ライナー「集団感染?」(106)
*病名不明。症状はインフルっぽいものとお考えください。
超あり得ない集団感染。勢いで書いた。後悔はない。
キース「うむ。一昨日あたりから訓練兵団にも猛威を振るっているが…
十数年ぶりの大流行だそうだ」
ライナー「は、はぁ…」
キース「我々大人は耐性があるからか、たいした症状は出ていないが」
眼鏡教官「104期生のほとんどは、かかるのがはじめてみたいだね」
キース「幸い、君達5人は症状が出ていない。以前にかかったことがあるのか?」
ライナー「さぁ…どう、なんでしょうか」
眼鏡教官「小さい頃にかかったことがあるのかもしれないね。
それはともかく、無事なのは君達だけだ。色々手伝ってもらうよ」
「ハッ」
ライナー「で」
エレン「なんで」
ユミル「私らだけなんだ?」
アニ「さあ…」
ベルトルト「なんだろうね…」
ユミル「ひとつ言えるのは、このメンツは他より年上ってことか?」
ライナー「だったらマルコもそうだし、エレンに症状出てないのはおかしいだろ」
エレン「俺の親父、医者だしなあ…」
アニ「へぇ」
エレン「親父の診療についてって、風邪うつされるとかたまにあったけど。
まぁ、親父もあの日以来行方不明だけどな…」
ベルトルト「………」
ライナー「考えても仕方ねえ。とりあえず、なんだ?
寮の全員の面倒を見ろ、だったか…」
ユミル「教官も何人かいるとはいえ、200人の看病はきついな」
ライナー「女子寮はお前ら2人に任せるぞ」
ユミル「まぁ女子のが数少ないしな。2人で手分けすりゃなんとかなるか」
アニ「水飲ませて、汗かいてたら着替えさせて、シーツ換えて…」
ユミル「めんどくせえ」
ライナー「うだうだ言ってないではじめるぞ」
ユミル「へいへい」
アニ「集合は11時に食堂でいいんだよね」
ライナー「ああ」
エレン「とにかく1部屋ずつ潰していくか」
ライナー「症状を記録した方がいいな。重体の奴は何度か様子を見に行こう」
エレン「お、そうだな。流石だな、ライナー」
ライナー「よし、各部屋の様子及び症状を記録しながら巡回、11時までに終わらせるぞ
エレン「大丈夫か?」
アルミン「エレン…うん、なんとか…」
エレン「だいぶ熱上がってるな。体はどうだ?痛いとか、寒気とか」
アルミン「痛みは、ましになったかな…普通の風邪と一緒で
あがる時に痛くなるタイプみたい、だけど…寒気も、今は平気…」
エレン「…そっか。水、ここ置いとくからな。ちゃんと飲めよ」
アルミン「うん…ごめん、ありがと…」
マルコ「…なんか、すごいことになってるみたいだね」
ベルトルト「僕ら以外全滅っぽいね。一体どうしたんだろう」
マルコ「集団感染…よりによって訓練兵の時に、来るとはね…ゴホッ」
ベルトルト「無理に喋っちゃだめだよ。喉、痛いんでしょ?」
マルコ「うん…ごめん、迷惑かけて…」
ベルトルト「問題ないよ。2,3日寝てれば治るみたいだし、安静にね」
マルコ「このお礼は、いつか必ずね…」
ジャン「…くっそあちい、死ぬ…こんなことなら…」
エレン「何ブツブツ言ってんだ。寝てろよ」
ジャン「…いいからタオルとっととよこせよ」
エレン「あ?」
ジャン「汗かいてきもちわりいんだよ…」
エレン「ちっ。…着替え終わったらそこ置いとけよ。
みんなの分も回収して洗っとくから」
ジャン「……すまねぇな」
エレン「なんか言ったか?」
ジャン「なんでもねえよ…馬鹿はいいよな、風邪ひかねえからよ」
エレン「コニーがあれなんだ、馬鹿は関係ねえ」
ジャン「…はぁ、俺は横になる。貸しは作らないからな」
ライナー「……」
ベルトルト「どう?」
ライナー「よく寝てるが…熱がひどいな」
ベルトルト「みんなの症状見てると、体が小さい方が症状も重いみたいだね」
ライナー「と、なると向こうも心配だな」
ベルトルト「あっちはアニとユミルに任せてるんだから」
ライナー「ああ…クリスタはユミルがいれば大丈夫、だな…」
ベルトルト「…他の人のことも心配してあげてよ」
ライナー「こっちの重傷者は、コニー、ダズで」
アニ「女子はクリスタだけだね」
エレン「あれ、ユミルは?」
アニ「クリスタにつきっきりの看病」
ベルトルト「…困ったね」
ライナー「ああ…200人の、昼食を4人で、か…」
エレン「やるしかねぇ、だろ…」
アニ「あんたら、料理できるの」
ライナー「か、皮むきくらいなら?」
アニ「へぇ…やってみなよ」
ライナー「……」チンマリ
エレン「……」ボロッ
アニ「ライナーは厚く剥きすぎて野菜が小さい。
エレンはそもそも剥けてない」
ベルトルト「……」アセアセ
アニ「…一応合格。あんたら二人は米でも洗ってて」
ライナー「米?」
アニ「全員分のパンを今から焼けるとでも?この騒動でパン屋も店閉めてるってのに。
こんな時のために倉庫に備蓄してあったそうだよ」
ライナー「雑炊か」
アニ「そう。部屋ごとに持ってくから、鍋と食器も準備して」
ライナー「………」
エレン「………」
ベルトルト「………」
アニ「………」
ユミル「………」
ライナー「…つかれt」
アニ「言わないで。余計疲れる」
ライナー「お前言ってるじゃねえか…」
ユミル「クリスタの様子見てくる…」
アニ「私はここで休んでるから」
エレン「俺、コニー見てくるわ…」
ライナー「ああ…頼んだ。戻ってきたら巡回替わる」
エレン「おう…」
ライナー「…で、だ」
アニ「なんで、私達だけ」
ベルトルト「3人だけならともかく…」
ライナー「あの2人もそうだとか?」
アニ「まさか…」
ベルトルト「エレンは医者の息子だから…?」
ライナー「ユミルは…わからん、色々不明な点が多いしな」
アニ「にしても…」
ベルトルト「疲れるね…」
ライナー「午後はずっと洗濯だったな…」
ベルトルト「1年分した気がするよ…」
ライナー「明日も、か…?」
アニ「言わないで…」
ベルトルト「明日は、まだマシなんじゃ…」
ライナー「だと、いいが…」
アニ「…眠い」
ライナー「部屋戻って休めよ」
アニ「病人部屋で休めと」
ベルトルト「ここで休むの?」
アニ「毛布なら持ってきてある。起きたら朝食作るから」
ライナー「俺らもここで休むか」
ベルトルト「そう、だね…」
ライナー「夜明けまで後4時間くらいか?」
ベルトルト「寝ないよりは…」
ライナー「久しぶりだな、3人で寝るの」
ベルトルト「机に突っ伏してだけどね」
アニ「あんたに蹴られなくてすむ」
ベルトルト「…そんなにひどい?」
ライナー「うむ。今でも隣の俺が証言してやれる」
ベルトルト「全く意識してないんだけどなぁ…」
ライナー「いつだったか、アニを抱き枕にしてたよな」
アニ「蹴り殺してやったけど」
ベルトルト「やめて、思い出させないで」
ライナー「抱きつくといえば、嵐の夜は反対だったな」
アニ「………」
ベルトルト「3人で川の字になって、アニが真ん中でね」
ライナー「雷が鳴る度に布団に潜ってなぁ」
アニ「…殺されたいの?」
ベルトルト「最近、ライナーはいびきがうるさくてね」
ライナー「そうか?」
アニ「見た目だけじゃなくなったか」
ライナー「…どういう意味だ」
アニ「そのまんまの意味」
ベルトルト「安眠妨害だってみんな言ってるよ」
ライナー「…その、すまん」
ライナー「風邪といえば」
ベルトルト「うん」
ライナー「アニとベルトルト、2人して熱出したことあったよな」
アニ「そんなことあった?」
ライナー「俺とベリックで看病した」
ベルトルト「覚えてないな…」
ライナー「…そいや、その時の症状に似てるかもな」
ベルトルト「今回の?」
ライナー「うむ」
ベルトルト「じゃぁ…この力とは関係ない?」
ライナー「どうだろな…自己回復力ってのが
免疫力にも影響あるのかもしれんが」
アニ「どっちでもいいよ…」
ベルトルト「…エレン、戻ってこないね」
ライナー「大方、コニー看病しながらその場で寝てんじゃないか」
ベルトルト「あり得る」
ライナー「看病といえば、アニは昔よく風邪ひいてたな」
アニ「またその話かい…」
ライナー「そのたびにアニは死なないよね、ってうろたえてたなお前」
ベルトルト「もうやめてよ…」
ライナー「そして翌日はベルトルトが寝込んで、アニがうろたえて」
アニ「…覚えてないね」
ベルトルト「でもライナーの作った雑炊はまずかった」
アニ「味がしなかった」
ライナー「お前ら…人が一所懸命に作ったってのに…」
ベルトルト「あれ、何入れてたの…」
アニ「米は硬い、野菜は半生、出汁が全くきいてない」
ライナー「もうつくらねぇよ…」
ライナー「…懐かしいな」
アニ「………」
ベルトルト「………」
ライナー「帰ろう、故郷に」
アニ「ああ」
ベルトルト「うん…」
ライナー「だが、まずは」
ベルトルト「寝よ、か…」
アニ「おやすみ…」
ライナー「………」
ベルトルト「………」
アニ「………」
ライナー「…つかr」
ベルトルト「言わないで」
アニ「言うと殺す」
ベルトルト「結局エレンも疲れて寝込んじゃったし…」
アニ「ユミルはうつされたのか、疲れただけなのか…」
ライナー「明日からマルコらが復帰できそうだが…」
アニ「今日は私らのみ…」
ライナー「クソッたれ、やってやる、やってやるぞ」
ベルトルト「もうね、今日決行してもいいんじゃないかな」
ライナー「は?」
ベルトルト「考えてみてよ、みんな寝込んでるんだよ」
アニ「あー、賛成。看病めんどくさい」
ライナー「おいおい」
ベルトルト「天気もいいし」
アニ「絶好の巨人日和」
ベルトルト「洗濯物なんて」
アニ「見たくもない」
ライナー「おおおおおい!」
アニ「うるさい」
ライナー「冷静になれ、考えろ!」
ベルトルト「寝不足なんだ、静かにしてよ」
ライナー「寝込んでいるのは訓練兵だけだ!教官や調査兵団がいるだろ!」
アニ「あー」
ベルトルト「そうだった」
ライナー「そもそも、憲兵団になって内部情報を掴むんだろ!」
ベルトルト「そうだったっけ?」
アニ「忘れたね」
ライナー「頼む、考えることを放棄しないでくれ」
アニ「あんたはいいよね」
ベルトルト「200人分の芋の皮をむいてほしいもんだ」
ライナー「うっ…」
アニ「さすがに腱鞘炎になりそう」
ベルトルト「これから昼食作って、洗濯して、夕食作って片付けて…」
ライナー「俺だってなぁ!水汲んで運んでるんだぞ!」
アニ「教官も水汲みやってくれてるよね」
ベルトルト「まさか教官も料理作れないなんてね」
アニ「ね」
ベルトルト「皮むきもうまくなったよ」
アニ「あんたならいつでも嫁にいけるよ」
ベルトルト「僕が嫁に行くの…?」
アニ「ライナーならもらってくれる」
ベルトルト「やめて、なんか生々しい」
ライナー「お前ら…」
ライナー「今日を乗り越えればいいんだ、明日からはマルコらが…」
アニ「ミカサは夕方には復帰するんじゃないかな」
ベルトルト「さすがだね」
アニ「熱よりエレンに会えないことのが辛いってさ」
ベルトルト「ぶれないなぁ」
アニ「そんなことよりこれ見てよ、どう思う?」
ベルトルト「すごく…大きいです」
アニ「だろ…こいつを剥いて、みんなに食わせるんだ…」
ベルトルト「ふふふ…」
ライナー「頼む、戻ってきてくれ…」
ミカサ「それはいいけど、この剥かれた野菜の山は」
ライナー「聞くな。2人とも何かにとりつかれたようだった」
マルコ「まぁ…おかげで、夕飯の準備は楽だけど…」
ジャン「とりあえず医務室に運んだ方が…」
ライナー「俺はベルトルトを運ぶ」
マルコ「じゃあアニを。ジャンはミカサとここお願いね」
ジャン「おう、任せろ」
ミス…>>28の前にコレ追加。
ミカサ「………」
マルコ「………」
ジャン「………」
ライナー「………」
ミカサ「…これは?」
ライナー「…寝かしといてやってくれ」
マルコ「だいぶマシになったから、とりあえず来てみたけど…
ひょっとして、僕らの食事って…」
ライナー「ああ…」
ジャン「まじかよ…」
ミカサ「それはいいけど、この剥かれた野菜の山は」
ライナー「聞くな。2人とも何かにとりつかれたようだった」
マルコ「まぁ…おかげで、夕飯の準備は楽だけど…」
ジャン「とりあえず医務室に運んだ方が…」
ライナー「俺はベルトルトを運ぶ」
マルコ「じゃあアニを。ジャンはミカサとここお願いね」
ジャン「おう、任せろ」
ジャン「よし、作るか」
ミカサ「あなたが?」
ジャン「……すまん、何すればいい?」
ミカサ「見てるだけでいい」
ジャン「」
ミカサ「…食器でも準備しておいて」
ジャン「お、おう…」
ベルトルト「…起きてる?」
アニ「…うん」
ベルトルト「疲れたね」
アニ「…うん」
ベルトルト「手、痛いし」
アニ「…痛いね」
ベルトルト「なんであんなに剥いたんだろ」
アニ「そこに芋があったから」
ベルトルト「サシャもびっくりだ」
ベルトルト「ライナー、うるさいね」
アニ「ほんとに」
ベルトルト「安眠妨害」
アニ「よりによって3人で医務室」
ベルトルト「ああしんどい、蒸気出そう」
アニ「もう出てるよ」
ベルトルト「ほんと?」
アニ「たぶん」
ベルトルト「びっくりさせないで」
アニ「でも…」
ベルトルト「楽しかったね…不謹慎だけど」
アニ「………」
ベルトルト「もうこりごりだけど…」
アニ「まったくだ」
ベルトルト「…いい、土産話にはなる、かな」
アニ「…帰れたら、ね」
ベルトルト「帰るんだよ…」
アニ「うん…」
ベルトルト「ほんとうるさいね」
アニ「蹴っていい?」
ベルトルト「怪我しない程度なら」
アニ「…余計めんどくさい」
ベルトルト「疲れたしね」
アニ「うん」
ベルトルト「外もうるさいね」
アニ「……」
アニ「ねえ」
ベルトルト「うん?」
アニ「そっち行っていい?」
ベルトルト「う…ん?」
ベルトルト「いや、ちょっと待って」
アニ「何が?」
ベルトルト「だから、潜り込もうとしないで」
アニ「落ちる。そっち寄って」
ベルトルト「いやいやいやいや」
アニ「うるさいね、蹴るよ」
ベルトルト「その、僕、男だから、ね?」
アニ「だから?」
ベルトルト「…その、」
アニ「意気地なし」
ベルトルト「えっ」
アニ「ヘタレ、腰抜け、臆病者、弱虫」
ベルトルト「いや、その」
アニ「安心しな、襲うつもりはない」
ベルトルト「…は、はぁ」
アニ「昔は」
ベルトルト「う、うん」
アニ「こうしてよく一緒に寝たよね」
ベルトルト「昔は、ね…」
アニ「あんた、ほんとデカくなったよ」
ベルトルト「まぁ…」
アニ「…私が小さいだけか」
ベルトルト「…アニは、そのままでいいよ」
アニ「…そう?」
ベルトルト「うん…」
アニ「…そう」
ベルトルト「……」
ベルトルト「…アニ?」
ベルトルト「…寝ちゃった?」
ベルトルト「……」
ベルトルト「これ、なんて生殺し?」
ジャン「ったく、どんだけ芋剥くの好きなんだよ」
マルコ「まぁまぁ、おかげで朝食の準備も楽だったじゃない」
ジャン「…で、起きてくる気配ねえから運んできてやったわけだが」
マルコ「これはその…」
アニ「おはよう」
マルコ「おはよう…」
ジャン「何いちゃついてやがんだぁぁああ!」
アニ「起こそうとしたらこうなった」
ジャン「天気、悪かったけどよ…」
マルコ「確かコニーも前にやられてたよね」
ライナー「ったく…お前ら朝から何騒いで…?!」
アニ「おはよう」
ライナー「ア、ニ…?」
アニ「こいつ離して欲しいんだけど」
ライナー「あ、ああ…いや、これは…」
マルコ「前回は…コニーの悲鳴聞こえてから30分かかったかな」
アニ「それまでこのままでいろと?」
ジャン「起こそうとしたら蹴りが飛んでくるんだよ…」
マルコ「しかしよく寝てるなぁ」
ライナー「…疲れてたんだろう」
アニ「はぁ…どうにかなんないの」
ライナー「無理だな」
ジャン「俺は戻るぞ、付き合いきれん」
マルコ「一応…カーテン、しておくね」
ライナー「ああ…こっちもなんとかしてみる」
マルコ「はは、怪我しないでよ」
アニ「…ほんと、相変わらず寝相悪いね」
ライナー「まぁ…しばらくそのままにしといてやれや」
アニ「は?なんで」
ライナー「よく寝てるしな、うん。さて俺は飯でも食うか」
アニ「…起きたら蹴っ飛ばす」
『アニが、アニが…』
『落ち着け、ただの風邪だ』
『どうしよう、熱、高いよ?息も、あらいよ?
ねえライナー、このままアニはしんじゃうの?』
『…そんなに心配なら傍についててやれよ』
『うん、そする…アニ、しなないよね?』
『お前が守ってやればいい』
『うん、守る、おっきくなって、ぜったい守る』
「…守る、から…」
アニ「……ふん」
…と、勢いだけで作った。寝るわ…オヤスミナサイ
考察が全く足りてない&捏造・妄想有のエレン編投下(>>12後)
ガチャ…パタン
エレン(……)
エレン(みんな寝てるな…)
エレン(明かりはここにおいて、と…)
エレン(よっとと…)
コニー「……」ゼエゼエ
エレン(熱、下がってねえな…額のタオルも乾燥しちまってる)
アルミン「…エレン?」
エレン「悪い、起こしちまったか」
アルミン「ううん…少し前から…」
エレン「どうだ、調子」
アルミン「今朝よりは、だいぶ…。コニーは?」
エレン「…熱が下がってねぇ。飯も半分以上残してるし」
アルミン「そう…薬は、飲んだんだよね」
エレン「熱が高いやつだけな。もちろんコニーにも…って、じっとしとけよ」
アルミン「でも…」
エレン「医者の息子なめんなって」
アルミン「はは…そういや、そうだったね…」
エレン「額のタオルは交換したし、俺の毛布もかぶせた。
夜間のストーブの使用許可も貰ってあるから、薪持ってくる。
とにかく汗かかせねぇとな…」
アルミン「…ごめん、力になれなくて」
エレン「いいって…」
アルミン「守ってもらってばっかり、だね…」
エレン「…そんなことないさ」
アルミン「君に、何か返せるといいんだけど…」
エレン「あー、じゃあ治ったら座学教えてくれよ」
アルミン「…そんなこと」
エレン「追加で、外の世界の話でもしようぜ、久々に。
ここじゃ周りの目もあるしら、休日にミカサも連れて、3人でさ」
アルミン「…うん!」
エレン「んじゃ、薪取ってくる。横になってろよ?」
エレン「……」
エレン「もう、これ以上失いたくないんだ」
エレン「……」
エレン「…薪、取りに行かないと。その前に遅くなるって伝えとくか」
エレン「……」
エレン(3人とも、寝てるのか)
エレン(いや…いつもあいつらには頼ってばかりだ。
こんな時こそ、俺が頑張らなくてどうする)
エレン(よし、まずは薪運んで、水の交換だな)
エレン(はぁー…)
エレン(さすがに疲れた…肩が重いや…)
コニー「ぅ…」
エレン「!…コニー、起きたか?」
コニー「エレン、か…」
エレン「…汗、かいてるな。着替えられるか?」
エレン(ストーブの上に置いてた水も丁度沸騰してる…)
エレン「これも飲んどけ」
コニー「なんだこれ…?」
エレン「生姜湯ってんだ。昔、風邪ひいたら母さんがよく作ってくれた」
コニー「……」
エレン「どうした?」
コニー「いや…家、大丈夫かなって」
エレン「ああ…ラガコ村、だっけ」
コニー「…妹と、弟がいるんだ。あいつらも、寝込んでるんじゃねえかな…」
エレン「……」
コニー「…父ちゃんは昔、熊に襲われて死んじまった。ほんとは俺が、
家族を守らなきゃなんねえんだけど…」
「…別に、お前らを恨むわけじゃねえんだけどよ。
ローゼの住人が増えて、狩りだけで生きてくのが厳しくなったからさ」
「憲兵になれば、給金送ってやれるしよ…」
エレン「…コニーは、家族想いなんだな」
コニー「…聞かなかったことにしろよ」
エレン「だったら早く治して会いにいってやれって」
コニー「うっせえ、俺は寝る!」
エレン「……」
エレン(みんな、守りたいものがあるんだな…)
エレン(俺は…)
エレン(………)
エレン(巨人を駆逐する。家族や、友達、仲間を守る為に)
エレン(強くなりてえ、誰からも頼られ、守れるように)
『どんな訓練もしっかりやれば、いつかこの人類の役に立つ』
エレン(……よし!他の部屋も見にいくか!)
ライナー「…死に急ぎ野郎が」
アルミン「ごめん、ライナー…ちゃんと止めとくんだった、ケホッ」
ライナー「あー、いい。おかげでこっちは休めたしな。
で、アルミン。こいつ隣に寝かせるぞ」
アルミン「うん…」
コニー「…毛布、俺が借りてたんだ」
ライナー「お、もう動けるのか?」
コニー「多少フラつくが問題ねえよ…天才だからな」
ジャン「天才関係ねぇだろ…」
コニー「うっせえよ馬面」
ジャン「誰が馬面だこの馬鹿」
マルコ「二人ともよしなよ。…ベルトルトは?」
ライナー「あいつなら朝食作ってる。俺も戻ったら手伝うが…」
マルコ「僕も手伝おう…だいぶ熱も下がったし」
ライナー「気持ちはうれしいが、ぶり返されても困るんでな」
マルコ「しかし…」
ライナー「今日一日熱が上がらなかったら、明日から頼むさ」
…夢を見た。
父さんと母さんが、いて
ミカサが微笑んで、いて
アルミンが本を広げて、いて
サシャとコニーが、遊んで、いて
ジャンとマルコが、話して、いて…
「エレン?」
エレン「え…」
アルミン「大丈夫?うなされていたけれど」
エレン「あ、ああ…俺、は…」
アルミン「疲れて寝ちゃってたんだよ」
エレン「……」
アルミン「大丈夫?」
エレン「ああ…あいつ、らは?」
アルミン「医務室で休んでるよ。あそこが今一番静かだから…」
エレン「そっか…結局、俺、寝ちまったのか」
アルミン「…おかげで休めたって、ライナーが」
エレン「……」
………。
それから…
なんだったっけ、思い出せない。
とても幸せな夢だったのに
どうして、こんなに悲しいんだろう。
…期待してた方ごめんなさい。これでエレン編終了です。
ユミル編って難しいな…ちょっとお時間いただきそうです。
一応上げときます…
ひとつ、書き忘れたというか…某所コメへの言い訳なんですけど。
寝相の悪さについて、大きくなってから悪くなるのは
ストレス等によると言われていますが
子供の頃に寝相が悪いのは、成長期のホルモンによるとか
筋肉の緊張をほぐすため、骨格の位置を調整するため、とか、色々あるんですよね。
ので、成長の激しい彼は子供の頃から悪かったんじゃないかな、と。
なお、抱き枕を与えるとある程度改善される場合もあるそうですよ、大人の場合。
ということでユミル編の冒頭だけ置いて、続きは明日以降です。
情報が少なくて捏造・妄想になってるけれど>>4後より。
ユミル「……」
アニ「……」
ユミル「よりによってあんたとか」
アニ「そっくりそのまま返すよ」
ユミル「チッ」
アニ「どうせクリスタのことが心配なんだろ」
ユミル「ああそうさ。教官とこ行く前から、えらく苦しそうだったよ」
アニ「やるだけのことやってくれたら、つきっきりでいてやればいい」
ユミル「…何が狙いだ」
アニ「別に。あんたと行動を共にするくらいなら、一人のがマシってこと」
ユミル「ああそうかい。お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」
ほんとに冒頭だけ…また近いうちに投下します。
…パタン。
ユミル「……」
クリスタ「……ハァ、ハァ」
ユミル(さっきより悪化してるな…)
ユミル(汗かいてるのが救いだが、昨日から意識がはっきりしてねぇ)
ユミル(食べても戻しやがるし。水以外口にしてねえんじゃないか)
ユミル(まずいな、このままじゃくたばっちまう)
ユミル(こんなとこで死ぬんじゃないだろう、お前は)
ユミル(イイコトして、皆から感謝されて死にたいんだろうが)
ユミル(だから…負けるな、こんなことで)
ユミル(生きろ、頼む生きてくれ)
ライナー「……」
エレン「……」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ライナー「これはまた、すごい量が集まったもんだ」
エレン「自分の分は自分で洗う、がここの掟だからな」
ベルトルト「シーツは1人で洗うの困難だね…」
ライナー「よし、エレン!やるか!」
エレン「おう!」
ベルトルト「じゃぁ僕は服を担当するね」
アニ「…私は、あっちで洗うから」
ベルトルト「あっち?」
アニ「女子の私物に興味でもあるの?」
ベルトルト「あ…そっか」
アニ「まぁ、男子のが人数多い分、少ないし。
とはいえ女子のシーツもいくつかあるから、そっち終わったら手伝ってよ」
ベルトルト「うん。じゃぁ、後で」
--数時間後。
アニ「…何やってるんだい」
ライナー「…洗濯」
エレン「…シーツ洗い」
アニ「天気いいとはいえ、冬にそんだけ濡れてたら風邪ひくと思うけど」
ライナー「…着替えるか」
エレン「…おう」
アニ「まったく…」
ユミル(…もうこんな時間か)
ユミル(結局昼もあいつらに任せっきりにしちまったな…)
ユミル(米なんて備蓄してあったんだな。おかげで少しは食べられたが…)
ユミル(…チッ。少しはあっちの様子も見に行くか)
ユミル(おうおう、楽しそうに洗濯してらぁ)
ユミル(私が入ると余計やりづれえだろうな)
「…何やってるんだい」
ユミル(お、氷の女のおでましか)
「天気いいとはいえ、冬にそんだけ濡れてたら風邪ひくと思うけど」
ユミル(………)
「まったく…」
ユミル(…へぇ、意外。あんたもそんな顔するんだねぇ)
「あれ、2人は?」
「水浸しの馬鹿共は着替えに行ったよ」
「あはは、あの2人はいつもそうだよ」
「ったく、あんたもアルミンも、気苦労がたえなさそうだ」
ユミル(おや…?)
「さて、馬鹿は放っておいて、これ干しちまうよ。
無駄に背が高いんだから役立ってよね」
「無駄とはひどいなぁ」
ユミル(おやおや…?)
ユミル(あの無口・無表情のベルトルさんが…)
ユミル(ははーん、そういうことか…)
ユミル(ん、待てよ…いつもより喋ってて、明るいのはあいつもか)
ユミル(なんだ?実はデキてたってのか?)
ユミル(いや、だとしたらさっきの表情はなんだ)
ユミル(………)
ユミル(デキてるかはともかく、ベルトルさんとアニが仲が良いのは確定としよう。
アニとエレンは…対人格闘の師弟関係、だとして…
アニとライナーの関係はなんだ?)
ユミル(ライナーはベルトルさんと同郷…だが)
ユミル(………)
ユミル(…ひょっとして関係ないのはエレンだけで)
ユミル(もしそうなら、昔流行ったとかで今回感染しないのも頷けるが)
ユミル(だとしたら、何故普段は隠してる?)
ユミル(何の目的が……!!)
「どうかした?」
「…いや、誰かに見られてたような」
ユミル(っぶねぇーーーー!)
ユミル(つか何だよ!こっちは元盗人だぞ、気配消す自信あるんだっての!)
ユミル(見られてるって何だよ、見られちゃまずいのかよ!)
ユミル(実は3人は内地の秘密を探るスパイでしたー、とかか!)
ユミル(こないだ読んだ小説じゃあるまいし、どうかしてるよ)
ユミル(だいたい、秘密がバレて困るのは私の方だっての)
ユミル(一番困るのは、あいつかもしれねぇけどよ…)
ユミル(………)
ユミル(そうさ、あいつはこんなところでくたばっちゃいけない)
…パタン。
ユミル「……」スッ
ユミル(熱さがらねえな…どうすりゃいい、どうすりゃ…)
クリスタ「…ユ、ミル?」
ユミル「クリスタ、起きたか、気分は、」
クリスタ「大、丈夫…」
ユミル「大丈夫なもんか、こんなに熱出しやがって…」
クリスタ「…ふふ」
ユミル「何、笑って…」
クリスタ「慌ててるユミル、はじめて、見た」
ユミル「…っ」
クリスタ「ずっと、傍にいてくれたの?」
ユミル「…ちげえよ、たまたまだ」
クリスタ「ユミルって、嘘つく時、目、逸らすよね」
ユミル「…ぁぁ、もう」
クリスタ「ふふっ」
クリスタ「ねぇユミル、手、貸して」
ユミル「ん?……おいおいクリスタ、誘ってんのか?」
クリスタ「ユミルの手って、冷たいよね」
ユミル「…私は冷てえ女だからな」
クリスタ「…冷たくて、気持ちいい」
ユミル「そりゃどうも。なんだったらもっと気持ちよくして」
クリスタ「ユミル」
ユミル「?」
クリスタ「手の冷たい人はね、その分、心が暖かいんだって」
ユミル「…どこの子供だよお前は」
クリスタ「ユミルは、暖かいよ」
ユミル「……」
クリスタ「暖かい」
ユミル「…寝ろよ。眠るまではここにいてやる」
クリスタ「うん…ありがと、ユミル」
ユミル「…暖かいのは、お前の方だよ」
一度上げます。
--夜。
ユミル(いい加減戻るか…あいつなら真面目に他の部屋も見るだろ)
ユミル(ん?あれは…エレンか、1人で何やってんだ…水汲み?)
ユミル(珍しいな、力仕事ならライナーが引き受けそうだが…)
ユミル(……なるほど、ね。3人とも仲良く寝てるわけだ)
ユミル(ここは俺が頑張らないと、ってとこか?可愛いとこあるじゃないか)
ユミル(やれやれ…ここは一つ、死に急ぎ野郎にのってやるとするか)
アニ「……あんたもかい」
ユミル「あんたも、ってなんだい」
アニ「エレンも寝込んだ」
ユミル「へぇー、そら災難なこったな。見ての通り、私は戦力外だ。
寝かしてくれると助かるんだがねぇ」
アニ「…はぁ。もういいよ」
ユミル「あ、そうだ。ちょっと手貸しな」
アニ「…何」
ユミル「いいからいいから…つめてっ、さすが氷の女だぜ」
アニ「…そこで一生寝てな、起きてこなくていい」
ユミル「へいへい、アニちゃんはお優しいことで」
アニ「…何?」
ユミル「クリスタ曰くよぉ、手の冷たい人は心が暖かいんだってさー。
よかったねー、アニちゃん」
アニ「…そんな子供の戯言を信じてるあんたらはおめでたいよ。
それより気持ち悪いからやめてくれない」
ユミル「何か変なこと言ったかなぁ、アニちゃん?」
アニ「…もういい。この部屋には来ない」
ユミル「病人を見捨てるったぁ、冷たいなぁ」
…パタン。
ユミル「……どうして、ここの女共は素直じゃないのが多いかねぇ」
クリスタ「うーん…あれ、ユミル?」
ユミル「おう愛しのクリスタ、起きたか」
クリスタ「…今、誰かと話してた?」
ユミル「こっわーい女狐とお話してたんだよ~。
怖くて震えてきたから暖めておくれよ」
クリスタ「ちょ、ユミルっ」
ユミル「うん、熱もだいぶ下がったなぁ。
一緒に仲良く寝て、今度は疲れた私を癒しておくれ」
クリスタ「ユミルってばー!」
ユミル編終わり。難しかった…
最後におまけを投じて、終了します。
ありがとうございました!
--おまけ。
クリスタ「あ、ジャンとマルコだ!おはよう!」
マルコ「おはよう、2人とも。ひょっとして…」
クリスタ「うん、ライナー達にお礼言いに行こうと思って。起きてる、かな…?」
ジャン「あー…」
ユミル「なんだ、どうした?」
マルコ「いや…寝てる、から…後にした方がいいんじゃないかな」
ユミル「……何隠してやがる」
ジャン「いいんじゃねえか、アレは見ものだろう」
マルコ「ちょっと、ジャン」
ユミル「へぇ、何か面白いことになってるみてえだな。行くぞ、クリスタ」
クリスタ「え?何?…待ってよ、ユミル!」
ユミル「邪魔するぞー」
クリスタ「お邪魔、しまーす…」
ライナー「ゲホッ、ユ、ユミルじゃないか。いきなり入ってくるなよ」
ユミル「食事中にすまないねぇ。
クリスタがどーーーーしてもお礼を言いたいっていうからさあ」
クリスタ「もう…。大丈夫?」
ライナー「あ、ああ…」
ユミル「……」
クリスタ「色々、迷惑かけちゃって、ごめんね。ありがとう、ライナー」
ライナー「…気にするな、問題ない」
ユミル「で、後の2人は?」
ライナー「…寝てるからそっとしといてやってくれないか」
ユミル「ふぅーん…寝てる、ねぇ」
ライナー「おい、待て、ユミル!」
ユミル「おっはよーござい、まーーー………」
クリスタ「?どうしたの、ユミ………」
アニ「…おはよう」
ユミル「ダッハハハハ! あんたら朝っぱらからナニやってんだよ!」
クリスタ「ちょ、ちょっとユミル!…えと、その」
アニ「…笑ったならなんとかしてくれないかい。抜けられないんだよ」
ユミル「ヒィヒィ、なんだよ、それ」
ライナー「こいつ寝相悪くてな…起こそうとしたら、たまにこうなる」
ユミル「ね、寝相とか…だめだ、また笑えてきた」
ライナー「コニーが前回の被害者だったんだが…
まぁ、アニが知らないのも無理はない」
アニ「だから…なんとかしてっての」
ライナー「できるもんならしてる」
ユミル「すっかりベルトルさんの抱き枕じゃないですか、アニちゃん。
しかもすっぽり収まって…プ、クククク…」
クリスタ「もうユミル、笑いすぎだって」
ベルトルト「うーん…」
ユミル「お、おお?」
ベルトルト「…あれ、ユミル、クリスタ…ライナー?」
ユミル「おっはよー、ベルトルさん…」スス…
クリスタ「お、おは、ようー…」スス…
ライナー「………」スス…
ベルトルト「どうして逃げ……ん?」
アニ「お は よ う」
ベルトルト「え…」
アルミン「その日、彼は思い知った」
アルミン「支配されることの恐怖を」
アルミン「囚われていた屈辱の復讐がいかなるものかを」
エレン「何言ってんだ、アルミン」
アルミン「いや…誰かに言えって言われた気がして」
エレン「まぁいいや…寝ぼけてると怪我するぞ」
アルミン「はは…気をつけるよ…」
…それでは皆様、良い睡眠を!終わり!
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