女「特技が三白眼とか死にたい」(49)
女「なにこれ」
女「ヤンデレとかその変のアビリティなのになんで私が……」
女「……」クワッ
女「ひぃっ!」
女「……ひぐらしに出れそうだ」
女「地味すぎるよ……こんなんじゃ友達はおろか知り合いさえ出来ない……」
女「……あれ? この広告……」
あなたの特技を活かした仕事! どんな特技でもそれにあった仕事を提供します!
女「行くっきゃない」
同時刻
男「……」
男「特技がヤンデレ系に責められたときの絶望顔とか死にたい」
男「女ならまだしも男でこれじゃただの変顔だよな……」
男「……」グイッ
男「慣れたせいかハリウッド級だぜ」
男「……あれ? これは……」
あなたの特技を活かした仕事! どんな特技でもそれにあった仕事を提供します!
男「行くしかねぇな」
会場
女「何で受付で特技披露しなきゃいけないのさ……」
女「警報ならされるわ警備員に取り押さえられるわ散々な目に遭ったよ」
女「爪切り没収されたし」
女「どうせだったら写輪眼の方が良かったな」
女「……まぁでも、たくさんの人がいるなぁ……」
イヤダカラ!
ダイジョウブ、コワクナイデスヨ
チガイマスッテ!
女「なんか騒がしいな」
会場・受付
男「いやだから」
「大丈夫、怖くないですよ」
男「違いますって!」
男「これが特技なんですって!」
「うんうん、おじさんも昔ね……」
男「語りモード入っちゃったよ」
男「だから、絶望するのが特技なんです!」
男「なに言わせるんですか!」
「そこでおじさんビックリして……」
男「ちょ、誰かぁぁ!」
会場・トイレ
女「しっかしまぁ」
女「よく出来てるなぁ」クワッ
女「髪の毛ちょいボサボサにして……」
女「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
少女「キャァァァァァ!」
女「うわスッゴい綺麗な悲鳴! どうかしたの!?」
少女「Don't kill me!」
女「えぇー……なにこのハリウッド感」
女「とりあえず落ち着いて?」
少女「イヤァァァァァァ!」
女「うるせぇぇぇ!」クワッ
少女「ノォォォォォォ!!」
数分後
女「ごめんね、私のせいで……」
少女「いえその……」
女「そうだよね、三白眼で奇声あげてたら誰だって同じ反応だよ」
少女「ほんとごめんなさい」
少女「私、少し怖いことがあると悲鳴をあげてしまう癖があるみたいで……」
女「もしかして……」
少女「はい……この特技を活かせないかなって」
女「ハリウッド女優顔負けの悲鳴だったし、女優とか……」
少女「人前に出るのは無理です」
女「さいですか……」
会場
男「ったく、偉い目に遭った」
男「お袋は呼ばれるし精神科の医者までくるし」
男「コンパクトドライブ持たされたし」
男「仮に絶望してたとしてもカウンセラー呼べよ」
男「……始まるまであと30分か」
男「会場の中を見て回ろうかな」
会場・喫煙所
男「喫煙所やがな」
男「……先客がいたか」
男「まぁいいか」プカー
チカッチカ
男「……?」
男「あれ? 停電?」
プツン
バチバチバチ
男「なにこれ怖い怖い!」
「……火を……火をくれ……」
男「うわぁぁぁぁぁ!」グイッ
「いやそんな死んだような顔しなくても……」
数分後
「驚かせてごめんよ」
男「あ、いやこちらこそ」
友「友って言うんだ」
男「男です」
男「……今の停電はまさか……」
友「そう、俺の特技」
友「昔から超帯電体質でさ、ちょっと前から回りにある電気をコントロール出来るようになったんだよ」
男「あーなるほど」
男「俺は絶望顔が特技なんだ」
友「納得」
会場
女「そろそろだね」
少女「ですね」
女「でも結構人数いるけど何をしてる人なんだろう」
少女「仕事の仲介人でしょうか」
女「かな」
男「何が始まるんだ」
友「バトロワだったりしてな」
男「それはそれで面白そうだよな」
友「お、ステージに立ったぞ」
『えー本日はお集まり頂き誠にありがとうございます』
『基本的な説明は先程受付で配布した資料をご覧ください』
『まず皆様には適正試験を受けていただき、その後仕事紹介をさせてもらいます』
女(お化け)
男(屋敷に)
少女(配属)
友(されそうだ)
『まず四人一組になって下さい』
女「四人一組か」
少女「どうしましょう」
女「特技のジャンルが似てる人を探そっか」
少女「はい!」
男「どうするか」
友「俺らの特技からしたらホラー系なんだが」
男「ホラー系っていったら……」
友「……まぁ探してみようぜ」
数分後
女「余りですと?」
少女「他の人はどんどん作って出ていきましたね」
女「どーすんのさ」
少女「あれ、あそこに二人組がいますよ」
男「余った」
友「選り好みしてるから」
男「男四人とかむさ苦しいからさ……」
男「ん?」
友「向こうも余ってるな」
少女「ほら、あの人たちにしましょうよ」
女「そ、そんな……」
女「男性と喋るの久しぶりなのに……」
少女「受付で喋ったんじゃないんですか?」
女「おっさんは論外です」
少女「……」
友「ほらいこう」
男「そ、そんな……女性と喋るの久しぶりなのに……」
友「行くぞ」
男「キャッ」
友「……」バチバチバチ
男「アババババババ」
女「……」
男「……」
少女「よろしくおねがいします」
友「はーいよろしくねー」
友「女さんもよろしく」
女「ア……ウス」
少女「男さんよろしくおねがいします」
男「ア……チス」
少女「さぁ行きましょう!」
友「おー!」
会場・別室
友「ここで待てって言われたけど……」
少女「何が始まるんでしょうね」
男「……」
女「……」
『はい、ようやく集まりましたね』
『では早速試験を始めたいと思います』
『皆様の側に2つ扉があると思いますが、男女一組で中に入ってください』
女(え……ウソ……)クワッ
男(ひぃっ!)グイッ
友「何やってんだあんたら」
右の扉
女「私をいじめて楽しいの!?」クワッ
女「喋ったことないって言ってるじゃないの!」クワワッ
少女「いや……落ち着いてくださいよ……」
男「ンフー」
少女「ほら、やる気みたいなんで大丈夫ですよ」
友「それじゃ、またあとで」
女「オーマイガー」
男「ンフー」
左の扉
友「ちょっと酷かったかな」
少女「大丈夫ですよ」
友「よし、じゃあ行こうか」
少女「……?」
少女「何で水があるんですかね」
友「泳いでけとか」
少女「私、泳げません!」
友「えるたそ~」
右の扉
女「あ、じゃあ……その……」
男「あ、はい……失礼して……」
女「い、いい天気でしたね」
男「そ、そうでしたね」
女「……」
男「……」
男「いくつなんですか?」
女「21です」
男「あ、同い年ですね」
女「……」
男「……」
ひぐらしのなく頃に
ぐらいの三白眼を想像してもらえばいいと思います
男(間が持たない……)
女(ここは一発ギャグでもして空気を……)
女「一発ギャグやります」
男「え?」
女「えー打ち上げられた鯨!」
男「ちょちょ落ち着いて……」
男「落ち着いてくださいって!」
左の扉
友「ばた足はこう」
少女「なるほど」
友「さぁいこう」
バシャバシャ
少女「ゴボゴボゴボ」
友「しまった息継ぎ教えてなかった」
少女「死ぬかと思った……」
友「さ、いこう」
少女「でもどれくらい進むんですかねぇ」
友「そんな広がってるようには見えないんだよね」
友「……もしかして」
友「ちょっと待っててね」
右の扉
女「いやぁどこまで続いてるんだろうね」
男「まさか壁に隠し扉あったりして」
女「いやいやまさか」
女(一発ギャグのおかげでなんとか空気を変えられた)
男(この人疲れてるんだろうな……俺がしっかりしなきゃ)
女「ちょっと休憩しようよ」
男「そうだなぁ」
女「ふぅ」
ガゴン
女「わっ!」
ガガガガガ
男「なにこれなにこれ怖い怖い怖い怖い!」グイッ
女「きゃぁぁぁあ!」
男「うわぁぁぁぁ!」
左の扉
友「やっぱり」
少女「急に潜ってどうかしたんですか?」
友「これはアレだ」
友「海底ダンジョン的なヤツ」
少女「潜れば先に進めると」
友「そういうこと」
友「俺スカイダイビング得意だからついてきて」
少女「空ですよね」
会場・海底神殿
友「ふぅ」
少女「無事つきましたね」
友「会場の下に神殿とかどうなってるんだここ」
少女「何をさせたいんでしょうね」
友「仕事くれるって言うから来たのに」
少女「ですよね」
友「……何で君はこの会場に来たの?」
友「まだ働く年齢じゃないんじゃない?」
少女「綾崎ハヤテみたいな人生です」
友「大変だね」
友「……あれ」
少女「扉ですね」
友「開けてみようか」
ギィー ガチャ
友「え?」
少女「え?」
ガヤガヤ
「疲れたねー」
「いつまで続くんだろうな」
ガヤガヤ
友「他の参加者達?」
少女「でも……何か少ないですね」
友「何がしたいんだよここは」
右の扉
女「いってぇなぁ……」
男「いったー……」
女「あぁ大丈夫?」
男「うん……」
女「ん?」
男「あれ?」
女「……」
男「……」
女「何で俺が………………あ……」
男「……やれば出来るじゃないかリアル!」
女「入れ替わりキター!」
女「夢だったんだよなぁ!」
男「私も夢だった!」
男・女「いぇい!」
女「いやぁ入れ替わったらどうなるか妄想とは違ったね」
男「でも確かに前より若干違和感あるね」
女「それがまたいいんですよ」
男「いやーまさかこんな形で実現するとは」
女「でも口調としては違和感ないよね」
男「私はそうかもしれないけどあなたは……」
女「まぁそんなことより出口探そう」
男「オー!」
会場・地下
男「ここって……」
女「墓地……だな」
会場・地下墓地
女「幽霊でも出てくれば面白いんだがなぁ」
男「人間の幽霊だったら多分追っ払える」
女「マジで?」
男「うん、私の顔なら」
女「いやそんな自虐しなくても……」
男「?」
ヒュードロパッパ
男「いかにもなBGM」
女「鬼太郎のテーマかよ」
男「でもこれよく見ると本物みたいだよ」
女「そう見せてるだけじゃない?」
男「うーん……でもなぁ……」
女「と言うかこっからどう進めばいいんだろ」
ガタガタガタガタ
女「!」グイッ
男「!」クワッ
男「な、なんだただのラップ音か……」
女「……ていうか特技入れ替わってね?」
男「あらほんと」
男「グヘヘヘ」クワッ
女「や、やめて……」
男「口ではそう言っても身体は正直だなぁ!」クワワッ
女「いやぁぁぁぁ!」グイッ
女「お疲れー」
男「お疲れ様ー」
女「やっぱこうだよな」
男「特技逆だったら良かったのにね」
女「……お」
女「何かこの墓だけ違うぞ」
男「下に階段が見えるね」
女「行こうか」
会場・海底神殿
『皆様、ここまでのご足労感謝します』
『あれだけいた参加者も今や半分以下ではありますが、引き続き試験を進めます』
『今から30分後、ここに放水します、サメ等が外から浸入してきますので、どうか耐え抜いて次のステップへ進んでください』
『次のステップへの扉は、30分後開放する神殿の地下扉から行くことができます』
『では、ご武運を』
友「ちょ……」
少女「うそ……」
「マジかよ……逃げるぞ!」
「で、でもサメがいるんでしょ!?」
「んなこといったってどうすんだよ!」
友「……とりあえず上に逃げよう」
少女「う、上ですか?」
会場・階段下
男「お」
男「何かあるみたい」
女「どれ」
男「扉だね」
男「入る?」
女「ゾンビとか出ないよね」
男「さぁ、さっき2、3匹みたけど」
女「……」グイッ
男「冗談だって」
会場・地下神殿
女「城のような……」
男「時の神殿みたい」
男「あ、人がちらほら……」
女「だね、でも少なく感じるな」
男「参加者だろうね」
『~』
『~』
『30分後ここは崩れます、次のステップへの扉は頂上にあり、崩れ始めたら開放されます』
『ですがここには不可解なことがよく起こります』
『ミイラがいたり、骸骨が襲ったり、仕掛けがあったり……では、ご武運を』
会場・神殿上層部
友「ここらへんでいいかな」
少女「何で下に行かないんですか?」
友「多分一番最初に放水+海獣が来るのは扉付近だと思うんだよ」
友「だから数人は抜けられても他は食われると思う」
少女「でも……ここにいたら余計困難になるんじゃ……」
友「下から放水って仮定だから大丈夫」
友「水より地面の方が動きやすいでしょ?」
友「上から来たらその時はその時」
少女「そんな……」
友「……まぁこう考える人は少なからずいるよね」
少女「……みたいですね、ちらほら来ましたし」
友「さ、今の内に通路を確保するよ」
少女「はい!」
上層部・廊下
友「主催者は何を考えてるんだかわからんけどこういう所って隠し扉とかありそうだよね」
少女「ですね、探しましょうか」
友「あ、でも裏の裏を読んだ気になってレバー引いたらダメだよ」
ガッチャン
少女「……」
友「……」
少女「ごめんなさい」
会場・地下神殿
男「ヤバイよどうしよう!」
女「ヤバイよヤバイよ!」
男「まぁ落ち着こう」
女「そう、慌ててもなにも解決しない」
女「こういう時って皆についていった方がいいんかな」
男「んー……崩れますって言ってたから」
男「私としては横穴に隠れて事が収まったら上にいけばいいと思う」
女「崩れないかな……」
男「その時はその時だよ」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません