって間違いなく顰蹙買うことになるよ
じゃあなんで乗っ取ったって聞かれたらただのひまつぶし
そんなんでいいなら時間空いたとき書くよ
――翌朝
旅人「……ん、ファァァ……あ?」
エルフ娘「スー……スー……」
旅人「そう言えば添い寝してたんだったな」
旅人「おぅい、離してくれ」ポンポン
エルフ娘「スー……スー……」
旅人「朝飯が食えんぞー。離せ」ユサユサ
エルフ娘「スー……んん……」
旅人「だめだこりゃ。…………」
旅人「…………お前を食べちゃうぞ?」ボソ
やってみたけどすまない俺には無理だ
ほ
>>65にまかせた
>>67
え?
え?
65だけど任されるべきなのか?
自信がない
エルフ娘「!」ピクッ
旅人「お、反応した」
エルフ娘「」ガクガク
旅人「怖がらせちゃったかな…?」
エルフ娘「…ぃ…」
旅人「え?」
エルフ娘「…寒い…」
旅人「ああ、朝は冷えるよな。よし、温かい物作るから…」
エルフ娘「!」パッ
旅人「やっと手放したか」
ごめんこれ以上無理
せっかくなので保守がてら>>57の続き
旅人「……んなことしたら人格疑われるよな、人間にしろエルフにしろ」
旅人「にしてもよく寝てらぁ……押しても離さないし」グイグイ
エルフ娘「スー……」
旅人「この子には悪いが起きてもらうか。このままじゃ何も出来ん」
旅人「……せい!」グイ!
エルフ娘「んん…………!」
旅人「お」
旅人「おはよう」
エルフ娘「!?」
起きて残ってたら……私、頑張ってみようかな
エルフ娘「!?……!!?」アタフタ
旅人「くくっ、そこまで驚くことか?」クスクス
エルフ娘「……」
旅人「落ち着いてきたな。昨日のことは思い出したか?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「じゃあそろそろ離してくれ。飯が食えん」
エルフ娘「!」パッ
旅人「よし、良い子だ」
寝起き一投
書き溜めといた方がいいかな
出かける事になった
旅人「朝食は木の実のスープとパンだ」
エルフ娘「」ジー
旅人「何だその目は。こんな物は口に合わないってか? それとも、まさか毒が入ってるとか思ってるのか?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「失礼な、毒なんぞ入れるわけがない。そもそもお前みたいな子供を殺して何になる……あぁ温かい」ズズズ
エルフ娘「」ジー
旅人「早く食わないと冷めるぞ? それとも腹減ってないのか?」モグモグ
エルフ娘「……」
旅人「そうか、なら仕方ないな……俺が全部食うか。残念だなぁ」
エルフ娘「!」
エルフ娘「」パクパク
旅人「そうそう、まだ名前教えてなかったな。俺は旅人って言うんだ。お前は?」
エルフ娘「……」
旅人「はは、そうだろうと思ったよ。まぁいいさ」
旅人「それでだ。お前の里はこの辺にあるのか?」
エルフ娘「……」
旅人「それを教えてもらわないと、お前を里まで送ることも出来ないんだが」
エルフ娘「…………」
旅人「なぁ、いい加減に――」
エルフ娘「…………ない」
旅人「お?」
エルフ娘「わからない、の」
旅人「わからないってどういうことだ? なら、どうやってここまで来た?」
エルフ娘「……」
エルフ娘「ば、馬車で連れてこられて、それでま、魔物に馬車がお、お、おそわれて」
旅人「ゆっくりでいいゆっくりで」
旅人「で、簡単にまとめると」
エルフ娘「……」
旅人「お前の里が賊に襲われて、そのまま捕らえられて奴隷商に売られたと」
旅人「その商人の馬車に入れられて、移動中に魔物に襲われて壊れた馬車から何とか逃げたが仲間ともはぐれ、一人彷徨っていた所に俺に会ったと」
エルフ娘「」コクコク
旅人「……何とまぁ……苦労してるようで」スッ
エルフ娘「ッ!」ビクッ
旅人「大変だったろ?」ナデナデ
エルフ娘「…………」
旅人「んー……なぁ、馬車のある場所は覚えてるか?」
エルフ娘「?」
旅人「可能性の話だが、残ってる物からどこから来たか分かるかもしれないし、それに」
エルフ娘「……」
旅人「仲間のエルフが近くにいるかもしれない」
エルフ娘「!」
旅人「だから、思い出せないか?」
エルフ娘「」フルフル
旅人「……まぁ、無理もないか」
――森の入り口
旅人「昨日拾った所まで来たわけだが」
旅人「さて、探すにしてもね……手掛かりも何も無いと、まして人里離れた森の手前」
エルフ娘「」キョロキョロ
旅人「お」
旅人「あまり離れるなよ? また一人になっても知らんぞ?」
エルフ娘「!」トコトコ
旅人「……俺一人ならいいんだが、子供といると目が離せなくて落ち着かないな」
エルフ娘「」ギュ
旅人「そうだな、手でも握ってようか。そっちの方が安心できる」ギュ
エルフ娘「!」
旅人「だいぶ歩いてみたが何も見つからないな」
エルフ娘「」ゼェゼェ
旅人「見渡す限り木、木、木……馬車どころか魔物すら見かけない」
エルフ娘「」ハァハァ
旅人「お」
旅人「……少し休もうか」
エルフ娘「」コクコク
旅人「あそこに倒木があるな。そこで休もう」
旅人「悪いな、自分のペースで歩いてた。ほれ、水だ」
エルフ娘「」ゴクゴク
旅人「にしても、この辺じゃないのか?」
旅人「だけど、この子の体力のことも考えるとそう遠くないと思うんだが……」
旅人「さて、それなりに休んだしそろそろ行くか?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「よし、続きといこうか」スクッ
旅人「あー、そうそう、聞きたいんだがお前は逃げ出してから何回野宿した?」
エルフ娘「」ブイ
旅人「二回、か?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「なるほどな。ずっと歩き続けて来たんだろ?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「そりゃこの辺で見つからないわけだな。もっと奥まで行かないとか……」
エルフ娘「……」
旅人「何とか、頑張ってくれよ」ギュ
エルフ娘「……ん」ギュ
書き溜めなくなったけど溜める作業に戻るべき?
ここで書き続けてみる方がいいのか?
完結するなら君の好きなようにしてくれたまえ
>>104
SS書くの初めてだからぶっちゃけ不安
とりあえず息抜きしながら書き溜めてみるね
夕方頃に再開のつもりで
あれ、俺が書き溜めてるやつに似てる…
PCから書けないしもう破棄だな
旅人「む……日が傾き始めたか」
エルフ娘「……」
旅人「だいぶ奥まではきたと思うんだがな」
エルフ娘「」キョロキョロ
旅人「どうする? 野宿してでも探し続けてみるか? それとも一旦引き返すか?」
エルフ娘「……いく」
旅人「そうかい。ならもう一頑張りするか」ナデナデ
エルフ娘「ん」ギュ
旅人「そろそろ魔物も活発になり始める。気を引き締めないとな」
旅人「結局何も見つからないまま夜になってしまった」
エルフ娘「」ビクビク
旅人「ふぅ……この辺でいいか」
エルフ娘「……ックチュン!」ブルブル
旅人「お」
旅人「待ってろ。今火をおこす」シュボッ
エルフ娘「……さむい」ブルブル
旅人「はいはいこっち来い。ここならそっちより暖かい」
エルフ娘「ふぁあ」ポカポカ
旅人「さてと、晩飯晩飯」
エルフ娘「ん……」グシグシ
旅人「お」
旅人「眠いのか。待ってろ、今寝床用意するから」ガサゴソ
エルフ娘「んー……」ギュウ
旅人「おお?」
エルフ娘「……ねむい」ウトウト
旅人「あー、そうか……そうだった」ナデナデ
旅人「ここでも添い寝か」
エルフ娘「んうぅ……さむい」ギュウウ
亀レスだが
>>1で不思議な点が
言葉喋れないなら
聞き取れもしない
――深夜
エルフ娘「スー……」
旅人「さすがに横になるのは無防備すぎるから、姫様だっこの状態だが」
エルフ娘「……スー」
旅人「よく眠れるな。はは、可愛らしい顔だ」ナデナデ
エルフ娘「ん……スー……」
旅人「幼いエルフの少女か……売ったらどれ程の値段がつくのだろうか」
旅人「…………」
旅人「て、何考えてるんだか。バカバカしい」
エルフ娘「ん……お……かあ、さ……」
旅人「お?」
エルフ娘「…………スー」
旅人「…………本当に、バカバカしい」ナデナデ
……ガサガサ…
旅人「!」ハッ
旅人「近寄らないように火は焚いておいたが……無駄だったか?」
旅人「装備は最低限。まして子供を抱えているってのに」
旅人「いや、奴さんにとっては好都合か」
エルフ娘「スー……んん……」
旅人「戦闘は避けた方がいいか? てことは」
ガサガサ……ガサガサ……
旅人「逃げるしか選択肢は無いだろ」
旅人「おい、起きろ」ポンポン
エルフ娘「ん……んぅ?」
旅人「これから走るからな。落ちないようにしっかり掴まってろよ」ナデナデ
エルフ娘「……ん」ギュ
>>124
たぶんだけど旅人の言葉に反応してるから聞き取れている
話すことも出来る
が、幼く臆病で人間に慣れていないのでまともに話せない
だと思う
そうでないと書き溜め大幅修正することに
何せ乗っ取りの乗っ取りだからその辺よく分からん
――森のどこか
旅人「はぁ……はぁ……!」
エルフ娘「狼、狼!」ギュ
旅人「ええい、しつこい!」
エルフ娘「まだ、いる」ギュウ
旅人「振り切れやしない! この森はお前等の庭ってか!?」
旅人「どわっ!」ガッ
エルフ娘「きゃう!」ドサッ
旅人「大丈夫か!? 何かに躓いた? 暗くて分からん」
魔狼「グルルルル」
エルフ娘「ひっ」ビクッ
旅人「ずいぶんと腹を空かせてる様じゃないか。断食でもしてたか?」ゼェゼェ
魔狼「フー…!グルルルル」
エルフ娘「怖いよぅ」ブルブル
旅人「後ろに隠れてろ!」
旅人「だが、これは好都合か。お前も離れたし、それに奴も様子を伺っている」
旅人「戦闘準備の時間をくれるとは、ありがたい」
魔狼「ウワゥ!」
エルフ娘「……あぅ……」ビクビク
旅人「久々に抜くことになるな」スッ
魔狼「グルルルル……」ジリジリ
旅人「腕が鈍ってるとか言うのは無しだぜ」シャキン
魔狼「グァァァアアア!!」ダッ
旅人「おおぉぉぉ!!」ズバァ
エルフ娘「~~っ!!!」ビクビク
ドサッ……ビチャビチャビチャ……
エルフ娘「」ポカーン
旅人「……っし、真っ二つ」キン
エルフ娘「」パクパク
旅人「お?」
旅人「どうした? 間抜けみたいな顔して。腰でも抜けたか?」
エルフ娘「……」
エルフ娘「まっかっか」
旅人「あぁ、これか。そら正面から叩き切ったんだ、血濡れになっても仕方ない」
エルフ娘「……むぅ」
旅人「あからさまに嫌そうな顔するなよ。でも、確かに血の臭いが酷いなこれは」
旅人「これだと臭いで他の魔物も……って、いつの間にか空が白んでやがる」
エルフ娘「……お、おはよ?」
旅人「お」
旅人「おはよう」ナデナデ
エルフ娘「んー」
旅人「お」
エルフ娘「?」キョトン
旅人「これを見てみろ」
エルフ娘「!」
旅人「これじゃないのか? お前の乗ってた馬車って」
エルフ娘「」コクコク
旅人「さっき足に引っかけたのはこれだったのか」
旅人「まさか見つかるとなんてな。魔物さまさまだな」
エルフ娘「むぅ」
旅人「はは、やっぱり恐いのは嫌いか」ケラケラ
エルフ娘「」コクコク
旅人「覚えておくよ。馬車の荷台の方を見てくれないか? 俺は周りと前を見てくる」ナデナデ
エルフ娘「ん」タタタ
旅人「……にしても、何で商人はわざわざこんな獣道を通ったんだ?」
旅人「あーあー、見事に壊されてら」ガサゴソ
エルフ娘「」ガサゴソ
旅人「木の破片とか手に刺さったりするから気をつけろよ」ガサゴソ
エルフ娘「」コクコク
旅人「……奴隷商も馬鹿じゃない。魔物に襲われる可能性があることくらい分かってたろうに」ガサゴソ
旅人「いくら大衆には良い目をされないからって、そうまでしてこんな森の中を通る必要があったのか?」ガサゴソ
エルフ娘「痛っ」ビクッ
旅人「お」
旅人「言わんこっちゃない」
エルフ娘「んぅー!」
旅人「ほれ、見せてみろ」
エルフ娘「ん」スッ
旅人「あー、刺さってるな、ぐっさりと」
旅人「少し痛いかもだが我慢しろよ?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「こうやって、押し出して」ギュ
エルフ娘「……!」バシバシ
旅人「叩くなっての。よし、取れたぞ」ナデナデ
エルフ娘「……ん」
旅人「お?」
エルフ娘「?」
旅人「この檻……」
エルフ娘「……」
エルフ娘「そ、それに、入れられたの」
旅人「ほぅ、しかし見事に壊れてるな。鉄ってこんな簡単に曲がるものか?」
エルフ娘「魔法のつ、強い人が無理やり……」
旅人「へぇ、エルフの仲間が?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「なるほど、教えてくれてありがとな」ナデナデ
エルフ娘「ん」
旅人「壊れた檻は全部で4つ。残りは予備か」
旅人「……予備? にしては数が多いぞ?」
旅人「馬車自体結構な大きさだ。戦争にも使われるだろう物資運搬用……」
旅人「そしてこの檻の数……」
エルフ娘「?」ギュ
旅人「何だかきな臭くなってきたぞ」ナデナデ
エルフ娘「んー?」
旅人「エルフって、近くの仲間の気配とかを感じ取れるなんてステキスキルはあったりするのか?」
エルフ娘「」フルフル
旅人「そうだよな……ならどうするかな。馬車の目的地でも分かればいいんだが」
?「動くな! そこの人間!」
書き溜め終了
SSって疲れるね
やっぱり作業に戻るのか……?
>>118が引き継いでくれても一向に構わないのだけど
ここまで来て終了とか悪意を感じる
が、無理すんな
報告
何か完結した
少し休んだら順次投下す
?「やっと見つけたぞ! 人攫いの同族め! やはり嗅ぎつけてくると思っていた!」
旅人「あの耳……エルフか。見た目からして女だな。捕らえられていた一人か? 何とタイミングのいいことだろうな」
エルフ娘「!」
エルフ女「そんな幼い子にまで手を出すとは! やはり人間とは許し難い奴らだ! 私がここで断罪してやる!」
旅人「おい、待て、誤解だ。俺はこの子に何もしてないぜ?」
エルフ女「貴様等の言うことなど誰が信じるか! ふん、言い訳をしたところで貴様が消し炭になる運命に変わりはない!」スッ
旅人「くっ、魔法か?」
エルフ娘「ま、待って」
エルフ女「安心しろ。すぐに助けてやるからな」
エルフ娘「やっ……!」バッ
エルフ女「なっ!」
旅人「お」
エルフ娘「傷、つけちゃ、やぁ……」フルフル
エルフ女「そいつを庇う必要なんかないぞ? そいつの仲間は私達の同胞を捕まえては酷く扱うんだぞ」
エルフ女「そいつだって、きっと良からぬ事を考えてるに違いない」
エルフ娘「」フルフル
エルフ女「何故だ? 何故庇う」
エルフ娘「や、優しい、から」
エルフ女「は?」キョトン
エルフ娘「食べ物くれたり、あったかくしてくれたり、あと、えっと、えっと……」
旅人「ははは。もういい、ありがとう」ナデナデ
エルフ娘「んー」
旅人「と言うわけだ。そろそろ、その剥き出しの敵意を引っ込めてくれると嬉しいんだがね」
エルフ女「……どういうことなんだ、これは」
エルフ女「そうか、それでその子はそこまで懐いて……」
旅人「初めの頃は全然口きいてくれなかったけどな」クスクス
エルフ女「……もう一度聞くが、本当に彼女に何もしてないんだな?」
旅人「するわけがないと言ったろう。な?」
エルフ娘「ん」コクコク
エルフ女「なら良いんだが……何か納得がいかない」ボソ
エルフ娘「?」
旅人「ところで、この辺にエルフの里はあるのか?」
エルフ女「さて、どうだろうな?」
旅人「はっ、あったとして教える気は無い、か。ならそれでもいいんだが……」
旅人「なぁ、この子をお前に預けてもいいか?」
エルフ娘「?」ポカーン
エルフ女「ほぅ。いいのか? エルフをその手の者に引き渡せば大金が手に入ると聞いているが」ニヤニヤ
旅人「確かにこの子を売り渡せば、少なくとも一年は遊んで暮らせるだけの金は手に入るだろうな」
エルフ娘「……」
旅人「だが、生憎俺はそういうのが大の嫌いときていてね」
旅人「だからそんな奴らにはこの子はやらん」ナデナデ
エルフ娘「んー」
旅人「しかし、この子を守りきれる自信が俺にはないとも断言してやる」
エルフ娘「……」ギュ
旅人「下手に街を歩けば、金や欲に目が眩んでいるバカどもに襲われかねんしな」
エルフ女「だから私に預けて、安全な仲間の所へ連れて行ってほしいと?」
旅人「そういうことだ。任せてもいいよな?」
エルフ女「勿論だとも。そもそも最初からそうするつもりだったし」
エルフ女「まぁ、ここまであっさり保護できたのはある意味予想外だったが」
旅人「俺だってこの子を仲間の所に送り返すのが目的だったんだ。あんたらと争う気はさらさらない」
旅人「こっちはむしろ予定調和と言ったところか」
エルフ女「まぁいい。さ、早くその子を」クイクイ
旅人「てことだ。あの姉ちゃんと一緒に行けば、仲間の所に帰れるぜ?」ポンポン
エルフ娘「……むぅ」ギュウ
旅人「お?」
エルフ女「……まさか君はそいつと一緒にいたいと?」
エルフ娘「」コクコク
旅人「はは、これはこれは…………困ったな、おい」
エルフ女「……予想外だよ、全く」ハァ
旅人「しかし、一緒にいたいと言われてもな。里には入らせてくれないんだろ?」
エルフ女「当たり前だ。仮に入ったとしても、死ぬまでは出られん。口外するかもしれんからな」
旅人「なぁ、姉ちゃんの所に行ってくれないと、いろいろ困るんだが」ポンポン
エルフ娘「んー」フルフル
エルフ女「仕方ない。無理矢理にでも連れて行く!」グイ
旅人「お」
エルフ娘「やぁー!」ギュウウウ
エルフ女「この、駄々っ子め!」グググ
旅人「痛い痛い。痛いですやめてください」
エルフ女「!!」ハッ
エルフ娘「んぅ」グスン
旅人「突然手離してどうした?」ナデナデ
エルフ女「森を荒らす者がいる……数が多いな」
旅人「へぇ、お前は分かるか?」
エルフ娘「」フルフル
エルフ女「……ちっ、屑どもの集まりが来たか。どうしてこうも間の悪い……」
旅人「屑ども?」
エルフ女「人間の屑だよ。エルフはともかく同じ人間にも略奪を行う屑どもだ」
旅人「あー、あれか」
エルフ娘「……」
エルフ女「……ちっ。二人ともこっちに来い。こうなっては仕方ない」
旅人「どこに行くんだ?」
エルフ女「私達の里へ。人間を連れて行くのは不本意だが、彼女の身の安全を優先する」
旅人「はは、そいつはどうも」
旅人「だいぶ進んだが、まだ距離はあるのか?」
エルフ女「いや、ここだ。ここでいい。彼女を先に里に入れる」
エルフ娘「ん」ギュウ
エルフ女「いい加減にしろ! お前の我が儘でそこの人間にまで被害が出るかもしれないんだ!」
エルフ娘「ひっ」ビクッ
旅人「大丈夫だ。また会えるから。今は仲間の所に行ってくれ、な?」
エルフ娘「……」
エルフ娘「あ、会える、の……? ……ホント?」グスグス
旅人「本当だ。だから早くアイツの所に」ナデナデ
エルフ娘「……ん」♪
エルフ女「さ、行こう」ギュ
エルフ娘「」ギュ
――パァァァァ……
旅人「眩しいな。これは……結界か? さすがはエルフだ。こんな高度な結界、素人にはさっぱり分からん」
エルフ女「」チラッ
旅人「?」
エルフ女「私の独断で、お前を不問とする。ここから去れ」
エルフ娘「……!?」
旅人「……!」
目の前すら霞んで見えるほどの強い光も、今はすっかり森独特の暗闇に消えている。
最後のあの女の言葉。つまり俺を信じたということか?
俺ならこのことを誰にも言わないと……。
まぁ、そのつもりではいたし口外する気も全く無いのだが、心残りが一つある。
あの子、凄く悲しそうな顔をしたんだ。まるで死に際の親を見るかのように。
最後ぐらいあの花のような笑顔を見たかったよ。
たった数日だけど、もう俺にとっては大切な家族みたいな存在だったから。
さてと、こんな所でしみじみしてるわけにも行かないな。屑が彷徨いてるわけだし。
どうやって見つからないように引き返すべきかな。
隣でビクビクと怯える子供はもういない。凄く身軽になって、凄く寂しくなった。
けど、彼女がまともに生きられるならそれでいいじゃないか
それに生きてたら、また見つけるかもしれないだろ?
風邪気味でこんな事言ってる人を
「クチュン! ……寒いよぉ……」
終わり
さるさぁん
再会編希望者いるんだ
すまない俺には無理だ疲れた
三代目乗っ取りに期待してくれ
どれ。書いても構わないがもしもしからになるし、どうしてもいないなら書く
旅女(以下女)「もしもし、そこの人。ちょっとお尋ねしたいことが」
旅人「え?ああ、なんだろうか?」
女「この近辺に村はありますか?」
旅人「この町以外にって事だよな?」
女「はい。この近くの村で私の知人がいるはずなのですがはぐれてしまいまして」
旅人「この町の近辺に村はない、近隣の村でもここから急いでも三日はかかる」
女「三日・・・・・そうですか。ありがとうございます」
旅人「いや、気をつけて行かれるといい。では失礼」
女「あ、もう一つよろしいですか?」
人「ん?なんだろうか?」
女「森の中に集落とかもないでしょうか?」
旅人「集落?さて、聞いたことがな――――――!」
旅人(そういえばあのエルフをつれていった森にエルフの村があると言っていたな)
女「・・・・。どうかされました?」
旅人「ああ、いや、とくに聞いたことがないな」
女「あの・・・・・その村まではどれぐらいかかりますか?」
旅人「ん?いや、その村までは三日だ。馬車でな。」
女「そうではなく、その・・・・・女の子をつれていった村までは」
旅人「!?」
旅人(なに!?こいつ心を・・・・!)
女「あの、そんなに警戒しないでください。全部分かるわけては・・・」
旅人「ま、まあ、なんだ、家に寄っていくか?」
旅人(あの村を襲った連中の一人か?振り切ったと思ったが付けられていたか・・・)
女「いえ!私はその人間達とは無関係です!」
旅人(!こいつ、やはり人の心が読めるのか!)
>>205
俺ももしもしだったんだ
いけるさ、頑張れ
女「ではお邪魔させて頂いていいですか?折り入った話もありますし」
旅人「ああ、入っててくれ。」
旅人(もしあの連中の仲間なら斬るか)
女「ヘクチッ・・・・・」ズズッ
旅人(あのエルフもこんな感じだったな。ははっ)
旅人「とりあえず暖まるものを準備しよう」
女「・・・・・」
旅人「どうぞ。」
女「・・・・・」ジー
旅人(どうもあの子と雰囲気が似てるような気がするが)
女「」コト
旅人「お。」
女「ズズ――アチッ」フーフー
旅人「ははっ」
女「どうかしました?」
旅人「いや、ちょっと前の事を思い出しただけだ」
女「エルフの女の子の事ですか?」
旅人「!?」
旅人「どうしてお前が知っている?」スチャ
女「貴方が先ほど懸念なさったように少々ですが心を読む力をもっています」
旅人「じゃあなぜエルフの子の事を知っている?読めるのは心だけなんだろ?」
女「お尋ねは偶然です。ちょっと確認するために尋ねました。」
旅人「!」
旅人(かまをかけられたのか・・・・ッチ)
女「すみません。」
旅人「いや、で?お前は何者だ?俺に何の用がある?」
女「」チラッ
旅人「・・・その耳は、お前もエルフか」
女「」コク
旅人「いいのか?俺にエルフだということをバラして。お前を売れば俺は一年ほど遊んでくらせる。欲に目が眩むとは思わないのか?」
女「もしそうお思いなら私は真っ先ににげてますよ」
旅人「いま気が変わって捕まえようとしたらどうする気なんだ?」
女「そうお考えになった瞬間にこの家を飛び出します」
旅人「・・・・・」
女「!?」
旅人「いや、冗談だ。案外便利そうで面倒な力なんだな」
女「」ジー
旅人「いやだから冗談だと」
女「用件でしたね?」
旅人「おい怒ってるのか?」
女「・・・・・」プイッ
旅人「それ早く飲まないと冷めるぞ?」
女「ズズー・・プハッ」
旅人「」ジー
女「!」
女「///よ、用件でしたね。コホン」
女「既にご想像はお付きでしょうが、私はあの子と一緒に檻にいれられ馬車に積まれていました」
旅人「魔物に襲われたんだってな。その話は聞いた」
女「はい。その時に私は仲間のエルフと一緒に逃げたんです。」
旅人「逃げれる状況だったのか?相当悲惨な残骸が残っていたが」
女「この事はあなたを信用してお話しします。人間に話すことはタブーですので」
旅人「簡単に信用していいのか?」
女「今の私にはあなたからの信用を得なければ仲間との再会すら叶いませんから」
旅人「信用を得るためか。分かった。約束しよう。今から聞くことは事がすんだら聞かなかった事にする」
女「私達エルフはそれぞれ何らかの力を持っています」
旅人「おま―――君の場合は心を読む力って事か」
女「はい。あの襲われた夜私は仲間の空を飛べるエルフに助けられました。」
旅人「あの頑丈な檻はどうしたんだ?」
女「あれは錬金を使える仲間がみんなの手錠と檻を壊してくれたんたんです」
旅人「なるほど。それでなんだが。一番の疑問が残る」
女「何でしょうか?」
旅人「って言っても心を読まれてるからわかるんだろ?」
女「私達の向かう先と何者の仕業なのかとなぜあんな道を通っていたか。」
旅人「やっぱり便利だな。俺が話さなくても会話が成り立つじゃないか」
女「それと会話が長いから用を足したいなとむ、胸がなかなか大きいなとも思いましたよね?」
旅人「やっぱり不便な力だな」
ちょっと充電と書留するから少し待ってくれ。夕方には続き書く
保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内
保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 40分以内
02:00-04:00 90分以内
04:00-09:00 180分以内
09:00-16:00 80分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内
今戻りました。もう少ししたら上げます
旅人「それで?俺は一体なにをすればいい?」
女「そうですね・・・・とりあえず私をその村があるというところまで案内してもらえますか?」
旅人「心が読めても場所は分からないって事か。よし分かった。」
女「ここから2日ほどですね?馬は私が調達しましょう」
旅人「・・・本当に便利な能力だな。俺は思っただけで何も言ってないぞ」
女「見なくてよいところまで見えるというのが不便ですが」
旅人「・・・・・」
女「!!////なにを考えてるんですか!」
旅人(別に何も。)
旅人「――――で。よく二頭も手に入ったな。食料のおまけ付きだ」
女「まあ、私の美貌にかかればこれぐらいは」ギュッ
旅人「」ジー
女「あ、あの、冗談ですよ?笑って流す所ですよ?////」カァ
旅人「」ニヤニヤ
女「もう言わないで下さい。無かったことに」
旅人「まあ何も言ってはないんだけどな。だがなにがあった?金もロクに持ってなかっただろ」
女「ええ、まあ。ちょっと町まで出てきたんですが・・・」
女「あの~、馬を二頭貸していただきたいのですが・・・」
馬主「お嬢さん予算はどれぐらいをお考えかな?」
女「普段はどれくらいで貸して下さるのですか?」
馬主(一頭10コインだがこの服装だ、金持ちの娘に違いない。ここは…)
馬主「普段は一頭20コインなんだ。二頭と言ってましたな。お嬢さんの美しさに負けて二頭で35コインでどうだい?」
女「・・・・・」ジー
馬主「ん?不満かい?じゃあ30コインでどうだ?」
女「」フルフル
馬主「ははは・・・・手厳しいな28コイン!」
女「んー」フルフル
馬主(こいつ・・・成り上がり風情が調子に乗ってるのか?)
馬主「よし。じゃあ25コイン!これ以上は負けられねーぞ」
女「え~」モジモジ
馬主「いくらお嬢さんでもこれ以上は駄目だ」
馬主「それよりお嬢さんはいくらだったら満足できるんだね?」
女「タダ」
馬主「は?」
女「無料。」
馬主(こいつ本当に馬鹿にしてるのか!?)
馬主「それは無理な相談だ。こっちも商売なんだ。わかるだろ?」
女「でもお金ない。」
馬主「じゃあ無理な相談だ。帰りな」シッシッ
女「ちょっと賭けをしませんか?」
馬主「なんだ急に。金も無いのに何を賭けるって言うんだい?」
女「私自身を賭けます」
馬主「なに?」
女「身体でお払いすると言っているんです。何でもします」
馬主(まあ胸も顔も文句無しだからな。悪くないか)
馬主「その約束は最低限守ってもらうぜ?」
女「はい。お約束します。」
女「私が勝った際は馬二頭と五日分の食料を準備してもらいます」
馬主「おい、可愛い顔して厳ついな。食料をこっそり付け加えたろ」
女「どうしますか?受けて頂けますか?」
馬主「いいだろう。受けよう。食料もつけて上げよう」
女「ありがとうございます」
馬主「いや、で?賭けの内容はなんだ?公平な内容で頼むぞ」
女「では私があなたの事を当てるというのはどうでしょうか?」
馬主「どういう事だ?」
女「私があなたが隠していることを見事指摘してみせましょう」
馬主「どこまで当たらなければ俺の勝ちなんだ?」
女「あなたが認めた時点で私の勝ちと言うことで」
馬主「いいだろう。」
女「じゃあ何か一つ自分の秘密を心に思い浮かべてください」
馬主「これを当てられたら俺の負けか?どうせ当てれるわけないだろ」
馬主(そういえばこの前浮気したのがばれたな。どうせだからこの事にするか)
女「じゃあいきますね。」
馬主「当てれるものなら当てて見やがれ」
馬主(嫁さんよりこっちの子の方が若くて美人だからな。今夜が楽しみだ」
女(なんていやらしい。これだから人間は・・・・)
馬主「どうだい?当てれそうかな」ニヤニヤ
女(少し申し訳ない気がしたけどこんな人間なら考えること無いわね)
女「浮気相手が居ますね。」
馬主「!?」
女「その人の家は・・・・」
馬主(なんでばれた?!いや、落ち着け。適当に言ってるだけだろ。そうに違いない)
女「奥さんは居ますね。家に。その浮気相手の家は・・・・」
馬主(この道を左に曲がって3つ目の通路を右に曲がって三件目の右手だったな・・・)
女「その人の家はここから近いですね。左に曲がって・・・・」
馬主(な、なんでこいつ・・・・!)
女「3つ目の路地を右・・・・」
馬主(なんでこいつがこんなことを知ってるんだ・・・)
女「三件目の右側の家ではないですか?」
馬主(っく・・・馬をただで貸してやるものか。白をきってごまかすか)
女「誤魔化そうとしてもだめですよ?確認しに行きますか?なんなら私が変わりに聞いてきてもいいですけど」
馬主「・・・・っく・・・負けだ。」
旅人「で、その馬主から馬も食料も調達したと。」
女「ええ、今思えば少し可愛そうなことをしましたね」
旅人「だけどさ。」
女「え?何でしょうか?」
旅人「もう少し自分を大事にな。もしエルフってばれたら逃げ切らないぞ?」
女「それも覚悟出来ていました。」
旅人「そんな危険な事しなくても連れて行ってやるって。外見も綺麗なんだから敵が多いだろ?」
女「そ、そんなこと・・・は・・・ないです・・・・けど///」
旅人「心配して考えただけで心臓に悪いからこれからはやめてくれ。いいな?」
女「心配・・・・ですか?」
旅人「そうだ。もし途中で捕まったり攫われたりしたらどうする。心配するに決まってるだろ」
女「そうですか////」モジッ
旅人「じゃあ、準備が整ったらいくか。」
女「はい。わかりました」
旅人「すっかり夜もふけたな。」
女「そうですね。お昼に出発しましたからまだあまり進んではいませんが」
旅人「このあたりは野獣の類が出やすいらしいからな。少し気を引き締めないと」
女「クシュン・・・・うぅ・・・」ズズー
期待
旅人「ほらこれ羽織っておけ」バサッ
女「え。でもこれ・・・」
旅人「いいから。仲間と会う時に風邪引きましたじゃ格好が付かないだろ?」
女「でも寒くないんですか?」
旅人「心は読まないのか?俺の心の中で連呼してるからすぐに分かるぞ」クシュ
女「ふふっ、読まなくても分かります。こうしたらいいんですよ」
旅人「お、おい。ちょっと」
女「よいしょっと。前失礼しますね」ストン
旅人「いいのかこんなことして。信用しすぎじゃないのか?」
女「こうやって二人でマントに入れば暖かいでしょ。」
旅人「まあ暖かいことは暖かいんだが」
女「そんなに私と一緒じゃ嫌ですか?」
旅人「・・・・・」
女「なら素直にしておけばいいんです。私が許してるんですから」
旅人「あ!また心読んだ!ほどほどにしてくれよ?」
女「ふわあぁぁ。」ゴシゴシ
旅人「眠くなったか?今日はここいらで野宿にしよう。」
女「そうですね。あの川の近くに天幕を張りましょうか」
旅人「はい。スープ。もう少し煮込めばシチューが出来上がる。」
女「ありがとうございます。」ズズー
旅人「会えるといいな。みんなに。」
女「ええ。」
旅人「・・・・・・」
女「・・・・・私ね。逃げてきたんですよ。あの馬車から」
旅人「聞いた。助けてもらったんだろ?仲間に」
女「私とそのエルフだけ。です。他の仲間を置き去りにですよ。他の仲間は檻を壊したり
他の仲間を助けようとしていたのに。手伝うことも無く。我先にと」
旅人「・・・・・・」
女「この期に及んで弁護するわけではありませんが、ここに戻ってきたのはその償いみたいなものです。今更だと自分でも分かっているんですが
のうのうと逃げているのが許せなくなったんですよ」
旅人「だけどちゃんと責任感じて戻ってきたんだろ?俺だって同じ状況だったら逃げ出すだろうよ」
女「でも・・・・見殺しにしたようなものだと思って」グスッ
旅人「生き残るのに必死になるのは誰でも同じだ。エルフだろうが人間だろうがな。」
女「・・・・・・」
旅人「ほら、出来たぞ。食え」コトン
女「パックッ。・・・・・おいしい。」
旅人「そうだろう。馬主の親父はよほど良い材料をくれたらしいな」
女「」ズズッ
旅人「君はこうして俺の命を助けてるんだぞ?もう少し元気出せ。な?」
女「助けてる?私が何かしていますか?」
旅人「この食事の材料を調達してきたのは君だからな。こうして飢え死にしなくてすんでいるさ」
女「ふふっ。ずいぶん生命線の細い体ですね」
旅人「俺は胃袋が一番大事だと思っているんでね。
ご馳走を目の前にして食べられないのは死よりも恐ろしいかもしれない」
女「なんですかそれは」クスクス
旅人「・・・・・・・」
女「・・・・・・・」
女「私は生き残ってよかったのかな・・・・」
旅人「こうして話し相手がいる分居てくれて助かっているさ。ご馳走にもありつけた」
女「でも私は仲間を見捨て見殺しにした」
旅人「そのおかげで君とこうして話をしている」
女「あなたにも迷惑をかけています」
旅人「こうして短い旅が出来ています」
女「人間としゃべるなという教えまで破っているのです」
旅人「エルフと会話して旅までしたと自慢できるのです」
女「・・・・やさしいんですね。」グス
旅人「これでも旅人なのでね。旅は道連れ世は何とかっと」
女「・・・・・・・」
旅人「・・・・・・」
旅人「なあ、俺は思うんだが――――」
女「zzz・・・・・・」スピー
旅人「寝ちゃったか。」パサ
旅人「肌寒いがマント一枚でも少しは違うだろ。冷えるかも知れないが我慢してくれ」
女「・・・・zzz」
旅人「それにしても。どうも引っかかる。あの馬車は戦時中に物資輸送などに使うはずのもの。
それも国が馬車の使用を認めないと使えないものだ。物資の輸送ならわざわざ森を通らなくても
整備された道を堂々通ればいい。なぜこんな隠れるように進んできたのか。」
旅人「いや、それ以前に行き先は?どこに向かおうとしていたんだ?あの馬車ならば護衛の兵士も少ながらず
付き添っていたはず。」
旅人「は!いかんいかん。あんまり首を突っ込むのも良くないな。触らぬ神にたたりなしだ」ブンブン
旅人「俺も少し仮眠を取っておくか。明日も早いだろうし。エルフは日が昇る前に活動を始めるらしいからな。
俺のせいで出発が遅れるのも忍びない」
・・・zzz
旅人「・・・・・!!!」ガバッ
女「旅人さん!」タタタッ
旅人「分かっている。この気配・・・魔物か?いや。獣の類か」
飯作る。食ったら再開。
少ししたら風呂はいるがそれまであげていく
女「獣だと思います。1匹だけじゃなさそうですね」
旅人「3・・・・いや4は居るな。徐々に退路を断たれてる。移動しようこのままでは身動きが取れなくなる」
女「荷物はどうします!?」
旅人「必要最小限に抑えて他は置いていく!早く馬にのって」
女「どうします?追って来ているようですけど」
旅人「このまま目的地に向かって飛ばそう。追いつかれるときは切り捨てながら逃げる」
女「分かりました。ここからどれぐらいです?」
旅人「ふつか日とは言わないがどう飛ばしても7時間ぐらいと言ったところか」
女「・・・・追いつかれますね確実に」
旅人「仕方がない。走れるだけ走ろう」
女「馬が持ちませんね。いつ倒れるか・・・・」
旅人「・・・・・・」
女「分かりました。そうしましょう。選んでいる余裕は無さそうです」
旅人「また人の心を・・・」
女「言ってる場合じゃないでしょ!来ましたよ!」
旅人「分かっていると思うが次の森に入ったら馬を捨てる。どうにかしてあいつらを俺が切り捨てる
離れないようにしてくれ」
女「あの数を相手にですか?!無茶ですよ!」
旅人「無茶でもやらないと二人とも死んでしまうからな。どうにかする」
女「・・・・分かりました。指示に従いましょう」
旅人「そのまま突っ走れ!」ドシャ
女「馬が!」
旅人「そのまま森に入れ!俺がこいつらの相手をするからそこから動くなよ!」
女「でもっ―――――!」
旅人「5匹相手はちょっと厳しいか・・・・」
女「左!」
旅人「いい加減!しつこいんだよっ!!!」ドシャ
旅人「まずは一匹、さて次はどいつが・・・・・!」
女「旅人さん!その左腕」
旅人「いや、掠っただけだ問題ない。そこから動くな。」
旅人(左腕が動かないか。これはちょっとまずいかもな。あ。心読まれるんだった。
弱音はやめておくとしよう)
女「・・・・・・」ドックンドックン
旅人「あの中央の奴が親玉か。これは三匹纏めてこられるとちょっとやばいな」
女「!」
旅人「どうしたものか・・・・」
女「旅人さん!これをその右の獣に投げて!」
旅人(これは、昨晩の肉の切れ端。そうか。)
ヒュン
旅人「あいつが一番腹ペコってか。悪いが俺達も生き残るためだ。」ヒョイ
獣「ガルルゥゥガウゥ」
ドシュッッッ!プシャー
旅人「血を浴びるのは何回浴びても慣れないな。」
旅人(後二匹・・・・どうにかなりそうか)
獣「タッタッタ!ガルルルッ!」
女「キャアァァー!」
旅人「しまったそっちを!」ダダッ
女「」グッ
ドシュン
旅人「あーあ、もう左腕は使い物にならないんじゃないかなぁ」
女「う、腕!左腕が!」
旅人「怪我は・・・無いみたいだな。それは良かった」
ドサッ ドシュ
旅人「どうにか切り抜けたが。この腕はもう使えないな」
女「ご、ごめんなさい。私のせいで」
旅人「いや、君のせいじゃない。盾が無かったもんだから左腕を変わりに。無事でよかった」
女「良くないですよ!その腕じゃ・・・・」
旅人「手綱は持てる。馬が回復し次第先に進もう。ここからだと2時間もかからないはずだ」
女「」グス
旅人「おいおいそんな泣きそうな顔するな。死んだわけじゃないんだ。助かっただけマシだろ?
これが生きるって事なんだぜ?生きることは戦いなんだ。」
旅人「だから、生きる資格が無いなんていうな。しっかり生きることを考えるんだ。
自分を責めることではなく。生きているものには生きる資格があるんだから」
女「」コク
旅人「さて、先に進むか。もう少しだ」
女「まって、その前にその傷口どうにかしないと・・・・」
旅人「村に行ってみて医者でも居たら頼むさ」
女「駄目。応急処置だけでもしておかないと駄目」
旅人「そうか。じゃあそうしておこうか」
旅人「腕を吊るすとはこうも不便なものなんだな。うまく馬にも乗れないぞ」
女「だからこうして二人で乗ってるんでしょ?」ニコニコ
旅人「うれしそうだな。村が近いからか?」
女「まあ、それもあるけどね。内緒~」
旅人「何だよそれは。君は俺の心を読めるのに不公平じゃないか」
女「特権ですから仕方が無いですよ」ニコッ
旅人「着いた。ここだ。あの残骸が馬車だったものだ。このあたりで間違いないか?」
女「うん。間違いない。ここで何かに襲われたんです。」
旅人「なにか思い出したこととかないか?見かけたものとか印象に残っているものとか」
女「残念だけど。それはちょっと・・・・・」
旅人「そうか。無理して思い出す必要もないからな。もう少し先に行くと例の村がある場所にいける
おれ自身が入れたわけじゃないが入り口らしき場所までは案内が出来る」
女「この森なら結界を張ることも簡単に出来そう。」
旅人「あの子にも同じ事を聞いたんだが」
女「ん?」
旅人「エルフ同士近くにいると分かるようなステキスキルみたいなのは無いのか?」
女「・・・・・・」ジー
旅人「うっ・・・・」
女「あったら苦労はしませんよ。そういう力を持った子もいるとは思うけど」
旅人「やっぱりか・・・・前はここでいきなり魔法を掛けられそうになったんだが」キョロ
女「それで場所が分かったと?」
旅人「ああ。入り口がどの当たりかまではさすがに分からんな」
おいイケメン
右腕を出せ今すぐに
旅人「なんだ>>280出したぞ?これでいいのか?」
旅人「痛い!痛い!お前!右腕まで使えなくなったらどうしてくれるんだ?」
女「仕方ありませんね。ちょっと呼び出してみましょう」
旅人「なに?そんなことが出来るのか?」
女「できないことも無いですが、旅人さんがいるとちょっと難しいかもしれません」
旅人「ああ、そうか。人間に場所を知られたらまずいって言ってたもんな。どうする俺は少し離れた場所で待機しておくか?」
女「あ、いえ、その問題も無いわけではないのですがもう一つ重大な問題が」
旅人「重大な問題?なんの問題があるんだ?」
女「我々エルフはお互いの位置こそ能力では分からないもののお互いの歌声で場所を確かめあっています。
あ。私が教えたことは内緒ですよ?」
旅人「まあ、それはいいんだがどこにそんな問題がある?」
女「あれ?人間達は知らないんですか?エルフの歌声を聴いてしまうと失神してしまうんですよ。
ひどい時は死んでしまうこともあるぐらいで。」
旅人「ということは俺も例外じゃないって事か。」
女「ですからどうしたらよいものかと・・・・・」
旅人「分かった少し離れて耳を塞いでおく。」
女「・・・・えっと・・・」
旅人「ん?どうしたんだ?」
女「その腕じゃ・・・・」
旅人「あ。そうか。左手使えないじゃん俺。どうしようやっぱり離れたところまで移動しておくか?」
女「・・・・え、・・・えと・・・」モジ
旅人「どうした?いい案でもあるのか?」
女「まあ、いい案というか・・・私が言いというか・・・なんというか・・・・ボソ」モジモジ
旅人「?」
女「えと!あ、あの。私が耳を塞ぎますギュッ
旅人「いやいや、君が塞いでも意味が無いんじゃ・・・」
女「ハッ!あ、いえ、私が変わりに耳を塞ぎますのでここに居てもらっても大丈夫です」
旅人「耳を塞いでも多少は聞こえるだろ?それは大丈夫なのか?」
女「はい。それは問題ありません。直接聞かなければ影響はありませんので」
旅人「そうか。しかし俺に場所とかいろいろ情報が漏れることになるぞ?」
女「お話を聞いた限り不問にすると言っていたみたいですし大丈夫だと思いますよ」
旅人「不問?どういう意味なんだそれは?」
女「まあ、そのまんまの意味です。許しますよっていう」
旅人「もしだが不問って言われなかったら」
女「正直に言って隠蔽のために・・・・」
旅人「殺されるところだったんだな。それは危なかった」
女「ですが不問と言い渡されたほどですから他の人間よりも敵意をむき出しということは無いはずです
だから私はあなたになら見せても大丈夫だと思います。私から見ても・・・その、信頼できますし」モジョ
旅人「そうか。それはありがたいことではあるな。殺されかけるよりもはるかにマシだ」
女「じゃあ、ここではじめてもいいですか?」
旅人「分かった。じゃあ何が始まるかはわかんないがはじめてくれ」
女「じゃ、じゃあちょっとし、し失礼しますね!」ギュッ
旅人は塞がれた耳でその歌声を聞いていた。エルフには3つの優れた特技があり、
歌声は天まで響き渡り大地の芽吹きを呼び起こし、
薬はあらゆる病気を癒し病魔を寄せ付けず、
知識は人間など遥かに及ばないものを持つ。
その歌声はすばらしいという表現では余りに薄いもので、この世のものとは思えなかった。
心地の良い歌声はどれほど続いただろうか気づいたらそっと耳から手が離される
女「終わりましたよ。もう少ししたら何らかの返事が届くはずです」
旅人「綺麗な声だな。こんなに綺麗な声を聞いたのは生まれて初めてだ」
女「あ。やっぱり聞こえちゃってました」エヘヘ
旅人「直接聞けないのが残念だったよ。失神するほどの価値はあるな」
女「そんな、私はまだまだです。もっと綺麗な人なんていっぱい」
旅人「謙遜するな。少なくても俺が聞いた中では断トツで綺麗だったんだ。素直に受け取っておけ」ナデナデ
女「・・・はい。そうしておきます」
旅人「そろそろなのか?なんか変化があってもいいころじゃないのか?」
女「そうですね。そろそろ返事が返ってくるはずですが」
エルフ女「同士の歌声より呼び出された。私達を呼ぶものはここか?」
女「お久しぶりね。無事だったみたいで何よりです」
エルフ女「お前は!ああ、あの夜の時の。無事だったのか!どうしてここが分かったんだ」
女「ここまで案内してもらったのよ。この人に」
旅人「お、あの時の!元気そうで何よりだな」
エルフ女「!?なぜお前ががここにいる」
女「私をここまで案内してくれたのは彼なのよ?」
女 「ヘイィヤレロトティーヤ……ヘイィヤレロトティーヤ……ヘイィヤレロトティーヤ……」
旅人「ウックルシ」
エルフ女「またしてもお前が絡んでいるのか。こいつになにかされてないか?」
女「大丈夫よ。ここまで良くしてくれたわ。本人の前で言うのもあれだけど、人間を少し・・・・
いえ見直した。この人みたいな人も居るって」
旅人「それはどうも。まだ敵意をむき出しにするか?」
エルフ女「認めたくないがそういうなら事実なのだろう。人間など今にも殺してやりたいがエルフは
そんなに恩知らずで恥さらしではないからな。人間と違って」
女「ちょっと、そんな言い方。それも旅人さんに向かって!」
旅人「いや、構わない。事実君らを捕まえてこんな事態になったのは元はといえば人間のせいなんだろうからな」
エルフ女「本当に迷惑な奴らだ。私らエルフをなんだと思ってやがるんだ」
女「ちょっと聞きたいんだけど、あなた達以外に仲間は見つかってるの?」
エルフ女「それなんだが、あの現場にいた連中の中では私とお前、あともう一人子供だけだ。
この森に村があったのが幸いして事情を話して家を借りている状態なんだけど」
女「じゃあ私達だけだと?」
エルフ女「そういうことになるな。確か当時あそこには8人はいたはずだから後5人どっか未だにさまよってるはずだ」
旅人「なあ。話に割り込んで悪いがあの子はどうした?元気にやってるのか?」
エルフ女「詳しくは教えられないが元気にやっているということだけは教えてやる。あの子は世話になったからな。」
旅人「そうか・・・・元気か。良かった・・・・」
エルフ女「・・・・・・」
女「・・・・・・」
エルフ女「お前よ、なんであの子のことそこまで心配するんだ?別に赤の他人だろ?エルフの
血を引いているお前とは何のかかわりもないはずだよな」
旅人「あの子の家族はどうしたんだとか、あの年で攫われて売りさばかれると考えるとそうしようも無くてな。
俺は家族も兄妹もいないし、親近感ってわけじゃないけど、どうも同じ目線で考えてしまうんだよ」
エルフ女「そんなことはお前の知るところでは無いだろ」
旅人「まあそうなんだが」
女「会わせてあげてもいいんじゃないの?思ったこと言えばいいのに」
エルフ女「!おまえ心が読めるのか?」
女「」ニコッ
エルフ女「なるほど。だからここまであっさりとこれたのか。こいつの心でも読んで場所が分かったんだろ?」
女「間違いではないけど限りなく正解に遠いですね。」
エルフ女「あ~あ一番苦手な同士だよ。まったく」
女「それで?あわせてあげないんですか?あの子も会いたいと思ってると思いますけど」
エルフ女「あの子が駄々こねたらどうすんだ。お前がどうにかしてくれるのか?」
>エルフ女「お前よ、なんであの子のことそこまで心配するんだ?別に赤の他人だろ?エルフの
血を引いているお前とは何のかかわりもないはずだよな」
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)あれ?
女「そうですね。その問題だけは私が責任を取りましょう」
エルフ女「お前もいいのか?」
旅人「もし叶うならお願いしたい。一目合わせてくれ!」
エルフ女「っち・・・・なんで私が人間なんかに」
女「本当は心の中では感謝してるんですよ?口に出さないだけで」コソ
エルフ女「余計なこというな!ちょっと待ってろ連れて来てやるから・・・まったく・・・」ブツブツ
旅人「お」
エルフ娘「あ!」タタタッ
旅人「元気だったか?約束どおり愛に来たんだぞ」
エルフ娘「わあああぁぁんん」グスグス
旅人「なんで泣くんだよ。喜ぶところだろ?」
エルフ女「お前も泣いてるじゃんかよ」グス
女「あなたも目から何か出てきてるわよ?もらい泣き?」
エルフ女「はん!バカいうななんで私が。」
>>295
すまん「。」入れ忘れてた。
エルフ女「それにしてもよ。」
女「?」
エルフ女「あいつが喜んだ顔初めて見たんだよ。さっきまで笑いも怒りも泣きも何の表情も無かったんだ
あの子。なのにあいつとあった瞬間にあれだ。良かれと思ってやったことがどうも罪悪感になっていけねーよ」
女「しばらく一緒に居させてあげたら良かったのに」
エルフ女「私は人間は信用しないんだ。ただ、あの人間は私よりもあの子の事を良く考えていたことは確かだ。
私は何にもしてやれてなかったんだ。あいつとあの子が別れてから。なのに見ろあの顔を。同じエルフ同士よりも
幸せそうな顔だろ。あの人間も親みたいな顔してやがる」
女「うらやましいって思ってるんでしょ?」
エルフ女「ふん・・・・まあ少しな。」
女「あれ?素直」
エルフ女「どうせ心読まれてたんだろ?同じことだ」
エルフ娘「ふふん~♪」キャッキャ
旅人「おいおい引っ張るなって」
女「・・・・・」ムス
エルフ女「ん?どうした急に」
旅人「ん?どうした頬膨らませて?」
女「私も混ざろうかなっと思いまして」
旅人「よかったな。このお姉ちゃんと遊んでもらうか?」
エルフ娘「」フルフル
旅人「君がこの子と遊んでやってくれないか?」
女「」フルフル
旅人「・・・・・・」
二人「」キャッキャ
エルフ女「おい遊んでいる場合じゃない。それで?これからが問題なんだけど。これからどうするんだ?」
女「ん?どうするというと?」
エルフ女「まさかこの人間を里に入れるわけにはいかないだろ。このままこいつは自分の家に引き返すのか?」
旅人「そうだな。目的が済んだ以上はそうなるんだろ?楽しかったぞ数日だったが旅が出来て」
女「・・・・・」ジー
一同「?」
女「!」
女「ちょっといいかしら?」
エルフ女「なんだよ?」
女「ちょっと重大な話があるのよ。」
女「―――――――――」コソ
エルフ女「なんだとぉ!!!!」
エルフ娘「ビクッ」ギュ
旅人「ん?」ナデナデ
エルフ女「やはり人間。お前は殺さなきゃならんようだ。だから信用できないんだ!」
旅人「なんの話だ?」
女「そんなに怒らないで。私も同意の上だったのよ」
エルフ女「そんな・・・・これはどうすれば。こんなときはどうすればいいんだ?」
女「とりあえず今居る村の長に事情を話すところからじゃないかしら?」
エルフ娘「手、それ」
旅人「ああ、怪我したんだ」
エルフ娘「痛い?」
旅人「少しね」
エルフ娘「よしよし」ナデナデ
旅人「大丈夫だよ心配しなくて。ありがとな」ナデナデ
エルフ娘「んー」ポヤポヤ
エルフ女「おい!人間!!」
旅人「ん?なんだ?出て行けっていう催促か?」
エルフ女「状況が変わった。お前の処遇について処理せねばならん。お前には村に来てもらう」
旅人「え?俺が入っても大丈夫なのか?あれほど嫌ってたじゃないか」
エルフ女「貴様が手を出したせいだ!!信用ならんと言ったのに・・・・ククーッ!」
旅人「君あの子に何か言ったのか?ものすごく視線がきついんだが」
女「さぁ~?何か勘違いしてるんじゃないですかね?」ニコニコ
エルフ女「イライラ」
すまん。明日早いから寝るわ。
朝九時半には再開できると思う。スレが残っていれば
すまん!おそくなった!続き書きます
エルフ女「おい人間。ちょっと来い」コソ
旅人「ん?どうかしたのか?」
エルフ女「どうかしたのかじゃない!既に起こってしまった事は仕方が無い。だがこんな事は
前代未聞だからな」
旅人「こんな事?俺がどうかしたのか?」
エルフ女「惚けるな。エルフと人間の血が混ざるとどうなるかなど知る由も聞く由もない。」
旅人「は?だから何の話なんだ?」
エルフ女「まだ惚けるか!今後わからない事だらけになるということだ。エルフが人間と交わるなど・・・っ!」
旅人「交わる?何が?」
女「」クスクス
エルフ女「笑い事ではない!元はといえばお前にも責任があるんだぞ」
旅人「だから何の話なんだ?」
エルフ女「黙れ!!お前この件どう責任を取るつもりだ」
旅人「?」キョトン
エルフ娘「ん」ナデナデ
旅人「ありがとう」ナデ
女「まあいいじゃないですか。その村に案内してください。事情を話さなくては」
エルフ女「くっ・・・・・本当にどうなっても知らんぞ」
女「旅人さん。これから私達と同族の者が住んでいる村に行きます。着いてきてくれますか?」
旅人「あ。ああまあそれは構わないんだが、本当に俺が行っても大丈夫なのか?」
女「まあ多分大丈夫かと。他のエルフ達との接触は禁じられるかも知れませんが」
旅人「やっぱり駄目で魔法で殺されるとかそれは勘弁してほしいなぁ」
女「多分大丈夫です。多分」
旅人「いや、その多分が怖いんだが」
エルフ娘「お家、くる?」
旅人「そうだな。お邪魔させてもらうか」ナデ
エルフ娘「ん♪」
エルフ女「本当にどうなっても知らんからな」
一同は森の奥地へ
旅人「入り口は同じなんだ。」
エルフ女「ここからしか入れないことになっている。それにエルフがいないとここを潜れないからな
人間にはまずばれることがないといっていい」
旅人「ほう。さすがエルフの知識と技と言ったところか。」
エルフ女「お前は一度村に入りかけていたな。」
旅人「ああ、お前に追い出されたがな」
エルフ娘「」ギューッ
エルフ女「おいおいそんなに警戒するな。今回は本当に連れて行くから」
女「ずいぶんと信用なくしてますね。」
エルフ女「ま、仕方ないか。」
女「ふふっ、落ち込まない落ち込まない」
一度経験した眩い光が照らし出す中、右手にぬくもりを感じつつただ呆然と立ち尽くす
激しい閃光に瞳を閉じ再び瞳を開いたときそこは先ほどいた森ではなかった
エルフ女「着いたぞ。おそらくお前が始めてエルフの里に入った人間だろう」
旅人「ここがエルフの村なのか?俺達が住む村と大きくは変わらないな」
旅人「ほう。さすがエルフの知識と技と言ったところか。」
エルフ女「お前は一度村に入りかけていたな。」
旅人「ああ、お前に追い出されたがな」
エルフ娘「」ギューッ
エルフ女「おいおいそんなに警戒するな。今回は本当に連れて行くから」
女「ずいぶんと信用なくしてますね。」
エルフ女「ま、仕方ないか。」
女「ふふっ、落ち込まない落ち込まない」
一度経験した眩い光が照らし出す中、右手にぬくもりを感じつつただ呆然と立ち尽くす
激しい閃光に瞳を閉じ再び瞳を開いたときそこは先ほどいた森ではなかった
エルフ女「着いたぞ。おそらくお前が始めてエルフの里に入った人間だろう」
旅人「ここがエルフの村なのか?俺達が住む村と大きくは変わらないな」
エルフ女「数はものすごく少ないがな。この村にエルフは20もいないぐらいだ」
旅人「そんなに少ないのか、よく成り立つものだな」
エルフ「人間のように荒らす奴がいないからな、みんなが協力して成り立っているんだ。この村は」
旅人「それはありがたいな。それで俺はどうすればいいんだ?勝手に動き回るわけにもいかないんだよな?」
エルフ女「当然だ。勝手に出歩いたら殺してしまうかもしれん。命の保証はない」
旅人「怖いこと言うな。わかった。大人しくしていよう。で?俺はどこに行けば?」
エルフ女「とりあえず長に事情をはなしてくる。この家に入っておけ。あまり荒すなよ」
旅人「じゃあ横にならせてもらう。」
エルフ娘「ん、ん。」クイクイ
エルフ女「お前も一緒に来てくれ。あいつと一緒に置いていくわけにはいかないからな」
エルフ娘「んー」イヤイヤ
女「・・・・ああ、そういうこと」
女「旅人さん疲れてるからオヤスミするんだってよ」
エルフ娘「おや、すみ?」ネタフリ
女「そうそう、だから私たちと一緒にいこ。あとで戻ってくるから」
エルフ娘「ほんと?」
女「ほんとほんと」ウンウン
エルフ娘「じゃあ、いく。」
女「じゃあ一緒に行こうか」ナデ
エルフ娘「」ギュ
女「結構気使ってるのね」
エルフ女「!また勝手に心覗きやがって。」
女「ここまで来るのに何があったか話したでしょ?それで休ませるために態態この子も連れてきたってことね。
休むのに邪魔にならないように」
エルフ女「さあな」プイ
女「素直になればいいのに。」ニヤ
エルフ女「・・・うるせーな。ほら着いたぞ。ここに長がいる。とりあえず話をしてから今後のことを決める」
女「あんまり堅い人だったら嫌だな」
エルフ女「温和な方だ。ありのままの事情を話せばいい」
女「」スーハースーハー
エルフ女「そんなに緊張するな。いくぞ」
エルフ女「長、例の連中を連れてきましたよ」
昼飯に突入する。しばしお待ちを
長「君か。よくこの村までたどり着いたね。無事なようでなにより」
女「はい。ありがとうございます。しばらくお世話になります」
長「気にしなくていいからね。帰る宛が出来るまではここでゆっくりしていくといいさ」
女「はい。お言葉に甘えさせて頂きます」
長「状況はよく知っている。君のように心を読めるわけではないけど、状況の把握能力はもっているからね」
女「!」
長「なにも驚くことはない。誰にでも何らかの力を持っているのだから。偶々私がこの力を持っていただけのことだよ」
女「恐れ入ります」ペコリ
長「さぞお疲れでしょう。今日はゆっくりとお休みください。この方にを家を一軒貸してあげなさい」
エルフ女「はい。分かりました。ではこちらへ」
長「言いたいことは知っているつもりだから後で用件をいいに来るといい」
エルフ女「」ペコ
長「ああ。それと。」
エルフ女「?」
長「一緒に連れてきた彼をここに呼んでくれるかな?」
④
エルフ女「起きてるか?」チラッ
旅人「・・・ああ。起きている……っ!」
女「どうしたんです!?その汗は!顔色も」
旅人「いや、傷口が開いたのか悪化したのか。痛みだしてな」
エルフ女「ちょっと見せてみろ」
旅人「悪いがその子を外に連れていってくれないか?」
女「で、でも」
旅人「心が読めるなら分かるだろ?頼む」
女「……分かりました」
エルフ女「ちょっと見るぞ」ビリビリ
旅人「痛っ……ぅ。」
エルフ女「これは……酷い。化膿して腐りかけてるな。何故ここまでの怪我を」
旅人「まあいろいろあってな。野獣に襲われた。こんなこと言うのもアレだが軟弱過ぎないか?」
旅人「ははは・・・・面目ない。五匹纏めてはちょっとな」
エルフ女「野獣五匹相手にその傷だと!?」
旅人「驚くほど軟弱だったか?腕が落ちたかなぁ……」
エルフ女「逆だ。あんな化物五匹相手に腕一本だけで住んでる事に驚いてるんだ」
旅人「そうなのか?まあそのおかげで物凄い事になってるんだけどな」
エルフ女「丁度いい。長が呼んでいた。長に相談してみよう」
エルフ女「長、例の人間を連れてきました」
長「入ってください。」
旅人「人間が入っても大丈夫なのか?」
エルフ女「おい。口の聞き方に――――」
長「構いません。よく来てくれました。あなたの様な人間ならば歓迎します」
旅人「どうも。えっと俺はなんでここに呼ばれたんだ?」
長「事情は知っていますので薬を用意していました。とりあえず治療を」
旅人「それはありがたい話だが、この傷じゃ切り落とすしかないんじゃないのか?エルフの薬の話は聞いてるがこれじゃあ流石に」
長「その程度の傷ならば治るでしょう。心配しなくても大丈夫ですよ」
旅人「本当か?諦めていたが。それはありがたい」
長「いえいえ。あなたには同族の仲間を救っていただいていますから。その傷も救っていただいた時の物でしょう」
旅人「あいつから聞いたのか?気にしないでくれ。俺としてもあいつを守れたから気にしてないんだ。むしろ満足しているんだ」
長「治療ぐらいは受けていただかないと。左手を無くしては不便でしょう」
旅人「なあ聞いていいか?」
長「なんでしょう?答えられる範囲なら」
旅人「あんたは人間を嫌わないのか?人間も好き勝手やってきたのもしってる」
長「古い話をしましょい。私の両親の話です」
旅人は治療を受けながら黙って話を聞く
ちょっと書き留めするから時間ください
長「私の両親はすでに亡くなっていますが。少なくても二人は人間達と少なからず交流を・・・というより
かかわりを持っていました」
長「母と父の出会いはお世辞にも素晴らしい出会いとは言えないものでした」
長「私の母は生粋のエルフで、子の私が言うと可笑しなものかもしれませんが周りの人間やエルフの中でも
右に出るものがいない程の美貌を持っていたそうです」
長「私を生んで早くになくなったと聞いているので真相はわかりませんが。」
長「一方の父親は外見こそ醜悪ではなかったものの、それが内面にありました。美しい女性を奪っては強姦し
楯突く者がいればその人を殺し。人々は忌み嫌っていたと聞きます」
長「そんな時、父が森に狩に出かけたとき森の奥で美しい衣をまとった女性を微かに目撃したそうで、その日以来
森の所有権を無理やり手に入れ毎日のようにその女性を探し続けました」
長「ある日一向に発見できないので森の木々を切り倒し日に日に森の大きさを縮小していきました。それに耐えかねた森の住民が
森を荒らさないようにお願いに行きましたが誰一人として戻っては来ませんでした。
旅人「その森の住民って・・・・」
長「はい。エルフの村のことです。エルフは森や泉に里を作りそこで暮らします。それを偶々発見されてしまったのです」
話は続く
長「森を守るためお願いに行ったエルフたちは殺され数日後にはその首だけが森の入り口に並べられるようになり、その森はエルフの里だということが
完全にばれてしまいました。」
長「当時その村の長をしているエルフは外見は美しくその美しさに負けないほど美しい白い衣を羽織った女性だったのです。」
長「皮肉にも目撃されたのは村の長だったんです。あまりに酷い仕打ちにその長自らが森の安全の確保を約束させるため
その村を出て行きました」
長「その女性は直接森を所有している父の元に向かいました。」
長「父の捜し求めていた女性が目の前に来たことで当初の目的が達成され森の安全は確保されました。ですがその女性は
今後父の后になることを無理やり取り決められました。」
長「もうお気づきでしょうがその女性というのが私の母です。」
長「それで生まれてきたのが私というわけです。」
旅人「后ということはお父様は王族?いや、それ以前にお父上と母上の関係からすると・・・・」
長「はい。人間の父とエルフの母との間に生まれた者。私は人間の血をもエルフの血も引いています。父上はあなたが仮暮らしをしている国の祖を築いた人です」
旅人「!!」
長「当時その国最後の王。ガンドァールヴが私の父にあたります」
旅人「もう、なんというか。何を言っていいのか」
長「いえ、つまらない話をしました。何が言いたかったのかというとなぜ信用できるのかという問いに、私も人間の血を引いているので人柄で判断しましたということを
いいたかったんです。」
旅人「歴史上の話だからどうもしっくりと来ないが。事情はよくわかった。話してくれてありがとう」
長「いえいえ。信頼を得るためには自分のことを知ってもらうことが一番ですから。ね?二人とも」
旅人「?」
女「あ。ばれてましたか?」エヘヘ
エルフ娘「」ニコ
長「聞き耳とはあまり感心した行動とは思えませんね。」
旅人「お前たち、いつから聞いてたんだ?ずっと外で聞き耳を立ててたのか。」
女「えっと。治療を始めたあたりから」
旅人「・・・・・最初からじゃないか」
エルフ女「お前たちはついてくるなと言わなかったか?」
女「部屋から出て行くようには言われましたけどここにくるなとは聞いてませんよ?」ネー
エルフ娘「コクコク」ネー
長「まあ・・・ちょうどよかったのかな。私の事が知れて」
女「でも私たちが隠れているのを知っていて話をしてくれていたのでしょう?」
旅人「そうなのか?」
エルフ女「お前、まさか気づいていなかったのか?」
旅人「いや・・・まったく」フルフル
エルフ女「あきれた奴だ。野獣とは戦えて気配は感じ取れないなど」
長「まあまあ。自己紹介みたいなものですよ。今日はゆっくりと休んでください。あ。あなた方は同じ部屋がよかったですか?
準備しますけど」
エルフ女「その件なのですが。この二人に聊か問題というか・・・・その・・・」
長「あなたの言いたいことは分かっていますが、ちゃんとこの方から話を聞きましたか?」
エルフ女「はい?」
長「なにやら勘違いをしているのではないかと思うのですが」
エルフ女「勘違い?」
長「私が思うに女さんと旅人さんは交わりは無いはずですが」
エルフ女「いえ、それはこいつにちゃんと!」
旅人「だから交わりって何だ?なんか儀式みたいなものか?それなら俺は何もしてないぞ」
エルフ女「いや!儀式といったら儀式みたいなものだが・・・・その・・・な」ゴニョ
女「ああ。旅人さんに抱きつかれたって話ですが?」
旅人「なにっぃ!!?」グイッ
長「あ、動かさないで!」
旅人「ああ、すまない。俺はそんなことはしていない!」
女「えぇ~もう忘れちゃったんですか?」
エルフ娘「ジトー」ジー
旅人「ちょっと待て。俺がいつそんなことをした?」
エルフ女「この期に及んでまだ惚けるか!」
旅人「だから!本当に身に覚えが無いんだ」アタフタ
エルフ娘「えい。」ツン
旅人「痛っ!痛いからつつかないでくれ」ズキズキ
長「みんな落ち着いてください。からかうものではありませんよ?特にこの面々の前では」
女「ハハハ、ちょっと冗談のつもりだったんですけど」
旅人「そんな伽羅だったのか・・・・」
エルフ娘「チョンチョン」ツンツン
旅人「突かないでくれ。痛いっちょっと痛いから」
エルフ女「どういうことだ?状況が分からんぞ」
長「つまりですね。この里にこの方を入れるための口実です」
エルフ女「!どういうことだ?」
長「もし何も彼女が言わなければあなたはこの方を里に入れましたか?」
エルフ女「人間をここに入れるわけがありません!」
長「そうですよね。あなたならそうでしょう。ですから彼女はさも交わりがあったかのようにあなたに話と。
嘘はつかないように、尚且つ追い出されないように」
エルフ女「ということは抱きつかれたということは偽りか?」
女「嘘ではありませんよ?本当のことです」
旅人「嘘付け!俺はそんなことはしていない・・・はず」
エルフ娘「」ジー
女「その左手の怪我を負ったとき同じ馬に乗りましたよね?私が前に乗っていませんでしたか?」
旅人「たしかにそうだったな。後ろから手綱を持つ形になっていたはずだ」
女「ほら。私は後ろから抱き疲れちゃったような錯覚に陥りました~。冷静に考えたらただ一緒の馬に乗っていただけですね
抱き疲れたというのは多少大げさだったような」ソワソワ
エルフ女「一晩を過ごしたというのは!?」
女「野宿をしてここまできているわけですから一晩は一緒に寝泊りしましたよ?残念ながら襲われたのは野獣でしたが」
エルフ娘「残念・・・」ジッ
旅人「そんな目で俺を見ないでくれ。何もしてないから」
じゃあ俺は支援しておこう
長「と、まあ。嘘をついたわけでもなくこの里に入れる口実ができたわけです」
エルフ女「はめられたのか・・・?」
女「別に偽りはありませんよ?ただありのままを――――」
エルフ女「お前!それは勘違いするだろ!」
エルフ女(裏声)「後ろから抱きつかれた上に一晩過してますから何があったやら。昨晩は激しい夜でした(ポッ)」
エルフ女「なんていわれると誰でも勘違いするだろう」
旅人「おい、伽羅崩れてるぞ。」
旅人「っていうか何だよその激しかったって。別に何もヤってないだろ」
女「あの野獣とやりやったじゃないですか。」キョトン
旅人「あ!ああ。そうか。」
長「大体の事は最初から把握できてましたがこんなことだろうと何も言いませんでした。彼は怪我も負っていますし
彼なら外に漏らす事も無いでしょうから」
エルフ女「人間の血が混ざったかと思って混乱していた私の気持ちにもなってみろ。仲間の子供を殺すか人間の血を里に入れるかの瀬戸際だぞ」
女「でもあなたは入れてくれたじゃない。」
旅人「交わり・・・!そういうことか。まったく//」プイ
女「照れるじゃにですか/////」
エルフ女「もう好きにしろよ。」ハア
長「はい。終わったよ。多分もう少しで薬が効いてくるはずだからそれまでは動かさないようにね」
旅人「ああ。ありがとう」
長「さて。今日はもう休んで。今後の話はまた明日にしよう」
旅人「ちょっともうひとついいか?」
長「え?君がいいならかまわないよ?なんだい」
旅人「君たちは先に戻っててくれ。用件が終わればさっき俺が横になってたところに戻るから」
エルフ女「まだお前を信用したわけではない。二人をおいて戻れるものか!」
長「大丈夫だよ。彼の問題の話になるから戻っておいてくれ。長の命令だと思ってくれてもいい」
エルフ女「!」ゴクリ エルフ女「分かりました。では」ペコ
旅人「・・・・・・・・」
長「で、聞きたいことがあるんだろ?どんな話だい?」
旅人「あ、ああ。ちょっと聞きたいんだが。あんたのその力はどの程度の力なんだ?」
長「どの程度といわれてもね。もう少し具体的に」
旅人「そうだな。たとえば・・・・・」
旅人「俺たちがここに来るまでの過程を知っていたな。それはあんたの力の一部なんだろ?」
長「いかにも。細かくまでは知ることはできないけど大まかな行動や言動は分かるんだ。多分私が人間のハーフだからだろうね。」
旅人「その力はどんな人間にも使えるのか?」
長「有る程度の条件がそろえば」
旅人「条件?どんな条件か聞くのに差支えが無ければ教えてほしい」
長「まあ大丈夫だよ。一つはその知りたいことを記憶した物が近くにいること。
二つ目はその記憶がある程度鮮明であること
最後にその知りたい物事が明白になっていることだ」
旅人「そうか。」
長「女さんのように心を読むことはできないけど、大まかなことはある程度分かっているつもりだよ」
旅人「この際はっきり言わせてもらうが。俺が知りたいのは本来ならばあの馬車が襲われた夜、あの馬車は
どこへ行く予定だったのかって事が知りたい。」
長「知ってどうするんだい?」
旅人「どうもできないだろうと思う。だがあの事件は不可解すぎると思う。ただの人身売買ではないだろう。」
長「それはそうだろうね。乗ってたのは檻に入れられたエルフ。それも国規模で扱うための馬車」
旅人「なんだ知っていたのか?」
長「ちなみにここまではあなたの考えていた思考だよ?」
支援
旅人「俺はその先が知りたいんだ。護衛の兵士もいたはずだ。それに馬車が来ないとなると行き先だった
国や村の絡んでいる連中が探さないわけが無い。あまり言いたくはないがエルフは高く売れる。」
長「うん。それで?」
旅人「あいつらからすれば商品扱いのエルフが逃げたんだ。探さないわけが無い。馬車からも国が絡んでいる事は明白。
その絡んでいる国と目的が分からないと今後あんたも含めあの子達も危険な目にあうだろう」
長「もしその事情が分かったとして君はどうする?国や大勢の人間相手に戦うかい?」
旅人「それは分からん。だけどあんたらエルフに危険が及ぶようなことがあれば少しでもその危険を排除しておきたい」
長「それで?私に何をしてほしいんだい?」
旅人「最初に言ったようにあいつらの目的と行き先が知りたい」
長「さっき言った条件に当てはまらないものが多すぎないかい?多少記憶した者がいるけどほかの条件にはまったく
当てはまらないよね?鮮明に覚えているわけでもなくそもそも物事が明白ではないじゃないか。明白にしたいんだろ?ならば
残念ながら協力はできない」
旅人「やはりあんたの力でも難しいか。」
長「だけどもう一つ聴きたいことがあったんじゃないかな?私はそう思ったんだけど」
旅人「・・・・・」
長「・・・・・」
旅人「!!襲った奴らの正体!」
し
もっと旅人とエルフ娘いちゃいちゃさせて
長「何者が襲ったのか。はたまた逆の考え方もできますね。」
旅人「逆?」
長「襲ったと決め付けるのは少し早いと思いますけど?話によればエルフ全員がどこかへ逃げ切れているとの事
被害が出たならともかく助かっている以上襲われたのではないのかも知れませんよ?」
旅人「!!!」
長「エルフとしての力ではあなたのお力にはなれませんが考え方の知識としては協力することができます。」ニコ
旅人「すまない!助かった。考え方を変えてみるか。エルフからして敵がいるように味方もいるって事か」
長「そうです。我々エルフは人間よりも遥かに長生きができます。そのためエルフたちはお互いを支えあって生きていかなければ
時代に流されてしまうのです。」
長「人間のあなたは知らないかも知れませんが、人間から見て長生きをする生物はたくさんいるのです。
その大半は知られること無く一生を終えるでしょうが」
旅人「じゃあ何か心当たりがあるんだな?」ワクワク
長「え?いえ特にありませんよ?」
旅人「へっ?」キョトン
長「ただそのような考え方もあると言っただけでそれが真実かは私も分かりません。能力と寿命を取り上げたら
人間と変わらないのですから」
旅人「・・・・・」
>>405
分かった。任せろ。ちょっと考えるから待ってくれ
ついでに飯食ってくる
「私、リカちゃん。今あなたの後ろにいるの・・・」
テリーマン「俺もいるぜ」
キン肉マン「テリーマン」
ブロッケンJr「お前だけに、いいカッコさせるかよ」
キン肉マン「ブロッケンJr・・・」
ロビンマスク「正義超人は、おまえだけじゃないんだぜ 」
ウォーズマン「コーホー」
キン肉マン「みんな・・・」
悪魔超人「こ、これが友情パワーか」
エルフの里に入ってから3日の月日が流れた。諦めていた左腕も回復してすっかり動くようになった。元居た町よりも遥かに暖かいこの里は冬であることを忘れさせる。
目的が未だ定まらない今日この頃。最近では里内の出歩きも暗黙の了解となりつつある。
エルフ娘「ん~ん~」クイクイ
旅人「ん?どうした朝っぱらから?」
エルフ娘「遊びたい」ギュ
旅人「遊びたいって言われてもな。何して遊ぼうか?俺と遊んでも楽しくないだろうけど」
エルフ娘「」フルフル
旅人「ん~どこかに出かけてもいいがまだこのあたりのこと知らないからなぁ」
エルフ娘「お魚」
旅人「・・・・魚?ああ。釣りにでも行くか?」
エルフ娘「?」
旅人「動いてる魚を捕まえにいくんだ。いくか?」
エルフ娘「」コクコクコク
旅人「ということでこの里の中の湖に行きたいんだが」
エルフ女「駄目だ」
エルフ娘「む~」ジー
エルフ女「大体おまえ自身里をうろうろしていいと誰が言った?それに道具も無いだろ」
旅人「道具はすぐに作れる。里の中なら安全なんだろ?じゃあいいじゃないか」
エルフ女「お前らだけでは心配だ。何があるか分からん」
旅人「じゃあ君も来るか?それなら文句無いだろ?」
エルフ女「なんで私が釣りなんかしなければならん。あんなもの人間のお遊びだろうが」
旅人「たまにはいいだろ?あ。お前もしかして釣りを知らないのか?」
エルフ女「べ、別にそんなことは無い。あんなものできないわけが無かろう」ドキッ
旅人「なら着てくれてもいいだろ?この子に教えてやってくれよ」
エルフ女「私は忙しいんだ。そんな遊びに付き合っている暇は無い」
旅人「じゃあ俺たちだけで行ってくるぜ」
エルフ娘「いく」コク
エルフ女「・・・・・はぁ・・・どうしてまたこんな奴のに懐くのか・・・」
エルフ女「ついたぞ。この湖でいいか?」
旅人「これだけ澄んだ水ならいい魚がいっぱいいるだろう」
エルフ娘「これ」クイッ
旅人「ああ、その木の棒は竿の部分だ。その先に糸をつける。さらにその糸の先に針をつけてそれにさらにえさをつける。」
エルフ娘「?」
エルフ女「?」
旅人「まあ、要するにだ。これに糸をつけて、針をつける。えさを付けて・・・と。これで完成だ」
エルフ娘「おぉ」
エルフ女「ほう・・・・」
旅人「ほれ。後はこれを投げるだけだ。」
エルフ女「ほう。そうかそうか。・・・・ハッ!いやまあ知ってたがこれ借りる」
エルフ娘「ん」ニギ
旅人「じゃあ始めるかな・・・・って竿どうしたんだ?」
エルフ女「投げるというから投げてきた。」キリッ
旅人「いくらなんでもそれは・・・・」エッ?
エルフ娘「ヒュン」チャポン
旅人「ああやって投げるんだよ」
エルフ女「・・・知ってるよ。ちょっと手が滑ったんだ」
旅人「・・・・そうか。じゃあ今度は気をつけてな」
エルフ娘「お。おおー」クイックイッ
旅人「お。引いてるな!そのまま引っ張りあげろ」
エルフ「お、重い」ググッ
旅人「手伝おうか。よいしょっと。」ストン
エルフ娘「!」ギュ
旅人「手を離さないようにな。」
エルフ娘「ん」ギュギュ
旅人「上に引っ張るぞ。せーの!」
エルフ娘「動いてる」
エルフ女「すごいな!結構大きいぞ。」
旅人「予想以上に大きいな。よく一人で支えてたもんだ」ナデナデ
エルフ娘「♪」ニコニコ
エルフ女「ちょ、ちょっと私も釣ってくる。この子の事頼んだぞ」タッタッタ
旅人「あいつ。ついてきた理由忘れてるだろ・・・・」
エルフ娘「」クイクイ
旅人「ん?どうした?」
エルフ娘「これ、どうするの?」
旅人「とりあえず生きたまんま泳がせておくか」チャプン
エルフ娘「~♪」タタッ
旅人「あんまりウロウロすると落っこちるぞ」
エルフ娘「!」ギュ
旅人「一緒に釣りするか」ナデナデ
エルフ娘「ん」
明日も早いんで寝るわ支援トンクス
近々完結まで持っていけるんで、よければ支援よろ
エルフ娘「………ゅ」
旅人「ん?」
エルフ娘「…ほしゅ」
エルフ娘「」ウロウロ
旅人「おい!前!まえ!」
エルフ娘「え」ウロ
バシャッン
旅人「お、おい!」
エルフ娘「危なかった」
旅人「いや・・・・・落ちただろ」
エルフ娘「ヘクチッ・・・・・寒い」ブルッ
旅人「泳げたんだな。ほら、それ脱げ」
エルフ娘「?」キョトン
旅人「脱いでこれ着てろ」
エルフ娘「ん」キュッ
エルフ娘「」ヌギヌギ
旅人「・・・・・」パサッ
エルフ娘「////」
旅人「なんで赤くなるんだ?」
エルフ娘「む。」バシバシ
旅人「お、おい。叩くな叩くな。早く服着ろって」バサッ
エルフ娘「んー」
エルフ女「!」
旅人「お。戻ってきたか」
エルフ女「お前!何をやっていた!?」
旅人「ん?いやマントを着せてただけだが」
エルフ女「その子にまで手を出したのか!今回ばかりは・・・・」
旅人「!いやまて!それは勘違いだ何か勘違いをしている!!」
エルフ女「言い訳とは見苦しいぞ」
旅人「おい、お前からも何か言ってくれ!」
エルフ娘「・・・・」プイッ
旅人「お、おい!」
エルフ女「やはりな。言い逃れ出来んぞ?」
旅人「なあ本気で困るんだけど。助けてくれないか?」
エルフ娘「・・・・・」ジー
旅人「頼む。」
エルフ娘「一緒に寝てくれる」
旅人「くれるくれる!」
エルフ娘「よし」コクリ
エルフ女「なにをコソコソしている?口止めでもする気ではあるまいな?」
エルフ娘「落ちた」クイッ
エルフ女「何がだ?」
エルフ娘「お水」サシ
旅人「こいつが池に落ちたんだよ。だから着替えさせてただけだ」
エルフ女「・・・・・・・」
旅人「本当に人の話を聞かないなお前」
エルフ女「・・・・・ほら見てくれ!」シラッ
旅人「おい、誤魔化すなよ」
エルフ女「まあ、黙ってこれを見ろ!大量だろ?」ワク
旅人「まったく・・・・お。すごいたくさん釣れたなぁ」
エルフ娘「いっぱい」
エルフ女「すごいだろ!投げた瞬間にすぐ釣れるんだ!」
旅人「乗り気じゃない割には楽しんでるなお前」
エルフ女「う・・・・いいだろ別に」
エルフ娘「約束」ボソッ
旅人「分かってるよ」ナデナデ
エルフ娘「んっ」ニコ
エルフ女「さて、そろそろ帰るか。この魚飯に使わないとな」
旅人「そうするか」
帰宅後
旅人「悪かった。本当にすまない」
女「みんなで釣りに出かけるなんてずるいです。私も行きたかったのに!」グス
エルフ娘「ん♪」ニコニコ
エルフ女「大量大量」ニコニコ
女「みんなばっかり楽しんで・・・二人ともものすごく楽しんできたみたいじゃないですか」プンスカ
旅人「だから何回も誤ってるだろ?すまない。今度は君も連れて行くから。な?」
エルフ女「そう愚痴るなよ。うまい魚でも食わしてやるから」
女「私も行きたかった・・・」グスン
エルフ娘「行ってきた。」ニコッ
女「ずーるーいー!」
旅人「勘弁してくれ。」
エルフ女「まあ、そういわずに食えよ。私が釣って来たんだぞ!」エッヘン
女「うぅ・・・・・」パクッ
女「あ。おいしい・・・・」
エルフ女「だろぉ?さっきまで生きてたからな。新鮮でうまいはずだ」ハムッ
旅人「よくこんなに釣れたもんだな。」ムシャ
エルフ娘「ハム――アチッ」アタフタ
旅人「おいおい火傷するぞ、落ち着いて食べな」ハイ
エルフ娘「ん。」ハム
旅人「おいしいか?」ナデナデ
エルフ娘「うん」ニコ
女「なんか二人の距離縮まってませんか?」
エルフ女「そうか?前からあんなもんだろ」
女「う~ん・・・そうかなぁ・・・・」
旅人「ほら、骨とったぞ。ゆっくり食べろよ」
エルフ娘「ん♪」
女「いや!やっぱり縮まってる気がします!」
旅人「何がだ?」
女「いえ何も」フルフル
番外編はここまでで本編に戻します
あまりイチャイチャじゃなかったけど許してくれ
旅人「さて。そろそろ寝るか」
エルフ娘「」クイクイ
旅人「分かった分かった。一緒に寝るか?」
エルフ娘「ん♪」ニコ
女「ちょ!どういうことです!?」
旅人「まあ、ちょっといろいろあって一緒に寝ることになった」
女「・・・・・・・!」
旅人「!」アセアセ
女「・・・・何を考えてるんです?」ニコ
旅人「今心読んだだろ!違う!それは勘違いだ!!」
女「なにやら不純な匂いがします」キリッ
旅人「何もしないって」
女「いえ。私も一緒に寝ることにします」
川の字
旅人「どうしてこうなった・・・・・」
旅人「さて。あまりここでグダグダしてるわけにはいかないか。いい所だけどそろそろ戻らないとな」
長「やあおはよう。今日も天気がいいね」
旅人「あんたか。本当にここはいいところだな。暖かいし景色はいいし。ずっとここに住んでいたいものだな」
長「君さえよければずっと居てくれてもかまわないんだよ?」
旅人「ありがたい言葉だがそうもいかないだろ。ここにいると元の世界を忘れてしまいそうだからな」
長「ふむ。いっその事一生ここで過してしまえばここも町も変わらないだろうに」
旅人「まあそうなんだが俺にも仕事があってね。もうすでにばれているものだと思ったんだが、違うのか?」
長「さて、なんの話でしょうかね?どんな仕事なのか教えてもらわないことには」
旅人「白々しいな。まあ。・・・・・旅の仕事だよ・・・・」
長「・・・・・そうですか・・・・」
旅人「そう遠くないうちにこの里からは出て行くとしよう。この里のことは俺が死ぬまで一生口外しないと約束する」
長「それはありがたいことです。信用していますよ。それと感謝も」
旅人「いや。俺の左腕を治してくれてこちらこそ感謝している。助かった」
長「では私は仕事があるんで戻りますね。ここにいるうちはゆっくりしていってください」
旅人「ああ。そうさせてもらおう」
旅人「そういうことで、俺は近々元の町へ帰る。今まで世話になったな」
女「そうですか・・・・もうすぐお別れですね」シンミリ
エルフ女「そうか。それはこっちも助かるな。もう警戒しなくて済むからな」
エルフ娘「」フルフル
旅人「今日ってわけじゃないんだ。そんなに裾つかむなよ」
エルフ娘「んー」ギュッ
女「出立はいつになるんですか?」
旅人「帰るのに準備が必要だからな。明日か明後日といったところだろう」
エルフ女「ずいぶん急に決めたものだな。急ぎか?」
旅人「あまり長く世話になるわけにも行かない。本来俺はここに居てはいけない存在なはずだ。
それがここで過す時間が濃密になりすぎると現実がつらくなりそうで怖いんだ」
女「もういっそここに住んでしまえば・・・・・」
旅人「ははは・・・・長にも同じことを言われたよ」
女「じゃあ!」
旅人「でもそれは駄目だ。俺にも向こうでやらなければならない大事な仕事が残っているからな。
ここいらが潮時だろう」
エルフ女「まあ分かっていたことだしな。お前が決めることだからとやかくは言わないが・・・・・
もしこの里のことを口外したら私は一生お前を・・・・」
旅人「信用ねーな。約束する絶対に口外しない。そこは信用してくれていい」
エルフ女「約束だからな。」
旅人「ああ。約束だ」
女「今すぐというわけではないですから。準備は追々進めましょう」
旅人「そうするか。とりあえず朝飯食うか」
女「あ、じゃあ私が準備してきますよ。」
旅人「いいのか?任せて」
女「ええ、ゆっくりしていてください」
エルフ女「飯の準備ができるまで時間がある。ちょっといいか?」
旅人「ん?」
エルフ女「・・・・・まあ、黙ってついて来い。」
エルフ娘「!」ギュ
旅人「どこに行くんだ?」
エルフ女「こっちだ」
旅人「!!!!ここは・・・・」
エルフ女「・・・絶景だろ。この里でも限られた奴らしか立ち入りはできないところなんだ」
旅人「いいのか?俺なんかを連れてきて」
エルフ女「そいつも例外じゃないんだが」
エルフ娘「?」
エルフ娘「ここはこの村ができる前からある洞窟で光が反射して岩が輝いて見えるんだ」
旅人「・・・・・本当にきれいだな。今までの人生で見た中で一番綺麗な光景かもしれない・・・・」
エルフ女「お礼みたいなもんだ。仲間を2人も救ってもらったお礼。釣りのお礼でもあるがな」
旅人「ありがとう・・・一生忘れないだろう」
エルフ女「あたりまえだ。こんな光景なんて人間の町では絶対に見られないからな。絶対に忘れるな」
旅人「ああ。いい思い出になった」
エルフ女「・・・・・・そうか。」
エルフ娘「ごはん」クイクイ
エルフ女「そうだな。もう出来上がって待ってるかもしれないから戻るぞ」
旅人「了解した」
女「あ!もう、どこに行ってたんです?みんなして。また私だけ置いてけぼり・・・」
旅人「まあ里の見学みたいなものだ。その辺回ってきただけだぞ?」
エルフ女「まあいいじゃないか。それより飯はできたのか?」
女「とっくにできて先に食べちゃおうかと思いましたよ」
旅人「じゃあ飯にするか」ナデナデ
エルフ娘「うん♪」
この日はあっという間に時間が過ぎ去り少し寂しさを残しながら一日が終わった。
翌日旅人は村まで帰る手段として乗ってきた馬一頭(もう一頭は置いて帰ることに)と水や食料を準備してもらうことになった
泊まっていた家の掃除も終わらせいつでも帰る準備が整ったころには日が傾き始めていた。
その翌日、旅人がこの里を出ることが決定した。
短い時間で濃厚な時間を過した旅人はどこか後ろ髪を惹かれる気分を抱きかかえていたが
これが現実であると自分に言い聞かせ叱咤する。
そんな心境を察してかエルフ達は旅人を気遣って話をしたり話題を振ったりでそれも楽しい時間となっていた。
そして・・・・
旅人、里出立の日がくる
イメージ
エルフ娘大体8歳前後
女大体16前後
エルフ女大体18前後
のイメージで書いてた。
書き方が下手ですまん。勘違いをさせてしまったみたいだ
帰宅するまで待って下さいorz
旅人「世話になったな。長くお邪魔してすまなかった」
長「もう少しゆっくりしていってくださってもよかったのですが・・・・そうも行かないみたいですね」
女「本当にありがとうございました。旅人さんのおかげで仲間の下に戻ってる来ることができました。感謝しています」
旅人「いや。俺のほうこそいろいろ助けられた。ありがとう。元気でな」
エルフ女「まあなんだ。思ったよりまともな奴で安心した。元気でな」
旅人「ああ、世話になった。人間嫌いも程ほどに頼むぞ?」
エルフ娘「イヤ!」ブンブン
女「ほら。手はなして。旅人さん困ってるじゃない」
エルフ娘「やっ」ギュッ
旅人「お前も元気でな。ありがとう楽しかったよ」ナデナデ
エルフ娘「」ギュ
エルフ女「ほらな?こうなるから大変なんだよ。あの時の選択肢はあってたと思うぞ」
旅人「本当にな。さあ、俺は行かないと。この里のみんなと仲良くしろよ」
エルフ娘「んー」フルフル
旅人「・・・・・困ったなぁ・・・」
長「困りましたねぇ・・・・では。ちょっと強引ではありますが・・・・」
旅人「?」
長「ちょっとあーんってしてみてくれるかい?」
エルフ娘「あーん」パク
女「・・・・・・・」
エルフ長「まあ仕方ないだろ。これぐらいしか方法が無いからな」
旅人「何を食わせたんだ?」
エルフ娘「」フラフラ
旅人「おい!」
長「安心してください。大丈夫です」
エルフ娘「」スヤスヤ
旅人「・・・・睡眠薬か?」
長「ええ。このままでは埒があきませんし。この子には悪いですが」
旅人「また前回の2の前になるんじゃないか?」
長「しかしこれ以上時間をくうわけにはいかないでしょう?これも経験だと思ってもらうしかありません」
旅人「そうか。悪いな。みんなにも・・・・・こいつにも」
女「この子のことはどうにかするし他の仲間も探してくるから、あんまり気にしないでくださいね」
エルフ女「だな。もともと私たちの問題なんだ。お前は関係ないから深くかかわろうとするな」
長「今後の事は任せてください。短い間でしたが楽しかったですよ」
旅人「ああ、すまない。じゃあ俺は行くな」
旅人は未練が残らないようきっぱりと別れを告げた・・・つもりだった。
入り口同様、外の世界・・・基現実に戻るときもまばゆい光に覆われもとの世界に戻ってくる。
すべては夢だったのではないかと思うほどに辺りは静まり返っていた。
言葉にできない空しさが襲ってくるが、同時にこれが現実なのだと確信を抱かせる。
馬に積んだ食料や別れ際にみんながくれたお土産が目に入るとつい笑みが零れる
元の町の借家に向かって馬を走らせた。
不思議と行きよりも帰りのほうが時間経過が早く思われるのはなぜだろう。
あっという間にもとの町に着く。
何事も無かったかのように時は過ぎる。しかし、静かな時間は長くは続かなかった。
翌朝の町の民に向けられた公文が事態を大きく進展させることになる。
旅人が元の町に到着して翌日の事、町が発した公文が波紋を呼ぶことになる。
その内容は
この町はブーヒュースレーン国として独立を表明する
というものである。旅人を驚愕させたのは次に続く文である
この国の建国に伴いエルフ、野獣の類の売買の禁止
発見次第即刻処刑を命じる。半月後妖精狩りを行うものとする。
野獣の首10ゴールド、エルフの首100ゴールド、その他獣の首100コインから
我が国治安維持のための処置であると書かれていた。
数日ともに過したエルフ達のことを考えると居てもたってもいられなくなる
旅人「どうにかしないと・・・・半月後ならばあいつらに知らせにいくこともできる・・・・」
旅人「一刻も早く知らせにいくか!」
帰宅後、ゆっくり休む暇も無くすぐに馬を飛ばした。一睡もすることなくエルフの里に向かう
その後ろを付けられていることも知らずに・・・・
眠気も体のダルさも忘れるほどに前へ進み続ける。約一日半飲まず食わずで里の入り口まで到着した。
旅人「おー!誰か居ないかぁ!?俺だ。頼む、返事をしてくれ!!」
ガサガサガサ
旅人「・・・・なんだ・・・」
森から差し込む木漏れ日の光が大きくさえぎられる。まるで大きな何かが空中を横切ったように。
旅人「なんだったんだ・・・今のは・・・」
???「誰だ!?そこにいるのは!」
旅人「その声は・・・・俺だ!俺」
カサカサ・・・
エルフ女「!?お前こんなところで何をしている!帰ったはずじゃ・・・・」
旅人「ああ。それより!大変なことになった。長に会わせてくれ!重大な話だ」
エルフ女「お前。あれほど人間は里には入れないと言ったはずだ」
旅人「そういう問題じゃなくなってきている!重大な用件だ。お前たちの命にもかかわる。早く」
エルフ女「そんなに重大な用件なのか・・・・・・・いいだろう。・・・こい」
旅人「助かる」
長「なるほど。事情はよく分かりました。ここも安全である保障がなくなったわけですね」
旅人「そうだ。この辺りはブーヒュースレーンの支配地に入るだろうからな。それに前々回この里付近に近づいたときに
俺も追われて逃げ切っているからこの辺りは疑われる可能性が大きい。それにあの襲われた馬車の残骸も回収されていた。
ここにくるまで見かけなかったからな。すでに目を付けられているだろう」
エルフ女「私が始めてお前にあって追い出したときか!」
旅人「そうだ。お前に追い出された後の事だ」
旅人「呆然と立ち尽くしていた俺はエルフと間違われてしばらく追われたんだ。軽く20人は居ただろうが、どうやらエルフ狩りを実行していたらしく
3,4人ほど倒して無理やり町までたどり着いたんだ。」
長「ではそのときに・・・・」
旅人「馬車の残骸やこの森の話や噂も広がっているはずだ」
エルフ女「こいつの言う事が本当なら一刻も早く対策をしないと」
長「事情はよく分かった。君はしばらく休んでいくといい。その様子じゃ一睡もしていないんじゃないかい?」
旅人「まあな。だがあまりゆっくりはできない。すまないが食事をもらえるか?即然るべき所へいかなければ」
エルフ女「信用していいんだよな?」
旅人「ああ。俺も最善を尽くす。この森どうにか守ってみせる。」
長「ではすぐに支度をさせましょう。」
旅人「ご馳走になった。すぐに俺は向かわなければならない場所があるから行くぞ」
長「どちらに行かれるのです?あまり無謀な事は・・・・」
旅人「大丈夫だ。それよりも気をつけてな」
エルフ女「長、私たちも準備を整えなければ。付近の里に連絡を」
長「そうですね。私たちは私たちですべき仕事をやりましょう」
旅人「では、幸運を」
旅人「さて・・・・向かうべきは・・・」
???「そこのお前とまれ」
旅人「え?」
???「お前エルフだな」
旅人「生憎だが違う。耳も服装も違うだろ」
???「・・・・そうか。だが一緒に来てもらうぞ。お前を連行する」
旅人「!」
???「罪状はエルフとの接触、及び国家反逆罪だ」
今夜はここまでな。明日の朝続き上げる
多分明日には完結だと思う
欝かどうかは見てのお楽しみって事にしておいてくれ
旅人「!」
???「どうした?驚いたかね?ああ、後ろを付けさせてもらったが気付かなかったか」
旅人「……いつから付けていた?」
???「君が大急ぎで馬を走らせる少し前だから・・・・エルフ狩りの知らせを知った辺りか」
旅人「・・・・・・何のつもりだ?」
???「なに。俺はお前を捕縛しにきただけさ。聞きたい事が山ほどあるんだ。」
旅人「あの馬車の件・・・・・か。」
???「正確には馬車の件もだな」
旅人「もし断ったらどうする?」
???「別にどうもしないがこれを機にしばらく国の奴らに終われる羽目になる。当然俺も追う側だがな」
旅人(いま時間を食うわけにはいかないか・・・・・だがみすみす捕まって間に合う保証もない)
ドドドドド
???「おっと。どうやら君の選択権はなくなってしまったようだ」
旅人「なに?」
???「俺の仲間が到着したみたいだぞ?」
旅人(こいつ一人なら切り捨てて逃げれたが・・・・仲間がいたか・・・・・っち・・・やっかいだな」
???「大人しく俺達と来い。お前がどうなるかなんて知らんが俺達は金が入るんでな。黙って来てくれた方が楽でいいんだ」
旅人「・・・・・・・」
???「なぁ?その手にかけた剣を捨てろ。それともこの数を相手にするか?こっちも珍しく音便に話してるんだ」
旅人(本来ならこんな下衆など・・・・・しかし、ここは・・・・)
カチャン
旅人「分かった。大人しく連行されよう。道中の安全の保証はもらえるんだろうな?」
???「もちろんだ。お前をいたぶった所でもらえる金が増えるわけではないからな」
旅人「そうか。もう1つ約束してくれ」
???「なんだ?」
旅人「この馬とこの食糧には手を出さないでくれ。今後の俺の飯だ」
???「・・・・・はん!見かけによらずケチな野郎だな。いいだろう。さっさと着な」
旅人(どうにかして状況を打開しないとな・・・・・)
兵「しばらく大人しくしていろ」
ガシャン
旅人「・・・・参ったな。まさかここまでされるとは。警備も厳重だしな」
旅人「早く戻らないとな。こんな所で油を売ってる暇はないんだ。どう早く馬を飛ばしても五日はかかるからな・・・」1
旅人「とりあえず抜け出す手段を探さないと」
それにしてもと旅人は考える
この町が独立を宣言しても認めない国が幾つも出てくるはずだ。直ぐに鎮圧の兵が派遣されるだろう。
今までの歴史で争いなく独立を達成した国はない。何らかの形でかならず隔たりが出来るものだ。
旅人「俺の同士も動くだろうか・・・いや。だからこそ俺が」
兵「この付近まで来てるらしいぞ?」
兵2「勝てるのか?独立するのは勝手だが命あっての国だろ」
兵「殺される前に逃げるか?」
兵2「ハッハッハそうだな、この中のエルフ二、三人連れて逃げてもいいな。穴には困んないぜ」
兵「なんだ?ご無沙汰なのか?」
兵2「エルフといえ見た目は悪くないからな。俺の息子が暴れた後は売れば金になる。そんはないだろ」
兵「違いないなハッハッハ!」
旅人「・・・・・」
旅人「近隣の国は既に兵を出したか・・・・急がないと別の問題が出てくるな・・・・」
旅人「あんな小汚ない奴の種なんてぶちまけられて堪るか。別の物をぶちまけてやるぞ」
旅人「まあここを脱け出せてからの話だが。」
旅人「捕まってから三日だよな・・・・エルフの里からの道中2日に今日1日で三日だ。」
旅人「なにか打開策を・・・・・」
~~♪~~~♪~♪
旅人「ん?この歌どこかで・・・・」
旅人「お~い、今歌を歌ったのは誰だ?」
「・・・・・・」
旅人「警戒してるのか・・・ま、それもそうか。」
旅人「俺はその歌の意味を知ってるぞ!仲間の意味だろ?」
???「あら、なんでご存知なのかしら?私の故郷の歌なのに同じ故郷出身の方?」
旅人「おや?あんたどこにいるんだ?」
檻に入れられている旅人は鉄柵に頬を付けて辺りを見渡す。 薄暗くよく目を凝らさないと一メートル先も見えないほどだ
???「ここよ、ここ。あなたの目の前の檻よ」
檻に入れられた時は全く気付かなかった
よく目を凝らすと誰か檻の中にいるのがわかる
旅人「そっちだったのか。気付かなかった。あんたもエルフなのか?」
???「あら?あなたもエルフ?人間かと思ったわ」
旅人「いや人間だよ。ちょっとエルフと関わりがあったからここに入れられたんだ」
エルフ「へぇ~苦労してるわね~」
旅人「・・・・・それはお互い様みたいだが?」
エルフ「全くね。なんで私がこんなところに閉じ込められないといけないのかしら」
旅人「なんで閉じ込められてるんだ?」
エルフ「知らないわよ!こっちが聞きたいわ!」プンスカ
旅人「閉じ込められてどれぐらいになる?」
エルフ「さあ?どれくらいかしらね~私達からすれば微々たる時間ってことは確かね」
旅人「そうか・・・・・」
エルフ「あなたエルフの事知ってるみたいだけど?関わりでもあるのかしら?」
旅人「まあな。あまり大きな声では言えないが」
エルフ「そうなの。深くは聞かないでおくわ」
旅人「あんたこそなんで捕まったんだ?こんなく―――町にお買い物でもあるまい」
エルフ「まあ逃げるのに失敗したって所かしらね。仲間の一人は上手く逃げられたみたいだけど」
旅人「・・・・・・」
エルフ「情けない話よねぇ~人間から捕まるなんて。この町の人間なんて今度エルフ狩りなんてするって話じゃない。迷惑な話よ」
旅人「その仲間は心でも読めたのか?」
エルフ「・・・・・ッ!」
旅人「やっぱりか・・・・」
エルフ「あの子の事知ってるの!?無事なんでしょうね!?まさかあなたがっ」
旅人「落ち着け。俺が知る限りじゃ無事だ。それより声を落とせ。見張りに聞かれるぞ」
エルフ「・・・・それで?なんであんたが知ってるのよ?」
旅人「話せば長くなるが
――――――
エルフ「なるほど・・・・そういうこと・・・・」
旅人「だから俺は急ぎ戻らないといけないんだが、どうにも手詰まりでな」
エルフ「そういうことだったのね。・・・・だったらもう少し早く声を掛ければよかったわね」
旅人「どういう意味だ?」
エルフ「あなたエルフの力の事は知ってるわよね?」
旅人「ああ。人間にはない力を持ってるんだよな?」
エルフ「私の力は錬金術よ?」
旅人「あ!あの牢の柵を壊したのはあんただったのか」
エルフ「仲間を逃がすときの事ね。そうよあれは私がやったのよ。中々に凄かったでしょ?」
旅人「じゃあこの柵も壊して逃げれば良かったんじゃないか?」
エルフ「逃げる手立てが無かったのよ。それなら期を待って隙を付いて逃げることを選ぶわ」
旅人「成る程なぁ。じゃあ逃げるのを手伝ってくれないか?考えがある」
エルフ娘「ホシュリーナ」
旅人「えっ 何が?」
今日で頑張って完結させる。少々雑になるかも
エルフ「別にいいけど、私だけ置いていかれても困るわよ?」
旅人「そこはお互い協力するって事で手を打ってくれ」
エルフ「分かったわ。で?どうすればいいの?」
旅人「とりあえずここから抜け出さないことには話にならない。まず警備の兵をどうにかしないとな」
エルフ「私は戦えないわよ?」
旅人「・・・俺が殺る。確かこの入り口付近に俺の取り上げられた剣が置いてあったはずだ。どうにか取り返すことができれば」
エルフ「じゃあ剣は私が取ってきてあげるわ。その代わり見つかったときはしっかり守ってね」
旅人「任せておけ。善処しよう。」
エルフ「初めて人間を信用するんだから期待を裏切らないように!」ビシ
旅人「分かった。では頼む」
ガチャン・・・ギギギッ
兵「お、おい、何の音だ?」
兵2「檻の方だな・・・・悪あがきでもしてるのか?」
兵「ちょっと黙らせてくるか」
兵2「そうだな・・・!おい貴様!!何をしている!!」
エルフ「えへへ~ちょっと暇になったから出てみました~」ポイ
鞘に収まった剣が空中に舞う、同時にすばやく動く影があった。その影が剣に触れると同時に
唖然としていた兵の首が宙を駆ける
旅人「すまないな。お前らよりも守りたいやつらが居るんでな」
エルフ「へぇ~やるわねぇ~、それにしても・・・・下品な死に様」
旅人(・・・・・下品・・・・)
エルフ「あまりもたもたしてられないわよ?どうするのこれから」
旅人「あんた一人残しておくわけにもいかないか・・・・・」
エルフ「?」
旅人「俺と一緒に来い!本来の場所に戻らないと」
エルフ「なにそれ?求婚?」
旅人「違う!・・・・よくこんなときに冗談が言えるものだな」
エルフ「な~んだつまんない。で?どこに連れて行こうっていうの?売りさばかれるのはごめんよ?」
旅人「大丈夫だ。とりあえずこっちだ。馬を調達してすぐに出発する。ついてきてくれ」
エルフ「なんか分からないけど・・・・従いましょう」
旅人「よし。行こう」
旅人が出発して半月が経過した。
町ではすでにエルフ狩りが実行されていた。例の森も例外ではなくすでに賞金目当ての傭兵や
住民たちが森に近づき今にも狩り開始の合図が発せられようとしていた。
賊「なあ、早く始めようぜ。何ちんたらしてんだよ」
兵「落ち着け、もうすぐに合図がかかるはずだ。こっちもタダで実行してるわけではないんだ。支持にはしたがってもらう」
賊「っち・・・・・早くしろよ」
狩りに飢える兵たちの心をあらわすかのように昼の空に空砲が響き渡った
兵「さあ!存分に賞金を稼いでくれ!!」
ウオオオオオォォォ
怒涛の勢いで賞金目的の兵たちが森に雪崩れ込んで行く
エルフの里が発見されるのも時間の問題だ
エルフ女「長!あいつの言っていた通り人間どもが森に!」
長「来ましたか・・・・・。あまり気は進みませんが仕方ありませんね」
エルフ女「森を荒らす人間どもを皆殺しに!」
エルフ達「おお!!!」
長「いけません。あくまで森から追い返すだけです」
エルフ女「し、しかし!」
長「このままでは人間との隔てが増すばかりです。守ることだけを考えてください。いいですね?」
エルフ女「・・・・・・分かりました・・・」
エルフ女「戦える者は私と共に、それ以外のものはもしもの時のため逃げる準備を!」
女「私も行きましょう」
エルフ女「だめだ。お前はこの子と一緒に居てやれ。万が一のときは人間に紛れて逃げろ。あの旅人の所を頼ればいい」
女「でも・・・・分かりました。お気をつけて」
エルフ娘「」ギュ
女「心配するな。人間なんかに負けるわけ無いだろ?じゃあ行ってくる」
エルフ娘「頑張って」
エルフ女「ああ、じゃあ行くぞ!」
長「どうして分かり合えないのですかね。お互いに傷つくだけだということがなぜ分からないのか・・・・」
女「・・・・・・・旅人さん・・・・」
兵「おい!どこ探しても獣ばっかでエルフなんて居ないぞ」
兵2「本当に情報はあってるのか?ここがエルフの森だなんて嘘だろ」
兵3「いや。待て。昔聴いた話だが、エルフは森が荒らされるのを極端に嫌がるらしいぞ。」
兵「この森ごと火で焼いてしまえ。そしたら嫌でも出てくるだろうよ」
ガサゴソ
兵「ん!」
エルフ女「そうはさせない!人間共、さっさとこの森から去れ。出なければお前らの屍を築き上げる!」
兵「おい!!エルフが出てきたぞ!なかなかの数だ」
兵2「一人狩れば3年は遊んで暮らせる1,2,3,4・・・何年分だ」
兵3「あいつは俺の獲物だ、手を出すなよ!」
兵「馬鹿いえ!俺が先に見つけたんだ。てめえらは獣でも狩ってろ」
兵2「俺がもらう!」 兵3「いや俺が!!」
エルフ女「・・・・なんて醜い奴らだ・・・あの旅人が遥かにマシじゃないか・・・・」
兵「埒があかん。早い者勝ちだぁー!」
エルフ女「この醜い屑どもをこの森からたたき出すぞ!!」
その時森の空が唐突に薄暗くなる。
キギュイイーユォ
聞いたことも無い咆哮が森中に響き渡る。刹那黒い靄が獣の形に変化した。
エルフ女「あ・・・・あいつは!!!場所を襲った」
兵「な・・・なんだあいつは・・・」グハッ
質量を持たない外見とは裏腹に体の1/5ほどしかない人間は簡単に宙へ投げ出される。
辺り一体の人間はあっという間に蹴散らされる。
長「やはり・・・・あなたでしたか・・・・」
エルフ女「長!なぜここに!危険です、里に戻ってください」
長「この森を守り続けて下さっている言わば私たちとは別の種族の妖精。森を守る守護神」
エルフ女「これを・・・知っているのですか?」
長「私が生まれるずっと前、この里の先代の長が森の主と契約を結んだと聞きました。森にエルフが住む場所を与える代わりに
森を荒らす者を追い出し森に平穏を保たせるという契約。もしその約束が果たせぬときは主自らが森を守りこの森エルフの住む場所は
永遠に失われる。」
エルフ女「では・・・・・」
長「私たちの住む場所は現在を持って失われたということです・・・・残念ですが」
エルフ女「そんな・・・・私のせいで・・・・」
長「別にあなたのせいではありませんよ。住む場所も違う場所を探せます。ただ問題は・・・」
エルフ女「え?」
長「この森に入った人間たちが生きて帰れるかどうか・・・」
エルフ女「それは自業自得というものではありませんか!」
長「確かにそうとも言えます。ですが、この今回の出来事でまた妖精族と人間との間には感嘆には縮まらない距離ができた。
また今後多くの血が流れるのです。妖精、人間問わずね」
エルフ女「・・・・・なにか止める手立ては無いのですか?」グッ
長「人間が今からでもすぐに出て行ってくれれば・・・・ですがそうも行かないでしょう。」
兵「よくも仲間をやりやがったな!ただじゃおかねー」
兵2「ひとまずこいつからだ。気にいらねぇ」
兵3「おい!お前らも手伝えこいつからしとめる。がっぽり請求してやるからな」
長「彼らはなおさら引かないでしょう。国がある以上面子というものがあり今回だめでも再三何度でも攻めてくるでしょう」
エルフ女「もう止められない・・・・ですか・・・」
ブオオオォオオォブォオオオオォ
ドドドドドッ
エルフ女「!!何事でしょうか?」
大地を揺する程の馬軍の音
森を揺るがすほどの砂塵、笛の音
長「やはり・・・・彼は・・・」
エルフ女「・・・・・ん?あの先頭にいるやつ・・・まさか!」
エルフ「お~い~おっひさ~」
エルフ女「あの夜柵をこじ開けた・・・・」
数分と待たないうちに森を囲むように軍馬が止まる。
森に入り込んでいた傭兵たちも外の異変に気づく。
エルフ「いや~あの夜振りだね。元気そうで何よりですわ・・・・ってあの時の化け物まで・・・・」
エルフ女「これは一体・・・・まさかお前が?」
エルフ「そんなわけ無いわよ。彼のこと知ってるんでしょ?」
馬群の後ろからゆっくり森に近づいてくる馬がある、その上に乗っているのは綺麗な礼服を纏った人物で
その人物は・・・・
女「旅人さん!」
エルフ女「うぉ!・・・どっから沸いて出た・・・」
軍馬にまたがって近づいてきたのは紛れも無くエルフ達の知っている人物、唯一関係のある人間だった
エルフ女「おまえ・・・・なんで・・・・」
女「どういうことなんです・・・?力が・・・動転して・・」ツゥ
旅人「なんで泣くんだ?ちょっと待っててくれ」
一言つぶやくと軍の先頭へ戻り大きく深呼吸をして透き通る声で話す
旅人「わたしはイェータランド王の第四王子アドリアンである!!この森に立ち入る者よ!」
旅人「この森はわが国の保護地区となった!即刻退去されよ!出なければ侵攻行為とみなし我が精鋭をもってそなた等を排除するであろう!」
旅人「者共!去れ!!!」
この後すぐに傭兵たちは森から逃げるように去っていった。独立を宣言したブーヒュースレーン国は近隣の国からの弾圧により独立に失敗した。
森から人間が去ると黒い靄の巨人も消えていった。いろいろとある事件だったずいぶんとあっさりと処理ができた。国家間の問題は。
処理や収集がつかなかったのはむしろエルフ達と旅人の方であった。
品格と気品、それに礼装の格好という最高の姿から綻びの目立つ旅人の格好に直って戻っていた旅人は事後処理に追われていた。エルフ達の。
女「どういうことです。ちゃんとした説明を求めます」
きゃー王子様(*・ω・)
エルフ女「まったくだ。いくら人間たちのトップだといえここは譲れない。話してもらおうか」
旅人「とりあえず落ち着いてくれないか。話しづらい。ってか抓らないでくれないか?痛い」
エルフ娘「プンスカ」ギュー
旅人「いてっ、え、えーっと。何から話せばいいのやら」
エルフ娘「むー」バシバシ
エルフ「じゃあわたしから途中まで説明するわね」
エルフ「私たちは檻に閉じ込められてたんだけど、協力してその場を逃げ出したのよ。その後彼につれられて彼の祖国であるイェータランドまで
急ぎ向かったわ・・・・」
エルフ「ねえ、今からどこに向かうのよ?どうするのこれから?」
旅人「ここはから結構離れるがイェータランドという国がある。そこに向かうんだ」
エルフ「隠れて平穏に過すつもりじゃないでしょうね?」
旅人「それも悪くないが、そうもいかない。必ずどうにかすると約束してしまったからな」
エルフ「へ~人間にしては律儀ね」
旅人「そいつはどうも」
エルフ「で?何しに行くのかしら?」
旅人「俺の父上に会う」
エルフ「こんなときに家族が恋しくなったの?」
旅人「ちょっと理由があってのことだ。気にするな」
エルフ「ふぅ~ん、そう。」
旅人「納得いかない顔をしてるぞ?信用しろ。くれば分かる」
エルフ「まあ、そういうことにしておくわ」
旅人「ここからどんなに急いでも4、5日かかる。できる限りとばすぞ」
エルフ「どうぞ。お任せするわ」
旅人「このまま南へ向かう」
馬を走らせること3日、少しずつ建造物の立て方や町並みか変わってくるのが分かるほどのところまできていた
食事と休憩は最小限にして睡眠時間だけはしっかりと確保する。体調を崩してしまっては元も子もない。
旅人「あと少しだ。大丈夫か?」
エルフ「ええ。それよりさっきからすれ違う人の視線があなたに集まってる気がするんだけど?」
旅人「ああ、まあ、そうかもしれないな・・・・・」
結末を見るまでは寝ないもんね(`・ω・)
エルフ「?」
旅人「さて、もう一息だ。飛ばすぞ」
エルフ「あ!ちょっと待ってよー!」
立派な城門が見えてくると同時に商人たちの行列もみえてくる。その商人たちの馬車には普段見かけるものが無い
果実、野菜、木材など商人が売りにくる代物はありきたりなところだが、他の国の商人ならば必ず持っているアレを見かけない
エルフはそのことに気づいた。そういえばこの国に来るまでもあんまり見かけなかった
エルフ「ねえ、あの商人たち檻を持ってないわね。私が見て来た中では大体どの国の商人も誰かは檻を持っていたけど」
旅人「「俺の」国では人身売買は法で認めてないんだ。もちろんエルフもだ」
エルフ「珍しいんじゃないの?(俺の?)」
旅人「そうだな。この辺りではこの国ぐらいだと思うぞ」
エルフ「何でまた。作物とかなんかよりよっぽど高い値段がつくでしょうに」
旅人「・・・・嫌なんだよ、人を売り買いするのが。俺も」
エルフ「今まで見た国で一番好感が持てる国ね。私なんか特に、エルフだし」
旅人「それはよかった」
エルフ「・・・・さっきからまるで自分の国のように話すのね?話を聞いてると王様みたいに聞こえるわよ?」クスクス
旅人「まあ、いいところをついてるかもな」
エルフ「え?どういうこと?」
旅人「もうすぐ分かるさ。ほらついたぞ。こっちだ」
縄文まで近づくと警備兵が近づいてくる
警備兵「入国には審査が必要ですので向こうで書類に記入をお願いします」
旅人「旅に出ていたが戻ってきたと父上に伝えてもらえるか?」
警備兵「え?・・・・・・・・あ!!」
エルフ「!」ビク
警備兵「こ、これは失礼いたしました!どうぞ!どうぞこちらへ」
旅人「ああ、ありがとう。さあ、行くぞ?」
エルフ「え?でもいま書類って・・・」
警備兵「そちらのお方はどうしましょうか?」
旅人「私の客人だ。審査は悪いが免除してくれ。」
警備兵「はっ!了解いたしました!こちらです」
エルフ「へ?」
警備兵2「おい!お前、何をしている!こっちで審査書を書かせないか」
警備兵「おい馬鹿!こちらはアドリアン様だぞ」
警備兵2「!!!!す、すみませんでした!ご無礼お許しください!」
旅人「気にしていないから仕事に専念してくれ。それよりここを通っていいか?」
警備兵2「もちろんです。どうぞ。そこ!道をあけろ!アドリアン様がお帰りだ」
エルフ「あなたそんなに偉いの?」
旅人「まあ。そこそこってところか。とりあえずこっちだ。」
エルフ「・・・・・え?・・・・え??」
旅人「どうかしたのか?」
エルフ「その服装・・・っていうかこの家の大きさ・・・いやいや周りの態度!」
旅人「1つずつ話せ。これから父上に合う。旅の服装では少々問題があるからな。この家は母上から頂いた。あまり使ってはいないが。
従者の態度がどうかしたのか?対応が悪い奴が居たか?まあ許してやってくれ」
エルフ「そうじゃなくて!あなたの父上様は何者よ?」
旅人「え?この国の国王だけど」
エルフ「・・・・・・」ナント
従者「アドリアン様がお帰りになりました」
旅人「父上。ただいま戻りました。お忙しいところお目通りいただきありがとうございます」
国王「おお!アドリアン、よく無事に戻った。元気そうで何よりだ、堅苦しい挨拶は省いてくれ」
旅人「ありがとうございます。父上もお元気そうで何より」
国王「まあな、息子が帰ってきて元気が無いではあまりに情けないからな。それより綺麗な女性を連れておるな。そちらは?」
エルフ「あ、えっと・・・・」
旅人「こちらの方はエルフ族の方です。」
エルフ「えっとアドリアン様にはいろいろとお世話になりまして」
旅人「」ククッ
エルフ「」ムッ
国王「ほう。それは・・・・・それが用件で戻ってきたのだな」
旅人「はい。父上、帰って早々ですが重大なお話が」
国王「うむ。話を聞こうか」
旅人ことアドリアン王子はエルフ達の置かれている状況を説明し、お世話になったエルフ達を救いたいと進言
国王「事情は理解した。即刻軍議を開き検討しよう。ずいぶん世話になったようだからな。いい返事ができるよう考慮しよう」
国王と別れひとまず旅人アドリアンの家へ向かった。会議が終わるまでしばらく時間がかかる。
仮に許可が下りても兵の編成や準備ですぐに動けるわけではない。
約5日分の疲れを癒すようにいわれたので現在二人は久しぶりのゆっくりとした休みを取っていた
エルフ「まったく、何で笑うんですの?」
旅人「さっきの話か?」
エルフ「そうよ。せっかくちゃんと知ったあなたの本名で呼んだのに」
旅人「いやいや悪かった。そこがまた面白くてな。よく覚えていたもんだ」
エルフ「周囲がみんなしてアドリアン様アドリアン様言っていたら嫌でも覚えますわ」
旅人「気を悪くしないでくれ。俺もあまり正体はばれたくないんだ。こんな扱いになるからな」
エルフ「だからついてきたら分かるって言ってたのね」
旅人「まあな。とりあえずあの感じでは兵は動かせるだろう。問題は手遅れになっていないかどうかだ。俺たちが到着したときには
大量の血が流れていたというのでは意味が無いからな」
エルフ「アドリアン様はどっちの味方なんです?」
旅人「その言い方はやめてくれ。久々でただでさえ参ってるのに」
エルフ「冗談よ。で?そこのところどっちなのよ?」
旅人「両方だろうな。どっちについても人間、エルフ共にシコリが残るだろう。分かり合うことができる存在だと俺は考える。それは父上も同じ考えでな
だからこの国ではエルフの売買は禁止にしている。双方にとっていいことなんて無いからな。
エルフ「へー、いろいろ考えているのね」
旅人「まあ、だからどっちに付くなんてことなく両方を取り持つ方法を考えようと思う」
エルフ「・・・・・間に合えばいいわね」
旅人「そうだな」
エルフ「」フアァ
旅人「疲れてるだろ。寝室を準備させるからしばらく寝ておくといい。軍議か終わってもすぐに動くとは無いだろうから
ゆっくり寝る時間ぐらいはあるぞ」
エルフ「じゃあそうさせてもらおうかしら。一緒に寝る?」ニヤ
旅人「・・・・・やめておこう。俺は久々に帰ってきて仕事があるんだ」
エルフ「あら?振られちゃったわね。」
旅人「その余裕の一割でも父上の前でもあればな」
エルフ「むっ・・・・寝る」
旅人「そう怒るな。何かあれば呼び鈴を鳴らせば従者がくるからそいつに頼め」
エルフ「そうする。おやすみ」
旅人「ああ。おやすみ」
翌日、出兵許可が下りた。
準備の整ったイェータランドの軍は疾風の速さでエルフの森へ向かった。
道中に特に問題もなく順調に進軍できてこの時間だからもし問題が起これば被害はもっと大きなものになっていたかもしれない。
女「で?」
エルフ「ん?」
女「結局一緒に寝たんじゃないでしょうね?」
旅人「おいおい・・・・」
エルフ娘「えい。」バチッ
旅人「いてて。寝てない寝てない」フルフル
エルフ女「つまり、お前はイェータランドって国の王子様だったって事か」
旅人「まあ、その通りだ」
エルフ女「それで?なんで私たちはお前の家に来ているんだ?」
現在、あの里に居たエルフ達を含め旅人はイェータランドの家に戻ってきている。
長「あの事件以来森の結界は消えも里の中に入ることができなくなってしまいましたし・・・・新く里を作ろうにも結界が晴れないのでは・・・」
旅人「その森との契約ってやつなのか?」
長「おそらくは。それで行き場がなくなったので私たちは国王様の招待でこの家に来ていると。そういうことです」
旅人「そういうことだな。行き場が無いならこの国で暮らしてくれて構わないと許可ももらってある。」
長「この国ではエルフも人間と平等だという話ですね」
旅人「まあ、念のため帽子はかぶっておいたほうがいいかもしれないが、見つかっても特に問題は無いはずだ」
女「じゃあ旅人さんと一緒に暮らせるというわけですね」ダキッ
エルフ娘「!」ダキッ
エルフ女「お前らエルフとしての自覚は無いのか・・・・」
長「しかしどちらにしてもしばらくはお世話になることになるかと・・・・」
コンコンッ
従者「アドリアン様。国王様がお見えになっております」
旅人「分かった。お通ししてくれ」
国王「賑やかでにやっているようで何よりだな」
旅人「はい。この度のご配慮ありがとうございます」
長「我々エルフ族を迎え入れていただき感謝に堪えません。なんとお礼をしたらよいか・・・」
国王「気にしないでくだされ。実はこの度エルフの方々を迎え入れることが正式に決まって、各地で迫害を受けているエルフの受けれ
を実行するのだ。この国はエルフと人間の交流する国になるでしょう。そのために是非ともご協力いただきたい」
長「なんと!本当ですかそれは」
わーお!
旅人「じゃあそれでは!」
国王「一種の改革と言っていいだろう。お互いに生活し、交流を深める事で新しい共存の道が出来上がるのだ。
その鍵を作っていただいた。こちらこそ感謝する。」
翌日。この国はエルフ受入国としてエルフとの共存の道を決めた。
近隣の国からの批判の声も少なくないがそれでも共存の道を求めてその姿勢を変えない。
一年足らずでエルフの数は元々の国民の数の1/3を超える数となり国の規模が拡大。
今までに無いエルフの薬学や文学の知識を取り入れることで国としての基盤を固めることに成功した。
イェータランド国は一人の旅人が大きな基盤を築き上げた。
後に彼はエルフ王、そう称えられた。
イェータランド最後の王の記した書物にはこう書かれている。
人の心を読むことができる故に己が身を追い込み
錬金術を心得る故に己が身を滅ぼす武器を作り
状況が分かる故に己が心を壊す
魔法が使える故に己が心を怠惰させ
慈愛の心を持つ故に己が心が耐え切れず。
強欲な性格故に力の意味なさず。
「クチュン!・・・・・・ウゥ・・・」
「どうした?風邪でも引いたのか?」
「」フルフル
「今日はは冷えるからな。早めに帰ろうか」
「ん」コク
「食事の準備ができましたよー」
「お。さて。行くとするか」
「」ギュ
――――――
おわり
>>1お疲れ様(*・ω・)
最後は何がなにやらって感じですかね?どういう意味か考えていただければとwww
長い間、保守、支援してくださった皆様。ありがとうございました。
特に文才があるわけでもなく誤字脱字ばっかりでしたが・・・・・
書くことは嫌いではないのでもう少し話を長くしたかったのですがこれ以上グダグダにはできないのでこの辺で。
スレ建てができないので自分からスレを立てることはできませんが
また書く機会があれば是非読んでください
長らくのご支援ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
いないとか言って普通に家族いるじゃん
それに交わりすらニュアンスでわからない王子で大丈夫かよ