・同タイトル『体験版』『拡張版』の続き。本編はこれで完結します
・アニメ派の人はネタバレ注意
\シャラーン/ \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/
『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-完全版-』
―― 親友エンド:マルコをクリアしました
―― 三人エンド:エレン&コニーをクリアしました
―― ライナールートが開放されました
―― ベルトルトルートが開放されました
―― 休日 朝の女子寮
クリスタ「……? ミカサ、それ何?」
ミカサ「走って喋って砲弾をぶっぱなす恋愛小説のような鈍器。または魔性の文鎮」
クリスタ「??」
ミカサ「この前の騒ぎの原因はこれ。アニに言われて私が管理を任された。もとい、没収した」
クリスタ「ふうん……」ジッ...
ミカサ「……」
クリスタ「……」
ミカサ「……」
クリスタ「……ねえ、ミカサ」
ミカサ「だめ」
クリスタ「そこをなんとかっ!」
ミカサ「だめ」
クリスタ「……ちょっとだけ」
ミカサ「だめ」
クリスタ「……」
ミカサ「……」
クリスタ「……」
ミカサ「……わかった。私が操作する。クリスタは横から見てるだけ。いい?」
クリスタ「やった! ありがとうミカサ!」
ミカサ「その代わり、他の人には内緒。特にミーナとユミル」
クリスタ「そういえば最近ユミルを見ないんだけど、ミカサは何か知らない?」
ミカサ「アニに矯正されてる」
クリスタ「?」
クリスタ「ところでこれ、どうやって使うの?」
ミカサ「……ミーナがやっていたのを少し見ただけから、私も詳しくは知らない」
クリスタ「……」ツンツン
ミカサ「……」ペタペタ
クリスタ「……」ガチャガチャ
ミカサ「……」ブンブン
クリスタ「……動かないね」
ミカサ「……仕方がない。経験者に聞こう」
クリスタ「でも、アニには聞けないよね。やっちゃダメって言われてるし……」
ミカサ「それなら私にいい考えがある」
―― 十分後
ミカサ「連れてきた」
サシャ「連れてこられました」ペコッ
クリスタ「いらっしゃいサシャ」
ミカサ「早速だけどこの鈍器の使い方を教えてほしい。できるだけ細かく」
サシャ「えー……アニに怒られたくないので嫌です」
ミカサ「教えてくれるなら、ウォール・シーナ内にある工房で造られた貴重なナイフをあげよう。芋を剥いたり肉を削ぐ時にとても便利。立体機動装置の半刃刀身より数段扱いやすい」
クリスタ「じゃあ私は金平糖をあげるね。ほら、瓶の形が特徴的でとっても綺麗でしょ? それに一粒一粒大事に食べたらなかなか減らないよ?」
サシャ「……私が話したって内緒ですよ」
ミカサ「おっけーおっけー」
クリスタ「もーまんたいもーまんたい」
サシャ「でもその文鎮、ハツデンキがないと動きません」
ミカサ「それも持ってるなら貸してほしい」
サシャ「アニにダメって言われたのでダメです」プイッ
クリスタ「貸してほしいなー」クイクイ
サシャ「ダメですってばー」イヤイヤ
ミカサ「貸してくれたらこの前街で買ってきたこのおせんべいをあげよう。2枚で1袋だから少しずつ食べられてとってもお得。8袋も入ってるからつまりは16枚入り」
クリスタ「じゃあ私はこのハッピーパウダーをあげるね。一舐めしたらヤミツキになっちゃうトロスト区では人気の調味料なの。300g入りの限定品だよ?」
サシャ「……私が貸したって内緒ですよ」
ミカサ「大丈夫大丈夫」
クリスタ「平気平気」
―― 更に十分後
サシャ「……操作方法はこんな感じです。横から見てただけなのでうろ覚えですけどね。理解できましたか?」
ミカサ「なんとなく」
クリスタ「奥が深いんだね、恋愛小説って」
サシャ「まあ、慣れれば簡単ですよ。……ああそれと、都合が悪くなったら消しちゃうのもアリです」
ミカサ「消す……?」
サシャ「ええ。そしたらセーブした地点まで戻れますから。まあセーブしてなかった部分は全部パァになっちゃうんですけど」
クリスタ「……それって、人生をやり直せるってこと?」
サシャ「端的に言うとそういうことですかね。人生じゃないですけど」
ミカサ「……なんと、恐ろしい」
クリスタ「人生をやり直せる機械、か……」
サシャ「あとはこのハツデンキのケーブルを繋いでっと……これでよし」
ミカサ「このハンドル? を、回せばいいの?」
サシャ「はい。プレイ中はずっと回していてください」
クリスタ「大変なんだね、恋愛小説を読むのって」
サシャ「まあ人一人どころか周りの人間の人生を弄ぶわけですから、これくらいの労力は必要でしょう」
ミカサ「ふむ……ところでサシャ」
サシャ「先に言っておきますけどお菓子もらっても回しませんからね。見てくださいよこの手首、腱鞘炎でボロボロですよ」
クリスタ「ああ、その包帯ってそういうことだったんだ」
サシャ「おかげでもろもろの当番は免除してもらえましたけどね。というわけでやりすぎは禁物です。十時間なんてやっちゃダメですよ?」
ミカサ「わかった。五時間おきにおやつタイムもとい休憩を取ろう」
サシャ「そうしてください。あとおやつタイムの時は私も呼んでくださいね。それではまた」ガチャッ バタンッ
ミカサ「……さて。それでは」
クリスタ「……はじめよっか」
ミカサ「まず私がハツデンキを回す。おやつタイム毎に役割を交代しよう。それでいい?」
クリスタ「異議なし! ……だけど、私も操作することになっちゃうよ?」
ミカサ「クリスタの手が腱鞘炎になったらかわいそう」
クリスタ「ミカサ……///」
ミカサ「そして私も腱鞘炎にはなりたくない。ので、交代制が最善策」
クリスタ「ふふっ、お互い気をつけようね。腱鞘炎」
ミカサ「うん。……というわけで、スタート」ポチットナ
\シャラーン/ \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/
『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-完全版-』
ベルトルト『おはよう。今日はどこに行こうか?』
ミカサ「どこにも行かない。今日はここにいる」ギーコギーコ
クリスタ「えっと……サシャの話だと『しんきでーた』を作ればいいんだよね……これかな?」ピコピコ
アルミン『はじめまして、こんにちは! 僕はアルミン・アルレルト』
アルミン『これからの君の訓練生活をサポートするよ。よろしくね!』
ミカサ「はじめましてじゃない。私とアルミンは幼なじみ」ギーコギーコ
クリスタ「わあっ、小さいアルミンだー……しかも動いてる、かわいいなぁ」ピコピコ
アルミン『じゃあまずは、君の名前を教えてくれるかな?』
クリスタ「名前か……どうしよっか?」
ミカサ「クリスタがやりたいと言ったのだから、クリスタの名前にすればいい」ギーコギーコ
クリスタ「ありがとう、じゃあそうするね」ピコピコ
アルミン『ごめんね、その名前は使えないんだ』
アルミン『一番近い名前は クリス だよ! こっちに変えてもいい?』
クリスタ「……ミカサの名前にしよっか」
ミカサ「クリスタはそれでいいの?」
クリスタ「一文字足りないのはちょっとね……ちなみにミカサの名前でプレイするなら相手の男の子って」
ミカサ「エレン以外認めない!!」クワッ!!
クリスタ「だよね」ピコピコ
アルミン『ごめんね、その名前は使えないんだ』
アルミン『一番近い名前は ミカ だよ! こっちに変えてもいい?』
クリスタ「……アルミンのケチ」ピコピコ
ミカサ「何故最後の一文字だけ削るのだろう」
クリスタ「私たちの名前って、そんなに珍しいのかな……?」
ミカサ「真相はアルミンしか知らない。今度聞いてみよう」ギーコギーコ
クリスタ「それで……名前、どうしよっか」
ミカサ「ここでつまずくとは思わなかった。不覚」ギーコギーコ
クリスタ「前に遊んだっていうミーナかサシャの名前を入れる?」
ミカサ「いや……ここは、全然関係ない名前にしよう。鈍器を少し貸してほしい」
クリスタ「はい。……関係ない名前って、何にするの?」
ミカサ「これ」ピコピコ
アルミン『名前は ハナコ ・ スズキ で間違いない?』
クリスタ「……とても公平性のある名前だね」
ミカサ「よく自治体で目にする名前。これなら問題ない」ドヤァ
アルミン『そっか、かわいい名前だね! あだ名も教えてくれる?』
ミカサ「ハナちゃん」ピコピコ
クリスタ「かわいいね」ギーコギーコ
アルミン『君の生年月日を教えてくれるかな?』
クリスタ「んー……いつにしよっか?」ギーコギーコ
ミカサ「適当に入れておこう。一週間後くらいにする」ピコピコ
アルミン『お部屋のデザインはどれにしようか?』
ミカサ「……よくわからないので、クリスタに任せる。というわけで交換」
クリスタ「はーい。……じゃあ一番かわいいこの部屋にしようかな」ピコピコ
アルミン『これで、入団する準備は全部整ったわけだけど』
アルミン『三角関係モードと親友モードについての説明はいるかな?』
クリスタ「……どうする?」
ミカサ「まずは、アルミンの手助けなしに色々やってみよう」ギーコギーコ
クリスタ「わかった。というわけで必要なしっと」ピコピコ
アルミン『じゃあ今回は説明しないでおくね。』
アルミン『もし途中でわからないことがあったら、いつでも僕に話しかけてね』
ミカサ「……アルミンは優しい」ギーコギーコ
クリスタ「うん、優しいねえ」ピコピコ
アルミン『それじゃあ、君が一緒に訓練したい男の子を選んでね』
アルミン『それぞれ攻略ポイントを説明するよ。プレイの参考にしてね』
クリスタ「誰にしようか?」
ミカサ「エレン以外なら誰でもいい。ハナコにエレンはもったいない」
クリスタ「じゃあ、この新しく開放されたっていう二人でやってみようか。『NEW!!』ってマークがついてる二人」
ミカサ「ライナーとベルトルト……うん、その二人でいいと思う」
クリスタ「それじゃあ、まずはライナー……っと」ピコピコ
アルミン『ライナー・ブラウン。対人格闘訓練を中心に進めよう』
アルミン『ただし、友好関係になったからといって油断は禁物』
アルミン『訓練だけじゃない、いろんな面で頑張る自分をアピールしていこう!』
アルミン『それと、ライナーとベルトルトは、三角関係ルートも選べるよ』
クリスタ「……? 油断は禁物ってどういう意味かな」
ミカサ「現時点では情報が少なすぎる。まずは先に進んでみよう」ギーコギーコ
クリスタ「そうだね。それで、ベルトルトのほうはっと……」ピコピコ
アルミン『ベルトルト・フーバー。立体機動訓練を中心に進めよう』
アルミン『最初は警戒心が高いけど、仲良くなったらあっという間だよ』
アルミン『訓練だけじゃない、いろんな面で頑張る自分をアピールしていこう!』
アルミン『それと、ベルトルトとライナーは、三角関係ルートも選べるよ』
クリスタ「……ライナーと同じ文章があったね」
ミカサ「訓練だけじゃない……?」ギーコギーコ
クリスタ「うーん……そのうち意味がわかるのかな? 取り敢えず、先に進むね?」ピコピコ
今日はここまで。夜も来ない。
次回は早くて明後日だけど、風邪引いたので更新ペース前回よりがくっと落ちるかも
でも最後までもうどう進めるか決めてるので気長に待っててねー
ちなみにライナーとベルトルトが最後の理由はそのうち出て来ます
生姜湯ありがとー 書けた分だけ置いていく かなり短いのでageません
『私、ハナコ! 今年の春からは、第104期訓練兵団の訓練生!』
『田舎の村から出て来たばかりで、ちょっぴり不安もあるけど……』
『三年の訓練生活……私、がんばる!』
ミカサ「不安なのになんで声は元気いっぱいなんだろう」ギーコギーコ
クリスタ「きっとハナコは不安を押し隠すタイプなんだよ」ピコピコ
ジャン 『おいお前! ここで何してるんだ?』
ジャン 『はぁ? 道に迷っただぁ?』
ジャン 『仕方ねえな……ほら、入団式の会場まで案内してやるからついて来いよ』
ミカサ「……」チラッ
クリスタ「……」チラッ
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……」ピコピコ
『今週は何をしようかな?』
クリスタ「えっと……選べるのは立体機動・対人格闘・座学・教官のお手伝いだね。それとアルミンに相談するってのがあるよ」
ミカサ「どうせだから順番に見ていこう。時間はある」ギーコギーコ
クリスタ「そうしよっか。というわけで最初は立体機動ね」ピコピコ
コニー『俺はコニー・スプリンガー! よろしくな!』
ミカサ「……」チラッ
クリスタ「……」チラッ
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……」ピコピコ
『今週は何をしようかな?』
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……えーっと、対人格闘っと」ピコピコ
エレン『俺はエレン・イェーガーだ。……話すのはこれがはじめてだよな? よろしくな!』
ミカサ「エレン……!? 私がわからないの!? 私はあなたの家族!!」クワッ!!
クリスタ「ミカサ、これ絵だよ?」
ミカサ「エレンが私を忘れるなんてありえない!!」
クリスタ「エレンが挨拶してるのはハナコにだよ」
ミカサ「……そうだった。取り乱してごめん、クリスタ」ギーコギーコ
クリスタ「いいよ、びっくりしたけど……先に進めるね? 次の週は座学っと」ピコピコ
マルコ『僕はマルコ・ボット。よろしくね、 ハナコ 』
ミカサ「……」チラッ
クリスタ「……」チラッ
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……最後は教官のお手伝いだよね」ピコピコ
キース『私はキース・シャーディス。貴様の教官だ』
キース『手伝いがしたいだと……? ならば、そっちの資料を運んでもらおうか』
ミカサ「……」チラッ
クリスタ「……」チラッ
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……」ピコピコ
クリスタ「……この物語ってさ」ピコピコ
ミカサ「……うん」ギーコギーコ
クリスタ「何をすればいいの?」ピコピコ
ミカサ「さあ…………?」ギーコギーコ
クリスタ「……」
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「アルミンに相談しよう」ピコピコ
ミカサ「そうしよう」ギーコギーコ
アルミン『この物語の目的は、3年間の訓練生活を通して男の子と仲良くなることだよ』
アルミン『ただし、男の子と仲良くなるには自分磨きが欠かせないんだ』
アルミン『訓練の他にもやることは盛りだくさん! ファッションの研究も忘れないでね』
アルミン『休日にはデートを重ねて、男の子と少しずつ仲良くなっていこう!』
クリスタ「……これってこういう物語だったんだ」ガーン
ミカサ「……知らなかった」ギーコギーコ
クリスタ「えっと……取り敢えず、男の子と仲良くなればいいんだよね?」
ミカサ「確か、アルミンが好感度を教えてくれるはず」ギーコギーコ
クリスタ「アルミンはすごいねえ。……えっと、これかな」ピコピコ
ここまで 書けたらまた夕方来る
来なかったら具合悪いんだなーとでも思ってください それではー
アルミン『男の子の情報が知りたいの? それなら僕に任せてよ!』
アルミン『エレンとの相性だね! それなら今はこんな感じかな?』
アルミン『ジャンとの相性だね! それなら今はこんな感じかな?』
アルミン『マルコとの相性だね! それなら今はこんな感じかな?』
アルミン『コニーとの相性だね! それなら今はこんな感じかな?』
クリスタ「……ライナーとベルトルトがいないね」
ミカサ「まだ物語で会ってないからかもしれない」
クリスタ「知り合いになったら追加されるってこと?」
ミカサ「おそらく」ギーコギーコ
クリスタ「じゃあ、これからの方針としては……訓練を頑張りつつ、ライナーとベルトルトを出現させるって方針でいいのかな?」
ミカサ「そうなる」ギーコギーコ
クリスタ「よしっ! じゃあ訓練と教官のお手伝いを順番に回していくことにするね!」ピコピコ
―― 一時間後
クリスタ「……もう一年以上経つのに出ないね。ライナーとベルトルト」ピコピコ
ミカサ「うん」ギーコギーコ
クリスタ「おかしいなぁ、少しも見かけないなんて……」
ミカサ「腐っても成績上位二人。一訓練兵であるハナコが知り合うには、多少のハードルがあっても仕方がないのかもしれない」
クリスタ「そうなのかな……あれ? アルミンだ」
アルミン『最近は絶好調だね! 僕もサポートのしがいがあるよ』
アルミン『でも、君の近くに傷ついてる男の子がいるみたい。……気づいてるよね?』
クリスタ「傷ついてる男の子……?」
ミカサ「エレンかもしれない」ダッ
クリスタ「ミカサ、ストップストップ」グイッ
クリスタ「取り敢えず、アルミンのところに行ってみようと思うんだ。傷ついてる男の子が誰なのかわからないし。」
ミカサ「わかった」ダッ
クリスタ「違う違う。こっちの話ね」グイッ
ミカサ「……ごめんなさい、早とちりした」シュン
クリスタ「いいよいいよ、気にしないで」ピコピコ
ミカサ「それにしても、アルミンに教えてもらったのにアルミンにまた聞きに行くとはなんだか変な感じ」ギーコギーコ
クリスタ「だよねえ、一度に全部ちゃんと教えてくれればいいのにね」
ミカサ「……実際のアルミンはもっと親切」ムー...
クリスタ「あはは、知ってる知ってる。……えーっと、アルミンアルミン教えてミンっ♪ っと」ピコピコ
アルミン『男の子の情報が知りたいの? それなら僕に任せてよ!』
クリスタ「えっと……マルコの横に変なマークがついてるね」
クリスタ「あとは……ジャンの顔が怒った顔になってる。ハートもなんだか青い色だし、エレンやコニーに比べたら大きさも小さいし」
ミカサ「つまりジャンが傷ついてるということ?」ギーコギーコ
クリスタ「そうなるのかな? じゃあ今度のお休みの日に、ジャンと遊ぶことにしよっと」ピコピコ
以上 今日はここまで 短くてごめんね
次いつ来られるかな……取り敢えず月曜日までには一回来ます
落ちそうだったらあげといてもらえると助かります ではでは
どうもこんにちは 約束を破ることに定評がある1です
ていうか前回更新分凡ミスだらけじゃないですかーやだーすげー気になるー
まあ本筋には関係ないので続き投下していきます 昨日より長め
ハナコ『ねえジャン! 今度のお休みの日、一緒に出かけない?』
ジャン『お前とか? ……他を当たれよ』
クリスタ「? おかしいなぁ……誘えないね」
ミカサ「……ジャンはもしかしたら、ハナコのことが嫌いなのかもしれない」ギーコギーコ
クリスタ「爆弾って何なのか、アルミンに聞いておけばよかったなぁ……あれ? マルコだ」
ハナコ『(あれは……マルコ?)』
マルコ『……』
ハナコ『(行っちゃった……なんだったのかな?)』
クリスタ「今の、どういう……?」
ミカサ「よし、ハナコに追いかけさせよう」ギーコギーコ
クリスタ「そうさせたいのはやまやまだけど……そういうことはできないみたいだよ?」ピコピコ
『今週は何をしようかな?』
クリスタ「アルミンに!」ピコピコ
ミカサ「相談だ!」ギーコギーコ
アルミン『爆弾っていうのは、男の子の心が傷ついてることを示すサインだよ』
アルミン『爆弾が爆発すると、他の男の子の好感度にも影響するから気をつけてね』
アルミン『男の子と話をすれば解除できるけど、できれば一緒に出かけてあげるともっといいかも!』
アルミン『好感度のところにこういうマークがついてるから、参考にしてね』
クリスタ「……ということは」サー...
ミカサ「爆弾がついてるのはマルコ。……ジャンじゃない」
クリスタ「どっ、どうしようどうしよう!? えっと、まずはマルコに話しかけないと」オロオロ
ミカサ「待ってクリスタ。……その前に、アルミンに好感度についての話を聞こう」
クリスタ「あ、そっか! ジャンの好感度も気になるもんね! えーっと……」ピコピコ
アルミン『好感度は、男の子とどれだけ仲良くなったのかを示すサインだよ』
アルミン『男の子の気持ちは「好き・友好・普通・苦手・嫌い」の五段階で変化していくんだ』
アルミン『好感度の色はそれぞれピンク・オレンジ・グリーン・パープル・ブルーで表示されるから、参考にしてね』
クリスタ「つまりジャンは……」
ミカサ「ハナコのことが、嫌い……」
クリスタ「……」
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「えっとえっと、つまりどうすればいいのかな? ジャンの機嫌を取りながらマルコの爆弾を解除すればいいんだよね?」オロオロ
ミカサ「たぶん……」ギーコギーコ
クリスタ「えーっとえーっと、その前にもう一回好感度チェックしてみよう!」ピコピコ
アルミン『男の子の情報が知りたいの? それなら僕に任せてよ!』
クリスタ「マルコの爆弾は……消えてない。ジャンの好感度も……変化なし」
ミカサ「!? ……クリスタ、ここを見て」
クリスタ「えっ? ……あっ、コニーにも爆弾がついてる!?」
ミカサ「……」
クリスタ「……」
ミカサ「……」
クリスタ「……」
ミカサ「……まずは、マルコとコニーに話をつけよう」
クリスタ「……そうだね。それからジャンをデートに誘おう」
ミカサ「……エレンに爆弾がついたらどうしよう」
クリスタ「そっか、エレンにもつかないように気をつけないとね……」
ミカサ「……」
クリスタ「……」
ミカサ「……」
クリスタ「……やること多くない?」
ミカサ「気のせい」ギーコギーコ
―― 一時間後
ハナコ『……こうして、私は訓練兵団を卒業した』
ハナコ『これまでの三年間の思い出を胸に、私は今日、駐屯兵団に入団する』
ハナコ『きっとこれから、素敵な出会いがあると信じて――!』
クリスタ「……」
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……これ、どういう物語だっけ」
ミカサ「訓練を通じて男の子と仲良くなる物語」ギーコギーコ
クリスタ「……」
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……最後の一年間ってさ」
ミカサ「うん」ギーコギーコ
クリスタ「爆弾の解除と、ジャンをデートに誘うことしかしてなかったよね」
ミカサ「うん」ギーコギーコ
クリスタ「ライナーもベルトルトも、見かけなかったね」
ミカサ「うん」ギーコギーコ
クリスタ「……」
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……もう一回やっていい?」
ミカサ「仕方がない。やろう」ギーコギーコ
『私、ハナコ! 今年の春からは、第104期訓練兵団の訓練生!』
『田舎の村から出て来たばかりで、ちょっぴり不安もあるけど……』
『三年の訓練生活……私、がんばる!』
クリスタ「頑張ろうね、ハナコ……!」ピコピコ
ミカサ「同じ手には引っかからない。次こそハナコを幸せにしてみせる」ギーコギーコ
クリスタ「よーっし、じゃあまずは対人格闘訓練から!」ピコピコ
―― 三時間後
ハナコ『……こうして、私は訓練兵団を卒業した』
ハナコ『これまでの三年間の思い出を胸に、私は今日、駐屯兵団に入団する』
ハナコ『きっとこれから、素敵な出会いがあると信じて――!』
クリスタ「……」
ミカサ「……」ギーコギーコ
クリスタ「……ミカサぁ」ジワッ...
ミカサ「……昼ごはんを食べてから仕切り直そう。今度は私が操作する」ナデナデ
クリスタ「うん、がんばろうね……」グスッ...
―― 昼の食堂
クリスタ「アルミン、ここいいかな?」
アルミン「ミカサ……とクリスタ!? うん、いいよいいよ座って座って!!」アセアセ
ミカサ「ありがとう。では座る」ポスッ
アルミン「二人とも出かけてなかったんだね。何してたの?」
ミカサ「午前中いっぱい、愛とは何か考えていた。クリスタと二人で」
アルミン「? そ、そうなんだ……?」
クリスタ「でも、やっぱりうまくいかないものだよね。アルミンにあんなにアドバイスしてもらったのに……」
アルミン「…………ん? 僕?」
ミカサ「クリスタ、アルミン違い」クイクイ
クリスタ「……あっ、そっかごめん。うっかりしてた」エヘヘ
アルミン「??」
ミカサ「……クリスタ。そろそろ行こう」ガタッ
クリスタ「うん。――それじゃあアルミン、またね?」ヒラヒラ
アルミン「うん、またね」ヒラヒラ
クリスタ「……アルミンアルミン教えてミンっ♪」ボソッ
ライナー「!?」ガタッ
ベルトルト「……ライナー。行儀が悪いよ、座って」
ライナー「いやしかし……今、天使というか女神の歌声が聞こえたような……」
ベルトルト「座って」
ライナー「……ああ」モソモソ
―― 昼の女子寮
ミカサ「……さて、始めよう。今度こそ、ハナコの恋を成就させてみせる」
クリスタ「待ってミカサ。……このままだと、三回目も同じ結果になるんじゃないかな」
ミカサ「……それは」
クリスタ「それに私、ハナコが何もできずに卒業する姿を、これ以上見てられないよ……」ジワッ...
ミカサ「クリスタ……」
クリスタ「私たち、この先どうしたらいいの……?」
「――食堂で話は聞かせてもらったわ」
ミカサ「!?」ガタッ
クリスタ「その声は……!!」ガタッ
ミーナ「……ふふっ、どうやらお困りのようね?」ジャーン!!
クリスタ「み、ミーナ……!?」
ミカサ「どうしてここに……!!」
ミーナ「言ったはずよ……食堂で、話は聞かせてもらったって」ファサッ...
ミーナ「あなたたち二人とも……何度もめげずに挑戦しようとする、そのチャレンジャー精神は実にブレイブだわ」パチンッ
ミーナ「けれど、根性だけじゃ乗り切れない問題もある。まずはそのことを知りなさい!」ビシッ!!
ミーナ「というわけでこの私、物語の中では『立体機動の魔術師』と呼ばれたミーナ・カロライナにお任せあれ!」キメポーズ ビシィッ!!
ミーナ「……」
ミーナ「…………………………ダーリン」ボソッ
ミカサ「ふんっ!!」ドゴォッ!!
ミーナ「きゃんっ!? ……あれっ? 今、私何か」パチクリ
ミカサ「なんでもない。続けて」ヒリヒリ
クリスタ「……ミカサ、いいの? ミーナに見せて」ボソボソ
ミカサ「ハナコのため。背に腹は代えられない。何より私たちじゃ……ハナコを幸せにできない。悔しいけれど」ボソボソ
ミーナ「えーっとそれじゃ気を取り直して……まずは出現条件の確認からはじめよっか? 二人は誰を攻略するつもりなの?」
クリスタ「今のところはライナーとベルトルトの予定だよ」
ミカサ「ただ、まだ姿すら見られていないけれど」
ミーナ「おーっとお二人さん、二股する気なの? やっるぅー♪」ヒューヒュー
ミカサ「いいから続けて」
ミーナ「はいはい。百聞は一見にしかずだよねってことで、電源を入れてっと」ポチットナ
\シャラーン/ \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/
『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-完全版-』
ジャン『おっす、これから自主練か? ……俺も一緒に行っていいよな?』
ミーナ「…………………………うん、一緒に行こっ♪///」ボソッ
ミカサ「ふんっ!!」ドゴォッ!!
ミーナ「きゃんっ!? ……あれっ? 今誰かの声が聞こえたような」パチクリ
ミカサ「気のせい。続けて」
ミーナ「どれどれ? えーっと、攻略ポイントも見られるようになってるんだ、親切だなぁ……」カチカチカチカチカチカチ
ミーナ「ライナーは対人格闘優先で、ベルトルトは立体機動優先っと。二人とも、もう何回かやってみたんだよね? どうだった?」
ミカサ「対人格闘訓練は、エレンしか出てこなかった。あと座学にはマルコが出てきた」
クリスタ「立体機動訓練は、ジャンとコニーしか出てこなかったよ。……あ、でも一回目のほうはジャンが訓練に出てこなかったなぁ」
ミーナ「……その一回目って、もしかして最初の道案内の時にジャンが出て来てたりする?」
クリスタ「うん、その通りだよ! よくわかったね?」ギーコギーコ
ミーナ「まあねー♪ ……ということは、最初の道案内も関係あるって事なのかな?」カチカチカチカチカチカチ
ミーナ「追加されてるこの『教官のお手伝い』っていうのが怪しいよね……というわけで、まずは教官のお手伝いだけでやってみよっか。ある程度進んだら対人格闘ね」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「でも、教官のお手伝いをしても二人は出てこなかったよ?」
ミーナ「うーん……それはきっと単純に回数が足りなかったんじゃないかな? まあ、他に条件あるかもしれないけど取り敢えず進めてみよー!」カチカチカチカチカチカチ
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
クリスタ「すごい……! まるで一週間が流しそうめんのように過ぎていく……!!」ギーコギーコ
ミカサ「これが……私たちとの違い……!」
ハナコ『おっ、重いなぁこの資料……! 一人じゃ無理だよ……』
クリスタ「あれっ? なんかいつもの教官のお手伝いと違うよ?」ギーコギーコ
ミカサ「これはいったい……」
ミーナ「ふふふふふふふふふふふ……かかった」カチカチカチカチカチカチ
ハナコ『このまま教室まで行けるのかな……? ううっ、誰かに手伝ってもらえばよかった……』
ハナコ『あれっ? なんだか軽く……?』
ライナー『……一人で大変そうだな。手伝おうか?』
ミーナ「出たああああああああああああああああああ!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ
クリスタ「いやっふー! いやっふー!! 出たよ出たよ出たよ出たよ出たよ!!」ゴロゴロゴロゴロゴロ
ミカサ「やった……!!」グッ
クリスタ「えっとえっと、このまま対人格闘するの? どうするの??」ギーコギーコ
ミーナ「いや……ここは教官のお手伝いを続けるよ!」カチカチカチカチカチカチ
ミカサ「? どうして?」
ミーナ「ベルトルトの条件がわかってないからね、もしかしたらこの後出てくるかもしれないし」カチカチカチカチカチカチ
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
クリスタ「……出ないね」ギーコギーコ
ミカサ「やはり、ベルトルトは何か別の条件があるんじゃ……」
ミーナ「待って! 次の休暇にライナーとのデートを入れたから、その結果を見てからでも遅くないはずだよ」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「!! ……ライナーとのデートが条件の一つになってるってこと?」
ミーナ「そういうこと!」カチカチカチカチカチカチ
ハナコ『今日はデート当日! さて、何を着ていこうかなぁ?』
ミーナ「ライナーの好みは……んん? ガーリー? 意外だなぁ」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「ふうん……かわいいもの好きなんだね、ライナーって」ギーコギーコ
ミカサ「体が大きいから、小さくてかわいいものに惹かれるのかもしれない」
ハナコ『……送ってくれてありがとう』
ライナー『おう。まあ帰り道が一緒だからな、気にするな』
ミーナ「えー何ちょっとーなんかナチュラルに送ってくれたんですけどー?」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「うんうん、ライナーって優しいんだねぇ……///」ギーコギーコ
ミーナ「出現条件難しいから帰り道の判定緩めに設定されてるのかなー? ということはベルトルトも無条件で帰り道送ってくれるのかも!!」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「ジャンなんてデート誘うのにも大変なのにねえ」ギーコギーコ
ミカサ「……? 二人とも、画面を見て」
ハナコ『あれ? あそこで誰か立ってる……?』
ライナー『あれは……おーい! ベルトルト!』
ベルトルト『あっ……やっと見つけたよライナー、探してたんだ』
ライナー『すまんすまん。少し街に出ててな』
ベルトルト『えっと……そっちの君は、はじめまして、だよね?』
ミーナ「……」チラッ
クリスタ「……」チラッ
ミカサ「……」チラッ
ミーナ・クリスタ・ミカサ「……」パァンッ!! (※三人でハイタッチした音)
というわけでここまでー 今日はあと来ないよ! たぶん
土日来られるかどうか微妙だけど月曜日には来るよ! たぶん
廃人ミーナ参戦ということは、声がかわいいあの人も参戦しないわけがない たぶん
クリスタ「……勝ったね」ギーコギーコ
ミカサ「うん」
クリスタ「これも筋書き通りってわけですかね、ミーナさん?」
ミーナ「まあねー♪ よし、二人が出たから後は立体機動と対人格闘訓練を交替で進めていくよ!」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「ふふっ、頼もしいなぁ」ギーコギーコ
ミカサ「これでハナコも幸せになれるはず。よかった」
ミーナ「私の手にかかれば楽勝楽勝! さてさて、先に進むよ!」カチカチカチカチカチカチ
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
『今週は何をしようかな?』
―― 一時間後
ミーナ「……なんでライナーの好感度が友好から上がらないの?」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「最近ずーっとデートしてるのにね」ギーコギーコ
ミカサ「もしかすると、ベルトルトのように他に条件があるのかもしれない」
ミーナ「もうっ、ライナーの意地っ張り!! こうなったら来月もデート入れまくっちゃうんだから!!」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「! ミーナ待って、アルミンが来たよ!」
ミカサ「……まさか」
ミーナ「?」
アルミン『最近は絶好調だね! 僕もサポートのしがいがあるよ』
アルミン『でも、君の近くに傷ついてる男の子がいるみたい。……気づいてるよね?』
ミーナ「傷ついてる、男の子……?」
クリスタ「あわわわわわわわわどうしようどうしよう!!」
ミーナ「……? クリスタどうしたの? そんなに慌てて……」
ミカサ「慌てても仕方がない。……誰かに爆弾が点いた」
ミーナ「……爆弾?」
ミカサ「? 驚かないの?」
クリスタ「そっか、ミーナなら慣れてるよね爆弾解除! よかったこれで安心――」
アルミン『最近は絶好調だね! 僕もサポートのしがいがあるよ』
アルミン『でも、君の近くに傷ついてる男の子がいるみたい。……気づいてるよね?』
ミーナ「傷ついてる、男の子……?」
クリスタ「あわわわわわわわわどうしようどうしよう!!」
ミーナ「……? クリスタどうしたの? そんなに慌てて……」
ミカサ「慌てても仕方がない。……誰かに爆弾が点いた」
ミーナ「……爆弾?」
ミカサ「? 驚かないの?」
クリスタ「そっか、ミーナなら慣れてるよね爆弾解除! よかったこれで安心――」
ミーナ「……爆弾って何?」キョトン
クリスタ「」
ミカサ「」
クリスタ「……もしかしてミーナ」ギーコギーコ
ミカサ「爆弾のことを、知らない……?」
ミーナ「えっ……だってダーリンの時はこんなのなかったよ? 二人とも知ってるの?」
クリスタ「爆弾っていうのはね、男の子が傷ついてることを示すサインなんだって」
ミカサ「爆発すると、他の男子の好感度にも影響する、らしい」
ミーナ「なにそれわたしきいてない」
ミーナ「どどどどどどどうすればいいの? どうすればいいの??」アタフタアタフタ
ミカサ「落ち着いて。まずはアルミンに相談しよう」
クリスタ「うん、好感度を確かめてみよう!」ギーコギーコ
ミーナ「わかった! 聞いてみる!」カチカチカチカチカチカチ
アルミン『男の子の情報が知りたいの? それなら僕に任せてよ!』
ミーナ「誰……? 誰なの……?」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「ライナー……じゃないよね、さっきまでデートしてたんだし」
ミカサ「出現してないからマルコでもない。ということは……」
アルミン『ベルトルトとの相性だね! それなら今はこんな感じかな?』
ミーナ「あー……やっぱりベルトルトかぁ」
クリスタ「エレンやコニーは……うん、無事だね。好感度が苦手になってるけど」ギーコギーコ
ミカサ「……ちょっと待って。ベルトルトとは2ヶ月前にデートしたはず。いくらなんでも爆弾が点くには早すぎる」
クリスタ「よく覚えてたね、ミカサ」
ミカサ「それほどでもない」エヘヘ
ミーナ「……つまり、ベルトルトは出現条件厳しい上に傷つきやすいってこと?」
ミカサ「そうなる。と思う」
ミーナ「……………………………………………………ベルトルトめんどくさっ」
クリスタ「寂しがりやさんなんだよ、きっと」ギーコギーコ
―― 更に一時間後
ハナコ『……こうして、私は訓練兵団を卒業した』
ハナコ『これまでの三年間の思い出を胸に、私は今日、駐屯兵団に入団する』
ハナコ『きっとこれから、素敵な出会いがあると信じて――!』
クリスタ「どうして」ギーコギーコ
ミカサ「こうなった」
ミーナ「あるぇー?」カチカチカチカチカチカチ
クリスタ「ライナーとの好感度は、友好状態で止まったまま」
ミカサ「ベルトルトは友好どころか、普通と苦手の間で常に往復」
ミーナ「そのうちエレンやコニーにも爆弾が点き、解除している間にあれよあれよと卒業の時期に……」
クリスタ「……」
ミーナ「……」
ミカサ「……」
ミーナ「……Queen of Revenge」カチカチカチカチカチカチ
ミカサ「どうぞどうぞ」
クリスタ「やっちゃえやっちゃえ」ギーコギーコ
―― 三時間後
ハナコ『……こうして、私は訓練兵団を卒業した』
ハナコ『これまでの三年間の思い出を胸に、私は今日、駐屯兵団に入団する』
ハナコ『きっとこれから、素敵な出会いがあると信じて――!』
ミーナ「……なんで? なんでハナコがこんなに頑張ってるのにライナーもベルトルトも応えてあげないの? なんで?」
クリスタ「そうだよ、エレンもコニーも爆弾点灯するの早すぎるよ……! そんなにハナコの邪魔がしたいの……!?」ギーコギーコ
ミカサ「……もう諦める?」
ミーナ「!? 何言ってるのミカサ!!」
クリスタ「そうだよハナコの恋を成就させてあげられるのは私たちしかいないんだよ!!」
ミカサ「ご、ごめんなさい……でも、このままじゃ打つ手もないし……」オロオロ
ミーナ「もう時間だし、夕食後に仕切り直そうか……というわけでセーブっと」ピロリンッ♪
―― 夕方の食堂
アルミン「あ、ミカサにクリスタ。今日はよく会うね。そっちはこれから夕食?」ヒラヒラ
クリスタ「うん。アルミンは?」
アルミン「僕もこれからだよ。今、エレンとジャンに夕食を運んできたからその帰り」
ミカサ「!? エレンに何かあったの!?」ガタッ
アルミン「違う違う、ジャンに付きっきりなだけだよ。エレンは健康そのものだから心配ないよ」
ミカサ「そう……よかった」ホッ
クリスタ「ジャン、どこか具合でも悪いの?」
アルミン「あー……まあ、そうなるのかな?」
クリスタ「?」
ミカサ「ところで、アルミンは今日何してたの? 街には出なかったんでしょう?」
アルミン「僕? えっと……午前中はジャンの代わりに厩舎の掃除当番をして、午後はずっとキース教官のところにいたかな。次回の講義で使う資料の確認作業をしてたんだ」
クリスタ「つまりアルミンは、今日一日働きっぱなしってこと?」
アルミン「そういうことになるね」アハハ
ミカサ「……」チラッ
クリスタ「……」チラッ
アルミン「……?」
ミカサ「……」コクッ
クリスタ「……」コクッ
アルミン「二人とも、どうしたの?」キョトン
ミカサ「……アルミン、今日もお疲れさま」モミモミ
クリスタ「うん、よく頑張ったね」モミモミ
アルミン「えっと………………二人とも、何してるの?」
ミカサ「アルミンの肩を揉んでいる」モミモミ
クリスタ「ほら、ここを押すと腕の痛みが取れるでしょ?」
アルミン「いや、それはわかるんだけど、どうして急にマッサージなんか……?」
ミカサ「今日は私たちもアルミンに頼りっぱなしだった。ので、恩返し」モミモミ
クリスタ「うんうん、ありがとうねアルミン」モミモミ
アルミン「???」
アルミン(なんで僕は、同期の女の子たちに肩と腕を揉まれてるのを、黙って見ているんだ……?)
アルミン(……)
アルミン(まあいいや、気持ちいいし)ホンワカ
ベルトルト「……」モグモグ
ミーナ「……」ジーッ...
ベルトルト(どうしよう……)
ベルトルト(ミーナが、机の縁から顔半分だけ覗かせてこっち見てる……食べづらい……)
ミーナ「……ねーねーベルトルトー」
ベルトルト「な、何? ミーナ」ビクッ
ミーナ「……ベルトルトは女の子にはおとなしめの服着てほしい派なの?」
ベルトルト「」ブフォッ!!
ミーナ「あらら大変。はい、これ布巾ね。洗濯したばかりだからキレイだよ」ポイッ
ベルトルト「え、ちょっ、なんで」アタフタアタフタ
ミーナ「んー、書いてたから。じゃあアニに伝えとくね。まったねー」スタスタ...
ベルトルト「ちょっと待ってよ!! 何に書いてたの!?」ガタッ
ライナー「……ベルトルト、行儀が悪いぞ。座れ」
ベルトルト「だっ、だって僕の好みはともかくなんでアニのことまで!!」
アニ「私が何?」ヒョコッ
ベルトルト「うわぁお!?」ドキーン!!
ライナー「ベルトルト、うるさいぞ。……アニ、今日は一日中見なかったな。何してたんだ?」
アニ「今度の兵站行進の準備だよ。コニーやマルコがいないから手間取っちゃってね。手が足りなくて明日も作業だから、休む暇がないよ」ハァ
ライナー「大変そうだな、手伝おうか?」
アニ「いいよ、それよりコニーやマルコに早く戻ってこいって言っておいて。……ところでベルトルトはなんで立ったまま固まってるの?」
ライナー「おいベルトルト、座れ」
ベルトルト「……うん、ごめん」モソモソ
―― 夕食後の女子寮
ミーナ「……じゃあ、現状を整理しよっか」
クリスタ「ライナーとベルトルトの出現条件は確認できたよね。これだけでも、結構大きな収穫だけど……」
ミカサ「何度かデートを重ねても、どちらも好感度がイマイチ上がらない。……このままでは、ハナコを幸せにできない」
クリスタ「でも、これ以上はどうしようも……」
ミーナ「うーん……何か、この状況を引っ繰り返すような手があればいいんだけど……」
「――私の手が必要かい?」
ミカサ「!?」ガタッ
クリスタ「その声は……!!」ガタッ
ミーナ「まさか……!?」ガタッ
果たして謎の声の主は一体誰なのか!? というわけで今日はここまで
次回も早めに来られるように頑張ります 最後にageときます
ユミル「水くさいな、三人とも……この私を差し置いて話を進めちまうなんてさ」バーン!!
クリスタ「ゆ、ユミル……!?」
ミカサ「どうしてここに……!!」
ミーナ「アニに矯正されてたんじゃ……!!」
ユミル「わかってるわかってる、みなまで言うな。ホモ二人を手中に収めたいんだろ?」パチンッ
ミカサ「!? 何故知っているの!?」
ユミル「攻略しろって囁いたんだよ……私の乙女魂(ゴースト)がな」ドヤァ
クリスタ「……ごーすと?」キョトン
ユミル「ああ。……さあ、その文鎮を貸してみな。この私の手にかかりゃ、どんな男だってイチコロさ。スマートにオトしてやんよ」チョイチョイ
ミーナ「でも、いくらユミルでも今回は一筋縄じゃいかないはずよ! 相手が悪すぎる!」
ユミル「おいおい、私を誰だと思ってるんだ? 一時は三人の男を手玉に取った女だぜ? というわけでスイッチオンっと」ポチットナ
\シャラーン/ \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/
『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-完全版-』
マルコ『こんばんは。宿題があるなら手伝おうか?』
ユミル「………………うん、ありがとうマルコ///」トローン...
ミカサ「ふんっ!!」ドゴォッ!!
ユミル「きゃんっ!! ……はっ、私は今まで何を」パチクリ
ミカサ「なんでもない。続けて」ヒリヒリ
ユミル「えーっとどれどれ? ミーナがクリアしたジャンのデータが十五個、私がこの前クリアしたエレンとコニーの三角関係エンドのデータと、マルコの親友エンドのデータが二個」ポチポチ
ユミル「で、残りの四個が……ハナコ? 誰だこれ??」ポチポチ
クリスタ「あっ、それ私たちがやった分だよ!」
ミカサ「そういえばアルミンに名前を一文字削った理由を聞くのを忘れていた」ハッ
ミーナ「明日にしようね、明日に」
ユミル「ふうん……なんだよもうデータいっぱいじゃねえか。ミーナのデータ消すぞ」ポチポチ
ミーナ「!? やめて!! ダーリンとの思い出消さないで!!」ガバッ!!
ユミル「ミカサ、ミーナ押さえてろ。ハナコのためだ」ポチポチ
ミカサ「ハナコのためなら仕方ない」ガシッ
ミーナ「やめてえええええええええええええええ!!」ジタバタジタバタ
ミーナ「ううっ……私とダーリンとの思い出がぁ……っ!」シクシク
クリスタ「ミーナ、泣かないで?」ナデナデ
ユミル「三つしか消してねえっての。ていうかなんで恋人モードのデータが八つもあるんだ鬱陶しい」ポチポチ
ミーナ「だってだって全部呼び方変えてたんだもん! ミーナにミナちゃんにミーナちゃんにみーちゃんにみっちゃんにみいちゃんにマイハニーに豚小屋出身家畜以下に!!」ダンッ!!
ユミル「いろんな意味で間違ってっから病院行ったほうがいいぞミーナ」ポチポチ
ユミル「第一な、起動してすぐ一面のジャンを見せられる方の気にもなってみろってんだ、マルコならともかく――」
ユミル「……」
ユミル「……マルコ///」トローン
ミカサ「人格矯正ぱんちっ!!」ドゴォッ!!
ユミル「きゃんっ!! ……はっ、今何かしてたっけ」パチクリ
ミカサ「なんでもない。それより続きをお願い」ヒリヒリ
ユミル「よし、じゃあまずはハナコのデータ確認するか」ポチポチ
アルミン『これはクリア済みのデータだよ。続きはプレイできないから注意してね』
アルミン『最終的なパラメータの確認や、男の子との思い出を振り返ることができるよ!』
ユミル「確認するけど、ハナコっていうのがミカサとクリスタのデータなんだよな?」
ミカサ「うん」
クリスタ「そうだよー」
ユミル「なんで誰ともエンディング迎えてないんだ? 適当に遊んでても誰かのエンディングは見られるはずだぞ?」ポチポチ
クリスタ「それはね、えっと……毎回毎回爆弾の解除に戸惑っちゃって」エヘヘ
ミカサ「ジャンをデートに誘うのにもかなり苦戦した。一ヶ月に四回しかない貴重な休暇が、全部ジャンとの会話で終わった時もあるくらい」
ミーナ「それは当然だよね。ダーリンは私としかデートしないもの」ウフフ
ユミル「デート誘うのに苦戦って……断られたら消せよ。やり直せ」
ミーナ「私も言ったんだけどねぇ、それ」ハァ
ミカサ「私は、ハナコに人生の厳しさを教えただけ。世の中全て思い通りに行くとは限らない」キリッ
クリスタ「うん、ミカサの言うとおりだよ。そんな簡単に人生をやり直すっていうのは、なんだか違うような気がして――」
ユミル「この馬鹿野郎共がぁっ!!」ダンッ!!
ミカサ・クリスタ「!?」ビクッ
ユミル「いいか……? お前たちがどういう思いをハナコに託そうが勝手だがなぁ……」ユラァ...
ユミル「だからといって、それはハナコの可能性を潰す理由にはならないんだよっ!! 気まぐれな確率の世界で生きてるあいつのことを考えて行動しろ!! わかったな!?」
ミカサ「……ごめんなさい」シュン
クリスタ「ユミル……私、間違ってた」シュン
ユミル「いやいや、わかってくれればいいんだ」ポチポチ
ユミル「ほうほう、ホモ二人の出現条件は把握できたんだな」ポチポチ
ミーナ「私のおかげでね!」エッヘン
ユミル「はいはいえらいえらい……んん?」
クリスタ「えっ……まだあるの? まだ引っかかるところあるの?」ビクビク
ミカサ「いえ、他にミスはしてないはず……」ビクビク
ユミル「おいお前ら……これはなんだ?」
ミーナ「どれどれ? あっ、好感度がみんな友好になってるね」
クリスタ「そ、それは……順番に爆弾の解除してたから、一人だけ好感度を上げるってことができなくて……」ビクビク
ミカサ「誰か一人と仲良くすると、他の誰かの好感度が下がる……ので、」
ユミル「なぁ」
クリスタ「」ビクッ
ミカサ「」ビクビクッ
ユミル「お前らはいったい何様のつもりだ? ハナコを八方美人にさせたいのか?」
クリスタ「ち、違うよ……」ビクビク
ミカサ「私たちに、そんなつもりは……」ビクビク
ユミル「そんなつもりはなくてもさぁ、そうなってんだよ今のままだと」
ミカサ「それはどういう……?」
ユミル「お前らに質問だ。――この物語で一番重要なのはなんだと思う?」
ミーナ「溢れんばかりの愛っ!」ハーイ
クリスタ「男の子に対する思いやり、かなぁ……」ハーイ
ミカサ「腱鞘炎にならない心遣い」ハーイ
ユミル「違う。何かを切り捨てる非情さだ」
ユミル「これはな、全員に万遍なく愛してもらう物語じゃないんだ。時には切り捨てることも必要だ」
ユミル「なあミカサにクリスタ。お前ら本気でハナコとホモ二人を幸せにしてあげたいと思ってんのか?」
クリスタ「お、思ってるよ!」
ミカサ「……ハナコには幸せになってほしい、とは思う」
ユミル「だったら切り捨てることもちゃんと覚えろ。デートを断られたら一つ前のセーブ以後に起こったことは全て忘れろ。必要ないモンは全部切り捨てろ」
ミカサ「切り捨てる、というのは……?」
ユミル「今回、マルコとジャンとエレンとコニーの存在はなかったものとする」ポチポチ
クリスタ「そんな!? 酷すぎるよ、その四人だってちゃんと物語の中で生きてるのに!!」
ユミル「黙らっしゃいっ!!」
クリスタ「」ビクッ!!
ミカサ「」ビクッ!!
ユミル「……あのなぁクリスタ、私らはハナコのために逆ハーレムを作ってるんじゃないんだぞ?」
クリスタ「ううっ……」
ミーナ「逆ハーレムかぁ。一度やってみたいなぁ、一面のダーリンで」ウットリ
ユミル「ホモ二人とハナコをくっつける……この目的を果たすために、私たちがしなければならないのはなんだと思う?」
ミカサ「……えっと」
ユミル「そうっ!! 今の私たちに求められているのは野郎とのフラグ建てじゃない、綿密なパラメータ管理と人間関係の整理が必要なんだ!!」ダンッ!!
ミカサ「あ、あの、私はまだ何も言っていない……」オロオロ
ユミル「一級フラグ建築士の肩書きだけじゃ天下は取れないんだよこの物語だとな!! わかったかミカサ! クリスタ!」バンバンバンバン!!
ミカサ「え? あ、あの……うん、わかった」オロオロ
クリスタ「……ユミル」
ユミル「なんだクリスタ」ゼエハア
クリスタ「……私、間違っていたかもしれない」
ユミル「ははっ……わかってくれて嬉しいよ、クリスタ」
クリスタ「でもね……それでも、私は他の四人を切り捨てることなんかできないよ……」グスッ
ユミル「そうだな……優しい優しいクリスタ様には、切り捨てるなんて判断は無理か」フッ
ユミル「切り捨てられないならいっそ憎んじまうのも一つの手だぜ……? 憎しみを原動力とするんだ、それならできるだろ?」
クリスタ「……うん、それならできるかも!! 私頑張ってみるね!」グッ
ミカサ「えっ……それでいいの? それでいいの??」オロオロ
ユミル「よし……クリスタの決意が固まったところで、ここでバシッと決めとこうじゃねえか」スクッ
ミーナ「そうね、とてもいい案だと思う」スクッ
クリスタ「うん、宣誓ってやつだよね、いいと思うな!」スクッ
ミカサ「あの……ど、どうしてみんな立っているの……?」オロオロ
ユミル「乙女ゲーマー五つの誓い!!」
ミカサ「」ビクッ!!
ミーナ・クリスタ「五つの誓い!!」
ミカサ「三人とも、今は夜だから声が響く……ので、あの……」オロオロ
ユミル「一つ!!」
ミカサ「ひぇっ」ビクッ
ユミル「愛は与えるもの!!」
ミーナ・クリスタ「愛は与えるもの!!」
ユミル「一つ!! あいつの好みは私の好み!!」
ミーナ・クリスタ「あいつの好みは私の好み!!」
ユミル「一つ!! 愛することは切り捨てること!!」
ミーナ・クリスタ「愛することは切り捨てること!!」
ユミル「一つ!! 攻略対象以外はいなかったこととする!!」
ミーナ・クリスタ「攻略対象以外はいなかったこととする!!」
ユミル「一つ!! 自分の選択肢を信じ、決して後悔しない!! それでも後悔したら失った時間のことは忘れて電源を切る!!」
ミーナ・クリスタ「電源を切る!!」
ユミル・ミーナ・クリスタ「……」
ユミル・ミーナ・クリスタ「……」パァンッ!! (※ハイタッチした音)
ユミル「……これでわかっただろう、おまえらに足りないものが何か。今言った点さえなんとかすれば、三角関係エンドはともかくホモのどっちかとは幸せになれるだろうな」
ミーナ「それじゃあ、私たちの結束が強まったことだし早速やってみよっか?」
ユミル「――いや、本格的な攻略は明日からだ。都合のいいことに、訓練は明日も休みだからな。各自大事を取って今すぐ寝ろ。集合は明日マルキュウマルマル、場所はここだ」
クリスタ「了解しました軍曹殿! では私はお風呂に行ってきます!」ガチャッ
ミーナ「あっ私も私も! ダーリンに会うのに不潔な体じゃいられないもの!」ガチャッ
ユミル「……というわけでミカサ、今晩ちょっとその文鎮貸してくれ。明日のためにもうちょっとデータを分析したい」
ミカサ「えっ……あの、さすがにそれはダメ」ブンブン
ユミル「……あのなミカサ、私は私的な欲求のために使うんじゃない。あくまでハナコを幸せにするために使うんだ。わかってくれないか?」フーッ
ミカサ「でも……」オロオロ
ユミル「へえ……ミカサはハナコのこと、どうでもいいって言うんだ?」
ミカサ「!! 決してそういうわけではない!」
ユミル「じゃあいいじゃねえか一晩くらい。なっ?」
ミカサ「……」グスッ
ユミル「よく考えろよ、ミカサ。お前とクリスタが不甲斐ないせいで、ハナコは何回も何回も訓練兵団に入学しては卒業してるんだぜ?」
ミカサ「うっ……それはその通り……」
ユミル「このままでいいわけねえよな? なんとかしてあげたいって思うのは、ハナコの友だちとして当然のことじゃねえかな……? 私、何か間違ったこと言ってるか? んん?」
ミカサ「…………………………じゃあ、今日だけなら」
ユミル「さんきゅー」ヒョイッ
ミカサ「あっ……」オロオロ
ミカサ(ユミルに取られてしまった……でも、ハナコのためだと思えば仕方がない、のかも……)
ミカサ(……なんだろう、私は今、ものすごく間違った決断をした気がする)
アルミン『……その選択肢で本当にいいの?』
ミカサ「……アルミン?」キョロキョロ
ユミル「ん? アルミンがなんだって?」
ミカサ「いえ……大丈夫。なんでもない」
―― 同刻 男子寮
ベルトルト「そう……ジャンに、そんなことが……」
ライナー「なるほど……つまり、ジャンがベッドの上で布団を被ってカタツムリになっているのはユミルのせいなんだな?」
エレン「ああ。俺が呼べば出てくるぞ」
ベルトルト「呼べば出てくるってそんな」
ライナー「ちょっとやって見せてくれ」
ベルトルト「ライナー!?」
エレン「いいぞ。――おーいジャーン、ごはんだぞー」パンパン
ジャン「……」モゾモゾ...
ジャン「……」ヒョコッ
エレン「な?」
ベルトルト(丸くなった布団から、顔だけ出してる……)
ライナー「……重症だな」
アルミン「ただいま。マルコとコニーは、明日ぐらいから戻ってこられそうだって」ガチャッ
ベルトルト「おかえりアルミン。ということは、二人とも治ったんだね?」
アルミン「日常生活に支障が出ないくらいまで落ち着いたみたいだよ。一時期は夜中に突然叫び出すことがあったけど、今は夜中じゅうずっとブツブツ呟くぐらいだって」
ライナー「それ支障がないって言えるのか?」
エレン「マルコやコニーがぶっ壊れたのも、ジャンがこうなったのも……ユミルが変なこと言ったせいだ」ギリッ...
エレン「……なあライナー、ユミルに一発バシッと言ってきてくれよ! このままじゃ収まりがつかねえ!」ダンッ!!
エレン「……本当は俺が直接行きたいところなんだけど」チラッ
ジャン「……」ギュッ
エレン「この状態のジャンを、俺は置いていけねえんだよ……」シュン
アルミン「エレン……」
ライナー「……わかった、俺に任せろ。明日、ユミルにきっちり話をつけてきてやる!」
―― 消灯時間間際の女子寮
アニ(今日は、ミーナに悪いことしちゃったな……一緒に街に行く約束してたのに、行けなかったし)
アニ(しかも今日中に終わらなくて、明日にまでずれ込んじゃって……約束もズラしたのに、これじゃ意味がない)ショボン
アニ「ミーナ? ……その、起きてる?」ツンツン
ミーナ「んー……? あっ、おかえりなさいアニ!」ムクリ
アニ「ただいま。その、明日にズラしてた街に行く約束なんだけどさ……明日も無理そうなんだ。ごめん……」
ミーナ「ううん、当番なんだから仕方がないよ。……ところで明日はいつ帰ってくるの?」
アニ「たぶん、また夕方くらいになると思う。せっかくの休日なのに、悪いね」
ミーナ「いいよ気にしないで! その代わり、今度は絶対二人で行こうね? それであそこの角のアイスクリーム屋さん、行こ?」
アニ「うん、楽しみにしてる。……起こしてごめん、じゃあお休み」
ミーナ「いいよいいよ。じゃ、お休みなさい。アニ」フリフリ
ミーナ「……」
ミーナ「……ごめんね?」ボソッ
というわけで今日はここまで 個人的にはここからが本番なんだけど前半だらだら長すぎたな……
次回は水曜日くらい 一気に畳みたいけどまだかかりそう 今週中には終わらせたい
あと今日誕生日なんで祝ってください! 祝ってください!! 頼む!!
最後にage それじゃまったねー
乙くれた人&前回おめでとうしてくれた人ありがとー
馴れ合いキモイ!! と言われるかと思いきや意外とみんな優しくて感動した
こちらこそ読んでくださってありがとうございます というわけで再開
―― 翌日 朝食後の女子寮
サシャ「どうして昨日はおやつタイムに呼んでくれなかったんですかー!!」ウガー!!
クリスタ「ごめんねサシャ、いつの間にかおやつタイムがご飯タイムにすり替わってたの」
サシャ「いいですけど別に! いいですけど別にぃ!!」ジタバタジタバタ
ミカサ「サシャ、今日の予定は何かある?」
サシャ「? 一応絶対安静って言われてるので、今日はここでおせんべい食べてる予定ですけど」バリボリ
ミカサ「そう、よかった……」ホッ
サシャ「……あの、ミカサ。嫌ならさっさと抜けたほうがいいと思いますよ?」ボソボソ
ミカサ「そうしたいのは山々だけれど、ハナコをあのままにしておくわけにはいかない。ので、がんばる……!」ギュゥッ...
サシャ「ミカサミカサ、それ私のシャツじゃなくておせんべいです。割れちゃうので返してください」クイクイ
ミカサ「あっ……ごめんなさい」シュン
ユミル「はよーっす、みんないるな?……ん? サシャもいるのか?」
サシャ「はい。でもいるだけですので気にしないでください」バリボリ
ユミル「ふーん……暇なら労働」
サシャ「しませんよ腱鞘炎舐めないでください」バリボリ
ユミル「あっそ。まあ何しててもいいけど、私たちの邪魔はするなよ?」
サシャ「うーん……私としては邪魔する前にいなくなってもいいんですけど」チラッ
ミカサ「!? いやっ、だめ、行かないでサシャ……」ギュッ
サシャ「……というわけで無理です。ここにいます」バリボリ
ユミル「そっか。なら好きにしろ」
ユミル「さてと……お前らには悪いが、実は昨日あの後一通り試してみたんだ」
クリスタ「なんですって……ユミルの卑怯者ぉっ!」クワッ!!
ユミル「違うぞクリスタ。憎しみを向ける先は私じゃない。ハナコの恋路を邪魔する野郎だ。具体的にはマルコとジャンとエレンとコニーだ」
クリスタ「あっ……ごめんねっ、うっかりしてた」テヘペロ
ミーナ「もーうークリスタったらこのお茶目さんっ! でもダーリンに手出ししたらいくらクリスタでも許さないからね!」ウフフ
ユミル「マルコに指一本でも触れてみろ、その手ごと切り落としてやるぞ☆」ウフフ
ミカサ「あの……エレンに酷いことは、しないでほしい……」オドオド
サシャ「コニーも災難ですねー、何も悪いことしてないのにー」バリボリ
ユミル「取り敢えず色々報告したいから、画面見ながら話すぞ」ポチットナ
\シャラーン/ \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/
『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-完全版-』
エレン『おはよ。メシ食ったか?』
ミカサ(エレンの声……そういえば、最近全然会ってない)
ミカサ(……エレンに会いたい……)グスッ
ユミル「ちなみに昨日ジャンのデータを更に消した。2個ほど」
ミーナ「ひどい!!」ガーン!!
ユミル「ちょうどホモ二人が出たところでセーブしてあるからそっからはじめるぞ」ポチポチ
『今週は何をしようかな?』
クリスタ「……あれ? 見たことがない部屋になってる。これってユミルの趣味?」
ユミル「五つの誓い」ポチポチ
ミーナ「あいつの好みは私の好み」ギーコギーコ
ユミル「初期パラメータは最初に選ぶ部屋で決まるんだ。この部屋は行動力・協調性・気配りのパラメータが最初から高い。ホモ二人を狙うならこの部屋じゃないとな」
クリスタ「えっ? そんな数値あったの?」
ユミル「ああ。そしてこの取って付けたようなパラメータは主に教官の手伝いで上がる」ポチ
ポチ
ミーナ「……? これ、結構進めたんだよね? それにしては数値が低くない?」ギーコギーコ
ユミル「訓練兵養成ギプスを装着中だからな。外したときなんか上昇すげえぞ」ポチポチ
ユミル「特定の誰かのエンディングを見るには、好感度の他にこのパラメータの数値が関わってくるからさ。一途プレイなら神経質にならなくてもクリアできるけど、ホモ二人にはこれくらいしないと」ポチポチ
ミカサ「……」
ミカサ(会話に、ついていけない……)ショボーン...
ユミル「で、ここからが本題なわけだが……実は三角関係まではこぎつけられた。ていうかぶっちゃけ別データ使ってエンディングも見た」
クリスタ「ユミル、抜け駆けはずるいよ!!」ブーブー
ユミル「まあまあ待て。……でもな、結局二人ともハナコのことは好きにならなかったんだ。ハナコがあんなに尽くしてるのにどっちも華麗にスルーしやがる」ポチポチ
ユミル「――こりゃ何かあるね。好き状態に発展させるには特別なイベントが必要なのかもしれない。それにしたってこの難易度は異常だけどな」
ミーナ「……ねえ、なんでそもそもこの二人が一番難易度高いの? 普通ダーリンが一番じゃない?」ギーコギーコ
ユミル「ああ、最後がマルコじゃないのはおかしいよな」
クリスタ「もしかして、何か特別な理由があるんじゃないかな?」ピコーン
ユミル「理由かー……」
ミーナ「理由ねえ……」
クリスタ「理由……」
サシャ「なんかどうでもいいことで悩んでますね」バリボリバリボリ
ミカサ「……サシャ、私にも一枚ちょうだい。おせんべい」クイクイ
サシャ「ダメです」バリボリバリボリ
ミカサ「……」ショボン...
サシャ「……一枚だけですよ」
ミカサ「ありがとう、大切に食べる」ポリポリ
ミーナ「ハナコがどれだけ尽くしても、その理由がわからなければ幸せになれないってこと……?」
クリスタ「そっか、二人とも本当はハナコのことが大好きなのに、そのせいで正直になれないんだね……!」
ユミル「……わかった! もしかしたら、あの二人には重たい設定があるんじゃないか?」
サシャ「えぇーないですよぉそんなの」バリボリバリボリ
クリスタ「それってどういうこと? ユミル」
ミーナ「うん、もう少し詳しく話して?」
ユミル「高難易度キャラは重い過去つきなのは、この業界じゃお約束なんだよ。女の子は重たい設定が大好きだからな」
クリスタ「重たい設定……」
ミーナ「それを私たちが理解しなければ、ハナコは幸せになれない……?」
ユミル「ああ……そうだろうな」
ユミル「――総員起立」スクッ
ミーナ「ふふっ、やってやろうじゃない……!」スクッ
クリスタ「うん、腕が鳴るね……!」スクッ
ミカサ「? ??」キョロキョロ
サシャ「立たなくていいですよミカサ」
ミカサ「でも、ハナコが……」
サシャ「ハナコはほっといてもあの三人が幸せにしてくれますから。黙って見てたほうが余計な怪我しないと思いますよ」
ミカサ「……うん」
ユミル「各自、妄想力を限界まで高めよ……!」
ユミル「――お題『ホモ二人に隠された重い設定、もしくは過去』」
クリスタ「うーんうーん……何かないかな……!」グヌヌ
ミーナ「ダーリン、今こそ私に力を貸して……!!」グヌヌヌヌ
サシャ「ご飯を食べ過ぎた!」ハーイ
ユミル「重いの意味が違うっ!! やり直し!!」
クリスタ「……人を、殺したことがある。それもたくさん」
ユミル「なるほど、殺し屋か……けどあいつらの年齢考えたら少し無理があるな」カキカキ
サシャ「全部無理ですよ」バリボリ
ミーナ「そうだ、いっそのこと巨人だってのはどう? あの二人大きいし!」
ユミル「!? ミーナ、それもう少し詳しく!!」
ミーナ「……考えてみて。もし仮に、あの二人が巨人だとしたら重たい設定どころの話じゃない……!」
クリスタ「殺し屋に敵方のスパイに……ああっ! 洗脳ネタまで入れられるかも……!」
ユミル「!? なんてこった……全方位カバーしてやがる……!!」
ミーナ「そうね……まず巨人になったきっかけだけでざっと十数通り浮かぶでしょ?」
サシャ「浮かびません」バリボリ
クリスタ「ほ、本当だ……! どうしようユミル、このままじゃ私、妄想でパンクしちゃうかも……!! 何か書くものちょうだい!」
ユミル「ほらよクリスタ、紙と鉛筆だ。存分に書け」スッ
クリスタ「ありがとうユミル!」ガリガリガリガリガリガリガリガリ
ユミル「それでミーナ、今回はどういうパターンで行くつもりだ? 薬物的なものか呪術的なものかだけでも絞らないとハナコが対応できないぞ」
ミーナ「そうね……私は、今回は呪いネタを推したいと思ってるんだけど」
ユミル「あー、呪いは鉄板だよなー。腕に模様が浮き出るんだろ?」
ミーナ「この傷が心臓に達したら死ぬ! とかね」ウフフ
ユミル「で、それが前世からの因縁とか?」ウフフ
ミーナ「いいね、入れましょう。もちろん最後はハナコからのキスで解放されるんだよね」
ユミル「当然。聞くまでもないな」
ミーナ「罪の意識に苛まれて、素直にハナコの恋心を受け入れられない二人……」
クリスタ「……いい」ガリガリガリガリガリガリガリガリ
ユミル「……いいな」
ミーナ「でも、ハナコの健気ながんばりを見ているうち……もう恋しちゃってもいいんじゃないかなと思い始める……っ!」
クリスタ「……何それ超萌える」ガリガリガリガリガリガリガリガリ
ユミル「もう支離滅裂でもなんでもいいから、この際思いついたこと全て話すんだ。それ全部突っ込もう」
ミカサ「……」
ミカサ(どうしよう、ライナーとベルトルトがものすごい勢いで別人に作りかえられていく……私はどうしたら……)オロオロ
ユミル「おい、ミカサも黙ってないで意見出せ」カキカキ
ミカサ「え? えっと……昔もらったマフラーが宝物、とか」ボソボソ
ユミル「やめろ。ハナコを重い女にするな。重いのはライナーとベルトルトだ。というわけで却下」
ミカサ「あう……ごめんなさい……」シュン
ミカサ(さびしい……エレンとアルミンに会いたい……)グスッ
―― 一時間後
ユミル「――よし、全員感情移入は済んだな?」
クリスタ「ああっ、ハナコってなんて健気なんだろう……!」
ミーナ「ライナーもベルトルトも辛すぎるよ……! 前世からの決められた宿命だとしても、限度があるでしょう……!?」
ミカサ「あの、この紙束全てにライナーとベルトルトのことが書いてあるの……?」ズッシリ
クリスタ「ううん、それはライナーの分。ベルトルトはこっち」ドサッ
ミカサ「……裏まで、びっしり」ペラッ
ユミル「何言ってんだ足りないぐらいだぜそれじゃ」
ミーナ「私としては絵とか添えたい気分かな。下手だから描かないけど」
ユミル「今なら巨人って文字を見るだけで萌えられる気がするなー」ウフフ
ミーナ「あーそれわかるわー、くびれ具合とかいいよね」ウフフ
クリスタ「私なんか自作のポエムで歌でも歌えそうだよ。三十曲くらい」ウフフ
ユミル「――さて、これらのことを踏まえてショータイムと行くか! 待ってろホモ二人!!」ポチットナ
取り敢えずここまで 夕方辺りに来られたら来るかも
っていうかやっちまったあああ番外編の後にバラそうと思ったのにいいいい
というわけで冒頭のトリップは見なかったことにしてくださいね! 忘れろ!!
―― 三時間後
ミカサ(おなかすいた……) グー
サシャ「……」バリボリバリボリ
ミカサ「サシャ、お腹空かないの? もうお昼なのに」クイクイ
サシャ「いえ、特には」バリボリバリボリ
ミカサ「そう……」
サシャ「……」
ミカサ「……」
サシャ「……二枚だけですよ」スッ
ミカサ「ありがとう、大切に食べる」ポリポリ
ハナコ『……こうして、私は訓練兵団を卒業した』
ハナコ『これまでの三年間の思い出を胸に、私は今日、駐屯兵団に入団する』
ハナコ『きっとこれから、素敵な出会いがあると信じて――!』
ユミル「くそっ!! またダメだった!」ダンッ!!
ミーナ「いったい何が足りないの……? やっぱり何か条件があるのかな……?」
サシャ「敗因は設定の『中身』のほうを追求したことですね。その設定のイベントが発生する『条件』を調べないとダメでしょうに」バリボリ
クリスタ「ハナコはこんなに二人のことを思ってるのに、どうして伝わらないんだろう……?」ズシッ...
サシャ「思ってるっていうかなんかもう重いですよね、ハナコの愛」バリボリ
ユミル「ていうかなんでベルトルさんはこんなに寂しがりやなんだああああああああ」ゴロゴロゴロゴロゴロ
ミーナ「なんでライナーは恋人未満でしかハナコのこと見てくれないの! お兄ちゃんにも程があるよ!!」バシバシバシバシ
クリスタ「ここで諦めるしかないの……? ハナコの恋は、ここで終わりなの……?」グスッ
サシャ「豪快な脱線事故の末路ですねぇ」バリボリバリボリ
ユミル「うるっさいな横からバリボリバリボリ!! ……!?」
サシャ「……? なんです、変な顔して」
クリスタ「サシャ、食べかすが布団の上に落ちてるよ。アリが来るからちゃんと片付けてね。気配りやさんのハナコを見習って?」
サシャ「はーい」ゴソゴソ
ミーナ「ユミル、どうしたの? サシャの机の上をじっと見て」
ユミル「……おい芋女、その本はどうした、どこから手に入れた?」
サシャ「この重しですか? 裏通りの怪しいお店で投げ売りしてたので買ってきたんです。ユミルからもらったクリップ付きトングだとうまくとめられないんですもん。ポップコーンが湿気って大変でした」バリボリバリボリ
ユミル「ああ……なんてこった、神様……!」
クリスタ「ユミル? あの本がどうかした?」
ユミル「あれは、この物語の攻略本だ……! 『どきどきっ☆第104期訓練兵団! 公式パーフェクトガイドブック』だ!!」
ミーナ「こうりゃくぼん? ぱーふぇくと??」
ユミル「ああ、しかも真ん中の☆が金箔縁取り贅沢仕様の初版本……!」
クリスタ「でも、本があっても中身が読めないんじゃ意味ないんじゃない? 『どき☆兵』だって音声がないと何書いてあるかわからないし……」
ユミル「いや……私には読める!」クワッ!!
ミカサ「えっ、なんで読めるの……?」
ユミル「今そんなことはどうでもいい!」ガサゴソガサゴソ
ユミル「サシャ! その重しとこれを交換だ! とある機具を使えばポテトチップスが作れるぞ!!」ドンッ!!
サシャ「ぽてとちっぷす!? なんですかそれ食べたいですください!!」
ユミル「ああ! 芋一つで二十枚まで切り出せるぞ!! 食べたい分だけ取ってこい!!」
サシャ「わあーい! 芋盗ってきます!」ガチャッ バタンッ
ミカサ「あっ……サシャ、おねがい待って……」
クリスタ「ばいばーい」フリフリ
ミカサ(ああ、サシャが行ってしまった……)ショボン...
ユミル「よしじゃあ続けるぞ。目次目次っと」パラパラ
ミーナ「ねえユミル、とある機具って何?」
ユミル「PSPがあるんだから電子レンジもどっかにあるだろ」
クリスタ「でんしれんじ??」
ユミル「えーっと、ライナーは……あった!」
ユミル「ふはははは……あーっはっはっはっはぁっ!! 読めるぅっ、読めるぞぉーっ!!」パラパラパラパラ
クリスタ「ユミルー、一人で興奮してないで教えてよー」グイグイ
ミーナ「そうだよ、ミカサも見たいって言ってるよー」グイグイ
ミカサ「えっ? あの、私は、特に何も……」オロオロ
ユミル「悪い悪い、気づかなかったよ。ちゃんと教えてあげるからミカサちゃんもおとなしく座ってな?」
ミカサ「……ごめんなさい、座って待ってる」セイザ
ユミル「えーっとな、まずライナーの攻略ポイントはっと……『兵士と戦士の間で揺れ動く彼のココロを支えてあげよう』? なんのこっちゃい」パラパラ
ユミル「ベルトルさんのほうは……『一歩退きがちな彼のココロをあなたの力でリードしていこう』。うん、こっちはまだわかるな」
ユミル「それと三角関係のコツは……まずはベルトルさんの信頼を勝ち取ってからライナー落とせ、だとよ」パラパラ
クリスタ「出てくる順番と仲良くなる順番が前後してるってこと? 複雑なんだねぇ」
ミーナ「……ライナーとベルトルトめんどくさっ」
ユミル「まあある意味この物語のラスボスだからな、条件厳しいのは仕方ないだろ」パラパラ
ユミル「……おお、あったあった。やっぱり友好から先の状態に発展するにはイベント起こさないといけない……らしい……な……」
ミーナ「? ユミル、どうしたの?」
クリスタ「何か変なことでも書いてあった?」
ユミル「ライナーの恋愛発展イベントは二年目秋までに全パラメータが150以上かつ対人格闘が180、更に爆弾がついてるキャラなしで登場しているキャラの好感度が全て友好以上、更にエンディングを迎えるには全パラメータが200以上かつ格闘術が250」ブツブツブツブツブツブツブツ
ユミル「ベルトルトの恋愛発展イベントは二年目秋までに全パラメータが150以上かつ立体機動が180、更に爆弾がついてるキャラなしで登場しているキャラの好感度が全て友好以上、更にエンディングを迎えるには全パラメータが200以上かつ立体機動が250」ブツブツブツブツブツブツブツ
ユミル「……」
ユミル「死ねって言ってんのかこれ作った奴はぁっ!!」バシーン!!
ミカサ「ああっ! ユミル、それ、サシャの本……」オロオロ
ユミル「ああもうこいつらめんどくせええええええマルコのほうがちょろいいいいいいいいいい」ゴロゴロゴロゴロゴロ
クリスタ「ミーナ、ミーナ。さっきの条件ってそんなに厳しいの?」
ミーナ「うん! ハナコはミカサレベルの超人だね!」
クリスタ「へえ……ハナコは超人なんだ、すごいねぇ」
ミカサ「ああ、本に折れ目がついてる……あっ」パラパラ
ミカサ「ユミル、あの……」
ユミル「あぁん?」ギロッ
ミカサ「ひぇっ」ビクッ
ミカサ「あの……二人のすちーる? もここに全部載っているから、もうその物語はやらなくてもいいのでは……」オロオロ
ユミル「馬鹿野郎! ハナコはどうすんだ! ハナコの気持ちになって考えろミカサ!!」ドンッ!!
ミカサ「ご、ごめんなさい……」オドオド
ユミル「もういいこうなったらホモ二人に直接抗議しに行くぞ!! 今なら昼時だからあいつらもいるだろ!!」
ミーナ「そうね……私たちがやらないと、ハナコがかわいそうだもんね!」
クリスタ「うんっ! ハナコのために頑張ろう、みんなで!!」
ユミル「ほらっ、ボケッとしてないでミカサも来い!!」グイッ
ミカサ「あうっ……やっ、やめて、マフラーは引っ張らないで……私も行くから……」ヨロヨロ
ミカサ(エレン、アルミン……助けて……)グスッ
今日はここまで! 夜も来ない予定 たぶんあと一回で畳まるはず!
明日か明後日のどっちかわからないけど、書けたら即投下しますんでお楽しみにー
再開 分割更新ですが今日中に完結予定です
―― 昼 食堂
ベルトルト「眉間に皺寄ってるよ、ライナー」
ライナー「……ベルトルトか。コニーとマルコはどうした?」
ベルトルト「さっきアルミンが迎えに行ったよ。もう部屋に戻ったんじゃないかな」
ライナー「そうか……と、なると後の問題は一つだな」
ユミル「食事中のみんな、お邪魔するぜーいっ!!」バァーン!!
ライナー「おっと、噂をすればなんとやらだ。あちらさんからおいでなすった」
ベルトルト(ユミル…………とクリスタとミーナとミカサ??)
ユミル「――よーおライナー、ちょっと私らと遊ぼうぜ」ドカッ
ライナー「ほう、ちょうどよかったな。俺もお前に話したいことがあったんだ」ニヤッ
ユミル「……ふふふ」
ライナー「……ははは」
ユミル「そっちの用件は?」
ライナー「一刻も早く解決したいところだが、さっさと片付く問題じゃないんでな。団体さんからどうぞ」
ユミル「レディファーストってかい? 優しいねえ、さすが高貴な血統の奴は違う」
ライナー「……高貴?」
ベルトルト「あの、じゃあ僕はこの辺で。話の邪魔になっちゃいけないし――」
ミーナ「待ちなさいよ」ガシッ
クリスタ「どこに行くつもり?」ガシッ
ベルトルト「……? いや、僕は邪魔だろうから退散しようと」
ユミル「おいおいベルトルさんよ、何知らん顔してんだコラ。この後に及んで逃げられると思ってるのか?」
ベルトルト「逃げるって、なんの……?」キョトン
ミーナ「しらばっくれても無駄なんだから。もう調べはついてるの。観念しなさい」
クリスタ「そうだよ、ここにこうして証拠品があるんだから」ドサッ
ライナー「……なんだその紙束」
ミーナ「二人に関する調査書だよ」
ベルトルト「僕たちの……?」
クリスタ「私たち、とっくの昔に知ってるんだよ」
クリスタ「――ライナーが鎧の巨人で、ベルトルトが超大型巨人なんでしょう?」
ベルトルト「え……?」
ライナー「……お前ら、なんでそのことを」
ユミル「ああ。私たちはお前らが二卵性双生児だってことも知ってる」
ベルトルト「……ん?」
ミーナ「背中に二人で一対の痣があるんだよね? 二つ合わせるととある村への地図になってるんでしょ?」
ライナー「…………いや、背中に痣なんてないが」
クリスタ「前世は白馬じゃなくて汗血馬に乗った王子様だったんだよね。名前はシャルロットとカトリーヌ」
ベルトルト「…………えっと、何の話?」
ミーナ「巨人になる呪いを解くにはハナコのキスが必要なんだけど、小さいころ洗脳されたせいで誰かを愛することができなくなっちゃったんだよね」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ユミル「私たちは、……いや、ハナコはお前たちを一生懸命理解しようとした」
クリスタ「うん、二人は今まで辛い思いをしてきたんだよね……」
ミーナ「でもねっ! ハナコはそれを全部わかった上で二人のことを想ってるのっ!」ダンッ!!
ユミル「そうだ、ハナコはもう受け入れる準備はできてる、恐れることはないんだ! なのにどうしてお前らは応えてやらないんだよ!!」
クリスタ「何かを決める時はいつも自分の意見を曲げて、お出かけする時は二人の好みの服に着替えて!」
ミーナ「ねえ教えてよライナー、ベルトルト!! いったいハナコの何が不満なの!?」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「……」チラッ
ベルトルト「……」チラッ
ライナー「タイム」スッ
ユミル「却下」
ライナー「お前らは俺たちを弾劾するために作戦練ってきたんだろう? 対して俺たちは何の準備もしていない。これじゃ不公平だ。というわけでせめて十分はくれ」
ユミル「……三分間待ってやる」
ライナー「八分」
ユミル「四分」
ライナー「五分」
ユミル「……仕方ない、手を打つか」
ライナー「よし。……ベルトルト、こっち来い」
ベルトルト「……あのさぁ」
ライナー「待て、お前が言いたいこともわかるが今は時間がないんだ。取り敢えず一つだけ確認しておこう」
ライナー「……誰だ? ハナコって」
ベルトルト「さあ……? 僕も初耳だけど。もしかしてハンナと聞き間違えたんじゃない?」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「……まあいい。ハナコのことは置いておこう」
ベルトルト「そうだね、考えてもどうしようもないし」
ライナー「それより、……同期最強がいじめられっ子の顔になってるのはどういうわけだ? なんであんな悲壮な顔であそこに混ざってるんだ?」
ベルトルト「正直そそるなぁ」
ライナー「おい」
ベルトルト「冗談でも言わないとやってられないよこの状況」
ユミル「おいまだかホモ二人!!」
ライナー「周りに誤解を与える呼び方はやめろ! ……なあ、その……ハナコ? だっけか」
ミーナ「ハナコ・スズキ。身長157cm体重55kg。最終パラメータは対人格闘213・立体機動185・座学170・行動力225・協調性214・気配り235。特に目立った長所はないが愛の力で成績をぐんぐん伸ばしている。ただならぬ努力を重ね上位組に食いこむことは最早確実」ブツブツブツブツ
ライナー「誰だよ」
クリスタ「ハナコだよ!! えっ、もしかしてライナー忘れちゃったの!?」
ベルトルト「忘れたっていうか最初からいないっていうか」
ユミル「……おいおい、あんなに一緒にいたのに存在すら抹消ってか? ひどすぎるだろ」
ミーナ「……そういえば二人とも、最初っからそういう態度だったよね」
クリスタ「そうだね。前のデートと同じ服着てくれば嫌な顔するもんね。二週間も空けばちゃんと洗濯してるって言うのにさ」
ユミル「しかも前のデートの服装はアクセサリーまできっちり覚えてんのに、前に話したことは一つも覚えてねえしな。毎回毎回同じ言葉で遅れた言い訳しやがって」
ミーナ「そうそう、ハナコが給金全部使い果たして二人の好みに合わせてるのに、褒め言葉はいっつも一緒なのはどういうこと? ねえどういうこと?」
クリスタ「ハナコは休日返上であんなに尽くしてるのに、二人がハナコのために何かしてくれるの私見たことないよ」
ミーナ「せめて風邪引いた時くらいはそばにいてほしいよねー。お見舞いって言いながら一分そこらで帰っちゃうってどういうことなの?」
ユミル「ああ。ここまでやっちゃ呪いのせいなんて言葉じゃ片付けられないぞ」
ライナー「おい、わかる話をしてくれ。頼むから」
クリスタ「ライナーとベルトルトのわからずやぁっ!」ダンッ!!
ベルトルト「なんでそうなるの!?」
―― 昼 食堂近くの廊下
アニ(やった、やった)タッタッタッタッ
アニ(なんとか午前で終われたから、ミーナと遊びに行ける)ホクホク
アニ(突然誘ったらまずいかな……でも、聞いてみるだけならいいよね、うん)タッタッタッタッ
アニ(部屋にいなかったから、食堂にいると思うんだけど――)ガチャッ
ユミル「いいか、お前らにもう一回聞くぞ」
クリスタ「真剣に答えてね。嘘吐かないでね」
ミーナ「――二人はハナコのこと、どう思ってるの?」
ベルトルト「だから誰なんだよハナコって!!」
ミーナ「ハナコ・スズキ。身長157cm体重55kg。最終パラメータは対人格闘213・立体機動185・座学170・行動力225・協調性214・気配り235。特に目立った長所はないが」
ライナー「それはもういい! ……そうだ! 似顔絵とかないのか? 見たら思い出すかもしれん」
ミーナ「あるわけないでしょ私たちハナコの顔知らないもの!!」
ベルトルト「なんでそんな詳しいのに知らないの!?」
クリスタ「だってだって、スチルだとハナコの頼もしい背中しか見えないんだもん!」
ユミル「ていうかお前らいっつもあいつのこと正面から見てるはずだから顔知ってるはずだぞ!! 思い出せぇっ、呪いなんかに負けるなぁっ!」
アニ「……わーお」
ミカサ「! あ、アニ……!」パァッ...
ユミル「おう、ちょうどいいところに来たな! なあ頼むよ、お前からもハナコの良さを伝えてやってくれ、なんだったら物理的に拳や蹴りで語ってもいいから!」
ライナー「アニ、頼むこいつらなんとかしてくれ! 何言ってるのか全然わからん!」
アニ「……」
アニ「……えっと」
アニ「その前に、何があったのか教えてほしいんだけど」
―― 数分後
ユミル「……っていうことがあってさ」
アニ「へえ…………………………………………その、頑張ったね。みんな」
クリスタ「うんっ!! 正直物語読んでる時より設定考えてる時のほうが楽しかった!!」
ミーナ「うふふっ、クリスタったら超いい笑顔じゃーん? ……あっ、今のじゃーんはダーリンの名前とかけたんじゃなくて」
アニ「じゃあ、ちょっとあっちの二人とも話し合ってくるから……うん」
ミカサ「あっ、アニ……待って、私もそっちに連れてって……」ヨロヨロ
アニ「……」
ミーナ「……」ニコニコニコニコ
クリスタ「……」ニコニコニコニコ
アニ「ごめん無理」スタスタ...
ミカサ「ああっ……アニ、待ってぇ……っ!」グスグスッ
アニ「お待たせ。二人とも」
ライナー「……お前よくあの集団の中から帰って来られたな」
アニ「まあ、これで三回目だし」
ベルトルト「えっ、これ三回目なの?」
アニ「うん。前回……は二人ともいなかったんだよね。そういえば」
ライナー「待て、三回目ということは……アニはこの状況をなんとかしたことがあるってことだよな?」
アニ「あるよ。そしてどうしてこういう状況になっているのかもだいたいわかる」
ベルトルト「状況から説明してもらえないかな。僕ら、なんのことかさっぱりわからなくて」
アニ「端的に言うと、あの四人は走って喋って砲弾をぶっぱなす鈍器のような恋愛小説に洗脳されたの」
ライナー「呪いにかかってんの俺たちじゃなくてあいつらじゃないか」
ライナー「それで、どうすればいいんだ? 俺たちは」
アニ「知らない」
ライナー「……知らないってお前な」
アニ「ミーナやユミル一人だけでも大変だったのにそれが四人でしょ。無理」
ベルトルト「無理ってそんな……えっと、僕たちがいくら……その、ハナコ? っていう子を大切にするって言っても意味ないんだよね?」
アニ「ない」
ライナー「……どうしようもないだろ俺たちには」
アニ「こうなったらハナコ自身に恋を諦めさせるしかないね」
ライナー「待て待て待て待て何を言ってるんだお前は」
アニ「私だって混乱してるんだよ!」ゲシッ!!
ベルトルト「痛い!」
アニ「あんたたちにはわからないだろうさ……! たった一日だけ目を離したら、友だちがぶっ壊れてた気持ちなんか……!!」グスッ
ライナー「わ、悪い……正直全然わからん」
アニ「今日、午後はミーナと一緒に、アイスクリーム食べに行こうと思ってたのに……っ!」グスグス
ベルトルト「アニごめんね? 泣かないで? ね?」ナデナデ
「おやおや……お困りのようですね、三人とも」モグモグ
ライナー「!?」ガタッ
ベルトルト「その声は……!!」ガタッ
アニ「まさか……!?」ガタッ
残りは夕方か夜に投下します ちょっと待っててねー
サシャ「全く……これくらいのことで私に頼ってちゃいけませんよ?」パァーン!!
ライナー「サシャ!? 聞いてたのか!?」
サシャ「いえ全然」
ベルトルト「」イラッ
サシャ「でも大体わかりますよ。あそこにいる三人とも、ついにぶっ壊れたんでしょう?」モグモグ
ベルトルト「……ん? 三人? 四人じゃなくて?」
サシャ「ええ、ミカサは唯一あの中で正常ですよ。けどあそこから救い出しても使い物にはならないでしょうね。周りの空気に呑まれちゃって、なんていうかこう……観念した獣の目をしていますから」シュッシュッ
ライナー「敵に回ることもないが、味方につけても意味がない、か……」
アニ「……ところであんた何やってるの」
サシャ「芋をスライスして食べてます。……あげませんよ?」モグモグ
アニ「いらないよ」
ベルトルト「ねえサシャ、君は何かいい方法」
サシャ「無理です思いつきません。他を当たってください」モグモグ
ライナー「ちょっとくらい悩めよお前」
サシャ「だって私みなさん三人よりも頭悪いですしー、今は芋を削るのに忙しいですしー、私関係ないですしー」シュッシュッ
アニ「……ちょっと待って。私はミカサに鈍器の管理を任せたけど、ハツデンキはあんたに任せたはずだよね、サシャ」
サシャ「……」ピタッ
アニ「ねえ」
サシャ「……」ダラダラダラダラ
アニ「……」
サシャ「さて私はそろそろ」ガタッ
アニ「待ちな。逃げるんじゃないよ」ガシッ
サシャ「……えっと、ほら、私絶対安静ですし。ねっ?」
アニ「元はと言えばあんたが撒いた種でしょうが……!」メリッ...
サシャ「あいたたたたたたアニ頭が割れます割れます痛い痛い」ジタバタジタバタ
サシャ「ううっ、わかりましたよぅ……責任取ってなんとかしますから、ハツデンキのことはそれでチャラにしてください」
ベルトルト「えっ? サシャ、さっき無理だって……」
サシャ「もちろん、ハナコをどうこうするのは無理ですよ。でも、それ以外なら難しくないです」
アニ「……できるんなら最初からやりなよ」
サシャ「すみません。腱鞘炎で絶対安静なものですから」エヘヘ
ライナー「包帯巻いた手で芋削ってるけどな」
サシャ「……ああっ!? やってしまいましたぁ!!」ガーン!!
ベルトルト「無自覚だったんだ……」
ユミル「おい、いつまで話し合って……ん?」
サシャ「どうも、お待たせしてすみません。選手交替です」
ユミル「……おやおや、苦し紛れにしちゃ随分大胆なカードを切ったもんだな。それほどいい手には思えないが」
ライナー「……俺たちは、サシャにかける」
ベルトルト「頼んだよ」
アニ「しっかりやってよね」
サシャ「はーい、がんばりまーす」モグモグ
ユミル「よし、じゃあまずはホモ二人がハナコのことをどう思ってるのか今一度聞こうか」
サシャ「ちょっと待ってくださいユミル。私がお話ししたい人は他にいます。あなたじゃありません」
ユミル「他に? 誰だ、ミーナかクリスタか? それかハナコか?」
サシャ「――いいえ、ミカサです」
ミカサ「? えっ、私……?」オロオロ
ベルトルト(!? どうして、洗脳されていないミカサを……?)
アニ(ミカサをこっち側に引き入れても、毒にも薬にもならないはずだけど……)
ライナー(……サシャの奴、もしかして何も考えてないんじゃないか?)
サシャ「ねえミカサ。ハナコの恋を応援するのはいいですけど……自分の恋はいいんですか?」
ミカサ「どういう意味……?」
サシャ「エレンが今どこにいるか知ってます? ジャンに付きっきりだって話ですよ?」
ミカサ「それは、知っている。でも……仕方がない。ジャンが弱っているのも事実。取り上げるわけにはいかない」
サシャ「でも、今のミカサもそうとう弱ってますよね?」
ミカサ「えっ……?」
サシャ「つまり、今のミカサの状態はジャンと同じです」
ミカサ「ジャンと、同じ……? 私が、弱っている……?」
サシャ「はい、そうです。つまり、今ならミカサもエレンに甘えちゃってもいいんじゃないですか?」
ミカサ「――!!」
サシャ「もう我慢する必要ないんですよ、ミカサ。……あなたはここまでよく頑張りました」
ミカサ「サシャ……」ポロッ
サシャ「さあ、いってらっしゃい。エレンがあなたを待ってますよ」フリフリ
ミカサ「うん、私、エレンに会いたい……会ってくる!」ダッ
ミーナ「ミカサ!? 待ってよ、ハナコのことはどうするの!?」
サシャ「エレンがミカサを慰めるとなると、放っておかれたジャンは寂しい思いをするんじゃないですか?」
ミーナ「!! ダーリンが、一人ぼっちに……!?」
ユミル「ミーナ、騙されるな!! お前の彼氏は画面の中にいるだろ!?」
サシャ「そういえば、ジャンの指って意外と細いんですよね。あれで頭撫でられたらさぞかし気持ちいいんでしょうねえ」
ミーナ「私撫でられてくる」ダッ
クリスタ「ミーナ!?」
ユミル「……ほう、真正面からの説得は無理だと悟って数を減らしにきやがったか、サシャ」
サシャ「だって一対四じゃこちらが不利ですもん」
ユミル「まあ、数が減ったところで何も状況は変わらねえけどな。私はそう簡単には陥落しねえぞ」
サシャ「そういえば、さっき食料庫に行く途中でアルミンたちにあったんです」
ユミル「……? いきなり何の話だ?」
サシャ「――医務室から、マルコが帰ってきたようですよ」ボソッ
ユミル「」ピタッ
クリスタ「ユミル……? どうしたの、怖い顔して――」
ユミル「私のマルコが帰ってきたの……!?」キラキラキラキラ
クリスタ「ふぇっ!?」ビクッ
サシャ「ええ。コニーも一緒でした」
ユミル「……私っ、マルコに会いに行くっ!」ガタッ
クリスタ「えっ!? ちょっとユミル、ハナコは!?」
サシャ「そういえばマルコは夜中にユミルの名前を叫んでたらしいですよ。何度も何度も」
ユミル「呼んでくれてありがとう」ダッ
クリスタ「ええっ!? ――ま、待ってよユミル!!」ダッ
アニ「……一掃しちゃったね」
サシャ「どうです? なんとかしましたよ? 名付けて『私の彼は三次元』作戦です!」ドヤァ
ライナー「……いや、なるにはなったが」
ベルトルト「これって、逆にまずいんじゃ……」
サシャ「?」
アルミン「ライナーっ! ベルトルトーっ!!」ガチャッ
ライナー「!! アルミン、そんなボロボロでどうしたんだ!?」
アルミン「じょ、女子のみんながっ、部屋にっ、部屋にいきなり入ってきてぇっ、……エレンや、ジャンがぁっ……!」グスッ
ベルトルト「なんだよ矛先変わっただけじゃないか!!」
サシャ「えー、あの三人を現実世界に引き戻しただけでも御の字でしょうにー」ブーブー
ライナー「くそっ……! エレンやジャンを助けに行くぞ! アニもついてこい!」
アニ「いや私女の子だからほら男子寮入れないし」
ライナー「四の五の言わずに行くぞ! サシャも来い!!」
サシャ「パァンくれます?」
ベルトルト「ああもうめんどくさいな僕のあげるから!!」
サシャ「わぁーい行きます!」ピョンッ
―― 男子寮廊下 部屋の前
ライナー「……覚悟はいいか、四人とも」
ベルトルト「うん、いいよ……!」
アルミン「ねえ、僕らだけで大丈夫? 他に誰か呼んできたほうが……」オロオロ
アニ「アルミン、あんたは危ないから下がってな。そして私も下がろう」
ライナー「逃げるな戦力」ガシッ
サシャ「私は絶対安静なのでここで待ってますね」
ベルトルト「ダメだよ諸悪の根源なんだから」ガシッ
ライナー「よし、開けるぞ!」ガチャッ
アニ「やめてほしいなー」
サシャ「やめときましょうよー」
ミカサ「エレン……エレン……女の子ってこわい……」グスグス ガシッ
ジャン「エレン……エレン……女ってこええよ……」グスグス ガシッ
エレン「お前ら両腕にしがみついて同じこと言うなよ!! ていうか放せ動けねえだろ!!」ジタバタジタバタ
ミーナ「ねーえっ、ダーリンっ♪ これからは、ずっと一緒だよ……?///」ガシッ
ミカサ・ジャン「ひぃっ……!?」ガタガタガタガタ メキメキメキッ...
エレン「い゛っ!?」
ミカサ「やだっ、やだぁあああーっ!! えれっ、えれんえれんえれん!! こわいぃ……!!」メリメリメリメリ
ジャン「しっ、死んじまう!! 嫌だ嫌だ嫌だ俺ここで死にたくねえっ!!」ミシミシミシミシ
エレン「ぎゃああああああ腕がもげる!! 折れるぅ!!」ジタバタジタバタ
コニー「なっ、なんだよ、なんだよこれ……!?」ガタガタガタガタ
クリスタ「ねえ、コニー」
コニー「!! クリスタか? おい、これはどういう――」
クリスタ「私ね、一晩中、ずうっと考えてたんだ……コニーのこと」
コニー「……へっ? 俺??」
クリスタ「でも私、やっぱりコニーのことは憎めない……」
コニー「肉??」
クリスタ「だから、懺悔しよう? 私が聞いてあげるから、ねっ?」
コニー「懺悔って、俺別に何もしてねえぞ!?」
クリスタ「罪から目を逸らさないで。……ほら、私の目を見て?」グイッ
コニー「うわっ、ちょっ、クリスタ……っ!! 顔が近えって……!?」
クリスタ「ねえ、おねがいコニー……私だけを、見て?」ギシッ...
コニー「ぐっ……おいユミル、クリスタなんとか――!?」
ユミル「やーっと会えたね、マルコ……///」
マルコ「あ……あ……」ガタガタガタガタ
ユミル「緊張してるの? ふふっ、恥ずかしがらなくてもいいのに……」スリスリ
マルコ「ひっ……や、やめてくれ!! 近づくな!!」バッ!!
ユミル「こーらっ、かくれんぼしたって無駄だぞ?」ツーッ...
マルコ「」ガタガタガタガタ
ユミル「こんな布きれのような装甲なんて、私が軽く撃ち抜いちゃうんだからねっ……!///」バキューン☆
マルコ「」ガタガタガタガタ
ユミル「たーたーかあうのよーこいはせんそー♪ ――というわけでおらぁっ!!」ペロリンチョ
マルコ「あああああああああっ!? だっ、だれかあああああああああああ!!」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
アニ「……」
サシャ「……」
アルミン「ねえ、どうしたの? みんな固まって……」グスッ
ライナー「……」バタンッ
ベルトルト「……」チラッ
アニ「……」チラッ
サシャ「……」チラッ
アルミン「……え? ライナー、なんでドア閉めたの? ねえ」オロオロ
ライナー「……よし、バレーでもするか。外で」クルッ
サシャ「いいですね。日が暮れるまで遊びましょう」クルッ
ベルトルト「うん。今日は午後はずっと晴れるみたいだから、いいんじゃないかな」クルッ
アニ「……その前に、私アイス食べたいんだけど」クルッ
ライナー「なら先にそっちに行くか。どうせだから俺とベルトルトで奢ってやろう」スタスタ...
サシャ「だったら私、二段重ねがいいです」スタスタ...
ベルトルト「いいよいいよ、好きなの頼みなよ」スタスタ...
アニ「私、チョコミントにする」スタスタ...
アルミン「……行っちゃった」
アルミン「……」
アルミン「……」
アルミン「えぇー……? うそー……?」
アルミン「……」
アルミン「……」
アルミン「……アルミンアルミン」クルクル
アルミン「同期のみんなを元に戻す方法を、教えてミン……っ♪」キメポーズ☆
おわり
拡張版とオチが全く同じだったからラスト書き換えてみたんだけど微妙になったかも でもいいよねアルミンかわいいし
というわけで『どきどきっ☆訓練兵団!』としてはこれで終わり! おしまい!
体験版・拡張版・完全版でコロコロ仕様が変わって申し訳ありませんでした
まあ徐々に機能が開放されたってことでどうか一つ
もう気づいてた人もいると思いますが、基本システムは『ときめきメモリアル Girl's Side Premium ~3rd Story~』からお借りしました。K○NAMIさん、素晴らしいゲームをありがとうございます
途中登場したミニゲームやキャラソンや手料理などの要素は、思いついた先から適当にぶちこんだだけです。特に元ネタはありません。気分です
ちなみに1は3人攻略したところでぶん投げましたが、ゲームはちゃんと面白いので是非やってみてくださいね 秋にDSの3本パックが出るらしいので超お得!
次回の番外編ではアルミンルート+本編で不憫だったジャンの救済をします
先に書いちゃうけどジャン×アニで、ジャンにちょっとだけいい思いをさせますので、この組み合わせが嫌な人&苦手な人&アルミンルートは見たいけどジャン×アニを見たくない人&アニとアルミンがイチャイチャキャッキャウフフしてるのを見たい人は番外編は読まないほうがいいかも。完全版で読むのやめておいてください
蛇足のおまけ:完全版、その後
ライナー「……」ギコギコ
ベルトルト「……」ギコギコ
アニ「……」ギーコギーコ
ライナー「……なあ、俺たちは何をさせられてるんだ?」ギコギコ
ベルトルト「よくわからない物体についたよくわからないものを、よくわからずにぐるぐる回す作業」ギコギコ
アニ「うるさいよ、とっとと手を動かしな」ギーコギーコ
ライナー「だってなぁ……もう3時間になるぞ? これ回し始めてから」ギコギコ
ベルトルト「この針が右端にいけばいいんだっけ? ……まだ3分の1しか動いてないけど」
アニ「単純計算であと6時間だね」ギーコギーコ
ライナー「帰っていいか?」ギコギコ
ベルトルト「ダメだよライナー」ギコギコ
アニ「我慢しなよ、それくらい。サシャは一人で十時間回したんだよ」ギーコギーコ
ライナー「ところでサシャはどこに行ったんだ? 見当たらないが」
アニ「三時間前に食料庫に行った」
ベルトルト「帰ってこないってことは捕まったんだろうね」
ライナー「……回すか」ギコギコ
ベルトルト「うん」ギコギコ
アニ「……」ギーコギーコ
ライナー「ところで、よくわからない物体の先にあるよくわからない箱はなんだ?」
アニ「デンシレンジだって。よくわかんないけど」ギーコギーコ
ベルトルト「ふうん……」
ライナー「……」ギコギコ
ベルトルト「……」ギコギコ
アニ「……」ギーコギーコ
おわり
あー楽しかった 最後にage!
もう一回言いますけど誕生日祝ってくれた方&途中乙くれた方ありがとうございました! 嬉しかったです!
番外編は来週中には投下はじめられる&こんなに長くならない……はず たぶん
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません