唯「どうしよう・・・」
梓「・・・」カサコソ
唯「・・・・」
梓「・・・」カサカサ
唯「と、とりあえずカバンの陰に隠れてて!」
梓「・・・・・」コクン
唯「どうにかしなきゃ・・・」
十分後
ガチャ
律「おいーっす・・・あ、唯!」
澪「おはよう。唯、早いな」
律「まだ唯だけか?」
唯「うん・・・」
律「そか・・・お前が一番なんてめずらしいな。あとは梓とムギだけか」
唯「・・・」
五分後
ガチャ
紬「おはよう~」
律「お、来た来た!」
澪「おはよう、ムギ」
唯「ムギちゃんおはよう・・・」
律「・・・なんだ唯、元気ないな。今日は珍しく一番に来てるし、どうかしたのか?」
唯「べ、別に~・・・(どうしよう・・・タイミングが掴めないよ・・・)」
澪「あとは梓だな」
律「あいついつもはもっと早いのにな~」
澪「まあもうすぐ来るだろ」
唯「・・・」
紬「それまでお茶でもして待ってましょう♪」
律「おう!」
三十分後
律「・・・・・梓のやつ遅いな・・・」
紬「なにかあったのかしら・・・?」
唯「・・・」
澪「あ、そうだ。メールしてみるよ」
律「そうだな。頼む」
澪「・・・・・よし、送信っと」ピッ
唯「あ・・・」
律「ん?」
ヴーン・・・ヴーン・・・ヴーン・・・ヴーン・・・
澪「あれ?どこかで携帯鳴ってるぞ?」
律「ええと・・・ここらへんからか・・・?」ゴソゴソ
律「あれ?これ梓のカバンじゃん・・・」
律「なんでカバンがあるんだ・・・?」
紬「もしかして、梓ちゃんもう学校に来てたのかしら?」
唯「あ・・・あの、えっと・・・」
律「ん?どうした?」
唯「あ、あのね・・・」
澪「うわあ!?律!そこ!!」
梓「・・・」カサコソ
律「え・・・?ってうわっ!!ご、ゴキブリだ!!!」
澪「ひいいいいい!!!」
唯「あ・・・あ・・・」オロオロ
紬「わ、私にまかせて!ここに虫除けスプレーがあるわ!!!」シャキーン
梓「!」カサコソ
律「む、虫除けって・・・殺虫スプレーじゃなくても効くのか・・・・・・?」
澪「む、ムギ!いいから、それでいいから!!さっさとコイツを殺してくれえ!!!」
紬「了解!」
律「み、澪、落ち着けって・・・」
梓「・・・!!」コソコソ
澪「あ、逃げるぞ!」
紬「待ちなさい!逃がさないわよ・・・!くらえ!!」プシュー
梓「!!!」カサコソカサコソ
紬「まだまだあああああ!!!」プシュー
梓「・・・・・!!」カサコ・ソ・・カ・・・サ・・コ・・・ソ
紬「おら!おら!!おら!!!」プシュー
梓「・・・・・!!」カサ・・コ・・・ソ・・・
律「弱ってきたな・・・」
唯「や・・め・・・やめてよ・・・」オロオロ
澪「ムギ!もっとだ!まだ死んでないぞ!!もっとやれ!」
紬「ええ!」
梓「・・・」ブーン
律「あ!飛んだぞ!!澪のほうに!!」
澪「ひいいいいいいい!!!こっち来んな!!!!!!!!!!」ドタドタ
梓「・・・」ブーン
紬「澪ちゃん!伏せてっ!!!」
梓「!!?」ブーン
紬「これでも食らえ!!!」プシャー
梓「!!!!!・・・」ブー・・・ン
梓「・・・・・」ポトリ
律「し、死んだか・・・?」
唯「そ、そんな・・・」
澪「ひい・・・ひい・・・」
澪「・・・」チラッ
梓「・・・・・・・」・・・・‥・・ソ・・・
澪「!?」
梓「・・・・・・・・・・・」‥カサ・・・コソ・・・
澪「うわああああああ!!!?まだ生きてるううううううう!!!!!!!」ドタバタ
律「み、澪!落ち着けよ!!」
唯「澪ちゃあん・・・!」オロオロ
紬「澪ちゃん!踏んじゃうわ!」
澪「うわああああああああ!!!!!!!」ドタバタ
梓「・・・・・・・・・・・・」カサ・・・コ・・・ソ・・・
澪「ひいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!」ドタドタ
梓「・・・・・い、いやあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
澪「えっ?」
グチャッ・・・
律「あ・・・」
唯「う、うそ・・・」
紬「・・・・・」
澪「・・・へ?」
律「澪・・・お前・・足・・・」
澪「・・・・・・・」チラッ
梓「 」
澪「ひい・・・・・」
律「あーあ・・・」
紬「まあ~・・・・・」
澪「・・・」
律「・・・」
律「な、なあ・・・さっきなんか・・・叫び声、みたいなの聞こえなかったか・・・?」
紬「・・・・・私も聞いた気がする・・・。なんか、梓ちゃんみたいな・・・声が・・・」
澪「き、気のせいだろ~!」
律「そうだよな~・・・!はは・・・」
紬「ただの空耳よね・・・きっと・・絶対そうよ・・・」
澪「・・・」チラッ
律「・・・」チラッ
紬「・・・」チラッ
梓「 」
澪「・・・」
律「そ、そういえば梓まだかな~?ははは」
紬「そうね~・・・」
澪「き、来たらたっぷり叱らないとな!あはは・・・」
唯「・・・」
梓「」
唯「・・・・・はは・・・」
梓「」
唯「そ・・・そんな・・・」
梓「」
唯「や、やだよ・・・あずにゃ~ん・・・?」
梓「」
唯「・・・・・・・・・・・・」
梓「」
唯「う・・・うわあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・え・・・ちゃ・・ん・・・・・
・・おね・・・・・ちゃん・・・・・!
・・・・・・・・・・・・お姉ちゃん!!
唯「!!」ガバッ
憂「お姉ちゃん!大丈夫!?」
唯「・・・え?・・・あれ・・憂・・・?」
憂「お姉ちゃん・・・とってもうなされてたよ・・・?大丈夫?」オロオロ
唯「・・・ゆ、夢だったんだ・・・よかった・・・」
憂「お姉ちゃん・・・?」
唯「・・・憂、私は大丈夫だよ」
憂「ほんとに・・・?」オロオロ
唯「ほんとだよ~。憂は心配しすぎ!」
憂「だ、だってほんとに苦しそうだったから・・・」
唯「大丈夫だって!ね?」ニコッ
憂「・・・よかった///」
唯「ふふ」
憂「じゃ、じゃあお姉ちゃん!そろそろ着替えないと時間に遅れちゃうよ?今日は日曜日だけど部活あるんでしょ?」
唯「あ!ほんとだ!」
憂「・・・じゃあ私、下でご飯の準備して待ってるから、早く降りてきてね!」
唯「うん!」
憂「じゃ、私行くね」パタパタ
バタン
唯「・・・」
唯「あずにゃん・・・」
唯「・・・本当に、本当に夢でよかった・・・・・・・・・」
学校
唯「ごめ~ん!遅れちゃった!」
律「遅いぞ!唯!」
唯「ごめ~ん」
澪「おはよう、唯」
紬「唯ちゃんおはよう♪」
唯「おはようみんな~」
律「ったく、今日はどんな理由で遅れてきたんだ~?私がみっちり説教してやろう!」ニヤニヤ
澪「律、お前も来てからずっと遊んでるだけだろうが!」ゴスッ
律「うへぇ・・・」
唯「・・・それがさ~。なんか変な夢見ちゃって・・・」
澪「変な夢?」
唯「うん・・・」
紬「悪夢ってやつかしら?」
唯「うん・・・。憂も私がめちゃくちゃうなされてて心配したって・・・」
澪「怖い夢はやだよなあ・・・」
律「あ、悪夢といえばさっきここも大変だったんだぜ~?なあ、澪♪」ニヤニヤ
唯「?」
紬「ああ・・・あれね?」
律「ああ」ニヤリ
澪「おい律!その話は思い出したくない!」
律「まあまあ落ち着けって」
唯「・・・?」
律「さっきこの部屋にゴキブリが出て澪がめちゃくちゃ騒いでさ~・・・」
澪「やめろって!」
唯「・・・」
律「でさ?ムギが虫除けスプレーもってたからそれでやっつけようとしたんだけど、なかなか弱らなくて・・・。まあ殺虫スプレーじゃないからなあ・・・」
律「それでもムギが頑張ってたらゴキブリのやつが飛んでさ。それも澪のほうに・・・」ニヤニヤ
澪「やめろって律・・・」
律「そしたら澪がパニクっちゃって(笑)」
律「それで澪が暴れたらムギがまたスプレーかけたんだよ。・・・そしたら暴れたら澪の足下にゴキブリが落ちて・・・」
澪「律!!!!!!!!!!!!!!!!!」
律「」ビクッ
澪「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
律「わ、わかったよ・・・。やめればいいんだろ?・・・すまんな唯、気になるところで中断になってしまって」
唯「は、ははは・・・」
律「・・・でも後の展開は誰が考えても明らかに・・・」
澪「・・・」ギロリ
律「・・・ま、まあ、後で掃除が大変だったとだけ言っておこう・・・」
澪「おい」
律「ごめんごめん!もう何も言わないって!」
澪「ったく・・・」
唯「・・・・・・・・・・・・・・・」
紬「・・・どうしたの唯ちゃん?顔が真っ青よ?」
澪「ほんとだ。唯、大丈夫か?・・・おい律、お前が変な話するからだぞ!」
律「え、あたしのせい?」
唯「・・・・・・・・・・・・ゆ、夢だよね・・・あれはただの夢だもんね・・・。うん・・・そうだよ、絶対・・・・・・」ボソボソ
澪「え?なんて・・・?」
律「ゆ、唯・・・大丈夫か・・・」
唯「な、なんでもないよ!」
澪「・・・そうか?無理はするなよ?」
紬「そうよ唯ちゃん」
唯「・・・うん。大丈夫!」ニコッ・・・
澪「・・・ならいいけどさ」
唯「・・・」
律「・・・そういえば梓のやつ遅いなあ」
唯「!!」ビクッ
紬「そういえば、そうねえ・・・」
律「あいつが遅刻なんて珍しいこともあるんだな・・・」
澪「あ、そうだ。メールしてみようか?」
唯「!!!」
律「そうだな。頼む」
唯「あ、あの!!」
澪「」ビクッ
律「?」
澪「び、びっくりした・・・。なんだ・・・?」
紬「どうしたの唯ちゃん?」
唯「あ・・・」
唯「・・・いや・・・・・・なんでも・・ない・・・」
澪「・・・?」
律「唯、お前やっぱ熱でもあるんじゃねーの?さっきから変だよ」
紬「唯ちゃんほんと大丈夫?」
唯「う、うん・・・ごめん・・・」
澪「じゃ、じゃあメールするぞ?」
律「ああ・・・」
唯「・・・」
澪「・・・よし、送信っと」ピッ
ヴーン・・・ヴーン・・・ヴーン・・・ヴーン・・・
澪「あれ?」
律「これって・・・?」
紬「・・・?」
唯「・・・やだよお・・・」
律「・・・?バイブの音が聞こえるってことは、梓の携帯がここにあるのか?」
澪「さ、さあ・・・」
ヴーン・・・ヴーン・・・ヴーン・・・ヴーン・・・
唯「・・・・・・」
律「どれ、探してみるか・・・」ゴソゴソ
律「・・・あれ?」ヒョイ
紬「どうしたの、りっちゃん?」
律「・・・これ、梓のカバンじゃないか?」
澪「ほんとだ・・・。どういうことだ?」
紬「もしかして・・・、梓ちゃんもう学校に来てたのかしら?」
澪「そうなのかなあ・・・」
唯「・・・・・・・・・・・・」
律「・・・まあ、いいや。ちょっとカバン開けて携帯あるか見てみよう」ゴソゴソ
澪「お、おい!勝手にそんなことしちゃマズいって!」
律「まあまあ・・・」ゴソゴソ
澪「ダメだって!・・・あれ?」
律「ん?どうした?・・・あ、携帯あった」
澪「・・・」
紬「澪ちゃん・・・?」
・・・・・・ピロリロリン♪・・・ピロリロリン♪・・・
澪「・・・メール返ってきたよ。梓から」
律「へ?」
唯「え・・・?」
澪「だから・・・返ってきたんだよ。メール・・・」
律「え、で、でも・・・。梓の携帯ここにあるぞ・・・?なんでメール送れるんだよ」ヒョイ
澪「そ、そんなこと言われても・・・」
律「・・・私がこの携帯の履歴見てやるよ」パカッ
律「ありゃ・・・真っ暗だ・・・。電源切ってるのか?」
紬「でもさっきは・・・バイブレーション鳴ってたような・・・?」
律「・・・気のせいだろ」
紬「・・・そうね・・・・・」
唯「・・・」
律「・・・まあいいや。電源入れて・・・と。・・・・・・・・・。」
律「・・・つかない・・・。電池切れだな・・・」
律「・・・・・・・気味悪りい・・・・」ポイッ
律「・・・・・・・・・」
紬「・・・そういえば、さっきから周りが静かね。他の部活も練習してるのに」
律「・・・」
唯「・・・」
澪「・・・・・あたし帰る・・・」
唯「澪ちゃん・・・?」
律「・・・は?」
紬「ど、どうしたの、澪ちゃん?」
律「澪・・・?」
澪「だ、だってさ、さっきから変だよ!」
律「変って・・・なにがだよ・・・」
澪「な、なにがって・・・」
律「・・・」
澪「さ、さっき確かにバイブの音が聞こえたのに、梓の携帯、電源が入らないんだろ・・・?」
律「・・・バイブの音は気のせいだったのかもしれない」
澪「そんな・・・」
律「・・・」
澪「でも、でも、私の携帯に梓からメールが来たぞ・・・?それはどう説明するんだよ・・・」
律「・・・」
澪「ほら説明できな
紬「バイブの音が聞こえた時は梓ちゃんの携帯にもまだ電池が残ってて、電源も入ってたのかも・・・」
紬「それでりっちゃんが携帯を開くまでの間に澪ちゃんのメールに返事を・・・」
澪「・・・・・・誰がメールを書いて私に送るんだよ・・・」
紬「あ・・・・・・」
律「・・・」
澪「・・・」
澪「・・・私はやっぱり帰るよ・・・」
律「・・・」
紬「・・・そうね・・・その方がいいかも・・・」
澪「だろ?・・・じゃあみんなで早く帰ろう・・・」
律「あ、ああ・・・」
紬「そうね・・・」
澪「よかった・・・みんながそう言ってくれて。さっきからなんだか足が痛くてさ・・・早く帰りたかったんだよ・・・」
律「・・・?」
紬「大丈夫?」
澪「ああ・・・まだ大丈夫だよ。とりあえず早く帰ろう・・・」
唯「・・・・・・・」
唯「・・・ちょっと待って」
律「?」
澪「なんだ・・・唯?」
唯「あ、あの、さっき来たメールまだ読んでないなあ~と思って・・・」
律「あ、・・・そういえばそうだな。澪、メール見せてくれよ」
澪「あ、ああ・・・」パカッ
唯「・・・」
澪「ええと・・・。・・・・・?」
紬「澪ちゃん?」
律「澪、どうした?」
澪「・・・・・・・・・・・・」
澪「・・・い、今からそっちに行きます、だってさ・・・」
律「・・・はあ?」
澪「・・・・・・・・・・・・」
紬「・・・今から練習に来るってこと・・・?」
唯「やっぱりメール来てるんだ・・・」
澪「・・・・・・・・」
律「は・・・わっけわかんねえ・・・。確かに梓の携帯はここにあ・・・・・・。・・・・・・あれ・・・な、ないぞ・・・」
紬「え・・・?」
律「さっき触って、そこの机に置いといたのに・・・梓の携帯がないんだよ・・・」
紬「そ、それはどういう・・・?」
律「知るかよ!!」
唯「・・・・・・・・」
澪「は・・・はは・・・」
紬「どこかに落てるんじゃ・・・」
律「んな訳ないだろ!?」
唯「・・・・・あずにゃん・・・」
澪「わ、わ、私、帰る!!」
紬「澪ちゃん・・・」
澪「だってそうだろ!?なんかおかしいよ!ここ!!」
律「・・・そうだよな。さっきも帰ろうとしてたことだし・・・」
唯「でも・・・あずにゃんが来るって・・・」
紬「・・・・・・・・・・・・」
澪「そんなの・・・本当に梓かわからないじゃないか!」
唯「でも・・・・・」
澪「でももないよ!」
唯「・・・・・・・・・」
律「・・・・・わかった・・・。じゃあこうしよう。とりあえずこの部屋から出て、人の居るところに行くんだ。職員室とかさ。それなら澪もとりあえず安心だろ?足が痛いなら保健室行けばいいし・・・。」
澪「・・・・・・・・」
律「唯もさ、別の部屋で校門覗いてたらいいじゃないか。梓が来たらこの部屋に戻ってくればいい。・・・正直、私も今はこの部屋に居たくない・・・・・」
唯「・・・・・・・・わかったよ・・・」
律「・・・・・よし、じゃあ行こう」
紬「・・・澪ちゃん、私も一緒に保健室行っていいかしら・・・?なんだかさっきから腕が痒くて痒くて・・・・・・・・」
澪「あ、・・・ああ。じゃあ一緒に行こう」
唯「・・・・・・・・」
ガチャ・・・
律「・・・」
ガチャ・・・
律「・・・あれ?」
澪「・・・・・・・・どうした?」
律「え・・・いや・・・はは・・・」
ガチャガチャ
律「・・・・・・・・」
紬「どうしたの・・・?」ポリポリ
律「・・・・・・・・」
ガチャ!ガチャ!
律「・・・・・・・・・・・」
澪「・・・おい。・・・律、早く開けてくれよ・・・」
紬「痒い・・・」ポリポリ
律「い、いやあ・・・この扉ちょっと建てつけ悪いみたいで・・・なかなか開かないんだよ・・・このっ」
ガチャ!ガチャガチャ!!ガチャ!ガチャガチャガチャ!!!
律「・・・おっかしいなあ・・・はは・・・」
澪「何やってんだよ・・・私にやらせてみろよ」
ガチャ!ガチャ!!ガチャガチャ!
澪「・・・はあ・・・?」
律「な?開かないだ
ピロリロリン♪・・・ピロリロリン♪・・・
澪「あ・・・?」
澪「・・・・・メールだ・・・」
唯「・・・・・・・・」
律「・・・え?」
澪「・・・いや・・メール・・・・・・来た・・って・・」
律「・・・へえ」
紬「・・・・・」ポリポリ
澪「・・・・・・・・」カチカチ
澪「・・・・・・・・・・。・・・は・・・・・はははは・・・」
律「・・・・・・・・・おい・・・・?澪?」
澪「・・・・・・・・・・」
律「おい、どうしたんだよ」
澪「・・・・・・・・・・・・」ポイッ
律「お、おい!携帯投げんなよ!」
澪「は、ははははは・・・・」
律「・・・・・・?あ、唯、それ拾ってくれ」
唯「・・・・・・」ヒョイ
唯「・・・・・」
律「あ、ありがとう・・・」チラッ
澪「・・・・・・・」
律「・・・おい澪、どうしたんだよ?」
澪「・・・・・・・」
澪「・・・・・・・メール、見てみろよ」
律「は・・・?」
澪「・・・」
律「・・・。ゆ、唯、見てくれ」
唯「・・・・・・・・・・・・・・」カチカチ
唯「・・・・・・」
唯「・・・・・・メール、あずにゃんからだよ・・・」
律「・・・え?」
澪「・・・ははははは・・もうなにがなんだか・・・」
律「・・・」
唯「・・・」
律「・・・・な、なんて書いてある?」
唯「・・・・・・」
唯「・・・・・・もう着きました・・・・って」
律「・・・・・・へぇ・・・」
唯「・・・・・・うん」
律「・・・ど、どうすればいいのかな?私たちは・・・?」
唯「待ってればいいんじゃないかな・・・?もう学校には着いてるらしいからさ・・・」
律「・・・そ、そうか・・・」
律「・・・・・・」
律「お、おい、お前ら!そういうことらしいぞ!」
澪「・・・・・・痛いよぉ・・・・・・」ズリズリ
紬「・・・・・・・・・」ポリポリポリポリ
律「・・・・・・・・・・」
律「わ、私は他の部屋にっ!」ダッ
ガチャガチャ!ガチャガチャ!!
律「開けよ!さっさと開けよ!」
ガチャガチャ!ガチャガチャ!
唯「りっちゃん・・・」
律「おい!開けって!おい!このっ!」
ドン!ドンドン!ドンドンドン!!
律「唯も見てないで手伝えよ!おい!聞いてんのか!?おい!!」
唯「・・・」
律「開け!開け!開け!」
ドン!ドン!ドン!
唯「りっちゃん・・・もう無理だよ・・・」
律「うるさい!私は絶対逃げ
ガチャ
梓「・・・遅れてすいません。先輩」
律「あ・・・・ず・・・・・・・」
唯「あ、あずにゃん・・・」
梓「なんですか?」
唯「え、いや・・・なにって・・・」
梓「あ、遅れたことですか?すいません。謝罪します」
唯「え・・・」
梓「実は、ちょっと怪我をしたものですから・・・」
唯「・・・・・・怪我・・・?」
梓「ええ」
唯「へ、へえ~・・・大丈夫なの・・・?」
梓「はい。お陰様で、もうだいぶ良くなりました」ニコッ
唯「・・・・・」
唯「そ、そっか・・・・・」
梓「はい♪」
梓「あ・・・早速練習しますか?」
唯「え・・・いや~・・・ほら、澪ちゃんとか保健室行った方が良いから・・・」チラッ
澪「・・・・・・・よぉ・・・・」ズリズリ
紬「・・・・・・・・」ガリガリガリガリ
唯「わ、私二人を保健室に連れて行ってくるね!りっちゃんも一緒に行こ!?」
律「・・・・・・・・」パクパク
唯「・・・・・・・・?」
梓「・・・ああ、そのヒト達でしたら大丈夫ですよ。もうすぐすみますから」
唯「あずにゃん・・・?」
梓「さ、練習しましょう。ドアは閉めておきますね?音漏れすると困りますから」
バタンッ
唯「・・・・・・」
梓「唯先輩?どうかしましたか?」
唯「あ、あずにゃん、変だよっ!さっきから!」
梓「そうですか・・・?」
唯「そうだよっ!絶対変っ!」
梓「・・・・・」
唯「いつものあずにゃんなら、みんなが苦しんでたら絶対助けてくれるもん!」
梓「・・・・・」
唯「・・・・・!」ダッ
ガチャガチャ!ガチャガチャ!!
唯「あ、開けてよ!開けてよ!!あずにゃん!」
梓「・・・・・ふふ」
唯「・・・・・・・」
梓「・・・唯先輩はやっぱり面白いヒトですね~・・・」
唯「・・・どういう意味?」
梓「どういう意味も何も、そのままの意味ですよ。・・・あ、や、やっぱり笑っちゃうっ」ヒャハハ
唯「・・・・・・・・早く開けてよ・・・」
梓「それは無理ですね」ニコッ
唯「な、なんでよぉ・・・このままじゃみんな死んじゃう!」ポロポロ
梓「泣いても無駄ですよ。・・・私が泣いても無視されたんだから、文句は言わせません」
唯「・・・?」ポロポロ
梓「聞こえていたハズですよ?私の叫び声が・・・」
唯「・・・・・・・!?」
唯「・・・あ、あの夢?」
梓「・・・・・」
唯「あ、あ、あの夢はっ・・・あれは、夢・・・そう、あれは夢だよ!?今は現実!関係ないじゃん!?」
梓「そう、あれは夢ですよ。私が見せた、メッセージです」
唯「そんなこと言われても・・・」
梓「先輩方には全員同じメッセージを送りました。」
唯「・・・?」
梓「あの夢をまだハッキリと覚えているんですよね?」
唯「・・・・・」コクン
梓「・・・あの夢は、私と夢を見ている本人が2人っきりでこの部屋にいる、という場面から始まります」
唯「・・・・・」
梓「そして私はゴキブリで、夢を見ているヒトにも何故かそれがわかっている」
唯「・・・・・・・」
梓「それで先輩方一人一人がどう行動するのか見ました」
唯「・・・なんでそんなことしたの・・・?」
梓「友情を確かめるためですよっ」ニコッ
唯「ゆ、友情・・・?」
梓「面白かったですよ、色々と。・・・まあ正直悲しい部分もありましたが・・・。自分達から来て欲しい、と願ったくせに・・・ってね」
唯「・・・・・」
梓「みんなあの同じシチュエーションで始まったはずなのに、私を理解してくれたのは唯先輩だけでした。他のヒト達ときたら・・・いや、これは今は言わないでおきましょう。」
梓「唯先輩も、私が虫だということを理解はしてくれましたが守ってはくれなかった」
唯「・・・・・・・・」
梓「だからその時点でヤッちゃってもよかったんですが・・・。最後のチャンスをあげようと思って・・・」
唯「それが・・・」
梓「そう、今日ですよ」
梓「後輩のよしみですよ。先輩方といて楽しいときもありましたから・・・」
唯「・・・・・・・」
梓「・・・唯先輩は遅刻したからいませんでしたが、後のことは知ってるんでしょう?そこのお喋りなヒトから聞いたはずです」
唯「・・・」チラッ
律「・・・・・・・・・・・・」パクパク
唯「・・・りっちゃんに何かしたの・・・!?」
梓「今更ですか。・・・因果応報ですよ」
唯「・・なにそれ・・・・」
梓「やられたことはやり返す。それだけです」
梓「さっきの話に戻しましょう。今日あったこと、知ってるんですよね?」
唯「・・・・・・・」
梓「散々な目にあいましたよ・・・。まあおかげで決心つきましたが」ニコッ
梓「澪先輩には、踏まれて痛かったので足を使えなくしてあげました。
ムギ先輩はスプレーが痛かったので腕を使えなくしてあげました。当然の処置ですよね」
唯「・・・・・・・」ガクガク
梓「・・・」
梓「・・・そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ?唯先輩には何もしませんから」
唯「ふ、二人を元に戻してよっ!」ポロポロ
梓「それはできません。二人にはこのまま死んでもらいますから」
唯「いやぁ・・・」ポロポロ
梓「唯先輩と律先輩の命はとりません。というかとれません。やられたことをやり返すだけなので」
唯「でも、りっちゃんにも何かしたんでしょ・・・?」ポロポロ
梓「律先輩は私が殺されたことをさも楽しそうにベラベラと喋っていて不愉快でした。
・・・なのでちょっと脳をいじって、言葉を話せなくしてあげました。いい気味です!」
律「・・・・・・・っ・・・・・」パクパク
唯「やだよぉ・・・・・・りっちゃあん・・・!?」ポロポロ
律「ん・・・・・・っ・・・・・・」パクパク
唯「いやあああああ!!!!!」
梓「だから・・・、唯先輩には何もしませんってば」ニコッ
唯「・・・いやだあっ!」ダッ
ガチャ!ガチャ!!
唯「だ、誰かあ!!誰か!助けて下さいっ!!」
ドン!ドンドン!!
梓「そんなことしても無駄ですよ。・・・それともまた私を無視する気ですか?また見て見ぬフリですか?」
唯「いやぁ!・・・これは、そ、そうだ!これも夢だ!夢なんだ!!そうでしょ!?」
梓「違いますね!」ニコッ
唯「・・・いやだ!聞こえない!聞こえない!!」
梓「もう無視させませんよ。唯先輩はここで私とずうっと一緒にいるんです。私を見ながら私と一緒に音楽やるんです!」
唯「やだ!私には何もしないって言ったじゃない!!」ポロポロ
梓「その通り、なにもしませんよ。危害は加えません。
ただし、あの時私を助けられたかもしれないのに何もせず傍観していた唯先輩を許すことは出来ません!!」
唯「・・・・・・・・?」ポロポロ
梓「もう無視はさせないってことです♪ずっと私を見ててもらいます!」ニコッ
唯「・・・・・いやだ・・・」ポロポロ
梓「ダメですよ。早くして下さい!早速ギター弾きましょう!」
唯「私いやだよ、あずにゃん!!」ポロポロ
梓「ほら、ギー太もそこにあるじゃないですか!」ニコッ
唯「いやだああああ!!!」
梓「さ、練習練習♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ちゃ・・・・・・・・ん・・
おね・・・ち・・・・ゃん・・・
・・・・・・・お姉ちゃん!!
唯「!?」ガバッ
憂「お姉ちゃん・・・大丈夫?」オロオロ
唯「・・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」ドキドキ
憂「朝だから起こしに来たら、すっごいうなされてたよ・・・?」
唯「・・・・・憂」ポロポロ
憂「お、お姉ちゃん!!どうしたの!!?」
唯「う~い~・・・怖かったよぉ・・・」ポロポロ
憂「お姉ちゃん・・・(よ、よっぽど怖い夢だったんだ・・・)」
憂「もう大丈夫だよ?ここは現実で、お姉ちゃんがいるのは私達のお家だよ?」ヨシヨシ
唯「・・・・・よかっだぁ・・・・・よかっだぁよぉ・・・・・」ポロポロ
憂「大丈夫だよ!ね?」スリスリ
唯「・・・・・うん」ポロポロ
憂「・・・(か、かわいい////)」
憂「お、お姉ちゃん!・・・私ご飯の準備しなきゃ行けないから・・・」
唯「・・・うん、もう大丈夫・・・」グスン
憂「そう・・・?じ、じゃあ私、下で準備して待ってるからね!」パタパタ
バタン
唯「・・・怖かったぁ・・・・・」
平沢家食卓
憂「・・・そういえばお姉ちゃん、どんな夢見てたの?」
唯「え・・う、う~ん・・・わかんないや~・・・はは・・」
憂「そう・・・。あ、ごめん!変なこと聞いて・・・」
唯「ううん、別に良いよ!」ニコッ・・・
憂「なんで私こんなこと聞いたんだろ・・・」
唯「・・・・・」
ピンポーン
憂「・・・あ、梓ちゃんだね」
唯「へ?」
憂「・・・どうしたの?お姉ちゃん?」
唯「い、いや・・あずにゃんって・・・・」
憂「・・・お姉ちゃん、なに言ってるの?」
唯「・・・憂・・・?」ガクガク
憂「ほら、早く支度して外に出ないと!梓ちゃん待たしたら悪いよ!!今日も朝練でしょ?」
唯「・・・」
ガチャ
唯「・・・・・」
梓「あ、おはようございます!唯先輩!」
唯「お、おはよ~・・・」
梓「どうしたんですか?元気ないですよ~?」
唯「いや、別に~・・・・・」
梓「もっとシャキッとして下さい!私のたった一人の先輩なんですから!!」
唯「・・・・・・」
唯「・・・・・へ・・?」ガクガク
梓「さあ早く行きましょう!あ、それと帰りは一緒に律先輩のお見舞いに行きましょうね!」
唯「りっちゃん・・・?それは・・・・・どういう・・・?」ガクガク
梓「はい?忘れたとは言わしませんよ?ずっと一緒にいるっていったじゃないですか~!!」
唯「・・・・・・・」
唯「・・・・は・はは・・・・・ははははは・・・・・」
梓「先輩!今日も一緒にいっぱいギター弾きましょうね♪」ニコッ
唯「あはははははははははははははは」
~終~
終わりです
時間かかってすいませんでした・・・
読んでくれた方、ありがとうございました!
唯「きゃあっ!ゴキブリ!!」
梓「・・・・・」
律「へっ?ど、どこだよ唯!!」
澪「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」gkbr
紬「唯ちゃん・・・どこにもいないわよ?」
唯「あれ?おかしいなぁ・・・アハハ」
梓「・・・・・」
紬「澪ちゃん、ゴキブリなんてどこにもいないわよ」
澪「ひぃ・・・ひぃ・・・な、なんだよ脅かすなよ・・・」
律「ていうか澪はビビリすぎだよなー。そういえばgkbrって最初見たときはてっきりゴk」
唯「ちょっとやめてよ!!今あずにゃんは関係ないでしょ!!!」
律「は?い、いや私別に梓の話はしてないけど・・・」
唯「あれ、そうだっけ?ごめんね~アハハ」
梓「・・・・・」
律「でさでさ、それがさ~」タッタッ
唯「えぇ~それほんとなの~?」トコトコ
澪「律の話を真に受けちゃダメだぞ」テクテク
紬「あらあら~」ポテポテ
梓「・・・・・」カサカサ
梓「・・・・・」ブーン
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