智香「ひゃっほーぅ☆ プロデューサーさん、アタシの新しい衣装ですかっ!?」
P「ああ。智香の新しい衣装は……これだ!」
智香「……えっ?」
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若林智香(17)
智香「あの……プロデューサーさん、これって……」
P「ああ。今回はドレススタイルだぞ。バレンタインの時の衣装を、さらに進化させてみた」
智香「はあ……」
※参考資料 バレンタインパーティー若林智香R+
http://i.imgur.com/6kFzlrC.jpg
P「きらびやかで、グッと大人な雰囲気になってると思うんだ」
智香「それは……はい」
P「そして、足下にも注目して欲しい」
智香「足下……えっ!?」
P「ハイヒールだ」
智香「は、ハイヒールですかっ!?」
P「期待してるからな、智香」
智香「ハイヒール……かあ」
島村卯月「智香ちゃん、どうしたの? わあ、新しい衣装?」
智香「うん……そうなんだけどっ……」
卯月「?」
智香「動きにくいドレスで、ヒラヒラがたくさんついてて、しかも……」
卯月「え? あ、ハイヒール」
智香「プロデューサーさん、どういうつもりでアタシにこの衣装を用意したのかな、って……」
卯月「うーん。確かに今までの智香ちゃんの衣装の方向とは違うけど、すごく素敵な衣装だと思うよ?」
智香「でもこれだと、動きにくくてダンスできないし……」
卯月「それはそうだけど」
智香「この衣装、どういう意味があるのかなっ?」
黒川千秋「簡単なことよ」
卯月「え? あ」
智香「千秋ちゃん。プロデューサーさんの意図がわかるのっ?」
千秋「ええ。ダンスは派手な子に任せてきたけれど、智香さんは歌もずいぶんと上達したと思うのよ」
智香「えへへっ! 千秋ちゃんのお陰だよっ☆」
卯月「そういえば二人は、仲がいいんだっけ」
智香「千秋ちゃんにはアタシ、歌い方を教わってるんだっ☆ 千秋ちゃんはとっても歌が上手いんだよ」
千秋「智香さんも、歌声が上達したと思うの。だからこそPさんは、ダンスには向かない衣装を用意して智香さんの歌唱力に期待をしているのよ」
卯月「なるほど」
智香「うーん……そうなのかなあ……」
千秋「そろそろ智香さんも、優雅な身のこなしでしっかりと歌ってもいいと思うわ」
卯月「それでこの衣装、なのかあ」
智香「……」
日野茜「待って待って待ってくださいよー! ボンバー!!」
卯月「あ、茜ちゃん。おはよう」
茜「おはよー!!! アイドルなのにアイドリング無しの全力全開!!! 今日も太陽がまぶしいぞー!!!!!!」
智香「おっはよーぅ☆」
千秋「……元気ね」
茜「はい! 元気があれば、なんでもできる!! 電気がなければ自家発電!!! ぴーかーCHUうううぅぅぅ!!!!!!」
千秋「それはいいから。さっきはなにか、智香さんの衣装について意見がおありのようでしたけど?」
茜「それそれそれ! あのね、智香ちゃん! プロデューサーさんはきっと、智香ちゃんに今以上のポジテイブパッションなダンスを求めてるんだよ、ファイヤー!!!!!!」
卯月「今以上の……ダンス?」
智香「どういうことかなっ?」
茜「この動きにくい衣装! ダンスには向かないハイヒール!」
智香「……うん」
茜「それを身につけていながらも、ダンスを踊ってみろ! これはプロデューサーさんのそういうメッセージだよ。チャレンジャー!!!」
卯月「えっ!?」
千秋「それはどうかしら……」
智香「なるほどっ!」
千秋「納得しないでくださるかしら、智香さん」
卯月「プロデューサーさん、そんな危ないことはさせないよ。きっと」
茜「あえてのダンスしにくい衣装は、きっとメジャーリーグチアリーダー養成ギプス!!! 新しいダンスの可能性をディスカバリー!!!」
智香「この衣装でもダンスが踊れた時、新しいアタシのエンデバーっ!!!」
千秋「パッションの子たちのこういうノリ……ちょっとついていけないわ……」
卯月「智香ちゃん、そのハイヒールでのダンスは本当にあぶないから……」
柳清良「私としても、おすすめできないわ~」
千秋「あら、清良さん」
清良「確かにハイヒールはオシャレで大人なイメージがあるわ。それに、踵が挙上されて足のラインやヒップラインが美しくなるわ」
智香「はあ……」
清良「でも、ちょっとしたことで転んだり足首を捻ったりしてしまうのよ。だからハイヒールでのダンスは、止めた方がいいわ~」
智香「でも……それじゃあプロデューサーさんは、どうしてアタシにこんな衣装を?」
清良「私……気づいた事があるの」
卯月「気づいたこと、ですか?」
千秋「なにかしら」
茜「早く教えてくださいよー! ハリーハリー!」
智香「?」
清良「ハイヒールにこめられた、プロデューサーさんの意図。それは~」
卯月「それは?」
千秋「それは?」
茜「それは!?」
智香「それはっ?」
清良「ハイヒール、つまり高いヒール……癒しいうこと」
卯月「え?」
千秋「え?」
茜「ええーっ!?」
智香「えっ?」
清良「だ、だからその、ハイは『高い』でヒールは『癒す』だから……」
卯月「はあ」
千秋「……」
茜「それは……!」
智香「そうなんですかっ?」
~その頃 高垣楓宅~
矢口美羽「それでですね! その時私も、かいま見えた気がするんです!!! そう、笑神様の姿が……ハッ!?」
楓「どうしたのかしら、美羽ちゃん?」
美羽「今なにか……私がやるべき役割を、誰かにとられちゃったようなそんな気配が……」
楓「?」
清良「ま、まあともかく、私としても智香ちゃんに世界を癒すアイドルになって欲しいのよ~」
卯月(そのまとめ方はどうなんでしょうか……)
千秋(それはいくら智香さんでも……)
茜(お腹すいてきましたね! ハングリー!!!)
智香「……わかりましたっ!」
卯月「えっ?」
千秋「智香さん、わかったの?」
茜「ハングリーって思ったら、ハンバーグが食べたくなってきました! バーガー!!!」
清良「あ、あの」
智香「プロデューサーさんが、どんな意図でアタシにこれを用意してくれたのかはわかんないけど、アタシはプロデューサーさんを信じてればいいんですっ☆」
卯月「まあ……」
千秋「それはそうね」
茜「信じる力! パワー!! 力とパワーで勝負です!!!」
清良「これまでも、そうしてきたわけですものね」
智香「とりあえずアタシ、着てみますっ☆」
智香「どう……かな?」
卯月「うわあ……」
千秋「なんて優雅さ。これは私も負けていられないわね」
茜「……素敵」
清良「ええ。智香ちゃん可愛いし、ロングのドレスもヒールもとっても似合ってるわよ」
智香「そ、そうですかっ?」
卯月「ほらほら智香ちゃん」
智香「えっ?」
千秋「鏡を見てごらんなさいな」
茜「そうそう、ほらほら!」
智香「う、うんっ……」
清良「びっくりするわよ」
智香「これが……アタシっ!?」
卯月「綺麗だよー」
千秋「おとなしい智香さん、本当に淑女よ」
茜「これは私も、うらやましいな!」
清良「素敵よ。にあってるわ~」
智香「ありがとう……」
智香「……でもっ」
卯月「?」
千秋「?」
茜「!?」
清良「?」
智香「やっぱりプロデューサーさん、どうしてこの衣装にしたのか。アタシ、わかんなくって……」
卯月「うーん」
千秋「これだけ綺麗なんですから、それでいいんじゃないのかしら」
茜「そうそう。悩むことないよ!」
清良「ええ」
P「お!? おお、やっぱり似合ってるな、智香」
智香「プロデューサーさんっ!」
P「? どうした、智香」
智香「アタシ……どうしてアタシに、この衣装なんですかっ?」
P「え? 気に入らないか?」
智香「すごく素敵な衣装だとは思いますっ! でも、これじゃあダンスできないし、それってプロデューサーさんアタシにダンスするなって言ってるのかなって……」
P「え?」
智香「じゃあアタシはどうすればいいのかな、って……アタシ、ダンス好きだしそれでみんなを盛り上げたいし、それに……うう……」
P「智香」
智香「え? あ、はいっ!」
P「誕生日、おめでとう」
智香「……え?」
P「回りくどかったかな、智香」
智香「あっ! そ、そうでしたっ!!」
P「誕生日に智香を、素敵に着飾ってやりたかったんだ」
智香「プロデューサーさんっ……////」
P「改めて、誕生日おめでとう。智香」
智香「はいっ! ありがとうございますっ☆」
P「そして実はもうひとつ、智香にプレゼントがある」
智香「? なんですかっ☆」
P「今からライブだ! ファンのみんなに智香のバースデーサプライズだ」
智香「い、今からですかっ!?」
P「駅前をジャックして、ゲリラライブだ。ちゃんと許可は取ってあるから、安心しろ」
智香「は……はいっ////」
卯月「そうだったんだ……」
千秋「私たち、おじゃまだったかしら」
茜「アツアツですね! ファイヤー////」
清良「うらやましいわ~」
P「邪魔なんてとんでもない。ちょうど良かった」
卯月「?」
P「このままこの四人で、智香とライブに出てくれないか」
茜「わあ! 今日は私たちが、智香ちゃんを盛り上げるんですね? コニーデ!!!」
P「どうだ?」
千秋「ダンスは得意ではないけれど、いつものお礼に踊ってさしあげますわよ」
清良「ええ。喜んで」
智香「そ、そんなの悪いですよっ!」
卯月「気にしないで、智香ちゃん」
千秋「そうよ。私も今は、少しずつレッスンしてるのよ」
茜「四人で並んで、バックをつとめますよ! アスピーデ!!!」
清良「任せておいてね」
智香「ありがとう……」
P「智香。前に言ってたろ『いつかアタシもセンターできらめくドレスを着たい』って」
智香「プロデューサーさん、覚えてくれたんですねっ……」
P「ああ。智香、今がその時だ」
智香「……はいっ! みんな、よろしくねっ☆」
卯月「うん。行こう」
千秋「今日は智香さんの、夢のステージなのね」
茜「完全燃焼で盛り上がりますよ! ペジオニーテ!!!」
清良「うふふ~」
智香「みんな、それからプロデューサーさんっ! ありがとう!! 今日はアタシの最高の誕生日だよっ☆☆☆」
お わ り
以上で終わりです。
若林智香の誕生日SSでした。
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