ジャン「俺が主役の漫画を描く！」

マルコ「え…？」

マルコ「突然どうしたんだいジャン…気でも触れたのかい？」

ジャン「俺は真面目だぜ、マルコ」

ジャン「俺の夢は内地で安全に暮らすことってのはもう知ってるよな？」

マルコ「うん」

ジャン「よーく考えてみたらよ…苦労して憲兵団なんかにならなくても、面白い漫画を一発当てれば一生安泰なんだぜ…？これはやるしかないだろ！！」

マルコ「ジャン…君は漫画家舐めすぎだよ…」

ジャン「大丈夫大丈夫、実は俺結構絵心ある方なんだぜ？」

マルコ「へぇ…初耳だね」

マルコ「でもジャンに面白いストーリーなんて書けるの？」

ジャン「ノープロブレム」

ジャン「とびっきりのネタがあるんだよ、俺には」

マルコ「…？ とびっきりのネタって？」

ジャン「ふっふっふっ…良くぞ聞いてくれた」

ジャン「マルコは親友だからな、特別に教えといてやる」

マルコ（親友…？僕とジャンが？）

ジャン「とびっきりのネタとは…」

マルコ「…」ゴクリ

ジャン「俺たちとその体験談をネタにして漫画を描くのさ！！」

マルコ「僕たちとその体験談が…漫画のネタ…？」

マルコ「つまり…どいうことなの？」

ジャン「俺たち104期ってかなり個性的なメンツが揃ってるだろ？」

マルコ「まあね」

ジャン「だからさ！俺たちを漫画の登場人物にしちゃうんだよ！」

マルコ「なるほど…『俺が主役の漫画を描きたい！』ってそういうことだったんだね」

ジャン「おうよ」

ジャン「お前も俺の漫画に登場させてやるからな、楽しみにしてろよ！」

マルコ（不安だ…）

マルコ「ジャン以外の配役は決まってるの？」

ジャン「まぁ、ある程度はな」

マルコ「良ければ教えて欲しいな」（変な役だったら降ろさせてもらおう…）

ジャン「まずな、メインキャラは3人にしようと思ってるんだ」

マルコ「定番だね、主人公とヒロインと親友って感じ？」

ジャン「流石俺の親友、察しがいいな」

マルコ（あっ…これは僕が親友ポジの流れだわ…ヤダなぁ…）

ジャン「主人公ポジはもちろん俺！ヒロインポジはミカサ！親友ポジは…」

ジャン「…お前だ！マルコ！」

マルコ（やっぱりね…）

マルコ（それにしてもシガンシナ区幼馴染組の中に僕とジャンを無理矢理ぶち込んだよ…）

マルコ（エレン…アルミン…ミカサ…ごめんね…）

ジャン「俺とミカサとお前は幼馴染って設定にする」

ジャン「出身地はシガンシナ区でな、845年の超大型巨人襲来から物語は始まるんだ」

マルコ（もう素直に主人公エレンにしなよ…）

ジャン「そして故郷を滅ぼされた俺は巨人に復讐するために兵士を目指すのさ！」

マルコ「ジャン…もう主人公エレンでいいんじゃないかな？」

ジャン「はwww？あんな悪人面が主人公になれるわけないだろwww」

マルコ（馬面よりかはマシだけどね）

ジャン「エレンは悪役として登場させる予定だ」

マルコ「悪役…？敵は巨人なんじゃないの？」

ジャン「お前なぁ…全部の敵が、な考えてるのかわからねぇ気持ち悪りぃ巨人だったら、読者も萎えるだろ？」

訂正


ジャン「お前なぁ…全部の敵が、なに考えてるのかわからねぇ気持ち悪りぃ巨人だったら、読者も萎えるだろ？」

マルコ「まぁ…確かにね」

ジャン「そこでだ、巨人に変身できる人間を敵にするってのはどうだ！？」

マルコ「それがエレン？」

ジャン「その通り！」

ジャン「シガンシナ区を襲った超大型巨人の正体はエレンだったってことにする」

マルコ「エレンに殴られても知らないよ？」

ジャン「ちなみにアルミンも巨人ってことにする、エレンの仲間で人類の敵だ」

マルコ「アルミンも！？」

ジャン「アルミンはいつもエレンの後にくっついてるからな」

マルコ「そんな理由で…エレンにくっついてるならミカサだってそうじゃん…」

ジャン「ミカサはいいんだよ！」

マルコ（なんだこいつ…）

ジャン「後な、アニとサシャとクリスタは主人公に惚れてるって設定にする」

マルコ「流石に痛々しいよジャン」

ジャン「そして嫉妬したミカサを交えて主人公の取り合いに…」むふふ

マルコ「もう主人公をエレンに変えてよ、今からでも遅くないから」

ジャン「こればかりは譲れねぇな！」

マルコ「…」イラッ…

ジャン「まー後のメンツは普段通りって感じだ」

ジャン「そんなわけでどう思う！？俺の考えた漫画！！」

マルコ「配役が糞」

ジャン「なんだマルコ…？お前主人公になりたかったのか？」

マルコ「違う！それに僕は主人公なんて柄じゃないよ！」

ジャン「確かにマルコは主人公って感じじゃないなw」

マルコ（自分で言っといてなんだけど、他人に言われるとムカつく…）

ジャン「まぁいいや、とりあえずストーリーは大体出来上がってるし、後は絵だな」

マルコ「最初から疑問に思ってたんだけど…ジャンって本当に絵が上手いの？」

ジャン「おっ、言ったなマルコ！」

ジャン「これを見な！昨日仕上げた自信作だ！」

マルコ「はいはいわかったわかっ…」チラッ…

マルコ「えっ…！？普通に上手いだと！？」

ジャン「どんなもんだい！」

マルコ「意外な才能だね…見直したよ」

マルコ「で…その美少年は誰だい？」

ジャン「え…？俺だけど…？何か？」

マルコ「…」ブチッ

ジャン「ちなみにこれがミカサ」

マルコ（なんで水着なんだよ…あと腹筋はどこにいった…）

ジャン「そしてこれがお前だ」

マルコ（くそっ…僕のだけ目に見えて適当だ…）

ジャン「このイラストはお前にプレゼントするよ、今日話に付き合ってくれたお礼だ」スッ…

マルコ「…」

マルコ「ああ、ありがとうジャン」ビリビリィ！

ジャン「あぁ！俺の自信作が！破かんといて！」

マルコ「うるせぇ！自画像描く時は鏡くらいみろよ！！」ドンッ！

ジャン「ひぃ…！」

マルコ「それになんだよこの水着のミカサは！こんなの持ってることがミカサにばれたら確実に削がれるよ！」

マルコ「そしてなんで僕のだけ適当なんだよ！ふざけんな！！」

ジャン「そ、それは…」

マルコ「…ふぅ」（少し言いすぎたかな…？）

マルコ「まぁ…絵自体はうまいと思うよ」

ジャン「ほ、本当か！？」

マルコ「問題はキャラデザだね」

マルコ「キャラデザを決める時は僕を通してからにしてね」

ジャン「お、おう！わかったぜ！」