キョン「涼宮ハルヒのちょっぴり怖い怪談」(547)

「メり―ー―ーさん」










キョン「ん?」

妹「たぶんキョン君宛てだと思うよ?」

キョン「なんだろ、身に覚えがないな」

キョン「ん? んだこれ」

中身は四肢のない人形であった。
可愛らしい顔をしているが胴体と頭しかない。

キョン「なんだ……」

キョン「……ん?手紙か…? これ……」

手紙が同封されていた。
なんだか気味が悪い。

キョン「……」

俺は警戒しながらも封を解く。

キョン「……」

キョン「はっ、ハルヒ達か?」


このぉ入形は大切な宝物なの
だからあなたに足と手を集めてほしぃの

一週間で集めれなかったら私が足りない分あなたの手足を持ってかえるね

                                                 
                                              メりー


キョン「バカにしてんのか」

俺はその人形と手紙を箱に押し入れた。

キョン「俺じゃなかったみたいだ、ほれおまえにやるよ」

妹「え? いいのっ! やったぁ!」



――――――――
キョン「おい、ハルヒ」

ハルヒ「ん? なによ」

キョン「あんな手のこんだイタズラやめろよ」

ハルヒ「え?」

キョン「シラをきりとおすのか?」

ハルヒ「え? いや、なんのことっ?」

キョン「……」

キョン「もういいよ……」

ハルヒ「な、なんであんたにため息つかれなきゃなんないの!」

キョン「あ~ごめんごめん」




この時まだ気にしていなかった。
しかし四限目音楽の時間、俺はそのことを意識せざるを得なくなる。



キョン「ん?」

ハルヒ「あんたポケットになに入れてんの?」

キョン「なんだこれ」

谷口「うわ……」

ハルヒ「え…… なにその足…」

谷口「おまえまさか……」

キョン「ち、違う!! こんな足知らん!」

キョン「ハルヒ! お前がいれたんだろ!」

ハルヒ「な、なんであたしのせい!? あんたねぇ!」

先生「だまらっしゃい!!」バンッ

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン(畜生~ハルヒめ! なんで足の玩具を……! 悪趣味持ちだと思われるだろ)



――――――――
今日は学校で散々だった……。
変態扱いだけはごめんだ……。 

キョン(家に到着…っと。 ん?)

何気なくポストをみた。
偶然か運命か……。

キョン「なんだ? 手紙?」

キョン「……」

メリーさん、だと……。
いい加減にしてほしい。

キョン「はぁ……」

無視してもよかったがそれはあんまりだろう。
そう思い、俺は重たい体を玄関へ運んだ。



キョン「ただいま」

妹「おかえり~」

妹「キョン君、お人形さんがおかしいの」

キョン「は?」

キョン(ま~た変な仕掛けを……)

キョン「どうした?」

妹「テーブルに置いてたらね、たまにぴょんって!」

キョン「ぴょん?」

妹「飛び上がるの! 蛙みたいにぴょんって!」

キョン「……」

キョン「ちょっと見せてみろ」

妹「待ってて~!」タタタッ

妹「これっ」

キョン「ん」

キョン「……」

キョン「なあ」

妹「ん~?」

キョン「この人形の顔ってこんなに笑ってたか?」

妹「わかんな~い」

キョン「……」

キョン(えくぼなんてあったか? それとも気のせいか?)

キョン「……」ガサッ

俺は手紙を取り出した。
この人形の取り扱い説明書であることを期待しながら開ける。

キョン「……」


ありがとう
いたくないよ、みぎあしはいたくないよ
でもほかのところは  まだいたいよ
はやくして はやくして



キョン「……」

キョン「は……はっ」

妹「……?」

キョン「ちょっとそれ貸しといてくれ」

妹「いいよ」

キョン「少しの間だから」

妹「ううん、ずっと貸してあげる」

妹「そのお人形さん、怖いから……」

キョン「そ、そうか……」


妙な胸騒ぎだ。
ビビってんのか? ハルヒの思う壺だな。

キョン「……」

キョン「くっつくのか? 足……」

キョン「……」
キョン「……」

不気味な笑みを浮かべる人形に足を近づける。

キョン「……」ソーッ

ガチャ

キョン「……」

キョン「はまっ…… た……」

キョン「……」

キョン「……」ゾクッ!

キョン「……なん!」サッ

キョン「……」

確かに視界に入った。
カーテンの隙間から誰かが覗いていた。
誰かが…… 誰? ここ二階だぜ?
そこにベランダはないはず……。

――――――――
古泉「メリーさん?」

キョン「これなんだが」

古泉「……」

ハルヒ「本当に私じゃないわよ……?」

キョン「じ、じゃあ誰だよ……」

キョン「……」

古泉「怖いのは勘弁ですね……」

長門「メリーさんとは変死体で発見された少女の事」

キョン「……」

古泉「変… 死体?」

一家心中にも関わらず父親は娘をバラバラにしたという。
ふつうの一家心中では考えられない。

それから2年後、怪奇文章が警察に届いた。

長門「それは解読できないほどの怪奇文章」

殺害の経緯にはおぞましい状況が記されている。
少女は狂う父親から逃げ出し、近くのトンネルに逃げ込んだ。

そこは人がやっと二人入れるくらいの狭いトンネル。
入り口には金網があり、予め小さな穴があいていた。

少女は暗闇の中、そのトンネルに逃げ込んだ。

ハルヒ「……」

長門「しかし父親はその金網を破り」

長門「暗闇にも関わらず、少女の頭をカチ割った……」

キョン「お、おい… やめろ……」

長門「父親はその暗闇の中、少女をバラバラにした」

長門「後日、警察はその父親をトンネルで発見する」

キョン「……やめろって」

長門「父親の死体は……」

長門「四肢のない少女を抱いていたという―――――」

キョン「…やめろっ!」

ハルヒ「……わっ、びっくりした」ビクッ

キョン「はぁ… はぁ…」

ハルヒ「ど、どうしたの?」

古泉「あ、あの……」

長門「……」

キョン「あ…… す、すまん…」

長門「……」

キョン「いやっ、あんまり怖かったもんだからっ! ははっ、すまん」

朝比奈「ひ…わわ… ちょっと… 出ちゃ… いましたぁぁ…」

ハルヒ「え!? た、大変! 今すぐ処置よ」タタタッ

朝比奈「ひぃぃ……」

キョン「……」

キョン「すまん… 長門……」

長門「気にしていない」

キョン「はは……」



――――――――
キョン「……」

キョン「ああ……」


あれから4日。
長門のあの話が頭をループする……。
なんで…… くそっ……



ハルヒ「大丈夫? キョン」

キョン「ああ」

ハルヒ「あたし、力になるわよ? なんか困ってんの?」

キョン「いや… なんでもない…」



今日で一週間なんだが……。
どうなる…… 頼むから誰かのイタズラであってくれ。

――――――――
そして……


その時はやってきたのであった。



プルルルルル

キョン「……」ビクッ

キョン「なんだ… 電話か……」

ピッ

キョン「はい」

「……」

キョン「もしもし…… 誰?」

「私……  メりーさん……」

キョン「……」ゾクッ

キョン「え……?」


まるでジブリ作品のように毛がさかだつ。



「いま……  バス停にいるの……」

ブッ

キョン「……」

キョン「あ… あ……」




キョン「やべ… ぇ…」



来やがった… どうする… おい、ちょ… え…?
まじかよ… 冗談だろ?…  もし本当だったら…


プルルルルル…

キョン「……」ゾクッ

キョン「ああぁあ… やべぇ… どうする…」

プルルルルル


キョン「っ…… ああ… 畜生…」

ピッ

キョン「……」

「私…… メリーさん……」

キョン「……」

「今…… 自動 販 売機の隣   にいるの……」

ブッ

キョン「……」ブルブル

キョン「どこの…… 自販機…? は… は?…」

俺の頭が勝手に指令をだした。

逃げろ――――――――

ガチャ!

キョン「はぁ はぁ 」タタタッ




逃げろ逃げろ逃げろ逃げろッ!!
やばいまじやばい! 洒落にならん!!!


助けてくれ! 誰か!
誰か!  誰か……!


キョン「あ……」


長門――――――――



キョン「長門… 長門だ…  長門!」

キョン「長門に……!」ピポパ
プルルルルル



キョン「出ろっ!」



プルルルルル

ガチャ



キョン「な、長門っ! やばいん…」






「私…… メリーさん…   今…… びょういn……」




キョン「うああああ!!」ダッ

キョン「やべぇ… やべぇ…」タタタタッ



長門…… 頼む!
助けてくれ……!





キョン「はぁ… はぁ…」タタタッ

プルルルルル

キョン「う……」ビクッ

キョン「はぁ… も… もう勘弁してくれ……」

キョン「え…?」

キョン「な、長門からっ! 長門からだっ!」

ピッ

キョン「長門っ!」

長門「着信があったから。 なに?」

キョン「長門っ、助けてくれっ!」

長門「状況を」

キョン「メリーさんだよ! メリーさんが!」

長門「落ち着いて、把握した」

長門「今から、処置をほどこす」

キョン「ま、まじか! 助かるのか!?」

長門「助かる」

キョン「……」


俺としたことが… 涙がこみあげてくる。
嗚呼… 今なら長門の事好きになれる……。


キョン「ありがとう……」

長門「…あなt… aびゃj  から…」

キョン「長門?」

長門「き をザッjmm+つザッ けて」

キョン「え?」



私…  めりーさん……





キョン「え……」



うしろかr




今…   あなたの後ろにいるの……








え――――――――


”おとうちゃあああん!! いやあああああああ!!”



なんだ? 悲鳴が……





”いやあああああああああ!! お父ちゃああああああん!!” 






ドッ



キョン「うっ――――――――!」ザクッッッッ





なんだ… いてえ……  熱い… いたい…

キョン「……うっ」


視界がぼんやりしている…… どうなってんだ… ここ…




”痛い”

キョン「……?」


”痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い”

視界がはっきりしてくる……。
俺の至近距離から誰かが…… 長門?

違う… 誰だ―――――――


キョン「ひ……」

キョン「うわああああああああああああ!!」





――――――――
長門「起きた」

ハルヒ「えっ! 起きた!?」

キョン「……ん」

キョン「長門?」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「……なによ… わりと元気そうじゃない」

長門「あなたは道路に倒れていた」

キョン「道路に?」

キョン「……」ゾクッ

キョン「そんなはずない… 俺はみたんだ…」

ハルヒ「え? なにを?」

キョン「……」


オカッパ頭の女の子が……
目は潰れてて… 赤くて…
痛いって連呼してたのを……

ハルヒ「え……」

長門「……」

キョン「……」

長門「あの霊はあなたを違うと認識した」

キョン「え?」

長門「暗闇の中、殺されたその霊は自分を殺した人を知らない」

長門「探している、自分と同じ目にあわせる為に……」

キョン「……」

キョン「父親ってことを知らないのか……?」

長門「そう」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「なんか悲しい話ね……」

キョン「……」

キョン「……」

キョン「長門…… その子が殺されたトンネルは何処かわかるか?」

長門「わかる」

ハルヒ「え? なにするの?」

キョン「……」

長門「……」

長門「把握した」

ハルヒ「え? ちょっとっ」

ハルヒ「なに以心伝心しちゃってんのよっ、あたしもいれなさい!」

――――――――

――――――――

サッ

キョン「……」

キョン「ここでいいかな」

長門「線香の使用用途がわからない」

キョン「ああ、貸して」

ハルヒ「このトンネルなの……? ここであの子は……」

キョン「できるなら成仏させてやりたいが俺達が出来るのはこれくらいだ」


大きく引き裂かれた金網の前に花束を添えた。



キョン「……」

キョン「逃げたりしてすまなかったな……」

キョン「……」

ハルヒ「あの子来てるかしら」

キョン「……」



キョン「さて、帰るか」

ハルヒ「そうね、暗くなってきたし」

キョン「……」スタスタ

キョン「……」ピタッ

キョン「……ん?」

キョン(今、後ろに……)

ハルヒ「どうしたの?」

キョン「……」

キョン「いや…… なんでもない…」スタスタ

長門「……」

キョン「……はは」

キョン「まさかな……」スタスタ――――――――

――――――――

人形はいつの間にか消えていた。
どうやらその子からの疑いは晴れたらしい。


キョン「……」スタスタ

キョン(帰宅… っと)

キョン「……ん?」

キョン「手紙……?」


ポストに裸の手紙が突っ込んであった。



キョン「……」


キョン「あの子からか?」サッ


あの時とは違う気持ちで手紙を受け取れた。
なぜかはわからない。

そんな気がした。

メ「もしもし、わたしメリーよ、今駅に着いたところ」
またメリーからの電話。
私は既に、恐怖するというよりもあきれ果てていた。
メ「もしもし、わたしメリーよ、今マンションの前」
以前からの猛暑にイライラしていたのも手伝い、私は少し腹いせをすることにした。
メ「もしもし、わたしメリーよ、今マンションの2階よ」
私「は?何言うてんの?私がメリーだけど?」
メ「もしもし、わたしメリー…え?」
私「だから、私がメリーだって言ってんの!今アンタんトコの近くの駅に来てるよ!」
メ「ちょ…会いに行くのは私で…」
私「はぁー?ちょっと頭おかしいんじゃないの?メリーは私なんだけど、今アンタの家の近くに来てるんですけどー?」
メ「まってってば、ちょっと、ね?落ち着いて…私はメリーでいまアナタの後ろに」
私「しっつこい電話だね!私がメリーで、今アンタの後ろにたってんだけどー?おー!?」
メ「嘘よ、嘘よ!だって私がメリーだもん!」
私「アカン、この女○○ガイだ」
メ「私メリーだもん!キチ○○じゃないもん!!」
そういうと、メリーはワンワン泣き出した。

私は電話を置いて二時間ほど昼寝をして…
メリーの泣き声を思い出して大爆笑した。

キョン「……」

ごく簡単な内容だった。
いや、これは手紙じゃなくてメッセージカードか。


キョン「ふっ、どういたしまして」


お前もそこにいたのか
そんな気がしてたよ。

がんばって書いてくれてありがとう。








ありがとう とまちがっちゃってごめんね

                       めりー




「メり―ー―ーさん」 終わり 

次の日のある日、俺は午後になったあたりから体に妙な違和感を感じていた。
しかし霊感の「れ」の字もない俺は、体調でも崩したか程度に思っていた。
道行く人がたまに俺のほうを見てびっくりするあたり、顔色が非常によろしくないのかもしれない。
こういうときは酒を飲んで早く寝るに限る。
コンビニで引きつった顔の店員から酒を買い、その日は10時前には寝た。
翌朝、しっかり寝たはずだが体の違和感は消えていない。朝の準備を済ませた後でふと
昨日は携帯を朝かばんに入れたっきりで、一度も出さずに寝てしまったことを思い出し
あわててチェックしてみた。
・・・・・・・留守電12件、しまった、誰か緊急の用事でもあったのか、とりあえず再生せねば

「私メリーさん、今○○駅にいるの」
「私メリーさん、今○○大学の前にいるの」
「私メリーさん、今○○教室の前にいるの」
「私メリーさん、今あなたの後ろにいるの」
「私メリーさん、さっきからあなたの後ろにいるの」
「私メリーさん、あなたの後ろにいるんですけどー、もしもーし」
「もしもーし、メリーさんですよーいい加減気づいてくださーい」
「メリーです・・・取り憑いた人が鈍すぎるとです・・・めりーです・・・」
「うー、一日一回くらいは後ろ見るもんでしょ普通!」
「ほらほら、あのおじさんとかめっちゃ私のこと見てるよ」
「な、なんでうつ伏せで寝るの!いいかげんこっちみなさいよ・・・」
「えぅ・・・ぐすん・・・・メ、メリーです、この録音きいたらでいいので後ろみてください」
俺は背後の気配を確認すると、振り向かないで家を出て大学へ向かった。
その日俺の背後には、半べそかきながら後ろをついてくる少女がいたらしい。

「帰りは……」






ま~たハルヒの奴がむちゃな企画をたてた。
俺の夏休みを返せ。と言いたい。

――――――――

ハルヒ「肝だめしよ」

キョン「……」

朝比奈「……」

古泉「……」

長門「……」カタカタ

ハルヒ「なにシケてんのっ! 肝・試・しっ!」バンッ

キョン「……」

古泉「肝試しですか……」

ハルヒ「ふつうでしょ!? 夏は肝試しよ!」

キョン「ヤブカがうぜぇ」

ハルヒ「ゴールドスプレーふってきた?」

キョン「せめてポケモンでも虫よけスプレーにしとけ」




かくして我らSOS団は肝試しをしにある場所へ向かった。


ハルヒ「やっぱりスリルが肝心よ!」

キョン「どこだ? ここ」

朝比奈「暗いですううう……」

ハルヒ「今から向かう場所はマジで出るらしいわ」

キョン「……」



めりーさん事件で俺は霊の存在を認めざるを得なくなった。
だからこそ怖い……。

キョン「な… なにがでるんだ?」



ハルヒ「じゃ~ん!この札みて!」

キョン「……」

古泉「それを……?」

ハルヒ「今から寺に行って、この札を貼ってもらいます!!」

キョン「……」

キョン「ハルヒ、やめておこう…… バチが当たるぞ」

ハルヒ「なにキョン、びびってんの?」

キョン「は… はぁ? ビビってねぇし」

古泉「なるほど……」

キョン「あ? どうした?」

古泉「いえ、なにも……」

キョン「は? 気になるだろ、おい」

ハルヒ「さあ、肝心の構成よ」

ハルヒ「誰と組むか…… あたしはもう決めてるわ…」

キョン「……ん~そうだな~俺は…」

古泉「……僕も願わくば…」

朝比奈「わ わたしは絶対…」

ハルヒ&キョン&古泉&朝比奈「有「長「長門「長門さんですっ!」さん!」門っ!」希っ!」バッ

長門「……」ビクッ

ハルヒ「なによ… チキンなの? あんな」

キョン「お前が当事者だろう? 腹くくれや」

古泉「困りましたね…… 怖いの苦手で」

朝比奈「わ、私、長門さんじゃないと死んじゃいます!」

長門「……」

長門は俺の嫁な



――――――――

クジ引きとは不公平なもので……



ハルヒ「古泉君かぁ… 大丈夫なの?」

古泉「安全の保障はできません」

朝比奈「やったぁ~ 長門さん! 助かりましたぁ」

長門「……」


必然的に俺が……


キョン「待て待て~い!!」

ハルヒ「なによ」

キョン「なによ!? 俺の台詞だバカ!!」

キョン「一人で肝試しって…  お前、想像するだけで鳥肌が…」

ハルヒ「一組づつ行くわよ?」

古泉「じゃんけんですね」

キョン「おい… まじでこれで行くのか? 嘘だろ…」

ハルヒ「じゃーんけーん」

ハルヒ「ぽんっ」







一番:キョン
二番:長門&朝比奈
三番:ハルヒ&古泉


ハルヒ「行ってらっしゃい、はい懐中電灯」

キョン「……」ドヨーン

キョン(まじでハルヒは面白味に欠けるな)

キョン「あ゛~ 行きたくね~」

ハルヒ「いいから、行ってきて」



――――――――
林の中、しかも細い複雑な道だ。
この先に寺なんてあんのか?

キョン「うぅ……」


両サイドの林から今にもなにかが出てきそうだ……。

キョン「こええ……」

ガサッ

キョン「うボォア!!」

キョン「はぁ…はぁ…! あぁ? 猫か……」


ふざけんなよ…… 早く終わらせたい…


キョン「ああぁぁぁ……怖い……」

――――――――
結構歩いた。

物音に敏感になるな……。


キョン(めっちゃ遠くにきてるんだが寺なんてねーぞ)

キョン「あ゛~…… こっから戻るのも地獄だ…」

キョン「……」

キョン「ん?」


明るい……
寺か? いや…


キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「あら、早かったわね」

キョン「え? どういうことだ…?」

ハルヒ「ちゃんとお札貼った?」

キョン「寺なんかなかったぞ…?  てかなんで戻ってきたんだ……」

ハルヒ「え?」

ハルヒ「なに言ってんの?」

キョン「いやマジだって!」

ハルヒ「言い訳は通用しないわ、もっかい行ってきなさい」

キョン「じ、じゃあ長門達を行かせて、俺の言ってることが嘘だったら100回行ってきてやる」

ハルヒ「……」

ハルヒ「いい自信ね、あたしは事前に調べてんのに?」

キョン「は?」

ハルヒ「あたしは昼間にこの道で寺に着いたんだから」

キョン「……な」

ハルヒ「いいわ、有希達行ってきて」

ハルヒ「キョンはあと100回行きたいみたいだから」

長門「了解した」

朝比奈「こ、怖い……」

キョン「……」



――――――――
絶対おかしい
俺は方向オンチなのか?
いや、真逆に進むほどボケてはいない




じゃあなんで……





ハルヒ「キョンはその寺、なにか知ってる?」

キョン「さあな」

ハルヒ「その寺は、七五三のお祝いをする寺だったの」

ハルヒ「七つの子供にお札を貼らせるのが江戸時代のしきたりみたいなものだったらしいわ」

キョン「ほ~」

ハルヒとその寺の話をしていた時、

朝比奈「へ?」

ハルヒ「あら、おかえり」

キョン「寺はありました?」

長門「私たちは真っ直ぐ進んだ」 

ハルヒ「え? 寺は?」

長門「それらしいものはなかった」

キョン「ほら、見ろハルヒ! 俺の言うとおりだろ!」

ハルヒ「……」

ハルヒ「あっそ! じゃあ、あたしが直々に確かめてやるわっ!」 

ハルヒ「行くわよ、古泉君っ!」

古泉「心の準備が……」


スタスタスタ…

朝比奈「言っちゃいましたね……」



――――――――
ハルヒ「有希までふざけちゃって!」

古泉「あ、歩くの早すぎですよ…」

ハルヒ「古泉君、男なんだからっ!」

古泉「ご容赦願います……」

ハルヒ「……」

ハルヒ「古泉君が言うんならちょっとペースダウンしてあげる」

古泉「ありがとうございます、はは」

ハルヒ「狭いわね」

古泉「ええ」

古泉「まるで……」

ハルヒ「え?」

古泉「いえ… なんでも……」



――――――――
キョン「ああいう性格ですから」

朝比奈「素直になればいいのに」

キョン「一度言ったら退けないタイプですね」

長門「……」

長門「涼宮ハルヒの供述は真実」

キョン「え?」

長門「涼宮ハルヒは本当のことを言っている」

長門「しかし私達はそれに遭遇しなかった」

キョン「どういうことだ……?」

長門「不明、涼宮ハルヒの仕業ではない」

キョン「……」

キョン「それって……」

ハルヒ「え? あれ寺よね?」
古泉「寺……?」

ハルヒ「なによ! あるじゃないの!」

古泉「……」

ハルヒ「帰ったら1000回ね、それも一人づつ」

古泉「涼宮さん… 帰りましょう」

ハルヒ「後は貼るだけでしょ? 貼らせてよ」

古泉「だめです、戻りましょう」

ハルヒ「じゃあ貼ったらダッシュよっ」

古泉「貼ってはいけない!」

ハルヒ「…わっ!」

ペタ

古泉「……」

ハルヒ「び、びっくりするじゃない!」

古泉「ああ…… これは大変な事になりました」

ハルヒ「えっ? どういうこと?」

古泉「……」

ハルヒ「どうしたの?」

古泉「いえ、すみません。 まだ確信ではありません」

古泉「もときた道を戻りましょう」

ハルヒ「そ、そうよ。 帰るだけじゃない」

ハルヒ「パパッと帰りましょ? ねっ」タタタッ

古泉「はい…」





――――――――
キョン「ハルヒ達が戻って来れない?」

長門「その恐れがある」

キョン「……」

キョン「なんでだ? なんで……」

長門「涼宮ハルヒが寺を見つけ、札を納めた場合」







ハルヒ「なんで戻れないのよ……」

古泉「……」

ハルヒ「相当走ってるのに……」

古泉「……」

古泉「涼宮さん、とーりゃんせという歌はご存知ですか?」

ハルヒ「え? ま、まぁ」

古泉「歌ってみてください……」

ハルヒ「歌うの?」

古泉「はい……」
ハルヒ「あんまし覚えてないけど……」

ハルヒ「と~りゃんせ~ と~りゃんせ~」

ハルヒ「こ~こはど~この細道じゃ~ 天神さ~まの細道じゃ~」

ハルヒ「ちょーと通してくだしゃんせ~ ご用のない者……通させぬ~……」

ハルヒ「この子の七つのお祝いに~…… お札を納めにまいります~」

ハルヒ「行きはよいよい… 帰りは……」


”怖い”


ハルヒ「……!」ゾクッ

古泉「……いま」
ハルヒ「今の声… 古泉君?」

古泉「違います…… やばいですよ…これ…」

古泉「この歌は”児童虐待”を指してます」

ハルヒ「え……?」

江戸時代

使えない子供はすべて殺してしまうほどだったようです。
とーりゃんせとはこれを暗示した歌。



七つは才能の分かれ目。
ここで殺すか生かすか。


そう…… とーりゃんせとは子供を殺し、寺に死体を捨てる事を暗示している。




故に行きはよいよい帰りは怖い。




子供達がそれを許しますか……?


ハルヒ「……」

古泉「今、僕すごいビビってますよ」

ハルヒ「……」ゾクッ

――――――――
長門「……危険」

キョン「え? どうした」

長門「私達の入り口と涼宮ハルヒの出口に迷宮が生じた」

キョン「…やばいのか?」

長門「時空で考えるといい」

長門「あくまで例え、私達の時空と涼宮ハルヒの時空が異なった」

キョン「帰って… これないのか?」

長門「現段階で帰還は不可能」

キョン「……」

朝比奈「……」




キョン「なんだって……?」




「帰りは……」前編 終わり

ちょっと寝させてください
ごめん おやすみ

「帰りは……」 後編










キョン「な……」

長門「涼宮ハルヒはこの世界にいない」

朝比奈「ど、どういうことですかぁ……」

長門「閉鎖空間は生じていない、非科学的な世界へ」

キョン「あの世か……?」

長門「……」

朝比奈「ひぇぇ… あ…あの世ぉ……?」

ハルヒ「こ、古泉君」

古泉「どうしますか……」

ハルヒ「どうしたもこうしたも… 帰りたいんだけど」

古泉「こんなに歩いているのに出口が見つからないんですよ……?」

古泉「ここでなにか出てきたら……」

ハルヒ「や、やめてよ!」

古泉「寺に戻ってきましたね……」

ハルヒ「え? …なんで」

古泉「……」

古泉「涼宮さん……」

ハルヒ「え? なに…?」

古泉「……」

ハルヒ「な… なに?」

古泉「あそこ……」

ハルヒ「え…? どこっ…」

ハルヒ「……」ゾクッ

古泉「あの寺…… 開いてませんでしたよね……」

ハルヒ「えっ… なんで開いてんの……?」

古泉「……」ブルッ

古泉「なに者かが……  開けた… あるいは」

ハルヒ「……」

古泉「出てきた……」

ハルヒ「ち、ちょっと! ここ…これ以上ふざけたら怒るわよっ」

古泉「ですが…… そうとしか……」

古泉ハルヒかよ

古泉「……も、戻りましょう」

ハルヒ「そ、そうね……」

ハルヒ「なにかの拍子で開いたに違いないわよ……」

古泉「でしょうね……」スタスタ


カラン…



古泉&ハルヒ「……」ピタッ


後ろから鈴の音……?


古泉「す… 涼宮さん… 走りましょう……」

ハルヒ「な…な… なに…? 鈴…?」


カランカラン…


古泉「は、走ります… はやく…」

ハルヒ「そんな… 足が動かない……」ブルブル

その音は静かに…… 確実に近づいてきている…… 

古泉「す、涼宮さんっ、ははははやくっ」

ハルヒ「…あ… ぁ…」ブルブル

カラン…  カ…ラン…

古泉「……」

止まった……?

ハルヒ「はぁ… はぁ…」

古泉「……」

と思ったのが間違いだった――――――――


カッ…… カランカランカラン!


古泉&ハルヒ「……!」

古泉「走って!!」ギュッ

ハルヒ「きゃああああ!」ダッ




”後ろを見てはいけない”


何故か、僕はそう感じた。
見てしまったら…… 帰れなくなる。 


二度と帰れなくなる。


古泉「後ろを見てはいけませんっ!」

ハルヒ「ど~なんてんのよっ!!」タタタッ

古泉「とにかく走って!!」



なにも考えずひたすら走った。
ループしてることも忘れて。



――――――――
キョン「三途の川?」

長門「そう、この道は三途の川と同じ性質を持つ」



三途の川には必ず役所があり、そこで天国か地獄か判決が下される。
前世で罪を犯した人は番人が自ら地獄へつれていく。


キョン「は、ハルヒ達は死ぬのか!?」

長門「わからない」


あくまで今のは例え。
三途の川での話。

長門「だからわからない」

キョン「……」

キョン「そんな……」



古泉「はぁ…… はぁ……!」タタタッ

ハルヒ「はぁ…  なんなのよ……もう…」

古泉「……!」ビクッ

ハルヒ「あぅ……」ドン

古泉「……あれは……」

カラン…

古泉「今度は前から……」

古泉「……」グイッ

ハルヒ「いたっ……」

ハルヒ「な、なんで戻ってんのっ…ねぇ!…」タタタッ

古泉「……はぁ… はぁ…」タタタッ


暗闇に浮かぶその姿は……
江戸時代の子供の恐怖を具現化したもの。 

”鬼”であった

生け贄か…… 僕たちは……

古泉「……っ」

ハルヒ「も… もう限界……」

古泉「……」


追っかけて来ない。
今なら大丈夫か……。


涼宮さんには今のうちに……

古泉「涼宮さん、この話は落ち着いて聞いてください」

ハルヒ「え?」

古泉(あなたに賭けます……)

古泉「通りゃんせの2番はご存知ですか?」

ハルヒ「え? し、知らないっ。 なんで?」

古泉「よかった…… 通りゃんせとは……」



ゴゴゴゴ…


古泉「……!」

ハルヒ「え! なななに?」

古泉(鬼門が開く…… このままでは……!)

古泉「涼宮さんっ!」

ハルヒ「わっ」

古泉「このままだと僕たちは帰れません!」

ハルヒ「えっ……?」

古泉「通りゃんせの一番と二番は歌詞が違うだけで意味は同じなんです」

ハルヒ「ど、どういうことっ?」

古泉「結論から言えば、あの札を貼ったことで僕達は生け贄と認識された……」

ハルヒ「生け贄……?」ゾクッ

古泉「このままでは帰れません!」

ハルヒ「そ… そんな……」

古泉「……」

ハルヒ「そんなの……」

ハルヒ「そんなのいやよ! なんであたしが生け贄に!」

古泉「――――――――」



希望の光が見えた。

ハルヒ「死ぬなんてまだはやいわよ! 古泉君!」

古泉「あ、はい?」

ハルヒ「なにボーッとしてんの! はやく帰るわよ!」グイッ

古泉「あ… はい」タタタ




これは……

いやまさかそれは考えられない……



ハルヒ「絶対出口はあるわ! ないはずない!」タタタ

古泉「……」タタタッ





微かに差し込んだ光…… 信じがたいことにその光が強くなっていく。


涼宮さんは霊界にまで閉鎖空間を創り出した――――――――


閉鎖空間と霊界が反発し合い、中和していく……。


これはまさか……


ハルヒ「あっ! あれそうじゃない!?」

古泉「……!」



現世に還れた――――――――

ま さ か

キョン「ハルヒ!」

ハルヒ「ほら、古泉君! すぐ帰れたじゃない!」

長門「……」

朝比奈「ふぇぇ… よかったぁぁ…」

古泉「……」



霊界に劣らない閉鎖空間?
霊界の強さとは人間が想像し得ない力らしい。


宇宙の神秘に並ぶその力と同等の閉鎖空間を……

ハルヒ「寺あったじゃない! 約束は守ってもらうわ」

キョン「はいはいおまえにはお手上げだよ……」

長門「……」

長門(このことは統合思念体に報告しない、極秘とする)

長門(思念体はエラーとして処分するだろうから)

致命的なインターフェースエラーです

――――――――


未だに信じられない。


涼宮さんの秘められた力はとてつもないものだった。




ハルヒ「こいずみ君~」

古泉「はい、なんでしょう」

ハルヒ「調べてもでないわよ?」

古泉「え?」

ハルヒ「通りゃんせの二番よ」

ハルヒ「質問しても、そんなのありません^^ って」

古泉「ふふ、気になったんですか?」

ハルヒ「そりゃ気になるわよ」

古泉「あまり知名度はありませんからね」

ハルヒ「もう古泉君教えてよ、眠れないじゃない」

ハルヒ「恐がってるのに全っっっっぜん励ましてくれないどころか
    不安を煽ってくるから帰りたくなっっちゃったのよ。古泉くん?

     っていうかなんでキョンとじゃないの?キョン?あなた
     雑用兼平団員なんだからダンチョーに付き添うのは
     当たり前じゃないの?てっきりキョンと行く羽目になると
     思ってたのに?ねえ?なーんでよりにもよってボーっとして
     頼りなさそうな有希と行こうとするの?この四人なら一番頼れそうなの
     あたしじゃない?ねえ?キョン?ああ、もしかして有希の
     こと好きなんだ?守ってあげたくなっちゃった?男心を
     くすぐられた?ねえ?でもそれならみくるちゃん選ぶわよね?
     キョン?ねえ、なんでよ?なんで?なん

キョン「恐かったか?」

ハルヒ「うん」     

古泉「いいですよ」

ハルヒ「さ、歌って」

古泉「それは勘弁、恥ずかしいです」

ハルヒ「別に恥ずかしくないわよ?」

古泉「紙に書いて渡しましょう」

ハルヒ「あ、じゃあお願~い。 次、キョンちょっと来て~」

古泉「ふふ」




涼宮さんはお化けと友達になれそうですね。

確率論も哲学も通じないようで。

ハルヒ「なるほどね、こういう裏設定があったの」

彼女はのんきそう口にした。
命が危なかったというのに……

まあ、命の恩人であることに変わりはないですけどね。

ハルヒ「ふふっ、また遊びにいこうかしらっ」

ハルヒ「今日は解~散! お疲れ~」



また遊びにいくなんて言わないでくださいよ……
怖いのは勘弁。 歌が聞こえてきそうです。



と~りゃんせ~ と~りゃんせ~
こ~こは冥府の細道じゃ~
鬼神様の細道じゃ~
ちゃーと通してくだしゃんせ~ 贄~のない者とおしゃせぬ~
この子の七つのお祝いに~ 供養を頼みに参ります~

生きはよいよい 還りは怖い~

怖いながらもとーりゃんせ~ と~… りゃんせ~……


「帰りは……」 後半  終わり

お付き合いありがとう。
続きをみたい方保守してくれるとありがたい。
12時頃、戻ってきます

風呂いってくる

ハルヒ「さ、キョンの番よ!ま、私は全然恐くなかったわ!恐くなさすぎでつまらないくらいよ!
     もうちょっと良い場所に決めればよかったかしら!うかつだったわ!」

キョン「行くよ、わかったから俺の腕にしがみつくのはよせ」

古泉「ふっ・・・その割には怯えていたような気がしますが・・・」
ハルヒ「あぁっ!古泉くん、それは勘違いというやつよ!

     そうね、変なやつが出てきたらとっちめてやろうと思って
     武者震いしてたの。ほんとよ!」
キョン「わかったから早く離れろ、腕が痛い。身の危険を―」

ハルヒ「何?アンタ信じてないわけ?わ、わかったわ、もう一回行くわよ
     キョン、ついてきなさい!」
キョン「いや、俺最初にいったろ」
ハルヒ「そ、そうだったかしら?まあいいじゃない!減るもんじゃないし!」
キョン「わかったよ、行くよ、わかったから」

ハルヒ「いくわよー!なんか出てきてもぶっとばしてやるわ!」
キョン「歩きづらい」

女子に腕をつかまれて肝試し――なんてのは実に学生青春ドラマ的で、俺だって
そんな生活を夢に見なかったかと言うと嘘になる。いや、実際そう思っていた。

俺は今しがたその夢をまさに実現させている最中なわけなのだが・・・・
ちぃーっとも楽しくない。どーしたことだろう。

ハルヒ「・・・ね、ねぇ、キ、キョン」
キョン「お前寒いのか?」
ハルヒ「え、ええ、ちょっとね・・・・幽霊の存在、信じる?」
キョン「さあな、居るかも知れないな(何しろ宇宙人や未来人が居るんだからな)」
ハルヒ「よ、妖怪は?」
キョン「似たようなもんじゃないか、居てもおかしくは・・・ない」
――――――――――――――――――――――――――――――――
朝比奈「二人とも大丈夫かな・・・」
古泉「彼、余計なこと言ってなければいいのですが」
長門「前科がある」
古泉「確かに」
朝比奈「もげー」

「ま~・ま~」












夏休みが終わり新学期に突入。
あっとゆーまに明日はシルバーウィークか。

親からじいちゃんのいえに顔だしにいけといわれノコノコと向かってる最中だ。
もちろん妹と一緒にな、別にイヤではないから構わない。


キョン「あ、久しぶり」

じい「おっ、来たか。」

じい「上がってていいぞ」

キョン「え? じいちゃん家そっちだろ?」

じい「借りたんだよ、うちは白アリで壊滅状態だからな」

妹「へ~、新しい家~?」

ばあ「あら、いらっしゃい」

キョン「家、借りたんだ」

ばあ「こっちもボロいけどねぇ、崩れて生き埋めになるよかましだよ」

キョン「はは」

白アリってそんなに強いのか?
家を崩すほど強ええのかよ。

ま~ ま~

キョン「ん?」

妹「あ~! 猫だ~!」

後ろについた片手に猫がじゃれてきた。

キョン「え? 猫?」

ばあ「あ、その子はもらいものでね、まーっていうんだよ」

ばあ「名前は鳴き声に由来したんだけどね」

キョン「へ~」

ま~、ねぇ。

キョン「……」

妹「キョン君みて~、かわい~」

猫「ま~、ま~ぁ」ゴロン

キョン「……」





なんだこの嫌悪感は。
ただの猫だろ? 




バア「はい、すいか」

キョン「あ、ありがとう」

ばあ「その子はすごい寂しがり屋でね」

ばあ「寝てても布団の中に入ってきて鳴くんだよ」

キョン「なつっこい猫だな」

――――――――
あれこれ話すうちにもう暗くなってきた。

キョン「前の家主はどんな人?」

じい「俺もよく知らんのだがお婆さんだったらしい」

キョン「へ~」

じい「心臓麻痺で亡くなられたそうだ」

妹「このさとうきびおいし~!」

キョン「とうもろこしだろ? 牛じゃないんだから」

ま~ ま~

じい「ま~、おいで」

猫「……」ジーッ

猫「……」プイッ

ばあ「あらら」

じい「はは、ま~はじゃれる時とプライベートを区別してるんだよ」

キョン(猫にプライベートもクソもないだろ)

キョン「……」



――――――――
ばあ「雨が強くなってきたね」

ザーッ

キョン「俺、風呂入ってきていいかな」

おば「いいよ」

妹「あたしも~」トテトテ

キョン「お前はじいちゃんかばあちゃんかどちらかと入りなさい」

妹「わかった~」

キョン「……」

キョン(こんな事を言ってくるのがあともう少しなんだと思うとなにか惜しい)

キョン「……」ギイ

キョン「お~、思っていたより綺麗だな」


カビだらけなイメージがあったんだが案外綺麗。
うちより綺麗じゃないか?



チャポンッ

キョン「ふ~っ」


まん丸の浴槽なんて初めて浸かった。
田舎独特の雰囲気が味わえるシルバーウィークになりそうだ。


キョン「……」バチャバチャ



ま~  ま~




キョン「……」

キョン(外からま~の鳴き声がするな)

ま~ ま~




キョン(雨降ってんのによく外にいれるな……)



ま~ ま~

キョン「……」


猫の鳴き声と雨音に耳を澄ましてみる。
これもまた価値あるもんだ。

今ままでの人生を振り返るいい機会かもしれん。


……


キョン「……」

キョン(鳴きやんだな……)



――――――――
キョン「お先しました」スタスタ

ばあ「どうでしたか? 湯加減は」

キョン「最高だったよ」

ばあ「それはよかった」

妹「ばあちゃん~ はいろ~」グイグイ

ばあ「じゃあ入ろうかね」

妹「O・F・R~♪ ラヴラヴ~」

キョン(TVなにかやってるかな)ピッ

キョン「……」

キョン「大したのやってね~な……」

ま~ ま~

キョン「ん? ま~……」

キョン(え……?)

キョン「……」


ま~ ま~


キョン「……」

キョン「じいちゃん… ま~ってずっとここいた?」

じい「ああ、ずっと俺の隣にいたよ」

キョン「……」

キョン(じゃあ風呂場で聞いた鳴き声は別の猫……?)

キョン(いや、でもま~って鳴く奴そういないぞ……)

キョン「……」

ま~ ま~ぁ

キョン「……」

キョン(深く考えるのはやめよう……)



――――――――
キョン「布団、俺が敷いたのに」

ばあ「お客さんに敷かせるわけにはいかないよ」

キョン「ごめん……」

妹「キョン君の隣で寝る~」

キョン「この部屋は俺とこいつだけ?」

ばあ「私らは朝早いからね、多分もの音で目が覚めるよ」

キョン「ああ……」

ばあ「じゃ、おやすみ~」

妹「おやすみ~」

キョン「おやすみ~」

バタン

妹「わくわくするね~、天井が違から」

キョン「お前、天井にこだわるのか……」

キョン(今日は寝よう…… 朝、早く起きて手伝いでもするか)

――――――――
ザーッ


キョン(雨が強いな……)

妹「……すーっ」zzz

キョン(かわいい寝息と雨の音が耳に……)


キョン「うおっ…… なんだ…」

モゾモゾ

キョン「…あ… ま~か?」

キョン(ばあちゃんが言ってたな、寂しがり屋だって)


今時めずらしいよ、こんな猫。
生活が充実しすぎてんだな。


キョン「……」

ま~ ま~

キョン「……」ゾクッ

キョン(え?)


窓の外からま~の鳴き声……?


ま~ ま~

キョン「……」

キョン(ま~はここにいる…… なんで外から……)


キョン「……」ゾクッ


ま~ ま~


キョン「……」

キョン(野良猫だろ…… 野良猫としか考えられない…)

ま~ ま~

キョン(それにしても珍しい奴が多いな……)

ま~ ま~

キョン「……」

キョン「……」

ま~ ま~

キョン「……」


待てよ……  なんか……


ま~ ま~



これ……


赤ん坊…… 赤ん坊……?


ま~ ま~   


赤ん坊……に 聞こえなくもない……

キョン「そ… そうだよ…」

キョン「あ、赤ん坊なわけ…… ない……」







妹「ばぁ!」ドスッ

キョン「あ゛ぁっ!」

妹「起きて~」

キョン「うう……」

キョン「あ… 朝……?」


もう朝か……


キョン「あれ、ま~は?」

妹「え? ま~?」

妹「ま~はあっちだよ」

キョン「……」

キョン「……」

――――――――
親戚が集まっていた。
ガキどもが走り回る。

ドタドタ…

ガキ「わ~待て~」

キョン「……」


猫に勝てるわけないだろう。
俺も昔は追いかけたなぁ


ガキ「待て~」

ヒョイ

ガキ「あっ、逃げられたっ!」

ガキ「隙間に逃げられた~!」

キョン(隙間……?)

妹「どこ~?」

ガキ「ここ」



――――――――
親戚「ここのお婆さんは惜しかったなぁ」

ばあ「どんな人だったんですか?」

親戚「近所付き合いがよくて、とても優しいお婆さんだったんよ」

ばあ「そうなんですか」

親戚「それが心臓麻痺で亡くなられて……」

ばあ「……まあ」

親戚「そういえば一時期、神隠し事件もあったね」

ばあ「神隠し?」

親戚「お婆さんがいきなり姿を消した、と思いきやひょいと現れた」

ばあ「まあ」

親戚「神のいたずらにあったお婆さんとしても有名なんよ~」

ばあ「そうなんですか~」

キョン「……」

キョン(田舎って疲れるな……)



――――――――
ガキ「絶対、隠し部屋があるよ!」

妹「おおお、すごい! 隠し部屋!?」

ガキ「隠し部屋!」

妹「隠し部屋ぁ~!?」

ガキ「うんっ、隠し部屋!!」ピョンピョン

妹「かくしへや~っ!!」ピョンピョン

キョン(うるせ~~!!!)


キョン「……ったく」 

キョン「……」



昨晩のことが気になってならない。
あれは野良猫だよな……

最近の俺はオカルチックに……

――――――――
今日で宿泊も終わりか。
長かったような短かったような。

キョン「……」ジョーッ

キョン「ふぅー……」


ま~ ま~


キョン「ま~? トイレまで来たか」

ま~俺の足にじゃれてくる。
でも俺はすぐに気づいた。


そのま~はま~じゃない。

キョン「……」ビクッ

キョン「……」

足を掴まれた… ま~が掴む… んなわけない。

キョン「……」

全身から汗が吹き出す。

キョン「……」

小さな手は綱をのぼるように上昇していく。

キョン「……」ゾクッ

シャツを掴まれた。
その手は止まることなく……


キョン「あ… あぁ…」ブルブル

背筋が凍るとはこのことか。

その手は俺の肩に手をかけた。



キョン「――――――――!!!」ゾクゾクッ

キョン「……」


呼吸を忘れた。
肩にかけられた手の気配がない。

おそるおそる振り向いた。

キョン「……」

キョン「……」

キョン「……」




いない…… 誰もいない……。


キョン「はぁ…っ…! はぁ… はぁ…」


俺は力なく壁にもたれかかった。



キョン「……はぁ… はぁ…」ブルッ



ま~? 違うね……。
少なくとも俺が知っているま~じゃなかった。

小さな手から赤ん坊か……?


キョン「あ゛~…   こぇぇ……」

――――――――
あの出来事で俺は眠れなくなるだろう。
それが一番の恐怖であった。

妹「おやすみ~」

キョン「ああ……」

キョン「……」



なんなんだよまじで…… なんで最近こんな出来事が続くんだ?
すべてはメリーさんから始まった。

長門がいうにはこうだ。

――――――――

キョン「霊感?」

長門「霊と接触した際、かならず体がその感覚を覚える」

長門「霊感とはそれを指し、普段気づかないような霊の存在にも気づく」

キョン「……」

ま~と初めて会った時に感じた嫌悪感。
これも霊感か。

――――――――
ザーッ



昨晩と同様、雨が地面をたたく。
妹の寝息も……

いや、今日は静かだな。




モゾッ

キョン「……」ビクッ

キョン「あ… ま~か」


びっくりさせるなよ。
ただでさえ心臓が爆発しそうな状態なのに。

ま~ ま~

布団の中から聞こえる鳴き声。
ああ、これはま~だな。

キョン「よしよし」ナデナデ

キョン「……」




え?






ち、違う……








ま~ ま~






これはま~じゃない――――――――!




最大の鳥肌が全身をかけ巡る。







ま~  ま~







キョン「……」ゾクッ

キョン「……」ビキン



追い打ちをかけたのが”金縛り”
過呼吸状態になり体は硬直。


キョン「はっ…  はっ…」

じわじわとのぼりつめるソイツに俺はなにもすることができない。



キョン(うああああ!! やめてくれやめてくれやめてくれ!!)



堅い体が胸を通過し…… 布団から小さな手がのびた。








キョン(……ああああああああああ!!)ドックン



手はシャツを握りしめ、布団がだんだん盛り上がっていく。



俺はこの時点で泡を吹きそうな勢いであった。

玩具のような機械的な動きで追いつめる。


キョン「はっ… ! はっ… はっ…!」



一瞬ソイツの動きが止まった。


そして勢いよく、ぬーっと顔を出した――――――――


「まぁぁ~……?」

キョン「………!!!」



目が黄色くて、顔はウロコに覆われた赤ん坊。



俺はそのまま意識を失った……





――――――――


誰かの声が聞こえる。



妹の声か……?



それとも……





猫「ま~」

キョン「うおあああ!」

猫「…」ビクッ

キョン「はぁ…! はぁ…! はぁ… え?」

妹「キョン君起きた~?」

キョン「……」

夢か現実か……。



――――――――
朝食を食えたもんじゃない。

キョン「……」

じい「また物件を探すか」

ばあ「そうですね」

キョン「……?」

ばあ「あ、まだ話てなかったね」

ばあ「この家、取り壊されることになったんだよ」

キョン「えっ……」

ばあ「詳しい話はできないんだけどね……」

じい「まさかこの家主であるお婆さんが……」

キョン「……」

キョン(なんだ……?)

――――――――
俺は複雑な思いを胸にその田舎をあとにした。






これは後に聞いた話。
あそこの元家主のお婆さんの神隠し事件は神隠しでもなんでもない。

赤ん坊拉致監禁事件であったという。



一人で寂しいお婆さんは赤ん坊を拉致した。
ではどこに監禁したのか……。

あのガキはただのガキじゃなかったみたいだな。
階段の裏の隙間の奥に隠し部屋があったという。

そこで赤ん坊とともに暮らした。
これが神隠し事件の真相だ。

その後、お婆さんが姿を現したのは…… これはいうまでもない。



赤ん坊はママを捜し求めていたんだろう。
ま~ ま~と鳴き、ママを捜していたんだ。



――――――――
ハルヒ「あんた最近、元気ないわよ?」

キョン「そうか……?」

ハルヒ「なにかに憑かれたんじゃない?」

キョン「そうかもな……」スタスタ

ハルヒ「ち… ちょっとぉ」

キョン「……」スタスタ

ハルヒ「……」




いらねー力をつけちまったな……霊感なんて損しかしない。
まったく……


これもハルヒ… おまえが望んだのか?

――――――――
俺のばあちゃんはメールをうてる。
この世代でメールをうてる人って少ないだろう。



キョン「メール……」ポチッ

キョン「ばあちゃん……?」

キョン「……」



メールの内容は祖母と孫のごく普通なやり取り。
また遊びにおいで、とか親によろしく言っといてとか。

キョン「……」

でも一つ気になった文章があった。



ま~はあれからすっかり甘えてきません。
布団にも入ってこないもんだから……


キョン「……」

俺は普通に返信をした。
祖母からみて孫の一番理想的な内容だと自負している。




キョン「……」




布団に入ってこなくなるのは当たり前。
だってそれはばあちゃんの知っている”ま~”じゃないから。




それでも”ま~”は幸せだったんじゃないかな。


おっと、それはあっちの”ま~”のことね。




「ま~・ま~」 終わり

「精霊」











帰宅途中の出来事であった。
すべてはここから始まる。

キョン「お、一万円……」

キョン「……」

一瞬だけ迷ったが、今時警察に届け出る若者はいないだろう。

キョン(ありがたくいただきます)

キョン「……」

キョン「……」

もらっていいものなのだろうか。
俺の良心があともうちょいというところで後ろ髪をひく。



――――――――
キョン(結局頂いてしまった……)

キョン「ただいま~」

妹「おっかえり~」

妹「今日はパーティだよぉ」

キョン「は?」

妹「いいからはやく~」グイグイ

キョン「あ、ああ」




親父が部長に昇進したそうだ。
それではやく帰ってきてパーティーと……

運勢のイタズラ? ま、こんな日もあるさ。



――――――――
キョン「……」ムクッ


トイレトイレ……
時計はちょうど二時を指していた。



キョン「ふわ~っ……」

階段の電気をつけようと手をのばしたその時。
かすかではあるが下の方に人影を見つけた。

キョン「あ?」

こちらに背を向け、座り込んでいる。
この時俺は、”霊”を感じた。


キョン「……」


不思議だ…… 怖くない……。
むしろなにか落ち着く。


キョン「……」


キョン「……」


妙な安心感を掴んだ俺は電気をつけた。

パチッ

キョン「あれ……」

消えた。
俺の目の錯覚か?

キョン「疲れてんのかな……」トットッ








――――――――
ハルヒ「キョ~ン、ちょっと~」

キョン「はいはい」

ハルヒ「文化祭の話なんだけど」

キョン「……」

キョン(イヤな予感しかしない)

ハルヒ「あたし達はお休みね」

キョン「え? 休み?」

ハルヒ「疲れてるでしょ、あんた見ててもわかるのよ」

ハルヒ「あたしもなんか疲れたし」

キョン「……」


これはラッキーだ。
ラッキーと言わざるを得ない。

ハルヒ「でもSOS団は活動するからね」

キョン「ああ、わかった」



ハルヒからこんな言葉を聞けるなんて。
明日は隕石が降ってくるな、こりゃ。



キョン「え? なんだって?」

古泉「閉鎖空間の危険性がなくなりました」

キョン「というと? 永久にか?」

古泉「残念ながらそういうわけではありません」

古泉「これまでにない程にとても安定してます」

キョン「へ~」

古泉「とりあえず一息つけますね」

キョン「そうだな」

キョン「……」



なにか府におちん……。



――――――――

キョン「ただいま」

妹「おかえり~」

妹「お母さんね、宝くじ当たったって」

キョン「は……?」

妹「一等じゃないよ」

キョン「あ… そうだよな…」

妹「今日、奮発してるって。 奮発ってなに?」

キョン「……」



なんか気味悪いな……。

――――――――
キョン「ふーっ」チャポン

妹「はい、バブ」ガチャ

キョン「うお! ば、バカっ! 閉めろ!」バチャ

妹「それっ」

チャポン

シュワー

キョン「……」

キョン「……」



花王の抽選で炭酸ガスのバブをそうとう頂いたそうだ。

キョン「……」

キョン「なにか違和感が…… こんなの日常じゃない……」

ドタドタ

キョン「……ん」

あいつまだ脱衣所にいるのか?



ドタドタ…


キョン(ったく……)

キョン「お前なぁ」

ジャーー

「くすっ」

バタン

キョン「お、おい! 水流しっぱなしにするなっ」

キョン「……」






あんのクソガキぁ……

――――――――
キョン「おい」

妹「なあに?」

キョン「なあにじゃない、水! 水を流しっぱなしにするな」

妹「え? 水?」

キョン「ぱなしはなしって話だろ?」

妹「知らないよ?」

キョン「知らないって……」

妹「あたしずーっとここにいたもん」

キョン「は、はぁ?」

妹「キョン君こそあたしに謝らなくちゃいけないよ」

キョン「俺、なんかしたっけ……」

妹「あたしのプリン食べたくせにっ」

キョン「俺じゃない」

妹「キョン君しかいないもん!」

キョン「誓って言う、食べてない」

――――――――

おかしいな……
あいつは本気で泣き出すし……


演技には見えなかった……




キョン「どうなってんだよ……」ゴロン

キョン「……」



じゃああれも霊の仕業か?
どうせ霊だろ、ろくな奴いないな。
なんでもかんでも行き詰まったら霊のせいにするか。


キョン(今日はもう寝よう……)
















ドスン


キョン「……」



物音で目が覚めた。


ドタドタ…


キョン「なんだ……?」


ドッドッ……






バタン




キョン「……」



こうも運勢が良いとあの存在を意識しはじめる。



キョン「……」スタスタ



俺は部屋のドアをあけ、物音の正体を暴いた。




キョン「……」ビクッ


キョン「はは…… やっぱりな……」


扉をあけてすぐの所にその子が立っていた。


”座敷童子”



俺のイメージとはほど遠く、バランスがおかしい。
頭が大きくて体が小さい。



キョン「……」


キョン(話かけてみるか?)


キョン「……」

キョン「こんばんは」

座敷童子を見ると幸せになる、その一家に幸福が訪れるとか。
イタズラをして回るらしい。

プリンの件も水道の件もお前だったのか。




キョン「……」


こういう時ってどんな顔すりゃいいんだ? 




ふうせん…… あか…  きな……



キョン「えっ……?」



気がつけば座敷童子はそこにいなかった。



キョン「……」







ここはどこだ……?
人が沢山いてよくわからん……。

ん?

すぐ目の前に……なんだこいつ……黒い人影……?

ドンッ

うおっ……

誰かが俺を押した。

なんだっ… 誰だ……。

周りの大衆は見渡す限り黒い人影。
もう強いていえばモノクロの世界。

ん?

そんなモノクロの世界に二色だけ、色彩が存在していた。

俺を見上げる黒い影…… その子の手には赤と黄色の風船……。
風船はゆらゆらと揺れている。

そして突如、その世界は固まった。
固まったとはそのままの意味である。

時間が固まった……。
もちろん俺も体を動かせない。

パアン


音?

赤い風船が割れ、その中から赤いインクが……。



俺を見上げる黒い影を赤く染めた。


やめろよ気持ち悪い……。

なんだこれは…… 妙にリアルな夢だな……。

ん……?

ちょっと待て――――――――







キョン「いってくる」

妹「今日は早いね~、いってらっしゃ~い」

キョン「……」





深く考えない事にした。


――――――――
キョン「……」

谷口「おお、キョン」

キョン「あ、ああ……」

谷口「元気ないな、どうした朝っぱらから」

キョン「そんなことない」

キョン「おはよう」

ハルヒ「……」

キョン「……」

キョン「お は よ う」

ハルヒ「えっ…… あ、キョン」

キョン「元気ないな、朝っぱらから」

ハルヒ「そんなことないわよ……」

ハルヒ「ちょっと眠いだけ……」

キョン「ちゃんと寝たのか?」

ハルヒ「寝たはずなんだけど…… 寝た気がしない……」

キョン「俺もだよ、リアルな夢をみてな」

ハルヒ「奇遇ね……」

キョン「はは、お前もか」

――――――――
朝比奈「ふわ~あ……」

ハルヒ「……」zzz

古泉「みなさんお疲れのようで……」

キョン「お前もな……」

長門「……」

朝比奈「お茶…… いれますね……」スタスタ

キョン「いいですよ、朝比奈さん。 相当疲れてるみたいだし」

キョン「長門、おまえはだいじy」

長門「問題ない」

キョン「そうか……」

古泉「団長はアレですし…… どうしちゃったんですかね……」

キョン「さあな…… ふわ~っ」

キョン「お前も寝不足か?」

古泉「ええ」

古泉「ちゃんと寝たんですけど……」

キョン「……」

キョン「俺… 夢みたんだ」

古泉「ほう… どんな夢を?」




夢の内容を事細かに説明した。
ハルヒはあの様。 原動力のない部活は活動できない。
暇つぶしと思って隅から隅まで説明してやった。  


キョン「黒い人影の中に、赤と黄色の風船があって…… あ~もう意味わかんね」

古泉「続けてください……」

キョン「そんなに気になるか」

キョン「結論から言うとその子が赤いインクに染まった、っていう話だよ」

バリン!

キョン「え? 朝比奈さんっ、大丈夫ですか」
朝比奈「あ… わわ…」ブルブル

キョン「すみません、変な話しちゃって…… 怪我は…」

古泉「偶然か……」

キョン「え? なんだって?」

古泉「僕はあなたが、言った夢の話とまったく同じ内容の夢を見たんですが」

キョン「――――――――」

朝比奈「わ… 私もみました……」

キョン「なに……」

長門「私もみた」

キョン「……」

キョン「……は?」

本人か?

キョン「……」

キョン「ハルヒは……」

”奇遇ね”


キョン「ハルヒも見てる……」

古泉「面白い、こんな事があり得ますか?」

朝比奈「ひぃ……怖い……」

長門「しかし各々の視点は異っている」

キョン「視点?」

古泉「僕は大衆に紛れていました」

朝比奈「わ… わたしは… 手になにか持ってて…」

キョン「俺は誰かに押された……」

古泉「長門さんの言うとおりですね」

古泉「同じ場面の夢でもそれぞれ違う立ち位置にいた、ってことになります」

キョン「長門… これはなにを暗示してるんだ?」

長門「わからない」

なんか知らんがさるさん喰らった

>>351
本人だよ

キョン「……」

長門「なにかの予兆である可能性は大いにある」
古泉「予兆……?」

ハルヒ「……ん」

ハルヒ「え…… あんた達……どうしたの?」

ハルヒ「真剣な顔して」

キョン「……」

キョン「なんでもないが?」

ハルヒ「ならいいけど」

古泉「涼宮さん、あなたは夢の中で誰かを押した覚えはありますか?」

キョン「……」

ハルヒ「えっ……」

ハルヒ「なんで……?」 

ハルヒ「なんで知ってるの……?」

キョン「……」

古泉「やはり……」

ハルヒ「どういうこと? 意味わかんない……」

キョン「古泉、まずいんじゃないか?」ボソッ

古泉「いえ、これが得策ですよ」

キョン「は?」

古泉「涼宮さん、ゲームに参加しませんか?」

ハルヒ「ゲーム?」

古泉「実は僕たち、触れあったら罰を受けるというゲームの最中だったんですよ」

ハルヒ「へぇ、誰が得すんの?」

古泉「このゲームの勝者は幸福が訪れるといわれてます」

ハルヒ「そう、あんたらある意味幸せね」

古泉「敗者は勝者にほしいものを買ってあげるんですよ」

ハルヒ「参戦するわ、あたし得じゃない」

キョン「お、おいっ 貴様っ」ボソッ

古泉「これでいいんですよ」

キョン「は? なに言ってんだよ」

――――――――
キョン「おいっ! お前、俺達負けるじゃないか!」

古泉「そうですね、涼宮さんは持ち前の能力を駆使して勝利するでしょう」

古泉「つまり僕らはいやでも自然につまずいたりして触れあう形になる」

古泉「彼女次第ですけど」

キョン「ハルヒ得じゃないか」

古泉「すべては予兆を避ける為ですよ?」

古泉「内容からしてあまり良い印象はもてませんでしたから」

キョン「そういうことか、ハルヒに意地でも俺に触れさせないと」

古泉「涼宮さんがあなたを押すことでその予兆が実現しかねない」

古泉「でもこれはあまりいい策ではありません」

キョン「ゲームが終わってからハルヒが俺に触れる場合もあるからな」

古泉「だから一時的に避けて、策を考えましょう」

キョン「……」


俺は心の中で無駄だとつぶやいた。

支援

この様子じゃこいつはなんにも気づいちゃいない。
ハルヒは関係ないんだよ。



俺だけが知っているみたいだな。
これは”霊”の仕業。


座敷童子の警告を俺は聞き逃さなかった。



”ふうせん…… あか……  きな……” 


座敷童子は悪くない。
むしろ人に幸をもたらすいい奴だ。
人の不幸を嫌うからこそだと思う。

だからこの警告が怖い。



明らかにこれからの不幸を暗示している……。

一番最悪なのがSOS団全員が見たこと。


座敷童子が良心でそれに関わる連中にも警告を出したのだろう。

風船が割れ、中から赤い液体が。
持っていた子を赤く染める。


これはおそらく座敷童子なりの例えだろう。

つまり


子=SOS団の中の誰か



これから先は考えたくない、だが考察してみると。



赤=血





キョン「……」

”運命”を変えることはできない。
ハルヒと俺が出会ったのも運命だ。
じゃあこの警告はこれから先の運命か?
座敷童子が親切に教えてくれたんだからそうだろう。



運命は変えることができない。


犠牲は避けられないのか?


最悪のケースを考えるだけで体が震える。



運命に逆らえるのならば逆らいたい。






そして俺達の運命はシナリオ通りに動いた――――――――




「精霊」 前編  終わり

丸一日放置して本当にごめん。
残ってるとは思わなかった。
俺が考えてる話はこの精霊とあともう一つです。

朝はやいのでおやすみ。

涼宮ハルヒのちぃっぴり怖い階段

ハルヒ「階段を登っていたと思ったらいつのまにか降りてた
     超能力とか時間跳躍だとかそんなもんじゃない」

キョン「どんなもんだ?」

長門 「ながもん」

                        _∩  ∩  ∩   ∩_
                      γ 〉〉〉 | | | |  〈〈〈 ヽ
                      {  ⊂〉 | |__| |_ 〈⊃  }

                       |   | // ヽ \ |   |
                       !   !/  (゚) (゚)  |   !
        ∩_∩           |   ||  _○_  |   l
      . / \ /\         \  |\__ヾ . ::/__ノ    |
  n:    |  (゚)=(゚) |          \    しw/ノ    /           ___
  ||  . |  ●_●  |            ヽ、       /.      .ni 7 ̄ヽ./ \ / \/ ̄ヽ
f「| |^ト  /        ヽ;'、       r"´>、.____ ,.‐'\    l^l | | l ,/) /  (゚) (゚)  |    |
|: ::  ! } | 〃 ------ ヾ |\ ヽ,      `~´      `) )   ', U ! レ' / |   三    |. .n |
ヽ  ,イ \__二__ノ ⊂、 〈             //    |    〈_ノ\_   __ノ.l^l.| | /)
     ヽ、       /.    リリ -=iil|||||||||||||||||||||||||〈_ノ      ヽ   ヽっ   |  |   .| U レ'//)
    r"´>、.____ ,.‐'\                          ´ ̄ ̄ヽ、  .|  |   ノ    /
    `~´      `) )                           r"´>_(_,、_) ,.rニ __ ノ

            //                             `~´   .しwノ`) )
-=iil|||||||||||||||||||||||||〈_ノ                                     //
                                      -=iil|||||||||||||||||||||||||〈_ノ

ハルヒ『車のエンジンかからなくなっちゃった・・・』
キョン 「そうか、バッテリーじゃないか?ライトは点くのか?」
ハルヒ『昨日までちゃんと動いてたのに。なんでいきなり動かなくなっちゃうのよ。』
キョン 「トラブルって怖いよな。で、バッテリーかどうか知りたいんだけどライトは点くか?」
ハルヒ『今日は○○まで行かなきゃならないから車使えないと困るのよ』
キョン 「そいつは困ったな。どうだ?ライトは点いたか?」
ハルヒ『前に乗ってた車はこんな事無かったのに。こんなのに買い替えなきゃよかったな。』
キョン 「・・・ライト点いたか?」
ハルヒ『○時に約束だからまだ時間あるんだけどこのままじゃ困るわ』
キョン 「そうだな。で、ライトはどうだ?点いたか?」
ハルヒ『え?ごめん、よく聞こえないんだけど』
キョン 「ライトは点くか?」
ハルヒ『何でよ?』

保守時間目安 (休日用)

00:00-02:00 40分以内                   __
02:00-04:00 90分以内            _□.--‐<´ヽ`、
04:00-09:00 180分以内         ,.-"`: :.|___\  ヽ、_ノ
09:00-16:00 80分以内         /: : : :,ヽ、\/l`ヽ、  \
16:00-19:00 60分以内         /::/: :〆、 ,×l/:l : l : ̄ヘ<
19:00-00:00 30分以内       |/|: :/●  ●|_!_l_l=:-:‐i´

                  .,-、  |: :|@   @|::|=|: : : : l
保守時間の目安 (平日用)  ;|!:::::::`ヽ、|!_ ⌒  _/:/ : : : : : l
00:00-02:00 60分以内    |!:::::::::::::::::∥r:‐t-t//::ヽ, : : : : : l

02:00-04:00 120分以内     ヾー──'‐(::|×|:::ト==l: : : : : : l
04:00-09:00 210分以内       ./: : : : :ノ:|×|:::|:::::::|: : : :l : : l
09:00-16:00 120分以内      /: :/: : :._}=ェ==|:::::::::ゝ、: :l : : :l

16:00-19:00 60分以内      /: :/|:.__/:::/:/:/ヘ|:::::::::::ノ: : l: : : l
19:00-00:00 30分以内.     /: :/,|/_/_/_/_/∧_l_lエ´ヘ、:l l: : : l
                  /: :/ゝ、/_/_/_/_/_l_l_ヘ_ヘ_ヘ,.ゝl : : :|
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                         .ヽ_人_ノ

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すまそ
寝てた
ではいまから長々と携帯で打ちます

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まず始まりは俺が19のとき
メンバー
兄貴23
先輩23
先輩彼女21
弟16
おれ
俺がトイレにいってる間
先輩が始まりの゙言葉゙をふざけていってしまったことでそれは始まった

兄貴「入ってくるな!!」

と本気な感じでいってきたからびっくりした

俺「なんで」

兄貴「(先輩の名前)が勝手なことしたからおまえは自分のへやにいろ。俺らの声が聞けないとこにいろ」

俺「わかった(前々からいっていたすごい遊びのことだと把握した)」

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いまから話すのは全て体験した弟から聞いた話しを俺がまとめてます。ちなみにその時先輩は笑ってた、弟はルールを聞きながら必死に覚えようと泣いてた、兄貴は苛々してた、先輩彼女はキレてた。なんで勝手に始めるのだと。
その遊びのはじめかた
だれかがそのタイトルをいってしまったら始まり
絶対に部屋もしくは途中で人がこない個室
そのタイトルを聞いてしまうと強制参加
無視してやらなければ親族や自分に様々な形で祟りが起こる
それが偶然か必然かはとらえかた次第だが

部屋を締め切り、テレビ、ラジオ等は霊が一番利用しやすいため危険なのでコードをぬき、鏡は全て伏せる。
みんなで円になり
いいだしっぺが三回そのタイトルをいう(俺は参加したくないしタイトルをきけなかったため知らぬ、さらに知ってしまった時点で参加だから)
後、いいだしっぺ以外が三回続いていう

それを繰り返していると一人づつ背中をドンと押される感じで一瞬で意識が飛ぶらしい、んで白い草原の上に立っているらしい
いいだしっぺは最後らしいから意識がなくなって何も喋らないみんなを見ながら一人つぶやきながらいくらしい
だからいいだしっぺが一番怖いはずなんだが先輩はもう慣れっこらしい

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あ すまん パソコンでぱっぱと打ちたいんだが
あいにくいま家にいないんだ
明日の夜パソコンでもっと詳しくスレたててかくよ
続き
白い草原から適当に歩いていると回りには仲のいいやつや可愛いあの子がいっぱいいてみんなして話しをかけてくるらしい
だが一言でも口を聞けば終了
ちなみにいまからのルール間違えたら、血まみれ、グチャグチャの兵隊の死体が大群できて連れていかれるらしい 連れていかれたら目が覚めてしまい あとは祟りを待つだけということを理解してくれ

全てシカトして歩いていくと扉がある
最初は左手であける
そしたらまた扉
次は右手
すれとそこには神社にあるような大きな鳥居が三つ縦に並んでいる
一つめは普通に通過
二つめは後ろを振り返る
三つめは普通に通過
すると次は真っ暗な洞窟
細くて狭い洞窟

さらに

その洞窟の地面には辺り一面大量の戦争で死んだであろう兵隊の死体

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その死体は手だけ動いてるその洞窟を通過しなければならないので歩いて行くんだが、死体に足を捕まれて倒れても起き上がればいいが押さえ込まれてはだめらしい
足で手を振りほどきながら進むと一カ所だけ死体のない綺麗な地面、さらに寺、そして自分の色で光る札
その札の色を忘れないようにして洞窟をもどる
だが 帰りは死体の手の力がかなり強いらしい
んで鳥居までもどったら
一つめは普通に通過
二つめは普通に通過
三つめは上を見上げる
すると ズンと背中にリュックをおぶさるようになにかをおんぶする

ここで 覚悟を決めて振り返る

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おんぶしているのは顔がグチャグチャで普通は口があるべき場所に目があったりする兵隊の死体。
その目を見たら絶対にそらしてはならない
絶対に
目を見ながらでこにさっきの札を張る

貼っても絶対に目をそらしてはならない
そしてそのまま走る 後ろの死体の目をみたまま走る
すると扉にドンとぶつかるそして死体は消える

その扉を右手で開ける
さらにまた扉
その扉を左手

すると最後に 三つ並んでいる扉がある
それぞれに鍵穴があり 鍵穴がそれぞれの色に光ってる
そこでさっきの札の色を思い出して 同じ色の鍵穴を見つけ右手であけて戻って来れる

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俺は初めは信じられなかった
でも
先輩彼女 大泣き
弟 大泣き
兄貴 だんまり
先輩 ウッヒョーってなってた
んでみんなで俺を騙しているわけでもなかった
弟には「疑うならならいますぐタイトルいってやろうか?体験すればわかる、ホラー映画とかあんなんカスに思える、もうなんも怖くない」と泣きながら言ってきた
兄貴は「なんも聞くな、やってないやつが知ろうとするな」といわれた
ちなみにタイトルは有名な外人の名前らしい

       ____)__

     ,. ´     `  ` 、
   ./        _   _ \
  /        _   ̄  _ ヽ
  /イィィ,,.,.,.,.,.,      ̄ ̄    !
 f/ノノノノノノノ  ヘ.__ j  jノ__ノ
 |///////   _ (__ ゚_>` __( ゚_イ
 .!|.|i/_^ヽ|_'___r⌒ y'  ヽ^)|
  !|| fニ> ::::::  `ー'゙ (_`___)ノ

   ヽ.ニ` :     /_ノ/川! /      煽ったね・・・・・・
    __ノ 、    / ヾ---'´ ノ
 __ノ \l `   ____,/
       \    ノ リ.|`ー--
        \   .//

/ , , , , , ,         __ ___` 、
,//////ィ                 ヽ.
ノノノノノノノl    /\        , -、 !
///////l   ",二ヽ.二_ヽ.  l  lノ_へノ!
//////ノ       (_jリ ゙T`’ノ / (rリ`y゙
ソ´,-、\|   -` ー--‐ "  __{ ー-'{     フネにも
| ,f^ソ |____/ ゙̄ヾ"´  \^ヽ. |

| に(        l    j ,..   ヽ |.|    煽られたことないのにっ!!
\` ' j       `ー-‐' イ_ `  ノ'" i
  ゙‐-'        /,. ‐-、/TTT||  ノ
   _}       / |----二ニフ ノ
  人\ ヽ.        ! r'二ヽ / /
_「  \\ `  、   ` ̄ ̄/
     \\        Ti"
       \\     ノ | |\

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その日から俺はいつだれに言われようとクリアできるように一ヶ月暗記の練習した
続きはあした

保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 60分以内
02:00-04:00 120分以内
04:00-09:00 210分以内
09:00-16:00 120分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内

保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 40分以内
02:00-04:00 90分以内
04:00-09:00 180分以内
09:00-16:00 80分以内
16:00-19:00 60分以内
19:00-00:00 30分以内

ミスった
今日は休日だった

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