朝日奈「今日くらいは休んでお茶しようよ」大神「う、うむ」 (18)

大神「……と誘われるがまま、しばらく鍛錬を怠り続けた結果」

苗木「……」

大神「中学時代に逆戻りだ……」

苗木「……誰?」

大神「我だ」

大神「……この肩の傷を見ればわかるだろうか」

苗木「え!? ま、まさか大神さん!?」

大神「ああ、そうだ……」

苗木(……でも、今僕の前に立ってるのは……スラリした長身の女性で……)

苗木(大神さんの面影はゼロに等しい)

苗木(髪型……くらいかな)

大神「……すまぬ。誰に相談していいものやら、困り果ててな……」

大神「朝日奈はいつも我と一緒にいるせいか、徐々に衰えていく我の身体に違和感を覚えていないようなのだ」

苗木「徐々に!? かなり急激な変化じゃない!?」

大神「……苗木よ。我は、どうすればいい?」

苗木「え?」

大神「我はわかっていたはずだ。一度失った力を取り戻すには、時間がかかるのだと」

大神「それは、怠惰を貪っていた者への罰なのだ」

大神「希望ヶ峰学園に入学したのも、全ては強くなるためだというのに……」

大神「こんなことでは、ケンイチロウに合わせる顔がない……」

苗木「お、大神さん……」

大神「……すまない。どうやら、心まで弱くなってしまったようだな……」

苗木「……」

大神「……ふふ、笑うといい。この……哀れで愚かな女の末路を……」

苗木「笑うわけない!」

大神「……」

苗木「……それに、末路だなんて言わないでよ! 自分を終わった人間みたいに言わないで!」

大神「……」

苗木「……とりあえず、みんなに相談しに行こうよ」

大神「し、しかし……あまり大勢にこの姿を見られるのは少し抵抗があるというか……」

苗木「授業の時とかどうするの……いやでも近い内に見られることになると思うけど」

大神「む、むう……」

苗木「それに、みんななら大神さんも知らない良いトレーニング法とか知ってるかもしれないし! 戦刃さんとか桑田くんとか!」

大神「……確かにな」

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