俺「出しな……てめぇ~の……Tカード……を」 (53)

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俺「……」

客「……」

俺「聞こえなかったのかマヌケがっ!!さっさと出せばいいんだよォ!」

客「…………フッ」

客「……ところで……今日はいい天気だな……」

俺「……あぁ?」

客「雲もなくとても晴れやか陽気だ……こんな日は外に出て散歩にでも出掛けたくなるなぁ……」

俺「てめぇ、マジにいかれちまったのかァ!?」

客「……こんな晴れやかな日にそんな声を荒げてカッカするんじゃあないと言っている」

┼─┨               γ'"~~"'丶
┼─┨              i' ::::    '

┼─┨              :! :::: :::.....   l:;;;,-~""";;;'''-;;;;__
┼─┨              :ヽ、:::: ::  ,.(,.,;.,~-ー''''~ ̄
┼─┨         ,,,,      ` ー ''´      月が出た出た 月が出た ヨイヨイ

┼─┨       ,;´""'';,, ,,,`,-;;ー,,,,,__,        三池炭坑の上に出た
┼─┨       '''''-ー''"""''-ーー''~        あんまり煙突が高いので

┼─┨                           さぞやお月さん煙たかろ それヨイヨイ
┷━┫        ∧_∧      ○
    ┃       (::::::::: ´)∬   ○○       ∧_∧   /彡/彡
    ┃       (::::::  つ旦  ○○○     (` :::::::::)  /  /
    ┃────(⌒(⌒ _)─‐ |二二二| ── ○と  ::::::)───

客(はい、どーん!初 音 ミ ク T カ ー ド !)

俺「お預かりします~」

客(まさか!オタクっぽくない俺が初音ミクカード出すと思ってなかっただろうな!この店員!)

俺「カードスラッシュ!!!」

客(いま、この店員は、初音ミクはイケメンも好きなんだと、思ったに違いない!)

俺「カードお返しします。390円になります」

客(はい!ミク!絶対意識した!ミっクミクですわ~!)チャリン

俺「ありがとうございました~」

俺(ああ…やっぱりキモヲタがあのカード使うよね…あんなカード恥ずかしくて普通使えないわ…)

俺「話を逸らそうとしても無駄だぜ……てめーは買い物をした、ポイントがつく、そのポイントはTカードにしかつかねえんだからよォ~~」

客「"私はTカードを持っていない"」

俺「!?」

客「聞こえなかったのか……?"君に出すTカードはここにはない"と言っているんだ」

俺「て、てめぇ!そんなハッタリ言ってんじゃあねえぞ!!」

客「無い頭でよく考えろマヌケが……Tカードがなくちゃあポイントはつかないよなぁ~~?」

客「お前は最初から罠に嵌まっていたのだ!トラバサミに掛かった狐とおんなじよ!!」

客「"責任者"をよべッッ!!"店長"だッッ!!」

俺(オイオイマジにやべえ事になっちまったぞォ~~!)

俺("店長"なんて呼ばれたら俺はクビッ!だよぉ~~!)

俺(なんとしてもこいつにTカードを出させなくちゃあなぁ~~)

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

俺「"店長"は……不在だ、ここにはいない」

客「嘘を言うんじゃあないぞ!貴様のその胸のバッヂ!"研修中"と書いてあるッッ!」

客「研修中のスカタンを置いてどっか行く伝説にがあるか!」

俺(こいつ……なかなか勘が鋭い奴だなぁ~~!考えろ……考えろ……)

俺(!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

俺「おい……てめぇ~よォォォ……"Tカード"……持ってねぇんだよなぁぁぁぁ??」

客「何度も言わせるんじゃあないぞ!私は同じ事を何度も繰り返すのが嫌いなんだ!!」

客「……ハッ!?」

┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"

俺「これはよぉ……"ファミマTカード"の入会用紙だ……」

俺「ボールペンもある……今!ここで!てめぇ、入会しろオラァァァァァァ!!!!」

ドッギャ ̄ ̄ ̄乙___ン!!

客「ぐっ、ぐっぬぅぅぅ!!」

客「ふっ、ふっ、ふざけるなよぉぉぉ……そんな、入会用紙ごときタンカスで私が……」

俺「おっとォォォォ?まさか……逃げるなんて言わないよなぁぁぁぁ??」

俺「マニュアルは守る、客の言うことは聞く……どっちも守らなきゃならねえのはコンビニバイトの辛いところだなァ!」

俺「しかし、運命は俺に味方している!!」

俺「さっさと身分証をご提示するんだよォォォォォこのタコ!!」

客「……!」

客(身分証だと……こいつ今確かに"身分証"と言ったぞ!)

客(フフ、フフフフ……やはり、運命は私の方に味方している……ピンチの時はいつもこうなんだッ!)

客「フ、フフフ、フハハハハハハ!!」

俺「おいおい、負けるとわかって壊れちまっのかァ~~」

俺「俺は、てめぇ~が入会するまで、会計を終わらせない!!」

客「フフフ……いやね……本当に偶然とは怖いものだな……」

俺「あんだとぉ!?」

客「いや……私はついついうっかりの行動が多いんだ……カップ焼きそばにお湯を入れる前にソースを入れてしまうなんてのはしょっちゅうなんだ……」

俺「なに寝言いってんだこのタコ!!」

客「実は……"身分証"を忘れてきた」

俺「!!!??」

客「フフフ……いや、うっかりしていたよ……昨日財布の中身を整理した時に忘れてしまったらしい……フフフ……」

客「つまり、その入会用紙にサインする事はできない」

俺(ガァァァァァン)

客「残念だったねえ……後一歩だったのに……ククク……フハハハハハハ」

俺(くそったれぇぇぇぇ!!身分証を忘れてくる、なんて事は俺でもしねぇ!)

俺(でもこいつはそんなこと平気でやる奴だった!!どうするよォォォ身分証がなくちゃあこいつを入会させることはできねえ!)

俺(終わりか……!)

客「フフフ……では、さっさと会計を済ませてもらわなくちゃあな……私はTカードを持ってはいないがな……」

俺「…………フッ」

客「!?」

俺「フフフフフフフフフフフフフフ」

客(な、なんだこいつの笑いは!……いや、気が触れたのだ……私にはもう負けはないッ!)

俺「あんた……マジにクールで焦ったぜ……とんでもない集中力だ……正直焦ったよ」

俺「いいだろう、会計を済ませてやるよ……」

俺「ただし……」

俺「"年齢確認"が済んだらなァァァァァ!!!」

客「な、なんだとぉ!!?」

俺「てめぇ~~が持ってきたこのタバコ!これは20歳以下のお客様にはお売りすることはできねぇ!!」

客「ばっ、バカな!!私はどう見ても社会人だッッ」

俺「フフフフフフ……どうだかなァァァァ最近のガキはませてるからなァァァァァスーツぐらいは着るだろうよォォォォ」

俺「わかったら!さっさと年齢を確認できるものを出すんだよォォォあったらだけどなァァァァァ!!」

ドッグォォォォォォン

客「こ、このクソカスがァァァァァ!!!とぉば!!!」(ドグシャァァァァアン

客(こんなことが……こんなことがあってはいけないんだ……こんな、こんなことが……)

俺「てめぇーの敗因はたったひとつ……たったひとつのシンプルな答えだ……」

俺「てめぇーはTポイントを甘く見すぎた」


客……何も買えずに退店、完全敗北――――死亡

俺……クレーマーを撃退、後に店を支配するであろう。

俺「てめェー……ここにはなにで来た?」
客「それは当然くる…ハッ! 徒歩だ…」
俺「徒歩だァー? 俺ぁよォォー……見てたんだぜ……しっかり!この両の眼で!」
客「見、見てたから…なんだと言うんだッ!はやく店長を呼べェェーー!私は徒歩で来たッ!」
俺「嘘はよくねーぜ……テメーは車で来たッ!そしてもう1つ嘘がある……テメーは今ッ!免許証を持っているッ!なけりゃあ免許証不携帯だからなァァー」

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