陰陽師「何者だ?」吸血鬼「吸血鬼だよ」 (268)

「はぁっ、はぁっ、なんなのよ?!」


私は今、後ろから迫り来る得体の知れない物体から逃げていた。いや、物体と言えるのかどうかすら怪しい。壁を透過して来たり、宙に浮きながら気色の悪い笑い声を上げて、そいつは私を追ってきている。

どうせ捕まったら碌な事にならないだろう

誰か……来るはずもない助けを乞う。そうして私は自嘲気味に思った。助けを乞える資格など無い癖に


「爆導符」


虚空から飛んできた長方形の紙の札が得体の知れないものに張り付き、次の瞬間爆発した。得体の知れないそれは苦しみもがき、退散しようと空中へ離脱しようとした。


「逃げるな悪霊風情が」


金色の杖のようなものが、しゃらん、と小気味のいい音と共にそれを切り裂く。形(?)を保てなくなったそれは空中に雲散するように消えた。私はあっけにとられてその光景を見ていた。


「これで通算3匹目、滅霊完了。淀みが酷くなってきてやがる」

「あ、あの…」

「………貴様は?………外人か。悪いが俺は英語が喋れん。とっとと失せろ」


氷水に肩まで浸されたが如く冷たい態度。こちらを見る視線もそれと同様に永久凍土を思わせるほどに冷たい視線だった。


「助けていただいてありがとうございます」

「なんだ話せるのか、日本語。………惹き寄せられやすいのか…?」


謎の言葉と共に彼は私の頭を撫でる。冷たい態度とは裏腹にとても暖かい手が私の頭の頭頂部をくすぐる様に撫ぜた。


「………冷たい…まるで死人のようだ。冷え性ではここまでこないだろう。貴様……」


これが私と彼のファーストコンタクトである


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陰陽師「何者だ?」吸血鬼「吸血鬼だよ」

はいどうも今晩は、ニューゲームです。僕です。

op  http://www.youtube.com/watch?v=yilHUb-qtRM

ちょっとはマシになってるといいな。

以下第1話 「WHO ARE YOU?」


「吸血鬼……死にぞこない、不死者、夜族、生きた屍。それが何でこの町にいる? 渡航目的は何だ? 餌場探しか?」

「いえ、観光です」

「そうか。ならいい。ほな、さいなら」

「待って!」


彼の奇妙な服の袖をつかむ。俯き気味、目を少しウルウルさせ、上目遣いで彼を見やる。大体の男はこれでイチコロとか聞いたので早速実践。

なぜそんなことをする必要があるのか。それは私が彼を個人的に必要としたからだ。簡単に言えば………


「………迷いました…」

「……そうか。警察署はここから一直線に100メートル進んでそれを右にグイッと回った所のL字カーブをS時に曲がりぐわぁーっと左に行ったところの公園を突っ切って 「違う!」  なにが?」

「……実は私、帰るとこないんです」

「そうか、ならばこれをくれてやる。絶対隠密スニーキングアイテム、ダンボールだ。これを活用すれば悪漢にも気付かれずにかつ夜の寒さも緩和できさらにこれで空腹まで満たs 「だから!!」 もうなんだよ。人の話の腰は折っちゃいけないもんだ」

「……あなたの家に泊めてください」

「然らば、死ね。市ねじゃなくて死ね。童貞のまま死ぬセミのごとく死ね、処女のまま死ぬカゲロウのごとく儚く無残に死ね」

「ひどい……いくら人外とはいえ女の子を放って置くなんて……無一文だよ私」

「俺に貴様を助ける道理などない、どうせそのうち俺の同僚が来るだろう。さらに言えば俺は貴様のような人に仇名すものを駆逐する立場だ。見逃してやってる分だけありがたいと思え。日本は時間外労働に厳しいんだ」

「こうなったら……喰らえ、チャーム!」


吸血鬼の目から純真無垢な目から出てくるキラキラが飛び出し、陰陽師の目に飛び込む。その瞬間に陰陽師の目の光彩が消えた


「!!……………ゴヨウハナンデショウ、ゴシュジンサマ」

「私をあなたの家に泊めてくれる?」

「カシコマリマシタ、ゴシュジンサマ」

「ちょろい♪」





「……とでも俺が言えば満足か? 吸血鬼。俺は今俺の意思でここに立っているぞ」

「え?」

「ん?」





「なんで?!何で効かないの?!」

「何でって……俺鬼だし」

「なにそれこわい」

「そういうことだ、じゃ」

「こうなったら……泣くぞ?! 私泣くぞ?! さもエロいコトされてますって感じの声で泣くぞ?!」

「………ハァ」

「我が家なう。連れて来てしまった。どーしよ」

「これがジャパニーズ畳……家全体がいい香り…」


畳寝っころがってごろごろしてやがる。どーしたもんか。殺っちゃおっか? アイツ呼んで……いや、俺まで殺されるか。来ちゃったもんはしょうがない


「んで? 具体的にお前は何を求めてここに来た? 答えろ」

「寝床と食事3食を求めてきました。吸血鬼って言うけどはっきり言って人間とそんなに変わんないんだよね。最近は吸血鬼も進化してるっていうの? 人が都合よく解釈を捻じ曲げていってる影響かな」

「まぁ最近のは日光浴びたりしても平気だったり、体の中に犬とか飼ってたり、好物がミスドだったりするからな。地方の神様が伝聞されていくうち姿が変わったりするパターンみたいな感じか?」

「うん。それにしても時代の流れって凄いよねー、昔じゃ完全な動く死体でゾンビとそんなに変わらなかったのに」

「仕方ない、人間のご都合主義という名の妄想はとどまるところを知らないからな。んで、貴様はどこまで人間と変わらないんだ?」

「ほとんど変わんない。日焼け止め塗ってれば日差しも何とか耐えられるし、たま〜に血吸わないとへにょへにょになるくらいかな。その分怪力はないし、使える魔術も弱いし」

「あっそ……よし、明日になったら出かけるぞ」

「何しに?」

「入国手続き。貴様ら化け物専用の、な。今日はもう眠れ。ほとんど人間ならば夜にも眠れるのだろう。というか俺が眠いから寝るんだけど」

「うん、どっちでもいけるよ」

「それだけ聞ければ十分だ。こっちへ来い。布団の敷き方教えてやる」

「おそw…「間違っても貴様で欲情はせんから安心しろ」……」



今夜は満月が綺麗だ。

ここまで。前よりかは投下量は多いつもり。その分更新周期は長くなるけど。ごめんなさい

あ、そうそう。おやすみなさい

汚魔毛コーナ〜 人外って何ぞ?+吸血鬼ってなんぞや?

人外・じんがい。

ここでは幽霊とか妖怪とか。人の人知を越えた、人や動植物ではないもの全般を指す。鼻詰まったり、喉痛くなったりするのをまとめて「風邪」と呼ぶのと一緒。


吸血鬼

ヨーロッパ全土に伝承をもつ死にぞこない(アンデッド)。元はといえば墓の死体が蘇って吸血鬼になりました。なので本当はイカにも死体って風貌をしており、まぁエグい姿しているそうです。昼間は自分の墓の中でヒッキーしてます

弱点がアホほどありますが、アホほど馬鹿力なので問題ナっシング。
ちなみに弱点は 太陽の光・ニンニク・心臓に白木の杭をぶち込まれると死ぬ。この辺がメジャーですが、他にも海とか川とかを渡れないとか、狼人間しか殺せないとか、まぁ色々あるようです。


魔法使えたり、使い魔とか居たり、体が霧やら蝙蝠やらになったり、犬飼ってたり。日の光当たっても平気とか、自分の中にアホほど命蓄えてて死にませーンってやつとか、超絶美人なお姉さんとか、超絶イケメンお兄さんとか、チートな吸血鬼が増えてるみたいです。コレも需要なんですかねぇ

血が主食。吸血されると仲間にされたり、ゾンビみたいにされたりとロクなことないです。永遠ほど哀しくて虚しいものはありませんよ。


ちなみにコレは自分の独自解釈とか入りまくってるのであんまり真に受けないでください。オマケ終了

献血程度ならいいんですけどね。どこぞの闇の福音みたく。
そういやこの人に血吸われても何にもなかったみたいですね、あのショタ葱。


どうも、まだ書き溜めに余裕があるので落します

第2話「制服は浄衣」


「ここだ」

「荘厳な建物だね」

「神社って言うんだ。日本には八百万の神々という概念があってな。神社は神様を奉るところと考えてもらっていい」


翌日、私は陰陽師に連れられて近くの神社まで来ていた。それなりに大きく、それなりに参拝客も居た。
穏やかな日差しと吹き抜ける風が心地よい。それなりに緑もあって、皆の憩いの場でもあるようだった。


「こっちだ」


境内の隅っこのほうに小さな神社のようなものがある。陰陽師が言うには社とか祠とか言うんだそうだ

薄暗がりな上、目立たないところにあるので言われるまで気がつかなかった。人が二人、入れるか入れないかという大きさ。


「入れ」

「なに? ここで私をひん剥いt…「タイムカードどこいったっけ……あぁ、あったあった」……ちょっとは突っ込んでくれてもいいんじゃない?」

「突っ込むとか……ねーわ」

「そっち?!」



『おかえりー♪』

「きゃぁぁぁ?! しゃべったぁぁぁぁぁぁ?!」


社の中の祭壇に飾ってあった小さな狐の置物が急に喋った。薄暗がりの中、若干目の部分が赤色に光っている。どこぞのト○ロでもあったが、こういう狐の置物は置いてある場所補正もあるせいか、少し怖い


「やかましいぞ、バカ。ただいま、送ってくれ。これ、渡し賃。上物だぞ?」

『まいどー♪いつもどーもね♪』


油揚げを祭壇の上の皿の上に置く陰陽師。次の瞬間私と陰陽師はどこかに飛ばされていた。気がついたらそこは千と○尋に出てきた油屋見たいなとこでした

「おい、陰陽師A! 今度妖怪と戦うときは封鎖結界張るのを忘れるな、あのままだと一般人にばれる。
おい、陰陽師B,このフォーンの入国ビザ調べろ、パックが偽装してるかもしれねぇ。
おい誰か、このショゴスに形を教えてやれ。床がベトベトになる」

「……やり手なのね。同僚とか言ってたのはこういうことか」

「やり手かどうかはわからんがな。同僚についてはそういうことだ」


私は陰陽師に連れられて受付のようなところに来ていた。受付嬢はとても綺麗なお姉さんだ。この人もおそらく私と同じような存在なのだろう、なんだか特殊なオーラみたいなものがあたりに漂っているような気がした


「入国手続きをしに来た、こいつだ。カテゴリー・現代風吸血鬼……あと聞かれたとこに答えたり、書き物いろいろ書いたりしとけ。あとは案内してくれる。俺は仕事へ行ってくる」

『はいはい、カテゴリー吸血鬼……渡航目的は?』

「観光です」

『ではこちらの書類に必要事項を記入してください』




吸血鬼が入国手続きしてる間に俺は自分の仕事をこなす。

人外というものは、人の想像から生まれた産物でしかなかった。
いつしかそれが力を持ち、想像で造ったものが本当に存在するようになってしまった。


世界はグローバル化が進み、あらゆる伝説や神話が世界に知れ渡る。
彼らもまた海を越えて世界を見ようとするものがいる


俺たちはそんな人外(国内から入国者まで)を監視し、管理、時には駆逐もする異能者の集まり。

彼らと同じ人でなし。組織名は特秘事項なのでここでは触れないでおこう。



「おぉ、顔見せに来たのは久しぶりだな、陰陽師、わが孫よ」


こいつは俺の祖父でありこの組織の第**代目の首領、陰陽爺である。俺は戦っているところを見たことはないが、強いらしい。どうでもいいが


「あぁ。出来れば貴様の顔など死ぬまで見たくはなかったのだがな、陰陽爺。報告だ。
この辺りを徘徊してた悪霊は全て駆逐した。だが淀みが酷くなってきてる、とっとと元から断たないと一般人に被害が出るかもしれない」

「今調査班に探し回ってもらっておる。彼らも必死で探しているが、出所はいまだ不明じゃ」

「……俺のせいか? 俺の鬼に惹かれて出てきてんじゃねぇだろうな」

「確かに鬼の気が悪霊を引き寄せていると考えられんこともないが、孫の中の鬼については孫が一番よく知っておろう? それに孫の中に居る鬼の力と気配は、孫の性欲と引き換えに封じられておる」

「まぁな。だが無意識下なら?」

「いまさら話すようなことでもなかろう」

「そうだな。爺、仕事無いの?」

「ホホ、そうじゃの。では……」




『クケケケケケケケ!!密輸入国者ダ!! 密輸入国者ダ!! クケケケケケケ!!』


けたたましい音で吠え出した、爺の部屋に置かれた古めかしい時計。付喪神、というものをご存知だろうか。長い間人間に大事にされてきた道具がなるもの。だがこの時計は少し他の物とは勝手が違っていた。


「やかましいぞ! バカ時計!」ガツン!

『くゲッ?! ふえぇ……』グスッ

「だぁあそうだった! もう泣くな! ホラ、ナデナデ……」ナデナデ

『ふぇ……えへへ……』ニヘラ


人外の気配を感じ取り、警報を鳴らすという珍妙な力がこの時計には宿っていた。色々と突っ込みたいと思うが、我慢してくれ。


「詳細な情報はわかるか?」

『コノ近ク、カテゴリー吸血鬼ッポイヨ。気ツケテネ』

「ありがと時計。行ってきます」

「ホホ、仕事に人生を食い尽くされんようにの〜」

『………エヘヘ…』




倉庫に行き、浄衣の袖の中のポケットからキーを取り出す。そして愛車が停めてあるところまでいき、エンジンをかける。今日も愛馬は凶暴でご機嫌なようだ


ドルルルン!! ドルルルルルン! ドルルルルルルルル……


さぁ〜て、今日も楽しいお仕事と洒落込みましょうか。ご機嫌なエンジン音を響かせて俺と愛車は仕事場へと向かう。

浄衣の男がバイクで爆走し始めたところで、ここまでです。
陰陽師が入ってる組織は、早い話が妖怪版M○Bってな感じです。そういやもうすぐ3が出ますね

次レスからオマケコーナー。チラッとしか出てきてませんが

うん?最初からやり直してるの?

汚魔毛コーナー
フォーン、パック、ショゴスってなんぞや?

フォーン

牧神ファヌウスの親戚とされる精霊で、豊穣を司る存在だそうです。見てくれは上半身は美青年、下半身はヤギ。
穏やかで気品溢れる良識人外。


パック

フォーンと同じような見た目の精霊。変身能力があり、コレで人間を騙していたずらしまくるちょっとたちの悪い精霊。
普通は野山に棲んでいるが、たまに人家に棲むものもいる。そういったやつは家事を手伝ってくれたりするらしい



ショゴス

クトゥルフ神話シリーズの「狂気山脈」に登場する不定形生物。メタモンみたく身体を変化させて目とか耳とかを発生させる。元は奴隷用の生物として扱われ、最初は頭は悪かった。
だが脳を発生させ知性を得、反乱を起す。創造主と全面戦争を繰り広げたものの、最後は地底に封じられた。


ホントにチラッとしか出てきてませんね、こいつら。再登場は未定です。
ショゴスで悪いこと考えないように。擬人化とか擬人化とか擬人化とかry

あと、おやすみなさい

>>18
前のは自分の月光蝶によって黒歴史の中に封印されました。心機一転、ニューゲームです。ある程度のキャラは引き継いでます。あとまた見てくれてありがとうございます

誰得な生存報告です

さっき這い寄れとかいうニャル子なアニメ見たんですが、序章がほぼそのまんまコレじゃねぇか。
なんだこれ。なにやってんだ俺。

うぅ………ny…はっ?! 俺はいったい何をしようとしていた?

はい、あのときの夢でお会いして以来の黒月です。

本当に猫好きですね。自分も好きですよ。羽川さん的な意味で。出るかどうかはお楽しみに。

こんにちは、仕事の残業が長引いてちょっとイライラしてるので落しに来ました。なんて不順な理由。

今回の鍵は、ショタです

第3話「謎の弟分」

ドドドドドドド……カチッ

エンジンを切り、辺りを探す。某鬼次郎みたいなアンテナなんて便利なものはないので、自分の足で探すというアナログな手段をとっている。

なにより、自分の目で見たものしか俺は信用しないので、こっちのほうが俺にとっては都合がいいのだ。




ん? あの駄菓子屋の前にいるマントきて涎垂らしながら駄菓子見てる子どもって…

というか、マント着てる時点で怪しさマックスだよね

「………」

「どれがほしいのかね?」

「………おかね、ない」

「ホホホ、じゃあこれをあげよう。今回はただでいいよ。今度はお母さんと一緒に来てね、坊や」

「ありがと!!」

「そこまでだ」


店の老婆からでかいチョコバーをもらった瞬間に俺がそいつのマントの襟首を掴んで持ち上げる


「ここにいたのか愚弟(グッディー)。すみませんね、これ、料金です。ほらいくぞ、アホ弟」

「はなせー!」

「まいどー」


代金の百円を置いて早々に俺たちは立ち去る。不法入国者はこいつか


「よう。珍しいな、ショタ吸血鬼とは。ロリの需要はありありかもしれないが、ショタの需要なんざねぇだろ。
赤紙ツインテでも出ない限り」

「よくわかんないけど失礼だぞお前!! お前は何だ?! 早く下ろせ! でないと泣くぞ?! 
いかにも誘拐されてますって感じで泣くぞ?!」

「やかましい。お前の腕では俺には届かん、なぜなら俺は今お前の頭を引っつかんでいるからな。

俺の名は陰陽師、お前たちのような人外を監視・管理・時には駆逐する人でなしだ。お前、不法入国しただろ」

「知らないな。家でゴロゴロしてたら頭から布をかぶせられて、気がついたらココにいた。ココはどこだ? 少なくとも僕の母国ではないな」

「………そうか。ややこしそうだ、話は本部で聞こう。必要手続きとかもあるしな。乗れ」


そうして俺はこの妙に態度のでかいショタ吸血鬼を愛車の後部に乗っけて本部へと帰還した。大丈夫、ちゃんとメット被せたよ




上記と同じ手順でガキを本部に連れてはいる。だが先ほどと違い、転移したのは取調室っぽいところである。そして部屋に踏み入れた瞬間にショタに拘束の呪いをかける


「な、何をする! 僕は男の子だ! 男の娘ではない! 頼むからウホらないで!!」

「俺はノーマルだクソッタレ。ニッポンという国を勘違いしてんじゃねぇよ。
ところでお前、最初からココが目的だったろ」

「な、何を言っているんだ?! わけがわからないよ……」

「某感情のない外道の真似をするんじゃない。なら何故最初から日本語を喋っていた? それに僕の母国とかいったな。
バイリンガルは通常長い間外国にいると、その国の言葉で話したり考えたりするのがクセになる。今日来たばっかのヤツでもないだろう、お前?」

「ッ!……」

「いかにも「しまった!」って顔だな。ちなみにここにいる職員は全員化け物と素手で渡り合ったりできるやつらばかりだ。
変な気を起こさないほうが身のためだな。一応聞いておこう、渡航目的は何だとっとと吐けさもないとぶっバラす」

「……目的はここだよ。この組織を潰せば僕たち一族はこの国を支配できる。
それを皮切りに世界中の化け物戦闘集団を潰していく。
僕らに逆らう組織が全滅したとき、この世を混沌と暗闇の世界に変え、僕たち吸血鬼の天下が訪れる!」

「ふぅん……貴様一人でこの組織を潰せと? それに貴様アホか。人間なんぞ倍倍ゲームですぐ絶滅しちまうもんだ、伯爵の言うこと聞いたことねぇのか」

「違う。僕よりももっと強い、現時点最強の吸血鬼がこの国へ潜入している。
お姉ちゃんが本気を出したらお前たちなんか丸まったティッシュのごとく屑篭に放り込んでくれるだろう!! はーっはっはっは!!」

「ほう、貴様のお姉ちゃんなのか。その最強の吸血鬼というのは」

「ッ!……」

「いかにも、「やっちまったぁぁぁぁ〜〜!!」…って顔だな。とりあえず貴様は投獄だ、ヴァンピール!」


ゆらりと現れた容姿端麗な男。俗に言うイケメンである。腰には銀の銃剣とか、黒い銃とか銀の銃とか、いかにも吸血鬼に効きそうな装備をしている。吸血鬼殺しのエキスパートである


「呼んだか異能者」

「あぁ、このガキ牢獄へぶち込んどけ。そうそう、後でお前に渡すものがあったんだ。俺特製の自家製トマトジュース」

「おぉ!! マジで旨いんだよな………ゴホン。すまない、恩に着る。来い、ガキ」

「だから襟首掴んで運ぶなーーー!!」

「……お姉ちゃん、ね。どうしたもんか」





『館内放送館内放送。陰陽師さん、至急所長室までお越しください』

「……今はこっちを優先するか」


またあの支部長室に足を踏み入れなけりゃならんのか。あそこ、クッサイ線香の臭いするんだよなぁ…


「来てやったが、何すればいいんだ爺」

「手厳しいのぅわが孫は。今日から新人が入る、世話をしてやりなさい」

「おねがいしま…あーー!」

「あぁめんどくせぇことになった」


目の前にいる新人はうちに転がり込んできた居候吸血鬼だった。吸血鬼が巫女服て。和洋折衷っていうのか? 言葉の使いどころを激しく間違ってるような気がするが


「人外雇用促進法案は審議中だったんじゃねぇのかよ」

「この娘でテストするんじゃよ。受付のニンフからこの仕事のことを聞いたらしくての、仕事に対する熱意があったので採用してみた」

「まぁいいか。新人、同僚に挨拶回りしとけ。俺はちょっと爺に話がある」

「はーい」





「先ほど豚箱にぶち込んだショタ吸血鬼のことだ。なんだか面倒なことになってるかもしれん」

「というより、すでに面倒なことになっているのではないかの?」

「まぁな」


説明中…




「ふむぅ……ここ最近入国したカテゴリー吸血鬼といえば」

「そういうことだ。あいつしかいない」

「じゃがあの娘と話していても、なんら邪悪な気配は感じられんかったぞ。隠し事をするようなタマではない。なにかがあったと考えるのが妥当じゃろうの」

「とりあえず俺は彼女の監視を行う。爺は対吸血鬼・および対西洋妖怪兵装の準備とかしたほうがいいな。あと入国者を規制したほうがいいかもしれない」

「突如転がり込んできた美人の同居人が侵略者! 果たして陰陽師はどう攻略していくのか?!……それなんてエロゲ? うらやまけしからん爆発しろ」


バンッ!! と思い切り陰陽師がデスクを叩く。衝撃で陰陽爺のデスクの上にあった花瓶と湯吞みが倒れ、書類を濡らす


「黙れ!!! 枯れた爺が…何をほざく」





カッカッカッ……バン!


「引き戸を手荒く扱うでないぞ孫よ……レールからずれて開かなくなってしまうではないか」





「言い過ぎたかのぅ………何もしてやれんというのは、辛いものよのぅ……ってああーー! 書類がぁぁぁぁ!!!」

はいここまで。そろそろ書き溜めが尽きそう……

汚魔毛コーナー
ヴァンピールってなんぞや?

吸血鬼と人間の間に生まれたいわゆるハーフ。イケメンか美女であることが多い。イケメン爆発しろ。吸血鬼は死んでるとか無粋なこと聞かないの。
吸血鬼を唯一殺すことのできるものだといわれている

死ぬとヴァンパイヤになるといわれているが、無事に成長してくれれば一流のヴァンパイヤハンターになる


はいどうも、大丈夫、仕事始まってなかなか進められてないだけで生きてるよ、黒月です。
今から1週間以内に更新できる予定です。

次回! 新人の初仕事の相手は……


(」・ω・)」うー!(/・ω・)/ にゃー!


…………猫?

はい、来ました。黒月です。相も変わらず短いよ。

第4話「はぢめてのお仕事」

「挨拶回りは終わったか?」

「はい、男の人は皆獣みたいな目をしてました! 今日は何をするんですか?」

「最近化け猫がこのあたりに出だしたって情報が入ってる。最近はこの辺りじゃ見かけなかったんだが……」

「化け猫ってなんぞや?」

「化け猫っつーのは親や周りの環境にストレスを感じてる、多感期の子どもに取憑く悪霊みたいなもんか。いろいろと始末が悪い、めんどくせぇ妖怪だ」

「ふぅん……」

「今回はそれをとっ捕まえて豚箱にぶち込むのが仕事だ。まずはエキスパートに話を聞きにいこう。乗れ。ほら、メットだ」

「カッコいいバイクだね…ってかどこに乗るの?」

「バイクに二人乗りっつったらここしかねぇだろアホか死ね」

「ヒドイ……この鬼! 鬼畜! 鬼畜生!」

「全部同じだし確かに鬼だけどさ。てかお前も鬼だろ」

「テヘペロ☆」

「他人をイラッとさせることのプロだよな、あの人」







「(バイクに二人乗り→不安定、危ないのでガッチリ捕まるところがほしい→掴まる所は運転手の腰のみ=嫌でも密着状態になっちゃうんだけどな……こうも無反応だとちょっと傷つく…)」

「?」


そうして俺は先ほどの駄菓子屋へとバイクを走らせる。



「ここ?」

「あぁ、付いて来い」


駄菓子屋の裏手の空き地、そこにはたくさんの野良猫や野良犬がたむろしていた。足元に猫や犬が擦り寄ってくる。人にも慣れているようだ。吸血鬼はノラ達の頭を撫でることに夢中になっている


「おんなじ顔がたくさんだ……どこに居るかな…おーい、猫又—ぁ」

「呼んだかね陰陽師」

「きゃぁぁぁぁぁ喋ったぁぁぁぁ?!」


吸血鬼の足元に寝転がっていた黒猫が急に口を利きだす。よくよく見れば2尾だ。猫は40年生きると人語を話し出し、妖力を使い出すという。それが猫又なのだ


「おう、久しぶりだな。ほれ、お近づきの印にたまたま懐に入っていた鰹節をやろう」カロン

「外国出身だけどそれ、たまたま懐に入っているものじゃないよね?!」

「流石陰陽一家の末裔よ、私の好みも筒抜けか。で? 何をするのに力を貸せばよいのかね?」モシャモシャ

「この辺りで化け猫が出始めたっていうんで、探してるんです。何か心当たりはありませんか?」

「おや、お譲ちゃんは……外のにおいがするね。さしずめ入国者かね?」


曇りの一切無い金色の眼が吸血鬼を見据える。この猫の前ではどんなウソも通じないような気がした。見つめられているとなんとなく居心地が悪くなる、そんな眼力をこの猫は持っていた


「は、はい! 吸血鬼といいます!」

「ンッフフ…硬くならずともよい。珍しいな吸血鬼とは。話を戻すかね。不穏な空気を感じてはいたが……現代では心に傷を抱える子どもが多く居る、とり憑く体には事欠かないだろうな」

「何とか霊体のまんまで捕縛したいんだがな。もし誰かにとり憑きでもしたら……面倒この上ないことになる。とり憑かれた子にも霊傷が残ってしまうし」

「手がかりみたいなものはないんですか?」

「ふぅむ……化け猫はとり憑くまでは普通の猫の霊だ。とり憑きやすい対象が近くにあるときに本性を現す」

「片っ端から猫の霊を捕まえて回るっていうのも非効率的だ。大体霊なんてその辺に腐るほどたむろしてるって言うのに」

「そ、そそそそその辺に、いいいいいっぱい?!」

「手詰まり…か。すまない、邪魔したな」

「ふむ、かまわんよ。力になれなかったワビとして、友人に見回りをしてもらうよう頼んでおこう。力になれんのは悔しいのでな」

「恩に着ます、猫又」

「ねぇ?! その辺にいっぱいってどういうことですかちょっと!! 無視しないでぇ〜〜〜……」




「ところでお前は観光に来たとか言ってたよな」

「うん。そのはずだよ」

「そのはず?」

「記憶がないんです。日本に来るまでの記憶が。名前とか、生活する上でのことは覚えてるんですけど。手荷物見る限り観光かなって」

「(不可解だな……記憶喪失にしては精神が安定しすぎている……)ちなみにその手荷物って何だ」

「えっち!」

「語彙が足りなかったな。なにか変なものは混じってたりしなかったのか? 武器とか白い片栗粉とか…」

「う〜ん……もしものときの輸血用血液くらいかな。あとは下着とか着替えとか」

「日本の四字熟語でこういうのがある。本末転倒ってな。似たようなものに語るに落ちるという言葉もある」

「え?………あぁぁ〜〜〜〜/////」






「記憶がない、ねぇ……一時的なものか、それとも……どうしたもんか……そしてなぜ動揺が見られない? 面倒なことになってきやがった…」


暗雲が立ち込める。陰陽師の不安を駆り立てるように







「急げ、あの方が来るまでに準備を終わらせろ」


暗闇の中、ひとつの人影が複数の人ではない影に指示を出している。何かが、確かに蠢いていた。

はい、ここまで。一区切りにしたかったので中途半端ですが……一レスが長いからカンベンして欲しく…

次は長めだから許して

どうも、僕です。化け猫編前半みたいな感じです。今回のオマケコーナーはいつもとちょっと違います。

ではどうぞ



「とりあえず化け猫が動き出すのを待つしかあるまい」

「そんなことしてたら確実に誰かがとり憑かれてしまいすよ?! 手遅れになる前に何とかしないと!」

「ではどうしろっていうんだよ。化け猫はこの組織で扱われる人外でもかなり厄介な存在だ、
 なぜなら発生の仕方が不規則で予測できないからだ」

「私に秘策があります!」


数分後

「これです!」ジャジャーーン!




そこにはマンガでよく猛獣が閉じ込められているような大きな檻。そしてその檻の中には俺がいた



「おい」

「パーフェクトゥです!」ビシットサムズアップ

「早く出せ。何で俺が餌なんだ」

「なんでって……見るからに病んでそうな感じですから。っていうか実際問題病んでるじゃないですか」

「ぶっ殺すぞクソッタレ」

「大丈夫です、もしとり憑かれたとしても、男の猫耳も需要ありますって」

「やかましいわ、それ確実に男の娘だろうが。マジで誰得だよ。というか無駄な予備知識身に着けてんじゃねぇよ。
 マジお前ら何なの? 人外の世界でもいかがわしい文化が浸透してるじゃねぇか。日本オワタ」







ウニャーォ



「ほら来た」

「マジで?!」ガガン!

説明を忘れていたが、上記の檻には、霊体が一度入ると出られなくなる仕掛けが施してある。

ペットボトルの上の方を切って逆向きに取り付け、固定した魚捕りの罠と同じ原理だ


ふと、檻のすぐ隣を通り過ぎる影。外見は猫だが、どうも様子がおかしい。よくよく見れば下半身が透けている。猫は陰陽師のほうを見ると、ニタリと笑った



ふしゃーーー!!


檻の中に飛び込んでくる化け猫。まだ実体は持っていない、幽霊状態の化け猫はとても弱く、儚い悪霊。そんな弱い悪霊が鬼でもある陰陽師に敵うはずもなく


「霊封結界!」


あっさりと拘束される。陰陽師の術式構築から展開までのその早業。

姑息に高速で拘束する。猫が暴れても結界が壊れないのを確認した後、携帯電話でどこかに連絡する。おそらく報告だろう


「ジジイ、化け猫は拘束した。これより連行する」

『ご苦労じゃった。帰ったら報告書書くんじゃぞ〜。その娘さんに書き方を教えてやれ』

「へいへいっと。開けろ、吸血鬼。そして行くぞ」

「はいは〜い………あれ?」


冷や汗が陰陽師の背筋を伝う。顔には滝のような冷や汗が流れ始める


「今俺の中に凄まじく嫌な予感が駆け巡ってるんだが」

「え〜〜〜〜〜〜〜〜っと。鍵どこ行ったかしりません?」

「\(^o^)/  まぁいい、そこどいてろ。ちょいさぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


バゴン! 


そこには傷一つ無い、マンガとかでよく猛獣が閉じ込められてる檻があった。中には足の裏押さえた陰陽師


「……………大丈夫ですか?」

「………鍵探してくれ」ジンジン



開きませんでした







フニャーォ




「「……………は?」」


ぽかんと間抜けな面をお互いにさらす二人。



背中に走る怖気、そしてその直後


<キャーーーーーー!!!


「しまった!!」

「ウソ?!」

「「もう一匹いたのか(なんて)?!」」




時刻は夕暮れ、光と闇の狭間の時刻。金色の目が暗がりで目を開けた

はいここまで。アレだけ伸ばしといてたった4レスってどうなのよ、俺。

次レスで汚魔毛コーナー・NGシーン

27レスより

陰陽師「ここにいたのか愚弟(グッディー)」

ショタ「あんた本当に僕のあんちゃんかー? 本物のあんちゃんならこんなことができるはずです」



ショタ「慈眼傍観のものまねー」

陰陽師「食事が無いのなら仕方ありません、介錯を勤めましょう。ククク…」

ショタ「やっぱおいらのあんちゃんだ〜!」

黒月「ハイカーット!」





そのに


40レスより

「きゃぁぁぁぁぁ喋ったぁぁぁぁ?!」


吸血鬼の足元に寝転がっていた黒猫が急に口を利きだす。よくよく見れば2尾だ。猫は40年生きると人語を話し出し、妖力を使い出すという。それが猫又なのだ


陰陽師「げぼぁ?! そういや俺猫アレルギーだったぁ!!」ゲボォ

猫又「陰陽師?!」

吸血鬼「そういや私もゴボォ!!」ゲボォ

黒月「カァァァーーーット!! だれか救急車手配して!!」



終わってたのむ


ピーポーピーポー

どうも、比翼恋理のだーりん買って進行が遅れる宣言しに来ました僕です。

それはそうと、キリがいいので化け猫編一挙投下して化け猫編を終わらせます。書き溜め使い切るけど。
こんなことばっかしてるから切羽詰るんだろうがとか言わないで。


ところでどうしよう、後1種類くらい人外絡ませてから鬼編へいくか、このまま鬼編に突入するか……希望があれば言ってくだされ


そういうことなんで今回は汚魔毛コーナーはお休みです




化け猫編 大詰め


「くそったれ、まさか2匹同時出現とは……」

「急ぎましょう!」

「! あぶねぇ!!」

「ふぎゃぅっ?!」



全力疾走中にいきなり吸血鬼の横っ腹を蹴っ飛ばす陰陽師。さすがにもう少しやり方があったのではないか?
ノーバンで壁にぶち当たり、停止。

直後、吸血鬼がいたところに鋭い何かで引っかいたような傷が3本、地面に刻まれた



「あ、すまん、ちょっとやりすぎた」

「ちょっとってレベルを著しく飛び越えてますよ!! 壁に大の字で激突なんて漫画でしか見たことありませんよ!」

「話進めるぞキリがねぇ」

「おいまてや元凶」

にゃぁ〜


辺りに響く猫の鳴き声。徐々に暗くなっていく世界、そこはもはや猫と言う獣の狩場に変わりつつある。そこにいるのは二つの獲物。

猫は動物界でも優秀なハンターなのだ。息を殺し、足音を殺し忍び寄り、次の瞬間には終っている。



「吸血鬼、第一種戦闘配備だ」

「具体的にはどうすればいいんですか?」

「死なねぇように祈ってろ、以上(オーバー)」

「ちょっwww シャレになりませんよちょっとぉぉ!!」



陰陽師が袖の中から複数の札を取り出し、空中にばら撒く。そして胸の前で複雑な印をきりだす。
それに呼応するように、空中にばら撒いた札が薄く発光し始めた



「リン・ピョウ・トウ・シャ・以下・省略! 封鎖結界」



途端に辺りに薄い霧のようなもやが立ち込め、辺りを覆いつくしてしまった。
だが自分たちの視界はちゃんと確保されている。これで人目を欺くのだろう。



「お前これ持ってろ」



渡されたのはおよそ20センチくらいの金属。金色に輝くその金属の両端には3本の爪のようなものがついている



「なんですかこれ?」

「金剛杵、ヴァジュラだ。武器みたいなもんだ。今回は研修ということで特に何もしなくていいが、いざというときは自分の身は自分で守れ。来るぞ!」


ヒュオッという風を切る音、直後陰陽師の頬に引っかき傷が3本刻まれる。



「ちぃい! んのぉ!!」



杓杖を振るが、そこにはもう何もいない。そして陰陽師が用があるのはとり憑いている悪霊のほう、とり憑かれている体には極力傷をつけないようにしなければならない。

ふと、月明かりがあたりを照らす。たった今陰陽師に傷をつけた猫耳の少女が極端な猫背で佇んでいた。
猫耳、茶髪、容姿端麗。スタイルはお前らの妄想力に任せる。ω←こんな形の口の端から牙が2本見えている



『ニャフフ…』

「だからイヤなんだよ化け猫の相手はぁ……おい吸血鬼」

「ふえぇ…なんですかぁ?」

「可愛こぶんな。とりあえず囮になれや。さっきは俺がやっただろ」

「やーぁですぅ〜〜!!何もしなくていいって言ったじゃないですかぁ〜」

「あ、いい忘れていたがその金剛杵の効能は悪霊をおびき寄せるためにデコイだ」

「あぁ〜、だから私が持たされて………」


「ってこらぁぁっぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!」






「ちなみにそれは一度手に持つと離れなくなるように、持ち手に瞬間接着剤を仕込んである。安心しろ、安心と実績のアロンダイトだ」

「○ロン○ルファね。胡散臭い説明の割には原始的な手を使うのねってこらぁぁぁぁぁっぁあぁっぁぁっぁぁぁ!」

「やかましいなぁ、ほら、来るぞ」

「いやぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁ!!!」


吸血鬼の叫び声とともに、化け猫少女が一瞬にして姿を消す。悪霊が取り付き、あらゆる身体能力のリミッターが外れ、常人ではありえない戦闘能力を、少女は手にいれていた

鋭い一撃が暗闇に紛れて吸血鬼を狙う







バチィィィィィン!!



「にゃ?!」

「それは結界だ猫。貴様ら悪霊にぃ、それを突破することは不可能だァ。おォとなしく捕まえられろ、ヴァけ物め」

「(声低っ!)」



陰陽師が特殊な祈祷を込めた金剛杵は妖怪をおびき寄せる特殊な妖力を込められている。だがそれに反し、手に持っていると不純な妖力をはじき返す効力が付加される。



「これって…」

「囮になれや、とは言ったが誰も死ねとは言ってねぇ。さぁ〜て、オイタはここまでだ化け猫。仇名す人外は豚箱へ、低俗な悪霊に過ぎない貴様らは黄泉へ帰れ」


結界に触れ、痺れて動けない化け猫に悪魔の足音がゆっくりと、しかし着実に歩み寄っていく


「…っと、こんなもんか」



気絶した化け猫少女の周りになにやらお札を配置する陰陽師。何かの儀式でもはじめるのだろうか



「これから何するんです?」

「幸いこいつはとり憑かれて間もない。まだ多分引き剥がせる段階だ、化け猫を引きずり出して滅霊する。
滅霊陣・浄化結界だ」

「あぁ、要するにボクタイのパイルドラ 「皆まで言うな」 …」

「ともかく、人外であるお前には少々危ないものだ。そこで待ってろ」

「はい」

「行くぞ。オンキリキリオンキリバサラシイラムシイラム……」



淡い浄化の光があたりを照らす。だが光を見つめる吸血鬼の表情は硬い。それもそうだ、これは人外を滅するためのもの、自分があの中に入ったら苦痛にのた打ち回ることになるだろうと吸血鬼は直感的に思った。

日の光に背を向けた自分に、もう二度と日の光は振り向いてはくれないのだ



辺りを散るように照らしていた光が収束し、化け猫少女のほうへと集まりだす。とたん、化け猫少女が急に苦しみだす



「あぁぁああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁaaaahaaaa?!」



集められた光が、フライパンの上で肉を焼くがごとく少女の身を焦がす。



「安心しろ。その痛みは化け猫が受けているものだ、決してお前が受けているものではない。
気をしっかり持て。お前は助かる、俺が助けてやる。お前が気をしっかり持っていれさえすればな」

その言葉が届いているかはわからない。だが、吸血鬼は結界の中の少女が、わずかに反応したように感じた

刹那



『ギニャァァッァァッァァーーーーーーーーーーー!!』



少女の体から本来彼女の体にないもの、不純物が吐き出される。悪霊が姿を現した。禍々しい、獣そのもの。



「チッ、引きずり出すだけで精一杯か……まぁいいか。さぁ〜あおいでなすったぜ。今宵も宴を始めるか」


しゃらん、と小気味のいい音を響かせて陰陽師は背中の2本の杓杖を解き放った


「爆導符!」



陰陽師が杓杖を勢いよく振りぬくと、霊体に張り付くと爆発してダメージを与える特殊な札がたくさん飛んで行く。

だが身軽な動きで呪符をよける化け猫。暗闇の中を軽やかに、優雅に飛び回る化け猫

化け猫の指から隠されていた爪が飛び出し、陰陽師を狙う。陰陽師はそれを杓杖で受け止める。普通の人間なら勢いに押し負けて押さえつけられたと同時に潰れてしまっただろう



「っ……くそがぁぁ……鬼をナメんなよ?!」



霊体に質量とかヤボなことは突っ込まないにしろ、かなりの衝撃を陰陽師は受けた。だがそれを彼ははじき返したのだ、彼の中に流れる鬼の力を使って


「式神・蒼朱雀!」


右手の杓杖の中ほどを持ち、指で器用に1回転。すると空中に描かれた円に複雑な字が浮かび上がり、魔方陣のようになる。そこから蒼い炎が鳥の形をして無数に飛び出し、化け猫を追い立てる

俊敏な動きで鳥を回避していた化け猫だったが、やがて一羽の炎の鳥が化け猫にヒット、瞬く間に化け猫は炎上する。


ャーーーーーー?!

もはや泣き声ですらない、喉の奥から出された音は虚しく結界の中に響く


「罪状・罪無き人に取り付き私欲のために暴れようとした、一般人への憑依罪。加え俺に対する特殊任務執行妨害。
上記二つより情事酌量の余地なしと判断。滅霊執行」


頭上に掲げた2本の杓杖を振り下ろす陰陽師。今回の仕事はこれで終わりだ


「た、助かったぁ…」

「助かってもらわなきゃ困る。どうだ? これが仕事ってやつだ。常にくたばるか死ぬかの瀬戸際で俺たちは戦ってんだよ」

「どっちも死んでるじゃないですか。……でも、まだ判断材料が足りません! 引き続き指導のことお願いします」

「…………チッ」


辺りを覆っていた結界の効力が消え、霧が晴れる。同時に、朝日が地平線から昇り始めていた


リザルト

滅霊・および逮捕

逮捕  化け猫(霊体)×1
滅霊  化け猫(憑依体)×1


時計『今回ノ報酬ダヨ! チョット苦戦シタミタイダネ…次ハ頑張ッテ!』

化け猫の霊毛×2
化け猫の霊爪×1
化け猫の霊牙×3

はいここまでです。リザルトはお遊びですwww

>>51 救急車の手配ありがとうございますwww

始めに言いましたが、後1種類人外と絡むか、鬼編へ行くか、希望があれば書いてくだせぇ
書き溜めも無くなったしorz

乙!
化け猫さん、僕にとりついて下さい、お願いします

希望としては絡みの方

どうも、のこのこやってきましたわっちです。
まぁもう一匹くらい相手にしといて核心に迫ったほうがいいなってことでなんか人外を絡ませます

>>62 とり憑かれると猫になりますよアナタwww


決めらんないので安価で。どうなることやら…ガクブル

>>66

もしかして誰も気付いてないか…?
あげてやってみるか

>>67

もう一匹相手で

よっしゃ把握しました。あと書いてから見返して思ったけど、実際安価したかったのは次の相手の人外ってことに気付いたorz もう人外決めて話書いちゃってるけど

何が言いたいかっていうと、楽しみにしてて。

次回予告!
次の相手は日本妖怪の金字塔のあれとか、モンスターッつったらこいつだろっていうやつとしっちゃかめっちゃかします。

おにゃのこ成分多めになるかもしれません。でも容赦なく戦います。ココロは拳と背中でで伝えろってことで

どうも、ワタクシですが。明日の夜当たりに更新する予定です。

有機溶剤の講習から帰ってきたら……でもまだVSデストロイア見てないし…まぁ更新は絶対します、舞っててね

私は帰ってきたぁ!! ………ハイどうも僕です。もう試験終わったので合格とかもーどーにでもなれ。

第…もう何話かなんてどうでもよくなってきた、上で書いてないときあったし

「緑の中を走り抜けてく漆黒の羽」


河童「ウケケケケ! この辺のキュウリは全部俺様のものだーー!」

陰陽師「おい、この辺のきゅうり畑は土地開発で遠くのほうへ引っ越したぞ」

河童「なぁーーーーーーにぃ?! 俺様やっちまったなぁ?!」ガガン?!

陰陽師「河童は黙って!」

吸血鬼「川へ帰れ!」

河童「ぷげら?!」

吸血鬼「罵倒したくらいで吐血した…」

陰陽師「まぁ今回は未遂で終わったが、何かしでかしたら刻んでバラバラ河童の川流れしてやるからな」シャクジョウキラリ

河童「しーましぇん」ガクブル


「思ったより早く終わったな」

「はい、たった1レスで名前表記が消えましたし」

「メタい発言するな。……現在午後3時、か。時間空いたしどうしようか…」

「あ、どこか影ないですか? 日差しが強くなってきてますし、日焼け止め塗っとかないと溶けちゃいそうです」

「木陰くらいしかないな…」


『はい、これで、どう』

「あ、ありがとうございますってきゃぁぁぁぁぁーーーー?!」


すぅ、という音(というか雰囲気的な、少なくとも音ではない)とともに姿を現したのは,
有名どころであるぬりかべである。全身灰色の大きな壁に申し訳程度の目、短い手足がついている。


いつも陰陽師は思う、こいつどうやって喋ってんだ?


「おぉ、ぬりかべ! 久しぶりだな!」

『うん、久し、ぶり。4年、ぶりくら、い』


「こ、これが鉄壁のステルスウォール……ジャパニーズヌリカベ…」

「鉄壁というか泥壁だけどな。キャラ薄いからって厨2病設定付け加えるな。あと早く日焼け止め塗ってしまえ」

「ふえぇ…」

「幼女でもねぇだろうが、体型以外。なんつーんだっけ、ずんどう…」

「おい、ぶち殺すぞ?」

「わかったごめんなさいだからその光彩の消えた目でこっちを見ないで握り締めた拳を解いて握手しませう」

『…………………夫婦、漫才?』

「「違う!!」」


どう見てもフラグです本当にありがとうございました


『最近、外人外、多い。度々、喧嘩、なる。どうにか、ならない?』

「んあぁ……俺らもなんとかしたいんだがなぁ……罰則とかは設けてあるが、お前らにとってはザル同然だもんなぁ…」

『黒天狗様も、手を焼いてるやつ、いる。そいつだけでも、なんとか』

「ほう? 詳しく聞かせてもらおう」




『この辺に、大きい地下空洞、ある。そこに、外人外、無許可で、入ってきた。
 統治してた黒天狗様、怒った。相手、聞く耳なし。一触即発状態』

「な、なんだかすごいことになってたんですね……」

「あぁ、それで地下空洞に閉じ込めといたはずのバ河童が外に出てきたのか」

「あれ伏線だったんですか?!」

「まぁクソつまんねー伏線だけどな。ともかく、まだ戦いにはなっていないんだな?」

『うん。だから、よかった』

「仕方ねぇ、今日は残業覚悟だな……怪獣王のDVDBOXは明日見るか」

「まず何見るんです?」wktk

「そうだな……あえての「怪獣王・最終戦争」からかな」


ざわぁ…と、どことなく不吉な音を立てて揺れる木々。俺たちは先ほどの川を遡ったところの森に入っていた




プゥーン…パチン!

「っ! あーもう! 蚊が鬱陶しい!」

「吸血鬼が吸血されてちゃ世話ねーなwww」


ぬりかべとは少し前に別れた。あの図体で狭い木々の間を通り抜けるのは無理だろう。
木々の間に挟まって動けなくなったときのぬりかべの切なそうな目はおそらく、一生忘れることはできないだろう


「まだ着かないんですかー? てかどこへ向かってるんですか?」


吸血鬼が泣き言を言いながら陰陽師の背中に問いかけたとき、急に陰陽師は歩を止めた。必然的に、ぶつかる吸血鬼


「あぶっ! ……急に止まらないでくださいよ! なんですかもう…」

「……………居る」

「へ?」

「見られてる。ヴァジュラ出してろ」





ザウッ!!    ガッ!!



「ッ?!」

「やはり貴方か、黒天狗教官」

『ほう、ワシの初撃を受け止められるほどになったか、わが弟子よ』


陰陽師が何者かの拳を手で受け止めていた

そこには真っ黒な天狗が居た。姿は皆さんが想像する天狗とそう変わらないが、そこに居るのはすべてが漆黒、そして羽が全部で3枚ある。黒い翼を翻し、距離を置く天狗


『陰陽道に通ずるものであれば、人外の襲撃に備え一時たりとも気を抜くでないわ!!』

「このノリは……」

「はぁ……吸血鬼、手出しすんじゃねぇぞ」

「わかってます」




『行くぞ陰陽師ぃ!!』

「はい、教官!!」



『黒天流体術はぁ!』ガッ

「六欲天すら凌駕する!」ヒュバッ ガギン!

『剛派拳裂!』ガガガガガガ

「百鬼繚乱!」ガガガガガガ

『「その目に、心に! 魂に刻め! 宵闇の羽が空に舞うぅ!!!!」』ドバァァァァーーーン!!



「く、黒く燃えてます……」ゴクリ






『ふぁっはっはっはっは!! 驚かせてすまんな、少女! ワシはこの鴎森を統治しておる黒天狗じゃ!』

「出会い頭にあれやるのやめません? 無駄に疲れるんですよ」

「(陰陽師が敬語になってる……きっと偉い人なんだ)」

『そうじゃな、かつて陰陽師に体術や戦い方、陰陽術式を教えたのはワシじゃからな』

「え?」

「教官、初対面の相手に神通力はマナー違反でしょう。最近規制しようって動きもありますから」

『ヌハハハハ!! …………そうなの?』

「お前も気をつけろ、ちょっと気を抜くと心読まれるからな」

『娘も陰陽師に会いたがっておった。せっかくここまで来たのだ、ワシの家に寄って行け』

「丁度訪ねようと思ってたところですよ」

『ぬぅ…あの件か』

「ええ。詳細は教官の家でということで。ではお願いします」

『ウム。ぬぅん……はぁっ!』


黒天狗が腰につけていたヤツデの葉のような団扇を取り出し、一振りする。すると目も開けていられないほどの風が当たりに吹き荒び、次の瞬間に3人はその場から消えていた

はいここまで。金字塔は天狗さんでした。黒いけど。CVは秋元さんか玄田さんで再生

次回は中編になりそうです。次レスで恒例汚魔毛こーなー

汚魔毛こーなー


黒天狗

オリジナル人外。多分何百歳。
外見的にはそんなに天狗と変わらないが、背中に漆黒の羽が3枚生えている。拳で語るマスター極東or熱血風林火山。

元はヤタガラスが天狗になったものと妄想してキャラ作ったけど、ヤタの漢字変換が出なくて、
挙句ヤタは大きさの単位だったことを知って黒天狗に落ち着いた


ぬりかべ

通行人の邪魔して遊ぶ日本原産の妖怪。夜中にいきなり見えない壁に阻まれたらコイツの仕業。
一服してまた進むか、ぬりかべの足元を払うと消えるといわれている


河童

ご存知頭に皿乗っけたキュウリ大好き川に棲む妖怪。相撲超強い。皿が乾くとヘタレる。今回は完全に噛ませ犬でした

ミニスカとか妙にエロい巫女服なんて認めない。羽入、結、テメーらのことだよ。
……いや、別に君たちが嫌いなんじゃなくてそういうあからまさな巫女服は邪道だって言ってるだけで俺としては普通の巫女服に魅力を感じているだけでry


レスはえーな……なんか嬉しいのでついでのキャラ設定落としとこ。今更やン…orz


陰陽師 CV魔王の息子だったり普段着がウルトラマンだったりする人


男。10代後半くらい? 

味方には限りなき慈悲を、敵には容赦なく、そして残酷に。をモットーとする。厨2の疑い有
口が悪いのは>>1が生まれも育ちも播州人だから(?)。割と何にも考えず言いたいことをいうので、暴言が目立つ



吸血鬼 CV殺し屋JCに後ろから挨拶してよく腕をゴキンって言わされてる人

女。年齢ry(年齢に関しての手記はここで途切れている…)若干寸胴体ry(スタイルに関しての手記はここで途切れている…)

金髪緑眼。陰陽師の組織に仮所属している。青袴の巫女服。和洋折衷。
ここ最近イジられキャラと化しているが、体型や年齢のことに関してはryうわなにするやめ



化け猫(に取り憑かれてた少女) CV どこぞの大地主の娘のネコミミメイド

女。JC。大きすぎず、小さすぎず。

たまたま歩いてたら化け猫にとり憑かれた不幸な少女。現在陰陽師の組織にて霊傷の治療中。後々触れます

びゃぁぁぁぁあああごべんだざいいぃぃぃ!!(泣) はいどうも、ごめんなさい。大事なことなので2回謝りました


チクショウ仕事め。書き溜める時間も気力も奪いよってからに……今必死コイて書き溜めてます

時間潰し用に前作張っとこうかな…… 「あぁ…」 って感じになるモンだけど。あ、あくまで時間つぶし用なんだからねッ!


http://ncode.syosetu.com/n6427z/


まだだ! まだ終わっていない! 俺はまだ生きている! 生きているんだ!
生きてりゃ何とかなるってオタキさんも言ってました

うっす!夜勤明けてそろそろ本気出すぜ!私だ!!
ハイどうも今晩は。という訳で落しに来ました。

ではどぞ 「一人と2匹と」


陰陽師たちが気がついたときには、深い霧の立ち込める、森の中の神社らしきところの前に立っていた。
その大きな神社は霧も相まって、神々しく神秘的な雰囲気を漂わせていた

黒天狗は長い下駄を、陰陽師と吸血鬼は草鞋を脱いで中へと入っていく


『帰ったぞ!』

『『お帰りなさいませ、黒天狗様!!』』


注意しておくが、今の台詞は顔面いかつい天狗たちが言ったものだ。
間違ってもおにゃのこが言うような可愛げのあるものではない。
どちらかというとヤのつく職業な感じを思わせる調子だ。

というかこんな発想に直行してしまう自分に少々自己嫌悪を覚えないでもない>>1


『ウム。天狗娘はおるか?!』

「なぁに? アタシこれから出かけようと…」


奥から出てきたのはおおよそ人間と変わらない少女だった。
違うところといえば、背中に黒天狗と同じような漆黒の羽が3枚、生えているところくらいか。
可愛い系というよりかはキレイ系である。大和撫子という感じだ。


『陰陽師が来たのでの。お前も会いたがっておったじゃろう?』

「おぉ、久しぶりだな天狗娘。何年ぶりだ?」

「おぉおおぉぉおぉおおおぉおおんみょうししゃん?! お、ぉぉおおぉおおおひしゃしぶりでしゅ!」

「ドギマギしすぎだ、カミカミってレベルじゃねーぞ。顔赤いし、熱でもあるのか?」

「だ、だだだだだだって!! き、聞いてないよこんなの!!」

『娘よ、少しは落ち着…』

「おとーさんは黙ってて」

『』orz

「しかしほんとに久しぶり。前に見たときはこんなだったのになwww」

「あ、アタシだって成長してるんですっ! 何なら証拠を…ゴニョゴニョ……」

「『?』」




「(なんだろこの疎外感。そしてなんだろ、この胸のうちに広がるモヤモヤといらいらは……)」



『あれは数ヶ月くらい前だったか。この森には広大な地価空洞があるのは知っておろう』


「ええ。霊的にもかなり面白い場所らしいですね。昔の悪徳陰陽師集団が殺した人外の死体を、
しこたま集めてあそこに放り込んで放置してたせいで、ものすごいタチの悪い人外の悪霊が跋扈しているとか」

『ウム。それを封じるため、そしてその無念の魂を鎮め、祀るためにワシら黒天狗一派がこの森と一緒に守っておったの
じゃが……そこにきやつが現れた』


『地下空洞の中を巡回しておったワシの弟子がその人外を目撃しての。外に出るように説得しようと近づいたところ炎を
吐かれたそうじゃ。

弟子は風障壁で威力を軽減しようとしたのにもかかわらず全身大火傷を負ってしまった。
仲間を傷つけられ、そして危険な場所に入り浸る、これはワシとしても見過ごすことはできん』


「外見的特長は?」

『見てくれは普通の人間の女のようじゃったらしい。それこそ美人の類だったとか』

「そのお弟子さんってあの弟子1さんですか? 教官」

『そうじゃ。あやつはワシの弟子の中でもひとつ頭飛びぬけて強い力を持っておる。
だからあの危険地帯の巡回を任せておったのじゃが……なんにせよ、相当な力を持つ人外じゃな』


「今度も戦わないといけないのかな…」


不安そうな面持ちで吸血鬼がつぶやく。対化け猫戦のことが効いているのだろうか。
化け物が化け物に対して恐怖を抱くというのは…


「さぁな。だが会ってみないことには始まらん。黒天狗教官、地下空洞への道を教えてください」

『よかろう。ヤタガラス、案内してやれ』


「「「地下空洞なう」」」

「ってなんで天狗娘まで付いて来てんの。面白半分で来るもんじゃないぞ。
黒天狗が折角ヤタガラス出してくれたってのに」

「こ、これも修行の一環です! お父さんの娘たるもの強くなければなりませんから!」

「やめておけ、生半可な気持ちじゃ死ぬほど痛い目にあうだけだぞ。おとなしく滝に打たれる荒行とかしてろ」

「あれも大概痛いんじゃないですか? ここは私たちプロに任せて!」

「無い胸の張るな吸血鬼、そもそもお前もほぼアマチュア同然じゃねぇかこのド素人が」

「おい今無い胸っつったかテメェ」ビキビキ

「あ、アタシはある方だから胸張っても大丈夫ですね!」フンス!

「いやその理屈はおかしい、そして吸血鬼、ごめんなさい」


陰陽師が手にランタンを持ち、先頭に立って歩く。その後をおっかなびっくり付いていく吸血鬼。普通に歩いているようで、目がやたらと泳いでいる天狗娘。


カツーーン…  カツーーン…



「こういうとき明かりがランタンだけってのもある意味情緒があるよな」ホラーテキナイミデ

「どう考えてもいらない情緒ですよそれ…」

「あら? さっきまでの威勢はどこへ行ったのかしら? 吸血鬼(笑)さんwww」

「ぐぬぬ…」


余裕ぶっこいてた天狗娘のうなじに洞窟の天井から降ってきた雨水がぴちょんと落ちる


「うきゃぁっ?!」ウキャァ ウキャァ…

「あれれ〜? さっきまでの威勢はどこへ行ったのかな〜? 天狗(笑)娘ちゃん?ww」

「ぐぬぬ…」

「(なにこいつらめんどくせぇことこの上ねぇ)」


ふと、開けた場所に出る一人と2匹(?)ランタンの明かりが開けた場所全体を明るく照らす




「開けたな。それにしても鍾乳洞がきれいだ」

「さすが陰陽師さん着眼点がいちいちズレてます」

「勝手にそこにシビれて憧れてろ」

「でも綺麗ですよね……自然が創り出した造形美っていうんですか? 
この美しさが解らないとは、心にゆとりないんじゃない? 吸血鬼サン?」

「カッチーン! あったまきちゃったわ表出なさい」

「上等よそれよりカッチーン! とか口に出しちゃうてwww」プギャー

「てめぇら黙れ。全身の間接360度動くように稼動範囲広げられたくなければな」ドドドドドドドド…

「「」」ガクブル


一々どうでもいいことで喧嘩おっぱじめるこの2匹。
間に挟まれるほうはたまったものではないのでとっとと対話して分かり合って欲しいものだが。ともかく奥へと進む。と

さぱん、と水と戯れる音が奥のほうから響いてきた。おそらくは、だろう。水浴びの途中らしい


「吸血鬼、ヴァジュラ出しとけ。天狗娘、なんか武器出しとけ」

「「陰陽師さんは?」」

「対話に来たのに武器抜刀してるってのもアレだろう。お前らは俺と違ってこういうのに慣れていないからな。
 いざって時には逃げてもらわにゃならんし」


LOADING…  カリカリカリカリ


———地下空洞最深部—嘆きの湖——





開けた場所のさらに奥地、そこには広大な地底湖が広がっていた。
底まで見える透明度の高い水に満たされてはいるが、暗さのせいでぽっかりと大きな黒い穴があるようにも見える


「ここだな。焦げ後がある、おそらくここで弟子1がウェルダンにされたんだろう」

「陰陽師さん薄情」

「油断すんな、さっきから見られてることくらい気付け」

「「?!」」ビクゥ! キョロキョロ

「…………嘘だ」カナ カナ?

「「ちょっと!!」」

「……来る」


刹那、地下空洞全体が揺れる。天井からパラパラと小さな石が落ちてくる。湖の中央に小さな波紋が浮かぶ。
徐々に大きくなる波紋、水底から水泡が浮き上がり水面で弾ける

やがて波紋の中央から一人の美しい女が現れた

はいここまで。見返してると誤字脱字ばっかだねwww orz

過去は振り返らない。それが若さです。故の過ちでもあるのです。


では次回をお楽しみに、次レスで天狗娘プロフ

天狗娘 CV後ろからニコニコ這い寄って来るアレ

女。10代前半?

黒天狗教官の娘。小さいときに陰陽師によく遊んでもらっていた近所の妹分的な立ち位置。淡いものから本物へと変わった模様。なにがだって? 野暮ったいこと言うんじゃねぇの

はいどうも久しぶり来たかと思ったらただの生存報告ですボクです。

最近自分が拠点にしてる小説サイトでち〜〜っとばかし事件っぽいことがありまして、そこで同志たちとドーするか相談とかしてたらこっち全然進めてなかったよハッハッハッハ俺のバーカ

いままで書いてた2次小説3つ消すとかどう見ても俺涙目ダヨオイorz

こんばんは、お久しぶりですワタクシです。ほんとに。

さぁ陰陽師たちの目の前に現れた美しい女性の人外とは?!


「孤独だからって八つ当たりはいけない」

『…ふぅ。やっぱり居心地いいわここ。アタシのお家にふさわしい。そうは思わない?』


湖のほぼ真ん中からほぼ静止した状態で話しかけてきた、ルビーのような深紅の瞳の女。顔だけ出して、気持ちよさそうに髪を後ろに流している。立ち泳ぎするならもっと水面が蠢いている筈なのだが


「いや、思わないな。他人の土地に土足で踏み入り挙句他人外を傷付けるなど……
人外としては足りないものが多すぎる。情熱思想その他もろもろ、そして何より品格が足りない」

「端折りすぎです、ちゃんと最後まで言ってください!」

「うるせぇ」

『あらあら、そんなものを見せ付けに私のところに来たって訳? しかも両手に花で。
わかったわ、アナタ顔立ちいいからミディアムレアで容赦してあげようかと思ったけど……
灰になるまで焼き尽くしてあげる』


突如、水面がざわりと蠢く。激しく水しぶきを跳ね上げながら湖から姿を現したのは、人間の女性の上半身に鷲の後肢を持つ人外だった


「この人外……まさかヴィーヴル?!」

「なによそのヴィーヴルって」

「だとしたらかーなりまずいな……」

『何十年何百年たっても出会いのない私に見せ付けてくれやがって、ぶっ殺してやる!!
ヴァージンで悪いかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』




LOADING…  カリカリカリカリ


エネミー   ヴィーヴル・第一形態


問話休題・吸血鬼による! ヴィーヴルとぅは、なぁぁぁぁぁんぞやぁ?!


吸血鬼「ヴィーヴルっていうのは平たく言えばドラゴンの一種だよ。
城跡や修道院で財宝を守るドラゴンっていわれてる。
男どもが喜ぶような設定の中にすべてがメスだっていわれてるね。

時には女性の上半身にワシの後肢を持つ精霊とされることもあるみたい。
両目が赤いルビーやガーネットといった宝石で出来てて、取られると失明するばかりか死に至ることもあるんだって


普段は地下で生きてるんだけど、時に地上に出て人間を食い殺すということもあるみたい。
その時には体全身が紅蓮の炎で燃え上がるんだって」


注意・この講義は黒天狗編以前に収録されました


ゴォッ! っと風が空を切る音。そしてその直後にパリン! とガラスの類が割れる音が地下空洞最深部に響き渡る。

ヴィーヴルが陰陽師の持っていたランタンを焼き尽くしたのだ。
唯一の明かりであったランタンの火が回りに飛び散った油に引火し、燃える。
それも数秒と立たず消えてしまい、辺りは数センチ先も見えない真っ暗闇に変わる


「マズイ、式神・蒼朱雀!」


杓杖を回転させ魔法陣を描く陰陽師。そこからまた前回と同じように蒼い炎の鳥が大量に飛び立つ。
洞窟内に妖しい青い火の玉が展開され、先ほどより視界はよくなる。

だがそれはヴィーヴルに攻撃の隙を与えたということに他ならない


『小賢しいんだよぉ!!』


尋常ではない速度で接近、鷲の後肢で陰陽師の頭を掴み、洞窟内の壁に叩き付けるヴィーヴル。
陰陽師が叩き付けけられた岩壁の一部が崩れ、陰陽師に降りかかる


「がはぁ?!」

「陰陽師さん!! クッ、喰らえ黒風刃!!」


ヤツデの葉のような団扇を取り出し、ヴィーヴルに向かって仰ぐ天狗娘。
 団扇から発生した微風はあっという間に竜巻のように渦を巻き、そこから半月状の衝撃波を大量に飛ばす


『若いだけが取り柄の小娘にアタシが倒せると思ったかぁぁl!!』


芸術的とも呼べる身のこなしで衝撃波をすべて紙一重で避わすヴィーヴル。正直旗色が悪い。
 思ったより戦闘慣れしているらしい。年の功、とでもいうのだろうか。


「なっ?!」

『ウフフ、鳥モドキ風情が竜に勝てるとでも思ったのかしら? トチ狂ってるんじゃな、いッ!』


見事なストレートキックが天狗娘の腹部にめり込む。その衝撃で大きく後ろに吹き飛ばされる天狗娘。
 このままでは先の尖った岩に串刺しになってしまう


「っ!」


「危ない!!」


ガシィ!


横から吸血鬼が天狗娘を抱き抱え、岩への衝突を免れさせる。


「ありがと、助かった」

「うぅん、いいよ別に。それより…」

『美しい女同士の友情ってヤツ? いいわねぇ。アタシにはそんな友達も居なかったんだけどねぇ!!』

「「きゃぁぁぁーーー!!」」


ボッチのはた迷惑な、八つ当たりの癖に強力な竜の火炎が二人を襲う


「式神・白玄武!」


洞窟の岩が隆起し、火炎と吸血鬼と天狗娘の間に立ちふさがり、二人を守る。
 炎が当たっていたところが真っ赤になっている。もう少しで岩も燃え出しただろう。
 辺りに焦げ臭いにおいと白い煙が立ち込める


「ったく、女の嫉妬ほど醜いものはないな」


頭から血を流した陰陽師が煙の中から現れる。浄衣のあちこちが破け、露呈した肌からは赤い血が滲んでいた


『あら? 全身の骨が使い物にならなくなる程度にブン投げたつもりだったんだけど?』

「あぁ、浄衣がなければ即死だった」

「あれってそんなに強度あるものだったんですか?!」

「それはあれだ、どこぞの契約者が着てたコートと同じ原理と考えてくれていい」

『ちょっと耐えたからって調子に乗らないでくれる?』

「まぁな、調子には乗ってないさ。そろそろ伏線回収しようかと思って」


と、洞窟の湖の水がにわかに震える。真っ暗だった水面には、陰陽師が先ほど設置した蒼朱雀の灯篭が映っている。
 水面に浮かぶ青い炎が徐々につながり、大きな蒼い炎を形作る


「こいつは俺の使う式神のなかでも一番メンドクサイやつでな。
場所も選ぶし、ローディングも長い、さらにこうやって準備してやらないと出てきてくれないんだ」


湖の水面の下で燃えていた蒼い炎が、紅蓮の赤色に変わる。水面下で蒼い炎が連なり寄合い、竜の姿を形作る


「目には目を、埴輪には埴輪、庭には2羽ニワトリ、そして竜には竜を!来たれ、紅青龍!!」


水面から、燃え盛る炎のような赤色をした水が立ち上がる。
周りに飛び散る水はその赤さでマグマにも見えるが、肌に触れるとそれは水だということを実感できる。


『な……なによこれ?!』

「説明は後でする、とりあえずくたばれ。お前は龍のエサだ」


大口を開けた竜がヴィーヴルに向かって突進する。ヴィーヴルが断末魔をあげる前に、紅の龍はすべてを飲み込んだ




「……ふひぃ…」


その場にへたり込む陰陽師。杓杖がカラン、という音を立て地面に落ちる。大きな力を使った後の代償だ


「「大丈夫ですか?!」」

「あぁ、ちょっと疲れただけだ」


陰陽師が視線を向けた先には、大きな赤い水の固まりが浮いている。
その中ではヴィーヴルが赤色の水の中でもがいていた。
時折こちらに向かって親指を下に向けたり中指を立てたりしている。


「強力な人外用の拘束術式。力の制限術式と、破ることは至難の技の水の檻の重ねがけだ。そう簡単に出られはせん」

「どうするんですか、彼女」

「とりあえず特殊任務執行妨害は適用されるな。後のことは本部まで連れ帰ってからだ……」


陰陽師の表情が凍りつく。急に立ち上がり、周りを見渡し始める。怯えるように


「ど、どうしたんですか? いきなり立ち上がって…」

「………マズイ」


はいここまで。いろいろあったんだよ。中途半端に深く親指切っちゃったり2次創作大粛清のあおりうけたり。

さて次回は?! 怯える陰陽師、なにがあったのか?!

夏の夜に今晩は、小生です。黒月です。

最早月一更新と成り果ててしまいました、それなのに短い。
デュエマのデッキ改造が楽しくてつい……好きなカードはオリジナルハートです


ではどうぞ、「迫り来る恐怖」


BGMはメトロイドフュージョンの館内温度急上昇のときのミッションBGMがお勧め


ビリビリビリビリ


「くそったれが、もうか?!」

「だから何がどうなってるのかちゃんと説明してください!!」

「待って……この外人外がここに入ってちょうど今で1週間……!!」

「そういうことだ天狗娘、早くずらかるぞ! 悪いが式神使って黒天狗に連絡してくれ、快速便でだ!」

「今飛ばしました! 到着までおよそ2分43秒!」

「上々だ!」

「だーかーらー……」


そのとき吸血鬼は感じ取った。地下空洞全体が少し小刻みに揺れている。


心の底から恐ろしいことが、今から始まるかもしれないと


「だぁあクソ、おいヴィーヴル! 一回出してやるからてめぇも走れ!
さすがにボクタイみたいに悠長に檻引っ張ってる暇はねぇ!!」


陰陽師が指を鳴らすと水の檻が一瞬にしてはじけた。


『なによ、なにかあった…の……』

「あ、もう来おった」



若干諦めたような口調で陰陽師が呟く。洞窟の奥、謎の影がこちらに向かってくる。

よくよく目を凝らすと、それは人型だった。ただし、巨大な洞窟のほぼ全てを覆いつくすほどの大きさではあるが





『おぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉおおぉ!!!!!』



やるべきことは一つ






『「「「逃げろぉぉぉぉーーーー!!」」」』







LOADING…  カリカリカリカリ


エネミー   怨念入道


「逃げろ! もう紅青龍出してる暇もないしあのデカさじゃ蒼朱雀もハナクソみたいなもんだ!
ともかく結界張ってある外まで走れぇ!!」

「いやぁぁぁぁぁ!!」

「ひぃぃぃいい!!」


巨大な負の感情の塊は、周りの洞窟の壁を削り、鍾乳洞を蹴散らしながらこちらに這い寄るように迫ってくる。
時々おどろおどろしい声で鳴くたびに洞窟の天井から落石が発生、陰陽師達の邪魔をする


「クソッ、なんて大きい邪念だ…こんだけ離れてても脳内に響いてきやがる」

「耳栓持ってくればよかったです…」

「アホか、あれは俺たちの脳内に直接響く怨念の声、普通の耳栓じゃ意味ねぇよ」

『勝手に上がりこんで棲もうとしてごめんなさいだから助けてぇぇぇぇぇ!!!』




ダダダダダダダ……ガッ!  ドザッ!



「ぅあっ!?」


天狗娘が落ちてきた岩に足をとられ、転倒する。これは俗に言う大ピンチだ。
例えて言うなら時間制限つきのボスでもうあと1分もないような状態


「「天狗娘(ちゃん)!」」

「…っつ……足挫いたみたい…」

『ッ……あぁーーもう! しょうがないわね!』


次の瞬間ヴィーヴルは全身が炎に包まれた巨大な竜へと姿を変えた。その炎の光で洞窟の壁が照らし出される


『「うげ…」』


洞窟の壁には大量の人外やそれ以外の骨や髑髏が露出していた。物言わぬ髑髏の群れは虚空を見つめている


『アタシが食い止めるから早く逃げなさい!』

「貴様はどうするんだ?!」

『…さっきまで格好悪かったんだし、せめて最後くらい格好良くいさせなさいよ』

「ふざけないでください! 私たちには貴方を連れ帰ってちゃんと裁きを下すという使命があるんです!
どうしても残るっていうんなら、私も残ります! 来て! ブリックバットたちよ!」


吸血鬼が口笛を吹くと洞窟中の影が少しずつ切り取られ、小さな蝙蝠の姿を成す。
あっという間にその数は数え切れないほどになり、吸血鬼の力の大きさを物語る


「せめてちょっと位改変して名前隠せ!! 尾田さんに謝れ!
…ベタ臭せぇことになってきやがった……嫌いじゃねぇけどな」


陰陽師がニヤリと笑いながら袖の下から大量の爆導符をとりだす。




『「「行くぞ!!」」』




『おぉおおぉぉぉっぉぉぉおおおぉおぉおおおおぉおぉ!!!!』


ビリビリビリビリビリ




『「「やっぱり怖いいぃぃい!!」」』ビエー!!

「さっきまでの格好いい展開でアツくなった心を返せ!!」

『あぁぁぁああぁぁぁぁぁぁああぁぁああぁぁっぁああ!!』




『「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」』








しゃらん


『「「「……………え?」」」』

『……』ドウゾ



巨大な手のひらには、陰陽師がいつも背中に背負っている杓杖が2本乗っていた



「え?」

「これって…」

『確かアンタが背負ってた杖よね?』

「え? 俺の杓杖?    え?」




『やれ、先走りが過ぎると何べん言えば解るのだこの木偶の坊』

『……』フエェ…

「……だれ?」




『我は鵺、この洞窟の長的な立ち位置に居るもの』

はいここまで。次回でヴィーヴル編終われたらいいな……

あ、親指はほぼ回復しました。皆の祈祷のお陰ですかね。では

どうもお久しぶりついでのジャンピングスパイラルバック宙返りか〜ら〜の〜? ジャパニーズDOGEZA

はい。色々あったんです。前にも書いたと思うけど書いてた2次小説消されまして傷心してました。
書き溜めも全然進んでません、太平洋より心が広い方は待っててください、必ず完結はさせます

おはこんばんちはっす。のこのこやっと出てきました。ヴィーヴル編終わるよ。リザルトに凝ってたら遅れたスマソ☆


「過去、通じ合った人と人外」


陰陽師「…っと、捻ったとこは手ぬぐいで固定しといた、帰ったら木とかで固定して冷やせ」

天狗娘「ありがとうございます陰陽師さん……鵺ってサルの頭に虎の手足、尻尾は蛇の人外でしたよね?
    それにしてはいろいろと足りないような……」

鵺『例えば?』

天狗娘「…その……頭とか…」


天狗娘の言うとおり、今陰陽師たちの目の前にいる人外は虎の手足に尻尾は蛇だが、肝心の頭の部分が欠落している。つまり、首なしの鵺だ


鵺『あぁ、忘れておった。おい木偶の坊、我のはどこへやった』

入道『……』ペッ

鵺『無碍に吐き出すなと何度言えば解るのだこの木偶の坊』



巨大な人外がその巨大な口からサルの頭を吐き出す。それを見事にキャッチし、頭を接着する鵺。


鵺『愛と勇気が友達、精気百倍鵺参上!』

陰陽師「止めろ、マジで止めろ。チビッ子の夢壊すってレベルじゃねーぞ。
     吸血鬼が見せ場なくしてすっかりしょげちゃってるじゃねぇか」

吸血鬼「どーせ私はエアヒロインですよ〜…スポットライト当たるまでずっと無碍な扱いされる運命なんですよ〜…」ショボーン

陰陽師「割と近いうちスポットライト当たるから心配すんな」ヨシヨシ


そして鵺はぽつぽつと語り始めた。




鵺『我らはかつて悪徳陰陽師集団に殺され、供養もされなかった人外の成れの果て。
   死体はこの洞窟に放り込まれておった。
   我らの無念は連なり寄り合い、ひとつの巨大な怨念としてこの洞窟に住み憑いた。その結果がこれよ』

入道『』ヤッホー

鵺『その怨念を危険視した陰陽師集団がこの洞窟を封印した。だがそれによって我らの怨念は膨れ上がるばかりであった。そこに現れたのが主の先祖よ』


陰陽師「俺の先祖?」

鵺『そう。主からはヤツと同じ匂いがする。彼は我らと戦い、怨念を沈めた。
  我らの魂は怨念から開放はされたものの、染み付いた邪な気までは払いきれなかった』

陰陽師「賞味期限切れかけのニンニク食べて片付けたけど、口臭が強烈に残ってしまったって感じか」

吸血鬼「なんですかその例え。意味わかりませんし、それとあんまりニンニクの話とかしないでください」

陰陽師「そういえば吸血鬼だったなお前」

吸血鬼「おい」

鵺『話を続けるぞ? 染み付いた邪な気は放っておくとまた怨念となり我らを蝕む。
  その気を沈める仕事をかってでてくれたのが主の一族、黒天狗一族よ』

天狗娘「私の一族?」

鵺『そう。もともとこの地の守り手として根付いておった黒天狗一族、陰陽師の頼みを快く引き受けてくれた。
  それ以来、黒天狗一族によって我らは祀られてきた』

陰陽師「そこに外人外がズケズケと入り込んできたって訳だ。テメーだよヴィーヴル」

ヴィーヴル『な、なによぅ……そんなこと知らなかったんだし、しょうがないでしょ…』ショボーン

鵺『知らぬは罪ではない。無知でいることこそ罪よ。我も久しぶり若い女子を見れて目福だったわ』

ヴィーヴル『指焼いてくっ付けるわよ?』

陰陽師「ふむ、怨念の塊がそいつならなぜあなたはここに一固体として存在できている?」

鵺『理知なき力はただの破滅よ。混ざり合った怨念どうしすら互いに反発しあい、自己崩壊も引き起こしかねん。
  そういうわけで一番古参の我がここに眠る念の総意として、こやつの体から放り出された』

陰陽師「ようするにロボットに命令下すパソコンみたいなもんか」

吸血鬼「だからなんですかそのたとえ。わからないですよね?」

鵺入道『『神解説ktkr www』』

陰陽師「……案外俗っぽいやつらだな。てかでっかいのがシャベッタァァァ」

天狗娘「てことは最初ものすごい勢いで迫ってきたのは私たちを殺そうとしたわけじゃなくて…」

ヴィーヴル『寂しかったからってこと…?』

入道『///』テレテレ



んで


陰陽師「ともかく、わざわざ杓杖持ってきてくれてありがとうございます」

鵺『よいよい。我も久しぶりに退屈しないで済んだわ。気が向いたらまた遊びに来い。ではな』




天狗娘「今日はありがとうございました。助けていただいて…」

陰陽師「お礼を言われるようなことはしてない。とりあえず黒天狗に報告に行くぞ。
     娘が帰ってくる時間が遅いとか勘違いされても困るからな」

天狗娘「勘違いされてもいいじゃないですか」

陰陽師「お前は俺に何を求めてるんだ天狗娘」

天狗娘「ヤダ、ナニだなんて…///」

陰陽師「性春真っ盛りかよ自重しろ」

天狗娘「私は本気ですよ?」

陰陽師「あぁあぁそうかい」ファ~ァ

天狗娘「陰陽師さんの鬼。フフッ」ニコリ

吸血鬼「」イライラ



鵺たちと別れ、洞窟を後にする。ヴィーヴルは暴れる様子もなく、大人しく本部にしょっ引かれていった。
最後になぜかお礼を言われたが、あれはなぜだろうか。どうでもいいか

一応言っとくと、ヴィーヴルはちょっとの間拘置されるだけで済んだらしい。唯一猛抗議したのが弟子1だったが、シカトされた。



そのご!

支部長室


陰陽師「というわけだ。とりあえず、この組織の認知度を上げることから始めたほうがいいんじゃないか?
    一々忠告なんぞやっておれん」

陰陽爺「そうは言うてものぅ……本家と違ってこっちは接触すら困難な生き物じゃからの……
     あっちの支部やこっちの支部も苦労しておるようじゃ」

陰陽師「まぁ会いたくていつでも会えるもんじゃないけどさ…」

陰陽爺「結局堂々巡り、じゃの」

師・爺「「ハァ…」」




吸血鬼「あ、報告終わったんですか?」

陰陽師「んあぁ…うん、まぁな。とりあえず帰るぞ。今日はもうゆっくり寝たい…」

吸血鬼「その前にご飯はどうするんです?」グゥ〜

陰陽師「……そうだ、俺腹減ってたんだ」グゥ〜

吸血鬼「大丈夫ですか? 主に頭」

陰陽師「じゃかぁしゃあボケェ。帰って飯作んのもめんどくせぇ、今日は社員食堂で食って帰るぞ」

吸血鬼「阿修羅のおばちゃんのご飯、美味しいですよね〜」



リザルト

滅霊、および逮捕

ヴィーヴル×1


説得、および和解

ヴィーヴル×1
鵺×1
怨念入道×1



時計『今回ノ報酬ダヨ! 大丈夫? 無茶シナイデネ……』


雌火龍の焔鱗×4
常温で発火する危険な雌火龍の鱗。冷暗所で保管しよう

雌火龍の焔爪×2
引っ掻くと同時に可燃性の液体が飛び出す雌火龍の爪。取り扱い注意

雌火龍の焔珠×1
雌火龍が稀に落とす至高の玉石。中を覗けば炎が燃え盛っているような輝き



怨念宿せし謎の破片×3
巨大な怨念の塊から零れ出た小さな厄災の欠片。うかつに触れるとエラいことになる

怨念蠢く謎の皮膚片×1
本体から離れた後も蠢き続ける謎の皮膚片。うかつに触れるとたちまち触れたところから腐食する

怨念渦巻く謎の珠×1
小さな珠の中に、この世のすべての厄災を詰め込んだかと思うほどおぞましい気が渦巻いている。うかつに触れると自分も取り込まれる…かも?


時計『無茶シナイデッテ言ッタノニ……心配ダカラ、コレモアゲル。カ、勘違イシナイデヨネ!』


回復錠剤×5を貰った!

うん、リザルト書くの楽しすぎ。ここまでダヨ!!

次回は日常。たまにはゆっくり休め、ということで半ば強引に有給消化することになった陰陽師たち。
花火とか夏祭りとか書く予定。あと見たい日常があればレスください。おもいっくそいちゃこらさせてやるぜ出来るだけ

リザルトがさらに狩りゲー臭くなってる…

家でごろごろしててもいいと思うの

どうも、明日16時間も働かなきゃならんので書きためが進みそうにもねぇ、
笹食ってる場合じゃねぇってことで来ました

>>135さんから神託があったので今回はごろごろします。もちろん、ただではゴロゴロ出来ませんがね…フフフ

では 「ちょっと遅めの夏休み一ノ巻」 どうぞ

もうめんどくさいので爺「陰陽師は明日から連休ね」

陰陽師「………ハァ?」




爺「いやさ、もう就職してから何日も休みとってないじゃろ? 法定休日まで働きに来るし始末じゃし」

陰陽師「テメェらがふがいねぇから仕方ねぇだろうが」

爺「しょうがないじゃろ、陰陽師以外普通なんじゃし。ともあれ、じゃ。
ようやく組織も軌道に乗ってきたし、功労者である陰陽師にはちょっと遅めの夏休みを与える」

陰陽師「…何日休めるんだ」

爺「1ヶ月ほどじゃの」










陰陽師「一かげつぅぅぅぅぅーーーーーーーーー?!」


こうして陰陽師の壮絶な有給消化生活が訪れたのであった…

陰陽師宅


吸血鬼「んで、なんで私まで休めるの?」

陰陽師「今までのお前の仕事ぶりを偉いサンたち交えて話し合うんだと。
     偉いサンはカタブツが多いから時間がかかるもんだ」

吸血鬼「そういうもんなの?」

陰陽師「そういうもんだ (まぁ俺の監視下に置いておいたほうがなにかと都合がいいだろうしな)」




陰陽師「そういやいきなりタメ口になってるな」

吸血鬼「仕事上上司な訳だし、仕事中はそのほうがいいかなって。自分でもそっちのほうがしっくりくるし」

陰陽師「あ、そ。んじゃ俺寝るわ」

吸血鬼「へ? だってまだお昼よ?」

陰陽師「やることないし別にいいだろ」

吸血鬼「どう見てもグダグダね本当にありがとうございました」

陰陽師「黙れ」


トタトタトタ   スーーーー  トン(襖を閉める)



吸血鬼「…………」ニタリ


陰陽師「こういうときは日当たりのいい縁側で座布団枕にして寝るが一番だ。扇風機と蚊取り線香セットして…」

数分後

陰陽師「」zzzz






そぉ〜〜〜〜

吸血鬼「フヒヒwwwwおはよ〜ございますwwwwww昼ですけどwwwwwwヒヒッヒ」コゴエ


吸血鬼「ご覧のとおり寝起きドッキリですwwwwww
     普段いいように扱われてるのでイタズラしちゃいましょ〜〜wwww フヒヒwwww」コゴエ



吸血鬼「まずは何をしようかな…」


時計による注意

時計『

1 見テノトオリ吸血鬼ガ陰陽師ニイタズラシヨウトシテルヨ。
2 アンマリ無茶ダッタリ脈絡ナカッタリスルト下ノ安価ヲトルヨ。
3 カテテ吸血鬼ガ陰陽師ニナニカスルモノデオ願イ☆ 』



ということでこのレスから下、2〜3コほど使う…と思う…安価くれば…

まぶたに目を書く

額に肉と書く

メイクばっちりに女装させる

こんばんは、やってきました。ほのぼのはやはりボクは得意のようです。
安価にご協力いただきありがとうございました、>>142 >>143 >>145さんたち

ではどうぞ

「ちょっと遅めの夏休み一日目、壱の巻・結」


吸血鬼「よ〜し、最初はスタンダートに顔に落書きしま〜すwww油性マジックでwwwwwwヒッヒヒヒヒヒヒry」コゴエ



陰陽師「んむぅ…」zzz

吸血鬼「」キュン




吸血鬼「ハッ?! 私はなにを…っと、いけないいけない……まずは瞼に目と…『肉』っと…」

カキカキ

吸血鬼「……」


陰陽師「」zzz←額に肉と瞼に黒目

吸血鬼「…ッ! ……ッ!!」←必死に笑いをこらえている




ピンポーン


吸血鬼「?! (これは非常にまずい、このままじゃ陰陽師が起きちゃう……とりあえず私が出るか)」


吸血鬼「ハイハーイ、どちらさま…」ガララ


天狗娘「やっほー陰陽師s…っててめぇか、チッ、クソが…」

吸血鬼「んだコラやんのか? ォオ? 今テメーに構ってる余裕ねーんだよ帰れドカス」

天狗娘「私は陰陽師さんに用事があんだよコラ早く陰陽師さん呼べってんだよアバズレ」

吸血鬼「それはできねーな、今陰陽師さんはお昼寝中で私はそれを観察しなくちゃならねぇんだよ」

天狗娘「なおさらそこを通らせて、これあげるから」つヤツデ饅頭

吸血鬼「……くれぐれも静かにね?」ソーット

天狗娘「了解」ソーット


天狗娘「」ジーーーーーーー

吸血鬼「」ジーーーーーーー




陰陽師「」zzz←額に肉+瞼に黒目


人外娘共「「……ッ! ……ッ!」」←必死にry




天狗娘「わ、私も少しいい?」コゴエ

吸血鬼「い、いいわよ…ッく…」プススー

カキカキ




陰陽師「」zzz←額に肉+瞼に黒目+肉にふりがな←new!

人外娘共「「パーフェクトぅ!」」b


なにがだよ


天狗娘「ねね、ここまで来たんだし徹底的にやっちゃおうよ」コゴエ

吸血鬼「イイネ! ヤッチマイナー」コゴエ


陰陽師「…………」zz




時計『数分後!』





吸血鬼「…………」

天狗娘「…………」



陰陽師「」zzz←額に肉+瞼に黒目+肉にふりがな+ガッツリ化粧小悪魔メイク←new!



吸血鬼「(なんでだろ…負けた感じがする…額に肉(+ふりがなつき)なのに)」ズーン

天狗娘「(私たちよりキレイかもしんない…瞼に黒目なのに)」ズーン


陰陽師「こうやって見ると壮観だな、よくここまでできるもんだ。化粧は女の嗜みってか」

吸血鬼「そりゃ私たちだって女の子ですもん、ねー?」ネー?

天狗娘「ねー?」ネー?

陰陽師「そうだな、そうだったな、そういえば。忘れていたよ」

吸血鬼「これだから朴念仁は恐ろしい」

陰陽師「相手の気持ちを察してこそさ、我々JAPは」ピッ

3人「「「HAHAHAHAHAHA!!」」」



人外娘共「「ってギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


陰陽師「五月蝿いぞ女子ども、ムダに1レスも使って叫ぶな。
     まだ夕方とはいえ割れ響く鐘のごとく騒ぐと近所迷惑だろうが。
     よく来たな天狗娘、粗茶だ。吸血鬼はトマトジュースだったな」

天狗娘「あ、ありがとうございます」

吸血鬼「いただきまーす♪」

陰陽師「それ飲み終わったら説教な」

人外娘「」(´;ω;`)



このあと人外娘共は夕食までの間たっぷり2時間説教と正座。
イタズラはほどほどにしようと思った、吸血鬼はそう語った。

ちなみになんで急に陰陽師がおきていたかというと、寝ていた陰陽師は式神を使った分身の術の類だそうです。
吸血鬼がイタズラとかしてくるだろうと思って、本人は屋根の上で寝ていたそうです



休暇一日目、終

投稿後気付いた、>>144さんでしたね、ごめんなさい。ここまでです


次回は休暇何日か後、夏祭り。きーみーがーいたなーつーはー♪

もう秋か…うん。次回は夏祭り編!! ………うわぁぁぁぁぁぁぁやっちまったぁぁぁぁぁぁ!!!
もうやだ仕事めとことん俺の気力ゲージを奪い取っていきやがるクソが猫かぶんのもめんどくさくてしゃーねぇ

……おっと素が

近日おとしますマジすんません。ってか最終投稿ですら9月というこの有様。自分がもうやだ

お待たせしました今夜ご飯食べたら落とします。
どうでもいいけど今日DM20パック買ったらダンチガイとウェディングとゼニスシンフォニー当たった俺狂喜

今回は浴衣製作という名の前編と夏祭り後編で行きます。では、れっつぇごー

「あなたを理解したい」

あのあと、晩御飯


陰陽師「吸血鬼、今日何日だっけ?」モグモグ

吸血鬼「? 27日ですけど」チューチュー

天狗娘「そういえば明後日でしたよね」モフモフ

陰陽師「あぁ。せっかくだし手伝いついでに遊びに行くか」

吸血鬼「?」



夏祭り編



陰陽師「吸血鬼! 夏祭りだぞ! 夏祭り! というわけで出かけるぞ」

吸血鬼「正直意味わかりませんし季節的にはもう秋だけど。どこへ出かけるの?」

陰陽師「シャッタファックアップ! メタるな。こっちではまだ夏だ。
     とりあえずお前の浴衣作ってやる。まずはハベトロットとアラクネの服屋だな」

吸血鬼「どれくらいするの、浴衣の相場って」

陰陽師「俺の浄衣新調ついでだ、奢ってやる。
     せっかくこっちに渡って来たんだ、それっぽい気分くらいは味合わせてやる」

吸血鬼「(デレ乙///)」

陰陽師「じゃあ行くぞ、俺の愛馬が光って唸るぅ!」ドルルン  ドドドドド

どっか裏通り


アラクネ「あ、久しぶりー陰陽師クン! 寂しかったよー?」

陰陽師「確かここに最後に来たのは制服の浄衣作ってもらいにきたときだったか。本当に久しぶりだな」

吸血鬼「(どんだけ人外にフラグおっ建ててんだよこの朴念仁)」

アラクネ「それで? 今日は何かなー?」

陰陽師「浄衣の新調と…こいつの浴衣作ってやってくれ。浄衣は3着で頼む」

アラクネ「はいはーい、わっかりました! ハベばあちゃーん?」


ハベトロット「なんじゃアラクネ、わたしゃブドウは大好きだよ?」ノソノソ

陰陽師「相変わらずだな婆さんよ」

ハベトロット「ぉんや、久しぶりだねェ陰陽師。その隣のは小指かェ?」

陰陽師「いや、後輩だ。挨拶しろ」

吸血鬼「はい、陰陽師さんの組織の後輩で吸血鬼といいます、よろしくお願いします」

アラクネ「そんじゃまそっちの娘、こっち来て〜サイズとか使いたい布とか探すよ〜」

吸血鬼「あ、ハイ! お願いします!」

アラクネ「敬語はいいよ、おんなじヨーロッパ文化圏出身だし」

吸血鬼「大雑把過ぎない? けどまいっか、お願いね?」

アラクネ「ハイハーイ、んじゃ陰陽師クン、彼女借りてくよ〜」


ドタドタ…


ハベ「あまり入れ込むと別れがつらくなるよ?」

陰陽師「戯言をほざけクソババァ」




吸血鬼「この柄カワイイー!」キャイキャイ

アラクネ「でしょ?! それ私が染めたんだー! あ、こっちの色とかどう?」キャイキャイ

吸血鬼「キャー! いい!! あぁ〜迷っちゃうなー…」ム〜

アラクネ「………んでさ、ちょっと聞きたいんだけど。陰陽師クンとはどこまで行ったの?」

吸血鬼「」ガタン! ガシャーン!

アラクネ「大丈夫?」

吸血鬼「あ、あなたが変な事言うから…」ドギマギ

アラクネ「ふ〜ん、やっぱりか。…………あいつも罪つくりだなぁ…」

吸血鬼「え? ってことはアラクネさんも…」

アラクネ「うん、陰陽師クンのことは好きだよ? もちろん、異性として、異種とわかっててね」

吸血鬼「(クッ、ストレート……いつまでもツンってる場合じゃねぇか…?)」

アラクネ「んじゃさ、いいコト教えてあげるよ」


アラクネ「陰陽師クン、女の子に反応できないの」








吸血鬼「え?    え?           ホモォ?」

アラクネ「違う違う、そういうんじゃなくて。陰陽師クン、最初のほうに鬼だって名乗ってたりしなかった?」

吸血鬼「え〜っと……あ、5レスめの話ね、そういや確かに言ってた」

アラクネ「メタるな。実は陰陽師クンの一族ってね、体に鬼を封印してるの。
      んで、その封印してる鬼の力を封じ込めるために何らかの対価が必要となる。
       今代の陰陽師クンに課せられた対価は……3大欲求である性欲を封じること」


吸血鬼「…そんな…ヒドすぎます……だって、あのくらいの年の子なら昼夜問わず(自主規制)してる年頃でしょ?! ありえない…」

アラクネ「アナタ人間に対してちょっと失礼すぎ…」

吸血鬼「だって私自身毎日オ(以下省略)」

アラクネ「………まぁそれは置いといて。まぁそういうわけだから」

吸血鬼「(置いとかれた)………なんでライバルである私にそんなことを?」

アラクネ「う〜ん、私誰かを出し抜いてとか騙すみたいなマネキライなんだよね。
     みんな平等にチャンスはあるわけだし、結局最後に選び取るのは陰陽師クンその人だしね」

吸血鬼「…………」

アラクネ「それに多分、陰陽師クンは誰とも結ばれずに死ぬつもりだと思う。もし自分が死ぬ様なことがあれば鬼ごと自分の魂を地獄へ連れて行くでしょうね。陰陽師クンはそんなやつ。
     割と長い付き合いだからわかるんだ。一人で抱え込んで、一人で解決しようとする。周りの気も知らないで」


アラクネ「でもさ、恋するだけならいいじゃない。陰陽師クンに出会えて、好きになれただけで私は十分だよ。あ、でもあわよくば…エヘヘ」

吸血鬼「そんな……」


陰陽師「何をほざいてる人外共。俺はそのときそのときで最善の選択をする。足りないものを俺が補うだけだ」



お知らせ

陰陽師の衣装・弐、参が追加されました!(浄衣(ボロボロ)+ジンベエ(落書きつき))

吸血鬼の衣装・弐が追加されました!(藍色の花柄浴衣)


当日

吸血鬼「ということでいつもの神社に来たわけですけど、誰もいませんよ?」

陰陽師「おいおい何勘違いしてやがんだ。お前ら人外の夏祭りだぞ? 下手に鬼火とか出そうものなら新聞沙汰だ。
    だから祭り自体は丑三つ時以降、今来たのは不可視の結界張るためだ。
    壮観だぞ? 人外共がこの神社に一堂に集まって騒ぐんだ、それこそお祭り騒ぎだ」

吸血鬼「そのまんまですね」

陰陽師「そのままだ」イソイソ


 草木も眠る丑三つ時、この町一番大きな神社は奇妙な静けさを保っていた。
だが鳥居を越えるとそこは騒々しい祭囃子の音が響き渡る、人外の夏祭りが始まっていた


ピーヒョロヒュルリラー

吸血鬼「はわわー…」キラキラ

陰陽師「(めっちゃキラキラしてる) さて、まずはどこから廻るか」

吸血鬼「」グギュゥ〜

陰陽師「……まずは夜食だな。健康上あまり褒められたことではないが、今日は無礼講だ」

吸血鬼「私元々夜行性ですけど」

陰陽師「すいません、たこ焼き一つ」

クトゥルフ『300円になります』マダオゴエ

吸血鬼「スルーですかそうですか、後私の分残しといてくださいよ」

陰陽師「お前には輸血用血液の弁当だ」

吸血鬼「食べたいので食べます」

陰陽師「吸血鬼としての設定はどこいった」

あ、忘れてた、BGMはコレで

http://www.youtube.com/watch?v=1xDnvncXKwo

ワイワイガヤガヤ


吸血鬼「あ、陰陽師さん、金魚すくいですよ金魚すくい! 名ばかりで泳いでるのは深きものですけど!」

陰陽師「とっとと店片付けろ、水しぶきが迷惑すぎる。早くしないと三枚に下ろすぞ」

深きもの『ギョギョッ?!』




吸血鬼「陰陽師さん陰陽師さん、あっちにから揚げの店がありますよ! …『特性マンドレイクのから揚げ、今夜はビンビn…〜〜〜〜〜ッ////」

陰陽師「なんつーモン出そうとしてんだ。あとせっかく耕してるとこ悪いが、そこはウチの組織の私有地だ。罰金」

リッチ『』ヌフゥ…






陰陽師「とまぁ小一時間で補導が数十件あったわけで、ほぼ俺は平常運転だったわけだが」

吸血鬼「アルラウネのから揚げも意外と美味しいのね」モフモフ

天狗娘「あ、レモンいる?」モフモフつレモン

吸血鬼「ごめん、私すだち派なの」

天狗娘「珍しいわね……試してみようかな」

陰陽師「いつの間にか天狗娘も合流していた、な、何を言っているか分かると思うのでこのネタは打ち止めだ。まぁ楽しめているようなんで良しとする。もうメンドクサイ」




 適当なところに座ってから揚げを租借する。ちょっと無作法かな。
今日だけ無礼講ってことにしておいて、神様。


 不意に、空に破裂音が響いた。花火だ。美しい火花が夜空を照らし、散って消えていく。陰陽師さん曰く、人外にしか見えないしこの音も人外にしか聞こえない都合のいい花火だそうだ。
実際は霊力を爆発させてるとか何とか


 赤、黄、緑、多彩なパターンで夜空を彩る花火。ふと、陰陽師さんのほうを見る。これまで見たこともない微笑を浮かべた陰陽師が嬉しそうに空を眺めていた。
子どものようにあどけなくて、でもどこか寂しそうで。天狗娘ちゃんも陰陽師さんの顔を見入っている



吸血鬼「陰陽師さんこっち!」

陰陽師「んん? んおぉ…」


 私たち二人にちょっとだけ距離を置くようにして立っていた陰陽師さんの手を引っ張って、私たち二人の間に座らせる。
両手に花だよ、もうちょっと嬉しそうにしたほうがいいんじゃないの?



陰陽師「…………そうだな」


人外娘「「え?」」


夜空に一際大きな花火が上がった

ちょっと切ない夏の終わりの泡沫花火。ここまでダヨ!

次回、陰陽師にとって地獄とも呼べる夏休み最後の1週間が始まる…かも

どうも。書き溜めが進まないことが悩みの黒月です。まだ全然溜まらん…

あ、おまけ忘れとったわ。これでガマンしてってダメか


ハベトロッド

糸紡ぎをする者を守護するといわれる小さな老婆の妖精。
毎日ずっと糸紡ぎしているので手は豆だらけ、糸をなめる唇は分厚く醜い。

この人外が紡いだ糸で服を作り、それを着ると病気が治ったりするとか。ばあちゃんパネェ

チャリチョコの半分ボケてるおばあちゃんをイメージしてキャラ作った


アラクネ

上半身は女性、下半身はクモという姿をした人外。元は少女で、
「私機織(はたおり)すげぇからwww神様にだって負けねぇしwww」

とか言ったせいで実際に神様と勝負する羽目に。

んで、勝負は勝ったんだけど、神様ブチ切れて少女の機織と布ぶっ壊して帰っていった

「あれ、これヤバイ」と思い少女は自害するけど、神様に「用も恥じ書かせてくれたのぅ?!」この姿に転生させられた

結果・触らぬ神に祟りなし。神様も神様で理不尽だが

生存報告です。仕事がクッソ忙しいことこの上ねぇボクです。言い訳だってことに自覚はあるんですが…

11月になったら機械のメンテでヒマが多くできるので、その辺で出来るだけ物語を進めたいと思います
ごめんなさい

どうも、予告しに来ました。明日溜まりに溜まったのをドヴァーッと行きたいと思います。
ラストにむかって突っ走ります。急転直下は言い過ぎですが、展開速いです。

ではお楽しみに

侵略…もとい、投下の花火を上げろォォ!! どうも、落としに来ました。多分皆エヴァ見てんだろうなー…

俺は撮ってるんで大丈夫です。では ごー

「導火線に火は灯る」




?「そろそろ動き出すか、クイーンはどうなさっている」

ザコ「敵方の要のところで過ごしておいでです」

?「ふむ、もうそろそろ頃合だな。吸血鬼弟は?」

ザコ「拘束されてます」

?「フン、まぁ進入はできたということか。構わん。計画を実行する。アレを飛ばせ」



ふと、月を見たくなるときがある。なぜかは分からない。
 感傷に浸りたいわけでもなく、ただ使命感のようなものが体を突き動かす。


「今宵も月が綺麗ね……ってキャラじゃないか………もし陰陽師さんに言われたら、
  なんて乙女過ぎかしらね。もう[z——]年この世界にいるわけだし」


ただぼんやりと月を眺める。と、月に黒い点が浮かび上がる。
 それはだんだんと大きくなり、少し経つ頃には何かが飛んできていると認識できた。こうもりだ


「……そう。来たのね。私の愚弟が」


感情の見えない表情で吸血鬼は呟いた。空に浮かぶ月に雲がかかる




陰陽師「ホイ、ノースグランデ進化、ボルシャックウルフェウス。手札からHELL発動。
     とりあえず3匹は焼けるか。んで、シールド3枚墓地へ」

黒天狗『ぬあぁ?! 待っt…』

陰陽師「デュエルに待ったはありません。ホラ、ついでにWブレイクです」バリーン

黒天狗『ぬぅ…シールドが……』トリガーナシ…

人外娘共『『(シュール…)』』デュエマヤッテル…




陰陽師「20戦17勝。あんまり練りこんでないデッキだったが、割とイケたな」フムフム

黒天狗『ぬぅ…引きが悪かったのだ……』


吸血鬼『お茶入りましたよ』つ旦つ旦

天狗娘「茶菓子も持ってきたよー」つ柿ピー

陰陽師「すまんな天狗娘、吸血鬼」

黒天狗『何故都合10枚は入っている水文明が来ぬ……』ゴソゴソ

陰陽師「都合10枚しか入れてないから事故るんでしょうが。ロマンはキリのいいとこで諦めるが吉なんですよ。
    さて、教官。本題をお願いします」

黒天狗『やはりチューターは入れるべきか……ワンダートリックをもう少し強化してほしいものだが』モソモソ

陰陽師「教官。本題をお願いします」

黒天狗『ぬ? おぉすまぬ、意識が超次元に飛んでおった。で、どうだ、初めての長期休暇は』

陰陽師「まぁ普段できないようなことできて楽しいですけどね。教官フルボッコにしたりとか教官フルボッコにしたりとかry」ホクホク

黒天狗『もうよかろうそれは……』ズーン


陰陽師「それだけじゃないでしょう? 寝てても気づきます、最近このあたりの霊力が若干ではあるが不安定になってきてる」

黒天狗『フム。少し前から振れ幅は大きくなってはきておると思ったが、最近はその振れ幅が大きい。少し歪む程度ならたまにはあるが、近頃は頻発しておる。それも周期的に』

陰陽師「日本の風土に適応できない外人外が無理やり適応できるように霊力をイジっているとは?」

黒天狗『考えられん話ではない。そして外人外が最近殺気立っておる。調度ゆがみが頻発し始めたあたりから』

陰陽師「それだけじゃありません。冒頭の悪霊の件ですが、最近ぱったりと出なくなったんです。何かに怯えるように…」

黒天狗『危険を感じてどこかに身を隠したか?』

陰陽師「でしょうね。歪みに驚いて頻繁に出没していた、ということか、あるいは…」

黒天狗『フム…』



天狗娘『難しい話だね』

吸血鬼「………………うん」




組織・地下牢獄

陰湿な印象を受ける地下牢獄。一番奥の牢の隅。
 小さな男の子らしきものがひざを抱えて蹲り、眠っている。と、そこに暗闇と同色の霧が立ち込める


?『おい、起きろ』

ショタ『うぅん……もう吸い切れないよ…』

?『起きろと言っている、末弟』ゲシィ

ショタ『んぅ…んぉ、お兄様?! い、いちゅのまに……』

?『落ち着け。これは幻影だ』

ショタ『(あれ? じゃなんで僕蹴られたの?)あれ?! ボクの表示がショタになってる?!』

?『首尾はどうだ』

ちっこいの『は、はい! 順調です! っておい!! ひどくなってるぞ!!』

?『ならいい。決起の時は近い、お前も準備を怠るな』

チビ『は、ハイッ! ってか総スルーしてったよあの人! てかチビはやめろ−!!』



アホ『あれ?……何すればよかったんだっけ、ボク…?』






陰陽師「長期休暇ももうすぐ終わり、か」グデー

吸血鬼「ほとんど寝てばっかりでしたね」ポヘー

陰陽師「どっか連れて行ったりしてやっただろうが」ゴロゴロ

吸血鬼「そりゃ遊園地とか森林浴とか夏祭りとかいろいろ楽しかったですけど、ほとんど人外絡みで仕事してるのと変わんないんですもん……
    それに陰陽師さんが楽しんでる様子が見受けられませんでしたし」

陰陽師「表情に出にくいんだよ、俺は。楽しかったのは事実だ。
    二人で何処かに出かけるなんて初めてのことだったし、こんなに長い間誰かと二人で過ごしたことなどなかったからな」

吸血鬼「え? ずっと一人暮らしだったんですか?」

陰陽師「あぁ、身内も身よりもない。
    両親は一般人だったんだが、俺の小さいころに俺の一族を恨んでる化け物共に食い殺された」カフェオレウマー

吸血鬼「え…あ、お、爺さんは?」

陰陽師「どもり過ぎだ。仕事仕事でな。一般人として生きることを決めた両親の代わりとしてアホほど頑張ってくれてた。両親のことがあって、小さいころは組織の給湯室とかで過ごした。
     安全だからな。ニンフとかに家事を教えてもらって以降家を護ってきた」ベジップスウマー

吸血鬼「……………」シオアメショッパイ

陰陽師「……語りすぎたな。さて、そろそろ晩飯の時間だ。手伝え」



陰陽師「孤独……か」




化け物め、死ね!  近寄るな!!

ヤダ、こいつ人じゃないみたい…   人じゃないんでしょ……

気持ちの悪いヤツ……はやく消えてくれないかしら




陰陽師「………感傷に浸るなんてらしくねぇな」トントン


吸血鬼「(カエルのかわいいエプロンしながら物思いに耽ってる…シュール……)」カチャカチャ



休憩……

再開

数日後。組織の入国審査所に男の外人外が訪れた。端正な顔立ち、ピシッとキマッたスーツ姿、サングラス。



『カテゴリーは何でしょうか?』

『吸血鬼だ』

『…ハイ、ここに来るまでに何かを運ぶように持ち掛けられませんでしたか?』

『無い』

『…ハイ、渡航目的は?』

『この組織の壊滅と世界全土を吸血鬼の王国とすること』

『え?』


ドゴォォォォーーーン!!



『この日本をまず我が一族のものとする!! 侵略を開始せよ!!』


空を覆うほどの大量の蝙蝠、昼は夜に呑まれ常夜の世界が広がる。紅い月が夜の闇を照らし、道という道に月と同じ色の液体が流れ、河を作る。

鉄の臭いが立ち込め、生命の欠片も無い生ける骸が命を求めてさ迷い、また新たなる骸を作り出していく。

死が満ちていく


『クックックックック……っはっはっはっはっはっははは!!』





「……始まったのね……」


常闇に支配された空を仰いだ少女は呟く。なんともいえない表情を浮かべながら。



陰陽師「みたいだな」

吸血鬼「陰陽師さん…」

陰陽師「吸血鬼、お前この事件に何か深く関わってるな? 供述してもらおうか」



武器を構えて脅すわけでもなく、陰陽師はただただ吸血鬼が語りだすのを待っていた。
 空を仰いだまま、虚ろな目をしたままで吸血鬼は語り始めた



吸血鬼「…………私の一族は過去、世界征服を目的としてあちこちで戮殺を繰り返していた。バカバカしいことだって自分で言ってて思う、でも昔は本気だったみたい。
     そしてアジアのほうに手を出そうと、当時黄金の国と呼ばれたこの国、日本へ渡航した」

陰陽師「そこで俺たちに邪魔された?」

吸血鬼「正確には元居た原人外だけどね。特に鬼の一族はすごかったって昔の記述に書いてあった。
     多分だけど、陰陽師さんの中の鬼もその一族だと思う」


吸血鬼「戦線はお互い譲らず一進一退の攻防だった。
    そしてある日、けりをつけようと吸血鬼の王と鬼の一族の長が一騎打ちで戦った」


吸血鬼「勝ったのは吸血鬼王でも鬼長でもなかった。そう、最高のタイミングで横合いから思い切り殴りつけられたのよ。陰陽師さんの組織を始祖たちに。吸血鬼勢力は頭を失い、撤退。
    鬼の一族も時の流れとともに衰退、現在に至るってわけ。仕方のないことだと思うけど、ね」

陰陽師「俺が聞いているのは昔話じゃなくお前らの目的だ」

吸血鬼「早い話がね、世界を征服しようってこと。でも力がないとそれも叶わない、なら強くなるしかない。
    更なる力を手に入れようと一族は画期的な力を生み出した」

吸血鬼「それが私に宿った力、相手の異能の力を吸い取り自分の糧とする力、霊力吸収(ソウルドレイン)」




陰陽師「……なるほど。厨2設定はこの伏線だったわけか。言ってて恥ずかしくないか?」

吸血鬼「……………五月蝿いし台無しね。伏線にもなってないし」

陰陽師「ともかく、俺の鬼は渡すわけにはいかん。俺にもお前にも危険すぎる。さっき俺の中の鬼が昔話の鬼の一族といっていたな。それは違う」

吸血鬼「? どういうこと?」

陰陽師「俺の中の鬼は……すべての天魔を統べる鬼、天魔の頂・皇鬼。お前ら人外を創り出した魔の王だ」




吸血鬼「あり得ないわ、私たち人外は人間の想像が偶然を重ねて具現化したもの。
     つまりは、忌々しいけど、人間が私たちの産みの親のはず」

陰陽師「その偶然が意図的だったとしたら」

吸血鬼「きな臭い話になってきたわね」

陰陽師「細かいことは知らん。ただこいつが動くだけで未曾有の大災害になることは明白だ。
     一度俺の体の外に出れば全世界の怨念が集まり、人外ですら耐えられない闇をもたらす」

吸血鬼「へぇ……でも確証はないんでしょう?」

陰陽師「過去に機械と人外を混ぜ合わせたヨモツモノと呼ばれる化け物が出現した。無差別に暴れまわって日本中の人外や人間が大量に死んだ。
    大本は潰されたみたいだが、爪あとは大きかった。死にもの狂いで隠蔽した、そしてわかった。
     どうやらヨモツモノはこいつの垢を土台にして作られた悪霊らしい、ヨモツモノの残骸を調査したところ霊痕が一致した。
      こいつの一部が封印されている場所に荒された形跡があった、どっかのボケが利用しようとしたらしい。結果見る限り頓挫したらしいが」

吸血鬼「ずいぶんと面白い話ね。それで?」

陰陽師「どうしても鬼が欲しいか。お前は吸血鬼、いや人外や化け物でもなくなる。コイツを体の中に宿した瞬間お前の体はコイツのものになる」

吸血鬼「……そう」

さてここまで。頑張ったんだよこれでも。おやすzzzzzz

どうも、生存報告兼緊急事態でマス

転勤ですよ、転勤!! 兵庫から福井に!! ということで大変です。いやまじで。

今まで準備云々で忙しい忙しい…転勤先にネット回線あるか微妙だし、ノーパソ持って行くけど……


ただ絶対完結はさせる。次来る時はID変わってるか、もしくは新しく立て直してると思います。あっち行っててんやわんやで更新できるかも分からん


ただ漢の誓いに二言はないッッ!! 俺は物を書くのををやめないぞぉーーーッッ!!

速報よ、私は帰ってきた!! ハイ、やっとこっちでネット繋がったのでよかったです。クロツキです

さっそく書き溜めてた分を明日投下しますよ!! 守りたいなら…戦え!!とか言ってみたり

200レス目にして悲報です。胃腸炎になりました。辛ぇ……夜起きて体力回復してたら落としに来ますおやすzzzz

俺復活ッッ!! ボク復活ッッ!! ということで落としに来ました。一日で峠を越えれてよかった…

ではどうぞ


「相容れぬ者たちの宿命」


「それでも私は貴方の鬼を頂く。もう後戻りはできない」

「そうか。容疑者、吸血鬼。お前には様々な罪状の疑いがある。ここで現行犯逮捕する。手を頭の上に置き地面に伏せ動くなさもないとぶっバラす」

「やってみなさい。出来るのならばね」


赤い月が夜空に輝く夜。殺気が世界に満ち満ちて、戮殺の風が吹き抜ける



陰陽師が背中の2本の錫杖を解き放つ。吸血鬼が自らの影の中から細身の刺突剣を取り出す

 対峙する二人の人でなし。背景に建っていた民家の庭に月下美人が咲いていた。夜露が月下美人の葉から『ぴちょん』と地面に落ちる。



                        時は満ちた




「おらぁぁぁぁああ!!」

「せぇぇぇええええ!!」





ゴキィィンン!!


 鈍い金属音が夜の闇に響いた


「式神・蒼朱雀!!」


陰陽師の十八番、たくさんの蒼い炎の鳥が夜を照らしながら吸血鬼へと飛翔する


「この程度! 切り裂き啜れ『吸血剣モーラ』!!」


高速の連続刺突で炎の鳥をひとつ残らず撃墜する。切り裂かれた蒼い鳥は夜の闇へと消えていった


「ほぁ〜、見切られてるか。さぁすがぁ」

「何のために貴方の傍にいたと思ってるの? 監視されてたのは貴方だってこと」

「あ、そ」


 軽い。あまりにも軽薄な態度。だが吸血鬼は知っている、軽薄な態度、
そして少なすぎる口数は彼にとって切羽詰っている証拠でもある。いける。じり、と横へと足を運ぶ


「足元注意だ」


無表情を貫きながらぱちん、と陰陽師が指を鳴らす。吸血鬼の足元には見覚えのある符が数枚


「(しま…)」

「爆ぜろ」


ぼごぉぉぉん!!



身体能力をフル活用して避ける。爆発系の攻撃は点攻撃のように限定的でなく、面で攻撃してくるので厄介だ。避けきれない


爆風の中に小さな光の粒子が混じっている。それは吸血鬼の服に付着、そして焦がす。


「熱ッ……!」

「パイ○ドラ○バー……もとい、浄化結界の破片を練りこんでおいたガチ使用の爆導符だ。日本神話の化け物退治ってのは大体が不意打ちとか奇策で化け物を殺してる。そんなもんだ、世の中ってのは。喜劇だな、悲劇だな」

「本気で殺すつもり? 短い間とはいえ貴方の傍にいた女の子を」

「悪いが俺は10を守るためなら手段を選ばない主義でな。仕事は仕事、情など一切持ち込んではいけない」

「……なるほど、私という1を切り捨てるってこと。それじゃあこっちも本気で行くわよ」

「来い」



「征きなさい!」


 吸血鬼の一声で空を覆い尽くしていたコウモリの大群の一部が、黒い雨のごとく陰陽師に向かって降り注ぐ。

 錫杖を回転させ迎え撃っていた陰陽師だったが、圧倒的物量によってアッという間に囲まれる。程なくして陰陽師がいたところに黒いコウモリでできたボールが出来上がった



「何分持ちこたえられるかしら? 吸血コウモリの大群相手に…」

パァァァーーーーン!!


次の瞬間。黒いボールの内側から眩いばかりの光が弾けた。コウモリ達は黒こげになって次々と地面に堕ちていく


「あのショタよりかは歯ごたえがあると思ってたが、なるほど。こりゃ噛みごたえは十分だ。
  太陽の光を封じ込めた呪符、『爆陽符』。面白いだろ?」

「ッ…!」

「おらッ!!」


 錫杖の人外殺しの力が宿った斬撃が吸血鬼を狙う。


「舐めないでッ!!」


 レイピアで応戦する吸血鬼。なぜだ。なぜこうも差が開かない? 身体能力その他もろもろ、劣っているところなどないはずなのに。むしろ人外としては人間より優れているはずなのに


ギィン!


 レイピアの刃と2本の錫杖の棒の部分がぶつかり合う。ギギギ、という耳障りな金属音が辺りに響く。
火花が散り、擦れあっている部分の金属が摩擦熱で赤くなっている


「やっぱ正面からじゃ旗色悪いな。んじゃ、こいつでどうだ」


 吸血鬼の背後に落ちていた札が浮かび上がる。それは一瞬で陰陽師の姿となり、
鍔ぜりあっている錫杖の一本の頭を掴み、引き抜いた。


「分身抜刀術『陰陽』!!」


 吸血鬼の背中に、下から切り上げる鋭い一撃が加えられた。錫杖は仕込み刀だったである


「もうひとぉーーつ!!」


 今度は正面の陰陽師が残った一本を抜刀、レイピアを弾き飛ばす


「っあ?!」



「霊封ノ結界!」


間髪入れず陰陽師は辺りに散らばった呪符に力を込め、人外を閉じ込める結界を作り上げ、吸血鬼を閉じ込める


「なァめるなぁ!!」


溢れ出る闇が吸血鬼の体から噴出、結界を一瞬で無に帰す



「リン・ピョウ・トウ・シャ・カイ・ジン・レツ・ザイ・ゼン!!」



 息をつく暇もなく陰陽師が袖の下から金剛杵を大量に取出し、空中にばらまく。
それらは言の葉を受けて光の槍になり、吸血鬼へと飛んでいく。
先ほど武器を弾かれてしまったので吸血鬼には身を守る手段がない


「ッ?!」

「終わりだ」


6方から光の槍が吸血鬼に突き刺さる。静寂が、訪れた


『吸血鬼は敗れたか。まぁ致し方あるまい』


黒衣に身を包んだ男が暗闇から現れた



「貴様は……察するに首謀者か」

『その通り。この地上に溢れる余計なものを刈り取り、不浄のない美しい地上にするために動いている。
我輩の名は大公、吸血鬼大公だ』

「なーる、アイツの親族ってことか」

『役に立たぬモノなど親族を語る権利もない。あれは我らとは関係のない、ただの吸血鬼だ』

「役に立たなきゃすぐ捨てる、か。お前友達居ねーだろ」

『黙れッ!! 家畜の癖に何をほざく』

「その家畜とやらにバカにされてキレてるお前マジ滑稽www」

『流血断頭台(ブラッド・パニッシャー)!!』


地面からサメの背ビレのような刃が陰陽師へ向けて放たれる。それを紙一重でかわす陰陽師。
紙一重ではあるが、ふわりと、余裕をもって


「ま、アイツの弟分だけあってあんまりたいしたことないな」

『どうかな?』



ズズン!!


「?!」

『ッハッハッハッハ!! 何も我輩だけで侵略はしようとは思うまいさ。頼れる友人がいてこそ戦いは成り立つ、そうだろう?』


ニィ、と下種いた笑顔を浮かべる大公の後ろには、巨大な異形の影二つ


「はは……さすがにこれは俺も骨が折れるじゃ済まないな……骨が砕かれる勢いってのか?」

『喰らい尽くせ! 千呪邪龍・アジ・ダハーカ! 壊し尽くせ! 冥界巨人ゲリュオネウス!』


『『『オォォオオオォォォォオオォォ!!』』』

『『『ギシャァァァァァァアアァァ!!』』』


「さすがにムリだぞコレ……」


 ゲリュオネウスの巨大な武器とアジ・ダハーカの尾を避けながら陰陽師はぼやく。
ここまで大きさが違うと正直どうしようもない。こういうのは集団で戦ってやっとこさ平等というレベルだ。


「(こりゃいよいよヤバいな…)」


 吸血鬼と戦っていたときには決して思わなかった弱音が、最悪の事態の想定となって陰陽師の脳裏をよぎる


『オオォォオオォォオオ!!』

「ゲフッ?!」


 ゲリュオネウスが陰陽師に向かって思い切り槍を振り下ろす。槍などの武器は回避はできる、
だがその余剰エネルギーで生まれた攻撃まではかわせない。弾け飛んだ大きな地面の欠片が陰陽師を襲う


『クゥゥラェェェェ!!』


 アジ・ダハーカの強力な呪いの一撃が陰陽師を狙う。 


「あ、詰んだかなコレ」



ゴシカァァァァァアアン!!



ハイ、ここまでです。なんか嵐のようにめまぐるしくバトルってるんで読みにくいかな…
あとなぜかさっきから屁が止まらん
レス数は少ないけどボリュームがあるからいいよねたぶん


忘れないように次レスでおまけコーナー

デデーン

ゲリュオネウスってなんやねんもぉ〜…

 ゲリュオンとも呼ばれているギリシャ神話の巨人。ただの巨人じゃなくて、
一つの下半身から3つの上半身が生えてる何ともすごい外見の人外。ケルベロスの弟分の双頭の犬、
オルトロスと一緒にどこぞの島で牛飼って暮らしてたけど、
悪名名高きヘラクレスによってオルトロスともども殺されちゃった不憫な巨人。死んだあとは冥界の住人になりました


なんやねんアジ・ダハーカて!

 アフガニスタン北部を発祥とするゾロアスター教に登場する邪悪な竜。キング○ドラみたく3頭で、
魔法まで使えるテクニシャン。英雄が剣をぶっ刺すとそこからサソリとかトカゲとかエグい生物が
ワジャワジャ這い出してきたので、殺すに殺せず山の下に幽閉されたそうです。

モス○3のグランドギ○ラを思い出した

どうも、生きてます。近いうち絶対更新する!! 絶対だ!

さて落とすか








『やれ、主はまだこんなところでくたばるものではあるまい? 陰陽師』



「ン…」

真っ暗だ。だが違和感のある暗さ。なんというか、おぞましいものが蠢いているような。その暗闇がふと上へと移動する。見覚えのある巨大な姿がそこにあった


「お前らは……」

『来てやったぞ、我が同胞(ハラカラ)よ』


鵺と怨念入道が陰陽師を見下ろしていた。先ほどの暗闇は怨念入道の手だったのだ。見ると、瓦礫が怨念入道の皮膚に触れたがために腐食して溶けていっている


「お前ら、あの洞窟に縛り付けられてたんじゃないのかよ?」

『我が祖国、日ノ本が外人外にツブされかかっているのに、あの洞窟で指をくわえているわけにもいくまい?』

『』ウンウン

『それにな、我らだけではないぞ?』

「え?」

刹那、辺りに強烈な酒と血の匂いが漂う。ズズズ、と大きな何かが這いずる音


『『『『『『『『あれがそうか。早々に終わらせよう』』』』』』』』


それぞれ違う声が同じことを8回言っている。日本神話屈指の有名人外。八岐大蛇である


『『『『『『『『地獄よりも深き所へッ! 私が突き落してくれるわッッ!!』』』』』』』』オォォオォォォ!!!

「……マジかよ……」

『人外戦記・マジカ☆マジダ』

「やかましいぞ鵺。鬱展開なんて何一ついらねぇんだよ」

『前々から思ってたけど、鵺って意外とミーハーなのよね』


翼の羽ばたく音が陰陽師の隣に舞い降りる。美しい女性の上半身、猛々しい鷲の下半身を持つ人外。


「お前はヴィーヴル?!」

『久しぶりね、陰陽師』


前に戦い、そして分かり合えた人外、ヴィーヴルが八岐大蛇の背中から降り立つ


『一応アナタには借りがあるからね、私そういうのヤだからさ』

「なんで八岐大蛇と一緒なんだよ」

『釈放されたあと日本全国旅してたのよ。たまたま出会って意気投合したってわけ。あぁそうそう、来年辺り彼と結婚するわ』

「衝撃発言はいりましたー」

『ここは助けてあげるわ、だから私たちの結婚式のスピーチ任せたわよ?』



ヴィーヴルの体が一瞬にして燃え上がる。刹那、そこには体中が紅蓮の炎で包まれた大きな龍がいた。将来の夫とともに、千の呪いを操る龍に果敢に挑んでいく


『オォォオオォォオォオォ!!』






その頃日本各地では、あらゆる人外が吸血鬼軍団に対して抵抗を見せていた


「始まった……のかな…」

『喰わせろぉ女ァ!』


空を見上げていた少女に低級吸血鬼が襲い掛かる


「ぅにゃ!」


少女の頭にピコン、と猫耳が現れる。彼女の爪が一瞬にして伸び、一閃が低級吸血鬼の皮膚を切り裂く。


『痛てぇぇぇ?!』

「猫をナメると痛い目にあうニャン」


半妖となったあの時の少女。彼女にとり憑いていた化け猫は消失したが、人外化までは止められなかった。だが彼女はそれを受け入れ、それすら自分の一部として生きていくことにしたのである。これが彼女の決めた、自分の道


『くそったれェ! 原始人外の癖に! 高貴なる吸血鬼の俺に傷をぉ!』

「あ、頭上注意ニャン」

『ぇ ハン!!』


上から巨大な何かが落ちてきて低級吸血鬼を肉塊へと変えた。


「助かったニャン、釣瓶落とし」

『いえいえ、これがボクのやるべきことさ…』キリッ

「(顔面だけの分際なのにジャ○ーズ顔の人外がなんかほざいてやがるニャン…)」




『我だってやるしかないんだよー! うわぁぁぁ!』

『『『ヌグゥ?!』』』


怨念入道に乗り込み、ゲリュオネウスと壮絶な肉弾戦を繰り広げる鵺。ゲリュオネウスの振るう武器は既に怨念入道によって溶かされている。

怨念入道が強烈なパンチ一発を入れるとほぼ同時にゲリュオネウスが2〜3発のパンチを打ち込む。


メゴッ!  ガス!ベキ!ドゴ!  ベゴッ! 


壮絶な肉弾戦。怨念入道の砕けた拳から呪われた皮膚片が飛び散り、辺りの物質を腐食させ、ゲリュオネウスの足運びであらゆるものが踏みつぶされる。


『『『『おぉぉぉおおおらぁあぁぁぁぁ!!!』』』』


巨人二人の拳がお互いの頬をとらえる。クロスカウンターだ。壮絶な殴り合いはお互いがダウンする形で幕を引いた




『『『『『『『『小僧、一献付き合え』』』』』』』』


八岐大蛇が吐きだす吐息は強烈な酒気を帯びている。そのあまりのアルコール度数の高さに、ヴィーヴルの体の炎で引火し炎を吐いているように見える


『『『!!』』』


呪いの防壁で炎の吐息を防ぐアジ・ダハーカ。だが辺りに漂う強烈な酒の匂いが徐々にダハーカの意識と理性を削り取っていく


『『『うっぷ…おえ』』』


やがて酒気にあてられアジ・ダハーカは意識を手放した。千の呪いを操る邪龍は下呂だったのである。


『戦わずして勝つ、そういうものもある。わしはただ未来の女房と酒飲んで遊んで暮らせればよい』

『さすが貴方、惚れ直しちゃうわ…』

『よせやいwww』





「さて、あとは貴様だけだ大公」

『ッ……俗物めが……』

「どうするつもりだ? 切り札も失い、侵攻も鎮圧されつつある。どう転んでも貴様に勝ち目はないがな」

『我が妹を殺しておいてのうのうと……』

「クク……クハハ……何勘違いしてやがるんだ貴様は」

『?』

「俺は吸血鬼を殺したなんて一言も言ってないし、なってもいない。あいつのことはすべて片づけてからだ。そう、貴様を塵とするまでな」

『くく…クハハ……もうよい……もはや理性などいらぬ……すべては不要、世界には私一人でよい!』

「あーあー……」



そこにはもはやすらりとした紳士はいない。ただただ、異形としか呼びようのない正真正銘の化け物がそこにいた


『fhgtくぉおえ;sdgbh:pfごhたえskdslfghkrf!!』

「言葉まで忘れたか……こりゃどーしよーもないな。罪人、吸血鬼大公。罪状は器物破損、傷害、および殺傷。公務執行妨害その他。以上の罪状から情事酌量の余地なしと判断、刑を執行する」


先ほど錫杖から解き放った2本の細身の刀。刀身に文字が浮かび上がり、柄の金属部分が震えだす。同時に刀身に聖なる加護が付加され、目の前の鬼を殺そうと武者震いを始めた


『slkndcglboliof/lkmgt;gal/sdjdn;』

「あーあ完全にバグってる……こりゃ骨が折れるぞ」


全方位からコウモリが集まる。先の吸血鬼との戦闘で爆陽符は使ってしまった、あの札は一枚作るのに大変な労力がいるのだ。
しかも長い間ほったらかしにすると勝手に発火したりとあまり使い勝手がよくない。携帯するときは一枚が限度なのだ。


「クソッタレ……式神・蒼炎朱雀!!」


刀で地面を擦るように切ると、その傷跡からいつもより少し大きい蒼い炎の鳥が飛翔する。一羽がコウモリ一匹と衝突すると、かなりの威力で爆発、周りのコウモリ数百匹を道連れにする。あまりに爆発の数が多いので空気の躍動が辺りの民家の窓を叩く。



「おかーさーん、なんか外うるさくない?」

「そうかしら?」



住民のほうは全く気付いてはいないようだが





爆発に乗じて陰陽師が接近、吸血大公の背中に傷を次々と刻み込む。切り裂かれた傷口を邪を滅する祈りが焦がす。

怒りにまかせ裏軒拳をふるう化け物。巨大な体躯の割には動きが速い、陰陽師の回避が間に合わない程度には


ボグッ   ゴシャァ


「おぐっ……ガッ…!」


近くにあったコンクリートの壁に強く叩きつけられた。コンクリートの壁が衝撃によって倒れ、陰陽師を下敷きにする。


『fvmlkft:pae:4548y7r9dp@gp:;c/..kahw!!』



化け物が勝ち誇ったように咆哮を上げる。空には朱い月が輝いていた

今回はここまで。突っ走りすぎたかな…

どうもオーランドブルームです。ウソです。決着ですよ! みじかいけどね。あと最後にちょっと質問がありまして。

まぁそれは置いといて、ではどうぞ。


「鬼の血を継ぐ者」

あら、もう終わり?

いや、ちょっと疲れただけだ。まだやれる

ふぅん。本当にそう?

……正直キッツイ

でしょうね

なんか眠くなってきた。なんか脳内麻薬出まくってる気がする

こんなとこで死なないでよ? 貴方は私が喰らうんだから

どういう意味で?

何想像してんのよ

いや、ノリで?

もう……でも嫌いじゃないわ

あ、そ。んじゃ、もうちょっとしたら終わるから待ってろ。お前のことはその後でケリをつける

ハイハイ。期待しないで待ってるわよ






バゴォォォン!



『?!』


 ふいに瓦礫が轟音と共に吹き飛ぶ。そこには立ち上がるのもやっとといった様子の陰陽師がいた。目には生気がなく、腕がだらんと下され、生きているようには見えない。
だが立ち上がって、化け物の前に立ちはだかる。半開きの口からキバが4本見えた瞬間




「ゥウ………ウォォォォオオォォオオ!!!!」




 闇が、陰陽師の体から弾けた。闇は天へと立ち上り、上空にいたコウモリ全てが地に落ちる。





「呼び覚ましたか、陰陽師」


 天を仰ぐ陰陽爺。その表情はなぜか嬉しそうであり、同時に寂しそうでもあった。
もう孫は立派に巣立ち、自分の手助けなど必要ないと悟ったかのように


突然目の前に現れた、さっきまでの人間とは違うもの。戸惑いを見せる化け物


『?』

「………鬼ノ転寝(オニノウタタネ)」


 陰陽師が呟く。すると周りの闇が集まり、陰陽師の背後に鎧を纏った恐ろしい鬼が薄ぼんやりと現れた


『ぃtgjhにdぉ4p9!!』


 化け物が巨大な剣を影から取り出し、陰陽師に切りかかる。それを右手の錫杖刀で受け止める陰陽師。
重い一撃を、まるでなかったかのように軽く受け止める。巨大な大剣はピクリとも動かない


「失セヨ、恥サラシメ」


 左手の錫杖刀で巨大な剣を数等分に切断、ついでに化け物の腕も輪切りにして切り落とす。
汚れた血液が赤黒い湖を形成する


『joiset0gb;gf/?!』

「理智ヲ失イ、力ヲ手ニ入レテナントスル? 貴様ナド人外ヲ名乗ル資格ハナイ。誇リ無キ獣ヨ」

『38yhてbgpのb;dlkcf。v、ん8!』


化け物が咆哮を上げると、辺りから雲霞のごとく下級吸血鬼が現れた。人型ですらない、ただの血に飢えた獣。己の食欲を満たさんと陰陽師に食い掛かろうとした。

 した、ということはしなかったということ。近づいた瞬間彼らは本能で悟ったのだ、目の前のモノが自分たちを統べるものであることを。
くるりと振り向き、化け物のほうへと顔を向ける。そして、かつての主へとその牙を向けた


『?!』


 下僕の裏切り。倒された切り札。力の差。もはや化け物に勝利の二文字はあり得なかった。かつての下僕の攻撃でズタボロになっていく化け物。
心なき怪物が、絶望を初めて味わった瞬間だった。





その頭蓋を、一振りの美しい刀が貫いた





「疲レタな……もウいっカ……」


 空を覆い尽くしていた巨大な闇は雲散して消え、代わりに眩しい朝日が地平線の向こうから顔をのぞかせた。
陰陽師は希望の夜明けを確認すると、意識を手放した





ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー

「さて……はじめまして、だな。こうやって正面きって話すのは」

『そういうことになるかな? 流石は彼女と儂の血をひくものよ。
 その中でもおぬしには特に濃いわしらの血が流れておるようだが』


「俺の一族の始祖のことか」

『あぁ、本当にいい女だった。儂が心を奪われるほどのな。今でも鮮明に思い出す、彼女の口癖、足運び、その一撃まで』

「そうか。聞きたいことがある」

『なんだ』

「なんで俺の一族の中に入った?」

『そうさな……もう幾億月前の話か……儂は彼女とは相容れぬ存在。
 異種で交わるなど……さらに儂と彼女。殺すか殺されるかの間柄、だが…』


「貴方達は愛に走った?」

『彼女は一族を破門され、儂は元居た地を追放された。だが幸せだった。子どももできた。ひっそりと暮らしておった。
 誰に狙われるでもなく。子どもも健やかに育ち、一人立ちした。だが最後の敵がやってきた』


「寿命……」

『彼女が老衰で弱っていく姿は見るに堪えなかった。最後に感謝の言葉と、儂に対する感情を残して彼女は逝った。
 儂も後を追おうとした、だが死ねぬ。不老不死の体は死ぬことを許してはくれなかった。儂は旅をした。己を殺す旅を』





『どれだけ体を裂き、血を流そうと死ねぬ。切り裂いた部分と魂の一部をあちこち捨てまわりながら儂は旅を続けた。バラバラになれば魂のありどころが分割され、時の流れで消えると思っていた。だが現実は非常であった』


『体の一部と共に置いてきてしまった儂の魂の一部が、周りに災いをもたらすようになってしまった。
 災いをもたらしていることを聞いた時には、儂はもう首だけになってしまっていた』


『どうすることもできぬ。そう思っていた時だった。子どもに再会したのだ。
 子どもは儂の魂の一部を体の中に封じ込め、体は各地に封印する旅をしていたのだ』


『儂は後悔した。子どもに親の尻拭いをさせていたことを。強大すぎる儂の力は、子々孫々に継がれることとなってしまった。
 罪を子々孫々に押し付けてしまった。儂の愚行だ……悔やんでも悔やみきれん』




「ひとつ、償える方法がある」


『……?』


「俺に力を貸せ。あなたと同じように俺にも譲れない、守りたいものがある。それを守るのに力を貸せ。
 俺たちの一族全員と、この世界の人外をすべて守り切れるだけの力を」


『ふふ……面白いことを言う……まったく、骨の髄までお前は彼女の子どもなのだな』

「あぁ。そして骨の髄までお前の子どもでもある」

『フフ、そうだな……』



はいここまででマス。聞きたいことってのはね、そのね、陰陽師が3代欲求封印してるって言ってたじゃない?
良い子は退却してねー













………ぶっちゃけ、挑戦してみたいんですが、ERO。そりゃあもうガッツリ。後日談あたりで。
どうしませうダレ得ERO話。

はいどうもワタクシでございますのことよ。長々続けてたssですが、この話で最終話です。最後のEXは除くけど。
いやぁ、書き溜めってないと困るね。はーいごーめんなさいっと。(ヨガのポーズ)

今必死こいてEX書いてます。DTにはきつい、書いててそう思った。ではどうぞ


「Q・E・D 〜罪と罰と新たな出発〜」


「ホホ、ついに偉業を成し遂げたか我が孫よ」

「確かに異形ではあるが」

「ツマラン! お前の話はツマラン!」

「焼き殺すぞ枯れ木爺!」


数日後。まだ組織の施設内の傷も癒えていない支部長室で、二人の陰陽師が話し合っていた。
支部長室の外では人間と人外が修繕工事に励んでいる。


「孫は歴代一族の中最も鬼の影響を色濃く受けておったからのぅ……それすら抑え込んでしまうとは」

「抑え込んだワケじゃない。お互いに認め合って、そしてお互いに力を貸しあってるだけだ」

「ホホ、言い方の違いだけじゃろが。さておき孫よ。あの吸血鬼はどうしたのじゃ」

「あぁ、ここだ。こン中」


陰陽師が足元の影を指さす。影にしては不自然に黒すぎる。
そこから黒い鎖が飛び出し、陰陽師の手首に巻きつき、手錠の形に変化した


「オラ、出てきやがれ」

ぐい、と陰陽師が鎖を引っ張ると、陰陽師と同じく
手首に影の手錠をはめた吸血鬼が影から引きずり出された。


「ちょ、引っ張りすぎ! 前もって言ってよ…」

「ホホ、陰陽師の影の牢獄の中はどうじゃ、吸血鬼よ」

「ジジイと話す口はないわ」

「快適なんだそうだ」

「言ってないッ!」


 あの戦いのとき。光の槍が吸血鬼の体を貫いたときのことである。あの槍は攻撃用ではなく拘束用の捕縛術だったのである。
吸血鬼を術にてしばりつけ、まばゆい光で大公の目をごまかし、己の影の中のプラットフォームに吸血鬼を幽閉したのだ。

今吸血鬼は陰陽師の影の中の牢獄に縛り付けられ、陰陽師の傍を離れられないようになっている


「気が付いたら吸血鬼ですら見えないような真っ暗闇、そうかここが地獄かと思ったよ」

「大公と違ってお前はなんやら複雑そうだったからな、なにより証拠不十分だし生かしておいた」

「でも裁判なりなんなりせずに大公殺してよかったのかしら?」

「言ってなかったな、俺にはその場で裁きを下す権限持ってんだ。初めて会ったとき悪霊滅霊してたじゃないか」

「あぁなるほどね」

「ところで吸血鬼、お前は結局どうしたかったのだ?」

「……自分でもよくわからないの。絶え間なく理性と使命感が前後してたような……?」


自分で言っていることが支離滅裂なのに気付き、諦めたような、乾いた笑い声を漏らす吸血鬼


「……ふむ。一種の洗脳か? それとも何かの薬物……かのぅ?」

「魔法性の薬物なら特定は難しいだろうな……時間とともに魔法痕は消えちまう……ン? 吸血鬼」

「なに?」

「お前が持ってた輸血用血液ってまだあるか?」

「どうだったかな……わかんない」

「そうか、帰ったら探すぞ。もしかしたら……」



陰陽師の家



「……やはりどこにもない…」

「あれ? キャリーバッグの中にもない……」

「俺の考えは当たってたようだ。今夜はいつもの場所で布団で寝ろ」

「いいの? 犯罪者を外にほっぽり出しといて」

「俺が隣で寝るんだし構わんだろう。どれにしろ影の鎖で逃げることもままならんだろうしな」

「なッ?!」

「有無は言わさん」


眠れない夜になりそうだ





「風呂沸いたぞ、先に入っちまえ。上がったら俺が風呂入ってる間に布団敷いといてくれ。洗い物してくる」ヒョコッ

「えぅ、うん……」



「(え?! 布団私が敷くの?! 布団は一式でいいのかな……って違う!! アカンアカンアカン、なにこれ! なにこの思考回路?!
 恥ずかしい! 恥か死ねる! なにこのリア充みたいな……ふぉぉぉ////)」ゴロゴロ

「なにやってんだあいつ……はやく風呂入れよ…」カチャカチャ ジャー




「(悶えてて気が付いたらもう寝る時間になっていた、布団は二つだったけど……な、何を言っているか…ry)」

「ホレ、電気消すぞ」

カチカチカチ



………………………




「「(寝れるかぁぁぁ!!)」」//////


「(ダメだ陰陽師の息遣いが聞こえるメッチャドキドキする心臓痛い心臓痛いなにこれなにこれ?!)」

「(ちゃんと寝れてるかな、吸血鬼の奴……出てきてくれるといいんだが)」




コチコチコチ  ボォーーーーン


「」スヤスヤ


「(寝たか? 予想以上に時間がかかったな、枕に吸血鬼用睡眠芳香洗剤仕込んどいてよかった。こっからが本番だ)」



ズリュリ


部屋の隅で何かが動いた。輪郭が絶え間なく蠢いており、原形といったものがないかのようにうねっている。
それはゆっくりと吸血鬼の口へと忍び寄る


「」スヤスヤ

ズルリ



「そこまでだ」


電気が点けられると同時に人外拘束用の結界が不定形生物を拘束した。
結界の中でぐにゅりぐにゅりともがくなにか


「ほう、珍しい。ブロブのほうだったか」


結界の中に閉じ込められた赤い液体状の人外を見やりながら陰陽師は呟いた。
大公は吸血鬼の輸血用血液の中にブロブを紛れ込ませ、感情をコントロールしていたのだ


「魔法を込めたブロブを精製、実質支配下に置き殺意を暴走させ戦わせる、か。手の込んだことをしやがる……
液体状のモンの輸入の検問、強化せにゃならんな。さて……」

「んぅ……ウヘヘ…」

「起きろ吸血鬼。仕上げだ」

「んみゅぅ……」ポケー

「起きろというのにコラ」コツン

「ンアッ?! なにすんのよぉ……あふぅ…」

「まぁいっか、そのまま動くなよ」


ふいに吸血鬼の頬に手をやり、顔を引き寄せる陰陽師。不意を突かれかつ寝起き、
体に力が入らない吸血鬼はされるがままだ


「うぇ?! ちょ、近い近い!」

「おとなしくしてやがれ、すぐ終わる」


刹那、吸血鬼が感じたのは己の唇になにか柔らかいものが重なっている感触だった。


「んむぅ?! ………んぅ……」


どくん、どくんと遠い昔に忘れていた心臓の鼓動が耳元で聞こえるような気がした。

と。



体の中に違和感を感じる。まるで……何か液体が血管の中を這いまわっているような……
と、陰陽師が手に札を張り付け、拳を握っているのがチラリと見えた。これって…


ドッ!


無情にもその拳の行先は、吸血鬼の腹部だった。襲い来る軽い衝撃、体の中の違和感がひどくなる。と、食道の奥のほうから何かが上がってくる感じがする…


その気配を察したのか、口をつけたまま陰陽師が大きく口を開き、何かを吸い込んだ


「モゴ……ペッ!!」

ベチャッ!


消失した体の中の違和感、改めて辺りを見渡す。結界の中に閉じ込められた赤い液体、
そして先ほど陰陽師が床に吐きだした同じような赤い液体。
吸血鬼の脳が答えを導き出すのに時間はかからなかった


「なにこれ?!」

「あぁ、お前の体の中に仕込まれてたブロブを吐き出させた。これでお前はもう本当に自由だ。
鑑識に回せばお前が大公に無理やり動かされていた証拠になるだろう」

「ぇあ……うん……ありが……」


そこまで吸血鬼が口にした瞬間、先ほどまで自分たちがやった行為を思い出す

「あぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜?!//////」

「さて寝るぞキリキリ寝るぞ明日は午後から出勤だが俺としてはサボタージュしたい気分なんださてジジイに電話入れてくる」

「おぉぉおおおぉんみょうし?! お前今自分が何やったか…」

「もう寝ろ、あと4時間で日が昇るぞ」

そそくさと部屋を出ていく陰陽師。だが吸血鬼には見えていた、彼が耳まで赤くなっているのを





チキチキチキ……ヒュボッ


20XX年発生  吸血鬼日本侵攻事件


容疑者  吸血鬼  吸血鬼大公  ショタ吸血鬼  吸血鬼大公一派の下級吸血鬼


 容疑者 吸血鬼   人外界で最も恐れられている陰陽師を監視、暗殺を受け取って日本に渡航。
            大公によって精神操作のブロブを体内に仕込まれていた模様。のちに鑑識によって証明される。 
              主な罪状 公務執行妨害等

 容疑者  大公  事の元凶。今回の事件を起こした犯人であり、吸血鬼やアジ・ダハーカ容疑者等とともに日本を攻撃する。
            暴動は陰陽師らによって鎮圧、陰陽師によって死刑が執行され没する

 容疑者  ショタ吸血鬼  大公にそそのかされ組織内に潜り込み、監視カメラの位置や重要データ等を手下のコウモリ等を使って探らせていた模様。
               組織内のシステムダウンに関わり、自身も組織を蹂躙しようと奮戦するもヴァンピールにげんこつで沈められる
                 主な罪状  公務執行妨害等




この世には人知では測れない不可思議なことがたくさんある。金縛り、ポルターガイスト、心霊現象等々。
それは昔はもっと身近にあったはずのものだったが、時代の流れとともに最も遠いものになってしまったのかもしれない。


「さぁ〜て、今日もお仕事お仕事ッと」


だが彼らは違う。混乱を防ぐため闇の中、粛々とスマートに動き続ける生きた都市伝説たち

人外統括組織、『アウトレイジ』

今日もどこかで組織の一員と、外国人外のコンビなどが動いているのだろう。夜中、窓が急にガタガタなったり、
知らないうちにモノが壊れていたりするのは彼らのせいかもしれない




「おうジジイ、朝から呼び出しとはどういうことだ」

「あぁ陰陽師。先ほど気になる情報が入っての。祓魔師、覚えておるか?」

「……あぁ、イヤでも覚えてるよ」

「あやつが帰ってきおったらしい。しかも狙いは…」


陰陽師はこれから起こるであろう面倒事を思い、盛大にため息をついた


「吸血鬼王族第一子、吸血鬼。今おぬしが影の中に捕えておる女その人じゃ」



END                                          ?

ED    http://www.youtube.com/watch?v=6HErQ_WpdBU



吸血鬼「……終わっちゃったね」

陰陽師「そうだな」

爺「さて、2期の収録の準備でもするかの」

陰陽師・吸血鬼「「ねぇよ」」

爺「え?!」

陰陽師「さて、本家戻って先輩方にあいさつでも行くか吸血鬼」

吸血鬼「そうね、死神さんや魔王さんにも会いたいし」

爺「ワシ無視かよ?!」

陰陽師「それじゃあ皆さん」

キャスト・スタッフ一同「さようならーーーー!」


さて、EXの書き溜めに戻ります。これで本編終わり。あとはEXだけだね、書き溜めてきます。
なんだかんだ見てくれてありがとう

どうも、ワタクシでございますのことよ。もうすぐエクストラ書き終わります。
こっから先はR指定だ(ムダにスタイリッシュに)


まぁまだできてないんですけどね。書いてて思った、むぢゅかしいことこの上ねぇ。
これ落し終わったら依頼だすし、もうちょい置いておく。そんだけ

はいどうも、時間が時間なので落としに来ましたwww

ではどうぞ


「一心同体」


陰陽師は悩んでいた。自分の中に渦巻いているこの欲求に。生まれてこの方、性に対することなど全く興味がなかった。彼の中に宿っている鬼の力、それを抑え込むための対価。

性欲の封印


この間鬼の力を完全に支配下(少々語弊はあるが)に置いたことにより、欲求を対価にした封印は解除されたらしい。
俺の中の鬼がそう言っていた気がする

ある程度の知識はある、昔に嫌々ながら頭の中に詰め込んだ。
今になって自分が置かれている状況が大変なものだと感じた。
今まで感じていなかった生物種としての本能が、時折暴走しそうになる


だがそうすることで今までの関係が崩れるのが何よりも怖い。彼は無意識的に、彼女を必要としてしまっていた。
矛盾していると自分でもわかっている。愛しいからこそ、怖いのだ

そんな悩みの種は俺の隣で寝息を立てている


「んみゅぅ……」

「…………」


 影の中で寝ろと言ったのに、寝ぼけて俺の布団の中で寝てやがる。呑気だ。異性の布団なのにこうも無防備な姿でいられるものなのか。いや、彼女は人外だった。羞恥心など遠い昔に雲散して消えてしまったのかもしれない。
と、自分の下半身にあの感覚が走る。抑えろ、抑えろ……吸血鬼がいる方向と逆方向に体を向け、眠ろうと努力をする


「んふふ……んぅ…」


 あろうことかコイツ、俺の腹に手をまわして抱き着いてきやがった。首筋に顔を押し付けてグリグリしている。
うなじに感じる、吸血鬼のきめ細やかな肌の感触、そして背中に感じる柔らかな双丘の感覚。

吸血鬼には悪いが、無理やりに引っぺがそうと手を握る


「……待って」






静かな声が聞こえた。






「起きてるのか?」

「うん。ゴメン。でも、こうでもしないと私の踏ん切りがつかなくて」


月明かりが障子を突き抜けて部屋の中にさす。


「踏ん切り?」

「うん。もう自分じゃこの気持ち、抑えきれないの」


止めろ。止めてくれ。


「好き。貴方が、どうしようもないくらいに好きなの。陰陽師」






静かな部屋に、静かな声が響いた









「いつの間にか惹かれてた。私が貴方を殺そうとしてなお、貴方は私を殺さないでいてくれた。
それどころか救ってくれた。もう抑えが利かないの」


 首筋に冷たい感覚を感じた。泣くな。こんな俺のために。お前の身内を殺した男に


「鬼の封印についておじいさんから教えてもらった。もう封印の呪縛はないんでしょう?」

「…まぁな」

「辛くない? ガマンしてるんでしょ?」

「………辛くない」

「ウソ。だって…」


止めろ。モゾモゾ探るな、という前に彼女の手が俺の分身へとぶつかる。
薄着なので布越しでも彼女の手の感触が分かってしまう



「こんなに……あぅ…」

「……照れるくらいならするな」

「……ねぇ。こっち向いて。お願い」


腹をくくるしかない、か。俺もヤキが回ったものだ、俺の俗物め。抑えが利かない。
モゾモゾと体を動かして吸血鬼のほうに体を向ける。覚悟は決めた、もう逃げない


「吸血鬼」

「なに?」

「大好きだ。愛している」

「…………うん。私も」


あの時とは違う、俺たちはお互いを求めて唇を重ね合わせた




「ん…ちゅ……はぁっ、ん………はむ…」

 静かだった和室に水音が響く。最初はお互い恥ずかしげに触れるだけの、ついばむような口づけをしていた。ある程度楽しみ、お互い蕩けた目で見つめあって名前を呼んだらタガが外れ、
先ほどよりもはるかに情熱的な口づけへと変わった

角度を変え、もっと深く。舌を絡め合い、もっと。お互いの口の中を、お互いの舌が蹂躙し合っている。キスだけでこんなにも溺れてしまう。
止まるつもりもないが、もう止められない


と、吸血鬼が俺の甚平のヒモをほどいた。俺も合わせて吸血鬼のパジャマのボタンを一つ一つ、ゆっくり外していく


「あ、シャツ着てたんだね」

「寝冷えは怖いからな……」

「あは、それだけだとちょっと薄すぎるしね」

「お前は寒くないのか?」

「大丈夫。今はアツいくらい……」

「お前ってやつは…」


少々呆れながら、それでも愛おしく思う。




そうして俺たちは下着だけになり、再び互いに高め合うことに戻る。恥ずかしげに手で体を隠そうとする吸血鬼



「あんまり見ないで……」

「綺麗だな、肌。自信持っていいぞ」


露わになった彼女の肌を見てそう思った。きめ細やかで白い肌。
腹を撫でてやると、少し恥ずかしげに彼女は言う


「そうかな……えへへ」

「触るぞ?」

「もう……恥ずかしいから言わなくていいよ……」


恥ずかしげにそっぽを向く吸血鬼。


「こっち向け」

「なに……んむぅ…」


先ほどと同じキスをしつつ、吸血鬼の胸を触る。柔らかい、弾力のある感触が伝わってきた。


「(意外と大きいんだな…」

「漏れてるよ、心の声……失礼ね、着やせするタイプだもん」

「なんか、その……なんていうか……スマン」


羞恥心と申し訳なさで少々ドギマギしならが謝ると、心底愉快そうに吸血鬼が笑う


「なにそれ可愛いw……いいよ…その代りもっと気持ち良くして?」

「お前というやつは……」



 片方の胸は優しく手で揉みしだき、もう片方は舌先で乳首を弄ぶ。そのたび艶っぽい声をあげる吸血鬼。
気持ち良くなってくれているのかな……なら嬉しいのだが。と思ったらいきなり吸血鬼の体がはねた


「んうぅ?! ……はぁ、はぁ」


もしかして……イッた? 顔を手で覆って恥ずかしそうにしている吸血鬼。
気持ち良くなってくれていたようだ、嬉しい


「ヒドいよ…」

「なにがだよ……まぁいい、次は…」

「あ、や、ダメ……」


 吸血鬼の下半身に手を伸ばし、触れる。そこは既に十分に湿っていた。ほぐすなりなんなりした方がいいのか? 
溝に合わせて指を這わせると、「んっ…」と吸血鬼が声を上げた。


「ねぇ」

「ン?」

「もう、大丈夫そうだし……挿れていいよ?」

「いや、痛いんじゃないのか? こういうのって、その……ちゃんとしとかないと」

「だ、大丈夫! 私吸血鬼だよ? それにその初めては……その、指じゃないほうがいい…」

「…わかった。だがゆっくり入れていくからな。痛かったら言え」

「はい……その」

「ン?」

「優しく…してね?」

「当たり前だ」





 前座で十分に湿った吸血鬼の秘所に俺は自分自身をあてがい、ゆっくりと挿れていった。


「ぅあ…ぐ」

「…やっぱり痛いか?」

「う、ン……思ったより…大丈夫かも…でも、痛い……」

「どっちだよ……まぁいい、ちょっと休憩だ」


 中ほどまで俺を飲み込んだところで休憩を入れる。抱きしめて頭を軽く撫でてやると、
吸血鬼は俺の背中に手をまわし、抱きしめ返してきた。



「えへへ…嬉しいな」

「何がだ?」

「こうやって、一つになれたこと」

「……そいつは重畳だ」


 顔を寄せ合い、キスをする。少しでも痛みから気を紛らわせることができれば


「ねぇ、もう大丈夫だから…その、いいよ?」

「いいのか本当に」

「焦らさないで、ホラ早く最後までやって?」


 挿入を再開し、今度こそ最後まで挿れきった。
熱い感触が俺自身を包み、肉壁がすさまじい快楽をもたらす。


「やっと、はいったね……どう? 気持ち、いい?」

「……悔しいくらいに、な」

「えへへ、ちょっと優越感♪ その、さ、動いて…いいよ?」

「あぁ」


 ゆっくりと腰を引き、そしてまたゆっくり突き入れる。大分ゆったりとした動きだが、それでも十分すぎる快楽を生む。
吸血鬼が艶めかしい声を上げる。俺も思わず声が漏れてしまう


「ッ……」

「き、もち…ンっ……いい?」

「……聞くな」

「えへへ、陰陽師可愛い♪」

「やめ…ンぅ?!」

 吸血鬼が俺の頭の後ろに手をまわし、唇を奪う。そのまま激しく俺の口の中を蹂躙する。腰を動かすのに必死だったので、これは不意打ちだった。
俺も何とか舌を絡め返して答える。キスしながら、俺は腰を動かすのを再開した。
いつの間にか吸血鬼が俺の腰に足を絡めてきている。俺たちは必死にお互いを求めあっていた


 腰を動かす度訪れるあまりの快楽に頭が真っ白になり、いつしか俺は腰を動かすことしか考えられられなくなってしまっていた。


 腰を突き入れるたび吸血鬼が艶めかしい声を上げる。俺に絡めている足のホールドが強くなる。
それに答えるように俺が突き込む。

キスも絡めながらでそろそろ限界が近づいてきた。唇を放すと、吸血鬼が不思議そうな表情をした




「どうし、んっ、たの?」

「すまん、俺もう、そろそろ…」

「実は私も、んッ!」


 思い切り深いところに突き込み、性を思い切り吸血鬼の中に解き放つと同時に吸血鬼の体がビクンと跳ねた。

二人ともしばらく絶頂が続き、少し後に二人そろって脱力した。


「はぁ………はぁ…………だ、大丈夫か?」

「はぁ…………はぁ…だ、大丈夫…だとおもう……ハァッ…」

「なんつーか……ゴメン」

「フフ、素敵だったよ? 必死に求めてくれて、嬉しかったし…///」

「そ、そうかよ……」

「あー、照れてる」

「照れてねぇ!///」

「あーもーこいつめー!」ウリウリ

「うっぜぇヤメロ…」

「ねえ」

「ン?」

「大好きだよ」

「俺もだ」




マジでおわり

ハイひっどい出来ですねしにたひ


これで完全に完結です。続きは不明。んじゃみなさんいい夢を

やっぱあれかね、名前入れたほうがよかったかな、悪い癖だ

まぁ慣れないことはするもんじゃないねwwwww俺にエロは無理だね

さて廃棄しまーす

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