小鳥「貴音ちゃんと一緒にあずささんのダイエットを手伝う」 (50)

あずさ「はぁ……」

貴音「おや。どうしました、あずさ?」

あずさ「あら、こんにちは貴音ちゃん」

貴音「ため息などついていては、幸せが逃げてしまいますよ?」

あずさ「あらあら……ごめんなさいね」

貴音「何か悩みでも?」

あずさ「最近、ちょっと太っちゃったかなぁ……って思ってね」

貴音「ふむ……?」

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貴音「わたくしには、全くそのようには見えませんが」

あずさ「あら、貴音ちゃんはお上手ね~」

貴音「気のせいではないのですか?」

あずさ「う~ん……でも……」

貴音「でも?」

あずさ「お気に入りのスカートが、ちょっときつくなっちゃったのよ~」

小鳥「それならいい方法がありますよ!」

あずさ「きゃっ!?」

貴音「ひっ!?」

小鳥「ダイエットの悩みなら、このわたしにお任せあれ!」

貴音「こ、小鳥嬢! おどかさないでください!」

小鳥「うふふ、ごめんね貴音ちゃん」

あずさ「あの……音無さん。今の話は本当ですか?」

小鳥「もちろんですよ! ただ……」

あずさ「ただ?」

小鳥「ちょっと、苦しい思いをしなくちゃいけないかも、ですけどね」

あずさ「やります」

小鳥「あら、即答」

あずさ「それでダイエットできるなら、少しぐらい苦しくても我慢します」

小鳥「ふふ、やる気満々ですね。なら、貴音ちゃんも手伝ってくれる?」

貴音「わたくしが手伝い、ですか?」

小鳥「そ! わたしより、貴音ちゃんがした方が効果が出ると思うのよ!」

貴音「そうなのですか? では微力ながら、手伝わせていただきましょう」

あずさ「貴音ちゃん、いいの? 迷惑じゃないかしら?」

貴音「とんでもありません。あずさの役に立てるなら、わたくしは喜んで協力いたします」

あずさ「ありがとう、貴音ちゃん!」ギュッ

貴音「あっ……」

あずさ「私、とっても嬉しいわ~」

貴音「あ、あずさ……少々、苦しいです」

あずさ「あらあら、ごめんなさいね」パッ

小鳥「話はまとまりましたね! それじゃ十分後に、会議室まで来てもらえます?」

あずさ「わかりました」

小鳥「あ、貴音ちゃんはわたしと一緒に来てくれる? 始める前に打ち合わせをしたいのよ」

貴音「了解しました。ではあずさ、また後ほど」

あずさ「あ、ちょっと待ってください」

あずさ「音無さん。具体的にはどういったことをするんでしょう――」

小鳥「うふふ、楽しみー! ピヨピヨピヨピヨー!」

貴音「それでは、失礼いたします」

あずさ「…………」

あずさ「……行っちゃったわね」

あずさ「音無さん、苦しい思いをするって言ってたわね……」

あずさ「それに、貴音ちゃんがした方が効くって……?」

あずさ「う~ん。一体、どんなダイエットなのかしら?」

   十分後 会議室

あずさ「失礼しまーす」ガチャ

小鳥「いらっしゃいあずささん! 待ってましたよ!」

あずさ「あら? 貴音ちゃんの姿が見えませんけど……」

小鳥「貴音ちゃんは、ちょっとお手洗いに行ってます」

あずさ「そうなんですか……あら?」

小鳥「どうかしましたか、あずささん?」

あずさ「あの……このベッドは一体? 四隅にマジックテープが付いてますけど――」

   ガシッ

あずさ「きゃっ!」

貴音「小鳥嬢、指示通り羽交い絞めにしましたが」

あずさ「た、貴音ちゃん!?」

小鳥「ナイスよ貴音ちゃん! さあ、早く拘束するわよ! 私は手をやるわ!」

貴音「わかりました、足はわたくしにお任せください」

小鳥「あ、靴と靴下を脱がせるのを忘れないでね!」

あずさ「ちょ、え、な!? お、音無さん、貴音ちゃん、どういう――」

小鳥「暴れると危ないから、動けないようにしないといけないんですよ!」ギュッギュッ

あずさ「ちょ、やめっ……!? 離してください!」ジタバタ

貴音「暴れても無駄です、あずさ。おとなしくするのです」ギュッギュッ

あずさ「やっ、いや、いやああああっ!?」

小鳥「どうですかあずささん? ベッドに大の字に磔にされた感想は?」

あずさ「うう……恥ずかしいです……」

小鳥「ピヨピヨ!」

あずさ「…………うぅ」

小鳥「それじゃあこれから、音無流ダイエットを実践したいと思いまーす!」

あずさ「……私、一体何をされてしまうんでしょうか……?」

小鳥「それじゃ貴音ちゃん、よろしくね!」

貴音「承知しました。わたくしにお任せを」

貴音「さあ、あずさ。覚悟を決める時です」ワキワキ

あずさ「た、貴音ちゃん。あの、その手つきは……」

貴音「わたくしは、あずさの『だいえっと』の手助けをしたいのです」

あずさ「て、手助けって――」

貴音「ですからわたくしは、これから心を鬼にして……」

あずさ「お、鬼にして……?」

貴音「あずさをくすぐりたいと思います」ワキワキ

あずさ「え!?」

小鳥「うふふ! 思いっきり笑うのって、すごいダイエット効果があるんですよ!」

あずさ「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!」

小鳥「ついでに言うと、仲が良い人にされるほど、くすぐったく感じるそうです!」

あずさ「だ、ダメ! わ、私すごいくすぐったがり屋なんです!」

小鳥「だからわたしよりも、貴音ちゃんにやってもらった方がいいかなあって思って」

あずさ「お、音無さん! お願いだから、私の話を聞いてください!」

小鳥「貴音ちゃん! 指示は私が出すから、実行ヨロシクね!」

貴音「はい。よろしくお願いいたします、小鳥嬢」

あずさ「だめ! くすぐるのは本当にやめてください!」

貴音「それでは、まずはどのようにすれば?」

小鳥「最初は軽く、右の耳に息を吹きかけてもらえる?」

貴音「はい。ふーっ」

あずさ「うぅっ!?」ピクン

小鳥「うん、いい感じ! もう一回やってみて!」

貴音「ふーっ」

あずさ「……っ!」

小鳥「それじゃ今度は、左耳にお願い」

貴音「はい。ふーっ」

あずさ「うう……」

小鳥「あずささん、顔が赤くなってますよ? うふふふ!」

あずさ「は、恥ずかしい……」

貴音「小鳥嬢。次の指示をお願いいたします」

小鳥「今度は首筋にいきましょうか。うなじを優しくフワフワしてあげて」

貴音「では、このような感じで」コチョコチョ

あずさ「ううっ……!」

小鳥「あずささーん。笑わないと、ダイエットになりませんよー」

あずさ「だ、だって……」

小鳥「貴音ちゃん、もうちょっと首の付け根のあたりを触ってみて」

貴音「この辺りでしょうか?」コチョコチョ

あずさ「ん、くぅ……」

小鳥「そうそう。もうちょっと、強弱をつけるといいと思うわ」

貴音「はい」コチョコチョ

あずさ「あ、やめて貴音ちゃん……うくっ、あふ……」

小鳥「はい、オッケイ! それじゃあ次は、膝にいってみましょうか」

貴音「ここは、どのように?」

小鳥「指を中心から外側に向かって、ぞわーって広げてみて」

貴音「ふむ」ゾワーッ

あずさ「ああっ……!」

小鳥「右だけじゃなくて、両膝同時に責めちゃっていいわよ?」

貴音「ならば、もう一度」ゾワゾワーッ

あずさ「ううっ……うふ……ふふふ……」

小鳥「うーん、あずささん結構頑張りますねー」

貴音「ぞわーっ」ゾワーッ

あずさ「だって……っ! んふぅ……んくくく……」

小鳥「じゃあ、太股はどうかしら? 貴音ちゃーん、内側をコチョコチョしてあげて」

貴音「了解です」コチョコチョ

あずさ「んひっ!? だ、だめっ!」ビクンッ

貴音「おお、これはなかなか効果があるようですね」コチョコチョ

あずさ「た、貴音ちゃんそこはだめ! あ、あんっ! ああっ!」

小鳥「あ、貴音ちゃんストップ。そこはやめてあげて」

貴音「はて? なぜでしょう?」コチョコチョ

あずさ「ああっ、だめぇ! やあん!」

貴音「かなり効いているように思えるのですが」コチョコチョ

あずさ「あんっ! ああ! あう、ああああっ!」

小鳥「多分あずささん、そこは別の意味で弱いみたいだから……」

貴音「別の意味で? それは一体どういうことでしょう?」

小鳥「貴音ちゃんも、もう少し大人になればわかるわよ、きっと」

貴音「はあ……わかりました」

あずさ「はあっ、はあ、ああ……」

小鳥「それじゃ、ここからが本番ね。足の裏に行きましょうか!」

あずさ「ひっ……!」

小鳥「貴音ちゃん、右足の土踏まずのあたりをこちょこちょしてあげて」

貴音「この様な感じで?」コチョコチョ

あずさ「ううう……っ! うくうっ……!」

小鳥「いいわ貴音ちゃん、効いてる効いてる!」

あずさ「やめて……っ……くすぐったい……」

小鳥「頑張って貴音ちゃん! もう少しで崩せるわ!」

あずさ「あ……はは……あは、あ……」

貴音「あずさ、恥ずかしがる必要はありません」コチョコチョ

あずさ「うふふ……ふふ……た、貴音ちゃん……」

貴音「わたくしとあずさの仲ではありませんか」コチョコチョ

あずさ「た、かね、ちゃん……ふっ……くくっ……」

貴音「ですから、遠慮なく笑って大丈夫ですよ?」コチョコチョ

あずさ「あはは……あ……あ……」

小鳥「……落ちたわね」

あずさ「あ、あは、あははははは! あーっははははははは!」

小鳥「よし、やったわ!」

あずさ「きゃはははは! あはははは! やめてーっ!」

小鳥「すかさず左足よ、貴音ちゃん!」

貴音「お任せください」コチョコチョ

あずさ「きゃーっ! きゃーっ! きゃはははははーっ!」

小鳥「いいですよいいですよあずささん! その調子でどんどん笑ってください!」

あずさ「く、くすぐったい! ひーひひひひひひ!」

小鳥「笑えば笑うほど、有酸素運動になりますからね!」

あずさ「きゃあははははは!」

貴音「むう……大笑いするあずさ……」コチョコチョ

あずさ「た、貴音ちゃん! 貴音ちゃんやめてえ!」

貴音「……かわいいですね」ポソッ

小鳥「貴音ちゃん! 次は腋の下をくすぐってあげて!」

貴音「はい、お任せを!」コチョコチョ

あずさ「きゃあ! あ、あ、あーっははははは!」

貴音「どうですか、あずさ?」コチョコチョ

あずさ「貴音ちゃん待ってぇ! ストップストップ一回止めてぇ!」

小鳥「ダメですよあずささん。これも全て、あずささんのためなんですからね!」

あずさ「ほ、本当にくすぐったい! お願いタイムぅ! やめてやめてえ!」

あずさ「ごめんなさいぃ! 何でもするから一回ストップぅ!」

貴音「小鳥嬢。あずさの眉間にしわが寄ってきましたね」コチョコチョ

小鳥「おそらくあずささん、相当苦しいんでしょうね」

あずさ「ひゃあっはははははははははははは! 死んじゃうぅ!」

貴音「一度止めるべきでしょうか?」コチョコチョ

小鳥「貴音ちゃん。数分くすぐられて程度で、人間は死なないわ」

あずさ「い、いやぁ! きゃはははははははははー! ホントに死ぬぅ!」

小鳥「本当にあずささんのためを思うなら、そのまま続けてあげて」

貴音「……わかりました」

あずさ「納得しないでえええぇぇぇ!」

貴音「わたくしはあずさのために、心を鬼にすると決めたのです!」コチョコチョ

あずさ「もういやぁ! もういやよぉ! ひーっひはははははははははははは!」

小鳥「よし! 次は人差し指で、脇腹つんつん攻撃よ!」

貴音「はい。つんつんつんつん……」

あずさ「あああっ! ああっ! あっ! ああああああっ!」

小鳥「これもつらそうねー。体がくねくね捩れちゃってるわ」

あずさ「た、他人事みたいにあううう! あああっ! あああああっ!」

貴音「つんつんつん……」

あずさ「いやあ! あぐぅ! もうやめてえええっ!」

小鳥「うーん、さすがは貴音ちゃんね」

あずさ「た、貴音ちゃんお願いだからんひゃあ!」

小鳥「連続でつついたり、数秒開けたり、タイミングが絶妙だわ」

あずさ「いやあ! ああっ! ああ! ああああああっ!」

小鳥「よし! 次は脇腹モミモミ攻撃をお願い!」

貴音「はい!」モミモミ

あずさ「きゃーっ!? きゃあああああああっ!」

あずさ「きゃあっ! きゃははははははは! お、お腹が、お腹があひひひひ!」

貴音「苦しいですか、あずさ?」モミモミ

あずさ「く、苦しいいぃ! いひひひひひひ! 助けて! 助けて貴音ちゃあん!」

貴音「堪えてください。わたくしも心苦しいですが、すべてあずさのためなのです!」モミモミ

小鳥「貴音ちゃん。顔がにやけてるわよ? 本当は少し楽しんでるでしょう?」

貴音「……気のせいです」モミ

あずさ「お、お腹が痛いぃ! 苦しいきゃーははははははははははは!」

小鳥「うふふふふ……」

小鳥「あずささん、足が反り返ってますよ」

あずさ「み、見ないでぇ! ひひひひひひひひ!」

小鳥「貴音ちゃんのテクで、相当感じちゃってますね」

あずさ「ひいひひひひひひ! もう許してえぇ!」

貴音「おお、あずさの全身ががくがくと震え始めました」モミモミ

小鳥「あずささん、脇腹は相当弱いみたいね。ちゃんと覚えておくのよ、貴音ちゃん」

貴音「心得ました」モミモミ

あずさ「死んじゃう死んじゃう! 死んじゃううぅひゃはははははははは!」

小鳥「それじゃあ、もう一回足の裏を攻撃しましょうか」

あずさ「ひいいいいいいい! あははははやだああああああ!」

貴音「先程のようにすればよろしいでしょうか?」

小鳥「いいえ。今度は足の指の付け根を、爪で擦ってみてくれる?」

貴音「こういった感じで?」ゴシゴシ

あずさ「ひぃあぁ! ひひひひははははははははは!」

貴音「おお、かなりの反応ですね」ゴシゴシ

あずさ「はひゃひゃひゃひゃ! ひーっひーっ!」

小鳥「でしょう? 足の裏は土踏まずより、ここが格段に効くのよ!」

貴音「なるほど。勉強になります」ゴシゴシ

あずさ「やめてえええ! ははははははははははははは!」

あずさ「無理ぃ! 本当にやめてはははははははは!」

小鳥「あずささん、全身汗びっしょりになってますね! いい感じですよ!」

あずさ「死んじゃう死んじゃうぅ! きゃーっははははは! 苦しいぃ!」

小鳥「汗をたくさんかくのもダイエットになりますからね! サウナと同じです!」

あずさ「わかったからぁ! やめてやめてやめて! やめてぇ!」

貴音「辛抱するのです、あずさ! 苦しさを乗り越えれば、理想の体型はすぐそこに!」ゴシゴシ

小鳥「よし、それじゃもう一回脇の下いきましょうか!」

あずさ「いやよぉ! もういやぁ!」

貴音「どのようにすれば?」

あずさ「もういやだからあああああぁ!」

小鳥「そうねぇ……。じゃ、強弱をつけながらこちょこちょしてあげて」

貴音「めりはりをつければよろしいのですね」コチョコチョ

あずさ「ひはははは! あーーっははははははははは! やめてえええ!」

小鳥「それにしても、貴音ちゃんってくすぐるの上手ねー」

貴音「いえ、これは小鳥嬢の的確な助言があってこそかと――」コチョコチョ

あずさ「へへ、へへへへはは、はははは……」

貴音「おや?」

あずさ「い、いきが……できない、へへへへひひひひ」

貴音「小鳥嬢、あずさの口が半開きになってきましたね」コチョコチョ

あずさ「よ、よだれが、よだれがでちゃう、ひひひひあへへへへへへ」

小鳥「うーん、そろそろ限界かしら?」

あずさ「はへへへへ、し、しぬ、へへへはほ、ほんとにしんじゃうへへははへへ」

貴音「……これは、さすがにそろそろ危ないのでは?」コチョコチョ

小鳥「あずささん、ちょっと胸を失礼」パイタッチ

あずさ「ひひひひ……ひぃひぃひぃ……」ビクンビクン

あずさ「ひゃめへ……ひゃめてよぉ……」

小鳥「うーん、心臓の鼓動がかなり早くなってるわね」

あずさ「ひふふふ……おねがいれすぅ……」

貴音「それでは、終わりにしますか?」コチョコチョ

あずさ「ひひひひ……ひひひひひひひひ……ひほほ」

小鳥「うーん、そうねぇ……」

あずさ「ひひへひへへぇ……たしゅけへたかねひゃん……へはははは……」

小鳥「よし! それじゃ、あと三分で終わりにしましょうか!」

貴音「三分ですね。了解です」コチョコチョ

あずさ「しょ、しょんなぁ……ふへははは……」

小鳥「さあラストスパートよ、貴音ちゃん!」

貴音「それではせっかくなので、脇腹を失礼しますね」モミモミ

あずさ「もういや、もういやらぁ……へへへへふふふっふふふ……」

小鳥「あずささん頑張って! あとちょっと! あとちょっと!」

あずさ「だれかたしゅけへぇ……だれかぁ……ふひひひごめんなしゃい……はへはへはへ……」

   三分後

あずさ「うふふ……うふふふ……ふふ……」

貴音「あずさ、あずさ、大丈夫ですか?」

あずさ「うふふ……あははは……」

貴音「あずさ、どうか気を確かに!」

あずさ「ひひひ……らいりょうぶよ……うふふふ……」

貴音「……大丈夫でしょうか? どこも触ってないのに、笑いが収まりませんが……」

小鳥「心配ないわ。少しすれば、正気を取り戻すはずよ」

貴音「あの……小鳥嬢」

小鳥「ん?」

貴音「本当にこんなことで、『だいえっと』になるのでしょうか?」

小鳥「それは保証するわ。以前雪歩ちゃんに試した時も、うまくいったから」

貴音「はぁ……。ちなみに、相手は誰が務めたのですか?」

小鳥「千早ちゃんよ」

貴音「それはまた、ずいぶんと意外な――」

あずさ「……ひへへ……ひひはは……これをはずしてくだしゃい……」ジタバタ

小鳥「おっと、いけないいけない。今、マジックテープを外しますからね!」

あずさ「けほけほっ……コホコホ」グッタリ

小鳥「あずささん、お疲れ様でした! よく頑張りましたね」

あずさ「ひひひ……ひゃい……わらし、がんばりました……」

貴音「申し訳ありません……。心を鬼にしたつもりですが、途中少しだけ邪な気持ちが……」

あずさ「うふふ……いいのよ……」

貴音「あずさ……」

あずさ「貴音ちゃんは、私のためを思ってやってくれたんでしょ……?」

貴音「あずさ……!」

あずさ「ふふふ……はしたない姿を見せちゃって、ごめんなさいね?」

貴音「とんでもありません! こういっては何ですが、その……」

あずさ「その?」

貴音「あ、あの……」

あずさ「うふふ……なぁに?」

貴音「と、とてもかわいかったですよ……」

あずさ「あらあら……ありがとう……うふふ……」

小鳥(あずたかピヨピヨあずたかピヨピヨあずたかピヨピヨあずたかピヨピヨピヨピヨピヨピヨ)

   一週間後

あずさ「聞いて聞いて、貴音ちゃん!」

貴音「どうしました、あずさ? 嬉しそうな顔をしていますね」

あずさ「この間は苦しかったお気に入りのスカート、楽に履けるようになったのよ~!」

貴音「おや、まことですか?」

あずさ「貴音ちゃんと小鳥さんのおかげかしらね? あの時頑張ってよかったわ~」

貴音「それは何よりです……はぁ」

あずさ「あら? 貴音ちゃん、何か浮かない顔をしてるけど?」

貴音「ここの所だんすの時、身体の『きれ』が悪いのです」

あずさ「大丈夫? どこか具合でも悪いのかしら?」

貴音「おそらく最近、らあめんを食べ過ぎていたのが原因かと思いますが……」

あずさ「……あらあら、そうなの~?」

貴音「……おや? あずさ、なぜそんなに嬉しそうな顔をしてるのです?」

あずさ「うふふふふ~。貴音ちゃんにも、ダイエットが必要かなあ……って」

貴音「!」ギク

貴音「あ、あの――」

あずさ「えいっ!」ガバッ

貴音「ひあっ!?」

あずさ「うふふ、つかまえた! 音無さ~ん!」

小鳥「はいは~い!」

貴音「こ、小鳥嬢!? い、いったいどこから現れたのです!?」

小鳥「乙女に秘密はつきものよ、貴音ちゃん! すぐに拘束ベッドの準備するからね!」

貴音「わ、わたくしは――」

小鳥「貴音ちゃん、そんなに遠慮しなくても大丈夫大丈夫!」

貴音「え、遠慮しているわけではないのです!」

貴音「どうか、どうかわたくしの話を――」

小鳥「じゃああずささん、後でヨロシクでーす!」バタン

あずさ「は~い、よろしくお願いしますね~」

貴音「お、お待ちください小鳥嬢! わたくし、くすぐられるのは非常に苦手で――」

あずさ「ふ~っ」

貴音「ひいっ!?」ビクン

あずさ「あらあら~。確かにいい反応ね~」

貴音「あ、あずさ! 急に耳に息を吹きかけないでください!」

あずさ「うふふふ……」

あずさ「貴音ちゃん、そんなに怖がらなくても大丈夫よ~?」

貴音「あ、あずさ……」

あずさ「私は貴音ちゃんと違って、やさし~くしてあげるから」

貴音「ひ、ひぃ……!」

あずさ「それじゃあ貴音ちゃん――」

貴音「は、はい……?」

あずさ「……覚悟してね」

貴音「い、いやああああああ! 離して! 離してくださいあずさああぁぁ!」

小鳥「その後貴音ちゃんは、あずささんにたっぷりと仕返しをされましたとさ」

   お し ま い

以上になります。

読んでくれた方、ありがとうございました!

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