俺の理想の灰原のガチ告白展開 (70)
黒の組織に体を小さくされて1年…。
オレは、灰原やFBIと協力して何とか、奴らの研究所の本拠地を突き止めることに成功した。
そこで、警備が手薄な夜間に、APTX4869の解毒剤の資料を手に入れようと研究所へFBIと共に侵入することとなった。
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赤井「なあ…、坊や、いや工藤くん。君は本当に人間とは思えない推理力でここを突き止めたな。今夜は迅速にここに侵入して君を小さくした薬の解毒剤とやらを持ち出さなきゃならんが、いざとなれば銃撃戦の覚悟はできている。ここにはジンやその仲間がよく出入りするらしいしな。」
コナン「赤井さんも…。明美さんの敵討ち…。だよね。」
赤井「ああ。あの憎々しい長髪の男を何としても…、この手で…な。」
灰原「そんな銃撃戦だなんて…。危なっかしいことしようとせず、すぐに解毒剤の資料を持ち出すことね。」
コナン「灰原…!!なんでお前ここに!?どうしてお前がわざわざアジトに乗り込むんだよ!!幼児化したのやつらにばれてるんだぞ!!!」
灰原「あら。建物の構造、複雑な間取りとかを良く知ってる私がいた方がことはスムーズに進むんじゃない?なによりどれがAPTXの資料かなんて考案者がいないとすぐには分からないわ。」
コナン「そうだけどよ…。いくらなんでm」
灰原「なにより、あなたの手助けがしたかったのよ、だって・・・。」
灰原「(これがあなたと一緒に…、あなたの相棒としてやれる最後のことなんだもの。そう、この作戦が成功すればあなたは元の高校生、私と接する機会なんてなくなる…。)」
赤井「まあいい。彼女の思うようにさせよう。我々としても心強い。とにかく、入手した建物の間取り図通りにここへ入ろう。明け方までにここを出なくては…。」
コナン「じゃあ灰原は俺と一緒に、資料室へ行って、例の書類を探すのを手伝ってくれ!!」
灰原「ええ…。(必[ピーーー]…。そうよね、彼女が待ってるんだもの…。あなたがずっと待たせて、それでもずっと想い続けて、想い合っていた彼女が…。これまでのこと、全ては彼女を守るためだったのよね…。)」
なぜかピーーってなってるところは「必[ピーーー]」っすよ
ありゃ、まただめだわ。
「ひっしね」っす。
こうしてオレ達は研究所に突入し、数人の組織のメンバーを取り押さえて、建物の奥の方へと進んだ。
そして、地下の資料室に着き、FBIの人たちに上階を警戒してもらいながら解毒剤の書類を膨大な紙束の中から灰原と探すこととなった。
灰原「UMDは手に入れたけど…。重要な情報は紙にしか記録されないから…。この中から探すのは大変ね。」
コナン「ああ。だが、3時間ありゃなんとかなりそうだ。うーん、これはちげえな。クッソ。」
灰原「あなた…。元の姿の、工藤バーーーローーに戻ったら探偵事務所の…?」
灰原「(どうして、まだ期待してるのかしら…。心のどこかで、彼女から工藤くんが離れてくれたらって。そんなことあるわけないのに…。)」
コナン「ああ。告白するぜ。もう待たせ過ぎたからな…。本当につらかっただろう、蘭も。」
灰原「私だって…(辛かったわ。切なかった…。絶対に振り向いてくれないあなたを好きになったんだもの…。一度はこの感情を捨てたはずなのに、こうしてあなたがもうすぐ現実に彼女と結ばれそうになるとまたそれがぶり返して…。)」
コナン「そういや灰原、お前はどうするんだ?解毒剤飲んで、元の宮野志保に戻るのか?それとも証人保護プログラム受けて、新しい戸籍作って、灰原哀として暮らすのか?」
灰原「まだ決めてないけど、少年探偵団の事もあるわ…。すぐには戻らないつもりよ…。」
コナン「そうだよな…。あいつらのことも考えてやらなくっちゃ…。探偵団のおかげで、俺らは間違いなく理不尽な小1生活を楽しいものにできた。感謝しねえとな。」
灰原「そうね…。(その少年探偵団を一番引っ張ってきたあなたがいなくなるのよ…?吉田さんなんか、私と同じように恋をしてしまった…。存在しないはずの男の子、江戸川コナンにね。)」
コナン「ガサゴソ…。」
灰原「(こんなところで思い悩んでもしょうがないわね…。でも、何でかしら…?ここまで来ても、彼に自分の想いを伝える勇気が出ない…。情けないわ。やっぱり私、傷付くのが怖いのね。)」
(あいつ、見かけよりタフじゃねえからよ…。)
灰原「(あなた、私の事を陰でそう言ってたわね。正しいわ。逃げてるのよ…、耐えられないのよ。自分の正直な気持ちに。私より10歳以上幼い吉田さんは、あれだけあなたにストレートに想いを伝えられているのにね。)」
コナン「 ガサゴソ、パラパラ…。 ちげえ!!やっぱ簡単には見つからねえなあ。」
灰原「 ガッサ・・・。ガサガサ・・・。 羨ましいわね。そんなに無我夢中になれるほどあなたを待ってくれる人が大勢いて…。」
コナン「ま、まあな。ハハッ。時間まだ余裕あるんだけどな…。上でなんかトラブってるわけでもねえし。しっかり見落とさねえように気を付けねえと。」
灰原「(そういうことじゃないのに。)」
コナン「ゴソゴソ・・・。でもお前、ほんとにどうするんだ?博士以外になかなかいい身寄りも見つからないだろうし…。」
sagaって入れときゃいいんすか。あざっす。
灰原「決めてないわ…。さっきも言ったでしょ?今の生活続けて人生を11年分やり直すのもいいけど…。」
コナン「とにかく、もっとオメーは明るく素直になれよ!!!」
灰原「フッ。まあね。」
コナン「前よりはずいぶんマシになったけどな!!!笑顔も増えたし。」
灰原「え!? カアア 」
コナン「転校したての頃は全然話さなくて、今よりもっと仏頂面だったじゃねえか。やっぱ純粋な小学生と触れ合ってさ、オメーもいい影響うけたんだろ。」
灰原「確かに…。(勇気と友情はあなた達のおかげで知れたわ。ありがとう…。)」
コナン「とにかくさ、オメーは好きな人誰か作れ!!!元の姿に戻ろうがどうしようがよ!!」
灰原「…。(作れる、かしらね。あなたほど私を、もちろん私以外の人も必死になって助けて守ってくれる人、そうはいないと思うわ。おそらく、私の初恋の人はあなた…。罪な男…。)」
コナン「 バッサバッサ ちくしょう、見つかんねえな。なんだよ灰原、さっきから俺の顔ジロジロ見て。お前もはやいとこ書類見つけてここから出ねえとよ。」
灰原「鈍いのね…。(本当に。もう慣れたけど…。)」
コナン「ああん?」
灰原「もういいわよ。早く探しましょ。」
コナン「(何だよ…。ボーっと突っ立ってオレの事見てたり、変にカリカリしてるしよ…。)」
灰原「 バサバサ もしかしてこれ…。間違いないわ!!!解毒剤の調合に必要な資料よ!!」
コナン「マジかよ!!!助かったぜ灰原!!!これで、ほんとにこれで、オレは元に…!?」
灰原「ええ、もちろん!…。(何も考えちゃだめ。当たり前の状態に、私が招いた理不尽な状況を下に戻すだけなんだから…。これが彼の一番望むことなんだから…。)」
コナン「よし、すぐにここから出よう!!赤井さんに連絡して!!」
「探偵気取りのガキとシェリー、貴様らの遊びもそこまでだな」
コナン・灰原「!? (ジン!!ウォッカ!!)」
ジン「なぜ俺達がこんなやすやすと貴様らとFBIが侵入できるような大規模な研究所を建てたと思った?」
こいつら…。仲間が連絡しやがったのか!?
コナン・灰原「…。」
ジン「さっきFBIのやつらに捕まったメンバーが密かに緊急ボタンを押してな…。俺達に連絡が行ったという訳だ。そして貴様らが入手した間取り図には書かれていない、外から地下に通じる秘密の階段を使ってここへ来たんだよ。資料室の前で突っ立ってたFBI2人は始末した。まだお前ら以外俺達が来たことに気づいていない。」
コナン「ック…。」
ジン「死んでもらうぜ…。偽ガキ2人。」
引き金が引かれそうになった瞬間、オレはとっさにキック力増強シューズを使い、ジンのピストルめがけてボールを蹴った。
コナン「…くらえ!!」
ボールはジンの手に直撃し、奴は僅かにうめいてピストルを落としひざをついた。今だ!!
コナン「灰原!はやく上へ行くぞ!!」
オレ達は、資料室のドアの外にいたウォッカに物を投げつけ、とにかく階段へ走った。しかし、
ウォッカ「待てガキ共!! ドギュン 」
灰原「!! あっ…!」
倒れた灰原。その足には濃く血が滲み、明らかに階段を走れる状態ではない。オレは、何も考えずに灰原を荒々しく背負いながら資料室の隣の部屋に入った。もう立てこもるしかない。
コナン「灰原!!大丈夫か!?」
灰原「ごめんなさい…。私がグズグズしてたばっかりに…。」
コナン「そんなのしょうがねえよ…。走り出したのはオレだしな…。それより、ここから何とかして脱出するか、FBIの人たちに来てもらわねえと…。ウォッカの野郎、消音器使ってたから上階の皆は銃声に気付いてねえだろうし…。」
ドアを破壊しようとする音が聞こえる。もう数分で奴らは侵入してくるだろう。どうする…!?
コナン「このドアみてえなヤツ…!?」
それは、まさしくさっきジン達が使った「秘密の通路」だった。これで外に出られるはずだ。だが…。
灰原「私には…無理ね。」
足から激しく出血している灰原が上れるわけがない。でも、置いていくわけには…!
灰原「(彼らがもうすぐ来るわ…。私のせいで彼がここで立ち往生してるんじゃダメ…。彼だけでも行ってもらいたいけど、でも、でも、その前に…。)」
灰原「ねえ…。工藤くん」
コナン「な、なんだよ!!早くオレの背中に…。」
灰原「もういいの。あなただけ先に行って…。私が時間を稼ぐから。でも、その前にね…。」
コナン「…!?」
灰原「あなたの事が好き…。愛してたわ。それだけ覚えていて…。」
コナン「(お前…。うそだろ…。)」
灰原「工藤くん!!伝えたいのはそれだけよ…。書類を持って早く行って!!」
オレは、灰原の突然の…、あまりに予想外な告白に頭が真っ白になり、言われるがままその階段へ走ってしまった。
階段をどこか力ない走りで上りながら、オレは灰原の予期せぬ告白を思っていた。
母さんが前に言っていた通り、あいつはオレに…恋をしていたんだ。そんな素振り、ほとんど見せなかったのに。
いや、俺が気付かなかっただけかもしれない。
だけど、全て合点がいった。
あいつが、オレがどんな事件に首を突っ込もうとも、何だかんだで一緒に付き合ってくれたこと。
蘭に対しては、いつもよそよそしい態度で接していたこと。
オレに刺々しかったのも、恋情の裏返しだったんだということ。
あいつが陰で抱いていたそんな想いに全く気付かず、ぶっきらぼうだった自分にどうしようもなく腹が立った。今こうしてその彼女を、危機的状況にある一人の女を助けず逃げている自分にも。
階段の下の方から、ドアをこじ開ける音が聞こえた。
工藤くん…。本当に、もう2度と会えないわね…。私は…、あなたにだけは助かってほしかった、だからあなたに「早く行って!!」と叫んだ。
だけど、やっぱり…。それでも私を助けてくれようとする工藤くんを本心では欲していた。
でも、彼は行ってしまった。彼なら無事にFBIの人たちに状況を伝えてこの場を生き延び、きっと最終的には組織を倒してくれる。そして、博士が作ってくれるであろう解毒剤を飲んで、彼女と幸せな人生をおくるはず。
とにかく、私の想いを彼は知った。それで自分の存在が少しでも、彼の心の中で大きなものになってくれれば…嬉しい。
ドアがこじ開けられ、いつもの通り冷酷な表情の2人が入ってきた。何とかして時間を稼がなくては…。
ジンは、予想通り入って私を見るなりすぐには射殺せず、死に際の私に語りかけてきた。何しろ、組織は私の始末に最も手こずったのだ。
しかし、やはり彼は、最終的には銃をするどく向けて、
ジン「お別れだな…、シェリー。ようやくお前を処刑出来るぜ…。」
灰原「(さようなら…。みんな…。)」
突然、私の頭上を見覚えのあるベルトが伸びてきて、ジンとウォッカの2人は鞭で叩かれたような形になり、銃を落とした。
そして、私を後ろにして、彼らから庇おうとする小さな人影が現れた。
灰原「工藤くん!!…。どうして、戻ってきたの?」
コナン「バーロー!!怪我した女を見殺しになんかオレは出来ねえよ!!」
灰原「…。」
コナン「ましてや…。オレをずっと好きでいてくれた女をな!!」
工藤くん…。私はこの時本当にうれしかった…。私を助けに来てくれたこともそうだけど、一番感動したのはこの時のあなたの目…。
それは、まさに私が惚れた、人を何としても守ろうとする、無鉄砲だけど頼もしく勇敢な目そのものだった…。
灰原「(やっぱり好きよ、工藤くん…。)」
ウォッカ「こんの野郎!!なめやがって!!」
銃を拾った瞬間、ドアからどっとFBIが押し寄せてきた。あれよあれよと言う間に確保される2人。助かった…。
>>1
もうアド変したwww
まんま表示されると知らんかったwww
最大の危機を乗り越えた翌日…。
オレはジョディ先生らと会い、ジンなどの幹部達を捕まえた今、黒の組織が壊滅間近であるということを聞いた。
そして、もう元の姿に戻っても差し支えないという、FBIのお墨付きももらった。これで、本当に、蘭と共に元の青春を、平穏に送れる…。安心感と喜びを噛みしめた。
そして、昨夜、自らの最期を確信し、切ない想いを鈍感なオレに伝えてくれたあいつの顔が浮かんだ。
コナン「(灰原…。あいつになにか一言伝えなきゃダメだ!!)」
オレは、彼女が入院している病院へと向かった。
コナン「(オレを好きでいてくれたんだ…。ガサツな態度じゃあいつも…。)」
初めてだな、あいつを一人の女の子として見るのは…。
オレは、灰原の病室番号を聞いた。博士や学校のみんながお見舞いに来ていたが、今は一人だという。
どこか固い足取りだったが、あっという間にそこへ着いた。
コナン「(最初は、怪我の心配しなくっちゃな。)」
必要以上にナーバスになっている自分の表情を直し、オレはドアを開けた…。
コナン「灰原っ…。昨日はヤバかったけど、無事でよかったな…。足、大丈夫か?」
灰原「ええ。弾があまり深くまで行ってなかったから、止血してなんとか…。1ヶ月くらいで、少し走れるようになるみたい。」
コナン「そ、そうか。重傷じゃなくて…。よかった…。」
灰原「それしても…。」
コナン「え?」
灰原「あなた、本当にむちゃだったわね。あんなベルトで彼らと戦おうとするなんて…。無計画もいいところだわ。クスッ」
コナン「あっ、おう…。(なんだよ、こっちは必死でお前を救おうとしたのに…。こういうとこは変わんねえな。)」
灰原「FBIの人たちがあと10秒遅かったら、私達今頃あの世にいたわ。」
コナン「るせえな。でもオレが来なかったら、オメーだけそうなってたんだぜ?」
灰原「ええ、そうね。」
コナン「それだけかよ。(素直にお礼言ったらどうだよ…。マジでかわいくねー奴。)」
灰原「でも信じてたわ。心の奥底で。あなたならきっと、また助けに来てくれるって…。」
コナン「ほんとかよ。」
灰原「当たり前じゃない。だからこそ、あなたの…なにがあっても他人を助けようとする、その絶対に揺るがない気概に惚れたのよ?」
コナン「!!」
灰原「でも、今度ばかりは驚いたわ。本当に、絶望的な状況だったのに…。死を覚悟したところであなたがね。」
コナン「それこそ、当たり前だろ?」
コナン「約束したじゃねえか、ヤバくなったらオレが何とかしてやるって…。オメーが惚れたこの江戸川コナンは、約束を守る男だぜ。」
灰原「キザね、全く…。(でも、そこも好きよ…。)」
コナン「ところでさ…。解毒剤は3週間くらいで博士が完成させるらしいんだけど、オメーは…飲むのか?」
灰原「それは博士から聞いたわ。今日考えたんだけど…。薬を飲んで元の姿に戻って、しばらくはFBIの保護を受けながらアメリカで生活することにしたわ。」
あなたへの未練を断ち切る、ためにもね…。
コナン「そっか、まあ、それはオメーが決めることだしな…。探偵団のヤツらには悪いけど…。」
灰原「それで…?なにか、他に言いたいことある?」
コナン「い、いや…。今日のところは帰るよ…。じゃあな!!」
オレは、伝えるはずの感謝の言葉無しに帰ってしまった…。
オレは、完成した解毒剤を受け取りに博士の家へ向かった。少年探偵団などのがっ今日の仲間とは、もうすでにお別れをした後だった。これから取りに行く薬を飲みさえすれば、自分が待ち焦がれていた高校生生活に戻れるわけだが、複雑な心境で歩いていた…。
やや緊張しながら博士の家のドアを開ける。
コナン「ガチャ よお、博士…。解毒剤作ってくれてほんとにありがとな…。ありがたく、飲ませてもらうぜ…。」
博士「おおきたか、新一…。」
部屋を見渡すと、そこにはアメリカ出発への荷造りを終えた灰原がいた。赤井さんもだ。引率としてきたのだろう。
コナン「は、灰原…。はやぇな…。もう出発かよ。」
灰原「ええ。薬はむこうで飲むつもりだったもの。私はそれ受け取ったから、これから赤井さんと一緒に空港へ向かうわ。」
コナン「でもよ、パスポートは…。」
赤井「それは我々が用意したよ。もちろん、念のため護衛はあと数人いるがな。」
コナン「そ、そう…。」
灰原「準備は整ったわ。行くわよ。」
赤井「そうか。君は2台目の後部座席に乗ってくれ。」
博士「あ、哀くん、ワシらも見送りに行こうか?」
灰原「そういうのはいいって言ったでしょ。」
博士「じゃ、じゃが…。せめて新一だけでも見送りに…。」
コナン「行かせてくれよ。まだ、まともに…。なんつうか、伝えることも伝えてねえしよ。だから…。」
灰原「もう、分かったわ…。じゃあ、お願いだからあなたは別の車に乗って…。」
そう言った灰原の目は、うっすら涙で滲んでいた。
コナン「そうするよ…。博士、薬はあとでもらっとくぜ。」
私は、彼とは別の2台目の車に乗り、護衛に固められた。
ただ、そんな車中でも考えることはただ一つ。工藤くんのこと。いよいよ彼とは、もう会えなくなる。
だからできるだけ彼の顔など見ず、足早に出発したかった。また、彼への想いが湧きだしてしまうから…。
なのに、工藤くんは見送ってくれるだなんて…。彼の優しさが、切なくなってしまった。
空港に到着し、車から降りても私は彼に顔を向けることができない…。
軽く工藤くんに挨拶だけして、飛行機に乗り込むつもりだった。
コナン「灰原…。なあ、灰原…。」
灰原「…。」
コナン「行く前に、最後に、聞いてくれよ!!」
オレは、絶対に彼女に一言残そうと、思わず叫んだ。
赤井「…。おい、みんな…。先に行くぞ。」
赤井さんが、気を利かせてくれた。オレと灰原2人だけだ。精一杯話そう。
コナン「灰原…。まずは、今までほんとにありがとな。今まで、オレを支えてくれて…。」
灰原「…。」
コナン「オメーはいつも、オレが事件に首を突っ込んでも一緒に推理の手伝いをしてくれたよな。決して邪魔はせずに、見守ってくれた。だけど、オレが無謀な計画や挑戦をしようとしたら、ちゃんと忠告もしてくれてよ…。しかも、オレの正体がばれないように色々工作も考えた事もあった…。ほんと、感謝しても感謝しきれねえよ…。」
灰原「…。」
コナン「でも…。オレは一度たりとも灰原の本当の気持ちを考えた事はなかったよ…。そうするべき機会、いっぱいあったのにな。マジで、すまなかったと思ってる…。」
コナン「オメーのその気持ちには応えらんねー…。でもよ、灰原…。」
灰原「 グスン 」
コナン「オメーは間違いなく、オレにとって唯一無二の…、誰もその代えを利かせることが出来ない大切な相棒だ。どんな時でも信頼を置ける、最高の相棒だ。オメーに出会えて、本当によかったよ。もう1度言う…。ありがとな、灰原!!」
灰原「 グズ そ、そん…なの…私…だって同じよ…!」
コナン「!?」
灰原は、突然両手でオレの頬を引き寄せ、
「 チュッ 」
コナン「えっ…。」
突然のキスに驚いたが、オレが見つめるその目を涙でいっぱいにしながら、彼女は言った。
灰原「あなたのおかげで、私は生きることに希望を見出せた…。きっと、あなたがいなきゃ人を信じることなんて出来なかったわ…。」
コナン「…。」
灰原「ありがとう、工藤くん。」
コナン「オウ…。」
灰原「ちょっと、あなたにデレすぎたかしら?」
コナン「バーロー。今までがかわいくなさすぎたんだよ。」
灰原「 クス もう、行くわ。」
彼女は、何事もなかったかのようにクルリと背を向けてクールに歩き出した。最後の最後はやっぱり、灰原らしい…。
コナン「また、会おうな!!元気でやれよ、灰原!!」
反応はなかった。だが、これも彼女なりの対応なのだろう。いつか、また…。灰原がオレとは別の、心奪われるような男を見つけて、過去の自分を乗り越えて、内面の強さを持った灰原哀、いや、宮野志保に会えることが出来たら嬉しい。そうあるべきだ。あいつの新たな人生の幸せを願おう…。
私は、自分では気丈に別れたつもりの直後のこの飛行機の中、言うまでもなく彼の事を考えている…。
(オメーは、唯一無二の、最高の相棒だ)
好きな人に…こんな言葉をかけられるのは、最高の喜びであり、悲しみでもある。
ただ、もう工藤くんとは別々の人生を歩む。もはや「相棒」以上の存在にはなれないのであり、彼にそう認められたことを素直に誇りに思おう。そして、私がふてぶてしく接していたこともあった探偵事務所の彼女が彼に幸せにされてほしい…。
確信できるのは、小さくなって出会った彼らと共に過ごした時間は、私の人生で最も大きな、幸せなものだった。
この、お金には決して換えられない多くのものを胸に、前向きに生きよう。それこそが、工藤くんや皆が望むことであり、私が出来る唯一の恩返しなのだから…。
ED
最後、哀ちゃんの告白展開ぐらいはみたいですね…。
最近はコナンに対する恋愛感情の描写すらもないんですが…。昔のそういうのを信じて、オレはコナンを読み続けます!!
なにしろ、半年前に久しぶりに金ローでコナン見たばっかりに、
歩美かわええww→ニコ動でコナン見る→「灰原哀とは」なんて動画見つける→冬休みで全部それ見る→アニメもラノベも何も興味なかった俺が2次元キャラ(灰原)にハマる→それだけに灰原に賭ける思いが強いwww
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マジキチはないっすwwwwwww
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