承太郎「やれやれ、希望ヶ峰学園だと?」 (254)
―宿敵DIOを倒した数ヶ月後
空條家
承太郎「帰ったぜ」ガララッ
ジョセフ「おー帰ったか承太郎!待ってたぞ!」
承太郎「…じじい、アメリカに帰ったんじゃあなかったのか?」
ジョセフ「相変わらず冷たいのォー!じじいが可愛い娘と孫を見に日本まで来ちゃあイカンと言うのか!」
承太郎「やれやれだぜ」
ホリィ「承太郎ー!おかえりのキス!」
承太郎「いい加減子離れしやがれこのアマ!」グググ
ジョセフ「相変わらずじゃのォー、ホリィ、承太郎に届いたアレを見せてやりなさい」
承太郎「なに…?」
ホリィ「そうだったわ!はい承太郎!これを見てちょうだい!」サッ
承太郎「………『希望ヶ峰学園入学案内書』?」
ホリィ「そーなの!承太郎!あなた『あの』希望ヶ峰学園からお誘いがかかったのよ!」
承太郎「興味ねぇーぜ」
ジョセフ「まあそういうな承太郎」
承太郎「大体なんだこれは、『あなたは超高校級の不良として希望ヶ峰学園の生徒に選ばれました、つきましては現在在学中の高等学校を中退して―』」
承太郎「舐めてるのか?」
ジョセフ「承太郎…知らないようじゃから説明してやる」
ジョセフ「その希望ヶ峰学園とはッ、『超高校級の才能』を持つ現役高校生しか入学出来ない羨望の象徴でありッ!『卒業すれば人生の成功が約束される』というすンごい高校なのじゃァァーーッ!」
承太郎「ほぉーますます興味ねえな」
ジョセフ「SPW財団も一目置いてるすごい学園なんじゃがのォー」ションボリ
ホリィ「承太郎……ホントーに興味ないの?」
承太郎「知らねーな」
ホリィ「クスン……せっかく私の自慢の息子が超高校級なんて肩書をもらえるチャンスなのに………でも承太郎が興味ないなら無理に薦めるのは………」
ジョセフ「のぉー承太郎、行ってみたらどうじゃ?決して悪いところじゃないことは確かじゃ」
ジョセフ「決してマイナスにはなりゃせん……」
承太郎「………」
ホリィ「承太郎………」
承太郎「フン………やれやれだぜ、ここに名前を書けばいいのか?」
ホリィ「!承太郎、それじゃあ」
承太郎「『卒業すれば人生の成功が約束される』………うさんくせーが、そこまで豪語するからには」
承太郎「ちと、行って確かめたい気持ちにはなったかな………」スラスラ
ジョセフ(スナオじゃないのぉー)
―数日後 希望ヶ峰学園 正門前
承太郎「ここか………」
承太郎「でけぇな……通っていたガッコーの数倍、いや…数十倍のでかさがあるな」
承太郎「約束の時間まであと数分ってところか………さて、行くか」ザッ
グゥニャアアアァァァーーー
承太郎「なっ………」
承太郎(なんだ…ッいきなり視界が……)
承太郎(まさか……『スタンド』………ッ!やれ……やれ、迂闊、だったぜ……!)
―教室(?)
承太郎「………ぅ」
承太郎「ぬぅ………ここは………?」ムクリ
??「あ、気づいたみたいだね」
承太郎「!」バッ
??「うわっ!」
承太郎「………誰だてめー」
??「あ、ご、ごめん!自己紹介が先だよね………」
苗木「僕は苗木、苗木誠、よろしく」
承太郎「……空条………承太郎………だ」
苗木「空条君だね!よろしく!あ、そうだ………空条君、ここ…どこかわかる?」
承太郎「………見た限り、どこかの教室みてェだが」
苗木「そうだよね………おかしいなぁ、僕、希望ヶ峰学園の門をくぐったところまでは覚えてるのに、『そこから先のことを覚えてない』んだよね………」
承太郎「!」
苗木「気がついたらここにいてさぁ………空条君もそうなの?」
承太郎「………みてぇだな、俺も同じだ…」
苗木「門もくぐったってことは、ここは希望ヶ峰学園の教室なのかな?」
承太郎「にしては『奇妙』ってやつだぜ、窓が全て鉄板で塞がれてやがる」
苗木「うん………おかしいよね」
承太郎(『スタープラチナ』で破壊できるか確かめてえが、素性の知れねえこいつがいるところで無闇にスタンドを出すのは……危険だな………)
苗木「あ、ドアは開くよ、外を調べてみない?」ガラッ
承太郎「………」
苗木「空条君?」
承太郎「ああ………分かった、行くぞ」ザッ
苗木「あ、ちょっと待ってよ!早いなぁー」
―廊下ァ
苗木「そういや空条君」
承太郎「………なんだ」
苗木「希望ヶ峰学園って、超高校級と呼ばれる才能を持つ人が集まる高校っていうのは知ってるよね?」
承太郎「ああ」
苗木「空条君って、どんな才能でこの高校に来たの?」
承太郎「超高校級の『不良』だとよ」
苗木「ふ、不良………」ハハハ
承太郎「………おめーはどうなんだ?」
苗木「ああ…うん、僕が言わないってのは失礼だよね………でも聞いても笑わないでよ………」
苗木「………『幸運』だよ」
承太郎「『幸運』………?」
苗木「抽選で、たまたま選ばれたんだよ、だから『幸運』だって………なんかショボいよね………」
承太郎「抽選だと………」
承太郎(一体どれくらいの確率なんだ………やれやれ計算するのも煩わしいぐれーの、とんでもねえ確率じゃあねーのか……?)
苗木「ご、ごめんね、なんだかあまりパッとしない才能で………」
承太郎「………」
承太郎(やれやれ………当の本人はよくわかってねーみてーだが)
承太郎「む………」
苗木「あ、玄関先に人がいるね」
承太郎(玄関先にいた奴らも、どーやら俺たちと同じような状況だったらしい)
承太郎(全員がこの希望ヶ峰学園の門をくぐった途端、気を失い、気づいたら教室にいた………)
承太郎(やれやれ、いよいよもってキナ臭くなってきたな………)
―ピーンポーンパーンポオオォォーーーーン
??「オマエラ!今すぐ体育館に集まってください!至急!至急!至急―――」
朝日奈「な、なに?今の………」
葉隠「きっと、今からレクリエーションかなんかでもするんだべ!そーに違いねーべ!」
舞園「ど、どうしましょう………」
十神「どうもなにも行くしかなかろう」
霧切「彼の言うとおりね、行きましょう」スタスタスタ
苗木「あっ、みんな………空条君、僕達も行こう!」
承太郎「やれやれ」
苗木(――僕の名前は(まあ覚えて貰う必要はないけど)苗木誠)
苗木(この希望ヶ峰学園学園には、超高校級の幸運として入学してきた)
苗木(でも、入学した矢先、こんなトラブルに出会うなんて、本当は超高校級の不幸なんじゃあないかと疑ったけど)
苗木(本当のトラブルは、ここからだったんだ―――)
苗木(この身長195cm程の男(僕の身長は160cm、その差35cm、しかし―不思議とこの人に恐怖は感じなかった)と出会ったことで―――)
苗木(僕は、僕たちは、さらに奇妙な運命の渦に巻き込まれていくことになる――)
―体育館
大和田「なンだぁ!?誰もいねぇーじゃねぇか」
山田「おかしいですなぁ?」
セレス「人を呼び出しておいて、誰もいないとは………」
????「やれやれ!最近のゆとりはゆとりってものが足りないよねぇ!矛盾してるよ!」
大神「む!」
桑田「前だ!何かいやがる!」
モノクマ「ドララドラドラドララララララーーーーッ!!」ボゴボゴボゴボゴボゴボゴ
腐川「な…なにあれ………」
朝日奈「クマみたいなヌイグルミが………」
大神「シャケをサンドバッグにして遊んでいるな」
モノクマ「ふぅぅーーーー、初めて………シャケを殺っちまったぁぁぁ~~~~♪だがどうってことはないね!クマだし!」
大和田「やいてめえ!!」
モノクマ「うわぁ!なんだよ!いきなり大声だしてさ!」
舞園「あの………ここはどこなんですか?」
モノクマ「ここ?ここは希望ヶ峰学園だよ?みんなのあこがれ!希望ヶ峰学園ー!」
モノクマ「そして僕は、ここの、学園長なのです!」
霧切「………」
大和田「ハァ?」
モノクマ「僕はここ希望ヶ峰学園の学園長なのだ!」
桑田「いやいやいやいや意味わかんねーよ!?」
モノクマ「意味わかんない?意味わかんないってなんだよ!意味意味意味意味って!意味わかんないんだよ!」
山田「いきなり逆ギレしだしましたぞー………」
承太郎「………」
モノクマ「ふう、まあいいや!そんなことより、オマエラには今から、『この学園で過ごしてもらうための』『ルール』を教えなきゃね!」
舞園「ち、ちょっと待って下さい!」
モノクマ「なぁに?」
舞園「ここで暮らすって………どういうこと…ですか?」
モノクマ「質問は後にしてね!」
舞園「え………」
桑田「ひでぇ………」
超高校級のうんこ
不二咲「この学園で過ごすって………一体どれくらいの期間なんだろ………」
モノクマ「いい質問だねぇ!答えは無期限だよ!」
十神「なんだと………?」
モノクマ「まあ、一生出さないなんて言ったら、君たちはホームシックでピーピー泣いちゃうかもね!というわけで!ある『特別ルール』を設けました!!」
朝日奈「特別………」
セレス「ルール………?」
モノクマ「コロシアイ………」
承太郎「………なに?」
モノクマ「殺し方は問いません!誰かを殺した者だけが、この学園から出られます!」
舞園「こっ…!」
山田「殺し合いィィーーーッ!?」
大和田「っざっけんなテメー!!」
モノクマ「なぁに?」
大和田「ふざけんのも大概にしろやコラァ!!」
モノクマ「ふざけてる?それは君の髪型のことぉ?」
大和田「てめぇ…!俺の髪型をサザエさんみてぇだとコラァ!!」
モノクマ「キャー!学園長への暴力は」
承太郎「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!!」
ドォォーーーーン
―――
承太郎「時は止まった………かったるいことは嫌いなんでな………」
承太郎「とりあえずてめーを静止時間ギリギリまでボコボコにして様子を見ることにするぜ」
承太郎「オオオオオオオ!!!」
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」ドゴドゴドゴドゴ
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!」ドゴドゴドゴドゴ
承太郎「オアアアアアアアアッ!!オラァッ!!」ブンッ
承太郎「5秒………『そして時は動き出す』」
――――
モノクマ「!?」ブォオオン
大和田「オオッ!?」
桑田「なんだァ!?いきなりモノクマがぶっ飛びやがったぞ!?」
山田「あ…ありのまま今起こったことをってやつですな!」
霧切「…!?」
苗木(いったい何が起こったんだ……!?)
モノクマ「ピピピピピピピ………ピピピピピピピピピ」
承太郎「!」
大和田「なんだァ!?」
霧切「離れてッ!」
承太郎「ちっ…!」
ドッグオオオオオン
腐川「ばっ」
不二咲「爆発した…っ!?」
モノクマ「えー、えーと、大和田君!学園長の暴力は禁止ですよ!さっきは警告の意味を込めて『僕の方から離れてあげた』けど、今度は容赦しないからね!!」
承太郎「………ふん」
苗木(なんだろう………さっきの違和感、まさか………承太郎君が?根拠はないけど、彼ならなんとかできそうな気がする………)
モノクマ「えー、それじゃあこれで『入学式』はおーしまい!おばいちゃ!」
大和田「あ!待ちやがれ!!」
山田「き、消えてしまいましたぞ!」
石丸「しょ、諸君!とりあえず、今日はここを探索するべきではないだろうか!」
霧切「そうね、とにかく、みんなで探索しましょう」
十神「お断りだ」
大和田「あァ?」
十神「ここには既に誰かを殺そうと目論んでいる奴がいるかもしれん、そんな連中と行動を共にできるか」
大和田「待てや!そんな勝手が許されると思ってんのか!?」
十神「どけよ、プランクトン」
大和田「あ~~?ブッ転がされてえかてめー………」
苗木「ちょちょ、ちょっと待ってよ!今はそんなことをしてる場合じゃあ!」
大和田「うるせええぇぇぇぇえーーーッ!もう俺は止まんねえぞコラアアァーーーッ!!!」
グアシィッ
大和田「ああ~~~ん!?なんだあーっ!」クルッ
承太郎「やめろ………苗木の言うとおりだぜ………」
大和田「てめーでけーからって俺に説教たれようってのかコラ………」
承太郎「やれやれだぜ………くそがき」ドドドドドドドドドドドドド
大和田「うっ…!」ビグッ
山田「超高校級の暴走族が超高校級の不良に慄く…なかなか見られる絵ではありませんぞー………」
大和田「く…チッ!あーったよ!」
十神「「ふん………」
苗木「あ、ありがとう空条君………」
承太郎「や~れやれ、危なっかしいことは………あまりするんじゃあねーぜ………」
苗木「ご、ごめん………」
――
苗木「その後、僕らは一階の探索をし(二階は閉鎖されてた、やれやれだぜ、なんちゃって)、一日目は終わった」
苗木「翌日、僕たちは食堂に集まった」
――食堂
不二咲「僕達…もうここから出られないのかなぁ……」
朝日奈「大丈夫だって!もうすぐ警察かなにかが助けに来るって!」
モノクマ「警察ゥ~?そんなの来ないよ!」
苗木「うわぁっ!」
承太郎「………」
モノクマ「オマエラ!今すぐ視聴覚室に集合!見せたいものがあるんからね!」
江ノ島「な、なんだったんだよ………」
霧切「行くしか…ないみたいね」
――視聴覚室
モノクマ「じゃあみんな、自分の名前が書かれてるDISCを取ってね」
承太郎「こいつか………」パシッ
ウイイイィィーーーン
パッ
ホリィ『承太郎ー!元気にしてるゥ!?』
ジョセフ『どうじゃ?悪くなかっただろ?住めば都と言うしのォー、ヒヒ』
承太郎(おふくろと…じじい?)
ホリィ『しっかり頑張るのよ承太郎!』
ジョセフ『何かあったらすぐワシに連絡するんじゃぞ!』
ガ………ガガー
承太郎(なんだ…?ノイズが………)
承太郎「なっ!?」
承太郎(馬鹿な……!場面が急に変わったと思ったら、『俺の家が何者かに襲われたかのようにボロボロになってやがる』ッ!!)
苗木「これは一体どういうことなんだ!?」
大和田「うう……!?」
承太郎(どーやら……全員………同じような内容だったみてぇーだな………)
舞園「出なきゃ………すぐに、ここから出なきゃ………」フラ
苗木「ま、舞園さん!!」
大和田「どーなってんだこりゃあ!?」
腐川「あああああありえないわあああ!!!!」
十神「チッ…!」
承太郎「………」
―数時間後
承太郎「………」
苗木「あ………空条君………」
承太郎「…苗木か」
苗木「………空条君は、どんな内容の…?」
承太郎「………なんてこたーねぇ、ちと家がボロボロになっただけだ」
苗木「そ、そうか………僕も似たような感じだったよ………」
承太郎「………心配か?」
苗木「そ、そりゃあ………空条君は心配じゃないの?」
承太郎「さぁな………俺には一人、ケッコー頼りになるじじいがいるからな………」
苗木「空条君のおじいさん?どんな人なの?」
承太郎「古代の超生物と戦って勝っただの、左手の義手はその時の名誉の負傷だの、どこまでがホラなんだかようわからんことを抜かすじじいだが」
承太郎「頭は切れるじじいだ………戦闘に関しては特にな………仮にあの映像がマジだとしても、じじいならまあ心配はねーだろってことだな」
苗木「へ、へぇ…パワフルなおじいさんだね………」
苗木「それにしても、僕たちはここから出られるのかな………」
承太郎「なに、心配はいらん………既にいくつか『策』は考えてある………」
苗木「えっ!?」
承太郎「問題は『何故こんな状況」に陥っているのか』だぜ………訳も分からずただ外に出てえってのは危険だ………」
苗木「何でって…」
承太郎「閉じ込められたから出たいってのは当然の反応だ………だが、あのモノクマってヤローがそこで終わるヤツだとは思えねー」
承太郎「俺は今まで策に策を重ねてさらにもう一枚策を重ねるようなヤツと出会ってきた………今回もマジにならねーとやれやれ死ぬぞ」
苗木「く、空条君って今までどんな人生を歩んできたんだ………」
承太郎「それに一階の探索だけで分かったことも結構あったしな」
苗木「え!?あれだけの探索でもう何か手がかりを掴んだの!?」
承太郎「まぁな……ちぃと振り返ってみるか」
承太郎「まずは俺達が目覚めた教室だ………あそこの窓には鉄板が打ち立てられていた」
苗木「う、うん………あれは、僕達を閉じ込めるためのものなんじゃあ」
承太郎「いいや………俺はそうは思わんね」
苗木「な…なんで?」
承太郎「あれは『内側』から打たれていた………フツー誰かを閉じ込めるっていうなら『外側』から打つとは思わねえか?」
苗木「あっ………たっ、確かに!」
承太郎「内側から打つということは、『何かから身を守るため』って考えるのが妥当か………」
承太郎「超大型の台風から家を少しでも補強したくって金槌握りしめてゴンゴンやるみてぇーにな………」
苗木「す…すごいね、筋が合ってるよ!」
承太郎「大事なのは見るんじゃあく観る…聞くんじゃあなく聴くことだぜ………」
苗木「でも………僕達が自分たちを守るためにこんなことをしたって言うなら、何から身を守るために………」
承太郎「おめーはもう知っているはずだぜ………ここまで言やーわかるだろ?」
苗木「そっ、そうか………さっきの『DISC』………!」
承太郎「これでさっきのDISCの信憑性が増したか………」
苗木「で、でもさぁ、こんなこと、一体どこの誰ができるんだ?」
苗木「こんなの………なんかのテロか何かだと思わないとつじつまがあわないよ!」
承太郎「その通りなんだろうぜ」
苗木「えっ!?」
承太郎「今の状況を振り返ってみろ……教室の窓に鉄板ガンガン打ち立てて、訳も分からず殺し合いをしろだなんて状況…どう考えても異常だぜ」
承太郎「今朝誰かが言ってたがそれこそ警察が動いてもおかしくはねえ………しかし動かないということは、『内部の情報が外に漏れない程の厚い情報統制が敷かれている』か、『そもそも警察が機能してない』か………」
苗木「その二択だと………『警察が機能してない』と考えたほうが理屈にあってるよね?」
承太郎「何でだ?一つ俺に教えてくれや……」
苗木「これが僕の答えだよ!」
苗木「理由はさっきのDISCだよ!」
苗木「僕のDISCにも、家族が(恐らく)襲われ、半壊した家が映っていた……」
苗木「あんなの……警察が動かないわけがない………でも、現にこうやって何も起きてないってことは」
苗木「外は………『警察が機能しないほどに、ひどい状況に陥ってる』んじゃあないかな………?」
承太郎「警察が機能しないほどに起こった暴動………確かに何かのテロリズムだと考えねーと割りに合わねえな」
苗木「すごいぞ………なんだか、パズルがカチリとハマっていくような感覚だ………ッ!」
苗木「暗闇に光がさし込むような実に晴れ晴れとした気分だ!すごいぞ!」
苗木「あっ!でも…でもさ……」
苗木「そんな規模の暴動、一体誰がどーやって起こせるの?」
承太郎「そこだぜ……そこが俺にもよくわからん………」
承太郎「かつて………人に己を心底心酔させ、従わせていた…そんなカリスマを持つヤローを見たことがあるが」
承太郎「そんなヤツでさえ、こんな規模の組織は持ってはいなかった………!」
承太郎「やれやれ………ちと行き詰まったか」フー
苗木「でもさ………こんなことが起こってるってことは、犯人はいるはずだよね?」
承太郎「まず間違いねえだとうな…」
苗木「じゃあ、犯人は今どこにいるんだろう?」
承太郎「………」
苗木「こういう時、小説とかゲームとかだと、黒幕は僕達の中に紛れ込んでいたッ!なんてことがあったりするけど………」
承太郎「なるほど………ありえねー話じゃあねーな」
苗木「えっ、マジィ!?」
承太郎「黒幕とはいかねーまでも、黒幕と繋がっているやつが俺たちに紛れて、こんなしょーもねぇことを企てたってことも………」
承太郎「全くねえって話じゃあ……ねーと思うぜ………」
苗木「て…テキトーに言ってみただけなんだけどな………」
承太郎(なるほど………超高校級の幸運ってやつか……?とんでもねえぜ……)
承太郎「そうなると、俺達の中に怪しいヤローがいねえか確かめにゃあならんな………」
苗木「あ」
承太郎「何か気づいたのか?」
苗木「あ、いや…怪しいまでとはいかなくても、ちょっと気になることが………」
承太郎「話してみな」
苗木「で、でも………ホントに些細なことで………空条君の推理に変な情報を入れたくないっていううか………」
承太郎「気にするな………今はどんな情報でも欲しいってとこだしな………まるで乾いたスポンジが植物という水を欲しているように………」
承太郎「どんな些細なことでも………『伝える』ことが大事なんだぜ………」
承太郎「人から人へ何かを伝えるってことは………素晴らしいことだ………と俺は思う」
承太郎(エジプトでの経験が………俺にそれを気づかせた………)
乾いたスポンジが植物という水…
?????
>>160
許せ
承太郎「そうなると、俺達の中に怪しいヤローがいねえか確かめにゃあならんな………」
苗木「あ」
承太郎「何か気づいたのか?」
苗木「あ、いや…怪しいまでとはいかなくても、ちょっと気になることが………」
承太郎「話してみな」
苗木「で、でも………ホントに些細なことで………空条君の推理に変な情報を入れたくないっていううか………」
承太郎「気にするな………今はどんな情報でも欲しいってとこだしな………まるで乾いた植物が情報という水を欲しているように………」
承太郎「どんな些細なことでも………『伝える』ことが大事なんだぜ………」
承太郎「人から人へ何かを伝えるってことは………素晴らしいことだ………と俺は思う」
承太郎(エジプトでの経験が………俺にそれを気づかせた………)
苗木「そ、そこまで言うなら…………江ノ島さんのことなんだけどね」
承太郎「江ノ島………あのおチャラけたアマのことか」
苗木「彼女………雑誌で見たより感じが違ったんだ………彼女は雑誌では盛ってるって言ってたけど………あんなに変わるものなのかなぁーって………」
承太郎「なぁ~るほど、そいつはなかなか………グッドな情報だ」
苗木「えっ?そう?や…役に立てたならなによりで………」
承太郎「それじゃあ『行くぞ』」
苗木「えっ?ど、どこに……?」
承太郎「悪いが頼まれてくれねえか、全員を食堂に集めてくれ」
苗木「え?あ、わかった!」
――食堂
苗木「全員集まったね」
十神「それで?何のために俺たちを集めた?」
腐川「しょ、しょうもないことなら、た、ただじゃあおかないわよっ!?グゲッ、グギギ…!」
霧切「なにか分かったの?あなたたちは………!」
苗木「え、えーっと………」
承太郎「さぁーて、それじゃあひとつブチかまそうか……!」
霧切「教えて苗木君……あなたは一体、どんな真実に辿り着いたっていうの……!?」
苗木「えっと…」チラ
承太郎「………」コクリ
苗木「……僕と空条君は、一階を調べて気づいたことがあるんだ」
十神「なに…?」
葉隠「あれだけでなにかわかったっていうのか!?」
山田「とんだ名探偵ですな……」
承太郎「かったるいことは嫌いでな、単刀直入に言うぜ」
承太郎「江ノ島とか言ったな、てめー……『何者』だ?」
江ノ島「!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
朝日奈「ち、ちょっ!なんで江ノ島ちゃんが出てくるの!?」
江ノ島「……そうだよ、なんであたしがでてくるわけ?」
苗木「そう………僕たちは、推理の結果………江ノ島さん、君が一番怪しいって結論に辿り着いたんだ!」
江ノ島「………わかってる?……そんなの………ただの言いがかりってことに………」
苗木「もちろんわかってるよ………でも、僕達には『確信』があるんだ!」
苗木「これで証明するよ!!」
苗木「あらゆる場所の窓に鉄板が打ち付けられていたよね?あれ、全部内側から打ち付けられていたんだ」
苗木「何故内側なのか?僕達を閉じ込めるのが目的なら、普通外側から打ち付けられてるはずなんだ」
苗木「ということは、あの鉄板は『僕達を閉じ込めるため』に打ち付けられていたものではなかったんだ!」
苗木「内側から打ち付けられていたのは、僕達自身が『何かから身を守るため』だと考えたんだ」
苗木「考えてみてよ、あの配られたDISC………あれが真実だとしたら、僕たちはここに自ら閉じこもってもおかしくはないはずなんだ」
苗木「問題は、あれが真実だとして、一体外で何があったのか」
苗木「けれど確かなのは、外では間違いなく『絶望的』なことが起こっているってことだ」
苗木「そして、今ッ!僕達にも『絶望的な状況』が起きている………」
苗木「おかしいんだ、僕達が自らの身を守るために、ここに閉じこもったなら…なぜこんな状況に陥ってるのか」
苗木「考えられるのは………『裏切り者』という可能性」
苗木「僕達の中に裏切り者がいるとしたら………江ノ島さん、君しかいないんだ」
苗木「証拠は雑誌と今ここにいる君が、あまりにも違いすぎていることだ、盛ってるといったけど、雑誌モデルというくらいなら、もともとが良くないとできないよね?言い過ぎだとは思うけど」
苗木「答えてよ、江ノ島さん………君は本当は誰なんだッ!!」
江ノ島?「………」
山田「え、江ノ島盾子殿が……!?」
桑田「裏切り者っ!?」
霧切「………それ全部、あなたたちが考えたの?」
苗木「…うん」
霧切「そうね……推理というには、あまりにもおざなりすぎ………でも」
霧切「一考の価値は……あると思うわ………」
十神「………どうなんだ江ノ島、反論はあるのか?」
江ノ島「……え、えと………その………」
大和田「そこで詰まるってこた~てめー!!」
桑田「マジなのかぁ!?」
江ノ島「あの…!え、と………!」
「うぷぷ、本当に残念なヤツだよねぇ」
承太郎「!」
モノクマ「じゃーん!モノクマでーす!」
承太郎「てめえ」
江ノ島?「あ………」
モノクマ「反論だって?じゃあ言うけど証拠は?こいつが江ノ島じゃないっていう証拠はあるの?」
承太郎「あえて言うなら今ここでてめーがしゃしゃり出てきたことかな………」
モノクマ「え?」
承太郎「てめーがわざわざ出てきたってこたぁ、大方合ってるんだろ?え?」
モノクマ「………」
モノクマ「あー、つまんないつまんなーい!」
モノクマ「みんなもう江ノ島ちゃんを疑いまくりな状況になっちゃったじゃん!」
モノクマ「こんなんじゃコロシアイなんて起きないじゃん!つまんない!」
大和田「てめーそれじゃあ!!」
江ノ島?「ッ!」バッ
不二咲「ヒャアッ!?」
苗木「あっ!?」
朝日奈「不二咲ちゃん!」
江ノ島?「ごめんね、ごめんね盾子ちゃん、私のせいで」
モノクマ「ホント残念な姉だよねぇ、でも、それはグッドだよ!」
モノクマ「このままみんなを拘束して、もう一回記憶をリセットしようかな」
モノクマ「ただ………空条承太郎クン、君は邪魔だから死んでもらおうかな!」
苗木「江ノ島さん、いや、君は一体だれなんだ!」
戦刃「私は…16人目の高校生」
戦刃「超高校級の軍人………戦刃むくろ」
霧切「超高校級の………」
十神「軍人………だと?」
不二咲「あぅぅ………」
桑田「つかさ………軍人に拘束されてるってやばくね?」
大神「ぬぅぅ………人質がいれば、手出しもできぬ」
モノクマ「手出し?大神さん、わかってるよね?」
大神「っ!」
モノクマ「君はボクに逆らえない、そうだよね?」
大神「ぬぅぅ………」
朝日奈「さ、さくらちゃん…?」
大神「………すまぬ、朝日奈、我も………内通者だったのだ………」
朝日奈「そ、そんな………」
葉隠「お、オーガも向こう側なんて、勝ち目がねーべ!!」
承太郎「おいモノクマてめー」
モノクマ「なぁに?」
承太郎「なめんじゃあねーぜ」
モノクマ「え?」
承太郎「『スター…」
モノクマ「うーん、何かわからないけどくらえー!『グングニルの槍』っ!」
承太郎「なにッ!?」
ビュオオオッ
戦刃「えっ?」
不二咲「う、うわああ!?」
山田「なんなんだあああーーーッ!大量の槍が戦刃むくろ殿と不二咲千尋殿に降り注ぐゥゥゥーーーッ!!!」
セレス「呑気に解説してる場合かブタがああああーーーーーー!!!」
承太郎(まずいぜ……時止めが間に合わねえッ!『距離』が遠いッ!!)
苗木「く、空条君っ………うわッ!!」ツルウウーーッ
苗木「何でボクの足元にバナナの皮があるわけェ!?」
ドンッ
承太郎「!?」
承太郎(こいつは…!苗木にぶっ飛ばされたおかげで距離が…ギリギリ間に合うッ!!)
承太郎「『スタープラチナ・ザ・ワールド』ッ!!」
ドォォォオオオオーーーーーーーォォン
―――
承太郎「苗木………」
承太郎「おめーの幸運ってやつは本当に頼りになるな………」
承太郎「この学園に来て、君と出会って、本当に良かった………」
承太郎「そしてやれやれ間に合ったな」
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
承太郎「オラァァァァーーーーーッ!!!!」
ガシャアアァッ
―――
戦刃「!?」
不二咲「え!?」
桑田「な、何が起こってるんだよぉぉおおお!!?」
大神「槍が全て吹き飛ばされている…!?」
承太郎「不二咲は返してもらおうか」ガシィッ
不二咲「きゃっ…!」
戦刃「あっ…!」
承太郎「大丈夫か?
不二咲「あ…う…はい」キュン
モノクマ「ぬううグングニルの鎗が!」
承太郎「これで大神てめーの心配事とやらもなくなったんじゃあねーのか?」
大神「あ、ああ…」
承太郎「それじゃあ、ここを脱出するとしようぜ」
苗木「え?」
モノクマ「そ、そんなことさせるわけないでしょ!!」
承太郎「できるできねーなんて言葉は聞き飽きたし関係ねーぜ」
――玄関
モノクマ「くぅぅ……!」
承太郎「フン、てめーの爆弾も砲撃もキかねーな」
モノクマ「こいつ、ホントに人間なのかよ…!絶望的にやばいよ!」
承太郎「モノクマ、一つだけ教えてやろう」
モノクマ「な…なにさ!」
承太郎「てめーの敗因はたったひとつだ」
承太郎「てめーはおれを怒らせた」
承太郎「『スタープラチナ・ザ・ワールド』!」
―――――
承太郎「なかなか頑丈そうな扉だが」
承太郎「一瞬のうちにダメージを与えればどうかな?」
承太郎「オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」
承太郎「ぶちかますぜッ!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ」
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラお
ラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
承太郎「オララオラオラ裁くのはーーーーッ!!!」
承太郎「俺の『スタンド』だーーーーーーッ!!!!!」
ボッゴオオオオオーーーーーーーン
承太郎「ついでに」ガシィッ
モノクマ「」
承太郎「こいつはおまけだ」バギィッ
ポィイッ
承太郎「そして時は動き出す」
――――――
モノクマ「ブゲッ!?」
ドッグォオオオォォオオオーーーーーン
大和田「おお!?」
ガラガラ………
苗木「外だ………」
霧切「…………」
苗木「その後のことを少し」
苗木「外は、空条君の推理通り、けっこうな絶望具合だった」
苗木「けど、希望はあったんだ」
苗木「世界的大企業のSPW財団を中心に、僕たちは世界の復興を進めている」
苗木「こうして、ボクの………ほんの数日の(2日ほど)奇妙な出来事は」
苗木「幕を閉じた」
ジョセフ「承太郎ー!!」
承太郎「やれやれやっぱり生きていたかじじい」
ジョセフ「当たり前じゃ!そんなに簡単にくたばりはせんわ」ヒヒ
承太郎「やれやれだぜ…」
ジョセフ「で?どうじゃ?こんな時に聞くのもあれじゃが、学校は楽しかったか?」
承太郎「フン………」
承太郎「まあまあだな」
完
無理矢理、無理矢理ィ!これは糞ですわ、あざっした
いろいろ雑っつーか設定おかしいだろってことはあるがSSだしネタバレ防止ってことで堪えてくれ
戦刃さんが出た時点でネタバレも糞もねーけどさ
このSSまとめへのコメント
んー中々面白かった。
カナリ大爆笑。
承太郎先輩最強説がまた現れたッ!!面白かったです!!