女「裸エプロンは、男の子のロマンだろう?」 (14)

女「裸エプロンは、男の子のロマンだろう?」

女「無駄のない、素晴らしい着衣だよ」

いや、ちょっと待て。

男「お前なんつー格好してんだよ!?」

女「だから、裸エプロンだよ」

何軽く言っていやがる。

女「略して、裸エロ」

全然略せてねーじゃねえか。

男「むしろ悪い方向に行った気がするぞ」

女「そうかな? 安易で逆に萎えてしまうパターンかもしれないよ」

それよりもなによりも。

男「まず、服をどうにかしろ」

女「え、何か不都合でもあるのかい?」

ありすぎる。

男「大有りだ」

女「大蟻……どこにいるんだい?」

違う。

女「君の部屋には蟻がやってくるような不潔なイメージはないんだけれど」

キョロキョロと周りを見渡すのは勝手だが。

いや、お前さ。

なんで俺の家でそんな格好してんだ。

まずそこだろ。

男「どこで身につけた知恵かは知らんが、そういうのはやめろって」

女「んん、何か言ったかな?」

おい、近づくな。

女「ボク、最近耳が遠くてね。近くじゃないとよく聞こえないんだ」

嘘をついて、近づいてくる。

女「で、何かな?」

男「三分待ってやる。その間に着替えろ!」

と、捨て台詞のように言って、部屋を出た。

よく見えなかったが。

あいつ、本当に裸にエプロンだけなのか?

女「えーっと、とりあえず滅びの呪文を言えばいいのかな?」

部屋の中からそんな声がする。

男「服を着替えろ」

女「服は着ているけれど」

男「もっとだ。風邪引くぞ」

女「温めてくれたら嬉しいな、体で」

するかよ。

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