エルヴィン「カツラが必要だな・・・・」(30)

エルヴィン(女型確保の際、エレンの影武者となる人物が必要だ・・・)
エルヴィン(そうなると、変装用のカツラが必要だな)

エルヴィン「リヴァイ。至急カツラを手配してもらいたい。」

リヴァイ「ああ、わかっ・・・・・・!?」

リヴァイ「・・・・今のままじゃ、だめなのか?」

エルヴィン「それだとすぐに(影武者だと)バレてしまうだろう」

リヴァイ「まあ・・・・たしかに(エルヴィンの分け目が)不自然だと言っている者もいるが・・・」

エルヴィン「?じゃあ、頼んだよ」

リヴァイ(エルヴィン・・・・気にしてたのか・・・)

~その後~

リヴァイ「おいお前ら・・・エルヴィンの事についてなんだが・・・・」

エルド「どうかされたんですか?」

ペトラ「兵長が相談だなんて珍しいですね」

エレン(団長が・・・?なんだろう)

リヴァイ「実は・・・・」

リヴァイ「エルヴィンがカツラを欲しがっている」

リヴァイ班「」

エレン「あはは・・・・兵長も冗談なんて言うんですね」

リヴァイ「バカいえ、冗談じゃねえよ」

グンタ「じゃあ・・・団長はやっと自分の髪の不自然さに気づいて・・?」

リヴァイ「ああ・・・恐らくもっと自然なカツラを探しているんだろう」

ペトラ「長い間ずっとあの髪型だったのに、どうして今になって・・・」

オルオ「なんだ?わからないのか?まぁお前ら程度じゃ・・・ ペトラ「ちょっと黙っててくれない?」

エルド「しかし、今まであれだけ不自然だと噂されていた団長の髪型がいきなり変わるとなると・・・」

リヴァイ「ああ。混乱する兵士も出てくるだろうな」

リヴァイ「そこでだ。一緒にエルヴィンのカツラを探して欲しい」

リヴァイ「エレン、お前はあらかじめ他の兵士に根周しをしておけ」

エレン「はい!精一杯頑張ります!!」

リヴァイ「他は俺と一緒にカツラを選んで欲しい」

リヴァイ「これは重要な任務だ・・・・失敗は許されない」

リヴァイ「お前ら、頼んだぞ」

リヴァイ班「はい!!」



~翌日~

エレン「ミカサ、アルミン!」

ミカサ「!エレン、どうしてここに?」

アルミン「エレン、久しぶりだね。何かあったのかい?」

エレン「ああ、今日はある任務でこっちに来てるんだ」

ミカサ「私に協力できることなら、是非言って欲しい」

エレン「実はな・・・」カクカクシカジカ


アルミン「そんな・・・?!エレン、それは本当なのかい・・?」

エレン「ああ、リヴァイ兵長が言ってたんだ。間違いない」

エレン「そこで、このことをあらかじめ他の兵士にも伝えておいてほしいんだ」

ミカサ「任せて。これはエレンの頼み。全力でやろう」

アルミン「僕も頑張るよ!大変だろうけど、エレンも頑張ってね」

エレン「ああ。お前らありがとな!じゃあ、頼んだぜ!」


~食堂~
ミカサ「みんな、話がある」
クリスタ「どうかしたの?」
ユミル「ミカサから話があるだなんて、珍しいな」
サシャ「まさか、パァンをくれるんですか?!」ハッ
ミカサ「実は・・・・」カクカクシカジカ


アルミン「ちょっと話があるんだ。みんな聞いて欲しい」

ライナー「ん?なんだ?」

ジャン「なんでも良いけど、早く済ませてくれよ」

ベルトルト「・・・」

アルミン「エレンから聞いた、エルヴィン団長のことなんだけど・・・」カクカクシカジカ


エッ、アノダンチョウガ…?

タシカニ、フシゼンダッタヨナ

キニシテタンダ…

ザワザワ


~数日後~


エレン「リヴァイ兵長!兵士たちへの伝達は完了しました!」

リヴァイ「そうか・・・俺達も、カツラの候補をいくつかに絞ったところだ」

ペトラ「ここまで絞るのに、かなり苦労しましたね・・・」

オルオ「ああ、問題はどれを団長に献上するかだが・・・」

エレン「この中から団長に選んでもらうのはどうですか?」

リヴァイ「ほう・・・悪くない」

グンタ「やはり、それが一番でしょうね」

リヴァイ「やるなら早いほうが良い・・・今夜、エルヴィンの所へ行く」

リヴァイ班「はっ!!」


~夜~


リヴァイ「エルヴィン、俺だ。」コンコン

エルヴィン「ああ、入ってくれ」

リヴァイ「例の件だが・・・。カツラの候補をいくつか持ってきた」

エルヴィン「手間をかけさせてしまって悪いね。君たちも、礼を言う」

リヴァイ班「いえ!とんでもありません!!」

リヴァイ「ペトラ、カツラの用意を・・・」

ペトラ「はい!こちらです」スッ


エルヴィン(エレンは黒髪だが・・・なぜ黒髪が一つしかないんだ・・・?)

エルヴィン(他は全て金髪だ・・・・)


リヴァイ(おい!なぜ黒いカツラがある!)ヒソヒソ

ペトラ(ひいいすみません!紛れこんでしまったみたいです・・・)ヒソヒソ

オルオ(団長は金髪だぞ?!あんなの選ぶ訳ねーだろ!)ヒソヒソ


リヴァイ「すまんエルヴィン、その黒髪は・・・」

エルヴィン「リヴァイ、選択肢が一つしかないんだが・・・」

エルヴィン以外(?)

リヴァイ「気に入ったものがあったのか?」

エルヴィン「そんなの・・・これしかないだろう・・・」クロカミユビサシ

エルヴィン以外(??!!)


エレン「お言葉ですが団長・・・それはさすがに・・・」

ペトラ(イメチェン・・・?)

リヴァイ「・・・おい、なぜあえてそれを選んだ?」

エルヴィン「なぜって・・・。エレンは黒髪だろう?」

エレン「俺ですか?!えっと・・・・話がよくわからないんですが・・・」


リヴァイ「・・・エルヴィン、何の為に俺にカツラを用意させた?」

エルヴィン「次の女型確保作戦で、エレンの影武者が必要だろう?その変装用に用意させたんだが・・・」

エルヴィン以外「」


オルオ(ここは上手く誤魔化さねぇと!!)

オルオ「そ、そうですよね!!あははは」

ペトラ「分かりきったこと聞くなんて、兵長ったら変ですね!あははは」

グンタ「そうですよ!よ、よし、じゃあ黒髪に決定ということで・・・」


エレン「えっ エルヴィン団長ってカツラじゃなかったんですか?」

リヴァイ班(エレェェェーーーーン!!!!!)


エルヴィン「私が、カツラ・・・?」

エルヴィン「・・・君たちは、私がハゲていると・・・そう思っていたのか・・・?」

リヴァイ「い、いや。俺達は・・・・」

エルヴィン「良いんだ・・・。周りの兵士達に噂されていることには薄々気づいていた」

エレン(?ハゲと薄々を掛けたのか・・・?)

エルヴィン「やはり、不自然だったのか・・・・」

エレン「す、すみません・・・俺、てっきり団長はハ リヴァイ「お前はちょっと黙ってろ」


エルヴィン「ははは、いいんだよエレン。気にしないでくれ」

エルヴィン「確かに私の髪型は、不自然だったしね・・・」

ペトラ「そ、そんなことありませんよ!ねっオルオ!!」

オルオ「そうですよ!!全然不自然だなんてことは・・・」

エルヴィン「はは・・・いいんだよ。気を使わなくて・・・」




エレン「それからエルヴィン団長は、俺達の予想以上に落ち込み」

エレン「数日間、かなり気まずい雰囲気だった」

エレン「ミカサとアルミンが頑張ってくれたおかげで、団長のカツラの件は兵団全体に知れ渡り」

エレン「兵士全員に真相を説明し誤解を解くのには、かなり苦労した」



~後日~

リヴァイ「おい、お前がジャン・キルシュタインか?」

ジャン「は、はいっ!何か御用でしょうか!!」

リヴァイ「テメェ、なんで黒髪じゃねぇんだよ・・・」

ジャン「は、はい・・・?」

リヴァイ「チッ、テメェのせいで・・・」

リヴァイ「外を100週走って来い」

ジャン「エッ」

リヴァイ「勝手に止めたら、分かってんだろうな・・・?」

ジャン「・・・ハイ」

―――
――



エレン「ジャンが理不尽な仕打ちを受けたのはまた別の話だ」



おわり

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