咲「優希おねえちゃん、あーんして？」

優希「あ、あーん///」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

咲「そのタコスね、京ちゃんに作り方教わったんだ。美味しくできてた？」

優希「むぐむぐ……うん！　咲ちゃんの手作りタコスは絶品だじぇ！」

咲「わーい！　嬉しいっ！」ﾑｷﾞｭｰ

優希「うわわわ///」


　ｲﾁｬｲﾁｬ

　　　ｷｬｯｷｬｳﾌﾌ


和「」

久「おそらく脳に加わった衝撃で宮永照の立ち位置と優希の立ち位置がごった煮になってしまったのね」

まこ「どちらかと言えば優希の方が妹っぽいのー」

まこ「まあ一応、医者がいうには記憶障害は一時的なものみたいじゃし」

久「外傷もこぶが出来たこと以外は問題ないみたいね。良かったわ、咲が無事で」ﾎｯ

和「いやﾎｯじゃないですよ部長！？」

和「なんで優希なんですか！？」ﾊﾞﾝｯ

久「いや、私に言われても」

和「なんで私じゃないんですか！？」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

久「いや、本当私にいわれても……」

咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん……」ｽﾘｽﾘ

優希（こ、困ったじょ。まさか咲ちゃんにこれほど甘えられるようになるなんて）

優希（デレデレに甘えてくる咲ちゃんの破壊力！　これが妹パワー……？）

優希（でも、悪い気は全然しないじぇ……）ﾃﾚﾃﾚ

咲「お姉ちゃん、私ね、寂しかったんだ……ずっとお姉ちゃんに甘えたかったの……」

優希（……そっか。咲ちゃんは本当のお姉ちゃんと何年も離れ離れ）

優希（私達の前ではそんな素振りは見せなかったけど、本当はずっと寂しかったのかも……）

優希（こうなったのもきっと何かの縁！　ここは咲ちゃんの為にとことん甘えさせてあげるじぇ！）

優希「よーし！　咲、今日はとことん私に甘えるといいじぇー！」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

咲「ありがとう！　優希おねえちゃんは優しいなぁ」ｷﾞｭｰ

和「うああああああああああぁ！　あんなに密着して……！」

和「１つの椅子に二人で！　しかも向かいあって抱き合いながら座るなんて！」

和「優ううううううううぅぅ希いいいいいいいいいぃぃぃ！」

和「なんて羨ましいっー！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

久（泣くほど！？）

まこ（ブレんのうこいつは）



優希「咲は可愛くて麻雀も強い、自慢の妹だじぇー」ﾅﾃﾞﾘﾅﾃﾞﾘ

咲「優希おねえちゃんは優しくて可愛くて、自慢のおねえちゃんだよっ」ﾃﾚﾃﾚ




和「っっっっっ！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

久「やめて床壊れる」

　一時的だと思われていた咲の記憶障害は中々治らず、仕方がないので準決勝はそのまま参戦。

～試合後～

リポーター「宮永選手、一位で決勝戦進出おめでとうございます！」

咲「あ、ありがとうございます///」

リポーター「それにしても東場の和了率は凄かったですね。まるで先鋒の片岡選手のようでした」

咲「はい！　試合に行く前に優希おねえちゃんから優しい声援と温かい抱擁を貰ったんです！」

咲「きっと私が一位になれたのも、世界で一番大切な優希おねえちゃんがいてくれたからです！」



優希「いやぁ、咲のおねえちゃん好きにはまいっちゃうじぇー」

和「とろっとろのニヤけ面が治ってませんよ、優希」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

リポーター「……え？　おねえちゃん……？」

リポーター「あの、片岡選手と宮永選手は同い年では……？」

咲「同い年ですけど、おねえちゃんですよ？」

リポーター「え？」

咲「え？」

リポーター「そ、そのぉ……宮永選手の姉は白糸台高校の宮永照選手という噂があったのですが……」

咲「宮永照……？　それってチャンピオンの宮永照さんですよね？」

咲「まさか！　デマですよデマ」

リポーター「なるほど、そういえば宮永照選手も妹はいないと宣言していたとか……」

咲「宮永なんて珍しい名字ってわけでもないですからね。偶然です」

咲「私に優希おねえちゃん以外の姉はいませんよ」ﾆｺ

久（わぁお……）

まこ（全国中継じゃろ、あれ……）

京太郎（やっちまった……）

優希「失礼なリポーターだじぇ！　咲に私以外の姉なんていないじょ。ねえのどちゃん？」

和（お義姉さんざまぁｗｗｗｗ）



～白糸台控室～

照「」

菫「……その、うん……」

淡「テルー……」

誠子「先輩……」

尭深「ｵﾁｬｵｲｼｲ」ｽﾞｽﾞｽﾞ

照「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

菫「いや、お前だって昔似たようなこと言ってじゃないか……」

照「うぉ？　そ、そぉだよ？　わ、私に妹なんていねーし。１人もいねーし」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

淡「テルー、しっかりして！？」

誠子「口調がとんでもないことになってますよ！？」


テレビ『ｴｰ　ｿﾚﾃﾞﾊ　ｺﾝﾄﾞﾊ　ｼﾏｲﾃﾞﾉｲﾝﾀﾋﾞｭｰｦ』


尭深「あ、今度は２人で取材受けてるね」

優希「確かに私達には血の繋がりはないけれど、血なんかよりももっと深いもので私達は繋がってるじぇ！」

咲「優希おねえちゃんは誰よりも優しくて、誰よりも私のことを気遣ってくれる、最高のおねえちゃんです！」

リポーター「なるほどなるほどなるほどー。片岡選手はまさに理想の姉というわけですね」

和「ええ。優希は可愛い妹を何年もほったらかしたりしませんし（笑）」

和「決して『私に妹はいない』なんて口が裂けてでもいいませんし（笑）」

和「妹を悲しませることは絶対にしない、お姉ちゃんオブお姉ちゃんですから（笑）」

優希「もー、のどちゃん。そんな妹に酷いことする姉なんてこの世には存在しないじぇー」

咲「そうだよー。そんな血も涙もないおねえちゃんなんているわけないよ」

和「ですよねー（笑）」ﾆｺ

～白糸台控室～

照「」

菫「…………」

菫（これは）

淡「…………」

淡（もう）

誠子「…………」

誠子（駄目なのかもしれない）

尭深「ｵﾁｬｵｳｯﾒ」ｽﾞｽﾞｽﾞ

照「……ｺﾞﾍﾞﾊｯ」

淡「吐血した！？」

菫「照っ！？　おい大丈夫か照！？」

照「こんな、こんなはずじゃ……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

照「私に突き放された咲は、１人孤独に涙するも私との和解を諦めず」

照「プラマイゼロなんて麻雀をやめて、本気で麻雀に取り組んで」

照「強かったころの咲に戻って再び私と全力の麻雀をして」

咲『お姉ちゃん、いままで私が間違ってた。プラマイゼロなんて腑抜けたことをしてごめんなさい！』

照『いいんだよ咲。私も悪かったんだ。本気を出してくれない咲に怒って、必要以上に辛くあたってしまった』

咲『お姉ちゃん。いまからでも私達、元の関係に戻れるかな……』

照『……元には、戻れないよ、』

咲『っ……』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

照『だって私達はこれから――姉妹よりももっと深い関係になるんだから』ｷﾘｯ

咲『お、おねえちゃーん！　大好き、抱いて！』ｷﾞｭｰ

照『咲がこの世に生を受けた瞬間から、私はあなたを愛してた』ﾁｭｯﾁｭ



照「――という完璧な計画がっ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

菫「いやありえねーよ」

ごめん起きてる人いたらちょっとだけ保守たのむ

照「うっうっう……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

淡「泣かないでテルー」

照「淡、私どうしたらいいのかなぁっ」

誠子（さすがにここからの関係修復は……）

菫「もう謝り倒すくらいしかないんじゃないか」

尭深「ｵﾁｬｶﾞｼｳｯﾒ」ﾓｸﾞﾓｸﾞﾞ

照「土下座で、土下座でなんとか……」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

淡「駄目だよ土下座なんて！　ここは謝るよりももう一度咲にお姉ちゃんだって思って貰えるようなことをしないと！」

菫「ふむ、そんなものだろうか……」

誠子「そうですよ！　宮永先輩の格好良いところを見せれば！」

誠子「きっと咲ちゃんも見直しますよ！」

照「格好良いところ、私の格好良いところ――はっ！」

照「わかったよ！　私が何をすべきか……！」

照「麻雀で、咲を取り戻すんだ！」ｺﾞｯ

～決勝戦～

咲「優希おねえちゃんー！　頑張ってー！」

優希「大船に乗った気でいるじぇー咲！」ﾏﾝﾄﾌｧｻｧ




照「ｻｷｻｷｻｷｻｷｻｷｻｷｻｷｻｷｻｷ」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

玄「ﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗﾄﾞﾗ」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

智葉（何だこいつら……）ﾄﾞﾝﾋﾞｷ

優希「よーしやったるじぇー！　お前たちに南場はこない！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

優希「タコスとおねえちゃんパワーが漲るじぇ！　ツモ！」

智葉（さすがに東場は強いな……）

玄（和了速度が早すぎるっ）

照（…………）ｷﾞｭﾙ

照「片岡優希……」ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ

優希「なんだじぇ？　え、というかなんで腕回ってんの？」

照「なぜ咲はあたなを姉と呼んでるの…・…」ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ

優希「そんなもの私と咲は姉妹だからに決まってるじぇ！」

照「……」ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ

照「咲の姉は――」ｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙｷﾞｭﾙ

照「　ワ　タ　シ　ダ　ヨ　」ｷﾞｭﾙｯ――


ギ


ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ

ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ

ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ

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ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
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ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ