中学生半沢「やられたらやり返す 千倍返しだ!」 (108)

渡真利「聞いたか?半沢」

半沢「何のことだ?」

渡真利「もうすぐ行われる生徒会選挙のことだ」

半沢「ああ、あの件か。それがどうした?」

渡真利「実は、裏で賄賂じみたことが行われているらしいんだ。」

半沢「何!?選挙管理委員として深く調べる必要があるな。」

渡真利「ああ。」

渡真利「近藤が調べたところ、今度厚生委員に立候補する大和田先輩が、賄賂を受けているらしい。」

半沢「やはり大和田か・・・ 賄賂を実行している人物は?」

渡真利「それはまだわからない。ただ、生徒会が絡んでいるのは確かだ。」

近藤「半沢!渡真利!」

半沢「どうした近藤?」

近藤「大和田先輩に賄賂を渡している人物がわかった。」

渡真利「本当か!?」

半沢「その人物とは?」

近藤「田宮先輩だ」

半沢「今文化委員長の田宮先輩が!?」

近藤「ああ。だが、ほかにも数人絡んでいるようだ。」

渡真利「誰だ?」

近藤「わからない。だが、生徒会が絡んでいるのは間違いない。」

半沢「渡真利。ちょっと洗ってみてくれないか?」

渡真利「おう。まかせときな。」

半沢「近藤はそのまま調べてくれ」

近藤「わかった。」

渡真利「半沢、お前は?」

半沢「一人心当たりがいる。そいつに当たってみる。」

半沢「どうなんですか、貝瀬先輩。」

貝瀬「僕は何も知らないよ。君はいったい何を言ってるんだ?」

半沢「学習委員のあなたなら、大和田先輩にシャーペンの芯を賄賂するぐらい簡単だろ!」

貝瀬「何のことだね?私は確かにシャー芯を大和田先輩にあげたが、それが賄賂だなんて」

半沢「生徒会選挙法第二十七条」

貝瀬「!?」

半沢「選挙期間中、立候補者への他者の協力は禁ずるとあります。」

貝瀬「それがどうした」

半沢「この紙を見てください」

貝瀬「!!」

半沢「この紙は、アナタが通っている塾の宿題プリントのコピーですね。」

貝瀬「どこでそれを・・・古里!」

半沢「あまり大きな声は出さないほうが良いんじゃないんですか。」

貝瀬「・・・・」

半沢「このプリントは、あなたが塾に提出するプリントを答えを写してやったという証拠です!!」

貝瀬「何故そうと・・・」

半沢「簡単です!あなたは塾の時間ぎりぎりに宿題を写してやっている、つまりあせってやっている!!」

半沢「あせるあまり、図に答えを書かなければいけないところに《右図参照》と書いてしまっている!!」

貝瀬「!!!!!!・・・・」

半沢「このプリントを塾の講師に見せますよ。いいですか?」

貝瀬「待ってくれ!それだけは・・・」

半沢「では、賄賂は誰の指示で行ったんですか?」

貝瀬「・・・」

半沢「答えろォォォォ!!」

貝瀬「・・・・」

貝瀬「君が知っても、どうにもならない。君が動いたところで、どうにかなることではない。大きすぎる。」

貝瀬「そのプリントは先生に見せても良い。ただし、生徒会の連中の動き次第では、お前はつぶされるがな・・・」

貝瀬「わかったか。お前が動いてもどうにもならない。それほど大きいものが動いているということだ。」

貝瀬「この件には、かかわらないほうが良い。」

半沢「開き直るつもりですか?」

半沢「相手が大きすぎる?つぶされる?そんな脅しが効くと思ってるんですか?」

半沢「相手は肩書きだけで、ただの生徒です。賄賂などという行為を行っている時点で、そんな能力を持っているとは思えない。」

半沢「もしもあなたが言っていることが本当なら、生徒会連中にしっかり伝えてもらっておきたいことがある。」


半沢「やられたらやり返す 千倍返しだ! 覚えておけ・・・」

貝瀬「大和田先輩、例の半沢とか言う一年が来ました。例の賄賂の件、ばれてしまっているかと・・・」

大和田「賄賂の件?何を言ってるんだ君はww?」

貝瀬「!?」

大和田「君が無理やり貸し付けたシャー芯なら、とっくに使ったよ。で、なんだね、賄賂の件って?」

貝瀬「いえ・・・ 何でもありません・・・」

大和田「そうか。じゃあ、切らせてもらうよ。今、パズドラにハマっちゃってねww」プチッ

貝瀬「ツー ツー」

貝瀬「・・・・・」

渡真利「半沢、どうだった?」

半沢「やはり生徒会が絡んでいた。貝瀬も黒だ。」

渡真利「そうか。」

半沢「渡真利、お前はどうだった?」

渡真利「大漁だったよ」

渡真利「賄賂の件、絡んでる人物は大体わかった。」

渡真利「保健体育委員の岸川先輩、学習係の福山、同じく学習係の古里先輩だ。」

半沢「予想通りのメンバーだな。」

半沢「近藤のほうはどうだ?」

渡真利「今、田宮先輩に当たっているらしい。」

テニス部

近藤「田宮先輩、例の賄賂の件、どうなんですか?」

田宮「賄賂って、私はただシャー芯を貸しただけだよ。」パコーン

近藤「野田先輩はどうなんです?」

野田「いや、私も何も」パコーン

田宮「そういうことだ、賄賂なんかしてないよ」パコーン

卓球部

半沢「岸川先輩、あなたが賄賂にかかわっていることは知っています。」

岸川「いったい何のことだww」パンッ

半沢「あなたが賄賂にかかわっているという証拠はつかんでいます。」

岸川「なら見せてみろよww」パンッ

半沢「今、お見せすることはできません。」

岸川「用がないならあっちへ行ってくれ。ラリーの邪魔だ。」パンッ

半沢「証拠はありますが、今見せることはできません。」

岸川「しつこいな!!顔面にスマッシュ叩き込むぞ!オラ!!!」

半沢「どいつも関与してないの一点張りか・・・」

渡真利「ほんとに腐っちまったな。この学校。」

近藤「こっちもだめだ。」

半沢「こうなったら、生徒会で大和田先輩派じゃない先輩に話を聞こう。」

湯浅「生徒会内で賄賂?」

半沢「はい。なので、整備委員の湯浅先輩に内側から探ってもらおうと」

湯浅「わかった。剣道部期待のエース、半沢の頼みなら仕方ないな。」

半沢「ありがとうございます。」

湯浅「でも、気をつけろ。今の生徒会は、戦争寸前だ。」

半沢「やはり・・・」

湯浅「学校を本気で守ろうとする側と、権力に目がくらんだ奴らの戦争がおきようとしている。」

湯浅「すべては一人が引き起こした。」

半沢「それはいったい誰が」

湯浅「・・・・・」


湯浅「中野渡生徒会長だ。」

渡真利「やばいぞ半沢」

近藤「まさか生徒会長が絡んでいるとは」

半沢「いや、賄賂に生徒会長がかかわっていない。」

半沢「賄賂は大和田派の問題。そして、大和田派の狙いだ。」

渡真利「どういう・・・ あ、そういうことか半沢!」

半沢「そうだ」

近藤「?」

半沢「つまり、大和田派は賄賂という問題を起こして、生徒会内の争いを無理やり起こそうとしているんだ!!」

近藤「そうか!通りで大和田にしては簡単なことだったんだ!」

半沢「ああ。わざとわかりやすくして、それを明るみに出せば、選挙は大荒れ、結果的に生徒会内乱が起こる」

渡真利「つまり俺たちは、利用されたって事か。」

半沢「ああ。だが、利用されっぱなしじゃ腹の虫が収まらない。」

半沢「やられたらやり返す 千倍返しだ!」

渡真利「でも、どうする?」

半沢「大和田の暴走を止める方法がひとつだけある。」

半沢「やつは給食のメニュー改善をスローガンにしている。なので支持者が多い。」

近藤「だから厚生委員か。」

半沢「だから俺も、厚生委員に立候補する!!」

渡真利「正気か!?」

半沢「大和田を止めるには・・・ 実力行使しかない!!」

湯浅「よし。大体の情報は集まった。」

湯浅「あとは・・・ 半沢の動き次第だ・・・」

とあるファミレス

羽根「大和田君、パフェおごってくれて、ありがと♪」

大和田「いいよいいよww だって今日は、二人の10回目のデートなんだからww」

羽根「でも、棚橋さんに怒られない~?」

大和田「大丈夫だよww 僕が厚生委員になれたら、分かれるつもりだから。」

羽根「ホントォ~ 約束だよww」

大和田「ああ、約束だ」

大和田「なに!半沢が立候補しただと」

岸川「はい。しかも厚生委員に・・・」

大和田「でも心配することはないだろ・・・ 私にはスローガンのおかげで支持者が・・・」

岸川「それが・・・奴のスローガンが・・・」

給食のヒーロー半沢直樹!!当選した暁には給食にプッチンプリンを追加する!!

大和田「なん・・・だと・・・」

渡真利「やったな!これで支持者は大和田と同じくらいだ!!」

近藤「あとは、あさっての最終演説会で決まるな。」

半沢「ああ。」

半沢「あさってが・・・ 勝負のときだ・・・」

最終演説会当日

岸川「先輩、支持者をシャー芯で増やしておきました。」

大和田「ふふ。こんなときのためにシャー芯を持っておいてよかったよ。」

渡真利「半沢、負けるなよ!!」

半沢「ああ!!」

中野渡「今から、最終演説会を始めます。気をつけ!礼!」

渡真利「大和田の演説、始まるぞ」

大和田「えー、3年A組の大和田暁です。僕が厚生委員になった暁には、急速の全体的の増量を・・・」

半沢「ちょっと待った!!」

中野渡「何か意見があるのか?」

半沢「発言の許可をお願いします。」

中野渡「許可しよう。」

半沢「今の演説に対して、申し上げたいことがあります。」

半沢「まず、緊張しているあまり給食を急速とかんでいます!そんな人に厚生委員はつとまると思いますか?」

大和田「そんなの関係ないだろ!」

半沢「次に、全体的な増量といいましたね。」

大和田「ああ。もう少し一人当たりの給食の量を・・・」

半沢「では聞きます!!元から少食で、あまり食べない女子などはどうするというのですか!」

大和田「それは、残すかどうかして・・・」

半沢「問題はそこです!!」

半沢「うちの学校の給食のスローガン。言ってみてください。」

大和田「残さず食べようおいしい給食・・・!!」

半沢「そうです!あなたは厚生委員立候補者ながら、そのスローガンに反することを言いましたね。」

半沢「みなさん、スローガンに反することをする人間に投票しますか?」

ザワザワ・・・・

半沢はプッチンプリンだろ余計に残飯増えるだろwww

大和田「だからどうした!! これは明らかな選挙妨害じゃないか!中野渡生徒会長、どう思われますか?」

中野渡「すべては、投票者にゆだねるとしよう。」

大和田「・・・・」

中野渡「では、これで最終演説会を・・・」

半沢「待ってください!!」

半沢「あなたのことを、少し調べさせてもらいました。立候補した経緯などを。」

半沢「あなたが立候補した理由は何ですか?」

大和田「それは・・・この学校の給食を・・・」

半沢「嘘をつけェェェェ!!」

半沢「悪いが、あなたのLINEを見させてもらった。会話の内容を印刷してある。読みあげます。」

中野渡「待ちなさい、半沢君。それは演説と何の関係があるというんだ」

半沢「これが僕の演説と思ってもらって結構です。」

>>66
半沢「給食の多くは取り分けられたら、交換や譲渡は難しい。なにせ封がされていませんから衛生上よろしくない。しかし、プッチンプリンはどうでしょう?未開封だからこその商品の流動が起こりマーケットが起きることで不良債権が発生することを極力抑えることができる!」
半沢「さらに!この度は留学生のフォスター君のアイデアから画期的なプッチンプリン交換システムを導入しますのでより効率よく回ると思います!」

半沢「では、読み上げます。」

大和田:なあ、そろそろ分かれないか

棚橋:え?なんで・・・

大和田:最近、あまり意見が合わないだろ。だから俺達、あまり合わないのかなって・・・

棚橋:そんな・・・

大和田:それに、今度厚生委員に立候補するんだ。忙しくなって、君と会えなくなるかもしれない

棚橋:なれたら・・・の、話でしょ?

大和田:ああ、そうだ。でも、僕がなったら、分かれよう。

大和田「だからなんだというんだ!!これはプライバシーの侵害だ!!訴えるぞ!」

半沢「まだ、続きがあります」

半沢「この会話が交わされた数日後のものです。」

大和田:うまくいけば、棚橋と別れることができるよ

羽根:そう。これで二人で愛し合っていけるのね。

大和田:ああ。何かを口実にしようと思っていたところに、選挙だ。ありがたいタイミングだよw

羽根:ふふふ。抽選日が楽しみ

半沢「つまり、大和田先輩は自分の都合のためだけに立候補した、というわけです!!」

生徒「最低!! ゴミ!! 消えろ! 逝っちまえ」

大和田「偽造だ!そんなもの偽造に決まってる!僕は何も知らない!知らないからな!」

半沢「それに、賄賂の件も忘れないでほしい。」

半沢「証言してくれる人がこんなにいます。シャー芯だけで人を操れると思ったら、大間違いだ!」

田宮「4Bと思って受け取ったのに、2Bだったじゃないか!!約束と違うぞ!」

半沢「操れているようだが、詰めが甘かったな!」

大和田「くそォォォォォ!!」

小学生半沢「やられたらやりかえす 無限倍返しだ!」

クソガキ「じゃー俺 無限対数倍返しー」

小学生半沢「ぐぬぬ・・・」

半沢「選挙に私情を持ち込むなど、一番あってはならない行為です!あなたを支持していた生徒の方々に、土下座して謝ってください!」

中野渡「半沢。もうその辺で良いだろ。」

半沢「いいえ。これは生徒の皆さんの思いを踏みにじった罰です。さあ、土下座をしてください!!」

大和田「ギイイイイイイイイ」

半沢「やれェェェェェェェ!!!!!大和田ァァァァ!!!!!」

大和田「ギイイイイイイイイイイ・・・グググググ・・・ギイイイイイイイ」

半沢「では、私のスローガンを発表します。」

渡真利「大和田を放置とは、エグいな半沢。」

ナレーション「投票日も終わり、ついに発表の日となった。」

中野渡「続いて、新厚生委員を発表する。」

渡真利「新厚生委員さん、プッチンプリン、頼むぜ」

半沢「ああ。もちろんだ」

中野渡「新厚生委員は・・・」

中野渡「近藤 直弼!」

半沢「!!」

渡真利「近藤の奴、いったいどうして・・・」

半沢「あいつは最終演説会の日、欠席だったのに・・・」

渡真利「今気付いたが、立候補者リストに近藤の名前が!」

半沢「いつの間に・・・」

半沢「もしかしたら、生徒会が関係してるかもしれない・・・」

渡真利「真相は闇の中・・・か」

半沢「調べれば何か出てくるかもしれない。」

渡真利「中野渡か」

半沢「ああ。」

中野渡「半沢直樹、大和田暁には、態度に問題があったとして、先生から処分が届いている」

中野渡「大和田暁!1ヶ月部活停止!」

中野渡「半沢直樹!1ヶ月停学だ!」

半沢「!!」


中学生編 第一部 End

第二部は今日の夜にでもやろうかな。とりあえずここでいったん終わり。

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