千川ちひろ「智香ちゃんの担当プロデューサーさんが、今は入院中でしょ?」
智香「あ、はい……」
ちひろ「その間の、代理のプロデューサーさんなのよ」
智香「それはわかりますけどっ……」
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若林智香(17)
http://i.imgur.com/Ss3Wgie.jpg
http://i.imgur.com/XuIw5dO.jpg
http://i.imgur.com/yNgMer8.jpg
http://i.imgur.com/CRXlAqN.jpg
智香「このプロデューサーさんって……お猿さんじゃないですかっ!?」
猿P「キーッ! キキーッ!」ポカポカ
智香「きゃっ! ば、バナナでアタシの頭を叩かないでくださいっ!」
ちひろ「落ち着いてください、プロデューサーさん。まだ智香ちゃんも戸惑ってるだけなんですから、ここはひとつ音便に」
猿P「キキッ」スッ
智香「うう……ちひろさん、アタシこのプロデューサーさんとうまくやっていく自信ありません」
猿P「キッ?」スチャッ
智香「きやっ! ま、またバナナを構えてますよっ!」
ちひろ「智香ちゃん、アイドルはプロデューサーさんを信じて任せてこそトップアイドルが見えてくるものなのよ」
智香「それはわかりますけどっ……」ジー
猿P「キッ?」
智香(うまくやっていける自信、ないなあ……)
佐久間まゆ「智香ちゃんのプロデューサーさん、入院中なんてすってねぇ」
智香「うん……幸いそんな大事じゃないみたいなんだけど……」
まゆ「?」
智香「その間の、代理のプロデューサーさんが……」
猿P「キキッ!」
まゆ「? どうして事務所に、お猿さんがいるんですかぁ?」
智香「あ、プロデューサーさんおはようございますっ」
猿P「キッ!」ヨオ
まゆ「えぇ? もしかして代理のプロデューサーさんって……」
猿P「キッ」スッ
まゆ「えぇ? あ、名刺ですかぁ? 若林智香担当プロデューサー、猿谷猿丸さんですかぁ」
猿P「キキッ!」ビシッ
まゆ「これはご丁寧にどうもぉ。佐久間まゆです、よろしくお願いしますねぇ」
智香「……なんかまゆちゃんには、礼儀正しいなあ」
猿P「キッ!」スチャッ
智香「も、文句じゃありません。ありませんから、そのバナナはしまってくださいっ!」
猿P「キー……」シブシブ
智香「なんで残念そうなんですかっ!?」
猿P「キキィ、キッキー♪」ゴシゴシ
まゆ「鼻歌まじりに、バナナを磨いてますねぇ」
智香「それよりプロデューサーさんっ! 今日は、どうするんですかっ?」
猿P「キキッキー!」ズンタタズンタタ
まゆ「わぁ、すごい身のこなしですねぇ」
智香「もしかして、ダンスレッスンですかっ?」
猿P「キー!」パチパチ
智香「えへへっ☆ ダンスならアタシ、自信がありますよっ! いつもチアで鍛えてますからねっ」
猿P「キー……」フーン
智香「今日はどの曲でレッスンするんですか?」
猿P「キッ!」スッ
智香「このCDですか? ええと……お猿のかごや……童謡じゃないですかっ!」
猿P「キキッ!」ポカポカ
智香「きゃっ! わ、わかりました。やります! やりますからっ!!」
猿P「キー」スッ
智香(うう……プロデューサーさん、はやく帰ってきてください……)
BGM『えーっさえーっさえっさホイさっさ♪ お猿のかごやだホイさっさ♪』
智香「えっと……こうかな?」タンタンターン
猿P「キーッ!!」ポカポカ
智香「きやっ! ば、バナナはやめてくださいよっ」
猿P「キー」スッ
智香「今の……どこが悪かったんですかっ? そんなに怒るんなら、ちょっとお手本を見せてくださいよっ!」ムスー
猿P「キーキー」コクコク
BGM『えーっさえーっさえっさホイさっさ♪ お猿のかごやだホイさっさ♪』
猿P「キーキー、キキー♪」ズダダダダダタタズダダダダダダダダンッ
智香「えっ……す、すごいっ!」
猿P「キキッキー♪」グルグルグルグル
智香「片手で体重を支えながら、回転を……まるで人間の動きじゃないみたい!!」
猿P「キッ」パンパン
智香「ラストは両手で体重を支えながら逆立ちをして、足で拍手してフィニッシュ……」
猿P「キキィ?」ドヤ
智香「ごめんなさいプロデューサーさん、アタシ……自分のダンスに慢心してましたっ」
猿P「キイキイ」コクコク
智香「今のプロデューサーさんのダンスを見て、悟りました。アタシ、もっともっとダンスを磨きますっ☆」
猿P「キイイー」スチャッ
智香「きゃっ! またバナナをかまえ……あれっ?」
猿P「キイ」スッ
智香「あの……もしかしてこのバナナ、アタシにっ?」
猿P「キー」コクコク
智香「ありがとうございますっ! えへへ……なんだか初めて、このプロデューサーさんと心が通じた気がするなっ☆」
智香(うんっ☆ そう考えると、言葉は通じなくても目を見ていたらなんたか考えていることがわかるような気がしてきたなっ)
『智香……智香……』
智香「あ、あれっ? な、なんだかホントに聞こえないのに、頭の中に声が…………」
『聞こえるか、智香。今、私は智香の脳内に直接話しかけている……』
智香「ほ、ホントにプロデューサーさんなんですかっ?」
『そうだ……智香……私は智香に頼みがあるのだ……』
智香「えっ? あ、アタシにできることなら何でも言ってくださいっ☆」
『ファミチキ……』
智香「えっ?」
『ファミチキ買ってきてください……』
智香「……ユッコちゃんでしょっ!」
堀祐子「えへへ。バレた? でもすごいでしょ、とうとうテレパシーを習得したんだよ」
智香「それはすごいねっ☆」
祐子「相手の考えてることがわかったり、相手の脳内に直接語りかけたりできるんだよ」
智香「あ、じゃあアタシのプロデューサーさんが何を考えてるか、わかるかな?」
祐子「え? 智香ちゃんのプロデューサーさんって、この……お猿さん?」
猿P「キイッ」フカブカ
智香「うんっ。だいぶ仲良くなれたんだけど、やっぱり具体的にどんなプロデュースを思い描いているのか知りたいんだっ☆」
祐子「わかった。ええと……」ムムムムム
智香「どうかなっ? どんなこと考えてるのっ?」
おっちゃん、ゆっこは裕子だ
裕子「……ファミチキ」
智香「えっ?」
裕子「ファミチキ……買ってきて欲しいって……」
猿P「キキー」コクコク
智香「……」
~数日後~
まゆ「どうですかぁ? あれからお猿さんのプロデューサーさんと、うまくやってますかぁ」
智香「うんっ☆ まあ時々、よくわからないことさせられるけど、なんとなく信頼関係ができた気がするんだっ」
ちひろ「そうよ。私だって、伊達や酔狂であのお猿さんにプロデュースをお願いしたんじゃないのよ」
まゆ「そうなんですかぁ?」
猿P「キー」ヨッ
智香「あ、プロデューサーさん。おはようございますっ☆」
猿P「キキキッ」スッ
智香「え? これは……ドラマの台本? え、アタシが出演られるんですかっ!?」
猿P「キイキイ」コクコク
まゆ「わあ。しかもこれ、ちゃんと役名もセリフもありますよぉ」
ちひろ「智香ちゃんの、女優デビューね!」
智香「こんな……アタシにできるんでしょうか……」
猿P「キキキイ」ドン
まゆ「自信満々ですねぇ」
ちひろ「大丈夫よ、プロデューサーさんだって太鼓判を押してくれてるんだから」
智香「はいっ! アタシがんばりますっ☆」
猿P「キキッ」パチパチ
まゆ(それにしてもぉ……こういうお仕事、お猿さんのプロデューサーさんがどうやってとってきてくれるんでしょうかぁ……)
渋谷凛「で? どうして私たちが、あのお猿さんの後をつけてるの?」
まゆ「いったいどんな営業をしているのか、気になるんですよぉ」
三村かな子「あ、テレビ局に入っていくよ」
受付嬢「おはようございま……あらあ! お猿のプロデューサーさん!」
猿P「キッ!」スッ
受付嬢「きゃーっ! いつも美味しいバナナをありがとうねえ」ナデナデ
猿P「キイキイ」クイクイ
受付嬢「あ、どうぞどうぞ、いいから入っちゃってね」
猿P「キッ」ビシッ
凛「あの受付の人、厳しいので有名な人のはず」
かな子「あのバナナ、そんなに美味しいのかな?」ゴクリ
まゆ「まゆたちも、行きますよぉ」
黒井社長「君ィ、次の音楽番組はウチのジュピターを出演してやっても構わんのだがねぇ」
敏腕ディレクター「んー……ジュピターねえ」
凛「あれ……業界最大手961プロの、黒井社長だよ」
まゆ「良くない噂を聞く人ですよねぇ」
かな子「あ、お猿さんのプロデューサーさんが……」
黒井崇男(54)
http://i.imgur.com/9D7mjaa.jpg
猿P「キキィー」ヨッ
敏D「あ、猿ちゃん。どもどもー」
猿P「キッ」スッ!
敏D「んー? この写真……智香ちゃんでしょ? へぇ、夏らしいしスタイルいいから、映えるねー♪」
猿P「キキッキー」ペチペチッ
敏D「そうそう、ここんトコとかいいじゃん。え? 次の番組に?」
猿P「キッキキー」コクコク
黒井「ま、まちたまえ! 次の番組にはジュピターを」
猿P「キッ!?」オッヤルカ
黒井「よおし、ならば営業勝負といこうじゃないかね君ィ。どちらが出演枠を取れるか!」
猿P「キー!」コクコク
黒井「私が勝ったならば、出演は当然ジュピターだ。そして負けた君には……」
猿P「キッ?」
黒井「君には影のプロダクションに入ってもらうよ!」
凛「なんだか燃える展開になってきた」
まゆ「仕事における、男の戦いですねぇ」
かな子「影のプロダンションって、なんだろ……?」
黒井「まずは私だ。君ィ、ジュピターを出演させてくれるなら、これを……」ピラッ
凛「あ、お金」
まゆ「さすがにやり方がきたないですねぇ」
かな子「まさかうちの事務所のプロデューサーさんである、あのお猿さんはそんなことしないよね?」
猿P「キキッ……」スッ
凛「えっ!?」
まゆ「な、なにか渡しましたよぉ!」
かな子「ラッピングしてあるけど、あれは……」
敏D「お、もしかしてこれはいつもの……」ガサガサ
猿P「キー」コクコク
敏D「おお、やっぱりバナナ! これ美味いんだよねぇ。もう、こんなんもらっちゃったら、猿ちゃんトコの智香ちゃんを出演すしかないなあ。ははは」モグモグ
猿P「キィキィ」コクコク
凛「バナナで……」
まゆ「お仕事、ゲットしちゃいましたねぇ」
かな子「あれきっと、バナナも嬉しいけどラッピングが良かったんだと思うよ」
凛「そうなのかな?」
かな子「品物をそのまま渡すんじゃなくて、心を込めたラッピングで包んで渡すって嬉しく感じるもの」
まゆ「それはわかりますねぇ。あ、黒井社長さん、がっくりと膝をついてしまいましたよぉ」
黒井「ノン……リベートや賄賂にも心を込める。教えられたよ猿君、君の必殺技『バナナ包み』に……」
猿P「キィキィ」コクコク
※参照画像『バナナ包み』
http://i.imgur.com/kArgSMs.jpg
黒井「認めよう、今日は私の負けだ。しかし……私は君が欲しくなった。次は君に勝って、君に影のプロダクションに入ってもらうからね」
凛「黒井社長、やり方は褒められないけど……」
まゆ「あの人なりに、仕事にかける情熱はあるみたいですねぇ」
かな子「でも、影のプロダクションってなんだろ?」
その後も……
凄腕ディレクター「え? 海の家のリポートを猿君トコの若林ちゃんに? うーん……」
猿P「キッ」スッ
凄D「しょ、しょうがないなあ。じゃあそのセンで」
辣腕ディレクター「いや確かに、司会の滝川ポリエステルが休んじゃってるんだけど、いきなり代理でアイドルは……」
猿P「キッ」スッ
辣D「……智香ちゃん、明日は空いてる?」
強面ディレクター「私はバナナなどには屈しない! バナナなどで仕事を依頼したりはしないからな!!」
猿P「キッ」スッ
強D「ば、バナナぁ! バナナ、しゅごいぃ!! バナナしゅごいのぉぉぉ!!!」
猿P「キッキッキッ」スッスッスッ
強D「バナナには勝てなかったよ……」
凛「……」
まゆ「……」
かな子「……」
凛「プロデューサー」
凛担当P「ん? どうした凛? この大量のバナナは」
凛「プロデューサーももっと、バナナを活用するべきだと思う」
凛P「?」
まゆ「Pさぁん」
まゆ担当P「どうしたまゆ、この大量のバナナは」
まゆ「まゆ、いーっぱいお仕事をとってぇ、Pさんのお手柄にしてあげますからねぇ」
まゆP「?」
かな子「甘ーい。とろけるー」パクパク
かな子担当P「どうしたんだかな子、この大量のバナナは」
かな子「いやー、なんだか触発されちゃって……」モグモグ
かな子P「?」
卯月「この夏は、ホント智香ちゃんが席巻した感じだったね」
智香「夏や海からパワーをもらって、サバイバルライブもがんばっちゃったよっ☆」
猿P「キキッキッキー」ペチペチッ
智香「はいっ☆ 鍛えたオナカとフトモモも、たくさんの人に見てもらえて嬉しいですっ☆」
卯月「ホントにいいライブだったよね。暑かったけど、その暑さをわすれちゃうような迫力だったよ」
智香「えへへっ☆ うん……それにライブの最中もプロデューサーさんの声……聞こえたかもっ////」
まゆ「良かったですねぇ」
智香「プロデューサーさんとがんばった夏、最高の気分ですっ!」
凛「智香はダンスの腕前も、更に上達したと思う」
かな子「ほんとだよね」
智香「えへへっ☆ 見ててよっ!」
『アーイアイ♪ アーイアイ♪ おさーるさーんだよー♪』
智香「ひゃつほーう☆」ズダダダダダダズダダダダダダダスダダダズダダダズダダダダダダダ
かな子「す、すごい」
凛「動きとキレが前と全然違う」
智香「はっ!」パンパン
まゆ「……でもぉその足で拍手するのは、止めた方がいいですよぉ?」
猿P「! キキッ」クイクイ
智香「あ、生放送の時間ですね。じゃあ、局に行ってきますっ☆」
猿P「キー」バイバイ
凛「事務所で見てるからね」
まゆ「がんばってくださいねぇ」
かな子「ファイトだよー」
3時間後
まゆ「あ、そろそろ智香ちゃんの出番ですねぇ」
かな子「『クイズ!ベギラゴン』の生だったよね」
凛「智香、がんばってるかな」ポチッ
しげる「はい、司会の八つ裂きしげるです。今日は生ということで、回答者である勇者一同緊張してるねえ」
まゆ「あ、始まってますよぉ」
しげる「シンデレラガールズ事務所からの勇者は、この娘……」
かな子「智香ちゃん、がんばれー!」
まゆ「ファイトですよぉ!」
凛「……がんばれ。智香」
しげる「森久保乃々ちゃん!」
凛「あれ?」
猿P「キキッ!?」ガタッ
まゆ「確か、智香ちゃんの出演のはずでしたよねぇ」
凛「乃々じゃなかったはず」
かな子「もしかして智香ちゃん、なにかあったのかな?」
猿P「キッ」ダッ
まゆ「あ、智香ちゃんのプロデューサーさぁん!」
ちひろ「……」
ブーブーエスにて
猿P「キキキッ!」
智香「あ、プロデューサーさん……う、うええ……」
猿P「キー……」ナデナデ
智香「局に来たら、急に出演は取りやめだって。代わりに乃々ちゃんを出演すって……」
猿P「キー!」ゲキオコプンプンマル
熟練ディレクター「あ。猿ちゃん……」
猿P「キキッキー」ポカポカ
熟D「ごめん! ごめんよぉ!! あ、あんたのトコの事務所の新しいプロデューサーってば、強引で!!!」
猿P「キッ?」
乃々「終わったからもう帰ってもいいで……」
ゴリラP「ウホホホホホホッ!!!」ドンドンドンドン
乃々「きゃっ! わ、わかりましたから、歯をむき出して胸を叩いて威嚇するのは、やめてください……あぅ」
ゴリラP「ウッホウホウホウッホッホ」
乃々「え……まだこの後にレッスン……そんな……」
ゴリラP「ウホホホホホホッ!!!」ドンドンドンドン
乃々「や、やります! やりますぅ……ううう……」ポロポロ
智香「あれ、乃々ちゃんの新しいプロデューサーさんっ?」
ちひろ「そうよ。その名もゴリラプロデューサー『赤木剛憲』よ!」
智香「あ、ちひろさん」
ちひろ「お猿のプロデューサーさんが好調だったので、さらにパワーアップしてゴリラのプロデューサーさんを誕生させてみました」
ゴリラP「ウホホホホホホッ!!!」ドンドンドンドン
熟D「ちょ、暴れないでください! し、仕事なら依頼しますから」
ゴリラP「ウホッ」
熟D「うう……仕事を与えないと、暴れるんですよ……」
高垣楓「これが本当のゴリ押しならぬ、ゴリラ押しね……ふふっ」
智香「楓さん、いつの間にっ?」
ちひろ「乃々ちゃんの前プロデューサーさん、あなたがみつけてきた変なゴリラはシンデレラガールズ事務所に必要なプロデューサーになりましたよ……」
ゴリラP「ウホッ」
ちひろ「さあさあ、どんどんドリンクを飲んでどんどんお仕事をもらってきてくださいね」
智香「いや待ってくださいっ! こんなお仕事の取り方って、良くないと思いますっ!!」
ちひろ「いいからドーピングよ!」
乃々「意味がわかりません……うぅ」
猿P「キキッキー」クイクイ
智香「え? プロデューサーさんなんです……え?」
楓「タブレット端末? ネットでゴリラの情報を見ていたのね。ええと……ゴリラは現在保護動物に指定されており、輸出入を含めた国際間の移動は……禁止されている?」
智香「えっ?」
乃々「えっ?」
ちひろ「えっ?」
ゴリラP「ウホッ?」
まゆ「危うくWWFに怒られる所でしたねぇ」
ちひろ「まったく、気をつけないといけないわね」
凛「連れてきたのは、ちひろさんじゃ……」
かな子「すぐに母国へ送り返すことになって、安心したよね」
ケイト「ワタシが手続きを手伝いマスね」
ちひろ「よろしくお願いするわね」
ケイト「まかせてくだサイ! 目は青くてもヤマトナデシコですから」
乃々「それであの、わたしはこのまま引た……」
智香「プロデューサーさんっ! プロデューサーさんが乃々ちゃんも担当してあげてくださいよっ☆」
猿P「キキッ」ドン
まゆ「良かったですねぇ」
凛「うん。一安心」
かな子「これからも乃々ちゃん、がんばろうね」
乃々「あ、あの……その……はうぅ……」
凛「あと最後に」
智香「?」
凛「ちひろさんが熱心に動物図鑑を見てるけど、止めた方がいいと思う」
ちひろ「次はどの動物をプロデューサーさんに……」ブツブツ
智香「ちひろさーんっ!!!」
その夜
?『智香……智香……』
智香「うーんムニャムニャ……あれ? また裕子ちゃん?」
?『智香……私だ……智香のプロデューサーだ……』
智香「えっ? お猿さんの、プロデューサーさんなんですかっ!?」
猿P『そうだ……今夜は智香にどうしても伝えなくてはならないことがあって、こうして智香の脳内に直接話しかけている……』
智香「あの、これってユッコちゃんの力じゃなくてっ?」
猿P『違う……今は私は、パレンケストーンという神聖な石の力で智香の脳内に語りかけている……』
智香「はあ。それでまた用件は、ファミチキですかっ?」
猿P『そうではない……実は私は本当の猿ではない……』
智香「えっ?」
猿P『智香のプロデュースをしていた私は、病に蝕まれてしまった……』
智香「アタシのプロデュースをしていたって……えっ? じゃあ、今まで一緒にいたお猿さんのプロデューサーさんは!」
猿P『そう……智香のもともとの担当P……私だ』
智香「ど、どうして……」
猿P『肉体が危機に陥った私は、パレンケストーンの力で精神だけを猿の姿に変え、チャム……智香を側から見守ることにしたのだ……』
智香「そ、そうだったんですかっ!? じゃあ、プロデューサーさんは入院中もずっと……ずっとアタシ為に……アタシの側に……」
猿P『しかし……それももう終わりの時がきたようだ……』
智香「えっ?」
猿P『もう……この姿ではいられなくなったようだ……』
智香「え、そ、それって、もしかして……まさか……」
猿P『実は……』
智香「プロデューサーさん、もしかして……もしかして……」ポロポロ
猿P『俺、明日退院することになってな』
智香「プロデュ……えっ?」
猿P『そんなわけで、もう猿の姿でいなくても良くなったんだよ』
智香「えっ? そ、そうなんですか」
猿P『じゃあ、明日から出社するから。またよろしく頼むな!』
智香「はいっ! よろしくお願いしますっ☆」
翌日
まゆ「おはようございますぅ。あ、智香ちゃんのプロデューサーさん、お久しぶりですねぇ」
P「やあ。今日から復帰なんだ」
まゆ「良かったですねぇ、智香ちゃん」
智香「うんっ☆ プロデューサーさん、これまで通りよろしくお願いしますねっ」
P「ああ。一緒にトップアイドルめざそうな」
智香「はいっ☆」
まゆ「ところでぇ、あのお猿さんのプロデューサーさんはどうしたんですかぁ」
智香「あ、ええと、そのっ……」
P「あ、か、彼なら故郷の南米に、か、帰ったよ」
まゆ「残念ですねぇ。まゆのPさんほどじゃないにしてもぉ、優秀なお猿さんでしたからぁ」
黒井「な、南米に帰っただとぉ!」
ちひろ「黒井社長さん? 勝手に入られては……」
黒井「ノン! せっかく猿君を陰のプロダクションに入れるために、刺客となるプロデューサーを招いたのに!」
智香「残念でしたっ☆」
黒井「君ィ、どこだ? 南米のどこに猿君はいるんだ!?」
P「え、ええと……ま、マヤの……グリーンヘルだったかなー……」
黒井「よおし、今行くぞ猿君! まってておくれーーーっっっ!!!」
ちひろ「……行っちゃった。良かったんですかプロデューサーさん、あんなデタラメ言っちゃって」ヒソヒソ
P「ま、まあ、大丈夫だろ。それより智香、今日もがんばるぞ!」
智香「はいっ! アタシの元気で今日もファンのみんなを、元気にしちゃいますねっ☆☆☆」
お わ り
以上で終わりです。
本日は若林智香の誕生日で、記念のSSのつもりだってんですが……
と、ともかく智香、誕生日おめでとう☆
このSSまとめへのコメント
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