王様「昨今、鉄等の金属資源の枯渇が問題となっておるのじゃ」
王様「そこで側近に調べさせた所によると、武器に使われすぎていることが判明した」
王様「というわけで集まってもらった諸君!武器を回収させてもらうぞ」
剣士「……は?」
勇者「ち、ちょっと王様!その話は本当なのですか」
王様「うむ、残念ながら本当じゃ。武器の鉄を民衆の生活へと錬金するのじゃ」
王様「それに現在の鉄の過剰な利用により森の木が増えすぎている」
王様「そこで林業を更に活発化させる為でもあるというわけじゃ」
勇者「……本当に全ての民から武器を取り上げるおつもりですか?」
王様「法律で鉄の武器を所有するものを見つけた場合、武器を取り上げた上に牢獄行きとする」
剣士「……ウソだろ」
王様「国の近衛兵等の自治を担当する者のみが所持することを許可されるのじゃ」
勇者「しかし魔物……魔物はどうされるおつもりですか?」
剣士「そうですよ!いくら建物を強固にした所で武器が無ければ防げない」
勇者「その為に私達は冒険をするのです」
王様「その点は心配は無用じゃ……勇者や、これを見るのじゃ」ペラッ
勇者「これは……」
剣士「ん?なんて書いてあるんだ」
勇者「誓約書だ……王と魔王との」
剣士「なんだそりゃ?一体どういうことですか王様?」
王様「ゴホン……いや先日、魔王の部下がわが城にやって来たのじゃ」
王様「なんでも、こちらと同様に魔王の方でも鉄の資源枯渇が問題となっているらしい」
王様「そこでだ……互いに武器に鉄を使う事を禁止しにしたという訳じゃ。わかったかの?」
剣士「……魔王側も武器に鉄を使えないというわけか……それじゃこの隙に!」
勇者「いや……こちらから攻めたら、向こうも全勢力で報復をしてくるだろう……」
王様「勇者のいう通りじゃ。だから承諾をするほかなかったんじゃ」
王様「というわけで……皆のもの!武器を回収するぞ!向こうでひのきのぼうを受け取ってくれ」
勇者「……しかたないな」
剣士「チッ……」
酒場
剣士「ぷはーっ」
勇者「おい飲み過ぎだぞ……俺達は体が資本なんだぞ」
剣士「でもよぉ、あんなこたぁされちまったら、たまったもんじゃねえよ」
勇者「怒りたくなる気持ちは分かるが、まあ落ち着け」
剣士「……俺は剣士だぞ」
剣士「剣が無くてどうやって戦えっていうんだ!」バンッ
勇者「……そうだな」
剣士「これまで国の為にと思って戦ってきたけどさ……はは、やりきれねぇぜ」
剣士「こんな風に冒険が終わるんだからな……」
剣士「それに周りを見りゃ、まぁひどい有り様」
剣士「悲惨な俺らが沢山いるぜ……酒に潰れて、あっちじゃ喧嘩」
剣士「……こんな状態で魔王討伐しようなんて奴はいねぇぜ……」
剣士「……ちくしょう」
勇者「……」
剣士「勇者はなんか言うことないのかのよ……」
勇者「……見損なったぞ」
剣士「ん?」
勇者「お前がそんな事を言うなんてな……見損なったぞ、剣士」
剣士「……勇者……お前何言ってんだ。俺を見損なっただと?」
勇者「俺の買い被りだったようだ」
勇者「剣士、お前がそんなに弱いなんて思わなかった」
剣士「弱いだって……何がだ」
勇者「何もかもだ……勇気・技量・精神……何もかもだな」
剣士「……っ!てめえッ!」バキッ
勇者「くっ……剣士、ここじゃ迷惑だ。外でやろう」
剣士「ッチ……ああ」
勇者「……」
剣士「さて……勇者……殴り合いで決着をつけるか」
剣士「俺がお前より強いことを証明してやるぜ」
勇者「……いや、やめておこう」
剣士「はぁ?お前からけしかけておいて何言ってんだ?」
勇者「殴り合いなら、お前が俺よりも強い事は俺が知ってる」
剣士「……なら弱くないじゃないか」
勇者「いや弱い……お前が弱音を吐くなんて思わなかったぞ」
剣士「くっ……」
勇者「今まで乗り越えられないようなピンチの時でも、お前のお陰で前に進めた」
剣士「……勇者」
勇者「……お前の一言で俺は前に進めた」
剣士「……」
剣士「……だから……どうしたっていうんだ」
勇者「剣士……俺は明日の朝にこの宿をたつ……魔王を倒すため」
剣士「……お、おいマジかよ」
勇者「武器がひのきのぼうになろうと俺は魔王を倒さなきゃならない」
勇者「他の勇者が諦めたのならなおさらだな」
剣士「勇者……お前」
剣士「……そうだな……へへっ、仕方ないな……俺も付き合ってやるよ」
ここまでです
鉄の利用が活発化すると製鉄の燃料にされたり鉱山開発で山が切り開かれたりするから逆に木は減るんだけどな…
>>15
たしかにそうだ……
無知を晒すのって恥ずかしいですね……
ドラクエの呪文とか使おうと思うんですが
ドラクエを含めRPGをした事がないので
今日買ってきます
クリアしたら書き溜めます
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