―皇帝直轄領・日本 皇帝専用施設・居室内―
スザク「……とうとう、明日だな」
ルルーシュ「ああ。明日、黒の騎士団や超合集国代表の公開処刑パレード……それに偽装した、ゼロによる俺の処刑が行われる」
スザク「ゼロ・レクイエム……俺達の行動は全て、この瞬間のために……」
ルルーシュ「そうだ……そのためにありとあらゆる仕込みをしてきた。成すべき全ての事を成したんだ」
C.C.「お前達……心残りはないのか?」
スザク「え?」
C.C.「明日をもってルルーシュ、お前はこの世を去り……枢木スザク、お前は仮面を被って生き続ける……ささやかだろうと望みがあるというのなら、叶えるのは今しかないぞ?」
スザク「…………」
ルルーシュ「心残りか……フ、ないといえば嘘になる。だが、出来る事はすべてやった。もう、やり残した事など……」
スザク「……一つだけ、あるかな」
ルルーシュ「何?」
スザク「最後の夜なんだ。俺は……僕は、枢木スザクとして、君と話がしたい」
ルルーシュ「話……」
スザク「ああ。皇帝と騎士ではなく、友達として……本音の話をね」
ルルーシュ「話ならいくらでもしただろう? 学生でいたときから」
スザク「それはそうだけど……どこかこう、互いに秘密を隠していたじゃないか」
ルルーシュ「…………」
スザク「学園で再会してからだって、お互い腹の探り合い。ブリタニアを手に入れてからは、ただ計画の事ばかりで……ちゃんと、友達として話せてないんじゃないかな、僕達」
ルルーシュ「……確かに、そう言われればそうだな」
スザク「だからさ、最後くらい純粋に……友達として話がしたいんだ。ただの学生の友達がするような話をさ」
C.C.「なるほど? 最後の思い出作りといったところか」
スザク「……ダメかな?」
ルルーシュ「……いや、構わないさ。最後の夜だ、そういうのも悪くない」
スザク「ありがとう……嬉しいよ、ルルーシュ」ニコッ
ルルーシュ「しかし友達としての話か……今更他愛ない話と行っても、話題がな……」
スザク「それなら大丈夫。話題ならちゃんとあるよ……今まで君と出来なかった話が」
ルルーシュ「ほう?……じゃあテーマはお前に委ねよう。何を話すんだ?」
スザク「うん。猥談がしたいんだ」
ルルーシュ「」
ルルーシュ「わ、わい……?」
すざく「だん」コクッ
ルルーシュ(わいだん……猥談だと!? スザク、こんな状況で何を考えているんだ!?)
ルルーシュ(卑猥な話なんて、そんなの俺のジャンルじゃない!! くそ、どう返すべきだ……)
スザク「?? どうしたんだい、ルルーシュ? 固まっちゃって」
ルルーシュ(固まりもする……えぇい、ならばここは一つ小粋なジョークで切り抜けるか……)
ルルーシュ「なるほど、ワイダンか……だがワイダンといってもいろいろあるだろ?」
スザク「うん?」
ルルーシュ「ワイだけに縦軸に関係した話か? それとも、ワイシャツについて語り明かす気か? それでは……」
スザク「ワイシャツか……うん、いいね。悪くないよ」
ルルーシュ「は?」
スザク「いやいい趣味してるよルルーシュ。いいよね、裸ワイシャツも」
ルルーシュ「!? ス、スザク……お前は何を言っている!?」
スザク「え? だって、猥談しようって言ったろ? 平たく言えば、エッチな話」
>>5
すざく「だん」コクッ
↓
スザク「だん」コクッ
ルルーシュ「ジョークと思いたかったが……本気だったのか、お前?」
スザク「当然さ。だって、君とエッチな話をした事なかっただろ?」
ルルーシュ「……スザク、よりによってそんな話題を選んだ理由を聞かせろ」
スザク「だって、男同士だもの。エッチな話くらいするだろ?」
C.C.「私が同席してる事を忘れてないか?」
スザク「……君はこういう話は嫌いかい?」
C.C.「そうでもない……が、心配なのはそっちの坊やだな」
ルルーシュ「本気で言ってるのか、スザク……」
スザク「ああ……リヴァルやジノとは盛り上がった事があるけど、君との話題で出てきた事は一度もないからね。最後くらい、こういう話で盛り上がったっていいじゃないか」
ルルーシュ「もっと高尚な話題だってあるだろう!! 最後というのに馬鹿な事を……」
スザク「馬鹿は君だ!! いいかい、僕等は高校生だったんだ……つまり、思春期ど真ん中だという事だ!!」
スザク「思春期ど真ん中の男子高校生の頭の中身を何が占めているか……ルルーシュ、君はわからないのかい?」
ルルーシュ「……まぁ、普通なら将来の展望とか……授業に対する不満とか……」
C.C.「違うな。間違っているぞ、ルルーシュ」
ルルーシュ「何っ!?」
スザク「さすがC.C.はわかっているね」
C.C.「ふ……伊達に永い事生きてはないよ」
スザク「年の功ってやつだね。……そう、思春期の男子の脳内……それは、エロが多くを占めているんだよ!!」
ルルーシュ「馬鹿を言うな!! そんなのは特殊すぎる例だろう!!」
スザク「違う!! むしろ僕達くらいの年でエッチな事を考えない方が特殊な例だ!!」
C.C.「もしくはただのムッツリスケベ……だな」
ルルーシュ「な……」
ちょっと風呂入ってくる
加えて修正
>>10
スザク「違う!! むしろ僕達くらいの年でエッチな事を考えない方が特殊な例だ!!」
↓
スザク「違う!! むしろ僕達くらいの年でエッチな事を考えない方が特殊な例だ!! だからエッチな話をするのが普通なんだ!!」
C.C.「もしくはただのムッツリスケベ……だな」
↓
C.C.「そういう話題に触れたがらないのはよほどの賢者か、もしくはただのムッツリスケベ……だな」
スザク「ムッツリスケベか。確かに、ルルーシュは意外とそういうところがあるかもしれないね」
ルルーシュ「待て、何を根拠に……」
スザク「カレンや千葉さんのパイロットスーツ。一年前と変わってただろ? こう、レオタードみたいなデザインに」
ルルーシュ「……あれは俺のデザインじゃない!! ラクシャータの……」
C.C.「確かにラクシャータのデザインだが、OK出したのは何処の誰だったかなぁ? え?」
ルルーシュ「ぐ……」
スザク「ならば君がそれを望んだととっても間違いではないよね?」
ルルーシュ「俺はただ、機能性を重視して……」
C.C.「機能性ねぇ? 私にはそんなもの用意されてなかったなぁ……まぁ、不死身だから? 心配いらなかったのかもしれないけど?」プイッ
ルルーシュ「誤解だ!! そんなもの、ただの偶然だ!!」
スザク「そうやって必死に否定していると、ますますムッツリの信憑性が高まるよ、ルルーシュ」
ルルーシュ「」
スザク「でもその様子じゃ、スーツのデザインにやましい感情がなかったのは間違いないようだね」
ルルーシュ「…………」
スザク「僕の勘は間違ってなかった。こういう話題なら、君の本音を聞き出せると踏んだ事は」
ルルーシュ「なんでそう確信したんだ、お前は……根拠もなしに」
スザク「根拠ならある。……それは、君の父上があのシャルル前皇帝だという事だ」
ルルーシュ「……何故ここであの男の名前が出てくる……!!」
スザク「……君は嘘吐きだ。そして、シャルル前皇帝も」
ルルーシュ「……そうだな。あの男は嘘のない世界を創ると言いながら、自らのギアスで嘘を植え付けた」
ルルーシュ「そして俺もまた世界中に嘘を吐き続けている……フ、嫌な所ばかり似るというのは本当だな」
スザク「そう、彼は嘘のない世界を求めた……けど、彼が嘘を吐かずにいられる場所は既に現実にあったんだよ」
C.C.「ほう?」
ルルーシュ「何処だ、それは? 奴が正直を通せた場所など……」
スザク「ベッドの上だよ、ルルーシュ。君とその兄弟姉妹が、その何よりの証明だ」
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