兄「はぁ~…七千払ってまで買ったのに何だよこのゲーム…課金って…」
妹「………」ジー…
兄「まあいいか、キャラゲーだし、こんなもんだろ」
妹「………」ジー…
兄「で、今さっきから何か用なのかお前?」
妹「……私にも貸して」
兄「は?……別にいいけどお前これの原作知らないだろ?やっても面白くないぞ」ス…
妹「いいから…」ポチポチ…
兄「………」
妹「……ふふ、まあいいか…キャラゲーだしこんなもんだろ」ドヤァ
兄「いやいやお前が今選択したのオプションモードだから」
兄「じゃあ対戦するからお前はこっちのコントローラー使えよ」
妹「……色違う」
兄「そんなのどうでもいいだろ、ほら、早くキャラ選べよ」
妹「………」ポチポチ
兄「……いや対戦なんだから俺と違うキャラでいいんだぞ?」
妹「……早く」
兄「あー…まあいっか、じゃあこれでやるぞー」ポチ…
妹「………」
兄「……ロードなっが」
妹「……ロードながすぎ」
兄「だよな、普段ゲームしないお前でもこの長さはやっぱり気になるか」
妹「えっ…ま、まあね」
『何球続ける?』
兄「オラオラオラオラッ!」
妹「っ!?な、なに…?」
『1000球だッ!』
兄「1000球だッ!」
妹「………」
兄「フフ…このラウンドは俺がもらった…」
妹「兄ちゃん…私にも今のやり方教えてよ」
兄「ん?おおいいぞ」
『何球続ける?』
妹「おらおらおらおらッ!」
妹「thank youだ!」ドヤァッ
兄(……ドヤ顔でお礼言われても…)
兄「ていうかお前って結構発音いいんだな、今のセンキューすごいカッコよかったぞ」
妹「……そう…」
兄(やっぱり俺が三週間で辞めた英会話の塾に通っててよかったのかもな…俺が辞めたからこいつも辞めようとしてたけど)
妹「………」ポチポチ…
兄「あんまり楽しくないだろ?もうやめようぜ」
妹「……うん、楽しくない」
兄「だろ?じゃあ今度はお前でも出来そうなの買ってやるよ」
妹「……別に兄ちゃんが好きなゲームでいいけど」
兄「そういうのいいって、今度はお前基準で考えるから」
妹「……別にいい」
妹「………」ジー…
兄(やっぱりゲームのストーリーやるよりも原作読んだほうがマシだわ)
妹「……ねえその漫画面白いの?」
兄「ん?おう、でも絵柄も話もお前には合わな」
妹「いいからかせ」
兄「……あ、はい…でも今友達に貸してるから手元にあるの四部…」
妹「それでいいから貸して!」グイッ!
兄「って!お、おい!」
サラリーマンが女性の手についたソースをベロベロ舐めてるページ
妹「………」
兄「だからやめとけって言ったのに…」
兄「昔っからちょっと怖い要素があるの苦手な癖に変に冒険する所あるもんなあ~お前」
妹「………」
兄「あ、じゃあ久しぶりにホラー映画でも見るか?」
妹「……もう自分の部屋に戻る」
兄「あっそ、でもこれ面白いって俺の友達が言ってたんだよなあ…ホラー映画するな俺が見たら絶対面白いって思うんだろうなあ…」
妹「………」
妹「と、途中で寝ないでよ…」ガタガタ
兄「寝ない寝ない」
兄(結局一緒に見ちゃうんだもんなあ…)
学校
兄「で、また妹が大泣きして母ちゃんに俺が怒られたんだよ」
友「あはは、相変わらず可愛らしさのかたまりじゃないか、妹ちゃん」
兄「でも格ゲーやっても同じキャラしか使わないからあいつとやっても楽しくねーんだよなあ」
友「そういう言い方は酷いなあ、でもそれなら僕が行ってあげたのに」
兄「たまには兄妹っぽいことしようと思ったんだ、そこでお前が来たら人見知りのあいつはすぐに引っ込むって」
友「人見知りって言っても幼馴染のようなものなのに…」
兄「なんでかお前に懐かないもんな、アイツ」
友「大体理由は想像つくけど…どうしようもないからなあ…あはは」
兄「ふーん……よし、俺は購買行って来るわ」
友「あれ?今日はお弁当じゃないの?」
兄「母ちゃんが朝早くから仕事に行ったんだよ、んじゃ」
兄「お、やっぱりお前もだったか」
妹「……兄ちゃん」
兄「中等部には中等部の購買があればこんなに混まねーのにな」
妹「………」
兄「……まだ怒ってるのかよ昨日の」
妹「…別に」
兄「あっそ…で、昨日の面白かったか?」
妹「………兄ちゃんは?」
兄「俺か?俺は普通に面白かったと思うぞ」
妹「…じゃあ私も面白かったと思う」
兄「終始涙でまともに見えてなかったくせに」
妹「っ!」ボカッ
兄「いたっ」
兄「んー…妹は何買う?俺今やきそばパンとメロンパンで迷ってんだけど」
妹「……私もそれとそれ」
兄「あ、マジでか?じゃあ俺はやきそばパン買うからお前はメロンパン買って一緒に食おうぜ」
妹「!……うん、別にいいよ…メロンパン一つください」
兄「よし、じゃあ俺はからあげ弁当買って…」
妹「……え?」
兄「う、嘘!嘘だって!何アホみたいに暗い顔してんだよお前は!」
妹「……やきそばパン買う約束」
兄「分かってるって…冗談も通じねぇ…」
妹「……なんでからあげ弁当も買ってるの」
兄「パン一つじゃ足りねーし残ってるの弁当だけだったからなあ」
妹「……私もからあげ弁当買ってくる」
兄「あーもう少しやるから!小食のくせに無理するなって!」
自販機前
兄「あ、飲み物も買わなくっちゃな…」
妹「………」
兄「午後数学あるしコーヒーにしとくか」
妹「………私も」
兄「いやあの妹さん、前に俺の真似してブラック飲んで噴出したの覚えてないんですかね?」
妹「………」
兄(何で俺の飲み物をこいつに合わせて選ばなきゃいけないんだ…)
兄「栄養を考えて野菜ジュースにしとくか」ス…
妹「………」ス…
兄「いや、炭酸にしとくかなあ…」ス…
妹「………」ス…
兄「いやいや、あえて時期に抗っておしるこを…」ス…
妹「………」ス…
兄(俺が指差した飲み物にキレイにこいつの指もついてくるなあ…)
兄「……無難に茶にしとくか」
妹「…うん」
兄「で、俺もう教室に戻るけどお前はどうすんの?」
妹「……どうすんのって?」
兄「いやだからついて来るのか、自分の教室に戻るのか」
妹「…今さっき一緒にって……」
兄「でも俺教室に友の奴待たせて…」
妹「………」ジー…
兄(何でこいつたまに無言の圧力かけてくんの…)
兄「じゃあ俺はもう教室に帰るからついて来るんだったら…」
妹「……もう帰る」
兄「そっか、じゃな」
兄(……妹相手なのになんだこの罪悪感)
妹「………」
友「うわひっでぇー」
兄「ひっでえじゃねえよ、どうせ上級生の教室じゃああいつも居辛いだろうし」
友「けど一緒に食べるって言っておいてそれはどうかと思うよ」
兄「……正直冗談で言ったんだけどまさか本気で受け取るとは思わなくてよ」
友「最低すぎる…まさか自分の幼馴染がこんなに最低な兄とは…」
兄「……何かそこまで言われたらすげえ罪悪感が湧いてきたじゃんかよ今更!」
友「放課後何か甘い物でも買って許してもらったほうがいいよ、妹ちゃん、昔っから甘い物好きだったでしょ?」
兄「……はぁ…そうだな、買って帰るわ」
友「うん、それがいいよ、兄」
自室
兄「で、何でお前がここに居るんだよ」
妹「……面白いね、この漫画」
兄「四部から読んだのか…まあ普通順々に見なくても面白い部だから問題ないか」
妹「…うん」
兄「あー…それで妹、今日は嘘ついて悪かったな…」
妹「………」
兄「だからさ、ほら、ケーキ買ってきたから食っていいぞ……ゲーム買ったから今月キツいんだから味わって食えよ」
妹「………ありがと」
兄「おう…んじゃ俺はこの可愛いシュークリームちゃんを~…」
妹「………」ジー…
兄「……あのこれ俺のシュークリームなんですが…お前にはちゃんとケーキの方を…」
妹「私もそっちがいい」
兄「俺のシュークリームまで食わなきゃ許してくれないのか…俺が悪かったとはいえ鬼かお前は…」
妹「………」
兄「あーもう分かったよ…少しやるから…」
妹「…へへ、ありがと」
兄「あー少なくなっちった……よし、いただきます……んぅ~…このなめらかな甘み…んぅーっ!」
妹「………この…なめらかなあまみぃ~……ん?」パクッ…
兄「あ、お前には皮のほうしかやってないぞっていたいったっ!」ボカボカッ
妹「……ねえ」
兄「なんだよシュークリーム泥棒」
妹「明日は…一緒に食べよ」
兄「ん?弁当をか?」
妹「……うん」
兄「別にいいけど場所はどうするんだよ?」
妹「……私の教室」
兄「俺が居辛いわ」
妹「……じゃあ屋上」
兄「俺らの学校は屋上立ち入り禁止だぞ」
妹「………」
兄「……分かったよ、場所は俺が探しておくからもう自分の部屋に戻れ」
妹「!……うん」
兄「はあ~友達の居ない妹を持つと大変だなあっていたすいません冗談です」ボカボカッ
秋田終
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