コブラ「いてて……ここはどこだ」
レディ「意識が戻ったのねコブラ」
コブラ「ああ、なんとか……それにしても森の中にいるが、どうしちまったんだい」
レディ「博士の研究に巻き込まれて異世界に飛ばされたみたいだわ。どうするコブラ?」
コブラ「まったくあの博士……面倒なことに巻き込みやがって。とりあえず人を探すとするか」
レディ「了解よ」
レディ「さっき周りを調べていたら北の方角に町があることが判明したわ」
コブラ「よし、じゃあそっちへ行ってみるか」
北の町
コブラ「ほー、ここが町か。俺たちの世界とはかなり違っているなあ」
レディ「文明のレベルもそれほど発展していないようね。私達のの世界で言ったら中世ヨーロッパといったところかしら」
コブラ「どうやらそうみたいだ……ん?」
農民「大変だー!大変だー!魔物の群れが町に向かって来るぞーっ!」
鍛冶屋「なに、本当か?」
農民「さっき耕してる時に分かったんだ……最初に地響きがして、何かと思ってみたら遠くの方に奴らが……」
皮職人「マズイな……町長様に伝えないと!」
鍛冶屋「……俺は武器を持ってくるぞ」
農民「恐ろしいことになった……」
レディ「……魔物?いったいなんの事かしら?」
コブラ「さあな……しかし緊急事態ってのだけは確かなようだ」
コブラ「そこのあんた!……そこのガタイがいいおっさん!」
鍛冶屋「……ん?今忙しいんだ、旅の人よ。魔物が攻めてきてるみたいなんだ」
コブラ「魔物か。そりゃいったいどういうやつなんだ?」
鍛冶屋「魔物を知らないわけがないだろう。冗談はよしてくれ」
コブラ「あいにく知らないんだ。ちょろっとでいいから……な?教えてくれ」
鍛冶屋「……まあいい、準備しながら教えてやる」
鍛冶屋「先日魔王がこの世界に復活したんだ」
コブラ「魔王ってのはその魔物たちの親玉だな」
鍛冶屋「ああそうだ。いままでも魔物はいるにはいたんだが、人類とはあまり干渉しようとはしていなかった」
鍛冶屋「互いに均衡がとれていたんだ……だが奴の復活で事情が変わった」
鍛冶屋「魔王が魔物の指揮をとり始めて、いろんな村や王国が侵略されてしまったのだ」
コブラ「ほー、そりゃ何とも手練れな魔王様だこと」
鍛冶屋「……本当だよ。数日前までの平和は奴によって砕かれてしまった」
コブラ「なるほどねぇ……おっ、こりゃあんたの本かい?」
鍛冶屋「先日魔王がこの世界に復活したんだ」
コブラ「魔王ってのはその魔物たちの親玉だな」
鍛冶屋「ああそうだ。いままでも魔物はいるにはいたんだが、人類とはあまり干渉しようとはしていなかった」
鍛冶屋「互いに均衡がとれていたんだ……だが奴の復活で事情が変わった」
鍛冶屋「魔王が魔物の指揮をとり始めて、いろんな村や王国が侵略されてしまったのだ」
コブラ「ほー、そりゃ何とも手練れな魔王様だこと」
鍛冶屋「……本当だよ。数日前までの平和は奴によって砕かれてしまった」
コブラ「なるほどねぇ……おっ、こりゃあんたの本かい?」
すまん
投下ミス
鍛冶屋「魔物の生態調査の本だ。昔ある機会に手に入ってな」
鍛冶屋「魔物の事を知りたいというならこの本を読むといい」
コブラ「……スライム……ばくだん岩……これが魔物ねぇ」
レディ「……フィクションの中に出てくる生物のようね」
鍛冶屋「……さあこれくらいでいいだろう。俺はそろそろいくぞ」
鍛冶屋「その本はあんたにあげるよ」
コブラ「おいおい、行くっていったいどこに」
鍛冶屋「町の兵とともに奴らを倒しに行くんだ……力は少しでも増えた方がいいからな」
コブラ「そうかい……それじゃありがたくもらっておくとするよ」
鍛冶屋「それじゃあな……」
レディ「コブラ、助けてあげなくてもいいの?」
コブラ「この世界の問題はこの世界の住人が解決するさ……無駄な手出しは混乱を招くだけだ」
レディ「……それもそうね。私たちは帰る方法を見つけることが先決ね」
コブラ「そういう事だな」
レディ「それで、次はどうするつもり?ここには長くいられないわ」
コブラ「……壁に地図がかかっている。そうだな……次は西の町に行ってみよう」
西の町
コブラ「歩きできたから、すっかり夜になっちまった」
レディ「町に着いたけど……これじゃ何もできないわね。宿をとりましょうか?」
コブラ「ああ、俺たちを襲ってきた魔物を倒したら金を落としたからな……それで足りるだろう」
レディ「どうやらあそこが宿屋みたいね」
コブラ「それじゃ宿を取りに来ますか」
宿屋 グッド・スリープ
主人「いらっしゃいませ。宿をおとりで?」
コブラ「ああ、ここまで歩いてきて体がクタクタでね。二人分の極上なスイートルームが欲しいんだが」
主人「ええ、ええ、空いてますとも」
コブラ「そりゃよかった、野宿はきついからねぇ」
主人「久しぶりの旅人でこちらも助かりました……近頃はめっきり減りましてね」
コブラ「見たところ俺たちのほかに客はいないようだな」
主人「魔物があたりをうろつき始めてから旅人がほとんどいなくなりまして……困ったものですよ」
レディ「馬車で来たりする人もいないのかしら?」
主人「ええ、馬車も魔物達に襲われる始末……兵士を雇って馬車を動かすにしても襲われる」
主人「みんなほとほと困っていますよ……」
主人「ああ、すみませんね。つい雑談に耽ってしまいました。部屋はこちらですよ」
コブラ「おっ、宜しく頼みますよ」
コブラ「スイートルームにゃほど遠いが、なかなかいい部屋だな、レディ」
レディ「ええそうね、どうやら今日は安心して眠れそうだわ」
コブラ「さてと……少し散歩でもして、夜風に当たってくるよ」
レディ「わかったわ。気を付けてねコブラ」
コブラ「はいよ」
ザザザーッ ザザザーッ
コブラ「……この町はどうやら港町みたいだな……潮風が気持ちいいね」
コブラ「町の地形は大体把握したし、そろそろ戻るとするかな」
???「たっ、たすけて……」
コブラ「ん?少し離れたところで誰かが助けを呼んでいる……」
???「だっ……だれか」
コブラ「まったく……誰だか知らんが待ってろ」
コブラ「おいっ!大丈夫か?体がぼろぼろじゃないか」
エルフ娘「……あ、あなたは……追手が」
コブラ「追手?……誰かに追われているのか」
エルフ娘「……気を付けて」
コブラ「おいっ……気を失ったみたいだ」
カツ カツ カツ カツ
がいこつ剣士A「……娘を見つけた……奴だ」
がいこつ剣士B「……しかしあいつは誰だ」
がいこつ剣士C「……かまわん……娘だけに用がある……邪魔する奴は殺せ」
コブラ「……おいおい、がいこつが動いてるぜ……気味が悪い」
コブラ「それにしても、どうやらこの娘はこいつらに追われているみたいだな」
コブラ「なんでこの娘を追っているんだ?」
がいこつ剣士A「奴を……殺せ」
コブラ「このがいこつは喋れるけど、どうやら耳は持っていないみたいだな……やれやれ」
がいこつ剣士B「娘から離れろ……」
コブラ「……そいつはできない相談だな……仕方ない」スッ
コブラ「がいこつは大人しく、地面の中に入っておきな」ドーン
がいこつ剣士Aを 倒した ▼
がいこつ剣士B「な……なにをしたんだあいつは……左腕から魔法が」
がいこつ剣士C「しかし……あのような魔法は聞いたことがない」
コブラ「これは魔法でも何でもないさ。俺の精神力によってエネルギーが発射されるサイコガンだ」
がいこつ剣士B「……サイコガン」
がいこつ剣士C「……魔王様に報告しなくては」
コブラ「それは無理だな」ドーン ドーン
がいこつ剣士Bを 倒した
がいこつ剣士Cを 倒した ▼
コブラ「俺があんたらを倒すからな……」
コブラ「さーて……この娘さんはどうするかな」
宿屋 グッド・スリープ
エルフ娘「……うっ、うーん」
レディ「コブラ!この娘が起きたわよ」
コブラ「おっ、そりゃあよかった。宿屋の主人にも感謝しないとな」
エルフ娘「あ、あなたは先ほどの……私はいったいどうなったんですか?」
コブラ「君を追っていた連中は俺が始末しておいた……放っておけなかったからな」
エルフ娘「あ、ありがとうございます……」
コブラ「助けてやった代わりといっちゃなんだが、なぜ奴らに追われてたのか教えてくれないか?」
エルフ娘「そ、それは……あなた達まで巻き込むわけにはいきません」
レディ「コブラがあなたを助けたから、もう巻き込まれたようなものだけど」
コブラ「ははっ、関与しないつもりだったが、こんなきれいな娘は助ける以外できないからな」
エルフ娘「しかし……」
コブラ「俺たちなら大丈夫さ、君を守るナイトになれるかもしれない」
レディ「そういうことよ……さ、話してちょうだい」
エルフ娘「……わかりました」
エルフ娘「私は魔王達のいる……南の町の出身のエルフなんです……」
----------------------------------------------------------------
かつて南の町は魔物が住んでいました。
それは魔王が全盛期の時代の話なんですけど。
昔、勇者が魔王を封印して、魔王城は廃墟となったんです。南の町は平和になり
観光が盛んなまちとなりました。そして後世に魔王の居たことを忘れさせない
ために私たちの町で、魔王城を保存をしていました。
ところがあの日、魔王が突然復活した。
村の人々は魔物の群れに襲われ、男は力仕事、女子供は家事などをさせられるための
奴隷となりました。
私の家族は何とかその時逃げ延びたみたいなのですが、私だけが捕えられました。
それで他の人とは違い、私は魔王城の書庫へ配属されました。
魔王が調べ物をしていて、それの手伝いをさせられたのです。
……そこで魔王の恐ろしい野望を知り、逃げ出してきました。
-----------------------------------------------------------------
エルフ娘「……私はあんなこと実現させられない」
レディ「あなたは魔王から特別扱いをされていたみたいだけど、どうしてなの?」
コブラ「何か理由があるんだろうが」
エルフ娘「それは……私が古代の勇者と魔王の歴史を研究しているからだと思います」
コブラ「ほぉー、じゃあお嬢ちゃんは学者さんってわけか」
エルフ娘「はい……なので魔王は私に自分の調査の手伝いをさせていたんだと思います」
コブラ「それで、魔王の研究ってのはどんなヤツなんだい?」
エルフ娘「……冥府の門に関する事です」
コブラ「その冥府の門ってのは一体なんだ?地獄への入り口か?」
エルフ娘「ほとんどの人はそう解釈をしていると思います……しかし私は違うと思っているんです」
レディ「それじゃあ、あなたはどう思っているの?」
エルフ娘「……異世界への入り口です」
レディ「……コブラ!もしかしたら」
コブラ「ああ、そうかもしれないな……もっと詳しく教えてくれ」
エルフ娘「冥府の門はかつて魔王城の地下深くにあったと言われています」
エルフ娘「……そしてその場所には地獄の帝王も」
レディ「地獄の帝王ね……」
エルフ娘「私の考えでは、これは昔、この世界を滅亡させる為に魔王が異世界から連れてきた魔物です」
エルフ娘「一般の文献では眠りについたといわれていますが、私は魔王自身が帝王を眠らせたのだと思っています」
コブラ「そりゃまた、いったいなんで」
エルフ娘「余りの力のすごさに、魔王自身が滅びそうになったからだと推測します」
エルフ娘「それで……今度は魔王がこの地獄の帝王を再び甦らせようとしているのです」
コブラ「……なるほど大体の事情はわかったが、魔王が君を使って調査してるのはなんでなんだい?」
コブラ「その話なら、全て魔王自身が把握していると思うんだが」
レディ「たしかにコブラの言い分もあるわね」
エルフ娘「……魔王を封印した勇者たちは、二度と冥府の門も地獄の帝王も世に出ないようにしました」
エルフ娘「勇者たちは巨大転移魔法で、どこかにそれらを移動させたのです……今は場所を知る者はいません」
エルフ娘「……私以外は」
コブラ「なるほどね、それで奴らから追われていたというわけか」
レディ「その話が本当なら、私たちはその門に行かないといけないわね」
エルフ娘「……なっ、もしかしてあなた達も魔王と同じような」
コブラ「いやいや、地獄の帝王を起こそうってわけじゃないさ」
コブラ「ただ、そいつがねんねしてる間に門だけ使わせてもらおうって魂胆さ」
エルフ娘「門だけ……あなたたちは一体」
レディ「信じてもらえるかわからないけど、私達は異世界から来たの」
エルフ娘「……やはり異世界はあるのですね」
コブラ「……俺たちは君の知恵を借りなくちゃいけない」
コブラ「そのかわり俺たちも君の事を助けよう」
エルフ娘「……はいっ!」
=== 魔王城 ===
ドラキー「魔王サマー!魔王サマー!」
魔王「……どうしたドラキ―よ。娘を捕まえた報告にでも来たか」
ドラキー「い、いえ……追手がすべてヤラレマシタ」
魔王「なに?……あの娘にか?」
ドラキー「西の村まで逃げ延びた娘を、がいこつ剣士たちが捕えようとしたところ、ある男が現れたのです」
魔王「ある男だと?一人で奴らを倒したというのか」
ドラキー「ええ、そうでございます。赤いピッチリした服を着ている男で、見たことのない閃光の魔法を使うのです」
魔王「ほう……では、娘は現在もその男と一緒にいるという事だな」
ドラキー「はい……いかがいたしましょうか?その男を排除いたしましょうか?」
魔王「……かまわん。泳がせておこう。定めの勇者ではなければ私は倒せぬ」
魔王「それに定めの勇者はもう現れん……フフフ」
ドラキー「……わかりました……それでは引き続き、監視とご報告を続けます」
魔王「ああ、頼む……すべては俺の思いのままに」
今日はここまでです
ではまた書き溜め作業に戻ります
明日か明後日の夜にお会いしましょう
レディに対して誰も違和感感じないのかな?
あの世界じゃどう見てもさまようヨロイの同類だろ
>>28
村人A「あ……あの……」
コブラ「ん?どうしたんだい?サインなら受け付けてないよ」
村人A「え?」
レディ「ごめんなさい、コブラはいつもこうやって軽口を叩くの。いったい何の用事?」ヌッ
村人A「ひ、ひい!ごめんなさい!やっぱりいいです!」
村人B「おい、大丈夫かよ」
村人A「やっぱり……さまようよろいだって」
レディ「もう失礼ね……それにしても、さまようよろいっていったい何かしら?」
コブラ「ははは、どうやらこのことらしい」
レディ「これはさっきの本ね……えーと……鎧だけのモンスター……死んだ魂が乗り移って……これは」
コブラ「たしかに外見だけならこいつと見間違うかもしれないねぇ」
レディ「もう!コブラったら……失礼しちゃうわ」
こんな感じでしょうか?
確かに、さまようヨロイを連れ歩く、赤い格好の変な男と認識されているかもしれませんね
それでは続きを投下します
朝 宿屋 グッド・スリープ
コブラ「うーん!天気が良くて、気持ちがいいねぇ」
レディ「今日はどうする?コブラ」
コブラ「そうだな、まずはエルフ娘から話を聞きながら朝食でもとるとするか」
レディ「了解よ……主人、朝食を二人前頼むわ」
エルフ娘「あっ……私の分もお願いします。お金は払いますから」
レディ「あら、私の分はいらないわ。コブラとあなた、二人で食べる分よ」
エルフ娘「は、はあ……わかりました」
コブラ「……それで昨日の話の続きなんだが」
コブラ「魔王を俺が倒しちまって本当にいいのかい?」
レディ「コブラと私はこの世界にとってはイレギュラーな存在。だから関与しすぎてもいいのかしら?」
エルフ娘「あっ、昨日はそこまでは話していませんでしたね。今から説明します……」
エルフ娘「この世界には予言の書と呼ばれるものがあります」
レディ「予言の書?」
エルフ娘「はい、この世界の予言が書かれた本なのです。その中に勇者と魔王の事も書かれてあります」
エルフ娘「それでこの世界の予言の書によると、2回しか魔王と勇者が現れることはないそうなのです」
コブラ「だったら今回が2回目ってわけかい?」
エルフ娘「いえ……今回で3度目です」
エルフ娘「これまで勇者と魔王は2回現れました……だから魔王が現れたのは本来おかしい事なのです」
レディ「予言の書が間違っている可能性はないかしら?」
エルフ娘「絶対……とは言い切れませんが、それは無いと思いますね」
エルフ娘「そこでここからが本題です。いきなり現れた魔王もこの世界の異分子という事なのです」
コブラ「……そこで同じく異分子の俺たちが倒してもいいってわけだな?」
エルフ娘「ええ、そういうことです」
コブラ「よし……わかった。それじゃあ俺がその魔王とかいうのを倒してやろうじゃないの」
エルフ娘「ええ……勇者が現れない今、頼れるのはあなた……いえコブラさんだけです」
レディ「決まりね……魔王を倒してから冥府の門を探しに行きましょうか」
コブラ「ああ、そうだな……たしか話によると南の町に魔王城があるんだったな」
コブラ「……ここは西の町だから今日の夜には向こうに着きそうだな」
レディ「……それは無理そうよコブラ」
コブラ「そりゃまたなんでだい?」
レディ「……明るくなってきづいたのだけれど、あの山を見てちょだい」
コブラ「どれどれ……あーこりゃだめだな」
エルフ娘「ええ……西の町と南の町はかなり険しい山で隔たれています」
エルフ娘「ですので南の町へ行くには、いったん北の町に行って、東の町を経由しないといけません」
エルフ娘「私もその経路でここまで逃げてきました……」
コブラ「こりゃ歩いていくのは、かなり手間取るねぇ」
エルフ娘「……私も隠れながら来たので……3日程かかりました」
レディ「……歩いていくのは大変ね……せめて馬車でもあるといいんだけど」
レディ「馬車は主人の言っていたように動かないらしいし……」
コブラ「よしっ……それならいい手がある。主人、この町に馬小屋はあるかい?」
主人「ああ、それなら向こうの方に……」
西の町の馬小屋
レディ「なるほどコブラ、馬車が動かないなら自分で乗ればいいというわけね」
コブラ「そういう事だ……というわけで」
コブラ「馬を2頭譲ってもらいたいんだが……もちろんただっていうわけじゃない」
馬主「……あんたらにかい?」
コブラ「ああ、すこしばかり遠くの町に用が出来ちまってね。それなのに馬車は動いていないからな」
馬主「……譲ってやらんこともない……しかし条件がある」
コブラ「ほう、そりゃ一体どんな条件だい?」
馬主「こんな時に遠くに馬で行こうなんて言ってるあんたらの事だ……腕が立つと見た」
馬主「少し今困っていることがあってな、それを解決してほしいんだ」
レディ「困っていることとは?」
馬主「ここから少し先にワシが育てている畑があるんじゃ」
馬主「そこに行く道の途中に洞窟があるんだが、魔王の復活以来そこに魔物たちが多く住みつくようになった」
馬主「馬達の為に乾草をとりに行かないといけないんだが、怖くてそこまで行けないのじゃ」
コブラ「そこで俺たちにその洞窟の魔物退治をしてほしいってわけか」
馬主「そうじゃ……それをやってくれたら譲ってやろう」
コブラ「……よし、その話に乗った。2人はここで待っていてくれ」
馬主「ひ、1人でいくのか?この鎧さんとエルフさんは連れて行かないのかい?」
エルフ娘「こ、コブラさん……」
コブラ「ああ、大丈夫だ。一人でさっさと片付けてくるさ」
コブラ「昨日の奴らがまた来るかもしれない。レディ、この嬢ちゃんを守ってやってくれ」ボソッ
レディ「わかった、まかせといてコブラ」ボソッ
黄昏の洞窟
コブラ「……おー気味が悪いね、こりゃ」
コブラ「下は水だらけだし、辺りは暗いし……葉巻型のライトじゃそこまで照らせないぜ」
コブラ「……それにしても結構倒してきたが、この洞窟いったいどこまであるんだ?」
コブラ「……おっ大きな扉が見えてきたな……ここが最後の部屋みたいだな」
キラーピッケルA「貴様!何奴だ」
キラーピッケルB「この先は通さないぞ」
キラーピッケルC「ええい!奴を倒せ!皆の者」
キラーピッケルD「喰らえーっ!」
キラーピッケルE「はあっ!」
コブラ「あらあら、ずいぶんかわいい門番達だな。かわいそうだけど倒させてもらうぞ!」
コブラ「サイコガンは使うまでもないぜ!はァッ!」
キラーピッケルA「うっ……」
コブラ「よっと!」
キラーピッケルAを 倒した
キラーピッケルBを 倒した
キラーピッケルCを 倒した
キラーピッケルDを 倒した
キラーピッケルEを 倒した ▼
コブラ「よし……あとはこの扉の中にいる奴らだけか……どうやら3体いるようだな」
コブラ「……何がいるかしらんが先に攻撃させてもらうとするぜ」
コブラ「……」スッ
コブラ「……」ドーン ドーン ドーン
ガーゴイルAを 倒した
ガーゴイルBを 倒した
ガーゴイルCを 倒した ▼
コブラ「……とりあえず感じ取れる生き物はいなくなったな」
コブラ「でも何が置いてあるか気になるな……扉の中も見てみるか」ギィィ
コブラ「コホッコホッ……こいつらが中にいたのか」
コブラ「宝石類や食料がたくさんあるぜ。さてはこの鳥たちがリーダーとして盗んでいたんだな」
コブラ「……すこしばかりもらっておくか。おっ、これはなかなかいいんじゃないか?」スッ
ドスーン ドスーン
コブラ「ん?なんだこの音は……」
ゴーレムA「ズズズ……貴様……何をしている」
ゴレームB「我らの……宝石を……盗むとは」
ゴーレムA「ぬ……ガーゴイルたちがやられておる……この男」
ゴーレムB「我らで……貴様を葬ってやる」
コブラ「へっ、でかいお人形さん2体がリーダーだったとは」
コブラ「俺もどうやらお前らの事までは探知できなかったみたいだな」
ゴーレムA「フフフ……生かしては帰れぬ……ハアッ」
ドシーーーン
コブラ「ひえー、なんてパンチだ!おたく、ヘビー級のリング上に上がったら優勝まちがいないぜ」
ゴーレムB「なにをわけのわからぬことを……ハアッ!」
コブラ「うわっ、避けきれない」
ドシーーーーン
ゴーレムB「ほう……手ごたえがあったぞ」
ゴーレムA「……なんだ……もう終わったか……実につまらない」
コブラ「……いいや、2ラウンド目を開始にしようか」フラフラ
ゴーレムB「ぬぅ……我の全力の拳をくらい……立っておるとは」
ゴレームA「……この人間……只者ではない……あの勇者を思い出すわ」
コブラ「さて……それじゃこっちも反撃だ」スッ
コブラ「……くらえっ!」ドーン ドーン
ゴーレムAに サイコガンを喰らわせた
しかし ゴーレムAは 倒れない ▼
コブラ「ちっ……やっぱり見た通り相当硬いな」
コブラ「サイコガンを喰らわせたが、当った場所を貫いただけだ」
ゴーレムA「ぐぬ……それは魔法か?……珍しい技を使うな」
ゴーレムB「しかし……我らを倒すには至らぬ」
コブラ「よしっ、あれでいこう」
ゴーレムA「……ぬ……急に走りだしたと思ったら……見失ってしまった」
ゴーレムB「奴は……いったいどこにいるというのだ」
コブラ「ここさ!」
ゴレームA「……なぜ天井なんかに?」
コブラ「俺の腕についてるこいつはサイコガンといってねぇ、俺の精神力に合わせ出力を調整できるんだ」
ゴレームB「……ま、まさかお前が天井に上がったのは」
コブラ「想像の通りさ……さぁくらいな!」ドォーン ドォーン
ゴレームA「う、上からくるとは……」
ゴレームB「ぐわぁああああ」
ゴーレムAを 倒した
ゴーレムBを 倒した ▼
コブラ「……なかなか手こずっちまったぜ……ん?なんか落としたな?」
コブラ「これは、金のコイン?装飾も施されている。なんでこいつらが……まぁいい、一応持って帰るか」
西の町の馬小屋
馬主「……本当か!あんた!本当に退治してくれたのか?」
コブラ「ああ、きっちり洞窟内全部まわって倒してきたよ」
馬主「本当にやってくれるとは……明日から乾草の取り入れが出来るぞ……ありがとう」
コブラ「それと、奥にいたゴーレムを倒した時にこんな物を拾ったよ」
馬主「なっ……こ、これは」
コブラ「俺はいらないから、あんたにでもやるよ……退治してきた証拠としてな。それと馬を買う時の金の足しにしてくれ」
馬主「あんた……これが何かわかって言ってるのか?」
コブラ「おいおい……それじゃなんだか、それがすごい宝みたいじゃないか」
馬主「宝なんだよ……この村を象徴する宝……つい先日魔物たちに盗まれてしまったものだ」
コブラ「ほー、ただのコインが宝ねぇ」
レディ「コブラ、きっと物質そのものよりも価値があるのよ」
コブラ「そんなものかねぇ」
エルフ娘「ええ……この宝は本当に尊いものです……コブラさん、私からもお礼をいいます。ありがとう」
コブラ「なんとなしにいいことをしちまったな……まあいい親父さん」
コブラ「さあ約束だ、馬を売ってくれ」
馬主「これをお主が村の長の所に持って行けば、馬だけじゃない……好きなものが手に入ると思うぞ」
コブラ「あいにく俺はシャイでね、パーティは苦手なんだ……あんたが持って行くといい」
コブラ「息子がいるだろう?その息子が洞窟の奴らを退治したことにすればいいさ」
馬主「ああ、退役軍人の息子が家にはいるが……本当にいいのか?」
レディ「……そうね、ここじゃ私たちが祝われてもね」
コブラ「ああ、そういうことだ。それじゃ話がついたところで……馬だ」
馬主「こんなことをしてもらって、金は取れん……いいやつを2頭、タダであげるとするよ」
コブラ「おっ、そりゃ助かるねぇ……それじゃお言葉に甘えさせてもらうか」
エルフ娘「……すごい」
レディ「フフフ……それじゃ次の町へ行きましょうか」
=== 魔王城 ===
ドラキー「魔王サマー!魔王サマー!」
魔王「どうしたドラキーよ、娘たちに関する情報でも入ったか?」
ドラキー「あの男が黄昏の洞窟を攻略しました」
魔王「黄昏の洞窟か……たしかゴーレムが2体いたはずだな」
ドラキー「はい……奴が洞窟から出ててきたので、中を見てみますと……洞窟内すべての魔物がやられていました」
ドラキー「もちろんゴーレム達もです」
魔王「……そいつのパーティは何人なんだ?」
ドラキー「それが……」
魔王「どうした?言い淀んだりして」
ドラキー「……息が絶える前の者に聞いたところ、赤い死神が1人で乗り込んできたとのこと」
ドラキー「そういうとその者は地に倒れ伏しました……おそらくあの男1人で攻略されたかと思われます」
魔王「ほう……そいつは相当な手練れのようだな……フフフ」
ドラキー「……」
魔王「ん?どうしたんだドラキーよ」
ドラキー「いえ……魔王様がなんだか楽しんでいらっしゃるようですので」
魔王「フフフ……強い敵と戦うのはいつだって楽しい事さ」
魔王「勇者じゃなくても、どうせ戦うなら強いものでないとな」
ドラキー「は、はぁ……そういうものなのでしょうか」
魔王「お前は偵察に優れている……しかしパワーはない。俺の考えがわからなくて当然さ」
ドラキー「……ありがとうございます……では私は引き続き監視に行ってきます」
魔王「宜しく頼んだぞ……ドラキーよ」
北の町への途中
コブラ「ハイヨーッ!タートル!」
レディ「フフフ、張り切ってるわねコブラ。でも馬に乗るなんて久しぶりね……いつ以来かしら?」
コブラ「さあな……それにしても体が鈍ってなくてよかったぜ」
コブラ「馬たちもかなりいいコンディションだ」
エルフ娘「あ、あのっコブラさん……少し怖いです」
コブラ「大丈夫大丈夫!落としやしないさ……それっ」
エルフ娘「きゃ、きゃあっ……もう」
コブラ「ははっ、すまない」
エルフ娘「もう……それにしてもお二人はスゴイですよね。何でもできて、まるで勇者みたいですよ」
コブラ「俺が勇者ねぇ……ダメだな、合わないや」
エルフ娘「そうでしょうか?……私にはそう思えますけど」
コブラ「それじゃ、ちょっくら昔の勇者の話をしてくれないか?少し興味があるんだ」
レディ「それは私も興味があるわ。是非話してくれないかしら?」
コブラ「こんな学者様から話を聞ける機会なんて、めったにないからな」
エルフ「勇者と魔王との昔話ですか?……いいでしょう、話してあげます」
----------------------------------------------------------
昔々、この世の征服をもたらす魔王が1人おりました。
魔王は魔王城を建築し、人々の町を侵略し、強奪するなどの暴挙を働いていました。
人々を侵略する裏で、魔王はとある計画をすすめていました。
それはなんと異世界への扉を作りだすという壮大な計画なのです。
魔王は昔から異次元への興味をもっていて、それの研究に日夜明け暮れていました。
それが功を得たのでしょう。
無謀かに思えたこの計画は、以外にもあっさりと成功しました。
その扉の名前は冥府の門。異世界への入り口。
これの完成を喜んだ魔王は、ついに人間界の征服に本腰を入れ始めます。
前にも増して増える暴力、略奪。魔物達の暴挙に歯止めがきかなくなりました。
そんな中にあらわれた1つの光。
そう、勇者が現れ、立ちあがったのです。
勇者は仲間を集め、伝説の鎧などを探し、それらを身につけました。
そして魔王城に乗り込んだ勇者は、伝説の剣によって魔王を打ち滅ぼしました。
こうしてこの国に平和がもたらされたのです。
----------------------------------------------------------
エルフ娘「先に言っておきますと、これは私の自己解釈も含めた昔話です」
コブラ「これが最初の魔王と勇者ねぇ」
レディ「2人目は一体どんな人たちだったのかしら」
エルフ娘「はい……えっと2人目たちはというと」
----------------------------------------------------------
世界が平和になった。
しかしまた世界を脅かすものが現れた。魔王が再び誕生したのです。
2人目の魔王は先代とは違い、格闘がそこまで強くありませんでした。
しかしその代わりに幻術等の魔法に長けていました。
自分の力だけでは勇者と戦うのは難しいと考えたのでしょう。
魔王は冥府の門を使い、異世界への旅に出かけました。
異世界から帰ってきた魔王は、後に地獄の帝王と呼ばれる魔物を連れていました。
魔王の帰りを待ちわびていた魔物たちは、その姿をみて恐れおののき、自ら命を
たつものまでいる有様でした。
この状況でまたも勇者が現れます。
前の勇者よりも賢く、強く、そして勇気があふれていました。
これを知った魔王はいち早く、地獄の帝王を使い勇者をやっつけようとしましたが
手が付けられません。目に見えるものを破壊し、仲間も攻撃し、世界中すべてを滅
ぼす勢いだったのです。
これには魔王も手をやき、勇者達がこの帝王にある程度ダメージを与えた後、横から
魔法でこの帝王を眠らせ、封印しました。
勇者たちはその行動を驚きましたが、魔王は倒さねばならぬ存在です。
その魔王を伝説の剣で攻撃し、見事魔王を封印することに成功しました。
そうして世界は再び平和になり、予言の書によって永遠の平和が約束されたのです。
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エルフ娘「こんなところですね……地獄の帝王がいかに恐ろしいかがわかりますね」
コブラ「あの魔物が自殺をするってくらいだ、相当恐ろしいんだろう」
レディ「……ふたりの魔王についてよくわかったわ……あ、町が見えてきたわね」
いったん区切ります
コンビニに行ってくるので
15分後くらいにまた再開しようかと思います
それでは投下を再開します
北の町
コブラ「……昨日来た時よりは静かだが、ちらほら人はいるみたいだな」
エルフ娘「昨日……この近くで戦いがあったみたいですけど」
レディ「どうやら町までは侵略されなかったようね……コブラ!あの鍛冶屋さんに行ってみない?」
コブラ「そうだなレディ……そうするか」
コブラ「昨日の親父さん、生きてるか?」
鍛冶屋「……あ、ああお前は。昨日の奴か……どうして戻ってきた?」
コブラ「いや、やっぱり本を返そうと思ってね。なかなか面白かったよ、トムソーヤの冒険にゃちと及ばないがな」
鍛冶屋「楽しんでもらえたみたいで、よかったよ……それで他に何か用事は?」
コブラ「あんたに仲間になってもらいたいんだ……もちろん報酬はする」
エルフ娘「こ、コブラさん!?」
レディ「ちょっとコブラ、なにを言っているの?この人は戦いに出向いたとはいえ、鍛冶屋なのよ」
鍛冶屋「そうだ……タダの鍛冶屋に何を言うかと思えば……まったく、帰ってくれ」
コブラ「ふふふっ……タダの鍛冶屋ねぇ」
鍛冶屋「何がおかしい?」
コブラ「いや、この町の鍛冶屋は演劇もお上手なんだとおもってね。器用な事だ、花束を贈ってやりたいくらいさ」
鍛冶屋「……」
エルフ娘「コブラさん?いったい何を言っているの?」
コブラ「俺が読んだその本、どうやらかなり貴重な本らしい。それにこの部屋に置いてあるもの、鍛冶屋にしちゃ少し趣味がいい」
コブラ「それに兵士たちがあんたに対しては、かなり丁寧に接している……ここからピンと来たんだ」
鍛冶屋「ほう……」
コブラ「おそらく、あんたは昔宮廷か何かに仕えていた剣士だ。退役したその理由はわからないがな」
鍛冶屋「フフフ……」
エルフ娘「鍛冶屋さん?」
鍛冶屋「驚いたよ……俺の素性を見抜くなんてな。坊主、あんたの言うとおりだ」
鍛冶屋「いかにも、俺は元王宮に仕えていた剣士であり兵士だ」
コブラ「それにしても、なんであんたみたいなのが鍛冶屋なんてやってるんだ?」
鍛冶屋「俺はかつて凄腕の兵士だった……今でもこの世界で一番の腕だと思っている」
レディ「まあ」
鍛冶屋「しかし、いくら俺個人が強くても……一人は一人。圧倒的な数には立ち向かえないと思った」
鍛冶屋「そこで全体の兵の力を強くすることを思いついたんだ」
コブラ「そういう事なら教官役になればよかったんじゃないか?」
鍛冶屋「一度は考えたんだが……俺の剣は口などで説明することはできん。完全に我流だからな」
鍛冶屋「それに教育者に適任なのは俺の同僚にゴロゴロいた」
鍛冶屋「幸いに俺には鍛冶の才能があったんだな。よりよい武器、鎧を兵士に提供するために鍛冶屋になった、というわけだ」
エルフ娘「自分の地位を捨ててまで、望みをかなえるなんて……」
コブラ「あんた男だねぇ」
鍛冶屋「ふふっ、何とでも言え……ところで仲間になれとはどういうことだ」
コブラ「ああ、俺たちは今から魔王を倒しに行く。あんたも言った通り一人じゃ厳しいかもしれない」
コブラ「だからあんたにも手伝ってほしいんだ」
鍛冶屋「ふふふ……退役した身でこんな機会に恵まれるとはな……よし、いいぞ!付き合ってやろう」
コブラ「そう来なくちゃ」
レディ「でもこの町の兵力が落ちるんじゃないかしら?」
鍛冶屋「大丈夫さ、奴らはなかなか強い。俺の武器もある事だし」
鍛冶屋「俺がいなくともここは守れるはずさ」
エルフ娘(力だけではなく、人望もすごい……コブラさん、スゴい)
コブラ「よし!それじゃ一緒に魔王をたおそう」
鍛冶屋「ああ……最高の武器と鎧で出向こう」
レディ「ええ」
エルフ娘「はいっ」
東の町
エルフ娘「……やはり酷い有様ですね」
レディ「ええ、そうね……」
鍛冶屋「ここは真っ先につぶされたからな……うちの町の兵士がこの町の魔物どもは追っ払ったが」
コブラ「ふーっ……ここは一体どんな町だったんだい?」
鍛冶屋「勇者が生まれた町といわれている」
エルフ娘「勇者は初代も2代目もこの村から誕生したのです。勇者たちの石造も作られています……そちらへ行ってみましょう」
鍛冶屋「くっ……やつらはなんて事を」
エルフ娘「石造が……」
レディ「見るも無残ね」
コブラ「これじゃ、どっちが初代で2代目かわかんないねぇ」
エルフ娘「……左の像が初代です……あっ、伝説の武器とかは……鍛冶屋さん」
鍛冶屋「……ああ。展示されているところへ行ってみよう」
コブラ「剣とかが展示されてるのか?それじゃあ行ってみるか」
エルフ娘「……勇者の使っていた伝説の装備が……打ち壊されている」
エルフ娘「そんな……貴重な物なのに」
コブラ「やつらは伝説の武器を恐れて先に壊そうとして、それが成功したんだな」
エルフ娘「……私たちの宝が……ってあれ?……鍛冶屋さん……これって」
鍛冶屋「……あんたもわかったかい?」
レディ「いったいどうしたというの?」
鍛冶屋「この壊されている武器などは……全て偽物だ」
エルフ娘「触ってみたら……ほんの少しだけど偽物とわかる」
コブラ「だれが一体そんなことを……」
町長娘「私です……」
鍛冶屋「これは町長様の娘様。お久しぶりです……これは一体どういう事ですか?」
町長娘「魔王が復活した際に本物そっくりの偽物とすり替えておいたのです」
コブラ「じゃあ本物は無事ってわけだな」
町長娘「はい……無事な事は無事なんですが」
エルフ娘「ですが?」
町長娘「魔物たちから遠ざける為に、あの聖域にすべてを戻してしまったのです」
エルフ娘「なんですって?……そんな」
鍛冶屋「なんだって、それじゃあの伝説は本当だったんですか」
コブラ「すまない、わかりやすく説明してくれないか?」
エルフ娘「ええ……そうね。聖域と呼ばれるのはこの世界の審判の神殿という場所です」
エルフ娘「伝説の話と思われているけれど、本当は存在している場所なんですよ」
エルフ娘「そこはあらゆる邪をはねのけ、真の勇を持つものしか踏み入ることの出来ない場所」
コブラ「そんな場所に戻されたんじゃ誰も取りにいけないな。だって予言じゃ勇者は現れないんだろう?」
エルフ娘「あの神殿は入ることが出来ない……なのに、あなたはどうして神殿に足を踏み入れることが出来たのですか?」
町長娘「私は2代目の勇者の血を受け継ぐもの……最深部までは行けなくてもその手前まではいけるのです」
エルフ娘「……つまり最深部に入るには真の勇が必要であるということですね」
町長娘「そうです……そして装備を最深部手前の祭壇に置くと、光とともに消え去ったのです」
町長娘「おそらく、あの中に聖なる力で保管されているのだとおもいます」
鍛冶屋「しかし勇者しか取りにいけないのだろう……もうあれを目にすることはできないな」
町長娘「……予言の書には書いてない、新たな定めの勇者が現れるといいのですが」
エルフ娘「……コブラさん」
コブラ「……あら?」
エルフ娘「コブラさんなら取りに行けるかもしれない……最深部に」
町長娘「コブラとは……この男のことですか?」
エルフ娘「……彼には非凡なところがあるのです。きっと勇者のように神殿にはいれるでしょう」
コブラ「お、おいおい……あんまり勝手に話を進めないでくれ。オレが勇者?そんなたいそうな事はできないよ」
コブラ「それにその伝説の装備じゃなくても、魔王を倒せばいいんだろう?」
レディ「……それだけじゃないみたいよ、コブラ」
鍛冶屋「……確かにこの小僧なら」
町長娘「魔王を倒す?……それは本当なのですか」
コブラ「……ちょ、ちょっとまいったねこりゃ。魔王を倒すことには決めているが……その装備はいるのかい?」
町長娘「伝説の装備が無くても、魔王は倒せるかもしれません。でもあの装備はこの世界の宝物なんです!」
エルフ娘「……コブラさんがやらなきゃ、今後あの装備は一生人目の付かない神殿の奥底にある事でしょう」
鍛冶屋「できなくても構わない……やるだけやってみてくれ!それに伝説の装備があった方が気も楽になるだろう」
レディ「フフッ……こんだけ頼まれたら、やらないわけにいかないわね」
コブラ「……ったく、まいったねぇ……そのつもりはないんだが」
コブラ「仕方ない……あんた、その神殿とやらに連れて行ってくれ」
町長娘「はいっ!それではこっちですよ」
今日はここまでです
ではまた書き溜め作業に戻ります
明日か明後日の夜にお会いしましょう
コブラ「ほぉー、あんたの鍛冶屋はいろんな装備がそろっているねぇ」
鍛冶屋「世界一の鍛冶屋兼武器屋でもあるからな。なんでも好きなものを持って行っていいぞ」
コブラ「ありがたいが、俺とレディにゃ必要ないな」
エルフ娘「コブラさんは異世界から来たんですよね?服装も奇抜ですし、そちらではどんな服が一般的なんですか」
コブラ「んー?気になるのかい?若い子は服装に敏感だからねぇ……そうだな……おっ、これなんか近いな」
エルフ娘は ハイレグのみずぎを 身につけた ▼
コブラ「よーく似合ってるぜ……特にヒップのラインが最高だねぇ」
エルフ娘「もー……ハレンチです!」
鍛冶屋(この格好が一般的な世界って……アリだと思います)
コブラの世界の魅力の1つはやはりお尻ですよね
はやく時代がコブラの世界に追いついてほしいものです
それでは続きを投下します
=== 審判の神殿 ===
町長娘「私と一緒なら最深部の手前までは、どなたでも入ることが出来ます」
コブラ「そういうことなら、あいつらもつれてくりゃよかった……スゴイぜここ」
町長娘「現世に存在する神の世界に最も近い建築物ですからね、驚くのも無理はありません」
コブラ「それにしても君みたいな子が勇者の一族の末裔とはね……勇者ってのは相当な面食いだったのかね?」
町長娘「あらやだ、お上手なんだから」
町長娘「私は2代目の勇者の末裔です……でも2代目の勇者は女性なんですよ」
コブラ「それじゃ訂正しなきゃな。2代目の勇者は相当な器量よしとみた」
町長娘「ふふ……さてもうすぐ最深部ですよ」
コブラ「ほぉー、こりゃすごい……言葉じゃあらわせないぜ」
町長娘「さあ、ここが最深部手前の祭壇です。ここへ伝説の装備を置いたところ、光となって消えました」
コブラ「光か……中に入る入口ってのはないのかい?」
町長娘「私の家で伝えられた話によると、入り口は無く……神が導くそうなのです」
コブラ「神が導くねぇ……それじゃお祈りの言葉でも1つ唱えてみようかな」
町長娘「……私もここからはどうすればいいか、わかりません」
コブラ「祭壇の前に行ってみるとするよ」
町長娘「ええ、お願いします」
コブラ「よっと……見たところ普通の祭壇らしいが」
「お主は何者だ……」
コブラ「あ……何だ?頭の中に直接声が」
町長娘「声ですか?私には聞こえませんけれど」
コブラ「そうなのかい?……それじゃ俺の幻聴かもしれないな」
「ふむ、この世界の者ではないらしい……しかし魔王も同じこと」
コブラ「いや、やっぱり聞こえるぞッ!」
「……お主なら……いいだろう」
コブラ「ん?なんだ……体の周りに何かが……うっ!」
コブラの体を 聖なる光が 包み込む
コブラは 光となって 姿を消した ▼
町長娘「こ、コブラさん!……消えた。伝説の装備の時と同じように」
町長娘「まさか……あの人は本当に」
=== 審判の神殿 神の間 ===
コブラ「うわぁぁああ!」
コブラ「っと……驚いたぜ……ここは一体どこだ?」
コブラ「あの娘さんの話と同じで光に包まれたみたいだが……ここが勇者のみが入れる待って間ってわけか?」
神「その通りだ、異世界から来たものよ……いやコブラ」
コブラ「誰だっ?」スッ
神「そう気を荒げるな。私はこの世界の神だ」
コブラ「神?……やれやれ、まさかそんなお偉いさんとご対面する事になるとはな」
神「先ほどお前の脳内を覗き、この世界に来てからのお前の行動を見させてもらった」
コブラ「けっ、趣味の悪いこった……それで俺をここに呼んだからには、何か話があるって事かい?」
神「エルフの娘の言うように、あの魔王は本来現れぬ異分子……コブラ、お前も異分子だ」
神「私からもあの魔王の退治をお願いをしたい」
コブラ「……最初からそのつもりだけどな」
神「それで、ここに導いたのはこの装備をお前に与えるためだ」
コブラ「これは……あいつらの言ってた伝説の装備?」
神「そうだ、並の人間には装備できない代物。しかしお前なら扱えるはずだ」
コブラ「そんなこと言われても、俺にはこいつがあるからな」スッ
神「サイコガンか……そのような武器があるとは私も驚いた」
神「異世界の科学の発展はすごいな」
コブラ「だから装備は俺には必要ないね……むろんここに来れたからには、あいつらのために持って帰りはするけどな」
神「ふふふ……好きにするといい。だが剣だけは身につけておくことをお勧めする」
コブラ「ああ、わかった。ご忠告、どうもありがとさん。それじゃここから出してくれ」
神「ああ、いいぞ……最後に一つだけ、くれぐれも地獄の帝王だけは目覚めさせるなよ」
コブラ「おい、それって……」
=== 審判の神殿 ===
コブラ「おい……っと……祭壇の前か」
町長娘「コブラさん!無事でよかった!」
コブラ「ああ、この世界の神はクールなやつだったぜ」
町長娘「その装備は……やはりあなたは勇者」
町長娘「さっそく皆のもとへ帰りましょう!」
コブラ「お、おい……ちょっと待ってくれ」
東の町
レディ「コブラ、戻ってきたわね」
コブラ「ああ、なかなか大変だったよ」
エルフ娘「それは……伝説の装備。勇者……やはりコブラさんは勇者だったんですね」
鍛冶屋「ふふ、やはり本物の装備は素晴らしいな」
コブラ「この鎧と兜と盾はどこかに保管しておいてくれ」
エルフ娘「えっ……装備していかないのですか?」
コブラ「ああ、鎧を着たら動きが鈍くなるからな。剣だけ持ち歩くことにするさ」
鍛冶屋「ははは、コブラ。あんたは異端じゃのう!鎧なしで戦いに赴くとは」
コブラ「俺にはこっちの方があっているのさ」
コブラ「町長娘、あんたたちの世界の宝、しっかりと守ってやれ!俺は剣だけ借りていく」
町長娘「はい……コブラさん。気を付けて」
エルフ娘「……それじゃいよいよ、魔王城ですね」
鍛冶屋「……ああ、どうやって乗り込もうか」
レディ「地図を見て作戦を練りましょう」
コブラ「よし、それじゃ今日はこの町に宿泊して作戦会議だ」
=== 魔王城 ===
ドラキー「魔王サマー!魔王サマー!」
魔王「ん?どうしたドラキーよ、あの男がのたれ死にでもしたか?」
ドラキー「いえ……大変マズイ報告になります……あの男が伝説の装備を手に入れました」
魔王「何?伝説の装備はあの時に粉々にしたはず……この世には存在していないはずだぞ」
ドラキー「それが、あの者たちは本物を神殿に隠しておいたようで、それをあの男が持ち帰ってきました」
魔王「……審判の神殿の神の間か……勇者しか入れぬという場所か」
魔王「……という事は、あの男は実は勇者であったという事だな」
ドラキー「はいっ……いかがいたしましょうか?……もうすぐこちらまで来ると思われますが」
魔王「フフフ……まあ良い。全面対決と行こうではないか」
ドラキー「し、しかし魔王サマ……勇者となるとこちらも分が悪くなりますので」
魔王「心配するな……たとえ奴が勇者であったとしても、この俺は倒せんさ」
ドラキー「魔王サマ……」
魔王「俺の力を信じるのだドラキーよ。引き続き監視をよろしく頼むぞ」
ドラキー「はっ!わかりました……では失礼します」
魔王「……フフフ……ついに来るか」
東の町 宿屋 スリーピング・シープ
レディ「さて……ここに地図があるわけだけど。ここが魔王城ね?」
エルフ娘「はい、南の町を少し外れたところに位置しているのがそうです」
コブラ「ほーこりゃまた、堂々とした場所にあるねぇ。隠そうとも思ってないようだ」
鍛冶屋「伝説を聞く限り、魔王達はかなりの強さであったらしい。力を誇示する意味もあるのだろう」
コブラ「魔王とかいうのは、そうとうな自信家らしいねぇ」
エルフ娘「それで……南の町から魔王城までの間には一本道があります。そこを通らないとたどり着けません」
鍛冶屋「うむ……普通に考えると待ち伏せをされているはずだな」
コブラ「他に道はないのかい?」
エルフ娘「道の両脇は山になっているんです……しかも迷いの森といわれる森が」
鍛冶屋「そこに踏み入れると、道がわからなくなり、最終的に出られなくなるという話だ」
エルフ娘「樹木の魔物が幻惑呪文を使うっていう説もあるんですけど」
レディ「……そういう事ならその道は使えないわね」
コブラ「タートル号があれば、ひとっ飛びなんだがな」
鍛冶屋「コブラ、どうする?強行突破する以外に道はなさそうだが」
コブラ「うーん……仕方ないねぇ、魔王城の手前までの道は強行突破ってことで」
エルフ娘「ええ……わかりました。そこをしのげば何とかなるはずです」
レディ「あら?一体どういうこと?」
鍛冶屋「エルフ娘よ、魔王城の手前まで行けば何か手があるというのか?」
コブラ「聞かせてくれないかい?」
エルフ「はい……えっと戦力を二手に分散させることになるんですけど……」
コブラ「なるほど、そりゃあいい。じゃよろしく頼むとするよ」
レディ「なかなかいい作戦ね」
鍛冶屋「ああ、腕がなる。あんただからこその作戦だな」
エルフ娘「どうも……でも油断はできません。まずは南の町を通り過ぎないといけませんからね」
鍛冶屋「そういや、そうだったな……今は魔物がすみついているという話だし」
コブラ「全滅させることも出来るけど、なるべくこっそり通り抜けたいねぇ」
レディ「ええ、そうね。南の町をどうにかしないと」
エルフ娘「私は顔が割れていますし……」
鍛冶屋「魔物に扮装するというのはどうだ?」
コブラ「おっ、そりゃいいアイディアだな」
レディ「でも、どうやって扮装するのかしら?」
鍛冶屋「そりゃあモシャスだ……おれは使えないがな」
エルフ娘「私は一応使えることは使えますが……」
鍛冶屋「本当かい?」
コブラ「その口ぶりからいうと、それは変身する呪文みたいだな」
コブラ「でも俺はもちろん使えねえぜ。呪文なんてもんは」
レディ「私もね」
鍛冶屋「うーん……それじゃ駄目だな。他に何かいい方法はないものか」
エルフ娘「……私一人しか使えませんからね……何か別の手を」
コブラ「いや……待てよ。行けるかもしれない」
エルフ娘「何か思いついたんですか?」
鍛冶屋「さっそく聞かせてくれ」
コブラ「ああ、つまりこういう事ってわけさ……」
レディ「ふむふむ……なるほどね」
鍛冶屋「少しばかり気分が悪いがいけるかもしれないな」
エルフ娘「……頑張りましょう」
コブラ「それじゃ、明日に備えて休息をとろう」
朝 東の町
コブラ「よし……皆準備はいいな?」
レディ「ええ、ばっちりよ」
鍛冶屋「武器も鎧も道具もばっちりそろっているぞ」
エルフ娘「私も大丈夫です」
コブラ「そりゃ、よかった、これからって時に疲れてたんじゃ話にならないからな」
コブラ「それじゃ、さっそく南の町に行くとするか」
南の町
デュラハーンA「……しかし魔王様も人が悪い」
デュラハーンB「……なぜ我らがこの町の治安維持などをしなければならない」
デュラハーンA「ああ、まったくだ……前線で戦いたいのだがな」
スライム「……今日も異常は起きてないかい?」
デュラハーンA「ああ、魔王様に異常なしと伝言を伝えておいてくれ」
スライム「……了解した」
デュラハーンB「ああ……誰とでもいいから戦いたい」
りゅうき兵「やあデュラハーン達、今日も治安維持役か?」
デュラハーンB「……ああ、魔物の町に秩序などいらんだろうに」
デュラハーンA「いや……それは違うぞ我々にも秩序は必要だ」
りゅうき兵「魔王様が復活される前は酷い有様だったからな……」
デュラハーンB「ふん……我はそのようには思わんがな」
デュラハーンA「……そんなに言うなら、ここで首を切り落としてやろうか」
りゅうき兵「やれやれ……いつもこの調子だ……ん?人間がやってくるぞ」
デュラハーンA「……なに人間だと?」
デュラハーンB「……すぐに首を切り落とす」
コブラ「痛ったたた……もうちょい丁寧に連行してくれ」
鍛冶屋「……コブラよ……しくじっちまったな」
コブラ「全くだ……ついてないねぇぜ。成り行きに任せるとしますか」
さまようよろいA「……」
さまようよろいB「……」
デュラハーンA「……そこのさまようよろい達……何をしている?どうしたんだその人間達は」
コブラ「おーおー怖いねぇ……首がないのに歩いてやがるぜ」
さまようよろいA「この町に侵入しようとしているところ、私たちが捕えたのだ」
さまようよろいB「この不届きもの達を処分するためにな。ちなみに武器は徴収しておいた」
りゅうき兵「なんでこの町に侵入をしようとしたんだ?」
さまようよろいA「どうやら魔王様を倒しにやってきたみたいだ」
さまようよろいB「まったく馬鹿な奴らだよ」
デュラハーンB「フフフ……本当に間抜けな人間だ……手を貸してやるぞ」
さまようよろいA「なにをするつもりだ?」
デュラハーンA「……そいつらの始末の手伝いをしてやるのだ」
コブラ「血の気の多いこった。顔がないから、頭を冷やせないみたいだな」
さまようよろいA「こいつらは魔王城に連れて行く、魔王様が命を狙う者は連れてくるようにとの命令だ」
デュラハーンA「……そういう事なら手出しができないな」
鍛冶屋「ほっ……ここじゃ殺されないようだ……よかったよ」
デュラハーンA「……我らにそんな命令は伝わらなかったが……あのスライムめ」
デュラハーンB「……伝令をし忘れていたな」
さまようよろいA「私達だけに与えられた命令だ……気にするな」
りゅうき兵「たしかに、魔王様はあのドラキーを側近とするようなお方だ……彼らの言う通りみたいだ」
デュラハーンA「……そういう事なら仕方ない……気を付けて魔王様のもとにとどけるんだぞ」
さまようよろいA「ああ、わかっている」
今日はここまでです
ではまた書き溜め作業に戻ります
また明後日の夜にお会いしましょう
それでは続きを投下します
南の町から魔王城への道
さまようよろいA「町からはかなり離れることが出来た」
さまようよろいB「……無事に南の町を抜ける事ができたな」
鍛冶屋「ふぅ、一時はどうなる事かと思ったが何とかなった」
コブラ「よーし……それじゃそろそろ変身を解くか」
コブラ「……っとその前に」スッ
コブラ「……」ドーン
りゅうき兵「くっ……追っているのがばれるとは」
りゅうき兵を 倒した ▼
コブラ「尾行するときはもっと丁寧にするもんだぜ?」
さまようよろいA「あら、あのドラゴン、腹の中では怪しんでいたのね」
コブラ「二人とも、ここはどうやら安全らしい。とりあえず変身を解いていいみたいだ」
コブラ「特にエルフ娘は疲れただろう?結構長い間だったからな」
エルフ娘「はい……疲れましたよ」
レディ「私はこの赤い房を頭につけただけなのだけれど……彼らの目は節穴なのかしら?」
鍛冶屋「俺からすると鎧の質で違いがわかるけれど、あいつらじゃなあ」
コブラ「ま、ごまかせてラッキーだったよ。嬉しい誤算だな」
コブラ「そういや……エルフ娘、あんたは呪文が使えたんだな」
コブラ「最初合った時、どうして追手を倒さなかったんだい?」
エルフ娘「最初らへんは倒していたんですけど……逃げているうちにMPが減ってきて体力が限界だったので」
コブラ「なるほどねぇ……MPなんて概念があるんだねぇ」
コブラ「にしても、さっきの町は酷い有様だったな。人っ子一人もいやしない」
レディ「ええ、魔物たちの巣窟になっていたわね」
エルフ娘「……はぁ」
鍛冶屋「故郷があのようになって、さぞつらいだろうが……その為に魔王を倒そう」
エルフ娘「ええ、そうですね……世界に再び平和をもたらすために」
レディ「……コブラ」
コブラ「ああ、そのためにも次は魔王城に行かなきゃならないぜ……さぁファイナルステージだ」
コブラ「気を引き締めなおして向かっていこうか」
エルフ娘「はい!」
鍛冶屋「ああ」
魔王城の手前
鍛冶屋「……おかしい、この一本通行だ……てっきり強力な魔物が待ち伏せしていると思ったのだが」
エルフ娘「それほど強くない魔物ばっかりしかいませんでしたね。あっさりとここまで来れました」
コブラ「ああ、拍子抜けしちまったぜ。しかしその代わりに城の中を強いやつらで固めてるかもしれないな」
レディ「ええ、いずれにしろ注意を怠ってはいけないようね」
鍛冶屋「この前北の町を襲ってきた魔物の中には、よほど強いやつがいたがなぁ……うーむ」
鍛冶屋「むっ、魔王城が見えてきたぞ」
=== 魔王城の城門 ===
コブラ「ほぉーここが魔王城かい?何とも禍々しいことで」
レディ「……門の前に魔物はあまりいないようだけれど」
鍛冶屋「む?……あれはまずい!コブラ、皆!立ち止まるんだ」
エルフ娘「は、はい……」
コブラ「鍛冶屋のおっさんよ、いったいどうしちまったんだい?そんな素っ頓狂な声を上げて」
コブラ「幽霊でも見たって感じだぜ」
鍛冶屋「ふふ……幽霊の方がまだよかったがな。もっとまずいもんが視界に入っちまった」
レディ「もしかしてあれが、そのまずいものなのかしら?」
キラーマジンガA「……異常なし」
キラーマジンガB「……こちらも異常なし……見張りを怠るな」
鍛冶屋「……まさかあんな奴らが城門の見張りをしているとはな」
コブラ「たしか……本によると、キラーなんちゃらってやつじゃないか?」
鍛冶屋「ああ、キラーマジンガだ……これは苦戦するぞ。最初の予定を変更しなくちゃならんようだ」
コブラ「それじゃ俺とあんたであいつらの相手をするか、レディとエルフ娘が裏に回るってことで」
鍛冶屋「ああ、俺とその鎧の嬢ちゃんじゃ多分まずいと思う。コブラと俺なら何とかなるだろう」
エルフ娘「ええ……わかりました」
レディ「それじゃ、コブラたちが陽動をしている隙に私たちが忍び込むわ」
コブラ「ああ、そうしてくれ」
鍛冶屋「フフフッ……久しぶり武者震いがする」
コブラ「おいおい、あんたが武者震いするってことは、そんな恐ろしい相手なのかい?」
鍛冶屋「ああ……身を持って体験すればわかるさ……昔をおもいだすな」
コブラ「そりゃ、俺も慎重に戦うとするかな」
エルフ娘「コブラさん、鍛冶屋さん、気を付けてくださいね……成功したら援助をしますから」
コブラ「そっちもヘマはしないようにな。失敗したら後でお尻ぺんぺんだ」
レディ「……鍛冶屋さん、コブラ、二人のタイミングでお願い。その後に私達は移動を開始するから」
鍛冶屋「ああ……それじゃあ行くぞ!」
コブラ「よしきたっ……今だ!」
キラーマジンガA「……侵入者発見!」
キラーマジンガB「……2名発見、排除する!」
コブラ「おう、かかってきな!スクラップにしてやるぜ」
鍛冶屋「……粉々に粉砕してやるぞ!」
レディ「どうやら陽動が成功したみたいね」
エルフ娘「はい……それでは私たちは急いでいきましょう」
レディ「了解よ……さあ身をかがめて」
エルフ娘「ええ……さ、秘密の入り口はこっちにあります」
エルフ娘「……この抜け道を使えば城の中に入れます」
=== 魔王城の中 ===
レディ「……城石の1つを引き抜くと、秘密の入り口が現れるなんてね」
エルフ娘「……他の魔物たちも知らないでしょうね。たまたま私が見つけたんですよ」
レディ「それでこの道はどこにつながっているのかしら」
エルフ娘「書庫の隠し扉に通じているんです……それに、この時間帯は書庫に誰もいないはずなので安全です」
レディ「内部の情報に明るい人がいて助かった。コブラたちが戦っている……急ぎましょう」
エルフ娘「はい!あ、もうすぐ書庫ですよ」
=== 魔王城の城門 ===
キラーマジンガA「はァッ!!」
コブラ「おう……なかなか素早いねぇ……だが」
コブラは ひらりと身をかわした ▼
キラーマジンガA「……素早いな」
コブラ「あんたの攻撃は鋭いが、動きは読めたぜ!」
キラーマジンガA「……タダの人間ではないようだな」
キラーマジンガA「……確実に排除してやる」
キラーマジンガB「フンっ!でやっ!」
鍛冶屋「ははは……やはり強いな!」
鍛冶屋「防ぐのが精一杯だよ……」
キラーマジンガB「はっ!ハアッ!……秘儀」
鍛冶屋「何っ!秘儀だと?」
キラーマジンガB「……一文字流斬岩剣!」
キラーマジンガBは 斬岩剣を はなった
しかし 鍛冶屋は ひらりと身をかわした ▼
キラーマジンガB「外してしまったか……」
鍛冶屋「何だ……今の技は、見たことがないぞ。異国の剣技か?」
キラーマジンガB「魔王様から教えていただいた……我らの特権だ」
=== 魔王城の書庫 ===
エルフ娘「……よしここが隠し扉です」
レディ「それじゃあ開けて、中に入りましょうか」
エルフ娘「はい、そうしましょう」ガチャ
しりょうのきし「あっ」
エルフ娘「えっ?」
しりょうのきし「貴様!何者だっ!」
レディ「あら?いないはずじゃなかったの」
エルフ娘「……どうやら配置を変えていたみたいですね。レディさん、倒しましょう」
レディ「ええ、わかったわ」
しりょうのきし「よく見ると、貴様は逃げたエルフの娘ではないか」
しりょうのきし「貴様を連れてゆけば、報酬がもらえる……フフフ、仲間もよぶか」
リビングハンマーが あらわれた ▼
リビングハンマー「おお、これは魔王様の探している娘ではないか。とらえるぞ」
しりょうのきし「ああ」
レディ「これ以上仲間を増やされたら厄介ね……」
エルフ娘「ええ、やっつけましょう!」
しりょうのきし「リビングハンマーよ、手をかせ。先にあの鎧の女を始末するぞ」
リビングハンマー「わかった、なら俺を使え!」
しりょうのきしは リビングハンマーを 装備した ▼
エルフ娘「な、あれは?仲間のハンマーを装備した?」
レディ「かまわない、二人まとめて倒す……あなたは後ろから支援して頂戴」
エルフ娘「はい、わかりました」
しりょうのきし「くらえっ!」
リビングハンマー「大鉄球爆弾!」ブンッ
レディ「くっ……正確に私の所を狙って投げている」
しりょうのきし「もういちどだ……くらえっ!」
レディ「ああぁーっ!」
アーマロイドレディは ダメージを 受けた ▼
エルフ娘「レディさん!」
リビングハンマー「手ごたえがあったぞ!鎧を着ているが、内臓はやっただろう」
しりょうのきし「人間はもろいからな。さ、娘を連れて行くぞ」
エルフ娘「レディさん……くっ、ヒャド!」
しりょうのきしは ダメージを 受けた
リビングハンマーは ダメージを 受けた ▼
しりょうのきし「ウグッ……この娘、ただの学者かと思っていたが」
リビングハンマー「呪文を使えたのか……しかたない、少し弱めてからとらえるとしよう」
しりょうのきし「そうだな、弱めにさっきのをもう一度するぞ
エルフ娘「レディさんに、回復呪文をかけないと」
しりょうのきし「その隙は与えさせない」
リビングハンマー「くらえっ……鉄球舞爆弾!」
エルフ娘は ひらりと身をかわした ▼
エルフ娘「きゃっ……避けるのがやっと。呪文をかける隙がない」
リビングハンマー「かける隙など、与えさせない!」
レディ「その必要はないわ」ブンッ
しりょうのきし「……何っ!?」
しりょうのきしを 倒した ▼
リビングハンマー「な……なぜ立っている?回復呪文を受けていないのに立てるはずがないっ」
レディ「私はアーマロイド……呪文は必要ないわ。はァっ」バキィ
リビングハンマーを 倒した ▼
エルフ娘「レディさん!」
レディ「少し苦戦したわね……まぁいいわ。急ぎましょう」
=== 魔王城 城門 ===
コブラ「……避けてばっかりじゃ勝負がつかないから、そろそろ攻撃するとしますか」
キラーマジンガーA「随分と余裕な口ぶりだな……はっ!」
コブラ「よっと……ひー、やっぱりあんたの剣はスゴイよ」スッ
コブラ「だが……お返しだ!」ドーン
キラーマジンガA「ほう……」
キラーマジンガAは ひらりと身をかわした ▼
コブラ「ヒュー……まさか避けることが出来るなんてねぇ」
キラーマジンガA「珍しい呪文を使うな……しかしそれでは私を捉えられない」
コブラ「こいつぁは鍛冶屋のおっさんの言うとおり、かなりの曲者だぜ」
鍛冶屋「だから先に言っておいただろう?こいつらとやり合うのはきついってな」
コブラ「ああ、全くだ。サイコガンが当たらないんじゃ勝ち目はなさそうだ」
鍛冶屋「コブラのその呪文は避けられる……なら近づいて戦うしかないな」
コブラ「剣で戦うってことかい?……よしやってみよう」
鍛冶屋「気をつけろよ」
コブラ「ああ」
キラーマジンガA「……剣で立ち向かって来るか」
コブラ「ああ、ちょっとばかしあんたの剣の稽古につきやってやるぜ」
キラーマジンガA「……はぁっ!」
コブラ「よっと!」
キラーマジンガA「なに……剣がはじかれた!?」
コブラ「隙だらけだぜ!……はぁっ!」
キラーマジンガAに ダメージを 与えた ▼
コブラ「よし!これなら勝てるぞ」
キラーマジンガA「……この男なかなかやるな」
キラーマジンガB「おい!……Aよ、何を手を抜いているのだ。そんな事ではやられてしまうぞ」
キラーマジンガA「いや、奴の事を後方支援する男だと思っていた……甘く見ていた」
キラーマジンガB「俺の相手している男……なかなかの剣士……俺は最初から全力を出している」
キラーマジンガB「魔王サマのもとへ行かせるわけにはいかん……Aよ、気を抜くなよ」
キラーマジンガA「ああ……わかっている……これからは油断しない」
コブラ「おしゃべりは終わったかい?さぁ続きといこうじゃないか」
キラーマジンガA「お前の事を少し甘く見ていたようだ……ここからは全力で行くぞ」
コブラ「なんだ?……武器がもう1つ出てきたぞ」
キラーマジンガA「……これで終わらせる……ではいくぞ!」
キラーマジンガAは はげしく 切りつけた
キラーマジンガAは はげしく 切りつけた ▼
コブラ「おいおい……くっ」
コブラは 攻撃を 受け流した ▼
キラーマジンガA「ほう……」
キラーマジンガA「攻撃を受けきるとはたいしたものだ……たしかに剣の腕も確かなようだな」
コブラ「なんて手数だ……これじゃ攻撃する隙がないぜ」
キラーマジンガA「……どうした?もう一度行くぞ」
コブラ「くっ……防ぐのが精一杯だ」
コブラ「鍛冶屋のおっさんは何とかやりあってるけど……さてとどうするかな」
キラーマジンガA「防いでいるだけじゃこの私は倒せないぞ……」
コブラ「この距離で一瞬でも隙が出来ればいいんだが……無理そうだねこりゃ」
キラーマジンガA「……まだまだ攻撃を続けるぞ……ハァッ!」
コブラ「よしっ、防いだっ……ってあら?」
コブラ「防いだ時に足のバランスを崩してしまった……こりゃまずい」
キラーマジンガA「……フフフ……隙を見せたな……これで終わりだっ!」
エルフ娘「ヒャダルコ!」
キラーマジンガA「……な……氷で動きが……後ろからだと?」
コブラ「……動きが止まった……もらった!」ドーン
キラーマジンガA「くっ……む、無念……」
キラーマジンガAを 倒した ▼
キラーマジンガB「なに?……Aがやられてしまった……だと?」
鍛冶屋「お前もよそ見している暇はないぞ!……だいせつざん!……真空斬り!」
キラーマシンB「な……しまった……ぐふっ!」
キラーマジンガBを 倒した ▼
鍛冶屋「……厳しかったが何とか倒すことができたな」
コブラ「助かったぜー……どうやらそっちも成功したみたいだな」
エルフ娘「危なかったですね……間に合ってよかったです」
鍛冶屋「うむ……少し遅かったが、なにかあったのか?」
レディ「ええ、城内で魔物と出くわしてね」
エルフ娘「何とか倒すことが出来ました。さぁ内側から城門を開いたので、早くいきましょう!」
コブラ「はいよ」
=== 魔王城 城内 ===
鍛冶屋「……魔物の気配がほとんどしないな」
エルフ娘「私達も書庫であった魔物以外には、城内では遭遇しませんでした」
鍛冶屋「……魔物の総本山に魔物がいないなどとは思わなかったが」
エルフ娘「……私がここにいるときはかなりの数いたんですけれど」
コブラ「……そういや南の町の住人は一体どこにいるんだ?ここに連れてこられてるんだろう?」
エルフ娘「町の人々は、魔王城の奥の方にある小さな村に全員収容されているんです……」
エルフ娘「……魔物たちはもしかしたらそっちの方へ行っているのかもしれません」
レディ「あとでその人たちも開放しないといけないわね」
コブラ「そのためにも魔王を倒さないとな」
鍛冶屋「……む、大きな扉が」
エルフ娘「ええ……ここが魔王の間に入る扉です」
コブラ「いよいよ魔王とご対面ってわけだな」
鍛冶屋「後ろから魔物が襲い掛かってくるかもしれん……扉の前に一人いた方がいいだろう」
コブラ「そうだな」
レディ「それなら私がここに残っておくわ。三人で魔王を倒してきて頂戴」
鍛冶屋「鎧の娘よ……頼むぞ」
コブラ「レディ、頼んだ。それじゃ俺たちは中に入るとするぜ」ガチャ
今日はここまでです
ではまた書き溜め作業に戻ります
水曜日の夜にお会いしましょう
それでは投下しようと思います
今回の投下で終わらせます
=== 魔王城 魔王の間 ===
コブラ「……ここが魔王の居る場所か」
鍛冶屋「殺気は感じないが……なんだか異質な空気だな」
エルフ娘「ええ、気を付けましょう」
魔王「ついに来たか……勇者よ!」
コブラ「へっ……あんたが魔王か」
鍛冶屋「予想していたのとはだいぶ違うな……それに全身を服で隠していて顔が見えない」
魔王「……ほう、仲間が何人かいるのか」
コブラ「この世界を支配しようったって、そうはさせねぇぜ」
魔王「……お前が私を倒す理由でもあるのか?」
コブラ「……この娘や神に頼まれちまったもんでねぇ。個人的な恨みはないが倒させてもらうぞ」
魔王「個人的な恨みか……そうか、フフフ……まぁ良い」
魔王「お前たちの好きにするがいいさ」
鍛冶屋「コブラ、さっさと倒してしまおう……確かこいつは復活した2代目」
エルフ娘「……呪文が得意なはずです」
鍛冶屋「呪文が得意だから……体力はそれほど高くないはずだ」
鍛冶屋「一気に攻めてしまおう」
コブラ「ああ、そうするか……みんな行くぞ」
魔王「……来るか」
エルフ娘「……行きます」
魔王「エルフの娘か……まさかオレの所から抜け出して勇者と出会うとはな」
エルフ娘「あなたがしようとしていることはさせません!……ヒャダルコ!」
エルフ娘は ヒャダルコを となえた
魔王は ダメージを 受けた ▼
魔王「ううっ……ほう、興味深い。氷の呪文か」
エルフ娘「あなたをに倒して、野望を止めます!」
鍛冶屋「エルフ娘が呪文で気を引いているうちに……側面から攻撃する」
鍛冶屋「……くらえっ!五月雨剣!」
魔王「……横から来たか……しかしオレにそんな攻撃は効かないさ」
鍛冶屋「何っ!」
魔王は 右手で 薙ぎ払った
鍛冶屋は 吹き飛ばされた ▼
鍛冶屋「くっ……なんてパワーだ……攻撃の前にやられるとは」
エルフ娘「……呪文が得意なはずなのに……なんで?」
コブラ「まぁいいさ……どんなに頑丈なボディでも、俺のサイコガンにゃ敵わない」
コブラ「さあ魔王!俺の攻撃の番だ!くらいやがれ」スッ
コブラ「おおおおっ!」ドーン
コブラは サイコガンを はなった
しかし 魔王には きかなかった ▼
エルフ娘「えっ!?」
鍛冶屋「コブラの呪文がきいていないだと?」
コブラ「……そんなバカな話があるか……もう一度だ」
魔王「……フフフ……この程度か?」
コブラ「くらえ!」ドーン ドーン ドーン
魔王には きかなかった ▼
コブラ「おいおい……冗談だろう……どうなってやがる」
鍛冶屋「むっ……これはもしや幻術ではないか」
エルフ娘「はい……もしかしたら魔王が別の体を幻術で作り出しているのかもしれません」
コブラ「それじゃどこかに本物の魔王がいるってわけかい?」
魔王「フフフ……何を言っている。そんなことはない。オレが本体であり、本物だ」
魔王「そしてオレには貴様の攻撃はきかないのだ」
コブラ「なんだって?……じゃもう一回くらってみろ!」ドォーン
魔王には きかなかった ▼
魔王「だから言っているだろう勇者よ……いやコブラ」
鍛冶屋「……む……コブラの攻撃で魔王の羽織っていた服が脱げそうだぞ」
コブラ「……やっと顔を見せてくれるのか。ついでになんで攻撃が効かないのかも教えてくれよ」
魔王「フフフ……いいだろう」
コブラ「一体どんな奴なんだ……って、おいおい、まさかお前は」
クリスタルボーイ「……忘れたのか?俺の体は特殊偏光ガラスで出来ている」
クリスタルボーイ「久しぶりだな……コブラよ」
コブラ「お、お前はクリスタルボーイ!」
コブラ「まさかこんなところでお前にでくわすとはな……こりゃ腐れ縁ってやつかな」
クリスタルボーイ「偶然ではないのだがな」
鍛冶屋「……なんだ?ガラスと金でできたやつが魔王の正体だってのか」
エルフ娘「いえ……そんなはずは」
コブラ「……あいつは俺が来た世界の奴だ……俺の宿命の敵でもある。名前はクリスタルボーイ」
コブラ「あいつの体にゃオレのサイコガンは効かないんだ」
鍛冶屋「なに?」
コブラ「……まさか魔王の正体がお前だったなんて、想像も出来なかっぜ。いつからあんたは魔物使いになったんだ?」
クリスタルボーイ「相変わらず威勢がいいな……つい先日だ。オレもこの世界に来て、魔王と偽って指揮を執っていたのだ」
コブラ「そうかい、サーカスの団長にでもなれるな。公演したら教えてくれよ」
クリスタルボーイ「軽口は相変わらずだな……」
クリスタルボーイ「……しかし今用事があるのお前ではない。そこのエルフの娘だ」
エルフ娘「……あの場所の事が」
クリスタルボーイ「そうだ……そちらからきてくれて助かったぞ。うかつに動いて、ボロを出すわけにはいかなかったんでな」
クリスルボーイ「さあ、そういう事だコブラよ。さっさとその娘をオレに渡せ!」
コブラ「残念だが、そういうわけにはいかないな……鍛冶屋のおっさん!あいつを倒すぞ」
鍛冶屋「ああ、魔王ではなかったみたいだが倒すべき相手のようだからな」
コブラ「いくぜ!クリスタルボーイ」
クリスタルボーイ「やはり一筋縄ではいかないか……ここで二人の相手をするのは、いくらオレでも分が悪い」
クリスタルボーイ「あれを使うとするかな」
クリスルボーイ「コブラよ、俺はこの世界が気に入った!……呪文や魔法、まるでファンタジーだな」
コブラ「そうだな、それにゃ俺も同感だが……それが一体どうしたんだ?」
クリスタルボーイ「俺はこの世界にきて、一つの呪文だけ何とか覚える事ができた……こういう時のためにと思ってな」
鍛冶屋「……何をする気だ」
クリスタルボーイ「娘はいただいていくぞ……」
クリスタルボーイ「……ラリホーマ」
鍛冶屋「なにっ?」
コブラ「……ん、いったいこりゃ……」
クリスタルボーイは ラリホーマを 唱えた
鍛冶屋は 眠りについた
コブラは 眠りについた ▼
クリスタルボーイ「なんとも便利な事だ。ここでコブラの奴を殺すことも出来るが……」
クリスタルボーイ「フンッ……寝首を掻くのはつまらんな。始末するのは後にしてやる」
エルフ娘「……コブラさん!……鍛冶屋さん!」
クリスタルボーイ「さあ、エルフの娘よ、冥府の門の在処を教えるのだ……そして地獄の帝王の場所もな」
エルフ娘「そんなことはさせない……ヒャド!」
クリスタルボーイ「フンッ……無駄だ。さぁ早く教えろ」
エルフ娘「……ヒャド!」
クリスタルボーイ「話さないというなら、何とかして聞き出すまでだ……ドラキーよ、娘をとらえろ」
ドラキー「……」
クリスタルボーイ「ん?どうしたドラキーよ」
ドラキー「い、いえ……わかりました。さぁ娘よ、こっちへ来い!」
エルフ娘「ううっ……」
レディ「……どうしたのコブラ?何か音がしたけれど……あら、あなたは」
クリスタルボーイ「コブラだけではなく……コイツまでいたか」
クリスタルボーイ「厄介だな……ドラキーよ、あれを使って姿をくらますぞ」
ドラキー「は、はいっ」
ドラキー「やあっ」
ドラキーは まぶしいひかりを はなった ▼
レディ「ううっ……目が……マズイわ、あの娘が連れて行かれる」
エルフ娘「……離してっ」
レディ「……くっ」
レディ「……あの娘が連れて行かれてしまった」
レディ「コブラ達は……あっ、あんなところに」
レディ「コブラ!しっかりして」
コブラ「う……ううん」
鍛冶屋「しまった……奴に眠らされたのか!」
コブラ「レディ!あの娘はどうなった?」
レディ「……クリスタルボーイに連れていかれたわ」
レディ「止めようとしたのだけれど、コウモリが邪魔をして止めることが出来なかったの」
コブラ「……マズイな……俺としたことが。このままだとあいつが冥府の門の場所を突き止めてしまう」
コブラ「あっ……そうだレディ、小型発信装置をエルフ娘につけておいたよな?」
レディ「ええ、仮に連れ去られた時の事を思ってね」
レディ「しかしダメみたいだわ……クリスタルボーイがそれを壊したみたい」
コブラ「くそっ……奴は抜かりがないな」
鍛冶屋「……よくわからんが、エルフ娘を助けに行かないとな」
鍛冶屋「どこに連れていかれたのかはわからないが」
レディ「ええ、あの娘しか知らない場所」
鍛冶屋「……とりあえず南の町の住民を解放して、東の町に戻ろう」
コブラ「ああ、手掛かりがない今……そうするしかないようだ」
レディ「書庫はどうかしら?何か残っているかも」
コブラ「いや、ボーイの事だ。匂わせるような奴はすべて持ち去ってるはずさ」
コブラ「おっさんの言うとおり、住民たちを解放して町に戻ろう」
レディ「ええ、了解よ」
東の町 宿屋 スリーピング・シープ
鍛冶屋「……住民を解放して南の町に戻ってみると、魔物たちがすっかり消え失せていたな」
コブラ「魔王という指導者がいなくなったんで、現れる前の元の状況に戻ったんだろう」
鍛冶屋「……南の町が復興することを祈ろう……それよりも今はエルフ娘の事だな」
コブラ「ああ……先に門の場所を聞き出していりゃよかったな」
鍛冶屋「コブラの事を信頼してないわけじゃなかったんだろうが……しかたがないな」
レディ「発信機も壊されてしまい、手がかりもない状況ね」
コブラ「まいったぜこりゃ……手詰まりになっちまった」
鍛冶屋「……コブラよ、すぐに戻ってくるからここで待っていてくれないか?」
コブラ「ん?何か用事があるのか?」
鍛冶屋「ああ、すこしな……なに、大丈夫さ。なにか無謀な事をしようってわけじゃない」
コブラ「そりゃ構わんが、なるだけ急いでくれよな」
コブラ「エルフ娘の連れて行かれた場所の手がかりを何としてもつかまなきゃならない」
鍛冶屋「わかっている……それでは少しだけ席を外すぞ」
コブラ「はいよ、じゃあここで待ってるからな」
レディ「一体何の用事かしら?」
コブラ「さあな、俺にはわからないけど、何か大事な事なんだろう」
コブラ「それよりもまずは居場所を突き止めることからだ……地図を見せてくれ」
レディ「ええ」
コブラ「……やっぱり地図にはのってないよな。鍛冶屋のおっさんも、案の定知らないそうだし」
レディ「普通の人間が近づかないようなところにあるのよね……どこかしら」
コブラ「海底とか地下深くとかが怪しいが……範囲が広いから相当時間がかかる……つまり打つ手なしってわけだ」
レディ「そうね……闇雲に探す以外にはね」
コブラ「エルフ娘が無事だといいんだが」
=== ??? ===
クリスタルボーイ「エルフの娘よ、お前のおかげでこの場所を見つけることが出来た」
エルフ娘「……」
クリスタルボーイ「そう不機嫌な顔をするな……今から面白い事が始まるのだからな」
エルフ娘「……絶対にさせない……そんなことをしたら」
クリスタルボーイ「許さないぞ、か。しかしオレにはそんな脅しは効かない」
クリスタルボーイ「なぜならオレには関係のない世界の事だからな」
エルフ娘「……ごめんなさい、コブラさん」
クリスタルボーイ「フフフ……コブラか。その名を呼んでも奴は来ないさ」
クリスタルボーイ「さてドラキーよ手伝ってくれ」
クリスタルボーイ「いないのか……まあいい、怖気づいて逃げたのだろう……一人で準備を進めるとするか」
東の町 宿屋 スリーピング・シープ
コブラ「……ん?鍛冶屋のおっさんが帰ってきたぞ」
鍛冶屋「待たせてすまなかった。待っている間になにか手がかりは見つかったか?」
コブラ「いや、なんにも。ただ地図とにらめっこ勝負するしか出来なかったよ」
鍛冶屋「そうか……」
コブラ「あんたの用事はもうは済んだのか?」
鍛冶屋「ああ、もう済んだぞ。先の戦いで力不足を感じて、次に戦う時は違う戦い方で攻めようと思ってな」
鍛冶屋「ダーマ神殿というところが近くにあって、そこで用事を済ませてきた」
コブラ「さっきの戦いでも頼もしかったけどねぇ……まぁいいか」
コブラ「それじゃ町に出て、手掛かりをつかみにいくとしますか」
レディ「ええ、そうね……ってあら?何かしら?窓に黒い影が」
鍛冶屋「……む?あれはドラキーだな」
レディ「コブラ、あれは魔王とともにいた魔物よ……あの魔物の光で目くらましをされたの」
コブラ「なに?……それじゃあいつは魔王の側近って事かい?」
鍛冶屋「どうして、そんな奴がこの宿に」
コブラ「俺たちの監視にやってきたのかもしれねぇな……それにしちゃマヌケだが」
ドラキー「……」
コブラ「おい!そこのお前……なにをしている」
ドラキー「あっ……いえ私は」
コブラ「やられに来たのか?……魔王の居場所を知ってるのなら吐いてもらおうか!」
ドラキー「ひぃ……やめてくださいっ……最初からそのつもりで来たんですから」
コブラ「なに?それは本当かい?」
ドラキー「ええ……とりあえず中で話し合いましょう」
鍛冶屋「それでコブラよ、どうしてドラキーを店内なんかに?」
コブラ「いやな、こいつが戦う気はありません、話し合いましょうなんて言うもんだからな」
コブラ「罠かとも疑ってみたんだが、どうやら違うらしい。表情を見てると鬼気迫ったって感じだ」
鍛冶屋「……まぁ確かにそうだな。それでドラキーよ、話というのは一体なんだ?」
ドラキー「魔王と……あのエルフの娘の居場所の事です」
鍛冶屋「なに?それは本当か」
コブラ「そりゃまた、なんで魔王の側近のあんたがそんなことを俺たちに?」
ドラキー「あの方を魔王サマとお慕いしていました……統制力、カリスマ性……尊敬しています」
ドラキー「あの方が復活した2代目の魔王サマでないと知った時、一時はその想いが揺らぎましたが」
ドラキー「あの方への尊敬の念は消えず、その後も魔王サマとしてお慕いするつもりでした……しかし」
鍛冶屋「しかし、なんだ?」
ドラキー「あの男の野望を知り、この世界の1人としてそれを実現させるわけにいかないという思いの方が強くなったのです」
コブラ「地獄の帝王の復活か……」
鍛冶屋「何?……コブラたちが探しているのが冥府の門だとは聞いていたが」
コブラ「そういや、あんたにゃまだ話していなかったな」
鍛冶屋「あのガラス男は本当に地獄の帝王を復活させる気なのか?」
ドラキー「はい……本気で復活させようとしています」
鍛冶屋「そんなバカな……伝えられている話の通りだと、地獄の帝王はこの世界すべてを破壊するもの」
鍛冶屋「……自分だってその破壊の対象から免れるわけがない……いくら強いからといって」
ドラキー「それでも目覚めさせようとしているのです……あの男は世界の滅亡を望んでいる……しかし私はそれをさせたくない」
レディ「急ぎましょうコブラ!」
コブラ「ああ……目覚めさせるのはマズイな……お前の話を信じよう!ドラキー」
コブラ「急いで俺らをその場所まで、案内してくれ!」
ドラキー「はいっ!急ぎますよ」
西の町 馬小屋
馬主「……おやあんたたちは……もうこの町に帰ってきたのか。ああ、先日は本当にありがとう……」
コブラ「いいってことさ……それよりもあんた西の町の山の頂上まで登ったことはあるかい?」
馬主「南西に伸びている、あの山脈の事かい?冗談じゃない、わしは登った事はないぞ」
馬主「たしかにあの山に登るには、西の町からしか道はないが……なにか用事があるのか?」
コブラ「ああ、頂上にとらわれの姫がいてね。迎えにいかなくっちゃあならないんだ」
馬主「そうか……うーん。あ、そうだ、わしの息子なら道を知っていると思うぞ。ちょっと待っていてくれ」
コブラ「ああ、よろしくたのむ」
馬主息子「……あ、あなたが先日洞窟の魔物を退治してくれた方ですか。その度はどうも」
コブラ「いや、いいさ……それよりお礼の代わりに道案内をしてもらいたいんだ」
馬主息子「……父から聞きましたが、山の頂上ですか?」
コブラ「ああ、その通りだ!ドラキーに道案内してもらおうと思ったんだがね」
鍛冶屋「こいつ等は、魔物を使って南の町から強引に登ったらしい……だからドラキーは西からの道はしらないらしい」
コブラ「俺たちは馬でしかのぼれない……だから知っている人に道案内を頼みたいのさ」
馬主息子「……なるほど。わかりました……しかし登ることはできても、頂上まではいけませんよ」
馬主息子「頂上の手前には険しい崖があり、その崖を登らないことには頂上には行けないのです」
馬主息子「しかもその崖は誰も登ることが出来ないとのうわさです。魔力で登れないようにしているとの説もありますよ」
コブラ「大丈夫。構わない、そこまで案内してほしいんだ」
馬主息子「そういうことでしたら……いいでしょう、準備をしてきます。待っていてください」
山脈 頂上の崖下
馬主息子「……さあ、案内できる場所はここまでですよ」
ドラキー「やはりこちら側も険しい崖ですね」
レディ「……この崖はフリークライムするのは厳しそうね」
コブラ「ああ……さすがに俺もこいつはできないな。それに登れないように魔法がかかっているらしいしな」
鍛冶屋「なにか方法があるんだろうが……」
コブラ「ドラキー、クリスタルボーイは一体どうやって頂上まで行ったんだ。まさか空を飛んだってわけはないだろう?」
ドラキー「それが……崖下まで行って、どうすることも出来ないので困っていたところ」
ドラキー「あの男はエルフの娘を岩の前に立たせたのです。そしたら岩が動き、その中に階段が現れました」
鍛冶屋「なに?本当か……それじゃあ向こう側でしか登れないのか?」
レディ「しかし、この馬じゃ向こうに行くなんてとてもできないわ」
コブラ「……いや、待て。見てみろこれを……」
鍛冶屋「……ん?ものすごく小さいが壁に何か文字が書かれているな……この形は古代の文字か」
レディ「なんて書いてあるのかしら」
鍛冶屋「……すまんがわからん。古代文字を読める奴なんて、今のご時世ほとんどいないだろう……」
鍛冶屋「あの、エルフの娘なら読めたかもしれんが」
コブラ「……んー、わからないが……ここで何かすればいいかもしれないな」
レディ「勇者たちが移転させたのよね……もしかしたらその剣が」
コブラ「ああ、試してみるさ」スッ
コブラ「さあ、開けゴマ!開かないら無理やりあけるぜ」チョン
ゴゴゴゴゴゴゴ
鍛冶屋「剣の切っ先で岩に触れたら、そこが扉となった……こちら側も正解だったか」
ドラキー「これはまさにあの時と同じ状況……この階段を登るとそこが目的地のはずです」
コブラ「さあ謎解きも済んだところで、先に進もう!……あいつを止めないといけない」
鍛冶屋「ああ……さあ急ぐか」
コブラ「馬主の息子さん、悪いが馬の番をしておいてもらうぜ!……ここで待っておいてくれ?」
馬主息子「ええ、コブラさんのお願いなら喜んで引き受けます!……この先に何があるかは知りません。ですが、気を付けてください」
コブラ「よし、みんな行くぞっ!」
=== 冥府の門 封印所 ===
コブラ「ほー……コロシアムみたいな円形の建物になってるのか」
鍛冶屋「奥に大きな門があり、その手前にそれと同じくらい大きな建物がそびえたっている……
鍛冶屋「これが噂に聞く、冥府の門と地獄の帝王……か」
コブラ「生物と金属が混じり合った感じだな……それにしてもなんて大きさだ」
レディ「それで……エルフ娘は一体どこにいるのかしら」
ドラキー「門と帝王の間……つまり私たちのいる所の反対側にいるはずです」
コブラ「オッケーわかったぜ、ドラキー……」
クリスタルボーイ「……ここをこうして……フム……ここはこれだな」
コブラ「そこまでだぜ!クリスタルボーイよ!」
エルフ娘「コブラさん!」
クリスタルボーイ「コブラだと?……どうしてこの場所がわかった?たしか発信機は取り壊していたはず」
ドラキー「……」
クリスタルボーイ「なるほど、姿が見えないと思っていたら、コブラを呼びに行っていたとはな……まあいいだろう」
クリスタルボーイ「何をしにここまで来たんだ?オレを倒すためか、エルフの娘を助けるためか?」
コブラ「その二つともだ……それにこいつの目覚めを防ぐためだな」
鍛冶屋「ああ!お前のイカレタ計画を止めなきゃならん」
クリスタルボーイ「イカレタ計画?……このオレの計画がか?」
コブラ「そうだぜ!この世界に関係ないお前がなんでこいつを復活させる必要がある?」
コブラ「この世界が破滅するだけじゃないか」
クリスタルボーイ「この世界の破滅が全ての望みではない。オレがこいつを目覚めさせるのは、コブラ!貴様を殺すためだ」
クリスタルボーイ「この地獄の帝王を使ってお前を始末しようと考えていたのだ、最初からな」
コブラ「なに?……それならここでお前とあったのは偶然ではないって事か?」
クリスタルボーイ「ああ、そうだ。説明するために、コブラとそのお仲間たちに昔話でも聞かせてやろう」
------------------------------------------------------------
ある日、1人の研究者の自宅に空間の歪みが発生した。
研究者がその歪みを調べてみるも、なぜ発生したか、それがどんなものであるのか
何一つわかることがなかった。なにしろ触れもしなかったんだからな。
そこでその男は放置しておく事にした。
3年ほどたった時の事、突然その歪みから何者かが現れた。
何者かはこの歪みが異世界への扉であることを説明した。自分の来た世界のあらゆる事を
その研究者に説明した。この何者かは2代目の魔王だな。
魔王は力を欲していた……すべてを掌握する力を。
そこでこの科学者と手を組むことに決めたのだ。
そこで科学者が地獄の帝王を生み出したのだ。魔物と機械の融合体。
力の権威、恐怖の象徴の魔物だ。魔王が操り、勇者を蹴散らす魔物。
こうして魔王の思惑通りうまく事が運んでいるところで思いもよらぬことになった。
それは科学者の裏切りだ。
科学者は予言の書などという物に猜疑の念を持っていたんだ。
予言などこの世に存在するか、とな。そこで研究者あることを思いついた。
予言を狂わそう。
研究者は、勇者も魔王もすべて滅びるように地獄の帝王に細工をした。
動き出したら、制御が効かなく、全てを破壊しつくす殺戮の魔物になるように。
こいつを使って違う結果にしようともくろんでいたのだ。
そしてその怪物を引き連れて魔王は元の世界に帰っていった。
数日後、勇者と名乗る者が研究者の前に現れた。
そしてその男の口から、世界の平和は守られたことを研究者は聞いた。
勇者はその研究者が地獄の帝王のつくり手だとは知らず、研究者と親交を保った。
研究者は勇者からいろいろと話をきき、自らも異次元へ物を飛ばす方法を作り出すことに成功した。
ただ、それは片道切符だったということだ。
そして研究者には1代目の魔王の研究の成果を読みたいという願いがあった。
しかしそれは果たされなかったのだ。
勇者にとってきてもらおうと考えていたらしいのだが、二つの世界には時間の
ずれがある。勇者が研究者の世界にいればいるほど、浦島太郎状態になる。
だから2代目の勇者はこっちの世界にはその日以降現れることがなかった。
そこでこの俺に研究成果の回収を依頼してきたのだ。
そしてオレたちはそのついでにお前を始末しようと思い立ったのだ。
これがこの世界と俺たちの世界のつながりの話だ。
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クリスタルボーイ「わかってたかな?コブラ……あの博士はオレ達の仲間だったってわけさ」
クリスタルボーイ「さすがのコブラでも、このつながりには気づいていなかったらしい」
コブラ「けっ……あの博士め!長い付き合いだってのに……信じられねぇ」
クリスタルボーイ「フフフ、善人ほど、化けの皮をかぶっているものさ」
エルフ娘「……その話は……本当なの!?」
鍛冶屋「その研究者とかいう奴が……この世界を騙したというわけか」
コブラ「……それで俺を倒すために、わざわざそいつを起こそうってわけだ……この世界の破滅とともに」
クリスタルボーイ「オレは無事に冥府の門の入り口を見つけることができた」
クリスタルボーイ「さらに博士が欲しがっていた、異世界の研究書は手に入った。あとは貴様だけなのだ」
クリスタルボーイ「さぁこい!エルフの娘」ガシッ
エルフ娘「きゃああ!」
コブラ「おい、なにをする?」
ちょっとコンビニに行ってきます
クリスタルボーイ「地獄の帝王を甦らせるのさ……このエルフの血でな!」
エルフ娘「私の血?……いったいどういう事」
クリスタルボーイ「2代目の魔王はこいつを眠らせる為に、帝王の魔物の血をすべて呪文で抜き取ったのだ」
クリスタルボーイ「自分では扱えなかったが、こいつを扱える魔物が後世に現れるかもしれない」
クリスタルボーイ「そんな淡い希望をもった魔王は、生きた鍵を作り上げたのだ」
レディ「……生きた」
鍛冶屋「鍵だって?」
クリスタルボーイ「そうだ……魔王は地獄の帝王の血からエルフ族を作り上げたのだ」
エルフ娘「そんな……嘘でしょ」
エルフ娘「この血が始動のカギであり、命の灯だったというわけさ」
クリスタルボーイ「学者であり、鍵であるお前は大変貴重な存在だったんだ……」
クリスタルボーイ「……さあ甦るのだ……地獄の帝王よ!」ザシュッ
エルフ娘「ううっ!」
コブラ「エルフ娘!くそっ……ボーイの奴め」
ポタ ポタッ
鍛冶屋「エルフ娘の血が帝王の体に吸い込まれていく」
レディ「これで……体に命の息吹が吹き込まれたのね」
地獄の帝王「グ……グググ」
ズズズズズズズズズズ
クリスタルボーイ「フフフ……成功だ……フンッ!この娘は返してやる」
コブラ「あわわ」ドサッ
コブラ「おい大丈夫か?」
エルフ娘「ええ……なんとか」
クリスタルボーイ「フフフ……それではオレは門を使ってもとの世界へ戻るぞ」
クリスタルボーイ「これが貴様との最後の顔合わせになるといいがな……地獄を楽しむといい、コブラよ」ギィィィィ
ガチャン
コブラ「待てっ!クッ……クリスタルボーイの奴、元の世界に戻りやがった……俺たちも後を追いたいが」
レディ「……これを何とかしないといけないわね」
鍛冶屋「ああ……しかしこいつはマズイ……だんだん動き始めているぞ」
ズズズズズズズズズズ ズズズズズズ
ドラキー「……もうだめだ……この世界は破滅します」
コブラ「いいや……」
ドラキー「えっ?」
コブラ「オレ達が奴を止めるさ」
鍛冶屋「ああ……あいつを何としてでも止めてみせる」
エルフ娘「……私も手伝います……」
レディ「世界の破滅は見逃せないものね……私も手伝うわ」
コブラ「この四人で何とかする……安心しろドラキー」
ドラキー「……皆さん……はい」
コブラ「こうしてるうちに眠りから覚めたみたいだぜ……行くぜみんな」
地獄の帝王「ググググググググ……破壊……全てを」
コブラ「うおっ……立ちあがったはいいが、なんて大きさなんだ」
鍛冶屋「……遠目から見たら塔と間違えるだろうな……コブラ行くぞ」
コブラ「ああ、いいぜ」
コブラ「サイコガンをくらえっ!」ドーン
鍛冶屋「よしっ!コブラの呪文で右の関節がダメージを受けた……続くぞ!……バギクロス!」
ドラキー「すごい……帝王の右腕を切断した……」
地獄の帝王「グガガガガガガガガ……グググ……右腕破壊……治癒」
コブラ「自然治癒だと?……こりゃ厄介だな」
鍛冶屋「もう右腕が修復されているぞ!」
エルフ娘「くっ……次は私が魔法でっ」
エルフ娘「……ヒャダル……」
地獄の帝王「……目標確認……攻撃開始」
コブラ「右腕を振り上げた?……マズイ!……避けろ」
エルフ娘「……きゃっ……無理です」
鍛冶屋「くっ……」
ドスーーーーーーーン
エルフ娘「……あれ?助かった」
鍛冶屋「ふふふっ……この攻撃は……ちょっとばかし厳しいな」
エルフ娘「鍛冶屋さん!……攻撃を防いでくれたんですか」
レディ「代わりに攻撃を受けたのね……なんて頑丈な男なの」
コブラ「おっさん……助かったぜ」
鍛冶屋「構わない……しかし何度もこうはできないからな。エルフ娘は俺たち三人の後ろに隠れ支援してくれ」
エルフ娘「はいっ!」
地獄の帝王「グググググ……目標確認……攻撃変更……攻撃開始」
鍛冶屋「なんだ?……口に光が集まっているが」
コブラ「マズイ!……多分ありゃエネルギー波だ!……避けろ」
鍛冶屋「しかし……この態勢では……」
コブラ「あいつ……おっさんを右腕ごと吹き飛ばすつもりなのか……くそっ」
コブラ「……何とか攻撃をそらせればいいんだが」
地獄の帝王「……発射……」
ドラキー「まぶしい光!」
地獄の帝王「グググ……目が」
ズォォオオオオオオオオン
ザッバアアアアアアアアアアアアアアアアアア
コブラ「ナイスだドラキー!お前のおかげで奴が顔をそむけた!」
鍛冶屋「ふん!!……ふぅ、俺も何とか逃げることが出来た」
鍛冶屋「ドラキーよ、ありがとう」
レディ「しかし……なんて威力なの……海の方に飛んでいったけれど……海が割れているわ」
鍛冶屋「とんでもない威力だ……あれをくらっていたら、俺どころか山も崩れていただろうな」
コブラ「全くだ……あれに当たったら、ひとたまりもないぜ」
地獄の帝王「ググググググ……」
鍛冶屋「どうやら、あの攻撃の後はしばらく動けないらしい」
コブラ「しかし、あんなもん連発されたりゃ、すぐにこの世界が破滅しちまうぜ」
エルフ娘「……いったいどうしましょう」
コブラ「……あいつも魔物と機械の融合体だ……神様じゃあない。どこかに核となる所があるはずなんだが」
鍛冶屋「人型だから左胸にあるんじゃないか?」
コブラ「なら……ちょっとやってみるぜ」ドーン
地獄の帝王には 効かなかった ▼
コブラ「……左胸を覆っていたパーツが取り除かれたが……あれはクリボーと同じ原理だ」
コブラ「鍛冶屋のおっさんの言うとおり左胸に核があるんだが、偏光ガラスで守られているらしい」
レディ「それなら物理的に破壊するしかないようね」
コブラ「あそこを集中的に狙わなきゃならない……話し合う時間が必要なんだが」
地獄の帝王「グググググ……活動再開……」
コブラ「もう動き始めるみたいだな」
ドラキー「……私があいつを引き寄せておきます!」
鍛冶屋「なに?本当にする気か?」
ドラキー「ええ!そのうちに皆さんは作戦を!」
コブラ「ああ、頼む」
地獄の帝王「目標確認……」
ドラキー「さあ……こいっ!」
コブラ「さてどうするかな……ん?どうしたエルフ娘」
エルフ娘「いえ……伝説の剣の事で思いついたことがあって、考えていたんです」
エルフ娘「コブラさん、柄頭……剣の柄の先を見てください」
コブラ「んーと……宝石が埋め込まれているだけだが」
エルフ娘「その宝石は特殊なもので、呪文を強力にする能力があるんです」
鍛冶屋「そういやそんなものがあると聞いたことがある……メラをメラゾーマ程の威力にする宝石があると」
エルフ娘「伝説の剣にその宝石がついているんです……そこで思いついたんですが」
コブラ「なるほど……それなら成功するかもしれないな……よしやってみよう」
鍛冶屋「息の合った連係が必要だな」
レディ「一気に決めましょう」
エルフ娘「ええ……皆さん行きましょう!」
地獄の帝王「グググ……目標確認……メラゾーマ!」
ドラキー「……うわっ……駄目だっ」
ズォォオオオオオオオオン
鍛冶屋「空に向かってメラゾーマを……どうやら直撃したみたいだ……」
鍛冶屋「ドラキー……お前のおかげで時間が稼げたぞ」
コブラ「もう少し早ければ……しかしあいつの死は無駄にできない」
コブラ「さあ、行くぞ皆!」
エルフ娘「はい!」
エルフ娘「……マヒャド!」
地獄の帝王の体を 氷で動けなくした ▼
地獄の帝王「ググググググ……動作不能……」
鍛冶屋「……次は俺たちだな」
レディ「ええ」
鍛冶屋「膝をついて倒れろ……バギクロス!」
レディ「でやっ!!」
地獄の帝王は 膝をついて倒れた ▼
地獄の帝王「……目標確認……ッグ……攻撃」
コブラ「おっと……そうはさせねぇぜ」
コブラ「はぁああああああ!くらえっ!」ザクッ
コブラは 伝説の剣を 地獄の帝王の 左胸に突き刺した ▼
コブラ「よしっ!……皆、いくぜ」
鍛冶屋「……グランドクルス!」
エルフ娘「……全身全霊のマヒャド!」
コブラ「……これで終わりにしてやるぜ……くらえっサイコガンだっ!」
伝説の剣の柄に 呪文が集まる
魔力が 増大してゆく…… ▼
地獄の帝王「グッ……グググ」
地獄の帝王「ググググ……」
剣先から膨れ上がった呪文が 放出する
莫大な魔力が 地獄の帝王の 核を破壊してゆく ▼
地獄の帝王「……ググググググ……ググググ……能力ダウン……」
コブラ「もう一発だッ!」
地獄の帝王「グゥオオオオ!」
サイコガンが 核を貫く
地獄の帝王の 核を破壊した ▼
ドサッ
地獄の帝王「……」
コブラ「はぁはぁ」
エルフ娘「ふぅ……」
鍛冶屋「フフッ……やったな」
レディ「……地獄の帝王の体が崩れ去っていく」
コブラ「核が失われて、体を保つことが出来なくなったんだろう」
鍛冶屋「……どうやらこの世界の平和は守られたみたいだな」
コブラ「ああ、勇敢な魔物が犠牲になったけどな」
鍛冶屋「ああ、あのドラキーも立派な勇者だった……きっと語り続けられるだろう」
エルフ娘「コブラさんありがとうございます」
コブラ「いいって事よ……さて俺たちも元の世界に戻るとするかな」
鍛冶屋「まだいいんじゃないか?世界の平和を守ったことで祝宴等をしてもらえると思うぞ」
鍛冶屋「ここにもう少しいたらいいんじゃないか?」
エルフ娘「私からも改めてコブラさんにお礼をしないと……是非まだこの世界にいて下さい」
レディ「ありがたい提案だけど、コブラ、急がないとダメみたいよ」
コブラ「ん?どうしたレディ?」
レディ「どうやらクリスタルボーイが細工をしていたみたいなの」
レディ「帝王を倒したら、門を使えなくなるようにしていたみたい。まったく準備の良さは流石ね」
鍛冶屋「なに?本当だ……門が消えかかっている」
コブラ「こりゃマズイ……ぐずぐずしてられないぜ」
エルフ娘「コブラさん……」
コブラ「鍛冶屋とエルフ娘……世話になったな。剣を返しておくぜ」
コブラ「あの娘さんと、馬主の家の人たちによろしく伝えておいてくれ」
鍛冶屋「ああわかった、あの方に返ししておくよ」
エルフ娘「はい……本当に……本当にありがとうございました」
レディ「急ぎましょうコブラ!」
コブラ「ああ……それじゃあな」ギィィィィ
エルフ娘「行ってしまった……」
鍛冶屋「……門とともに二人とも消えてしまったな」
エルフ娘「嵐のような人たちでした……」
鍛冶屋「エルフ娘、あんたはこれからどうするんだい?」
エルフ娘「とりあえず……新しい勇者の物語を作ろうと思ってます」
鍛冶屋「ほう!そりゃあいいな。それならコブラたちが3人目の勇者としてこれからもずっと生き続ける」
エルフ娘「ええ」
鍛冶屋「できたら一番最初に話してくれ……よし、それじゃあ町へ降りて、町長様に伝えに行こうか」
エルフ娘「はい!」
エルフ娘(コブラさん……お元気で)
再び永久の平和が約束された世界で、エルフ娘はこの出来事を伝えた。
鍛冶屋とともにエルフ娘は物語を作り、コブラという名の勇者が後世に伝わっていくことになった。
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研究所
コブラ「おわわっ……ふぅ何とか戻ってこれたぜ」
レディ「見てコブラ!時空の歪みが消えていく」
コブラ「この世界とあの世界は、これでもうつながることがなくなったな」
レディ「ええ……あの子たちが無事、平和に暮らせたらいいわね」
コブラ「それよりも今は博士だ……こんなことに巻き込みやがって」
助手「あれ?コブラさん……どこに行っていたんですか?博士が心配していたんですよ」
コブラ「その博士は今どこにいるんだ?」
助手「……えっと……少し前に大柄の男とともに出かけたみたいですけど」
レディ「きっとクリスタルボーイの事ね」
コブラ「どこに行ったか知らないか?目的地とかは」
助手「行き先は教えてもらえませんでしたけど……もう戻ってこないかもしれないとか言ってましたね」
コブラ「そうか……博士に変わった様子はなかったかい?」
助手「そうですね……ああ、そういえば毒ガスを防ぐ装備を準備していました」
助手「ああ、そうだ!きっとあの星に行くつもりなんじゃないかと思います……あそこは危険ですからね」
コブラ「星の大半が毒ガスに覆われているといわれてる惑星ビクトか……」
助手「研究でしょうか?……あそこには何もないはずなのですが」
助手「どちらにしても命を落とすかもしれないから僕にそう言ったのかもしれません……あっ、そろそろ僕は行かないと。それでは」
コブラ「ああ、すまない。助かったよ」
コブラ「本当か知らないが……とりあえず手がかりは見つかったな」
レディ「ええ、そうね」
コブラ「どうやら博士は本格的に海賊ギルドの奴らと手を組むらしい」
コブラ「推測にすぎないが、あの世界の魔王の異世界への研究をさらに進めて、他の異次元空間を自由に行き来できるようにするつもりだろう」
レディ「……ギルドの事だから狙いはきっとアレよね」
コブラ「ああ……おそらくロド麻薬だろうな。異世界を探して回って穴場を見つけるつもりだろう」
レディ「そうなったらこれまで以上にギルドの勢力が拡大してしまう……」
コブラ「クリスタルボーイと博士を見つけなくちゃならないな」
レディ「ええ、そうね……そうと決まれば、早く行きましょう!」
タートル号
レディ「良かった……何もされていないみたい」
コブラ「ようし!惑星ビクトに向けて発進だ」
レディ「了解よ」
コブラ「毒ガスを防ぐ準備をしとかないとな……ん?なんだポケットに何かが」
コブラ「宝石か……ああ、あの洞窟に行ったときにくすねたやつか、すっかり忘れてたなぁ」
コブラ「思いがけない旅の思い出の品になったねこりゃ」
バサッ バサッ
コブラ「あれ?なんか音がするな……タートル号の中に動物なんて飼ってなかったはずなんだが」
コブラ「おーい、だれかいるのか?」
ドラキー「あ……やっと見つけました!……見かけの割に広いですね、このお城」
コブラ「おいおい……お前はドラキーか、生きてたのか?それになんでここにいるんだ?」
ドラキー「あなたを追ってきたんです!あなたについていきたくて!」
コブラ「まいったね……キビ団子なんかあげた覚えないんだけどな」
ドラキー「あの男を倒すのを手伝いたいんです!……どうかこの通り!」
コブラ「やれやれ……まあいいか」
コブラ「どうせ元の世界には戻れないしな。よし一緒に倒しに行くとするか」
ドラキー「はい!……どこまでもついていきますよ!」
こうしてコブラの魔王征伐はクリスタルボーイ征伐へと名目を変えたのだった
終わり
やっと書き終えることが出来ました
書き溜め初めてだったんですが、やはり誤字脱字が多い
それにコブラのようなセリフ回しをやってみたかったんですが難しいですね
クリスタルボーイが魔王は最初から決めてました
個人的にクリスタルボーイはどんなキャストも出来ると思うんですよ
多分虹裏のクリボーの影響だと思うんですけど
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