やよい「キスシーンの練習…一緒にしてください…」P「やよい…」 (22)

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やよい「…えと」

P「すまん、やよい…」

P「まさか今度の映画のオーディションにキスシーンがあるなんて…」

やよい「…わたし、やり方わかりません…」

P「うん…そうだよな…」

P「ファーストキスをオーディションで捧げるなんて、いくらアイドルだとしても…」

P「今度の映画のオーディションはちゃんと俺が断って…」

やよい「…オーディションじゃ」

P「…え」

やよい「オーディションじゃないなら…大丈夫ですか…?」

P「…!?」

P「いや…それは…」

P「(アイドルと軌道に乗った今…プライベートの方がむしろアウトだけど…)」

P「(それでも…)」

P「思い出になる方が…俺は良いと思う…」

P「(…ははっ。プロデューサーとしては大間違いだよな。こんな回答…)」

やよい「……」

やよい「…じゃあ」

やよい「今…したいです…」

P「…え」

P「(し…したいですって…)」

やよい「……」

P「(俺と!?)」

やよい「キスシーンの練習…」

やよい「一緒にしてください…」

P「……」

P「(じょ、冗談だろやよい…)」

P「(この地上に舞い降りた天使と呼ばれているやよいの唇を…)」

P「(俺みたいなしがないプロデューサーが触れていいわけ…)」

P「(ていうか…そもそも法的にアウトだし…)」

やよい「……」

やよい「…んっ」くいっ…

ちゅっ…

P「…!?」

やよい「ん…」

P「……」

P「(し…しちまった…)」

P「(俺は担当アイドルになんてことを…)」ちゅる…

やよい「んっ!?」

やよい「んぱっ…!」

P「あっ…!?」

やよい「プロデューサー…キスってちゅってするだけじゃないですか…?」

P「(しまった…あまりの柔らかさについに舌を…)」

P「す、すまん…やよい…俺はなんてことを…」

やよい「…わたし、キス…まだよくわかりません…」

やよい「…もっかい」くいっ…

P「ええっ!?」

やよい「んっ…」ちゅっ…

P「(やよい…)」

P「(駄目だろう…やよい…)」

P「(大切な…ファーストキスを…)」

P「(こんな…演義のために…)」

やよい「ぷろりゅーさ…」

P「(…俺のこと、呼ばないでくれよ)」

P「(練習でも…切なくなるじゃないか…)」

P「(…それでも)」

P「(見ず知らずの男に…やよいの唇を奪われるくらいなら…)」ちゅぷ…

やよい「は…んっ…」

やよい「…ん」

P「…やよい」

やよい「…プロデューサー?」

P「あ…そのだな…」

やよい「わたし…映画でキスシーン…できないかなーって思うんです…」

P「…!」

P「あ、あぁ…」

P「そう…だよな…」

P「それに関しては大丈夫だよ…ちゃんとオーディションの方は断って…」

やよい「……」ふるふる…

やよい「違うんです…違わないけど違うんです…」

P「えっ?」

やよい「……」

やよい「ねぇ…プロデューサー…」

やよい「もう一度…もう一度だけ…キス、しましょ…」

P「…!?」

P「やよい…でも…」

やよい「だめですか…?」

P「……」

P「(…オーディションの練習とか二人の関係とかこの際、もうどうでも良い…)」

P「(今…やよいが望むなら…)」

P「(もう一度やよいと…)」くいっ…

やよい「あっ…」

P「(キス出来るなら…)」くちゅ…

やよい「は…んぁ…」

やよい「はぁ…」ちゅぷ…

やよい「…プロデューサー?」

P「…ん?」

やよい「…わたし、今日の思い出を一生大切にしますっ…」

P「……」

P「あぁ…俺もだよ…」

やよい「うれしいです…」

P「やよい…」ぎゅっ…

やよい「プロデューサー…」こてっ…

やよい「練習…また、してくださいね…」

P「…あぁ」

~~~~~~~~

伊織「……」

響「……」

千早「……」

やよい『もう一度…もう一度だけ…キス、しましょ…』

P「歳の差…アイドルとプロデューサー…」

P「その二人の障害が生み出した妄想がキスシーンの練習だ」

伊織「いいわね」

響「なんくるないな」

千早「高槻さん、かわいい」

律子「仕事してください」

やよい「う?」

おわり

妄想オチなのに胸が苦しい
おつ

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