淡「クロチャー捕った!」誓子「ひっ!」 (127)

代行 ID:6ZstqaKW0

代行ありがとうございます
即興なので遅いですが、良かったらどうぞ

淡「見てみてテルー!会場の外のベンチでくつろいでたからクロチャー捕まえてきたー!」

照「ほんとだ。おっきいね」

クロチャー「ナノデス!ナノデス!」ジタバタ

菫「…」

淡「あれ?どうしたのスミレ先輩?顔が真っ青だけど…」

尭深「…ドン引き」

淡「え?」

誠子「淡…お前なぁ。私は釣りで慣れてるから良いけど、普通の女子は高校生にもなったら普通は怖がるもんだろ」

淡「亦野先輩」

照「私は平気だよ?」

誠子「でも宮永先輩は長野ですし」

尭深「佃煮とかで食べるって聞いてますけど」

淡「えっ!テルー、クロチャー食べるの!?それは流石に私も…」

照「それは一部の地域だけだよ。私のところは食べない」

淡「なんだー」ホッ

菫「とっ!とにかく!捨ててこい!」

淡「え~?せっかく捕ってきたのに!飼っちゃ駄目?頭いいし可愛いじゃん~」ナデナデ

クロチャー「ナノデスー!ナノデスー!オセンベヤナノデスー!!」ジタバタ

照「あ。嬉しそうに動いてるよ。可愛い」

淡「ほらほら、テルもそー言ってるよ~?」ナデナデ

クロチャー「オモチー!オセンベドッカイクノデス~!!」ジタバタ

誠子「おっ、ホントだ。確かにちょっと可愛いかも」ツンツン

クロチャー「ガルルルル」

尭深「なにこの部屋怖い」ツツツ

菫「駄目だ!!絶対駄目だ!!とにかく捨ててこい!!いいか!試合までに、絶!!対!!捨ててくるんだぞ!!でないとお前は大会中おやつ抜きだ!!」

淡「なにそれ!オーボーだよ!!」

照「そうだよ菫。クロチャー一匹でそれはいくらなんでも酷いと思う。なんでそこまで嫌うの?」

菫「あったりまえだろうが!!異常なまでにでっかい目とか!身体に対して気持ち悪いくらいでっかい頭とか!餅が好きって習性もおぞましい!!」

尭深「同意。死ぬほど同意」コクコク

淡「そんなー…」

クロチャー「オセンベ、シスベシ、オセンベ、シスベシ」ガルルル

菫「……それに、お前らどう見ても嫌われてるだろ」

淡「え~?そんなこと無いよね~?」ナデナデ

照「そうだよ。菫は偏見を持ってるからそんな事を言うんだ」ナデナデ

誠子「ははっ、こうして見ると結構可愛いかも。ヒラメとかスズキとかタチウオ釣るのに良い餌だったけど、すぐ噛み付いてくるんであんまり好きじゃなかったからなー」ナデナデ

クロチャー「シヌノデス!オセンベドモ!!」ジタバタ

菫「…」

尭深「…」

淡「ほら、尭深先輩もそんなに警戒しないでよ」

照「ちゃんと見てみたら案外可愛いはずだよ」

誠子「大丈夫だって尭深。もし万が一噛み付いて来ようとしたら私が守ってやるから」

尭深「え?……誠子ちゃんがそう言うなら。ちゃんと守ってね?」

誠子「任せときなって」

尭深「…」オソルオソル

クロチャー「…」

尭深「…」ドキドキ

クロチャー「オモチ!!」

尭深「ひっ!?」

クロチャー「オモチ!オモチ!」ジタバタ

淡「うわっ!?この子、いきなり暴れ始めた!」

照「淡!ちゃんと抑えて!」

尭深「あわわわ」

誠子「なんだこいつ!?いきなり狂ったように!さっきまでと全然違う…」

クロチャー「オモチーーー!!」ガバッ

尭深「きゃあっ!」

クロチャー「~~♪」

淡「あ~っ!この子!たかみ先輩の胸に飛び込んで…」

クロチャー「フー!フー!」モゾモゾ

尭深「やっ…!あっ…!せーこちゃっ…!あっ…!たったすけ…あっ…いやっ…」

照「尭深の胸を揉みしだきながら谷間に潜り込もうとしてる…」

誠子「こいつっ!」ヒョイッ

クロチャー「ハナスノデスー!!」ジタバタ

尭深「はぁ…はぁ…」

淡「大丈夫?たかみ先輩」

尭深「もう嫌…」

照「尭深は嫌われちゃったか。動物って自分に対する相手の感情をちゃんと把握する傾向があるからね。やっぱり怖がってたから」

誠子「あーあー。尭深の制服がぐちゃぐちゃだ。ごめんな。アイツがあんまり突然暴れ始めたもんで…」

尭深「もういいよ…誠子ちゃん、着替え手伝って」

誠子「はいはいー」

淡「もー!ダメだよ?せっかくたかみ先輩懐柔して4対1に出来るとこだったのに」

菫「例え4対1になっていようと私は許さんからな」

照「菫も頑固だなぁ」

菫「とにかくだ!これでそいつの危険性も露呈されただろう!殺せとは言わんから、早く外に捨ててこい!」

淡「ぷ~~!」

照「う~ん…」

支援

淡「こんなに可愛いのにねぇ」ナデナデ

照「ねぇ」ナデナデ

クロチャー「オセンベシスベシ ジヒハナイ」ジタバタ

菫「…」

淡「…」チラッ

照「…」チラッ

菫「ダメだ」

淡「む~…」

照「手強い…」

菫「ほら、早く行けって」シッシッ

淡「クロチャー、ほら、スミレ先輩が捨てろって。スミレ先輩が悪いんだからね」

照「外で猫とかに捕られそうになったらアイツの顔を思い出すんだよ。今のうちにあの顔覚えとくように」

菫「良心に訴えても無駄だ」

淡「ぐぬぬぬ…」

照「…」

菫「大体だなぁ。そいつがどういう生き物かお前たちはわかっているのか?」

菫「生き物を飼うには、責任が伴うんだぞ?淡、お前に責任をもってそいつの世話を続ける事が出来るか?飽きたら捨てるんじゃ碌でなしだ」

菫「住処だって、食べ物だって用意してやらなければならない。お前らの食べかけのお菓子やれば済むってもんじゃないんだぞ」

菫「病気にかかったらどうするんだ?病院に行くにも金がかかるんだぞ?照も安易に淡の味方してるんじゃない。そんなんだから甘いって言うんだ」

菫「責任を持てないなら安易に動物を飼うなんて言うな。それにそもそもそんな奴獣医でも見てくれるところがあるかどうか」

淡「む~…」

照「…」

菫「それに…ん?」

クロチャー「…」ジー

菫「なんだ?私の方そんなに見て」

淡「あっ!もしかしたらクロチャーが菫の事気に入ったのかも!」

照「そうだよ淡。だったら菫がクロチャーの事気に入ってくれたら…頑張れクロチャー、菫に気に入ってもらえればこの部では安泰だ」

菫「何言ってるんだ。だから私はクロチャーは好きじゃないと…」

クロチャー「…」ジー

菫「う…」

淡「揺らいでる!揺らいでるよテルー!」

照「よし!もう一歩だ!」

菫「そ、そんな目で見るな…わ、私は屈しないからな…う…」

クロチャー「…」ジー

菫「うう…」

クロチャー「…」ジー

菫「ううう…」

クロチャー「…」ジー

菫「…くっ…わ、わかった…」

クロチャー「…」ジー

菫「…ああもう!わかった!わかったから飼うのを許可…」

クロチャー「…ニセチチナノデス」ハッ

菫「やっぱり害獣はサーチアンド駆除だな」スッ

淡「スミレ先輩!?」

照「アーチェリー取り出そうとしてる!逃げて淡!クロチャー!」

菫「ええい離せ照!これは狩りだ!安心しろ!せめて上手いこと心臓一突きにして苦しまない様に殺してやるから!」ジタバタ

淡「あわわわ」

照「急いで淡!早くクロチャーを連れて逃げるんだ!私が抑えてる間に!」ギューッ

淡「わっ!わかった!」

クロチャー「テッパンガ ニセチチヲ オサエツケテルノデス」ププッ

菫「逃げるな淡!そいつなんだかよくわからんが死ぬほど腹立つ!殺して晒して乾かして水で戻して誠子の釣りの餌にしてやる!!」ジタバタ

照「淡!早く!!」

淡「テルー!ありがとう!」ギュッ

クロチャー「ナノデス?」キョトン

照「クロチャー!淡!」

淡「行くよ、クロチャー!」ダッ

クロチャー「ナノデスー」

菫「逃げるなぁああああああああああああ!!!」ジタバタ

照「お願い!!二人共!!お願いだから……」

淡「テルー…!ありがとう!!!」

 







照「生きて!!!!!!」







 

会場の外

淡「ふー…スミレ先輩怖かったねー」テックテック

クロチャー「ナノデス」コクコク

淡「これからどうしようっかなー。あそこに戻るにしてもこの子居たらまたスミレ先輩に殺されそうになりそうだし」

クロチャー「ナノデスカ?」キョトン

淡「やっぱり逃がしたほうがいいのかなー」

クロチャー「ナノデス」コクコク

淡「でも可哀想だしなー。折角こんなに私に懐いてるのに」

クロチャー「ナノデスッ!?」

淡「う~ん…」

誓子「ひっ!」

淡「ん?」

誓子「な、なんですかそれ!?」

淡「え?」

誓子「な、なんですかそのおっきな………おっきな…えっと、何?」

淡「え?この子?」

誓子「は、はい…それはなんていう生き物…なんですか?」

淡「えっ?クロチャー見たこと無いの!?」

誓子「クロチャー…ああ、それがクロチャーなんですか。初めて見ました」

淡「へー。凄いな、どこのお嬢様?汚い飲食店とか人気の少ない路地裏に行けば幾らでも見れるでしょ?」

誓子「っていうか、北海道には生息していないので…」

淡「えっ!?そうなの!?」

誓子「性格には、函館や札幌の繁華街では内地から来た種類が一部繁殖しているところもあるそうですけど…少なくとも私の住んでるところでは見たことありません」

淡「北海道!」

誓子「はい。有珠山高校の2年生、桧森誓子と言います」

淡「白糸大の期待の1年生、大星淡だよー」

誓子「あら、1年生?」

淡「実力は100年生級だけどね!タメ口でいいよ、よろしくっ!」

誓子「自分の方が年下なのに…まあいっか。よろしく、淡ちゃん」クスクス

淡「で、こっちがクロチャー!さっきそこで捕まえた子!」

誓子「これがクロチャーかー」シゲシゲ

クロチャー「オオキクモナク チイサクモナイ ビミョウナオモチ ナノデス…」ウヌヌヌ

淡「さっき私のとこの控室に連れてったんだけど、先輩がどうしても駄目だーって言って追い出されちゃったんだよ」

誓子「そうだったんだ」

淡「でも捨てるのも可愛そうだなーって思ってさ。どうしようかって途方に暮れてたんだよ」

誓子「こっちの方じゃ害獣扱いされてるって聞いたもんなー」

淡「そーだ、チカコ飼う気ない?」

誓子「えっ?」

淡「北海道だったら珍しいんでしょ?向こうには居ない珍しいペットとしてどうかな」

誓子「う~ん…」

淡「チカコ優しそうだし、チカコなら私も安心してクロチャーを預けられるよ」ウンウン

誓子「どうしようかなぁ。確かにペットは欲しいって思ってたけど…クロチャーかぁ。うーん…」

クロチャー「ナノデス?」

淡「ね!ね!ほら!」

誓子「だったら、一回うちの控室にも連れてっても良いかな?みんなの意見も聞いてみたいし」

ちかちゃんって3年生じゃなかったっけ?

淡「わかった!それじゃあ私もついてっていい!?」

誓子「勿論。それじゃあ案内するから、クロチャーを連れて付いて来てね」

淡「ありがとうチカコ~~」ギュッ

誓子「あはは、どういたしまして」ナデナデ

淡「うじゅ~♪」

クロチャー「マッタクモッテ!」

>>58
そうだったわ
なんか勘違いしてた

有珠山高校控室

揺杏「ただいまー。買い出し行ってきましたー」

爽「おお、ご苦労」

成香「ふう…重かった」

由暉子「試合前にこんなに沢山のお菓子買ってこさせるなんて、どうしたんですか?」

爽「ああ、試合までにちょっと時間があるだろう?それで暇潰しにゲームでもしようかと思っていて」

成香「ゲーム…ですか?」

揺杏「別にそれは構いませんけど…一体どんなゲームを?」

爽「インターハイってのは、要は都道府県の威信をかけた国取りだろ?つまり国取り対決だ」

由暉子「はあ…」

爽「よって、それにかこつけ…じゃなかった、あやかったゲームをしようと思うんだ。麻雀は頭使うし、糖分もとれて一石二鳥だぞ」

揺杏「それってまさか…」

爽「甘いもの国取り物語。甘いもの対決inインターハイ~」

成香「なんで試合前にそんな苦行行わなきゃいけないんですか!」

爽「おっ、言ったな?成香。なら早速お前に勝負を挑む。このすあまで勝負だ」

成香「嫌です!ユキちゃん助けて!」ササッ

由暉子「はあ…」

爽「ユキはこういう時リアクション薄いからつまんないんだよな~。こういうのはやっぱ成香だろ」

揺杏「ルールはいつもどおり、規定量を先に食べた方の勝ち。今回は先にすあま5個食べた方の勝ちって事で」

成香「甘い物は好きだけど嫌いになりそうです」

揺杏「成香ちゃん、まだ一回も獅子原先輩に勝ったこと無いよね?今度こそ頑張れ!」

成香「ううう…誰も止めてくれません…」

爽「はっはっはー。それじゃあ行くぞ?よ~い…」

誓子「ただいまみんな~」ガチャッ

淡「おじゃまします!」

クロチャー「ナノデス!」

爽「おお、お帰り誓子」

揺杏「おかえりなさい」

由暉子「本内先輩、まだスタートの号令かかっていないので今食べているのはノーカンです」

成香「んがぐっぐ…」

揺杏「あれ?桧森先輩、そっちの人は誰ですか?」

爽「おわっ!大星淡!?」

成香「白糸台の…どうしたんですか?」

淡「みんな私の事知ってるの?えへへ、私って有名人だ~」

爽「そりゃあお前くらいになったら、な。で、何しにきたんだ?」

淡「おっと、そうだった!」

誓子「実は、この子の事で相談があって…」

爽「この子って…」

クロチャー「オモチ…」キラキラ

爽「おおっ!?クロチャー!?」

成香「きゃあああああああああああ!!」

揺杏「へー。これがクロチャーかー。初めて見る」

誓子「さっきこの淡ちゃんが捕まえたらしいんだけど、私に飼ってくれないかって」

淡「そうなの!チカコじゃなくっていいから、他のみんなはどう?」

成香「わっ!私は嫌ですっ!!」

爽「へー、こんな感じなんだ。思ったよりでっかいな」ツンツン

揺杏「北海道じゃ見ないですからね。面白い」ツンツン

誓子「ね?思ったより可愛いし、内地の人があれだけ嫌がるのが不思議だよね?」ツンツン

クロチャー「ヤメルノデス!!」

成香「なんでみなさん平気なんですか!?」

爽「だってカブトムシとか野良猫みたいなもんじゃんよー」ツンツン

成香「納得いきません!!」

由暉子「…」ジー

爽「ん?ユキも興味あるか?」

成香「ユキちゃん!危ないよ!クロチャーって人によってはいきなり飛びかかってくるって…」

爽「だいじょうぶだいじょうぶ、へーきへーき」

成香「だから何を根拠に…って」

由暉子「…」ジー

クロチャー「…」ジー

クロチャー「…オモチ」ワキワキ

淡「あっ、こら…」

クロチャー「オモチーーーー!!」ガバッ

爽「うおっ!?」

揺杏「跳んだ!?」

成香「きゃああああああああああああ!!」

誓子「危ないユキちゃん!!」

クロチャー「オモチィィイィイイイイイイイイ!!!」

由暉子「おっと」バシッ

クロチャー「ゲフッ」グチャッ

淡「えっ」

誓子「えっ」

爽「あっ…」

揺杏「…」

成香「フュピッ」 ←口の端から空気が漏れる音

由暉子「あ、まだちょっと生きてますね。ちゃんと潰しておきましょう」グリグリグシャッ

淡「…」

誓子「…」

爽「…」

揺杏「…」

成香「…」

由暉子「ティッシュティッシュ…よいっしょ、ゴミ箱にぽいっと」ポイッ

淡「…」

誓子「…」

爽「…」

揺杏「…」

成香「…」

由暉子「うん、汁も上手く拭き取れました。さあ獅子原先輩。甘いもの対決の続きを本内先輩とどうぞ」

爽「いや…あの…」

由暉子「?」キョトン

爽「いやキョトン?じゃなくてさ。くそう不思議そうに首傾げやがって可愛いなこのやろう」

由暉子「私何か悪いことしたでしょうか」

爽「いや、そのだな。えーっと…あー…まあその…」

淡「うわああああああああああああああああああん!!!」

誓子「…あ、淡ちゃん!?」

淡「クロチャーが死んだーーーーーーーーーーー!!」ビエーーーン

由暉子「えっと…」

淡「このひとでなし!!」ビシッ

由暉子「はあ」

成香「ブクブク」

揺杏「あ、成香ちゃんが泡吹いてる」

爽「やっちまったな」

由暉子「よくわかりませんがごめんなさい」ペコリ

淡「絶対許すもんか!クロチャーの仇!100回泣かしてやる!」

爽「成香相手なら簡単だけどそいつ泣かすのは小鍛治健夜でも多分無理」

由暉子「まさかゴキブリやハエみたいな生き物を叩き潰しただけでそんなショックを受ける方がいらしたとは」

淡「うわあああああああああん!!」

爽「ああ…すまんすまん」

揺杏「ユキちゃんも無意識に煽らないの」

誓子「ごめんね淡ちゃん。本当にごめん」

淡「お前なんか嫌いだーーーーーーーー!!このチビっこおばか残酷おっぱいーーー!!」

由暉子「困りました…」

爽「どうすっかなぁ」

淡「びえええええええええええん!!」

誓子「うーん…あ、そうだ」

淡「びえええええええええええん!!」

誓子「あ、淡ちゃん!もし良かったら、大会終わった後夏休みのうちに北海道に遊びに来ない!?」

淡「びええええええ…ふえ?」ピタッ

爽「誓子?」

揺杏「どうしたんですか?いきなりそんな…」

誓子「こんな事で罪滅ぼしになるかはわからないけど…嫌な思い出だけを覚えて別れてさよならなんて悲しいよ」

誓子「それに、ユキちゃんも淡ちゃんも同じ一年生。悲しい手違いでこんな事態になっちゃったけれど、このまま3年間ずっと嫌われたまま毎年全国で会う事になったらお互い辛いだろうし…」

誓子「それで…もし淡ちゃんが良かったらだけど、私達のところに遊びに来てもらって、一緒に遊ぶことでお互いのわだかまりを少しでも溶けたらなって」

淡「うううー…」

誓子「ごめんね?淡ちゃん。ユキちゃんも本当は悪い子じゃないんだ。でも、ちょっとだけ淡ちゃんと意識に差があったの」

淡「クロチャー…」

誓子「すぐに許してとは言わないよ。でも、少しだけでいいからユキちゃんの事もわかってあげて」

淡「…」グスン

誓子「ユキちゃん?」

由暉子「すみませんでした。考えが足りませんでした」

誓子「私じゃなくて淡ちゃんに言うんだよ」

由暉子「…すみませんでした。その…大事なクロチャーを殺しちゃって」

淡「…まだ許せない」

誓子「それは仕方ないね。それだけのことをしたんだもん。ね?ユキちゃん」

由暉子「はい…」

誓子「それで、淡ちゃん?もし良かったらなんだけど…」

淡「…ユキは嫌いだけど、チカコは良い人だし、行く」

誓子「そっか…それじゃあ、私の連絡先と、住所。日程さえ決めてくれたら教えてくれたらこっちもおもてなしの準備するから」

爽「そういうことなら仕方ない。お前一人くらいの交通費なら出してやるよ。みんなで割り勘すれば大した額じゃないしな」

揺杏「いいねいいね!おもてなしは大好きだよ!北海道の美味しいものとかいっぱい食べさせてあげちゃう!」

成香「う~ん…」

淡「みんな…」

爽「あ、でも他に友達連れてくるのはいいけど、そいつらの分は交通費は自分らで払えよな!」

淡「なんだか悪いよ…」

誓子「気にしなくっていいから!道産子はおおらかなんだよ」

淡「…」

揺杏「楽しみだなー。観光って言ったらやっぱりあの牧場は外せないよね?あとはあそこの海産物と、しぼりたての牛乳と…」

淡「…ありがと」

誓子「ううん。こっちこそごめんね。さあ、そろそろ白糸台の試合が始まるよ?」

淡「うん。それじゃあ、私はもう行く。あとで絶対連絡するから」

爽「行ってしまったか…」

誓子「いい子だったよね」

揺杏「そうですね。まさかこんなタイミングで大星淡と北海道に呼ぶくらい親交を持つ事になるとは思いませんでしたけど」

由暉子「みなさん、すみませんでした…」

爽「まあ、クロチャー相手だったし気持ちはわからんでもないけどな」

誓子「だからって人が大事にしている動物を勝手に殺すのは駄目だよ」

由暉子「はい」

爽「しおらしいユキも新鮮だな~」モミモミ

由暉子「…」

誓子「でも、嫌な時は抵抗してもいいんだからね?例えば、今とか」クスクス

爽「そんな事ないよな~?ユキ、私に胸揉まれても嫌じゃないよな~?」モミモミ

由暉子「はあ…まあ、別に気持ちよくもありませんけど」

揺杏「クール…」

成香「…はっ」

数週間後
有珠山高校近く

淡「みんな!お久しぶり!」

爽「おー。よく来たなー」

誓子「飛行機で来たの?空港まで迎えに行ったのに」

揺杏「もう立ち直ったかな?」

淡「うん…まあ、あの時はショックだったけど、冷静になって考えたらいきなりクロチャーが飛びかかってきたらユキもびっくりするよね」

由暉子「大星さん…」

淡「だから、正直まだちょっと複雑だけど…もう許した!」

爽「お前いい奴だなー」

誓子「良かったね?ユキちゃん」

由暉子「はい。ありがとう、大星さん」

淡「淡でいいよー。あとさん付けはくすぐったいな」

由暉子「なら…淡ちゃん」

淡「うん!」

淡「ところで、遊びに来たけどどこに連れてってくれるの?」

爽「そうだな、それじゃあまずは…」

淡「うんうん!」

爽「牧場に行くか。」

淡「牧場!?やった!動物大好き!」

爽「ははは。それにお腹すいてるだろ?そこでお昼も食べよう。美味しいガーデンレストランが併設されてるとこが近くにあるんだ」

揺杏「部活帰りとか、私達もたまに寄ってくんだよ」

誓子「ああ。あそこは本当に美味しいわよね」

淡「ほんと!?やったあ!」

爽「よ~し、それじゃあ行くぞ~」

淡「~♪」

爽「成香ちゃん牧場に」

淡「へ?」

羊先輩A「メェ~」

羊先輩B「メェ~」

羊先輩C「メェ~」

羊先輩D「メェ~」

爽「お~お~。今日も放牧中の羊先輩は元気だな~」

誓子「天気もいいし、最高ね」

揺杏「向こうは暑かったからね~。どう?淡ちゃん。こっちは涼しくて過ごしやすいっしょ」

淡「えっと…」

爽「なんだどうした?大星」

淡「あの…生き物?人?は…何?」

爽「何って、知らんのか?羊だぞ」

淡「いや、羊って…」チラッ

羊先輩E「ナンモカモセイジガワルイ」ゴゴゴゴ

羊先輩F「ナンモカモセイジガワルイ」コクコク

淡「あんな禍々しい生き物だっけ」

爽「禍々しい?ああ、確かに顔は悪そうな面してるよな~。特に政治について語ってるときは」ケラケラ

誓子「でも、羊毛としては最高級クラスだし、お肉だってびっくりするくらい柔らかくて美味しいんだよ?」クスクス

揺杏「最近品種改良で作られた種類だからね。あんまりまだ内地じゃ知られてないのかも」

爽「ああ、それはあるかも。ピュアホワイトとかインカのめざめとかみたいにな」

淡「え、ちょっと待って、今…え?」

爽「特にピュアホワイトとか凄いぞ~。糖度17以上とかいって、メロンやマンゴーより甘いんだ。後で食わせてやっから…」

誓子「甘いといえば羊先輩のお肉も甘いのよね。飲み物にジュースを与えてるからお肉にもほんのり甘さが漂って上品な味」

揺杏「政治ばっかり語ってるせいでちょっとクセがあって臭いっていう声もあるけど、そのクセが堪んないんだよね~」

淡「え、あれ…あれ?」

爽「触れ合いはよしとけよ?あいつら気性が荒いから近づいたら髪の毛くらいかじられるぞ」

淡「え、でも…あれ?」

誓子「爽やかな青空の下、気持ちいい位風を浴びながらレストランのベランダから羊先輩を見ながら羊先輩のジンギスカンを食べる。これって贅沢よね~」

揺杏「あ、ちょうどお昼になりましたよ!まずはみんなで腹ごしらえしてから牧場を見て回りましょう!」

由暉子「良かれと思って道すがら羊先輩のジンギスカン人数分予約の電話を入れておきました」

淡「あのその…あれ?」

ナンモカモセイジガアアアアアアアアアアアアア!!

ズバシュッ

ホロコーストァアアアア!!

ザクッ

エザキシストモ ジユウハシナズァアアアアア!!

ブチッ

淡「」ガクガク

爽「まあ屠殺場が近すぎるのがちょっと難だけどな~」アハハハ

由暉子「さっきレストランに入る時に悔しそうな顔してた羊先輩が居ましたよね?今の声、多分あの子です」

誓子「大丈夫だよ。これから食べるお肉はあの子じゃなくて数日くらい前に卸した子だと思うから」

淡「…」

爽「これ終わったら牛乳搾りの体験でも行ってみるか~」

淡「…」

ウェイター「お待たせいたしました」コトッ

揺杏「おっ、きたきたー。これが成香ちゃん牧場の名物メニュー、ジンギスカン定食だよ」

淡「…」パクッ

淡(……あ、おいし)モグモグ


数分後

淡「ごちそうさま…」

淡(結局全部食べちゃった…)

爽「よーし、それじゃあ次行くかー」

誓子「牛乳搾りだっけ?やってるのは知ってたけど行ったこと無いな」

由暉子「私もです」

揺杏「それじゃあ早速行きましょうか」

淡「牛乳搾りかー」

淡(それなら大丈夫かな。別に殺すわけじゃないし、っていうかさっきのだってただの羊だし。人間、お肉を食べるためは知らないところでああいうことが起こっているんだよ)

淡(そうだよね。私達都会の人間はそういうことから今まで目をそらして生きてきただけなんだ。だから、今回のことは、お肉をいただくって言うことがどんなことかを知る良い切欠だったんだ。そう思おう)

淡(…帰ったらお肉控えて、もっとお野菜中心の食生活にしようっと)

揺杏「搾りたての牛乳ってすっごく美味しいから楽しみにしててね!」

淡「それは…楽しみだなー!」

爽「ほい到着ー」

揺杏「いっぱい牛さんがいるね」

由暉子「本当ですね」

もーちゃんA「もー…もー…」

もーちゃんB「もー…もー…」

もーちゃんC「もー…もー…」

淡「あれ?この子…」

もーちゃんD「もー?」

淡「ねえ、大変だチカコ」

誓子「どうしたの?淡ちゃん」

もーちゃんE「もー…」

淡「この牛、絞るお乳が無い」

もーちゃんF「もー!?」

誓子「そうねぇ」

もーちゃんG「もーーーーー!!もーーーーーー!!

爽「うるさい牛だなー。それに貧相」

もーちゃんH「ナンダトもー!?」

爽「まあいっか。とりあえず絞るぞー」キュッ

もーちゃんH「アッ…」

爽「服脱がしてー。先っちょ摘んでー。奥から絞るっと」ギューッ

もーちゃんH「もーーーーーーーーー!!」

爽「ん…おっかしいなぁ全然出ない。どうするんだこれ?」ギューッ

もーちゃんH「あっ、ちょ、やめ…あんっ!」

誓子「馬鹿、いきなり絞っても痛いだけに決まってるっしょ。もうちょっと感じさせてからじゃないと駄目なんじゃない?」

爽「それもそうか」クリッ

もーちゃんH「あーーーーっ!」ジタバタ

爽「暴れるなっ!このっ!」

もーちゃんH「あっ、あっ!あっ!やだっ!やだっ!」

爽「よーしさくらんぼの先っちょが膨らんできたぞ」

もーちゃんH「ふうんっ!」

爽「ところで、牛のおっぱいって直飲みしてみたいって思ったこと無い?」

誓子「それって衛生的にどうなの。汚いってば」

爽「大丈夫大丈夫。この子綺麗そうだし」パクッ

爽「……ん~。あまくておいひい」チュパチュパ

もーちゃんH「やだこれもーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

淡「…」

爽「お?こっちの方も感じてきてるんじゃないか?」クチュクチュ

もーちゃんH「はふ…やだもー…た、たすけ…」

爽「ミルクの量は少ないけど凄い美味しいな、これ」チュパチュパ

もーちゃんH「いやああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

淡「えっと…」

由暉子「淡ちゃん。淡ちゃん」クイクイ

淡「え?あ、えっと、ユキ…」

由暉子「別の品種見つけました」スッ

淡「あ、そう…じゃあそっち行こうか」

コマキ「もー」

カスミン「もー」

ハヤリン「もー☆」

テルー「もー」

淡「…」

テルー「も…」

淡「…」

テルー「…」

淡「…」

由暉子「それはテルー牛ですね。農耕用です」

淡「…」

テルー「見ないで…」

淡「テルー…何してるの…」

照「ば、バイト」

淡「…」

照「だって、おもち持ちなら30分で5万円だっていうから」

淡「…」

照「それに東京は暑かったし、避暑がてら」

淡「…何やって30分で5万円貰ってたの?」

照「…普通に牧場バイトさせられてた。餌やりとか、草刈りとか。時給716円」

淡「やすっ」

照「北海道は不景気だからね」

淡「で、ここでは何してたの」

照「牛さんの気持ちになれたら胸も膨らむかなって…」

淡「…」

照「…」

由暉子「お知り合いですか?」

淡「このひと宮永て「ストップ淡」

照「恥ずかしくて死ぬ」

淡「恥ずかしいならやんなきゃ良かったのに…」

爽「あれ宮永照じゃん」

誓子「ほんとだ」

揺杏「こんなところにどうしてチャンプが?」

照「ぐはぁっ!」

淡「テルー!」

照「私はもうだめだ…」シクシク

淡「大丈夫だよテルー!こんなとこで牛に混じってもーもー言ってる時点で人間としては既に終わってるから!」

爽「こっち来てたんなら連絡くれりゃ良かったのに」

誓子「私達淡ちゃんを観光案内してたところだけど、宮永さんも良かったら来る?」

揺杏「一人くらい増えても私達は問題ないよ?」

照「う…そういえばこっち来てから観光とか全然してない…」

淡「…テルも来る?」

照「今日のバイトは終わったし…そうだね、一緒に行ってもいい?」

爽「勿論!」

淡(良かった…これで味方ができた)

爽「さーて、それじゃあ次はどこ行こうかな」

誓子「うーん。そうねぇ」

揺杏「二人はどこか行きたい所ある?」

照「私おなかへった」

淡「私はなんでもいいよ。あ、でももうジンギスカンはいいや」

爽「そっか。それじゃあ次は、海の幸かな」

誓子「だったらカニ食べに行きましょうか」

揺杏「安くて新鮮でおいしいとこ知ってるよ。しかも食べ放題」

淡「えっ?カニ!?」

照「凄いね。流石北海道」

爽「それじゃあ行くぞー」

淡「やったー!」

照「お願いします!」


「カクガチガウワ」ワサワサ 「オツカレサンサンサンコロリ~」ワサワサ 「アトヒッカケノヒロエトハウチノコトヤデ!!」ワサワサ 「オモッタヨリイタインチャウカ?」ワサワサ
「カクガチガウワ」ワサワサ 「カラアゲ…」ワサワサ 「カラアゲ…」ワサワサ 「ア…(食べ放題一人)5200デス…」 ワサワサ

自分でも何やりたいかわかんなくなってきたので終わり

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