モバP「闇に生まれし我が息子よ」 (32)
モバP「俺はとあるプロダクションのプロデューサー……いや、正確には“プロデューサー”だった……」
モバP「今から数十年前、俺は中二病アイドル『神崎蘭子』をプロデュースし……彼女はSランクアイドルに上り詰めた……」
モバP「そして、彼女は引退……同時に、俺と入籍をはたす……」
モバP「俺は様々なバッシングや祝福を受けながらも、それ以降も仕事を続け……」
モバP「今はプロダクションも大きくなり、そこの重役に昇進できた……」
モバP「話を戻そう。俺と蘭子との入籍から、1年後、子供を授かった。男の子であった」
モバP「蘭子も俺も喜んだ……そして十数年たち……その息子が……」
息子「ククク……今しがた帰還を果たしたぞ、我が父よ!」ババーン!
モバP「見事に中二病になってしまった……」
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モバP「俺はとあるプロダクションのプロデューサー……いや、正確には“プロデューサー”だった……」
モバP「今から十数年前、俺は中二病アイドル『神崎蘭子』をプロデュースし……彼女はSランクアイドルに上り詰めた……」
モバP「そして、彼女は引退……同時に、俺と入籍をはたす……」
モバP「俺は様々なバッシングや祝福を受けながらも、それ以降も仕事を続け……」
モバP「今はプロダクションも大きくなり、そこの重役に昇進できた……」
モバP「話を戻そう。俺と蘭子との入籍から、1年後、子供を授かった。男の子であった」
モバP「蘭子も俺も喜んだ……そして十数年たち……その息子が……」
息子「ククク……今しがた帰還を果たしたぞ、我が父よ!」ババーン!
モバP「見事に中二病になってしまった……」
すみません……>>1のレスはポイーでお願いします……
モバP「中二病って遺伝するものなのか……いや、一定の年齢になるとかかる麻疹みたいなものだから、ある意味はおかしくないのか……」
息子「父よ……折り入って、頼みたい事があるのだ……」
モバP「うん? なんだ?(あの頃の蘭子よりは、幾分マイルドなんだがな)」
息子「我が母の……かつての“輝かしき偶像少女(アイドル)”であった彼女の姿を、見せて欲しいのだ!」
モバP「え」
息子「我は幾度も聞いた……“輝かしき偶像少女(アイドル)”であった母は一時代を築きし“混沌の首魁(中二病のトップアイドル)”であったと……」
息子「我は奇しくも母と同じ道を歩むに至った……しかし! 我が母のその様な姿を、我は明快に知ってはいなかったのだ!」
息子「聞き及んでいるのは、母がかなりの人気アイドルであったという事実のみ……」
息子「我は知らねばならぬ……いや、知りたいのだ! 我が“根源”を!」
モバP「(……突っ込みたいところが、いっぱいあるなあ……)」
モバP「うーん……まあイイか……知りたいってのを無碍にするわけにはな……」ニッ
息子「おお! 可能か! 嬉しいぞ、母はあまりこの話をするのを好まぬからな……」
息子「フフフ……感謝の、極み!」ニッ
――記録映像“ダーテン”、視聴中
蘭子『いざ、約束の地へ!(訳:仕事仕事〜)』
息子「これが若き母の姿か……」
モバP「これは出会って間もないころだな……このころは、オレも蘭子の言葉が時々わからなくなった……」
息子「そうなのか……2人は連理比翼の体現と思ったが、やはり最初から、という訳ではないのだな……」
モバP「……(照れてる)」
息子「父よ、気持ち悪いぞ」
蘭子『白き翼に踊れ!』
息子「ほう……今度は天使を摸した衣を纏うか……」
モバP「堕天使の次は天使……当時はこの演出が成功したが、一歩間違えれば軸がぶれてるイメージが憑きかねなかったんだよな……当時の俺、博打売ったなァ」
息子「いや……我にはわかる……これが……“深き闇――故に――眩き光“……」
モバP「……評価してくれて、ありがとうと言っておこう……」
蘭子「白き円環を頭に抱き、堕天した私が地獄の釜を開いてやろう! 愚民どもよ、ひれ伏せ! その魂の鼓動を我に捧げよ!
(訳:ついに私もCDデビューできました! みんなに聞いてもらいたいな♪)』
息子「そして……“光環の降臨(CDデビュー)”に至ったわけか……」
モバP「この時は蘭子も大喜びだったさ……いや……思い出すなァ……」
蘭子『嗚呼! 魂が燃える音がするわ! (素敵な楽曲で嬉しいです!)』
蘭子『祝祭に相応しき舞台は真紅の月を裂く漆黒の尖塔! 生贄が足りぬ、と? 悪魔との契約が必要か……。
(訳:私、こういうステージと衣装で歌いたいんです! ……ダメなんですか? 予算? どうして!?)』
息子「!? 我が父よ……これは!?」
モバP「ああ、このころになるともうだいぶ打ち解けてな……ほら、趣味の絵も見せてくれるようになったんだ……」
息子「」ゴパァ
モバP「!?」
息子「ふふふ……流石親父だ……えげつねぇぜ、こんなことまで映像に残しておくとは……」
モバP「どうした、息子!? 言葉遣いが変だぞ!?」
蘭子『ばかばか! もぉしらない! (紅蓮の炎に焼かれよ!) …はっ』
蘭子『我が友より授かりし、純白の衣よ! 願いを叶えし灰被り姫が、今…此処に舞いおりる…!
(訳:プロデューサーに着せてもらったこのドレス、嬉しいです! シンデレラになれて、とっても嬉しいな!)』
モバP「息子……大丈夫か?」
息子「ああ……持ち直した。何、遠き未来を憂いただけよ……」
息子「そして……これが、シンデレラガールズの……」
モバP「そうだ……今思えば、これがトップアイドルへの大きな足掛かりとなった……」
蘭子『魂の輝く色を見せるわ!(私、いまとってもアイドル楽しいっ!)』
蘭子「ただいまー……ってきゃぁあああ! なに見ているのーー!!(訳:帰還の時……なん……だと……其れは、禁忌の筈!!)」
モバP「あ、蘭子、やみのま〜」
息子「ククク……帰還したか、我が母よ……」
蘭子「それ……私がアイドルの時の……け、消して〜〜!!(訳:我が根源の渦を視るか! 目を閉じよ! 耳を塞げ!)」
モバP「ははは、いいじゃん。それに息子が見たいっていたんだぞ?」
息子「ククク……母よ、とても愛らしかったぞ?」
蘭子「うう……だって、恥ずかしい……(訳:嗚呼……鎮痛の響き……)」
モバP「おいおい、恥ずかしいって酷いじゃないか。お前の頑張った姿だ、胸を張って見せてやればいいじゃないか」
蘭子「ん゛ーも゛ー! ん゛も゛お゛お゛お゛ーーー!!(訳:不明)」ペチペチ
モバP「ははは、どすこいどすこい」
息子「…………」←息子の前でイチャついてんじゃねぇよ、と雄弁に語る目
息子「すまぬな、母よ……だが、どうしても“根源”を見ておきたかったのだ……」
蘭子「息子くん……(訳:我が片割れよ……)」
息子「かつての“混沌の首魁(中二病のトップアイドル)”神崎蘭子……その名は、どうしても我に付いてまわる……」
息子「同じアイドルの道を目指したからには、なおさらよ……」
モバP「(そう……息子は男性アイドルとしての道を選択した……)」
モバP「(俺らの影響は……あるんだろうな、仮にも両方とも芸能関係者だし)」
モバP「(だが、息子がそれを言い出した時、俺も蘭子もしぶったんだよな、2世への評価は厳しいものになる……)」
モバP「(それでも、息子は折れなかった……自らの世界を広げて行く、その夢を譲らなかった……)」
息子「幸い、今の事務所は我を『神崎蘭子2世』のみで売り出すことはしていない……というより、単純に売り方に合わないらしいが……」
息子「やはり、煩わしく思ってしまうこともあるものさ……かつての大きな栄光を、我ではなく、『神崎蘭子』を見られるというのはな……」
蘭子「…………」
息子「だがな、母よ。そんなことよりも、我は歌いたいのだ、踊りたいのだ!」
息子「我が世界と共に、別の……我を見て行くれるファン達と、楽しみたいのだ!」
息子「そのため……我が根源を見なおすためにも、母の事も知っておきたかったのだ」
息子「次のライブのために! 次の次のフェスのために!」
息子「我は我自身の世界を、際限などなしに、広げていきたいのだ!」
蘭子「……そうだったの(訳:言葉ではなく……心で理解した!)」
息子「勝手に、“ダーテン(過去の記録映像)”を観たいことは謝ろう……だが、我の勉学の一環として、多めに見て欲しい」
蘭子「いいえ……あなたがそこまで本気なら、咎めはしないわ。頑張って、息子くん!
(訳:悠久を見据える其の目、称賛に値する! 神の名においてこれを鋳造す 汝に罪無し!)」
息子「フフ……感謝の、極み!」ニッ
モバP「……蘭子、お前も知ってるだろ? 息子の所属グループ……そこそこ人気が出てきたこと、しっかりチェックしてるもんな」
息子「真か!?」
蘭子「ちょ……ばらしちゃうの!?(訳:ビントネフェルの風!?)」
モバP「ああ、俺と蘭子は直接お前を売り込んだりしてないぞ。蘭子はすでに一般人だし……俺の事務所は女性アイドルのみで、畑違いだしな」
モバP「ああ……だから息子、それは間違いなくお前の……いや、ユニットだからお前たちの力で勝ち取ったものだ」
モバP「ま……いざというときは助けてやる。どうしても困ったら……妙なプライドにこだわってないで頼ってこいよ」
息子「フ……我に取っては難しい注文だな。我にも、意地と言うものがある!」
モバP「ハッ! いっちょまえに言いやがって!」
蘭子「どうしても、心配だったの……だけど、大丈夫みたいね。元気にやっているみたいで、安心したわ
(訳:心の闇は溶けぬ……しかし、其が力、神をも凌ぐ刃に届こう!)」
息子「母よ……」
蘭子「こうなったら、全力で頑張りなさい! トップアイドルに届くように……でも……どうしても辛かったら、遠慮なく頼ってね
(訳:恐怖を捨てろ。前を見ろ! 進め。決して立ち止まるな! 退けば老いるぞ! 臆せば死ぬぞ! 叫べ!我が名は「神崎蘭子」!)」
息子「フ……ここは素直に、礼を述べよう……感謝の、極み……」
モバP「はは……いつまでも子供だと思っていたが……なかなかどうして、やるもんじゃないか」
蘭子「ふふ……流石はPさんの息子です!」
モバP「いや……2人の子供だからこそさ……本当に……息子の事も……蘭子、お前も……俺の誇りだ……」
蘭子「Pさん……」イチャイチャ
モバP「蘭子……」イチャイチャ
息子「…………」←だから息子の前でイチャついてんじゃねぇよ、と雄弁に語る目
−終わりー
というわけで、終わります。
1は、『BLEACH』連載再開を楽しみにしております。
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