エレン「この前の対人格闘の訓練のこと覚えてるか？」

アルミン「ライナーが空宙で二回転したあれのこと？」

エレン「ああ」

ミカサ「その時はエレンも一緒にいたけど、その時に何かあったの？」

エレン「実はな、あの時アニとやろうと言いだしたのはライナーなんだ」

アルミン「どうして？」

エレン「ライナーと兵士論？について語っててな、その後にサボってるアニを見つけたんだ。」

エレン「それで『あいつにも兵士とはなんたるかを教えてやろう』とか言って」

アルミン「それで返り討ちに？」

エレン「言うなよ。で、その会話の流れがちょっと不自然に感じてな…本当はアニと組みたかっただけなんじゃないかと」

アルミン「う～ん…根拠としては弱いんじゃないかな？」

エレン「勿論それだけじゃない。そのときライナーの奴なんて言ったと思う？」

ミカサ「なんて言ったの？」

エレン「教官の頭突きでこれ以上身長を縮めたくなかったら真面目にやれってさ」

アルミン「酷い言い草だね。ライナーが本当にそんなことを？」

エレン「ああ、アニの奴すげー怒ってたぞ？いつも以上に怖い顔してた」

アルミン「アニも身長気にしてるんだね…少し意外かな」

ミカサ「ひょっとして、男の子が好きな女の子に悪口を言ってしまうあれだと？」

エレン「ああ、そう思う」

アルミン「でもそれだけじゃ…エレンの勘違いって可能性の方が高いんじゃない？」

エレン「いや、それだけじゃない」

ミカサ「格闘訓練の時にまだ何かあったの？」

エレン「その日以来ライナーを観察してたんだがな、ある事に気がついて「ちょっと待って」…なんだよミカサ」

ミカサ「どうしてライナーを観察しているの…？」(まさかエレンはライナーを！？それでライナーの好きな人を気にしているの？)

エレン「さっき兵士論について語ったって言っただろ？それでライナーみたいになりたいと思ってな、ライナーが普段してることを真似ることから始めてみようと思ったんだよ」

アルミン(エレン、ズレてるよ)

ミカサ「そう、それなら構わない」

アルミン「それで、ある事って？」

エレン「ライナーって交友関係広いだろ？手が空いてる時は誰かに構ってること多いんだけどさ」

エレン「アニに話しかけてる回数がコニーの次に多いんだ。女子の中だと一番だな」

アルミン「よく見てるんだね」(回数把握してるの？)

ミカサ「やっぱり心配」

エレン「何がだよ？…アニの性格は知ってるだろ？あいつ、ライナーが話しかけてきても鬱陶しそうな顔してシカトすんだよ」

エレン「その時のライナーの表情は少し悲しそうだったな」

アルミン「そりゃあ人に話しかけて無視されたら悲しいよ」

エレン「それがな、ユミルにシカトされた時の表情と比べてみると結構違うんだよ。ユミルの時はあまり気にしてる様子はなかった」

エレン「ライナーがあんな表情するのはアニにシカトされた時かベルトルトと何かあった時だけなんだ」

アルミン「本当によく見てるね」(ストーカーなの？エレン)

ミカサ「エレンが心配」

エレン「心配されるようなことなんかねえよ。…で、アルミン。どう思う？」

アルミン「エレンの目と捉え方が確かなら確かにそうかもしれないね」

エレン「やっぱりそうか！」

ミカサ「それで、エレンはそれを確かめてどうしたかったの？」

エレン「なあミカサ、アルミン。俺達いつもライナーに世話になってるだろ？色々と」

アルミン「うん、この間も訓練で助けてもらっちゃったな…」

ミカサ「私もこの間無くし物をした時、誰にも言っていないのに私が困っていることに気づいたライナーが探して見つけ出してくれた」

エレン「だろ？だからさ、これは恩返しをするいい機会だと思わねえか？」

ミカサ「つまり、ライナーとアニの仲を取り持とうと？」

エレン「ああ、そういうことだ」

アルミン「意外だなぁ…エレンならそんなことにうつつを抜かしてるなんてとか言いそうなものだけど」

エレン「まあな、でもライナーならその辺はしっかり割り切れると思う」

エレン「それに、ライナーって時々誰もいないところですげぇ辛そうな顔すんだよ」

ミカサ(え？覗き見しているということ？)

エレン「きっといつも色んな奴に頼りにされてて疲れてるんじゃないかと思うんだ」

エレン「いや、そんな単純なことじゃねえと思うけど、近いとは思う」

エレン「アニとの仲がうまくいけばそれが安らぎになるんじゃないかと思ってな」

アルミン(エレン…いくらなんでも見過ぎじゃないか？)

アルミン「どうしてエレンはライナーにそこまでしようとするの？」

エレン「そりゃあライナーのことが大好きだからな！」

ミカサ「！？」

ジャン「おいおい、アルミンの次はライナーか？死に急ぎホモ野郎。こりゃまた正反対のお相手だな」

エレン「何言ってんだ？アルミンは俺の親友だ！ライナーもそんなんじゃねえよ！」

ジャン「今の話を聞く限りじゃどう考えてもそうだろうが！大好きとか恥ずかしげもなく言いやがって！この死に急ぎストーカーホモ！」

エレン「人として尊敬してるって話だよ！この馬面！そうかよお前はライナーのこと嫌いなんだな！？」

ジャン「んなこと言ってねえだろ！お前がおかしいっつってんだよ！」

アルミン「エレン！ライナーはそんなすぐに頭に血が昇ったりしないよ！」

エレン「ぐっ！確かにそうだな…悪かったよジャン…少し興奮しすぎた」

ジャン「お、おう…まあ俺も言いすぎたな。悪い」(なんだ、張り合いねえな)

アルミン(これは使える)

ミカサ(よかった、エレンは同性愛者ではないみたい)

ジャン(これじゃ俺がガキみたいじゃねえか)

ジャン「まあ、俺もライナーのことは嫌いじゃねえよ…人として尊敬するってのもわかる。今回は全面的に俺が悪かった」(恥ずかしいなこれ)

エレン「おう！そうか、お前もライナーが好きなんだな！」

ジャン「バッ！そんなんじゃねえよ！！いや、まあ…」

ミーナ「へぇ…」

ジャン「何ニヤついてんだミーナ！」

ミーナ「別に何でもないよ？」(ふふふ…なるほどねぇ)

ミカサ「今回は平和的に解決して良かった」

アルミン「これからはライナーを引き合いに出せばエレンをなだめるのが楽になりそうだね」

ライナー「…」

ベルトルト「ライナー？食堂の入口の前で突っ立って何してるの？他の人の邪魔になっちゃうよ」

ライナー「ん？ああ、そうだな、すまん」

ライナー(朝っぱらから騒がしいから何かと思えば…何なんだ？俺のこと好きとかなんとか…尊敬か…小っ恥ずかしいな畜生！入りにくいじゃねぇか！)

ベルトルト「どうしたんだい？ブツブツ言って…顔赤いけど…医務室に行ったほうがいいんじゃ…」

ライナー「いや何でもない、大丈夫だ。入ろうか」

ベルトルト「そう、ならいいけど」

アルミン「ところでエレン、さっきの話だけど」

エレン「ああ、なんだ？」

アルミン「もし本当にエレンの言うことが正しかったなら、僕は協力するよ。僕もライナーには何も返せていないから」

エレン「本当か！アルミンがついてくれるなら心強いな！」

アルミン「買いかぶり過ぎだよ」

ミカサ(エレンはライナーのことでアニを気にしている…残念ながら私はエレンに異性として意識されていない可能性が高い)

ミカサ(エレンは私以外の女性とあまり縁がない、つまりエレンが最も異性として意識する人はアニということになる)

ミカサ(このままではエレンがアニを好きになってしまうかもしれない…止めるべき？)

ミカサ(待って、エレンはアニをライナーの恋人にしようとしている…なら何も問題はない)

ミカサ(それに私もライナーには恩がある)

ミカサ「エレン、私も協力しよう」

エレン「本当かミカサ！ありがとな！」

ミカサ「私もライナーには恩がある。ので、恩返しをしたい」

エレン「よし、じゃあ早速作戦を考えようぜ！」

アルミン「ちょっと待って、まだライナーがアニを好きだと決まったわけじゃないよ」

エレン「お前さっきそうだって言っただろ？」

アルミン「そうかもしれないって言ったんだよ。それにエレン、前に男子で恋バナをやったことがあったよね。覚えてる？」

エレン「すまん、覚えてない」

アルミン「いいよ、僕も今思い出したし」

エレン「それで、その恋バナがなんなんだ？」

アルミン「そのとき、みんなで好みの女の子のタイプを言い合ったんだ」

ミカサ(エレンの好みの女の子のタイプとは一体どんななの？教えてアルミン)ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アルミン(後でね)ﾎﾞｿｯ

エレン「ああっ！思い出した！」

アルミン「うわっびっくりした！どうしたんだい？」

エレン「それもライナーがアニのことが好きなんじゃないかって思った理由の一つなんだ」

アルミン「え？でもライナーは確かそのとき、クリスタが好きだって言ったよね？」

エレン「いや、クリスタみたいな子がタイプだって言ったんだ。クリスタが好きとは言ってない」

アルミン「でも、それがどうアニとつながるの？」

エレン「いいか、アルミン。クリスタは綺麗な金髪で、碧い大きな目をしていて、色白で、背が低い」

エレン「つまり、アニと似ている！」

アルミン「そう言われてみればそうだね」

ミカサ「そういえば髪をほどいたアニをクリスタと間違えたことがある」

エレン「やっぱ似てるよな！」

アルミン「容姿に共通点は多いね。でも、性格が全然違うじゃないか」

ミカサ「もしアニが好きならアニのような子が好きだというのでは？」

エレン「ライナーは想いは内に秘めるタイプだと思うんだ。そういう場面で好きな女の子の名前を挙げるのは恥ずかしいんだと思う」

アルミン「エレンがそう言うならそうなのかもね…」

ミカサ「そうだね…」

エレン「？　どうしたんだ？お前ら」

アルミン「いや、なんでもないよ！」

アルミン「事実はあとで確かめるとして、とりあえずライナーがアニを好きだと仮定して話を進めようか」

エレン「ああ、こればっかりは話し合いじゃわからねえしな」

アルミン「そうなると重要なのはアニの気持ちだ。アニはライナーに話しかけると鬱陶しそうな顔をして無視するらしいけど」

アルミン「もしアニがライナーを嫌っていたとしたらアニには迷惑この上ないんじゃないかな」

エレン「ライナーを嫌う奴なんているのかよ？」

アルミン「人気者を妬む人っていうのもいるんだよ。アニがそうだとは言わないけど」

エレン「そうなのか…でもライナーはモテるぞ？この一週間で二度も告白されてるからな。だからアニだって悪くは思わないだろ」

ミカサ(エレン！？どうしてそんなことまで知っているの！？)

アルミン(君は本当になんなの？ちょっと引くよ)

アルミン「まだ訓練生活が始まって半年も経ってないからね。皆から好印象を抱かれてる人はよく告白されるんじゃないかな」

アルミン「だからライナーが特別モテるというわけではないと思うよ。モテる方だとは思うけど」

エレン「やっぱりアニにライナーを嫌う理由なんかないだろ」

アルミン「確かに、アニはライナーが嫌いなんじゃなくて人に構われる事自体があまり好きじゃないのかもしれない」

アルミン「でもある程度親しくなればそうでもないかもしれないね」

エレン「そういや言い忘れてたが、アニもライナーを必ずシカトするわけじゃないぞ。５回に１回くらいは返事して会話になることもある」

アルミン「そうなのか、思ったより仲はいいのかな…？」

エレン「なあアルミン、どうすりゃいいと思う？」

アルミン(ライナーがアニを好きという仮説はこじつけが過ぎると思うんだけどなぁ…僕はライナーはクリスタが好きだと思うんだけど…)

アルミン(けどエレンがライナーを語ると説得力が…あれ？待てよ？)

アルミン(もしライナーがクリスタを好きだったら？それをエレンが知ったら？)

アルミン(当然エレンは標的をアニからクリスタに変えるだろう…僕も一度承諾した手前断れない…)

アルミン(そうなれば僕は皆の女神をライナーとくっつける協力をすることになる…)

アルミン(だめだ！みんなの女神が誰かとくっつくなんて！いや、でもライナーならいいかもしれない…)

アルミン(いや、だめだ！僕が良くても他の男子とユミルが黙ってない！このことが知られれば彼らからのバッシングは免れない！)

アルミン(…考えても仕方ない。あれ？そういえば…)

アルミン「ねえエレン、このことライナーにはまだ言ってないの？」

エレン「ライナーにこんなこと言ったって断られるだけだろうな」

アルミン「どうして？」

エレン「誰かが自分のために行動するのを阻止してるところを何度か見たよ。それじゃあ恩返しできないだろ？」

アルミン「どうしてそんなことを」

エレン「それは俺にもわからん。自分には厳しいのかもな」

ミカサ「なら、ライナーに気づかれないようにさりげなくサポートするの？」

アルミン「一気に難易度が上がったね」

ミーナ「それがそうでもないかもしれないよ？」

アルミン「ミーナ？どういうこと？」

エレン「いつから聞いてたんだ？」

ミカサ「最初から居た。聞き耳を立てているだけで混ざってこないから無視していたけど」

ミーナ「気づいてたんだ？流石だね、ミカサ」

ミカサ「それほどでも」

アルミン「それで、そうでもないかもしれないというのはどういうこと？」

ミーナ「私ってアニとはちょくちょく話してるんだけどね」

エレン「あいつにも友達っていたのか」

アルミン「エレン、ライナーはそんなこと言わないと思うよ」

エレン「いや、ライナーはたまに結構失礼なこと言うぞ？」

アルミン「あ、そうなんだ」(何なんだよほんとにもう)

ミーナ「友達と思われてるかはわからないけど他の人よりは仲いいと思うよ」

アルミン「うん、それで？ごめんね遮っちゃって」

ミーナ「いいよいいよ。それで、アニと一緒にいるときにライナーが話しかけてくることも結構あるんだよ」

エレン「そういやたまにいたな」

ミーナ「それでね、あ、ちょっと見て！アニにライナーが話しかけてるよ！」

エレン「何！？ライナーのやつもう食堂に来てたのか！？」

アルミン「……」

ミーナ「エレン、ライナーじゃなくてアニの表情を見て！きっとちゃんと見たことないでしょ？」

エレン「いつも通り鬱陶しそうな顔してるな。お、今回はシカトしてない。ライナーも嬉しそうだな！」

ミカサ「……」

エレン「会話してるな。何言ってるかはわからないが…」

ミーナ「ここで私がアニに話しかけに行くよ！よく見ててね！」

ミーナ「アニ！ライナー！おはよう！」

ライナー「おう、おはようミーナ」

アニ「…なに」

ライナー「おい、挨拶くらいしっかりしたらどうだ？」

アニ「煩いな、あんたは私の親かなにかなの」

ミーナ「ああ、ライナー気にしないで！この子いつもこうだから！」

ライナー「いつもそうなら尚更だろう」

ミーナ「あ、はい。そうですね」

アニ「…おはよう。あんた向こうで食べてたんじゃないの？戻りなよ」

ミーナ「あ、うん。ごゆっくり～」

ライナー「アニ、机を叩くな。指痛めるぞ」

アニ「心配しなくてもそんなにヤワじゃないよ」

ミーナ「どうだった？」

エレン「ミーナが話しかけた瞬間ものすごく不機嫌そうな顔をしたな」

アルミン「ちょっと」

ミーナ「いいよいいよ、事実だから。ミカサとアルミンは？」

ミカサ「机を指で叩いていた。イライラしてたみたい」

アルミン「えーっと…ごめん、その二つしかわからないや」

エレン「ライナーと会話してたときは心なしか表情が柔らかかったな」

エレン「机を指で叩いてたのはどっか行けっていう意思表示だと思うぞ」

ミーナ「あ、わかる？ていうかずっと見てたのに今気づいたの？」

エレン「いつもは殆どライナー見ててアニの方はあまり見てなかったからな。」

アルミン「その熱意をもっと別のものに向けたらどうなんだい」

エレン「ちゃんと成果はあるんだぞ？」

アルミン「例えば？」

エレン「ミカサやアルミンでもわからなかった僅かな表情の違いを見分けられる観察眼とか」

アルミン「対象がライナーである必要性がないね」

ミーナ「まあとにかく、アニはライナーとの会話を邪魔されて不機嫌だったわけよ」

ミカサ「アニはライナーとの会話を楽しんでいたということ？」

ミーナ「そうだろうね。そしてそれを邪魔されて激しくイラついてた。それが意味するところはなんだと思う？」

アルミン「アニはライナーに多かれ少なかれ好意を抱いている…ってことでいいのかな」

ミーナ「その通り！それなのにいつも悪態ついちゃう天邪鬼なアニに私やきもきしてたんだよね！」

ミーナ「そしたらなんとライナーはアニのことが好きで！貴方達は二人をくっつけようとしてるって言うじゃない！」

ミーナ「こりゃあこの機会を逃す手はないわね！って思ってね」

ミカサ「要するに協力してくれる、ということでいいの？」

ミーナ「うん。よろしくね！」

アルミン(あれ？何か忘れてるような…なんだろう？)

こんな感じでライナーとアニをくっつけようと周りばっかり盛り上がってく予定
ライアニ以外のカップリングにはならない。エレアニとか期待してたならごめん

プロローグ的な部分がやたらと長くなってしまった
次からは削れるところは削るように気をつける
エレンのキャラ崩壊が酷い
ただライナーが大好き(敬愛とか友愛的な意味で)なエレンがやりたかっただけなのに気が付いたらストーカーになってた
今更修正できないのでエレンはこのままで
アニ側にも誰か欲しいと思ったけど思いつく人がいなかったので仕方なくミーナに

ライナーとアニが主役のはずなのに出番少なすぎ

ミーナ「とりあえず現状を把握しないとね。アニ達の様子を見てみよっか」ｺｿｺｿ

ミカサ「さり気なく、相手に気取られないように気配を消して近づき聞き耳を立てるの。いい？いえ、あなたには聞くまでもなかった」

エレン「ああ、その程度の技術、とっくに習得済みだ」ｺｿｺｿ

アルミン「うん、だろうね。ところでミカサはいつの間にそんな術を？」ｺﾞｿｺﾞｿ

ミカサ「私にはごく自然に出来ること。アルミン、物音を立てすぎ、もっと体の力を抜いて」

ミーナ「二人共すごいね！私は習得に3年間はかかったのに！」ｺｿｺｿ

アルミン(なんなのこの人たち)ｺﾞｿｺﾞｿ

ミカサ「ライナー達は黙々と食事をしている」

エレン「アニの奴ライナーにバレないように定期的にチラ見してるな。あんな間近でライナーを観察できるチャンスなんて滅多にない…羨ましい！」ｺｿｺｿ

アルミン(人間の適応能力ってすごいな～)ｺﾞｿｺﾞｿ

ミカサ「どうやらアニがライナーを異性として意識しているというのは本当のよう」

ミーナ「信じてなかったの？まあいいけど。アニったらいつもそうなの。よくライナーのことチラチラ見てるんだよ」ｺｿｺｿ

エレン「ほう、そいつは知らなかったな。好敵手の出現といったところか」ｺｿｺｿ

アルミン(今のはライナーの口調を真似たんだろうか)ｺﾞｿｺﾞｿ

ミーナ「それなのに私に気づかれてないと思ってるの。かわいいよねっ！ほら見て、今もライナーの存在を必要以上に意識してるのが手に取るように分かる」ｺｿｺｿ

アルミン(こっちにも適応するにはまだ少し時間が足りないかな～)ｺﾞｿｺﾞｿ

ミカサ「！　ライナーが動く！」

ライナー「お前、さっきの子が来たときすごい顔したよな」

アニ「……」

ライナー「……」

アニ「…もしかして私に言ってる？」

ライナー「ああ。目は口ほどに物を言うというが、あれは本当のようだな。アニ」

アニ「…そんなに？」

ライナー「ああ、邪魔だ！って言ってたよな？あの子と仲良かったんじゃないのか？アニ」

アニ「本当にわかってるんだ。…あの子は勝手に構ってくるだけだよ。鬱陶しい…あんたと同じでね」

ライナー「だからって挨拶しに来ただけであの顔はないんじゃないか？可哀想だろう。アニ」

アニ「そんなに酷い顔してた？私。あの子は心なしか嬉しそうな顔して見えたけどね…被虐趣味でもあるんじゃない？」

ライナー「被虐趣味ねぇ。なにか悩みでも抱えてるのか？あの子。なぁ、アニ」

アニ「知らないし、あんたも無関係な面倒事に首突っ込むのやめたら？あとなんでいちいち名前呼ぶの？」

ミーナ「あのアニが…世間話…ですって？」ｺｿｺｿ

ミカサ「そんなに珍しいことなの？」

エレン「俺と会話した時も結構喋ってたぞ？あいつ」ｺｿｺｿ

アルミン「エレンが話してくれた対人格闘の時にした話？あれは世間話とは違うと思うよ」ｺﾞｿｺﾞｿ

ミーナ「アニは自分の身の上や考えや思想なんかを語るときや感情が昂ぶってる時は結構喋るけど」ｺｿｺｿ

ミーナ「普段私が話しかけても基本的に『そう』か『ふ～ん』か『へえ』か『別に』しか言わない！」ｺｿｺｿ

ミーナ「しかも心なしかいつもより声のトーンが高くて明るい！」ｺｿｺｿ

ミーナ「アニがあんな風にお話をするのは、きっとライナーだけだわ！」ｺｿｺｿ

アルミン(この子絶対に友達じゃない)ｺﾞｿｺﾞｿ

ミーナ「しかしライナーもなかなかやるわね。般若の横顔だけでアニの思考を読み取るとは」ｺｿｺｿ

エレン「当たり前だろ？ライナーなんだからよ。つうかなんで上から目線なんだ？」ｺｿｺｿ

アルミン「ライナーって無視されると悲しそうな顔するらしいけどキツイ事言われるのは平気なんだね」ｺﾞｿｺﾞｿ

ミーナ「あのトーンでの罵倒は愛情の裏返しなの。ライナーはわかっているから大丈夫なのよ」ｺｿｺｿ

ミカサ「しっ！ライナー達の声が聞こえない」

ライナー「アニ、最近調子はどうだ？」

アニ「可もなく不可もなしって感じかな。…いきなり話題変えてきたね。まあいいけど」

ライナー「そうか、悪いことがないのは良いことだな。アニ」

アニ「ポジティブだね、羨ましいよ」

ライナー「アニ、今日の訓練はなんだったっけ？」

アニ「座学と技工…あと対人格闘だったかな」

ライナー「昨日の訓練は厳しかったからな、アニ。体を動かす訓練が少ないのは助かる」

アニ「対人格闘はサボれるしね」

ライナー「たまには真面目にやったらどうだ、アニ。折角素晴らしい技術を持っているのに」

ライナー「この間は気が付いたら自分の股の間から雲一つない青空を眺めていたしな。絶景だったぞありゃあ」

アニ「くっ…ふふ…真顔で冗談言わないでよ。大して面白くなくても笑っちゃう」

ライナー「冗談を言ったつもりはなかったんだけどな…」

アニ「嘘だね。あんたがそういうの好きだって知ってるよ」

アルミン「あのアニが…笑った…だって？」ｺﾞｿｺﾞｿ

エレン「アルミン、誰だって笑うことはあるだろうよ。驚きすぎだ」ｺｿｺｿ

ミカサ「エレン、ミーナの様子を見ても、まだそんなことが言えるの…？」

ミーナ「」

エレン「…嘘だろ？」ｺﾝｺﾝ

ミカサ「完全に硬直している。あんな柔らかい笑みを見たはずなのに蛇に睨まれた蛙のよう」

アルミン「おそらくアニの笑顔なんて見たことがなかったんだろう。僕でさえ愕然としたんだ、ミーナがこうなるのも無理はない」ｺﾞｿｺﾞｿ

ミーナ「アニだって笑えるってことは知ってたの…でも、彼女は笑いそうになるとそれを必死に耐えていつも鬼のような形相になっていた」ｺｿｺｿ

エレン「復活したな」ｺｿｺｿ

ミカサ「たまに一際恐い顔をしていた訳はそんな事だったの」

ミーナ「それなのに、ライナーの前では躊躇いもせずにあんなに柔らかい笑みを披露した…私の完敗だわ」ｺｿｺｿﾎﾛﾘ

アルミン「なんの勝負？」ｺﾞｿｺﾞｿ

エレン「お前なんかがライナーと勝負になると思ってたことに愕然としたよ」ｺｿｺｿ

アルミン(ワァーオ、辛辣ぅ～)ｺﾞｿｺﾞｿ

ミカサ「しっ」

ライナー「くくっ、否定はできんな、アニ」

アニ「私に嘘は通用しないよ」

ライナー「それにしても、やはりお前の笑顔は可愛いな。アニ」

アニ「えっ、あっ…何言って」

ライナー「嘘だ。…通用したようだな」

アニ「…最低だよ、あんた」

ライナー(おお怖い怖い)「というのが嘘だと言ったら…お前はどれを信じるかな？」

アニ「……実際のところはどうなの？」

ライナー「二回目に嘘だといったのは嘘だ」

アニ(…どうしよう泣きそう)

ライナー「おいそんな顔をするな、違うって！…笑顔だけじゃない。お前はいつだって可愛いさ」

アニ「えっ」

エレン「～～ッ！！」ｺｿｺｿ

ミカサ「～～っ！！」

アルミン「～～ッ！！」ｺﾞｿｺﾞｿ

ミーナ「～～～～～～～～ッッッ！！！！」ｺｿｺｿｼﾞﾀﾊﾞﾀ

エレン「な、なんだあれ、どうしたらあんなくっさいセリフ吐けんだよ！！恥ずかしげもなく！！」ﾊｧｯﾊｧｯ

ミカサ「体が火照る…」ﾌｩ

アルミン「聞いてるこっちが恥ずかしいよ…いや、盗み聞きしてるのが悪いんだけど」ﾋｨｯﾋｨｯ

アルミン「あれ…絶対付き合ってるよ…じゃなきゃあんなやり取りしないよ！」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ

エレン「やっぱすげえよライナー！俺も…あんなセリフをさらっと吐けるようにならなきゃいけないのか…自信なくなってきたぜ」ﾌｩｯﾌｩｯ

アルミン(ライナーみたいになれる自身あったの？ていうかそれ関係あるの？)

ミカサ「ま、まだそうとは限らない！アニの反応を見なくては！」

エレン「そ、そうだな！ライナーが天然って可能性も…天然であれ！？無理だ！絶対真似出来ねぇ！」

ミーナ「ここっ…ひっ…食どっ…うのっ…真んなっかっ…なのっんにぃっ」ｾﾞｪｯｾﾞｪｯ

「あっ」

ライナー(俺はただ、アニとたわい無い会話をしていた。それだけだ)

ライナー(ただ、ちょっとした悪戯心で少しアニをからかっていたら悪戯を完遂する前に泣かしそうになってしまった。まったく、女を泣かしかけるなんて俺は…)

ライナー(そして泣きそうになっているアニに最後の言葉を畳み掛けたら)

ライナー(こうなった…)

エレン「～～ッ！！」
ミカサ「～～っ！！」
アルミン「～～ッ！！」
ミーナ「～～～～～～～～ッッッ！！！！」

ジャン「～～～～ッッ！！！」
コニー「～～っ！！」
マルコ「～～ッ！！」

サシャ「～～っ！！」
クリスタ「～～ッ！！」
ユミル「～～～～～～～～ッッッ！！！！」

ベルトルト「！？！！？」

ライナー(10人の人間が俺の周囲で悶えている。エレンたちが何か話しているが内容は聞き取れない。ベルトルトが何か言いたいのか口を開いたり閉じたりしている)

ライナー(アニは俺の言葉を聞いた途端顔を真っ赤にして俺に平手打ちを食らわせ走り去っていった)

ライナー(俺は頬に真っ赤な手形を作り力なく座り込んでいる)

ライナー(なんなんだこれは……)

なんなんだこれは……
ノリで書いてたらよくわからない事態になった
倒れていた他6人をライナーとアニをくっつけ隊に合流させるべきか否か
ベルトルトはどうしようか
この直後の流れはもう出来てるんだけど

とりあえずこれかいてて書いてて没にしたやつ(NGシーンみたいなの)投下してもいいですか

NGシーン1
下品だったので

ライナー「アニ、最近調子はどうだ？」

アニ「可もなく不可もなしって感じかな。…いきなり話題変えてきたね」

ライナー「そうか、悪いことがないのは良いことだな。アニ」

アニ「ポジティブだね、羨ましいよ。…都合の悪いところだけ無視しないでくれる？」

ライナー「アニ、今日の訓練はなんだったっけ？」

アニ「座学と技工…あと対人格闘だったかな。…あんたってホントお人好しだよね」

ライナー「昨日の訓練は厳しかったからな、アニ。体を動かす訓練が少ないのは助かる。…それが俺だ」

アニ「対人格闘はサボれるしね。…それが悪い癖だってわかってる？」

ライナー「たまには真面目にやったらどうだ、アニ。折角素晴らしい技術を持っているのに。…自覚はしてるさ」

ライナー「この間の訓練では気が付いたら自分の股の間から雲一つない青空を眺めていたな。絶景だったぞありゃあ。脚と脚の間に綺麗なお山が見えてな、そこから日が覗いてまるでダイヤモンドｆ…」

アニ「……」

ライナー「……すまん」

アニ「別に」

NGシーン2
暗くなったので

ライナー「アニ、最近調子はどうだ？」

アニ「可もなく不可もなしって感じかな。…いきなり話題変えてきたね」

ライナー「そうか、悪いことがないのは良いことだな。アニ」

アニ「ポジティブだね、羨ましいよ。…都合の悪いところだけ無視しないでくれる？」

ライナー「アニ、今日の訓練はなんだったっけ？」

アニ「座学と技工…あと対人格闘だったかな。…あんたってホントお人好しだよね」

ライナー「昨日の訓練は厳しかったからな、アニ。体を動かす訓練が少ないのは助かる」

アニ「対人格闘はサボれるしね。…それが悪い癖だってわかってる？」

ライナー「たまには真面目にやったらどうだ、アニ。折角素晴らしい技術を持っているのに。…自覚はしてるさ」

ライナー「この間の訓練では気が付いたら自分の股の間から雲一つない青空を眺めていたな。絶景だったぞありゃあ…脚で壁も隠れてたしな」

アニ「……笑えないよ」

ライナー「……すまん」

アニ「別に」

NGシーン3
悪ノリが過ぎたので

アルミン「あのアニが…笑った…だって？」ｺﾞｿｺﾞｿ

エレン「アルミン、誰だって笑うことはあるだろうよ。驚きすぎだ」ｺｿｺｿ

ミカサ「エレン、ミーナの様子を見ても、まだそんなことが言えるの…？」

ミーナ「」

エレン「…嘘だろ？」ｺﾝｺﾝ

ミカサ「完全に硬直している。あんな柔らかい笑みを見たはずなのに蛇に睨まれた蛙のよう」

アルミン「おそらくアニの笑顔なんて見たことがなかったんだろう。僕でさえ愕然としたんだ、ミーナがこうなるのも無理はない」ｺﾞﾝｺﾞﾝ

ミーナ「」ﾋﾟｼﾋﾟｼ

エレン「え」

ミカサ「あ」

ミーナ「」ﾋﾟｼﾋﾟｼﾎﾟﾛﾘ

アルミン「…」ｺﾞﾝｺﾞﾝ

ミーナ「」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

エレン「ちょ」

他のメンバーがエレン達とは別に同じ行動(くっつけ隊)をやってるとか

ヤバイｗｗｗ
じわじわハマってきたｗｗｗ

あと、俺は男が言う下ネタは別に気にならんな
女が女同士で話すのも節度はあれどそんなもんだろと思う
ただ男のどうしようもない下ネタに女が嬉々と乗っかってくるのは下品だと思う
下品NGがあったので上記のこと、考えてみたよー

やっちまった、ライナーとエレンがアニに恥ずかしい格好させられたのって入団二年後だった…
落ち込んだけど反撃の翼で待ち侘びたライナーが参戦したので今は元気
ところで、教官と訓練兵が会話してる時、訓練兵は他の訓練兵を「○○訓練兵」と呼ぶのが正しいんですかね？

>>47
サシャとコニーがライナーとクリスタくっつけ隊とかライナーとアルミンくっつけ隊とか考えていたのですがちょっとこれはないかなと(特に後者)

>>49
ライナーは女の子に対してあまり下品なことは言わないかなと思ったので
ケツにぶち込むとか言ってたけどブチ込むのはスナップブレードだし対象は巨人なので

あ、投下はちょっと待ってください

キース「今しがた悲鳴のようなものが聞こえたが…なんだこれは？どういう状況だ。一体何があった？ブラウン」

ライナー「わかりません…」

キース「わからない？周囲で人が倒れているのに中心にいる貴様に何もわからないだと？」

ライナー「自分にも一体何が起きたのか…」

キース「その頬はどうした」

ライナー「レオンハート訓練兵にやられました。理由は分かりませんが、彼女を怒らせてしまったようで…」

キース「フーバー、貴様はどうだ？見ていた限りでいい、説明しろ」

ベルトルト「ハッ！」

ベルトルト「ブラウン訓練兵とレオンハート訓練兵が談笑していたところ、そこで悶えている十名がその会話に聞き耳をたてており」

ベルトルト「ほどなくして、そこの十名が悶絶し、レオンハート訓練兵が狼狽した様子でブラウン訓練兵に平手打ちをして走り去っていきました」

ベルトルト「彼らが何故悶えているかは私にもわかりかねます」

キース「ブラウン、貴様かレオンハートがなにかしたのか？」

ライナー「いえ、私もレオンハート訓練兵も別段おかしな行動はしておりません」

キース「そうか…フーバー訓練兵！貴様はレオンハートを探して来い！」

ベルトルト「ハッ！」

キース「ブラウン訓練兵！貴様はそこで倒れている者達を介抱してやれ！それと、訓練が終わり次第教官室へ来るように！」

ライナー「ハッ！」

キース「では私はもどる！他の物は速やかに訓練の準備に移るように！」

ｷｨｯ…ﾊﾟﾀﾝ

５分後

ライナー「落ち着いたか？皆はどうして悶えてたんだ？どこか苦しいのか？」ｻｽｻｽ

ミーナ「大丈夫…別に苦しいわけじゃない。多分他の人も」ﾌﾋｯﾌﾋｯ

ライナー「ミカサみたいになってるぞ、無理して喋らなくていい…体調が悪いわけじゃないならよかった」ｻｽｻｽ

ミカサ「ええ、他の人も特に身体に異常はないみたい」

アルミン(エレンがミーナの背中をさすっているライナーの手を凝視している…怖い)

エレン(優しい手付きだな。声もいつもより穏やかで心が落ち着く…さすがライナーだ)

ライナー「そうか、すぐに声かけてやれなくてすまん、俺も混乱してた」ｻｽｻｽ

クリスタ「ユミル、大丈夫？」ｻｽｻｽ

ユミル「ああ、だいぶ落ち着いたよ。悶え死ぬかと思ったけどな」ﾌｩｯ

ライナー「みんな落ち着いたか。それで、どうしてお前らは悶えていたんだ？」

ミーナ「いや、それは…別に何でもないっていうか…ねぇ？ジャン」

ジャン「は？なんで俺に振るんだよ！」

コニー「なんだ？ミーナも盗み聞きしてたのか？」

マルコ「おいっ、コニー！」

サシャ「私たちだけじゃなかったんですか？」

クリスタ「サシャ！ちょっと…」

ライナー「盗み聞き？どういうことだ」

エレン「な、なんでもねえって！な！ミカサ」

ミカサ「もう正直に言ったほうがいいと思う…」

アルミン「うん、そうだね…」

クリスタ「ごめんなさい、アニが楽しそうにしてるのが珍しかったからどんなお話してるのかと思って…つい」

ユミル「私が無理やり付き合わせたんだ、お前は悪くないだろ」

クリスタ「でも…」

マルコ「僕たちもそうなんだ…本当にごめん」

エレン(俺たちも正直に言ったほうがいいのか？)ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アルミン(ここはみんなに合わせておいたほうがいいと思う…)ﾎﾞｿﾎﾞｿ

ミーナ(バレるわけにはいかないもんね)ﾎﾞｿﾎﾞｿ

ミカサ(了解)ﾎﾞｿｯ

エレン「俺達もそうなんだ。すまん！」

ライナー「あまり感心できんな。後でアニにも謝っておけよ」

コニー「おう」

ライナー「それで、お前らが悶えていた理由なんだが…」

アルミン「えっと…」

ジャン「なんというか…」

サシャ「その…」

ライナー「？」

ユミル「お前が余りにもくさいセリフを恥ずかしげもなく吐くからこっちが恥ずかしくなっちまったんだよ」

クリスタ「ユミル！そんな言い方しなくても…」

ライナー「くさいセリフ？」

マルコ「え？」

ジャン「自覚なしかよ…すげぇなお前」

ライナー「ん～、すまんが…わからん」

ユミル「…笑顔だけじゃない。お前はいつだって可愛いさ…きゃ～」

ライナー「！？」

クリスタ「ちょっと、ユミル…」

ライナー(あの騒ぎは俺のあの言葉のせいで？よく考えたらすっげぇ恥ずかしいこと言ってんじゃねえか！！)

ライナー「あ、ぁ…うぁ…」

コニー(耳まで真っ赤だ、酔っ払った父ちゃんみてーだな。じゃねえや…わりーことしたかな)

サシャ(居た堪れない…)

エレン「本当に天然だったのか！？すげえよライナー！」

ライナー「～～～～～～～～～～～～ッッッッッ！！！！」

アルミン「エレェン！！」

ミカサ(エレンがごめんなさい、ライナー)

ライナー「ああぁぁぁ…うぁぁああ…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

マルコ(蹲って体を震わせてる…)

クリスタ「ご、ごめんねライナー、ユミルがほんと無神経で」

ライナー「ふぅぅうぅっぐっううっんんん！」ｸﾞｸﾞｯ

サシャ(更に小さく丸まって…少し可愛いかも？じゃない…罪悪感が)

ユミル「いや、その、ほんとすまん。悪かったよ」

エレン「大丈夫か？ライナー」

ライナー(もうほっといてくれ)

アルミン「エレン、今のライナーに話しかけちゃダメだ」

ライナー「っはぁ…ふぅ…」

ミーナ「大丈夫？ライナー」ｻｽｻｽ

ライナー「ああ、すまないミーナ」

ミーナ「謝ることなんてないのに」

ライナー「みんなも済まない、俺のせいで座学を受けられなくなっちまった」

ジャン「俺たちが勝手に自滅しただけだ、気にすんな。座学の配点は低い方だしな」

マルコ「おい、ジャン」

コニー「どうせ受けてもわかんねーしな」

ユミル「おい」

マルコ「それにしても、アニがあんなに狼狽えるなんてな。何事にも動じない人だと思ってたよ」

コニー「ライナーと話してたとき笑ってたよな。アニのあんな顔初めてみた」

ジャン「あの顔は…確かに可愛かったよな…」

エレン「いつもあんな顔してればライナーともお似合いだよな」ﾎﾞｿｯ

アルミン(今までと比べてエレンの言動のライナー率が増えすぎじゃないか？頭の中はもっとすごいんじゃ)

ミカサ(今までずっと隠してきた反動でオープンになっているのかも…心配)

ミーナ(今のライナーに聞こえてないかな？)ﾁﾗｯ

ライナー(アニもあの発言のせいで怒ったのか？頬がまだ痛い…あいつめ、全力で殴りやがって…)

ライナー(悪戯が過ぎたかもしれんが、ああいうやりとりは今回だけじゃなかったぞ？)

ライナー(どうして今回に限ってあそこまで怒らせてしまったのか)

ミーナ(顰めっ面してる…もしかして聞こえてた？考え事してるみたい)

ライナー(…考えてもわからん、アニに直接聞いてみるしかないか)

ミーナ(あ、眉間が弛んだ)

ライナー「そういや、アニはベルトルトが探しているんだったっけ？」

アルミン「そうなの？どうしてベルトルトが？」

ライナー「キース教官から探すように言われていたと思うが」

サシャ「そういえば声が聞こえたような」

ユミル「女子寮にいたらどうすんだよ。ボケてんのかあのハゲ」

クリスタ「ユミル、教官にそんなこと言っちゃダメだよ」

マルコ「全く気付かなかったな」

ライナー「そうか、お前ら悶絶してたもんな」

ジャン「アニが女子寮にいなけりゃもう見つけてるんじゃねえか？」

ミカサ「私が女子寮を見てこよう」

ライナー「ああ、頼んでいいか？」

…少し前…

ベルトルト(なんで僕にアニを…教官もあんな状況に混乱してたのかな？女子寮に戻ってたら探せないじゃないか)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(そうじゃないといいんだけど…。それにしてもアニはどうしてあんなことを？どうして彼らは悶絶していたんだ？)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(彼らはライナーとアニの会話に聞き耳を立てていた、ライナーとアニは全く気づいてないし異様な光景だったな…)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(彼らが悶絶し始めたのとアニが顔を赤くしたのはほぼ同時だった。…ライナーがなにかしたのかな)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(口を動かす以外に何かをしている様子はなかった…ライナーがなにかを言ってああなったんだろう)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(ライナーはアニを怒らせてしまったと言っていたけど、僕には恥ずかしがっているように見えたな。かなり狼狽していたし)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(あのアニがあそこまで狼狽するなんて…ライナーは一体何を言ったんだろう)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(いや、そんなこと考えていてもわかるわけない。アニの行きそうな場所を考えよう)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(アニは火照っていたはず…。だったら頭を冷やしたいかな、物理的に)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(とりあえず水汲み場にでも行ってみよう)ﾃｸﾃｸ

ベルトルト(そういえば女の子って何かあるとトイレに籠ることが多いな。そうだったらどうしよう…)ﾃｸﾃｸ

アニ「……」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

アニ「……」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

アニ「ふぅ…」

アニ(少し落ち着いたかな…まだ心臓の鼓動が早い気がするけど)ﾌｷﾌｷ

アニ(掌が痛い、ジンジンする…。ライナー呆然としてたな…落ち込んでなきゃいいけど…いや、それはそれで嫌だ)

アニ(どうしてあんなことしちゃったんだろう…。どうしてあんなに狼狽えてたのかな、私)

アニ(思わず全力で殴っちゃった…私の掌がこんなに痛いんだ、ライナーはもっと痛かっただろうね…)

アニ(ごめんなさい…って後でちゃんと謝ろう…優しい、優しすぎるライナーならきっと笑って許してくれて…頭でも撫でてくるんだろうな)

アニ(でも…その笑顔はきっと私の好きなあの眩しい笑顔じゃない。私の嫌いなあの虚無な作り笑いだ)

アニ(『あれ』以来ライナーはいつもしていたあの笑顔を見せなくなった。今じゃもうどんな表情だったか思い出せない…)

アニ(ライナーはあの笑顔の代わりにいつも私の嫌いな笑みを浮かべてる。だから私はライナーに会うと嫌な顔してしまう…)

アニ(そうするとライナーは少し悲しそうな顔をする。そんな顔をして欲しいわけじゃないのに…)

アニ(それでもライナーの顔から偽物の表情が消えると安心する。だからライナーに話しかけられると嫌な顔をするのが癖になってしまった…)

アニ(嫌な女だ。それなのにライナーは毎日私に話しかけてくれる…あの顔を見るのが嫌だけど嬉しい…変なの)

アニ(胸が痛い…どうしてこんな気持ちに？いつもは悲しくはなってもこんな風にはならないのに)

アニ(…きっとあの死に急ぎ野郎のせいだ。あいつが悪い…)

ああ、もう…コメディSSにするはずだったのにシリアスっぽくなってる
まああの三人の心理描写をしてシリアスにしないというのは無理があるんだろう
今更ですがこのSSのライベルアニは壁壊しの前から付き合いがあり友人です
『あれ』というのが何なのかはあまり考えてません
とりあえずこのSSはライアニになるのが確定しました
実は既にくっついてたっていうオチも考えてたのですが>>40でアルミンがそういうこと言っちゃったからダメかなと

ライナーのカップリングって素晴らしいと思う
104期のどの子と組ませても互いに魅力を引き立て合えるところが素晴らしい
アニ、クリスタ、サシャとかだとライナーは逞しさや渋さみたいなかっこよさが引き立つ
アニはか弱い乙女な可愛さが引き立つ
クリスタは可憐な可愛さが引き立つ
サシャは天真爛漫な可愛さが引き立つ
そしてライナーの頭ポンポンナデナデくしゃくしゃが素晴らしい
ミカサ、ユミルだと少年少女なのにほんのり漂うエロさがある。何より女の子がいつもより可愛くても全然不自然にならない
まああくまで私個人の考えですが

…早朝…

アニ(眠い…昨日の訓練は厳しかったし、そのせいかな)

アニ(結構早く来たつもりだったけどちらほら人がいる)

アニ(あ、ミカサだ…今日も早いな。幼馴染の二人と楽しそうに話してる)

アニ(羨ましいな、私もライナーとベルトルトと一緒にいたい…)

アニ(ミカサって私と同じで口数が少ないよね。エレンは幼い頃のライナーに似てるし)

アニ(アルミンもいつもおどおどしているところがベルトルトにそっくり。髪色がそれぞれ対照的だけど)

アニ(つい私達と重ねちゃうんだよね…私たちも普通の人間だったらあんななのかな…って)

アニ(加害者が被害者たちに対してなんて失礼なこと考えてんだろうね、まったく)

アニ(ん、いまライナーって聞こえたような…ライナーの話してるのかな)

エレン「なあ、ライナーってアニのことが好きなんじゃねえか？」

アニ(えっ！？)

アニ(いや、まさかね…あの直情バカのことだ、ただの勘違いに決まってる。席確保っと)

エレン「まあ聞いてくれよ。それなりに根拠はあるんだ」

アニ(そうなの？…あいつ声大きいな。少し離れてても何言ってるか結構わかる)

「ライナーと兵士論について……兵士とは……」

アニ(この前の対人格闘の話か…兵士論？なにやってんのあいつ…ライナーがそんな理由で私に？)

アニ(いや、私と組みたかっただけ…？そうだよね。ライナーが兵士とか…)

アニ(結構声かけてくるよね、あいつ。私たちが親しいことは秘密なのに)

アニ(朝食取りに行かなきゃ)

エレン「教官の頭突きで身長縮めたくなかったら真面目にやれってさ」

アニ(あれは笑いそうになったな…まああの顔してるのに気づいてすぐに笑えなくなったけど)

アルミン「アニも身長気にしてるんだね…少し意外かな」

ミカサ「ひょっとして、男の子が好きな女の子に悪口を言ってしまうあれだと？」

アニ(身長なんか気にして…ないわけじゃないけど。ああいうからかいは昔からよく受けてるし)

アニ(あれ…？まさかあいつ昔から…いや、ないないない…とも言えない…かも？)

アニ(朝食も取ってきたし席に戻ろう)

アニ(…でもライナーとならいいかもしれないな、そういうのも。って何考えてんだ私！)

アニ(あいつのことなんか別に…好きなんかじゃないし…)

エレン「そりゃあライナーのことが大好きだからな！」

アニ(違う！好きじゃなくて大好きとかそういうの違う！違うってば！)

エレン「ライナーもそんなんじゃねえよ！」

アニ(そうだよ！そんなんじゃない！)

エレン「そうかよお前はライナーのこと嫌いなんだな！？」

アニ(そんなわけ無いでしょ！？大好きだよ！！いや違う！！！いや大好きだけどそういう意味じゃないって！！！)

エレン「そうか、お前もライナーが好きなんだな！」

アニ(ああ好きだよ悪い！？大ッ好きだよ！！当たり前でしょ！？同郷で数少ない仲間の一人なんだよ！？好きじゃない方がおかしいっての！！)

アニ(ああ、もうやだ恥ずかしい！食べよ！サシャじゃないけど食べて忘れよ！)

アニ(うん、味が全くわからない)

アニ(いやいつも薄味だけどさ、多分そういうのじゃない)

アニ(ライナーのことで頭がいっぱいだ…他のことが一切分からない)

ライナー「おはようアニ。ここいいか？」

アニ(あ、ライナーの声が聞こえた気がする。いや幻聴はまずいでしょ)

ライナー「おーいアニ？寝ぼけてるのか？ぼーっとして」

アニ「！！ 何？」

アニ(あ、また嫌な顔しちゃった)

ライナー「ここに座ってもいいかと聞いているんだが」

アニ(一度返事したのに無視するのはダメだよね…)

アニ「別にここは私専用なわけじゃないよ。勝手に座りなよ」

ライナー「ありがとな。邪魔するぞ」

アニ(さっきのことで変に意識しちゃってる、顔が見れない…なんか恥ずかしい)

アニ「あんたさぁ…ちょっと私に構い過ぎじゃない？変な噂されてるよ？」

ライナー「噂？どんなだ？」

アニ「いや、別に…取るに足らないものだけどさ」

アニ(自分で言い出して恥ずかしくなっちゃった)

ライナー「なら別にいいだろう」

アニ(たわい無い会話のはずなのに一言一言が嬉しい…いつものことだけどいつも以上だ)

アニ「でも私と親しいと思われたら…もしもの時まずいでしょ？」

ライナー「いつも一人ぼっちなアニちゃんに構う優しいライナーくんで済むさ」

アニ(あ、真顔。顔も結構いいよね、精悍な顔立ちっていうのかな。眉のラインが特徴的だけど)

アニ「なにそれ？自分で言う？」

ミーナ「アニ！ライナー！おはよう！」

ライナー「おう、おはようミーナ」

アニ「…なに」

アニ(折角ライナーと話してるのに邪魔しないでくれない？)ｷﾞﾇﾛ

ライナー「おい、挨拶くらいしっかりしたらどうだ？」

アニ「煩いな、あんたは私の親かなにかなの」

アニ(また悪態ついちゃった…ごめんなさいライナー)

ミーナ「ああ、ライナー気にしないで！この子いつもこうだから！」

アニ(ライナーとベルトルト以外の前ではね)

ライナー「いつもそうなら尚更だろう」

ミーナ「あ、はい。そうですね」

アニ「…おはよう。あんた向こうで食べてたんじゃないの？戻りなよ」ﾄﾝﾄﾝ

アニ(早く行ってよ。ライナーとの一時を邪魔しないで)ﾄﾝﾄﾝ

ミーナ「あ、うん。ごゆっくり～」

アニ(言われるまでもないからさっさと行って)

ライナー「アニ、机を叩くな。指痛めるぞ」

アニ(あ、無意識だった…人差し指がちょっと痛い)

アニ「心配しなくてもそんなにヤワじゃないよ」

ライナー「アニだって女の子なんだから身体は大切にな」

アニ(ちょっと大げさだけど心配してくれてるのが嬉しい)

アニ「煩い…」

アニ(それなのにごめん…)

ライナー「そりゃすまん…」

アニ(あ、悲しそうな顔。これ見て安心するなんて嫌な女だな…別に悲しい顔だからじゃないけど)

アニ「……」

ライナー「……」

アニ(え？喋ってくれないの？煩いって言ったから？あんなこと言わなけりゃよかった)

アニ(煩いって言っておきながら話しかけるのも変だよね…どうしよう)

アニ(なんだか居た堪れない…さっきまであんなに幸せだったのに…)ｿﾜｿﾜ

ライナー「……お前、さっきの子が来たときすごい顔したよな」

アニ(すごい顔って何！？酷い顔！？どうしよう、ライナーに変な顔見せちゃったかな)

ライナー「……」

アニ(あ、返事しなきゃ)

アニ「もしかして私に言ってる？」

ライナー「ああ、目は口ほどに物を言うというがあれは本当のようだな。アニ」

アニ(そんなに酷い顔してたのかな、思い切り睨みつけちゃったけど)

アニ「そんなに？」

ライナー「ああ、邪魔だ！って言ってたよな？あの子と仲良かったんじゃないのか？アニ」

アニ「本当にわかってるんだ」

アニ(あの子は言動が愉快だから近寄ってきてもあまり追い払わないだけだけどね)

アニ「あの子は勝手に構ってくるだけだよ、鬱陶しい…あんたと同じでね」

アニ(なんで余計なこと言っちゃうかな！)

ライナー「だからって挨拶しに来ただけであの顔はないんじゃないか？可哀想だろう、アニ」

アニ(だからどんな顔なの！？)

アニ「そんなに酷い顔してた？私。あの子は心なしか嬉しそうな顔して見えたけどね…被虐趣味でもあるんじゃない？」

ライナー「被虐趣味ねぇ。なにか悩みでも抱えてるのか？あの子。なぁ、アニ」

アニ(ライナーもありそうだけどね…辛い目にあうことで断罪されたような気になれるとか…それは私もなんだけど)

アニ「知らないし、あんたも無関係な面倒事に首突っ込むのやめたら？」

アニ(ライナーはそれが特に強そう…他人に優しいのもせめてもの罪滅ぼしのつもりなの…？心配だよ)

アニ「あとなんでいちいち名前呼ぶの？」

アニ(ひょっとして私に言ってるのかとか言ったの気にしてる？やだ、なんかかわいい)

ライナー「アニ、最近調子はどうだ？」

アニ(あれ？無視して話題変えた？)

アニ「可もなく不可もなしって感じかな」

アニ(あまり触れられたくなかったのかな…)

アニ「いきなり話題変えてきたね。まあいいけど」

ライナー「そうか、悪いことがないのは良いことだな。アニ」

アニ「ポジティブだね、羨ましいよ」

アニ(まだ名前読んでる、ライナーの低い声で名前を呼ばれるとなんだか心地いい…)

ライナー「アニ、今日の訓練はなんだったっけ？」

アニ(なんか…話題を決めかねてる？)

アニ「座学と技工…あと対人格闘だったかな」

ライナー「昨日の訓練は厳しかったからな、アニ。体を動かす訓練が少ないのは助かる」

アニ「対人格闘はサボれるしね」

アニ(本当は相手が見つからないだけなんだけど…)

ライナー「たまには真面目にやったらどうだ、アニ。折角素晴らしい技術を持っているのに」

ライナー「この間は気が付いたら自分の股の間から雲一つない青空を眺めていたしな。絶景だったぞありゃあ」

アニ「くっ…ふふ…真顔で冗談言わないでよ。大して面白くなくても笑っちゃう」

アニ(私って結構ゲラなのかな。ちょっと見てみたいかも…なんて)

ライナー「冗談を言ったつもりはなかったんだけどな…」

アニ「嘘だね。あんたがそういうの好きだって知ってるよ」

ライナー「くくっ、否定はできんな、アニ」

アニ(あ…いや、いつもの笑みじゃないけどあの笑顔でもない…)

アニ「私に嘘は通用しないよ」

ライナー「それにしても、やはりお前の笑顔は可愛いな。アニ」

アニ(え？え？え？えぇあっそ、そんな別に！かっ可愛いなんて別にそんな別に)

アニ「えっ、あっ…何言って」

アニ(落ち着け、意識し過ぎだって。可愛いなんて昔は良く言ってくれてた)

ライナー「嘘だ。…通用したようだな」

アニ(酷いよ…私の気も知らずに…なんだか馬鹿みたい。さっきから気持ちを振り回されてばっかり)

アニ「…最低だよ、あんた」

アニ(それはライナーのせいじゃないんだけどね…)

ライナー「というのが嘘だと言ったら…お前はどれを信じるかな？」

アニ(ふざけないでよ…いや、これもよくあるやり取りだ。気にするな)

アニ「……実際のところはどうなの？」

ライナー「二回目に嘘だといったのは嘘だ」

アニ(…どうしよう泣きそう)

ライナー「おいそんな顔をするな、違うって！…笑顔だけじゃない。お前はいつだって可愛いさ」

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｯ

ベルトルト「えっ！？」

アニ「えっ…あ、やだっ何言って……嫌だ…」

ライナー「アニ？どうした？」

アニ「頭がクラクラする…もう…わけわかんない…もう…」

ライナー「アニ？大丈夫か？一緒に医務室まで行こうか？」

アニ「もうやめてよ！！離して！！！」

ライナー「おい、アニ！？落ち着」

ﾊﾟｧﾝｯ

ライナー「ッ！？」

ベルトルト「アニ！？」

アニ「え、あ…あの、ごめっ…うぁ…」

アニ「ッ！！」ﾀﾞｯ

ベルトルト「え？ええ！？」

多分今日はここまで
今までは殆どノリで書いてきたけど次からは書き溜めて見直ししてから投下することにする
アニって原作での心理描写がほとんどないからどうやってもキャラ崩壊になる
エレン達の会話がやたらと長くなったりエレンがストーカーになったときはどうすんだこれと思ったけど有効活用できてよかった
今は汚いアニとお兄ちゃんベルトルトの会話を書いてる

原作だとアニがベルトルトを好きな可能性は皆無だと思うしベルトルトもアニに告白する勇気なんてなさそうだから
ベルアニはベルトルトのヘタレ一方通行なのがいいと思うんだ

乙、面白いわ

隠れてるエレン達とアルミンの擬音の違いが細かくて好きだｗｗ

一日以上間開けてすみませんでした
少ししか書けてませんが投下
ベルトルトは別にお兄ちゃんでもなかった

…現在…

アニ(思い出してたら泣けてきた…)ｸﾞｽｯ

アニ(もう痛いほどわかってる…これはただ意識してるとかじゃない)ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

アニ(どうしていきなりこんな…昨日まではあいつのことなんてなんとも…)ﾋｯｸ

アニ(いや、きっと前からそうだった…今朝のあれがきっかけで自覚したんだ…)ｳｧｯ

アニ(それにしたって余裕なさすぎだ。本当に馬鹿みたい…)ｽﾞｯ

アニ(ミーナが来た時の私なんてどう見ても嫌な女だし…ライナーもすごい顔してたって)ｳｯ

アニ(それでも可愛いって言ってくれたのに平手打ちなんてとんでもないよ)ﾊｧｯ

アニ(からかったあいつも悪いかもしれないけど…流石にやりすぎだ)ｳｪｯ

アニ(そういえば…ライナーが私を好きって本当だったのかな…いや、もし本当だったとしても…)ﾋﾝｯ

アニ(流石に愛想つかされちゃったかな…いくらライナーが優しくてもあんなの…)ｽﾞｽﾞｯ

アニ(…もう講義始まってるかな…もういいや、さぼっちゃえ。いいよね、どうせ配点低いし一回くらい)ﾋﾟｰ

アニ(ああ、今酷い顔してるんだろうな…これじゃあ技巧も格闘も出れないかも…)ﾋﾟｰﾋﾟｰ

アニ(体育座りって落ち着くな…ベルトルトの気持ちがわかる気がする…鼻水が…)ｺﾞｿｺﾞｿ

アニ(気持ち悪い…)ｼﾞｭｼﾞｭﾙﾙｯ

アニ(うわっ、凄い音出た、ちーんなんて可愛い音じゃない。…鼻をピーピー言わせて鼻水で汚い音を出す自称乙女か…お笑いだね)ﾌｯ

アニ(でも鼻かんですっきりした…誰にも見られてなくてよかった)

ベルトルト「アニ？」

アニ「」

ベルトルト「アニ？大丈夫？泣いてるの？」

アニ「もう泣き止んでる…なんでいるの？どこから見てた？」

ベルトルト「えっと、心配だったから…どこからって？」

アニ「ピーピー言ってたり…」

ベルトルト(…？泣き喚くことをピーピー泣くっていったりするけど…)

ベルトルト「そんなに激しく泣いてたの？」

アニ「いや、そこまでではないけど…」

ベルトルト「そう…もう落ち着いてる？」

アニ「うん、まあ…」

ベルトルト「落ち着くよね、体育座りって…よいしょっと」

アニ「そうだね」ｸｽｸｽ

ベルトルト「えっと…よかったら、何があったのか聞かせてくれないかな」

アニ「あんまり私といるとまずいんじゃない？」

ベルトルト「キース教官に言われて来たから大丈夫だよ」

アニ「……ならいいけど」

ベルトルト「それで、何があったの？」

アニ「……私が悪いんだ。私が勝手にテンパって自滅しただけ」

ベルトルト「ごめん、もうちょっと詳しく」

アニ「先に水飲んでいい？さっきまで泣いてたから、ちょっと苦しくてさ」

ベルトルト「ああ、どうぞ」

アニ「……」ｺﾞｸｯｺﾞｸｯ

アニ「ふぅ……」

ベルトルト「落ち着いた？」

アニ「うん、気持ちいい」

ベルトルト「そっか、よかった」

アニ「……エレンが」

ベルトルト「うん？」

アニ「…ライナーが、私のこと好きなんじゃないかって」

ベルトルト「え？エレンが、ライナーが…？どういうこと？」

アニ「エレンが言ってたの…ミカサとアルミンと話してた」

ベルトルト「うん…？」

アニ「エレン達は、私とライナーの関係を知らないでしょ？」

ベルトルト「うん」

体育座りアニかわいい

アニ「ライナーが、よく私に構うから、そう思ったみたい」

アニ(そうだ…それだけの理由なんだ…やっぱりライナーは私のことなんて)

ベルトルト「確かに、アニとは他人と装ってるのによく声をかけてるね…大丈夫かな？」

アニ「『いつも一人ぼっちなアニちゃんに構う優しいライナーくんで済むさ』だって」

ベルトルト「ぷっ…ライナーがそう言ったの？ちょっと酷くない？」ｸｽｸｽ

アニ「ちょっと無神経だよね、あいつにしては」ｸｽｸｽ

アニ「……エレン達の会話、盗み聞きしてたわけじゃないよ？ただ聞こえてきて」

ベルトルト「うん、わかってるよ」

アニ「それでライナーの事、なんか意識しちゃって…」

ベルトルト「…そっか」

アニ「ちょっと会話が弾んでたんだよ…ライナーと」

ベルトルト「うん」

アニ「それで嬉しくなったり落ち込んだりして…そればっかしてたらなんかわけわからなくなってきちゃって」

ベルトルト「うん…」

アニ「それでね…ライナーが私のことからかったの」

ベルトルト「うん…どんな風に？」

アニ「私が笑ってるのが可愛いって言ったり嘘だって言ったり…」

ベルトルト「…うん」

アニ「それで…笑ってるのが可愛いのは嘘だって言われて泣きそうになっちゃって…」

ベルトルト「それで殴っちゃったの？」

アニ「ううん…そしたら、ライナーが…その…」

ベルトルト「うん？」

アニ「笑ってる時だけじゃなくて、いつだって可愛いって…言って…」

ベルトルト「それは…恥ずかしいね…」

アニ「それで本当にもうわけわかんなくなっちゃって…それであんな事…」

ベルトルト「そうなんだ…」

アニ「あいつがあんなこと言うのはからかってる時だけだって知ってたはずなんだけどな…」

ベルトルト「そんなこと…ないと思うよ」

アニ「自分でもなんであんなことしちゃったんだろうって後悔してて…」

ベルトルト「うん…」

アニ「他にもその時にあったこと色々思い出してたら…泣けてきちゃって」

ベルトルト「ねえアニ…ひょっとして君は、ライナーのこと…」

アニ「うん、好き…なんだと思う…多分、ずっと前から…さっきそれを自覚した」

ベルトルト「そっか…そうなんだ」

ベルトルト(やっぱりか…敵わないなぁ)

アニ「ねえ、ベルトルト…知ってた？」

ベルトルト「うん？何が？」

アニ「私ね…あんたのこと嫌いだったんだ」

ベルトルト「え…な、なんで？」

アニ「ライナーはさ…あんたのことが大切でしょ？すごく。それであんたもライナーのことがすごく大切で」

ベルトルト「うん。そりゃあね」

ベルトルト(今はちょっと嫉妬してるけど)

アニ「それこそ二人が付き合ってるとか噂が流れるくらいにはさ」

ベルトルト「え！？ちょっと」

アニ「わかってるよ。噂だって言ってるでしょ？ちょっとからかっただけ…ただの八つ当たりだよ」

ベルトルト「八つ当たり？」

アニ「うん、あんたのこと嫌いだからね」

ベルトルト(さっきは過去形だったのに…)

ベルトルト「それで、どうして僕のこと…？」

アニ「多分、嫉妬してたんだ…ライナーはいつもあんたやあの人のことを気にかけてて、あんた達もライナーにベッタリで…」

ベルトルト「……でも、ライナーはアニのことだってすごく大切に思ってるよ」

アニ「わかってる。…さっきの噂を聞いた時も、すごく嫌だった…今思えばそれも嫉妬だったのかな」

ベルトルト「付き合ってないよ！？」

アニ「知ってるよ…そう思われるくらい仲が良いことに嫉妬してたの」

ベルトルト「……そうなんだ」

アニ「おかしいでしょ？ただの友達に嫉妬なんてさ、私はあいつの…ライナーの中で自分が一番じゃなきゃ気が済まないんだ」

ベルトルト(好きな女の子に嫉妬されてるって…複雑だな)

アニ「あの人が死んだ時だって、内心喜んでる自分もいた…本当に嫌な奴だよ…気持ち悪い…」

ベルトルト「……人なんて、多分そんなものだよ」

アニ「それでも私は一番になれないってわかってて、悔しいから自分の気持ちに嘘をついてた」

ベルトルト「……？」

アニ「私はライナーのことなんか好きじゃないって…そう思い込んでたんだ」

アニ「でも、自分でも知らない内に気持ちはどんどん大きくなっていってて…」

アニ「なんだか…もうどうしたらいいのかわからない…」

ベルトルト「…アニは、ライナーとどうなりたいの？」

アニ「今はこのままでいい…」

ベルトルト「今は？」

アニ「うん、ライナーが私のことを大切にしてくれてる…今はそれだけで十分」

ベルトルト「……本当に？」

アニ「変にライナーを困らせるようなことはしたくないしね…あいつだって今はいっぱいいっぱいだから」

ベルトルト「ライナーに気持ちを伝えなくてもいいの？」

アニ「伝えるよ。でもそれは全部終わってから…三人で故郷に帰ったら」

ベルトルト「三人で？」

アニ「当たり前でしょ？あんたもいないと…本当は四人で帰りたかったけどね」

ベルトルト「……彼のように、生きて帰れないかもしれないよ…」

アニ「それでも絶対に生きて帰る。お父さんと約束したし、ライナーにも気持ちを伝えたい」

ベルトルト「そう…」

アニ「だからさ、このこと…ライナーには秘密にして」

ベルトルト「わかってるよ」

アニ「ありがと、じゃあ戻ろうか…そのために来たんでしょ」

ベルトルト「アニ」

アニ「何…？」

ベルトルト「アニはさ…人の気持ちを思いやれる、優しくていい子だと…思うよ…僕は」

アニ「…ありがとう。…さっきは嫌いって言ったけど今はあんたのこと好きだよ」

ベルトルト「あ、ありがとう…」

アニ「それじゃ、戻ろう。ライナーに謝らないと」

ベルトルト「うん」

100いったー
今日はここまで
別にお兄ちゃんでもなかったベルトルトと色んな意味で汚いアニでした
>>87
気づきましたか。ミカサは一切物音を立てていません
因みにアニはミカサと同レベルの盗み聞きスキルを持っていたためミカサにも気づかれなかった
盗み聞きされているのに気付かなかったのは頭がライナーのことでいっぱいだったからというどうでもいい設定
あとひとつだけｺﾝｺﾝが紛れてます
>>94
だがしかし顔は歪んで鼻水まみれだ

忙しいの終わって漸くゆっくり書ける。オリンピック始まったね
104期女子でフィギュアが似合うのはシングルがアニでペアがクリスタだな。男子はジャン辺りだろうか
逆に似合わないのはライナーとミカサ。靴が壊れる

あと、今更なんですけど>>20の
アルミン「まだ訓練生活が始まって半年も経ってないからね。皆から好印象を抱かれてる人はよく告白されるんじゃないかな」
を
アルミン「最近フランツとハンナが付き合い始めて刺激された人が多いんだろうね」
に変えてください。エレンライナーちんぐり返し事件は入団2年後なんで

では投下する

アニ「……そういえばさ」

ベルトルト「なんだい？アニ」

アニ「私の顔、大丈夫？」

ベルトルト「え？」

アニ「さっきまで泣いてたから……」

ベルトルト「……顔洗ったほうがいいかも」

アニ「わかった……ちょっと待ってて」

ベルトルト「うん」

ベルトルト(……告白もせずに失恋かぁ)

ベルトルト(いや、そんなことする気はなかったんだけど……)ﾊｧ

ベルトルト(どうせ僕みたいな弱虫で泣き虫でライナーが居ないと何もできない腰巾着……)

ベルトルト(良い所なんて片手で数えられるほどしか……)

ベルトルト(いや、僕に良い所なんてあるのか？成績上位？それだけ？)

ベルトルト(成績だってライナーの方が上だしなぁ……身長？差が大きすぎる……)

ベルトルト(何よりこんな卑屈な奴がアニに振り向いてもらえるわけがない……)

アニ「ごめん、待たせて……どうしたの？浮かない顔して」

ベルトルト「え？いや、何でもないよ…うん、さっぱりしたね」

アニ「そう、ならよかった」

ベルトルト(卑屈になるのはよくないな。うん)

ベルトルト(僕はアニの恋を応援しよう……気持ちばかりだけど)

・・・食堂・・・

ミカサ「では行ってくる」

ライナー「ああ、すまない」

マルコ「アルミン、今日の兵法講義で受けられなかった分勉強しようと思うんだけどよかったら付き合ってくれないかな？」

アルミン「ああ、もちろん」

ジャン「相変わらずクソ真面目だな」

ライナー「俺も一緒にいいか？」

マルコ「もちろんだよ」

エレン「俺もいいか？いいよな？な？」

アルミン(ライナーの参加が決まった途端食いついてきた…目が輝いている……)

マルコ「ああ、もちろん」

エレン「やった！」

ミーナ(どうやらライナーには聞こえてなかったみたいだね)

ミーナ「ごめんエレン、アルミン、ちょっといい？さっきの話のことでちょっと」

アルミン「え？ああ、ごめんマルコ、ライナー。ちょっと抜けるね」

マルコ「ああ」

ライナー「大丈夫だ」

エレン「俺はライナーの話が聞きたいんだが」

ミーナ「ごめん、すぐ済ませるからこっち来て」

エレン「しょうがねえな」

ミーナ「ねぇアルミン？さっきあの二人が付き合ってるって言ってたけど」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アルミン「ああいや、そういう風に見えたってだけだよ。本当はどうなのかは知らない」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

ミーナ「だよね」

エレン「あの二人が付き合ってるってのはないと思うぜ」

アルミン「エレンがそう言うならそうなんだろうね……」

アルミン(ストーカーだからね…説得力がある)

ミーナ「なら計画は続行だね」

アルミン「ああ」

アルミン(いつの間にか僕が参謀になっている……？)

ユミル「なぁ～に面白そうな話してんだ？ちょっと私らも混ぜてくれよ」

アルミン「わっ！ゆ、ユミル…クリスタにサシャも……」ﾋﾞｸｯ

アルミン「こんなに集まったらまずいよ、ライナーに聞かれたら…」

ユミル「ライナーの奴ならあっちでマルコ達とお勉強中だ」

エレン「俺もライナーの話を聞きたい！くそっ羨ましい……」ｷﾞﾘｯ

サシャ「内緒話ですか？ライナーに聞かれちゃまずい話でも？」

アルミン(スルーしただと……？)

クリスタ「まさか陰口とか言ってないよね？」

エレン「そんなことする訳無いだろ！！」

クリスタ「うわっ」ﾋﾞｸｯ

ライナー「どうした？大丈夫かクリスタ」

クリスタ「な、何でもないよ！大丈夫！」

アルミン「エレン、声を抑えて」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

エレン「だってクリスタがよ…俺がそんなことするわけないのに……」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アルミン「うん、わかってるから…ね？」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

クリスタ「ごめんね、変なこと言っちゃって…」

エレン「いや、俺の方こそ怒鳴ってすまん…ライナーはこんなことしないよな」

サシャ(何故ライナー？)

サシャ「え～と…ライナーが誰かと付き合ってるってお話でしたよね？」

ユミル「何だ、あいつ彼女いるのか…？いや、彼氏か…？計画ってなんだよ？」

クリスタ「え？か、彼氏って…え？ライナーって…えぇ…？///」ﾆﾔﾆﾔ

ミーナ(クリスタ…？)

アルミン「実は…」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ユミル「へぇ…あのアニをライナーがねぇ」

サシャ「そしてアニも満更でもなさそうと……」

クリスタ「だからいつもお世話になっているお礼にライナーの恋を陰ながら応援しようということなのね？」

アルミン「うん。エレンが言うにはライナーは心労が溜まっているみたいだしそれが癒しになればいいかなって」

ユミル(割とどうでもいい…面白そうではあるがなぁ…ライナーがアニをってのは本当なのか？)

ユミル(確かにさっきの会話はそう聞こえるが……確証はねぇな)

ユミル(そういや、ライナーはたまにクリスタのことをただならぬ眼で見てるな……)

ユミル(クリスタに悪い虫がくっつくのは避けたい…あいつは私が威嚇しても気にも留めねぇし)

ユミル「何だったら私も協力してやろうか？」

アルミン「え？ユミルがそんなこと言うなんて意外だなぁ…」

ユミル「たまには女神クリスタを見習ってな…退屈しのぎにはなるだろうし」

クリスタ「もう…そうやってまた悪い事考えてるでしょう？」

サシャ(ライナーには食料庫に忍び込んだのを見つかって見逃してもらったことが何度かありますね)

サシャ(今回限りだぞって言っていつも見逃してくれるんですよねぇ……良い人です)

サシャ(ここは恩を返すところでしょう…)

サシャ「私も協力しますよ。お力になれるかはわかりませんが」

ミーナ「サシャが食物で釣られずにそんなことを言うなんて」

サシャ「失礼な。私だってライナーにはお世話になってますからね」

ユミル「どうせ食い物関係だろ」

クリスタ「私も協力するよ。いつも助けてもらってるもの」

ユミル「ま～た良い子するつもりか？」

クリスタ「今回はユミルもするんだから人のこと言えないでしょ？」

ユミル「チッ」

アルミン「なんにせよ助かるよ。協力者は多いに越したことはないからね」


ジャン「お、ベルトルトが帰ってきたぞ」

ライナー「お、そうか。おーいベルトルト！」

ベルトルト「やあ、ライナー」

ライナー「アニは見つかったのか？さっきミカサが女子寮を見に行ったんだが」

ベルトルト「ミカサが？それは悪いことしちゃったな」

ライナー「お前は悪くないだろう？」

アニ「私が悪いって言いたいの？」

ライナー「うおっ、ベルトルトの後ろに居たのか…気が付かなかったよ」

アニ「悪かったね、背が低くて……」

ベルトルト(アニ、また憎まれ口叩いて……)

ライナー「悪いなんて言ってないだろ…背が低いのも可愛らしくていいと思うぞ？」

アニ「あんたまたっ…いや、ごめん」

ライナー「いや、俺の方こそさっきはすまなかった。お前があんなに怒るとは思わなくてな」

アニ「別に…怒ってたわけじゃ」

ライナー「じゃあ何で……？」

アニ「別に、何だっていいでしょ……とにかくごめん、いきなり殴っちゃって」

ライナー「それはもういいんだが、理由が分からずじまいというのはどうも……」

アニ「まあそういうことだから、これで手打ち」ｽｯ

ライナー「ああ、わかったよ。ったく」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

アニ「ちょっと、手を差し出してるのになんで頭に手を置くの」

ライナー「すまんすまん、調度置きやすかったんでな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

アニ「もう……」

ベルトルト(付き合ってもいないのになんでこんな…そんなんだから殴られたんじゃないか……)

ベルトルト(アニも満更でもなさそうな顔してるけど……)

ライナー「ベルトルトもありがとうな。アニを探してきてくれて」

ベルトルト「あ、ああ…うん」

ライナー「それじゃあ、そろそろ兵法講義も終わるだろうし技工の準備始めないとな」

マルコ「君の意見はとても参考になったよ、ありがとうライナー」

ライナー「ああ、こちらこそありがとう」

アニ「それじゃあ私一旦女子寮に戻るから…ミカサには私からお礼とお詫び言っとくよ」

ライナー「おう、頼む。また後でな」

ベルトルト「あ、ライナー、先に行ってて」

ライナー「ん？おう、何か知らんが早く来いよ」

ベルトルト「皆はちょっと待ってくれ、聞いて欲しいことがあるんだ」

マルコ「なんだいベルトルト」

ベルトルト「アニなんだけど、皆が盗み聞きしてたことに気づいてないんだ」

ベルトルト「皆が盗み聞きをしてたことを知ればきっと嫌な思いをすると思う。だから黙っててくれないか？」

クリスタ「ライナーは後で謝っておけって言ってたんだけど…どうすればいいの？」

ベルトルト「ライナーはアニが自分の発言で怒ったと思っているんだ。だからそう言ったんだと思う」

アルミン「なら黙ってたほうがいいかな」

ベルトルト「ああ、そうして欲しい。じゃあ、それだけだから。また後で」

・・・対人格闘訓練終了後・・・

ベルトルト「お疲れ、ライナー」

ライナー「おう、ベルトルトもお疲れさん」

ベルトルト「このあと教官室に来るように言われてただろ？」

ライナー「そういえばそうだったな、少し休んだらすぐに行く」

ベルトルト「あのあと、僕とアニとあの場で倒れてた１０人も呼ばれたんだ」

ライナー「そうらしいな。関係者全員に話を聞くのか」

ベルトルト「エレン達は軽くだろうけどね…君は覚悟しておいたほうがいいよ」

ライナー「……？何をだよ？」

ベルトルト「アニはもう行ったみたいだから早く行こうか」

ライナー「おい、無視するな」

・・・教官室前・・・

コンコン

「何者だ？」

ライナー「ライナー・ブラウン訓練兵です！」

ベルトルト「ベルトルト・フーバー訓練兵です！」

「今丁度レオンハートから話を聞いているところだ。外で待っていろ」

ライナー・ベルトルト「ハッ！」


ベルトルト「なあ、ライナー」

ライナー「なんだ…？」

ベルトルト「今朝はどうしてアニにあんなことを言ったんだい？」

ライナー「……アニから聞いたのか？」

ベルトルト「ばつが悪い顔するくらいなら言うなよ…それで、どうして？最近はあんなこと言わなかったのに」

ライナー「どうしてだろうな…俺にもよくわからん」

ベルトルト「何だよそれ……」

ライナー「本当になんであんなこと…大して親しくもない奴にあんなこと言われたら気持ち悪いよな…まったく」

ベルトルト(……ん？)

ライナー「頭を撫でた時にも怒られなかったのが驚きだよ」

ベルトルト「えっと…何かおかしいと思ったのは僕の気のせいかな……？」

ライナー「ああ、おかしいよな？俺もあんなことを素面で言える自分に驚いているよ」

ベルトルト「ライナー…巫山戯ているならよしてくれよ……」

ライナー「ああ、巫山戯てると思われても仕方ねぇよな…でも本気で言ったんだぜ？あんな事言ったのはガキの頃以来だよ」

ベルトルト「アニは…僕たちの仲間だろう……？」

ライナー「ああ、それがどうかしたか？」

ベルトルト「僕達とアニは幼馴染だろ？」

ライナー「は？何言ってんだよ？」

ベルトルト「ら、ライナー…？」

ライナー「そんなの今更言うことでもねぇだろ？ここでする話でもねぇ。誰かに聞かれたらどうする」

ベルトルト「……巫山戯ないでくれ」

ライナー「俺がいつ巫山戯たんだよ？そんなつもりはないぞ？」

ベルトルト「……ああ、もういいよ」

ベルトルト(考えすぎ…だよね……)

ガチャ

アニ「失礼しました」

「ブラウン、入れ。フーバーはまだ待っていろ」

ライナー「ハッ！じゃあ行ってくる」

アニ「ライナー、ごめん……」

ライナー「？ 失礼します」ｶﾞﾁｬ

ベルトルト「……」

アニ「どうしたの、深刻そうな顔して」

ベルトルト「え、あ、いや…何でもない……どうして謝ってたの？」

アニ「その、ライナーに全部押し付けちゃったからさ……」

ベルトルト「？」

アニ「それじゃあ、先に戻ってるから」

ベルトルト「うん」

ベルトルト(きっと気のせいだ…アニに余計な心配事させるべきじゃない……)

ベルトルト(そうだ、ライナーに限っておかしくなる事なんてありえない……はずだ)

・・・数十分後・・・

ガチャ

ライナー「失礼しました」

ベルトルト「ライナー！？どうしたんだ？顔が真っ赤じゃないか！？」

ライナー「全部説明させられた…アニに言った事も詳細に……」

ベルトルト「あぁ……だから覚悟しておいた方がいいって言ったのに」

ベルトルト(アニが謝ってたのはこのことか……)

ライナー「すまん、俺は先に戻ってる……」

ベルトルト「うん……」

「フーバー、入れ」

・・・数十分後・・・

ベルトルト(本当に詳細に説明させられたせいで結構時間かかっちゃったな……)

ベルトルト(もう夕飯の時間だ。ライナーの事を確かめるのは後でにしよう)

エレン「よう、ベルトルト。今終わったところか？」

ベルトルト「やあエレン、アルミン。今から教官室へ？」

アルミン「うん、夕飯を早めに済ませてきたんだ」

ベルトルト「ライナーの様子はどう？」

エレン「耳まで真っ赤になってシーツに包まって枕に顔埋めて唸ってたぞ。あんなライナーは貴重だったな」

ベルトルト「あはは…今はもう落ち着いてる？」

エレン「流石にな。あ、そうだ！後でその様子を写生したの見せてやるよ！」

アルミン(エレンが知らないうちにまた特技を増やしてた)

ベルトルト「え！？あ、ありがとう…？」

ベルトルト(趣味悪いな、ライナーに恨みでもあるのか？いや、あるか…でもそれは知らないしな…)

ベルトルト「ライナーは今どこに？」

エレン「食堂で飯食ってるよ」

ベルトルト「そうか、ありがとう」


・・・食堂・・・

ミーナ「なんか、何もしてないね…私達……」

サシャ「何がですか？」

ミーナ「アニとライナーをくっつけるって言ってるのにそのためにまだ何もしてないじゃない」

ミカサ「しかし訓練中にそんなことはできない…」

クリスタ「なら今から決行すればいいんじゃないかな？」

ミカサ「今から？」

サシャ「あれ？ミカサ達は教官室に行かなくていいんですか？」

ミーナ「エレンとアルミンが代表して行ってくれる事になったんだ」

ミカサ「私達が一緒に行動していたと言ったら二人もいれば十分だと言われて」

クリスタ「ミカサ達も？私達もユミルが代表して行ってくれてるの」

サシャ「代わりに掃除当番押し付けられましたけどね…楽しいお食事の時間には変えられません」

ミカサ「それでクリスタ、どうしようというの？」

クリスタ「え～っと…あ、見て！今ライナーは一人で席に座ってるね。」

サシャ「そうですね」

クリスタ「他の所はだいたい埋まってるし、アニが来ればライナーの所に座ると思うの」

ミーナ「そうかもね」

クリスタ「だから、あそこの席に誰も座れないようにすればいいんじゃないかな？」

サシャ「……どうやってですか？」

クリスタ「え？それは、えっと…座ろうとした人をミカサが睨みつけるとか……」

ミカサ「クリスタが私をどう思っているのかがよくわかった……やってみよう」

クリスタ「えぇ！？」

サシャ(杜撰ですねぇ)

ミーナ(クリスタって結構おバカなんだな…)


トーマス「ライナー、ここいいか？」
ライナー「ああ、いいぞ」


クリスタ「あ、見て！トーマスが座ろうとしているわ！」

ミカサ「……」ｷﾞﾇﾛｯ


トーマス「……ごめん、やっぱ違うとこ行くわ…」ｿｿｸｻ
ライナー「…？」


クリスタ「成功だよ！やったねミカサ！」

ミカサ「複雑……」

サシャ(案外うまくいくもんですね……)

ミーナ(なんか見ている方が恥ずかしいんだけど……)

クリスタ「あ、まただわ！次はサムエルだよ！」

ミカサ「……」ｷﾞﾇﾛｯ

サムエル「ひっ」ﾋﾞｸｯ

クリスタ「あっ！今度はダズ！」

ミカサ「……」ｷﾞﾇﾛｯ

ダズ「うぉおえええ」ｵﾛﾛﾛ

クリスタ「お次はナックだよ！」

ミカサ「……」ｷﾞﾇﾛｯ

ナック「なっ」ﾋﾞｸｯ

クリスタ「コニーがっ！」

ミカサ「……」ｷﾞﾇﾛｯ

コニー(あの目はやべぇ)ｿｿｸｻ

ミカサ(眼が痛くなってきた……)

ニ週間以上空いてすみません
光陰矢の如し…恐ろしい事だ
こんなに空いたのにちょっとしか書けてない…

投下の前に
>>119の下２行を削除して>>120を

ベルトルト「皆はちょっと待ってくれ、聞いて欲しいことがあるんだ」

マルコ「なんだいベルトルト」

ベルトルト「アニなんだけど、皆が盗み聞きしてたことに気づいてないんだ」

ベルトルト「アニは皆が盗み聞きをしてたことを一番嫌がると思う…だからそのことは黙っていてくれないか？」

クリスタ「ライナーは後で謝っておけって言ってたけど…どうすればいいの？」

ライナー「まあ、そういうことならアニには秘密にしておいたほうがいいんじゃないか？ ただ、申し訳ないという気持ちは持っておけよ」

ミーナ「あ、それならミカサにアニと接触する前に伝えておかないと！」

ベルトルト「ああ、頼んだよ。 それじゃあ、 また後で」

に修正しといてください
よく考えたらライナーはぶる意味なかったので

ライナー(皆がここに座っていいかと聞いてはそそくさと去っていく)

ライナー(何だこれは…今朝のことで悪い噂でも流れてんのか……？)

ライナー(しかしコニーにまであんなことをされるとは…結構傷つくな)ｽﾞｷｽﾞｷ

ライナー(待てよ、コニーはアニと何があったか知ってるだろ？)

ライナー(でも馬鹿だから適当に理由つけて誘えばやりそうだな…)ﾊｧ

クリスタ「ライナーが何だか怪訝な顔した後ため息をついたけど……」

ミカサ「どうかしたのだろうか」

ミーナ(何故わからない)

サシャ(どう見ても嫌がらせですよね……)

クリスタ「あ、見て！アニが来たよ！」

アニ(あ、ライナーのいる机の席が空いてる…座りたいけどちょっと気まずいしどうしようかな)ﾁﾗｯﾁﾗｯ

ライナー(お、アニ…今来たのか？あ、目が合った)ﾁﾗｯ

アニ(あ、やっぱり恥ずかしい…無理だ、別のところ行こ)ﾌﾟｲｯ

ライナー(アニ、お前もか…何故だ？何故こんな仕打ちを……)ｽﾞｰﾝ

アニ(うわ、露骨に目を逸らしちゃった。ごめんライナー)

ミカサ「ライナーと目が合ったけど、すぐに逸らしてしまった」

サシャ「アニったらライナーのいるテーブルを素通りしちゃいましたよ。まだ気にしてるんでしょうか？」

ミーナ「気まずさと気恥ずかしさがあってライナーに近づけないみたいだね」

クリスタ「ライナー、見た事ないくらい落ち込んでるよ……」

ミカサ「折角眼を痛めてまで席を空けたのに」

サシャ「落ち込んでるのはそれだけが理由じゃないでしょうけどね……」

ミーナ(ミカサも結構おバカなのかな)

サシャ「おや？席は先程のコニーで完全に埋まってしまったようですよ」

クリスタ「本当？やったねミカサ」

ミカサ「ええ、アニもそれに気づいたみたい」

アニ(どうしよう、空席がない？ 仕方ない、ライナーの所に行こう)

アニ(別に変に意識しなきゃいいだけだ、大丈夫)

アニ「ライナー」

ライナー「ん…アニか、どうした？」

ライナー(何で戻ってきたんだ？)

アニ「その…ここ、いい？ 他の席全部埋まっててさ…」

アニ(さっき露骨に目を逸らしちゃったから気まずい、あと恥ずかしい……)

ライナー「あ、ああ…いいぞ、アニ」

ライナー(目を合わせてくれない)ｽﾞｰﾝ

アニ(あれ？いつもの笑顔じゃない…声の調子が低い、落ち込んでる？)

クリスタ「アニがライナーに話しかけたよ！ 二人ともちょっとぎこちないけど」

ミカサ「ええ、眼を痛めた甲斐があった」

ミーナ「アニはライナーの様子を伺ってるね」

サシャ「ライナーのことをチラチラ見てますよ…見たいならはっきり見ればいいのに」

ミーナ「サシャは乙女心がわかってないなぁ」

サシャ「確かによくわかりませんねぇ」

ミカサ「そんなだから芋女と呼ばれる。女が付いてるだけ増しだけど」

サシャ「酷いですよミカサ！」

ミーナ「まあまあ、サシャもこの際だから乙女心について学んでみたらどうかな」

ミカサ「自称か弱い乙女なアニをよく観察するといい」

ライナー「というか、許可を取る必要はないんじゃなかったか？」

アニ「それは私の話だよ。他の人がどうかは知らない」ｶﾞﾀｯ

ライナー「俺がお前を邪険にするとでも思っているのか？」

アニ「私だけじゃなくて他の人もでしょ。あんた誰にでも良くするから」

アニ(あ、声の調子が高くなった。私が来たから嬉しいの？ そうだったらいいな)ﾆﾏﾆﾏ

ライナー「俺だって嫌いな奴くらいいるさ。まあ態度には出さんが」

アニ「ほら、やっぱり…そういうのやめたら？ ストレス溜まるよ」

アニ(態度…そういえば私態度悪くない？ 最初はわざとだったけど癖になってるかもしれない。ライナーには少しくらい良くしても…)

アニ(いや、ライナー…とベルトルトにだけ態度がいいのは不自然だ。……なら他人にも良くすればいいだけだね)

アニ(あまりつっけんどんにせずに少しは優しくする努力をしよう)

ミーナ「アニ、やっぱりいつもよりよく喋るね。何話してるのかわからないけど」

ミカサ「しかも心なしか笑顔に見えた。ライナーが傍にいるのが嬉しくて仕方ない様子」

クリスタ「でも今は何か考え込んでるね。ライナーも黙っちゃったし」

サシャ「二人とも食べないんですかね？せっかく暖かいのにスープ冷めちゃいますよ」

ミーナ「あ、私たちも早く食べないと！」

クリスタ「時間ならまだ余裕あるよ？」

ミカサ「さっさと食べれば二人の会話を聞きに行ける。違う？」

クリスタ「それはライナーに良くないって言われたじゃない…」

サシャ「でもクリスタ、興味ありそうな顔してますよ？」

クリスタ「そ、それは……」

ライナー「……」

アニ(何も言わないな…今朝も話題逸らしてたし、やっぱり触れられたくないことなの？)

アニ(しくじったかな…どうしよう気まずい、色々と。今朝のことはもう許してくれてるみたいだけど)

アニ(それに何より恥ずかしい、こいつのこと…想いを自覚しちゃったから。……ライナー何か言ってくれないかな)

ライナー(…考え事してたら今朝の事を思い出しちまった。アニはまだ気にしているのか？頭を撫でた時はそんなに嫌な顔はしてなかったと思うが)

ライナー(俺の傍に来たのは他に席が空いてなかったからだしなぁ…何を思っているのやら)ﾁﾗｯ

ライナー(さっきから黙っているが何か考え事してんのか…？ 居心地が悪そうだがやはり気にしてるのか…)

アニ(なんでこんなことまでライナーに頼ってるのさ、たまには私からも話題を振るべきだ)

アニ「…あ、あのさっライナー」

ライナー「ん、何だ？」

アニ「その、今朝のことは…私はもう、気にして…ない、から」

ライナー「…おう、そうか」

ライナー(わざわざ話題に出すってことは気にしてるってことじゃないのか？)

アニ(バカじゃないの？何で態々今朝のこと話題に出すの？まだ気にしてるって言ってるようなものじゃないか)

アニ(ライナーもなんか反応に困ってるしどうしよう…慣れないことするんじゃなかった)

ライナー「……なんだろうな…いつもは、喧嘩してもすぐに元通りだっただろ？」

アニ「え？ うん、そうだね…」

ライナー「だからよ、そういう態度をとられると…どうすりゃいいのかわからないんだ」

アニ「……ごめん」

ライナー「謝るな、悪いのは俺だ。いくら考えてもお前を怒らせちまった原因がさっぱりでな…すまん」

アニ「いや、怒ってないけど…そっちこそ謝らなくていいって」

ライナー「……あの時お前が怒ったのって、俺がからかったからか？」

アニ「だから、別に怒ってないって」

ライナー「…怒ってないなら何故だ？ 悪いがますますわからん」

アニ(本当の理由とか言えるわけない…)

アニ「怒ってはいないけど…まあ、ああなったのはそれが原因だね。半分だけど」

ライナー「半分？」

ミカサ「みんな食べ終わった？なら行きましょう」

クリスタ「行くって、何処へ？」

ミーナ「もちろんあの席の近くだよ」

ミカサ「さり気なく、相手に気取られないように近づき聞き耳を立てるの。いい？いえ、貴女には聞くまでもなかった」

サシャ「私は狩人ですよ？気配を消して獲物に近づくのは狩りの基本ですからね、余裕です」

クリスタ「すごいねサシャ！その口ぶりだとミカサもできるんだよね？」

ミカサ「私にはごく自然に出来ること。クリスタ、できる？」

ミーナ(こんなやり取り今朝もあったな)

サシャ(クリスタったらノリノリじゃないですか)

ライナー「あれはだな、嫌味だとか馬鹿にしてるとかじゃない…ただちょっと悪戯心が湧いたというかだな」

アニ「それって馬鹿にしてるってことじゃないの？」

ライナー「いや、違うぞ…？ 馬鹿にしたわけじゃない…はずだ」

アニ「歯切れが悪いね」

ライナー「俺は嘘は言っていない。お前はいつだって可愛いし笑顔が可愛いというのも本当だ」

アニ「……うん」

ライナー(そういや今朝はこの言葉をあいつらに聞かれてたんだったな…思い出したら恥ずかしくなってきた)

アニ「あんた、そういうことよく恥ずかしげもなく言えるね…」

ライナー(確かこいつは今朝盗み聞きされてたことを知らないんだったか…)

ライナー「まあお前しか聞いてないしな…」

ライナー(まさか今も誰か盗み聞きしてたりしねぇよな？)

アニ「ていうか、あんた自分で嘘だって言ってなかった？」

ライナー「それは…半分嘘だが半分本当というかだな、あれだ…だから嘘は言っていないはずだ」

アニ「もうそういうことでいいよ」ﾊｧ

ライナー「おう、そういうことにしておいてくれ」

サシャ「……あの二人って本当に付き合ってないんですか？」

ミカサ「エレンが言うのだから間違いないのだろう」

クリスタ「どうしてエレン？」ｺｿｺｿ

サシャ「でも普通は付き合ってもいないのにあんな会話しないんじゃないですか？」

ミカサ「彼らは両思いのはず…今朝の事がきっかけで少し積極的になろうとしているのかもしれない」

サシャ「それともライナーは好きでもない女の子にあんなこと言う人なんですかね」

クリスタ「ライナーはなんか恥ずかしそうにしてるけど…やっぱりわざと言ってるのかな」ｺｿｺｿ

ミーナ「どちらもないと思うよ。エレンじゃないから絶対とは言えないけど」ｺｿｺｿ

クリスタ「だからどうしてエレン？」ｺｿｺｿ

サシャ「ほほう、ライナーってば大胆ですねえ」

クリスタ「サシャはどうして無視できるの？」ｺｿｺｿ

サシャ「考えても無駄だからですよ」

クリスタ「なるほど」ｺｿｺｿ

ミカサ「二人共、集中して」

アニ「それで、ライナーはどうして私に悪戯しようなんて思ったの？」

ライナー「そりゃあ、お前が笑ったから…かな？」

アニ「え？ …どうして疑問形なのさ」

ライナー「俺自身よくわかっていなくてな、どうしてお前にあんなこと言っちまったのか」

アニ「どういうこと？」

ライナー「ただ何となく…よくわからんがお前が笑ってるのを見たらついそうしたくなってな」

アニ「……そう、変なの」

ライナー「そうだよな…でも可愛いと思ったのは本当だぞ？」

アニ「それはもういいから！十分わかった！もう…」

ライナー「ほう？アニは自分が可愛いと思っているわけか…意外と自惚れ屋なんだな？ん？」ﾆﾔﾆﾔ

アニ(その顔やめてくれないかな、本当に)

アニ「あんたさぁ、それもついなの？」

ライナー「ああすまん、…別にお前が可愛くないと言ってるわけじゃないからな」

アニ「別にいいけど…他の人にはそういうこと言わないでよ……」

アニ(あれ？私今凄く恥ずかしいこと言ったんじゃ…違うよ、他人様に変なこと言うなって意味だから)

ライナー「ああ、俺がこんなこと言うのはお前くらいだよ…何でだろうな？」

アニ「っ…あ…うん…なら、いいけど……何でだろうね？」

クリスタ「今のは…」

ミカサ「ええ…」

サシャ「デレ…ですか？」

ミカサ「ええ、そうよ」

ミーナ「やだ、なんなのあれ…可愛い」

サシャ「あれってどういうことなんですかね？他の人には言わないでって…」

ミカサ「あれは嫉妬というの…いるかもわからない相手に嫉妬してしまうほどアニはライナーのことを…」

ミーナ「ライナーのあれって遠回しな告白じゃないの？そうとしか思えないんだけど」

クリスタ「どう見ても両思いなんだけどなぁ…ちゃんと告白すればいいのに…」

ミカサ「エレンが言うにはライナーはアニに思いを伝える気はないそう…アニもあの性格では」

クリスタ(またエレンか…)

ミーナ「やっぱり私達がどうにかするしかないね！全く世話の焼ける子なんだから」

クリスタ「やっぱり迷惑じゃないかな…」

サシャ「当事者に知られなければ大丈夫じゃないですか？」

ライナー「当事者ってのは誰のことだ？」

サシャ「そりゃあライナーとアニのことに決まっ…ライナー！？」

ライナー(もしやまた誰か盗み聞きしてないかと気を配ってみれば…)

ライナー「またやってたのかお前ら……」

クリスタ「ごめんなさい…(失望したような目で見られてる…)」

ミカサ「ごめんなさい、今朝にあんな事があったから心配で…」

クリスタ(え？あながち嘘ではないかもしれないけど…)

サシャ「だからといって盗み聞きなんてやっぱり良くないですよね…すみませんでした」

ミーナ「(ここは合わせておこう)本当にごめんなさい…」

ライナー「……どこから聞いていた？」

クリスタ「えっと…馬鹿にしてる訳じゃないって辺りかな」

ライナー「そうか……まあいい、許すのはこれが最後だからな」

サシャ「あ、ありがとうございます！」

クリスタ「本当にごめんなさい！」

ライナー「といっても、それは俺だけの話なんだが……」

ミカサ「？」

アニ「……」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ミーナ「あ、アニ…(どうしよう滅茶苦茶怖い)」ｶﾞｸｶﾞｸ

サシャ(無言が気まずい…というか怖い怖い怖い)ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ミカサ(身体中から嫌な汗が吹き出てくる)

クリスタ「あ、あの…アニ…？」

アニ(ミーナ、また…邪魔して……)ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

クリスタ(無反応なのが却って怖いよぉ…)ｶﾞｸｶﾞｸ

ライナー「…おい、アニ？ 何をそんなに怒ってるんだ？ クリスタ達酷く怯えてるぞ」

アニ「えっ？」

ライナー「確かにいい気はせんが、そこまで怒ることでもないだろう」

アニ「…私そんなに酷い顔してた？」

ライナー「顔というか威圧感がだな」

アニ(顔だけじゃなかったんだ…私の悪いところ)

クリスタ「あの…本当にごめんね、アニ…こんなに怒ると思わなくて」

アニ(怒らなきゃやっていいの？ …なんてこと考えてちゃ嫌な奴みたいだな)

アニ「まぁ、いいよ…もう二度としないでね」

クリスタ「うん」

ライナー「今度こそ本当にわかったんだろうな？」

クリスタ「う、うん！勿論だよ」

ライナー「そうか、ならいい」ﾜｼｬﾜｼｬ

クリスタ「あっ、ちょっと…」

クリスタ(ライナーの手大きくて温かくて安心するな…じゃない！アニの目の前でこんなこと！)

クリスタ「だ、ダメだよライナー！」

ライナー「あっ…と、すまん…つい」

クリスタ「あ、うん…それはいいんだけど…」ﾁﾗｯ

アニ「……」ﾑｽｯ

ライナー「どうした？」

クリスタ「うん…何でもない(アニが何故か怖いよ…助けて)」

ミーナ「好きな男の子と仲良くしてる女の子を羨ましく、そして疎ましく思ってしまう…それが」ﾋｿﾋｿ

サシャ「嫉妬…ですか。これが乙女心というものなのですね」ﾋｿﾋｿ

ミカサ「これもほんの一部。学ぶことはまだまだ多い」ﾋｿﾋｿ

クリスタ(楽しそうにしてないで助けて)

ライナー「クリスタ？」

クリスタ「……」ﾁﾗｯ

ライナー「(アニを見ているのか？)…どうした？アニ、不機嫌そうな顔して」

アニ「別に…」ﾑｽｯ

ライナー「？ お前ら食い終わったなら寮に戻ったほうがいいんじゃないか？明日の準備とかいろいろあるだろ」

ミカサ「ええ、そうね。行きましょうクリスタ」

クリスタ「う、うん」

サシャ「あれ？もういいんですか？」

ミーナ「これ以上残る理由が思いつかないよ」

ライナー「……行ったな。 まったくあいつらは…」

アニ「ライナー」

ライナー「ん？ なんだアニ」

アニ「クリスタと、仲いいね」

ライナー「そうか？ 言う程じゃねぇだろ」

アニ「頭撫でてたじゃない」

ライナー「あー…あれはだな、その…つい」

アニ「つい、ね」

ライナー「…お前、笑わなくなったよな」

アニ「は？」

ライナー「昔はよく笑ってただろ？」

アニ(そういえばそうだったかもしれない…)

ライナー「今朝は、久しぶりにお前の笑顔を見たもんだからな…嬉しかったよ」

アニ「そうなんだ…」

ライナー「お前とクリスタって似てるよな」

アニ「そうかな…髪と眼の色くらいしか似てないと思うけど」

ライナー「いや、他にもあるぞ？ 色白なところとか、しｎ…小柄なところとか」

アニ「今何言いかけた？」

ライナー「別に」

アニ「で、それがなんなの？」

ライナー「クリスタが、昔のお前みたいだな…と思ってな。お前がよく笑ってた頃の身長もあれくらいだった気がする」

アニ「へぇ…光栄だね。女神様と似てるだなんて」

アニ(あぁ、また嫌味言っちゃった)

ライナー「まぁそうは言っても、アニにはアニだけの可愛さがあると俺は思う」

アニ「はぁ？ …ていうか、こういう話ここでしてていいの？」

アニ(恥ずかしくてつい話題逸らしちゃった)

ライナー「今はもう遠くで飯食ってる奴がニ、三人いるだけだ。問題ないだろう」

アニ「そう…ならいいけど」

ライナー「まあ何にせよ俺は、お前の笑ってる顔が好きだぞ？」

アニ「えっ、あぁうん…ありがと」

ライナー「…笑わないな」ﾑｩ

アニ「あんただって笑わないでしょ…」ﾑｽｯ

ライナー「はぁ？俺は結構笑ってるぞ」ﾆﾔ

アニ「私その顔嫌いなんだよね」ﾌﾟｲｯ

ライナー「え…」ﾋｸｯ

アニ「あんたのその薄笑いが嫌いなの。作り物にしか見えないし」ﾂｰﾝ

ライナー「……ひょっとして、俺が話しかけた時に嫌な顔するのはそのせいか？」

アニ「その通りだよ。 基本口角下がってるくせに私の前では常にその顔なのが尚更嫌」

ライナー「んなこと言ったってな……そうか、お前はそれが嫌だったのか」ｼｭﾝ

アニ「そうだよ、今まで気付かなかったの？ ……そんなに落ち込まないでよ」ｱｾ

ライナー「無茶言うなよ…ずっとお前の為と思ってやってたことを嫌がられてたのに気づかないなんてな」ｽﾞｩﾝ

アニ「…どういうこと？」

また間空けてでもあまり書けてないです。ごめんなさい
２月中に終わらせてホワイトデーSS書きたかったのにこのザマだ畜生
今回は特に酷い過去の捏造あります

ライナー「何だ、覚えてないのか？ お前が言ったんじゃないか、俺にはいつも笑っていて欲しいと」

アニ「え…そんなこと言ったっけ」

ライナー「……本当に覚えてないのか？」

アニ「ごめん……」

ライナー「いや、覚えてないならいいさ。 もうお前の前で笑ったりしないから安心してくれ」

アニ「別にそうして欲しいわけじゃないんだけど」

ライナー「しかしな…俺の笑顔が嫌いなんだろう？」

アニ「あんたのあのわざとらしい作り笑いがね」

ライナー「う゛ぅん……」ｼｭﾝ

アニ「あんたさ…私がそう言ったから、私の前でいつもあんな顔してたわけ？」

ライナー「あぁ…そうだが」

アニ「そっか…」

ライナー「どうした？」

アニ「ありがと…あと、ごめん」

ライナー「…嫌がらせでしかなかったんだ。礼も詫びもいらない」

アニ「私のためにやってくれてたんでしょ？ それは嬉しかったからさ」

ライナー「……何というか…お前、今日はやけに饒舌だな」

アニ「少しは素直になろうと思ってね…本当に嬉しいんだよ？」

ライナー「そ、そうか」ﾊﾟｧｯ

アニ「…あんたさ、今のその顔の方が良いんじゃない？」

ライナー「あ？…こうか？」ﾆｯ

アニ「違う違う、目が笑ってない」

ライナー「……こうか？」ﾆｺｯ

アニ「ただ目を細めただけじゃない…意識してやろうとしてもできないと思うけど」

ライナー「う゛ぅん…そうか」

アニ「多分…私が好きだって言ったのはさっきの笑顔に近いのだよ」

ライナー「そうなのか？ 多分ってのは何だ…？」

アニ「もうずっと見てないからね…どんな顔だったかはよく覚えてない」

アニ「…あんた、今のその顔の方が良いんじゃない？」

ライナー「あ？…こうか？」ﾆｯ

アニ「違う違う、目が笑ってない」

ライナー「……こうか？」ﾆｺｯ

アニ「ただ目を細めただけじゃない…意識してやろうとしてもできないと思うけど」

ライナー「う゛ぅん…そうか」

アニ「多分…私が好きだって言ったのはさっきの笑顔に近いのだよ」

ライナー「そうなのか？ 多分ってのは何だ…？」

アニ「もうずっと見てないからね…どんな顔だったかはよく覚えてない」

ライナー「そうなのか…どんな顔か教えてもらえれば思い出せるかもしれんと思ったんだがな…」

アニ「だから意識したってできないって」

ライナー「だよな。うぅん……」

アニ(自分の頬を触りながら口角を上げたり下げたりしてる…笑顔の練習を顰めっ面でしてどうするんだか)ﾌﾌｯ

ライナー(あ…)

ベルトルト「あれ？ 二人ともまだいたんだ」

ライナー「ベルトルト…お前まだだったのか？」

アニ「教官と話してたにしては時間かかりすぎじゃない？」

ベルトルト「部屋で着替えてたらエレンに捕まっちゃって」

アニ(エレンか…)

ライナー「エレンに？ 一体どんな話してたんだ？」

ベルトルト「いや、それは…その」

アニ(そういえば、ライナーのことを意識し始めたのはエレンがきっかけだったか…)

ライナー「言いにくいなら別に話さなくてもいいんだが」

ベルトルト「う、うん…二人はもう食べ終わってるみたいだね」

アニ(あいつがあんな事言わなければライナーと気まずくなったりしなかったのに…)

ライナー「あぁ、悪いが先に帰らせてもらうな。今日は疲れた」

ベルトルト「気にしなくていいよ。それじゃあまた後で…アニ、お休み」

アニ(……明日の格闘訓練で懲らしめてやろ)

ライナー「おーいアニ、宿舎戻るぞ」

アニ「あぁ」

ベルトルト(……さっきの事を確かめてみようと思ったんだけど、アニがいるんじゃなぁ)

ベルトルト(僕の思い過ごしだといいんだけど…けどライナーはここでの生活でかなり消耗してるし…)

ベルトルト(僕も自分が兵士だと思って現実逃避することはよくある…ライナーは僕と違って強いからそんなことしないと思ってたけど…)

ベルトルト(でもさっきのライナーはアニのことを忘れているようにも見えた。ひょっとして僕より酷い状態なんじゃ…)

ベルトルト(……馬鹿だなぁ、ライナーに限ってそんなことあるはずないだろ)

ベルトルト(…でもやっぱり一応確かめておこうかな…その方が安心できるし)

ベルトルト(というかアニ、無視することないのに…)

・・・女子宿舎前・・・

ライナー「それじゃあまた明日な、アニ」

アニ「ああ、また明日ライナー…お休み」

ライナー「おう、お休み」

ライナー(……さて、俺も寄宿舎に戻るか)

ライナー(……アニの奴、さっきベルトルトが来る前…笑ってたのか？)ﾃｸﾃｸ

ライナー(そんなに滑稽だったかな…何にせよあいつが笑ってくれたなら良かったんだが)ﾃｸﾃｸ

ライナー(あいつがどうすりゃ笑うのか未だによくわからん…毎回試行錯誤してるんだがな)ﾃｸﾃｸ

ライナー(……それにしても、アニの好きな俺の笑顔ってのはどういう笑顔なんだろうか)ﾃｸﾃｸ

ライナー(さっきは無意識に言ったが、どうやら俺も自然な笑い方を忘れちまったらしい)ﾃｸﾃｸ

ライナー(……アニも、そうなのか？ あいつも笑わないんじゃなくて、笑えないのか…？)ﾃｸﾃｸ

ライナー(俺もあいつには笑っていて欲しいんだがなぁ、一体どうすりゃ……)ﾃｸﾃｸ

ライナー(ん？ あれは……)ﾃｸﾃｸ

エレン「まさかあいつらもう動き始めてたとはな…」ｶｷｶｷ

アルミン「エレンが心配でついて行ったらまた盗み聞きしてるなんてね」ﾃｸﾃｸ

エレン「まったく、今朝ライナーに注意されたばっかだってのにあいつら…」ｶｷｶｷ

アルミン「どうせエレンだってあの場にいたら参加してたよ」ﾃｸﾃｸ

エレン「ぐっ、否定はできんが…それにしても！アニと話してる時のライナーは嬉しそうだったし、やはり俺は間違ってないな！」

アルミン「エレン、ちゃんと前見ないと転んでしまうよ」ﾃｸﾃｸ

エレン「聞けよ……。ライナーならこんなことで転んだりしねぇ」ｶｷｶｷ

アルミン「絵を描きながら歩くのはどうかと思うよ。スケブ閉じて」ﾃｸﾃｸ

エレン「わかったよ」ﾊﾟﾀﾝ

ライナー「おう、エレン」

エレン「おう、ライナー。どうした？」

ライナー「部屋に戻ってたんじゃないのか？」ﾃｸﾃｸ

アルミン「ちょっと散歩してたんだ」ﾃｸﾃｸ

ライナー「へぇ…。エレンは何描いてんだ？」ﾃｸﾃｸ

エレン「いや…その、落書きみたいなもんだよ」ﾃｸﾃｸ

アルミン(細部までしっかり描き込んであるものを落書きとは言わないと思うけど)ﾃｸﾃｸ

ライナー「どんなもの描いてんだ？ 良かったら見せて欲しいな」ﾃｸﾃｸ

エレン「すまん、そりゃ無理だ。とても見せられたもんじゃねぇ」ﾃｸﾃｸ

アルミン(本当にね)ﾃｸﾃｸ

ライナー「そうか…にしても意外だな。お前、絵描くの好きなのか？」ﾃｸﾃｸ

エレン「そうか？ 別に好きとかじゃねぇけど。趣味の一環みたいなもんだな」ﾃｸﾃｸ

アルミン(ミカサの趣味がエレンならエレンの趣味はライナーか。僕の幼馴染達はいい趣味してるね)ﾃｸﾃｸ

ライナー「そうなのか、上手く描けるようになったら見せてくれよな」ﾃｸﾃｸ

エレン「……おう」ﾃｸﾃｸ

ライナー(今の間は何だ？)ﾃｸﾃｸ

アルミン(画力は申し分ないんだけどね…宿舎に着いた)

ライナー「さて、俺はさっさと明日の準備して寝るかな」

アルミン「もう？」

ライナー「今日は色々あって疲れてんだよ」

エレン「……すまん」

・・・女子寮寝室・・・

ユミル「へぇ、お前らそんなことしてたのか。懲りねぇな」

サシャ「へへへ…すみません」

ミーナ「それでさ、何だか今日のアニはいつも以上にライナーを意識していたと思うんだ」

ミカサ「そうなの？」

ミーナ「うん。多分今まで自分自身のライナーへの気持ちに気づいてなかったんだよ」

クリスタ「今朝のことで初めて自分の気持ちを認識したってこと？」

ミーナ「多分そういうことだね」

サシャ「無意識ですか…そういえば、ライナーはどうなんでしょうね？ アニのことはっきりと意識してるんですか？」

ミーナ「え？ …どうだろう…そうであればやりやすいんだけど」

ユミル「いや、あいつの性格だと寧ろやりにくいんじゃねぇの？」

サシャ「というと？」

ミカサ「エレンが言うには他人の厚意を素直に受け入れられないらしい」

ユミル(なんでエレンが出てくんだよ……つうかそもそも厚意じゃねぇだろ)

クリスタ「ライナーって人のことよく見てるからあまりおかしな動きをするとすぐにバレちゃうかも…」

ミーナ「さっきは上手くごまかせたけど、これからはよく考えて行動しないとね…」

クリスタ「うぅ…ごめんなさい」

ミカサ「わかった」

ｶﾞﾁｬ

アニ「……」ﾊﾟﾀﾝ

ミーナ「あ、アニ。おかえり～」

ミカサ(今の聞かれてた…？)

アニ「…」ﾁﾗｯ

ユミル「相変わらず無愛想な奴だな」

アニ「！」ﾊｯ

クリスタ「ちょっと、ユミル」

アニ「…た、ただいま」

ミーナ「！」

アニ(…慣れないことすると恥ずかしいな)ﾌﾟｲｯ

サシャ(あらかいらしい)

ミーナ「あれ？アニもう寝るの？」

アニ「……うん」

ミーナ「そっか。おやすみ～」

アニ「…あんたらも早く寝なよ」

ミーナ「うん。灯り小さくしとくね」

アニ「ありがと」

ミーナ「…どうする？話し続ける？」ﾋｿﾋｿ

ミカサ「続けるなら声を抑えて」ﾋｿﾋｿ

アニ(…今日は一日が長かった気がする。もう寝よう、疲れた…)

アニ(ミーナ達が何か話してる……もっと愛想よくしないとな)

アニ(ああ、でも…あまり深入りしちゃいけないんだっけ…)

アニ(笑顔……か。うぅん、眠い…)

ここから少し胸糞悪いかもしれないのあるけど書き終わってないです
一気に投下したほうがいいと思うので少し書き溜めします

このエレン書いてて楽しいわ～
トラブルメーカーとしてうまく動かそう

ただいま
帰る日を言っておくべきでした
アニさん生まれてきてくれてどうもありがとう
今回は色々と酷い気がします

―――
――――――
―――――――――

アニ「ライナーのバカ…何さ、女の子なら女の子らしい遊びしてろって……」ﾌﾟﾁｯ

アニ「今日は久しぶりにお父さんのお稽古なかったから一緒に遊びたかったのになぁ…」ﾌﾟﾁｯ

アニ「危ないからダメとか言ってさ…何でマルセルやすぐに泣き出すベルトルトが良くて私はダメなの…？」ﾌﾟﾁｯ

アニ「私が女の子だから？ いっぱい頑張って強くなってるのに…それでも女の子だとダメなの…？」ﾌﾟﾁｯ

アニ「女の子らしい遊びって何？ わかんないよ…お母さん知らないし…女の子の友達だっていないし…」ﾌﾟﾁｯ

アニ「お花摘みでもしてみようと思ってここ来たけど…」ﾌﾟﾁｯ

アニ「お花摘んでどうすればいいのかな…確か冠とか指輪とか作れるんだよね？」ﾌﾟﾁｯ

アニ「…どうやってつくんだろ…」ﾁｮｲﾁｮｲ

アニ「……」ﾁｮｲﾁｮｲ

アニ「…わかんない」ｳｰﾝ

「うわ、なんでこんなとこに暴力女がいんの」

アニ「……？」

「何キョロキョロしてんのあいつ。自分以外にいると思ってんのかな」

「暴力女って？」

「あいつすぐ蹴ってくるから。いつもお父さんと練習してるんだって」

アニ(別にすぐ蹴ったりしないし…この前のはせーとーぼーえー？だってライナーが言ってたし…)

「ほんとに？ 女の子なのにこわいねぇ…」

「本当は男なのかもね。この前男の子ボコボコにしてたし」

「それほんとなの？ 怖いなぁ…男の子が花畑で何してるの？」

アニ(本当に男の子だったらよかったのに…。ていうかちょっと蹴倒しただけでボコボコにはしてないんだけど…)ﾁﾗｯ

「やだっちょー睨んできてる。こわ～い！」

アニ(…ちょっと見ただけじゃん)

「ライナーとかベルトルトとかが一緒にいるのよく見るけど…どうしてそんな子と？」

アニ「……」

「それはあれだよ。うちの子と仲良くしてあげてね～ってヤツ？ お父さんたちが一緒に何かやってんだって」

アニ(……そうなの？)

「それでそんな子と一緒にいなきゃいけないの？ 可哀想…」

「そういえばライナー達って何か浮いてるよね…やっぱりあの子のせいなの？」

「さぁ？ そうなんじゃない？ ていうか、あいつお母さんいないんだって。だからあんななんじゃないの？」

「そうなんだ…いつも暴力の練習してるんでしょ？ こわいなぁ、私お母さんいて良かったぁ」

アニ「……違う」ｼﾞﾛｯ

「きゃっ」

「こっわ！ いこいこ！」

アニ「……違うもん」

アニ「…そういえばベルトルトはいつも私の方見てくれないし…もしかして嫌われてる…？」

アニ「ライナーはそんなこと思ってないよね…？」ﾌﾟﾁｯ

アニ「私と遊ぶの嫌だったの…？ だからダメって…」ﾌﾟﾁｯ

アニ「嫌なこと考えんのやめよ」ﾌﾞﾁｯ

・


・


・

アニ「……つまんない」ﾌﾟﾁｯ

アニ「冠とか指輪とか…皆はなんで作れるんだろう？ お母さんに教えてもらうのかな…」

アニ「お花は綺麗だしいい匂いだけど、だから何なんなの？ 摘んだあとどうすればいいの？」

アニ「……帰ろっかな」

少年A「オイ見ろよ。暴力女が花なんか摘んでるぜ」

アニ「」ﾋﾞｸｯ

少年B「うわ、似合わね～」

アニ「……」ｷｯ

少年C「やべ～睨んできてる！ こえ～！」ｷｬﾊﾊ

少年A「やめろよ暴力女なんだぞ？ またボコボコにされるぞ？ この前みたいに」ﾌｸｸｯ

少年C「はぁ？ ちげーし！俺やられてねーし！」

昨日は誤って眠っちゃいました。ごめんなさい
投下します

本当にごめんなさい…
今度こそ投下します

アニ「違うもん！暴力なんかしないもん！」

少年B「うるせーチビ！年下のくせに生意気なんだよ！」

アニ「うっさいバーカ！年上のくせにバアァッカ！」

少年B「２回もバカって言うんじゃねーよ！このチビ！」ｶﾞｼｯ

アニ「離して！蹴るよ！」

少年C「やっぱ蹴るんじゃねーか！この暴力女！」

アニ「暴力じゃないもん！せーとーぼーえーだもん！」

少年B「訳分かんねぇこと言ってんじゃねぇ！」ｸﾞｲｯ

アニ「いたっ、髪の毛掴まないで！痛い！」

少年A「黙れよブス！」ｸﾞｲｸﾞｲｯ

アニ「やだっ！痛い！誰かぁ！」

少年C「でかい声出すんじゃねーようるせーな。誰も来るわけねーじゃん」

アニ「ううぅぅぅ…」

少年B「誰がお前なんか助けに来るかバーカ！」

少年A「まあ来たとしてもボコボコにしてやるけどな」

アニ「うぅぅ」ｸﾞｽｯ

少年A「何泣いてんの？キモいんだけど」

少年C「皆お前のことなんか大嫌いなんだよ！」

少年B「消えろよクズ」

アニ「うあぁぁああ！！！」

ガッ

少年C「いってぇ！本当に蹴りやがったこいつ！！」

少年A「オイ！お前脚抑えろ！」ｶﾞｼｯ

アニ「はぁなぁせえぇ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

少年B「暴れんな！このっ！」ｶﾞｼｯ

少年C「くっそぉいてぇ…ほんとに女かよこいつ」

少年B「本当は男なんじゃねぇの？」

少年A「だったら確かめてみる？」

少年B「どうやって？」

少年A「服脱がすとか？」ｱﾊﾊ

アニ「うわあぁぁあ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

少年B「おとなしくしろっ！このっ！」

少年C「うるっせぇんだよ！！」

バシッ

アニ「あっ！？」

少年B「どっから脱がす？」

少年A「うわぁ…本当にやんのお前」ｱﾊﾊ

少年B「お前が言い出したんだろ？」ｹﾗｹﾗ

アニ「あぁぁああ！！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

少年C「暴れんなっての！」ﾊﾞｼｯ

少女１「え、何あれ？ 何してるの？ ちょっとまずくない？」

少女２「ていうかあれさっきの暴力女じゃない？ ちょっと見てみる？」


アニ(あの子達…さっきの…)


少女１「やめなよぉ、近よったっていいことないって…」

少女２「いいじゃん面白そうじゃん！ 見てようよ～」

少女１「え～？ でもぉ…」

アニ(何で笑ってるの？ 何が可笑しいの？ 助けてくれないの？ あ、シャツ脱がされた…)

「どっちだよ、ペッタンコだからわかんねーな」

「この歳ででかいほうがおかしいだろ」


少女２「あはは、ちょ～暴れてる」ｷｬﾊﾊ

少女１「ねぇ、やっぱりさぁ…まずいよあれは…」

少女２「どうでもいいじゃん、あんな奴さぁ」


アニ(どうして…目の前でこんな目に遭ってるのに……)

『誰がお前なんか助けに来るかバーカ！』

『皆お前のことなんか大嫌いなんだよ！』

アニ(そっか…誰も、助けてくれないんだ…私なんか……嫌われ者、だから…)

「うわっ！こいつのパンツだせぇ！」ｷｬﾊﾊ

「早く脱がせ脱がせ！」ｱﾊﾊ

アニ(ライナー達も…本当は……)

「あ、ちょっと！やばいよあれ！？」

「大人の人呼んできたほうがいいんじゃ…」


アニ(何今になって……もう間に合わないよ)

「男だと思う人ー！は～いって俺だけかよ！」ｷｬﾊﾊﾊﾊﾊﾊ

アニ(何がそんなにおかしいんだろ…うるさいなぁもう…)

アニ(なんかもう…どうでもいいや……)

―――――――――
――――――
―――

アニ「……」

アニ(……最悪)

アニ(どうしてあんな夢見たんだろう……)

アニ(あれはいつのことだったっけ……あの後どうなったんだったかな…)

アニ(どうせ碌な事じゃないんだろうけど…でも何か気になる…)

アニ(……ダメだ、全く思い出せない。人間嫌な記憶は忘れるようにできてるらしいしね…)

アニ(それにしても、昔から私は嫌われ者なんだな……ライナーもベルトルトも本当は私の事どう思ってるんだろう)

アニ(……もう朝か。 疲れが取れた気が全くしない…汗が気持ち悪い…)

アニ(とりあえずさっさと着替えて、訓練の準備しないと…)

・・・男子寮寝室・・・

ライナー「おーい、ベルトルト、起きろー」ﾕｯｻﾕｯｻ

ベルトルト「駄目だよエレン…ライナーは…女の子が…好き、なのに…」ｳｩﾝ

ライナー「どんな夢見てんだよ…」ﾍﾟｼﾍﾟｼ

ベルトルト「ほら、ライナーも…嫌が…って…ライナー…？ 悦んでる…の……？」ﾝｳｩ

ライナー「オイほんとどんな夢見てんだお前」ﾍﾟｼﾍﾟｼﾍﾟｼﾍﾟｼﾍﾟｼ

ベルトルト「ら、ライナー…嫌だ…僕まで、巻き込まないで…くれぇ……」ｳ゛ｩ

ライナー「…………」ｽﾊﾟｧﾝｯ

ベルトルト「い゛っ……ん～…あ、ライナー…？ おはよ」ｼﾊﾟｼﾊﾟ

ライナー「……おう、おはよう」

ベルトルト「ふぁあ……嫌な夢見ちゃったよ…」

ライナー「…そうか」

こんばんは。>>1です
ベルトルトがライナーとアニをくっつけるために動く理由付けをしてたのですがどうしても納得できる展開がなくて何度も書き直していたのですがやっと方向が定まってきました
今回の投下はライアニ要素が0です。すみません

ベルトルト「あれ？ 皆まだ寝てる…？ っ…背中痛い…」

ライナー「あぁ、今日は特に酷かったんで早めに起こさせてもらったんだが」

ベルトルト「酷いって、寝相が…？」ﾌｧｱｧ

ライナー「あぁ、日に日に酷くなっていってないか？ お前のそれ」

ベルトルト「う～ん、やっぱりそうなのかな？」

ライナー「少し調べてみたんだが…別に寝苦しいとかじゃないんだよな？ 暑いとか寒いとか」

ベルトルト「わざわざ調べてくれたんだ…そんなことはないけど…」

ライナー「そうか…なら自律神経ってのの不調が原因だったりするんじゃないか？」

ベルトルト「ジリツシンケイ？」

ライナー「簡単に言えば身体の機能を調整するものらしい。それが乱れる原因としては、不規則な生活を送っていたりだとか…」

ベルトルト「それなら問題ないはずだよ」

ライナー「そうだな。他にも、そうなりやすい体質だったり…日常的なストレスなんかが原因で乱れることもあるらしい」

ベルトルト「……ふぅん」

ライナー「他にもいろいろあるが主な原因はそれらだ。原因を解消すれば改善されるらしいが…何か思い当たることとかないか？」

ベルトルト「……ストレス…かな？」

ライナー「ん、そうか…よかったら話してくれないか？ 話すだけで楽になることもあるぞ。まぁ、話したくないなら無理にとは言わんが…」

ベルトルト「……？」

ライナー「ん？ 何だよその顔…」

ベルトルト「そんなの言うまでもないと思うんだけど…」

ライナー「は…？」

ベルトルト(何だよその反応…そういえば昨日も何かおかしかった……何かもう、気のせいとかじゃないような…少し探ってみよう)

ベルトルト「ライナー、少し外に出ない？ ここじゃちょっと話しにくいし…」

ライナー「あぁ、そうだな。日の光も浴びたい気分だ」

・・・男子宿舎周辺・・・

ライナー「で、ストレスだっけ？ 何でもいい、話してみろよ」

ベルトルト「えっと……ねぇ、ライナーは辛いとか、感じたことないの？」

ライナー「ん？ …辛いって、何に対してだ？」

ベルトルト「え？ いや、言わなくたってわかるだろ？」

ライナー「些細なことなら沢山あると思うが…言わなくてもわかる、か…何だ？」

ベルトルト「全然些細なことなんかじゃないんだけど…」

ライナー「ん～…？ すまんが、わからん…」

ベルトルト「冗談言ってるつもりならやめてくれないか…笑えないよ」

ライナー「…まさか、お前のストレスって俺が原因だったりするのか？」

ベルトルト「いや、違うけど…」

ベルトルト(とぼけてる感じじゃない……どうなってるんだ？)

ライナー「大丈夫か？ また冷や汗かいてるぞお前…それも自律神経の疾患で起こりうることらしいが」

ベルトルト(…もうちょっと突っ込んで聞いてみよう)

ベルトルト「…ライナー、僕達の使命って、何だったかな……」

ライナー「使命？ …そりゃあ詰まるところは、市民を守ることなんじゃねぇのか？ 兵士ってのは…」

ベルトルト「いや、そうじゃないだろ…ほら、僕達…三人のさ、使命だよ…」

ライナー「三人…？」

ベルトルト「わからないの…？」

ベルトルト(なんだこれ……気持ち悪くなってきた……)

ライナー「おい、どうしたんだ…顔色悪いぞ、大丈夫か！？」

ベルトルト(もう限界だ…言ってしまおう)

ベルトルト「君は…戦士だよね？」

ライナー「…………」

ベルトルト「…ライナー？」

ライナー「……あぁ、そうだな。それがどうした？」

ベルトルト「え？」

ライナー「ん？」

ベルトルト「今…忘れてたよね？ 僕達が、何かを…」

ライナー「…何言ってんだ？ 俺が？ 戦士としての使命を？ 忘れる？ んなわけねぇだろ」

ベルトルト「僕は戦士の使命とか言ってないよ……」

ライナー「……少し演技に熱が入りすぎただけだよ…そんな顔するな」

ベルトルト「どうして…？ 僕達以外ここに誰もいないんだよ？ どうして兵士を演じる必要があるの？」

ライナー「それは…いきなりなりきろうとしたって難しいもんだろ？ だからよ…」

ベルトルト「それで役に入り込み過ぎてしまうのは…まずいんじゃないのか…？」

ライナー「役って…いや、まぁ…そうだな、気をつける」

ベルトルト「なぁ、ライナー…君は…ちゃんと覚えてるよね？ 忘れてないよね？」

ライナー「何言ってんだお前？ さっきからおかしいぞ」

ベルトルト「おかしいのは君の方だろ！？」

ライナー「はぁ？」

ベルトルト「あぁ、もう……」

ライナー「…オイ、本当に大丈夫か？」

ベルトルト「何なんだよ君は…」

ライナー「…………」

ベルトルト「僕達は…今僕達が何のためにここにいるのか…わかってるよね！？」

ライナー「ベルトルト…」

ベルトルト「君は…君は誰よりも強い戦士だったはずだ！」

ライナー「なぁ、ベルトルト」

ベルトルト「なのにどうして、どうして君が……しっかりしてくれよ…君がしっかりしていてくれないと僕は……」

ライナー「ベルトルト」

ベルトルト「……ライナー？」

ライナー「……すまない」

ベルトルト「ぇ……？」

ライナー「誤魔化し切れるもんじゃねぇよな、やっぱり……」

ベルトルト「え？な、何が…？」ﾀﾗｧ

ライナー「何がって何だよ？ …俺の様子がおかしいの、昨日の時点で気づいてたんだろ？」

ベルトルト「何、言って……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

ライナー「ベルトルト、お前まさか…俺にここまで言わせておいて、気のせいで済ませたいとか思ってんじゃねぇだろうな？」ｲﾗｯ

ベルトルト「ぁ…いや、そんなこと……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

ライナー「……汗、酷いぞ」ﾌｷﾌｷ

ベルトルト「あ、ありがとう……」

ライナー「そうなるだろうから隠しておきたかったんだがな……」

ベルトルト「え？ あ…ご、ごめん……」

ベルトルト(信頼、されてないのかな……いや、当然だよね…僕なんか…こんな頼りない奴…)

ライナー「何でお前が謝るんだよ？」

ベルトルト「ごめん……」

ライナー「だから…」

ベルトルト「その！」

ライナー「……何だ？」

ベルトルト「その…一体、いつから…？」

ライナー「……自覚したのは俺もつい最近だ。ただ、今思えば……ずっと前からその気はあったと思う。最初からただの演技とは言えなかったしな」

ベルトルト「それは…僕も同じだよ……」

ライナー「お前はただそう思い込もうとしてただけだろ？ 俺は実際そうなっちまうんだ。時々、身も心も本当の兵士みてぇになっちまうんだよ」

ベルトルト「そんなことって……」

ライナー「最初はな、『やるからには本気で兵士になりきろう』って、そんな気持ちだったんだよ。そうする方がやりやすかったし、楽だったからな」

ベルトルト「……うん」

ライナー「……まぁ、あれだけの事をしておきながら楽をしようなんて、都合が良すぎたんだろうな」

ベルトルト「そんなこと…」

ライナー「何も考えず気休めに言ってるだけならやめてくれ」

ベルトルト「……」

ライナー「まぁ、そうだとしても俺は楽をしすぎたんだ…いや、今もそうやって楽をしている」

ベルトルト「し、仕方ないよ…そうでもしないと…耐えられないんだから」

ライナー「あぁ、俺は弱いからな」

ベルトルト「そんなことない！」

ライナー「だからそれはやめてくれと…」

ベルトルト「今度は気休めなんかじゃないよ。ずっと一緒にいたんだ、君が誰より強いことは僕が一番よくわかってる！」

ライナー「それをやめろって言ってんだよ！俺は強くなんかない！実際こうやって逃げてるじゃねぇか！！」

ベルトルト「そもそもそれは僕が…！僕が弱いから…君の陰に隠れてばっかりで、僕の分まで負担をかけてたから…」

ライナー「違う、俺はずっと強い人間のふりをしていただけだ！そのせいで勝手に自滅しただけなんだよ！お前のせいなんかじゃない！」

ベルトルト「ほら、またそうやって僕を庇ってる！」

ライナー「庇ってるんじゃねぇよ！それにお前にあの事を言わなかったのだって本当はお前に心配かけたくなかったとかじゃなくて、俺の弱さをお前に知られたくなかったからなんだ！お前の為じゃない！」

ベルトルト「どうしてそう頑なに自分を弱く見せようとするんだよ！？」

ライナー「お前こそどうしてそんなに俺の弱さを否定するんだ！？」

ベルトルト「どうしてって…それは…」

ベルトルト(何で…？)

ライナー「俺が強くないと自分が困るからか！？自分を守ってくれる奴がいなくなるからなのか！？俺の事を思ってるようで本当は自分の為なんじゃねぇのか！？」

ベルトルト「それは……」

ライナー「……」ﾊｧ ﾊｧ

ベルトルト「……」

ライナー「あ……いや、すまない…違うんだ、頭に血が上って思ってもないこと言っちまっただけで…本気でそんなこと思ってた訳じゃねぇよ…」

ベルトルト「本当に？」

ライナー「…そうだ」

ベルトルト「でも、君が今言ったことが…君の本当の気持ちなら……僕は嬉しいよ？」

ライナー「は？ な、何でそんな…何だお前マゾか？」

ベルトルト「いや、君がそう思ってることが嬉しいとかじゃなくてさ。ライナーがそうやって僕に本気で不満をぶちまけてくれた事って、今までなかっただろ？」

ライナー「……そうか…？」

ベルトルト「そうだよ。だって君は僕の前では強いふりをしていたんだろ？」

ライナー「いや…それは……」

ベルトルト「もう言っちゃったんだからさ…素直になろうよ」

ライナー「あぁ、そうだな……確かに俺は、ずっと強がっていたよ。お前の前だけじゃなく、全ての人の前でな」

ベルトルト「うん」

ライナー「お前らに弱いところを見せたくなくて、まずいことになってるとわかっていながらそれを黙っていた。悪かった」

ベルトルト「……うん」

ライナー「あとは…そうだな、さっき言ったことも割と本気だ」

ベルトルト「う、うん……」ｸﾞｻｯ

ライナー「……やめるか？」

ベルトルト「いや、いいよ、続けて…？」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

ライナー「お前……とりあえずもういい、少しはすっきりしたからな。ほら、ハンカチ」

ベルトルト「うん、ありがとう。ごめん」ﾌｷﾌｷ

ライナー「無理すんなよ？ お前も強くないんだからな」

ベルトルト「…君だって散々自分は弱いって言ってたくせに」

ライナー「そうだな…あ～あ！今まで俺がやってたことってなんだったんだろうなぁ！無理して格好つけて、そのせいでこんな醜態晒して！」

ベルトルト「ら、ライナー？」

ライナー「なぁんの意味もなかった！それどころか悪いことばっかりだ！ほんっとバカみてぇだな！クソッタレ！！」

ベルトルト「…あはは」

ライナー「笑うなよ…」

ベルトルト「ごめん、でも何だかライナー、軽くなった気がして」

ライナー「どういう意味だそれは…」

ベルトルト「あ、いや！悪い意味じゃないんだ！ちょっと前まで凄く重苦しい感じだったから…今までずっとそうだったから気付かなかったけど」

ライナー「重苦しい…か。やっぱ無理してたのも隠しきれてなかったんだなぁ…」

ベルトルト「……ライナー、僕は…多分君の言った通りで、君が強くいてくれなきゃって思ってて、その願望を君に押し付けてたんだと思う」

ライナー「……そうか」

ベルトルト「うん、そのせいで君が苦しんでるなんて思いもしなくて、君が僕を支えてくれてるのも余裕があるからだと思っていたんだと思う」

ライナー「そうだな……」

ベルトルト「仲間なのに…ずっと一緒にいたのに…こんなに無理してた事に気づいてあげられなくて、ごめん…」

ライナー「隠してたのは俺だ、お前は悪くねぇよ」

ベルトルト「……ごめん」

ライナー「お前はさっきから謝ってばかりだな…」

ベルトルト「あ…えっと、今までありがとう……」

ライナー「どういたしまして。その言い方じゃ別れみたいだがな」

ベルトルト「いや、そんなつもりじゃ」

ライナー「ま、俺の傍を離れさせるわけもねぇがな。傍に置いとかねぇと危なっかしくて仕方ねぇ」

ベルトルト「あはは…………ねぇ、最後にもう一つだけ謝らせてくれないかな」

ライナー「ん？ まだ何かあるのか？」

ベルトルト「さっき僕は君に『しっかりしてくれ』なんて言ったよね……僕は何にもしてないのに、君にだけ頑張らせようとしてた…本当にごめん」

ライナー「何にもしてないってこたねぇだろ……いや、あるか？」

ベルトルト「えっ」

ライナー「何だよ、自分で言ってたくせに俺に言われるのは嫌なのか？」

ベルトルト「いや、そういうわけじゃ……」

ライナー「冗談だ！お前はいつだって俺の心の支えになってくれてただろ？」

ベルトルト「本当にそうだったならライナーがそんなに苦しむことなんかなかったはずだよ……」

ライナー「どうだろうな、お前がいなきゃ俺は今頃身も心も兵士になっちまってたと思うぞ？」

ベルトルト「怖いこと言わないでくれ……」

ライナー「すまんすまん」

ベルトルト「……あとさ、やっぱりライナーは強いと思うよ」

ライナー「……それは、俺の弱さを認めてくれた上で言ってるんだよな？」

ベルトルト「うん、勿論だよ。だっていつだって僕達を守って、支えてくれてたライナーが弱いわけないじゃないか」

ライナー「……」

ベルトルト「だからさ、ライナー…僕ももっと強くなるよ」

ライナー「お？」

ベルトルト「ライナーは僕が支えだったって言うけど、やっぱり僕は君に支えられてばっかりで…君を支えていたことなんてないと思う」

ライナー「そんなことねぇって。俺はお前が居てくれただけで…」

ベルトルト「居るだけで意味があったってことならなおさら僕は何もしてないじゃないか」

ライナー「そうかもしれんが…けどどうしたんだ急に？」

ベルトルト「僕はね、今回のことで少しだけ君と対等に近づけた気がしたんだ」

ライナー「近づけたって…俺はお前と対等なつもりだぜ？」

ベルトルト「君がそうでも僕はそうは思ってないよ。僕は僕の中で君と対等になりたいんだ」

ライナー「……それで？」

ベルトルト「僕はいつも君に支えられて守られてきたからさ、僕もその分君を支えたいし守りたいんだ。今すぐには無理かもしれないけど…必ずそうできるようになるよ」

ライナー「……何かそのセリフ、まるでプロポーズか何かみたいだな。そんなんだから変な噂流されるんじゃねぇのか？」

ベルトルト「茶化すなよ！それ多分僕のせいだけじゃないだろ！」

ライナー「悪い悪い」

ベルトルト「……だからさ、えっと…君は強いけど、その分沢山の苦労をしてきたしきっとこれからもするだろ？」

ライナー「…そうかもな」

ベルトルト「だから、君が倒れてしまわないようにしっかり支えてあげるから……う～ん、何だろう、上手く言えないや…」

ライナー「まぁ、言いたい事はわかったけどな」

ベルトルト「そっか……うん。じゃあそういう事だから、これからは苦しい時はちゃんと言ってくれよ？」

ライナー「あぁ、わかったよ。お前もな」

ベルトルト「うん。といってもそれはいつも通りなんだけどね…」

ライナー「ハハッ………ベルトルト」

ベルトルト「何？」

ライナー「ありがとうな」

ベルトルト「……うん」

・

・

・

ベルトルト「けどさ、ライナーのそれって結局何が原因なのかな？」

ライナー「それ？」

ベルトルト「兵士化」

ライナー「何だ兵士化って」

ベルトルト「身も心も兵士になっちゃう病？」

ライナー「病とか言わないでくれ……それは演技に熱を入れすぎた結果って話だっただろ？」

ベルトルト「そうだっけ？ まぁ、そうなんだけど…何ていうか、もっと具体的な何か…」

ライナー「……本気で兵士になりきるのが楽だったんだ」

ベルトルト「あ、そう、それ…」

ライナー「それがどうかしたのか？」

ベルトルト「兵士になるのが楽でそうなっちゃったなら、他の事で楽しちゃえばいいんじゃないかなって思ったんだけど…」

ライナー「お前が俺を支えてくれるんじゃなかったのか？」

ベルトルト「いや、そうだけど…すぐにそうなるのはやっぱり無理だし…情けないけど」

ライナー「う～ん、まぁ…それは俺も考えたことはあるが、こんな環境で、兵士に関係ない事で楽をするなんてのはな…」

ベルトルト「う～ん……そっか……ごめん、なるべく早く君に楽をさせてあげられるようになるね」

ライナー「ありがとな。期待はするが、無理すんなよ？」

ベルトルト「うん、ありがとう。心配しなくても大丈夫だよ」

ライナー「あぁ、そうだ…この事、アニには言わないでくれるか？」

ベルトルト「え？ …アニならきっと受け入れてくれると思うけど…そうじゃなくたってやっぱり言うべきなんじゃ……」

ライナー「そうなんだがな…考えてもみろ、俺が兵士になりきってる時ってのは…」

ベルトルト「え？」

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ベルトルト『今朝はどうしてアニにあんなことを言ったんだい？』

ライナー『大して親しくもない奴にあんなこと言われたら気持ち悪いよな…』

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ベルトルト「あ……」

ライナー「わかるだろ？」

ベルトルト「うん……」