佐天「超必殺技伝授…?」(538)

立つかな

~極限流空手道場~

佐天「なんで来ちゃったんだろう…」
佐天「他にも強くなる方法はいくらでも…、いやいくらかあるのに」
佐天「でも…この間、また白井さんに助けられたし…」
佐天「…」


佐天「よし!」

ガラッ
佐天「たのもー!」

天狗「ムッ…道場破りか!」
佐天「うわぁっ!?」
天狗「女学生……ユリの友達か?」
佐天「いえ…、私、この広告を見て…」
天狗「おお!入門者か!ささ、入りなさい」
佐天「は、はい」

天狗「まずは自己紹介してくれるかな」
佐天「私、佐天涙子って言います」
天狗「ふむ、良い名前だ」
佐天「ありがとうございます」
天狗「私はこの道場の師範、…Mr.カラテと呼ばれておる」
佐天「みすたー…からて……?」
天狗「まぁ、長いから師範でも宜しい」
佐天「(先行きに不安が…)」

天狗「極限流の稽古は厳しいぞ。覚悟は出来ているのか?」
佐天「…はい!」
天狗「何故極限流の門を叩いた!」
佐天「強くなりたい…ならなきゃいけないんです!」
天狗「何故力を欲する!」
佐天「…」
天狗「答えよ!」
佐天「…もう、守られるだけは…嫌なんです」
天狗「…」

佐天「私にも…守りたいものがあるんです!」グスッ
天狗「…」

ポン
佐天「…っ」
天狗「良い目をしておる…」


天狗「お主の言、嘘偽りの無い真っ直ぐな答えだった」
天狗「涙子、特別厳しくしてやるから覚悟せい!」
佐天「は、はい!」

天狗「早速いくぞ!」
佐天「はい!」
天狗「まずはこれに着替え、門前に集合じゃ!」
佐天「はい!」



チリンチリーン
天狗「竜虎の拳を知ってるかーい」
佐天「竜虎の拳を知ってるかーい」
天狗「こいつはどえらい格ゲーさー」
佐天「こいつはどえらい格ゲーさー」


初春「あれは佐天さん…と、天狗!?」
黒子「何をしているのでしょう…」


佐天「カーチャンたちには内緒だぞー」

天狗「ムッ、もうこんな時間か…」チリーン
佐天「ゼェ……ハァ…」ズダズダ

キキーィ

天狗「今日はこれまで!」
佐天「ありが…どござ…ま…」ヘタリ
天狗「むぅ…そんなにキツかったか」
佐天「ゼーゼー」
天狗「仕方ない…ほれ、後ろに乗れ」
佐天「は、はいぃ」

チリーン

天狗「明日もビシビシいくぞ」
佐天「はい」
天狗「本当は道場まで走らせるつもりだったのだがな」
佐天「すみません…」
天狗「しかしなかなか根性がありそうだ。期待しておるぞ」
佐天「…ありがとうございます」ギュッ

チリンチリーン

佐天「あ、私の家ここです」
天狗「そうか。ではまた明日」
佐天「はい。おやすみなさい」
天狗「…見事やり遂げるのだぞ」

チリンチリーン

佐天「…」ペコリ



佐天「Mr.カラテ…、一体何者なんだ…」

翌日

佐天「失礼しまーす」
天狗「おお、待っておったぞ」
佐天「師範、今日もよろしくお願いします」ペコリ
天狗「うむ、…筋肉痛であろう」
佐天「たはは…歩くのが辛いです」
天狗「そうか…ならば涙子の体調を考慮して」
佐天「ホッ」
天狗「今日はランキングじゃ」
佐天「今日もですか!」
天狗「当たり前じゃ!下半身が安定するまでずーっとランキングじゃ!」
佐天「う…っ、押忍」

ガラガラガラ
「ただいまー。お父さんいるー?」

天狗「!」ビクッ
佐天「あ、娘さんですか?」
天狗「あ、いや、それより稽古に行くぞ!ほれ!」
佐天「あ、はい」


チリリーン
天狗「1」佐天「ソーレ」
天狗「2」佐天「ソーレ」
天狗「1、2、3、4」
佐天「5、6、7、8」


美琴「あれ…天狗と佐天さん……?」
初春「どういうことでしょう…」

カァ カァ


チリンチリーン
天狗「きついか」
佐天「ゼーハー…」
天狗「休みたいか」
佐天「ゼェゼェ」ブンブン
天狗「ならば何も言うまい」



バタリ

天狗「言わんこっちゃない」
天狗「ふ…馬鹿な弟子程かわいいわい」

佐天「…」
天狗「…涙子」
佐天「し…師範……?」
天狗「涙子、起きよ」
佐天「師範…すみません、すぐに起きm」グッ
佐天「あれ、力が…入らない」
天狗「涙子、涙子よ」
佐天「師範、待って下さい!」
天狗「命を削り、己を磨くのじゃ…ジャ……ジャ」エコー
佐天「師範!よく分かりません!師範ー!」


バッ
佐天「ハッ…ハッ…」
佐天「…夢」

翌日

佐天「昨日はすみませんでした」
天狗「いや、儂の体調管理も不十分だった」
佐天「いえ!師範は悪くありません」
佐天「命を削り…己を…」ボソ
天狗「どうした?」
佐天「いえっ、着替えて来ます!」


天狗「はて、あれ程生気に満ちておったかの?」

佐天「お待たせしました」
?「あれ、新入生?」
佐天「あ、はい、佐天涙子といいます」
ユリ「私はユリ。よろしく!」
佐天「よろしくお願いします!」
ユリ「ところでさっちん、お父さん見なかった?」
佐天「(もう愛称で呼ばれてる…)お父さん…ですか?」
ユリ「うん。タクマっていうんだけど」
佐天「タクマさんですかー、わからないです」
ユリ「そっかぁ」

佐天「私、とりあえず走ってきます」
ユリ「あ、ちょっと待つっち」
佐天「はい」



ユリ「ほい、これ」
佐天「このノートは?」
ユリ「私の練習メニューの書いてあるノート」
佐天「!いいんですか?」
ユリ「大分前のだし構わないよ」
佐天「上中下に分けてあるし…ありがとうございます!」
ユリ「頑張るっち!」ビッ
佐天「はい!」ビッ

1年前「やめてお兄ちゃん!その人は!その人は私達の!」
 現在「はおーしょーこーけーん」

・・・佐天さんは強くなりそうだ

佐天「ハッハッフッフッ」タッタッタッ


「あ、あの天狗と一緒にいる人だ」
「今日は一緒じゃないね」
「今日歌ってないね」
「俺チャリに二人乗りしてんの見たぜ」
「マジ?恥ずかしくねーの?」


佐天「…」タッタッタッ

何を言われても構わない
今必要なのは世間の目なんかじゃなく、私自身の強くなりたいと思う心
その為には、どんなに辛い目だって耐える、乗り越える、やり遂げて見せる…!

佐天「師範…」タッタッタッ

気が付くと昨日気を失った所まで来ていた
昨日はあんなに辛かったのに、嘘みたいに体が軽い

佐天「今日は道場まで走り切れそう」
そう思うと少し頬が緩む


チャーラッチャラッチャラチャラッチャラ
佐天「ん?」
ジャージのポケットから携帯を取り出す

初春>ジャッジメント終わったのでクレープ食べに行きません?

私は丁重に断ると再び走り出した
ごめんね、初春
もしかしたら心配かけちゃってるかもしれない
でも、今頑張らないと…この境界を一生超えられない気がするんだ

ボフン

帰宅し、ベッドに倒れ込む
佐天「お風呂入らないと…」
そうは言っても疲れた体を起こすのは容易なことではない
道場、結構遠かったし

佐天「でも、私一つ超えたよね」
少しずつ、確実に強くなってる
そう思うと明日も頑張ろうって気になる
もうグチグチ才能の文句を言う気はない

佐天「よっし!お風呂入ってサッパリしちゃおー!」

覇王翔吼拳はともかく
龍撃拳を覚えるのか
虎煌拳を覚えるのか  それが問題だ

翌日

天狗「昨日はすまんかったの、涙子」
佐天「大丈夫です。師範、聞いて下さい」
天狗「何だ?」
佐天「私、道場まで完走しました!」
天狗「ほお!極限流ランニングをやり遂げるとはな」
佐天「師範のご指導あればこそです!」
天狗「謙遜するな。走ったのは涙子自身よ」
佐天「はい!」

天狗「では第二段階に移る」
佐天「はい!」
天狗「まず…涙子、今何時だ」
佐天「えと…16時前です」
天狗「そうだな。今日から空手の型、その他諸々の稽古を行うのだが」
佐天「はい」
天狗「ランニングは準備体操の一部として行う」
佐天「はい…?」
天狗「つまり、ランニングが終わらない限り、稽古は始まらない」
佐天「マジスカ」
天狗「稽古は18時半までだからの」
佐天「い、い、いってきます!」

ボズン

今日はうつ伏せにベッドに倒れ込んだ
休みの日を1日使って走ってたコース
それを今度は2時間で走るなんて…

佐天「厳しいなぁ…」
今日、昨日の倍ぐらいのペースで走ったら、案の定途中で倒れた
コースの半ばにも及ばす、すっかり夜になった頃だった

佐天「ユリさんも…やってたんだよね」
他の人に出来て私に出来ないなんて…
いや、これはやり遂げられる道なんだ
明日こそは…走り切る


今は起きることも出来ないけど

「おい」
「ああ」
「今日も倒れてるな」
「懲りない奴だよ」

佐天「…」
今日も私は倒れていた
昨日も一昨日もだいたいこの辺りで倒れていた
もうじき日が暮れるというのに、私は大の字に倒れて足掻きすら出来ない

天狗「帰るぞ」
師範は自転車の上から私を見ている
天狗「いつまで寝ておる」
すぐ起きますから…待って下さい

翌日

佐天「師範…」
天狗「涙子か、どうした」
佐天「あの…非常に言いにくい事なんですが」
天狗「…なんだ、言ってみなさい」
佐天「あの…」








佐天「この特訓、無理じゃないですか?」

天狗「無理…とは?」
佐天「普通に考えて、稽古終了ギリギリまで走っていたとして4倍、1時間稽古するのに8倍のスピードで走るのは無理です」
天狗「儂はやれと言ったぞ…?」ギロッ
佐天「し、しかし…」ビクッ




天狗「フッ、フハハハハハハハハハ」
佐天「え」

覇王至高拳は皆伝奥義らしいぞ

天狗「いやすまんすまん、涙子が気付くのがあんまり遅いのでつい」
佐天「え、え、え」
天狗「一所懸命なのは大変結構、しかし盲信的では困る」
天狗「涙子よ、稽古とは頭を使うものなのじゃ」
佐天「じゃ、じゃあ私の努力は…」
天狗「も少し頭を使え、頭を」
佐天「べ…勉強になりました…」



寝落ちしました。すいません
ここまで書いていたのでこれだけ投下して仕事行きます
保守と支援ありがとうございます
残ってたら必ず続き書きます

帰宅しました
携帯規制されちゃったんでこっちで続けます
保守と支援ありがとうございます

その翌日からはランニングの距離が短くなった
その分、空手の型やミット打ち等の稽古をやらせてもらえるようになった
最初は嬉々として取り組んでいた私だったけど、2週間が経過する頃にはいけないと分かっていながらマンネリを感じずにはいられなかった
師範が「筋がいい」とか「見所がある」とか褒めてくれることもしばしばあるけど、私は何か引っかかったままだった

佐天「・・・何が引っかかってるんだろう」
着実に進歩している筈なのに何かが足りない
何か・・・何か初歩的なミスをしているような・・・


チャーラチャチャッチャラッチャチャッチャラッチャ
佐天「メールだ」ピ

初春>宿題やりました? 佐天さん授業中寝てたから心配でメールしました。 範囲は・・・

佐天「そうなの!?うわー、初春に感謝だなー」
一旦稽古の事は置いといて机に向かう私
佐天「教科書と、ノート・・・」


佐天「これ・・・ユリさんのノート・・・」

捲るとそこには父:タクマさんから受けた指導の数々、門下生同士の試合の分析、自分で考案した練習メニュー・・・
ユリさんの努力がそこにあった。

佐天「すごい・・・極限流のクセ、・・・他流派の型、技・・・」

これだ
私に足りなかったのはこれだったんだ
師範に「頭を使え」と言われたのに、私は何にも分かっていなかった

佐天「~~~~~~! くやしいいいいいい!」ワシャワシャ

悔しい
悔しいけど・・・なんか、今私楽しい

佐天「とりあえず、これを読破するところから始めよう!」

翌朝

佐天「ふああああああーあ・・・ムニャムニャ」

ユリさんのノートは確かに凄かった
凄すぎて今の私にはほとんど理解できなかった
佐天「気力ゲージって何よ・・・」

初春「佐天さーん!」
佐天「おお、初春ーおはよー」
初春「どうしたんです?目蓋が半開きですよ?」
佐天「いやーこんなに勉強したの始めてだよ(格闘技の)」
初春「そうなんですか!じゃあもうバッチリですね!(宿題は)」
佐天「それがね、自分の未熟さを痛感してさ、ただ続けるだけじゃダメなんだなって思ったんだ」
初春「凄いです佐天さん!なんだか今日は一段と輝いてますね!」
佐天「そ、そうかな?」テレテレ



「はーい、みなさん宿題を提出してください」
佐天「」

天狗「では今日も型から始める・・・、始めッ」
佐天「セッ ハッ」ビシッ ビシッ
天狗「ムッ!?」

天狗「(昨日までと動きが違う・・・。今までは雑念のない実直な動きだったが、これはまるで・・・」
佐天「(ユリさんのノートにあった「型と実践」の項、いったいどういう・・・)」
天狗「・・・」

天狗「やめッ」
佐天「ハッ」バッバッ

スタスタスタ
天狗「今の動き、雑念が垣間見えたが・・・」
佐天「!」
天狗「何か・・・悩みがあるのか?」
佐天「いえ・・・、ただ、もっと考えなくてはいけないと思ったのですが」
天狗「ほう・・・」
佐天「勿論、私のような素人が型を我流に変えるなんて思ってません」
天狗「分かっておる。ただ、今はその悩みは忘れよ」
佐天「! 何故ですか」

天狗「物事には順序がある。今は涙子の良さを引き出す準備段階じゃ。焦ることはない」
佐天「しかし・・・」
天狗「不安か?」
佐天「・・・はい」

天狗「涙子、走るぞ!」ダダダ ガラガラガラ
佐天「え! 待ってください師範!」

天狗「ぬおおおおおおおおおおお」
佐天「しはんんんんんんんんんん」
天狗「まだまだげんえきじゃああああああああ」
佐天「いけええええええええええ」


「うわ!?こわっ」
「天狗が爆走してる!」
「今日は一段と元気だな」
「おい、天狗撥ねられたぞ!」

ちょっとお風呂いってきます

なぁ、天狗の正体ってタク・・・    ぎゃああああああああ

佐天「ハァ・・・ハァ・・・」
天狗「ゼェ・・・ゼェ・・・」
佐天「もう・・・動けません・・・」
天狗「ふっ・・・最近の若者は・・・」
佐天「そういう師範は立てるんですか?」
天狗「無理じゃ」
佐天「・・・ふふふ」
天狗「・・・フッ」

大の字に寝そべり笑う私達
通行人は師範を見て怪訝な表情を浮かべるけど、どうでもよかった

焦る必要はない
そう師範は言った
でも少しぐらい背伸びしてもいいよね?




天狗「駄目じゃ」
佐天「えっ」

佐天「ふぃー」バタン
お風呂から上がり、自室の机に向かう
宿題を忘れた上、今日も宿題が出たから2日分やらなければいけない

佐天「・・・うーん」
全然はかどらない
いや、はかどった試しがないんだけど・・・
佐天「これだ!・・・って思ったんだけどなぁ」
横目にユリさんのノートを見る
技術的なことが詰め込まれた宝のノートだ

佐天「まだ何か足りないの?」
足りてる所の方が少ないくせに、そんなことを言ってしまう
佐天「考えろ・・・考えるのよ私」
師範は・・・「物事には順序がある」って言ってた
順序・・・、順序ってなんだろう?
走りこみ、柔軟、型、ミット打ち・・・練習メニューのことではなさそうだし・・・

佐天「・・・焦ることはない、ですよね師範」
やっぱ今日はやめた
がんばれ、明日の私

天狗「・・・子、涙子」
佐天「ムニャムニャ」
天狗「涙子、起きるのじゃ」
佐天「あ、しはん・・・グー」
天狗「寝とらんでワシのありがたーい話を聞かんか!」
佐天「ふぁい・・・ムニャ」
天狗「では さっそく はじめるか!あのな… わしの おきにいりガルシアがな… …
… でな… が…… … かわいくてな…たまらん… くう…… さらに… もう…
すごすぎ… … で…… そう おもうか…どうして… … すき…… はー!… … だきしめて…
ねるときも…… じゃろ… …… … すばらし…!… うつくし…」


佐天「ZZZ・・・」
天狗「む、全く聞いておらんな・・・」
佐天「ムニャ」
天狗「よ、要はあれじゃ、動じるでないということをいいたかったんじゃ!」
天狗「どっしりと構えよ、身体に気を充実させるのじゃ・・・ジャ・・・ジャ」エコー
佐天「ふぁい」

佐天「おはよー初春!」
初春「おはようございます」
佐天「きいてよー、今朝変な夢見てさー」
初春「変な夢、ですか?」
佐天「うん。なんか自慢話を延々聞かされるの」
初春「そんなの悪夢じゃないですかー」
佐天「迷惑な話だよね」
初春「でも夢の話ですからね」
佐天「そりゃそうなんだけどね」
佐天「しかも、要点は最後にちょろっと言うんだよ」
初春「うわっ 悪質ですね」
佐天「それもよくわかんなかったし」
初春「夢なんてそんなもんですよ」

初春「そういえば、佐天さん今日は宿題やってきました?」
佐天「あ、忘れちゃったよ」
初春「まずいですよー!二日連続なんて」
佐天「大丈夫、昼休み中に終わらせるから」
初春「結構な量ありましたよ?」
佐天「平気平気、今日ははかどる気がするんだ」

初春「佐天さん、なんだか頼もしいです・・・」

放課後 ~道場~

佐天「・・・」

ガラガラガラ
「ただいまーっと」

佐天「・・・」

ガラッ
「おっ 見かけない娘だな」

佐天「・・・」

「へぇ・・・なかなか堂に入った正座じゃないか」

「よお、ユリの言ってた新入生だね?」
佐天「! はい、佐天涙子です」
リョウ「俺はリョウ、ユリの兄貴さ。よろしく」
佐天「よろしくおねがいします、リョウさん」
リョウ「ところで、オヤジ見なかったか?」
佐天「タクマさん・・・のことですか?」
リョウ「ああ、今日は模擬戦やるっつってたのに」
佐天「すみません、見てないです」
リョウ「そうかー、どこほっつき歩いてんだか」
佐天「私まだタクマさんとお会いしていないんですよ」
リョウ「え、そうなのか?」
佐天「はい」
リョウ「今まで誰に稽古つけてもらってたんだよ。ユリか?ロバートか?」
佐天「師範・・・Mr.カラテです」
リョウ「」

リョウ「そ、そっかー、Mr.カラテね」
佐天「はい!」
リョウ「な、なあ、Mr.カラテの稽古は楽しいか?」
佐天「はい!楽しいことばかりではありませんが、今までにない充実感があります」力説
リョウ「そ、そっかー」
リョウ「(変わった娘だなー!!)」

リョウ「なあ、・・・テング・・・・・・って、どう思う・・・?」
佐天「・・・」
リョウ「あ、いや、その」
佐天「・・・かっこいいですよ?」

リョウ「(ほ、ホンモノだー!!)」

ガラガラガラ
「いらっしゃいましたー」
リョウ「あの声は」

ガラリ
「まいど」
リョウ「ロバート、すまん・・・オヤジがまたいないみたいなんだ」
ロバ「ホンマかー・・・って、そっちのカワイコちゃんは?」
佐天「佐天涙子です。よろしくおねがいします」
ロバ「礼儀正しい娘やねー」
リョウ「道場の門下生なんだから当たり前っちゃあ当たり前だけどな」
ロバ「せやな」

それから暫くしてユリさんが帰ってきたのを期に、模擬戦が始まった
審判をやる筈だったタクマさんは結局帰ってこなかったので少し残念だった
タクマさん・・・、一体どんな人なんだろう

リョウ「もらったァ!」
ロバ「くっ!?」ガスッ
ユリ「浅い!」
リョウ「うげ、マジか!」
ロバ「余所見しとる場合か!」
リョウ「おっと!」ガシィ

正直、何が起こっているのか分からなかった
しゃべりながらハイレベルな戦いを繰り広げる二人とそれをジャッジするユリさん
ああ、この人たちは本当に雲の上の存在なんだなーと思った
私は拳を強く握りしめた
悔しいからじゃない
目の前で舞う龍と虎が、余りに華麗で胸が熱くなったからだ

明日はやいんでそろそろ寝ます
思っていた以上に進行遅くて申し訳ないです

残ってたら必ず続き書きます

リョウ「ふー!いい汗かいたぜ!」
ロバ「ほなら久々に銭湯でもいこか?」
リョウ「いいねー!ユリ、ちょっくらいってくらあ!」
ユリ「晩御飯には帰ってきてねー」
ロバ「手料理楽しみにしてんでー」

佐天「すごいですね・・・」
ユリ「ん?」
佐天「私も・・・あんなふうになれるかな・・・」
ユリ「・・・」

ユリ「なれるよ」
佐天「・・・」

佐天「言い方がまずかったですね! 必ずなってみせます!」
ユリ「ふふ、まだまだ!超えてみせるぐらい言わないと!」
佐天「えへ、そうでした」

佐天「ユリさんは極限流を始めて何年なんですか?」
ユリ「えーと、ひの、ふの、み・・・3年ぐらい・・・?」
佐天「え、そんな短期間で上達しちゃたんですか!?」
ユリ「そうだよ?」
佐天「(これは・・・とんでもない道場に入門しちゃったのかも)」

ユリ「さて、ウチの大食い達が帰ってくる前に準備しますかー」
佐天「あ、手伝いますよ」

ユリ「すごいじゃん!さっちん料理得意なんだね!」
佐天「いや、得意って程じゃ」テレ
ユリ「いや、私には分かる。これはレベル6の料理だね」
佐天「あはは・・・おだてても何もでませんよ」
ユリ「じゃーん!もうでたもんね!ジューシーがんもどきー」
佐天「ああ、ツマミ食いですか?」
ユリ「こんなのウチの男共がほっとかないよー」ムシャムシャ


ユリ「ねえ、なんで空手始めたの?」
佐天「・・・」

佐天「強くなりたかったんです」
佐天「守られるだけは嫌・・・私も守る力がほしい」
佐天「そう・・・思ったから」
ユリ「でもさ、学園都市の学生さんでしょ?超能力使えるんじゃないの?」
佐天「私、レベル0ですから・・・」

佐天「入学して早々に言われましたよ。アナタには才能がない」
佐天「・・・最近まで、そのことが胸につっかえっぱなしで、心ががんじがらめになってました」
佐天「でも、道場に通うようになってからは嘘みたいに晴れやかなんです」
佐天「目に見えた成果が出で、今、充実s」
ユリ「極限流は―」

佐天「え」
ユリ「極限流は、逃げ場じゃないよ」

ユリ「さっちんが稽古頑張ってるの、私もよく知ってる」
ユリ「でも、そのひた向きな姿が何かを忘れろって、自分に言い聞かせているみたいだった」
佐天「・・・」
ユリ「真剣に極限流と向き合ってるんじゃなく、レベル0の自分から逃げてのかな」
ユリ「まだ・・・超能力に未練があるんでしょ?」

佐天「あったら・・・駄目ですか?」
佐天「もう嫌なんですよ!無能な自分を見るのが!」
佐天「超能力からの逃げ?才能ないならやめたっていいじゃないですか!」
佐天「報われない努力なら、やるだけムd

パシン

佐天「・・・え」
ユリ「・・・」

ユリ「努力が報われないなんて言うの、やめて」
佐天「・・・」ヒリヒリ
ユリ「才能がないからとか・・・そういうことを言うのは努力を続けられなかった『半端者』だよ」
佐天「・・・っ」

佐天「・・・帰ります」ダッ
ユリ「叩いたりして・・・ごめんね」
佐天「・・・」ピシャ

最初はユリさんの物言いに腹が立ってた
味方だと思っていたユリさんに、よりによって超能力の事で叱られると思ってなかったからだ
ユリさんも、私の気持ちを理解してくれない
それがたまらなく悔しかった


家に向かって歩いていると、今度はだんだん悲しくなってきた
私はユリさんのノートを、・・・模擬戦を見た筈なのにどうして腹を立てることができたのだろう
私はあそこまで努力をしたか?あんな凄い稽古を何年もこなしてきたか・・・
答えはノーだ
努力していることに心酔しているに過ぎなかった『半端者』の私
その事が悔しかったし、叱ってくれたユリさんの気持ちを受け止めれなかったのが何より悲しかった

時々出てくる涙を拭いながらとぼとぼ歩く私
頭の中はごちゃごちゃ、ショートして使い物にならない
心はオーバーヒートしておさまる気配がまるでない

なんて言えば許してくれるだろう・・・
自分ひとりで続けるしかないのかな・・・
師範・・・助けて・・・・・・

そんな的外れな言葉達がぐるぐる、ぐるぐる駆け巡っていた
そのとき

「大人しく投降なさい!」
「うるせぇ!このガキがどうなってもいいのか!」

反射的に目をやると、歩道橋の上から手が伸び、その先には子供が掴まれていた

「ガキの命が惜しかったら道をあけろ!」
「くっ なんて卑劣な方でしょう!」
「た、たずげで・・・!!」

歩道橋を上ると犯人の背中が見えた
対峙しているのは・・・白井さんだ。後ろには数名のジャッジメントの人がいる
犯人は私に気付いていないみたいだ・・・
けど、私が下手な動きをすれば人質の子供は殺されかねない

また・・・何もできないのか
私は・・・また守れないのか

私が唇を噛んだ次の瞬間だった
白井さんはテレポートで犯人の背後に回りこんだ、が

「うわっ!?」
ドンッ
「きゃっ!?」
運の悪いことに、犯人がジャッジメントに背を向け走り去ろうとした為ぶつかってしまう

「あ」
犯人の腕の力が緩んだ瞬間、子供が宙に投げ出された
下は車の行き交う道路

気付けば、私は歩道橋から飛んでいた

これはどっちかっていうと・・・、いや、かなり報われない部類の努力だ
運よく信号が赤になったとしても、打ち所によっては死ぬ。死なない確立の方が低い
着地に成功しても骨折は免れない。着地した時に子供を抱えていられるかな
死ぬ要素はいっぱいある。やるだけムダ、犠牲者が増えるだけ


でも
これだけは諦められない
諦めたくない・・・!

「・・・子、涙子」
佐天「・・・師範?」
天狗「見事だった」
佐天「・・・」
天狗「半端者にはできん、立派な覚悟じゃった」
佐天「・・・」
天狗「・・・ほれ」グイ
佐天「あっ」
天狗「しゃんと立て、胸を張って歩け」ポン
佐天「・・・はい」

「・・・天さん、佐天さん!」
佐天「・・・う、い・・・はる・・・」
初春「佐天さん! よかった・・・」ギュウ
佐天「はは・・・どうしたの」ポムポム
初春「どうしたのじゃないでず」グスグス

佐天「あれ、ここは・・・」
初春「病院です。佐天さん、子供を助けた後、意識を失って・・・」
佐天「そうだ!あの子供は!?犯人は!?」ガバッ
初春「お、おお、おちついてください」ユサユサ
佐天「てか、どうして私生きてるの?」

バン
黒子「佐天さん、気が付きましたのね!」
佐天「白井さん!」
黒子「子供を助けていただいて本当にありがとうございました」
佐天「あはは・・・全然覚えてないんですけど」

おふろイテキマ

黒子「佐天さん、貴方超能力をつかいましたのよ」
佐天「!?」
初春「本当ですか!?」
黒子「ええ、子供を抱きかかえたと思ったら、佐天さんを押し上げるように風が吹き上げましたの」
黒子「佐天さんの活躍で子供は無事でしたの。犯人は取り逃がしましたけど」

私が超能力を・・・?
初春「最近佐天さんが特訓していたのって超能力だったんですねー」

つかえる・・・、無能力者じゃない・・・
黒子「確かに、原始的な方法ですけど能力開発への有効性がありますからね、スパルタも」

これで、胸を張って歩ける・・・?
佐天「・・・」
初春「佐天さん、どうかしました?」
佐天「え!?いや、なんでも」
黒子「ぼーっとしていたようですが・・・能力の施行で疲れたのでしょう」
佐天「いや、そんなことないですよ! ほーれ、初春のスカートめくれ~」
フワリ
初春「きゃあ!?」

その日、私は検査入院の為病院で一夜を明かした

私は風を操る能力を手に入れた
自分を浮かすことはおろか、初春のスカートすら上手くめくれない微弱な風だけど、確かに操れる
もう、無能力者じゃない
超能力者としてのスタートラインに立てたんだ

佐天「・・・いや、違う」
力の有無に固執する、弱い私から変われたんだ


ユリさんの言ってたことが少しわかった気がした
結局、覚悟が足りてなかったんだ
周囲の言うことに流され、自分の境遇に絶望し、困難から逃げていた
そんなことだから私は『半端者』だったんだ
能力が使えるとか、使えないとかじゃない
どんな逆境でも諦めない覚悟がレベル0の私を変えたんだ

翌日

佐天「よーし」ドキドキ
私は道場に来ていた
昨日あんな別れ方をして正直気まずかったけど、それ以上にユリさんへの感謝の気持ちがあった
だから素直にこの気持ちを伝えよう

ガラガラガラ
佐天「おはようございます!」
ユリ「あ、おはよう」
佐天「ご心配おかけしてすみませんでした。それと、・・・ありがとうございました」
ユリ「決着、ついたんだ」
佐天「はい!」
ユリ「ニコッ ぶいーっ」
佐天「へへ・・・ぶいっ」

半端ですけど今日はこれで寝ます
明日あたり終わらせれるように頑張ります
こんなノロマSSでよければ最後までお付き合いください

保守と支援ありがとうございました
おやすみなさい

私が能力者になってから二週間―
私は相変わらず極限流道場に通っていた

佐天「失礼します」ガラッ
今日も道場には私が一番乗りみたいだった
佐天「よーし、先に走ってきちゃおうかな」
中学生の私に比べ、ユリさん達は来るのが遅い
もっとも、リョウさんとロバートさんは夜稽古してるらしく、たまにしか来ないんだけど・・・

佐天「へっへ、ほっほ」タッタッタ
走りなれたランニングコースを走る
たまに中学の運動部の人と会うと「運動するなら入部しない?」と誘われることがある
もう既に挨拶代わりみたいになってるけど、当初は結構熱心に誘われた
すごい勢いで走ってた時期があったからなあ・・・


それもこれも、師範がいてくれたから・・・、今も私は走り続けれている
佐天「龍虎の拳をしってるかーい」タッタッタ

ここ二週間、私は師範と会っていない
ユリさん達に訊いても
「(まだそんな格好してるの・・・)神出鬼没なところがあるからねー」
どこにいるか分からないらしい
世界中に道場があるから、そっちに言っててもおかしくない部分があるとか

そんなわけで、最近は主にユリさんに指導してもらっている
ちょっとずつ組み手とかもやらせてもらってるし、リョウさんたちの特訓が入ることもある
私にはビール瓶切りは早いと思うけど・・・


師範・・・明日は帰ってくるかな

ある日のことだった

いつものように街中を抜け、自然公園を抜け、道場に戻っている時のことだった
アンチスキルとジャッジメントが通行人を誘導しているのに出くわした
佐天「どうしたんですか?」
「能力者が暴れているんだよ。危険だから離れてくださいね」
佐天「わかりました」

ピ、ピ、プルルルルル
初春『佐天さんですか?今ちょっと』
佐天「事件なんでしょ?今近くにいるの。白井さんは?」
初春『現場にいます。でも犯人が超念動者(サイコキッカー)みたいで』
佐天「サイキッカー?」

初春『はい。物体を動かす能力です』
佐天「でも白井さんならテレポートで背後に・・・」
初春『それが、犯人がむやみやたらに物を飛ばすので位置の特定はおろか、近付くのも難しいんですよ』
佐天「全く迷惑な話だね」
初春『私も現場の人のバックアップがあるので切りますね』
佐天「ああ、うん。ごめんね初春」

ピッ

佐天「サイキッカー、ねえ・・・」

ビシュン ビュンビュン 
黒子「くっ こうツブテが飛んできては顔も出せませんの」
固法「全く、いつまでこうしているつもりかしら」
黒子「膠着状態が続けばいつかは捕まえられますが・・・」
固法「あまり良くないわね」
佐天「私がなんとかします!」


黒・固「佐天さん!?」
佐天「こんにちわ」

黒子「どうしてここに!?」
固法「ここは危険だから戻りなさい!」
佐天「いやぁ、多分私犯人捕まえれますよ」
黒子「冗談はそこまでにしてくださいまし!」
固法「下手すると命に係わるのよ?」
佐天「だからこそ、一刻も早く解決したいんです」
黒・固「!」

黒子「(佐天さんの身体から・・・)」
固法「(すごい・・・闘気が放たれてる・・・!)」

佐天「・・・いきます!」ダッ
黒子「あ、おまちなさい!」

白井さん達の避難していた路地を飛び出すと無数のツブテが飛んできた
私はそれを避けつつ前に進んでいく

「ヒャッハー!獲物がきたぜえええ!」ババババババ
私を見た犯人は嬉しそうに声を上げ、いままで以上に物を飛ばしてきた
それを避けながら、私は着実に距離を詰める

「なんだあ!オマエ何者だあ!」バババババババババ
手当たり次第に物が飛んでくる
ベンチ・・・ごみ箱・・・カラーコーン・・・
先ほどまでとは変わって大きいものも猛スピードで飛んでくる
しかし、私には関係ない

稽古をしている内に私の能力についてわかったことがある
私の起こす風は初春のスカートもめくれないそよ風程度のものだ
だが、それとは別に「風読み」の能力がある
物が動く時に変化する大気の情報を察知する力だ
それも、始動と同時に軌道までほぼ把握できる
だから
佐天「私には通用しない・・・!」

「くっ、来るなああああああ!」ババババババババ
真っ直ぐ飛んでこようが、曲がろうが、私には関係ない
流石に壁が飛んできたら避けきれるとは言えないけど

「クソッ」
と、ツブテの嵐が止んだ。どうやら飛ばせるものがなくなったらしい
佐天「今だ!」ダッ
「まだだ!くらええええええええええええ!」

ゴウッ
そこら中にちらばった物がぐるぐる渦を巻き始めた
佐天「まさか・・・」
「ヒャーハッハッハァ!ミンチになんなあああああああああ」
ギュルルルルルルルルルルルルル

黒子「佐天さん!」
固法「くっ 近づけない・・・!」

「ヒャッハーァ!もうお終いかあ?ヒャハハハハハハハハハ」
佐天「うーん、インパクトはあったけどそこまで凄くないね」
「ハハハハ・・・ハァ!?」

要するに今度は横方向になったってことだ
あまり大きい物を飛ばせないあたり、複雑な制御もできないレベルみたいだ
「う、うわあああああああああああああああ」
一瞬、犯人に動揺が走った。それを私は見逃さず

佐天「一撃、必殺!!」ドゴォ!

拳を放った

かくして、サイキッカー事件は解決した
日が暮れると夜襲される危険があった為、早期解決は非常にいい結果といえる
そして犯人逮捕に一役買った私は

黒子「全く、上手くいったからいいものの、もしかしたら複数犯だったかもしれませんのよ!」
固法「単独で突っ込むなんて何考えているの!反省しなさい!」
初春「佐天さんの馬鹿!心配させないでください!」

ものすごく怒られていた

佐天「心配かけてすいませんでした!初春も、泣かせてごめんね」
初春「佐天さんに、もしものことがあったら・・・グシグシ」
佐天「ごめん、もうしないから」
初春「約束ですよ・・・?」
佐天「うん」
黒子「・・・手の掛かる後輩ですこと」
固法「佐天さん・・・かっこよかったよ」

佐天「・・・えへへ」

ちょい休憩しま

なおったとこでフロいっていきま

翌日

ユリ「聞いたよー、凶悪犯を捕まえたんだって?」
佐天「はい。・・・ジャッジメントの人たちに怒られちゃいましたけど」
ユリ「実戦経験が少ないからね。私も素直には喜べないかな」
佐天「すみません・・・」
ユリ「・・・そーだ!」
佐天「?」
ユリ「いざという時の為に切り札を用意しよう!」
佐天「切り札?」
ユリ「うん」

ユリ「今回は相性がよかったからいいものの、手の内の割れていない相手の場合はどうすればいいと思う?」
佐天「うーん・・・」
ユリ「それはね、問答無用で倒しちゃうんだよ!」
佐天「ええええ」
ユリ「護身用にだよ、あくまで護身用」
佐天「はあ」

ユリ「その名も 覇  王  翔  吼  拳」

佐天「護身用の技の名前じゃないですよそれ!!」
ユリ「えー、折角人が 超  必  殺  技 を伝授するっていってるのに」
佐天「やっぱり護身用じゃなかった!必殺技超えてるし!」

リョウ「コラー!!」
ユリ「げっ!おにいちゃんだ!」
リョウ「奥義をそう簡単に教える奴がどこにいる!」
ユリ「やばっ あとヨロシク!」
佐天「あはは・・・」

佐天「超必殺技か・・・」

その日の夜

佐天「223・・・、224・・・ふっ・・・225・・・」
佐天「(超必殺技・・・か)」
あの時、私がつっこまなかったら・・・ユリさんは教えてくれてただろうか

佐天「にひゃくにじゅう・・・・・・ぶはっ あーもー気になるーっ!」
私は腹筋を止め、ユリさんのノート(下)を開いた
佐天「超必殺技伝授・・・?」
そこにはユリさんが父:タクマさんから教わった覇王翔吼拳の全てが記されていた


佐天「ボーナスゲーム・・・?」
ちょっと意味がわからない

極限流奥義 覇王翔吼拳とは―
両手に溜めた気を前方に打ち出す絶対無敵の必殺技である―
覇王翔吼拳の前には防御すること能わず―
極限流に破れぬもの無し―

どうやら気孔弾を撃ち出す類の技らしい
佐天「でも、私気孔弾撃てないし・・・」
まずそこから練習しないといけないなあ

翌朝

佐天「ふああああああああ~あ・・・」
初春「うわぁ、大きな欠伸。夜更かしですか?」
佐天「うん・・・ちょっと気孔の練習をね」
初春「気孔・・・あの中国とかの?」
佐天「まあそんなとこかな」
初春「あれって科学的に未だに解明されていないんですよね」
佐天「不思議な話だよね。超能力なんかよりよっぽど原始的なのに」
初春「そうなんですか?」
佐天「うん。手、貸して」
初春「はい」

初春「あ! かざしてるだけなのにあったかいです!」
佐天「これが気孔だよ」
初春「すごいです!私も練習すればできますかね?」
佐天「もちろん!」

放課後

佐天「手に気を集中させるのは分かるんだけど、それを放出・・・ってどうしたら}ブツブツ

ダダダダダ! バリン! ガダン!

佐天「な!? なんの音・・・?」
薄暗い路地から聞こえてきた・・・銃声とも取れる音
佐天「・・・ゴクリ」

佐天「・・・」ジリ・・・ジリ・・・
ヤバい
血の臭いがする
これ以上進むと引き返せなくなるかもしれない

佐天「・・・でも」
・・・進む
私は引き返せなくなって後悔するよりも、引き返さなくて後悔したくないんだ

×引き返さなくて → ○引き返して

この曲がり角の先にはおそらく惨劇が広がっている
最後だぞ、佐天涙子。見たらきっと後悔する
佐天「いけ・・・進んでしまうんだ・・・」

私は血の臭いのする路地を曲がった
そこには中身をぶちまけたごみ箱、・・・それに人間だったものがひとつずつ

佐天「ーっ!」グッ
唐突にこみ上げた吐き気を押さえ込む
私は吐くためにわざわざ来たんじゃない

気を持ち直して死体と向き合う
佐天「え・・・」

佐天「御坂・・・さん・・・?」

佐天「御坂さん・・・!? どうして・・・」
涙が溢れてきた
さっきまであまりのおぞましさに吐き気を催していた筈なのに、気が付けば遺体を抱き上げていた
佐天「あああ・・・ああああああああ」ボロボロ
なんで見てしまったんだろう
なんで・・・こんな形でしか再会できなかったんだろう

私はどんどん冷たくなる御坂さんを抱いて、掠れた声で静かに泣いた

「こちら10032。遺体を発見したので回収にします、とミサカは妹達に報告します」
佐天「?」
「死体を抱きしめるのは衛生上あまり良くないのではないでしょうか、とミサカは遠まわしに離れることを勧めます」
佐天「御坂さん・・・? え!?」

私は目を疑った
私の腕の中で眠っているのも御坂さん、目の前にいるのも御坂さん、私を囲んでいるのも御坂さんなのだ
「あなたはお姉さまのご友人の佐天涙子さんですね、とミサカは確認します」
佐天「あ、あなたたちは・・・」
「私は美琴お姉さまのクローン体10032号ミサカです」
佐天「クローン・・・?」

ごめんなさい今日中に終わらせれなさそうです
持てる知識を集結して書いているんですけど、設定ちがうとこあったらごめんなさい
時系列は都合のいいように脳内補完してます

残っていれば必ず続きかきます
明日こそ完結を目標にがんばります

佐天「いったいどういうことですか・・・!」
妹達「学園都市に7人しか存在しないレベル5、御坂美琴お姉さまの量産軍用モデルとして作られた体細胞クローンです、とミサカは追加説明します」
妹達「安心してください。実験によるミサカの死亡に事件性はありません、とミサカはさらに説明します」
佐天「安心できる訳ないじゃないですか!人を死なせる実験なんて・・・許されていい筈がありません!」
妹達「あなたに許される必要はありません、とミサカはあえて冷たい態度をとります」
妹達「死体を回収します。こちらに渡してください、とミサカは事務的にお願いします」
佐天「・・・」

御坂さんの妹・・さん達は死体を回収すると去っていった
私は未だに幻想を見ていた気分で、しばらくその場に座り込んでいた

佐天「御坂さんに・・・ッ確認しないと・・・ッ」ダッタッダッタ
私は常盤台の寮に向かっていた
もし・・・、御坂さんが承知の上であの惨劇が繰り広げられていたのなら・・・
佐天「私が・・・目を覚まさせなきゃ・・・!」
佐天「ん!」

この独特の気配・・・
佐天「近い・・・こっちね!」
私は御坂さんの気配を追って再び走り始めた

佐天「御坂さん・・・!」
御坂「佐天さん・・・。どうしたの、息切らして」
佐天「った・・・ハァ・・・ッ・・・ハァ・・・」
御坂「無理に喋ろうとしないでいいから」
佐天「実・・・験」
御坂「!」
私が口にした言葉に、御坂さんは驚きを隠せなかった

佐天「・・・ッ、実験って・・・ッ、なんですか!」
佐天「どうして・・・妹さん達は殺されなきゃいけないんですか!」
佐天「御坂さんは・・・知っていたとしたらどうして黙っているんですか!」
御坂「・・・」
佐天「御坂さんは大切な人を・・・妹さん達を守る力を持っているんじゃないんですか!」
御坂「っ! うるさい!」

ドガガァァァアアアアアン!

目の前が真っ白になった
衝撃に吹き飛ばされ、やっと立ち上がると御坂さんがすごい形相で私を見ていた

御坂「好き放題言ってくれるじゃない・・・」

私は・・・誰に説教しているの?
佐天「事情はわかりません。でも、これは許されざる事です」
御坂「誰が誰に許しを請うっていうの?これは・・・すでに私の手の届かない所の話なの」

ビリビリと御坂さんの殺気と電気が伝わってくる
佐天「手をのばさなきゃ届くかどうかもわかりません」
御坂「私だって諦めたくなかった!でも・・・駄目だったの!」

御坂さんがあんなこと許す訳がない。それでも諦めざるを得なかったのに
佐天「・・・御坂さん」
御坂「・・・なによ」


佐天「諦めた時点で『半端者』ですよ」

私、死んだかも

御坂さんの殺気が爆発するのを感じるより速く、私の目の前に『超電磁砲』が迫った
ホント、私って馬鹿だなぁ
ごめんね・・・初春








「超電磁砲を使う相手ならば」

佐天「え・・・」



天狗「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」

師範の放った覇王翔吼拳は超電磁砲を相殺した
御坂「うそ・・・」
天狗「覇王翔吼拳を会得せん限り、ワシに勝つことはできぬわ」
佐天「師範・・・!」
天狗「涙子よ、良い啖呵の切りっぷりじゃった。成長したな」
佐天「ありがとう・・・ございます」
天狗「これ、折角褒めたのじゃ、泣くでない」
佐天「すみまぜん・・・」グシグシ

天狗「さて、御坂殿」スタスタ
御坂「ひっ」ビクッ
佐天「師範!」
ギュ

御坂「・・・え?」
天狗「辛かったじゃろ、苦しかったじゃろ。ワシらが来たからにはもう大丈夫じゃ」
佐天「師範・・・」
御坂「・・・う・・・うわああああああああああ」

御坂さんは泣き続けた
私達といっしょにいる時も一人悩んでいたと思うと、私まで熱いものがこみ上げてきた

天狗「落ち着いたか?」
御坂「・・・はい」
佐天「師範・・・私」
天狗「うむ。わかっておる」
御坂「本当に・・・行くんですか?」
天狗「繰り返し人を殺めて強くなれる・・・」
佐天「そんなふざけた幻想こそ、ぶち殺してやりますよ!」
御坂「・・・クス  相手は『一方通行』。自分に触れたもののあらゆるベクトルを操ることができる」
佐天「・・・ということは」
天狗「打撃はおろか、触れただけでも危険・・・ということか」
御坂「はい・・・、奴は西のはずれにある列車倉庫で今夜実験をするつもりです」
佐天「ありがとうございます」
天狗「急ぐぞ」



御坂「生きて帰ってきて・・・」

天狗「・・・ここか」
佐天「っはぁ、はぁ、一方通行はどこでしょう・・・」

「あン? なンだオマエら?」

天狗「お主が一方通行か」
一通「だったらなンだよ、今からここは貸切になるから帰ンな」
佐天「帰りません。バカげた実験を今日で止めてくれるなら話は別ですが」
一通「おいおい頼むぜ。一般人に機密事項漏らしてンじゃねェよ」
佐天「止めると誓って下さい!あなただって・・・本当はその力で大切な何かを守りたい筈です!」
一通「・・・うっせェ」
佐天「お願いです」
一通「うっせェよ!三下がァ!!」

天狗「くるぞ!」
佐天「はい!」

ドン!
ドカアアアアアアアアア!

佐天「なんてスピードなの!」
天狗「あらゆる無駄を省いた攻撃じゃ。食らえば一撃で死に至るやもしれんぞ」
一通「簡単に死なれちゃつまんねェからなァ、もっと足掻いてくれよォ!」

ドン!
ズガン!ズガン!ズガアアン!

佐天「(風読みのお陰で回避は問題ない・・・でも反撃が・・・)」
一通「いいねェいいねェ!クローンなんかより全然楽しめそうだァ!」

一通「ほらほらァ!ちったァ打ってこいよ!」
ドガン!ズガアン!
天狗「フッ!見切った!」
佐天「ふっ・・・ッ! ハァ、ハァ!」
一通「おンやあ? 女の方はそろそろ限界かァ?」
佐天「っく!」
まずい
風読みを使って軌道を読んでも身体が追いつかなくなってきている
レベル1程度しかない私に長時間の能力の維持は難しいのだ
一通「まずはオマエから逝っちまいなァ!!」
佐天「しまった! 避けきれ




佐天「・・・・・・っ  ・・・え?」
一通「ククク・・・女を殺るつもりだったのに本命を殺っちまったよ」
佐天「!? 師範!?」
一通「そこだよォ、コンテナの下だァ」
佐天「師範ー!!」

佐天「よくも・・・よくも師範を・・・!」ゴウッ
一通「ハッ ちったあマシな目になったなァ」
佐天「師範・・・力を・・・!」
一通「っらァ!!」ブンッ
佐天「せァ!」

バキィ!

一通「なにッ!?」
佐天「衝撃を相手にのみ伝える・・・、その術は超能力だけではないのよ」
一通「しゃらくせェ!」
佐天「極限流 奥義!!」

ドカッ バキバキドカカッ ボキバキドカバキドカドカドカドカドカッ
佐天「決まりだああああああああ」ドカァァ!!
一通「ぐはああああ」ドサッ

一通「がはぁ!」
佐天「ゼイゼイ・・・っはあ・・・・・・」
佐天「そうだ、師範!」

ダッ
佐天「師範! 返事をしてください! 師範!」
一通「があああああああああああああああああ」
佐天「っ!?」
一通「俺は学園都市最強だああああああああああああああああああ」
ズオオオオオオオオオオオオオオオ

一方通行は大気の流れを操り巨大な渦を作り出していた
放たれればここら一体は吹き飛んでしまうだろう
佐天「・・・」
一方通行が最後の大技を放つならば


佐天「覇王翔吼拳を使わざるを得ない・・・!」

御坂さんの超電磁砲を相殺した時の師範の姿―
脳裏に焼きついたその構え・・・動きをなぞる
佐天「両手に気を集め・・・両手を交差・・・」
一通「消し飛べええええええええええええええええええ」
ズガガガガガガガガガガガガガ

覇王翔吼拳の前には防御すること能わず―
極限流に破れぬもの無し―


佐天「覇  王  翔  吼  拳」



ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン

佐天「・・・」
佐天「・・・ッ ぐうッ 私は・・・?」
佐天「・・・! 一方通行!」

一通「・・・か・・・・はッ」ガクリ

佐天「・・・倒したの・・・?」

「佐天さーん!!」
佐天「御坂さん!」
御坂「無事なの!?天狗さんは!?」
佐天「そうだ!師範があのコンテナの下敷きに!」
御坂「なんですって!?私がクレーンでどかすわ!!」
佐天「お願いします!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
佐天「師範! どこですか師範!」ガダン バタン
佐天「返事しで下ざい!お願いでずから!!」
御坂「いた!?」
佐天「いま探してまず!」グシグシ

結局、実験時間に合わせて来た御坂さんの妹さん達にも手伝ってもらったにもかかわらず、師範はみつからなかた・・・

「・・・さん」

「・・・佐天さん」

佐天「・・・」
初春「佐天さん!」
佐天「・・・初春」
初春「・・・よかった、気が付いたんですね」
佐天「・・・ここは?」
初春「病院です。御坂さんが運んでくれたんです」
佐天「私・・・ああ、そっか」

気力も体力も使い果たし、仕舞いには泣きつかれてそのまま・・・

初春「約束・・・破ったんですね」
佐天「・・・ごめん」
初春「・・・」
佐天「本当に、ごめん」ジワッ
初春「泣かないでください・・・」

枯れた筈の涙がまた溢れてきた
そんな私の傷だらけの手を、目を赤くした初春は黙ってさすってくれた

退院して2週間

私はユリさん達に言って長めの休養をとっていた
入院中に鈍った身体を自主トレ・・・ランニングで慣らしていく程度で、道場に復帰する気分になれなかった


あれから実験は中止となり、御坂さんの妹さん達が殺される心配はなくなった
妹さん達が死ぬ心配がなくなった反面、師範が行方不明になってしまって、御坂さんは複雑な心境だっただろう
それでも最近では以前の明るさを取り戻し、ツンツン頭が印象的な男の人を「勝負!」とか言いながら追っかけている

佐天「引きずっているのは私だけか・・・」
私はランニングシューズに履き替え、玄関を出た

佐天「龍虎の拳を知ってるかーい・・・」タッタッタ
私は師範と一緒に走ったコースを走っていた
ここを走っていると師範に送ってもらったことも、初めて倒れたことも、完走したときの喜びも・・・
全部昨日のことのように思い出せる

「あ、天狗のねーちゃんだ!」
「ほんとだ!おーい!」ノシ
佐天「ハッッハ、フッフ」ノシ

今ではちょっとした名物少女となった私
一方で極限流道場は相変わらず無名なのが残念だ



佐天「あ、いけない」
また無意識のうちに道場まで来てしまった
そういえば以前も道場に来るのを渋ったときがあったっけ

佐天「・・・クス」
私って進歩しないなぁ

ガラッ
佐天「失礼しまーす」

「誰だね」
佐天「! 門下生の佐天涙子です!」
「涙子くんか、上がりなさい」
佐天「は、はい」

佐天「タクマさん・・・でいらっしゃいますか?」
タクマ「いかにも。極限流創始者、タクマ・サカザキだ」
佐天「よ、よろしくおねがいします」
タクマ「断る」
佐天「・・・え」
タクマ「目に迷いのがある。出直しなさい」
佐天「そんな!」

タクマ「駄目と言ったら駄目だ。帰りなさい」
佐天「いえ! 帰りません! まだ学びたいことがいっぱいあるんです!」
タクマ「先ほどまで渋っていたのに・・・か?」
佐天「! そ・・・それは」





タクマ「くっ ハハハハハハハハハ」
佐天「!?」
タクマ「すまんすまん、少し腑抜けていたみたいだったのでな。意地悪してしまった」
佐天「え、どういう」
タクマ「わからんか?」

佐天「そ、その天狗の面は!」
タクマ「いかにも。ワシこそMr.カラテだったんじゃよ」
佐天「な、なんだってー!」
タクマ「涙子、お主の活躍、しかと見ておったぞ」
佐天「ありがとうございます・・・何故消えたんですか?」
タクマ「最終試験じゃ」
佐天「試験・・・?」
タクマ「出会いがあれば別れがある。お主の言う『守りたい者』との別れがあっても・・・立ち上がり、再び歩き出せるか、試したんじゃ」
佐天「私は・・・」
タクマ「よくぞ戻ってきた、涙子」
佐天「師範!」ダキッ

タクマ「ほれ、合格証代わりじゃ」
佐天「これは・・・天狗の面!」
タクマ「まだまだ未熟ではあるが、何よりお主の心は真っ直ぐじゃ。きっと良き空手家となろう」
佐天「・・・ありがとうございます!」

「おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとさん!」

佐天「ユリさん!リョウさん!ロバートさん!」

ユリ「おめでとう!がんばったね!」
リョウ「こんなにめでたくっちゃ祝わざるを得ない!」
ロバ「派手に祝ったる!」
タクマ「天晴れ、天晴れじゃ!」

佐天「ありがとう!」

「ねえねえ知ってる?」
「え、なになに?」
「都市伝説よ、『Ms.カラテ』のウワサ」
「知ってる!天狗のお面着けた正義のヒロインでしょ!」
「そうなのよ!なんでも、レベル5より強いとか」
「ホントに~?ソースは?」
「それはウワサの域なんだけどさ、すっごく強いのは確かだよ!」
「なんでそう言いきれるの?」
「私、見たもん!」








おしまい


お付き合いいただきありがとうございました
思いつきで立てたスレを完結させれたのもひとえにに皆さんの保守を支援のお陰です
仕事中「落ちるんじゃないかな・・・」とか不安だったり、「読んでる人いんのかな・・・」かおもっちゃったりもしました
久しぶりの長いSSで燃え尽きた感がありますが、また書く機会あればお会いしましょう

ありがとうございました

激しく乙!
もし気が向いたら佐天さんがそげぶに勝負挑んで大変なことにしちゃう編も書いてくれ

>>519
最初は某スレみたいに佐天さんが極限流使って全員と戦うギャグものを書くつもりだったんだけどww
何をまちがったのかこんな感じになりました


ここまで来ると上条さん相手にならないなあ・・・

          __ー=‐-≧ー==ミ、ト、__
       __-==ニ二三二ニ=ミ ///ノ
      / __二ニ≠==‐‐-、}} } //イ { |イ
    / /==ニ二三三) ノ{ノノノノノイノ-、

     イ =≠=≧ニ)-ー' ̄ ̄`ヽくく<{f⌒ヾ
     /  ==≦「 ハ (\    リ } ト、从ヽ
    ノ r=≦三彡}」  ト、 \\   り {ハハ
     イ≦{´r、ヽ=ハ _」 ヽ \ヽ. i  ノ}
     }≧ハ {う}ー' i´ `ヽー「 ojノノ_ィ〔
    { {Y∧ゝ} {_ノ  人  )厂 ̄二ニ=‐- 、
   / )i,小i个ー1 L、__夫_ _人_r=ト- __   ノ
    | \ノハ仆i人  l {. r フ从=≠=トハ  ̄
人_ト、\  \} 从 ヽ从 人 〃ー ==r'ノ イ`ヽ_
_ 从`ヽ)  \イ   \rハ个r从トハハ  {f´ `ヽ
   ̄`ヽ从 {´ \    从「乂ハハイ川  }}    \
      `ヽト、 ィ \   {ノイ} }リハ} }ハ| 八     }
〃⌒     ∨ /iハ  \ {i「l| |ハi从リトノ {ト、 ≧==≦、
{{         ノ∨ハ    \八!ノ{ {{ノノ、 V ∨ハ    `ヽ
ゞ=-≧==≦三} }/l    \\レ'∠ハヽ \\ト、    ・\
三ィ´      `ヽ _小 ト、 \≦ニ彡ハ } }} } }     ハ

( 八    ヽ  /  >‐、 ヽrr\三≦{ノ从≦二ニミ、=彡}

 ) \     ∨  / / ̄>、_/      ̄ ̄`ヾヽ ハ≧、l
 { {  `ヽ   {  /  /  / 〉           } }Vノ´⌒ヽ
 从     }   し'l_/l /  / 三≧=≠≦彡    V/   ノ`ヽ
r=====================================================、

||      覇 王 翔 吼 拳 を 会 得 せ ん 限 り.      ||
||                                       ||
|| お 前 が わ し を 倒 す 事 な ど 出 来 ぬ わ !.||

ゞ====================================================彳
AAあったww乙

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