ゾーマ「マ…マヒャデドス…ですか…??」(356)

スタッフ「ええ。ある程度ゾーマさんのレベルが上がったら、
攻撃パターンにマヒャデドスを使うという設定にしていただいて…」
ゾーマ「ちょ…ちょっと待ってください!私、マヒャドは使えるんですけど、その
マヒャデドスっていうのは聞いたことないんですけど…」
スタッフ「はあ?あんた仮にも昔、ラスボスしてたんでしょ!氷系の上級魔法ぐらい使えるでしょ!?」
ゾーマ「…は、はあ…いや…マヒャドは使えるんですが…
(氷系の上級魔法ってマヒャドじゃないのか…??)」
スタッフ「あと、1ターンに3回攻撃をお願いします」
ゾーマ「えっ!!3回も!?私1ターンに2回はできますけど…」
スタッフ「はあ!?なにいってんの!?
と、に、か、く!!ゾーマさんの配信予定日は11月ですから!
それまでにできるようになってくださいよ!」

ゾーマ「(…ど、どうしよう…マヒャデドスってなんだ…)」

本屋

ゾーマ「ええっと…あった、あった。マヒャデドス、イオグランテ、バギムーチョ…。近頃はこれが最上級魔法なのか…。し、しかし、この年でこんな新しい魔法覚えられるかな…?」
?「…うん、君はゾーマ君じゃないか」
ゾーマ「えっ!あ、あなたは!!りゅ、竜王さんじゃないですか!!」
竜王「どうしたんだ、君が本屋で立ち読みなんて珍しいな」
ゾーマ「えっと…実はかくかくしかじかで…」
竜王「ふむう…そうか、君も配信クエストに…」
ゾーマ「え!じゃあまさか竜王さんも!!」

竜王「なんじゃ、知らなかったのか、ちなみに君の昔の部下も配信される予定だ。
えっと、なんていったけか…たしか…バラモスとかいったか」
ゾーマ「バ…バラモスまで…い…いまどきの若者のゲームに…」
竜王「いかんなあゾーマ君。昔のリメイク版の仕事ばっかりにでて、今の時代の流れを知らないようでは…
しかも、見たところ体がなまってかなり実力を落ちているみたいじゃないか」
ゾーマ「は、はあ…」
竜王「そういえばゾーマ君。最近、駅前に最新の魔物事情を教えてくれる学校ができたんじゃが…。そこで、いろいろ学んでみてはどうかね」
ゾーマ「え…学校、ですか」
竜王「ああ。君の学びたい呪文もそこで教えてもらえるとおもうぞ。…まあ、通っている生徒はいまどきの魔物ばっかりじゃから、ちょっとばかし浮くかもしれんが、背に腹は変えられんじゃろう」


ゾーマ「学校…か…しかし、この年にもなって、学校なんて…」

結局その学校に入学することにしたゾーマ

先生「…というわけで、今回新しく入学することになったゾーマ君です。皆さん仲良くしてくださいね」
生徒「はーーーい」
ゾーマ「あ、あの、ゾーマといいます…よろしくお願いします。」
ズッキーニャ「(ぷぷぷ…なんだあのおっさん、あの年でこの学校に入学してくるなんて…)
タイガーランス「(ああ、しかもなんだ、あのごつい格好…おっさんのくせしてラスボスきどりかよ…だせえ…)」
ポンポコだぬき「(さしずめ、あの年まで、どのドラクエの敵キャラオーディションにも受からなかったんだぜ…そんで次回作の10のオーデションこそ受かるために勉強しにきたってとこか)」
モーモン「(パネエwwwww)」

ゾーマ「(参ったなあ…見たこともない若い魔物ばっかり…。なじめそうにないなぁ…)」

一時間目…魔法学概論
(担当教官:あんこくまどう)

あんこくまどう「え~、というわけでザキの最上級呪文はザラキーマがあり…」
ゾーマ「(ザラキーマか…。まさかミミックが使うザラキよりさらに上級の魔法があるなんて…
やはり私が現役のときより魔法が格段にふえている…)」
あんこくまどう「はい、じゃあ、問2の問題を…ゾーマ君。答えてみてください」
ゾーマ「は…はい」

問2 ドルマ系の呪文をすべて答えなさい

ゾーマ「……………………」

あんこくまどう「なに、分からないの?ひとつも??」
ゾーマ「は、はあ…すいません」

ズッキーニャ「(おいおい、ドルマ系も知らないなんて…、どんだけ時代遅れだよwww)
タイガーランス「(ああ、でかいナリしてやがるから、少しはやるのかと思ったが…、たいしたことねえな…)」
ポンポコだぬき「(ぷぷぷ…こりゃうけるわwww)」
モーモン「(パネエwwwww)」

2時間目…戦闘実習
(担当教官:ヘルバトラー)

ヘルバトラー「よーーし、いいかお前ら。いくらオーディションに受かっても、
実力がなくては一生序盤のフィールド勤務だぞ!!ゲーム終盤の洞窟や塔に内定をとりたければ、
実力をつけるんだ」
ゾーマ「(そういえば、わたしも昔、自分の城にはトロルキングや大魔神なんかを勤務させたなぁ…
奴ら、今どうしているのか…)」

ヘルバトラー「というわけでお前ら、今から2人組を作れ!コンビを組んだもの同士は、
一組ずつ戦ってもらう!いいか、お互いを勇者だと思って戦うんだ!強くなるためには実践しかない!!」
ゾーマ「(実践…そんなことより、わたしはマヒャデドスを教えてもらいたいだけなんじゃが…)」
タイガーランス「おい、おっさん。俺と組もうぜ」
ゾーマ「え…」

タイガーランス「なんだよ、そのつれねえ返事はよぉ。どうせ組む相手がいねえんだろ?
だったら俺と組もうぜ、おい」
ズッキーニャ「(ふふふ…タイガーランスの奴…おっさんをいじめるつもりか…)」
ポンポコだぬき「(おいおい…いくら実践とはいえ、授業だからな…。
ボコボコにしちまったら停学もありうるぜ…)」
モーモン「(パネエwwwww)」

ゾーマ「(なまいきな若者じゃが…組む相手がいないのも確か…。
ここは素直に応じとくか…)」
ゾーマ「ああ、それじゃあ、よろしく頼むよ」
ヘルバトラー「お、早速一組できたか。それじゃあ、まずはタイガーランスとゾーマだ。両者前に出ろ!!」

ゾーマVSタイガーランス

タイガーランス「くくく…おっさん感謝しなよ。俺はルカニが得意なんだが、おっさんにはハンデとして、この槍だけで戦ってやるからよ!」
ゾーマ「そうか…ありがとう(そうか…今の時代もルカニは現役なのか)」

ヘルバトラー「では、戦闘開始!!」
タイガーランス「ひゃっはーーーーー」
ゾーマ「(………生意気とはいえ、のちの未来を担う若者かもしれん…)」







ゾーマ「(殺さないように気をつけなければ…)」

ドゴーーーーーン!!!!


シーーーーーーン

一同「…………え…」
ヘルバトラー「……ゾ…、ゾーマの勝ち!!」

ズッキーニャ「な…なん…だと…」
ポンポコだぬき「タ、タイガーランスが一瞬でふっとんだ…」

ゾーマさんktkrwwwwwwwww

書きためてない…だと…?

ヘルバトラー「タイガーランス!!大丈夫か!!や…やばい!!息をしていない!!!はやく保健室のべホマスライム先生のところへ運ぶんだ!!」
ゾーマ「(し…しまった…。手加減したつもりが…久しぶりの実践で…)」

ズッキーニャ「な…なにものなんだ…あのおっさん…なぎはらいを出すひまもなく…
タイガーランスがやられるなんて…」
モーモン「パ…パネエ…」


昼休み

ゾーマVSタイガーランス戦は一瞬にして校内に知れ渡った…

生徒A「タイガーランスの奴、全治1週間だってよ…」
生徒B「折角、ドラクエ9の内定とってたのにな…」
生徒C「ああ…しかもベテランのさまようよろい先輩と同じフィールド先って聞いたけど」
生徒D「な…あ、あの常連のさまようよろい先輩と…!!タイガーランスってハンパないんだな」
生徒A「ああ…だが、そのタイガーランスが一瞬でやられたんだ」
生徒B「で、やられたっていうのは結局だれに?」
生徒C「転校生らしいが…なんかおっさんらしい…」
生徒A「お…おっさん…だと…?」

いまはベホマスライムとかいるのか…
そうかそうか…

ゾーマ「(なんてことだ…仮にもかつて大魔王だった私が、未来の担う魔物を倒してしまうなんて…。
しかもただでさえなじめていないのに、こんな噂が広がっては、さらに居場所がなくなってしまう…!!)」

ズッキーニャ「…まさか、タイガーランスがやられるとは…」
ポンポコだぬき「ど…どうする、あだ討ちにみんなで一斉に仕掛けるか…!!」
ズッキーニャ「ばかな!!奴の実力を見ただろう!!二の舞になるだけだぞ」
モーモン「ああ…パネエ…」
ポンポコだぬき「いや…確かに俺たちだけじゃ無理だが…。俺の知り合いのおじさん達に頼んでみようか…」
ズッキーニャ「お前の知り合いのおじさんたちってまさか…!!!」

ポンポコだぬき「ああ…この間、たまたま雀荘で知り合った…サタンパピー、トロルキング、大魔神おじさん達だ…!!!」
ズッキーニャ「ばかな…!あんな人に頼んだら、あだ討ちどころの話しじゃねえ…!!!おっさんを殺しかねない…!!何もそこまで…!!」
ポンポコだぬき「だからって!!お前このままでいいのかよ!!おれは我慢ならねえ!!必ずタイガーランスのカタキを…!!」

ホイミスライムぐらいしか知らん…
なんかすまん…

?「おーい、お前ら、早く席につけ!もう昼休みは終わりだ、授業はじめるぞ!!」
ズッキーニャ「は、はい」
ポンポコだぬき「(おい、ズッキーニャ、この話はまた後で)」
ズッキーニャ「(あ…ああ…)」
?「…ったく…えーそれでは、さっそく授業を……ってえええ!!!な……な…あなたは…!!!!ゾーマさんじゃないですか!!!!!!」
ゾーマ「ん…お、お前は…!!!」

お前は誰だ!

ゾーマ「バラモスか…!!久しぶりだな…」
バラモス「ゾーマさんこそお久しぶりです!!…しかしゾーマさんほどのお方が何故こんなところに…!!!」
ゾーマ「実は…」
バラモス「なるほど…先生も配信クエストに…」
ゾーマ「お前こそなんでこんな所で何故先生なんかやっているんだ…?」
バラモス「い…いやあ、リメイク版の収入や今度はじまる配信クエストの収入だけじゃ、とてもやっていけなくて…今は嫁と息子もいるんで…」
ゾーマ「そうか…お前結婚したのか…相手は誰だ…?」
バラモス「いやあ、昔、ゾーマさんが僕の城に配属させたエビルマージっていう…」
ゾーマ「ああ…あの緑の…」

バラモス「いやーーしかし久しぶりですねぇ」
ゾーマ「ああ、お前もあいかわらずトカゲ顔で威厳がないのう…」
バラモス「や、やめてくださいよー。生徒の前でそんな…」
ゾーマ「…で、お前今なんの授業をしてるんだ?」
バラモス「……えっと…その…」
ゾーマ「なんだ」
バラモス「魔王学概論……っていうのを…」
ゾーマ「ああ!!馬鹿門!!10年はやいわ!!ったくお前は昔から口だけは達者なんじゃから困るわい!!!」
バラモス「か、勘弁してくださいよーーー!!この仕事がないと食っていけないですよ!!」

たいがーらんす「おっさん顔が青いぜwwwwww」

バギムーチョって魔法なのか。ずっとバギ系の魔法を使うダンビラムーチョかと思ってたわ

>>154
カラムーチョかと

ズッキーニャ「…す、すげえ…あのバラモス先生がへこへこしてやがる…」
ポンポコだぬき「たしかバラモス先生って昔BOSSを担当してたんじゃ…!!」
ズッキーニャ「…BOSSなんてもんじゃない、魔王をまかされてたって話だぞ」
ポンポコだぬき「お、おいそれじゃ…」
ズッキーニャ「お前の知り合いのおじさん達なんかより格上なんだよ…バラモス先生は…!!」
ポンポコだぬき「そのバラモス先生より…はるか…格上…だと…??」
モーモン「パ…パネエな…」

この一件以来、クラス内でゾーマを見る目がすっかり変わった…
もともとハンパじゃないカリスマ性と実力をもっていたゾーマはすっかりクラスの中心となった…

ある日の昼休み

ズッキーニャ「そういえば、ゾーマさんが大魔王をしていた頃の世界ってどんな感じだったんですか?」
ゾーマ「ああ…あれは忘れもしない…。2つの世界があってな、ワシはそのうち表の世界の司令官としてバラモスを配置し、
わたしは地下の世界に城を造り、勇者が来るのをずっと待っておった…」
ポンポコだぬき「地下の…世界ですか…?」

お前ら「さん」つけろ「さん」

ゾーマ「ああ…決して朝の訪れることのない世界じゃった…その世界の名前は…
まあ、言っても分からんじゃろうな…もう、遠い昔の話じゃし…」
ズッキーニャ「(確かにそんな世界今まで聞いたことない…)」

「…ほどなくして、勇者一行がその地下の世界にやってきた。
…バラモスの奴、わたしがせっかく船では行けない場所に奴の城をつくってやったり、
王様に化けられるボストロールや、強力な東洋の魔物を部下にやったり、
めちゃくちゃ長くて難しいダンジョンをつくってオーブをとりにくくしてやったりしたのに…
あっさり勇者に敗北しおって…」
ズッキーニャ「ははは…」

ゾーマ「じゃが、確かに勇者一行は強かった…。最近の若い勇者達と違って、
複雑な特技や魔法は使ってこなかったが…とても勇敢な若者たちじゃった。」
タイガーランス「やっぱり今も昔も勇者って強いんですね」
ゾーマ「ああ…場内にわたしのほかにバラモスの兄弟、バラモスの親戚のガリガリの奴なんかを配置していたが…
…とうとう勇者は私の前までたどりついた…」

モーモン「パネエwwwww」
ポンポコだぬき「とうとうラストバトルというわけですね!!」
タイガーランス「因縁の相手がついに…!!」
ズッキーニャ「あ、でも最期の戦いの話にはいる前にひとつ質問があるんですが…」
ゾーマ「なんだ??」
ズッキーニャ「勇者がゾーマさんの前にとうとうやって来たとき、
ゾーマさんは勇者に対してなんて声をかけたんですか??」
ゾーマ「ああ…それは……」

あんこくまどう「よーし、昼休み終わりだぞー、席につけ」
ゾーマ「授業のようじゃな」
ポンポコだぬき「ちえ…いいとこだったのに」
ズッキーニャ「じゃあゾーマさん、また後で続きを聞かせてください」
ゾーマ「ああ…またあとで…」

その後、ゾーマはものの数週間でかつての実力をとりもどし、
学内トップの成績を不動のものにした。
目標であったマヒャデドス、3回攻撃もあっさり習得し、
わずか1ヶ月で卒業を迎えた。


そして2009年11月

スタッフ「ゾーマさんスタジオはいりましたー」
ゾーマ「(とうとうこの日がきたか…)」
スタッフ「あ、それでゾーマさん、相手の勇者一行が来たときに言うセリフなんですけど…」
ゾーマ「ああ…それなら問題ない…わかっておる」

スタッフ「はい、ではゾーマさん配信スタートです!!!」

……………
ゾーマLv99の間

ゾーマ「…(きたか)」
ゾーマ「…(全力を出すなんていつ以来だろう……
さあ、新しい勇者のお手並み拝見といくか…!!!)」





ゾーマ「 ……よ!なにゆえ もがき生きるのか
     ほろびこそ わが よろこび。
     死にゆく者こそ 美しい。

 さ あ  わ が う で の 中 で 息 絶 え る が よ い




  



おしまい

読んでくれた人ありがとう。はじめて投稿したけど、
こんなにレスがつくと思わなくて、途中からめちゃくちゃあせって
しまった…

>>268
面白い
次回作の予定は?

>>284 今回の話はたまたま昨日の夜、ドラクエ9のゾーマ
の動画をみて思いついただけだから、次回作は未定…。

>>1

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom