綾崎ハヤテ「765プロダクション?」高木「うむ」(18)

ハヤテのごとく!(捏造あり)とアニマスとのクロスSSです。
すべりまくりですが大目に見てください。

第一話 墜ちた主人公。運命に抗え、ガ○○ム!

 
 ――負け犬公園――

 クリスマス。それは子供たちが待ち焦がれて止まない聖なる夜。また、愛し合う二人がそれはもう甘いあまーい言葉を囁き合っちゃったりする性なる夜。
 偶然にもその前夜であるイブの日に街は雪に覆われ、安っぽい衣服に身を包む少年は人しれず絶望の淵にいた。

ハヤテ「12円、か。捨てられちゃったんだなぁ僕」

ハヤテ「やっぱりお嬢様の方が正しくて、僕の考えは間違っていたんだ」

ハヤテ「何でだろう。真っ当に生きて来たつもりなのに。今の僕に残っているのは1億5000万の借用書と偽造した身分証明書……及び12円」

ハヤテ「これが夢だったらどんなに嬉しいことだろう。でも夢じゃにんだよなー。あーダメだ。もうどうでもよくなっちゃった」

ハヤテ「あの手の取立屋は絶対に諦めてくれないんだよね。いっそ犯罪に手を染めて、めでたくブタ箱入りなんてのも……。屋根のある生活と食事が保証されるんだから、それもアリかな」

ハヤテ「はぁーーーー。死のう」

 少年は人生に疲れ切っていた。真面目に……直向きに。血の滲むような苦労も、死ぬ気で努力し続ければいつか報われると信じて。
 しかしそんなことはない。少年はどうしようもない両親によって、1億5000万でとても親切な人たち達に売られてしまったのである。

ハヤテ「死ぬ時まで苦しい思いなんてしたくないけど、練炭なんて買うお金もないし。何だったんだろう……僕の人生」

 不幸という不幸、その全てを味わってきた少年をまたしても不幸が襲う。フラフラ歩いていると、頭上の木から大量の雪が少年めがけて降り注いだ。

ハヤテ「おうふっ!」ドシャ

ハヤテ「……………………」

ハヤテ「……(そうだ、このまま雪に埋れていれば低体温症で緩やかな死を迎えられるかも。ごめんよネロ、パトラッシュ。僕も今から、そっちに……)」

 そんなことを考えながら、少年は身体から緊張の糸を緩めた。刺すような冷たさが少年を深い眠りへ誘う。

ハヤテ「(……なんだか温かく感じるよ。不思議だ。さっきまでは寒さで凍えそうだったのに)」

 ギュムッ

 しかし神も天使も少年に安息を与える気はないようで、不幸の連鎖は続いて行く。

ハヤテ「ぐは……」ガクッ

高木「ん?」

ハヤテ「」チーン

高木「き、キミィ! どうして雪の中に!? いや、その前に大丈夫かね!」

ハヤテ「(……なんだか温かく感じるよ。不思議だ。さっきまでは寒さで凍えそうだったのに)」

 ギュムッ

 しかし神も天使も少年に安息を与える気はないようで、不幸の連鎖は続いて行く。

ハヤテ「ぐは……」ガクッ

高木「ん?」

ハヤテ「」チーン

高木「き、キミィ! どうして雪の中に!? いや、その前に大丈夫かね!」

高木「まさかこんな寒さの中、雪に埋まっている子がいるなんて思っていなくてね。しかしこれは私の不注意だ。大変申し訳ない!」

ハヤテ「いえいえ、大丈夫です。これでも結構鍛えてますから」

 ピーーーーン

ハヤテ「ん? (今の効果……誤植?)」

高木「キミィ! うちで働いてみないかね!?」ガシッ

ハヤテ「え? ええ!?」

高木「ああ、失礼」ガサゴソ

高木「私はこういう者だ」サッ

ハヤテ「は、はい……」

ハヤテ「えーと、……ななひゃくろくじゅうごプロダクション?」

高木「ウォッホン! そうだ。正式には765プロダクションというのだがね。私はそこのプロダクションで社長を務めている」

ハヤテ「(プロダクション?)はあ……」

高木「そこでだ。私は君を見て、こう、ピィンと来たわけだ」

高木「私は自身の眼力に些かの自信を持っていてね。どうかね? うちで働く気はないかな?」グイッ

ハヤテ「ちょ、ち、近いですって」

ハヤテ「(働くって、やっぱプロデューサーとかだよなぁ……)確かに僕はバカ親のせいで仕事も住む場所もない状況ですし、お誘いはとても嬉しいんですが」

高木「うむ

ハヤテ「プロダクションってことは、芸能関連の仕事ですよね? 素人の僕がやっていけるような業界ではないと思うんですが……」

高木「言っただろう? 私の眼力に狂いはないっ!」ドンッ

高木「君は磨けば必ず光る。その幸薄気な顔!」

ハヤテ「うっ」グサリ

高木「そして一人称の『ぼく』に加え、か弱そうに見えて意外とパワフルだ! 私は君を素晴らしい逸材だと思う。十分に美少女『アイドル』としてやっていけるさ」

ハヤテ「……アイドル???」

高木「うむ。何か不安が?」

ハヤテ「えーと」

ハヤテ「これ、僕の身分証明書なんですけど……(偽造だけどね)」スッ

高木「? ……氏名綾崎ハヤテ、年齢22、性別男……おとこ、男?」

高木「綾崎くん、これはどういうことかね?」

ハヤテ「あの、僕……男なんですけど」

高木「…………」

高木「ナ、ナンダッテー!?」

 運命的な邂逅によって、ひとまず少年は職を得た。これで冷たい檻の中で暮らすことは回避出来たのだが、まだ問題は山積みなのである。1億5000万の借金はそう時間を待たずに再び襲いかかる。
 負けるな借金アイドル! まだ戦いは始まったばかりなのだ。

ハヤテ「って、アイドルなんてやりませんってば!」

高木「ハッハッハ! そうかそうか」

高木「しかぁし! 綾崎くんにピンと来たのは間違いない。もう一度聞こう。うちで働いてみないかね? 無論、プロデューサーで構わんよ」ニコリ

ハヤテ「はい! 精一杯頑張らせていただきます!」

高木「でも、たまにステージに上がってみてはどうk」

ハヤテ「遠慮させてもらいます」

高木「むう。残念だ」

高木「そういえば、綾崎くんは22歳なのか。私にはもっと若く見えるのだが」

ハヤテ「はい、僕は今年で22です。身分証明書にも書いてあるじゃないですか。イヤダナー高木社長。あは、あはははは」

高木「そうかね。まあ私の眼力に間違いないはないのだからそうなのだろう。ははははは!」

高木「それでここの資格についてなのだが」

ハヤテ「ええ」

高木「『乗り物全般操縦可』とは何かね?」

ハヤテ「その言葉の通りです!」

高木「んー……。もう少し詳しくお願いしたいのだが」

ハヤテ「そうですね。陸上なら大型乗用バスから二輪、スポーツカーからタンク。海上ならクルーザーや潜水艦。空なら戦闘機、スペースシャトル、ジャンボ機とかですかね」

ハヤテ「あ、でも最近は訓練とかしてないので昔みたいにミグ相手のドッグファイトは無理だと思いますけど」

ハヤテ「社長が行けとおっしゃるなら、こ、この命に掛けても」グッ

高木「いや、いい」

高木「君はプロデューサーだ。アイドルたちの健康管理や育成。出演番組の取りつけをしてもらいたい。詳しくは先任のプロデューサーに聞くといい」

ハヤテ「分かりました!」



    第一話 了
 次回 第二話 幸運Eのプロデューサー、事務所に立つ

投稿前に確認していないので、誤字脱字あります。
すみません

第二話 幸運Eのプロデューサー、事務所に立つ

ハヤテ「何とか路頭に迷うのは避けたけど……」

ハヤテ「プロデューサー業ってどんな感じなんだろう」

ハヤテ「高圧的だったり、頭を下げ続けるだけだったり。営業回りにも色々あるしなー」

ハヤテ「でも! やるからには全力だ!」

ハヤテ「よし、明日の初出勤の準備をしておこう」

ハヤテ「……って、着ていく服がこれじゃあ最悪だよ」

ハヤテ「絶対変な目で見られるだろうし、アイドルをプロデュースする立場としてアウト過ぎるでしょ!」

ハヤテ「……12円。これが今の僕の全財産」

ハヤテ「ジュースを買うにも桁が一つ足りないよ」

ハヤテ「どうする僕! 現時刻は12月24日午後23時10分。事務の人はおよそ9時間後の朝8時に来る」

ハヤテ「新人は30分前出社はもちろん、始業前の掃除も欠かせない……」

 ざわ ざわ
   ざわ ざわ

ハヤテ「どうする綾崎ハヤテ。時間は有限ッ……!」

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