十二支娘たち「ことわざ?」(169)
男「そう。みんなにちなんだことわざを見直してみようと思ってね」
鼠娘「いきなりそんなこと言われても、準備もないし……」
男「ふっふっふ、そんなこともあろうかと、図書館でことわざ辞典を借りてきました!」
牛娘「あらあら、準備良いわね。さすが男くん」ナデナデ
男「でへへ……」
虎娘「ホント、こういう準備だけは良いんだからなー」
男「おっと、とりあえず、故事成語と慣用句とことわざの違いはとりあえず抜きにして、みんなの名前が入ってる表現を見て行こうよ」
兎娘「ええと、最初は誰からにする〜?」
男「鼠娘からでいいんじゃないか? とりあえず干支の順でいこうぜ」
鼠娘「えええー ボク!?」
竜娘「そう嫌がる事もあるまい。鼠の出てくることわざと言えば「窮鼠猫を噛む」だろうな」ズイ
鼠娘「やっぱりそれだよね……はあ」
男「どうした? いつもの元気がないな」
鼠娘「そりゃあ、干支を決める競争で猫をだましたのは悪かったけどさ、大昔のことでまだ恨まれてるんだもん……罪悪感が……はぁ」ドヨーン
蛇娘「どうする〜? 最初からテンションだだ下がりだよ?」
男「むぐぐ、企画倒れな気がしてきたが……他に鼠の出ることわざはないか?」
馬娘「「大山鳴動して鼠一匹」ってのがあるな!」
男「おお、山がぐらぐら揺れたのに、鼠一匹しか出てこなかった……ええと、つまり?」
鼠娘「大騒ぎしたのに、結局ちょびっとの結果しかなかった。って事かな……」
羊娘「ことわざのー……話になったらー……きゅうに元気がなくなったわねー……ねむいのぉ?」
鼠娘「キミのしゃべり方ほど眠たくはないさ」
猿娘「キキキ、ほかにも「袋の鼠」とか、「鼠の嫁入り」とか、慣用句もいろいろあるなあ」
鼠娘「ほら、だから嫌なんだよ。袋の鼠も鼠の嫁入りも、結局はボク達のちっぽけさ、力の弱さを使ってのことわざなんだからね……はぁ」
鳥娘「でもでも! 窮鼠猫を噛むは格好良くない? ヒーローっぽくって!」
鼠娘「壁際に追い詰められた鼠が、死ぬまぎわに反撃して、結局は食い殺されるイメージしか湧かないけどね」ドヨーン
男「いや! そんなことないぞ!」
鼠娘「男くん……」
男「鼠の文字を使った、なんとも素敵な所があるじゃないか!」
鼠娘「素敵な所? それはどこだい?」
男「ずばり! 鼠蹊部だッ!!」
鼠娘「……っ!?」
犬娘「そけいぶ? ……どこ?」
男「よくぞ聞いてくれた! 犬娘! 鼠蹊部とはな、こう……人体の腹部のうち、太ももの付け根の内側に位置する場所を言うんだ」
鼠娘「……〜〜〜っ!」カアァ
猪娘「ブリーフとか、ビキニを履いたときに、布の下になる場所……っスか?」
男「そのとおり!」
鳥娘「でもでも! それでどうして鼠なの?」
男「うん。なんでも赤ちゃんの身体が作られるとき、男性の生殖器……つまり睾丸は、最初は身体の中で作られるんだけど、ある時期に身体の外に出て行くんだ。その移動が起こる場所を鼠が狭い場所をすり抜ける事にちなんで、鼠蹊部と名付けたらしい」
兎娘「なるほど。金玉を鼠に見立ててたんだね」
鼠娘「……」ツネリッ
兎娘「痛っ!? もう、わるかったよ、鼠娘〜」
竜娘「男性に由来する名称でも、女性の下腹部も同様に呼ぶのか?」
男「そうだね。別の名前を付ける必要も無かっただろうし」
鼠娘「なあ、そろそろ次の子に……」
男「とゆーわけで! 鼠娘の鼠蹊部を実際に見せてもらいましょう!!」
鼠娘「こ、ことわるッ!!!」
男「なにを今さら。毎晩のように見せてもらっている仲じゃないか」
鼠娘「みんなの前だぞ!? それに時間を考えろ! まだ昼過ぎじゃないか!」
男「いーから いーから……パンツ脱ごうねー」
鼠娘「だから……やめろと……」
男「鼠娘は小さくてかわいいなあ……それで必死に抵抗してるんだよね、ほら……脱げちゃうぞー」
鼠娘「くっ……いいかげんに……しろー! ガブー」
男「ひっぎょわー!!??」
窮鼠猫を噛む
つづく
鼠娘「ふ……またつまらぬ物を噛んでしまった」
男「ううう痛いよぅ、しみるよう」メソメソ
蛇娘「動かないで。薬を塗ってあげるから」ペトペト
牛娘「次は私かしらー?」
猿娘「干支の順番でいえば、そうだね」
鼠娘「え……続けるのかい?」
犬娘「お夕飯までは時間があるし、おもては雨でお散歩もできませんよ?」
羊娘「お昼寝もいいけどー……ちょうどいい……ひまつぶし……だよねー」マッタリ
竜娘「ふむ、ことわざ図鑑によれば、牛のイメージは、大きい、のんびりといったところか」
鳥娘「ほかにも、鈍重、のろま、とかだねえ」
虎娘「どうした鳥娘? 毒舌だなー」
鳥娘「ぎく……そんなことないよ?」
馬娘「んー? ははーん、わかった」
牛娘「ことわざで何かあった?」
馬娘「「鶏口となるも牛後となるなかれ」だろ?」
鳥娘「ぎくぎく!」
牛娘「鶏口と……? あー、なるほどぉ」
猪娘「どう言う意味っスか?」
兎娘「大きな組織に属してつまらない仕事をするくらいなら、小さい組織でも自分がトップになるべし……って意味だね」
男「小さい組織……」
鳥娘「な、なんだよ!」
男「ちいさい……」
鳥娘「こら! どこ見ていってる!」ペターン
男「おおきい……」
牛娘「あらあら、ふふふ」タユンタユン
鳥娘「……」ズーン
馬娘「ま、まあ、気にすることないと思うぞ?」バイーン
羊娘「寝るこは……そだつ……夜はやく寝れば……だいじょうぶ」ポユーン
猪娘「そうッス! まだまだみんな育つッス! 鳥娘も! 鼠娘も! 兎娘も!」ムチムチ
鼠娘「こっちに振るな! いい迷惑だ!」ストン
兎娘「わたしはまあ、こういう需要もあるし、良いんだけどねー」ツルペタン
猿娘「キキキ、オレたちには関係ない話だな」ソレナリ
犬娘「ううん……破廉恥です」ソレナリ
虎娘「他にはどんなことわざがある?」ナカナカ
蛇娘「牛の足の遅さを足の速い馬と比べて、「牛を馬に乗り換える」とか、「馬を牛に乗り換える」っていうのがあるみたい」スレンダー
馬娘「ここでは足の速いあたしが、良い方に使われてるのか。なんだかくすぐったいな」スポーツウーマン
牛娘「ふふふ、駆けっこでは馬娘ちゃんには勝てないわ」フワムチタユンタユン
竜娘「しかし「牛も千里 馬も千里」とも言う。速さが違っても、結局は同じ場所に着くのだからあわてずに行え、という意味だな」シットリ
鼠娘「遅さを悪い意味ではなく、ちょっと良い意味に使っているんだね」ツルストン
虎娘「そうだな。力強いってイメージからは「汗牛充棟」って故事成語がある」ムチムチプリン
兎娘「家に詰めれば家がいっぱいになるほど、牛に牽かせれば牛が汗をかくほど本がたくさんあるって事らしいわね」
男「のんびりしていても、それを悪く言うことわざばかりってわけじゃないんだな」
猪娘「牛のよだれとか牛のおしっこは、切れ目がなくて長く続くことのたとえにもなってるッスね」
牛娘「おしっこ? ちょっと恥ずかしいわ……いやん」タユン
犬娘「たとえば、「商売は牛のよだれ」商売や勉強などは途切れることなく続けることが肝心。というふうに使われますね」
猿娘「キッキッキ「牛の小便と親の説教」なんて、親の説教も切れ目がなくてうんざりするっていう風にも使われるな」
竜娘「無理もあるまい。動物の牛は大量の水を飲む。乾燥地では飼えないほどにな」
蛇娘「水をたくさん飲めば、それだけ排泄もするからね。おしっこやよだれが多いイメージは生態的に正しい観察がもとになっているの」
男「うん。そうだな」
鳥娘「どうかした?」
男「たしかに牛娘はすっごく濡れやすいんだ」
牛娘「まあ! 男ちゃん!」
鼠娘「こらこら、男くん、時間をわきまえたまえ」
男「まあいいじゃないか。それに、ずっと突き続けるとおしっことまらな……」
牛娘「もー! 男ちゃん、こっちに来なさい!」グイッ
男「へ? わぷっ!?」
兎娘「おお! あれは選ばれた女性にしかできない伝説の奥義!」
牛娘「そんなこと言っちゃメ! おしおきしちゃうよ!」ぱふぱふ
男「うぷぷ……これはたまらん!」
虎娘「それは、おしおきになるのか?」
犬娘「どう見ても喜んでるッスよ?」
猪娘「どう見ても喜んでるッスよ?」
犬娘「牛娘さんの、むちふわたゆぷりこくまろボディで男さんをとりこにして、言うことを聞かせる作戦ですね! 何と恐ろしい!」
馬娘「ん? おい、男の様子が変だぞ?」
男「うぷぷ……んむぷー!?」
牛娘「そうそう、こんなことわざもあったわよね。「雌牛に腹を突かれる」予想外の相手から攻撃されて、受け身が取れないでダメージをもらってしまう……そんな意味かしら?」
男「んむぷむ! んんんぷっ!」ジタバタ
蛇娘「完全に胸の間にはめてるのね……」
男「んんんん! ……………………」クターン
牛娘「ふふふ、おしおき終了っ」
男「………………」ピクピク
兎娘「うわぁ、完全に窒息してるな」
虎娘「これはダメだな……蛇娘、気付け薬をたのむよ」
蛇娘「はいはいー。任せて」
犬娘「なんと、なんと恐ろしい……」
猿娘「確かに怖いけど、男の顔、喜んでるっぽいけどなー」
男「………………」シロメ
鼠娘「たしかに喜んでいるね」
竜娘「なるほど。こうして少しずつ、男に巨乳の味を覚えさせる作戦か」
牛娘「そう。ゆっくり、でも着実にね。ふふふふふ」
雌牛に腹を突かれる & 牛歩戦術
つづく
男「……」
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……
蛇娘「血圧の低下が止まらない……心臓も……」
男「……」
ピッ………ピッ………ピッ…………
猪娘「心臓マッサージを続けるッス!」グングン
男「……」
ピッ…………ピッ……………ピッ…………
鳥娘「おとこー! 起きてー!」
男「……」
…………ピッ………………ピッ……………
馬娘「どうすんだよ! このままじゃ男が死んじゃうぞ!?」
男「……」
………………ピッ…………………………ピッ……………
蛇娘「でも……あれは最後の手段で……」
男「……」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー
蛇娘「ああ、世話の焼ける! 鼠娘、おねがい!」
鼠娘「まかせろ!」ガブッ!!
男「ふんぎゃああああああああああ!」
………………
…………
……
……
…………
………………
男「……というわけで、虎娘の番だな」
虎娘「うん。だけど男、大丈夫か?」
男「問題ない。地獄、いや天国。もちふわたゆんなミルク色の天国から、現世に引き戻されたのは少々惜しかったけどな」
鼠娘「ふん、いっそ死んでしまえば良かったんだ」
猿娘「キキキ、必死で助けて、なに言ってるんだか」
犬娘「そうだね。男さんが無事で良かった」パタパタ
鼠娘「う……あぐ……」
蛇娘「牛娘も、もう無茶しないでよね!」
牛娘「はぁい……ごめんね、男ちゃん」
男「いえいえ! こちらこそ、ありがとうございました!」
馬娘「なぜお礼っ!?」
竜娘「さて、虎の出てくることわざと言えば……」
鼠娘「キミも仕切るねえ……」
竜娘「そういう性質だからな。そもそも中国では、虎は力強いものの象徴。ことわざにもそれが生きているな」
虎娘「……えへへ」
竜娘「まあ、私には敵わないがな!」
虎娘「むむっ!?」
鳥娘「強いって言えば「虎に翼を付ける」って言い回しがあるよね」
猪娘「虎に翼……「鬼に金棒」みたいな意味ッスか?」
男「そうらしいな。他にも「虎を野に放つ」っていうのは、強力で制御不能な相手を野放しにする……まさにそのままの意味だ」
馬娘「足が速いってイメージもあるみたい。「虎は千里を行って千里を帰る」っていうのは、虎の子を盗んだ人間が馬に乗って逃げて、親の虎に追いかけられると、虎の子供を一匹ずつ馬から落とす。虎はその子を咥えて巣に戻り、また追いかけて馬に追いつく。人間はまた虎の子を落として……以下それを繰り返し、結局人間は船に乗って数匹の虎の子供を連れ去ることに成功するんだ」
犬娘「そのお話、虎の足がすっごく速すぎませんか?」
馬娘「おとぎ話だからな。でも、昔の人は、虎はそのくらい足が速いって思ってたらしい」
羊娘「へえー……とらってそんなに……あしはやいの……」
虎娘「おまえ、話聞いてなかっただろ?」
羊娘「うんー……ねてたー……」
虎娘「たしかに、昔話だとあたしの足の速さは盛りすぎだね」
兎娘「でも、短距離は早いでしょ? それこそ馬娘よりもずっと」
虎娘「でも、一日に千里を走るなんて、むりむり」
馬娘「虎娘は完全に短距離選手だからな」
虎娘「うん。だから、足が速いって褒められると、うれしいような、ちょっと違うような……」
鳥娘「でもでも、強いって言われるのは、良いんでしょ?」
虎娘「そりゃもちろん!」
竜娘「ふむ……強い者のイメージからすれば「前門の虎、後門の狼」だろうな」
虎娘「進むも戻るもできないってか。まあ、あたしとしては後門から逃げることをオススメするけどね。なんたって、前門にはあたしががんばってるんだから」
猿娘「キキキ「虎の威を借る狐」強い者の力を笠に着て、つまらんやつが威張りちらす……っていうのもあるよな。なあ、犬娘?」
犬娘「どうしてわたくしに聞くんですか!」
男「まあまあ。でもその話の元ネタって、虎がだまされる話だよ」
虎娘「ぐぬぬ……そう、だな」
蛇娘「狡猾な狐が、私こそが森で一番えらい。ウソだと思うなら後ろからついてきなさい……って虎に言って、森の中を歩く。森の動物たちは虎を見て逃げたりひれ伏すけど、虎は狐が強くて偉いんだって勘違いするんでしたね」
牛娘「でも、その後ろについてくる動物が牛だったら、そうはならないわよね」
男「ならないだろうな。牛はあくまでも力持ち。虎は力もあるが、なにより強い。このあたりが虎と牛のキャラの違いだな」
虎娘「そう言われてみると「虎の威を借る狐」の話の虎は、ちょっと抜けててかわいいかも」
男「だよな。虎もけっこうかわいい!」
虎娘「ん? うん、そうだな」
男「虎娘! かわいい!」
虎娘「んんん? ちょっと待て」
男「というわけで、コレです」
鼠娘「人形……かい? 虎娘の」
男「試作品が届いたんだ。最初に受け取ったのがこの虎娘のフィギュアでさ」
虎娘「な、なに!?」
男「我ながらすばらしい造形……スカートの中も……」
虎娘「ちえいっ!」シュパッ!
男「うわっ! 貴重な虎娘のフィギュアが……」
竜娘「まさに「張り子の虎」だな」
猿娘「え? 今なんて?」
竜娘「「張り子の虎」と言ったんだ」
猪娘「なんて言ったんスか?」
竜娘「だから、「張り子の虎」だ」
猿娘「……」
猪娘「……」
竜娘「……?」
男「ううう……虎娘が、フィギュアが一撃で……粉みじんに……」
兎娘「かわいかったのになー もったいない」
男「だよな!」
虎娘「うるせー! もうあんなもん作るんじゃない!」
兎娘「なによ、てれちゃって……かわいー」
男「そうそう、虎娘はかわいい! ことわざにもそういうのがあるぞ!」
竜娘「虎のことわざでかわいい? そんなことわざがあるのか?」
男「もちろんあるとも。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」だ」
虎娘「それ、かわいいか? どっちかというと、さっきの虎が馬を追いかける話みたいに、虎が子供を大切にするって所が元ネタだろ?」
男「まあ、そうだな」
蛇娘「それなら「虎の子」って表現もあります。虎が自分の子供を大事にするように、温存しておく奥の手を指して使われることが多いね。男さんの言ったことわざは、むしろ危険を冒さないと得られない成果を指して言います」
男「そうそう。生身で虎の穴に入る危険を冒さなければ、虎の子供を得ることはできない。かわいいじゃないか」
虎娘「虎の子供がかわいいって事か? たしかに子猫みたいでかわいいけど……」
男「いやいや、そうじゃなくって……かわいいって、本当にわからないのか?」
虎娘「うん。理由をぜひ聞きたいな」
男「そこまで聞きたいなら説明するけど……デジカメのケーブル、テレビに繋げてね」
犬娘「はーい……つなぎましたよ」
虎娘「あれ? そのデジカメ、どこかで……」
男「それじゃ、再生」
テレビの虎娘『あっはあぁぁん♡ おとこおぉぉ♡』
干支娘たち「……ざわ」
虎娘「ここ……これは昨日の!?」
テレビの男『ああ、すごい……虎娘のなか……熱くて……』
テレビの虎娘『もっとぉ♡ もっとあたしの穴突いてぇ♡』
兎娘「うわー 激しい」クスクス
虎娘「み、見るな! みんな、見るなー!」ジタバタ
テレビの男『虎娘のここ、トロトロで、きゅって絞まって……もう、オレ……』
テレビの虎娘『やあぁ♡ 今日危険日だから、中ダメええ♡♡』ガッシリ
馬娘「おいおい、ダメって言いながら足でしがみついてるよ」
鼠娘「は……破廉恥な!」
虎娘「あ、あわわあわわわわわ……」//////
テレビの男『そんな、抜けない……うっ……』ビュルルルルッ
テレビの虎娘『あっ……中で♡ んっはああああん♡』ビクンビクン
虎娘「ぎにゃー にゃああああ!!!!」ジタバタジタバタ
竜娘「そう暴れるな」
牛娘「そうそう、面白いじゃない」
男「はい! ここ!」
テレビの虎娘『こ、こどもできちゃう♡ ……それもいいか……なんてな♡』ニコッ
虎娘「……」パクパク
男「さらにー」
テレビの男『ふぅ……気持ちよかった。……はい、ここが虎娘の女の子でーす。ズームしちゃお』
兎娘「おおー きれいな形」
虎娘「も、もういいだろ! 再生中止! とめてくれええ!」ジタバタ
テレビの男『これが本当の虎の穴……なんてなー』
テレビの虎娘『んもぅ、なに言ってるんだよぉ♡』
猪娘「あ、かわいいっすね。うん」
虎娘「わかった、かわいいのは認めるから、だからあああ!」
テレビの男『おや? この突起はなんだろう?』
テレビの虎娘『や、そこつまんじゃ……いや……にゃっはああん♡』プッシャアア♡ チョロロロ……
男「……とまあ「虎穴に入らずんば虎児を得ず」つまり、虎娘と危険日に生エッチしたらこどもができるよ! やったね! ……と……思ったんだけど……ねえ……」
虎娘「戯れ言はそれで終わりか?」
牛娘「あ、あら? わあっ!?」グイッ
竜娘「く、コイツ……とてつもない力……ぐわっ!?」ドカッ
鼠娘「はーい、みんなー 後ろに下がってー あ、羊娘寝てるから引っ張ってねー」
虎娘「男、おまえにひとつ良いことわざを教えてやろう」
男「な、なんでしょう、虎娘さん」
虎娘「「虎の尾をふむ」非常に危険な事のたとえだが、危険にあえて挑むとき、その蛮勇を表すようにも使われる言葉だ」ゴゴゴゴ……
男「つまり、ボクは虎娘の尻尾をふんじゃった……ってこと?」
虎娘「ふ……ちがうな男。おまえがふんだのは……踏みにじったのは!」ゴゴゴゴ……
男「ひ……ひいっ!」
虎娘「このあたしの……乙女心だあああ!!!!」
ジャキン ジャキン
ズバッ! ズズズバッ!
ドバッ!
ゲチョッ!
男「ぎゃああああああああぁぁぁ……」
虎穴に入らずんば虎児を得ず 虎の尾を踏む
今日はここまで
鼠娘「オチがワンパターンだって? キミはまったく、贅沢なヤツだな」
虎娘「……がるるるるる」フー フー
馬娘「どーどー……ほら、おちつけー」
男「……」ゲチョゲチョ
鼠娘「それで……コレ、どうしようか?」
蛇娘「グチャグチャで魚のアラみたい、わたしの薬もコレじゃさすがに効かないよ……」
ちゃららららら〜ん
http://www.youtube.com/watch?v=VTyJpuYh1RQ
鳥娘「こ、この音楽は!?」
猿娘「オリーブの首飾りだな」
兎娘「わたしにまかせてー!」
猪娘「おお! その格好はレオタード? それともタキシードっすか?」
兎娘「バニーガールだよー! その名もバニー・ザ・マジシャンガール!」
犬娘「助手にされました、犬娘です」
兎娘「取り出しましたのは、100リットル入るゴミ用ポリバケツ」
犬娘「ええと、たねもしかけもございませんー」
兎娘「そこに、この5分挽きになった男くん(ミンチ)を入れます」
犬娘「いれまーす。ううぅ、臭い。血生臭いです」ネチョネチョ ボトボト
牛娘「犬娘ちゃん、私たちの中でも一番鼻が良いのに……」
竜娘「男のためにそこまでするか。まさに忠犬だな」
兎娘「はい、こちらに男の血肉、骨皮、毛に体液。すべて入れました」
犬娘「入れましたー」
兎娘「それでは、参ります。わん……つー……すりー!」
ぼわわわわん!
兎娘「ご覧ください! このとおり、元通りにー」ガパッ
男「……」ゲチョゲチョ
猪娘「……ミンチのままッスよ?」
鳥娘「ぅわ、目玉がこっち向いてるよぉ……」
兎娘「えー……こほん もう一度」
犬娘「フタをしまーす」
兎娘「わん……つー……すりー!」
ぼわわわわわん!
………………
…………
……
……
…………
………………
馬娘「ほらほら、マタタビだぞー」
虎娘「にゃむ……にゃー……にゃむにゃむ」ゴロゴロゴロ
男「いやー、今回ばかりは死ぬかと思ったな」
猿娘「キキキ、実際死んでたけどなー」
竜娘「私の血を使うかとも思ったが……兎娘の手品に助けられたな」
犬娘「あれって、手品でしょうか……?」
鳥娘「いいじゃない! 男が助かったんだからさ」
男「兎娘、ありがとうな」
兎娘「いえいえ、どういたしましてー」
男「さて、次のことわざは兎娘の番だけど……その前に何かお礼しないとな」
兎娘「お礼? んー、じゃあ、男。そこにあぐらで座って」
男「こうか?」
兎娘「そうそう。それじゃあ失礼しまーす」ポスン
鼠娘「な……あぐらをかいた男を、座椅子にする……だと?」ワナワナ
猪娘「いいなー兎娘。小さい子だからできることッスね」
男「ちょっとくすぐったいな……でも、こんなのがお礼になるのか?」
兎娘「んー、あとでちゃんともらうよー えへへ」
男「ん? そうか」
竜娘「ことわざの源となる言い伝えでは、兎はかしこいトリックスターの役割をすることが多いな」
犬娘「そうですね。腕力はないけどすばしこくて知恵の回るキャラクターって感じです」
男「『カチカチ山』だと、兎は知恵で狸をこらしめるし、古事記の『因幡の白兎』だと兎はワニをだまして海を渡るけど、最後の詰めが甘くて皮を剥かれてしまう……ぁ」
兎娘「そうそう、そんなこともあったっけ」
鳥娘「『ウサギとカメ』の兎は、足の速さで油断して、眠っているところを亀に追い抜かれちゃうね」
羊娘「眠る? ……呼んだ?」はたっ
馬娘「呼んでない。寝とけ」
羊娘「ん……そうする……」zzz
蛇娘「兎の賢さを使った文句と言えば、「狡兎死して走狗煮らる」だね。かしこい兎を追いかけていた猟犬も、その兎がいなくなれば用を失って主にスープにされちゃう」
犬娘「す、スープ」ガタガタブルブル
猿娘「狡って、かしこいって意味なんだな。狡いってのも、たしかに賢さだ」
男「そ、そうだな。たしかに兎娘も……くふっ」
兎娘「えー 男なにか言った?」スリスリ
男「なんでもない。なんでもないぞ!」
馬娘「足が速いっていえば、「脱兎の如く」って表現もあるよな」
兎娘「あー、それって本当はもう少し長い言葉でさ「始めは処女のごとく、終わりは脱兎のごとし」っていうの。最初は少女のように弱々しく見せかけて、相手の隙を見つけたら逃げ出す兎のように一気に行動する……っていう、孫子の兵法なんだって」
馬娘「へー、そうなのか」
兎娘「後ろの「脱兎のごとく」って部分だけがよく使われてるよね。男、知ってた?」
男「ん……ぁ……し、知らなかった……ひゃんっ」
兎娘「そうだよねー 知ってたら、もう少し警戒したよね?」モゾモゾ
鼠娘「足の速さを言うなら、話の中の兎は走っていることが多いね。「兎の上り坂」っていうのは、得意な環境で最大限に力を発揮するって意味だし」
竜娘「「水を得た魚」にも通ずる考え方だな。『兎と亀』も走る話だし、同時に二つのことを為しえようとしても両方とも不完全になってしまう「二兎を追う者は一兎をも得ず」の兎も、走っているな」
兎娘「うん、走るの好き。あと人をおちょくったり、馬鹿にするのも好きだねー」モゾモゾ
男「……っ……はっ……」ピクピク
兎娘「ねえ、おとこー。男は私の出てくることわざ知らない?」モゾモゾ
男「んくっ……そうだなあ……「年劫の兎」長く生きて経験を積んだ厄介な相手を言うらしいな」
兎娘「ふーん、長く生きて、経験……ねぇ」モゾモゾ
男「くっ……このロリババァ……白々しいん……」
兎娘「……」キュムッ
男「あふっ!?」
猪娘「そう言えば、さっきからモゾモゾ音がするんスけど、何っスか?」
兎娘「あら? このあたりはモゾモゾ山って言うのよ?」モゾモゾ
男「んん……んぅ……」
竜娘「なあ兎娘、何を考えているのかは知らないが、下手に計略をめぐらして返り討ちにあう「兎兵法」という言葉もあるんだぞ?」
兎娘「んー? ふふふ、大丈夫だよ」
男「あ……かは……はー……はー……」
兎娘「ぅわ、手がべとべ……えっと、男に座ってたら暑くなっちゃった。ちょっと手洗ってくるね」
馬娘「お、おう」
兎娘「ふんふふーん♪」トテトテ
男「……」
犬娘「鼠娘さん、さっき兎娘さんの手が……」
鼠娘「見てない! ボクはなーにも見ていない!」
猿娘「キキキ、赤くなってるぜー」
牛娘「さすが兎娘ちゃん……大胆ねえ///」
馬娘「まー、その、なんだ。気にするなよ、男」
鳥娘「そうそう! わたしたちだってべつに……ね!」
男「……」スクッ
猪娘「あれ? どこ行くッスか?」
男「……トイレ」
洗面所。
ジャー……キュッ
兎娘「みんなの見ている前でなんて、ちょっとやりすぎたかなあ」
兎娘「……」
兎娘「ううん! あいつがセクハラ発言ばっかりするからだもん。ちょっと懲らしめてあげないと」
兎娘「ふふふ、あんなにカチカチになっちゃって……かわいかったなあ」
男「じゃあ、なんとかしてくれよ」
兎娘「ええっ!? お、男!?」
男「みんなの前でゴソゴソやりやがって……しかも上手いんだよこのバカ!」
兎娘「だ、だって、おしりに押しつけてきたのは男の方じゃないの!」
男「だからって、あそこまでやるか!? どうせ、おまえだって……」
兎娘「あ、コラ! そこさわっちゃ……」
……クチュ
男「やっぱり、準備できてるじゃないか」
兎娘「ま、まって、洗面所でなんて嫌。せめてお布団で……」
男「ううん、我慢できない」ズイッ
兎娘「ひゃっ? さっきはされるがままだったのに、なんでそんなに強気なのよ?」
男「ほら「始めは処女のごとく、終わりは脱兎のごとし」ってね」
兎娘「あ……しまった! はめられた!」
男「いやいや、はめるのはこれからだよ」
兎娘「最悪だ! 最悪だコイツ!!」
男「そんなこと言うなよ、兎娘」
兎娘「うそ、ホントに挿れて……あ♡」
居間
アッハ……オトコ、ソンナニハゲシク……アアアッ♡
竜娘「昔から兎娘はこうだった。たしかに素早くて頭も良い。おまけに器量もいい。しかし……」
猿娘「キキキ、海を渡るときもそうだったけど、最後の最後で詰めが甘いよな」
オラオラ! カチカチヤマナラヌ グチャグチャヌマニ シテヤンヨ!
馬娘「おーおー、がんばっちゃって。ありゃあ30分は終わらないな」
鼠娘「ちょうど良い。喉も渇いたし、ちょうど3時だ。ボクたちはお茶にしようじゃないか」
猪娘「わーい! おやつっす!」
蛇娘「じゃあ、キッチンに行きましょう」
鳥娘「羊娘と虎娘はどうする?」
牛娘「そっとしておこう。マタタビはもう追加しないでね」
羊娘「すぴー」
虎娘「ごろごろごろ……」
アンアン♡ オトコ ソレハゲシイヨォ♡
ンンー? アンアンヤマカ? アンアンヤマニツイタノカ? ホラホラホラァ!
竜娘「……」
鼠娘「どうしたんだい?」
竜娘「結局、あれはどっちの勝ちなのだろう?」
アアーン♡ アンアンアン♡
鼠娘「……」
竜娘「……」
鼠娘「……さてね」
始めは処女のごとく終わりは脱兎のごとし
兎兵法
つづく
食堂
鼠娘「なんだかずいぶん時間が経ったような……」
猪娘「時間ッスか?」
チーン
馬娘「お、クッキーが焼けたぞ」
猪娘「たしかに、お菓子作りに少し時間がかかったッスね」
鼠娘「そうじゃなくってさ……」
鳥娘「こっちもできたよー!」
牛娘「鳥娘ちゃんとわたし特製、アイスクリームね」
犬娘「はやく! はやく食べましょう!」パタパタ
猿娘「キキキ、そうあわてんなって。羊と虎を起こしてやらないとな」
牛娘「……あら? ふたりとも起きたみたい。ちょうどいいタイミングね」
羊娘「んー……いいにおい……虎娘、おやつだよ……」
虎娘「たしかに美味しそうだけど。誰だよ、あたしにマタタビ嗅がせたやつ……うっぷ」
鼠娘「仕方ないだろう。キミが暴れて仕方なかったんだから。護身用の猫マタタビが効くとは思わなかったけどね」
虎娘「あたしが暴れたぁ!? ……なにかあったっけ?」
鳥娘「あれれ? 憶えてないの?」
虎娘「あたしの番で、虎のことわざを言い合いっこしてた所まではおぼえてるんだけどな、その途中からどうも……」
竜娘「べつに、気にするほどのことでもない。ただ……」
蛇娘「頭に血が上ると見境なくなるクセだけは、直した方がいいですね」
虎娘「あー、すまん」
鼠娘「謝るほどの事でもないさ。そもそも男が悪いんだ」
虎娘「あいつ、また何かやったのか……それで、男は?」
猿娘「洗面所で子作り中」
アッハン♡ モウ ラメェ ユルシテェ♡
マダマダ アト5カイ モット フカク
ヒイッ♡!? アッヒイアアアアァ♡
鼠娘「……」///
犬娘「……」//////
虎娘「あーあー……兎娘のやつ、大丈夫かよ」
馬娘「まあ、男もそうそう無茶はしないだろうさ……焼きたてのうちにクッキー食べようぜ」
竜娘「それもそうだな。アイスも溶けてしまう」
鼠娘「では……」
一同「いただきまーす」
………………
…………
……
……
…………
………………
虎娘「んー! うまい!」
鼠娘「サクサクサクサク……コリコリコリコリ……サクサクサクサク……コリコリコリコリ……うん、美味しいね」
馬娘「クッキーはサクサク、アイスはなめらか。言うことないな」
犬娘「クッキーのバターも、アイスのクリームも、牛娘さんのおっぱいなんですよね」
牛娘「ふふふ、そうよ」たゆん
鳥娘「……いいなあ」
ガララ……トテトテトテ
猪娘「あ、男がこっちに来るっぽいッス」
竜娘「やれやれ、洗面所の兎娘の救出に行こうか」
蛇娘「あれだけされたんだもの。気付け薬も用意して……」
ガララ……
兎娘「やほー あ、お菓子だー」
一同「!!??」
猿娘「な……どうして無事なんだ?」
兎娘「無事って?」
馬娘「男に、立った今までされてたんだよな?」
兎娘「うん。さすがに男は良いモノ持ってるよね。太さ長さ硬さ、味に量に濃さ。すべて申し分なし。この腰の充実感!」グッ
竜娘「それならさっき洗面所から聞こえた悲鳴は、おまえのものではなかったのか?」
兎娘「悲鳴? ああ、ハート混じりのでしょ? さすがに抜かずの20連発は耐えられなかったみたいね」
犬娘「ちょ……洗面所見てきます」
虎娘「20連発って……ふつう男の方が立たなくなるだろ?」
兎娘「んー? 男性を萎えさせないくらいの事なら簡単よ」
牛娘「えーと、なんだか……」
鼠娘「さらっと恐ろしい事を言ったな……」
キャアアアアアァァァァ
鳥娘「犬娘の悲鳴!?」
ドテドテ……バタバタ
犬娘「みなさん、大変です!」
竜娘「どうした、さわがしい……うわ!」
男「けひゅ……もえつきたぜ……まっしろにな……」
馬娘「うおおおお!? 白くなってる!?」
虎娘「しかも全身干物みたいだ……」
兎娘「だって、洗面所でむりやりされたのは私のほうだもん。仕返しよ、仕返し」
猿娘「だからって、フツーここまでするか?」
蛇娘「腎虚おこしちゃってるから、薬飲んでね」
男「ううぅ……蛇娘、すまないねえ」
蛇娘「……おとっつぁん、それは言わない約束でしょ」
鼠娘「妙に様になってるから、やめてくれ」
蛇娘「あら、そう?」
男「んっく、んっく……」ゴクゴク
男「復活! おれさまふっかあつ!」
竜娘「それではつぎのことわざ担当だが……」
鼠娘「キミもそうとうやり手だね」
竜娘「まあ、全員そろった事だしな」
鳥娘「せんせー 羊娘ちゃんがねてまーす」
羊娘「えへへ……もう食べられないよぅ」……zzzZZZ
竜娘「放っておけ。さあ、つぎのことわざは誰だったかな?」
兎娘「わたしの次なんだから、あなたでしょ?」
竜娘「そう! 竜! もしくは龍! さらに言えば辰! 干支最強の私の出番だ!」
虎娘「最強……?」ピクッ
牛娘「まあまあ。たしかに竜娘ちゃんは強いわよね」
男「そうだな。もともと龍は中国の皇帝の権威の象徴だったわけだ。強大なものの形容詞として、昔から東アジアではよく使われてたな」
竜娘「ふっふっふ、そうだろう?」
蛇娘「強いものを並び立てるとき、龍ともう一匹の強い存在を対にする事が多いですね。龍と鳳凰、龍と鬼、中でも多いのが、龍と虎」
兎娘「ふむふむ……ことわざにも、強い者同士が戦うとか、強い者同士が戦って共倒れになる「竜虎相打つ」っていうのがあるわね」
馬娘「他にも、一難去ってまた一難に近い「虎口を逃れて竜穴に入る」とか、素晴らしい君主にすぐれた人材が集まる「雲は竜に従い、風は虎に従う」ってのもあるな」
男「まあ実際、この二人は何かと張り合ってるけどなー」
竜娘「ふん、こいつが身の程も弁えずに来るだけだ」
虎娘「なにぃ!?」
鼠娘「まあまあ、誰が強いなんて話してもキリが無いし……」
猿娘「キキキ、そうそう。最強なんて話すだけムダだぜ」
竜娘「なんだと?」
猿娘「オレのおじいさまを忘れたか? 斉天大聖が竜宮を荒らした事、忘れたわけじゃねえだろ?」
竜娘「ふん。あんな田舎猿。秘宝をくれてやったまでの事だ……そうか、おまえは馬小屋当番の孫だったな」
猿娘「んだと?」カチン
竜娘「馬小屋当番と言っただけだが?」
猿娘「てめえもう許せねえ! オレの拳を喰ら……」
竜娘「ファイナルオメガブレス!」
猿娘「き……キーッ」
ちゅぼーん
鼠娘「なんてこった、猿娘が黒焦げだ!」
蛇娘「治療、治療♪」
馬娘「うわ……そこまでするかよ」
竜娘「まあこのとおり、私は強い。竜のことわざにもそういったものが多いな」
男「そうだな。鬼に金棒の「竜の雲を得るごとし」とか、強さを表したことわざはメチャクチャ多い。他にも有名どころを言えば、「画竜点睛」だな」
猪娘「あ、それ知ってるッス。画竜点睛だけだと、物事を最後まで仕上げることで、「画竜点睛を欠く」だと、詰めが甘いって意味ッスよね」
牛娘「そうね。あと有名なのは、最初は勢いが良くても最後はおろそかになる「竜頭蛇尾」かしら?」
竜娘「うむ。たしかに前は竜で、尻尾が蛇では、色合いも飾りの優美さもまったく違うからな」
男「ちょ……それはさすがに蛇娘に失礼じゃ無いか?」
竜娘「本当のことを言っているだけだろう。実際、私のほうが100倍は器量よしだからな」
鼠娘「おいおい……」
蛇娘「……」
犬娘「蛇娘さん、完璧にだまっちゃいましたよ?」
馬娘「いや、そりゃあ……なあ……」
兎娘「そういえば、王様の機嫌を損ねる「竜の逆鱗に触れる」っていうことわざもあるけど、竜娘にも逆鱗ってあるのかしら?」
竜娘「さて、次の話題だが……」
男「ん? おいおい、だから逆鱗ってあるのかよ?」
竜娘「な、なんでそんなことを聞くんだッ!!!」
男「いや、そりゃあ……ことわざの話題だしなあ」
牛娘「ふむふむ……ことわざ辞典によると、竜の喉元に、少し違った鱗が生えてるみたいね」
男「ウロコって……ふつうにスベスベの肌で……ん? この宝石みたいなのなんだ?」
くにっ
竜娘「ひゃんっ♡ な、なにをする!」
男「……ほほう」
くにくに
竜娘「や、やめ♡ んはぁ♡」
鼠娘「ふむ、ものの本によれば、竜は繁殖期に雌の首筋を刺激することで求愛するらしいな」
猪娘「つまり……デリケートゾーンってことッスか!?」
虎娘「ふーん、こんな所がねえ」
さわわっ
竜娘「ちょ、女同士でなんて……あはっ♡」
牛娘「あら、本当に敏感みたいね」
くりり
竜娘「牛娘……それ、ひどいぃぃ♡」
鳥娘「わたしも! わたしもさわる!」
犬娘「ちょ、直接さわっていいですか?」ドキドキ
竜娘「く……きさまら、いいかげんにしろおおお!」
ちゅぼーん
猪娘「ぬわわっ!」
牛娘「あららー!?」
鼠娘「……まあ、デリケートゾーンを無神経に触られたら嫌だよなあ」
竜娘「ふーっ ふーっ いいかげんにしろよ、十二支最強の私をなんだと思っている」
虎娘「最強? さっきから言ってるけど、聞き捨てならないな」
竜娘「ふん、たしかに虎娘なら、私と張り合えるかもしれんが……所詮敵ではない」
虎娘「んだと!? やるかこのやろぉん♡」
竜娘「!?」
兎娘「もみもみ……さわわ」
虎娘「ちょ、こら♡ 尻尾つかむなぁ♡」
兎娘「んー、やっぱり虎娘は尻尾が弱点なのね」
虎娘「くっ……なんでわかった?」
兎娘「「虎の尻尾を踏む」って「竜の逆鱗に触れる」に似てたから、もしかしてって。それでさぁ、やっぱり最強って決めるべきだと思うの」
男「お、おいおい。こいつらが本気出したらこの家が消し飛ぶぞ?」
兎娘「そう。だから我慢比べするの。お互いが、お互いの弱点を責めて、音を上げなかった方の勝ちでどうかしら?」
馬娘「竜娘は虎娘の尻尾を、虎娘は竜娘の逆鱗を、それぞれ揉んだりさすったりするってことか?」
兎娘「そのとおり。痛いことはなしね」
竜娘「な、なんでそんなことを……///」
虎娘「そうだ。殴り合いで決めれば良いじゃないか」
兎娘「あら? 恥ずかしいの? それとも負けるのが怖いのかしら?」
竜娘「な……私に限って怖いなどと!」
虎娘「そうだ。どんな勝負でも受けて立つぞ!」
兎娘「それじゃあ、決まりね」
竜娘「よぉし! かかってこい!」
虎娘「おっしゃあああ! 行くぜこらああ!」
………………
…………
……
竜娘「んっは♡ ……あふ♡」もみもみ……もふもふ
虎娘「あくっ♡ ……あん♡」くりくり……さわわっ
兎娘「さあ、十二支最強をかけたこの決戦! 最初の打ち合いからなまめかしい声が響いております。いかがですか? 解説の鼠娘さん」
鼠娘「上手くハメたな……」
兎娘「……ハメた? さすがに二人の性別上、”本番”はありえませんが、両者、いつもからは想像もできないような可愛らしい声を上げております!」
竜娘「あんまり、そこばかり♡ さわるなぁ♡」
虎娘「尻尾はなさないのは♡ お互い様だろぉ♡」
兎娘「すでに両者、目は潤んで息は荒くなり! 肌は上気し、汗は浮かび! もう、大事な所がネットネトだあ!」
鼠娘「ねとねとって、どこが!?」
兎娘「そりゃあもちろん、おまんk……」
鼠娘「言わせないよ!!」
竜娘「ふあああん♡」
虎娘「あっはあん♡」
馬娘「凄いことになってるなあ」
男「そうだなー」
犬娘「牛娘さん、お茶にミルクいただいていいですか?」
牛娘「はぁい、どうぞ」ちゅー
鳥娘「クッキー、クッキー」サクサク
猪娘「アイス アイスっすー」ペロペロ
猿娘「いてて、まだ身体が炭っぽいぜ」
蛇娘「あまり無理しないでね」
猿娘「ああ、ありがとな」
羊娘「すぴー」
竜娘「あは……もう♡」ピクピク
虎娘「動けない……んはあ♡」ピクピク
兎娘「おっとお!? ここで両者ダウン! 全身を痙攣させてダウンだー!」
鼠娘「なあ、もうやめないか?」
兎娘「ここでドクターストップ! ドクターストップが入りました! 試合終了。最強決定ならずー!」
竜娘「なかなか……根性があるじゃないか」ピクピク
虎娘「こっちこそ……見直したぜ」ピクピク
がしっ
兎娘「両者、固い握手を交わした! 女同士(♀×♀)の友情がここにあるッ!!」
鼠娘「あーはいはい、よかったな。とりあえず二人を着替えさせてやらないと……」
兎娘「そうね。その前にシャワーに……二人とも、立てる?」
竜娘「いや……ちょっと一人では無理だな」ガクガク
虎娘「あたしもだ……こりゃ、だれか肩を……」ガクガク
兎娘「うん、はい……竜娘も虎娘もしっかりね」
鼠娘「キミひとりで大丈夫か?」
兎娘「へいき。これでけっこう力持ちなんだから!」
竜娘「兎娘、すまないな……」
虎娘「ありがとな、兎娘」
兎娘「じゃあ、シャワーに行ってくるわね」
鼠娘「ん、待ってるよ」
兎娘「はい、足並みそろえてわんつーわんつー」
竜娘「わ……わんつー」
虎娘「わんつーわんつー」
男「結局、勝敗は決まらなかったか」
鼠娘「まあ、決まらなくって良かったんだけど」
猪娘「そうッスね。下手に一番を決めると、後がめんどくさいッスから」
牛娘「うん……ねえ、兎娘はどこ?」
鼠娘「ああ、竜娘と虎娘をお風呂場に連れて行ったよ。二人とも、自分では立てないくらい腰に来ていたからね」
馬娘「なんか、ヤな予感がするんだけど」
鼠娘「予感って?」
馬娘「自分じゃ立てないくらいエッチなスイッチの入った女の子に……あの色ボケ淫獣が、何もしないはずが……」
チョッ ウサギムスメ ドコサワッテ♡ ンハアアアアァッ♡♡♡
ウソ ウサギムスメノユビガ アッハアアアン♡ ソコナメチャダメエエエ♡♡♡
犬娘「最強、決まりそうだね」
猿娘「兎娘に……だな」
竜の逆鱗に触れる
竜虎相打つ
今日はここまで。
馬娘「待てよ、男」
男「んだよ?」
馬娘「「藪をつついて蛇を出す」と言うだろ?」
男「……それがどうした?」
馬娘「あそこに加わって、ロクなことにならないのは目に見えてるだろ?」
男「うーん……そうは言ってもなあ……」
アアハァン♡ ラメェ♡ ソコハラメエエェェ♡
猿娘「キキキ 竜の砂糖漬け」
犬娘「やめなさい」
ソコツマンジャ…… ア♡ アアアアアアアッ♡
猿娘「じゃあ、虎のハチミツ漬け?」
犬娘「だからやめなさいって」
男「あんな声聞かされたら、やっぱり加わりたいだろ! 日本男児としては!」
鼠娘「日本関係ないだろ。しかし男、兎娘もあの子なりにケンカを収めようとしたのだろうし、ちょっと任せてみようじゃないか」
男「う……むー……」
アハアァァン♡ アンアンアンアン♡
ハニャアアァ♡ フニャアアァァン♡
猪娘「あの声に引き寄せられるのはいいとしても、巻き込まれたらそれこそ、余計なことに首突っ込んで大やけどの「藪をつついて蛇を出す」まんまじゃないッスか」
蛇娘「そうねえ……ヘビのことわざもあまり良いのがないのが気になるけど」
猪娘「良いのがないって……そうっすか?」
馬娘「たしかに蛇の出てくることわざは、蛇の怖さか、形の不思議さか、竜と比べてうんぬん……って感じかな」
男「蛇を絵に描いて、余計に足も描いちゃった「蛇足」とか、すっごくわかりやすいと思うけどな」
蛇娘「わかりやすいかもしれないけれど、良い意味とは言えないわよねえ……まあ、専門のことは専門家に聞けという意味の「蛇の道は蛇」は、ヘビみたいな格好の生き物って、他にはウナギくらいしかいないから、ヘビの身体の形をよく使ってくれた良い例だけど」
牛娘「そのことわざ、かっこいいわよね」
蛇娘「そうかしら?」
牛娘「この間ミステリで読んだの。裏社会に通じている情報屋が、事件解決の手がかりを見つけてきて、主人公が「どうやってその証拠を見つけたんだ?」って聞くと……」
鼠娘「そこで「へへへ旦那。蛇の道は蛇ってね」かい?」
牛娘「そうそう! かっこいいでしょ? そういえば鼠娘ちゃんの前歯、情報屋の役者さんにそっくり……」
鼠娘「うるさいよ! わたしのは出っ歯じゃなくて、前歯が大きいだけ!」
男「たしかに、他の人にはない専門技能を持っていると、かっこいいよな」
鳥娘「そうそう! 蛇娘ってお薬の調合も鍼の治療もすごいでしょ! 本当に蛇の道は蛇だよね!」
蛇娘「ふふふ、ありがとう。私が言うと、冗談にしかならないけどね」
猿娘「蛇には蛇しか通り抜けられない道がある……それは良いんだよ。でも、オレ良くわからないことわざがあってさ」
犬娘「良くわからない? どんなことわざですか?」
猿娘「中途半端にいじめる「蛇の生殺し」ってやつだよ」
男「うーん……あー……たしかに」
猿娘「なんで蛇なんだよって話だろ? それこそ猿でも犬でも、生殺しはかわいそうなのにな」
犬娘「言われてみればそうですね……それに加えた「蛇の生殺しは噛みつく」ということわざもありますが……」
鼠娘「「手負いの獣」に似た言葉だね。「窮鼠猫を噛む」よりも、追い詰められている生き物のズタボロ感が強いけど」
牛娘「でも、どうして蛇は生殺しにされるのかしら?」
蛇娘「理由はそれなりにあるようです」
男「……というと?」
蛇娘「まず、蛇は道路で車などにひき殺されることが多く、またマムシなどの毒蛇は見つけしだい駆除されることが多かったようです」
男「う……うん。それで?」
蛇娘「蛇は身体が長いですから、車輪などで身体の一部をひき潰されても、すぐには死なず、道路でまさに「手負いの獣」になって、往来する人や牛馬に噛みついたりしたようです。この危険から、道に落ちている蛇の死骸には下手に触れるな……という生活の知恵も生まれました」
馬娘「なるほどな」
蛇娘「それと、もうひとつ……」
男「まだあるのか?」
蛇娘「はい。その……蛇の生殺しは、欲求不満の男性の……その……男性自身を指すこともあるんです」
馬娘「欲求不満で男性自身って……あー……そういう……」
蛇娘「その様を、死んでも死にきれない蛇にたとえたようです」
猿娘「ふ、ふーん……けっこうエロいな」
犬娘「亀じゃなくって蛇なんですね」
猿娘「……おいおい」
馬娘「言うなあ、犬娘」
犬娘「え? あ……あわわわわわ! ち、ちがいます! これは猿娘が!」
猿娘「なんでオレを引き合いに出すんだよ!」
男「生殺しかあ……」
ホレホレホレホレ! ソイソイソイソイ! アーソレソレ!
アー♡ アアアー♡ アーアーアアアー♡
ヒアァ♡ ニャアアア♡ フニャアアア♡
男「……たしかに」
鼠娘「コホン。ほかにも、一度の失敗に懲りて同様のことを恐れる、「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」というのもあるな」
牛娘「「あつものに懲りてなますを吹く」に似たことわざね。男ちゃんも、ちょっとは懲りてくれないかしら」
馬娘「あたしは男くらいが元気があって良いと思うけどね!」
男「だろ? だから……よいしょっと」
犬娘「……待ってください、男さん」
男「止めてくれるな! おれは風呂場で混ざりたいのだあ!」
犬娘「それが……様子がおかしいんです」
男「風呂場が? どうかしたのか?」
犬娘「その……ええと……さっきから、竜娘さんと虎娘さん、おふたりの声がしないんです」
男「はあ?」
アハアアア♡ アアアー♡ アーアアアー♡
ニャハアァァ♡ ニャアアァ♡ フニャア♡
男「竜娘と虎娘の声が、普通に聞こえてるじゃないか」
犬娘「そうなんですけど、そうじゃなくって、えーと……」
猿娘「……」ゾクッ
猪娘「なんスか……この嫌な感じ……」
鳥娘「ちょっと見てくるよ。わたしならいいでしょ? すぐ逃げられるし」
鼠娘「そうだね。たのむよ」
鳥娘「じゃあ、行ってきます」パタパタパタ
男「なんだってんだよ……」
犬娘「……」
キャアアアアアアア……
猿娘「鳥娘の声だ!」
鼠娘「まさか鳥娘まで!?」
犬娘「いえ、大丈夫のようです……」
パタパタパタパタ
鳥娘「あああわわわわわ……あわわわあわわ」
鼠娘「どうした鳥娘! 何があった!?」
鳥娘「虎娘が竜娘の……竜娘が虎娘に……はうはうはうはう」ブンブンブン
男「お、おい……鳥娘、大丈夫か?」
鳥娘「大丈夫じゃない! ふたりがぜんぜんぜんぜん大丈夫じゃない!」ブンブンブンブン
男「ちょ……さすがに様子を見てくるよ」
兎娘「んもう、なに? 鳥娘」
鳥娘「ひ……ひいいいい!」ガクガクガクガク ブルブルブルブル
兎娘「なによ。お風呂場に入ってくるなり大声あげて逃げてくし……」
男「ちょ……なんだよその格好」
兎娘「ボンテージ・クイーン・バニーよ。かわいいでしょ」
鼠娘「お風呂場が静かだな……ちょっと様子を見てくる」
兎娘「足をすべらさないように気をつけてね。ぬるぬるしてるから」
鼠娘「ぬるぬる……ローションでも使ったのかい?」
兎娘「まさか。ふたりの……よ♡」
鼠娘「……ともかく見てくるよ」
トテトテトテ
猪娘「ふたりの……って///」
猿娘「なあ、鳥娘。いったい何を見たんだ?」
鳥娘「なにって……うううぅぅぅ」ガタガタガタ ブルブルブル
兎娘「ふふふ、鳥娘には、まだすこぉし早かったかなぁ?」
ナンジャコリャアアアアアアア!!!!!
男「鼠娘!?」
ズダダダダダダ バン!
鼠娘「うううう! 兎娘!」
兎娘「なに?」
鼠娘「き、ききき、キミは! 女の子を! 女性の身体を! いったい何だと思っているんだ!」
兎娘「何って? うーん……おもちゃ、かしら?」
ブチィ
猪娘「な、なんの音ッスか!?」
犬娘「鼠娘さんの頭から聞こえたような……?」
鼠娘「……」グイッ!
兎娘「ちょっ!? 鼠娘! パンツ取らないでよ!」
鼠娘「うるさいッ!」
ばっちいいいいん!
兎娘「ひぎっ!?」
兎娘「まって! おしりでも、わたし、痛いのにがてで……」
鼠娘「黙れッ!」
ばっちいいいん!
兎娘「ふぐっ!? ほ、ほんとうに無理だから、やめ……」
べっちいいいん!
鼠娘「叩かれても! もっと叩かれないと! わからないのかッ!」
ばっちん! びっちん!
べっちん! べっちん! べっちん!
バチン! バチン! バチン!
バシンバシンバシンバシンバシン
………………
…………
……
……
…………
………………
兎娘「ごえんなさい。ごめんなさいいぃ。もうしないから、ゆるしてえぇ」グスッ グスッ
鼠娘「ふー ふー ふー……はぁ」
猿娘「うわぁ、桃尻がトマト尻に……」
男「いったい、何が……」
鼠娘「牛娘! 馬娘!」
牛娘「は、はい!」ビクッ!
馬娘「なんでしょう!」ビククン!
鼠娘「お風呂場に早く! 蛇娘も兎娘に薬塗ったら、お風呂場に来て。他はキッチンで待機」
牛娘「わかったわ」
馬娘「ふたりを、どうにかすればいいんだな?」
蛇娘「治療ね……ほんとうに、無茶するんだから……」
男「そんなに大事なら、おれも手伝うぞ?」
鼠娘「いや、男はいい。女の子なら、あんな姿を人に……それこそ好きな相手には、絶対に見られたくない。あのふたりを大切に思うなら、見ないでやってくれ」
男「お……おう」
鼠娘「なに、すぐもどるさ」
トテトテトテ
男「……なんだってんだよ」
蛇娘「猪娘、犬娘、そっち抑えてね」
兎娘「ううぅ……」グスッグスッ
猪娘「うっす」
犬娘「うわぁ……痛そう」
蛇娘「ねえ、兎娘……傷があっという間に治る薬と、治るのに3日かかる薬があるのだけど、どっちがいいかしら?」
兎娘「そりゃ、すぐ治る方がいいわよ。あっという間に治る薬にしてよぉ」グスッ グスッ
蛇娘「そう、わかったわ……すごーく良く効く薬よ。でもこの薬、治るのは早いけど……」
カポッ……
蛇娘「付けるとき、すっごーーーーく 痛いの。我慢してね」
兎娘「や……やっぱやだ! それなら3日かかる薬で……」
蛇娘「手足、しっかり抑えてね」
猪娘「ういっす」
犬娘「兎娘さん、我慢してください」
兎娘「やめ、たんま! まって……」
お風呂場。
竜娘「……」ピクピク……
虎娘「……」ビクン……ビクン
牛娘「あら……あらららぁ」
馬娘「うわ……ぁ……」
トテトテトテ……ガチャ……バタン
鼠娘「ひどい有様だろ」
牛娘「確かに、これはやり過ぎね」
馬娘「そうだね。あたし、エッチは好きだけど、こういうのは……うっぷ……」
ギャアアアアアアアアアアアアアア
鼠娘「兎娘の声か」
牛娘「蛇娘ちゃんのお薬、良く効くけど痛いのよね」
馬娘「あの尻に塗ったら、それこそな。さあ、はやくふたりをなんとかしよう」
鼠娘「床がすべるから、気をつけてくれよ」
牛娘「これ、ふたりの?」
鼠娘「だろうね」
馬娘「兎娘、いったいどれだけ……とりあえず、この縄を解いてやろう」
しゅるっ しゅるる……
牛娘「ねえ、このふたり……」
鼠娘「うん?」
しゅる……しゅるる……
牛娘「赤ちゃん……まだ産めるわよね?」
鼠娘「蛇娘に見てもらわないと、なんとも……」
たふたふたふ……ガチャ……ぱたん
鼠娘「おや、もう来たか」
蛇娘「ありゃー、これはひどい」
鼠娘「ふたりは大丈夫かな?」
蛇娘「うん、ちょーっとひどいことになってるけど、問題ないでしょ」
馬娘「本当?」
蛇娘「だって、赤ちゃんが通るところなのよ? このくらいなら平気よ」
牛娘「中の方は平気? 傷ついたりしてない?」
蛇娘「んー……」
くにゅっ♡
竜娘「ん……っは♡」
にちゅぁ♡
虎娘「んにゃふっ♡」
蛇娘「うん、大丈夫」
牛娘「そう……よかった」
蛇娘「むしろ傷より、脱水症状を気にした方がいいわね。のこりの縄も解いてあげましょ」
鼠娘「そうだね」
しゅるる……しゅるる……
馬娘「しっかし、この床に転がってる大人のおもちゃ……ぜんぶ兎娘のかよ」
鼠娘「キャロットオレンジにエメラルドグリーン……にんじんデザインで統一されてるものね」
しゅるる……しゅるる……
牛娘「配色はかわいいのに……これって、男の人のアレよね?」
鼠娘「だねえ」
馬娘「こっちのは、おしり用のだよな。こんなの前後に入れられたら、こうもなるよなあ」
しゅるる……しゅるる……
牛娘「これは何かしら? 竹串みたいで、張りがあって、くにくに柔らかくて……」
蛇娘「それは尿道用のディルドね」
馬娘「にょっ!?」
鼠娘「なるほど……道理で……」
竜娘「うぁ……ぁ……」
虎娘「ん……んぅ……」
鼠娘「よし、ほどけたね」
牛娘「シャワーも浴びせたし、あとはバスタオルで……」
蛇娘「ちょっと待って」
馬娘「どうした?」
蛇娘「竜娘、すこし容態が良くないの。ここで治療するから、みんなは虎娘を連れて先に戻ってて」
鼠娘「わかった。任せるよ」
牛娘「なにか手伝うことがあったら呼んでね」
馬娘「虎娘を運ぶぞ。牛娘、肩貸してくれ」
ガチャ……バタン
トテトテトテ
蛇娘「……」
竜娘「ん……蛇娘?」
蛇娘「気付いた? はい、栄養剤。力がつくわ」
竜娘「ありがとう……」んっく……
蛇娘「これも飲んで」
竜娘「すまんな……」んっく……
蛇娘「飲んだわね?」
竜娘「ああ。私、どうしてお風呂場に?」
蛇娘「兎娘にね、ほら」
竜娘「あ……くうぅ……」カアァ
蛇娘「自業自得よ。虎娘と張り合って、結局どちらも兎娘にしてやられてるんだもの」
竜娘「あの雌兎……皮を剥がれたくらいでは性根は治らんか」ゴゴゴゴゴ
蛇娘「まったく……あなたはそれがいけないのよ」
竜娘「なに? んっ♡ ……あれ?」
蛇娘「さすが。もう効いてきたのね」
竜娘「いったい何を飲ませた? あっ♡」
蛇娘「女の子が素直になっちゃう薬……かしら?」
竜娘「ぐぬぬ……インフォームドコンセントを要求する」
蛇娘「それを言われると弱いなあ。えーとね」
竜娘「くぅ……むずむずするぅ♡」
蛇娘「媚薬よ。後遺症がガッツリ残るくらい強力なやつを、通常の10倍ね」
竜娘「やっぱり! 私がいったい何をした!?」
蛇娘「何って……ねえ、竜娘。私のしっぽ、どう思う?」
竜娘「どうって……飾り気の無い、太いしっぽだと思うぞ」
蛇娘「それだけ?」
竜娘「いいや……ウロコは細かくてなめらかで、翡翠のような、若葉のような、とっても美しいしっぽだと思う」
蛇娘「たしか前も、そう言ってくれたわよね」
竜娘「何が言いたい……ひあっ♡ ちょ、どこさわって! あくっ♡」
蛇娘「竜娘……私もう、我慢できない……」
竜娘「私だって、おまえのこと嫌いでは……」
蛇娘「それなら、いいよね?」
竜娘「いいって……ちがっ! しっぽなんか入らない!」
蛇娘「大丈夫。力を抜いて」
竜娘「だ、ダメだ! 今入れたら……あ♡」
みちみちぃ……
竜娘「かはっ……ふ、太ぉ♡」
蛇娘「あら、そんな声あげられたら困るわ……」
竜娘「ふむぬっ!? んー!?」
蛇娘「声なんていらない……今はこれさえあれば……」
ズンッ
竜娘「ーーッ♡!! っ♡♡♡」ビクビクッ!
蛇娘「こんなに通じ合える……ふふふ」ズンッ ズンッ
竜娘「♡ ーーーーッ♡」
竜娘「♡♡♡ッ! ♡♡♡♡ーッ!!!」
くったり
蛇娘「あら、もう?」
竜娘「……♡」フー……フー……
くちゅ……
竜娘「♡っ……♡♡♡……」
蛇娘「まあいいわ。十分楽しめたようだし……」
竜娘「ぷはっ……はー……はー……なんで、こんなことを……」
蛇娘「なんでって……本当のあなたに戻してあげる。無邪気で、かわいい、やさしい竜のお姫さまにね」
あーん
竜娘「ひっ……た、たすけ……」
蛇娘「いただきまーす」
竜娘「たすけ……おとこ……とらむす……」
ごくんっ
リビング
虎娘「うーん……やっぱり思い出せない」
馬娘「べつに良いんじゃないか?」
虎娘「いや、気になるんだ。たしかにここで、あたしと竜娘で我慢比べしてたんだ」
牛娘「うんうん、それで?」ナデナデ
虎娘「ふにゃ……ゴロゴロ……その後が……思い出せないんだよ」
鼠娘「無理に思い出す必要もないさ。しかし……」
兎娘「……」きゅー
鼠娘「この子は、ずっと気絶したまんまかい?」
犬娘「ええ。蛇娘さんが薬を塗ってからずっとこのままです。おしりの赤みは引いたけど、微動だにしませんね」
鼠娘「うーん、ねえ兎娘、大丈夫かい?」ユサユサ
兎娘「ん……んー?」
鳥娘「あれ? 起きた!」
兎娘「鼠娘?」
鼠娘「ボクも悪かったよ。つい怒っておしりを叩いてしまって……」
兎娘「おしり……」サスリサスリ
鼠娘「ごめん。痛かっただろう?」
兎娘「ううん……///」ポッ
鼠娘「あれ? どうした?」
兎娘「いままでわたし、あんな世界知らなかった。鼠娘……ううん、お姉さま♡」
鼠娘「お、おねえさま!?」
兎娘「おねがい。もっと叩いて。おしおきしてぇん♡」スリスリ
鼠娘「ちゅっ!? やめろ! なつくな、抱きつくな、甘えるな、においをかぐな!」
兎娘「そんなぁ、お姉さま♡」
蛇娘「あら、にぎやかね」
鼠娘「おお! 蛇娘。竜娘の具合は?」
蛇娘「具合? ふふふ、とっても良かったわ」
猪娘「容態が悪かったんじゃないッスか?」
蛇娘「ああ、具合ってそっちのことか……うん。もうすっかり元気。ほら、こっちにおいで」
トテトテトテ
???「んー……おねえちゃんたち、だれ?」
鼠娘「誰だその子? 竜娘の妹?」
蛇娘「またまた。この子が竜娘にきまってるでしょ」
馬娘「ちょ……え……」
牛娘「あらあら?」
虎娘「な、なにいい!? おまえ、竜娘か?」
竜娘「うん。わらわは竜娘じゃが……」
虎娘「なんで、おまえ、こんなに……かわいくなっちまって……」
猿娘「小学生なみにちぢんだ……か?」
犬娘「と言うより、幼稚園サイズ?」
鼠娘「容態が悪いと言ってたけど、いったい何があった?」
蛇娘「最善を尽くしたんだけど……完全に壊しちゃって、一応もとには戻せたけど、かなり年齢が逆行してしまったの」
鼠娘「キミが! あんなことをしなければ! このこのこの!」バチンバチン!
兎娘「あはっ♡ 痛いっ! あんっ♡」
猪娘「それ、罰になってるっすか?」
犬娘「だっこさせてください。ちょっとで良いですから!」
竜娘「やーん」
虎娘「ダメだ。これはあたしんだ!」
猿娘「なんだよケチー」ブーブー
羊娘「んむゅ……んあ? あふぅ……にぎやか」
男「なあ、蛇娘」
蛇娘「どうかした?」
男「さっき、壊しちゃった、って言ったか?」
蛇娘「なにか気になる?」
男「いや……なんでもない。やぶ蛇になりそうだし、やめとくよ」
蛇娘「うん……良い判断ね。ふふふ」
藪をつついて蛇を出す
蛇の道は蛇
今日はここまで。
鼠娘「価値のわからない相手に何をさとしても無駄。これを「馬の耳に念仏」……と言う」
馬娘「そうだな。あたしを引き合いに出されるのは、ちょっと迷惑だけど」
猪娘「いきなりそんなこと言って、どうかしたッスか?」
鼠娘「こいつの事を言ってるんだ!」
兎娘「はあ……お姉さまのおしおき、すごかった♡」
鼠娘「ハートを付けるな! しなだれかかるな! キミ、ちょっと甘くて良いにおいするんだよ!」ゲシッ ゲシッ
兎娘「ああ、いい♡ おねえさまの足蹴、すごいいぃぃ♡」
鼠娘「〜〜〜っ!」ゲシッ ゲシッ ゲシッ!
猿娘「キキキ、さらに足蹴にしてやがる」
犬娘「「人の恋路を邪魔するやつは馬にけられて死んじまえ」でしたっけ?」
馬娘「人の恋を邪魔するヤボなヤツは、誰にでも蹴られるよって意味だけど、これは違うだろ」
兎娘「あはーん♡ お姉さまの足の裏、すべすべぇ♡」
鼠娘「頬ずりするな! 足の裏だぞ!」ゲシッ!
兎娘「きゃふっ!? ……きゅ〜」
男「おいおい、大丈夫かよ?」
牛娘「完全にのびちゃってるわね」
竜娘「ねえ、虎ねーさま」
虎娘「どうした?」ナデナデ
竜娘「鼠ねーさまは、どうして兎ねーさまのこと嫌がってるの?」
虎娘「女同士でくっつくのが嫌なんだろうな」
竜娘「え……虎ねーさまも、わらわをだっこするの、嫌か?」ウルウル
虎娘「ぐは……」
竜娘「ねーさま?」
虎娘「大好きだこのやろー!!」ギュムウウウ
竜娘「きゃははは! やーん」
犬娘「だ、抱きしめたいです」
鳥娘「おなかの下で温めてあげたい!」
牛娘「母性本能にきゅんきゅん来るわねぇ」
犬娘「ねえ、ちょっとだけこっちに来ませんか?」
虎娘「竜娘、犬娘が抱っこしてくれるってさ」
竜娘「やーん 虎ねーさまがいいー」
犬娘「……むー」
猪娘「「馬が合う」ってやつッスか?」
蛇娘「そうね。もともと仲良しだったから。馬は元々頭のいい生き物だから、このことわざも生まれたんでしょうね」
鳥娘「え? 馬って頭いいの?」
馬娘「どういう意味だ? 鳥娘」
鳥娘「だって、「馬の耳に念仏」とか「馬耳東風」とか! 人の話を聞かないイメージしかないもん!」
蛇娘「ううん。たしかに馬の頭の良さをたとえたことわざは少ないけど「馬のもの覚えたよう」ってのもあるのよ」
男「うん。馬は1度おぼえたことは忘れないと言われるほど、昔話でも頭のいい扱いを受けてるな」
馬娘「そうそう。いい馬はいい乗り手をきちんとおぼえていたもんさ。だから「馬が合う」のも「馬のもの覚えたよう」ってのも、馬が頭がいいからこそ成り立つことわざなんだよ」
鳥娘「むぅ……そうなのか……そういえば、名馬も伝説には良く出てくるよね」
蛇娘「西洋ならブーケファロスにインキタートス、アジアだと赤兎馬が有名ね」
男「足の速いのはもちろんだけど、頭が良くて人と良く通じないと、名馬とは呼ばれないからな。毎日の仕事で人を助け、戦場を駆け抜けて、馬はいつも人と一緒に居たわけだ。そりゃあ、いい意味のことわざも生まれるだろうな」
馬娘「そうだろう? さっすが男。良くわかってるな!」
男「まあ、実際……馬娘の乗り心地は最高だしな」///
馬娘「コラ、下ネタいうな」
牛娘「……でも、ちょーっと気になるかも」
鼠娘「気になるって?」
牛娘「馬娘ちゃん、ベッドだとどんな感じなのかしら?」
鼠娘「ストレートだなあ……」
馬娘「あー、もうやめやめ!」
男「昨日ので良ければ、ビデオに撮ってあるけど……」
馬娘「おいいいい!?」
馬娘「男! 誰にも見せないって約束だろ!?」
男「んー、でもさ、他のみんなはけっこう見せてるわけだし、せっかくビデオもあるのに公開しないのは……」
馬娘「男……歯ぁ食いしばれ!」ギュンッ
男「ぬわっ!? ちょ、ちょまて!」
鼠娘「おいおい、回し蹴りで男の髪を切ったぞ?」
牛娘「さすがは馬娘ちゃん。蹴り技最強ね」
男「そんなこと言ってないで、たすけ……あぶねっ!?」
ギュンッ
馬娘「避けるな! そのデジカメをこっちに渡せ! さもないと……」
男「さもないと……どうなるんだよ?」
馬娘「男を良く踏み砕いてから、自力で奪わせてもらう……ぞっ!」ギュンッ
男「ぐわっ! く、くそ……この秘蔵映像だけは! いてっ!?」ずでっ
馬娘「ふっふっふ……男……覚悟っ!」ギュンッ!
男「ひっ!?」
男「……」
男「……あれ?」
男「何ともないぞ?」
馬娘「んっ……こ、こらぁ!」
猿娘「ほら、どーどー……落ち着けって」もにもに
男「猿娘!? おまえ、どうやって……」
猿娘「男、正面から馬娘に立ち向かって勝てるわけないだろ? コツがあるんだって」くいっ
馬娘「くぅ……ううぅ……肩こりが……あううぅ」
猿娘「牛娘ほどじゃないけど、これだけ胸がでかければ肩もこるよな……背中も……ほれ」くいくいっ
馬娘「んっはぁ……そこ……痛きもちぃぞ……」
男「たすかった?」
犬娘「さすがは猿娘。馬娘の弱点を知り尽くしていますね」
男「あ……そういうことか」
鳥娘「猿娘って、馬娘の弱いところ知ってるの?」
鼠娘「なんだか引っかかる言い方だけど、まあそういうことだ。昔から猿は馬の世話をすると言い伝えられてきたからね」
鳥娘「へえ……人間以外がお世話することもあるんだね」
犬娘「人と一緒に馬が生活する際、猿や犬など、群れの性質を持つ動物を一緒に飼うと、馬のストレスが軽減されると言われてきました。特に中国では、馬の世話役は猿のイメージが強いようですね」
蛇娘「そのせいで、孫悟空も馬屋番をさせられたんですね」
猿娘「そういうこと。今となっちゃ笑い話だけどな……お客さん、腰もこってますねー」ぐぐぐい
馬娘「はあぁう……やめぇ、とける……とけりゃぅ……ぅぅ」とろん
男「よし、馬娘が骨抜きになってる今がチャンス! 動画再生!」
馬娘「こ、こらぁ……おとこぉやめぇ……ふあぁ……」とろろん
ズンズンズンズン!
ドンチャ! ドドンチャ! ドンチャ! ドドンチャ!
鼠娘「なんだ、このイヤに陽気な音楽は?」
兎娘「あら? お姉さま、これって昨日、馬娘の部屋から聞こえてきましたわ」
牛娘「そう言えば、けっこう頻繁にこの曲かかってるわよね。夜に」
馬娘「まっれ、とめ……とめれええ……ふぁぁ……」とろろろん
猿娘「大人しくしろって、よっ!」ぎゅむっ
テレビの声『オー! イエス! アッハアァン! マイガッ!』
十二支娘一同「えっ!!??」
馬娘「それ、やば……ちがう、わらひりゃなくれ……ふぁぁ」とろろろろん
テレビの馬娘『アッハア! 男の最高! オーファック!』
ズンズンズンズン!
ドンチャ! ドドンチャ! ドンチャ! ドドンチャ!
鼠娘「アメリカン……だな」
兎娘「ねー」
馬娘「むぎゃー!」ジタバタ
猿娘「何を恥ずかしがってんだ。カウガールの格好して、ノリノリじゃねーか」
テレビの馬娘『オゥ! もっと! もっとおお!』ズンズン!
兎娘「そうよねー。ベストとテンガロンハットとブーツだけの全裸で、すごい良い笑顔で騎乗位なんて、レベル高いわー」クスクス
鼠娘「こら」ペシッ
兎娘「あうっ……お姉さま、もっとぉ……」
竜娘「まったくもって、ハレンチじゃの///」
虎娘「竜娘は、あっち見なくて良いからなー……よしよし」
猪娘「しっかし、すごいッスね……こんなに激しくしたら、小生なら腰が砕けてしまうッス」
テレビの馬娘『オーイエー! ンッハアァン!』ズンズン!
蛇娘「馬娘がこんなに大胆になるなんて意外だわ」
馬娘「そうだろ? もういいだろ? 上映終わらせて、次の……んあぁ」
猿娘「まあ、最後まで見ようぜ? ほら、そろそろイきそうだし」
テレビの馬娘『オウ! カモーン! イエァ! アンッ!』ぐいんぐいん
ズンズンズンズン!
テレビの馬娘『オウ! イエス! オウオウ! アーッハアアア!』ビクンビクビク
猿娘「あ、終わったかな」
馬娘「だろ? もう見ることないし……」
牛娘「でも、つづきがあるみたいよ?」
馬娘「いいから! もう、まじでいいから! あふぅ……」
猿娘「よしよし、良い子いいこー」モミモミ
テレビの馬娘『ふぅ……ん……あれ? 男、まだ降ろしてくれないのか?』
テレビの男『だって、俺まだだし……』
テレビの馬娘『なあ、もういいだろ? あたし、けっこう深くイって……んああああっ!?』
蛇娘「あれ? 素に戻ってる?」
犬娘「さっきまでのは演技だったんですかね?」
テレビの馬娘『だめ! もうらめええ! おとこおおお♡』
猪娘「あー……完全に、男に乗りこなされてるッスね」
馬娘「ぎにゃー! 見るな! 見んなああ!」ジタバタ
十二支娘たち 鑑賞中……
テレビの馬娘『ひああぁぁ! らめえええ! ゆるし……んああ♡』
鼠娘「うわ……すごぉ……」
兎娘「恋人つなぎで、腰高位で、キスしっぱなし……逃げられないわね」
蛇娘「そうね、それで……まだ動かすの?」
鳥娘「男、激しすぎ、馬娘こわれちゃう……」
犬娘「というか、完全に垂れ流しですよ」
竜娘「ううぅ……えっちい話は聞かんのじゃ!」
虎娘「そうそう。良くない物は見ないんだよな。よしよし」ナデナデ
テレビの馬娘『あー♡ ああー……♡ ……♡♡♡』
猿娘「キッキッキ 完璧に落ちてやんの。これが本当の落馬か?」もいもい
馬娘「ううぅ……うううぅぅ///」
男「そんなにイヤならはね除ければ良いのに」
馬娘「できるわけないだろ。こんな……きもちよ……はうぅ……」とろろろろろろん
猿娘「……と、ここで手を離す」パッ
馬娘「ふぇ? ん……あれ?」
男「おい、そんなことしたら……」
馬娘「男……」スクッ
男「あー……外は良い天気だなー……」
馬娘「待ちやがれ! この野郎っ!」ギュバッ
男「うおっ!?」
猿娘「ほらほら、ぼーっとしてると。キッキッキ」
男「猿娘! なんで馬娘をおさえてくれないん……あぶねっ!?」
ギュドバッ!
馬娘「くそっ! 避けんな!」
猿娘「キーッキッキッキ……当たったら痛いだろな! 逃げろ逃げろー」
鼠娘「猿娘、キミさ……楽しんでるだろ?」
猿娘「あったりまえだろ!」
牛娘「なんでこんな……面白いことを」
男「ふざけんな! おもしろがるなよ! うわっ!」
ギュンッ!
馬娘「このやろ、マッサージで力が抜けてなければ一発なのに……」
猿娘「そうだな……馬娘とは長いつきあいだけど、最近は豪快キャラで推そうとしてるのが鼻についたから、ちょっといぢめてみたいかなって」
蛇娘「「竹馬の友」と言うわね。馬は関係ないけれど」
猿娘「そういうことだな。もっとあいつの色んな面を、みんなに知ってもらいたいなってさ」
鳥娘「でもでも、男、殺されちゃいそうだよ?」
猿娘「んー……まあ、その時はその時で」
男「その時は!? 猿娘! もとはと言えばおまえが……」
馬娘「もらった!」ギュンッ
男「しまっ……」
パッカーン
猿娘「おー、窓突き破って、裏の林まで飛んでったか……ホームランだな」
鳥娘「大変! 助けに行ってくる!」パタパタ
犬娘「わ、私も行きます!」トテトテトテ
馬娘「ふん! 男なんて、雨に当たってふやけちまえば良いんだ」
猿娘「……とまあ、見ての通り、コイツは見た目によらずかなりの照れ屋だからな」
馬娘「猿娘、おまえなあ!」
猿娘「つーか、何であんな格好でヤってたんだ? おまえ、ああいうの苦手だろ?」
馬娘「ぅ……ダビスタで負けた方がなんでも言うこと聞くって……賭けて……負けた」
猿娘「キキキ、賭で負けたなら、みんなに見られても文句言えないだろ?」
馬娘「いやいやいや、猿娘が邪魔しなければ、男を蹴り飛ばしてデータを消すことだってできたんだぞ!? なんでマッサージなんかしやがった!?」
猿娘「そりゃあ、こう……面白いかなって、ついムラムラっと」
蛇娘「ついついやってしまう「意馬心猿」ということわざがあるわね」
猿娘「そう、それ! だから、ねえ……ゆるして? キャピッ!」
馬娘「なにが、きゃぴ、だ! ゆるさねえ! くすぐってやる!」
猿娘「お、おい。力任せはやめ……あは! あははははは!」
鼠娘「あ、あれ? きききじゃなくて、普通に笑えるのかい?」
馬娘「そうだよ! こいつもキャラ作りすぎなんだ! このコノこのぉ!」こちょこちょこちょ
猿娘「あははは! キャラ作るって、キキキは普通に出ちゃうだけで……やっ あはははは!」
猪娘「んー……結局男は蹴られ損、馬娘は見られ損ってことっスか?」
蛇娘「そうとも言い切れないわ」
虎娘「どうして?」
蛇娘「良く言うでしょ? 「人間万事塞翁が馬」悪いと思っていたことがじつは幸運の種だった、その逆もしかり」
虎娘「蹴られて外に飛ばされたのが、幸運のもとってか?」
蛇娘「そうじゃないけど……ただ、どんなときにも予想外の結果が起こりうるって事よ」
馬娘「ほらほらほら! 笑え笑え笑え!」こちょこちょこちょこちょ
猿娘「あはははは! はひー! カンベンしてー!」
猪娘「そんな物ッスかねえ……」
竜娘「ん?」ゾクッ
羊娘「んむー……ぅるさぃ……」ゴシゴシ
竜娘「なーんか、嫌な予感がするのぅ」
「馬が合う」「人間万事塞翁が馬」
今日はここまで
更新間隔開きましてごめんなさい
家の裏の林
鳥娘「あっちの方?」パタパタ……
犬娘「くんくん……うん。あっちから男さんのにおいがします」
鳥娘「あ、いた!」パタパタ
男「ぐえ……」
パタタタ……スタッ
鳥娘「うわあ、あごがひどい事に」
テッテッテ……テテッ
犬娘「大丈夫。蛇娘さんから預かってる塗り薬があります」
鳥娘「え、でも……これって手術必要なレベルのケガだよ?」
犬娘「効果はよろず外傷……止血くらいにはなるのかもしれません」ヌリヌリ
プチプチ……ニチャア……ズズズズ
鳥娘「うげっ? ぐ、ぐろい!」
犬娘「ひ、ひいいいぃぃ!?」
……
…………
………………
男「……ん? おお、ふたりとも助けに来てくれたのか」
鳥娘「ぴっ!? そうそう! お迎えに来たよ!」
犬娘「ううう……アゴは大丈夫ですか?」
男「アゴ? ……うん、なんともないな」スリスリ
鳥娘「とにかく戻ろう。雨に濡れちゃうよ」
犬娘「そうだね、風邪ひいちゃいます」
鳥娘「先に戻ってタオルとか用意してるね」
犬娘「はい、おねがいします」
男「悪いな、鳥娘」
鳥娘「うん。足もと気をつけてね」
ピョンッ パタタタ
男「飛べるっていいな」
犬娘「ですね」
……………………
リビング
パタタタ……スタッ
鳥娘「みんなー! 男を見つけたよ」
鳥娘「……あれ?」
鳥娘「みんな?」
虎娘「んごー……んごー……」……zzzZZZ
竜娘「すーすー……」……zzzZZZ
鳥娘「そんな、ウチのツートップが……」
鼠娘「うーん……うーん……」……zzzZZZ
兎娘「えへへぇ……おねえさまぁ……」……zzzZZZ
鳥娘「リーダーとその奴隷が……」
牛娘「すー……まひゅー……」……zzzZZZ
馬娘「くかー……くかー……」
猪娘「すかー……すぴー……」……zzzZZZ
鳥娘「お肉担当が!」
猿娘「……」……zzzZZZ
蛇娘「ふしゅるる……しゅるるるぅ……」……zzzZZZ
鳥娘「作戦頭脳担当が!」
鳥娘「全滅……だと?」
羊娘「すー……くーくー……」……zzzZZZ
鳥娘「お寝坊担当はいつもどおりか……」
鳥娘「でも、どうしてみんな寝ちゃって……うーん」
鳥娘「とりあえず、タオル用意しとこう」
パタタタ……
羊娘「くー……くー……」
男「あー……まいったまいった」ゴシゴシ
犬娘「小雨だったからたすかりましたね」ブルンブルン
鳥娘「わたしはあのくらいの雨なら弾くから大丈夫です。こうして払えば……」パンパン
男「ふむ……それで?」
犬娘「これはどういう状況でしょう?」
十支娘「ぐーぐー」……zzzZZZ
鳥娘「疲れてたのかな?」
男「それにしても、この短時間で全員熟睡するか?」
犬娘「んー、お昼寝するにはちょっと遅いですから、みんな起こさないと」
鳥娘「そうだね起こそう。……すーぅっ」
男「やめろ! 鳥娘ストップ!」
鳥娘「ぷはぁ……んもう、何ですか?」
男「朝の大声をこの近距離で出すつもりか?」
鳥娘「だって、起こすんでしょ? なら……すーぅ」
犬娘「やめてください! みんな耳がきーんってなっちゃいますよ!」
鳥娘「ぷっはぁ……だめ?」
男「だめだ。こうやって、揺り起こせばいいだろ? ほら、起きろ」ユサユサ
羊娘「んむー……んんんー……」
男「ほら、起きろー……おきろ……あれ、おまえ?」ガクッ
ドテゴロン
鳥娘「男!?」
男「……」……zzzZZZ
犬娘「いびきもかかずに眠っている……こんなに短時間にっ!?」
羊娘「んむー……うるさいぃ……」ネムネム
犬娘「やっぱり、あなたのせいですか? 羊娘っ!」
羊娘「だって、みんなうるさいんだもん……午後はお昼寝の時間だよ?」
鳥娘「午前中は?」
羊娘「お昼まではちゃんと眠らないと……くー……」
犬娘「眠らないでください! 他の人をあなたの怠惰な生活リズムに引き込む事、このわたくしが許しません!」
羊娘「んー……べつにいいじゃない……」
犬娘「ぐぬぬ! その根性、たたき直してさしあげます! 絶・天狼抜刀牙!」
ズバドバッ! シュバババババン!
鳥娘「そんな大技、家の中で出さないでよ!」
犬娘「はああっ! 喰らえッ!」
ギュギュギュギュ……ギュンッ!
羊娘「んむー……」もふん
犬娘「はうっ!?」
鳥娘「おお、あの突進を受け止めた」
犬娘「や、やめ……あ」
羊娘「よしよし……ねんねんころころ……ねんころり」ナデナデ
犬娘「きゃんきゃんきゃん! きゃいーん……がくっ」……zzzZZZ
鳥娘「寝た!? やっぱりあんたのせいか! 羊娘!」
羊娘「むふふふ……鳥娘も寝よー……1日23時間睡眠の健康な生活をしよーよ」ジリジリ
鳥娘「く、来るな! わたしは一日3時間で十分なの!」
羊娘「そんな不健康だよ……ねえ、眠ろう?」まふん
鳥娘「ぴぃっ!? やめ! ぱみゅっ?」ジタバタ
羊娘「ほらほら……ねむねむー……」ナデナデ
鳥娘「はぁ……あ……」とろん
羊娘「いいこいいこ。寝ちゃおうね……すやすやー……」ナデナデ
鳥娘「やぁ……ね、眠たくな……もう、寝かすなああぁぁ!!」
羊娘「ふわっ!?」
鳥娘「起きろ起きろ起きろ! みんな、起きろおおおおおオオオ!」
ギリイイイイィィィィン!
男「と言うわけで、さわやかな目覚めだな」ギンギン
鼠娘「まったくだ。少しの昼寝は作業効率を良くすると言うしな」ギンギン
馬娘「鳥娘の目覚ましは、濃いコーヒーより効くからな」ギンギン
蛇娘「午後遅くのカフェイン摂取は、健康上オススメできないのよ?」ギンギン
鳥娘「みんな寝ちゃうんだもん」プリプリ
羊娘「ううぅ……眠くない……身体に悪い気がする……」
牛娘「あなたは少し寝過ぎ。昼間は起きていないとね」
竜娘「そういえば、ことわざの順番も羊娘だのぅ」
羊娘「ことわざ……?」
虎娘「忘れたのか? 今日はじぶんの干支のことわざについて話してるだろ」
羊娘「そうだっけ……そんな気もする」
猿娘「こいつ、とぼけてるんじゃねーか?」
羊娘「んむー? そんな事言うと、安眠させるぞこらー」
猿娘「ひっ!? や、やめろ! おまえ、ほしたての毛布みたいなにおいするんだよ!」
羊娘「むふふふふー……」
猪娘「あ、まさにアレっすね」
犬娘「あれ、ですか?」
猪娘「「羊の皮をかぶった狼」とは、まさにこのコトっす」
兎娘「……たしかに」
鼠娘「キミが言うな」ペシッ
兎娘「はうっ!? おねえさま、ひどい」
蛇娘「まろやかの塊みたいな顔して、私たちを全滅寸前まで追い詰めるんだものね」
鳥娘「でもそのことわざって、見た目は無害そうなのに、中身はとっても危ないって意味でしょ?」
蛇娘「そうね」
鳥娘「べつに動物なら何でも良さそうなのに、どうしてヒツジとオオカミなんだろ?」
虎娘「たしかに、山羊と豹……とかでも意味は同じかもなあ」
竜娘「それは文化的なヒツジとオオカミのイメージに由来しておるな」
虎娘「どういうことだ?」
竜娘「ヒツジが家畜化された歴史は古くてな。人類最古はヤギだが、ヒツジもヤギにわずかに遅れるものの、中国やメソポタミアで同時発生的に家畜化が行われた。ヒツジの肉は味もカロリーもヤギより遙かにすぐれていたし、野生に近いヒツジでも、その毛は衣服の材料として利用された」
猿娘「やっぱり食用か。この食用め!」
羊娘「むむっ! 食用でわるいかー! このやろー!」
竜娘「んむ。牛も兎もそうだが、家畜化された食用の動物という点で、羊は特別な位置を占めている。アブラハムの宗教では生け贄や自分たちを指す言葉、神の小羊として使われる。中国の漢民族はおとなしい自分たちを羊、野蛮な他民族をオオカミと表現していた」
男「農耕民族が米や麦やトウモロコシ、ジャガイモに向けるのと同じ食べ物に向ける感謝の念を、遊牧民族から受け続けている生き物がヒツジだものな」
竜娘「うむ。その通りだ。おとなしく、群れの習性が強く飼育が容易で、利用価値の高いヒツジは、全世界共通と言っていいほどに文化的イメージの良い動物だ。ヒツジが飼育されている地方では、ヒツジをまとめるために牧羊犬が発達し、ヒツジを襲う害獣はオオカミが多かった。慣用句でヒツジとオオカミ、イヌの組み合わせが多く見られるのは、その言葉を生み出した人たちの生活空間でそれらの動物が身近なものだったからなんだ」
虎娘「うん、良くできたな。竜娘は頭のいい子だ」ナデナデ
竜娘「えへへ、恐れ入ります。虎ねーさま」
虎娘「とゆーわけだ」フンス
鳥娘「あんたは何もしてないだろ!」
男「まあまあ……しかし日本ではあまり羊の飼育は一般的でなかったから、日本で使われる羊の出てくることわざは、まず中国の故事成語だな」
猪娘「ヒツジの肉を食べるって文化が日本にはないッスからね」
牛娘「お肉といえば「羊頭狗肉」ということわざもあるわね」
猿娘「看板にヒツジの頭を出しておいて、実際売ってるのはイヌの肉ってやつだな」
犬娘「きゃっ!? い、イヌの肉!?」
虎娘「イヌの肉は、大陸ではふつうに珍味だぞ?」
犬娘「やめてください! あなたが言うとリアルすぎます!」
馬娘「しかし屠殺したヒツジの頭を看板がわりに出すのも、日本の市場より、中国とか韓国とか、大陸の市場って感じだよな」
蛇娘「そうだね。いままさにお肉にされちゃう羊の様子を指す、「屠所の羊」ってことわざもあるくらいだし」
牛娘「なんだか「まな板の上の鯉」のようなことわざね」
蛇娘「処刑を待つ人の気落ちした様子とか、そういうときに使うみたいね」
兎娘「ことわざの印象で言えば、ヒツジにはとにかく数が多いって役割もあるわよね」
竜娘「弱くても数が多ければ強い相手に勝てる「群羊を駆りて猛虎を攻む」や、一般の人の意見に流されるなという意味の「牛羊の目をもって他人を評量するなかれ」などだな」
鼠娘「あんまりいい意味のことわざじゃないなあ……」
羊娘「……」
牛娘「ほら、とにかく数が多いんだもの。市民って言葉がいい意味にも悪い意味にもなるのと同じね」
鼠娘「そ、そうだよね。羊娘、あんまり気にせず……おや?」
羊娘「……くかー」
男「寝てやがる……」
猿娘「つねるか? これはつねっていいのか?」
犬娘「やめておきなさい」
猿娘「んだよ?」
犬娘「この方の威力、我々の及ぶところではありません」
猿娘「そんなレベルなのかよ!?」
羊娘「んむ……うるさい……抱きまくらーぎぶみー」
猿娘「ひっ!? くるな! くるなああ!」
鼠娘「うむ」ガシッ
兎娘「ひゃっ? お、おねえさま!?」
鼠娘「そいやっ!」ブンッ
兎娘「ぬあっ!? ふみゅっ!」ぽふん
羊娘「あふぅ……だきまくら……」きゅっ
兎娘「羊娘やめ! やぁ……あ……」カクッ
羊娘「くかー……すぴー……」……zzzZZZ
兎娘「すー……すー……」……zzzZZZ
鼠娘「さて、うるさいのを始末したところで、次に行こうか」
猿娘「……鬼かよ」
「羊の皮をかぶった狼」
今日はここまで
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