モバP「誕生日に限ってどうしてこうなった」 (23)

P「誕生日に限ってどうしてこうなった」

そもそもの発端は今日の昼。

大切な用事があるときに限って、緊急の仕事がちひろさんから入った。

いつもは仕事の出来るアシスタントが、うっかりミスでダブルブッキングをしていた。

関係者各位に誤った後で誕生日プレゼントを買いに行った店に限って、カードが使えない。

あわてて金を降ろしに行ったときに限って、銀行に行列ができている。

仕事を終わらせて急いで戻ろうとしたときに限って、事故で渋滞に巻き込まれる。



P「元をただせばちひろさんのせいだな・・・鬼!悪魔!ちひろ!」

愚痴りたくもなる、2時間半も遅々として進まない車の列に巻き込まれれば。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379607139

アーニャ「В воскресенье я на ярмарку ходила,
Веретен да кудельку купила…」

みく「あれ?アーにゃんまだいたのかにゃ?」

アーニャ「Привет(プリヴェート)。あー待ってます」

みく「Pちゃんかにゃ?」

アーニャ「Да(ダー)」

みく「そのPちゃんはどこに行ったにゃ?」

アーニャ「んー…お仕事みたいです」

みく「せっかくアーにゃんの誕生日なのに,待ちぼうけさせるなんて気が利かないPちゃんにゃ」

アーニャ「занятый…忙しい…です」

みく「でもPちゃんはアイドルをほったらかし過ぎにゃ!
みくとアーにゃんとのあにゃんでにゃん・にゃん・にゃんのライブをやった時も来れなかったにゃ!」

アーニャ「ダー…残念です」

みく「この間もその事をのあにゃんに抗議したら、訳分からない事言ってはぐらされたにゃ……」

アーニャ「シトー? あー…何ですか?」

のあ『どれだけ離れていようと、同じ星の元にいるのだからすぐ傍にいるのと変わらないわ』

みく「とか言われたけどよくわからないにゃ」

アーニャ「んー……そうですね」

みく「意味を聞いても答えてくれなかったにゃ。
いや、その時はみくのハンバーグ弁当を食べられた方に注意が向いてたにゃ」

みく「それにその前のお仕事の時だって」クドクド


……


みく「は!?喋りすぎたにゃ!?」

アーニャ「アー…2時間でしょうか?」

みく「それくらいは話してたにゃ。みくも遅くなっちゃったけどもう帰るにゃ」

アーニャ「Ну, пока(ヌー パカー) お疲れ様です」

みく「Pちゃんはまだ来ないのかにゃ!アーにゃんも連絡してみるといいにゃ~」

タッタッタ…ガチャン、バタン



アーニャ「……Телефон」

Trrrr...Trrr...

『ただ今、電話にでることができません、メッセージを……』

アーニャ「……」ピッ

アーニャ「……」


差出人:プロデューサー

件名:今日の誕生日
2013年9月19日 18:04
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すまん、ちょっと遅れそうだ。

21時頃には何とか戻るから、

その後誕生日祝いしよう。

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アーニャ「……опоздала(アパズダーラ)……遅刻です」

9/19 23:00

アーニャ「2 часа……」

アーニャ「そろそろかな……?」

アーニャ「Кофе……コーヒーいれておこうかな?」

カタン

ガサゴソ

ジジジ…ボッ

9/19 23:05

ピーーーーーーーーーーーッ!!

アーニャ「Горячая вода……お湯が沸きました」

コポコポコポ……

アーニャ「Горько…ちょっと苦いです」

アーニャ「あー、一人だと……ちょっと寂しいです」

9/19 23:15

アーニャ「ミチオール…流星に祈りますか。プロデューサーが早く戻ってこれます」

アーニャ「Звезда(ズヴェズダ)…星見えないですね」

アーニャ「Луна…月が明るい?」

アーニャ「それとも、電気?」

9/19 23:30

アーニャ「あー…静かです」

アーニャ「事務所残ってるの、人いないんでしょうか」

キョロキョロ……

アーニャ「……В понедельник я банюшку топила,
А во вторник я в банюшку ходила」

アーニャ「Тюря, тюря, тюря, тюря, тюря, тюря-ря,
Тюря, тюря, тюря, тюря, тюря-ря」

9/19 23:40

アーニャ「……」ペラッ

アーニャ「スプートニク…ライカ…」

アーニャ「クドリャフカ…」

アーニャ「……」ペラッ

七日分の酸素と水 誰かの強い願いと
スプートニクのライカ犬 二度と開かない扉が閉まる
あなたの知らない遠い場所で 暮らしてくなんて
同じ気持ちになれないなんて

『スプートニク』/新居昭乃

9/19 23:55

アーニャ「Zzz……」ウトウト…


『カーク ヴァス ザヴート?………フッ、貴方のお名前は?と聞きました』


『私はアーニャ…アナスタシアです。よろしく、プロデューサー』


『プロデューサー、貴方ロシア語分からないんですか?私に声かけたのに』

『私のことは、アーニャ、でいいですよ 』


『プリヴェート♪』


『スプートニク…ライカ…知ってる?』


『プロデューサー、貴方となら、きっと、ナジェージダ…希望、を持てますね。
空の向こうまで届くような歌、歌えると思います』


『宇宙まで、届くように』


『プロデューサー、私の歌、宇宙まで届きますか?ダー♪』

9/20 1:20

お送りしたナンバーはポルノグラフティでアポロでした。

今日は十五夜、満月を目撃した人も多かったのでは?

アポロ11号が月面に降り立ったのは1969年、こんな昔に人類は月に行ったんですね。

それではお相手はDJ…(プチッ

……

P「やっと戻ってこれた……」

ガチャ

P「部屋の明かりがまだ付いてる。
……アーニャまさかずっと待ってたのか!?」

アーニャ「……ぅ……ん?」

P「寝てたのか?」

アーニャ「ん、プロデューサー。Возврат…お帰りなさい」

P「……すまん、アーニャ。こんなに遅くまで残ってるとは思わなくて」

アーニャ「あー……今何時ですか?」

P「1時過ぎだ、誕生日に間に合わなかった……ごめん」

アーニャ「опоздала、遅刻です」

P「ああ、本当にごめん。誕生日跨いだけど、これ…」

アーニャ「あ…開けてもいいですか?」

P「勿論」


アーニャ「月と星のОжерелье…首飾り、素敵」

P「喜んでもらえて何よりだよ」

アーニャ「Большое Спасибо(バリショーエ スパシーバ)」

P「これで遅刻のお詫びにはなったかな?」

アーニャ「んー…Нет、まだダメです」

P「え”?」

アーニャ「プロデューサー、Тайна…隠し事してます」

P「ナンノコトカシラー?」

アーニャ「ちひろに聞きました、День рождения…プロデューサーも誕生日ですね?」

P「まぁな……別に隠してた訳じゃないよ。ただ誕生日祝いって年でもないしな」

アーニャ「プロデューサーは私に魔法くれました」

P「魔法?」

アーニャ「私に出会いと、輝かせてくれました。
たくさんありがとう言いたいです」

P「お礼を言うのはこっちだよ、アイドル活動いつも頑張ってくれてるんだからな」

アーニャ「だから気持ち伝えたいです、Подарок…プレゼントです」

P「ストラップの先についてるのは……銀色の犬とロケット?」

アーニャ「スプートニク、知ってますか?」

P「人類初の人工衛星だっけ?宇宙に犬を打ち上げてたのは二号か」

アーニャ「ダー、ライカに与えられたのは片道の食料と酸素しかありません」

P「それで?」

アーニャ「プロデューサーを待っている間、ちょっと寂しかったです」

P「う…ごめん」

アーニャ「でも、私たちはこの星に一緒にいます」


『どれだけ離れていようと、同じ星の元にいるのだからすぐ傍にいるのと変わらないわ』


アーニャ「だからЧувство…思いを伝えます」

アーニャ「プロデューサーは本当の心だと知ってます」

アーニャ「Я(「ヤー)…いろんな星、見れました」

アーニャ「お魚嫌いな猫座も」

アーニャ「冷たいようで暖かな星も」

アーニャ「私にいろんな光くれました」

アーニャ「だからもっともっと輝きます」

アーニャ「この広い星で私を見つけた」

アーニャ「ん、伝わっているか…にゃ?」

P「アーニャ、ありがとう。言葉じゃなくて心で伝わってるよ」


P「遅くなったし、家まで送るよ」

アーニャ「ダー、お願いします」

アーニャ「……」

P「ん?上を見て、どうしたアーニャ?」

アーニャ「綺麗な夜空」

P「今日は十五夜か…都内だと星はなかなか見えないけど、月は輝いてるからな」

アーニャ「今…見えなくても、きっとプロデューサーが輝かせてくれます」

P「ああ、大丈夫。俺がアーニャをずっと輝かせてみせるよ」

即興でのSSは初挑戦でしたが、アーニャの誕生日ということで思わず書いた
反省はしてない

本当は19日内に書きたかったけど、帰宅したのがこんな時間でした

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