エレン「アルミン・酔わせルト」(231)
−食堂
エレン「どうなるか気にならないか?」
ジャン「お前な……」
ミカサ「フーッ……。エレン」
エレン「ミカサ、お前は気にならないのか?」
ミカサ「あなたは前回から何も反省していないようだ。とても悲しい。のでお仕置きが必要だ」メリッ
エレン「ま、待てミカサ! いたいたいたいたい!! こ、これには理由がっ、あるんだってぇぇええ!!」
ミカサ「情状酌量の余地もない。成敗」メコッ
ライナー「待てっ、ミカサ!」
ミカサ「ライナー、止めないで」メキメキッ
ライナー「話だけでも聞いてやれ、エレンが可哀相だ……っオイ!! 泡まで吹いてるぞ!!」
アルレル糖の人?
ミカサ「……仕方ない。話して、エレン」ペシペシ
エレン「…………はっ!? お、おう!」
エレン「オレたちは今、訓練兵だけどよ。この先、兵団に所属したら酒を飲む機会は増えるだろ?」
ジャン「あー、たしかに駐屯兵のオッサン連中も飲んでたりすんな」
エレン「そうだ。もしそんなオッサンどもの中にアルミンが放り込まれてみろ」
ミカサ「……っ!?」
>>2
一応あれの続きです
流れが繋がってるよってくらいなので、アルレル糖読んでいなくても問題はありません
ホワホワホワ...
——ミカサの脳内——……
アルミン『上官殿、今日もお疲れ様です』
アルミン(お酒臭いなぁ……)
上官『おお、アルミン、お疲れ。今日もかわいいな』サワッ
アルミン『っ……! い、いえ、そんなことないです……』
上官『ふふん、さぁ今日もお酌してくれよ』サワサワ
アルミン『は、い……喜んで、お酌させていただきますっ……』
アルミン(我慢だ、僕が我慢すればいいだけなんだ……)
——ミカサの脳内——……
ミカサ「危険。とても危険っ!」ガタガタッ
エレン「ああ、ましてや酔っ払いに言い包められて酒を飲まされたらどうなる!?」
ミカサ「!? あ、あぁっ……!!」
ホワホワホワ...
——ミカサの脳内2nd——……
上官『ほら、お前も飲め』
アルミン『い、いえ! 自分は職務中ですのでっ!? むぐっ!』
上官『上官様の命令だ、いい子にしてろ』
アルミン『んっ……んぐっ』ゴクッ
アルミン(まずい……けど全部飲まなきゃ……)
上官『さ、オレの部屋に行くぞ』
アルミン『はっ……はい……』トローン
——ミカサの脳内2nd——……
ミカサ「いけない、アルミン行ってはダメ!! そのままでは貞操の危機!!」ガタンガタン
エレン「お、おお……。わ、わかってくれたかミカサ」
ジャン(ミカサは一体何を想像しているんだ……)
ミカサ「ええ、言葉ではなく心で理解できた」
ミカサ「でもそれと何の関係が?」
エレン「それはな、オレたちでアルミンが酔ったらどうなるかを記録するわけだっ!」
ジャン「はぁ」
エレン「なんだそのやる気のない声は!!」
ジャン「どうでもいいぜ、そんなの……」
ミカサ「どうでもよくない!!」
ジャン「ミ、ミカサ?」
ミカサ「ジャン、酔うとどうなるかを知っておけば、アルミンにもしもの時が合った場合対処しやすくなる」
ミカサ「違わない?」
ジャン「そりゃそうだろうけ——」
ミカサ「私は、アルミンが心配。エレンよりも、負けないぐらいアルミンが心配」
ミカサ「……ので私は、アルミンを保護する義務がある。例えば、一人でも」
ミカサ「あなたはここで、指をくわえたりしていればいい、くわえて見てろ」
ジャン「」
ミカサ「エレン、私も記録に協力しよう。なによりアルミンのために!」
エレン「そうだ! アルミンのために! 話がわかるぜミカサ!」
ミカサ「そう、私は話がわかる。任せおきなさい」フフン
ジャン「マルコォ、あいつら絶対おかしいって」
マルコ「あ、あはは……よしよし」
マルコ(でも、この程度のことでエレンがこんなこと考えるかな……)
ライナー「ふむ……やはり聞いておいて正解だったな」
ライナー「酔っ払うアルミンを介抱するオレ……」フゥ
ライナー「ふらつくアルミンを優しく抱き締めるオレ……」フゥフゥ
ライナー「らいなぁ、ぼくよっちゃった……けっこんしよ」スゥ......
ライナー「となる!!」ブフーン
ベルトルト(ライナー……キミも懲りてないんだね……)
ガチャッ
エレン「よしっ!! 決まりだな!!」
アルミン「? 何が決まったんだい?」トコトコ
エレン「!? ア、アルミンいつの間に!?」
アルミン「今来たところだよ。書庫の整理が一段落したからね」
エレン「そ、そうか、いやっ訓練の方針を決めてたんだよ、な! ミカサ!」
ミカサ「そう。エレンは計画的に行動することを身に付けたほうがいい」
エレン「またオレのこと子ども扱いしやがって……!」
アルミン「ま、まぁまぁ」
エレン(危うくアルミンに聞かれるところだったけど、なんとか誤魔化せたか)
エレン(それに、うまくミカサを味方につけることができた)
エレン(これであとはアルミンが酔っ払ったら……)
エレン「ふっふっふっ、待ってろよアルミン」ニチッ
アルミン「ん? 呼んだかい?」
エレン「んっ!? いいや、気のせいだろ!?」
アルミン「そうかな……?」
ベルトルト(エレン、キミはまたよからぬことを……)
エレン「こうして、オレたちのアルミン酔いどれ観察記が始まった」
−数日後 食堂
ライナー「エレン、頼まれていたものを買ってきたぞ」
エレン「おう! ありがとな!」ゴソゴソ
ミカサ「それは何?」
ライナー「果実酒だ。ワインではバレてしまうからな、それに果実ジュースも買ってきたぞ」
ライナー「うまく混ぜれば味もマシになるだろう」
ミカサ「なるほど」
エレン「それにしても助かった。肝心の酒の入手法を考えてなかったからな……」
ミカサ「だからエレンは計画的に——」
エレン「またそれかよ! お前はオレの——」
ライナー「あーわかったわかった! とりあえず金は半分もらうからな?」
ミカサ「お金なら、協力してくれる人で割ればいいと思う」
エレン「そうだな! そのほうが負担が減るだろ」
ライナー「ふむ、なら出来るだけ増やしたいところだが……」
ミカサ「ジャンは協力しないと言っていた」
エレン「それとマルコもなー」
ライナー「まぁ予想通りだな、他には?」
ミカサ「サシャは止めた方がいい。一昨日、また夢に出たらしい」
ライナー「ならコニーもだな。あいつもまだアルミンのこと避けてるぞ」
ベルトルト(仲間を心配しているなら、どうして決行しようとするんだキミ達は……)
ライナー「ベルトルト、お前はどうする」
ベルトルト「僕は参加するよ、いざという時のためにね」
ベルトルト(今のところはライナーが暴走しないように、だけれども)
エレン「てことは……4人か? うーん、少ないな」
ミカサ「ユミルは、何か困ったことがあれば手伝うとは言ってくれたけれど、協力自体はできないそう」
ミカサ「クリスタは、ユミルが邪魔したせいで話せていない」
ベルトルト(だろうね……)
エレン「あと思いつくのは……アニか?」
エレン「よし。お〜い、アニ!」
アニ「……何?」ジッ
エレン「アルミンを酔わせるとどうなるか気にならないか!?」
アニ「……はっ?」
ベルトルト(まぁ、突然聞かれたらそう反応するだろうね)
エレン「酔ったアルミンが、どう行動するかを記録したいんだ」
アニ「何のために?」
エレン「え、それは……えっと……」
ミカサ「アルミンの貞操のため」
エレン「! そ、そう! ていそう、のためだ!」
アニ「はぁ、あんた、貞操って何かわかって言ってるの?」
エレン「お、おう! 危険なものなんだろ、知ってるっての!」
アニ「……」チラッ
ミカサ「アニ、私からも頼む。今は一人でも仲間が欲しい。だから協力してほしい。」
アニ「私が協力したところで、私に得なんてないだろ。どうしてそこまで引き入れたがるのさ」
ミカサ「酔ったアルミンを特等席で見れる」
アニ「……」
ミカサ「もちろん、記録したものを後日配布する」
アニ「……」
ミカサ「そして何よりも、駐屯兵団の獣共から守りたいから。お願い、アニ」
ホワホワホワ...
——アニの脳内——……
上官(アニ)『あんた、なかなかイイ身体つきじゃないか、ぐへへ』サワサワ
アルミン『や、やめて、ください!』
上官(アニ)『上官様の命令だ、いい子にしてな』
アルミン『ぐっ……くうっ……』
上官(アニ)『お楽しみはこれからさ』
アルミン『た、たす……けて……』トローン
——アニの脳内——……
アニ「……!……!」ガンッガンッ
ミカサ「わかってくれたようで嬉しい」
ベルトルト(アニ……キミもライナーと同類か……)
アニ「いいよ……乗った」フゥフゥ
エレン「よし、これで5人(+ユミル)だな!」
ライナー「余程のことがない限り大丈夫だろう」
ミカサ「決行は今晩、また食堂で」
アニ「ああ、わかったよ」フゥ
エレン「それじゃあ一旦解散だな!」
ライナー「おう、くれぐれも教官にはバレないようにな」
ベルトルト(何事もありませんように……)
一時中断。前回出番が少なかった人を多めに出したい
−夜 食堂
ミカサ「エレン、アルミンが来た」
エレン「お、アルミン! こっちこっち!」
アルミン「あれっ、なんだか珍しいね。アニがいるなんて」
アニ「……いたら悪い?」
アルミン「ご、ごめん。そういう意味じゃなかったんだ」
ミカサ「アニ、意地悪はよくない」
アニ「……悪かったよ」
アルミン「う、うん」
エレン「ほら、飯食うぞー」
ミカサ「エレン、パンくずがまた頬についてる」
エレン「ん? おー」モグモグ
ミカサ「私がとろう」
エレン「い、いいってそんなの!!」
アルミン「じゃあ僕がとってあげるよ」
エレン「だーっ! 何だよお前ら!!」
アニ「……ふっ」
アルミン「アニ?」
アニ「あんた達って、いつも変わらないね」
エレン「はぁ?」
ミカサ「仲が良いということ」
エレン「あぁ、まぁな。小さいころからずっと一緒だったからな」
アニ「ふふっ、違うよ。騒がしいってことさ」
エレン「そ、それはこいつらが!」ガタッ
ミカサ「エレン、食事中は立たない」
アルミン「エレン、すぐ挑発にのらない」
エレン「う、ぐうぅ……」
アニ(ほんと、羨ましいくらい……)
ライナー「おう、オレたちもここいいか?」ニッ
エレン「いつもは確認しないで座るくせにな」ニィ
ライナー「はっはっは、それもそうだ」ニッ
アニ(何やってんだあいつら、露骨過ぎてバレるだろ)
ミカサ「アルミン、袖についてる」
アルミン「わっ、本当だ。ありがとうミカサ」
ミカサ「どういたしまして」ニコ
アニ(全くバレていない……はぁ……)
ベルトルト(こういう人達なんだよ……)
ライナー「どうしたベルトルト、お前も座れよ」ゴトッ
ベルトルト「う、うん」ゴトッ
アルミン「? ライナー、それなんだい?」
エレン(よし、さすがアルミン食いつきが早い!)
アニ(そんだけ音させれば誰でも気になるよ……)
ライナー「ああ、これは街で買ってきた果実のジュースだ」
ベルトルト「安くて沢山あったから、たまにはみんなで飲まないかってなって」
エレン「へー、そりゃあいいなあー。のもうぜーアルミン?」
アニ(あんたは演技できないなら黙りな!!)
ミカサ(アニ、いちいちツッコミを入れていてはダメ。無駄に体力を消耗する)
アルミン「うん。でも本当にいいの? 僕もお金出そう——」
ライナー「いいんだよ、オレ達からのささやかなプレゼントだ。なっ、ベルトルト」
ベルトルト「うん、お金のことは心配しなくていいからね」
アルミン「……なら、いただきます」ニコッ
ライナー(結婚したい)
ジャン「お、作戦開始か」ペラッ
マルコ「おい、ジャン! お前は協力しないんじゃ……」
ジャン「内側だけじゃわからないこともあるから、外側からも記録をお願いって頼まれてな……ミカサに」
マルコ「はぁ、全く……」
アルミン「わ、綺麗な色だ」
ミカサ「美味しそう」
アニ「ふぅん、たしかに」
ライナー「葡萄と林檎の二種類あるからな、好きなほう選んでくれ」
アルミン「じゃあ僕は林檎にしようかな」
ミカサ「私もそれにする」
アニ「葡萄で」
エレン「じゃあ、オレも葡萄……」チラチラ
ライナー(安心しろエレン、一杯目からいきなり酒にはいかない)
ベルトルト(飲んでも大丈夫なものだと認識させてから本番ということだね)
アルミン「うん、美味しい! 爽やかな香りがとても良いね!」
ミカサ「ええ、久しぶりに飲んだけれど、とても美味しい」
アニ(お、美味しい……)ゴクゴク
エレン「んー……、なんかオレ、コレ苦手かも」
ミカサ「エレン、ならこっちを飲むといい」
エレン「おー、わりぃ」
ミカサ「ん……確かにこちらのほうがクセが強い……」
アルミン「苦いの?」
ミカサ「苦い、というより少し渋いような気がする。アルミンも飲んでみて」
アルミン「うん、ありがとう」
ベルトルト「ライナー、葡萄のジュースってそんなにクセが強いかな?」
ライナー「林檎に比べると味は濃いだろう。苦手なヤツは苦、て……」
ベルトルト「ライナー?」
ライナー「いや、なんでもないさ。計画は順調だ。オレはクソ野郎になんぞなっていない」
ベルトルト「まさか、ライナー、間違って葡萄酒を先に……!」
ライナー「ちゃんとジュースと混ぜている! 問題はない!」
ベルトルト「そういう問題じゃないだろう!!」
アルミン「んー、たしかにちょっと渋いかな。でも美味しいと思うよ」
エレン「よく飲めるなお前ら……。ならアルミンのも貰っていいか?」
アルミン「うん、いいよ。あ、でもそれだとミカサのが……」
ミカサ「私は新しく貰うから平気。ライナーもう一杯……。……?」
ライナー「ふぅ……バレてはいないか……」
ベルトルト「よかった……」
ミカサ「ライナー」
ライナー「うおぉっ!? なんだミカサ!」
ミカサ「私の分が無くなってしまったので、おかわりを貰いに」
ライナー「すまんミカサ、さっきの葡萄ジュースは酒入りだった……」
ミカサ「!? 通りで……。ジャンに記録の合図を送る」
ベルトルト(いつの間にジャンをこちら側に……)
ミカサ「ベルトルトも記録をお願い」
ベルトルト「うん、わかった」
ミカサ「でも、飲んだならすぐ変化すると思っていたけど……」
ライナー「アルコールが体内に回るまでは変わらんだろう。それに酒は少量しか入れてない」
ミカサ「……もういっそ、そのまま飲ませたほうが」
ライナー「焦るなミカサ! これもアルミンのためだ!」
ミカサ「はっ……そうだった。これはアルミンのため。ありがとうライナー、私は冷静になれた」
ベルトルト(キミ達は半分以上、自分のためだろうに……)
今日はここまで。素朴な疑問だけどあの世界に果物とかあるんだろうか
ブドウとリンゴを勝手にだして大丈夫か心配だったんだ…
ザクロがあるならブドウもリンゴもあるよね、うん(偏見)
ビタミン不足は代わりにアルミンで補給すればいい
というか前作読んでいなくても問題ありませんとか>>4で言っておきながら、
バリバリ設定(コニーシャとか)引き継いでるね、めんごめんご
ミカサ「……葡萄がお酒入りということは、今アニが飲んでいるものも?」
ベルトルト「はっ! そ、そうだよ!」
ミカサ「取り上げてくる」
ライナー「す、すまんな……」
ジャン「お、もう飲ませ始めたみたいだな」
マルコ「もう!? 早くないか……?」
ジャン「善は急げっていうだろ」
マルコ「善、ね……」
アニ(美味しい、コレ……)ゴクゴク
ミカサ「アニ、こっちを飲むといい」
アニ「……私は別にこれでいいんだけど」
ミカサ(実はお酒入りだったみたい)ヒソッ
アニ(!? 何やってるの、あいつら……)ヒソ
ミカサ(アニまで酔ってしまってはマズイ)ヒソヒソ
アニ(そうだね、じゃあこれはアルミンに……)ヒソヒソ
ミカサ「わかった。アルミン、アニの分も——」
アニ「ちょ、ちょっと待ちなよ」
ミカサ「?」
アルミン「呼んだ?」
アニ「……」
ミカサ「ええ、ア——」
アニ「待ちなって」
アルミン「?」
ミカサ「アニ、どうしたの?」
アニ「……、…………ょ」
ミカサ「え?」
アニ「い、いいよ……」
ミカサ(なぜ顔が真っ赤なの……まさかもう酔いが回って……)
アルミン「えっと……」
ミカサ「アニの分も飲んでもらえないかと思って。アニ、いい?」
アニ「あ、ああ……なんとか半分は飲んだんだけどね」
アルミン「わかった。じゃあ貰うね」コクッコクッ
アニ「……」
ミカサ「アニ」
アニ「え、な、なに?」
ミカサ「顔が赤い」
アニ「……!?」ブンブン
ミカサ「あなたにアルミンを渡すわけにはいかない」
アニ「は、はぁ?」
ミカサ「? 違うの?」
アニ「はぁ……違うよ……。ただ、その、口付けたものを渡すのって……ねぇ……?」
ミカサ「」キュン
ミカサ「アニ、あなたも意外と可愛いところがある」
アニ「……私はこう見えてか弱い乙女なんだよ」
ミカサ「なら私は小鹿のように繊細な乙女」
アニ「……何それ……ふふっ」
アルミン「あれ、ライナーとベルトルトは飲まないの? こっちに来なよ」
ライナー「お、おう!」
ベルトルト(本当にお酒飲んでいるのかっていうくらい変わってないんだけど……)
アルミン「あれっ……。ライナーも林檎のジュースにしてるの?」
ライナー「!? ぐ、偶然だろう……」
ベルトルト「アルミン、ほら、僕のは葡萄だよ」
ベルトルト(まったく……)
ライナー(す、すまん……焦りすぎた……)
アルミン「ホントだ! 僕だけ仲間はずれかと思っちゃったよ」エヘ
エレン(! アルミンの顔がほんのり赤くなってきた!)
−アルミンのアルコール濃度が上昇−
フワフワ、フワフワ、フワフワフー♪
ポシューン アルミン・爽快期 に なったぞ!
□アルミン・爽快期
ベルトルト(まぁ、僕のはお酒入りじゃないけど……)
アルミン「そういえば夕食の途中だったね」
エレン「お、おう。アルミン調子はどうだ?」
アルミン「え、何が?」
アニ「……」ゲシッ
エレン「いってぇ!! 何すんだ!!」
アニ(そんな聞き方があるか……!)
ミカサ「エレン、お願いだから少し……黙って、ほしい……」
エレン「」ショボーン
アルミン「エレン、大丈夫?」サスサス
エレン「あぁ……なんとか……」
アルミン「ん、よしよし。ミカサもそんなこと言ったらダメだよ?」
ミカサ「え、ええ、気をつけよう」
ライナー(結婚したい)
ベルトルト(アニが蹴ったことには気付いてないみたいだね……)カリカリッ
ジャン(まぁこんなところか)カリカリ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
1.アルミン・爽快期は判断力が落ちているようだ。(ベルトルト)
また、普段よりも陽気で優しくなっているに見える。(ジャン)
アニ(ま、ちょっとくらいじゃ変わらないだろうね)
ライナー(しかしあまりハイペースで飲ませるのもどうなんだ……)
アニ(全部食べ終わってからまた注げば丁度いいかもね)
ライナー(よし、それでいくか)
アルミン「ベルトルト、その……おかわり、いいかな?」チラッ
アニナー「!?」
ベルトルト「!? も、もちろんいいよ」
アルミン「えへへ、なんだか癖になっちゃって……あ、ライナーもいいかな? 」
ライナー「お、おお構わんぞ! どんどん飲んでくれ!」
アニ(おい!)ゲシッ
ライナー「おぅふ」
エレン「ほんとよく飲めるなそんなの……ん?」
エレン(おいミカサ、もしかしてアレ酒なのか?)
ミカサ(ええ、そう)
エレン(げ、道理でマズイと思った……)
ミカサ(……アルミン、いつもより明るくなっている気がする)
エレン(だな。このままいけば本音も聞けそうだ……!)
ミカサ(本音……?)
エレン(あ、いやほら、あいついっつも遠回しに物事を言うだろ?)
ミカサ(でもそれがアルミンの良い所。気遣いができるのは素晴らしいと思う)
エレン(うーん、なんていうか、そういうことじゃなんだけどな……)
ミカサ(私としてはアルミンが可愛さを記録できればそれでいい)
エレン(お前の本音はどうでもいいよ……)
アルミン「……」ゴクゴク
アニ「ちょっと。飲むの早すぎじゃないの?」
アルミン「え、そ、そうかな!?」ポッ
アニ(なんでそこで赤くなる!)グッ
アニ「ああ、先に全部食べなよ。ジュースだけでお腹が脹れるよ」
アルミン「う、うんそうだね。気をつけます」モグ
アニ(なんでそこで敬語に!!)ググッ
ライナー「アニ、前のめりになっているぞ」
ミカサ「アルミン、また袖についてる」
アルミン「え、どこどこ?」
ミカサ「ほら、取ってあげる」
アルミン「はーい」
ミカサ「グフッ……」ボタッ
アルミン「ミカサ?」
ミカサ「ごめんなさい、エレン、代わりに取ってあげて」
エレン「お、おう……っていうかそのくらい自分で取れよ」
アルミン「ごめんなさい……」シュン
アニ「あんたね……。ほら、私が取ってあげるから」
アルミン「ありがとう!」ニコッ
アニ「……」フルフル
アルミン「アニ?」
アニ「エレン、あとは頼んだよ……」ボタッ
エレン「何なんだよお前らは……。ほら、取ってやるぞ」
アルミン「はいっ!!」キラキラ
エレン「ったく、いつもは綺麗に食べてるのにな」
アルミン「へへ、ごめんなさーい」
エレン「ん、ジュースのおかわりはいいのか?」
アルミン「もらう! おかわり!」
ライナー「お、おう!」
ベルトルト(飲ませることには成功している……)
ベルトルト(しかしアニとミカサは既に陥落したといっていい……)
ベルトルト(犠牲が大きすぎやしないか……!?)カリカリ
ジャン「また飲むのかよ、ったくペース速すぎるぞっ!」カリカリッ
マルコ「なんだかんだでジャンも楽しんでるだろ」
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
2.口調がおかしくなり、人に甘えるような態度をとり始める。(ベルトルト)
目に見えて飲むペースが速くなる。(ジャン)
エレン(うーん、オレが思ってたのと違うけど、まぁいいか……)
アルミン「エレン? エレンはのまないの?」
エレン「ん? オレはもういいかな……」モグモグ
アルミン「おいしいのにー!」ハムッ
エレン「そうかぁ?」モシャモシャ
アルミン「そうだよっ!」ゴクゴク
ライナー「ほら、持ってきたぞ」
アルミン「ありがとうございます!」パァッ
ライナー「い、いやぁ、いいんだよ。ハッハッハッ!!」(結婚しよ)
アルミン「いただきまーす」グビグビ
−アルミンのアルコール濃度が上昇−
パッパッパラッパ! ドン!
プワワワ〜ン アルミン・ほろ酔い期 に なったぞ!
一時中断。パンツは穿いて、どうぞ
○アルミン・ほろ酔い期
アルミン「んまーぃ! エレンものんでみなよ!」ズイ
エレン「いや、オレはいいって……」
アルミン「ほらほらー!」グイグイ
エレン「い、いい……から……」ムギュ
アルミン「むー」グリグリ
エレン「たす……け……」ムギュー
ライナー「おい! 俺が飲んでやるから!!」
アルミン「えー……しかたないなあ」グリグリ
エレン「げほっ、たすけへぇ……」ギュムッギュムッ
ベルトルト(何かもう怖いんですけど……)カリカリ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
3.アルミン・ほろ酔い期は動きが活発になり、強引な行動や同じ動作を繰り返すようになる。
また、声が大きくなり口が回らなくなっているようだ。(ベルトルト)
ジャン「ダッハッハッハッ! 最高だなアルミン!! ヒィー!」
マルコ「ジャン……」
コニー「オレ、残すわ……部屋に戻る」ブルブル
マルコ「う、うん。そのほうがいいな」
アルミン「あ、こにー!!」パァァ
コニー「!!」ビクッ
マルコ「ど、どうしたんだ、アルミン?」
アルミン「こにーもジュースのまないかなって」
コニー「い、いや、オレはいい……」
アルミン「そっか、まだ……ぼくのせいだもんね。ごめん、こにぃ……ごめ、ごめ、ん」ポロポロ
コニー「な、何で泣くんだ!?」
アルミン「ひっぐ……ぐすっ……ごめんなさい」ギュ
コニー「お、おい抱きつくな!!」
ミカサ「」ピクン
エレン「おいアルミン、コニーが困ってるだろ」
アルミン「んっ……ほんとに、ごめん。こにー」グスッ
コニー「お、おう……オレ、戻るな……」タタタタッ
ジャン「面白しれーなーあいつら!!」ケラケラ
ミカサ「ジャン、記録を」
マルコ(音もなく背後に……!?)
ジャン「!? は、はひぃ!」ガリガリッ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
コニー編:罪悪感からか泣きべそをかきながら謝罪を繰り返していました。(ジャン)
ミカサ「マルコ、アルミンは何故泣いているの」
マルコ「部屋に戻ろうとしたコニーを誘ったんだけれど、断られたんだ」
ミカサ「……それは、仕方ない」
マルコ「うん……」
アルミン「う、うぇぇ……」ボロボロ
エレン「ほら、もう泣くなって……」
アルミン「う、うぅ、うわぁぁああん……」ボロボロ
エレン「あああ、どうすりゃいいんだよ……」
ミカサ「エレン、私が」
エレン「ミカサ?」
ミカサ「アルミン」ギュ ナデナデ
アルミン「うあぁぁああああん」ボロボロ
ミカサ「大丈夫、コニーはアルミンのことを嫌ってなんk
アルミン「わぁぁぁぁああああああああん!!」ボロボロ
エレン「おい、悪化してるぞ!」
ミカサ「お、おかしい……こんなはずでは……」オロオロ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
4.一度泣きだすと涙が堰を切ったように流れ続けるようだ。(ベルトルト)
ミカサ「ど、どどっどどどうしたららいい、いいいの!?」ワナワナ
エレン「落ち着け!」
マルコ(足だけガクガク動いてる……)
ライナー「仕方ない……気絶させるか……」
ベルトルト「ちょ!? これくらいで!?」
ライナー「教官が来たらどうする……!」
アニ「ん……うるさい……」
ライナー(!! ひとつだけ方法があるかもしれん……が……)
ライナー(いや、どうせオレは半端なクソ野郎だ! とことんやってやる!)
ライナー「アニ! 頼みがある……」
アニ「……なに」
ライナー「アルミンを抱き締めてくれ! あいつを泣き止ませるためだ!」
アニ「……あんた、おかしくなったの?」
ライナー「説明している暇はない! さっさといけ!」グイッ
アニ「ちょっ、きゃ、なんなの!」
うえぇぇん! こに、こにぃー! うわぁぁぁぁん!!
アニ「はぁ……」スタスタ
ミカサ「私は頭を丸めるべき? ので? それとも頭を丸めるべき? ので?」ワナワナ
エレン「おい……。ん、アニ?」
アニ「ちょっと」グイッ
アルミン「あぁぁん、うわぁぁああわふっ!?」ポスッ
アニ「……」
アニ(なにこれ恥ずかしいんだけど……)
アルミン「う、うえぇ……こにぃ、ごめん……」
アニ「……」
アニ(早く泣き止んでよ……)
アルミン「うぅ、ぐすっ……すんっ……」
アニ「落ち着いた?」ナデナデ
アルミン「ん、うん……ありがと……」
ミカサ「な、なぜっ……!!」
エレン「おー、アニすげぇな!」
ベルトルト「これは……どういうことなんだ……」
ライナー「おっぱいの力だ」
ベルトルト「はっ」
ライナー「オレから言わせてみればアルミンはまだまだ子どもだ」
ライナー「母性溢れるおっぱいに包まれることで、まるで赤子のような気持ちに戻ったわけだ」
ミカサ「そう、つまり私には無理だった、と」
ライナー「ああ、ミカサは胸は多少あるが硬そうだから……はっ!?」
ミカサ「乙女の拳」メコンシャス
ライナー「ぐおおおぉぉ!! ボーナスパンチィィ」ゴロゴロゴロ
ベルトルト(……ミカサがしてくれたからいいか……)カリカリ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
アニ編:おっ——胸に弱い。(ベルトルト)
どうやら甘えん坊になるようです。(ジャン)
アルミン「ア、アニ。もういいよ……」
アニ「あ、ああ。ごめんね」
アルミン「ううん、そんなこと……」
エレン「……」ムッ
アニ「もう大丈夫?」
アルミン「うん、へいき……」
アニ「そ、そう」
エレン「いつまで抱きついてんだよ」
アルミン「わ、びっくりした……」パッ
アニ(ナイス……離すタイミング逃して恥ずかしかった……)
今日はここまで。サシャは出る、と思う(願望)
エレン「ほら、戻るぞ」
アルミン「はーい!」ブンブン
エレン「手を振り回すな」
アルミン「やー!」ブンブン
エレン「いてっ! な、なにしやがブッ!?」
アルミン「あ、ご、ごめ、エレンごめ」ジワ
エレン「だ、大丈夫だぞー? ほら、泣くなよー?」ゴシゴシ
アルミン「う、うん」
エレン「ふぅ……危ないから、手を振り回したらダメだからな?」
アルミン「了解ですっ!!」キラキラ
エレン(どうしてこうなった……)
アニ「あいつも大変だね……」ポー
ベルトルト「あれっ、まだ顔赤いよ? 大丈夫かい?」
アニ「!? ……ちょっと、からかわないで」
ベルトルト「いや本当に……。というかさっきから顔赤かったけれど」
アニ「誰かさんに、酒入り葡萄ジュース飲まされたからね」
ベルトルト「うっ……」ポヤー
アニ「……? あんたも顔赤くない……?」
ベルトルト「え!? そ、そんなはずは……」
アルミン「ライナー!! ぼく、リンゴものみたくなってきちゃった!!」
エレン「また飲むのか!?」
ミカサ「アルミン、ライナーは旅に出た。呼んでも無駄」
ライナー「」
アルミン「ライナァー!! おねがいしま〜す!!」ユサユサ
ライナー「林檎だな! ちょっと待ってろ!!」ガバッ
アルミン「わーい!」ブンブン
ミカサ「……突きが甘かったか……」
アニ「今、何杯目?」
ベルトルト「えっと、葡萄酒入りジュース瓶ほぼ一本分かな。そして今林檎酒が一杯目。だいたいだけれど」
アニ「あいつもうそんなに飲んでるの……。というか、どうなったら終わりなわけ?」
ベルトルト「……アルミンが酔い潰れたら、とか?」
アニ「はぁ……早くして潰れてほしいよ……」
ライナー「アルミン、持ってきたぞ」
アルミン「ふえへへ、ありがとー」ニコニコ
ライナー(結婚した)ゴポッ
アルミン「んむんむ」ゴクッ
−アルミンのアルコール濃度が上昇−
パッパッ パヤッパ パヤッパー
フゥー アルミン・酩酊期 に なったぞ!
●アルミン・酩酊期
アルミン「ふぃー! おいすぃー!」ガタッ
エレン「お、おい! 椅子にあがるなって」
アルミン「えーなんでー? とっても美味しいよ?」ガタガタッ
エレン「いや、味とかそういうのじゃなくてな、椅子から下りようぜ?」
アルミン「! わかった、わかりましたよっ! エレンものりたいんだね!」ガタンガタン
エレン「違ぇ! あんまり騒ぐなってば……っおい! 食卓に乗るな!」
ミカサ「エレン」サラサラ
エレン「ミカサ、お前も手伝え……よ……」
ミカサ「エレン、ちょっと後ろへ退いて」カキカキ
エレン「……なんでスケッチしてるんだ?」
ミカサ「アルミンの雄姿を後世に残すために」サラサラ
ベルトルト(タチの悪い酔っ払いみたいになってきたな……)カリカリ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
5.アルミン・酩酊期は、話が噛み合わなくなり大胆な行動が増える。(ベルトルト)
ミカサにスケッチされたいです。(ジャン)
ジャン「アッハッハッハッ!! 見ろマルコ! あいつあんなに楽しいやつだったんだな!!」
マルコ(お前は何を記録してるんだ……)
マルコ(……? ジャンの顔が赤い……?)
エレン「ミカサはもうダメだ……。ライナー、下ろすの手伝ってくれ」
ライナー「……」ポー
エレン「ライナー?」
ライナー「おお、おう! わかった」
エレン「ほら、下りるぞアルミン」
アルミン「やー」バタバタ
ライナー「アルミン、食卓の上は走るもんじゃない、降りてこい」
アルミン「えー……」
ライナー「いいから、ほら」
アルミン「はーい……」
エレン「……」ムッ
アルミン「よいしょー!」タンッ
ライナー「うおおっ!?」
アルミン「ないすきゃっちライナー!」トサッ
ライナー「」
アルミン「らいなー?」
ライナー「な、なんだ?」
アルミン「ライナーって大きくて、逞しくて……羨ましいなぁ……」ギュッ
ライナー「」
アルミン「いいなぁ……腕も太いし筋肉もすごい……」
アルミン「ライナーに抱きついてると安心するし……」
ライナー(やった! オレはやったぞ! どうだベルトルト! オレは結婚してた!)フラッ
アルミン「わわっ!?」
ベルトルト「おっと……大丈夫?」
アルミン「あ、ありがと、ベルさん!」
ベルトルト「ベ、ベルさん?」
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
ライナー編:ライナーに抱き着きながら甘えているように見えた。(ベルトルト)
ライナーはホモ。(ジャン)
マルコ「ジャン、ホモってのはちょっと言いすぎじゃ」
ジャン「んだよ、抱き着かれて鼻血垂らしてぶっ倒れるなんてホモじゃねぇか!」
マルコ(だんだん記録も雑になってきてるし……これは……)
ユミル「おい、マルコ」ボソッ
マルコ「! ユミルか、どうしたんだ?」
ユミル「また食堂全体がおかしなことになってるぞオイ」
マルコ「えぇ!?」
ユミル「お前、気付いてなかったのか……よく見渡せ」
マルコ「……」
ハンナ「私、知ってるのよ! あなたが他の女に色目つかっているのを!!」バンッ
フランツ「何を言うんだハンナ! 僕には君しかいないのに!!」ガタンッ
ハンナ「気付いていないとでも思ったの!? さっきからミーナのこと、ジロジロ見てるじゃない!」キッ
ミーナ「え、わ、私!?」
フランツ「そ、そんなことないさ!」
ハンナ「なんでどもるのよォォーーーー!!」
ミーナ「私はどうすればいいの!?」
ダズ「お、おえぇぇええええ!! ゴホッ、お、おぼぇっ!!」
クリスタ「トーマス! ごめんなさい、またお水を汲んできて!」
トーマス「わ、わかった!」
クリスタ「ダズ、しっかりして……」サスサス
ダズ「ぐ、く、けへぇっ……」
クリスタ(う……もう吐く物がないから胃液が……)
クリスタ「もう少し待ってて、今お水がくるから!」サスサス
マルコ「……」
ユミル「わかったか?」
マルコ「……どうしてこんなことに……?」
ユミル「まず最初にダズが吐いた。まぁそれだけならいつものように体調を崩しただけって思うだろ?」
マルコ「う、うん」
ユミル「だがな、その後も二度三度と吐いたんだよ。そんで医務室にでも運ぶかってなったんだがな」
マルコ「……アルミンが突然、食卓の上に上って騒ぎ出した……」
ユミル「ああ、気を取られていたらまた吐いていやがったよ。お前みたいに顔を真っ赤にしながら」
マルコ「!? ぼ、僕もか!?」
ユミル「おー、ちなみにそこら中みんな顔真っ赤だな」ケラケラ
マルコ「じゃあやっぱり……」
ユミル「ん、その様子じゃそっちには気付いてたのか」
マルコ「いや、もしかしたらって思った程度だけれど……」
ユミル「多分、正解なんだろうなぁ……」
マルコ「アルミンのせいで、皆が酔っ払いになっている」
ユミル「どーすっかね、コレ! もう収拾つかねぇぜ!」ケラケラ
マルコ「笑うなよユミル……教官にバレたら営倉行きだよ……」
〜訓練兵団に公開されていないアルミン・酔わせルトの記録〜
1.アルミン・アルレルトに酒を摂取させた場合、注意すべきことがある。
それは、飲ませたアルコールに比例した濃度のアルコール成分を撒き散らし、
周囲の人間を、まるで酒を飲んだかのような症状を発症させる。
マルコ「そうだ、アルミンを気絶させれば……!」
ユミル「それも考えたがな、あいつらに邪魔されそうで怖い」
マルコ「あいつらって、エレン?」
ユミル「それとミカサだな。というか、アルミンに近づくのが一番怖いんだけどな」
マルコ「ああ……あんなことになりたくないもんね……」
マルコ「そういえばサシャは?」
ユミル「アルミンが騒ぎ出した瞬間、気絶したから部屋の端に置いてきた」
サシャ「芋、芋を渡しますから……どうか……」ウーンウーン
マルコ「……部屋に連れて行かなくていいの?」
ユミル「そうしたら誰がこの騒ぎを治めるんだ」
マルコ「……優しいんだね」
ユミル「はっ、クリスタに頼まれたからな」
マルコ「……そういうことにしておくさ」
ユミル「お前、見かけによらずいい性格してるよな……」
マルコ「褒め言葉として受け取っておくよ」
マルコ「何にしても、エレンとミカサに事情を話そうか」
ユミル「大丈夫か? あいつらも酔ってたとしたら危険度が跳ね上がるぞ」
マルコ「少なくともエレンは大丈夫だ、さっき近くに来たけれど普段通りだった」
ユミル「さっき、ねぇ……ま、遠目から見ても赤らんでいないから無事か」
マルコ「問題はミカサだ、正直読めない……」
ユミル「あいつは素なのか酔ってるのか最早わからん」
マルコ「すごい勢いでスケッチしてる……」
アルミン「ベルさんベルさーん」ユラユラ
ベルトルト「は、はは……どうしたんだい? アルミン」
アルミン「ベルさんもおおきくていいよねー。べるさんはどうしてそんなにおおきいの?」
ベルトルト「え、そ、それは個人差としか……」
アルミン「ちょっとまってっ! あてるからっ!」
ベルトルト(酒臭っ……早く離してほしい……)
アルミン「んー……わかったぁーっ! ぼくをたべるためだなっ!」
ベルトルト「えぇっ!?」
ミカアニ「!?」ガタン
エレン「食べても美味しいわけないだろうが……」
ベルトルト(何を言っているんだお前は……!)
アルミン「ベルさん?」
ベルトルト「アルミン、離れてくれないかな」
アルミン「なんでー?」
ベルトルト(……しかたない……僕もクソ野郎になるしか……!)
ベルトルト「このままじゃ本当に食べちゃうからさ」ボソッ
アルミン「……えっ?」
ベルトルト「……僕、部屋に戻るね」ダッ
ベルトルト(ああ、これで僕も二人の仲間入り……あれっ、涙が……)
アニ「……! ちょっと待ちなよっ!」ダッ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの記録〜
ベルトルト編:ベルトルトもホモ。(ジャン)
ミカサ「削ぐ」ユラ
エレン「おいミカサ、ちょっと待て!」
ミカサ「離してエレン、アルミンに近づく獣は削がなければ」
エレン「いい加減にしろって! お前まで暴走してどうするんだ!」
ミカサ「……悪かった、私は冷静でなかった……」
エレン「わかったんならいい。あとはアルミンをどう落ち着かせるか……」
ミカサ「記録は、もういいの?」
エレン「ん……まぁ、いいんじゃねぇか?」
ミカサ「……」
エレン「うーん、殴って気絶させるのは気が引けるよな……」
ミカサ「エレン、聞きたいことがある」
エレン「なんだ?」
ミカサ「あなたは何を隠しているの?」
エレン「……はぁ?」
ミカサ「聞き方が悪かった。記録したがった本当の理由は何?」
エレン「は、はぁ!?」
ミカサ「実行に移す前はあんなに乗り気だったのに、今は止めたがっている」
エレン「そんなこと……!」
ミカサ「ある。……エレン」
エレン「……」
エレン「わ、笑わないか?」
ミカサ「ええ、笑わない。約束する」
エレン「その、な……」
マルコ「エレン、ミカサ!」
エレカサ「!?」
エレン「な、なんだマルコ」
ミカサ「それにユミルも、邪魔をする気?」
ユミル「睨むなよ怖ぇな……アルミンのことで相談があってな」
ミカサ「アルミンのこと?」
ユミル「ああ、ざっくりと話すが————」
ユミル「————こんなとこだな、私達の考えは」
ミカサ「気付かなかった……」
エレン「人もまばらになっちまってるな」
マルコ「半分くらいは部屋に戻ったみたいだ。ここは酒気が酷い……」
ユミル「とっととアイツを気絶させるぞ。寝かせて酒が抜ければ元に戻るだろ」
エレン「そうだな、早いとこ——」
ミカサ「エレン、まだ私との話が終わっていない」
エレン「い、いいだろそんなの」
ミカサ「よくない」
ミカサ「私はエレンのためを思って言っているの」
ミカサ「エレンが正直に理由を言えないということは、邪な気持ちで行ったということ」
ミカサ「アルミンがそれを知っても、きっとエレンを怒ったりはしない……」
ミカサ「でも、その分悲しむはず」
ミカサ「それに自分の気持ちに嘘を吐くのは良くない」
ミカサ「……最後のは、そんなエレンをみたくない私のためでもあるけれど……」
エレン「わかったよ……」
ミカサ「ユミル、マルコ。少し離れてもらっても」
エレン「いや、いい。二人も聞いてくれ」
ユミル「わかった」
マルコ「ああ」
ミカサ「……エレンが言うなら」
エレン「た、ただ……笑うなよ? 特にユミル!」
ユミル「内容次第だ」ニヤ
ミカサ「ユミル」キッ
ユミル「ふん……」
エレン「アルミンに酒を飲ませたがったのは……」
エレン「アルミンに……」
エレン「アルミンに頼られたかったんだ!!!」
「「「…………」」」
マルコ「えっ」
ユミル「ぷふっ……ん゙ん゙っ」
ミカサ「フーッ……。エレン、あなたは本当に反省していなかったようだ。とても悲しい」
エレン「ま、待て!!」
ミカサ「問答無用」メリッ
マルコ(アイアンクロー……)
エレン「いだい!! 割れるからぁぁああああ!!」
ユミル「おいやめろ。笑わない、とは違うがちゃんと聞くと約束したようなもんだろ」
ユミル「こいつにとっては”頼られたい”ってのが理由だったんだ。詳しく聞いてやれよ」
ミカサ「……エレン、話して」
エレン「まずお前が手を離してくれ……」プラーン
エレン「はぁ、助かった……。悪いな、ユミル」
ユミル「あー、ちょっと吹いちまったからな」
エレン「んだよ……」
ユミル「それよりさっさと話しな」
エレン「おう……」
キリ悪いけど今日はここまで
エレン「ユミルは知らないかもしれないけどな。オレ、アルミンに手紙を渡したんだ」
マルコ「手紙……ってお菓子と一緒に渡した……」
エレン「そう、それだ。……実際に読まれたのは数日後だったけどな」
ミカサ「それが、どうしたの?」
エレン「ミカサも中身みただろ! その、小っ恥ずかしい内容を!」
『もう少しオレのことを頼ってくれてもいいんじゃないか?
アルミンが人を頼らない性格なのはわかってます。でも正直寂しいです。』
エレン「って!!」
ミカサ「ええ、もちろん覚えている。エレンの口から言わせたかっただけ」フフッ
エレン「お、おまえぇ……!!」カァッ
ユミル「ミカサ、からかうな。それでどうしたんだよ」
エレン「あ、ああ。それで、オレはこれで少しは頼ってもらえるって思っちまったんだよな」
マルコ「……でもアルミンは頼ってくれなかったんだ?」
エレン「そうなんだよ! それどころか一緒に格闘訓練する約束してたのによ!」
アルミン『えっ、そんな約束したっけ……?』
エレン「って忘れてやがったんだ!!」
ミカサ「……あの日はところどころ記憶がないと言っていたから、仕方ない」
エレン「それだけならいいけどな」
マルコ「まだあるのか?」
エレン「アルミンのやつ、ミカサと一緒に訓練し始めたんだぞ!?」
ミカサ「……」
ユミル「で、お前は嫉妬しちまったってわけか」
エレン「えっ!? い、いや、そういうわけじゃ、ないんだけど……」
ユミル「ほー? ならどんな理由なんだ? まだあんだろ?」
エレン「そ、それは、えーっと……」
マルコ「ユミル、ちゃんと聞くんじゃなかったのか……」
ユミル「はっきりしねぇコイツが悪い」
エレン「そ、そうです……ミカサに嫉妬、してました……」
エレン「酔っ払ったら本音で話すって聞いて……。それに大抵の人はフラフラになるだろ?」
エレン「実際、駐屯兵団にいる知り合いのおじさんが、フラフラになってたの見てたしな」
ミカサ(ハンネスさん……)
エレン「それで思いついたんだ。酔ったアルミンになら、頼ってもらえるんじゃないかって」
ユミル「なんともまあ可愛らしい嫉妬だな」
ミカサ「……」
マルコ「ミカサ……?」
ユミル「でもな、そんなこと正直に言えばいいじゃねぇか」
マルコ「そうだよね、幼馴染なら直接言ったほうが」
ミカサ「理由を言うのも恥ずかしがって、さらに実行に遠回りな手法を取ったエレンに、直接言うという手段は選べないと思う」
エレン「おい! 失礼だぞ!」
マルコ「……確かに」
ユミル「……納得した」
エレン「くそぉ……」
ミカサ「エレン、私はあなたに謝らなければならない」
エレン「? 何をだ?」
ミカサ「さっきはやりすぎた。ごめんなさい」
ミカサ「それと、私はアルミンがエレンと訓練しない理由を知っていながら隠していた」
エレン「はぁ!?」
ユミル「ぶふっ、隠し事の多い幼馴染だな!」
マルコ「ユミル、楽しんでるだろ……」
ミカサ「ただ、理由はアルミンから口止めされているから言えない……」
エレン「っ! なんだよそれ!」
ミカサ「これ以上は、アルミンの口から聞いてほしい。ごめんなさい……」
ユミル(やっぱこいつら似たものどうしだな)ケラケラ
エレン「わかったよ……とりあえず、理由はこれでいいだろ? 早くアルミンを……あれ、アルミン?」
マルコ「……そういえばさっきから静かにしてるな」
コロコロコロ...
マルコ「瓶が転がって……ん?」
アルミン「うまうま♪」グイグイグビグビ
ユミル「ゲッ」
ミカサ「!? ライナー達が持ってきたお酒、全部飲んでる……」
エレン「たしか5、6本はあったよな!?」
マルコ「アルミンが両手に持ってるのと、転がっているのを合わせて6本……」
アルミン「けぷっ……」ポワー
−アルアルッミンのアルアルコー、コールコルnnnnn濃度がじょうしょ、じょうしょじょう昇−
orrrrrrrrorooooorr
yes! アルミン・泥酔期 ニ なたゾ☆
■アルミン・泥酔期
ブワッ
ユミル「っっくっっさっ!!! 酒くせぇっつうか甘ったるいっつうか最悪だ……おぇ」
マルコ「うっぷ……キツィ……」
エレン「マルコ! しっかりしろ!」
ミカサ「これは流石に、まずい、ゲホッ」
〜訓練兵団に公開されていないアルミン・酔わせルトの記録〜
2.アルミン・アルレルトから発生する臭気は周囲を酔わせてしまうことが発覚したが、
その際、アルミン・アルレルトに対しての中毒性が高まり、耐性の低いものは
アルミン・アルレルトに依存してしまうようになることも判明した。
これをアルミン中毒(通称:アル中)と呼ぶことにする。
アルミン「えへへ、みんなないしょばなししてるから、っく、のんじゃっらふへへひひゃ」
エレン「おい、アルミン! それなんとかならないのか!?」
アルミン「そ、れ? あーえれんも、のみらかっらろ?」
エレン「違ぇ! 何回このやりとりやらせんだ!」
ミカサ「エレン、あまり近づいては……」
アルミン「むー……えれんばっかりずるい!!」
エレン「は?」
アルミン「みかさ、えれんえれんばっか! えれんもみかさみかさ!」
アルミン「なんれ! ぼくいるろに! ずるい!」
アルミン「ふはりしえ、ずるい! ぼくらってえれん! ぼくらっれみかさなの!」
アルミン「なんれさ!!」
ミカサ「アルミン……」
マルコ「っなんて、言ってるの……?」
ユミル「わたしが、知るか……」
エレン「ミカサはオレばっかり構ってズルイ、僕だっているのに!」
エレン「僕だってエレンとミカサのことが大事なのに、なんでわかってくれないの!? ってとこか」
ユミル「……なにこいつら、げほっ」
マルコ「幼馴染ってすごい。僕はそう思った」
ミカサ「アルミン! そんなことない、私だってあなたが大切!」タタタタッ
ユミル「おまっ!」
ミカサ「私は平等にしていたつもりだけれど、アルミンにとっては違った」ギュ
ミカサ「それなら、これからはアルミンのことも存分に構い倒そう!!」ギュー
アルミン「みかさぁぁ!!」ギュー
ミカサ「アルミン!」ギュウッ
ブワァッ
ミカサ「!? うっ……げほっ……」ポタポタ
エレン「あっ」
マルコ「鼻血」
ユミル「あいつアホだろ、なんで近づくんだよ」
ミカサ「」キュー
アルミン「みかさ? みかさぁ!」ユサユサ
エレン「ア、アルミン! とりあえずミカサから離れてくれ!」
アルミン「なんれ? なんれさ、えれんのばかぁ! うぇぇええええん! みかさぁぁああ!!」ユッサユッサ
ミカサ「」キュー
ユミル「大泣きモードに突入ってか……けほっ」
エレン「あああ、どうすりゃいいんだ……」
ギイィッ
トーマス「うっ、酷い臭いだ……」
エレン「!? トーマスか、ビックリさせんなよ……どうしたんだ?」
トーマス「ダズのために水を汲みにいったんだけれど……」
ギイイィィ...
キース「貴様ら、これは何の騒ぎだ……」
エレン「」
マルコ「教官!」
ユミル「っ、最悪だが、ある意味最高の救世主じゃねぇか……!」
トーマス「水汲みの帰りに呼び止められて、その途中ですごい臭いが食堂からしたから……」
ユミル「お前よくやった! 教官! アルレルト訓練兵が暴走しています、どうか止めていただきたいのですが!」
キース「……」
マルコ「教官、事情は後で必ず説明します! どうかお願いします!」
エレン「オレからも、お願いしますっ……!」
キース「わからん……全く状況が読めん。が、このままでは良くない事は私にもわかる」
キース「私に任せなさい」
一同「はっ!」バッ
キース(しかし、またアルレルトか……任せろとは言ったものの、正直恐ろしいな……)
キース(ふむ、どうしたものか……アルレルトの傍らには気絶しているであろうアッカーマン)
キース(その後方にブラウン、キルシュタインが気絶。……部屋の隅になぜかブラウスが横になっている)
キース(左手にはレンズが倒れている数名を介抱しているが、かなりフラついている……)
キース(食堂に充満した酒気と甘さが混ざったような香り。一種の集団中毒のようなものだろうか……ん?)
キース(何故だ……何故あいつは……いや、わからないな……しかし、考えても仕方がないな)
キース(可能性を精査する時間が惜しい。ここはあいつに賭けるしかあるまい)
今日はここまで。みんな、アル中には気をつけよう
キース「イェーガー、一つ尋ねて良いか」
エレン「はっ! なんでしょうか!」
キース「この酷い有様は、アルレルトが引き起こしたことで間違いないな?」
エレン「は、はっ! アルレルト訓練兵の臭気によって、皆泥酔しているものと思われます!」
キース「続けて問うぞ、ならば何故貴様だけが無事だ」
エレン「はっ……? どういう、意味でしょうか」
キース「食堂内で貴様だけが変わらず正気を保っている。顔の赤らみすら見えん」
マルコ「はぁ、はぁ……そういえば、さっきから、エレンだけ、しっかりしてたよね……」トサッ
ユミル「ハッ……そんなことにも気付けないなんてアホか私は……」フラッ
トーマス「二人とも! 無理、しないほうがいい、水を……」ゲホゲホ
キース「私がアルレルトの動きを止める。その隙に貴様がヤツを捕獲し隔離しろ」
エレン「か、隔離って!」
キース「以前使った空き部屋へ運び、そこで酒が抜けるまで貴様が監視、および処置を行え。いいな!!」
エレン「は、はい……!」
キース(もしもイェーガーが何らかの抗体を持っているとするならば、これ以上の適任はいまい……)
キース(子どもに、それも指導するべき訓練兵に全てを託すというのは、人を導くものとして失格だな……)
アルミン「みかさぁぁ!!」ユサユサ
ミカサ「」キュー
キース「アルミン・アルレルトッ!!!! 貴様は何をしているっっ!!!!」
エレン「っ!」
マルコ「うわっ!?」キーン
ユミル「うるせぇ……」グラグラ
トーマス「くっ……」ズキズキ
ミカサ「」ビクン
アルミン「みかさぁぁ……」ペチペチ
ミカサ「」ビクンビクン
キース「……………………ごほん」
エレン「あ、あれっ」
ユミル「ヒヒッ、聞こえて、ねっダッハハハッ!」
キース「……」ジッ
ユミル「げほげほっ! う、うぅ……くるしいですぅ……」
マルコ(ユミル……)
キース「……仕方あるまい。直接捕らえるぞ」カツカツ
エレン「教官!?」
キース「貴様は捕獲に集中しろ。躊躇えば負けるだ」
エレン「……っ。はいっ!」
アルミン「う、うぅ……どうひて……ぁ、きょうかぁん!!」ダッ
キース「!? と、止まれ、アルレルト!」
アルミン「きょうかぁぁぁぁああああああんんっっ!!!」グォン ガシッ
キース(速い!?)
アルミン「みかさが、みがさがたおれひゃってぇ!!!!」ギュー
ブワァァァァッ
キース「ぐ、ふ……」
キース(まるで……酒樽に顔面から放り込まれたかのような息苦しさ……!! しかし!)
キース「好機ッ、覚悟!!」ヒュッ
アルミン「あ、ぅ……」カクン
キース「イェェガァァァ!! 今のうちに隔離しろッ!!」
エレン「は、はい!!!!」
エレン「アルミン、大丈夫か?」ペシペシ
アルミン「ぅ……ぁ……」
エレン「ほっ……意識はあるな。おぶるぞ、っしょっと……」
キース「くっ……早く、運べ。ここの後片付けは、我々に任せ——」
???「Just a moment キース・シャーディス」ガッ
キース「む、貴様ぁ……!!」ブンッ
???「フッ……」ヒラリ
エレン「ミカサ、目を覚ましたのか!?」
ミカサ「アルミンはミーのもの」ヒュン
キース「ぬぅ……!」ガッ
エレン「はっ?」
キース「何を言っている……」ググッ
ミカサ「ミーにかかれば、ティーチャーをStopさせるのも、ブ、ブレ……ブレックファスト、前」グググッ
エレン「え、なんだって?」
キース「貴様は早く行け!!」ググッ
エレン「あ、はいっ!」ダッ
−廊下
エレン「はっ、はっ、はっ」タッタッタッ
アルミン「ん、んぅ……」
エレン「アルミン? 目を覚ましたのか?」タッタッタッ
アルミン「えれん、ごめん……」
エレン「気にするなって! オレが悪かったんだ……」タッタッタッ
アルミン「え、れん……ごめん……スゥ、スゥ……」
エレン「……寝言か」タッタッタッ
エレン「ん?」タッタッタッ
−食堂
キース「ぐ、ぬうぅ……」ガク
ミカサ「エレーン、アルミーン。マッテいてネ! Now ゴーホーム!」ダッ
ライナー「……」ズゥン
ミカサ「!? ライナー、邪魔をするならユーをキルシュタイン!」
ライナー「アルミン守ル。邪魔ハサセナイ」(式場開演)ズゥン
ミカサ「言葉はノーサンキューね! くらえ、メイデンフィスト!」ゾヌン
ライナー「アルミン守ル。邪魔ハサセナイ」(新婚旅行)ズゥン
ミカサ「な、なんという硬さ……! まるでメイルタイタン!」
ライナー「アルミン守ル。邪魔ハサセナイ」(ハネムーン)ズゥン
キース(よくわからんが助かったと言うべきか)
キース(さて、この二人をどう止めたものか。色んな意味で頭が痛いな……)
ガチャ
ベルトルト「そこまでだ!」チャプチャプ
アニ「そこまでだよ!」チャプン
ミカサ「what!?」
ライナー「Marry!?」ズゥン
ザバァァァァアアア
ミカサ「っぷ……私は何を……。何故濡れているの?」
ライナー「ぶっ、さむっ……なんでビショビショなんだ……」
アニ「意外となんとかなるもんだね」
ベルトルト「うん、エレンとアルミンに擦れ違ったときはどうなるかと思ったけど……」
————……
エレン「ん?」タッタッタッ
アニ「エレン……に、アルミン?」チャプチャプ
エレン「お前ら、どこ行ってたんだよ!」
ベルトルト「うっ……水を汲みに、アルミンに水を被せれば目を覚ますかもってアニが」チャプン
アニ「ちょっと、悪いけどあんまりこっちに近づけないで……」
エレン「お、おう。そうだ、食堂でミカサが暴れてるんだ!」
ベルトルト「えぇ!?」
エレン「今は教官が止めてくれているけど、どれだけ持つかわかんねぇ! その水でアイツの目を覚まさせてやってくれ!」
ベルトルト「わ、わかった!」チャプチャプ
アニ「……あんたはどうするの?」
エレン「ん、オレは大丈夫だ! アルミンを空き部屋に連れて行く!」
アニ「そう、なら水も持っていって。飲ませればマシになるでしょ」チャプ
エレン「おう! ありがとな!」タッタッタッ
————……
ベルトルト「でもまさか、ライナーと一緒に暴れてるとはね……」
アニ「はぁ……」
−宿舎 空き部屋
エレン「ふぅ、よし……」ポスッ
アルミン「んぅ」スースー
エレン「水は起きてからか……? いや、飲ませたほうがいいか」
エレン「アルミン、おいアルミン」ペチペチ
アルミン「ん……エレン……?」
エレン「ちょっと口開けろよー? よっ」
アルミン「ん、んく……」コクッコクッ
エレン「どうだ?」
アルミン「っは……冷たくて、おいしい……」
エレン「水飲みたくなったらすぐ言えよ? 気持ち悪くないか?」
アルミン「うん、だいじょうぶ……ちょっと、あつい……」
エレン「布を濡らすか。待ってろな」
アルミン「うん……」
エレン「っし」ギュー ポタポタ
エレン「ほら、拭くぞー」
アルミン「うん……」
アルミン「エレン、ごめん……」
エレン「? 覚えてるのか?」ゴシゴシ
アルミン「ぼんやりだけど……」
エレン「オレが悪いんだって、気にするなよ」
アルミン「……ありがと……」
エレン「そのかわり、あとでお前に聞きたいことがあるんだ」
アルミン「ききたい、こと?」
エレン「ま、今は寝てろ」
アルミン「うん……ありがとう……スゥ……」
エレン「……今更だけど、罰則怖ぇな……」
チュンチュン チュン、チュチュンチュン
−翌朝
エレン「ふあぁ……寝ちまったのか……」
エレン「あれ、アルミン? アルミン!?」ガバッ
ガチャ
アルミン「あ、おはようエレン」
エレン「び、びっくりさせんなよ! どこ行ってたんだ!!」
アルミン「ごめん、顔洗いに行ってたんだ」
エレン「身体は大丈夫か? 頭痛かったりしないか?」
アルミン「うん、大丈夫。もう平気だよ」ニコ
エレン「お、おう。ならいいんだけど……すげぇな……」
アルミン「? 何が?」
エレン「いや、なんでもない」
エレン「報告、しにいくか」
アルミン「うん」
ガチャ
エレン「……」スタスタ
アルミン「……」トテトテ
エレン「……」スタスタ
アルミン「エレン、僕に聞きたいことがあるんじゃないの……?」
エレン「覚えてんのかよ! ……あとでいい」フイッ
アルミン「……わかった」クス
結果だけを言えば、アルミンに罰則は下らなかった。
オレが主犯。ミカサとライナーが共犯ということで名乗りをあげたが、
アニとベルトルト、それにマルコとユミルも協力者として加担したと名乗りをあげた。
オレの下らない嫉妬のせいで、こんなに大勢の人を巻き込んでしまったのが恥ずかしい。
オレは訓練場全体の清掃を半年と、一ヶ月間訓練が成績に反映されないという罰を受けた。
ま、これは覚悟していたから受け入れられたけれど……。
ライナー「エレン、手が止まっているぞ……」グワングワン
ミカサ「早く終わらせなければ、食事も抜かれてしまう……」ズキズキ
ミカサとライナーも、訓練場全体の清掃を三ヶ月の罰になった。
そして二人とも、アルミンの近くに居すぎたせいで二日酔いになってしまったみたいだ。
アニ「ほこりっぽいね……」
ベルトルト「アニ、上のほうは任せて」
アニ達はライナーとミカサの暴走を止めたとして、二ヶ月間倉庫の整理と清掃当番まで罰が軽くなった。
ユミル「なんで私まで……」
マルコ「自分から名乗ったんだ、文句言うなよ……」
ユミル「んなのわかってるっつの!」
クリスタ「ユミル、私も手伝うから……」
ユミル「いいんだよ、これは止められなかった私への罰だからな」
ユミル達は厩舎の清掃を二週間。
二人は協力したわけでもないのに、本当に申し訳ないことをしてしまったと思う。
アルミン「エレン、こっちの窓終わったよー」
エレン「お、おい! 休んでろって言ったろ!」
アルミン「いいんだ、僕がしたいんだから」
アルミンは、自分にも責任があるといって聞かずにオレの手伝いをしてくれている。
はぁ、こんなはずじゃなかったのにな……。
エレン「なぁ、今、聞いてもいいか?」
アルミン「? ああ、うん。いいよ」
エレン「どうしてオレと訓練組んでくれないんだ?」
アルミン「えっ……」
エレン「ミカサとは一緒に訓練してるのに、なんでオレじゃ駄目なんだ?」
アルミン「駄目ってわけじゃ……」
エレン「なら、なんでだよ……てっ手紙読んだくせに!!」
アルミン「ぷっ……ふふっ……」
エレン「こ、このっ! 笑うなって!」
アルミン「ごめんごめん。でも、あの手紙を貰ったからかな」
エレン「えっ!?」
アルミン「僕、エレンとミカサに嫉妬してばっかりだったんだ」
アルミン「こんなに弱くて臆病者な僕に、二人はいつも気にかけてくれる」
アルミン「それが悔しかった……。とてつもなくね……」
アルミン「キミ達の強さが羨ましくて、妬んで、どんどん自分が嫌いになった」
アルミン「こんな僕が、二人の隣を歩いていいわけがないんだって、そう思ってた」
エレン「……」
アルミン「でも、エレンがあの手紙をくれたときに僕の考え方は変わった」
アルミン「エレンの素直な気持ちを真っ直ぐにぶつけられた気がして、僕は本当に臆病者だったんだなって思い知ったんだ」
アルミン「でも、ここでエレンに甘えてたら、また僕はキミに嫉妬してしまう」
アルミン「だからミカサに頼んだんだ。僕が自信をもてるまで、僕が素直な気持ちでエレンに返事ができるように」
アルミン「隣を歩けるくらい強くなって、初めてエレンの事を頼りたい。ってね」
アルミン「ミカサは、僕が嫉妬していることをわかってくれていたみたいだしね……」クス
エレン「な、なんだよそれ……」
アルミン「エレン、僕たちは似てるんだ」
エレン「似てる? お前とオレとミカサがか?」
アルミン「うん、似てるよ」
アルミン「自分にないものを相手に見出して、勝手に嫉妬して、頑固になってる」
エレン「ん〜そうかぁ……?」
ミカサ「二人とも、何を話しているの」
エレン「おわぁっ!? いきなりでてくんなよ!!」
ミカサ「ごめんなさい……」
アルミン「僕たちは似たもの同士だねって話してたんだ」
ミカサ「うん、よく似ている」
エレン「はぁ!? どこがだ!?」
ミカサ「エレンは、アルミンに頼られる私に嫉妬している」
ミカサ「アルミンは、私達の強さに嫉妬している」
ミカサ「私は、二人の仲の良さに嫉妬している」
エレン「何言ってんだよ、別にお前を仲間はずれにしてないだろ?」
ミカサ「そういうことではない」
ミカサ「アルミンが私に頼んだのは、エレンに頼むのが恥ずかしかったから」
アルミン「ちょっ、ミカサそれ秘密って!!」
ミカサ「エレンは直接アルミンに聞くのが恥ずかしくてお酒を飲ませた」
エレン「お、お前な!!」
ミカサ「いつも近くにいるのに、伝え方は遠回し。とても似ている」
エレン「うぅ……」
ミカサ「そんな二人が羨ましい」ニコ
アルミン「ミカサ……」
ライナー「おーい、報告に行くぞ! 遅くなるとサシャに全部食われる!」
エレン「!? まずい、早く行くぞ!」ダッ
アルミン「あっ、待ってよエレン!」タッ
ミカサ「……アルミンは気付いていないだけ」ボソ
アルミン「何か言った?」
ミカサ「ううん、何にも」フルフル
エレン「おい、早くしろよー!」
ミカサ「アルミン、急ごう」ガシッ
アルミン「え、うわあぁっ!?」
エレン「おお、速い……おわあっ!?」
ミカサ「エレンも急ごう」ブォン
アルミン「ひあぁぁああああ!!はや、はやいからミカサぁぁ!!」
エレン「うぉぉおおおお!! おいっ下ろせっっ!!」
ミカサ「アッカーマン立体機動モード」ビュン
エレン「馬鹿野郎っ! スピードあげんなぁっ!!」
アルミン「ぁっ……ぁっ……」ブラーン
エレン「あ、あるみぃぃいいいいんんっっ!!」
ライナー「男二人を担いで走るなんて、あいつにしか出来ないな……」
—おしまい—
—おまけ—
ハンネス「おっ、お前ら! この前は大変だったみたいだな!」
エレン「あぁ、ハンネスさんか……」
ハンネス「相変わらずかわいくねぇ態度だな! 土産持ってきたってのに」
ミカサ「お土産……?」
ハンネス「アルミンが酔っ払って問題起こしたんだろ? ならこのノートの出番だ」
『〜アルミン・酔わせルトについて〜』 著:グリシャ・イェーガー
ミカサ(また、これか……)
エレン「なんでハンネスさんがこんなのを!?」
ハンネス「いやぁ、昔な、酔った勢いでアルミンに酒を飲ませちまってよ」
ハンネス「そのときに一騒動あってグリシャ先生に見てもらったってわけだ!」
ミカサ「エレン、中身を」
エレン「ああ」ペラッ
〜現在公開可能なアルミン・酔わせルトの情報〜
1.アルミン・アルレルトに酒を摂取させた場合、注意すべきことがある。
それは、飲ませたアルコールに比例した濃度のアルコール成分を撒き散らし、
周囲の人間を、まるで酒を飲んだかのような症状を発症させる。
エレン「こ、これ……」プルプル
ハンネス「どうだ、役に立ちそうだろ?」
エレン「こんなのあったんなら早く渡せよぉ!!」ピィィ
ハンネス「うおっ、なんだお前泣き出して!?」
ミカサ「エレン、落ち着いて……」
ミカサ(ハンネスさんがお酒を飲ませた……はっ!?)
ホワホワホワ...
——ミカサの脳内3rd——……
ハンネス『ほらアルミン、もっと飲め飲め! がははは!』
アルミン『も、もう飲めません……』トローン
ハンネス『んー? そんなこと言っていいのか?』サワッ
アルミン『っ……! ダメですハンネスさん、そんな……』
ハンネス『今日は帰さないぜ……』サワサワ
アルミン(エレン、ミカサ……助けて……!)グスッ
——ミカサの脳内3rd——……
ミカサ「ハンネスさんのケダモノ!!」ズサッ
ハンネス「おいっ、どうしてそうなる!!」
エレン「うわぁぁ……アルミンごめぇん……」ピェェ
ミカサ「エレン、ケダモノから離れて!!」
アルミン「あれ? 二人ともどうしたの?」トコトコ
ミカサ「!? アルミン、来ては駄目!!」バッ
アルミン「えっ!? 何!?」
ハンネス「おお、アルミン! お前からも言ってくれ! オレは何もしていないんだ!」
アルミン「何をですか!? というかエレンはなんで泣いているんですか!?」
エレン「アルミ、ぐすっ、ごめん、ごめん……」ギュゥ
アルミン「一体……何が……」ギュゥゥ
ハンネス「エレンはわからんがミカサが勝手に想像してだな……」ソッ
ミカサ「アルミンに触れては駄目!」チャキ
ハンネス「」
ミカサ「ハンネスさんは命の恩人……でも、アルミンを守るためなら!!」
ハンネス「お、おい! ミカサ落ち着くんだ! や、やめっやめろぉぉおおおおおお!!!!」
アルミンの必死の説得で、ハンネスさんの誤解はなんとか解けました。
—おしまい—
終わりです。最後まで読んでくださった方、ありがとう。お疲れ様です
エレンがアル中にならなかったのは、単純に長い間一緒に居たことで抗体ができたからです
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