側近「ええ、各方面からこのような報告があがっています。」
大魔王「・・・我が世界の魔王は、そのようなことはしておらぬな?」
側近「それが・・・。」
大魔王「なんだ、言ってみろ。」
側近「結婚すると言っています。」
チャブ台ガッシャーン
大魔王「い、い、今、何を言った、貴様は!」
側近「で、ですから、魔王様が勇者と結婚すると宣言を・・・。」
大魔王「な、な、何を言う!あ、あいつはま800歳、け、け、結婚など、ま、ま・・・。」
側近「動揺しすぎです、大魔王様。」
大魔王「ま、魔王の結婚など許さーん!!!!」
大魔王「な、なぜこうなった!」
側近「そ、それがですね・・・、勇者がLv1の状態のくせに、何も修行せずにノコノコと魔王城に。」
大魔王「は?」
側近「で、魔王様にイチコロにされた奴が、更に10回も挑んだ挙句・・・。」
大魔王「えっと、・・・馬鹿じゃね?」
側近「で、12回目で告白を成功させました。」
大魔王「戦ったんじゃないのかよ!ただの告白かよ!!」
側近「6回目ぐらいまでは、魔王様も適当にあしらっていたのですが・・・。」
大魔王「は?」
側近「7回目ぐらいに、Lvを2ぐらいに上げたのか、勇者の告白がストレートじゃなくなり・・・。」
大魔王「は?」
側近「9回目ぐらいには、優しさのある告白を。魔王様は、少しだけ傾いてしまいまして。」
大魔王「へ?」
側近「10回目は酷かったんですけどね。もう、こればかりは表現が出来ません。」
大魔王「なにやってんだ・・・。」
側近「というわけで、なんか急に魔王様も勇者を意識するようになりまして。」
大魔王「別の意味での意識はずっと持って貰いたかったんだが。」
側近「晴れて12回目のプロポーズで、魔王様が受け入れてしまい・・・。」
大魔王「・・・わしは許さんぞ!」
側近「ちなみに10回目のプロポーズの仕方、教えましょうか?」
大魔王「聞きたくないが・・・簡潔に申せ。」
側近「えっとですね・・・『ぼくは死にましぇ—ん!』って言いながら、メガンテを唱えてある意味自爆でした。ちなみに、全く魔王様には傷一つ、心一つ、動きませんでしたが。」
大魔王「馬鹿か!」
側近「でも、毎月1回の告白に、ついに心が動かされたようです。」
大魔王「くっ、わしは許さんからな!」
側近「それがですね。」
大魔王「なに、まだあるのか?」
側近「出来ちゃったらしいのですよ。」
大魔王「な、何が出来たと言うんだ。」
側近「・・・子供が。」
大魔王「て、て、てめぇぇぇぇぇ!」
側近「く、首を絞めないでく、ください。さ、3ヶ月だそうです。ゲホゲホ。」
大魔王「3ヶ月!?まだあいつは800歳だぞ!」
側近「と、年頃のお嬢様ですから・・・。」
大魔王「だ、だが、あいつは、まだ半人前だ!半人前の癖に、子供とは生意気だ!!!」
チャブ台ガッシャーン
側近「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい。そんなに何度もひっくり返されては、ご飯ならまだしも、沢庵が飛び散ってしまいます。」
大魔王「あ、あいつは、わし一人で育てた娘だ!」
側近「めちゃくちゃ、可愛がってましたからね。」
大魔王「お風呂にだって、つい最近まで一緒に入っていたし!」
側近「もう580年前のことじゃないですか。・・・ちなみに、魔王様は120歳の頃から、嫌がりだしてましたが・・・。」
大魔王「ふ、ぐ、う、うぅぅぅ・・・魔王・・・勇者・・・殺してやる・・・。」
側近「泣いて喜んでるんだが、怒っているんだか、どっちかにしてください。」
大魔王「魔王はなんて言っている。」
側近「それが・・・『パパは関係ないの!』と。」
大魔王「な、なんだと、わしを蔑ろにする気か!」
チャブ台ガッシャーン
側近「ですからひっくり返さないで下さい・・・でも、本当はそんなことないと・・・あれ、大魔王様?」
大魔王「魔王に、魔王に・・・。」
側近「お気を確かに!!!!」
大魔王「そ、そうだ!わしが認めないから、この結婚は許さないぞ!」
側近「それなんですが・・・。」
大魔王「ど、どうした。」
側近「大魔王様が、魔王だった頃に法を持ち込まれたじゃないですか。ただ、制定が面倒だったこともあって、一部の法律を人間界からそのまま持ち込んだのもいくつかありまして。」
大魔王「確かにそうだったが・・・それがどうした?」
側近「それが・・・民法というのをそのまま導入していたのですが、実はこちらに結婚に関する事が定められてまして。」
大魔王「な、何!」
側近「それによりますと、20歳以上であれば、結婚は親の承諾がいらないようなのです。」
大魔王「」
側近「ですから・・・って大魔王様!」
大魔王「・・・そ、そ、そんな法律など破ってやる!!!!!!!!」
側近「お気を確かに!!!法律を定めたのは、大魔王様の以前からの宿願だったのですぞ!落ち着いて下され!!」
大魔王「はぁはぁはぁ。魔王は、これからどうすると。」
側近「いや、『パパが許さなくても結婚するから!』とは言っていますが・・・やはり、祝ってもらいたいようですよ。」
大魔王「ふんっ。」
側近「大魔王様。」
大魔王「なんだ。」
側近「お祝いに行きませんか?」
大魔王「・・・。」
側近「実の娘ですよ?」
大魔王「分かっている。」
側近「とりあえず、会ってみましょうか?」
大魔王「むむむ。」
側近「何がむむむですか。私も付いていきますから。(・・・じゃないと、絶対喧嘩して、死人出るからなぁ。)」
大魔王「・・・わ、分かった。」
側近「じゃあすぐに!」
大魔王「仕度はまだだろう?」
側近「それが、あとはチャブ台の周りを綺麗にするだけでして。」
大魔王「・・・計ったな。」
側近「えぇ、これが、魔王様にも大魔王様にもいいことですから。」
大魔王「ふんっ。」
側近「さぁ、出発ですよ。」
大魔王「顔見るだけだ。・・・まだ結婚は許してないからな。」
側近「はいはい。」
大魔王「メガンテ唱えて死んで教会に世話になる奴など、絶対に嫁に出さないからな!」
側近「それが・・・。」
大魔王「ん?」
側近「彼はメガンテを唱えて死に掛けていたそうですが、這いつくばりながら、宿舎に帰れました。さらに一眠りで大復活でした。」
大魔王「本当に死ななかったのかよ!!!」
END
即行で書きました。というか、今書いているSSが、なかなか進まなくて、やけ気味にww
「僕は死にましぇーん」ネタは、友人の告白で見たことあります。そいつと告白相手の結婚式が来月にあることを思い出して、無理矢理入れてみました。末永く爆発しろ。
なんのSS書いてんだよ、爆発しろ!
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