ありす「わぁ……」(きらきら
モバP「ありす、マジちょろいんやわ……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375193407
ありす「はっ。……お、思ったよりきれいなのでビックリしました。それだけです」
モバP「はいはい。わかったよ」
ありす「プロデューサー、本当に分かってますか?」
モバP「うんうん、分かってる分かってる」
ありす「絶対わかってないです、それ」
モバP「楽しみだったんだよな」
ありす「だ、誰も楽しみだなんて言ってないじゃないですか」
モバP「あれ、でも今日迎えに行った時、ご両親が『楽しみにしていたので、ご迷惑おかけすると思いますが……』って言っててな」
ありす「い、いつの間にお母さんとそんな会話をしていたんですかっ」
モバP「ありすが半分寝ながら車に入っていった時だな」
ありす「プロデューサー! お母さんが言ったのは嘘ですからね! あての外れた妄想ですから気にしちゃダメですからねっ」
モバP「はいはい」
モバP「今日はいい天気だな。晴れて良かった」
ありす「話を逸らしますか。まあ、日差しが強すぎな気もしますが……」
ナターリア「そんなことないヨー!」
ありす「きゃっ、お、驚かさないでくださいっ」
ナターリア「P,どう、ナターリアの水着? かわいいでショー?」
モバP「おう、かわいいかわいい。ナターリアによく似合ってるよ」
ありす「………」
ナターリア「Pも早く着替えていこウ? 早く早く!」
モバP「焦るなって。俺は後で行くから先に楽しんでな」
ナターリア「むぅ、約束だヨー? あとで絶対遊ぶんだかラ!」
ありす「………」
モバP「ありすも着替えてきたらどうだ? ……って、ありす?」
ありす「別に、何でもありません。私は着替えなくてもいいです」
モバP「おいおい、せっかく海に来たのにか」
ありす「別に海に入りたいから来た訳じゃないですし」
モバP「素直じゃないなぁ」
ありす「素直じゃないって何ですか。私はいつも通りです」
桃華「Pちゃま、橘さん、何を立ち止まっていますの? ナターリアさんは先に行ってしまいましたわよ」
モバP「おう、行く行く。ほら、ありすも桃華一緒に着替えてこい」
ありす「あの、私は海に入るなんて一言も――」
桃華「ほら、行きますわよ」
ありす「ちょっ、放してくださいっ」
モバP「桃華連れてきて正解だったな。……なんだかんだで二人とも仲良しだし」
凛「プロデューサー」
モバP「お、凛か。着替えるの早、い……な……」
凛「どう? ちょっと冒険してみた」
モバP「冒険しすぎだ! なんだその水着! ビキニにもほどがあるだろ!」
凛「そうかな。これくらい普通だと思うよ」
モバP「ちげぇ。絶対普通じゃねぇ……(動いたら今にでもポロリとといくんじゃないか?)」
凛「何を心配してるか分からないよ」
モバP「おまえはもう少しアイドルの自覚を持て……」
凛「アイドルの前に一人の女の子だよ、プロデューサー」
モバP「まあ、言いたいことは分かるが……」
凛「(分かってないじゃん)……はぁ、もういいよ。ナターリアのところに行ってくるね」
モバP「ああ、凛。ちょっと」
凛「なに? 早く行かないとナターリアが大変なことになるんだけど」
モバP「大変なこと……?」
ナターリア『いやー、楽しいネー♪ ナターリア、楽しくて踊っちゃうヨー』
ワーキャースゲー!
凛「浮き輪の上で……すごいバランスだよね」
モバP「……凛、あのバカを止めてきてくれ」
凛「はいはい」
モバP「ああ、それと呼び止めた件だけど。凛、その水着に合ってるよ。ちょっと……いや、かなりきわどいとは思うけど、凛のスレンダーなボディラインを引き立ててて見ている男性をドギマギさせるよ」
凛「そう……ありがと(なんでこんなタイミングで言うのかな。プロデューサーのバカ)」(スタスタ
ナターリア『凛? どうしたノ? 顔が真っ赤だヨ?』
凛『いいから早く下りなよ。目立ってるから』
ナターリア『わわ、引っ張ると……』(バシャーン
モバP「……何やってるんだ、あの二人。まあ、楽しんでるようだし口出すのは野暮か」
桃華「Pちゃま、お待たせしましてよ」
モバP「おう、ちゃんと着替えられたか?」
桃華「そこまで子どもではありませんわ。ほら、ご覧くださいまし」
モバP「おー。二人とも似合ってる。かわいいよ」
ありす「……こ、これくらい普通ですから」
桃華「ありがとうございますわ。ほら、ありすも」
ありす「べ、別に水着を見てもらいたかったわけじゃないですから」
モバP「はいはい。二人も凛とナターリアと合流しに行けばいいんじゃないか?」
桃華「そうしますわ。ところで小日向さんは……ああ」
ありす「寝てますね」
モバP「ああ、寝てる」
美穂「くーすぅー……」
桃華「気持ちよさそうですわね」
ありす「ひなたぼっこ……」
モバP「というわけだ。俺とみんなを待ってたら寝ちゃってな。みんな来たしそろそろ起こすか。ほら、美穂。起きろー」(つんつん
美穂「ん、んん……あ、あれ、私寝ちゃってましたか!?」
モバP「そりゃぐっすりと」
美穂「お、起こしてくださいよー! ありすちゃんや桃華ちゃんもいるのに、年上の示しがつかないじゃないですかっ」
ありす「大丈夫ですよ。美穂さんのことはわかってますから」
桃華「今更ですわ」
美穂「うぅ……年上のヒエラルキーが」
モバP「凛とナターリアは既に海に入ってるし、三人も行ってこい」
凛「何する?」
ナターリア「ナターリアはなんでもいいヨ!」
美穂「桃華ちゃんとありすちゃんは何かある?」
ありす「私は特に……」
桃華「こういうとき、普通は何をするんですの?」
凛「それならビーチボールで遊ぶ? プロデューサーがいろいろ持ってきてるし」
美穂「そうだね。とりあえず一通りやってみよっか」
ナターリア「おー、ボール遊び? ナターリア、それ得意だヨ!」
凛「ところが海辺だとそうはいかないんだよ」
ナターリア「?」
凛「まあ、やってみたら分かるよ。ちょっとプロデューサーのところに行って借りてくるね」
桃華「それでどうするんですの?」
凛「難しいのもアレだし、ボールを打ち返し合って落としたら負けかな」
ナターリア「罰ゲームはあるノ?」
美穂「ありすちゃんと桃華ちゃんもいるし、まずはなしかなぁ」
ありす「ありでもいいですよ。ナターリアさんはその方がお好みなんですよね」
桃華「わたくしもかまいませんわ。単なる子どもではないことを思い知らせて差し上げますわ」
凛「二人がそう言うならこっちはかまわないけど……」
ナターリア「それなら本気でいっちゃうヨー?」
美穂「(私たちは軽く行こっか……)」
凛「(そうだね)」
ナターリア「凛! 早く始めよーヨ!」
凛「はいはい、いくよ」(ポーン
ナターリア「エーイッ」
ありす「わわっ、こっち来ましたっ」(パシンッ
美穂「私かなー。はいっ、桃華ちゃん、お願いー」
桃華「これなら……」(スカッ
みんな『………』
桃華「い、今のはタイミングを計っただけですわ! 次はちゃんと当てますわ!」
ありす「……ぷぷっ」
桃華「い、今笑いましたわね!?」
ありす「さて、なんのことですか?」(しれっ
桃華「ムキー! 次、行きますわよ!」(ポーン
ありす「わっ、い、今の早すぎませんか?」(ポン
桃華「普通に打っただけですわ」
凛「燃えてるね、二人とも」(ポーン
ナターリア「こうでなくっチャ!」(パンッ
美穂「ナターリアさん、強いってばー」(パシンッ
ありす「ととっ」(ポン
桃華「今ですわっ」(パーン
ありす「くっ」
桃華「ふふん、どうですの?」
凛「(桃華ちゃんも意外と容赦ないね)」
美穂「(実は負けず嫌いなんだよ)」
ナターリア「(もしかして似たものどうシー?)」
http://i.imgur.com/2xpD7K0.jpg
http://i.imgur.com/HaGhbzS.jpg
http://i.imgur.com/Rg3V6bv.jpg
橘ありす(12)
http://i.imgur.com/pm8zcoJ.jpg
http://i.imgur.com/lFmAWqk.jpg
ナターリア(14)
http://i.imgur.com/lOyEXnW.jpg
http://i.imgur.com/eNnh1mi.jpg
櫻井桃華(12)
http://i.imgur.com/O5fsfKE.jpg
http://i.imgur.com/G6I5Z7d.jpg
渋谷凛(15)
ありす「………」(玉拾い
凛「(あ、ボール拾った)」
美穂「(どうするんだろう)」
ナターリア「(決闘? ワクワク)」
ありす「ふんっ」
桃華「甘いですわっ」
ありす「そっちこそ、コースが……甘いですよっ」
桃華「あなたのために……とりやすく、して、さしあげてるんですのよ!」
ありす「そんな余裕、こいていられるのも、今のうちですっ」
ナターリア「ねーねー、凛、美穂」
凛「なに?」
美穂「どうしたの?」
ナターリア「ボール来なくてヒマー」
美穂「熱中しちゃってるね」
凛「二人だけの世界作ってるよね」
ありす「このこのっ」
桃華「このーっ!」
ナターリア・凛・美穂「………(かわいい)」
ありす・桃華「ぜー……ぜー……」
モバP「二人とも熱中してたなぁ。ほら、飲み物」
ありす「ありがとう、ございます……って、見てたんですか?」
モバP「そりゃ見てるさ。目を放した隙に何かあったら問題だしな」
桃華「Pちゃま、先ほどの光景は忘れていただけませんこと?」
モバP「たしかあのテレビ局、次は若年の子たちを集めて水辺のアトラクション番組作るとか言ってたな……これは営業かけるのもありだな」
凛「プロデューサー、今は仕事の話は無し、だよ」
美穂「そうですよ。せっかくの休暇なんですから」
ナターリア「そうだヨー。今日のPは休むのがオシゴト!」
モバP「分かってるって。ちょっと考えただけじゃないか」
凛「そのちょっとが安心できないんだよ」
ナターリア「今は自分のことだけ考えル!」
美穂「Pさんは暇さえあればみんなのこと考えちゃうんですから」
モバP「分かった分かった。迫ってくるな怖いから」
ナターリア「そういえば、桃華とありすは泳げるノ?」
ありす「プールでしたら泳いだことはありますが……あと名前で呼ばないでください」
凛「今更だよ、ありす」
ありす「認めちゃったら負けな気がするんです……」
凛「ナターリア、泳げるか聞いてどうするの?」
ナターリア「みんなでおよゴー!」
美穂「私も泳げるけど……桃華ちゃんは平気?」
桃華「当然ですわ。わたくしに苦手なことなどありませんわ」
凛「乗り気なようだし、私も参加するよ」
ナターリア「そうこなくっチャ! それじゃ、あの島まで競争ネ!」
モバP「おまえは遠泳する気か」
ナターリア「そこまで遠くないト思うけどナー」
モバP「せめて俺の目が届く範囲で遊んでくれ。あんまり深いところもダメだぞ」
凛「プロデューサー心配しすぎ」
ありす「そうです。そこまで子どもじゃありません」
桃華「目を輝かせていたのはどちらでしたっけ……」(小声
ありす「聞こえてますよ」
美穂「ほらもー、ケンカしないの。私たちも見てますから。そうだ、Pさんも一緒にどうですか?」
凛「そうだね。間近で見ていられるし心配することもないんじゃない?」
モバP「んー、最近運動不足だしなぁ」
ナターリア「なおさらだヨ!」
モバP「だから引っ張るなってのおおおおぉぉ!?」(バシャーン
ありす「うわぁ……」
桃華「思い切り転びましたわね」
美穂「だ、大丈夫かな?」
凛「まあ、プロデューサーなら平気だよ。ほら、私たちもいこう」
桃華「もう、絶対……」(はぁはぁ
ありす「勝負なんて、しません……」(はぁはぁ
凛「いい運動になったね」
美穂「やっぱり凛ちゃんは早いね」
凛「普通だよ、これくらい。早いっていうのはナターリアみたいな子を言うと思うよ」
美穂「あはは、あれは別格かなぁ」
モバP「おーい、そろそろご飯食べるかー」
美穂「Pさんが呼んでるね。いこっか」
凛「そうだね。二人とも歩ける?」
ありす・桃華「「も、もちろんです(ですわ)」」
美穂「ナ、ナターリアちゃん、お昼だってPさんが呼んでるよー!」
ナターリア「そウ? まだまだ遊び足りないヨ」
モバP「まだ午後もあるんだからそう急くなって」
ナターリア「今度こそPも一緒だヨ?」
モバP「分かった分かった。午後は相手してやるから」
ナターリア「やったネ! ありすー、ももかー、一緒だっテ!」
ありす「な、なんでそこで私を呼ぶんですか」
桃華「そうですわ。べ、別に関係ありませんわ」
凛「(素直じゃないなぁ、この二人)」
美穂「(一緒じゃなければ素直なのにね)」
ナターリア「P、ナターリアはおスシがいいナ!」
モバP「あるわけないだろ……」
桃華「どうしてもほしいのなら用意させますけど?」
ナターリア「ホント!?」
モバP「しなくていいから。ナターリアはもう少し栄養バランスを考えてだな……」
ナターリア「えー。食べたいもの食べテ何が悪いノー?」
モバP「悪くはないが、体調管理もアイドルとしてちゃんとしておかないと痛い目見るぞ」
ナターリア「大丈夫、ナターリアはいつでも元気だかラ!」
凛「プロデューサー、海の家に行くの? 今からだとすごい混んでそうだけど」
モバP「実はちひろさんから弁当いただいてるんだ」
凛「へぇ、気が利くんだね。さすがちひろさん」
ナターリア「鬼! 悪魔! ちひろ!」
美穂「ナ、ナターリアちゃん? 何を言ってるの?」
ナターリア「褒めてるんだヨー? Pがこの前褒め言葉だって言ってタ!」
美穂「Pさん……」
凛「プロデューサー……」
モバP「さ、さあ! 準備しよう!」
ありす「おいしいですね、これ」
桃華「悪くないですわ」
凛「これ、手作りだよね?」
美穂「だよね……。ちひろさん、すごい」
モバP「出来合い物をとりあえず詰めたって言ってたぞ? それにしたっておいしいけどな」
凛「(これすごい手間かかってるよ。見て分かるって)……鈍感」
ナターリア「ドンカンだねー」
美穂「さすがにフォローできません」
モバP「おまえらが何を言っているのか分からん」
桃華「Pちゃま、これもおいしいですわよ。取って差し上げますわ」
モバP「気を回さなくてもいいぞ。自分のことは自分でできるから」
桃華「そういわずに。ほら、あーんですわ」
モバP「さすがにそれは……」
凛・美穂・ありす「………」
モバP「ほら、みんな見てるし」
ナターリア「ナターリアもやりたイ!」
モバP「一人だけ反応違うし!?」
モバP「おいしかったが、ちょっと食べ過ぎたかな。おまえたちは平気か?」
凛「あのさ、プロデューサー。今の私たちの格好は?」
モバP「水着だな」
凛「丸見えなんだから気をつけるに決まってるじゃん」
モバP「あー、そうだったな」
ありす「なんか、普段の真面目なプロデューサーと同一人物とは思えないくらいに抜けてますね」
美穂「普段が完璧超人だからね」
桃華「でも、そんな抜けている一点が魅力的でもありますわ」
モバP「褒められてるのか貶されてるのか」
凛「決まってるじゃん。……みんな、午後はどうする?」
モバP「そこで話を方向転換しないでくれるかな? 凛? おーい、凛。聞こえてるかー?」
凛「聞こえてるよ。プロデューサーは心配しすぎ。プロデューサーのこと貶すわけないでしょ」
モバP「そ、そうだよな。よかった……」
美穂「Pさん、ところでそっちの包みは何なんですか?」
モバP「ああ、これか。そうだな。腹ごなしにするのもありか」
ナターリア「ナニナニ? 新しい遊ビ?」
モバP「みたいなものだな。ほれ」(ゴロン
ありす「スイカですね」
桃華「Pちゃま、食べ物で遊んでは罰が当たりますわ」
凛「ああ、そういうこと。それもちひろさん?」
モバP「外れ。これは俺が用意したんだよ」
凛「へぇ、気が利くところもあるんだね。オフなのに」
美穂「り、凛ちゃん、それは言い過ぎじゃないかな……?」
凛「そうかな? いつもこんな感じだけど」
美穂「そ、そうなんだ」
ありす「それで、凛さんだけ分かってるみたいですけど、何をするんですか?」
凛「美穂も分かるよね?」
美穂「うん、子どもの頃したことあるよ」
桃華「……見当がつきませんわ」
モバP「最近の子どもには縁がないことなのかね? スイカ割りって聞いたことないか?」
ありす「スイカ割り……聞いたことはありますが」
桃華「ありす、なんですの、そのスイカ割りとは」
ありす「えっと、私もやったことがなくて。知識として知っているだけですけど、手に持った棒でスイカを割る遊びですね。で、割ったスイカをみんなで分け合って食べると」
桃華「それだけですの?」
ありす「いえ、それだけだと簡単ですから、目隠しをして視界を奪ったあげく、体を幾度となく回転させて平衡感覚を奪った上でするらしいですよ」
ナターリア「P、ナターリアにそんなことしちゃうノー?」
桃華「鬼畜ですわ、Pちゃま!」
モバP「反論したいが言っていることは間違ってないので上手い言い返しが思いつかない」
美穂「Pさん、やって見せてあげればいいんじゃないでしょうか」
凛「さすが美穂、積極的だね」(グルグル、キュッ
美穂「り、凛ちゃん? あの、前が真っ暗に。って、あれ、今手渡したのって何?」
凛「ほら、プロデューサー。一緒に回してよ」
モバP「あ、ああ。美穂すまんが触れるぞー」
美穂「え、Pさん? ひゃう!? え、ふぇ、ふわああぁぁっ!?」(ぐるぐる
ありす「うわぁ……」
桃華「回されてますわ……」
ナターリア「目が回りそーだネ」
美穂「あぅあぅあぅあぅ……」
凛「うん、これくらいでいいかな。美穂、止めるよ」
モバP「よっと。美穂、手、放すぞー」
美穂「え? わ、きゃ、ひゃあっ」(ヨロヨロ
凛「美穂、どこ行くの。もっと右だよ」
美穂「み、右ー? いきなり目隠しされて、回されて……分かるわけないよー」
モバP「ありすと桃華も美穂を誘導してやれ」
ありす「誘導ですか?」
モバP「ああ。ああやって右も左も分からないんだったら、後は周りに頼るしかないだろ?」
桃華「なるほど、周囲のアドバイザーも協力しての遊戯なんですのね」
モバP「そこまで仰々しいものじゃないよ。まあ、中には周囲が意地悪なときもあるけどな」
桃華「意地悪、ですの?」
モバP「ま、今は気にしなくていいさ。ほら、声かけてやれ。美穂が立ち往生しちゃってるからな。てか、凜誘導してやれよ……」
凛「子どもたちが誘導した方がおもしろそうでしょ」
美穂「り、凛ちゃん、Pさん、どこに行けばいいんですかー!?」
ナターリア「ねえねえ、ナターリアも美穂をソーサしてもいい?」
モバP「ああ、別に誰がやっちゃいけないってわけじゃないしな」
ナターリア「分かったヨ! 美穂、そこから右向いてまっすぐだヨー!」
美穂「ナターリアちゃん? あ、よかったぁ……。うん、言うとおりに進むね」
ありす「あ、ちょっとズレてます。少し左に方向転換してください」
美穂「え、ありすちゃんも? えっと、ちょっと左に……これくらいかな」(よろよろ
桃華「また逸れてきてますわ。右ですわ、右」
美穂「こ、今度は右ー!?」
モバP「おーおー、これぞスイカ割りの醍醐味」
凛「プロデューサー、ちょっとちょっと」
モバP「ん? どうした」
凛「だいたいあの辺りに立ってて。あとしゃべったらダメだよ?」
モバP「ふむ? よくわからんが、凛がそう言うなら」
ありす「行き過ぎです! バックしてください!」
桃華「いいえ、バックよりも180度回転したほうが安定しますわ!」
ありす「ちょっと、邪魔しないでください。私が誘導してるんですから!」
桃華「こちらの台詞ですわ。先ほどから曖昧すぎますのよ、ありすのは」
ありす「それは桃華も同じでしょう!」
美穂「あ、あの、ケンカしないでー! あと、私はこれからどうすればいいのー!?」
ナターリア「……! 美穂ー、ちょっと右見テー!」
美穂「こ、こうー?」
ナターリア「ウン、そのまままっすぐー!」
美穂「ま、まっすぐ……」
モバP「(ん? ナターリア、なんかちょっと誘導おかしくないか?)」
凛「うん、そのままでいいよ」
モバP「(……って、そういうことか、凛の奴!)おい、凛――」
凛「プロデューサー、しゃべっちゃダメって言ったよね」
モバP「ぐっ……」
ナターリア「美穂ー! そのままダイブだヨー!」
美穂「ダ、ダイブ? えっと、棒は……」
ナターリア「……振ってもイイヨ?」
モバP「(よくねぇよ!)」
美穂「え、えいっ」(ぶんっ
モバP「おわっ!? ……あ、あぶねぇ」
美穂「え、今の声、Pさん? 何で前から……きゃっ」(よろっ
モバP「あぶないっ」
ありす・桃華「あーっ!?」
モバP「いてて……大丈夫か、美穂」
美穂「は、はい、大丈夫です……? え、なんでPさんに、抱きしめられて……」(はらり
ナターリア「上手くイッタネ!」
凛「まさかナターリアがやるなんてね」
ナターリア「美穂ってば控えめだからネ! ナターリアが背中押してあげたんだヨ!」
美穂「よ、よ……」
モバP「美穂、痛いところはないか? 平気なら、早く退いてくれると……(か、感触が。いろいろとダイレクトでやばい)」
美穂「余計なお世話だよ、ナターリアさーん!」(ダダダダダ
凛「次はナターリアやる?」
ナターリア「ウン!」
モバP「追わなくていいのかよ……」
凛「今追ってもあれでしょ? 捕まらないだろうし」
ナターリア「P、待っててね! Pに向かってみせるカラ!」
モバP「スイカ割りだよこれは! ターゲットはスイカだよ!」
ありす「(……これは!)」
桃華「(合法的にPちゃまに抱きつくチャンス!?)」
凛「(二人ともバレバレだよ……)」
ナターリア「準備できたヨ! ……オー、何にも見えなイ!」
凛「見えたら困るしね。ゲームにならないよ」
ナターリア「いつ回すノ? 回されるノ?」(わくわく
凛「待ち望むことじゃないと思うよ。ありす、桃華。あとよろしく」
ありす・桃華「「えっ?」」
ナターリア「二人がシてくれるノ? はやくはやくー!」
ありす「……どうなっても知りませんからね?」
桃華「後になって文句は受け付けませんわよ」
ナターリア「ダイジョーブ! ナターリア、丈夫だかラ!」
ありす・桃華「えいっ」
ナターリア「めーがーまーわーるー」(くるくる
凛「(うわぁ、勢いついてるなぁ)」
ありす「これくらいでいいですか?」
ナターリア「凛ー?」
凛「いいと思うよ。それにしても容赦ないなぁ……」
ナターリア「おっとっとー。これ、バランス取るの難しいネ」
モバP「ナターリアでもそう感じるか」
ナターリア「バランスって視界大事だヨ?」
凛「ルールは分かるよね?」
ナターリア「スイカを叩くんだよネ。バッチリだヨ!」(スタスタ
凛「すごい。全然ブレてない」
モバP「あいつのダンスの才能はピカイチだからな。これくらい屁でもないんだろう」
ありす「さっきよろけてましたけど……」
モバP「最初は感覚つかむまではよろけるだろうけど……それにしてもすごいな」
桃華「あのバランスの秘訣を教えてほしいですわ」
モバP「ナターリアの感覚についていけるなら教われるかもな」
桃華「感覚、ですの?」
凛「独特だから、ナターリアは」
ナターリア「ミンナー、ユードーなくて寂しいヨー?」(くすん
ありす「だって、誘導なくてもすいすい行っちゃうんですもん」
桃華「声をかける必要性を感じませんの」
ナターリア「ぶー」(ぷくー
モバP「すまんすまん。今度はナターリアも楽しめるようなの考えておくからさ」
ナターリア「ホント?」
モバP「ホントホント」
ナターリア「やったネ! だからPは大好き!」
みんな『……』
モバP「お、おう。分かったから放してくれると嬉しいなー(視線が、視線が痛すぎる)」
ありす「次は凛さんですか?」
凛「私は最後でいいよ。それよりも二人が先の方がいいんじゃない? 待ち遠しかったでしょ?」
桃華「べ、別にそんなことありませんわよ?」
ありす「そ、そうですよ。所詮は遊びです。子どもじゃないんです」
美穂「(かわいい)」
凛「(素直じゃないなぁ)」
モバP「はいはい、後が支えるんだからジャンケンで勝った方が先な」
ありす「分かりました(この勝負……)」
桃華「まあ、公平ですわね(負けられませんわ!)」
ありす「やった! 勝ちましたよ、プロデューサー!」
モバP「おう、さすがありすだなー」(なでなで
ありす「って、なんで撫でてるんですか」
モバP「……つい?」
ありす「もういいです。それより早く準備してください」
モバP「わかったわかった。凛、美穂、頼むわー」
凛「そういえば、美穂っていつ戻ってきたの?」
美穂「ついさっきだよ。……もう、凛ちゃんも覚えておいてね?」
凛「いい思いできたんだし覚えておく必要ないんじゃないかなって思うんだけど」
美穂「そ、それとこれとは話が別っ。……凛ちゃんって手強い」
凛「私は普通だよ」
美穂「普通ならあんなこと考えないってば……」
ありす「……あのー、私いつになったら回されるんでしょうか」
桃華「(美穂さん、ちょっと)」
美穂「(どうしたの?)」
桃華「(橘さんを回す役目、代わっていただけないかと思いまして)」
美穂「(うーん……あんまり危ないことはシちゃダメだからね?)」
桃華「(心得てますわ)」
ありす「凛さん? 美穂さん?」
桃華「えいっ!」
ありす「え、え、ええぇぇ――ーっ!?」(ぐるぐる
桃華「あ、意外と楽しいですわ」
美穂「桃華ちゃん、む、無茶させちゃダメだからね?」
桃華「分かってますわ。……スッキリしますわね、これ」
ありす「お、覚えていてくださいねーっ!?」(ぐるぐるぐるぐる
ありす「は、吐きそうです……おえっ」
凛「桃華、やりすぎ」
桃華「さすがにやりすぎましたわね。謝罪いたしますわ」
ありす「次、覚えているといいです……」
美穂「ありすちゃん、あまり辛いようなら無理しなくていいからね?」
ありす「む、無理なんてしてないですから。それより、早く誘導してください」
凛「分かってる。それじゃあまずはちょっと左に方向転換して――」
美穂「一歩ずつ前に歩いてみよっか」
桃華「あ、少しズレましてよ」
………
……
…
ありす「………」
他みんな『………』
ありす「どうしてプロデューサーの方向に誘導してくれないんですかっ」
モバP「そういう遊びじゃないってば!」
桃華「どうしてわたくしをPちゃまの元へ誘導してくれないんですのっ!?」
モバP「ありすといい桃華といい、実はやっぱり仲良いだろ!?」
ありす・桃華「「冗談言わないでくださいっ(冗談ではありませんわっ)」」
スイカは最後に凛が割ってみんなで食べました。
凛「こうなるってなんとなく予想ついたからね」
モバP「元凶はおまえなんだからな。それ、ちゃんと理解しとけよ」
これでおしまいです。
これだけ書くのにすごい時間かかりました。
書きたいキャラで書きたいネタだけ書いた感じですが、
見ていただいて少しでも楽しんでいただけたらと思います。
海のお遊び編?はこれで終わりで、少ししたら帰りの車内の一幕を1レス分だけ投稿します。
帰り、車内での一幕。
美穂「今日は楽しかったね」
凛「美穂が根に持つタイプって分かっただけでも収穫かも」
美穂「そ、それは凛ちゃんが悪いんだよー」
ナターリア「ミンナ仲良くなったからこの企画は成功?」
モバP「そうだな。今度は事務所全体できても良いかもな」
凛「いいけど、多分人払いしないと騒ぎになるよ?」
美穂「百人以上いますからね……大丈夫ですか?」
モバP「……気軽に口にするもんじゃないと思ったよ。まだ心の内に留めとくよ」
ナターリア「それが賢明だヨ」
モバP「でだ、さっきから小学生ズが会話に入ってこないけどどうしてるんだ?」
凛「遊び疲れた後はそのままお休みだよ」
美穂「よっぽど楽しかったんでしょうね。レッスンで疲れていても眠いそぶりすらがんばって出さないようにしてる二人でしたけど」
ナターリア「こうして見てると、アイドルには見えないネ。かわいいケド!」
凛「ナターリアは寝ないの?」
美穂「凛ちゃん、それはちょっと……」
ナターリア「まだまだ遊び足りないヨ?」
モバP「勘弁してくれ……俺も結構限界なんだけどな」
ナターリア「だからこれからお寿司なんでショー?」
モバP「みんな送り届けてからな?」
凛「あ、プロデューサー。家族には今日はご飯いらないって伝えてあるんだ」
美穂「わ、私も寮母さんにいらないって伝えてまして……」
凛・美穂「「付き合うよ(私もご一緒して良いですか?)」」
ナターリア「やったネ! P、二人も来るっテ!」
モバP「ああもう! なんでもいいさ! もうどんとこいやー!」
ありす・桃華「「すぅ……すぅ……」」
ほんとにおしまい。
ありがとうございました。少ししたらHTML化出してきます。
(本当はもっと書きたかったんですが、時間がなかった……)
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません