勇者「僕がお前を殺してやる」魔王「楽しみにしていよう」 (102)



魔王「……来たか」

扉「ガコォン」

勇者「魔王……」

魔王「待ちわびたぞ勇者よ」

勇者「今日こそ……やってやる」

魔王「これで10回目の挑戦だな、前回とは変わったのか?」

勇者「……お前を殺す為に体を鍛えて、魔神の剣を手に入れて来た」

魔王「そうか……なら始めようか」

勇者「そうだな」スチャ

勇者「今日こそお前を」

魔王「今日こそ私を」

勇者「殺してやる」魔王「殺してくれ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378747012



勇者「行くぞ魔王!」ズバッズバッズバッ

魔王「……」

勇者「くっ」ズバッズババッ

魔王「……!」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「ちぃっ」ズババッズババババッ

魔王「勇者よ……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「まだだ!まだ終わりじゃない!」ズババババッ

魔王「もういい……今回も無理だ」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「くそっくそっ!なんでだよ!なんでこんな!なんで死なないんだよ!」ズバッ

魔王「……すまんな」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「……くそっ、何なんだよ!これでもダメなのかよ!」

魔王「……勇者、もういい……もういいんだ」

勇者「よくない!言ったはずだ!魔王を……お前を僕が殺してやるって!」

魔王「……勇者」

勇者「……また来る、それまでに死ぬ準備だけしといてくれ」スタスタ

魔王「……ああ」



魔王「……今日は庭の手入れがまだだったな、今年も綺麗な花が咲けばいいが」スタスタ

側近「……」

魔王「……ハサミとジョウロを借りるぞ」

側近「……」

魔王「……水を汲まなければな」スタスタ

メイド「……」

魔王「……水を汲ませてくれ」ジャポン

メイド「……」

魔王「……水をやるか」スタスタ

スライム「……」

魔王「……今年もきっと綺麗な花が咲く」シャァァァ

スライム「……」

魔王「……こんなものか、次は何をするか」

スライム「……」

魔王「……本でも読むか」スタスタ



魔王「……さてどれにするか」

司書「……」

魔王「……これにするか、借りていくぞ」

司書「……」

魔王「……部屋に行くか」スタスタ

魔王「……ふむ、……つまらんな」パラパラ

魔王「……この本を読むのは、何回目だったか?……確か最後のページに印を付けていたな」パラパラ

本「正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
  正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正」

魔王「……ページが埋まってしまっているな、これではよく分からんな」パタン

魔王「……夜まで寝るとするか」トサッ

魔王「……お休みみんな」スゥ



魔王「……ん?夜か?……まだ夕方か」ムクリ

魔王「……散歩にでも行くか」スタスタ

魔王「……出掛けてくる」

門番「……」

魔王「……すぐに戻る」スタスタ

魔王「……この辺りは変わらないな」スタスタ

ハーピー「……」

魔王「……何も変わらん」スタスタ

ドラゴン「……」

魔王「……ずっとな」スタスタ

魔王「……釣竿でも持ってくれば良かったかな」スタスタ

魔王「……戻るか」スタスタ

魔王「……戻ったぞ」

門番「……」

魔王「……もうじきか」

門番「……」ビクッ

魔王「……」

門番「ん?あれ?魔王様じゃないですか!いつの間に外に?」

魔王「……よく空を見ろ」

門番「え?あれ?何でもう夜になって」

魔王「……きっと疲れているんだろう」

門番「そうなんですかね?」

魔王「……どうせ誰も来ないんだ、少し休め」

門番「ありがたいですが、これが仕事ですから、と言ってもこれじゃダメダメですが」

魔王「……構わんさ、どうせ誰も来ない……来れないんだから」

門番「え?」

魔王「……いや何でもない」スタスタ

門番「?」



魔王「……おい側近」スタスタ

側近「あっ魔王様!どこに行ってたんですか?探しましたよ」

魔王「……ちょっと外にな」

側近「外って1人でですか?せめて護衛を付けて下さいよ」

魔王「……私を襲う者などいないさ、仮に居たとしても私は死なない」

側近「そんな事言わないで、ちゃんと身の安全を確かめて下さいね」

魔王「……分かった」

側近「それにしてもいつの間に夜に?あっ庭の花に水をやらなきゃ」

魔王「……私が代わりにやっておいた」

側近「えっ?そうなんですか?すみません魔王様にそのような」

魔王「……気にするな、私が好きでやった事だ」

側近「……魔王様、何だか急に変わりましたか?昨日まではもっとこう」

魔王「……そんな事もある、そろそろ飯の時間だな」

側近「そうですね、いつもならもうメイドが呼びに来る時間ですが」

メイド「おっ遅れてしまいました!すみません!まだ準備が終わってなくて」タタタッ

魔王「……構わん、急ぐ事ではない」

メイド「え?あっありがとうございます、すぐに準備いたしますので、もう少しお待ち下さい」タタタッ

側近「珍しいですね、まあ仕方ないですから、席に着いて待ちましょうか」

魔王「……そうだな」



魔王「……スライム」

スライム「あっ魔王様!ねえねえ聞いてよ、昨日はいっぱい咲いてたお花が、今日は無かったの」

側近「はて?今頃は一番見頃なはずですが、しかも一晩で無くなるはずは」

魔王「……花はまた咲く、何度でも……何度でもな」

スライム「?」

側近「……やはり何かおかしいですね、昨日の夜に何かありましたか?」

魔王「……何もないさ、昨日は何も……な」

メイド「お待たせしました、料理の準備が出来ましたので今運びます」

魔王「……ありがとう」

魔王「……食べ終わったら、少しゲームでもするか」

側近「いいですね、やりましょう」

メイド「私もいいですか?」

スライム「僕も!」

魔王「……ああ、みんなでやろう」


魔王「……もうこんな時間か……」

側近「それでは私は部屋に戻ります」

メイド「私も失礼させていただきます」

スライム「僕はお庭に行ってくるね」

魔王「……ああ」


魔王「……そろそろ時間か、……みんなお休み」



魔王「……朝か」ムクリスタスタ

魔王「……今日はまず庭の手入れにするか」スタスタ

側近「……」

魔王「……ハサミとジョウロを借りるぞ」スッ

側近「……」

魔王「……次は水か」スタスタ

メイド「……」

魔王「……水を汲ませてくれ」ジャポン

メイド「……」

魔王「……手入れをするか」スタスタ

スライム「……」

魔王「……もう少し待ってくれ、もう少ししたらまた花が咲くから」シャァァァ

スライム「……」

魔王「……少し伸びたな、……こんなものかな」チョキチョキ

スライム「……」

魔王「……次はどうするか」スタスタ

魔王「……本……はもう、今日はやめておくか」スタスタ

魔王「……玉座……か」ストッ

魔王「……今日は勇者は来ない……か」



魔王「……やっと時間か」スタスタ

側近「あっ魔王様、すみません私とした事が、いつの間にか夜になっていて」

魔王「……構わん」

側近「ありがとうございます、あっ庭の手入れをしないと」

魔王「……先ほど私がやっておいた」

側近「なんと、すみません魔王様にそのような」

魔王「……好きでやっている」

側近「はあ……魔王様、何だか昨日までと比べて変わったような?」

魔王「……気にするな」

側近「はあ……、そういえばそろそろ晩飯の時間ですが、メイドが来ませんね」

魔王「……直に来る」

メイド「もっ申し訳ありません!まだ食事の準備が出来てなくて、大急ぎでやっていますので」タタタッ

魔王「……急ぐ必要はない」

メイド「えっあっありがとうございます!では今暫しお待ち下さい」タタタッ

側近「食事の準備が遅れるとは、珍しいですね」

魔王「……そうだな」

側近「まあ先に席に着きましょうか」

魔王「……ああ」



魔王「……スライム」

スライム「あっ魔王様!聞いてよ!昨日まで咲いてたお花が、今日は無くなってたの」

側近「おかしいですね、今頃は綺麗に咲いて見頃なはずですが、しかも花が無くなるはずは」

魔王「……もう少しだ、もう少しでまた咲くさ」

スライム「本当?よかった」

側近「?」

魔王「……花は何度でも咲く」

メイド「お待たせしました!今運びますので!」


魔王「……みんなでゲームでもするか」

側近「おお!たまにはいいですね」

メイド「私もいいですか?」

スライム「僕も!」


魔王「……今日も変わらない、明日も明後日も……な」ボスッ

魔王「……みんなお休み」

今日はこの辺で。
じわじわ書いていきます、質問あればどうぞ、ではまた次回。

どうも1です。
じわじわ続き書きます、あと一応最後までの大まかな流れは出来ています。



魔王「……勇者が最後に来てから、そろそろ1カ月か……」

扉「ガコォン」

勇者「来たぞ魔王!」

魔王「来たか、これで11回目だな」

勇者「今日はこいつだ、斬ったモノの再生を封じる、獣殺しの魔剣」スチャ

魔王「再生を封じる……か」

勇者「いくぞ!てやあっ」ズバァッ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「なっ?くそっ」ズバッズバッズバァッ

魔王「……やはりダメか」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「何でだよ!何で!再生しないはずじゃあないのかよ!」ズバァッ

魔王「……簡単な事だ、その剣の魔力よりも、私の再生力の方が強いのだ」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「そんな……」ギリッ

魔王「……勇者よ、もういい……もう諦めろ」

勇者「嫌だ……、僕は諦めない、また来るからその時ケホッ、んっその時がお前の最後だ」スタスタバタァン

魔王「……次……か」

魔王「……庭の手入れをするか」スタスタ



魔王「……今年も綺麗に咲いたな、スライムが喜ぶ」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……さて次は、ん?」

小鳥「ピィ」

魔王「……ここはお前の居るべき場所ではない、早く余所に行け」

小鳥「ピィピィ」ツンッ

魔王「……早く行くんだ」

小鳥「ピィ……」バサバサ

魔王「……二度とここには来るな」スタスタ

魔王「……次は……食材の確認でもするか」スタスタ

魔王「……さて」

メイド「……」

魔王「……何か足りないものは……」ガサガサ

メイド「……」

魔王「……当分はこのままでいいか」

メイド「……」

魔王「……散歩に……いや、釣りでもするか」スタスタ



魔王「……行ってくる」スタスタ

門番「……」

魔王「……今日はどの辺りで釣るか……」スタスタ

ハーピー「……」

魔王「……あっちの湖にするか」スタスタ

ドラゴン「……」

魔王「……隣座るぞ」ヒュッチャポン

ドラゴン「……」

魔王「……今日は釣れるかな……」

ドラゴン「……」

魔王「……かからないな」

ドラゴン「……」

魔王「……まあ当たり前か、もう魚などいないのだからな」

ドラゴン「……」

魔王「……それでも時間は潰せる」

ドラゴン「……」

魔王「……まだ夜まで遠いな」

ドラゴン「……」

魔王「……釣りはいい……」

ドラゴン「……」



魔王「……そろそろか」

ドラゴン「……」ピクッ

魔王「……やあドラゴン」

ドラゴン「む?魔王か、いつの間に釣りをしていた?」

魔王「……ついさっきだ」

ドラゴン「ふむ……釣れておらんな」

魔王「……いつもの事だ」

ドラゴン「坊主なのは久しぶりに見たぞ?」

魔王「……ドラゴンの見ていない所でな」

ドラゴン「そうか……ふむ、そろそろ帰らんと側近が心配するぞ」

魔王「……そうだな」

ドラゴン「……どうした?いつもの生意気な雰囲気が全くないな、ほんの3日前はあんなにはしゃいでおったくせに」

魔王「……そんな事もある、それでは私は帰るよ」チャポッ

ドラゴン「気を付けろよ」

魔王「……ああ」スタスタ

ハーピー「あら魔王様、ご機嫌麗しゅう」バサッ

魔王「……ああ」

ハーピー「あら?何だかいつもよりも疲れていますか?よければ子守歌を歌いますが」

魔王「……もうそんな年ではないさ」

ハーピー「これは失礼をしました」

魔王「……構わん、私を心配しての事だ」

ハーピー「ありがとうございます」

魔王「……ではまたなハーピー」

ハーピー「はい魔王様」

魔王「……子守歌か……最後に聞いたのはいつだったか」スタスタ



魔王「……帰ったぞ」

門番「あれ?魔王様いつの間に外へ?」

魔王「……昼のうちにな」

門番「すみません、どうやら寝ていたみたいで、気が付いたらもう夜でした」

魔王「……問題はない、誰も来はしないからな」

門番「え?」

魔王「……入るぞ」

門番「あっはいどうぞ」

魔王「……そろそろ晩飯の時間か」スタスタ

側近「あっ魔王様!一体どこに居たんですか?」
魔王「……ちょっと釣りにな、もっとも坊主だったが」

側近「おや珍しいですね」

魔王「……そんな事もある」

側近「魔王様?昨日の夜何かありました?昨日までと雰囲気が」

魔王「……昨日は何もなかったさ」

側近「そうですか?」

メイド「遅れてすみません、今食事の準備が出来ました」タタタッ

魔王「……ちょうどいいな」スタスタ

側近「それじゃあ食べますか」スタスタ

魔王「……ああ」スタスタ



魔王「……スライム」

スライム「あっ魔王様!今日も庭のお花が綺麗だったよ?」

魔王「……そうだな」

側近「私が毎日手入れをしていますからね、まあ今日は少々慌てましたが、既に誰かがやってくれたようで」

魔王「……そうか」

メイド「さぁどうぞ」

魔王「……ああいただこうか」


魔王「この後ゲームでもしないか?」

側近「ああたまにはいいですね」

メイド「私もよろしいですか?」

スライム「僕もやる!」

魔王「……ああみんなでやろう」


魔王「……今日も終わったな、次に勇者が来るのは……」トスッ

魔王「……みんなお休み」



魔王「……勇者が来てから半月か、……まだか?」

扉「ガコォン」

勇者「魔王……今日こそ」

魔王「これで12回目、今度は何を持って来た?」

勇者「……これだ、伝説の魔法……天雷呪文だ」バリバリバリ

魔王「そうか……雷か」

勇者「いくぞ魔王!はあっ」バリバリバリ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「これで!」バリバリバリ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「まだまだケホッ、くっくらえっ」バリバリバリ

魔王「……ダメなようだな」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「はぁ……はぁ……くそっ何でだ!」

魔王「……勇者」

勇者「……僕は諦めない、必ずお前を殺してみせるいいケホッな魔王」スタスタバタァン

魔王「……待っているよ、ずっとな」



魔王「……そろそろ花が枯れるな、また来年だな」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……今日はどうするか……ん?」

小鳥「……」

魔王「……もう来るなと言ったろうに」スッ

魔王「……墓がいるな、いつもの場所に」スタスタ

小鳥「……」

魔王「……石碑代わりは……これでいいか」スタスタ

魔王「……何故戻って来たんだ?戻って来なければ死なずにすんだろうに」ザクッザクッ

小鳥「……」

魔王「……これでよし、……安らかに眠れ」

小鳥の墓「……」

魔王「……いつの間にか増えたな」


∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥
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 ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥


魔王「……皆安らかに」スタスタ



魔王「……今日は本でも読むか」スタスタ

司書「……」

魔王「……あまり読んでない本は……」スタスタ

司書「……」

魔王「……どれも読み込んでしまったな、新しい本が欲しいな」

司書「……」

魔王「……これにするか」スッ

司書「……」

魔王「……ふむ……むう……」パラッ

司書「……」

魔王「……いかんな、やはり読む傍から内容が浮かんでしまうな」パラパラ

司書「……」

魔王「……寝るとするか」パタントサッ

司書「……」



魔王「……」スゥ

司書「……」ピクッ

魔王「……」スゥスゥ

司書「あれ?魔王様?いつから……寝ていらっしゃいますね、……えっと毛布が……あった」フワッ

魔王「……」スゥスゥ

司書「……?あら?この本……こんなに読んでたかしら?」

魔王「……」スゥスゥ

司書「こっちも……これも、変ね?まだそんなに古い本じゃないのに」

魔王「……」スゥスゥ

司書「……まあいいわ、……お隣失礼します魔王様」ピトッ

魔王「……」スゥスゥ

司書「……相変わらず可愛い寝顔ですね」クスッ

魔王「……んんみんな」スゥスゥ

司書「……みんな居ますよ、魔王様のお側にいつまでも」

魔王「……」スゥスゥ

司書「……お休みなさい魔王様」ピトッスゥ

魔王「……」スゥスゥ

司書「……」スゥ

魔王「……みんな……何故死んで……」スゥスゥ

司書「……魔王様」スゥスゥ



魔王「……ん?んー」ググッバサッ

魔王「ん?あっ」

司書「……」スゥスゥ

魔王「……司書……時間はもうじき夜明けか」

司書「……魔王様」スゥスゥ

魔王「……今だけは……」ナデナデ

司書「……ふふふ」スゥスゥ

魔王「……ふっ」フワッ

司書「……」スゥスゥ

魔王「……」スゥスゥ

司書「……愛しています」スゥスゥ

魔王「……」スゥスゥ

司書「……」

魔王「……」スゥスゥ

司書「……」

魔王「……司書」スゥスゥ

今日はこの辺で。
一応トリ付けます、ではまた次回。

どうも1です。
何か時間が空いたっぽいので、少し書きます。



魔王「……ん?朝か……」ムクッ

司書「……」

魔王「……元の位置に……」クイッスタスタ

司書「……」

魔王「……私も……今でもだ」スタスタ

司書「……」

魔王「……ふぅ……なるべく避けていたんだがな」スタスタ

魔王「……やはり私は弱いな、……勇者はまだ来ないな」スタスタ

側近「……」

魔王「……ハサミとジョウロを借りるぞ」スッ

側近「……」

魔王「……水を」スタスタ

メイド「……」

魔王「……」ジャポッ

メイド「……」

魔王「……」スタスタ

メイド「……」

魔王「……ここが伸びたな」パチン

スライム「……」

魔王「……」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……花が枯れる……もうじきか」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……」スタスタ



魔王「……部屋で寝るか」スタスタ

魔王「……夜まで、お休みみんな」スゥ



魔王「……ん?……夜か?」ムクリ

コンコン

魔王「……開いている」

側近「魔王様、食事の準備が出来たと、少々遅れましたが晩飯にしましょう」

魔王「……そうだな」スタスタ


魔王「……スライム」

スライム「あっ魔王様!ねえ聞いてよ!昨日綺麗に咲いてたお花が、今日は急に萎れてたの」

側近「先ほど私も見ましたが、確かに萎れてましたな、手入れを怠った訳ではないのですが」

魔王「……そんな日もある」

スライム「そーなの?」

メイド「あっ魔王様!今日は支度が遅れて申し訳ありませんでした!すぐに並べます」コトコト

魔王「……ああ」


魔王「……この後は……少し早いが、休ませてもらう」スタスタ


側近「分かりました、お休みなさい魔王様」

スライム「お休みなさい!」

メイド「お休みなさいませ魔王様」

魔王「……ふぅ」スタスタ

魔王「……明日には……元に」スタスタ



魔王「……あれからまた1カ月か……、そろそろ勇者が……」

扉「ガコォン」

勇者「魔王……」

魔王「来たか勇者よ、これで13回目か」

勇者「今日はこれを持ってきた、斬った相手を業火が焼き尽くす、炎塵の剣……ケホッ」

魔王「……勇者」

勇者「大丈夫だなんでもない、さあいくぞ……てやっ」ズバッゴオッ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「たぁっやっはケホッ」ズバッズバッゴオッ

魔王「……勇者」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「はぁはぁ……くそケホッまだまだ」ズバッゴオッ

魔王「……無駄だ勇者よ」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「くそ……何でだよ、もう……ケホッ」

魔王「……勇者よ、まだ諦めんか?」

勇者「当たり前だ、僕は諦めない!また来る」スタスタバタァン

魔王「……13回目か……もう……」



魔王「……花も全て落ちたな、また来年か……」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……もうじきだ、もうじき……」スタスタ

スライム「……」

魔王「……今日は……また釣りに行くか」スタスタ

魔王「……出かけて来る」

門番「……」

魔王「……今日はどこで釣るか……」スタスタ

ハーピー「……」

魔王「……あっちの池にするか」スタスタ

ドラゴン「……」

魔王「……さてと」ヒュッチャポン

魔王「……明日はどうするか……」

魔王「……まだ勇者は来ない……本ももう……」

魔王「……やはり釣りか……」

魔王「……やはりかからんな」


魔王「……そろそろ夜になるな、帰るか」チャポンスタスタ

ドラゴン「……」

魔王「……」スタスタ

ハーピー「……」

魔王「……戻ったぞ」

門番「……」

魔王「……」スタスタ

門番「……」

魔王「……時間だな」スタスタ

側近「……」ピクッ

魔王「……側近」

側近「おや魔王様、どうされました?ん?いつの間にか夜ですな」

魔王「……別に用がある訳ではない」

側近「そうですか?そろそろ晩飯の時間ですな」

魔王「……ああ」

メイド「すみません!食事の準備がまだ終わってなくて」タタタッ

側近「おや珍しい」

魔王「……別に急ぐ必要はない」

メイド「あっはい、すぐに終わりますので、もう少しお待ち下さい」タタタッ

側近「……魔王様?昨日の夜に何かありましたか?」

魔王「……昨日は何もないさ……何もな」



魔王「……スライム」

スライム「あっ魔王様!聞いてよ!昨日はお花が綺麗に咲いてたのに、今日は全部枯れて下に落ちてたの」

側近「花が?おかしいですね、今頃は一番見頃なはずですが」

魔王「……そんな事もある、花ならまた直に咲くさ」

側近「……はぁ」

メイド「お待たせしました!用意ができました」

魔王「……食べるとするか」


魔王「……この後はゲームでもしないか?」

側近「たまにはいいですね」

メイド「私もやります」

スライム「僕もやりたい!」

魔王「……みんなでやろう」



魔王「……今日も終わったか……、みんなお休み」



魔王「……朝か」スタスタ

魔王「……まずは庭の手入れだな、ハサミとジョウロ、それとホウキを借りるぞ」ヒョイ

側近「……」

魔王「……水も汲まないとな」スタスタ

メイド「……」

魔王「……水をもらう」ジャポッ

メイド「……」

魔王「……今日は枯れた花を片付けないとな」スタスタ

スライム「……」

魔王「……今年はまずまずだったな、来年もこうなればいいが」サッサッ

スライム「……」

魔王「……しばらくは我慢してくれよ」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……さて、釣りをしに行くか」スタスタ

スライム「……」

魔王「……まあ釣れはしないがな」スタスタ



魔王「……行ってくる」スタスタ

門番「……」

魔王「……明日はこの辺りの草でも刈るか」スタスタ

ハーピー「……」

魔王「……隣座るぞ」ヒュッチャポン

ドラゴン「……」

魔王「……釣れない糸を垂らし、ただ時を待つ」

ドラゴン「……」

魔王「……魚の一匹でも残っていれば、また違ったのだがな」

ドラゴン「……」

魔王「……今更ではあるがな」

ドラゴン「……」

魔王「……雲か……あの雲は門番に似ているな」

ドラゴン「……」

魔王「……あっちはスライム、こっちは側近だな」

ドラゴン「……」

魔王「……釣れぬな」

ドラゴン「……」



魔王「……そろそろか」

ドラゴン「……」ピクッ

魔王「……」

ドラゴン「ん?なんだ魔王か、いつの間に来た?」

魔王「……ついさっきだ」

ドラゴン「そうか、なんだ釣れておらんな」

魔王「……そんな事もある」

ドラゴン「坊主は久しぶりだろう」

魔王「……そうでもない」

ドラゴン「……何やら変わったか?3日前はもっと」

魔王「……そういう事もある」

ドラゴン「むう?」

魔王「……そろそろ帰るか」チャポン

ドラゴン「そうか、皆によろしくな」

魔王「……ああ」スタスタ

ハーピー「あら魔王様、ご機嫌麗しゅう」バサッ

魔王「……ああ」スタスタ

ハーピー「あら?お疲れのようですね?よろしければ子守歌でも」

魔王「……構わん、大した事ではない」

ハーピー「そうですか?では私はこれで」バサッ

魔王「……」スタスタ

いったん中断します

ちょっと再開



魔王「……戻ったぞ」

門番「あれ魔王様?いつ外に行ったんですか?」

魔王「……昼のうちにな」

門番「ありゃすみません、寝ちまってたみたいで」

魔王「……構わん、誰も来ないのだからな」

門番「はあ……」

魔王「……入るぞ」

門番「あっはいどうぞ」

魔王「……」スタスタ

魔王「……今日はこのまま食堂に行くか」スタスタ

メイド「あれ?魔王様?すみません!まだ準備が出来てなくて」

魔王「……急がなくていい」

メイド「あっはい」

魔王「……来たか」

側近「おや魔王様、先に来てらしたんですね」

スライム「魔王様!聞いてよ!お庭のお花がね、昨日は綺麗に咲いてたのに今日はもうなくなってるの」

側近「誰かが摘んだ訳ではなさそうですが、今日はまだ見頃のはずなのに、なぜでしょう?」

魔王「……そんな事もあるさ」

側近「はあ……魔王様?」

メイド「食事の準備が出来ました」

魔王「……食べるとしよう」


魔王「……この後みんなでゲームをしないか?」

側近「おおたまにはいいですな」

メイド「私もいいですか?」

スライム「僕も僕も」

魔王「……ああ……みんなでやろう」



魔王「……今日も終わりか、明日は草刈りをして、それから……もう少しか」トサッ

魔王「……みんなお休み」スゥ



魔王「……あれから半月か……」

扉「ガコォン」

勇者「……魔王」

魔王「来たか勇者よ、これで14回目だな」

勇者「今日はこれだ」スラッ

魔王「……なるほど、神殺しの魔剣か」

勇者「これでお前を」スッ

魔王「……来い」

勇者「……」ズバッ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「くっ」ズバッ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「何……で」ズバッ

魔王「……勇者」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「頼むから……もう……」ズバッ

魔王「……その剣でも、私は死なない」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「くうっケホッケホッ」ハァハァ

魔王「……勇者よ、まだ間に合う、もう諦めろ」

勇者「……もう無理だ、それに諦めるつもりはない」

魔王「勇者……何故そこまでする?」

勇者「……明日またくる、それがお前の死ぬ日だ」スタスタバタァン

魔王「……明日か、15回目……」



魔王「……まず庭の手入れだな」スタスタ

側近「……」

魔王「……ハサミとジョウロを借りる」ヒョイスタスタ

側近「……」

魔王「……次は水」スタスタ

メイド「……」

魔王「……水を汲むぞ」ジャポッ

メイド「……」

魔王「……さて水やりだ」スタスタ

スライム「……」

魔王「……来年もうまく咲くのだろうか?」シャァァァァ

スライム「……」

魔王「……ここが長いな」パチンパチン

スライム「……」

魔王「……これでよし、……明日か」スタスタ

スライム「……」

魔王「……明日こそ私は……」スタスタ

司書「……」

魔王「……我ながら情けないな、笑ってくれて構わんぞ」カキカキスッ

司書「……」

魔王「……後は夜まで待つか」スタスタ

司書「……」

魔王「……勇者よ……明日は……」



魔王「……そろそろか」

魔王「……気配があるな」

コンコン

魔王「……開いている」

司書「失礼します」ガチャ

魔王「……すまんな、忙しいだろうに」

司書「いえそんな、魔王様の呼び出しとあらば、いつでも構いません」

魔王「……ありがとう」

司書「それで魔王様、今日は何のご用でしょうか?」

魔王「……司書よ、今日は共に居てくれないか?」

司書「……分かりました、あなたに何があったかは知りませんが、私はいつでも、いつまでもあなたのお側にいます」スッ

魔王「……ありがとう」ギュッ

司書「ふふっ、久しぶりですね、こういうのは」

魔王「……構わんか?」

司書「はい、私の全てはあなたの物です、あなたの好きにしてください」

魔王「……司書」スッ

司書「魔王様」スッ

 チュッ




魔王「……朝か」チラッ

司書「……魔王様」スゥスゥ

魔王「……愛しているぞ」チュッ

司書「……んん、愛しています」スゥスゥ

魔王「……ありがとう」

司書「……魔王さ」スゥス

魔王「……書庫に運ぶか」スッ

司書「……」

魔王「……」スタスタ

司書「……」



魔王「……」

扉「ガコォン」

勇者「……ケホッ」

魔王「来たか……」

勇者「魔王……今日で最後だケホッ」スラッ

魔王「……」

勇者「触れた者のケホッ魂を喰らう、魂喰いの邪剣……これでお前をケホッ、お前の魂を全て喰らう」

魔王「……何故そこまでする?その剣は触れた者、つまり勇者の魂までも喰らうのだぞ」

勇者「……僕も本当は使いたくなかった、でも僕はもうケホッケホッ限界だから、これで最後だから」

魔王「……明日、明日でちょうど1年だ」

勇者「何がだ?」

魔王「お前が最初にこの城に来てからだ」

勇者「そうか……1年かかったか」

魔王「さあ……始めようか」

勇者「ああ……最後の……挑戦だ」

魔王「……」

勇者「はあっ」ズバッ

魔王「……ぐっ」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「このまま、魂をケホッ喰らい尽くす」ズバッ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「せやぁっ」ズバッ

魔王「……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「ぐっはぁはぁ、後少しなのに」カラン

魔王「……限界だ勇者よ、もうお前は」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「……すまない、約束したのに」

魔王「十分だ勇者よ」

勇者「……悪いな」スタスタバタァン

魔王「……これで1年か……」スタスタ

魔王「ふむ困ったな」カキィン

正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
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正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正



魔王「……ついに壁が埋まってしまったな、……次は床に付けるか」

魔王「……勇者よ、死してなお約束を守ろうとする真の勇者よ、私は待っているぞ、お前の剣が、私の魂を喰らい尽くすまで、何千年も……何万年も……ずっとな」

魔王「……庭の手入れをしなければな」スタスタガコォン

勇者「……」

魔王「……また明日から、よろしくな勇者」スタスタ

勇者「……」

今はここまでで。
ではまた次回。

どうも1です。
眠くなるまで書きます。



魔王「……そろそろか」

扉「ガコォン」

勇者「!お前……お前が魔王か?」

魔王「いかにも、私が魔王だ」

勇者「……この城の周り、この辺り一帯を覆うのは何だ?お前がやっているのか?」

魔王「違う……あれは私がやった訳ではない」

勇者「じゃあ誰がやった?」

魔王「……あれは猛毒の呪いだ」

勇者「なっ!?」

魔王「安心しろ……もはや元の力は無い、長居しなければ大丈夫だ」

勇者「……誰がやったんだ?そんな規模の呪いなんて聞いた事ないぞ」

魔王「……もはや語る意味はない、その国は滅んだ、数千年の昔にな」

勇者「数千年?それが今でも残っているのか?」

魔王「理由は知らん、もはや術者達は居らず、その知識は失われた」

勇者「……その時の魔王を倒す為か」

魔王「正確には……私だ」

勇者「え?」

魔王「この呪いは私を殺す為にかけられた物だ、もっとも私の命だけは奪えなかったがな」

勇者「……城内にあった魔族達の死体は?」

魔王「私の部下達だ、みんなこの呪いで死んだ……私だけを残してな」

勇者「……数千年」

魔王「私を狙った物なのに、私だけが偶然毒に耐え、死ななくなった」

勇者「……1人で生き続けて来たのか?」

魔王「……そうでもない、みんなは夜な夜な動き出し、私と様々な事をしてくれる」

勇者「……」

魔王「もっとも何故かは分からない、それにみんなには死んだ自覚はない、夜にかけられたこの呪いで死ぬ前、その日までの記憶をもって夜な夜な起き上がる」

勇者「……」



魔王「……さあ勇者よ、ここにお前の望む魔王はいない、居るのはただの死ねない魔族が1人だ」

勇者「……」

魔王「悪い事は言わん、早く帰れ……毒がその身を蝕む前に」

勇者「……死ねないっていうのは?どういう意味だ?」

魔王「……試しにその剣で、私を貫いてみよ」

勇者「……いいのか?」
魔王「……やれ勇者」

勇者「くったあっ」ザスッ

魔王「……見ていろ」

勇者「……!傷が……」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

魔王「毒に耐える為に、私の肉体は本来の機能を捨て、この再生を得た……あらゆる傷がこうして塞がっていく」

勇者「それで死ねない……か」

魔王「……さあこれでいいだろう?」

勇者「……あの壁の文字は何だ?一面に書いてあるが」

魔王「……昔部下に教わった、どこぞの国の文字で、線1本で1つ……5本で出来たあの文字1つで5つを意味するらしい」

勇者「……まさかこれは」

魔王「……ある時からの私が生き続けてきた時間だ、もはや覚える事も……数える事も止めてしまったがな」

勇者「……魔王」

魔王「……私は生き続ける、生き続ける事だけが今の私の役目だ」

勇者「……なら僕は勇者だ」

魔王「……」

勇者「勇者は魔王を倒すのが役目だ」

魔王「……勇者よ止めておけ、毒に蝕まれれば死ぬ事になる」

勇者「そんなの関係ない、僕がこうするべきだと思うから」

魔王「……そうか」

勇者「だから……」


勇者「僕がお前を殺してやる」

魔王「楽しみにしていよう」



勇者「待っていろ、お前を殺す為に僕は頑張る、お前を殺して……みんなの所に逝かせてやる」

魔王「……そうか」

勇者「……またくる、お前を殺す手段を用意してな」

魔王「……1年だ」

勇者「ん?」

魔王「お前が呪いに耐性をもっていたとしても、何度も足を運べば毒が体を蝕む」

勇者「……タイムリミットはせいぜい1年、という事か」

魔王「そうだ」

勇者「……肝に銘じておく」スタスタ

魔王「いつ止めても、いやそもそもやらずとも私は、お前を恨みはしないぞ」

勇者「……関係ないよ、僕は僕がやるべきと思う事をするだけだ」スタスタバタァン

魔王「……やはり説得は無駄か、また1年の始まりだな、……今度こそ私の命が尽きる事を……」

魔王「……ふっ、魔王である私が神頼みとはな」スタスタ

魔王「……まずは庭の手入れからだな」

 終わり

とりあえずこれで終わりです、何だかちょっとあっさり終わったなぁ。
まぁ元々は全く違う話だった訳ですから、多少は仕方ないですかね。
質問や感想があったらどうぞ。

乙。ループ系か
魔王に救いが欲しいよ・・・

>>66
一応あります、まあ救いと言うか何と言うかですが。
勇者が最後に使った魂喰いの邪剣では魔王は肉体だけでなく魂も削られています、魂が削りきられた場合は、例え不老不死でも死にます。
なのでこのループはいつか必ず終わります、魔王の死をもって。

これはどくけしそうが必要だな



仲間達が夜だけ生き返るのはなんで?
魔王の魔翌力かなんか?

>>68
5秒に1つくらいですかね?
>>70
簡単に言えばそうです、毒によって肉体が魔翌力で補われた形になっており、食事の必要すらなくなっています。
加えて夜は魔翌力が強まり、魔王の肉体以外、仲間達の体も動き出します。
ちなみに描写はありませんが、魔王の戦闘能力はほとんど失われています、不死身なだけでろくに戦えないです。

まあ余り細かい設定まではしてません、そもそもシリアスっぽくなったのは偶然で、もともとはギャグになる予定で、設定も大分違いました。

>>72
今すぐ初期バージョンを開始する作業に戻るんだ

それにしても最初から独特の雰囲気で冗談や軽口を挟めない感じだったのに
元がギャグってその発言自体がギャグにしか思えんなwwww

>>73
一応お蔵入りと言うか、出だしの辺りだけしか出来てなかったんですが、せっかくなので希望があれば書きます。

これは勇者もループし続けてるのか

>>76
勇者は魔王城、正確には玉座の間の扉の前に立つ所から、死ぬまでの1年を繰り返しています。
部下達と同じで自分が死んだ自覚はないです。

ではせっかくなので、ちょっとまとめてきます、今日中に始めれるかと思いますが、深夜になるかもしれないので、のんびりお待ち下さい。

なんとまあ
魔王はざっと何年生き続けてるんだ?

>>79
元の年齢にプラス、呪いから数千年、勇者が来てから更に数千年、ざっとみて1万年近くは生きてますね。

とりあえず元のやつのさわりだけ。



魔王「……む?来たか」

勇者「魔王!今日こそお前を倒す!」ガタァン

魔王「やってみるがいい!」パラパラ

勇者「いくぞ!てりゃりゃりゃりゃぁ!」ズババババッ

魔王「ふん!片腹痛いわ!」パラパラ

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「この!くの!での!」ズババババッ

魔王「その程度か?全く死ぬ気がしないなぁ」パラパラ

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「くそ!このデタラメ野郎が」ズバッ

魔王「その程度ではちっとも死ねないなぁ 」パラパラ

[魔王の傷がみるみる塞がっていく]

勇者「せめてこっちを向け!本を読むな!」ズバッ

魔王「ほれほれ隙だらけだぞ?」パラパラ

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「くそがぁ!何で勝てないんだ!」

魔王「ふん!私の再生力の前に敵はいない!」フフン

勇者「普通の殴り合いじゃあ、魔法使いにも負ける癖に」

魔王「ぐあっ傷付いた!何でそう言うこと言うかな?」

勇者「自慢の再生力はどうした?この程度なら平気だろ?」

魔王「こんのー、言わせておけば、許さん!食らえ!」ブンッ

勇者「痛っ」ポコッ

魔王「……」

勇者「……」

魔王「……ふっ」

[魔王の傷がみるみる塞がっていく……魔王は完全に回復した]

勇者「どこ怪我したんだよ!何?殴って手を痛めたの?このもやしめ!」

魔王「ぐうっくそっ勇者の分際で」

勇者「悔しかったら殴り合いで勝ってみろ」

魔王「このー、そっちこそ私を倒してみろ」

勇者「言ったなこのデコすけ」

魔王「それは止めろって言ってるだろ!」

ギャーギャー


側近「またやってるよ、お互い進歩しないねぇ」ズズー

魔法使い「本当にね、あっこれ美味しい」パリパリ


勇者「このデコすけもやし!」

魔王「無駄に逆三角形!」

こんな感じ。

どうも1です。
間がずいぶん空いて申し訳ありません、とりあえず>>83の続きを少々書きます。



勇者「帰るぞ魔法使い!」

魔法使い「はいはい、またね側近さん」

側近「お待ちしてます」

魔王「次こそ私を倒してみろ!」

勇者「うるせえっ!言われなくてもやってやる!」

バタン

魔王「ふっふっふっ、勇者の奴無駄な事を」

側近「そう思うなら魔王様が勇者さんを倒してみては?」

魔王「……私は不要な戦いは好まんのだ」

側近「魔王のセリフじゃないですね」

魔王「ええいうるさい!」

側近「まあそれは置いといて、仕事に戻って下さい」

魔王「うぐ……あっあいたたた、あー何かさっき斬られた所が疼くなぁ……、思ってたよりも効いてるなぁ」チラッチラッ

側近「ダメですよ」

魔王「……」

側近「……」

魔王「嫌だ!もう書類を見るのは嫌だ!」ダダダッ

側近「はいはい分かりましたよ」ガシッ

魔王「分かってない!全然分かってない!」ズルズル

側近「今日は少ないですから、我慢して下さい」ズリズリ

魔王「嫌だぁ!」ズルズル

バタン



勇者「くそっ魔王の奴!ふざけやがって」ガツガツ

魔法使い「うーん……」

勇者「ん?どうした魔法使い」

魔法使い「ちょっとね、次の手土産どうしようかなって」

勇者「手土産持参で魔王討伐する勇者がどこにいるんだよ!」

魔法使い「倒せないじゃん」

勇者「うぐっ……あの再生さえなければ犬やスライムと変わらないのに」

魔法使い「側近さんも言ってたよね、新魔王決定戦トーナメントで、全試合相手の降参負けだったって」

勇者「それも魔王を殴り疲れてだもんな」

魔法使い「決勝なんて3日かかったらしいしね」

勇者「つか今更だけど、何であいつ参加したんだ?いくら負けないからって自力で勝てる訳じゃないのに」

魔法使い「どうしても魔王になりたかったんじゃない?」

勇者「うーん次行った時に、倒す前に聞いてみるか」ムシャムシャ

魔法使い「そうね……それよりもこの後はどうするの?」

勇者「修行だ!あいつの再生力を上回る攻撃力を身に付けてやる!」ガツガツ

魔法使い「えっとその後は?」

勇者「疲れてるから寝る!ごちそうさま!うまかった!」

魔法使い「あ、うん……どういたしまして?」

勇者「じゃあ行ってくる!先に寝てていいぞ!」ガチャバタン

魔法使い「あっ待っ……はぁ」カチャカチャ

魔法使い「まったく……修行だトレーニングだって……そればっかりじゃない」ゴシゴシ

魔法使い「私が寝るまで帰ってこないし、起きた時には外で素振りしてるし、……本当に寝てるのかしら?」キュッキュッ

魔法使い「……偶には相手してくれてもいいのに」ハァ



魔王「終わった」フラフラ

側近「お疲れ様です、食事の準備は出来てるそうですよ」

魔王「うい……側近も偶には一緒に食べないか?」

側近「そうですね……今日はもう仕事もありませんし、構いませんよ」

魔王「じゃあ食堂まで運んで、疲れて歩けない」

側近「足を掴んで引きずっていいなら」

魔王「さあ食堂に行こうか」スタスタ

側近「はぁ……まったく、アナタは魔王なんですから、もっとちゃんとして下さいよ」

魔王「はいはい」

側近「……本当にちゃんとした魔王になって下さいね」ボソッ

今日はとりあえずここまで。
こんな感じで、ちょろちょろ書きに来ます、ではまた。

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