エレン「新宿の巨人」ミカサ「東口」(149)

エルヴィン「諸君ら104期を呼び出したのは他でもない。明日一日かけて遠征調査に行ってもらう」

一同 ザワ

エレン(俺たちが初参加する壁外調査は2週間後のはずだぞ!?)

エルヴィン「調査と言っても壁外ではない。この世界の外だ」

エレン(!?)

エルヴィン「昨日、地下の食料庫の荷台に乗り……なんやかんやでつきあたりの壁につっこむと」

エルヴィン「異世界に行けることが判明した」

アルミン(また適当な)

新宿駅周辺を舞台にした調査兵団104期の一日。

思春期エレンとクーデレミカサがメイン。

一応新宿と銘打っていますが、ただ巨大な街を想像してくだされば。

エルヴィン「昨夜、ハンジとリヴァイが荷台で遊んでいた際に発見した」

リヴァイ「エルヴィンお前もだろ」

ハンジ「レースで負けたからって、情報操作はよくないよ〜」

エルヴィン「この世界ではない、未来世界に存在する極東の島国に繋がった」

エルヴィン「早急な調査が急務である。この世界にとって有益な情報が得られるかもしれない」

エルヴィン「よって諸君ら104期の中から志願者を募り、スパイを送ることを決定した」

エレン(壁の外……!)ドキドキ

ジャン「なんだよそれ」

コニー「非科学的じゃねえか」

サシャ「コニー、キャラがぶれてます」

エルヴィン「志願者は明日、その荷台に乗り、目標の地域の最重要人口密集地帯に送られる」

エルヴィン「シンジュク駅という巨大なダンジョンだ」

エレン(シンジュクダンジョン……)

エルヴィン「そこで君たちには現地の人間や文化を偵察してきてほしい」

こういうのもイイよね

期待

クリスタ「偵察……見るだけでよいのですか?」

ユミル「戦闘が起こる可能性は?」

ハンジ「私が昨日事前調査に行ってきたけど、基本的に治安はいいし確率は極めて低いと思うよ」

ハンジ「皆格闘術を心得ていないもやしっ子みたいだったしね」

ハンジ「まあ難しいことはさておいて、純粋に未来の異国を楽しんでくるといいよ」

リヴァイ(……土産忘れたら削るからな)

エレン(圧を感じます兵長)

ハンジ「ただ、シンジュクダンジョンは現地の人間でさえ飲み込む迷宮だよ……気をつけてね」

一同 ゴクッ

エルヴィン「以上だ。志願者は明日9時ここに集合」

エルヴィン「約1時間ハンジより向こうの情報を聴講したのち10時出発だ。それでは解散したまえ」

こいつらはなぜこんなに知っているのか
…もしや

>>4
ありがとうございます。カタチは最後までできているので、整えつつ頑張ります。

>>6
ご愛嬌ということで


解散後 ザワザワ…

エレン(アルミン、どこ行ったかな……団長と喋ってるのか)

エレン(あ、終わったみたいだ)

エレン「おーいアルミン!」

アルミン「なんだい?」タタタ

エレン「何かゲッソリしてないか? 団長に何か言われたのか?」

アルミン「あはは……まあ。明日のことで」ハァ

エレン「やっぱ行くよな?」キラキラ

アルミン「もちろん行くさ! 異世界なんて、興奮で今夜は寝不足になりそうだよ」キラキラ

ミカサ「ふたりとも今日は早く寝よう。必要なら子守唄を歌ってあげる」

ライナー「しかし壁の外に出るより先に、世界の壁を超えるなんてな」

ベルトルト「おかしな話だね」

ジャン「任務っつーくせにノルマがないみたいだな」

ユミル「つまりはバカンスだろ」

クリスタ「楽しみだね。お土産いっぱい買っちゃお」

サシャ「お肉いっぱい食べられますかね///」ハァハァ

コニー「芋くらいはあんじゃねーか、芋女」

サシャ「夢が膨らみます!ですがその前に、夕食の時間ですよ!行きましょう皆さん!」

ゾロゾロ

エレン(よし、皆行ったか)

エレン「アルミンちょっと、相談がある」コソ

アルミン「君も僕の胃に穴空けるの?」ゾッ

エレン「何だ君もって。ごしょごしょ……」

アルミン「え?ミカサにイライラするだって?」

エレン「ああ」

アルミン「子ども扱いするなって言う、あれじゃなくて?」

エレン「それもそうだけどよ……。うーん、うまく伝えられないけど」

エレン「ミカサが俺のこと家族って言うたびに、みぞおちのあたりがかゆくなるって言うか」

アルミン「痒い?大切な家族じゃないか、何かおかしいの?」

エレン「何もおかしくない」

アルミン「だよね。第一エレンだってミカサのことを家族だって言ってるだろ?」

エレン「そうなんだ。家族だ、大切な……でも」

エレン「だけどなんか……すげえ悔しくなってくるつうか」

アルミン(悔しい……?もしかして)

アルミン「ひとつ確認。ミカサのこと嫌いになったの?」

エレン「ばか、そんなわけねえだろ!あいつがいなくなったら俺は!」

エレン「この間の兵法会議だって、ミカサまで化け物呼ばわりされて……すげえ、怖かった」

アルミン(やっぱり)

アルミン「エレンそれ、ミカサを女の子として好きになったってことじゃない?」

エレン「はぁ?なんでそうなるんだよ」

アルミン「普通家族は恋人にはなれないからさ。ミカサと一緒にいてドキドキすることあるんじゃない?」

エレン「それは……なくも、ないが……」

アルミン(きたあああ!ミカサ!やっと君の過激なアプローチが実を結んだよ!)

エレン「い、いや思春期特有のアレだろ。つうか気持ち悪いだろ、引くよな……。家族に対して」

アルミン「そんなことないさ!僕はふたりが幸せになってほしいと思っているよ」

アルミン「エレン。さっき僕は団長から任務を任されてたんだ。明日のね」

アルミン「だから明日はふたりきりで楽しんできてほしい」

エレン「!」

アルミン「きっと巨人がいない世界だ。ミカサへの気持ちが何なのか、ゆっくり考えるチャンスだよ」

エレン「何言ってんだアルミン! 俺は3人で探検がしたい! お前も一緒に」

アルミン「3人での探検は、もちろん僕らの世界で成就させるさ。巨人を駆逐したあとで」

アルミン「だから明日はミカサと向き合ってくれ。明日を逃せばまた、めまぐるしい日々になる」

アルミン「それに僕は簡単とは言え……極秘任務もあるから」

アルミン「だからふたりで、ね。これは僕からのお願いだ」

エレン「……わかった」

アルミン「家族にしろ想い人にしろ、明日はミカサに優しくしてあげること、いいね?」

エレン「えっと……はい」

アルミン「いいお返事。それじゃ僕たちも夕食食べに行こう」ニコ

アルミン(なんだ。エレンは思ったほど鈍感じゃなかったのか。これでふたりはやっと両思いに)ホッ

エレン「でもミカサは……俺を家族としか考えてねんだろな」ボソッ

アルミン(え)

アルミン(一番わかりやすいミカサの気持ちには気づいてないのか?やっぱり!この鈍感野郎!)

アルミン(でもせっかく自力で答えを見つけようしてるし、今は見守ろう)

——————

翌日

1000——地下食料庫



エルヴィン「志願者はこれだけか。心より尊敬する」

リヴァイ(エレンいらねえもん買ってきたら削ぐぞ)ゴゴ

エレン(兵長のいるものってなんだろ……やっぱりシークレットブーツかな)

リヴァイ ギロッ

エレン ビクッ

ハンジ「じゃあ向こうの情報も伝えたところで、出発するよ!荷台に乗って乗って!」


エレン(ミカサへの気持ちが何なのかわかるといいな)

エレン(家族にしろ……す、好きにしろ、優しく、だよな)


『さあみんな。

君たちは今荷台に揺られている。この暗がりを抜けたらシンジュクダンジョンに到着するよ。

でも手が滑っちゃって。到着地点がJR中央線、東京行きのホームになっちゃった。ごめんね。

君たちの任務。それはこの世界の情報をなんでもいいから集めてくること。

そして、この国の要である超大型ダンジョン、シンジュク周辺の調査だ。

でもこれは外形的な任務内容。旅行に行ったと思って楽しんできてよ。

緊急のため、立体機動装置は装備、雨具で隠しておくこと。一般人との混乱、戦闘は極力避けてね。

帰還は、2200。JR新宿駅西口、世界時計前に集合だ。帰りの荷台がくるから。

遅れたら最期、戻ってこれる保証はできないから覚悟してね。

それじゃあ良い旅を!』

群像劇っぽくなるようにいくつか話を考えたんだけど、今回はエレン視点。

知識や常識においてご都合主義になるけど、楽しくできるように頑張る。

ガタンガタン

ライナー「真っ暗だな。本当に目的地に進んでいるのか?」

アルミン「はは……明るくなってのお楽しみってとこかな」

ミカサ「減速してる、到着するみたい」

サシャ「緊張しますね!」

コニー「俺が一番に降りるからな!」

エレン「はあ?子どもかよコニー。俺が先だろ」

ジャン「どけよ、前見えねえよ」

キキィーッ

エレジャンコニ「わっ」グラッ

エレジャンコニ「うわあああ!」スッテンコロリン

プシュー

クリスタ ピョン

クリスタ「いちばんのり!」ウフフ

ライユミ(結婚)

1005——JR新宿駅 中央線東京行ホーム

ガヤガヤ

エレン「ここが、シンジュクダンジョン!!」

ライナー「すげえ人の数だ!押し流されちまいそうだな」

ユミル「安心しろ、ゴリラは流されねえから」

アルミン「出口へは階段を下るみたいだ」

エレン「なんかすげえのあんぞ!」

アルミン「あれがハンジさんの言ってたエスカレーターって乗り物だね」

エレン「乗ろうぜアルミン!ミカサ!」ワクワク

アルミカ「うん!」

スタスタ

ライナー「甘いなエレンは。ラクしてたら兵士失格だぞ、常に鍛えなければな」クリスタチラッ

ライナー「俺とベルトルトはそこの階段からいかせてもらう」

ベルトルト(変なとこ格好つけないでよ…)

スタスタ

クリスタ「ユミルー」キラキラ

ユミル「わかってるよクリスタちゃん。乗ってみてえんだろう動く階段」

クリスタ「うんっ!皆も行こう?」

コニー「ジャン!サシャ!そこの出店見てみてえ!行こうぜ!」

ジャン「おい!下手に行動したらはぐれちまうぞ!ここはクリスタたちに続いて行くべ」

サシャ「食べ物買ってから行きましょう!クリスタ、すぐ追いますから!」

コニサシャ「うひょー!!」ダダダ

ジャン「話聞けよ!」

ユミル「子守はジャンに一任だな」

クリスタ「わんぱくって可愛いね」



アルミン「さて、エスカレーターを降りたところで」

アルミン「どうやら左にいくと西口、右にいくと東口に出るみたいだ」

エレン「全部の出口に出れるわけじゃないんだな」

クリスタ キョロキョロ

ユミル「どうしたクリスタ?」

クリスタ「あの…さっきすぐ近くの階段をライナーたちが降りてきてるはずなんだけど…みあたらなくて」

ユミル「さっそく迷子かよ。でけえくせに」

アルミン「シンジュクダンジョンは方角を狂わせ、人を迷宮へと誘う……」

一同 ゾッ

エレン「じゃあ俺たちは東口を行くか」

クリスタ「私たちは西口を出てみよう」

アルミン「集合時間には遅れないようにねー」

クリスタ「じゃあねー」フリフリ

エレン「じゃあ行こうぜ…シンジュクダンジョン東口、調査開始だ!!」

——東口改札前

エレン「人すげえ!」

アルミン「目の前はファッションビルみたいだね。ルミネエスト。駅と併設されているんだ」

エレン「とりあえず外がどんな景色なのか見てえよな」

アルミン「そこに地上への階段があるみたいだ、上ってみよう」

トコトコ

——東口出口

エレン「到着! おおおおすげえ! 建物でけえ! ごちゃごちゃしてる!」キラキラ

アルミン「すごいね! 乗り物もたくさんある! これが異世界かあ」キラキラ

ミカサ(とても嬉しそう。ふたりを見ているだけで、私は幸せ……///)

エレン「ってあっちい! 東洋ってこんなにあちいのか」

アルミン「はは。立体機動装置を隠すのに雨具着てるからね。出番はなさそうだけど」

エレン「こっちの人間、肌の露出多すぎねえか? あいつ、あいつも、パンツみえそうじゃねえか」

アルミン「やめなよ!/// 時代と文化の違いってやつだ」

エレン「あっちはブラジャーが透けてるぞ。見とけよ。透けてんだから見ていいもんなんだろ」

アルミン /// チラッ

エレン「ワタタに実ってるな」

アルミン「タワワだよエレン///」

ミカサ「……」ゴゴゴゴ

エレン「まま待てよミカサ! ただの野郎のジョークじゃねえか」

アルミン「ごめんって!アルタ前で早速ブレードに手をかけないでくれ! テレビ局に声かけられたらどうするんだ!」

ミカサ「2人とも落ち着いて。これはミカサジョーク」

エレンアルミン ホッ

ミカサ「ただしエレンは適用外」スッ

エレンアルミン「」

エレン「で、まず目的地はどっちだ?」

アルミン「えっと…あっちだ!あそこ、新宿通りを新宿三丁目方面へ進む、はずだ!」

エレン「その紙は?」

アルミン「駅で取ってきた周辺地図さ。でも方角が分かりづらくて難解だよ」

テクテク

エレン「それにしても本当にすげえ街だな…建物の巨人に囲まれてる気分だ」

ミカサ「空がせまい」

エレン「でもよ、こんなに高い建物の中を立体機動で飛び回ったら、すげえ気持ちいいだろうな!」

ミカサ「だめ」

エレン「やんねえよ」

アルミン「ついた、ここだよ!」

——新宿通り 紀伊國屋書店本店前

エレン「この建物全部本屋だって言うのか?」

アルミン「そうなんだ!こんなに大きな書店、きっとシーナにもないよ!」

アルミン「ここが本店で、奥が別館だ。別館は小さいから先に見よう」

エレン「どきどきしてきた!」タタッ

アルミン「ちょエレン急ぎすぎ!」 

ミカサ「子どもみたい」クスッ

アルミン「ねえミカサ」

ミカサ「?」

アルミン「今日は羽を伸ばして、楽しもう。エレンともっと近づけるといいね」ニコ

ミカサ「……うん/// しかしアルミン。あなたも同じ。気負ってはいけない」

アルミン「わかってるさ」ニコッ




エレン「超大型巨人だあああああ!!」

ミカサアルミン「!?」

アルミン「別館からエレンの声が!」

ミカサ「一体何!?」ダダダ

アルミン「巨人ってどういう……!」

エレン「こいつを見ろ!超大型巨人だ!!」

ミカサアルミン「!」

エレン「戦闘準備!」ジャキン

アルミン「え……ちょ!」

ミカサ「アルミンは下がって!」サッ

エレン「うおおおお!」ダッ

アルミン「待つんだエレン!」

エレン「何いってんだアルミン!? 今ここで駆逐しねえと…!」

アルミン「よく見てくれ! こいつは偽物だ!」

エレンミカサ「!?」


アルミン「……店の大きなガラスに……超大型巨人の顔の絵が書いてあるだけだ」

エレンミカサ「」

エレン「……ほ本当だ……動かねえと、思ったら……」

ミカサ「……」

アルミン「……」

アルミン「……プッ いや。エレン……無事でよかっt……」クスクス

エレン「笑うなよ!///」カァッ

ミカサ「……///」フルフル

エレン「お前も! こらえてんじゃねえ! ///」

ミカサ「笑っていない……プッ」

アルミン「ミカサだって焦ってたじゃないか! あはは! 涙でてきたよ!」ケラケラ

エレン「ちくしょう……恥ずかしすぎんだろ///」グズッ

エレン(……ミカサ、楽しそうだな)

アルミン「クスクス…… それにしても……なぜこんなところに」

ミカサアルミン「!」ハッ

ミカサ「エレン!」

エレン ビクッ

ミカサ「ブレードを収めて……。人だかりが……できている」ジリッ

エレン「……!」

エレン(やべえ迂闊だった……。街中で大声出して刃物振るっちまった)

エレン(ここの人間の恐怖を煽ったに違いない。この場を切り抜けないと!)

エレミカアル「!」

エレン(まずい、若者2人組が近づいてくる!アルミン!ミカサ……!)


エレン「え?“それはコスプレですか”?」

アルミン「ふう……危機は去ったようだね」

エレン「あいつら俺達の写真っつーの撮ってたが、何の意味があるんだ?」

アルミン「こっちの世界の情報知ってるみたいだったし、調べる必要がありそうだ」

アルミン「ということで僕はこの書店をじっくり見ていくから別行動にするね」チラッ

エレン(! ここからもう別行動か……)

エレン「……おう」

ミカサ「?」

ミカサ「せっかくの異世界。3人で一緒に探検するべき。何より1人は危険」

アルミン「大丈夫、恐らくここの人間に敵対心はない」

アルミン「それに僕は団長からの任務があるから……」

ミカサ「3人でやれば早く終わる。手伝おうエレン」

ちなみに今はどうかわかりませんが、数日前には
紀伊國屋書店新宿別館の外ガラスに、超大型巨人の絵がでっかく描かれていました。

エレン「……」

エレン(俺だって3人が一緒がいい……でも今日はアルミンと約束したんだ!)

ミカサ「エレン?」

アルミン「ええっと! 気持ちは嬉しいよミカサ。ただちょっと話せない任務なんだ」

アルミン「だから2人で他を探検して、あとで僕に教えてくれたら嬉しいな」

エレン「……」

ミカサ「では……夕食は、一緒に」

アルミン「……」

エレン「そうしようアルミン」

アルミン「ありがとう。じゃあ5時に帰りの集合場所にもなってる世界時計前……あ」

エレン「どうした?」

アルミン「皆と流れ解散しちゃったけど、夕方に一度点呼を取りたいな」

アルミン「皆適当だから……9時に本当に集まれるか不安だし」

アルミン「もし他の皆に会えた場合は、5時に僕らと一緒に一度集まってくれって言ってくれないか?」

エレン「わかった。JR新宿ダンジョン西口改札、世界時計前だな!」

アルミン「あと夕食後には少し付き合ってほしい場所があるから、よろしくね」

エレン「もちろんだ」

ミカサ「アルミン。何かあったらすぐ駆けつける。呼んで」

アルミン「うん。ありがとう」ニコ

エレン「じゃあとりあえず俺らも書店一回り見てから行くか」

ミカサ コクッ

アルミン「エレン、頑張ってね。ただいつもより少し正直でいればいいのさ」ヒソヒソ

エレン「……努力するよ」

おもしろいしえん

1140——東口 新宿通り 紀伊國屋書店本店前

エレン「ふー!本屋ハイテクだったな。本の検索が機械でできるなんて」

ミカサ「卓上画面にさわることができた」

エレン「12時前だな、先飯食っとくか?」

ミカサ「そうしよう」

エレン「食うのはやっぱり貴重な肉だよな!」キラキラ

ミカサ(可愛いエレン///)

ミカサ「エレン」

エレン「ん」

ミカサ「人が多い」

エレン「だな」

ミカサ「そこで提案」

ミカサ「手を」スッ

エレン「つなぐのか?」

ミカサ「そう///」

エレン「もうガキじゃないんだぞ」

ミカサ「しかしここは迷宮。離れてしまったらもう会えないかもしれない……」シュン

エレン「ったく」ギュッ

ミカサ ///

エレン(あれ、ガキん頃やってきたことなのになんか緊張……?)

エレン(いや家族に緊張してどうするんだよ)

エレン チラッ

ミカサ /// テレテレ

エレン(ミカサ……照れてる?こともない、のか? 顔に出ないから全然わからんな)

ミカサ「どうしたのエレン」

エレン「なんでも」

ミカサ「よそ見して歩いたらつまずいてしまう」

エレン(でたよ子ども扱い)

ミカサ「…そこ、エレンにぴったりのお店を見つけた」

エレン「ん?ランチタイム焼肉食い放題!?さすがだミカサ!」

ミカサ「朝飯前。私はエレンの、家族だから///」テレテレ

エレン「昼飯前だけどな」

エレン(家族か……むずかゆいな)

>>37 ありがとう。頑張れる

——新宿通り 焼肉屋

イラッシャイマセー ガヤガヤ

??「あっ!エレーン!ミカサ!」

エレン「!」ドキッ

バッ

エレン(やべえ手え振りほどいちまった)

ミカサ シュン

エレン「ど、どっからか声がするぞ」

ミカサ「見て。そこのテーブル、サシャが手を振っている」

エレン「一緒にいるのはコニーとジャンか。……ん?」

ジャン「エレンてめぇええ!うらやましいぁぁぁあ!」ダダダ

エレンジャン ドカドカポカポカ



サシャ「すすすみません!一緒のテーブルで食べてもらちゃって」

ミカサ(サシャをあとで問いつめよう)ゴゴゴ

サシャ「ほ本当に……」アセ

エレン「別に構わねえよ」

エレン(飯は2人がよかったかもな……まあいいか)

ジャン「死に急ぎ野郎がいるのが玉にきずだな!」

エレン「そんなに不服なら別行動すればいいだろ」

ジャン「お前がな!」

エレン「なんだよ!」

ジャン(エレンは癪だが……ミカサと飯!///)ドキドキ

エレン(ジャン嬉しそうだな)

エレン「お前らは何をしていたんだ」

サシャ「私たちは、ダンジョンの東南口という出口から出たみたいなんです」

コニー「んでこいつの馬鹿食いにひたすら付き合わされて、この店に、だ。もう腹がもたねえ」ウプッ

サシャ「うえへへへェ……ここは天国です!!」ヨダレ

オマタセシマシター

サシャ「あっ!お肉が来ましたよ!」

エレン「おおおおおお焼肉だ!」キラキラ

ミカサ「素晴らしい」キラキラ

サシャ「制限時間内食べ放題ですよ!」

ジャン「もう腹いっぱい食ったじゃねえか…ウプッ」

サシャ「エレン勝負です!」

エレン「は?」

サシャ「多くお肉を食べたほうが勝ち! 優勝のあかつきには」

サシャ「敗者からプレゼントを貰える権利を贈呈します! いかがでしょう」

コニー「ん!?」

エレン「でもサシャもう食いまくってんだろ? 勝負は見えてるな」ニヤッ

サシャ「ふふん、侮ってもらっちゃあ困りますよ」ニヤッ

コニー「ずりい!俺も参加!参…ウプッ」

サシャ「コニー!これは真剣勝負なんです! エレン、ミカサに手伝ってもらったら反則ですからね」

エレン「わかってるよ」

コニー「お、おい!」ウプッ

サシャ「よーい…どん!」

エレサシャ ガツガツモグモグ!

コニー「無視かよ!」ウプッ

このエレミカは良いな

おもしろい

完結がんばれ

面白い

ミカサ(サシャにエレンをとられてしまった)モグモグ

ジャン(隣にミカサが座っている/// 席が狭くて合法的にたまに触れている!///)

ジャン(エレンは向かい側で勝負に夢中だし、チャンス!)

ジャン「ミ、ミカサ……午前中は何をしていたんだ?」

ミカサ「エレンとアルミンとダンジョンの西口から出て、紀伊國屋という本屋にいって本を買った」

ミカサ「アルミンは今別行動中」

ジャン「どんな本を買ったんだ?」

ミカサ「良妻賢母の筋力トレーニング厳選100」

ジャン「それはつまり……何だ?」

ミカサ「? 上級編」

ジャン「そうか……。それにしてもエレンとアルミンとは本当にいつも一緒だな」

ミカサ「ふたりが仲良しなのを、見ているのが好き、なので」

>>46 ぶっとびすぎない常識的なミカサを目指してる

>>47 >>48 完結はお約束!

ジャン「び、美人のミカサが側にいるんだ。死に急ぎ野郎は毎日どきどきしてたまんねえだろうな」チラッ

ミカサ「……エレンにとって私は家族。ので、どきどきしたりはしないと思う」

ジャン「だ、だよな!……はは!」チラッ

ミカサ シュン

ジャン(!)

ジャン(くそ……悲しそうな顔しやがって。たっく、何表情窺ってんだ俺は……みじめだ)

ジャン「そっそういえばさっきコニーがパチンコ屋ってところに入ったら追い出されて云々……」

エレン(さっきからジャンとミカサがずっと喋ってるな。気になる……)ガツガツ

ジャン「つまりこう、平和だな!巨人がいない世界だし、今日は訓練も巨人の話も必要ねえ」

ミカサ「……平和ではない。ダウンしているコニーの頭が炙られている」

コニー「」ジュー

1250——新宿通り 焼肉屋前

アリガトウゴザイマシター

ミカサ「サシャ。さっきのはどういうつもり」ゴゴゴ

サシャ「すすすみません! エレンとの時間に水をさしてしまって」ヒソヒソ

サシャ「ですけど……なんかジャンを見ていたら」

サシャ「見てもらえない、報われないって悲しなって……チャンスあげたくなってしまって」

ミカサ「……だからエレンと勝負したの? 私とジャンを会話させるために」

サシャ「……反省しています」

ミカサ「わかった。謝る必要はない。しかし、コニーがかわいそうだった。気をつけて」

サシャ「? はい」

エレン「食った食った!宝の山だったな!」ウットリ

ジャン「もう食いもんみたくもねえ」ウプッ

コニー「」チーン

エレン「コニー災難だな。サシャからのプレゼントもらえる権利お前にやっといたから元気だせよ」

コニー「まじかよ!エレンお前天才かよ!」

エレン「立ち直り早えな」

ジャン「……おい」

エレン「なんだ」

ジャン「ミカサは、その、何色が好きなんだ?」ヒソヒソ

エレン「知らねえ、赤じゃねえの」

ジャン「エレンマフラーの色じゃんかよ」ボソッ

エレン「なんで今聞くんだよ」

コニー「プレゼント買うんだとよ」ププ

ジャン「くっそコニー!」///

エレン「ふーん」

ジャン「いいか!俺はミカサを喜ばしてやる!誰よりもだ!」

エレン「何の宣言だよ」

ジャン「男のだよ。ま。家族っつー立場のお前には理解できねえ宣言だな」

エレン(……)

エレン「まてジャン。何を買うつもりなんだ?」

ジャン「教えねえよ」

ジャン「この特別な一日を、当然みてえにミカサと過ごしてるお前には」

サシャ マタアトデー!! フリフリ

ミカサ「5時に世界時計前に集まること、ジャンに伝えておいた」フリフリ

エレン「おうすまんな。これからどうするか?お前はどっか」

ミカサ「エレンの行きたいところに」

エレン「だと思ったよ」

エレン「この通りを見つつ……訓練に役立つもんがあったらほしいな。靴とか!」

ミカサ「靴なら本屋の手前にあった。少し戻ろう」

エレン「ああ」

ミカサ「……」ドキドキ

エレン「……ほらよ」ギュッ

ミカサ「!」///

ミカサ「エレンははしゃぐとすぐ迷子になるから///」

エレン「昔の話だろ」

エレン(手をつなぐとやっぱり少し嬉しそうだ)

エレン(……でもこれは、家族と離れたくないからっていうアレ、だよな)

いいね

1330——東口 明治通り・中央通り交差点付近

エレン /// ウットリ

エレン「買っちまったぜ!格闘術練習用のグローブとミット!その他もろもろ!」ニコニコ

エレン「格闘術の用品の専門店があったなんてな!」ニコニコ

ミカサ(無邪気なエレン、抱きしめたい///)

エレン「これで練習して、アニ師匠超えだな!」

ミカサ「エレン頑張って。打倒女狐。なんなら私も加勢する」ゴゴ

エレン(何いってんだこいつ)

エレン「中央通りだってよ。こっち行こうぜ」テクテク

エレン「ミカサは欲しいもんねえの」

ミカサ「新しい下着が欲しい。エレンの。すぐよれよれになるから」

ミカサ「あと、マグカップ。エレンの。すぐ割ってしまうから」

エレン(母さんかよ)

エレン「自分の」

ミカサ「これといったものは」

エレン「何かあんだろ」

ミカサ「……」

ミカサ「その、近頃日が長くなってきた。ので、帽子。など」

エレン「そうか」

エレン(帽子か……いいのあったら買ってやりたいな)

>>56 ありがとう!

あ、>>57、明治通りと中央通りの間には交差点はないです。間違えた

トコトコ

エレン「お!駅側からベルトルトとユミルが来るぞ」

ベルトルト「やあ」

ユミル「お前らか」

エレン「珍しい組み合わせだな」

ミカサ「ライナーもいる」

ユミル「あれはライナーじゃねえ、カレー屋の看板のゴリラだ」

ミカサ「ミカサジョーク」

エレン(はまってんのかよそれ)

ユミル「ゴリラならクリスタをさらって消えちまった」チッ

ユミル「にしても……お前らずいぶんラブラブだな。お手手つないで」

エレン「こっこれは!///」

ミカサ「人混みで離れ離れになってはいけない。家族なら当然のこと///」

エレン(また家族、か)

日常系SSだから深く考えてもらわなくてもいいんだけど
巨人ポスターがあったってことは進撃の漫画もあるから
エレン達にとってとんでもないネタバレになるなw

>>62 そのくだりも描いたんだけど省いちゃった。今後アルミンルートができたらそこで頑張る

エレン「そういや!格闘技の練習道具を買ったんだぜ! 見るか!?」ゴソゴソ

ユミル「いやいい。なあベルトルさん。例のオツカイ、こいつらに任せよう」

ベルトルト「えっ!さっきと話が違うよね」アセアセ

ユミル「あいにく私は気分屋なんでね。ほれエレン」バッ

ユミル「私らがアルミンに頼まれたお買い物リストと予算だ。買ってこい」

エレン「なんだよいきなり……ん?」ペラッ

エレン「……はあ!?何やってんだお前ら!こんなモン買ってこいっていうのか!?」

ユミル「それはアルミンに頼んだ団長に言え。まあこの他にも任務はあるみたいだったけどな」

エレン(アルミン何やってんだ!こんな任務……!)

ベルトルト「ユミル、やっぱりだめだよ。僕1人で行くから」アセアセ

エレン「まて」

ベルユミ「?」

エレン(これにミカサは巻き込みたくないな)

エレン「……俺がいく。ミカサはどっかで待っててくれ」

ミカサ「私も行こう。そのリストを見せて」

エレン「えっ!だっだめだ!」アセアセ

ミカサ「どうして?」

エレン「ちょっやめろ!奪おうとするな!」

ミカサ「私もアルミンに協力したい」グググ

エレン「これはミカサにはできない任務だ!」グググ

ミカサ「私は強い」

エレン チラッ

ベルトルト「!」

ベルトルト「そそそうだ! ぼくとエレンがふたりで行く!」

ベルトルト「終わるまでミカサとユミルは所定の場所で待つ。それでどうだい?」アセッ

エレン「おう!そうするしかねえな!」

ミカサ「ベルトルトでは不安」ジィ

ベルトルト「スミマセン」

エレン「ベルトルトは俺より成績いいだろ。すぐ戻るから」

ミカサ「……わかった」

ユミル「ちっ。つまんね……」


ユミル「そこ喫茶店でまってるからなー。あくしろよー」ブンブン

ユミル「店はいるぞ。私はこのナポリタンなるものを食ってみたい」

ミカサ「私はすでに食事をすませた」

ユミル「菓子食ってろ」

イラッシャイマセー

ユミル「ふー! やっと一休みできる」ドサッ

ミカサ「ところでふたりは何を購入しに行ったの」

ユミル「察しつかねえのか?あいつらあんなに共犯者めいた素振りしてたのに」

ミカサ コクッ

ユミル「ハハッ。淫乱調査兵団様のハイテクエログッズ買いにいったんだよ」

ミカサ「?」

ユミル「エログッズ」

ミカサ「……」

ミカサ「エレン!!今行く!!」ガタッ

ユミル「ばか待て!」ガシッ

>>62
ああいう大型書店ではビニール被せてあるから中身が読めないんじゃ
まあ表紙だけでも十分ネタバレかww

選挙行ってくる。先日この話考えながら新宿ふらふらしてたら、伊勢丹本店前で猪木の123ダーに遭遇した。乗っといた

>>68 あそっか。参考にする!

ただいま。行数的には半分らへん。ちなみにこのエレンルートは2200まではびっしりやりません。


ミカサ「ととと取り乱してしまった」

ミカサ「あなたの処遇はのちほど決定させてもらう。しかし先に」

ミカサ「アルミンの任務を引き受けた経緯を教えて」

ユミル「ん?ああ」

ユミル「さっき青梅街道っつーでけえ通りのカフェにいたら、見えたんだ」

ユミル「アイツが通行人に話しかけてるのがな」

ユミル「んでいかにも童貞狩りを趣味にしてそうなあばずれにお遊びされそうになってたからな」

ユミル「仕方なく声をかけてやったんだよ」クスクス

ミカサ「……」

ユミル「話を聞けば、エログッズリストの内容の意味もわからないまま」

ユミル「そいつを見せて売ってる店を聞き込みしていたんだと!」ケラケラ

ユミル「ダハハハ!うけるよな!んなことコニーでもやんねえよ」

ユミル「座学トップ様のくせにそっち方面はからっきしだったわけだ」ケラケラ

ミカサ「アルミンのことを笑うやつは私が許さない」キッ

ミカサ「しかし……」

ミカサ「アルミンを助けてくれたこと、感謝している」ペコッ

ユミル「相変わらず過保護だな。お前の護る対象はエレンだけじゃないのか」

ミカサ「……エレンとアルミンには幸せになって欲しい」

ユミル「おいおい自分の幸せはどこいった?エレンのこと好きなんだろ?」

ミカサ「エレンはアルミンと一緒にいるといつも楽しそう」

ミカサ「なので、私はただ、邪魔にならないように、その側にいたいだけ」

ミカサ「アルミン……言ってくれたら手伝ったのに」ボゾ

ユミル「驚いた……お前らって本物の意味で三角関係なんだな」

ミカサ「?」

ユミル「はっ!しかも見てくれは整った等辺なのに、それぞれが二等辺だと思ってやがるのか」

ミカサ「なんのこと?」

ユミル「つまりお前ら馬鹿なんだ」

——大人の玩具屋

エレン「さっきはサンキューな」

ベルトルト「全ての男性は仲間だからね」

エレン「でも意外だったぞ。ベルトルトって性欲あんだな」

ベルトルト「えっ」

エレン「寮で猥談してたとき、ベルトルトっていつも興奮したライナーを鎮める役だっただろ」

ベルトルト「君こそ、訓練や巨人の話ばかりだったじゃないか」

エレン「そうか?俺だって健康思春期男子並だ。女子に触れる訓練はやっぱり嬉しかったし」

ベルトルト「アニ」

エレン「あの強さと身体の柔らかさのギャップ。きれいな指先」

ベルトルト「……ほう。着眼点はいいね。でも惜しい」

エレン「?」

ベルトルト「そんな思春期君なら、ミカサを連れてくるべきだったよ」

エレン「嫌がるに決まってんだろ」

ベルトルト「それがそそるんじゃないか」ニヤ

エレン「策士か」ニヤ

エレン「まあでも今日は、ミカサにとって優しいやつでいたいから」

ベルトルト「あ、店員さんすみません。この紙のやつ一式ほしいんですけど……はい」

ベルトルト「……そろえてくれるみたいだね、待っていよう」

エレン「触ってみろこれ。すげえ気持ちよさそうだ。このサンプル本物そっくりだぜ」

ベルトルト「えとごめん。わからないや、僕まだ童貞だから」

エレン「いや俺もだけど」

ベルトルト「本物知らないのに本物そっくりと言ってしまうこと」

エレン「あるよな」

ベルトルト「ミカサとこういうことは?」

エレン「しねえよ。恋人同士がするもんだ」

ベルトルト「いつも君を見ている」

エレン「知ってるよ。どうせ家族だからだろ?」

ベルトルト「え、違うと思うけど……」

エレン「え?」

エレン「俺の汗にパンひたして食えるって言ったり」

エレン「古くなった俺のパンツをハンカチにしようとするのは」

エレン「あれは家族だからじゃないのか?」

ベルトルト「君の家庭環境が気になった」ゾッ

ベルトルト「エレンにとってのミカサは?やっぱり家族、かい?」

エレン「んー……んと」

エレン「アルミンが今日、それをよく考えろって言ってくれて、考え中」

ベルトルト「中間報告」

エレン「……ミカサが家族になってから、風呂もベッドも一緒だったけど」

エレン「でもそれから3年間寮暮らしして、お互い身体も変わったし」

エレン「美人だし、怒ると怖いけどやっぱ優しいし……安心するし」

エレン「ちょっとは意識する、しているかもな……。腹筋男だけど」

エレン「家族なのにな。俺はおかしいやつだ」

ベルトルト「そんなことないさ。事情も事情だし、君たちの言う家族はきっと多義的なんだよ」

エレン「タギテキ?」

ベルトルト「家族の意味は君たち次第ってこと」

エレン「?」

ベルトルト「ずるいな君は……そんな便利な口実、僕も欲しかった」ボソッ

エレン「?」

ベルトルト「あ、定員さん呼んでる。準備できたみたいだ、行こう」

エレン(ふう。ベルトルトに話して少しすっきりしたな)

エレン(俺はミカサのことを女子として見ている、のか。でもなんか)

エレン(サンプル触ってたら下半身が立体機動しちまった……これじゃミカサんとこに戻れねえ)

ベルトルト「あ、定員さん。これは別払いで」

エレン「?」

エレン「この“超大型ぞうさん shinjuku night”はリストには載ってないだろ」

ベルトルト「これは、えっと……。一身上の都合で」

ベルトルト「ちち違うよ!?別に僕が女の子に使うためのものじゃなくて!」

エレン「お前じゃあ男のために使うってのか?……お前ホモかよ」ゾゾッ

ベルトルト「誤解だ!言い方が悪かっただけで!聞いてよ!」アセッ

エレン「なんていうか、ほどほどにな……」

ベルトルト「」

エレン(しかしホモ話聞いても萎えきんねえな。どうしよ)

ベルトルト「はい。えっと……領収書?ってなんですか?支払者の名前?」

ベルトルト「えっとじゃあ『エルヴィンヅラのくせに』でお願いします。はい。ありがとうございます」

ベルトルト「よし行こうエレ……あれ?」クルッ

ベルトルト(さっきまで横にいたのエレンが消えた?)

ベルトルト「あれ、エレーン?どこだい?会計終わっt」ヒョイッ

エレン「ベルトルッ……さっきのサンプルっ、やっぱ気持ち……いい……んっ」ビク

ベルトルト「思春期ってこわいなあ」

1400——東口 中央通り 喫茶店前

ミカサ「エレン!?」

エレン「……う……ひっく……」ポロポロ

エレン「何があったの!?泣いてないで話して!」ガシッ

ベルトルト「サンプルを自身の息子で白昼堂々試して大目玉をくらったと言ってしまいたい」

ユミル「言ってしまってるよベルトルさん」

エレン「なんでもっ……ねえよ……うえっ……ぐずっ」ポロポロ

ミカサ「教えて!誰にやられたの!?痛いことされたの!?」

ベルトルト「自分でやったし、気持ちいいことしてたと言ってしまいたい」

ユミル「言ってる言ってる」

エレン「あっ!アルミンからの伝言で5時に」

ユミル「西口世界時計前の件はアルミンから聞いてる。もう行くぞ」

ユミル「戦利品はベルトルさんが持ってな」

ベルトルト「はい」

ベルトルト「そうだエレン。言い忘れたことがあるよ」

エレン「なんだ?」

ベルトルト「さっきジャンに会った。ミカサにリボンの付いた麦わら帽子を買っていたよ」ボソッ

ベルトルト「じゃ、頑張って」ニコ

エレン(むぎわら……ぼうし……)

やべぇ、新宿東口で
あった事件を思い出してしまたwww

>>86 事件?聞きたい

外なので、以下スマホからの投稿です。

——ビックロ

エレン「ミカサ見ろこれ!床を機械が勝手に掃除すんだってよ、すげえな!」

エレン(兵長にぴったりだな……これお土産に買って)

ミカサ「だめ」

エレン「ってまだ何も言ってないだろ。ここで貯金使わなくてどうすんだよ」

ミカサ「だめ。コンセントない。充電できない」

エレン ハッ!

ミカサ「あのチビのお土産はぞうきんにするべき」

エレン「お前なぁ。兵長がいなけりゃ、俺は解剖されてたんだぞ」

ミカサ「……」

ミカサ「電気不要な掃除用具を見に行こう。それでも奴には十分すぎるくらい」

エレン「一言多いぞ」

——100円ショップ

エレン「ミカサ!これ百円だぞ!」ドキドキ

ミカサ(すごい!手頃な値段で向こうの世界で役立ちそうなものばかり)

エレン「この菓子はどんな味かな、やっぱ甘えのかな、お前これ好きそうだよな」ワクワク

ミカサ(水筒に保温保冷バッグ……なるほど遠征に役立つはず)

エレン「これもだ!この世界は太っ腹だな!」キラキラ

ミカサ(植物の種もある。向こうで育てよう)

エレン「なあミカサこれお前にぴったr」

ミカサ「エレン。任務」ジッ

エレン ビクッ

エレン「……ごめんなさい」シュン

ミカサ「……あっちに掃除用品があった。チビ用に何か見繕うといい」

エレン「……行ってきます」

ミカサ「はい」

エレン(はしゃぎすぎた……)

——中央東口ロータリー付近

テクテク

エレン「駅に近づいた」

エレン「あちいな」

ミカサ コクッ

エレン「機動装置外してえ」

ミカサ コクッ

エレン(……口数減った。ミカサ暑さには弱えからな)

エレン「! おっ、ソフトクリームって冷たいの売ってるぞ!」

エレン「待ってろ、飲み物も今買ってくるからな! 倒れるなよ!」タタッ

エレン(ミカサにいいところを見せないと)

ミカサ(気づいてくれた……?///)

ミカサ(今までのエレンなら『便所か?大か?』だったのに!///)

エレン「白と赤買ってきたぞ。どっちがいい」タタッ

ミカサ「エレンが先に」

エレン「遠慮すんな」

ミカサ「じゃあ白」

エレンミカサ「いいただきます」パクッ

エレン「美味いか?」

ミカサ「美味しい」

エレン(よかった)

ミカサ「エレン提案」

エレン「ほらよ食え」ズイッ

ミカサ「ん///」パクッ

エレン「……交換こだぞ」

ミカサ「もちろん///」

エレン(やっぱり可愛いよな)

ドンッ

エレン「わっ」グラッ

エレン「なんだ今の奴……ぶつかってきやがって」

エレンミカサ「あ」

エレン「すすすまんミカサ!ソフトクリームがお前の雨具についちまった!」

ミカサ「平気。洗ってくるからエレンはここで待っていて」

エレン「俺がやったんだ、俺が洗ってくる」

エレン「機動装置が見えないようにそこの陰で急いで雨具を交換するぞ」

エレン「お前はこれ食って待ってろよ!動くなよ!」タタッ

エレン(せっかくいいとこ見せられたのに!)

ミカサ(やはり優しい…でも何か……?)

ライナーが二丁目に迷い込むシーンはよ

エレン「待たせたな」タタッ

ミカサ「ソフトクリームに夢中になっていたので平気」

ミカサ「しかし……どろどろになってしまって……エレンの赤も食べてしまった」シュン

エレン「構わねえよ。この雨具まだ濡れてるから俺が着とくぞ」

ミカサ「ありがとう。……待っている間、通行人の話を聞いていた」

エレン「?」

ミカサ「さっき向こうの東南口の橋の上から、女性がお金を撒いていたらしい」

ミカサ「それに釣られた人がエレンにぶつかったみたい」

エレン「ふーん。ずいぶん景気のいい女神様がいたもんだ」

エレン(俺にとっちゃとんだ悪魔様だ)

ミカサ「ところで。見たい場所ができた」

エレン「どこだ」

ミカサ「あれ」

>>93 今回ライナーの出番は全然ないんだ。ごめん。でもそれ面白そう!別ルートとしてがっつりやりたいな

——石鹸屋

エレン「これは」

ミカサ「……甘すぎ」

エレン「これは」

ミカサ「……良い香り。しかしもう少し爽やかなものが良い」

エレン「よく区別がつくな」クンクン

ミカサ「女性の嗅覚は男性より敏感。仕方ない」

エレン「あ、でもこれはなんか違うな……母さんの匂いに似てるかも」クンクン

ミカサ「! じゃあこれに」

エレン「地味すぎじゃないか。こっちのがお前っぽいぞ」

ミカサ「エレンが区別のつく香りでないと、エレンに気づいてもらえない」

エレン「つうか普段からお前の匂い、わかってるぞ。母さんのと少し似てるけど」

ミカサ「!? ほんとうに?///」ズイッ

エレン「えっ」ドキッ

エレン(顔近いな)

エレン「ああ」

エレン(直接チューできる距離だな。柔らかそうだ……)

ミカサ「い、いい香り?///」

エレン「えっと……まあ、悪くねえんじゃねえか……」

エレン(言えよ!すげえいい匂いだって!俺のばか!)

ミカサ「じゃあ石鹸はいらない。私の香りは私は一生体臭でいい///」

エレン「きょ、極端だな」

アリガトウゴザイマシター

——東南口広場

ミカサ「!」

ミカサ「エレン階段の上!東南口改札の前にアルミンがいる!……何か荷物を運んでいる」

エレン(は?アルミンなんであんなに重労働してんだ……?聞いてねえぞ)

エレン(さっきの大人の玩具任務だってそうだ、任務は簡単っつってたのに)

ミカサ「手伝おう」

エレン(……)

エレン「えっと……」

エレン「だ……大丈夫だろ」

ミカサ「なぜ?アルミンを放ってはおけない」

エレン「いいんだって」

ミカサ「しかし」

エレン「行くぞ!迷子になっても知らんぞ」グイッ

ミカサ「エレン……?」

ミカサ(エレンがアルミンに……冷たい?)

——甲州街道を新宿御苑方面へ

エレン「……」スタスタ

ミカサ「……」トボトボ

エレン(勢いで駅の反対方向に歩いてきちまった)

エレン(どうしたんだよ俺……)

エレン(別にアルミンの手伝いをしたってよかっただろ)

エレン(それでミカサと別行動になるわけじゃないんだし)

エレン(でもなんだよ、この感じ……)

エレン(ジャンの帽子のこと聞いてから、イライラするな……)

1500——新宿御苑

エレン ボー

ミカサ ボー

エレン「久しぶりに緑を見た気がするな」

ミカサ「うん」

エレン「このベンチ、ケツあちいな」

ミカサ「うん」

エレン「あの花青いな」

ミカサ「うん」

エレン「きれいだな」

ミカサ「うん」

エレン「とってやるよ」

ミカサ「エレンそれは園庭のもの。とってはいけない」

エレン「ここは壁内と違って広いんだろ?一本ぐらい」

ミカサ「だめ」

エレン「ちぇっ」

ミカサ「エレン」

エレン「ん」

ミカサ「やはり戻ろう」

エレン「!」

ミカサ「アルミンのところへ帰ろう」

エレン「……行きたく、ない」

ミカサ「どうして?」

エレン「えっと、その」

エレン(勇気を出せ!)

エレン「お、お前と一緒にいたいっつーか……」ドキドキ

ミカサ「でもアルミンの任務は大変そうだった」

エレン(せっかく勇気だしたってのに!)

エレン「……アルミンが俺たちふたりで過ごすようにって言ってたんだよ」

ミカサ「しかしユミルたちに協力してもらうほどの仕事を、私たちはアルミンに押し付けてしまっている」

ミカサ「アルミンに全て任せてまで…ふたりでいるべきではない」

ミカサ「……昔から探検は3人でと言っていたはず」

エレン(そうだ、探検は3人で、だけど!)

エレン(なんだ俺は……。焦っている?のか……?)

エレン「……えと」

エレン(だめだ、これは)

エレン「そ、そうだ!ミカサの」

エレン(言ってはいけないやつだ)

エレン(だめだ)

エレン「お前の帽子買いに行こうぜ!」

ミカサ「……」

エレン「お前が好きなの!」

エレン「どんなのでも!」

エレン「高いのでもいいぞ!」

エレン「俺が買ってや」


ミカサ「いらない」

エレン「は?」

エレン「なんでだよ!欲しいんだろ帽子!」

ミカサ「ほしい」

エレン「だったら」

ミカサ「今日のエレンはなにか変。アルミンをないがしろにするエレンはエレンではない」

ミカサ「ので、エレンからはいらない」

エレン「別に!ないがしろになんかしてねえよ!」

ミカサ「私はエレンとアルミンがいつも一緒で仲良しなのが好き」

エレン「仲良しだって」

ミカサ「じゃあ手伝おう」

エレン「だからいいって!」

エレン「……んなにアルミンの所行きたいなら勝手にいけばいいだろ!!」タタタ

ミカサ「エレン!待って!」タタタ

エレン(くそっ!話がかみあってねえ)

1545——甲州街道 東南口方面へ

エレン スタスタ

ミカサ タタタ

ミカサ「……はやり今日のエレンはおかしい」

エレン「おかしくない」

ミカサ「優しいと思ったら、苛立っている」

ミカサ「何かあったのなら教えてほしい」

エレン「何もねえよ」チラッ

エレン(東南口地下通路……これで駅に戻れるだろ)

エレン「俺はこっちの階段降りるからな。付いてくんなよ」スタスタ

ミカサ「……」

エレン「付いてくんなって」

ミカサ「迷子になったらいけない! ので提案、手を」スッ

エレン「つながない」

ミカサ シュン

——甲州街道下 東南口地下通路

エレン(左右どっち進めばいいんだ)キョロ

ミカサ「……駅は、右、だと思う」

エレン「うるさいな」

エレン(ミカサのやつ、どこまで母さん面するんだ)

エレン(せっかく一緒にいたいって言ってんのに)

エレン(アルミンもアルミンだ!そんなに任務が大変なら言ってくれればよかった!)

エレン(全部に腹が立つ!)

スタスタ

ミカサ「……」

エレン「……」

ミカサ「もし私がエレンに何かをしたのだったら」

エレン「……」

ミカサ「謝りたい」

エレン「……」

ミカサ「私は……エレンのかぞ」

エレン「もう家族家族言うのやめてくれよ!!」

ミカサ「!?」ビクッ

エレン「家族だから俺にくっついてくるのか?こだわるのか?」

ミカサ「!?」

エレン「同い年のくせに、いつもガキ扱いしやがって!」

エレン「いつも気持ちわりいくらいくっついてくるくせに」

エレン「俺の汗にパンひたして食えるって言うくせに」

エレン「俺の古いパンツハンカチにしようとしたりするくせに」

エレン「なのに家族って言って子ども扱いして!」

ミカサ「!」

エレン「俺をちっとも」

エレン「男として見てくれない!!」

ミカサ「……エレン……?」

エレン「……」ジワ

エレン「少しは、俺の気持ちも……考えてくれよ」グズッ

ミカサ「……?」

エレン「お前みたいなすげえ美人、側にいてどきどきしないわけないだろ……」

エレン「お前が家族って言うたび、俺は……悔しくてたまらなくなる」

エレン「俺は、お前のこと!」




??「うおおおおい!!エレーーーーン!!」ダダダ

エレンミカサ「!?」

エレン「何だ!?」

エレン(正面からジャンとサシャがこっちに走ってくる!)

ミカサ「誰かを追っている!」

ジャン「そいつだ!!」ダダダ

エレンミカサ「!?」

ジャン「そいつを捕まえ!!」


ジャン「ないでくれえええええええ!!」ダダダ


エレン「は!?」

ジャン「捕まえるなよ!!絶対手えだすなよ!!」ダダダ

サシャ「どいてくださああああい!!」ダダダ

おお来てる

しかし今日はもう寝なくてはならない
後の楽しみにしておこう

このエレンとアルミンは本当の意味で分かり合う間柄な気がするがハテ

>>111 >>112 今日で決着をつける

ダダダダダダダ……!!

エレン「と、通りすぎてった……」

ミカサ「追おうエレン!」

エレン「ああ!」タタタ

エレン「サシャ!これはどういうことだ!?」ダダダ

サシャ「ひったくりです!」ダダダ

エレン(まさかミカサへの帽子……!?)

エレン「言えよ!捕まえたのに!」

エレン(つうかあのひったくり…速すぎないか?)

エレン(直線距離で俺たちが全く追いつけなかった!左に曲がっちまった!)

エレン(ここはもやしっ子しかいないんじゃなかったのかよハンジさん!)

エレン「ジャン!立体機動!」

サシャ「狭いし、人が多すぎます!」

ジャン「この死に急ぎ!俺は男だ!」

エレン「はあ?知ってるよ!」

ジャン「男だ!」

ジャン「お前なんかと違って!」

エレン「!?」

ジャン「お前には!わからねえ!!」

サシャ「お願いです!ミカサ、エレン!大丈夫ですから!」

サシャ「追って来ないでください!!」

エレンミカサ「!」

サシャ「ジャンがっ、やらないと!意味が……ないんですうううう!!」ダダダ

エレン「!!」

エレン「くそっ!!」

エレン「ミカサ止まれ!!」ザザッ

ミカサ(!?)ザザッ

ダダダダダ……

ミカサ(サシャたちが行ってしまった!)

エレン ハァハァ

ミカサ ハァハァ

ミカサ「エレン!?」ハァハァ

ミカサ「なぜ止まってしまったの!?サシャはああ言っていたけれど、やはり追うべき!」

ミカサ「あのひったくり、おかしい!走りも人混みを分けて進むのも、いくらなんでも速すぎる!」ハァハァ

エレン「……ハァハァ」

ミカサ「エレン!!」

エレン「ミカサ……ハァハァ……これでいいんだ」

ミカサ「……なぜ?」

エレン「……ジャンは、男だからな。なんとかするさ」

ミカサ「……?」

1555——副都心線 新宿三丁目駅 伊勢丹正面改札前

ガヤガヤ

エレン「……しらねえ改札と出口がいっぱいあるな。四方八方に別れてやがる」

ミカサ「……」

エレン「JR線の矢印が見つかんねえ……ここ、どこだ?」

ミカサ「わからない……ジャンたちが来た方向に戻れば、帰れる……はず」

エレン「……ど、どっちから、来た?」

ミカサ「副都心線改札を横切った……ので、あっち、かも」

エレン「……そうか」

ミカサ「……」


エレンミカサ トボトボ

エレン「……さっきは怒鳴って、ごめんな」

ミカサ「……平気」

エレン「俺すげえ焦って、いらいらしてた。全面的に俺が悪い」

ミカサ「……」

エレン「……歩きながらでいいから、話、聞いてくれるか」

ミカサ「……うん」

エレン「俺最近、お前が家族だっていうことが悔しくてたまらなくなってた」

ミカサ「……それは、あの…私を嫌いに」

エレン「言っとくがお前が嫌いになったからじゃないぞ。むしろその逆だ」

エレン「今日アルミンと他のやつらに気付かされたよ」

エレン「俺はミカサが好きだった。もちろん家族だと思ってるけど……同時に女子、としてだ」

ミカサ「……!」

エレン「でもお前って俺のこと家族としか思ってないだろ……だから悔しかったんだ」

エレン「お前ってすげえ美人だし、家事全般できるし、強いし」

エレン「俺は正直お前と一緒にいると、特別どきどきするし、むらむらもするんだ」

エレン「本当は胸だって尻だって色んなとこ見てる。布団をお前だと思ってぎゅーってしてる」

エレン「家族なのにな……すまん」

ミカサ「謝ることはない」フルフル

エレン「好きだって気づいた途端、ジャンがこわくなった」

エレン「ジャンはミカサに一途だからな。だから焦っちまった……。本当にすまんな」

ミカサ「……エレン」

エレン「……ん」

ミカサ「私はエレンのことが好き」

エレン「いやだからそれは家族だからだr」

ミカサ「ひとりの男性として好き」

エレン「え」

ミカサ「……ひとりの男性、として///」

エレン「え、うそだろ?」

ミカサ「本当。あなたはとても、鈍感///」テレテレ

エレン「……」

エレン「そっそうか!えっと……それは、なんか」

エレン「えと……ありがとな///」テレテレ

ミカサ「どういたしまして///」テレテレ

エレン「……」

エレン「いや待て!嬉しいが待て!落ち着けミカサ!そうじゃなくてだな」

ミカサ「違うの?」

エレン「なんつうか、俺はズル野郎なんだ」

ミカサ「?」

エレン「……ミカサ。ジャンは男だ。かっけえ男だ。ミカサにとって」

エレン「でも俺は男じゃない」

ミカサ「どういうこと?」

エレン「ミカサを女子として好きでいるくせに」

エレン「都合のいいときだけ家族って言って、ミカサの優しさもらってる中途半端なズル野郎だ」

ミカサ「そんなことない」

エレン「……お前って、家族ってのを大事にしすぎて、盲目的なとこあるだろ」

エレン「いつも家族だって言って、俺のためなら何でもしてくれちまうだろ」

エレン「今日だって、手をつないで、アイスクリーム食べっこしてさ」

エレン「……でもさ、ちゃんと周りを見ろ。いっぱい見ろ。俺以外にも男っているんだぞ」

エレン「家族とか恩とか……わかるけど、俺に固執しすぎるな」

ミカサ「……エレン。言っていることが支離滅裂」

ミカサ「私はわからない。告白されているのか、振られているのか……」

エレン「ばか振るもんか」

エレン「んと、つまりだな」

エレン「周りの奴らをちゃんと見て、それから俺を選ぶなら選んでほしい」

エレン「元々俺一択じゃだめなんだ。正々堂々選ばれたい」

エレン「俺は、それまで家族でいるから。大切な家族だ、いくらでも我慢してやるよ」

ミカサ「エレン……わかった」

ミカサ「ジャンとゆっくり、話してみようと思う」

エレン「そうしてくれ」ニコ

ミカサ「……」

エレン「……」

ミカサ「……ふふ」ポロポロ

エレン「ったく笑いながら泣くなよ」フキフキ

ミカサ「嬉しくて///」ポロポロ

エレン「俺が泣かせたみたいだろ」

ミカサ「エレンが泣かせたんじゃない」

エレン「正直ぎゅーっとしてちゅーっとしたい」

ミカサ「ズルはだめ///」

エレン「そこで提案だ。手を」

ミカサ「それは許そう。家族は離れてはいけない///」

ギュッ

エレン「にしてもこの地下道」

エレン「なんでタカシマヤに着いたんだ……」

エレンミカサ「……」

エレン「戻るか」

ミカサ「うん」

テクテク

ミカサ「つまりエレンがアルミンに冷たく見えたのは」

エレン「ジャンのことで焦ってたからだ」

ミカサ「エレン、ごめんなさい。私は誤解していた」

ミカサ「アルミンを大切にしないエレンになってしまったら、私は許さないところだった」

エレン「そんなわけないだろ」

ミカサ「私の幸せは、エレンとアルミンが一緒楽しそうでいるのを側で見ていること」

ミカサ「私はそれだけで」

エレン「いいとか言うなよ」

エレン「お前は、俺とアルミンに気を使いすぎだ」

ミカサ「でもアルミンもおそらく……私とエレンに気を使いすぎている。今日だってそう」

ミカサ「ので、そう思ったら、むきになってしまっていた」

エレン「ばかだな、お前ら。逆に俺がばかみたいじゃねえか」

エレン「絶対に3人で一緒だ。この先俺たちがどんな関係になってもな」

ミカサ「うん」

エレン「……さっき帽子を買ってやるっていたが、あれは反故だ」

エレン「帽子以外だったら買ってやるから、言えよ」

ミカサ「なぜ?」

エレン「男はな、小賢しい手は使わないんだ」

ミカサ「? そう」

ミカサ「あと」

エレン「アルミンになんか買っていくか」

ミカサ「うん」

エレン「なんて報告しようかな」

エレン「で」

エレン「ここはどこだ」

ミカサ「迷宮……」

エレンミカサ ゾッ

——————

その後、当然俺達は迷子になり、5時に世界時計前の約束を守れなかった。

結局、地下通路でベソかいてた俺たちを、ベルトルトが見つけてくれた。

アルミンとクリスタがさらわれたことを知ったのはその時。

西口の駅から離れた先で、ふたりは見つかった。

アルミンは『神様と戦ったんだ。いい訓練になったよ』って言ってた。頭打ったか?

ジャンはミカサにプレゼントを渡したが、何故かミカサに殴られたらしい。

男だと思ってたのに、何やってんだ。

コニーはいろんな奴から怒られてたけど、にやけてた。あとガム食ってた。

サシャはそんなコニーにおんぶされて寝てた。でもガム食ってた。

ライナーは警察に捕まった。いや、ちゃんと無事だぞ。兄貴だからな。

あと、晩飯にクリスタが俺たちをカラオケって飯屋に連れてってくれたんだが、

ベルトルトとユミルがなんかすげえ複雑そうな顔してたな。なんでだろ。

最後には皆で展望台にのぼったぞ!やっぱすげな!

いちいち建物がデカかったけど、星も全然見えなかったけど

明かりがずっと遠くまで広がって、海ってきっとこんな感じなんだろうな!


そんな感じだ。

2155——JR新宿駅 西口 世界時計前

ガヤガヤ

エレン「今日が終わるな」

ミカサ「うん」

エレン「楽しかったか」

ミカサ「つらかった」

エレン「だよな」

ミカサ「でもそれ以上に」

ミカサ「幸せだった」

エレン「俺もだ」

ミカサ「今日は素晴らしい夢を見た」

エレン「ああ」

エレン「こんな夢を見たら、もう死ねないな」

ミカサ「うん」

エレン「元々死ぬ気はないけどな」

エレン「……」キョロキョロ

ミカサ「?」

エレン「ミカサ、雨具のフードかぶれ」

ミカサ「なぜ?雨は降って」

エレン「ないけどかぶれ早く」

ミカサ「……こう?」パサ

エレン「もっと深く」グイッ

ミカサ「?エレ…」

チュ

ミカサ「!」

ミカサ(フードごしの、おでこに……///)

エレン「……///」

ミカサ「夢見心地///」

エレン「夢なんだろ」

ミカサ「エレン」

エレン「ん」

ミカサ「あなたは悪い人。さっそくズルをした///」

エレン「ズルじゃない。これは元々俺の雨具だ。自分の雨具にちゅーしたくなっただけだぞ」

ミカサ「おかしなエレン」クスクス

エレン「思春期をなめるなよ」

ミカサ「次ズルをしたら買ってもらったワンピース着ない」

エレン「ごめんなさい」

ミカサ「ミカサジョーク」


エレン「お、荷台が来たみたいだ」

エレン「帰ろうぜ」

ミカサ「うん」


エレン(笑って怒って迷子になった。でもやっぱり楽しかったな)

エレン(いつか俺たちもこんなふうに、探検するんだ)

エレン(壁の外を、おもいっきり)


エレン「新宿の巨人」

ミカサ「東口」


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