照「ちうがくせいにっき」 (66)






※ちゅーい
 ・有り得ない面子が同中な妄想短編なのよー






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-夏-



インターハイ開会式当日 東京国際フォーラム地上広場 


由子「サッチ~」カケヨリー

智葉「ユッコ、久しぶりだね。元気そうで何よりだよ」

由子「他のみんなはまだー?」

智葉「終わったばかりだ。もう少しかかるだろ」

由子「そーやねー。久しぶりにみんな揃うからって、急いで来ちゃったわー」

智葉「飲みかけでよけりゃ」ホレ、ウーロン

由子「ありがとー♪」キュポッ コクコク プハー

花子「おー、いたいた。早かったじゃねーかお二人さん」

智葉「部長のお出ましだ」

由子「ハナ!」

花子「よっ、開会式長かったなー」

智葉「あんなもんだろうさ」

由子「立ちっぱなしはくたびれるのよー」


花子「だよなー。んで、菫と照はまだか?」

智葉「連中は注目株だからね。途中でマスコミにつかまってたりするかもな」

由子「それはありそーなのよー。こんな目立つ場所で待ち合わせにしたのはまずかったかしらー?」

菫「人の心配もどこ吹く風ってな。上手いことまいて来たぞ」ヨッ

照「みんな、お待たせ」

花子「おお!? 菫はまた背ぇ伸びたなー」

菫「それを言ってくれるな」

由子「照ちゃん♪」ダキツキー

照「ユッコ//////」ハズカシイヨ

智葉「懐かしの麻雀部、全員集合だな」

花子「おう、まっさか本当にインハイ出場者として再会できるとはなー」

由子「びっくりなのよー」フフッ

菫「照は3年連続だけどな」

照「菫とサッチだって2度目でしょ」

智葉「まぁそうだが、今年は団体戦で5人全員揃い踏みだ」


花子「偉業だよなー。つか菫、おまえ先頭に立ってたじゃん。白糸台の部長かよー」アリエネー

菫「照が引き受けないからお鉢が回って来ただけさ」

由子「我らが麻雀部のドベっ娘が立派になったのよー」

菫「ドベって言うなっ」ウルサイヨッ

智葉「照」

照「なに?」

智葉「今年こそは勝たせてもらうよ」

照「ん。楽しみにしてる」

智葉「楽しみか。もっと戦々恐々としてもらいたいもんだが」

照「無理だよ。サッチやみんなと打てるって思うだけで嬉しいもん」

智葉「ふっ、そんなもんかね」

花子「まー、まずは団体戦だ。みんなバラけてるから準決勝まで行かないと当たらねーけど、頑張ろーぜ」

菫「越谷女子って初戦突破したことないだろ? ハナが一番頑張れって話だよ」

花子「うるっせー、ドベっ娘」ゲシッ

菫「おまっ、蹴るなよっ、うちは制服白いんだからっ」ヨゴレガッ

由子「はいはいはい! せっかく大人になったんだから逆行しないのよー」

照「移動しない? ずっとここにいるとマスコミに見つかっちゃう」

智葉「だな。河岸を変えるとしよう」


花子「ならカラオケBOXにすっか? 入っちまえば誰の目にも止まらないぜ」

由子「そーねー、久々にサッチの演歌が聞きたいわー」

照「あ、私も聞きたい」

智葉「まぁレパートリーは相変わらずだからな」

菫「ユッコは音痴治ったのか?」

由子「は?」

花子「おまっ、余計なこと言うなよ」バカッ

照「き、気にしない気にしない」

智葉「菫の耳がおかしいだけだろう」

菫「そ、そうだな。私の耳がおかしかったです」アセアセ

由子「山本リンダをループで唄ってやるのよー」ムッスー

花・照・智「ねっらっいうっち~♪」

菫「頼むからやめてくれ/////」ヒトノクロレキシヲッ


ド wwww









- 3 years ago -







東京下町某中学 麻雀部


菫「バキューン! いただきだっ」

智葉「ロンって言えっつってんだろーが」

菫「いいだろ別に」

智葉「相変わらずなヤツめ。で、いくらだい?」

菫「チッチーだ。スイスの口座に振り込んでおけ」フッ

智葉「はいはい、後でな」

菫「今だよ、このバカ」

智葉「あ?」

バンッ!

由子「いー加減にするのよー。そのやり取り何万遍繰り返す気なのよー」

菫「サッチが点棒寄越さないのが悪い」

智葉「スイスと日本じゃ時差があるんだよ」バーカ


由子「はぁ....もー三麻も飽きちゃったわー。まったく部長はどこほっつき歩いてるのよー?」

智葉「そー言えばハナのヤツ、部員狩りして来るとか言ってたな」

菫「この時期にか? てかヤクザの娘がいる部に誰が好き好んで入るんだよ」アリエネー

智葉「おい、鉄砲玉送り込むぞ」

菫「聞こえませんでしたお嬢w もっかい言ってくださいませんかー?」

智葉「上等だ。出な」

バンッ!!!

由子「」ギロッ

菫「あ、ユ、ユッコの親番だぞ」

智葉「」メガネフキフキ

ガラッ

花子「いよう! ロクデナシどもっ、今日も元気に盛ってるかー?」


由子「おっそいのよ~。子守を押し付けるのはやめて欲しいのよー」ムッスー

花子「不機嫌MAXじゃねーかw おまえらちょっとは自重しろっ」

菫「ハナが遅いのが悪い」

智葉「ちがいない」

花子「こらこらこら、人がせっかく新入部員を引っ張って来てやったってーのに、ひどすぎんだろー?」

由子「それっ、マジネタだったのよー!?」ガタッ

菫「どこの物好きだよ」

智葉「打てないヤツはお断りだぞ」

花子「や、ガキん頃から打ってたってゆーし、その辺は平気だろ。おーい、入りなよ転校生」

由子「転校生?」

菫「そーいえば先週だか三組に転校生が来たって言ってたっけな」

智葉「へぇ」


照「宮永です。よろしく」ペコ

由子「あら美人さん♪」

菫「まーたペタン娘か」

智葉「お前さん腕に自信はあるんだろーね?」

照「麻雀なら弱くはないと思うけど」ペタンコ?

花子「まぁとにかくよろしくしてやってくれよ。んで、正面に座ってんのが由子ね。その右が智葉で左がニラだ」

菫「菫だよっ!」

智葉「ニラみたいなもんだろーが」フッ

菫「よーしふざけんなっ、表出ろ!」ガタッ

由子「ゴルゴが先にケンカ売ったんでしょー。今度ペタン娘言ったら承知しないのよー!」

菫「ご、ゴルゴはやめてくれよ/////」ペタンコドモメ

花子「あ、うちらいつもこんな感じだから」キニスンナヨッ

照「」コクン


由子「宮永さん、遠慮しないで掛けて掛けて~」ドーゾ

照「うん。お邪魔します」スワリー

智葉「ウーロン飲むか?」ホレ

照「ありがとう」キュポッ

菫「で、お前、下の名前は?」

照「てる」オマエッテ...

菫「ふーん。照はどっから転校してきたの?」

照「都内を転々と....元々は長野から」

菫「へー、こんな時期にどうしてまた?」

照「別に」

菫「別にってことはないだろ」

智葉「少し口を閉じてろ。この詮索好きめ」

菫「何だよ、私はただ」


由子「はいはいそこまでよー。ねぇ宮永さん」

照「はい」

由子「3年の2学期に入部しても、大して活動期間はないけれど、その辺はいいのかしらー?」

智葉「確かに。他は知らないがうちの場合、文化部の3年は秋の文化祭で引退するってのが暗黙のルールだ」

照「麻雀ができれば別に構わない」

菫「下手の横好きって?」ハハッ

由子「リンダー?」

菫「はいはい。黙るよ」

由子「それならそーゆーことで。ね、部長?」

花子「おう、そーだな。んじゃ麻雀部らしく、対局しながら親睦を深めるってことで」

智葉「まずは腕前を見せて貰わんことにはな」


菫「サッチは手加減知らない奴だけど、ハンデいるか?」

照「必要ない」

花子「ま、お互い素の実力を見せ合うってことで。じゃ後は副部長に任せるわ」

由子「どこ行くのよー?」

花子「ちょっくらコンビニ。早弁したせいで小腹がすいちまってねー」

菫「ポテチとコーラな」

花子「息を吸うように人を使うなっ」

由子「みんなでつまめるもの買ってきてよー」

花子「オーケーオーケー、んじゃな~」ガラッ ピシャッ







対局中


菫「っかしーな。ドンピシャだと思ったんだが、カスリもしないのか」ガリガリ

由子「だから言ってるでしょー。菫の狙い撃ちは仲間内の癖に対応してるだけよー。他では通用しないわー」

菫「そんなはずはないっ、我が必殺のスナイプから逃れられる者はナッシングだ!」バキューン!

智葉「現に宮永相手に外しまくってるだろーが」ポーズトンナッ

菫「銃身にゴミが詰まってたかもな」チッ

照「(銃身? 何を言ってるんだろう...)南一局、親番」コロコロ

由子「東三から連続和了で親番ねー。そろそろまた和了らせてもらうのよー」

菫「だな。あ、サッチは焼き鳥でOK」

智葉「黙ってろ」

智葉(二人とも宮永の異常さ気付いてないのか? 東一の後の嫌な感覚が気になる。普通じゃないぞコイツ....)チラッ

照「ツモ、1000all」


菫「またかよ。ツイてるな」

由子「はいはい、洗牌洗牌」ジャラジャラ

菫「あー、全自動欲しいなー」ジャラジャラ

由子「こんな弱小部に自動卓買えるだけの予算は出ないのよー」チャッチャッ

智葉(何度見ても手品を使ってる気配はないが.....何かがあるのは間違いない)チャッチャッ

照「一本場」コロコロ

由子「ところで宮永さん、お家はどの辺よー?」トン

照「大きなお寺の近く」トン

智葉「善慶寺か? なら私やハナんちの近所だな。ユッコたちとは逆方向か」トン

菫「知ってるか? サッチんちはドヤクザなんだぜ」トン

照「え?」パチクリ

由子「聞かれもしないのにそーゆーこと言わないのよー」トン


照「あっ」トン

智葉「? どうした」トン

照「な、なんでもない(びっくりして立直するの忘れた....)」

由子「サッチは今、お婆様の家にいるから、別に周りに怖い人はいないのよー。ねー?」

智葉「まーな。義務教育期間中は渡世と隔てておくとか何とか親の勝手な言い分さね」

照(と、渡世?)ドキドキ

菫「でも親と離れて暮らせるのは羨ましいよ。うちなんざ四六時中ガミガミと喧しくて嫌んなるもんな」トン

由子「菫はそれに反発して麻雀始めたのよねー」トン

菫「そればっかじゃないけどな。麻雀は反社会的ゲームだとか時代錯誤丸出しで参るよ」フン

照「(反社会的、か....確かに古いのかな)リーチ」トン

智葉「ほう? ツモ切り立直かい......ふむ、ここは通りそうか」トン

照「それ当たり。ロン、一本付は4200」

菫「おまっ、和了りすぎだろう」マジカヨッ

由子「強いのねー♪」


ガラッ

花子「おう、調子はどーだ?」

由子「お帰りなのよー」

智葉「遅かったじゃないか」

菫「こいつバカヅキで手に追えないぞ」

花子「ひゅ~♪ さっすが、あたしの目に狂いはなかったか」

由子「最初に私と菫が一回ずつ和了って、後は宮永さんの和了りっぱよー」

花子「ほほーう、今が南一の二本場ってことは4回連続で“あがって”るのか」

智葉「打点もな」フン

照「」ピクッ

菫「そーいやそーだな。新歓対局らしく良くできてるじゃないか」

花子「よし、じゃあ飲み食いしながら聞いてくれ」ホイ

菫「なんだよ?」サンクス


花子「コンビニ帰りに顧問とバッタリ会ってさー。文化祭で何かするなら今の内に言っとけーって言われたんだが」

由子「文化祭?」

菫「何かするって言ってもな」

照「? 毎年何してるの?」

智葉「まぁ、その年のプロリーグの名勝負から牌譜を引いて分析したり、初心者講座を開いたりだな」

花子「宮永、つーかもう照って呼ぶぞ?」イーヨナ?

照「うん」

花子「照は前の学校ではどんな事してた?」

照「ん~、来場者への指導対局とかその年の公式試合の牌譜とかをまとめたスチール作成とかかな」

由子「公式試合?」

照「そう」


菫「へー、インターミドルとかも出たのか?」

照「今年は転校事情で出られなかったけど、去年は個人戦に出た」

智葉「ほう、本戦まで行けたかい?」

照「うん。優勝した」

花・由・菫・智「!!?! はっ!?」

由子「ん? んん~~??」クビカシゲー

菫「それはアレか? 高度なギャグか何かか?」ナニイッテンダコイツ

花子「つまりボールギャグ的な?」

智葉「まぁまて。ネットで洗えば直ぐ分かるだろ」スッ カタカタッ

菫「どーよ?」


智葉「......驚いたな。照の言葉はフカシじゃない。昨年度インターミドルチャンピオン宮永照。間違いなくご本人様だよ」

菫「マジかよ....」

由子「....きゃーーー!! 照ちゃんすごいすごーい!!」ダキツキー

花子「ヒャッホー! 照はあたしが連れて来たんだぜー!」カタダキー

照「っ//////」

智葉「打点の上がる連続和了も偶然じゃなしに、意図的にやってのけたってわけだ。そうなんだろう?」

照「ん」コクン

菫「うっそだろ....」







帰り道


智葉「おい、照」

照「?」

智葉「良かったのか? 員数割れで公式試合にも出れない弱小部しかないトコへ来ちまって」

照「気にしてない。時期的に試合とか期待してなかったし、部内で打てるだけで十分」

智葉「そうか。ならいーんだが」ニシテモ ジツリョクサガ...

花子「文化祭、近間の中学と交流試合でもできればいーけどなぁ」

智葉「そうだな。せっかくインターミドルチャンピオンに鍛えて貰えるんだし、何らかの形で試合はしたいな」

照「教えるのは苦手かも」ケイケンナイ

智葉「ご謙遜。本当なら今日からでもみっちり稽古をつけてもらいたいくらいだった」

花子「サッチはガチでプロ目指してるからなー」

照「そうなんだ。すごいね」


智葉「照は違うのか?」

照「ん....まだはっきりとは決めてない、かな」

智葉「そうか。だが恵まれた才能を無駄にはしないことだ」

照「そうだね。ありがとう」

花子「サッチの話はかってーよなー」

智葉「生まれつきだ」ホットケ

照「ふふっ」

花子「おー、照の笑顔カワイーじゃん♪」

照「!? ////////」

智葉「ふっ、美人は得だな」

照「や、やめて////」テレッ


ヤンキー1「よーよー、おじょーちゃんたち、オレらと遊んでかねー?」ヘラヘラ

花子「あー? わりーけどあたしらこれから塾だし、また今度ねー」ヒラヒラ

ヤンキー2「まーまー、たまにはサボってもいーじゃんよ」ガシッ

照「!?」ビクッ

花子「おいコラ連れに触んじゃねーよジジイ! うぜーんだよ散れ散れっ!」バシッ

智葉(中途半端にイジッた単車....どこぞのヤンキーか)

ヤンキー1「いってw おっかねーなー。おっかねーから仲間呼ばねーとやばくねー?」

ヤンキー2「おう、やべーよ、マジやべーw」ピッポッパッ

花子「おい、行くぞっ、走れ照!」ウデツカミー

ヤンキー1「おっとっと、逃がさねーって」

花子「しつっけージジイだな」カバイー

照「」オロオロ


智葉「おい、今時鬼ハンなんざ転がしてるハンチクな野郎に用はないよ。引っ込んでな」

ヤンキー1「あ? んだとコラッ!」クワッ

智葉「ふん、それでメン切ったつもりかい? あくびが出るね。瞬きなんざしやがって」ギラッ

ヤンキー1「!!(なんだこのガキ...)」

智葉「道を開けな」

ヤンキー1「.....」ズサッ

花子「ばいにー♪」

智葉「よせって」

ヤンキー2「あ、おい、何で行かせちまうんだよっ」

ヤンキー1「う、うるせー、ガキの相手なんかしてられっかバーカ」チッ

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花子「びびった~w なにアレ!? あーゆーの見かけはしても絡まれたのなんて初めてだぜ」

智葉「そう言うわりには強気だったじゃないか」

花子「サッチがいたからに決まってんだろ~。虎の威を借る何とやらだって」

智葉「いや、良く照を守ったよ。部長の面目躍如だな」

照「うん。ありがとう、ハナさん、智葉さん」コワカッタ

花子「いやいやいや。あー、あたしにさん付けとかいらないよ? ハナでいーって」

智葉「右に同じ」

花子「そーそー。サッチでいーんだよ」

智葉「ん、まぁ、そーだな」デキレバサトハデ...

照「分かった。ありがとうハナ、サッチ」

智葉「」デスヨネー


花子「礼なんていーって」

智葉「それより、ここも長居は無用だ。照、家は近いのか?」

照「うん。次の交差点曲がって直ぐ」

智葉「そうか。ならハナ、送ってってやりな。私はここで少し様子見してから帰るよ」

花子「おっけー」

照「サッチ、一人で平気?」

智葉「ああ、気にしなさんな。早く行きな」

花子「行くよー、照」

照「うん。じゃあ気を付けてね。また明日ね」

智葉「ああ、また明日」







翌、放課後


ガラッ

由子「照ちゃーん」

照「副部長。どうかしたの?」

由子「んーん。一緒に部室に行こうと思っただけよー。あと、副部長じゃなくてユッコねー」

照「了解ユッコ、すぐ行く」

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---

由子「ハナから聞いたわよー。昨日の帰り大変だったんだってー?」

照「うん。びっくりした」

由子「ヤンキーがサッチの一睨みで震え上がったって聞いたのよー」

照「サッチかっこよかった。ハナも頼もしかったよ」

由子「うんうん、ちゃんとあだ名で呼び合う仲になったのねー」


照「そー言えば弘世さんのあだ名は?」

由子「あー、あの娘はゴルゴでいーのよー」

照「ごるご?」

菫「誰がゴルゴだ誰がっ」ヌッ

照「あ、ゴルゴ」

菫「ふざけてるのかっ!?」

照「!?」ビクッ

由子「あはは、ウワサをすればなのねー」

菫「ユッコ、余計な事を吹き込まないでくれないか」

由子「はいはい。照ちゃん、菫のあだ名はリンダなのよー」

照「リンダ?」

由子「ねっらっいうっち~♪」

菫「それもやめてくれ」オネガイシマス


照「えっと、結局?」

菫「菫でいい。お前だって照だろ? さもなきゃチャンプとでも呼ばれたいのか?」

照「それは遠慮したいかな」ハズカシイ

由子「菫、ハナはどーしたのよー?」

菫「あー、あいつ今日の給食は無理なメニューだったとか言ってコンビニに弁当買いに行ったよ」

照「確かに。キムチうどんは二度見不可避だった」ムネヤケガ...

由子「まーねー。サッチはー?」

菫「おえらいさんの事は知らないな」

照「?」

由子「サッチは学年トップなのよー。サッチの第一志望って臨海女子なのー。偏差値70とかよー」

照「臨海女子。インハイの常連校だね」

菫「あいつは家の事もあって地元で選ぶしかないらしーからな。ここらだと臨海ってわけさ。実家のすぐ傍らしいし」


照「そうなんだ。二人はもう進路決めてるの?」

由子「私も臨海は受けてみるけど正直記念受験ねー。第一志望は無難にランク下げてるわー」

菫「ま、どこか適当に見つけるさ。照はどうなんだ?」

照「私は母の仕事が安定したらまた越すと思うから、もう少し経ってから考えようかと」

由子「あら、地方ー?」

照「ううん、都内。多分、家賃の事もあるから通勤に便利な沿線で、都心からは離れるのかな」

由子「色々大変なのねー」

菫「照って母子家庭か?」

照「.....うん」

由子「」ヒジテツッ

菫「ってーな。何すんだよっ」

照「別に、気にしないで」

菫「あ? あー、悪かったな」イテー


智葉「よう、お揃いじゃないか」

照「サッチ! 昨日は平気だった?」

智葉「ご覧の通りだよ。心配させちまったみたいだね」

照「したよ」ネブソク

智葉「あーゆー手合いは慣れてるんでな」

菫「サッチはドス持ち歩いてるからw」

智葉「最初の餌食はお前だよ」

由子「はいはい。部室に急ぐのよー」







部室


ガラッ

花子「おっす! 遅かったなー」モゴッ

菫「おまえコンビニ行っといてどんだけ早いんだよ。てか雀卓で弁当広げるなっつーの」

由子「そーよー、食事はこっちのテーブルでしょー」

花子「へーい」

智葉「さっさと飯済ませて打つぞ。今日から特打ちだ」

菫「マジかよ」

照「特打ちって、一人はネトマ?」

花子「んー、どーすっかなー」

智葉「照が卓に入ってる時の余りは照の後ろで見る。照が卓外なら一番下手な菫を見てやってくれ」

菫「おい」


由子「それいーわねー。照ちゃんどうかしらー?」

菫「まて」

照「構わない。けど、私の打ち方参考になるかな」

菫「聞け」

花子「まーあれだ。お互いの打ち方を知っとくだけでも色々身に付く事もあるだろー? みたいな」

菫「おいふざけるな聞き捨てならないんだよっ!」ガタッ

照「!?」ビックリ

智葉「唾飛ばしてがなるな」キタナイナ

菫「あ、わりぃ....って、そーじゃないだろっ! 私が一番下手とはどういう意味だ!?」

智葉「言葉のままだが?」

由子「そのまんまねー」

花子「落とした自覚を拾って来いと」


菫「なっ/////」カァァッ

智葉「いーから座れ」

花子「ユッコが付けてる対局記録見りゃ一目瞭然だって。見るかー?」ホレホレ

菫「いらないよ、くそっ」ドサッ

由子「ヘソ曲げないのよー。これから強くなればいいでしょー?」

照「そ、そうだよ。頑張ろう?」

菫「あーはいはい。じゃーよろしくお願いしますよチャンピオンさんよー」ギロッ

照「.......」コワイ

智葉「照に当たるな。余計にみっともないぞ」

菫「.....帰る」ガタッ

花子「ちょっw」


由子「ダメよー」マワリコミー

菫「何だよユッコ、どけよ」

由子「今帰ったら明日の朝、教室の黒板は菫の恥ずかしい厨二ゼリフでギッシリ埋まることになるのよー」

菫「べ、別に恥ずかしくねーし」

由子「私は有言実行の女なのよー」

菫「わ、わかったよ。わかったって」モドリー

照「ご、ごめんね?」

菫「何がだよ。適当に謝るな」ムスッ

照「ハイ」シュン

---------
------
---


花子「それポンしとくわ」スチャッ

菫「ひとつ晒せば自分を晒す」トン

智葉「黙って打て」トン

照「ツモ、七本付で6700all」

花子「ハコッたー!」ガッデム

菫「ぐっ、こっちもトビだ....」

智葉「流石だな。ユッコ、見ていて何か気づいたか?」

由子「ずっごく上手ってことが分かったのよー」ドヤァ

花子「をいw」

菫「だー、納得行かねーっ!」ガタッ ツカツカツカ マドアケー ゴソゴソ

照「?」


菫「お、降り始めたか。あれ? テッカリが切れてら。サッチ、テッカリくれ」

智葉「ほらよ」ナゲワタシー

菫「サンキュ」タバコクワエー&マッチスリスリー

照「!!? こらーっ!?」ダダダッ バシッ

菫「んな!? あちぃっ」ポロッ

照「あっつ!」ヒノコガー

菫「おまっ、何すんだよ、ラスイチのタンベだぞっ」

照「ちゅーがくせい! タバコダメ! 世界のジョーシキッ!」アチチ

菫「あほかっ、んなこた知ってて吸ってんだよ!」

照「何言ってるの? 信じられない....え? みんな知ってて?」ミワタシー

智葉「まぁテッカリ持ち歩いてるくらいだからな。気分転換にたまに吸うが」

花子「あたしはもう卒業したぜ」ヘヘン

由子「やめなさいって言ってはいるのよー? 馬の耳に念仏ねー」ヤレヤレ


照「菫、サッチ、タバコとマッチ出して。今すぐ出しなさいっ」

菫「もうサッチのテッカリしかねーよ」ホレ

智葉「.....」マイセン

照「二度と持ち込まないで。これは麻雀に必要ない。わかった?」

菫「なんなんだよ」

照「返事はハイッ」バンッ

智・菫「はい」

由子「おお~♪」パチパチパチ

花子「やるじゃん照」ヒュー♪







下校


ザーザー

智葉「本降りかい」カサナイシ

菫「お、一人か? ハナと照は?」

智葉「置いて行かれた」

菫「ざまぁwww」バサッ

智葉「おい」

菫「なんだよ?」

智葉「入れてくれ」

菫「方向違うだろーが。ヤだよ」

智葉「うちまで来てから帰ればいいだろ」

菫「何様なんだっつーの。こちとらサッチんところの組員じゃねーんだぞ」


智葉「」スッ

菫「あっ、テメ.....ったくよー、貸しだからな」

智葉「買い置きのモク全部くれてやる」

菫「宮永大先生から禁煙命令が出てるんだが?」

智葉「私は1日1本吸うか吸わないかだから苦労しやしないよ」

菫「こっちは2日で1箱だよ、もうすでに辛いっつーの」

智葉「親にバレてビンタ喰らう事もなくなるじゃないか」カンシャシトケ

菫「ありがたくて涙が出るね」マジデ

智葉「それにしても、だ」

菫「ん?」

智葉「照はとんでもなく強いな。連荘止めるのに必死で、とてもじゃないがまともに打てなかったよ」


菫「あー、止めてたのサッチだけだったしな」

智葉「いや、ユッコのアシストには随分助けられた」

菫「でもまぁ、麻雀部で麻雀が強いってのは問答無用で正義だよな」

智葉「だな。おかげてひとつ目標ができた」

菫「ほう、言ってみそ」

智葉「プロ云々の前に、先ずは照のライバルになってみせる」

菫「えらくご執心だなー」

智葉「おまえは何とも思わないのか?」

菫「正直、差がありすぎてピンとこないね。後ろから見ててもただただスゲーなってだけで」

智葉「おまえさんの性分ならその凄さに憧れたりもするだろう?」

菫「どうだろうな。ただ、私らがもう少しマシな相手にならないと、照のヤツもつまらないんじゃないかなとは思ったよ」


智葉「おい、凹むこと言うな」ヤメロ

菫「思っちまったんだからしょーがないだろ」

智葉「私は今でもちょっとはマシだ。お前が頑張れっ」

菫「大きなお世話だよっ、バカ」

ドンッ!!

菫「うわったった、のやろっ! 何しやがっ....」フリーズ

由子「バカはあんたよトリ頭....待っててって言ったでしょー?」ズブヌレー

菫「げっ、ユッコ.....わりぃ、サッチと話してたら忘れた」

由子「何? ここで信号待ちって、サッチ送ってくの?」

智葉「済まん。私が無理に頼んだ」


由子「サッチは悪くないのよー。悪いのはゴルゴとかゆーエアヘッドなのよー」

菫「さすがに言い過ぎではないでしょうか?」

由子「傘がないから一緒に帰ってねって言っておいたでしょー?」

菫「悪かった。踏んでくれて構わない」

由子「キモッ」

菫「素で返すのはやめてくれ」ココロガイタイ

智葉「言ってる間に全員ずぶ濡れだ」

由子「青よー。モスで雨宿りしてくわー」スタスタ

菫「酷い目に遭った」

智葉「ユッコを怒らせる度胸だけは認めてやる」







モスバーガー亀戸店


菫「席空いてるか?」

由子「がらがらよー」

智葉「ん? おい、ハナたちいるぞ」

菫「マジだ。おい、ハナー」

花子「あん? なんだみんな揃っちまったよ」

照「.......」

菫「まーだブンむくれか?」スワリー

照「ちがう。てゆーか何でそんなに濡れてるの?」ゴソゴソ

菫「外雨じゃん」


智葉「照、機嫌直せ。禁煙は守る」

照「当たり前。サッチはもっとちゃんとした人だと思ってたのに」ハイ タオル

智葉「そりゃ期待を裏切っちまって申し訳なかったね」サンクス フキフキ ホイパス

由子「照ちゃん、りんごパイみっつ!?」フキフキ ハイパス

菫「頼みすぎだろw」フキフキ アンガト

照「好きなんだもん」タオルシマイー

花子「よしっ、新生麻雀部、健康優良部員諸君、じゃんじゃん食ってくれ」ジマエデ

由子「照ちゃんの歓迎会も兼ねてねー♪」

菫「モスでかよ」シカモジマエッ

智葉「コークで乾杯か」

照「文化祭なにするか決めた?」


花子「交流試合行っちゃう?」

由子「お~っ、いけいけよー♪」

智葉「やるならキッチリ結果を出さないとな」

菫「負けそうになったら校舎裏でシメちゃえばいいしな」

照「こらっ」

ドッ wwww

菫「でも実際、他三校当たるとしてどの辺になりそうだ?」

花子「まぁ近間でいって、そこそこの所だと七中とか西中辺りか? 後は北砂とか」

由子「地方はナシよねー」

智葉「無茶ゆーな」


由子「修学旅行で四国行ったでしょー。あの時、自由行動中に大生院の娘たちと仲良くなったのよー」

菫「あー、なんか言ってたな。インハイに出てた高校生とも会ったんだろ?」

智葉「戒能良子か?」

照「知ってる。凄く強い人だよね」

花子「大生院は中学も全国クラスじゃん。そんなの呼ぶの幾らかかるんだっつーの」

由子「分かってるのよー。言ってみただけよー」

菫「そーいえば照は修学旅行どこだった?」

照「どこも」

花子「? DoCoMo?」

照「前の学校は9月に修学旅行で、ここに来たら6月に終わってたから」

智葉「そいつはまたツキがないというか何と言うか」


由子「おーまいがーっ! なのよー!! 3年間で最大のイベントを知らずして卒業ではできないのよー!」ガタッ

照「」ビックリ

菫「いきなり立つなよ」

花子「ミーの背後に立つなってかw?」

菫「黙ってろ」キッ

由子「文化祭がどーとか以前にっ、みんなで照ちゃんの修学旅行に行くっ! 決まりよー」ストン

照「え?」

智葉「出し抜けに何を言い出すやら....」

菫「第一そんな金ねーし」

由子「部費でっ!」

花子「ムリムリ、お題目ねーし」

由子「そこを何とかするのが部長の仕事でしょー」

花子「んだよそれ、初耳すぎんよ~」


照「わ、私はいいよ」

智葉「ユッコはこうなると聞かないからね。あとはハナの頑張り次第だね」

花子「おまっ、無茶振りすぎだっての!」

菫「部費で行けるならいーや。どこ行くか?」

花子「をいっ」

由子「定番なら京都奈良ねー」

花子「むりむりっ」

智葉「諦めろ」

由子「ハナが照ちゃん連れて来たんでしょっ、ちゃんと責任持つのよ~」

花子「え~~........。んじゃまー、一応顧問に話してみっけど、あんま期待すんなよー?」

菫「ハナの口八丁なら何とでもなるだろ」

照「無理しなくてもいいのに」

智葉「話すだけならタダだ。かまやしないよ」

由子「きっと上手い方に転がるのよー♪」







翌週


ガラッ

菫「おっす。お? 何見てるんだ?」

由子「全中西日本大会よー」

智葉「先週やったやつの録画だけどな。日曜は団体戦流してたぞ、見てないのか?」

菫「あー、ちょっと用事で忙しかったからチラ観だったな」

ガラッ

照「わっ、入口で立ち止まらないで」

菫「お、わりぃ。そーいや、決勝まで行ってた九州のあれ、何だっけ? 個人戦でも有望なんだろ?」

智葉「佐賀の生立ヶ里中か? 白水は勝ち上がったが準決で鶴田は惜敗だったな」

照「あの二人は去年のインターミドルでも活躍してた」


ガラッ

花子「うぃーっす。お、揃ってんな。何だ試合見てんのか?」

智葉「決勝始まった所だ。やっぱり注目は白水だね。昨日の予選アベレージもトップクラスだと言ってた」

照「強いね」

花子「インターミドルチャンプの照としてはどの辺注目だ?」

照「やっぱり生立ヶ里の白水さんかな」

菫「予選アベレージだと南住吉の愛宕ってヤツの方がちょい上だが?」

照「うーん、でも白水さん勝負強い人だから」

由子「阿太峯の小走って娘もなかなか打てるみたいよー」

花子「寝屋川三中の荒川は唯一2年生なんだな」

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由子「照ちゃん一押しの白水さんが頭一つ抜けてるわねー。後半戦もこのまま行くかしらー?」

菫「でも全体的にパッとしない和了りが多くないか?」

花子「もっとこう派手な和了りが見たいよなー」

智葉「点数的には小刻みな和了りだが、前半戦はその積み重ねで白水が抜け出した形になったな」

照「小さな和了りは警戒し合ってる結果。三色や一通すら出ていないし、最後まで読みの勝負になるかも」

智葉「なるほどな。ただ、後半は均衡を破りたいってのと白水を捲りたいのとで、誰かしら仕掛けてくるだろうね」

照「来るとしたら多分、愛宕さん辺り」

菫「何で判る?」

智葉「愛宕は前半南二局辺りから高い手を狙っては直撃回避や速さとの兼ね合いで崩す感じで来てるだろう」

花子「良く見てるねー。ま、次の東三で白水の連荘だけは阻止したいとこだし、この親番で来そうだよなー」


由子「愛宕さん、下の三色狙いねー。南自摸れば全帯で親満コースよー」

照「張った」

菫「ダマかよ」

智葉「そりゃダマだろ。この読み合いなら下手に手の内見せる必要もない」

花子「でもこの展開で親リーなら足止め効果抜群じゃねーの?」

由子「まあまあ考え所やねー」

菫「おい、対面からリーチ入っちまったぞ?」

照「小走りさん凄い。役なしで苦しいのに受けを広く打ち回して親の聴牌気配にノミ手のリーチ。このチェックは厳しい」

由子「ノミ手を匂わせない抑えたオーラが良い味出してるのよー」

菫「! 来たっ」

花子「うっは、親から一発で出和了った。しかもウラいち」

照「鮮やか」


智葉「親で好手なら当然勝負の局面だが、ダマなのにノータイムの強攻は軽率だったな。愛宕はこれで相当苦しくなった」

由子「逆に小走さんはこのまま乗って来れば2位の荒川さんを捲るのはそんなに難しくはなさそうなのよー」

菫「ところでハナ」

花子「あん?」

菫「照の修学旅行の件どうなった?」

由子「! そーよー、どーなってるのよー?」

花子「いやいやいや、無理だって。いや顧問には話したぜ? でもさすがになぁ、苦笑いで済まされた」ムリッ

菫「そっか、まぁダメ元で振った話だしな」

照「いいよ、もう。気持ちだけで嬉しいし、ありがとね」

智葉「まぁ待て。そう結論を急ぐな。どーせそんなこったろーと思って」バサッ


由子「? 東京見物のしおり」

菫「サッチが作ったのか、これ?」

智葉「まぁな////」

花子「へー、どれどれ.....ほうほう、良くできてんじゃん」

智葉「照は長野出身だし、都内の名所史跡なんてほとんど知らないだろう?」

照「うん、東京タワーとお台場に行ったくらい」

由子「今流行のはとバス観光みたいなアイデアでいーじゃないのよー♪」

菫「都内の移動なら大して金もかからないしな」

花子「これなら顧問にもう一度交渉できるぜ」

由子「誰かの家にお泊りできればパジャマパーティ―とかして修学旅行っぽくなるのよー♪」

智葉「泊まりか、うちは婆様と二人っきりだし、泊まれなくもないが」


花子「それ頂き! しおりだと部室泊になってるが許可とか面倒そうだし、そっちで行こうぜ。職員室行ってくるっ!」ガラッ

菫「サッチにしては良い仕事だったな。どーよ照?」

照「あ、ありがとう。嬉しい////」

智葉「これなら部費が下りなくても自費で賄えるし、悪くないアイデアかと思ってね」

由子「さすがサッチはできる娘なのよー」

智葉「ふっ、そうだろうそうだろう」フフン

照「天狗になってる」カワイイ



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パット ネッラッイッウッチー♪

ギャハハハ

ウルサイッ

智葉「まぁあの修学旅行も懐かしい話になったね」

照「そうだね。楽しかった。スカイツリーの展望回廊。今でも忘れられない」

智葉「マジックアワーだったね。照に高所恐怖症の気があるのを知ったのもあの時だ」

照「下が見られなくってね。そしたらサッチが手を繋いでくれたんだよ」ウレシカッタ

智葉「そんな事もあったかね///」

照「あったよ~。だからずっと覚えてるの。あんなに綺麗な黄昏は見た事ないって」

智葉「最初は混むからやめようかと思ったんだけどね。あそこをコースに入れておいたのは正解だったよ」


菫「何だよ二人とも、歌わないのか?」

花子「おー、なんだなんだ。昔話に花咲かせてんのかー?」

由子「修学旅行の話してたでしょー?」

照「スカイツリーの後みんなでカラオケ行ったよね。私カラオケBOXなんてあれが初めてだった」

花子「で、サッチのド演歌とユッコのド音痴を聞かされたとw」

由子「黙りなさいよ~」ムー

菫「あの時の照は鳩が豆鉄砲喰らったような顔してたもんなw」

照「正直驚いた」

由子「んも~~っ!!」


照「でも、あの後は本当にあっという間だったよね」

花子「だな。文化祭過ぎたら受験モード一色になって」

由子「初詣でもう一度浅草寺に行ったわよねー」

菫「あの時はサッチが珍しく風邪引いてたよな」

智葉「年末年始の時代劇を片っ端から見てたら調子悪くなった」

照「そんな理由w」

花子「で、サッチが臨海で、照と菫が白糸台か。ユッコもこっちの学校受かってたのに大変だったよな」

菫「そうそう、合格した後に親御さんの大阪赴任が決まっちゃってな」

由子「それでいきなり大阪連れて行かれて姫松で編入試験受けさせられたのよー」


花子「結局、菫は照の後を追っかけて行ったよな」

菫「結局って何だよ」

智葉「私が前に言った通り、照の強さに憧れてたんだろ?」

照「そうなの?」チラッ

菫「.....まぁ、今更否定はしないけどな。でもそれはサッチだって同じだろ」

照「そうなの?」チラッ

智葉「私はライバルになりたいって気持ちの方が強かったし、臨海へ行って正解だったと思ってるよ」

花子「そんじゃあ、今年の夏はその辺も含めて総決算の夏ってわけだな!」

由子「ところがどっこい優勝は我が姫松がさらって行くのよー♪」

菫「いやいや、キッチリ三連覇させて貰うぞ」

智葉「そうは問屋が卸さないって話でね」

照「がんばる」


花子「チャンピオンの一言がしょぼいんだがw」

照「しょ、しょぼくないっ////」

由子「これはもう頂きやね♪」

智葉「まぁがんばれ」ポンポン

花子「がんばれよっ」ペシ

由子「がんばってー」ナデナデ

菫「がんば」トン

照「ちょ、菫まで!? もーーっ!!////////」バカバカッ

ドッ wwww





カン!









おしまいです。またいつか




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