ぬ~べ~「2chが閉鎖されていない…?む!この妖気は!!」 (84)

ぬ~べ~「今日が夏休み最終日で明日から出勤かぁ。本当大人になると時間が経つのが早く感じるな」ゴロゴロ

ぬ~べ~「と夏休みを惜しんでも特にやることなかったから終わっても平気だなぁ。くぅー!恋人のいない独身は辛いぜ」ゴロゴロ

ぬ~べ~「広たちはどうせ今頃必死こいて宿題やってるだろうし。ゆきめ君はバイト。当然リツコ先生からもお誘い無し。おまけに金も無いからパチンコにも行けん…」ゴロゴロ

ぬ~べ~「あー暇だなー」ゴロゴロ

ぬ~べ~「…やれやれ。久しぶりに2chで時間を潰すか」

ぬ~べ~「今日が夏休み最終日で明日から出勤かぁ。本当大人になると時間が経つのが早く感じるな」ゴロゴロ

俺「と夏休みを惜しんでも特にやることなかったから終わっても平気だなぁ。くぅー!恋人のいない独身は辛いぜ」ゴロゴロ

ぬ~べ~「広たちはどうせ今頃必死こいて宿題やってるだろうし。ゆきめ君はバイト。当然リツコ先生からもお誘い無し。おまけに金も無いからパチンコにも行けん…」ゴロゴロ

俺「あー暇だなー」ゴロゴロ

ぬ~べ~「…やれやれ。久しぶりに2chで時間を潰すか」

ぬ~べ~「ははは!夏休み最終日ってこともあり学生諸君の阿鼻叫喚スレがたくさん立ってるな」

ぬ~べ~「クソワロタ……っと」カチャカチャ

ぬ~べ~「ん。おっ!エロ画像スレが立っているじゃないか!うひょー!」カチャカチャ

ぬ~べ~「全くこれだから2chは辞められないよ。おっ!この画像はゆきめ君と同じ女子高生ぐらいか!?保存しよう」

ぬ~べ~「む?『2chが閉鎖するからあうろり画像スレ』…?」

ぬ~べ~「教師という職業柄ロリ画像はあまり見ないようにしていたが…2chが閉鎖するというスレタイには興味がある」

ぬ~べ~「ふむ。開いてみよう」カチ

ぬ~べ~「ほほう…最近の若い子は発育が著しいな…///」

ぬ~べ~「っていかんいかん!俺は腐っても教師だぞ!このようなロリ画像は……!///」鼻血ダラー

ぬ~べ~「おっ!これは動画か!?よし再生だ!!!!」

~10分後~

ぬ~べ~「くそ!まだ再生されない!どれだけ低スペックなのだ、俺のパソコンは!」

ぬ~べ~「まだしばらくかかりそうだな…。ふむ。一眠りして待っていればいいか」ゴロン

ぬ~べ~「どんな動画かワクワクするな!」

ぬ~べ~「う~んむにゃむにゃ…zzz」

ヒタ…

ぬ~べ~「違うんだゆきめ君これは男のサガって奴だよ…zzz」

ヒタ…ヒタ……
大口を開けて眠るぬ~べ~の枕元へかつて退治した妖怪がヒタヒタと湿った足音を鳴らして近付いている。

その妖怪の頭部には鬼の手によって傷付けられたであろう傷が生々しく残っていた。

「……て…さい」

ぬ~べ~「むにゃむにゃ…zzz」

「起……て…い」ユサユサ

ぬ~べ~「う~ん。あまり体を揺らさないでくれよ…」

「鵺野先生~!起きて下さい~!」ユサユサ

ぬ~べ~「ん…?ってゆきめ君!?!?」

ゆきめ「もう~!先生ったらいつまで寝てるんですかぁ!」

ぬ~べ~「わ!わ!わ!な、なんでゆきめ君が俺の部屋にいるんだ!?!?」

ゆきめ「んもう~!何言ってるんですか。先生が夏休み明けのプリントが間に合わないから手伝ってくれって言ったからいるんじゃないですかぁ」

ゆきめ「それで少し疲れたから私にコーヒーを作るように言ってその間仮眠取るって言ってたじゃないですか。ほ~ら!キンキンに冷たいコーヒーが出来ましたよ」

ぬ~べ~「え…?あ、ありがとう」

ぬ~べ~(あれ…?俺ゆきめ君呼んだ覚えがないぞ…それに夏休み明けのプリント?全部終わらせたつもりだ…)

ゆきめ「さっ!先生起きて下さい……ってあー!先生ったら掲示板見てサボってるー!」

ぬ~べ~(掲示…板……。あー!!!)

ぬ~べ~「そ、その動画は違うんだ!!ゆきめ君!!!見たことを忘れてくれぇ!!」

ゆきめ「もう!深夜12時過ぎちゃってるんですから掲示板なんて見ないでさっさと済ませちゃいますよ。さっ閉じますよ」カチカチ

ぬ~べ~(あ…あれ?ゆきめ君がエロ動画に嫉妬していない?)

ぬ~べ~(いや待てよ!深夜12時を過ぎてるだと!?ということは今は9/1か!?)

ぬ~べ~(おかしいぞ…なんで今ゆきめ君は掲示板を見れるんだ…)

ぬ~べ~「ちょっとすまない!ゆきめ君!!」

そう言ってゆきめからマウスを奪い画面を覗くとエロ動画は無かった。そしてさらに『2chが閉鎖するからあうろり画像スレ』というスレタイもなかった。

ぬ~べ~(2chが閉鎖していないだと!!!!!!!)

驚きを隠せないままぬ~べ~はVIPのスレ一覧を見た。

ぬ~べ~(なんなんだ…!いつもと変わらないスレタイばかりじゃないか!それに2chが閉鎖するという雰囲気もない!)

ぬ~べ~(何かがおかしいぞ…俺は確かに全てやることを済ませてVIPを見てエロ動画を再生させてから一眠りしていたはずだ!)

ゆきめ「鵺野先生…?」

ぬ~べ~(いや…おかしいのは俺か……?なんだろう…確かにゆきめ君を呼んだ記憶があると言えばある…)

ぬ~べ~(ではさっきのは夢だったとでも言うのか…?そういえば、ゆきめ君を呼んだ要件は…要件は…。あっ)

ぬ~べ~「あぁー!なんでもっと早く起こしてくれないんだよー!これじゃ朝までにプリントが終わらないじゃないかー!」アセアセ

ゆきめ「あぁ…良かった。いつもの鵺野先生ですね」

ぬ~べ~「あー!間に合わないじゃないか~~~」

ゆきめ「大丈夫ですよ先生///今夜はゆきめが朝までず~~~っと一緒にいますからプリント一緒に作りますよ///そして子供まで作り」

ぬ~べ~「いてて!自分の腕を枕の代わりにしていたから左腕が痛い!ゆきめ君ちょっと左腕を冷やしながら揉んでくれないか」

ゆきめ「……ちぇ。はぁ~い」

ゆきめ「いつの間にか枕を吹っ飛ばして自分の左腕を枕にするなんて本当先生ったらガサツなんだから」モミモミ

ゆきめ「でもそんな先生でも私一生付いて行きますからね///……って先生?」

ぬ~べ~「……………」

ゆきめ「先生…?どうしたんですか?自分の左手を怖い顔で見つめて」

ぬ~べ~(鬼の手が無くなって普通の人間の手になってる………だと)

チロッ

ぬ~べ~の左手はいつもの黒い手袋は無く、肌色の健康的な人間の左手になっていた。

ゆきめ「どうしました?先生」

ぬ~べ~「ゆきめ君…俺の左の鬼の手に何かしたか……」

ゆきめ「鬼の……手?」キョトン

ぬ~べ~「あぁそうだ!!これはどういうことだ!鬼の手が無くなっているじゃないか!!!」

ゆきめ「ごめんなさい…ちょっと先生の言っている意味が分かりません…」

ぬ~べ~「言っている意味が分からない!?鬼の手だよ!鬼の手!この左手に宿っていただろう!!!」

ゆきめ「えっと……先生の左手はずっと普通の人間の手ですけど…」

ぬ~べ~「何…………」

ぬ~べ~(さっきから何かがおかしいぞ!!!閉鎖するはずだった2chは閉鎖せず、呼んでいないはずのゆきめ君が俺の家にいる!!!)

ぬ~べ~(そして何より!!!俺のこの鬼の……手が………。あれ?鬼の手ってどんな形していたっけ…)

ぬ~べ~(なんだ…思い出せない……!俺は確かにこの左手に鬼を宿していたはずだ…なのに鬼の手がどのような物だったか思い出せない…)

ぬ~べ~(いやそもそも鬼の手という物自体存在していたのだろうか……?俺は童守小5-3組の霊能力教師、鵺野鳴介……)

ぬ~べ~(あれ?いままで俺どうやって生徒たちを守っていたのだろう……)

ゆきめ「先生…?」

ぬ~べ~「あぁ…すまないゆきめ君。どうやらまだ寝ぼけているみたいだ。早く済ませよう…」

ゆきめ「は…はい」

「くくく…」

かつての報復か。混乱するぬ~べ~をその妖怪は遠くから嘲笑っていた。

ぬ~べ~(ゆきめ君とは違う微かな妖気は漂っている…それにこの妖気は俺が鬼の手とやらで無に還したはずの妖気だ…)

ぬ~べ~(確かに戦った。…だがなんなんだこの奇妙な感覚は…!)

ぬ~べ~(こいつは『過去』に戦った妖怪じゃない!!『未来』で戦った妖怪だ!!!!!)

~9/1朝のホームルーム~

ぬ~べ~「よーし!お前らちゃ~~~んと宿題はしてきたんだろうな~!」

教室を見渡すと生徒たちは皆、目の下に隈を蓄えていた。

広「ぬ~べ~宿題出し過ぎだってば~~!俺なんかが終わる訳ねーじゃん!」

響子「開き直り過ぎだってば広…」

ぬ~べ~「はぁ…全くお前は相変わらずだな…。よ~しこれじゃあ回収するぞー!後ろから回してくれ」

ぬ~べ~「……す、すまないお前たち!!ちょっと手を止めて聞いてくれ!」

美樹「ん?改まってどうしたのよぬ~べ~」

響子「どうかしたの?ぬ~べ~」

ぬ~べ~「少し変と思うだろうが素直に聞いて答えてくれ…」

ぬ~べ~「俺の左手を見て何か違和感……あるか?」

そう言うとぬ~べ~は肌色の至って普通の左手を上げた。

美樹「普通の左手じゃない」

まこと「特に怪我も無いいつも通りのぬ~べ~先生の手なのだ」

響子「えぇ。至って普通よ」

広「どうしたんだ?ぬ~べ~」

生徒たちは鬼の手では無い普通の人間の左手となったぬ~べ~を見ても何も疑問に思った様子ではなかった。

ぬ~べ~「そうか…ならばいいんだ…」

そう言ってぬ~べ~は自身の左手を見つめた。

響子「ぬ~べ~…?」

~放課後~

ぬ~べ~は一人閑散とした5-3の教室にいた。

ぬ~べ~(全てがおかしい!!!ゆきめや生徒たちはともかく、俺ですら鬼の手とやらが無い自分を受け入れてしまっている!!!)

ぬ~べ~(これは一種の集団催眠術なのか…!?いや違う…俺が昨晩全ての仕事を済ませて2chを開いて動画を見ていたのは確かな事実だ!!)

ぬ~べ~(だが仕事が終わらずにゆきめ君を呼んだこともまた事実だ!!)

ぬ~べ~(くそ…訳が分からない…)

(くくく……悩んでるな…苦しんでるなぁ。いいぞぉ…もっと悩め、苦しむがいい)

妖怪は嘲笑う。

ぬ~べ~(くそ…さっきから鬱陶しい妖気を放つあの妖怪が原因なのは分かっているんだ!それに戦ったこともあるんだ!)

ぬ~べ~(…だが戦ったのは『未来の自分』…悔しいが現在の俺ではこの妖怪の正体が掴めない。これではこちらも手が出せない…!)

(知ってるはずなのに正体が分からない…。くくく…悔しいだろう…歯痒いだろう…!)

ぬ~べ~「南無大慈大悲救苦救難…そこにいる妖怪よ!正体を示せ!!!」

シーン

ぬ~べ~(やはり駄目だ…この妖怪は単純な経文なんぞ通じない。何かとてつもない大きな壁で身を隠してやがる…)

ぬ~べ~(そう…その大きな壁を突き破るには……)

そしてぬ~べ~は左手を見つめる。

ぬ~べ~(現在の俺の記憶には無い鬼の手とやらの圧倒的な霊力が必要なのだろう……!!)

ぬ~べ~(だが今の俺の左手は何の変哲のない人間の手だ………)

ぬ~べ~(ふふふ………完敗だよ)

ぬ~べ~は…………短く笑ってみせた。

(ひゃー!ひゃひゃひゃひゃ!!諦めたか!?鬼の手が無いことに絶望したか!?)

(苦労したんだぜぇ?お前が鬼の手を持っていない『パラレルワールド』を探したのは…!何千何万という次元の壁を超えて見つけた鬼の手を持っていない唯一の世界だ!!)

(たっぷり味わいな…。今度は『稲葉響子』とやらを助ける為にこの俺を無に還そうとしたあの時のようにはいかないがな…)

妖怪はかつて『未来』で鬼の手に傷付けられた頭の傷を撫でて笑ってみせた。

響子「ねぇぬ~べ~。今日のぬ~べ~変だったよ…。それにこの教室で今何しているの?」

ぬ~べ~「!!」

ぬ~べ~「響子……!」

ぬ~べ~「ふぅ…どうしたんだ?もう放課後だから帰らなきゃ駄目だぞ」

ぬ~べ~は冷静を装った。

響子「今日のぬ~べ~絶対おかしいよ…。まるで別人みたいだよ」

ぬ~べ~「はっはっはっ!何もおかしくなんてないぞ響子!ぬ~べ~先生はいつだってこの通り元気さ!」

響子「無理しないで!!!!!私はぬ~べ~クラスの生徒だよ!?先生が苦しんでるぐらい分かるよぉ!!!」

ぬ~べ~「…………」

ぬ~べ~「……俺は良い生徒を持ったな。ありがとう響子」

ぬ~べ~「お前の言う通りだ。今俺は正体の分からない妖怪に取り憑かれている」

響子「正体……ぬ~べ~でも分からないの…?そんな………凄い妖怪なの…?」

ぬ~べ~「あぁ……恐ろしい妖怪だ。無敵と言っても過言ではないだろう」

響子「そんなぁ……ぬ~べ~」

ぬ~べ~「………」

響子「いつもの霊水晶と白衣観音経使っても駄目…?」

ぬ~べ~は響子のその言葉がまたも気になった。
ぬ~べ~は藁をも縋る思いで聞く。

ぬ~べ~「いつもの霊水晶と白衣観音経…………響子そのことについて質問していいか?」

響子「え?う、うん。いいよ」

ぬ~べ~「本当に『いつも霊水晶と白衣観音経』………だけだったか?」

響子「どういう…意味?」

ぬ~べ~「そこに俺の左手……つまり鬼の手はなかったか?」

響子「鬼の手…?なにそれ…」

響子「あっ。もしかして今朝ホームルームで私たちに左手を見せたのと関係あるの?」

ぬ~べ~「あぁ。大いに関係ある。頼む響子。思い出してくれ!俺の左手を思い出すんだ!」

響子「鬼の………」

響子「手…………」

ぬ~べ~「そうだ。鬼の手だ」

響子「駄目…鬼の手なんて分からないよ…」

ぬ~べ~「そうか。本当に思い出せないんだな?」

響子「思い出すも何もそんな手自体ぬ~べ~にはないよ!」

ぬ~べ~「なるほど…。存在自体していない………か」

ぬ~べ~「ありがとう響子。少しだけだが妖怪の正体に近付けたかもしれない」

響子「何か分かったの…!?」

ぬ~べ~「ほんのちょっとだけ…な」

仕事を済ませて9/1日に閉鎖する2chを開いて動画を見ていた自分。
仕事が終わっておらずゆきめと一緒に作業していたが9/1日に閉鎖するはずだった2chを見てサボっていた自分。

……全て事実だ。

鬼の手を持ち生徒を救っていた自分。
鬼の手を持たず生徒を救っていた自分。

……全て事実だ。

そして現在の自分はそれぞれが合わさった存在。

導かれる答えは……!

ぬ~べ~「パラレルワールド……に飛ばされた」

ぬ~べ~「そうとしか考えられない…!!!」

パラレルワールド…つまり平行世界の自分との融合だ。

ぬ~べ~「そしてパラレルワールドへ飛ばすことの出来る妖怪は……!!!」

ぬ~べ~「『枕返し』と呼ばれる妖怪だ!!!!」

ぬ~べ~「100%の確証はない…だがもうこの妖怪以外には考えられん」

ぬ~べ~「鬼の手を持つ『基本世界の俺』を殺す為に鬼の手を持たない『平行世界の俺』へと飛ばした…少々強引だがそう考えれば全て納得出来る」

響子「枕……返し…」

ぬ~べ~「そう。枕返しだ!現在の俺は出会ったことはないが未来で俺と出会っていたのだろう」

ぬ~べ~「全く迷惑な奴だな。未来の俺に勝てなかったから何も知らん過去の俺へ報復に来たのだろう」

ぬ~べ~「だが参ったな…正体が枕返しと分かったとしても鬼の手とやらを持たない今の俺には……」

ぬ~べ~「奴を包んでいるのは次元の壁だ。だがらこそ経文ではなく鬼の力で突き破らなければ太刀打ち出来ない」

ぬ~べ~「それに今の俺は鬼の手とやらに関する情報の全てが抜けている」

響子「……」

ぬ~べ~「何か鬼の手に代わる強力な霊力を探さなくては…」

響子「ねぇ……ぬ~べ~」

もし寝落ちしたら明日また立てていい?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月08日 (水) 10:48:48   ID: VaDZ30Im

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