エレン「なんだよそれ」
アルミン「今年から僕達でも使うことが許された物だよ!」
アルミン「科学技術の最先端だよ! どんなことも調べることができるんだ!」
エレン「どんなものでも? マジかよ」
アルミン「その顔、信じてないよね?」
エレン「いや、だってどう考えてもおかしいだろ……」
ジャン「おいおいなんだよさっきから」
エレン「ああジャンか、アルミンがさっきから変な話してるんだよ」
ジャン「その変な箱の話か?」
アルミン「箱じゃないよ! パソコンだよ」
アルミン「とにかく、なんでも調べることができるんだ」
ジャン「なんでも……だと……」
ジャン「ミカサのことも調べられるのか」
ライナー「おいどうしたアルミン、でかい声で」
アルミン「あ! ライナー! ちょうどいいところに」
アルミン「ライナーは今、知りたいことある?」
ライナー「俺か? なんだろうな」
ベルトルト「アニ」
ライナー「そうだな、アニが憲兵団でなにやってるか……かな?」
アルミン「じゃあ、調べてあげるよ」
ライナー「あ? 今から聞きに行くってのか? 無理に決まってるだろ」
エレン「それがさ、なんでも調べることができる、このパソコンって機械があってさ」
ライナー「なんだよそれ」
アルミン「あった! ほら見てよ! 憲兵団の活動記録だ。アニの名前もあるよ!」
ライナー「マジかよ……なんだよこれ、どうなってんだ?」
エレン「アニ・レオンハート……本当だな、昨日の活動記録があるな」
ジャン「どうやら複数人で一班らしいが、あいつが周りとコミュニケーションとれると思うか?」
ジャン「というかそんなことより、なんだこれ!? すげぇじゃねぇか!」
アルミン「だから言ったじゃん!」
エレン「すまねぇアルミン、疑ったりしてさ」
ライナー「ああ、さすが科学っていうか、こんなものまでできちまうとはな」
コニー「科学がなんだって?」
エレン「コニー! すげぇぞ! なんでも調べることができる機械だ!」
コニー「なんでも?」
コニー「どういうことだよ!?」
アルミン「ほら! エレン、ジャン、ライナー、ベルトルト、コニー! なにかない?」
エレン「ん~…そうだ! 超大型巨人がなにかとか!?」
ライナー「そういうのはやめようぜ」
ライナー「確かに、気になるぜ。気になるけどさ」
ライナー「そういうのは俺達で解明していかないと思う」
ライナー「みんなで困難乗り越えてさ、みんなでがんばろうぜ」
ジャン「なんだよライナーいきなり……確かに正論だけどよ」
ベルトルト「うん……僕もそう思うよ」
エレン「そういうもんか……鎧の巨人ってなんなんだろうな」
ライナー「だ、だからエレン!」
エレン「分かってるよ! といってもなぁ、なんもねぇわ」
ジャン「じゃじゃじゃさ!ミミミカ!」
コニー「女子が今なにやってるかとか調べられるんじゃね?」
ライナー「おい、コニー」
コニー「ははは、いや冗談だって冗談」
エレン「いや、いいんじゃねーの? 気になるし」
アルミン「でも、それだと調べようが無いよ。アニが憲兵団でなにしてるとかだとやりやすいけど」
アルミン「女子が何やってるかなんて……誰がなにをやったかって調べないと」
ジャン「休日何してるか、とか記録にあるんじゃないのか」
アルミン「ん~調査兵団がわざわざそんなの記録するかな?」
ベルトルト「しない」
アルミン「やっぱそうだよねぇ……」
ライナー「結局なにも調べずに就寝時間になりそうだな」
コニー「なにか調べないとなぁ……そうだ、皆の成績とかどうだ!?」
エレン「それいいな! 調べようぜアルミン」
アルミン「10位以内の皆はいいけど、僕は……見られたくないな」
エレン「気にすんなって、座学ではトップなんだからさ」
アルミン「ん~でも」
コニー「なんなら皆の身長体重とかは?」
アルミン「ああ、それなら」
ライナー「まぁ、確かにちょっとは気になるな。どうだアルミン?」
アルミン「調査兵団のメンバーの一覧に身長体重が書かれてるよ!」
エレン「げっ、やっぱ俺ミカサと身長一緒じゃねーか。体重も重いし」
ライナー「ふっ、すげーな。ベルトルトとクリスタ、50cm近く差があるじゃねーか」
コニー「付き合ってもキスできねーな!」
ベルトルト「はは……」
エレン「ユミル俺よりでけーのか……まさか女に負けるとは」
ジャン「そんなこと言ったら兵長なんてサシャに負けてるぜ?」
アルミン「もし聞かれたらどうするんだよ!」
ジャン「大丈夫だって! ここは男子寮だからな! 兵長は別のところにいるさ」
一方そのころ女子寮
ミカサ「パソコン?」
サシャ「どうやらなんでも調べられる機械のようですよ!」
ミカサ「エレンのこと調べさせて!」
クリスタ「ミカサったらエレンのことばかり……」
ユミル「仕方ない奴だな」
ミカサ「エレン……私の知らない所であいつに暴力受けてるらしい……」
ミカサ「……あのチビは調子に乗りすぎた……いつか私が然るべき報いを……」
クリスタ「ミカサ!」
ミカサ「ぶつぶつぶつ……」
サシャ「ミカサどうします?」
ユミル「もういいだろ、放っておけよ」
クリスタ「そういえばこの機械、本当になんでも調べられるみたいだね」
ユミル「驚いたな……クリスタの名前っと」
クリスタ「やめてよユミル!」
サシャ「名前?」
クリスタ「気にしなくていいから! ユミルやめてよ、時が来たらちゃんと言うよ」
ユミル「分かったから泣くなよ……つったって、他に調べるものなんて」
サシャ「ありますよ! もちろん」
サシャ・ユミル・クリスタ「食べ物!」
サシャ「え」
クリスタ「サシャが調べることって言ったらそれぐらいでしょ」
サシャ「ばれてましたか……」
クリスタ「特に調べることないよね」
ユミル「ん~洋服でも調べるか、クリスタに似合うかわいいのとか」
クリスタ「えええいいよ別に! 自分で服屋さん行くから!」
サシャ「私も一緒に調べますよユミル!」
ユミル「この服かわいいな似合うんじゃないの」
クリスタ「あっ……いいかも」
ユミル「服屋で探すんじゃなかったのか」
クリスタ「へへ……意外と便利だねこれ」
サシャ「ああこの服、ユミルに似合いそうですよ」
ユミル「馬鹿! 私はオシャレなんてしねーよ」
クリスタ「えええ! たまにはいいじゃん」
ミカサ「私もそう思う」
サシャ「あっミカサ復活ですね!」
ミカサ「私も混ぜてほしい」
クリスタ「いいよ、ミカサも一緒に服見よう!」
ユミル「これミカサに似合うんじゃないか!?」
ミカサ「エレンが気に入ったら買ってもいい」
サシャ「やっぱりエレンですか……」
クリスタ「サシャはこの服がいいかも!」
サシャ「これは大人っぽすぎますよ!」
ワーワーキャーキャー
再び男子寮
ライナー「結局身長体重見ただけじゃねーか」
アルミン「でも結構盛り上がったね」
エレン「他に調べることねーなぁ」
ベルトルト「あぁ……」
ジャン「じゃあさ、ミカサの」
コニー「気になることだよな」
エレン「ん?」
ジャン「あれ」
コニー「気になることだろ? サシャとミカサてどっちがおっぱいでかいんだ?」
エレン「サシャだろ」
アルミン「君達よくそんなこと平然と言えるね」
ジャン「ミカサのほうが大きいだろ!」
アルミン「ははは……」
ライナー「いいやサシャだな」
エレン「ベルトルトはどう思う?」
ベルトルト「ミ、ミカサ?」
エレン「今のところ五分五分だな」
コニー「俺はサシャだと思うぜ」
ライナー「アルミンはどっちだと思うんだ?」
アルミン「もう調べてるよ」
ジャン「は? お前今なんて言った」
アルミン「どうせ話題を振ってくると思って今調べてるよ」
ジャン「やったぞ……つまりミカサの」
アルミン「あぁ~そうか~そうなのか~」
ジャン「おいおい! アルミン! どっちなんだよ」
アルミン「ミカサだね」
エレン「へー」
コニー「ほー」
ライナー「ふーん」
ベルトルト「……」
ジャン「さすがミカサだな! 格闘術も1位だし104期生の主席だし胸のサイズも」
アルミン「ミカサの上にユミルがいるけどね」
ジャン「そうか」
エレン「えー」
コニー「あの糞女。身長でけーだけじゃなくて、そこもかよ」
ライナー「まじかよ……顔へ行く栄養が胸に行ったんだろうな!」
ベルトルト「……」
アルミン「こんなことでわざわざこれを使うとはね……」
エレン「なんでもいいからって言ったのはアルミンだろ?」
ジャン「そうだぜ」
アルミン「そうだけどさ……もっと有効的なことに使おうよ」
コニー「友好的なことって言ってもさ……」
ライナー「そういえばこの機械は男子だけ使ってるわけじゃねーよな?」
アルミン「女子寮にもあるって聞いたけど」
ライナー「あいつらはなにを調べてるんだろうな……」
続けなさい
再び女子寮
ユミル「とりあえず面白いことは一通り調べたな」
クリスタ「ユミルがいう面白いことってあんなのばっかりじゃん!」
ユミル「あんなのってどんなことだ?」
ミカサ「ユミル、あんまりクリスタをいじめないように……」
サシャ「そうですよ……」
ユミル「あー悪かったよ。なんだよ、ちょっとからかっただけじゃねーか」
ミカサ「それが駄目」
ユミル「……」
クリスタ「あ! そろそろ就寝時間じゃん。最後なにか調べない?」
サシャ「それなら……ちょっと貸してください」
ユミル「ほらよ、なに調べるんだ?」
サシャ「いや、ちょっと故郷のことを……小さな村なのでなにも情報ないかも知れませんけど」
サシャ「あれ? ありました!」
ユミル「やっぱお前田舎出身なのかよ。方言が恥ずかしいから、敬語使ってんだろ?」
クリスタ「いいじゃんユミル、人それぞれだよ!」
ミカサ「サシャ?」
サシャ「……」
サシャ「え!? あ、いや……故郷の光景を久しぶりに見ましたので……」
ミカサ「綺麗な場所だね」
クリスタ「私もこういう所、住んでみたいな~」
サシャ「この村の向こうにウォール・ローゼがあるんですけどね……そのすぐ向こうに巨人がいるってことですよね」
ユミル「まぁ、そうだな。どうしたんだ」
サシャ(お父さん……元気そうでなによりです)
サシャ「いや! なんでもありませんよ!」
ユミル「だといいけど」
サシャ「皆さんがんばりましょう! 私達でウォール・マリアを奪還しましょう!」
クリスタ「ど、どうしたのサシャ!?」
サシャ「いえ……へへ、すみません」
ミカサ「壁の奪還は当たり前、絶対私はエレンと一緒に地下室へ行く」
クリスタ「私も協力するよ!」
ユミル「まぁクリスタがやるなら私も」
サシャ(お父さん、みんな……私がんばりますから!)
再び男子寮
エレン「……」
アルミン「……」
ジャン「……」
コニー「いや、なんというか」
ベルトルト「うん」
ライナー「調べちゃいけねーものもあるな」
エレン「いや、調べてもいい物なんだけど」
アルミン「なんというか、ね」
ジャン「昔の仲間の写真でも見ようと言ったのは悪かった」
ジャン「ここまで、精神に悪いなんてな」
アルミン「104期生卒業生一覧……懐かしいね」
エレン「トーマス、ミーナ……」
ジャン「マルコ……ふっ、なんか寂しいな」
エレン「くそっ! 超大型巨人のせいだ! なにもかもあいつが!」
コニー「落ち着けよエレン!」
ライナー「エレン……」
ベルトルト「……」
エレン「あいつさえいなければ! 今頃トーマスもミーナも調査兵団だったのに!」
ジャン「マルコも、今頃アニと一緒に憲兵団行ってたよなぁ」
アルミン「ベルトルト? どうしたの体調が悪そうだけど」
ベルトルト「うっ、すまない……」
ライナー「おい、ベルトルト?」
エレン「なんで謝るんだよ、お前がなにかしたわけじゃねーだろ?」
ベルトルト「え? あ、いや、ぼ、僕は実力不足だったんだ。僕も目の前で仲間の死を見た」
ベルトルト「あとちょっとで、助けられたかもしれないのに……僕の性格が駄目なんだ!」
ライナー「ベルトルト……お前が悪いんじゃないぜ」
コニー「いつも無口なのにいきなりどうしたんだよ」
ジャン「まぁ確かに、俺も目の前で仲間が死んだのを見たぜ」
ジャン「俺も、あいつらを助けられなかった」
エレン「……」
アルミン「……」
ライナー「おい、お前ら大丈夫か?」
ライナー「……」
ライナー「過去をあーだこーだ言っても今更変えられねぇ! 今を生きる、これが俺達にできることだ」
エレン「……そ、そうだよな!」
アルミン「うん!」
コニー「だな、死んだ皆のためにも俺達調査兵団で壁を奪還しよう!」
ライナー「そしてエレンの家の地下室へ行く」
ベルトルト「だね」
ジャン(マルコ……お前が生きてたらって今でも思うぜ)
ジャン(お前をその画面から引っ張り出せたら、どんなにいいか)
ジャン「マルコ、俺がんばるぜ」
エレン「ジャン?」
ジャン「いや、なんでもねー」
アルミン「そろそろ片付けるねこれ、というよりも、もう使わないほうがいいかもね」
エレン「そうだな、本当に困ったときだけに使おうぜ」
ライナー「さっきみたいに皆おかしくなったらこまるしな」
コニー「あぁ、そうだよな! 落ち込んだ皆見たくないし」
エレン「そろそろ寝るか? なんだか疲れた」
アルミン「そうだね、寝よっか!」
次の日
エレン「待ってろよ! 超大型巨人! 俺が駆逐してやるっ!」
アルミン「鎧の巨人もね!」
ライナー「お、おう!」
ベルトルト「おー……」
ミカサ「絶対倒すわ」
サシャ「そして! 壁の奪還!」
クリスタ「エレンの地下室! 皆で行こうね!」
ユミル「私はクリスタに着いて行くだけだけどな」
コニー「故郷の皆が安心できるように、俺達でがんばらねーとな!」
ジャン「死んだ、仲間のためにも」
エルヴィン「今日は皆、気合入ってるように見えないか?」
リヴァイ「あぁ、確かに」
ハンジ「壁を奪還するぞー! とか言って朝から元気一杯だよ。どうしたんだろうね?」
エレン「ん~……」
エレン「……やっぱ、超大型巨人がなにか気になるからパソコン使うぜ」
ライナー「だ、だから! やめろっエレン!!!」
完
はじめてのSS作品です!読んでくれてありがとうございました!
乙
面白かった。
むしろもっと長くてもよかった。
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