安価とコンマで異世界転生!その8 (999)

?前回までのあらすじ?
異世界に転生した男は仲間を募り、
世界を救うことを目標に行動する
仲間が突如救世主や魔王に目覚めたり、
本人もうさんくさい宗教活動に精を出していたりするが、それらは全て本物
現在は謎の道化師組織に恨みを持つ隻眼の少年が命を狙われているのでどうにか匿ってもらおうとしているところである
また、現在地はパーティ一行の拠点の隣国で砂漠の国である

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1673690461

スレ立て早々ですが今回は成長の判定からやっていきます

男とやる気がレベルアップ!
男は今回でレベルが30になるので一つ上のテーブルから抽選です

下1コンマ……男の成長
下2コンマ……やる気の成長

?男の成長テーブル?
01?40で全能力+9
41?60で習得『食いしばり』
61?80で習得『降神コスト1/2』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?やる気青年の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+3
41?60でMP+4
61?80で素早さ+4
81?90で全能力+5
それ以上またはゾロ目で何かが起こる


男は『降神コスト1/2』を習得しました
これにより神の奇跡を行使する際のMP消費が半分になります
また、肉体に神を降ろすときにかかる負担も半分です

やる気の【筋力】160

魔女「急なお願いですね……泊めますけど」

隻眼「い、いいのか!?」

魔女「えっ、なんかやましいことでもあるんですか!?」


あまりに彼が感情を噴出させているので、
魔女も少し不審に思ってしまった


隻眼「………………」

魔女「怖いんですけど!?」

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「大丈夫大丈夫、いいやつだし……君に危害を加えることはないからさ」

魔女「分かってます。魔女に二言はありませんよ」

隻眼「恩に着る……」


隻眼の少年は魔女に連れられて家へと入っていった


氷魔「……どうにかなりましたね……」

やる気「そっすね、下手にこれ以上凶行に走れば生活も危うくなるんで……もう解決ってことで顔役のおじさんにでも報告しに行くっすよ!」

もうそろそろ夜だが、前は酒場にいたのでそこに行けば会えるかもしれないと思い一行は砂漠の街の酒場までやってきた


ぶりっ子「あっ」

顔役「……む、君たちか」

怪盗「依頼、終わらせましたよー」

顔役「そうかそうか。して、かの少年はどうなったのかね?」

狙撃少女「もう悪いことはできないような状態にしてきました」

顔役「……そうか」


狙撃少女が嘘にならない範疇でなるべく物騒なワードを選んだので、
彼は少なくとも依頼の達成を疑わないだろう

男「子供を相手にするのはどうも、心によろしくないな」

顔役「すまない……」

男「まぁ何でも屋みたいなことばかりしてるし、自己責任だな」

顔役「そうか、だが心中お察しするよ」

中華「依頼は解決できたし、報酬をいただきたいかな?って」

顔役「おお、そうだったな……これでどうだ?」


>>下1……報酬の内容(現ナマなら円換算)

すると、彼は銀色の杖とおぼしき物体を持っていた黒く細長い箱から取り出した


氷魔「……ただの杖……ではなさそうです……マジックアイテムでしょうか……」

顔役「これは『銀杖の指揮棒』という宝具だ」


宝具という聞き慣れない言葉に、一行は一瞬固まる


やる気「えっと、宝具ってなんすか?」

本日はここまでです
ありがとうございました

素朴な疑問に、顔役は一瞬固まる
しかしすぐにまた話し出す


顔役「宝具というのは、マジックアイテムの中でも一般に格が高いとされるものだ」

ぶりっ子「すごいんですねぇ、宝具って」

顔役「宝具と呼ばれるのは、王家の秘宝であったり、儀式を行えたり……といったマジックアイテムであって、その性能自体は保証されていない」

怪盗「名ばかりの宝具もあるかもしれないってことですね」

狙撃少女「で、実際のところその『銀杖の指揮棒』とやらはどんなアイテムなんですか?」

顔役「これは、戦場で使う指揮棒だ。かつては先端に旗でも取り付けて使っていたらしい」

男「旗持ちが士気を高める為に使う感じ?」

顔役「まぁそれが一番利口な使い方なのだろうが……これは元々王族専用のアイテムなのだ。それで死んだ者もいるらしい」

中華「ふぅん」

本日はここまでです
ありがとうございました

以前成長をしたので再掲します

・男
【筋力】124【HP】65【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値21/39……レベル30)

・中華
【筋力】130【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値31/37……レベル28)

・氷魔【筋力】156【HP】??+34【MP】171【素早さ】145【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値29/45……レベル36)

・やる気
【筋力】157【HP】55【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『殺る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値7/35……レベル26)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】99【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値35
/38……レベル29)

・怪盗
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値11/33……レベル24)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+2
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値21/38……レベル29)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体
【ギルドの資金】99378975

顔役「戦闘の際に使えば、味方に活力を与えることができよう」

氷魔「……傷を癒したりできるのですか……?」

顔役「いや、そういった効能はないが、八面六臂の活躍をさせられるらしい」

やる気「そうなんすね。とりあえず貰っておくっすよ」


一行は『銀杖の指揮棒』を手に入れた
誰かがこれを持ち、指揮を行うことによって任意の味方一人を再行動させることがてきます
ただし一度の戦闘では一度しか使えず、これを使用することによって手番を喪失します

顔役「あと、これだ」


彼は懐から10万ほどを取り出し、
テーブルの上に置いた


ぶりっ子「どうも?」

顔役「しかし、ご苦労だったな……知らない土地で、随分疲れただろう」

怪盗「……そういえば、最近この国の政府に妙な動きはありませんでしたか?スラム系の場所によく行ってたので、そういう疑念はよく聞くんです」

顔役「>>下1」

顔役「…? いや、特に聞かないな。最近の政府は観光地や内政に力を入れてるみたいだが村町等には、此れを為れっとお達しも無い」

狙撃少女「そうなんですか?まぁそうならそうに越したことはありませんが」

顔役「ああ、そうとも。してお主らはいつまでここに滞在する?」

男「早ければ明日には」

顔役「そうか……世話になったな」

本日はここまでです
ありがとうございました

それから一行は宿を手配することにした


中華「解決の報告は明日にして、今日も宿を用意してもらったほうが良かったのでは……」

氷魔「……そうですね……でもお化けでるんでしたっけ……」


とそんなことを話しているうちに宿屋を見つけた
かなり大きめの宿なので空いているかもしれないが、
逆に大人気のためまるで空きがないこともあるかもしれない

宿に入れば、高級感のある調度品がロビーに多数置いてある
ただあまりにも分かりやすい高級感すぎて、
レプリカがほとんどなのではないかと疑念を抱く


やる気「ちーっす」

受付「いかがなさいました?外はよく冷えます……」

ぶりっ子「部屋、開いてませんかぁ?」

受付「えーそうですね、>>下1」


1.全員分ある
2.男女半々ならある
3.一部屋に押し込まれる
4.満室
5.自由安価

本日はここまでです
ありがとうございました

受付「一部屋しかありませんね……」

怪盗「そうですか……」

受付「ですが、広さは保証しますよ。それだけの大所帯なので、広々といった感じではないかもしれませんが……無理なく宿泊できるかと」

狙撃少女「それなら大丈夫ですね」

男「俺は構わないけど……いいか?」


彼が振り返って聞くと、
残りのメンバーは無言で首を縦に振った

それから一行は大部屋の鍵を貰い、
早速大部屋に移動した


中華「うん、悪くないね」


そこは広々としているだけでなく、
ロビーのように雰囲気のある調度品がそこかしこに置かれている
これは宿泊費がとんでもないことになるかもしれない、そう男は焦った


氷魔「……これなら……ゆっくりできそうです……」

やる気「そっすね……でも、まずは風呂入りたいっすね。ここ風呂あるらしいんで」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうして男性陣は男風呂へとやってきた


男「よっ……と」


三人は体をささっと洗い、湯へと浸かる
ここ数日、やらなければならないことが多く、
朝から晩まで動き続けだったため、
三人は多いに癒された


中華「……お?」

やる気「どうしたっすか?」

中華「今入ってきた人……>>下1じゃないかなって」

中華「山の管理人じゃないかなって」

男「……山?山って、どの?」


突拍子もない発言に、男は困惑し、
すぐさま聞き返した
もしや自分がなにか聞き間違えたのかもしれない、
そうとまで思った


中華「あの……いや名前は結局分からないんだけどさ、昔遭難者助けに行って、そのあと温泉入った山あったよね」

やる気「あー……あれっすね。え?管理人には結局会ってないっすよね」

中華「実は、その後個人的に会ってるんだよね」

男「へー……巡り合わせだな」

中華「いつも食材を卸してもらってる問屋さんの知り合いだったんだ」


そんなことを話していると、
彼は三人の入っている湯船に入ってきた


管理人「ふぅー……おお、久しぶり」

すみません寝落ちしました


中華「お久しぶりです。今日はどうしてここに?」

管理人「ああ、この温泉に興味があってな……」


彼は壮年で、いかにも温厚そうな見た目である
だが、体つきはしっかりしている


やる気「温泉マニアなんすか?」

管理人「ああそうだとも。私は山を持っているのだがね、温泉のために山を買ったのさ」

男「なるほど……」

中華「どうなんですか?ここは」

管理人「かなり良いな。……砂漠という風土が、温泉をよりよく感じさせてくれるというのもある」

やる気「そうなんすか?どうも、湿潤な気候帯での温泉しか入ったことがないんで……」

管理人「全身に砂がつくし、夜はよく冷える。むしろ砂漠の気候でこそ温泉は真価を発揮する……と個人的には思っている」

男「今までで一番良かった温泉って何です?」

管理人「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

管理人「う?ん難しいな。温泉地帯はわりと多いいし効能や温度も千差万別だったから…あ、雪国での温泉は違う角度での景色を観れたから風情を感じつつ余韻に浸ってたな」

中華「へぇー……角度ですか」

管理人「ああ、温泉ってのは大抵、周りを見るか、山の上にあって眺望を楽しむかと言ったところだ」

やる気「そっすね。山で朝風呂なんかすると最高っすよ」

管理人「しかし……あそこは違う。見るべき景色は横であり下であり……さらに、上もだった」

男「空になにかあったんです?」

管理人「オーロラさ。そこには、雄大なカーテンが降りていた」


彼は両手を大きく広げ、
湯がひときわ大きな音で跳ねる

中華「なるほど、オーロラですか」

管理人「全てが見るべき場所だった。そんな体験は初めてだったよ」

やる気「いいっすね。俺っちもオーロラ見てみたいっすよ」

管理人「君たちは冒険者なんだろう?それならいつか見られるさ」


それから三人は温泉について語ったり、
あるいは冒険の内容について山の管理人に語った
そして、のぼせないうちに温泉から出た

本日はここまでです
ありがとうございました

一方そのころ、女湯では


氷魔「……いい湯ですね……」

ぶりっ子「正気ですか?」


氷魔は水風呂に浸かって一息ついている
サウナに入ったというわけでもなく、
いきなり水風呂に入っている


氷魔「……私はいつもこうですよ……氷の魔法を使うのでキャラ付けとして始めましたが……いつしかこちらでしか安心できなくなりました……」

ぶりっ子「なるほど……既に正気ではなかったということですねぇ」

氷魔「……ひどくないですか……私なんかより怪盗さんのほうが変わってますよ……」

怪盗「え?私?」


彼女は浴槽の縁に腰かけて座っている
その高さは低いのである種の体育座りのような格好だ


狙撃少女「そういえば、全然湯に浸かってませんね」

怪盗「15秒も入れば十分じゃないですか?」

ぶりっ子「カラスですか?」

本日はここまでです
ありがとうございました

狙撃少女「湯船は100数えてから出るものですよ。私はそう教えられました」

怪盗「そんなにいたらのぼせちゃいます」

ぶりっ子「まぁ生真面目ですよねぇ」


自分以外の人間を変人と呼んで差し支えない状況に置かれたぶりっ子はとても居づらかった
湯船に口だけ埋めてじっとしている


氷魔「……そういえば……ここの湯の効能ってなんなんでしょうか……?」

ぶりっ子「>>下1」

ぶりっ子「たくましい体を作る滋養強壮の効果です」

怪盗「なぁんだ、美容とかじゃないんですね」

狙撃少女「私は欲しいですよ、たくましい体」

氷魔「……小柄な部類ですからね……」

ぶりっ子「ちっちゃい方がかわいいと思いますけどねぇ」

そんなことを話しながら四人は浴場を出た
服を着て部屋に戻ってくると、
男性陣は既に部屋にいた


男「おかえり?」

狙撃少女「ただいま戻りました」

中華「暇だ……」


中華は大の字になってソファに倒れ込み、
照明を見上げて脱力している

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗「どうしたんですかぁ?」

中華「ないんだよ。調理器具が……」


大人数を収容できる部屋であるがゆえに、
それらの機能はオミットされた部屋だった


氷魔「……魂が抜けたかのようですね……」

やる気「持ち運び型調理器具とかあればいいんすけどねぇ」

それからは全員にここ最近の疲れが出てきたため、
少し早い時間だが寝ることにした


ぶりっ子「おやすみなさぁい」


7人いるがベッドは9つあり、問題なく眠ることができた


怪盗「はーい」


>>下1……寝ている間になにかあったか(あったなら内容も)

全員が寝静まった夜
誰もが安心して夢の中にいるはずだが
そこは安心できる場所ではなかった


狙撃少女「!?」


突如として床が開き、全員は落ちていく
ベッドも家具も何もかも、
その下にあった地下の温泉へとダイビングだ


男「んぅっ!?な、なんだなんだ!?」

中華「おぼぼぼぼ……」

氷魔「……大変です……中華さんが溺れてます……!」

やる気「ま、任せるっすよ!」


一行は混乱しながらも溺れないようにしたり、
溺れかけた仲間を助けたりしながら態勢を整えた


ぶりっ子「じ……死ぬかと思いましたぁ……」

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗「ふーむ……」


メンバーは大体状況を把握できてきた
落ち着き次第周りを見渡して、
この状況の原因を探る


狙撃少女「おや……」


落ちてきた温泉の外周に、誰かが腰かけていた


>>下1……そこにいた人物とは

そこに座っていたのは女性だった
天女のごとき衣を身に纏い、それが湯気でぴっちりと体に張り付いている


温泉女神「ごきげんよう」

男「あ、ど、どうも」

中華「いやどうもじゃないでしょ!?すごく怪しいじゃんこの人!」

温泉女神「私は人ではありません。温泉の女神でございます」

氷魔「……そんなのいるんですね……」

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「なんだって宿の地下にそんな神が……」

温泉女神「ここの宿の温泉の源泉はここなので、ここにいるのです」

ぶりっ子「はぁ、なるほど」

怪盗「いや、そんなことより!あなたですか!?私たちをここへ落としたのは!?」


怪盗が身を乗り出し、指を指して言う


温泉女神「>>下1」

温泉女神「ずっと閉じ込められて退屈だったので、何か面白いことをしようと思って」

狙撃少女「服びっちょびちょなんですけど……」

温泉女神「楽しかったですか?」

男「いや別に」

温泉女神「そうですか……」


彼女は露骨に残念そうな顔をしている
どうやら悪意はなさそうだが、神特有の感覚のズレのようなものがありそうだ

中華「これからどうしよう……」

温泉女神「まず、源泉に浸かっていかれては?」

氷魔「……いや……寝たいのですが……」

温泉女神「ああいえ、こちらは睡眠の質を高める効果があるのです」

やる気「……そもそもベッドがないんすけど」

温泉女神「ご心配なく。別にベッドはございますよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「え、あるんですか?」

温泉女神「私は神なので、睡眠は必要ないのですが……私をこの空間に閉じ込めた人達はベッドを用意していきました」

怪盗「ここにずっと一人だったんですか!?」

温泉女神「そうです。更衣室やバスローブもありますから、安心して眠れますよ」


彼女は浴場の出入り口を指す
負い目を感じているのか、神にしては腰が低い

狙撃少女「ということは……」

男「どうした?」


男が聞くと、彼女は男に耳打ちした


狙撃少女「ここは、温泉女神さんのために用意された……専用の宿泊部屋なのかもしれません」

男「なるほどね。そういう思惑が宿側にあったのかもしれないな」

本日はここまでです
ありがとうございました

温泉女神「さ、入りましょう!」

中華「……あの、ここ以外に浴場は?」

温泉女神「ありませんが……?」

氷魔「……え……混浴なんですか……」

やる気「いや、どっちかが外で待ってればいいんじゃないすか?」

温泉女神「えー!嫌ですよ、私みんなと温泉に入りたいです!」

ぶりっ子「じゃ、じゃあ……なんかこう、大切な部分をうまいこと隠せたりしません?」

温泉女神「そうですね……>>下1」


1.湯気を纏わせることができます
2.湯を濁らせて隠せます
3.無理です
4.自由安価

温泉女神「湯気を纏わせることができます」

怪盗「どういうことですか?」


聞かれるが早いか、彼女は指パッチンをする
すると、その場にいる全員の局部などが謎の煙で覆われた


狙撃少女「おお……!?すごいですね!」

温泉女神「温泉の女神は大体これができますよ。たまにできない方もいますが」

それから一行は脱衣所で服を脱いだ
濡れてしまっているので、念入りに絞って籠に入れる


男「よし……頭洗うか」


入るなり男はシャワーの元へと向かうが、
それを中華が制した


中華「風呂入ってからそのまま寝てるし、別に体洗わなくても綺麗じゃない?」

男「……それもそうかもな」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……ふぅ……」

やる気「……ん?……まぁいいっす」


またも氷魔は水風呂に入ったが、男性陣は特に気にしなかった


温泉女神「しゃーっ!」


全員が風呂に浸かった頃合いを見て、
温泉女神は勢いよく浴槽に滑り込んできた


ぶりっ子「うわっ!なんですかぁ!?」

温泉女神「みんなと入りたかったので」


彼女は小首をかしげてはにかむ
瞬間的にぶりっ子よりもぶりっ子らしかった


怪盗「……………………」


怪盗は風呂から早速上がろうとするが、
温泉女神がすごい顔で見てくるので動けずにいた


温泉女神「そういえば、気になっていることがあるのだけれど」

狙撃少女「はい?」

温泉女神「>>下1」

温泉女神「露天風呂の脇に落ちている
あの笛は……誰のたしなみ?」

男「え?……ほんとだ、なんだアレ」


一行がいるのは室内風呂だったが、
露天風呂へと出ることもできた
そして、その浴槽の脇に笛のようなものが落ちていたのだ


中華「僕たちのものじゃないよね?」

氷魔「……そうですね……ちょっと見てきます……」

やる気「いやいやいや!水風呂から出て砂漠の夜風に当たったら流石に死ぬっすよ!?」

氷魔「……死ぬことはないと思いますが……」


と言って彼女は露天風呂まで笛を取りに行き、
拾い上げ、そのデザインを確認すると戻ってきた


ぶりっ子「どうでしたぁ?」

氷魔「……やはり知らない笛ですね……もしや私たちの部屋にあったものが……落下とともに発見されたのかもしれません……」


その笛は銀製で、女性の手首から指先ほどまでの長さしかない短いものだった
左右に龍の翼のような突起が付いており、
奇妙な笛であると言える


怪盗「なんでしょうか、これ……?」

温泉女神「ちょっと貸してくださいます?」

氷魔「……え……あ……はい……」

本日はここまでです
ありがとうございました

温泉女神「中にお湯が入ってはいけませんからね」

氷魔「……はい……?」

温泉女神「えいっ」

氷魔「うわあぁぁぁっ!?」


彼女は氷魔を湯船へと引きずり込んだ


狙撃少女「ちょっと!?」

温泉女神「一緒に入りたかったので」

氷魔「……の……のぼせてしまいます……」

男「ちょっとなら大丈夫だろ」

氷魔「……最悪湯船凍らせますからね……!」

温泉女神「ごめんごめん、それじゃ失礼して……」


温泉女神は貰った笛を持ち、
口に咥えて勢いよく吹き鳴らした


>>下1……どうなった?

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗「はっ!」


その笛の音を聴いた瞬間、
怪盗がなぜか強く反応し目を見開いた


中華「どうした?」

怪盗「すっきりしました」

氷魔「……私も少しだけ変わったような……ほぼ誤差ですね……」

怪盗「いやぁはっきり言ってのぼせてたんですが、なんか元に戻りました」

温泉女神「ほぉ……?これ、素晴らしい笛じゃない!?」

やる気「のぼせたら治るってことっすか?」

温泉女神「分からないけれど……ともかくそういう風に使えるのは間違いなさそう」

ぶりっ子「これでいつまでも温泉に浸かっていられるという訳ですねぇ」


結局一体その笛がなんだったのかは分からないが、
ともかくそれが入浴において便利であることは間違いなさそうだ

怪盗「じゃあこれ定期的に吹きます」


怪盗は口に笛を咥え、
後頭部を浴槽の縁に添えて天井を仰ぐ
自分たちはあそこから落ちてきたのだな、
としみじみ思われた


狙撃少女「ずっとお風呂の気持ちよさを感じていられるのは最高ですね」

男「そうだな。本来のぼせるから、飽きるまで入るなんてできないし……」

温泉女神「うんうん、私もそう思います!」

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「しかし、こんなところにずっといるのも辛そうだね」

温泉女神「そうですね……なのでこうしてあなたたちを呼び寄せた訳です。……そうです!なにか面白い話をしていただけませんか?」

氷魔「……まぁ……私たちは冒険者ですから……冒険の話ならできますよ……」

やる気「あと何でも屋の話もできるっす」


それから、一時間ほど温泉女神のリクエストに応えてこれまであったことについて話した
その中でも、一番彼女が食いついた話が>>下1だ

彼女はやる気が裏切った話にとても食いついた


温泉女神「えっ裏切ったんですか!?」

やる気「んまぁそっすね。ちょっと実家と折り合いつかなくて」

温泉女神「えっ、え!?なんでみなさんも普通に接してるんですか!?なんかこう、もっとギクシャクしません?」

怪盗「まぁ……普通そういう物なのかもしれませんね」

狙撃少女「私も初めて聞いたときは驚きました」

ぶりっ子「戻ってくるならいがみ合う必要もありませんしぃ」

男「俺たち仲間だし」

中華「最終的に魔王と救世主できっちり決着つけたのもあるね」

氷魔「……そうですね……なるべく後を引かないよう……すっきりと終わらせました……」

温泉女神「いいものですね、若い友情というのは……」


彼女は腕を組んで頷いている


やる気「そんなにっすか?」

本日はここまでです
ありがとうございました

温泉女神「私もかつては野良の温泉の女神をやっていましたが……年寄りの誇張された思い出ばかりで辟易していましたから」

ぶりっ子「歳はとりたくないものですねぇ……」


そんなこんなで一行は一時間ほど入浴し、
その後、別室で眠ることにした


怪盗「人生でこんなに風呂に入ったのは初めてです」

狙撃少女「そうですね……一時間も入ればのぼせてしまいます」

全員脱衣所で着替え、ベッドルームへとやってきた
その部屋は50畳ほどの巨大な部屋であり、
さらにその面積のほとんどに巨大な一つのベッドが敷かれていた


温泉女神「……彼らは、私を巨人かなにかだと思っていたのでしょうか」

男「だが、好都合だな」

中華「ちなみに女神様はずっとここに閉じ込められてる訳だけど、この宿の人達に怨みとかあるの?」

温泉女神「>>下1」

温泉女神「怨みはもう無いですね」

氷魔「……え……そうなんですか……?」

温泉女神「閉じ込めた本人は既に亡くなってますし」


彼女は出会った当初からのにこやかな表情を一切崩さずにそう言い放った


やる気「結構前からいるんすね?」

怪盗「確かに、ここの宿は老舗って感じがしますね。創立に携わった人はもう死んでいてもおかしくありません」

本日はここまでです
ありがとうございました

それから一行は眠ることにした
巨大なベッドに一列で並び、寝相の悪い者がいないことを一心に祈って眠った
長々と風呂でリラックスしたためか、
みな素早く夢の中へと行ってしまった


温泉女神「……おやすみなさい」


彼女はそう言い残して、浴場へと消えてゆくのだった


>>下1……翌朝の目覚め

1.普通に地下で目覚める
2.落下前の部屋で目覚める
3.自由安価

狙撃少女「……はっ」


彼女は一番早く目覚めた
周りを見渡し、そこが自分の眠った部屋であると認識し、昨晩の出来事が夢や幻ではなかったのだと理解する


温泉女神「あら、早起きですね」


そう言って温泉女神が湯上がり姿で入ってきた
とはいえ、おそらく彼女には湯浴み姿と湯上がり姿以外は存在しないだろう

それから全員が起きてきて、
衣服を纏ったまま浴場に集結した


男「……チェックアウトしたいが、そもそも出られないな」


かつて自分たちがいた部屋の天井を遥かに見上げながらそう溢す
これからどうしたものかと、
やらなければならないことは薄々分かってはいるが集まって相談していた


やる気「俺っちなら上までよじ登れるんで、ちょっとエントランスまで行ってくるっすよ」

中華「おお、頼もしいねぇ」

すみません寝落ちしました


それからやる気は驚くような身のこなしで、
あっという間に上階のドアから廊下へと出ていった


氷魔「……早いものですね……」

ぶりっ子「私だったら絶対壁とか登れないですよぉ」

やる気「すみませーん」


彼はエントランスまですぐに移動し、
受付の人間に話しかけていた


受付「チェックアウトですか?」

やる気「や、そうなんすけど、それよりも大変なことが起こったんすよ」

受付「いかがなさいました?」

やる気「部屋の床が丸ごと抜けたんすよね。みんな地下まで落ちていっちゃったんすよ」

受付「ええっ!?」

やる気「とにかく今はみんなを脱出させたいっす。ロープとかあるっすか?」

受付「探してきます!」


そして十分後、スタッフ複数人とやる気がロープを持って部屋の入り口まで戻ってきた


怪盗「そろそろ帰れそうですかね」

狙撃少女「あの、温泉女神様」

温泉女神「はい?」

狙撃少女「地上に出たくはないんですか?」

温泉女神「>>下1」

温泉女神「夏ならここで過ごしたいです。地下は涼しいですからね」

男「でも砂漠だしいつでも暑くない?」

温泉女神「はい?」

男「え?」


二人は顔を見合わせて硬直している
お互いに何がなんだか分かっていないようだ


温泉女神「……砂漠?どういうことですか?」

中華「ここは砂漠の国だよ?」

温泉女神「……え、え、一体なんでそんなことに?」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……もしかして……いや……あなたはここにどのくらいいるんですか……?」

温泉女神「まぁ千年は……」

ぶりっ子「千年!?」

温泉女神「いやいやいや!千年経ったとはいえ、砂漠じゃない場所が砂漠になるなんてありえなくない!?」

怪盗「確かにそうかもしれませんね」

狙撃少女「砂漠じゃない場所が砂漠になっちゃうようななにかが過去千年以内にあった……ということですか?」

男「そういう訳で外はずっと夏みたいなものだし……暫くはここにいたほうがいいかもな」

温泉女神「そうするわ……はぁー……」


彼女は疲れた顔をして湯船に飛び込んだ
流石に神なので溺れ死んだりはしないだろう


やる気「ロープに掴まるっすよー!」

中華「サンキュー!よし、行こう!」


やってきたやる気が垂らしたロープを掴み、
一行は一人ずつ部屋を出ていった

あの後、一行は従業員一同からすごく謝られたが、
あくまで温泉女神のやったことであるのと、
怪我などはないことから適当に流した
それはそれとして宿代はタダにしてくれるようなのでタダにしてもらいはしたようだ


氷魔「……休んだ気はしませんが……体は間違いなく元気になったんですよね……」


温泉に長時間浸かっていたので、
全員肉体は絶好調だった


ぶりっ子「じゃあそろそろキャラバン買いにいきますかぁ」

本日はここまでです
ありがとうございました

砂漠の国には大きな市場がある
外では常に遭難のリスクがあるこの地域では、
なるべく一つの巨大市場でモノが揃うようになっているのだ
そして砂漠の移動にはやはりキャラバンがあったほうがよいので、馬車やラクダなども売られている


怪盗「色々ありますねー!」

男「ちょろまかすなよ」

怪盗「言われなくてもしませんから!小耳に挟んだ情報によればこの国の刑罰はやたらに重いそうなので!」

狙撃少女「すみませーん」

商人「あいよ!キャラバン装備かい?」


気さくそうな壮年の男性に声をかける
彼は一行が求めるようなものを売っている人物である


中華「そうだね。ええっと、なるべく沢山の人数が運べる馬車とラクダが欲しいんだけど、在庫あります?」

商人「>>下1」

商人「馬車はあるけど、大人のラクダは全部売れて、小さい子供のラクダ達しかいないけど良いかい?」

氷魔「……なるほど……どうしましょう……?」

やる気「うーん、選択肢がないっすからね……」

ぶりっ子「買うしかないんじゃないですかぁ?」

商人「馬力が減るから、必要なラクダの数も馬車の数も増えるけど大丈夫かい?」

怪盗「うぅーん……」

商人「ポピュラーじゃないんだけど、ラクダ以外にも砂漠を移動する手段はあるよ」

狙撃少女「そうなんですか?」

商人「ラクダよりうまくいくとは限らないけどね」

男「教えてほしい。一体何を使って砂漠を往来できるんだ?」

商人「>>下1」

商人「魔法の力で素早く走る、カバの車だ」

中華「へぇ……カバカーってことだね」

商人「そ、そうだな……ラクダよりも早いし、馬力もあるよ」

氷魔「……最高じゃないですか……」

商人「しかしカバはただじゃ走らない。魔法の力が必要なんだよ」

やる気「どういうカラクリなんすか?」


そう聞くと、彼は紫色の液体が入ったガラス瓶を木箱から出した


商人「細かい説明は省くとして……この液体が魔力の塊で、なおかつカバを走らせる力を持っている」

ぶりっ子「つまり、それも買わなきゃいけないってことですかぁ?」

商人「その通りだ。これは結構値が張るし、その上カバの飼育代もかかる。これはラクダだろうが馬だろうがついて回る問題だけど」

怪盗「むむ……しかし、カバはどこで買えば?」

商人「当然俺が売っている」

狙撃少女「なるほど……」

本日はここまでです
ありがとうございました

商人「要するに俺はカバの話をしたかったんだ。なんせ馬なら別の奴の店で買えばいい」

男「そうだな」

商人「で、買っていくかい?カバ」


どこかで馬を買うか、あるいはカバを買うか
男は決断を迫られた


男「そうだな……>>下1」

男「カバを買う」

中華「いいの?」

男「まぁ……金で解決できるなら、より性能の良い方を選ぶかなって感じ」

商人「はいよー」


それから三十分ほどかけて、
彼は巨大な建物から大量かつ漆黒のカバを馬車につけて引き出してきた


氷魔「……なかなか壮観ですね……」

その後、商人からカバを走らせる為の薬品も貰った


商人「追加が欲しくなったら手紙ででも注文してくれ。金も送りつけてくれれば発送するし、急ぎの用なら直接出向く」

やる気「スケジュールとか大丈夫なんすか?」

商人「その薬、なかなか利率がいいからな。大抵のことよりは優先するぜ」

ぶりっ子「へぇ、そうなんですねぇ」

商人「それじゃ支払いだ。合計1500万だな」

怪盗「……え!?」


あまりの値段に、分かりやすく驚愕するものもいた


商人「先に言ったほうがよかった感じか?これ」

狙撃少女「どどど……どうします?」

男「払うだろ。金足りるし、色々便利そうだ」

商人「おお、よかった。まいどまいど」


【ギルドの資金】84378975

それから一行はそのキャラバンを率いてスラムへと向かった


中華「ごめん!数日遅れたよ!」


しかし、民衆の多くはキャラバンに乗ってくれた
余裕を持って多くのキャラバンを用意したが乗車率は限界だ


氷魔「……あとは国を出るだけですね……」

やる気「この国、関所とかなかったっすよね?」

住人A「ああ。観光客向けに煩雑な入出国の手続きはないように関所をやめたらしい」

ぶりっ子「えっ……絶対リスクの方が大きいでしょそれ」

怪盗「観光客向けの施策も、関所の廃止が目的だったのかもしれないね」

狙撃少女「え?」

怪盗「隻眼の彼が言っていたように、この国をピエロが操っているなら……関所で弾かれるどころか、見つかっただけで大騒ぎになるような物体を輸入するつもりなんじゃない?」

本日はここまでです
ありがとうございました

狙撃少女「え……大変じゃないですか!すぐ知らせたほうが……」

男「絶対幹部クラスのピエロとかあの強そうな冒険者に殺されるからダメだ」

狙撃少女「でも……」

男「悪いな。だが俺たちはまだ木っ端の冒険者ギルドにすぎないんだ。無策で国家とやり合えるほど強くない」

中華「手遅れにならないよう祈って、いつか解決しよう。それに今は、みんなを教団の敷地まで送り届けるほうが先さ」


彼女はしばらく考える素振りを見せて、
少し唸ったのちに首を縦に振った


狙撃少女「わかりました」

それから一行はついに出発した
多くの恵まれぬ人を載せて、
魔力を帯びたカバの荷車が砂漠を横断する


氷魔「……これだけの大人数での移動ら……今までしたことがないので……何が起こるか分かりませんね……」


不測の事態に備えて、メンバーを最前と最後尾のカバ車に分けており、氷魔は最後尾に乗っている


>>下1……ハプニングは起きたか(起きたなら内容も)

やる気「……遅くないっすか?」


誰もがもしやと思った違和感を、
ついにやる気が口に出した
それもそのはず、このカバ車は圧倒的な過積載である
まるで発展途上国の主要鉄道のごとく、
乗車率は100%をゆうに越していた


怪盗「これ、折り返し何回かで人を運んだほうがよかったのでは」

男「どうやらそのようだ。困ったぞ……」

本日はここまでです
ありがとうございました

そして、ろくに進まないままついに日が暮れてしまった
最後尾のカバ車でもついに違和感に気づいたようだ


中華「あれ?これもしかてめちゃくちゃ遅い?」

ぶりっ子「そうみたいですねぇ……というか夜はヤバいです」

狙撃少女「どうにか打開しないと……二つも問題が……うぅ……」

最前でもみな悩んでいたが、
どうすればよいのか分からなかった
そうしていると、最前の馬車に中華がやってきた


中華「ちょっといいかな?」

やる気「なんすか?」

中華「作戦があるんだ。寒いのはどうしようもないけれど……とにかく早く着くことができるかもしれない」

男「いいな、是非協力するぞ」

それから中華は作戦を三人に説明した


怪盗「……ほんとにそれでいけるんです?」

中華「やるだけやってみよう!」

怪盗「ま、野垂れ死ぬよか圧倒的にマシだね」


それから男は全てのカバ車を歩いて回った


男「夜は魔物が出ますから、席の窓は閉めて外から見えないよう完全に密封して下さーい!熱も逃げづらくなります!」

本日はここまでです
ありがとうございました

彼はそう言って回り、カバ車の中を密閉した


やる気「鬼が出るか蛇が出るか……」

中華「大丈夫大丈夫。うまく行かなかったら倒せばいいんだから」

やる気「簡単に言う……」


二人の作戦は無謀ともいえるそれだ
夜の砂漠を徘徊する魔物たちに魔王の力で言うことを聞かせ、無理やりカバ車を押すか引くかしてもらうというものだ


中華「さぁ出てこい!我が配下よっ!」


彼がそう叫ぶと、>>下1が現れた

砂漠の向こうから、大量の何かが走ってくる
地を覆うかのごとき数である


やる気「……アレは?」

中華「なんだろ、動物みたいだ」


十数秒も待てば、それは整然と二人の前に並んだ
その獣は四足歩行で大きくしなやかな体を持ち、
ネコ科の生物を思わせるが、
その額には必ず宝石が埋まっていた

やる気「どうやらカーバンクルのようだ……だが、これほど多くいるのは見たことがないな」

中華「ラッキーってことで」

やる気「そうだな。では皆の者よ!カバと協力して荷車を引け!」

カーバンクル「キューッ!」


彼らは速やかに動き、カバ車を引き出した
カバは一頭で二馬力ほどだが、カーバンクルはカバ車一台につき>>下1馬力ほどを出した

本日はここまでです
ありがとうございました

カーバンクルがカバ車を引き始めると、
それはものすごい勢いで加速した


中華「はっ、速っ!」

やる気「急げ!取り残されたら終わりだ!」


二人はおよそ中央のカバ車の屋根に飛び乗る
そして、カーバンクルの馬力に驚いた

中華「なかなか力があるね……」

やる気「それだけじゃないぞ。どうやら、カバに魔力を与えているらしい」


見れば、カバもカーバンクルの力に追い付いているようだ


中華「魔力を?」

やる気「カバを走らせるのは魔力の薬だ。そしてカーバンクルはダイレクトに魔力を与えることができるようだな」

中華「なるほど、カバの馬力も上げているんだね」

やる気「カーバンクルはあまり高級ではない魔獣だが、その魔力保有量はそこいらの上級魔獣を凌駕する」

中華「へぇ、詳しいね」

やる気「俺が故郷にいた頃、魔力の絶対量があまりない魔法の研究家が、カーバンクルを飼って魔力を供給しているのを見たことがある」

中華「あの宝石に秘密があるのかな」

やる気「おそらくはそうだな。……このペースなら、夜半の前には砂漠を抜けられるだろう」

それから二人は、それぞれ元のカバ車へ戻った
あっという間に砂漠を抜け、
城下町近郊へと続く深く長い森の街道をひた走っている


男「……寝るか」

怪盗「そうですね?。朝には着いてるんじゃないですか?」

中華「みんな、凍えないといいけど……」

男「砂漠のスラムで生活できるような人だ、夜の森程度で凍えはしないだろう」

本日はここまでです
ありがとうございました

それから一行は眠った
あまりに速く、道もコンクリートのようには舗装されていないため、正直寝心地は悪かった
しかし、無事翌朝には教団の施設に着くことができた


貴族「な、なんなんですかこれは!?」


異常を察した貴族が施設から飛び出してきた


氷魔「……実は……」

彼女はことの次第を貴族に説明した
貴族は難しい顔をしている


貴族「ど……どうにかして全員が居住できるようにしないと……!」

ぶりっ子「やっぱりスペース足りませんかね?」

貴族「工夫次第で詰め込めますが……環境ははっきり言ってよくないです。衣食住のうち後者二つに問題を抱えています」

狙撃少女「うーん、どうしましょうか」

貴族「資金にはまだ余裕がありますが、居住スペースはこれから作るしかありませんね。大工や土木工事の経験者もいますし、彼らに頼んでお安く小屋を建ててもらうほかなさそうです」

すみません寝落ちしました


男「ごめん。こんな急に人呼んできちゃって……」

貴族「……いずれ、人は増えるつもりでしたから。どうにかしてみせますよ」

男「本当に申し訳ない。いつも苦労ばかりかけて……」

貴族「随分参ってますね……それじゃあ一つお願いがあります。お願いでも聞けば、心も楽になるでしょう?」

男「ああ。なんだ?」

貴族「>>下1」

貴族「食の問題を解決するために農地に使えそうな土地の確保か、若しくは多くの食糧を売ってくれそうな商人を紹介して欲しい」

男「……わかった。ところで中華か、あの問屋さんだが」

中華「ああ、あそこ?あそこは基本的に一部の飲食店に卸す用の食材しか取り扱ってないんだよね」

氷魔「……数が……足りないのですか……?」

中華「そこのところは分からないけど、結構高いよ。質の割には安いけど」

アテが外れてしまい、男は少し困った


男「となれば、農地は?」

やる気「うーん、農地っすか」

怪盗「流石に土地は盗めませんね」

ぶりっ子「なに言ってるんですかぁ!?」

狙撃少女「権利書さえどうにかすれば……」

ぶりっ子「ちょっとぉ!?」

本日はここまでです
ありがとうございました

近いうちに解決することを約束し、
一行は一旦退くことにした


男「うーん……どうしたものか」

中華「まず、的を絞ったほうがいいね。深掘りしていくのなら」

氷魔「……そうですね……どちらがよいでしょうか……」

男「そうだな。なら>>下1からだ」


1.農地
2.商人

男「商人からだ」

やる気「人づてに探せそうっすし、悪くはなさそうっすね」

ぶりっ子「どこで探せばいいんでしょうかねぇ」

怪盗「うーん、とりあえず市場とか行ってみまする」

狙撃少女「そうですね」

本日はここまでです
ありがとうございました

一行は城下町にある市場へとやってきた
中華やぶりっ子は頻繁に訪れているらしい
冒険者にとって特に有用なのは裏市場であり、
アングラ気質の残りのメンバーはあまり馴染みのない場所である


男「賑やかだな。酒場とはまた違う活気がある」

氷魔「……そういえば中華さん……なにか食糧を大量に扱っていそうな業者や商人に心当たりなどは……」

中華「そうだね……>>下1」

中華「大手養鶏場と提携している地鶏屋がある」

やる気「おお!いいじゃないっすか!」

中華「卸もやってたはずだね。鶏肉だから、栄養も悪くない」

ぶりっ子「早速行きましょう!」


市場をひたすら進んでいく
中華が指示した場所で脇道に逸れると、
そこは商店街のようになっていた


中華「この辺りにあったような……」

見れば、そこには大きく鶏のマークが描かれた看板を掲げた店があった
間違いなく、これが地鶏屋だろう


怪盗「あーなんかいい匂いがしてきますねー」

狙撃少女「鶏肉いいですよね……私も好きです」


誘われるように数名が店に入って行ったので、
残りのメンバーも早足で追いかける

本日はここまでです
ありがとうございました

中には店主らしき人物がいたが、
客も大勢いてなかなか待ちそうだ


男「盛況だな」

中華「ここの鶏肉は本当に美味しいからね」

氷魔「……そんなに褒めるとは……どんな味なのか気になりますね……」

やる気「とにかく待つしかないっすね。順番が来たら自分たちの肉も買うっすよ」

ぶりっ子「賛成ですっ!」

それから十分以上待って、ようやく順番が来た


店主「やや、どうもどうも!団体さんですね!しかし在庫には自信がありますよ!」

怪盗「えっと、ご相談があるのですが……」

店主「はい?」


怪盗は自分たちの教団に食糧として大量の鶏肉を卸して欲しいと提案した


怪盗「……というわけです。どうでしょう?」

店主「>>下1」

店主「勿論良いですよ」

狙撃少女「やった!」

店主「最近何故か注文が減って困ってたんですよ 」

男「そうなんですか?」

店主「えぇ……全く不思議です。競合には負けない自信があるのですが」

中華「あはは、そうだね。それじゃあ僕たちも個人的に鶏肉を買うよ。唐揚げはあるかな?」

店主「ございますとも!」

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


【ギルドの資金】84376475


唐揚げを買い、一行は街中へと戻ってきた
爪楊枝のような物体を店主が付けてくれたので、
つまみながら街中を歩くことができる


氷魔「……あとは……土地ですね……」

やる気「あ、両方やるんすね」

ぶりっ子「あるに越したことはありませんからねぇ」

そうして一行は不動産屋に行くことにした


革服「いらっしゃいませ」


果たして店主なのかは分からないが、
革の服を着た男性がカウンターに座っている


怪盗「どうも」

革服「本日はどのような物件を?」

狙撃少女「土地です」

革服「土地ですか。なにかご条件などは?」

男「曰く付きでさっぱり売れないような土地はないか?」

革服「>>下1」

革服「過去に大量殺人事件があった土地ならあるが……」

中華「おお!それなら安く売ってくれたりしませんか!?」

革服「まぁ……構いませんが……うーん……」

氷魔「……私たちは……大丈夫です……心配をしているのなら……無用です……」

革服「そうですか……」

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「あっ、でも下見には行きたいっすね」

革服「分かりました。ではご案内します」


彼は店の奥になにか合図をしてカウンターを立った
一行を先導し、外へと出ていく
そして、代わりの人がカウンターに座った


ぶりっ子「どんな場所なんでしょう……」

革服「ここですね」


大体二十分ほど歩いて辿り着いたようだ
その土地は>>下1

歌手「♪?♪♪??!」

革服「……こういうとこですね」


そこは裏町だった
そして、道を歩けば必ず流しの歌手がいる
さらにその質も玉石混淆であった


狙撃少女「こんなところで……その……陰惨な事件が……?」

革服「ええ、そうです」

男「それなのに、アーティストはいっぱいいるようだが……」

革服「ええ、犯人も歌手ですからね」

男「え?」

革服「かつてこの土地の持ち主が、歌手たちが出ていくようにと取り組んだことがあるのです」

中華「まさか」

革服「暴動が起きました。彼らやそのファン……さらにはギャングなんかも加わっていたそうですね」

氷魔「……持ち主の方は……?」

革服「生きていらっしゃいます。少なくとも、この土地を私どもに売られた時点では」

やる気「そっすか……アーティストを排除しなければ安全っぽいっすけどね」

革服「治安も悪いですね……音楽堂……彼らはライブハウスだのハコだのと呼びますが、そこで平然と麻薬の取引があります」

ぶりっ子「ギャングが暴動に参加したということは……」

革服「彼らのシマですからね。そりゃ守ろうとするでしょう」


その話を聞いた一行には、無邪気に唄う流しの歌手たちが突然得体の知れない化物のようになってしまったと感じられた

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗「ぶっちゃけ、霊的現象あたりの力で破壊できそうな問題を想定していましたが……」

狙撃少女「これは厳しそうですね……ギャングをどうにかしなければならないのが特に」

男「相手は数が多いからな。無策で挑めば返り討ちだろう」

中華「ある意味、砂漠のスラムよりひどいね……」


手詰まり感を誰もが感じていた
どこからか聞こえる歌声も嬌声も、
もはやただ耳障りなだけだった


氷魔「……他に……訳ありの安く売ってくれる土地はないのですか……?」

革服「>>下1」

革服「あるにはあるがどこもギャングが場所代を持っていくからどこも変わらんよ」

ぶりっ子「そんな……」

革服「こちらとしても、正直辟易している。だが……どうしようもないんだ」

やる気「しっかし、なんでそんなこと教えてくれるんすか?」

革服「……うちの店について、なにも調べずに来たんですか?」

怪盗「正直、不動産屋ならどこでもいいと思ってました!」

革服「うち、評判悪いんですよね。うちの土地買った奴は消えるとかなんとか」

狙撃少女「それはまた……どうしてですか?」

革服「お客様のように、安い土地をお求めになられる方は多いのですが、大抵土地のいざこざに巻き込まれてギャングに抹殺されるんですよ」

男「なるほど……分かった。ここを買うかどうかは、保留とさせてくれ」

革服「保留?却下ではないのですか?」

男「調べたいこともあるしな」

本日はここまでです
ありがとうございました

それから一行は、喧しい裏町へと繰り出した
革服とは別れ、後日不動産屋を訪れることとなった


中華「で、調べたいことって?」

男「ここを支配してるギャングについてだな。……いや、規模が大きくなければ倒せそうじゃん?」

氷魔「……力を持った人間の思考ですね……」

男「まぁ油断してるな。だが、相手の規模が大きそうならさっさと手を引くつもりだから安心してくれ」

やる気「嗅ぎ回ってるのがいると知れれば、ギャングの奴らも間違いなく追ってくるっすよ。はっきり言って、そのプランでもリスクはあるっす」

男「確かにそうだな。……どうにかして、バレないようにやらなきゃな」

ぶりっ子「あ、それなら私たちもアーティストを装えばいいんですよぉ」


突拍子もない提案だった
その場の全員は、発言をやめて固まった


怪盗「……………………」

ぶりっ子「え?」

怪盗「……いいですね!やっちゃいましょう!」

狙撃少女「マジで言ってますか?」

男「いや……俺たち楽器持ってないだろ。7人集まって全員ボーカルとか怪しすぎるだろ」

中華「そうだね……人数を絞ろうか」

氷魔「……あ……私はパスでお願いします……」

やる気「男は結構歌えたっすよね?」

男「アマの中なら歌える部類だと自負している」

ぶりっ子「私も歌はちょっと……怪盗さんは歌えますか?」

怪盗「当然歌えますよ!」


そう言って彼女は、道端に落ちていたマイクを持って歌い出した
魔力は通っていないので、別に拡声機能はない


>>下1コンマ……怪盗の【歌唱力】

怪盗の【歌唱力】53


彼女は元気に歌った
しかし、その出来は上手いとも下手とも言い難いものだった


狙撃少女「…………」

怪盗「……え、反応悪くないです?下手でした?」

狙撃少女「いえ!決して下手ではないと思いますよ!」

男「そうだな。下手ではないだろう」

本日はここまでです
ありがとうございました

・男
【筋力】124【HP】65【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値21/39……レベル30)

・中華
【筋力】130【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値31/37……レベル28)

・氷魔【筋力】156【HP】??+34【MP】171【素早さ】145【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値29/45……レベル36)

・やる気
【筋力】157【HP】55【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『殺る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値7/35……レベル26)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】99【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値35
/38……レベル29)

・怪盗
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値11/33……レベル24)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+2
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値21/38……レベル29)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体
【ギルドの資金】84376475

怪盗「なんですかその微妙な評価……なんとか言ったらどうなんです?」

狙撃少女「えっ……あの……まぁ……どちらとも言い難いというか……」

怪盗「くっ……じゃああなたも歌いなさいよ!」


と言って彼女は無理やり狙撃少女にマイクを握らせる


中華「お、面白くなってきたね」

狙撃少女「えっ、本当に歌う流れですか!?」


彼女は周囲に乗せられ、
仕方なく歌うことにしたようだ
遠慮がちに口が開く


>>下1コンマ……狙撃少女の【歌唱力】

狙撃少女の【歌唱力】68


そしてそのまま歌いきった
最初はぎこちなく、不安げであったが、
最後には少ないが聴衆すらできていた


氷魔「……なかなか上手いですね……」

怪盗「私より上手い……!おのれ……」

狙撃少女「ひいっ!怒らないで下さい……」

怪盗「まぁいいです。私には他にも個性がありますからねっ」

やる気「あとはどうするっすか?」

男「ダンスでもしてくれる奴が必要かな。やる気、頼めるか?」

やる気「え、俺っちっすか?」

男「機敏でいて、かつ力強い。ダンス向きだと思う」

やる気「そこまで言うならやるっすよ!」


そうして、男とやる気と狙撃少女は街中へと飛び込んでいった

本日はここまでです
ありがとうございました

残されたメンバーはひとまず帰ることにした
そろそろ夕方なので、少し早い帰還にしかならない


狙撃少女「で……どうするんですか?」

男「うーんそうだな……最初はとりあえずここ!みたいな場所があればいいかも」

やる気「ほんなら聞いてみるほかないっすね。すみませーん!」

通行人「おう、どうした?」

狙撃少女「私たち、ここで初めてやろうと思ってて……良い場所ありませんか?」

通行人「>>下1」

通行人「初めてか? なら人通りの多い所は諦めな」

男「そうなんですか?」

通行人「まぁな。大体人気のある奴がいるし、無名のやつはそれだけで缶投げられるぜ」

やる気「結構厳しいんすね……」


そう言って、通行人は去っていった


狙撃少女「でも、別にビッグになることが私たちの目的ではありませんからね……」

男「そうだな。……ともかく、それなりの場所でだけやろう」

やる気「それで、事情通っぽい人がいたら話を聞いてみればいいっすね」

狙撃少女「それもそうですね。では、探しましょうか」


三人は裏街の表通りを外れ、
裏街のさらに裏通りへと入っていく
人通りはそれなりにあるが、
寂寥感のある廃れた街並みだった

本日はここまでです
ありがとうございました

男「こんな所でも人がいるなんてな。意外と栄えているのかもしれない」

やる気「アーティストってのは、創造を生業としているくせに産業的な発展は重視しない奴が多いっす。だから、栄えているというのも、ちょっと違うと思うっすよ」


言われてみれば、彼らに似合うのは栄えた町並みではないだろう
どちらかといえば、シャッター街の閉じられたそれの落書きと調和し、ララバイを唄って憧景を呼び起こすほうが似合っている


狙撃少女「この辺でやりますか?」

男「そうだな」

やる気「……どういう感じでやるんすか?」

男「やる気がセンターで踊ってくれ」

やる気「とんでもない無茶振りっすね!?」

狙撃少女「私たちの歌はアマチュアです。なので後ろに引っ込んでいますが、私たちの肉体はプロです」

やる気「はぁ」

男「そういう訳だ、任せたぞ!」

やる気「う、うぉーっ!やるっすよ!」


そうして後ろの二人が歌いだし、
やる気がセンターで激しく踊る路上ライブが始まった


>>下1……通行人の反応

本日はここまでです
ありがとうございました

それから二十分後、彼らのライブは終了した
時折通行人は足を止め、ライブを見てくれる
しかし、そのほとんどは数分でどこかに行ってしまっていた


狙撃少女「はぁ、はぁ……ど、どうでした?」


一人だけ、最後まで見ていたギャラリーがいた

ギャラリー「…ダンスが上手い所為か音調と合ってない感じがする」

男「なるほど、こちらの問題か……」

ギャラリー「君のダンスはとても良かった。荒々しく、どこかトライバルな気分になったよ」

やる気「あ、ありがとうございますっす」

狙撃少女「……そういえば」

ギャラリー「うん?」

狙撃少女「この一帯にはギャングがいると聞きました。無断で興行し続けるのもアレなので……挨拶にでも行こうかと思うのです」

ギャラリー「ほほう」

狙撃少女「それでなのですが……彼らはどういったギャングなのですか?」

ギャラリー「>>下1」

ギャラリー「怪しい薬物の密造と密売だ」

男「なるほど……薬物を売っていそうな場所に行けば会える、ということかな?」

ギャラリー「そのはずだな。ま、俺はやらんがな……」


そう言って、彼は去っていった


やる気「……ひやひやしたっすね」

男「ああ」

狙撃少女「え?なんかありましたか?」

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「いや、めちゃくちゃ不自然だったっすよ」

狙撃少女「そうですか?」

男「ああ。普通にいい人っぽいから良かったけど、クソ怪しかったぞ」

狙撃少女「き、気を付けます……」

やる気「どうするっすか?とりあえずギャングに会いに行くっすか?」

男「いや……良いことを聞いたしな。別の方向性で行こう」

狙撃少女「別の?」

男「どうやら奴ら、ヤクの製造もやってるらしいしな。そのラインをぶっ壊せばいい」

やる気「ああ、うちの父ちゃん怒ってたっすよ」


かつてやる気の父親も薬品を製造していたが、
一行がその居城に突入した際に、
それなりに製造ラインを荒らしたのだ
それと同じようなことをするつもりらしい

すみません寝落ちしました


狙撃少女「とは言っても、その工場がどこなのか分からなくては話になりませんよ」

男「そうだったな」

やる気「バカ正直にギャングに聞く訳にもいかないっすよねぇ……」

狙撃少女「いい案なのですが……最後のピースが足りませんね」

男「そうだな……>>下1」


1.ギャングの密売人を捕まえて工場の場所を吐かせる
2.不動産屋に聞いてみる
3.自由安価

三人はそれを不動産屋に聞くことにした


やる気「よし……でももう、三人で行動する必要はないっすね」

狙撃少女「もう夕方ですが、皆さんを連れていきますか?」

男「いや、もう帰って明日にでも行こうか」

やる気「賛成っす、もうずっとギルドハウスには帰ってないっすからね」

狙撃少女「私もそう思います」


三人の意見はまとまり、ひとまず帰ることになった
夕暮れに響くブルースを背に、三人は帰っていく

三人はギルドハウスへと帰ってきた


中華「おっ、おかえり?」

氷魔「……どうでしたか……?」

男「そうだな______」


男は裏町であったことを全て話した
残りのメンバーはそれを聞いて、
大体のことを理解した

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗「なるほど、大体分かりました」

中華「また難しい問題に首突っ込んで……本当に無理しちゃダメだよ?」

男「ああ、分かってる……心配かけるな」


そう言って、男は荷物を部屋へと運んだ
数日間で随分と貯まったり、あるいは入れ替えが必要だったりするのだ

まだ夕食までは時間がある


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の手伝い
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

それからしばらくして、中華はまだ調理をしている
その厨房に、男は入ってきた


中華「あれ、男?」

男「よ、なんか余ってる食材ない?」

中華「おやつ?」

男「いや、スライムになんか食わせようかなーって」

中華「ああ、そういうこと」

本日はここまでです
ありがとうございました

それから男は食材の入ったバスケットを貰った
そんなにいらないと遠慮したが、
選択の自由があったほうがいいと押しきられた
現在、彼はそれをスライムに与えようとしている


男「うーん……ん?魚あるじゃん」


魚は鮮度が落ちやすい。
消費するならば、まずこれだろうと考えた
問題は、どのスライムに与えるかだ


>>下1……どのスライムに与える?
1.回復スライム
2.氷スライム
3.レインボースライム
4.牛スライム

氷スライム「ヒュオー」

男「サイズは……まぁ大丈夫か」


男はししゃもほどのサイズのそれを、
氷スライムに与える
氷スライムはそれを静かに取り込んだ


氷スライム「ポコココココ」

男「なんだこの音……」

それからしばらくすると、
氷スライムは完全に魚を消化した
奇妙な音は消化に伴うものだったようだ


氷スライム「ピチュ……」

男「……なんか生臭くなったか?お前」


どうやら、魚を食べたことによって体に影響が出たらしい
魚の臭いが出ているが、
他の魚らしさを検証するには水が必要なので、
彼は桶に貯めた水を持ってきた

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「どうしたんですか、その桶?」


なぜか水が注がれた桶を持って移動している人物を見れば、興味もそそられる
ぶりっ子は比較的ロビーをうろついていることが多いので、それを発見したのだ


男「氷スライムをこれに入れる。今魚食わせたんだ」

ぶりっ子「へぇ?」


彼は氷スライムを持ち上げ、それを桶に落とした


>>下1……どうなった?
1.魚のように泳ぎ出した
2.水が凍った
3.自由安価

氷スライム「コォーッ」


特徴的な鳴き声と、澄んだ水の音
魚もかくやという流れるような動きで、
そのスライムは桶の外周を泳ぎ廻っている


ぶりっ子「おぉ!」

男「すごいな……まさか、本当に泳げるとは」

ぶりっ子「スライムってすごいんですねぇ」

ずっとそれを眺めているうちに、
夕食ができたようで、中華が配膳を始める
それに気付いた二人は席に着こうとするが、
それと同時に氷スライムにも異変が起こる


氷スライム「ブ……ブブ……」

男「な、なんだ?どうした?」

氷スライム「ブブブブ……」


なにかが詰まったかのような音を立てながら、
スライムは桶の底へとゆっくり沈み始める

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「溺れてんじゃないですかぁ?」

男「マジ!?やばいやばい!」


男は急いでスライムを拾い上げ、所定の容器に戻す
もう、生臭い臭いはしなくなっていた


ぶりっ子「なんなんですかねぇ……?」

男「臭わなくなってたし、魚の特質を失ったのかも」

ぶりっ子「タイムリミットがあるってことですかぁ?」

男「……じゃね?」

それから一行は集合し、夕食の時間となった


酪農少年「今回は随分長く空けてましたね」

中華「まぁね。もっと早く帰ってくる予定だったんだけど……」

酪農少年「十中八九人助けでもしてたんでしょう?分かってますとも」

氷魔「……そんなとこですね……」

やる気「やー骨が折れたっすよ」

旅の思い出話などしながら、食事を進める


酪農少年「……なるほど、そんなことが」

ぶりっ子「よその事情に巻き込まれたせいでどこまで干渉してよいのやら……」

酪農少年「難しいですよね。僕も学校でよく、家の都合で苦悩している人を見かけますよ。あまり関われないので、辛いんですよね」

怪盗「そういえば、君のクラスメイトにはどんな人がいるの?」

酪農少年「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

酪農少年「内気で大人しい性格の子ですがとても頭が良くて色々な発明をしてる人がいます」

狙撃少女「へぇ、すごいですね」

酪農少年「牛の乳を自動で搾り出す道具なんてものも作っていましたよ」

男「マジですごい人じゃん」

酪農少年「そうですね……あの人がなにを考えているのか、僕では想像もつきません」

酪農少年の学友について話しつつ、
一行は夕食を食べ終えた


中華「洗い物をするのも久しぶりだなぁ」

氷魔「……やはり……落ち着きますね……」

やる気「そっすねー……いつもの時間って感じっす」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……何しよう?
1.中華の料理の後片付け
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

本日はここまでです
ありがとうございました

男「元気?」

狙撃少女「あ……男さん」


彼は狙撃少女の部屋を訪ねていた
彼女は用意したデスクに座って物思いに耽っていたようだった


男「連日かなりハードだったろう。随分こたえたんじゃないか?」

狙撃少女「いえ……大丈夫です。冒険者になるなら、この程度できないと」

男「そうか?……ま、無理するなよ。辛いならすぐに言え」

狙撃少女「ありがとうございます」

男「そういえば、結構歌えるみたいだけど、習ったりしたのか?」

狙撃少女「教会でなら、歌うことは結構ありましたね」

男「それもそうか。讃美歌みたいな感じ?」

狙撃少女「そういうのもなくはないですが……どちらかといえば、年下の子に童謡を歌ってあげたりとかのほうが多いですね」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「そうか……ふぅー……」


男は床に静かに腰掛け、
煙草でも吸っているかのように深い息を吐く


狙撃少女「……なにか、悩みでもあるんですか?」

男「え?うーん……」

狙撃少女「頼ってほしいなら、あなたも隠し事とかしないほうがいいですよ?」

男「そうだな……悩んでるのは確かだ」

狙撃少女「なんですか?」

男「>>下1」

男「このごろ海神教団の仕事ができていない」

狙撃少女「信者は順当に増えているように思われるのですが……どういうことですか?」

男「それもそうなんだけどさ、運営に携わったり、信者の方々と触れあって問題点を見つけたりしたいんだよね」

狙撃少女「なるほど、確かに貴族さんと話しているとき、非常に心苦しそうでした」

男「そうなんだよね、あいつに色々押しつけすぎなんだよなぁ……負担すごいだろうな……」

狙撃少女「というか、あの方は何者なんですか?」

男「偶然命を救ったんだ。そうしたら、着いてきてくれた」

狙撃少女「それですよ」

男「ん?」


彼が狙撃少女の方を見ると、
彼女は楽しそうな顔で指を指している


狙撃少女「結局人助けから始まってるんですから、脱線して人助けに走ってもそれは当然のことですよ!」

男「……いや、でも……うーん……まぁそういうなら」

本日はここまでです
ありがとうございました

それから男は部屋を出て、自室に帰って眠った

?翌日・陰週日曜日?


ぶりっ子「______なので、スライムが吸収する形質にも一時的なものがあるみたいですねぇ」

怪盗「へぇ、そんなことがあったんですね」

狙撃少女「謎は深まるばかりですね……」

男がロビーまで歩いていくと、
そこではなにやら昨日のスライムの話をしているようだった


男「でも、永続的に形質を受け継いでしまうケースもある。なにが違うんだろうか?」

中華「体質で相性があるとかなのかなぁ」


と、憶測の域を出ない話をしながら、
一行は一日の準備をした


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・朝)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.ギルドハウスの地下に行く
11.不動産屋へ行く
12.自由安価

本日はここまでです
ありがとうございました

一行は教団本部へとやってきた
建物の中に入り、みんなに挨拶をしながら、
貴族のいる執務室へと向かう


氷魔「……おはようございます……」

貴族「あっ、みなさん!」

やる気「昨日、食糧の供給について手は打ったっすよ」

貴族「はい、今朝かの店の主人が参りましたよ」

ぶりっ子「ですが、備えはあればあるほどよいですよねぇ?」

貴族「と、言いますと?」

怪盗「現在、いい感じの土地を探してます」

貴族「おぉ……そこで農耕を?」

狙撃少女「元々耕地という訳でもないので、すぐにというのは無理だと思いますが、ゆくゆくはそうしたいですね」

貴族「素晴らしいですね……増えた信者の方々は人数も凄まじいので、居住地としても使うかもしれません」

男「そうか、ならその時はまた連絡してくれ」

貴族「え、私のほうで勝手にやっておきますが……」

男「いや、なんでも貴族に任せすぎだと思って……」

貴族「確かに、そう思ってないわけでもないですね」

中華「なら、無理はしないほうが……」


と、彼が言いかけると貴族はまた喋り出した


貴族「ですが、意外と楽しいんですよ?今回は甘えさせてもらいますけれど」

氷魔「……本当ですか?……ちなみに……どういった所が楽しいんですか……?」

貴族「>>下1」

貴族「様々な性格の人と会話してそれぞれの価値観を知ることが出来る所が楽しいですね」

やる気「な、なるほど?」

貴族「いやぁ私、身分もお金もあるので……かつては相手が勝手に自己を捨ててへり下るか金で言うこと聞かせるかだったんですよ」


突然の爆弾発言だが、他でもない貴族の言うことなので仕方のないことだった


ぶりっ子「そういう方もいらっしゃるんですねぇ……確かに、新鮮で面白いかもしれません」

本日はここまでです
ありがとうございました

貴族「それより男さん、神様に会っていかれては?」

男「そういやそうだったな、最近会えていない。行ってくるよ」

怪盗「行ってら?」


男は信者が集う祭壇の間に行き、
祭壇に手を触れて精神を研ぎ澄ませた


男「ん…………」


次第に、浜の香りが鼻を突き、
潮騒がゆっくりと聞こえてくる

海神「お久しぶりです!」


目を開ければ、そこは神のおわす海辺であり、
まぶしい笑顔で海神が出迎えていた


少女神「ほんと、ほんと。一体どんだけ来てないと思ってるの?」

地母神「そうはいいますが貴方……男の中にいましたよね?」

男「それどころか勝手に出てきたりしたんだけど」

商売神「え?それはおかしくないかい?」

男「だよね?」


彼は同意見に安心し、同調を表明する


海神「どういうことなんですか?」

少女神「あまりにムカついて、なんか言ってやろうと思ったんです。できないはずなんですけど。……でも、なぜかできちゃったんですよ」

男「あ、そうだ。地母神サマ、なんでこんなことが起きたか分かります?」

地母神「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

地母神「彼女の神格が上がってきているのかもしれません」

商売神「なるほど。確かに神格の高い神であれば使者や代行者の手を借りずとも顕現できると聞いたことがあるね」

男「ってことは……みんなももう顕現できるの?」

地母神「いや、難しいでしょうね」

少女神「え!?いや、私だけそんな突出してすごい神な訳ないですよ!?」


彼女は慌てて彼女自信の憶測を否定する

地母神「ふふ、それはどうでしょう。……それはそれとして理由ですが、神の性質によるものでしょうね」

海神「性質?」

地母神「はい。彼女は特定の疾患に対するご利益を持ちますが、そういった神はそのスケールが大きくないことや、実際に恩恵を授かった方が具体的かつ深く長く信仰されるため、顕現しやすいのです」

男「恩恵も規模も具体的な神だから……ってことか」

地母神「ええ。一方私は正反対で、大地のあらゆるものを祝福し、よほど強く信仰しないと日々からその恩恵を見つけ出すのは難しい神です」

男「つまり、同一の信者を持っていても、顕現できる神とそうでない神がいて、スケールがなるべく小さいほうが顕現しやすいってことかな?」

地母神「はい」

海神「私は何番目ですかっ!?」

地母神「そうですね……三番目、私の前でしょうかね」

商売神「ということが私が二番目かな」

少女神「商人ってのは意外とその辺しっかりしてますからね」

男「この前すごい量少女神のパワー使ったから神格もうなぎ登りじゃないか?」

少女神「あのときはすごい疲れましたね……」

男「そういえば昨日、信者をいっぱい増やしたんだよね」

少女神「そうね」

海神「すごいじゃないですか!」

商売神「ありがたいことだね」

地母神「珍しいですね」


と口々に感想を述べる
しかし、男の本題はそこではなかった


男「それでさ、なにか浜とかに変わったことないかな?って」

海神「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

海神「海の方にいくつかの小島が生まれました」


彼女はそう言って海の遠方を指す
水平線の上に、緑の島が浮かんでいた


男「本当だ。……行ったことあるのか?」

地母神「まだ誰も行ったことはありません」

男「そうなんだ」

商売神「なんせ、あれができたのはつい数時間前だからね」

少女神「そうなんですか……?」

男「行ってみないか?」

海神「そうですね。とりゃ!」


彼女が右腕を振り上げると海が割れ、
最も近い位置の島まで道が開けた


地母神「こんなことの為に力を使ってよいのでしょうか……」

男「ちょっとお堅すぎるんじゃない?」

地母神「……ま、あなたがバラさなければ大丈夫でしょう」

そのまま一人と四柱は海の裂け目へと歩いていった
脇に見える海中には、無数の魚たちが泳いでいる


商売神「……じゅるり」

少女神「溺れても知りませんよ……」

商売神「み、水は苦手なので遠慮しておくよ……」


海中を眺めながら、次第に島が近付いていく
やがて、彼らはそこに到達する


>>下1……島の様子

本日はここまでです
ありがとうございました

男「なんで……?」


そこは大都会だった
まるで男が普段いる城下町のように、
大きな建物が立ち並んでいる


地母神「原因があるとすれば……どちらかです」


そう言って地母神は男と商売神を指差した


男「俺?」

商売神「私?」

地母神「男がヒトの身で神の世界に度々入り込んだ為に、自分の住む世界が具現化してしまった可能性がありますね」

男「はぁ、なるほど」


そう言われれば、なんだか自分が神々の世界を汚してしまったようで、悪い気がした


地母神「そもそも浜辺があるのは海神さんの力によるものですから、商売神さんの力でヒトの営みが顕現している可能性もあります」

商売神「ならいいんだけどね。私の力でこんな大都会を造り出せるなら、それは素晴らしいことだ」

海神「ちなみに、地母神さんはなんか出せるんですか?」

地母神「そもそも島ですね。この大地でしょう」


彼女は足で地面を擦った
誰もいない大都会に、ヒトらしい音がする
この大都会はまったくのがらんどうだった


少女神「都会ではありますが、流石に誰もいませんね」

商売神「男みたいな存在が一杯いたら怖いよ……」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「ここに暮らせそうですらあるな」

海神「いいんじゃないでしょうか」

少女神「よくないでしょ。多分現実だと祭壇とかそこらで固まったままだからね」

男「そういう訳だ。それに、俺には仲間がいるからな」


そんな話をしながら大都会を歩いていると、
その中にある一つの建物に目を引かれた


>>下1……どんな建物?

そこにあったのは大聖堂だった


地母神「おや、聖堂?これは……」

男「すごいな」


それは円形に膨らんだ屋根が特徴的な、
バロック様式に酷似した様式の建築だった


商売神「これ、いいんじゃないか?」

男「ん……そうだな」

海神「持って帰りますか?」

男「そんなパワーねぇよ!?……だが、俺が言いたいのは大体そんなとこだ」

少女神「この神殿を作りたいと?」

男「ああ、でも今はあんまり余裕ないからな。結構後になると思うけど」

地母神「そうですか」

男「……結構長居したな。そろそろ帰るよ」

商売神「そうかい?ずっといるのはやはり良くないのかな?」

男「俺はいいが、なんかこっちに影響あったら嫌だしな」

すみません寝落ちしました


男はそういって意識を曖昧にする
そうすると神々の世界にいる彼の姿もぼやけて
気付けば彼の意識は現実に戻っていた


狙撃少女「あ、帰ってきたみたいですね」

男「心配かけたな」

中華「気にしないで。こっちも色々あったから」

男「そうか?……ま、俺の用事は終わったぞ」

一行が神殿を去る際に、
ちらりと集会所の一つを覗くと、
大勢の信者がテーブルを囲んで鶏肉を食べていた


氷魔「……受け入れられているようで……よかったです……」

男(今度は鶏牧場でも神々の世界に現れるんだろうか……)

やる気「なんかぼーってしてるっすよ?大丈夫っすか?」

男「ああ、大丈夫。ちょっと考え事をね」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・昼)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.ギルドハウスの地下に行く
11.不動産屋へ行く
12.自由安価

一行は不動産屋へとやってきた


革服「昨日ぶりです。本日はどのようなご用件で来られましたか?」

男「……知りたいことがある。でも、それを教えるのはあなたたちにもリスクがあることだ」

中華「でも、僕たちを信用して欲しい」


二人の真剣な様子に、
革服も緊張した面持ちを見せる

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……ギャングのシノギは……麻薬の密売……そして……製造……」

やる気「それなら、どっかに工場や栽培地があるはずっすよね?」

革服「それは……っ」


革服も一行の言いたいことを察したようで、
苦虫を噛み潰したような顔になる


ぶりっ子「教えてくれませんかぁ?……その場所を」

革服「>>下1」

革服「工場は……大聖堂の裏ですね。表向きはマッチ工場なのですが、その地下が麻薬工場です」

怪盗「大聖堂?そんなとこあるんですか?」

革服「ええ、アーティスト達はあまり寄りませんが……」

狙撃少女「だとすればなおさら、こっそりやるには都合がいいですね」

男「ありがとう。必ずどうにかするよ」

革服「頼みますよ……私どもの命もかかっていますからね……」

中華「……あ、念のため聞くけど、ギャングどもを倒してからでも割引価格で売ってくれるよね?」

革服「信頼は命です」


そう強く頷かれたので、
一行は信用することにして、不動産屋を出た


氷魔「……真っ向から乗り込むつもりですか……?」

やる気「リスク高いっすねー……相手が素人集団なら全然いけると思うっすけど」

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗「とりあえず、行くだけ行ってみましょう!」


そうして大聖堂までやってきた
そういえばずっと街中に大きな建物が見えていたが、
これのことだったのかと男は思った


狙撃少女「この裏……でしたよね」

男「なんというか……」


すかさず回り込むと、
大聖堂にぴったり着いた形で工場があった
いくつかのダクトは繋がっており、
無機質な工場と神聖な聖堂のコントラストが気持ち悪い

工場の前を覗くと、守衛がいた
やはり真っ向から侵入するのは無理そうだ


中華「うーん、どうする?」

氷魔「……大丈夫です……私たちにはどうにかするための手段がありますよ……」


そう言って彼女はドアノブ型生命体を取り出した


やる気「なるほど、それでドアを作って侵入すればいいんすね」

本日はここまでです
ありがとうございました

早速工場の側面に回り込むと、
そこにドアノブ型生命体をセットした


ぶりっ子「えいっ……おお!」


ノブを回し引くと、
そこがちょうとドアになったかのように開く
高さは2メートルほどで幅は80センチほどだ


怪盗「早速潜入です!」


>>下1……マッチ工場のどの部分に入った?

入ると、かぐわしい匂いが鼻を突く
どうやらそこは、マッチの木材を加工する部門のようだ


狙撃少女「おっと、まずいですかね?」

従業員「……え?」


そこは小部屋で、一人の女性が作業をしていた
専用の木材を手作業で削っていた


男「あ、すみません。どうぞお気になさらず」

従業員「あっ、はーい……ってなる訳ないでしょ!」

彼女は結構ノリが良いようで、
なんだか楽しそうですらある


中華「君の迷惑にはならないようにするからさ!ね?」

従業員「はぁ……」

氷魔「……それに……壁が扉になって人が入ってなんて……説明しても信じてくれませんよ……」

従業員「そりゃそうかもしれないですね」

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「そんなら問題ないっすね」


そう言って彼は部屋を出ようとする


従業員「いやいやいや待って下さいよ」

やる気「……なんすか?」

従業員「流石に入っていったなら本人がいるんですから通報しても分かるはずですからね?」

ぶりっ子「面倒ですねぇこの女」

従業員「口悪っ!」

怪盗「まぁまぁ、こういうときはスマートに口止めですよ」

狙撃少女「おお、どうやって?」

怪盗「>>下1」

怪盗「金の力は偉大なのですよ」


そう言って彼女は懐から金を取り出した
いつの間に持っていたのだろうか


従業員「そ、それはっ!」

怪盗「生活が苦しいんですよね?」

従業員「なんでそれを……」

怪盗「こんなところに閉じ込められて木材を手作業で整形してる人の生活が良いとは思えないので」

従業員「辛辣すぎませんか」

怪盗「まぁまぁ、お金あげますから、思ったことぐらいは言ってもいいじゃないですか」

従業員「むぅ……仕方ないですね」


【ギルドの資金】84371475


男「それで……どう向かう?」

中華「隠れながら地下への入り口を探すしかないんじゃないかな?」

氷魔「……この真下が目的地なら……ドアノブであっさりと……到達できそうですが……」

やる気「そっすね」

本日はここまでです
ありがとうごさいました

ぶりっ子「ここの地下について知っていますかぁ?」

従業員「火薬庫だから安全のため近寄るな、とだけ言われてます」

怪盗「不自然じゃない誤魔化し方ではありますねりでもスペースはあるみたいなので、移転はしてなさそう?」

狙撃少女「なら突入ですね」


彼女は氷魔からドアノブを貰うと、
地面にセットして回した
すると、そこが床下収納の扉のように開く


>>下1……扉の先には何があった?

男「よっと」


降りると、そこもまたあまり大きくはない部屋だった
規則正しく小さなテーブルが所狭しと並べられており、
その上には植物の植えられた鉢植えが置かれている


中華「多分、これだよね?」

氷魔「……はい……恐らく麻薬の元となる植物ですね……」

やる気「あんま大きくない部屋っすね、こりゃ他にも栽培してる部屋がありそうっすよ」

男「とりあえず燃やしとくか。火魔法」


男は火を放って全ての植物を燃やした


ぶりっ子「ちょっとぉ、密室で炎放たないでくださいよぉ」

男「すまんな」


そう言って彼は部屋のドアを開ける
その先は>>下1

本日はここまでです
ありがとうございました

ボス「ハーッハッハッハ!乾杯!」

サングラス「うす!」


そこには、親玉感溢れる人物と、
その舎弟らしき黒サングラスの集団があった
みな盃に酒を汲み、宴会の様相だ


怪盗「ボスと直接宴会……こいつら、幹部クラスですね」

狙撃少女「悠長なこと考えてる場合じゃないですよ!どうするんですか!?」

男「どのみち戦わなければならない相手だ」

中華「今はまたとないチャンス、だね?」

氷魔「……そうですね……全員倒して終わりです……」


全員が臨戦態勢に入る
屋内かつ地下なので魔王の力も使うことができる
そうこうしているうちに、
相手も一行に気付いたようだ


ボス「な、なんだお前たちは!?」

やる気「魔王だが」

ボス「>>下1」

すみません寝落ちしました


ボス「魔王だか魔導だか知らねえがアジトに乗り込んできたことを後悔させてやる!!」

ぶりっ子「ひぃ、殺意まんまんですねぇ」

怪盗「そんじゃ、バトルですかね」

ボス「野郎ども!さっさと来い!」


彼が叫ぶと、あちらこちらの部屋から、
武器を持ったチンピラが出てくる

狙撃少女「面倒ですね……」

ボス「逃げるぞお前ら!」


さらに、彼は幹部クラスの人間を引き連れて逃げるつもりらしい 


男「あっ、卑怯だぞ!」

ボス「卑怯も不況もねぇぜ!」

中華「くっ……」

氷魔「……逃がしませんよ……!」

彼女がそう告げると、彼女から氷の魔力が迸る


ボス「なっ、なんだ!?」


部屋の外に通じるドアは全て凍りつき、封じられた


やる気「素晴らしい」

ぶりっ子「これで逃げられないようですねぇ」

チンピラ「名を上げるチャンスだぜぇ」

本日はここまでです
ありがとうございました

チンピラたちにとってはある意味チャンスだったかもしれないが、戦力差は歴然だった
一行は一切苦戦することなく、ものの数分でチンピラたちを全員倒してしまった


サングラス「ど、どうします?ボス」

ボス「……ど……どうったって……どうしようもなくねぇか……?」

怪盗「そうですね。あなたたちは今、沙汰を待つばかりです……へっくち!」

狙撃少女「冷えてますからね……毛布あげます」

男「こいつらをどうするかな……」


>>下1……ギャングの幹部たちの処遇
1.報復とか怖いし殺しておく
2.騎士団(警察機関)に叩きつける
3.自由安価

中華「まぁ……順当に騎士団でいいんじゃない?」

男「そうだな」

ボス「くそっ……」


それから一行は騎士団を呼んできた
地元の騎士団はギャングと癒着しているおそれがあるため、
本部ギルドを通して本部の騎士団に掛け合った

氷魔「……で……ギャングを壊滅させたって訳ですね……」


全ての処理が終わってもう夕方になっていたが、
一行は報告のために不動産屋に来ていた


革服「本当ですか?」

やる気「本当っすよ。よく分からないドアノブとか、人数不利を覆したりとか……信じがたいこともあると思うっすけど、全部本当っす」

革服「……後ほど、騎士団の方からも確認しておきます」

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「それで、購入の手続きなんですけどぉ……」

革服「翌朝、そちらに見積りを届けに参ります」

怪盗「オッケーです!」


そうしてその場はひとまず終わりとなった
一行は一仕事終えた実感を持ちながら、
不動産屋を後にしたのだった


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・夕方)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.ギルドハウスの地下に行く
11.自由安価

一行は図書館にやって来た
内部にはステンドグラスがあるのだが、
それが夕陽に輝いて美しい


狙撃少女「それだけの書物を蔵するのはかなり手間だったと思いますが……国の建物とはいえ、すごいことですよ」

男「そうだな……というか、ただ本があるだけとは思えない」

中華「え?」

男「変なヤツに図書館の奥で会ったことあるし。なんか妖精みたいなのいるよここ」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……着きましたね……」


幾度となく訪れた魔導書コーナーだが、
さらに深層があることをみな知っていた


魔導書はコンマ下一桁で抽選され、
低級魔法は50、上級は100、超上級は150以上のMPがないと魔法の習得に失敗する恐れがあります

>>下1コンマ上一桁……男の魔導書
>>下1コンマ下一桁……中華の魔導書
>>下2コンマ上一桁……氷魔の魔導書
>>下2コンマ下一桁……やる気の魔導書

?男の魔導書抽選テーブル?
1.水属性2.土属性
3・4・5・6・7・8・9・0で上級魔法(再度抽選)

?中華の魔導書抽選テーブル?
1.氷属性2.風属性3.土属性
4.光属性5.闇属性
6・7・8・9・0で上級魔法(再度抽選)

?氷魔の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.水属性3.風属性
4.土属性5.回復魔法6.光属性
7.闇属性
8・9・0で上級魔法(再度抽選)
(ゾロ目で上級混合)

?やる気の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.水属性3.氷属性
4.風属性5.光属性
6・7・8・9または0で上級魔法(再度抽選)

すみません所用で席を外していました
明日また続きの判定をします
お付き合いいただきありがとうございました

全員再抽選です


?男の魔導書抽選テーブル?
1.水属性2.風属性3.土属性
4.回復魔法5.光属性6.闇属性
7.日用魔法
8・9・0で上級魔法(再度抽選)

?中華の魔導書抽選テーブル?
1.氷属性2.風属性3.土属性
4.回復魔法5.光属性6.闇属性
7.日用魔法
8・9・0で上級魔法(再度抽選)

?氷魔の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.水属性3.風属性
4.土属性5.回復魔法6.光属性
7.闇属性
8・9・0で上級魔法(再度抽選)
(ゾロ目で上級混合)

?やる気の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.水属性3.氷属性
4.風属性5.土属性6.回復魔法
7.光属性8.闇属性
9・0で上級魔法(再度抽選)

男と氷魔は二人で通常よりも奥の書庫に来ていた


男「……あれ」

氷魔「……どうしました……?」

男「途中まで中華とやる気もいたと思うんだけど……見失ったな」

氷魔「……なぜかここで遭難したという話だけは聞きません……多分大丈夫でしょう……」

男「そうか。これだけ広ければ遭難するやつもいそうだけどな」

氷魔「……これは……ちゃんと魔導書ですね……」


彼女は無数の本の中から、鮮やかな緑色の書物を取り出した
表紙には、『上級風魔法』と書かれている


男「これにしようか」

氷魔「……そうですね……」


それから二人は近くにあった椅子とテーブルを用い、
その内容を把握し、上級風魔法を習得した

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「……あ、はぐれた」

やる気「え?」

中華「男と氷魔がいなくなっちゃった……」


一方そのころ、中華とやる気もまた、
奥の書庫を歩いていた


やる気「そういうこともあるっすよ。ここは入り組んでるっす」

中華「ん……?」

やる気「今度はなんすか?」

中華「僕たちを挟んで、二つの本棚があるじゃない?」


この魔導書コーナーは、奥まれば奥まるほど、
本棚の間へと入り込んでいく構造になっている
なので、それは当たり前のことだった


やる気「そっすね……ああ、そういうことっすか」


片方の本棚には全く同じ純白の本が、
もう一方には漆黒の本が敷き詰められていた


中華「この異様な感じはきっと魔導書だね。という訳で、どっちの本がいい?」

すみません寝落ちしました
今日で今年度の仕事は終わったので誰かに呼び出されなければもう大丈夫です


やる気「俺っちは……こっちっすね」


彼は漆黒の本棚を選んだ


中華「じゃ、僕はこっち」


そうして、二人は魔導書を読み始めた
やる気は読みはじめてから三十分ほどで全てを理解したようだが、中華は唸っていた


やる気「大丈夫っすか?」

中華「難しい……やっぱり魔法は苦手だなぁ……」


>>下1コンマ……13以上で無事習得

やる気「うーん……よし、ここはこういうことで……」

中華「ああ、なるほど」


やる気はその魔法について、教えられることを教えた
もっとも本人は使えない魔法なので、
全てを教えることはできなかった
しかし、中華はうまく指導を吸収し、
魔法を習得することができた


やる気「いけそうっすか?」

中華「ああ、大丈夫だね。もう戻ろうか……」


>>下1コンマ上一桁……ぶりっ子の魔導書
>>下1コンマ下一桁……怪盗の魔導書
>>下2コンマ上一桁……狙撃少女の魔導書

?ぶりっ子の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.風属性3.土属性
4.回復5.闇属性
6・7・8・9・0で上級魔法(再度抽選)

?怪盗の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.氷属性3.水属性
4.土属性5.光属性6.闇属性
7.日用魔法
8・9・0で上級魔法(再度抽選)

?狙撃少女の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.氷属性3.風属性
4.土属性5.回復魔法6.光属性
7.闇属性8.日用魔法
9または0で上級魔法(再度抽選)

怪盗は再抽選です


ぶりっ子は回復魔法のある書庫へとやってきていた


ぶりっ子「大体この辺ですねぇ……」

ぶりっ子「お、ありました」


彼女は本棚から本を取り上げ、さっそく読み始める


ぶりっ子「回復ができたほうが女子力高いですからねぇ」

本日はここまでです
ありがとうございました

彼女はそう言うと素早く魔導書を読み終え、
回復魔法を習得した


狙撃少女「なんですかこの真っ白な本は……」


シックな色合いの図書館には珍しい、
あまりにも白い魔導書
狙撃少女はそれを手に取ると、
すらすらと読み進め、あっという間に内容を理解し、光魔法を習得した


>>下1コンマ上一桁……怪盗の魔導書

?怪盗の魔導書抽選テーブル?
1.火属性2.氷属性3.水属性
4.風属性5.土属性6.回復魔法
7.光属性8.闇属性9.日用魔法
0で超上級魔法(再度抽選)

怪盗「なんか派手なやつないですかね?」


彼女は四方八方に視線を飛ばしながら書庫をスキップしていく
そんな彼女の目に止まったのは深紅の装丁の本だった


怪盗「派手な本がありますね」


それを手に取ると、上級火属性の魔導書だった
彼女は立ったままの姿勢でそれを読み、
内容を理解すると棚に戻して帰った

そうして全員が魔導書を読み、
今回もまた全員が習得することができた


男「やっぱり、みんないるんだよなぁ」

中華「どうかしたの?」


一行は魔導書庫の入口に集合していた
示し合わせた訳でもなく、ギルドの創立当時からここに集まっている


男「中に入ればいつの間にかバラバラになるが……無事に帰ってこれる」

氷魔「……山で言うならば……ここが頂上なのかもしれませんね……」

やる気「ほー、そりゃ下山しきってみたいもんっすね」

本日はここまでです
ありがとうございました

・男
【筋力】124【HP】65【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値21/39……レベル30)

・中華
【筋力】130【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値31/37……レベル28)

・氷魔【筋力】156【HP】??+34【MP】171【素早さ】145【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値29/45……レベル36)

・やる気
【筋力】157【HP】55【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『殺る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値7/35……レベル26)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】99【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値35
/38……レベル29)

・怪盗
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値11/33……レベル24)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+2
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値21/38……レベル29)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体
【ギルドの資金】84371475

それから一行は日暮れとなったのでギルドハウスへと帰宅した


ぶりっ子「今日もハードでしたねぇ」

怪盗「肉体的にはそこまででもありませんが……緊張がどうも」

狙撃少女「無理せず休みましょう!」


まだ夕食までは時間がある


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の手伝い
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「ノックしたほうがいいか?」

氷魔「……はい……」

男「分かった」


彼は改まってドアをノックする


氷魔「……どうぞ……」


まるで奇妙な因習のようだが、
ともかく彼女はプライバシーの意識が強いようだ
尤も、断りもなく部屋に入ろうとする男は非常識だが

男「んー……最近どう?」


彼は部屋の床面に座り込んで聞く
リラックスした様子で両脚を開いている


氷魔「……随分と……アバウトな質問ですね……」

男「いやぁ、聞くことがあまりなくて」

氷魔「……結構な頻度で……ここに来ていますからね……」

男「迷惑だったか?」

氷魔「……いえ……でも……理由は気になりますね……」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「理由か……落ち着くからかな」

氷魔「……そうですか……?」

男「本がいっぱいあるし。俺も含めて、あまり部屋にモノ置かない人が多いから、逆に居づらいんだよね」

氷魔「……確かに……刹那的というか……俗っぽさのない人が多いですからね……」

男「俗っぽさがないって話なら、氷魔もそうだろ」

氷魔「……え……私変わってますか……?」


それまでは机に座って本を読んでいた彼女だが、
ここで急に振り返る


男「……否定はできないかな」

氷魔「……反論していいですか……」

男「はぁ」

氷魔「>>下1」

氷魔「意外と流行りものを追いかけるの好きだったりしますよ」

男「ほぉ、氷以外に興味はないものかと思っていたけど」

氷魔「……ほら……例えばこれ……」


彼女は自らの杖を見せてきた
男にはいつもの杖にしか見えないが……


男「?」

氷魔「……ここについている……この宝石は……最近流行っているものなのですよ……」

その宝石はダイヤモンドのような水色で、
しかしその内部の輝きは水面のように落ち着いていた


男「へぇ、そうなのか」

氷魔「……もう少しリアクションとか……」

男「綺麗だと思うぞ」

氷魔「……もういいです……」

男「いや!マジでいいと思うよ!氷魔法のイメージカラーとしても合ってるし!」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……そうですか……それならよいのです……」


そう言って彼女はまた机に戻った
物静かな割には時折むきになるので、
男はどうしてもそういう時には気圧されてしまうのだ
それからすぐに夕食の用意ができたので、
男は食卓へと逃げるように向かった


中華「今日は久しぶりにハーブを使ってみたよ」

やる気「確かに、なんか爽やかな香りがするっすね」

中華「精神的な疲労も最近なかなかありそうだったからね、ハーブの癒し効果にかけてみた」

ぶりっ子「なるほどぉ。うーん、ハーブが添えられているだけでお洒落感が増しますねぇ」


いつもの中華料理にハーブが多く添えられた料理が配膳される
ハーブの付いた油淋鶏などは、まるでフレンチの料理のような雰囲気だ


怪盗「早速いただきまーす!」

それから一行は食事を始めた


狙撃少女「しかし……規模の小さいギャングが相手でよかったですね」

男「ああ、いかにもボスっぽいのがいるのを見つけた時はちょっと安心したかもしれない」

中華「手下もチンピラばっかりだったしねぇ」

氷魔「……不意討ちのようなものでもありましたから……正面からやりあってもこうなったかは分かりませんね……」

やる気「実力を過信しすぎるとよくないっすからね、そこは肝に銘じておくっす」

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「前に関わったような規模の反社会的勢力だったら危険でしたねぇ」

酪農少年「毎度思いますが……よく生きてられますね」

怪盗「男は一回死んでるらしいし、運がいいだけだねー」


作戦の成功と、自分たちの幸運を噛み締めながら、
一行は食事を終えた


狙撃少女「こんな洒落た物を食べたのは初めてです……」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……何しよう?
1.中華の料理の後片付け
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「もしもーし」


男は酪農少年の部屋をノックする


酪農少年「はい、どうしましたか?」

男「いや、特に用はないんだけどね」

酪農少年「そうですか、まぁゆっくりしていくといいですよ」


彼はドアを開けて男を招き入れ、
少々の時間を置いてお茶を出す

男「お茶なんて出してくれなくてもいいのに……」

酪農少年「僕がやりたいからやってるんですよ」

男「……それならいいけど。しかし、いつの間にお茶なんて淹れられるようになったんだ?」

酪農少年「学校に、こういうのが得意な子がいるんですよ。それで、教えてもらったんです」

男「へぇ?」

本日はここまでです
ありがとうございました

酪農少年「牧歌的な学校なんですけど、こういう気品のある子もいるんだなぁ、と思いましたね」

男「そうだな……うん、うまい」


男は茶を静かに飲み干して、感想を告げる


酪農少年「ありがとうございます」

男「最近、学校でなにかあったりした?」

酪農少年「藪から棒ですね……>>下1」

酪農少年「学校の七不思議的な話がトレンドですね」

男「やっぱりあるんだね、そういうの」

酪農少年「あるあるなんですか?」

男「どこの学校にもあるものだと思うよ。……それだけに、なんだか似た話も多くて、信憑性は薄いかも」

酪農少年「よかったです……」


彼は息を吐きながら胸を撫で下ろす


男「なにが?」

酪農少年「恥ずかしながら、結構真面目に信じてましたね」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「…………まぁ、そういうこともあるわな……」


なにか言ってやりたい気分だったが、
この世界には幽霊の類が実在するので、
からかう気にはなれなかった
ただのオカルトではなく、あの山にはクマがいるらしいとか、この世界ではそういうレベルの話なのだろう


酪農少年「いないのなら安心ですね!」

男「ちなみに、どんな七不思議があるんだ?」

酪農少年「>>下1」

酪農少年「外れにある廃小屋で、ある手順に従って儀式をすると神様に会えるとか」

男「聞いたことあるようなないような……」

酪農少年「七不思議はいろいろありますけれど、一番言及されるのがこれですね」

男「誰か、その儀式とやらと試した人がいる感じ?」

酪農少年「毎年一人は現れるらしいですよ」

男「で、どうなるんだ?やっぱり神様が出てくるのか」

そう聞くと、彼は難しい顔をして考え込んだ
どういうことだろうか?


酪農少年「……それが、人によってまちまちなんですよ」

男「会えた奴と会えなかった奴がいるってこと?」

酪農少年「そうですね、僕としては七不思議の中で一番ありうるのがこれかなって思います」

男「報告あるしね」

酪農少年「それもありますが……神様は実際にいることを男さんが見せてくれたからですね」

男「やめろよ、照れくさい」

酪農少年「もし何かこれについて分かったら追って知らせますね」

男「ありがとな」


そう話を着地させると、彼はまた口を開いた


酪農少年「明朝、人が訪ねてくると聞きました。早めに寝たほうがよろしいのでは?」

男「んー……一理あるな。じゃあ寝ようかな」

本日はここまでです
ありがとうございました

?翌日・陰週月曜日?


革服「みなさまお待たせいたしました」


革服を招き入れると、
一行にうやうやしくお辞儀をした


中華「いや、そんなに待ってないさ。それより、土地はいくらになったんだい?」

革服「はい、今回は訳アリの土地という訳でかなりお安くさせていただいておりますが、さらにこちらには恩義もございますので、そこからさらにお値引きさせていただいております」

氷魔「……その値段は……?」

革服「>>下1」

革服「400万でございます」

やる気「街一つが400万……そんな安くていいんすか?」

革服「ええ、元々負債同然でしたから」

男「それでいただけるならぜひいただこう」


【ギルドの資金】80371475


男は革服に大量の札束を渡した
巨大に麻袋に包んで渡したが、
一応中身を出して400万が入っているか確認した

革服「確認致しました。それでは失礼します」

ぶりっ子「これから頑張って下さいねー!」

革服「ええ、信用回復に努めてまいります!」


そう言って一行は革服を見送った
ロビーのテーブルの上には、
先ほど購入した土地の権利書があった


怪盗「一件落着?」

本日はここまでです
ありがとうございました

狙撃少女「これで、男さんも気分が楽になったことでしょう」

男「ああ、かなりすっきりした」

中華「それじゃ、今日もいつも通り活動しようか」

男「ああ!」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・朝)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.ギルドハウスの地下に行く
11.自由安価

氷魔「……どこに行きますか……?」

男「今日はギルドハウスの地下に行くぞ!」

やる気「ってことは……」

ぶりっ子「あの扉を開くということですね……」


一行は隠された地下への階段を露出させ、
ふたたび地下へと下っていく

一行は地下へと辿り着いた
地下なのでいつもどこかひんやりとしており、
灯りもほとんどない
しかし、ただただ大きな錆びた扉があることはその暗さの中でもよく分かった


怪盗「お宝お宝……」

狙撃少女「あるといいですね。でも、もしかしたら危険かもしれませんし、気をつけていきましょう」

男「そうだな、よし……」

本日はここまでです
ありがとうございました

男は扉にドアノブ型の生命体を接続し、それを捻る
しかし、扉は開く様子がない


中華「どうしたの?」

男「単純にこの扉、めちゃくちゃ重い。みんなで押し開けよう」

氷魔「……わかりました……」


男がドアノブを捻りつつ扉の正面に立ち、
その両脇を仲間が固めて扉を押す
すると、鈍い擦れた音を立てながら扉がゆっくり開きだした


>>下1……扉の向こうにあったものとは

やる気「あー……うーん……あんま見ないほうがいいっすね、これ」


体の丈夫なやる気が先陣を切って突入したが、
中からは微妙そうな声が聞こえてきた


ぶりっ子「え?なんかあったんですかぁ?」

やる気「大したもんじゃないし……別に人の死体とか事件性の高いものでもないし……見て面白いもんでもないっす」

怪盗「それなら私は興味ありませ?ん」

狙撃少女「……まぁ、わざわざリスクを冒す必要はないですね」

男「その奥にまだなにかありそうか?」

やる気「うーん……ちょっと暗いんで分かんないっすね」

男「一応リーダーだし、なにがあるか確認しておこうかな」

やる気「男さんなら多分ショック受けたりはしないと思うっすよ」


図太いタイプだと言われているようで、
なんだか複雑な気分になりながら彼はその燻製を確認した

本日はここまでです
ありがとうございました

男「おっと……」


確かにそこには猫の燻製があった
ある程度覚悟はしていたので、
男はそれを受け流すことができた


ぶりっ子「私、一応この家の所有者なので……見ておきたいんですけどぉ……」

男「おすすめしないけど」

ぶりっ子「吐いたら掃除して下さいね」

男「……仕方ないな」

ぶりっ子「うっ……」


彼女は猫の燻製を見ると、
いかにも辛そうな声を漏らす


中華「大丈夫?」

ぶりっ子「だだだ……大丈夫ぅ……」

男「上級火魔法」


彼は魔法を用いて、燻製を焼き払った
それは灰だけになり、飛び去っていった

氷魔「……無理しなくてもよいはずなのに……」

やる気「んー……なんか事情があるんじゃないすか?」

ぶりっ子「そんなところですねぇ……」

怪盗「中にまだ何かあるかもしれないんですよね?行きましょう!」

狙撃少女「ぶりっ子さん、大丈夫ですか?」

ぶりっ子「私は大丈夫ですっ!なにがあっても受け止めます!」

男「強いな」


そうして一行は今度こそ暗闇の中へと進んでいったのだった

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「……やっぱり何も見えないね」


中は真っ暗だった
部屋のようになっていることは間違いないが、
とにかく何も見えないのだ


男「扉あるかなぁ……照明魔法!」


男が照明魔法を唱えると、
柔らかな光が一帯を照らし出す


>>下1……扉はあった?

氷魔「……おや……?」


光に照らされて現れたのは鉄格子だった
部屋の入り口の反対側、奥の壁があると思われていた場所は鉄格子だったのだ


やる気「こじ開けるか?」

ぶりっ子「中は気になりますが……鉄格子というのが気がかりですねぇ」

怪盗「鉄格子には嫌な思い出が……」

狙撃少女「まぁ、そういうことですね……つまり、出したくない物や、危険な物がこの先にあることを暗に示している訳です」

男「しかもめちゃくちゃでかいしな……」


奥の壁は全面が鉄格子なので、
その向こう側もこちらと同じほど空間があるのかもしれない


中華「というか……この向こう側、こっちよりスペースあるよね」

氷魔「……途中までしか……照明魔法の光が届いていませんからね……」

やる気「それだけのスペースがいるのか、はたまた別の理由なのか……」

すると、鉄格子の奥から小さな石を落としたような軽い音がした


ぶりっ子「え……?」

怪盗「マジでなんかいるじゃないですかぁ!?」

狙撃少女「どうやって生命維持してるんでしょうか?」

男「……実体のある怨念みたいな奴かもしれないな、危険なのは変わりない」

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「……でも、放っておく訳にはいかないね」

氷魔「……危険な生物なら……檻を突き破って出てくるかもしれませんし……そうでないのなら……こんなところに閉じ込めておくわけにはいきません……」

やる気「じゃあ、行くか!」


彼は力を込めて鉄格子を掴むと、
空いた隙間からねじ切るように力に任せ破壊した


ぶりっ子「既に仲間が怖いんですけどぉ……」


ある者は怯え、ある者は使命感を抱き、
更なる暗闇を照らしながら進んでいく
そこに照らし出されたのは、>>下1の存在だった

怪盗「うっ……」


何があっても気楽そうな怪盗も、
思わずその惨状にはうめき声を上げた
そこには人型の、皮と骨だけの存在がいた


狙撃少女「女性、でしょうか?」

男「恐らくはそうだが……」


最も目を引くのは、その額に貼られた札だった
そこには『人柱』とだけ書いてある
時折奇妙な震えのような動きを起こすが、
壁から伸びた鎖に繋がれており、
その場から動くことはできないようだ

中華「生きてるの?これ」

氷魔「……死んでいないだけ……という方が適切かと……」

やる気「とにかく、この札を剥がせばよいのか?」

氷魔「……呪術的な要因で……彼女が生かされとすれば……その札を剥がすことによって……即死もありえます……」

ぶりっ子「というか絶対死にますよぉ!他に怪しい物体ないじゃないですかぁ!」

怪盗「いや、もしかしたら……この子が特殊な体質で死なない可能性もあるね」

狙撃少女「とにかく、滅多なことはしないほうがよさそうですね」

男「あぁ……だが、何もしない訳にはいかないな。なにか手立てを考えなければ」

中華「とりあえず、うまいことやれば助かる前提で考えようか」

氷魔「……そうですね……」


そうして、本格的な模索が始まった


やる気「明らかに外傷による衰弱ではないな……恐らく、回復魔法は効かないだろう」

ぶりっ子「長いことなにも食べてなさそうですし、食料を与えても消化できるか怪しいですね」

怪盗「うーん……いや……流石にダメかなぁ……」

狙撃少女「どうかしたんですか?」

怪盗「前に貰った、壊れたものをなんでも直すレンチがあるなって」

狙撃少女「あぁ……ダメそうな感じはしませんが使いたくもないような……」

男「どうしたものかな……」

中華「無力を痛感するなぁ」


それからしばらく一行は話し込み、
>>下1することに決めた

1.呪術的なことに詳しそうな人を探す
2.レンチを使ってみる
3.自由安価

男「倫理観はまるでないが……これで救えるのなら、俺は……!」


考え込んだ末に男は自分の回答を出した
バッグからレンチを取り出し、
少女に当てたのである


氷魔「……うまく行けば良いのですが……」

少女「……っ!……っ!」


すると、思った通り確かに反応があった
彼女の肉体______もっとも、肉なんて付いていないが______は、激しく痙攣し始める

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「……おい、本当に大丈夫なのか?」


明らかに只事ではないその様子を見て、
彼も不安を感じているようだ


ぶりっ子「とにかく、様子を見ましょう」

少女「ががが……」


下1コンマ……少女はどうなったか
1?10……死
11?50……機械化してバラバラのパーツになる
51?90……機械化し生命を維持する
91?100……無事生還

突如少女の肉体から金属製の物体が飛び出した


怪盗「うわっ!?」


全身のあらゆる場所から無差別に、
また様々な形状の機械的な部品が生えてきている


狙撃少女「もう後戻りできない感じがありますね……」

暫くすると、彼女の肉体は完全に機械で覆われてしまった
そのボディは人肌によく似ているが、
照明魔法の光を反射して光沢を示している


男「金属、なのか?」

中華「じゃない?こんなに柔軟な金属は見たことないけれど……」


静寂に包まれながら困惑していると、
機械の少女は目を開き、意識を取り戻した


機械少女「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

機械少女「…何も機械化しなくても、元々不老不死だから死なないのに…」

氷魔「……え……ごめんなさい……」

機械少女「詫びるつもりがあるのなら、早くこの忌々しい札を剥がして欲しいのだけれど」


彼女は頭を軽く揺さぶる
『人柱』の札がある限り、
機械の身でも動くことはできないようだ


やる気「それもそうだな」

やる気はその札を手に取り、勢いよく剥がした
すると______


やる気「あっつ!」


彼は反射の作用でそれを取り落とした
湯気が出ていたりはせず、
とても熱そうには見えない札だが、彼は熱がった


機械少女「……あら、幸運ね」

やる気「ん?」

機械少女「その札は剥がしたら剥がした相手に貼り付いて動きを封じるはずなのだけれど……」

やる気「よくそんなものを剥がさせようとしたな」

機械少女「別にいいじゃない。あなたたちはいっぱいいるもの。私を取り押さえてまた貼り付ければいいだけ」

ぶりっ子「いやあ、それは気が引けますね……私にでも貼っておくと思いますよ」

怪盗「それより……物騒なことの書かれた札で拘束されてましたが、一体どうしてなんですか?」

機械少女「あら、知らないの?>>下1よ」

機械少女「更に地下にいる魔神を抑えるためよ」

狙撃少女「へぇ、そうなんですね……えっ!?それまずくないですか!?」

機械少女「確かにそうね。でもいずれは解放されてると思うわよ、その魔神」

男「限界があるのか?」

機械少女「ここ最近、なんか急に興奮しだしてる感触があるのよ。それで私の体にまで衝撃が来るし」

中華「……もしかして、その魔神……すっごい昔からいる存在だったりする?」

機械少女「いえ……多分違うと思うわよ?」

男「じゃあ、異世界から召喚されたとか?」

機械少女「正解。……なんで、原生してた発想がないの?」


あらゆる会話に応じてくれるが、
常になんだか機嫌が悪そうだ


中華「いやあ、僕のせいで神代の魔物とやらが活性化してるみたいでさ。……ま、思い過ごしだったみたいだね」

男「いや、思い過ごしじゃないな」

中華「え?」

男「地母神サマによれば……神代の魔物は今、異世界にいるらしい」

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


氷魔「……推察するに……その魔神は神代の魔物……ということですね……」

やる気「それは困ったな……」

男「こればかりは俺たちが相手をする他ない」

ぶりっ子「明らかに異常事態ですしぃ……他の冒険者さんに相談とかしないんですかぁ?」

男「元々魔王やら救世主やらが魔物たちを絶対的な力で支配していたらしい。つまり、俺たちならば魔神を調伏することは可能だ」

機械少女「それならそれがいいわ。なぜに封印してるかと言えば……それは奴もまた不老不死の存在だからに他ならないからね」


突飛ともいえる彼の意見に、
機械少女は意外にも賛成した


怪盗「そんな化け物の相手しなきゃいけないんですか?……ま、やりますけど」

ぶりっ子「……それに、私にはあなたを解放する義務がありますからねぇ」

機械少女「義務?……まさか」

ぶりっ子「私はこの屋敷の主の娘……ですから!父の精算は私がしますよ!」

機械少女「>>下1」

機械少女「では契約をかわしましょうか」

ぶりっ子「けっ、けけ、契約!?」

機械少女「あら、驚きすぎよ。別に取って食おうとかそういうことじゃないわ」

ぶりっ子「それならいいんですけどぉ……」

狙撃少女「契約……一体、どのような契約なのでしょう?」

機械少女「実際やれば分かるわ」

本日はここまでです
ありがとうございました

彼女はそう言うと、右手を差し出した
その手のひらは真上を向いている


ぶりっ子「えっと……?」

機械少女「どうぞ重ねて」

ぶりっ子「分かりましたぁ」


ぶりっ子は恐る恐る右手を重ねる
その手は機械少女に対応するように、
真下を向いていた


機械少女「じゃ、行くわよ」


彼女はなにかの詠唱を始めた
声帯も機械化されている部分があるらしく、
どこか息が詰まっているような発音だった

男「……魔法っぽくないな」

中華「たまに使い手に出くわすけど、『法』だの『陣』だのそういうタイプの『術』じゃない?」

氷魔「……そうですね……恐らくそうだと思います……」


考察しているうちに、
契約の詠唱は終盤に差し掛かった


機械少女「…………拠ッ!」

ぶりっ子「!!」


そう叫ぶと、二人の重なった手の甲に、
なにやら奇妙な紋様が浮かび上がった


やる気「終わったようだな」

ぶりっ子「……で、契約って何ができるようになるんですか?」

機械少女「あの魔神を倒すに当たって役立つ、>>下1」

機械少女「風より速く動く術よ」

怪盗「すごいじゃないですか!」

ぶりっ子「……えいっ!」


ぶりっ子が右手を突き出して叫ぶと、
紋様が赤く光り、彼女は高速で動き出した


狙撃少女「おお!本当に速い!」


その速さは圧倒的で、
一瞬で檻の入り口から壁まで移動した

本日はここまでです
ありがとうございました

機械少女「風より早く動くことができれはば、かの魔神の速度を上回ることができるというわ」 

男「そんなに速いのか、その魔神は」

機械少女「ええ、よく知られているような化け物とは次元が違うわ」

中華「うーん……」

氷魔「……どうしました……?」

中華「そんな恐ろしい魔神、一体どうして呼び出したのかなって」

機械少女「>>下1」

機械少女「たった一人に向けられた大きすぎる復讐の情念によって呼び出された」

やる気「そんなことがあるのか」

機械少女「魔神とはその名の通り神であるから、特に波長が合った人間の心に語りかけてくることがあるの」

ぶりっ子「そうですよねぇ、そりゃ、悪い神もいますよねぇ……」


男によって、なんとなく神を味方だと考えていた一行だが、必ずしもそうでないことを再認識した

怪盗「しかし、一人だけで顕現なんてさせられるもんなんですかね?」

機械少女「できたもんはできたのよ。……それだけ、人の負の力にはエネルギーがあるってこと」

狙撃少女「恐ろしいですね……現代でも普通に起こりうる事象じゃないですか」

機械少女「そうだけど、滅多にあることじゃないわよ。流石にね」

男「………………」

中華「考え込んでるけど、大丈夫?」

男「……おっと、大丈夫だよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

・男
【筋力】124【HP】65【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値21/39……レベル30)

・中華
【筋力】130【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値31/37……レベル28)

・氷魔【筋力】156【HP】??+34【MP】171【素早さ】145【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値29/45……レベル36)

・やる気
【筋力】157【HP】55【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『殺る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値7/35……レベル26)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】99【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値35
/38……レベル29)

・怪盗
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値11/33……レベル24)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+2
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値21/38……レベル29)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体
【ギルドの資金】80371475

氷魔「……それで……地下の魔神の所へはどうやって行けばよいのでしょうか……」

機械少女「探せば階段が出てくるわ」

やる気「……それよりも、その魔神について対策を考えたほうがいいんじゃないか?」

ぶりっ子「私もそうした方がいいと思いますねぇ」

怪盗「とにかく情報が欲しいのはありますね」

狙撃少女「どこで情報を集めましょうか?」


>>下1……情報収集の主題
1.本部ギルドで調べる
2.図書館で文献を漁る
3.自由安価

一行は一旦図書館までやってきた


機械少女「……こんな建物あったかしら」

男「言われてみれば結構新しい建物だ。長く地下に幽閉されていれば知らないかもしれないな」

機械少女「図書館なんかに魔神の情報があるのかと疑っていたけれど、これなら期待できそうね」


そうして、伝承や歴史を扱うコーナーへと向かっていく
いつもは地下に降りていくが、
そうでないためにわずかな違和感すら覚えた

すみません寝落ちしました


中華「とはいえ……神代の歴史書なんてあるのかな」

氷魔「……ありますよ……ただ……元々混沌を極めた時代でしたから……考証が非常に難しいですね……」

やる気「情報が少なかったり、あるいは嘘が書かれていても判別できないってことっすね」

氷魔「……はい……」

ぶりっ子「それらしい本を片っ端から読んでローラー作戦するしかなさそうですねぇ」

怪盗「その魔神がなんと呼ばれていたのか分かれば楽そうですが、その魔神の通り名とか知ってます?」

機械少女「>>下1」

機械少女「紅い鬼神という通り名はあるけど、本当の鬼だったらどれだけ良かった事か」

狙撃少女「実際にはただの魔物じゃなかった訳ですからね……」

男「ともかく、それで調べよう」


一行は手分けして、一帯の本を漁り始めた


中華「目が滑る……」

氷魔「……旧い文体……そして……旧い文字が使われていますからね……」

男「……ああ、そうなんだ」

やる気「え?」

男「いや、なんでもないよ」


彼には『万能通訳』のスキルがあるので、
この世界で知られている言葉であるならば、
問題なくその意味を理解することができた


ぶりっ子「私には難しいですねぇ……」

怪盗「私もー……最近の言葉には敏感なんですけどねぇ」

本日はここまでです
ありがとうございました

狙撃少女「旧い文章の斜め読みは技術が要りますね」

男「……お、これかな」

中華「見つけた?」

男「ああ、多分これだね」


そこには、遥か神代の時代に『猛き者』が紅い鬼神を倒したとの記述があった
それが魔王なのか救世主なのかははっきりとしていない


氷魔「……なにか……手がかりはありましたか……」

男「どうやら、>>下1が弱点らしい」

男「まぶしく光るものが弱点らしい」

やる気「どのくらい有効なんすか?」

男「動きを鈍らせることぐらいはできそうだ。流石に魔神だ、それだけで倒すなんてことはできなさそうだな」

機械少女「そうね……でも用意するに越したことはないわ」

ぶりっ子「それなら、光魔法を駆使すればいけそうですねぇ」


戦術の方針も固まってきたようだ

機械少女「……はっ」


彼女は右手を前に突き出し、小さく息を吐く
すると、右手から真っ直ぐに光線が出た
読んで字のごとく、光の線である


怪盗「おや?」

機械少女「光なら出せるみたいね」

狙撃少女「機械の体ってすごいですね」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「まだ準備を整えることはできるが……」

機械少女「いずれ魔神は目覚めるけれど、本当に今すぐという訳ではないわ。結構猶予があるの」

中華「それなら急ぐ必要はないね」

氷魔「……しかし……魔神がいるとすっきりしませんからね……あまり後回しにするのもよくないと思います……」

やる気「そっすね、便利な言葉っすけど、柔軟に対応すべきっすね」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・夕方)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.魔神を倒しにいく
11.自由安価

怪盗「じゃ、占いでも行きません?」

機械少女「は?」

狙撃少女「いいですね」


思いつきに従って、一行は占いの館へ向かった
機械少女は終始困惑していた


機械少女「人のこと機械にしといて占いみたいなオカルトも信じるのね……」

男「本当に機械になるとは思ってなかったんだ。申し訳ない」

機械少女「別にいいわ。機械のほうが朽ちるのが早いもの」

中華「そういう問題なんだ……」

占い師「おや、また仲間を増やしたのですか?」

氷魔「……いえ……故あって同行しているのです……」

機械少女「あなたが占い師?確かに胡散臭い顔してるわ」

占い師「ややっ!失礼な女!」

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました
諸事情で金曜日は遅れがちになりそうです


やる気「といっても……機械少女さんも本来かなりオカルトの存在っすよね?」

機械少女「……言われてみればそうね」

占い師「な、なんなんですかあなたは……」

ぶりっ子「思考が機械に乗っ取られ始めてたり?」

機械少女「縁起でもないこと言わないで」

怪盗「でも、機械を崇拝する宗教なんてのもあるらしいですからね」

狙撃少女「その神がもたらした神器があのレンチだったのなら……という仮説ですね」

機械少女「くっ……」

男「いつか朽ちるんだろ?なら気にすることはないんじゃないか?」

機械少女「……そういうことにしておくわ」

中華「あ、そうだ。占いのことなんだけど」

占い師「えっ、ああ、はい。急に戻ってきましたね」

中華「今度強大な魔神を倒しに行くんだけど、それについて占ってほしい」

占い師「吉凶が出るかアドバイスが出るかは分かりませんが……分かりました」


そう言うと、占い師は剣を取り出した
そして、それを持つように促す


中華「これをどうすれば?」

占い師「この板を斬っていただきます。その模様から占います」

占い師はとても分厚い板を持ち出した
その重さに腕は震えている


中華「なるほど、任せて!」


彼は言われるがままに力いっぱい剣を振り下ろした
すると、荒々しい傷が付いた


占い師「ほほう」

氷魔「……結果は……いかがでしょうか……?」

占い師「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

占い師「憎しみや恨みをぶつけるな。純粋に一人の強者として迎え撃て。」

やる気「なるほど……」

ぶりっ子「私が苦手なことですねぇ」

怪盗「昔からよく言われてますけど、そういう化け物ほど純粋な力には従うそうですしね」

狙撃少女「かつて調伏されていますし、そういう経緯があったのかもしれませんね」

その言葉を受け止めて、一行は家路についた


男「しかし、紅い鬼神とやらはどんな悪事を犯したんだ?」

機械少女「闇の炎を放って従わない人間や街を燃やしていたと聞くわ」

中華「そんな力があるのか」

機械少女「あくまで伝承の世界だから、本当にそんなことをしていたかどうかは定かではないけれど」

氷魔「……結局……封印するだけのことはしたんですよね……?」

本日はここまでです
ありがとうございました

機械少女「ええ、かつては襲いかかってきたわ」

やる気「やはり……」

ぶりっ子「そういえば、もしかして……封印を施したのは私の父なのですか?」

機械少女「知りたいの?」


そう彼女は聞き返した
どういう意図をもってそう聞くのかはわからないが、


ぶりっ子「……はい」


ぶりっ子は臆することはなかった


機械少女「>>下1」

機械少女「…貴女のご先祖さまの時代の話だから関係は無いわ」

ぶりっ子「あっ、そうなんですねぇ。ちょっと気が楽になりましたぁ」

怪盗「本当にすごい永い時を生きてるんですね」

機械少女「そうね、いまいち記憶の残っていない時代とか、これまでみたいに封印の媒介をしていたようなこともあったけれど」

狙撃少女「壮絶ですね……おかしくならないんですか?」

機械少女「意外と大丈夫なものよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうして一行はギルドハウスへと帰ってきた
もう夜なので、魔神との戦いは明朝となった


男「覚悟決めなきゃな……」

中華「ま、これまでどうにかなったんだかし今回も大丈夫さ」

氷魔「……そうだと……いいですね……」


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の手伝い
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.リビングにいる機械少女に話しかける
11.自由安価

機械少女「はぁ……」


彼女は足を組んでソファに横になっている
そして虚空を見つめなにかを考えているようだ


男「どうかしました?」

機械少女「いや、なんでもないわ」

男「部屋いります?」

機械少女「別に必要ないわ。この体じゃどこでも疲れないみたいだし」

男「どのくらい昔から存在してるんだ?」

機械少女「……そうね、5000年は前かしら」

男「ごっ……」


彼が元いた世界なら紀元前だ
もし地球で最も救世主が不死のものだったとしても、遠く及ばない年数だ


機械少女「多分ね」

男「どうして朽ちることがないんだ?」

本日はここまでです
ありがとうございました

機械少女「一族にかけられた呪いのようなものよ」

男「……一族に?」

機械少女「私の母は不死の存在。そのまた親も、そのまた親もね」

男「そうなのか」

機械少女「不死は孤独を運命付けるわ。家族はいても、その希少性から狙われ、離散を余儀なくされる」

男「慰めてやりたいが……俺に君の痛みを完全に理解することはできないだろうな」

機械少女「そうね。気持ちだけ受け取っておくわ」

男「すまないな」

機械少女「……結局、不幸になるのだけど……みな永い時の中で『愛』だのなんだのと絆されて、次世代の苦しみを産み落とすの」

男「……君は違うみたいだな」

機械少女「ええ、犠牲は少ないほど良いわ」

男「しかし血族で呪われるなんて、君の祖先……その呪いのルーツは一体?」

機械少女「>>下1」

機械少女「神殺しよ」

男「人の身で神に打ち勝ったのか!?」

機械少女「どうやらそうらしいわ」

男「驚いたな……だが、それと同時に納得もいった」

機械少女「……ふふ」


彼女は男を見て不敵に笑った
なぜ彼女の挙動が読めないのかといえば、
それはその長い人生からきているのかもしれない


男「なんだ?」

機械少女「あなた……実は興味あるんじゃなくて?」

男「興味……」

機械少女「殺せるならば神をも殺したいと、そう思っているのでしょう?」

男「いっ、いや!別に殺したい訳じゃないさ!」

機械少女「あら、そうなの?」

男「手段として使えるならありがたいってだけかな」

機械少女「本当にさっきまで神殺しだの不老不死だので驚いてた人間の発言かしら?神殺しは終着点であって、手段としか捉えてない人間は始めて見たわ」

本日はここまでです
ありがとうございました

そんなことを話しているうちに、
中華が夕食を運んでくる
どうやら、もう夕食の時間らしい


酪農少年「うわっ」

機械少女「……なに、あなた」

中華「もう、機械少女さん?子供を威圧しちゃダメじゃないか」


異様な存在に驚きを隠せない彼を、
機械少女は憂いのこもった視線で睨んだ

食事の中で、一行は今日あったことを話した


酪農少年「へぇ、そんなことが……」

機械少女「元から食事はいらない体なのだけれど、ついに物を経口摂取する方法まで失ってしまったわ」

氷魔「……残念ですね……」

やる気「そうなんすか?じゃ俺っちが全部食うっすよ」

中華「……そうか、みんな機械だったら料理人はいなくなってしまうのか」

ぶりっ子「えっ」

機械少女「ありうる話ね。どこまで機械化するかによるけれど、ヒトがみな完全な機械になってしまえば……」

中華「じゃあロボットが美味しいと思うものを考えよう」

機械少女「……あなた、ぶっ飛んでるわね」

中華「料理人とはそういうものじゃないの?」

怪盗「とんでもなく前向きですね……」

本日はここまでです
ありがとうございました

機械少女「なんでしょうね、オイルでも摂取すればいいのかしら?」

狙撃少女「ステレオタイプなロボットですね」

中華「オイルか……」


彼は自分の分を食べ終えると、
厨房になにかを取りにいった


男「まさか……」

中華「持ってきたよ」


推測通り、彼はオリーブオイルを持ってきた
黄金色に輝くお馴染みの液体だ


氷魔「……それを……どうされるのですか……?」

中華「ちょっと飲んでみてよ」

機械少女「は、はぁ!?私だって元々は人間よ!?嫌に決まってるでしょ!?」

中華「そこをなんとか……」

機械少女「……ちっ、分かったわよ」


そう言うと彼女はオリーブオイルを近くの器に注ぎ、
勢いよく飲み干した


中華「どうかな?」

機械少女「>>下1」

機械少女「効率は悪いけど足しにはなるわね」


彼女はため息をつきながら、
というより排熱をしながらそう言った


やる気「やっぱり天然由来はだめっすか?」

機械少女「そうかもしれないわね」

中華「料理人にも重科学工業の知識が求められる時代がやってくるかも?」

本日はここまでです
ありがとうございました

そんなことを話しながら食事を終えた


機械少女「あ、そうそう」

ぶりっ子「はいぃ?」

機械少女「もし魔神と戦ってあなたたちが生きていたら……私のことは口外しないでね」

怪盗「ま、不老不死ですしね」

機械少女「それだけじゃないわ。機械の体で不老不死というのは、無限のエネルギーを意味しているのよ」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……何しよう?
1.中華の料理の後片付け
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.リビングにいる機械少女に話しかける
11.自由安価

男「こんなもんでいいか?」


男は重ねた皿を台所に並べてそう言った
中華は頷いてそれを洗い始める


中華「………………」

男「悩みか?」

中華「そうかも」

男「……言ってくれるか?」

中華「あのさ」

男「おう」

中華「ロボットが一番美味いと思う油ってなにかな?」

男「……あ、そのこと?」


彼は間の抜けた返事を返すばかりだった


中華「それ以外なんかあった?」

男「いや、ないわ。……ないからこそ不安だったわ。……で、油か」

中華「やっぱり、科学的に精製された奴がいいのかな?」

男「うーん……本命はそこだよな」

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「問屋さんで扱ってるかなぁ」

男「あんまり科学的なものは扱ってなさそうだよな」

中華「そうだね?」


そんな話をしながら、皿洗いはあっさりと終えた


男「……あ、蝦蟇の油は?ありそうじゃない?」
 
中華「>>下1」

中華「結構固形だけど、試してみる価値はありそう!」

男「むしろ、固形なら有機的な肉体を持っていたころの食事に近いし、いいんじゃないか?」

中華「でも彼女喜ぶかな?」

男「うーん……試してみないと分からないけど、オリーブオイル飲ませるようはいいんじゃないかな」

中華「そう?じゃあ準備しとくね」

男「あ、持ち合わせあるんだ……」

それから彼は後片付けを終え、
自室へと帰って眠りについた


?翌日・陰週月曜日?


氷魔「……みなさん……揃ったようですね……」

やる気「そっすね、じゃあ早速行くっすよ」


一行は準備を終え、魔神との戦いのため、
屋敷の地下へと降りていく

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「階段はどこですかぁ?」

機械少女「ここよ」


彼女が床に触れると、
そこに奇妙な紋様が浮かび上がり、
開いて中から階段が現れた


怪盗「おお、ロマンありますね!」

機械少女「……そうね」


一行は石造りの湿った階段を下っていく
吸い込まれるような暗闇が続いていく


>>下1……魔神の間の様子

狙撃少女「……あれ?」


そこは石造りの石室のような間だったが、
とにかくなにもなかった
構造物はおろか、魔神すらいない


男「なぜだ?」

中華「封印されていたはずでは……?」

氷魔「……封印が解けた隙に……逃げ出したのでしょうか……?」

機械少女「そんなに活動的な存在ではなかったように思えるのだけれど……」

やる気「そもそも、そんな化物が逃げ出したならうちも街も大惨事になってるんじゃないすか?」

機械少女「そのはずね」

ぶりっ子「……ということは?」

怪盗「……ということは?」


そう言って二人は狙撃少女の顔を覗き込む


狙撃少女「こっち見ないで下さい!別に分かりませんからね!」

男「恐らく、さっき隠されていた階段があったように、どこかに更に深くへと続く道があるのでは?」

本日はここまでです
ありがとうございました

中華「なるほど……でもどこに?」

機械少女「さらに地下以外ないわね。横方向への移動は封印で縛っているはずよ」

氷魔「……では……やはりこれでしょうね……」


彼女はドアノブ型生命体を取り出し、地面に装着した


やる気「開けるか」


彼はドアノブを回し、さらなる地下への扉を開いた

そこに見えたのは、大きな螺旋階段だった
奥は仄かに紅く輝いており、
なにかがそこにあると分かる


機械少女「……まず、なによそのアイテム」

ぶりっ子「この世の常識の通じない世界からの贈り物ですよぉ」

怪盗「よっと」


一行は階段に着地し、ただただ降りていくことにした
だんだんと紅の光が近付いてくる


>>下1……しばらく降りて中腹でなにかを発見したか(したならその内容も)

氷魔「……あ……暑すぎます……」


少し蒸し暑い程度だが、彼女にはかなり苦しいようだ
しかし、降りれば降りるほど暑くなっているのは間違いない


狙撃少女「ん、なんか落ちてますね」


彼女は目敏く下の階段に落ちているものを発見した


男「なんだ?」

狙撃少女「…………人骨、ですね」

その人骨は一つではなかった
複数人分の人骨があり、
犠牲者が多く出たことが分かる


中華「なんだって人骨が落ちてるんだい?」

氷魔「……ここに侵入してきた人間が……他にもいたということですね……」

やる気「この螺旋階段も、どこからか正規の方法で侵入可能なの知れんな」

ぶりっ子「なおさら、犠牲者が増えないように魔神を倒さないと……」

本日はここまでです
ありがとうございました

それからさらに下っていくと、
急に周りが開けて広大な空間に出た
そこは赤砂が敷き詰められた砂漠のような空間で、
付近に巨大な火球がまるで太陽のように浮いていた


怪盗「禍々しいですね……」

機械少女「アレが魔神よ。気をつけなさい」

紅い鬼神「……よくぞ我が居城を探り当てたな」

狙撃少女「居城?封印されていただけの癖に偉そうですね」

紅い鬼神「ほう、そのことを知っていたか……」

男「だが、封印とはいずれ破られるものだ」

紅い鬼神「いかにも」

中華「だから、僕たちがお前を倒す!」

紅い鬼神「救世主……魔王か……面白い!では、真の姿でお相手しよう……」


すると、突如火球は弾けとぶ
その爆心、煙の中から紅い鬼神は真の姿を表した


>>下1……どんな姿だった?

現れたのはまさしく騎士だった
その体躯は3メートルにも及び、
鎧の下は無駄のない筋肉で覆われていることが分かる


氷魔「……ただでさえ暑いのに……暑苦しいマッチョが出てきましたよ……」

紅い鬼神「はっはっは!そう言うな……炭にしてやるぞ?」

やる気「所詮は蛮族か。私が吹き消してやる」

紅い鬼神「よかろう!魔の支配者たる二つの資格持ちし者よ!力を見せてもらおうか!」

本日はここまでです
ありがとうございました

鬼神は鉄板のような剣を振り上げ、
右足を前に出して両手で構えた

戦闘開始!


怪盗の【素早さ】355+ぶりっ子の疾風補正200
紅い鬼神の【素早さ】250


ぶりっ子「さぁ、ぶっ飛ばしますよぉ!」

機械少女「まずは光の照射から!」


彼女はそう言うと右手から拡散する光線を出した
ただしこれはただの光である

紅い鬼神「ぬぅ!?なんだその光は……!」

機械少女「テクノロジーの力よ。あなたが封じられている内に生まれたの」

紅い鬼神「魔法ではないのか!面妖な……!」


言い伝え通り、彼はその光に苦しんでいる
が、その覇気は衰えておらず、
未だに油断ならない存在であることを伝えてくる


怪盗「これでどうにか相手できそうですね」

本日はここまでです
ありがとうございました

紅い鬼神「だがッ!これしきで屈する我ではないぞ!」


そう言って再び剣を構える


男「一斉攻撃だ!」

狙撃少女「援護します!」

中華「全員でかかれば!」

やる気「きっと倒せるだろう!」

ぶりっ子「や、やりますよぉ!」

怪盗「流石にアレは盗めないのでぶん殴りますかね……」

下1コンマ下一桁×24.5……連携攻撃のダメージ

122ダメージ!
しかし、厚い鎧によってある程度弾かれてしまった


紅い鬼神「手数で攻めるか……」


幅広すぎる剣を盾のように構え、
一応防御の姿勢こそ取ったが、
射撃で動きを固められた上で機動力に優れる剣などを持った面々が守りを抉じ開ける


中華「よっしゃああああ!!!」

やる気「吹っ飛べえぇぇェッ!!」

対称に位置取った二つの槍が、
力強く鐵の鎧を抉り奥へと押し込む


紅い鬼神「ぬぅぅ……!!!」


その威力を受け8メートル程踏ん張りながら後退する
しかしその目は依然として一行を睨み付け、
心を塗り潰すような闘志が灯っていた


男「流石に一撃じゃ倒れてくれないか」

紅い鬼神「当然だ!」

すみません寝落ちしました


彼が力強く唸ると、その鎧は赤熱し、
そして穴の開けられた部分が再生した


氷魔「……さて……」

紅い鬼神「ほう、魔法か?」

氷魔(構わず氷魔法でもよいのですが、恐らくこの暑さと相手の体質的には……)

ぶりっ子「うん?」

氷魔「……超上級水魔法……!」


>>下1コンマ+5……魔法の威力

14ダメージ!


彼女が発した水の奔流は、
真っ直ぐその鬼神を穿たんと進み、
そして見事直撃した


紅い鬼神「確かに、私は水が苦手だな……」

怪盗「あれ?」


しかし、紅い鬼神はほぼ苦しむ様子もなく立っていた


紅い鬼神「だが、ここは砂のフィールド……水は無駄なくコントロールできなければ周囲に吸われてしまうぞ」

氷魔「……くっ……」


氷属性であれば、彼女はコントロールすることができただろう
しかし、炎の力を持つ鬼神には効果が薄い


紅い鬼神「卑怯とは言うまい?貴様らも、複数人なのだからな」

狙撃少女「意外と頭のほうも悪くないみたいですね」

本日はここまでです
ありがとうございました

紅い鬼神「さて、反撃させてもらおうか……」


彼は攻撃を受けて地面に刺していた剣を抜き、
そのまま流れるように前進する
その巨躯に見合わぬスピードに面食らう


中華「おっと」

紅い鬼神「救世の主にして魔の王よ!」


彼は中華に向かって勢いよく剣を振り抜いた


>>下1コンマ÷2……攻撃のダメージ

ミレニアムアーマーがダメージをカット!
7ダメージ!


男「大丈夫か!?」

中華「ああ、だって……」

紅い鬼神「全力ではないからな!」

氷魔「……既に……すごい音がしましたが……より強くなるのですね……」

中華「大丈夫、まだ受けられる」

ぶりっ子「そうは言っても、無理されても困りますぅ」


彼女はおもむろに詠唱し、中華に回復魔法をかけた


中華「ありがとう」

ぶりっ子「ども」

やる気「よし!ではもう一発、でかいのを入れるとするか!」

怪盗「そうですね!」


既に魔法を詠唱したぶりっ子と、
氷魔以外の一行はまたも紅い鬼神へ攻撃を仕掛ける


下1コンマ下一桁×21.5……連携攻撃のダメージ

105ダメージ!
しかし、厚い鎧によってある程度弾かれてしまった


先ほどと同じ二本の槍による一撃を食らわせたが、
まだ紅い鬼神は立っていた


紅い鬼神「なかなか効く……長期戦はすべきではないかもな」

狙撃少女「いくらなんでもタフすぎませんか?」

紅い鬼神「これでも永く封じられて体力が落ちているのだがな」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……ふぅ……」

紅い鬼神「まだやるのか?」

氷魔「……今度はきちんと当てます……!」

紅い鬼神「よかろう」


そう言うと、彼は構えた
右足を前に出して腕を横に広げている
そのポーズにいかなる意味があるのかは分からない


>>下1コンマ+5……魔法の威力

103ダメージ!


氷魔「超……ッ!……上級……水……!!……魔法……ッ!!!」


彼女が一言詠唱する度に、
大気の魔力が次々に水へと変化する
それは名工の造った槍のように研ぎ澄まされ、
合図で紅い鬼神へと突撃する


紅い鬼神「ウオォォォォッ!!」


ありったけの炎で対抗するが、広範囲に広がる炎と、
コントロールされ凝縮された水では相性が悪く、
即座に押しきられその肉体は穿たれた

男「うわっ、すげぇ……」


ただ感嘆の声を上げることしかできないほど、
その光景は壮大で、まるで神話の一説のようだった


中華「さっきとは量も大違いだね」


直撃し弾け飛んだ水は一部天高く打ち上げられ、
夕立のように空から降り注ぐ


紅い鬼神「……面白くなってきたっ!」

本日はここまでです
ありがとうございました

明らかに先ほどよりもダメージを受けている
鎧どころかその腹部までもを抉られていたが、
やはり鎧のように炎を纏って再生した


やる気「まさか不死身か?」

紅い鬼神「そうだな。だが、それは種火になってからのことだぜ」

ぶりっ子「はいぃ?」

紅い鬼神「何発も何発も殴られりゃ、炎も段々収まってくるのさ。で、種火にまで戻っちまう」

怪盗「でも、そこが下限であって死ぬことはないと」

紅い鬼神「そうそう。人間の分類としちゃ俺は魔物だが、俺は『そういう生き物』であって魔物じゃないと自認してるぜ」

狙撃少女「最近、不死身の者にはよく会いますね……」

機械少女「そんなバケモノと一緒にしないでくれる!?」

狙撃少女「失礼しました」


光を照射しながら声を荒らげる彼女に、
余裕ありげに彼女は謝罪した

紅い鬼神「さて、今度は強く反撃させてもらうぞ」

男「……!」


彼の姿が陽炎に揺らめいたかと思えば、
それは本当に炎と化したその身が揺らいでいたのだ


紅い鬼神「ポジトロン・レイ!」


彼がそう叫ぶと、彼の全身は弾け、
炎と光の熱線となって縦横無尽に掃射される
その範囲は圧倒的で、後衛で安全と思われていた狙撃少女までもが巻き込まれた


下1コンマ÷3……攻撃のダメージ(物理防御貫通)

本日はここまでです
ありがとうございました

全体に12ダメージ!


中華「熱っ!!」

氷魔「……なんて拡散力……」

やる気「ここが市街地だったら確実に火の海だ」


彼らは焼かれながらその威力を考察する
確実にダメージは入っているが、
それは致命的なものではなかった


紅い鬼神「ち……悪手だったか」

ぶりっ子「え?」

紅い鬼神「なに、俺が愚かだっただけのことよ」

怪盗「拡散するとどうしても威力・熱量が減衰してしまうからですか?」

紅い鬼神「それだけなら問題ないがな……空間が湿気てやがるぜ」

狙撃少女「なるほど、先ほどの水魔法ですか」

紅い鬼神「……では、守りも本気でいかせてもらおうか」

男「なんだと?」


そう宣言すると、紅い鬼神の鎧は真っ黒に変化した
それは、深淵のように深い闇の色だった


中華「そうか、闇の炎……」

紅い鬼神「なんだ、知っていたのか?いかにも、これが闇の炎……の鎧だ」

氷魔「……随分不安定に見えますが……」

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


その闇は蠢いていた
それにより、面積にムラが生まれているのだ


紅い鬼神「基本、守りに使うものではないからな」

やる気「むしろ、守りとは光の領分であるはずだな」

紅い鬼神「……魔王なら、そのくらいできて欲しいが……」

やる気「善処する」

ぶりっ子「こいつぶっ倒してやり方教えてもらえばいいんですよぉ」

やる気「いいアイデアだ」


彼は強く槍を握りしめた
その目は真っ直ぐ紅い鬼神を見つめている


怪盗「まずは回復しません?」

やる気「俺だけ回復させろ。奴に張り付いてみんなをかばう」

ぶりっ子「分かりました、回復魔法!」

やる気「よし、では行くぞ!」

狙撃少女「次こそ倒します!」

男「闇だかなんだか知らないが関係ない!」


一行は紅い鬼神へと突撃する


紅い鬼神「さぁ、来るがいい!」


下1コンマ下一桁×21.5……連携攻撃のダメージ

172ダメージ!
闇の炎が威力を一部吸収!


紅い鬼神「なかなか効く……」


闇があってもやることは変わらず、
その腹を思いきり槍で貫いた
しかし、その感触は不気味で、
刺した二人は思わず鳥肌が立った


中華「な、なに今の?闇?」

氷魔「……弾力があるのでしょうか……?」

本日はここまでです
ありがとうございました

紅い鬼神「あらゆるものを呑み込む闇……防御に転用できれば強力だ」

やる気「まだ立つか」


二人は睨み合う
どちらの目にも生気が満ちている


紅い鬼神「三日三晩暴れられるだけの体力はなければな」

氷魔「……そろそろ……頭を冷やして下さい……!」


彼女はまたも超上級水魔法の構えを見せる


>>下1コンマ÷1.5+5……魔法の威力

31ダメージ!


紅い鬼神「ふぅ……」


水を勢いよく浴びせられたが、
前ほど苦しんではいないようだ
やる気が張り付いているのでうまく当てられなかったのもあるが、
それにしては威力が下がりすぎている


ぶりっ子「あれ?」

氷魔「……闇……ですか……」

紅い鬼神「そうだ。闇の力を纏うことによって、炎のみの力を宿した状態よりダメージを減らしている」

怪盗「……よくよく考えたらめちゃくちゃですね。一つの属性に絞っても纏って防壁になんかできませんよ」

氷魔「……そうですね……できるなら私も氷のバリアを出してます……」

狙撃少女「しかも、守りやコントロールに向かない闇ですしね」

紅い鬼神「とはいえ横着だな。攻撃で使うからついでに守りで使ってるだけだ」


そう言うと彼に纏われていた闇は、
そのままその肉体を伝って左手に集まり、
一つの剣を形成した

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「食い止める!」


そしてやはり彼は立ちはだかる
深淵を煮詰めたような闇も恐れてはいない


紅い鬼神「む……広範囲を攻撃するしかないか?」

やる気「くっ……」

男「無理はするな!」

紅い鬼神「ふ……冗談だ。先ほどの攻撃は、どうしても対複数ができないから生み出した技でな」

やる気「それなら……」

ぶりっ子「タイマン全振りの癖に封印するしか手のなかったバケモンってことですけど、大丈夫ですかぁ?」

やる気「俺も一番得意なのはタイマンだ!やってやる!」

中華「頼もしいね」

紅い鬼神「よかろう!ではこの刃、その身で受けてみよ!」


彼はその刃を研ぎ澄まし、
抉るように魔王に向けて振り払った


>>下1コンマ×2……攻撃のダメージ

2ダメージ!


やる気「……あぁ?」

紅い鬼神「……んん?」


その刃はほとんどその身を傷付けることなく、
するりと抜けていった


氷魔「……なんで……無事なんですか……?」

やる気「分からん……何故だ……?」

怪盗「実は綺麗に切れすぎて真っ二つになってるのに気付いてないだけとか」

やる気「あぁ、違うな」


彼はその場で二、三度ジャンプして確かめる


狙撃少女「なんででしょうね?」

紅い鬼神「あぁ、分かったぞ」

やる気「なんだ?」

紅い鬼神「>>下1コンマ」


1?25……俺がダメージを受けすぎて威力が出ないだけだ
26?75……魔王の力に適合したことで闇への耐性を得たのだ
76?100……既に闇と調和し身に纏うことができるからだ

本日はここまでです
ありがとうございました

紅い鬼神「魔王の力に適合したことで闇への耐性を得たのだ」

男「なるほど?」

やる気「ほう……随分時間がかかったんだな」

紅い鬼神「大切なのは自覚と窮地だ。例え資格があっても、太平の世では生かしきれないようなものだ」

中華「耐性というには随分豪華だね?ほぼ無効化じゃない?」

やる気「そうだな」

氷魔「……どうやら……あなたの命運もここまでのようですね……」

紅い鬼神「ふん!俺は不滅だ!」

ぶりっ子「よし、もう一度総攻撃ですよぉ!」

怪盗「いい加減倒れて下さいっ!」


一行はまたも飛びかかり、
紅い鬼神を今度こそ倒そうと試みる


下1コンマ下一桁×24.5……連携攻撃のダメージ

本日はここまでです
ありがとうございました

49ダメージ!
闇の炎が威力を一部吸収!


紅い鬼神「……くっ」


闇に阻まれてうまく攻撃を当てられなかったが、
彼はそれを受けて苦しみだした


狙撃少女「うん?どうしたんでしょうか」

紅い鬼神「あー……降参でいいか?」

男「どうしたんだ、急に?」

紅い鬼神「この姿を保っていられなくなりそうだ」

中華「ああ、種火に戻るだのなんだのと言っていたね」

紅い鬼神「そう、それだ……!」


彼がそう言い終わるとともに、
その全身が光に包まれ、爆発した


氷魔「……あれ……死にましたか……?」

紅い鬼神「いやいや、まさか」


爆煙の中から、種火になったとおぼしき紅い鬼神が姿を表した


>>下1……どんな姿をしていたか

やる気「……そういう感じ?」

紅い鬼神「なんだ?……おかしな所でもあるか?」


そこには、黒髪赤メッシュの少年がいた
先ほどまでの豪胆な戦法と、その喋り方からは想像もできないほどの童顔であった


ぶりっ子「わぁ、かわいいですねぇ!」

紅い鬼神「なんだと小娘……この姿でも火葬くらいはできるのだぞ?」

怪盗「……うーん、いくら凄まれても怖くないですね」

戦闘が終わったので一人ずつレベルアップさせていきます

男と中華はそれぞれ1レベルアップです

>>下1コンマ……男の成長
>>下2コンマ……中華料理人の成長

?男の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+3
41?60でMP+3
61?80で素早さ+3
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?中華料理人の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+3
41?60でMP+2
61?80で素早さ+4
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

本日はここまでです
ありがとうございました

とりあえずレベルアップ判定をしておきます


氷魔が2レベルアップ!


>>下1、2コンマ……氷魔の成長

?氷魔の成長テーブル?
01?20で筋力+2
21?40でHP+2
41?60でMP+6
61?80で素早さ+2
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

氷魔が一回リロールします
そのため、ついでにぶりっ子のレベルアップ処理もしておきます


>>下1コンマ……氷魔の成長
>>下2コンマ……ぶりっ子の成長

?氷魔の成長テーブル?
01?40で全能力+6
41?60で習得『MP自動回復(小)』
61?80で『極氷の魔女』
81?90で以上の全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?ぶりっ子の成長テーブル?
01?20で筋力+3
21?40でHP+2
41?60でMP+4
61?80で素早さ+3
81?90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

機械少女「終わったのね」

紅い鬼神「眩しい女か」

機械少女「………………そうね」


彼女はため息をつきながら、目を逸らしてそう呟く


紅い鬼神「やけに含みを持たせるな?」

機械少女「私はあなたに会ったことがあるけれど、この姿じゃ分かるわけないわよね」

紅い鬼神「それはそうだろう。……人間の癖に長命だな」

本日はここまでです
ありがとうございました

長い戦闘するとどうしてもレベルアップ処理が長いですね……
やる気と怪盗がレベルアップしました

>>下1コンマ……やる気の成長
>>下2コンマ……怪盗の成長

?やる気青年の成長テーブル?
01?20で筋力+2
21?40でHP+2
41?60でMP+3
61?80で素早さ+3
81?90で全能力+3
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

?怪盗の成長テーブル?
01?20で筋力+1
21?40でHP+1
41?60でMP+3
61?80で素早さ+5
81?90で全能力+3
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

全員分の処理が終わってからステータスを貼ります


機械少女「私も不死の存在よ」

紅い鬼神「じゃあ、俺とお前の違いは体が何でできているかだけだな」

機械少女「……何が言いたいのかしら」

紅い鬼神「別になんでもない。自分が自分を人間だと思うなら、それでいいんだ」


そう言われると、彼女は難しい顔をした
……ような気がすると周りは思った


狙撃少女「なんか、複雑ですね」

紅い鬼神「それより俺は友達に会いたいな」

機械少女「ダメに決まってるでしょう。なにしでかすか分かったもんじゃないわ」

紅い鬼神「いやいや、所詮種火よ?そこいらの炎専門の魔法使いと同レベルだって」

機械少女「……それに、あなたの友達なんてろくでもない化物に決まっているでしょう」

紅い鬼神「それは聞き捨てならんな。あいつは素晴らしい奴だぞ」


彼はそういうと子供らしくあまり長くない腕を、
大きくその体の両サイドに広げた


男「……誰だ?」

紅い鬼神「フェニックス!!」

本日はここまでです
ありがとうございました

これでラストの成長です


狙撃少女がレベルアップしました!

>>下1コンマ……狙撃少女の成長


?狙撃少女の成長テーブル?
01?20で筋力+4
21?40でHP+2
41?60でMP+4
61?80で素早さ+2
81?90で全能力+3

・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値10/40……レベル31)

・中華
【筋力】133【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値22/38……レベル29)

・氷魔【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値12/47……レベル38)

・やる気
【筋力】157【HP】57【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『殺る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値0/36……レベル27)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値30/39……レベル30)

・怪盗
【HP】??+1
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値6/34……レベル25)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+4
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値11/39……レベル30)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体
【ギルドの資金】80371475

彼は不死鳥の名を叫んだ
まるで子供が好きなキャラやヒーローを呼ぶときのように澄んでいてうるさい


中華「……フェニックス、だって?」

紅い鬼神「そうだよ。なんだ知らないのか?」

氷魔「……いえ……しかし……フェニックスの骨をいただくのは……私たちのかねてよりの大目標なのです……」

紅い鬼神「あいつの骨を?……まぁ抜かれても再生するしいいけど」

機械少女「いや……勝手に許可出したらだめでしょう?」

紅い鬼神「それもそうだな」

機械少女「しかし、なぜフェニックスと友達に?」

紅い鬼神「なぜって……難しいな。似たようなものだろう。炎を纏ってて、不滅!姿形は違えど、兄弟のようなものさ」

やる気「言われてみればその通りかもな」

機械少女「……だけど、あなたが残忍な鬼神なのはよく知っているわ」

本日はここまでです
ありがとうございました

紅い鬼神「襲いかかってくるなら燃やすしかないだろう?」

機械少女「………………」

紅い鬼神「魔物と呼ばれたからには自由を捨てて生きるほかないというのか?」

ぶりっ子「確かに……」

紅い鬼神「魔王の資格を持ちし二人よ、覚えておけ。魔王の仕事は魔物を守ることだ」

機械少女「そのために人類と仇なせというの?」

紅い鬼神「俺も仇なしたくて仇なしてるのではないということだな。だが、俺にできることは最早ない……あるのは争いだけだ。だからこそ、まっさらな新たな魔王が必要なのだ」

機械少女「……もういいわ。行きたければどこへなりとも行きなさい」

怪盗「え!?いいんですか!?」

機械少女「私だって別にやりたくてこいつを封印してた訳じゃないのよ。私以外適任がいなかっただけ」

紅い鬼神「よし、ならぼちぼち行くか……」


彼は小さな体を鳴らして準備運動のようにしている


狙撃少女「あの、フェニックスってどこにいるんですか?」

紅い鬼神「>>下1」

紅い鬼神「原初の火山と呼ばれる山の火口に」

男「原初の……火山?」

紅い鬼神「ああ。生命は陸海空全てから生まれた。そして、陸の生命の根元は原初の火山だ」

中華「へぇー……面白いね」

紅い鬼神「とはいえ、普通の人間や魔物が行く所じゃない。生命の力そのものに満ちた恐ろしい魔物や動物が息づいているからな」

機械少女「あなたほどじゃないと思うけれど」

紅い鬼神「……やけに当たりが強いな」

機械少女「これは誉めてるわ」

紅い鬼神「え?そう?ありがとう」

本日はここまでです
ありがとうございました

二人の間には独特な空気が漂っている


氷魔「……それで……その火山はどこに……?」

紅い鬼神「目標ならそのくらい調べるといい。……正直、俺もよく覚えていないが」

やる気「辿り着けるのか?」

紅い鬼神「帰巣本能に任せればいずれ着く。それではな」


彼はそう言うと、ひたすら上に飛んでいった
まるで炸裂前の花火のようだった
彼が去ったことで、地下の砂漠には暗闇が訪れた

ぶりっ子「……帰りますか」


もはや熱もその場から失われ、
冷え込んだ夜の砂漠のごとき気温であった


機械少女「そうね。もう長居する用事もないし」


一行は長い螺旋階段を折り返し、ただただ登っていく


怪盗「そういえば、行くあてはあるんですか?」

機械少女「放っておけば治るとは思うけど……機械神の呪いの解き方を調べるわ」

狙撃少女「機械神についてなにか知っているんですか?」

機械少女「勢力を伸ばしたのはかなり最近の神だけど……昔からいたこともいたわ。あいつは>>下1」

機械少女「悪平等という言葉を神にしたような存在だわ」

男「随分はっきり言うな」

機械少女「あいつは長いこと弱小の神だったから、地位も悪く、他の神にいびられてたりしたわ」

中華「……あれ、可哀想なんじゃない?」


急に同情できそうなことを言い始めたので、
その落差にみな困惑した


機械少女「だから、あいつはみんなが平等になればいいって考えなのよ。怨みが消えてないせいで、その性質は狂暴……自分の思う平等で困る者や適合できない者は容赦なく殺すわ」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……恐ろしい神ですね……」

機械少女「そうよ。だから私がこの姿から戻ろうとしてるなんて知れたらなにされるか分かったもんじゃないわ」

ぶりっ子「随分詳しいんですねぇ。過去になにかあったんですか?」


そうわざとらしく彼女が問うと、
機械少女は少し沈黙した


機械少女「……まぁ、色々よ色々。詳しい話はしたくないわ」

そうこうしている内に、
一行はギルドハウスへと帰ってきた


やる気「もう夕方っすねー」

機械少女「動くなら夜のほうが都合がいいわ。私はもう出発するわね」


彼女はそう言ってどこかへと去っていった
ただ彼女が無事元の姿に戻れることを祈るばかりだった


怪盗「どうします?今日は……」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・夕方)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.原初の火山の所在を調べる(どこで調べるかも)
11.自由安価

男「原初の火山って由緒正しい場所っぽいし、神様に聞いてみようか」

狙撃少女「では、教団の施設に行きましょうか」

男「そうだな……ああいや、一応聞いてみるか……少女神?」


彼がそう呼びかけると、
己の内側から返事が聞こえてくる


少女神「……なに?」

男「……なんか、不機嫌そうだな……」

すみません寝落ちしました


少女神「その『どうせ知らないだろうけど』みたいな態度が気に入らないだけよ」

男「あー、悪い悪い。で、知ってるのか?」

少女神「知らないけど?」

男「知らないんじゃんよ」

少女神「もうちょっと敬えって話」

男「はいはい。そんじゃ聞きに行くか……」

なんだか心の中で少女神がまだ不平を漏らしているような気もするが、
男は一旦無視してみんなで教団施設に向かうことにした


中華「夕方って感じだね」


施設内はもちろん、外も人々が慌ただしく行き交っている
そろそろ夕餉の時間であるから、
必死なものではなくみなそわそわとしている


氷魔「……今は……ただ情報のために来ているので……喧騒に紛れたほうが……知り合いと出くわさなくて都合がいいです……」

男「そうは言っても、俺が神と話してる間は暇だろう?」

氷魔「……そうですね……では……祭壇に着いたら一旦別れましょうか……」

やる気「ここ常に土木作業してるっすからね。俺っちも手伝うっすよ」


そう言って指された窓の外を見れば、
木材でなにか建築しているのが見える
基礎が終わり、土台を作っているようだ


中華「お、いいね。僕は厨房を見に行く予定だから、料理ができたら届けにいくよ」

ぶりっ子「みなさん偉いですねぇ」

怪盗「おや、ではなにかしてはいかがですか?」

ぶりっ子「怪盗ちゃんも別になんかするつもりない癖にぃ」

怪盗「バレましたか?ま、信者さんの相談くらいは聞きますけどね」

本日はここまでです
ありがとうございました

狙撃少女「それじゃ、私も着いていきますね」


と、残りのメンバーがすることも決まったので、
男は速やかに祭壇へと向かい、
そして静かに祈りを捧げた


海神「大丈夫?」

男「え?……え?」


彼はいつも浜辺から世界に入るが、
今日の彼は近くの海に仰向けに浮いている状態でのスタートだった

どうやら水死体かと勘違いされ、
海神が男を助けにきたようだった


少女神「なんだってそんなことに……」

男「いやあすまん。心配かけた」


彼は陸まで泳いで戻り、ひとまず詫びた


地母神「それで、何事かあったのですか?」

男「ああ、丁度いい……『原初の火山』ってのがどこにあるか知らないか?」

地母神「>>下1」

地母神「深海…詳しい場所は『神殺しの邪神』しか知らないわ」

男「しっ、深海!?」

商売神「むしろ好都合だね。キミなら海を割って辿り着ける」

男「……やるけどさぁ」


奇跡の行使には膨大な魔力を要する
ギルド全員で全力で念じればうまく行くかもしれないが、そうしたとしても全員の魔力は空になってしまうだろう


海神「なんか憂鬱そうな顔してますね?」

男「……課題が増えただけさ。どうにかする。……それより、『神殺しの邪神』ってなんだ?」

本日はここまでです
ありがとうございました

地母神「ああ、最近の方はご存知ないんでしたね」

少女神「確かに、もう話されないもの」

海神「なんなんですか、その方は?」

地母神「『神殺しの邪神』とは雑多な神で、色々なものを司っていました。今は軍神として語られる程度ですが」

商売神「どうして、語られなくなったのですか?」

地母神「それは神殺しに由来します。神は神を殺すことはできませんが、ヒトに力を授け、間接的に殺害させたために邪神と呼ばれるようになりました」

男「ふぅん……そういえば、神殺しの末裔に会ったな。もしかして、その祖先に力を与えたのか?」

地母神「だと思われます。神殺しなんて一度しか聞いたことがありませんから」


そういうと彼女は興味深そうに男を見つめたが、
すぐにやめてしまった


海神「質問ですっ!」

地母神「なんですか?」

海神「つまり人間にも邪神にも殺したい動機があったってことですよね?一体どんな神が殺されたんですか?」

地母神「>>下1」

地母神「性欲…・・もとい恋愛至上主義の神でしたよ……」

男「ああ……そういう……」


彼女はなんとも苦々しい顔をして告げる
おそらく、あまり得意なタイプではなかったのだろう


商売神「それで、影響とかあったのかな?」

地母神「分かりかねます。もしかしたら、人類の数が減り続けているかもしれませんが」

少女神「嫌ね、それ……」

海神「神様的にはそういう所が嫌だったのは分かりましたが、人間としては一体なにが不満だったのでしょう?」

地母神「なんでしょうね?モテない人の妬みとか?」


そう良いながら彼女は視線を流す


男「こっち見んなよ。俺は弁えてるつもりだからな」

海神「かわいそう……」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「哀れむな!」

少女神「どうどう」

男「言っとくけどお前のせいだからな!」


怒声が浜辺に響く
開放的な空間がそうさせるのか、
どこか爽やかですらあった


商売神「ほんと面白いね、みんな」

男「はぁ……まぁいい。それで、その『神殺しの邪神』ってのに会う必要があるんだな。手がかりあるか?どこにいるとか、教団がどこにあるとか」

地母神「>>下1」

地母神「海を渡って北へ向かい、別の大陸へ行かないと」

男「えっ!そんなに遠いの!?」

地母神「殺された神はこの大陸のものであり、『神殺しの邪神』は向こうの大陸の神なのです」

海神「つまり、向こうの大陸でならまだ信仰されているということですか?」

地母神「そのはずです。……少なくとも、事件の後にその信者たちが大陸に引き揚げていくのは見ましたよ」

男「……それ、何百年前の話だ?」

地母神「……………………」

男「ま、気長に探すわ」

少女神「順序を踏んで解決しようとするけど、結局のところ出たとこ勝負好きよね」

男「なんだって想定通りには行かないからな。勝負しなきゃいけない所では素早く勝負をかけるぞ」

海神「おお、ギャンブラーってやつですね!」


彼女は目を輝かせて男を見つめる


商売神「あー……男が言いたいのは多分そういうことではなくてね……」

男「いや、いいさ。……なんか、今日は心を抉られるなあ」

本日はここまでです
ありがとうございました

地母神「まぁ、無理はしないことですね」

男「分かってるよ。……そんじゃ、ぼちぼち帰るかな」

少女神「今日は随分と早いのね」

男「もう夕方だしな。みんなを待たせとく訳にもいくまい」

商売神「時は金なり、ともいうしね」

海神「それでは、宿す神を変更しますか?」


>>下1……男の体に宿す神を変更するか
(現在は少女神、変更するなら変更先も)

男「じゃあ……海神様にしようかな」

海神「私ですか!?やった!」


彼女はいつも陽気であるが、
それにしてもかなり喜んでいる


男「……そんなに嬉しいか?」

海神「外の世界について、私はあまり知りませんので!」

男「なるほどな。……なんかの間違いで実体化できても、不用意に出て来ちゃいけないぞ?」

海神「分かってますよ!」

その声を聞くと同時に、彼の精神が揺らぐ
次の瞬間には、現実に帰還していた
少しの酩酊感だけが余韻として残っている


男「……はっ」

中華「おかえりー……でいいのかな?なんか分かった?」

男「ああ……詳しいことは後で話すが、とにかく北の大陸へ渡る必要がありそうだ」

氷魔「……そこに……件の火山があるのですか……?」

男「いや、その在処を知る神こそがそこにいる」

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「じゃ、そいつに会いにいけばいいんすね!」

ぶりっ子「また迂遠ですねぇ……」

男「まずは、向こうの大陸でその神を探す方法を考えなきゃいけないな。帰りながら考えよう」


一行は支度をして、教団施設を後にした


怪盗「その神はマイナーな神なんですか?」

男「『神殺しの邪神』とこちらでは呼ばれているのだが……こちらでマイナーすぎて、こっちではあらゆる情報が得られない」

狙撃少女「マイナーかどうかも計りかねるるんですね」

男「やはり、とりあえず聞き込みの他にはないかな?」

中華「じゃない?」


そんなことを話しているうちに、
ギルドハウスへと帰ってきていた


氷魔「……今日はバタバタしてましたね……」

やる気「そっすね」


まだ夕食までは時間がある


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の手伝い
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「いる?」


彼は氷魔の部屋のドアをノックする
いつにも増して適当な訪ね方である


氷魔「……ああ……入っていいですよ……」

男「おっす」

氷魔「……なんか……陽気になりました……?」

男「あー、体に宿してる神様変えたからかも」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……へぇ……そんなことあるんですね……どなたになさったんですか……?」

男「海神様だね」

氷魔「……なるほど……そういうイメージはあります……」

男「そうだな」

氷魔「……しかし……私たちはあまり……奉っている神様には詳しくありませんね……」

男「あー、俺は話してるからなんとなく分かるけど、そりゃそうか。なんか海神サマに質問とかある?」

氷魔「>>下1」

氷魔「深海に沈んだ沈没船やら深海の生き物とか、把握することってできるんですか?」

男「だって」


彼がそう言うと、海神はその精神の内で喋り出した


海神『どっちも分かります!』

男「マジ?どっちも分かるって」

氷魔「……え……すごいですね……」

海神『でも、あんまり見たくないですね……特に生き物は』

男「そうなのか?」

海神『どういう訳か、私が認識していることを認識して威嚇してくるようなのもいるんですよ』

男「えっ、怖……」

氷魔「……なんですか……?」


彼はその会話の内容を氷魔にも伝えた
すると、氷魔もまたそれに驚愕した


男「怖くね?」

氷魔「……深海には……行かないほうがいいかもしれませんね……」

男「海神に求められる権能って漁業の成功とか航海の安全だから深海まで分かるだけすごいのかもな」

氷魔「……そうですね……深海というか……知らないものには考えが及びませんからね……」

男「気にしだすと今度は恐ろしくてたまらなくなるしな」

氷魔「……自分から行かなければ深海になんて行くこともないでしょうし……海の藻屑にならなければ……深海の恐怖に死体を弄ばれることもないでしょう……」

男「そうだな。ま、海神様がついてれば船が転覆することもないだろう……」

そう言ってふと本題を見やる
魔法に偏っていても、色々なジャンル、
そして分野の本がある
だが、海に関する本はなかった


氷魔「……どうかしましたか……?」

男「いや、海の本ねぇなと」

氷魔「……海なんて凍らせて渡ればいいんです……少なくとも……ギルドに入る前の私はそう思っていました……」

男「なんというか、脳筋なとこあるよな」

氷魔「……ひどいです……」

本日はここまでです
ありがとうございました

露骨に悲しそうな表情をする彼女だが、
どうしたものかと考えているうちに夕食の時間となった


酪農少年「あれ、昨日の方は?」

中華「ああ、もうどこかれ旅立ったよ」

酪農少年「そうですか……」

やる気「なんかあったんすか?」

酪農少年「いえ、友達に話したらぜひ会いたいと言っていたので……」

ぶりっ子「びっくり人間ですからねぇ」

食事の中で、男はふと疑問を口にした


男「そういえば、北の大陸について知ってる人いる?」

狙撃少女「いえ……」

中華「ギルドに入るまで僕はこの城下町から出たことはないね」

氷魔「……私も……よく分かりません……」

やる気「そっすね、うちも結構内向的な家だったんで」

ぶりっ子「私も城下町育ちですからねぇ」


と、みな知らなそうな様子だったが、
ここで一人が名乗りを挙げる


怪盗「ああ、知ってますよ。私の故郷はあっちなので」

男「まじ!?どんなとこ?」

怪盗「大陸なんでそりゃ地域差はありますが、>>下1」

怪盗「石造建築物の多い土地柄です」

中華「へぇ、いい石が取れるんだね」

怪盗「そうですね、あまり気にしたことはありませんけど」

氷魔「……いいですね……私の故郷なんて……夏場はじめじめして最悪なんですよ……」

やる気「うちもほんと酷いもんだったっすね」


氷魔の故郷についてはよく分からないが、
やる気の実家のある森は非常にじめじめしていた

怪盗「そうはいいますが、あちらは直射日光がきついんですよ」

ぶりっ子「日焼けしちゃいそうですねぇ」

怪盗「油断するとあっという間に日焼けしちゃう。今日、鬼神と戦ったときは久々にあの日差しを思い出したね」

狙撃少女「そんなになんですか?」

怪盗「ま、その分日陰を十分に作る町並みになってるし……みんなフレンドリーだから悪いところじゃないはず!」

男「それはよかった」

本日はここまでです
ありがとうございました

そんなことを話しているうちに、
夕食の時間は終わった


酪農少年「最近のみなさんは毎日忙しそうですね。僕がここに来た頃は遠出とかほとんどなかったですし」

中華「確かに、最初はただ人助けをするだけの集まりだったしね」

氷魔「……遠くまで来た……ということですね……ノスタルジーに浸るほどの年月も経っていませんが……」


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の後片付け
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「よっ」


男は酪農少年の部屋を訪ねた
丁度勉強を終わらせたようで、
椅子に座って伸びをしていた


酪農少年「あ、男さん。こんばんは」

男「おう、邪魔したか?」

酪農少年「いえいえ、むしろお話したいことがありまして」

男「話?ああ、もしかして……」

酪農少年「そう、以前話した七不思議についてです」

男「誰か試したのか?その神に会えるという儀式」

酪農少年「はい、僕がやりました」

男「へぇー……え!?」


突然のカミングアウトには驚くほかなかった
しかし、見る限り酪農少年は無事なようで安心した


酪農少年「どうしました?」

男「いや、なんでもない……それより、どうなったんだ?」

酪農少年「>>下1」

酪農少年「性別が変わってしまいました」

男「……はい?」

酪農少年「どうやら今年の儀式では二例目だったようで……一年に二度も起こすなと怒られてしまいましたね」

男「いや、違う!俺が聞きたいのはそこじゃない!なんか今日のお前怖いぞ!」

酪農少年「お、怯えないで下さい」

男「……すまん、で、性別が……いや、聞き間違いだったかな」

酪農少年「いえ、僕は女になりましたよ」

男「……なんでそんな平然としてんだ?」

酪農少女「そんな重要なことですか?トイレの仕方が変わるくらいじゃないですか」


そう平然と言ってのける彼……彼女が、
男には恐ろしく見えた


男「友達には話したのか?」

酪農少女「放課後にやったのでまだです」

男「……まぁ、気にしてないなら話せとも話すなとも言えないが……喪失感とかないのか?」

酪農少女「これまで僕が男性として得たものはありません。男性である必要のある現在も未来もありませんよ」

男「そうか……お前、俺なんかよりよっぽどすごいな」

本日はここまでです
ありがとうございました

酪農少女「ええっ、そんなことないですよ。僕、力ありませんよ?」

男「いや、昔俺も女になってな」

酪農少女「ええっ!?そうなんですか?」

男「そんときゃもう焦って焦って……」


と、過去のことを思い出す
あの鮮烈な体験は未だに昨日のことのように思い出される


酪農少女「そういえば、その神も僕が焦らないってんでつまらなそうに消えていきましたね」

男「……あ、そうだ。結局その神はどんな奴だったんだ?」

酪農少女「>>下1」

酪農少女「やたら挑発的な言動の僕より小さい女の子でした」

男「へぇ……会ってみたいな」

酪農少女「そういう子がタイプなんですか?」


と不思議そうな顔で見つめてくる
冗談で流してもいいが一応女性となっているため、
きちんと説明することにした


男「いや、今日の昼間まで宿してた少女神って奴がそいつと近いタイプのようでな」

酪農少女「ということは……ある程度話し合えるということですか?」

男「一般に知られてなくて、心も狭い神はいつ消えるとも分からん。だが、それ故にさらに当たりは強くなる」

酪農少女「負のスパイラルですね」

男「だから、プライドをあまり傷付けないように相手の自尊心を満たしつつギブアンドテイクに持ち込むんだ」

酪農少女「そうすれば仲良くなれるということですね」

男「……そうだな。仲良くというよりは、信仰を失うのが嫌だから切るに切れない状態を形成している」

本日はここまでです
ありがとうございました

酪農少女「……もっと、平和にいけません?」

男「相手が協力的ならどうにかなるかもしれないけどねぇ」

酪農少女「うーん……なんかこう……変な感じの神だったので難しいかもしれませんね」

男「……ま、いいや。困ったら呼んでくれ。その神と話つけてやる」

酪農少女「はいっ!」


そうして、その場は解散した
男は自室へと帰って、眠りについた

?翌日・陰週火曜日?


中華「……今日は、嘘をついていい日的な?」

ぶりっ子「ち、違いますよぉ!だって、男さんも前女の子になってたじゃないですかぁ!」

男「あれ、これもうみんな知ってる感じ?」


彼が起きてロビーに出ると、
酪農少女のことですっかり話題は持ちきりだった


氷魔「……そうですね……噂の出所はよく分かりませんが……みな知っています……」

やる気「大変なことになったっすね」

怪盗「あ!男さん!」

男「どうした急に」

怪盗「なんで昨日話聞くだけで帰っちゃったんですか!?」

男「え……いや、本人は気にしてなさそうだったから……」


なにかやらかしてしまったようだが、
彼にはそれがなんなのか分かっていない


ぶりっ子「いや!ちゃんと下着とか服用意してあげないと大変ですってぇ!」

狙撃少女「そ、そうですよ!いろいろまずいですよ!このままだと!」

男「そうか……申し訳ないな」

中華「というか、気にしてないんだ……」

男「ああ、きっと大物になるぜ」


そうして、一行はとりあえず彼女の服を探すことにした
下着は女性陣が選ぶらしいので、
男性陣はブティックの立ち並ぶ通りへと放り出された


やる気「じゃあ、服探すっすかね」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「どうもー」


彼らは一つの洋服屋に目を付け、
その扉を開けて中に入った


店長「こんにちは」

中華「いい感じの女物の服ありませんか?」

店長「じょ、女装趣味の方ですか?」

やる気「違うっすよ!仲間の服を探しに来たんす」

店長「ああ、よかったです。私そういうのに疎いので……それならこちらがおすすめですよ!」


>>下1……店長が薦めてきた服

彼女が用意したのは、奇妙な服だった


男「……え?なんかこう……なに?」


それは目が眩むような蛍光色のコントラストで彩られており、また模様も巧妙でアシンメトリーだった


中華「いや、でもこれは……」

店長「今はこれがイケイケなんですよ!」

やる気「い、イケイケ……」

男「どうする?これ買うか……?」

中華「う、うーん……」

やる気「ま、他にも服買う予定っすし、一つくらい変化球あってもいいんじゃないっすかね」

男「それもそうだな。じゃあ一着いただきます」

店長「ありがとうございます!ではサイズは……」


買うことを伝えると彼女はとても嬉しそうな様子でサイズの選定を始める
大体どの程度のサイズなのかは予めぶりっ子が計ってくれていたので、それを参考に詰めていった

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


結局、三人はそれを買って店を出た
なかなか特殊な店だったのだろうと考えたのだ


中華「……これさ、予めどういう服買うか決めておいて、それがあるかどうか店員に聞いたほうがいいんじゃない?」

やる気「奇遇っすね、俺っちもそう思ってたっすよ」

男「どういう服って……シャツとかセーターとかそういうこと?」

中華「そうそう」


といった流れで、
三人は酪農少女に着せるべき服を考え始めた


>>下1……どんな服を着せたい?

やる気「そんな派手なのは好まなさそうっすけどね」

男「与えたらなんでも喜んで着るさ。ただ、本人がもし選ぶんだったら別の服だろうな」

中華「なるべくシンプルな奴がいいね」

やる気「あと、あんまり動きづらいやつはやめたほうがいいっすね」

男「なるほど……じゃあワンピースだな」

中華「色は?」

やる気「勿論、白っす!」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「さらに麦わら帽子を追加だ!」


三人の頭の中にそのコーデが具体的に浮かぶ


中華「おぉー……童貞が好きそう」

やる気「ごはぁっ!」

男「うぐぅっ!」


二人は中華の直球な感想に貫かれ、
精神的ダメージを負うことになったが、
ともかくその方向性で行くことにした

中華「こんにちはー」


彼らは適当なブティックをまた身繕い、
そこに入っていった


店員「こんにちは!今日はどうされましたか?」

やる気「仲間の奴なんすけど、白いワンピースってあるっすか?」

店員「>>下1」

店員「300円から500円の格安なものならあるよ」


そう言って、彼女は真っ白なワンピースを出した
安物だが、高級品との見極めができるような者はその場にいなかった


男「ふーん……どうする?」

中華「破けたりしなければいいと思うけど……」

やる気「学校の都合上、結構動き回りそうっすけどね」

すみません寝落ちしました


男「確かにそうだな。多少妥協してでもしっかりしたものを用意するべきか……」


と、悩んでいると店員が話しかけてきた


店員「白のやつじゃなければ、もっとしっかりしたワンピースもありますけど」

中華「そうなの?どんなワンピースがあるんだい?」

店員「>>下1」

店員「聖なる薬草を素材とした緑色のワンピースです」


彼女はそう言って緑のワンピースを持ってきた
薬草から作られているそうだが、
繊維で編まれた通常のワンピースとほぼ同じ肌触りだ


やる気「おお、いいっすね!」

男「あまり濃い緑じゃないし……淡い色なら全然許容範囲じゃない?」

中華「なら、これにしちゃおうか」

やる気「じゃ、これでお願いするっすよ」

店員「お買い上げありがとうございます!」

男「ああ、そういえば」


ワンピースを袋に入れる最中の彼女に、
男はふと気になったことを聞くことにした


店員「はい?」

男「値段聞いてなかったわ。いくら?」

店員「一万します」

男「……結構するねぇ!」

本日はここまでです
ありがとうございました

【ギルドの資金】80361475


一行は会計を済ませ、店を出た
これでワンピースは手に入ったので、
あとは麦わら帽子を買うのみだ


中華「というか、普通に農作業で使いそうだし、学校にありそうだよね」

やる気「麦わら帽子っすか?」

中華「うん」

男「でもそういうのって大体無骨でよれてるじゃん?やっぱりかわいい奴を買ってやりたいよ」

やる気「お、あそこに帽子の店があるっすよ」

男「よし、そこに入ろうか」


そうして三人は帽子店へと入店した


店長「いらっしゃいませ!」

中華「女物のかわいい麦わら帽子ありますか?」

店長「>>下1」

店長「今日入荷した、不思議な不思議な麦わら帽子はいかがでしょうか? 」


彼はそう言って、麦わら帽子を取り出す
一見すると、ただの麦わら帽子だ


やる気「なんか、変わったところがあるんすか?」

店長「それはもちろん」

男「試着していいかな?」

店長「どうぞ」

男は早速その帽子を被ってみた


男「どう?」

帽子「こんにちは!」

男「……はい?」


すると、なぜか帽子が喋り始めた
声は高い女性のものであったが、
男はそれに聞き覚えがあった


店長「なんとそれは、被った人の心と接続し、喋る帽子なのです!」

中華「被る前にはなかった、口のようなものが帽子に現れたね」

本日はここまでです
ありがとうございました

店長「ということで、お客様の心は女性ということですね」

男「いや違いますけど!?これ別の方ですよ!」

帽子「そうですよ!私は海神です!」


本来なら心の声と接続する所を、
なぜか彼の身に宿っている海神と接続してしまったらしい


店長「……腹話術ですか?」

男「いや、違うんだよ」

中華「多分本当にそうなんだろうけど……海神様ってそんな感じだったんだ」

帽子「そうですよー!」

男「ヤバいヤバいヤバい」


彼はそう言って急いで帽子を外した
地母神も言っていたが、威厳が本当にないのであまり外で喋ってほしくはなかったのだ


やる気「いや、使い道はあるっすけど……これ人に送るもんじゃないっすね」

店長「……で、買われます?」

男「保留。それより、普通の麦わら帽子ないのか?」

店長「ありますけど」

中華「最初から出しなよ!」


店長は渋々といった様子で、
普通の麦わら帽子を取り出した


やる気「このストリート、変な店ばっかりっすね……」

本日はここまでです
ありがとうございました

とりあえずその麦わら帽子は購入することとした
丁寧に包装されたそれを受けとり、
話は次の議題へとシフトしていく


男「どうするかな、あの帽子……」

中華「本当にその帽子、心の声を喋るんだろうね?」

店長「そのはずなんですがねぇ……」

やる気「なんか気になることでもあるんすか?」

店長「いやなに、>>下1」

店長「大切にお使いください」

男「え?ああ……うん」


なにか引っ掛かる物言いだが、
とりあえず流すことにした


中華「じゃあ、折角だし買おうかな」

店長「そうですか?ではその麦わら帽子も買っていただいたことですし、無料にしておきますよ」

やる気「え?」

店長「いやあ、仕入れたはいいんですが……みんな気味悪がって買わないんですよね」

男「でしょうね」

中華「仕入れ値ってどんくらいしたんですか?」

店長「聞いて驚けなんと10万」

やる気「はぁ!?」


衝撃の値段だった
そんなものを無料でゆずっていては店が成り立つはずはない


男「どういうことです?」

店長「うちはブランドものも扱っててね、金持ちに商売して利益を出してるんだよ」

中華「……それにしても10万は……」

店長「特別高い帽子は競売で買うんだけどね、そこに出品されてたのさ」

やる気「はぁ」

店長「で、流れで落札したのはいいんだけど……あれ、厳密には麦わら帽子……というか帽子ですらないらしいんだね」

男「どう見ても麦わら帽子だけど……どういうこと?プロにしか分からない違いがあるのかな」

店長「いやあそれが、私にも見分けられなかったんだ。だが、出品者の妙な奴らによれば、こいつは麦わら帽子型の生命体だという」

中華「それって……!」

本日はここまでです
ありがとうございました

店長「え?」

やる気「俺らもどう見ても生物じゃないのに生物なとんでも能力持ちの物体を持ってるんすよ」


そう言って例のドアノブを取り出す
やはり生物には見えず、今日も銀色に輝いている


店長「ということは、オークションで落札したのかい?」

男「いや……こういう生物の原産地へ行く用事のある奴らから間接的に貰ったんだ」

中華「その、オークションに流していた出品者……知っているかい?」

店長「ああ!確か>>下1」

店長「西の都に住む貴族だ!」

やる気「ふぅん……?」

男「個人的に探検隊なんかを雇って獲得した可能性はあるな」

中華「ちょっと怪しいけど……今は気にしないことにしようか」


一行はそう話して帽子店を出た
女性陣とは買い物を終えたらギルドハウスで合流することになっているため、三人は帰ることとなった

本日はここまでです
ありがとうございました

三人が帰ると、まだ女性陣は戻ってきてはいなかった


酪農少女「もしかして下着を買ってくださったんですか?」

やる気「いや、俺っちらが買ったのはワンピースと麦わら帽子っすよ」

男「あと、このサイケなやつだ」


男は購入したサイケデリックな服を見せつけた
やはり、異彩を放っている


酪農少女「>>下1」

酪農少女「ワンピースと麦わら帽子は良いですね」

中華「……やっぱり、この妙な服はダメかぁ」

酪農少女「ボクは着ませんね。……友達に好きそうな子はいますが……」

やる気「ま、なんかの役には立つかもしれないからこれもあげるっすよ」

酪農少女「じゃあ、受け取っておきます……」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうこうしているうちに、女性陣も帰ってきた


氷魔「……おや……もう帰っていたのですね……」

ぶりっ子「さてさて、一体どんな服を買ってきたのかな……!?」


彼女らは、例のサイケデリックファッションを見て驚愕した


怪盗「なんですか、これ?」

男「おすすめされたから買ってきた」

狙撃少女「まあいいんじゃないでしょうか」

中華「いいの!?」

氷魔「……なかなか……独特なファッションセンスですね……」


それから女性陣は酪農少女を別室に連れていき、
下着類の付け方をレクチャーした


やる気「こういう平和なことで奔走したの、久しぶりっすね……」

男「ああ、たまにはいいもんだな」

中華が厨房からお茶を持ってきたので、
三人はゆっくりとお茶を飲みながら、
軽く談笑して過ごした


ぶりっ子「はぁー疲れましたぁ」


しばらくすると、女性陣も酪農少女の部屋から戻ってきた


中華「よし、追加で淹れてこよう……」

怪盗「おっ、ティータイムですか?」

本日はここまでです
ありがとうございました

一行は暫しの休息を挟み、
ティータイムの後に昼食を摂った


狙撃少女「ふぅ……そろそろ今日の活動を始めましょうか」

男「そうだな」

中華「これからどうするんだい?」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・昼)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く!
10.北の大陸を目指す!
11.自由安価

酪農少女「それじゃ、ボクはそろそろ学校に行ってきますね……」

男「おっと!」


彼は酪農少女を呼び止めた
彼女は肩を弾ませ振り返り、
不思議そうな顔をしている


酪農少女「なんですか?」

男「お前が会った、七不思議の神様に会いに行きたい。どうにかならないか?」

酪農少女「うーん……外れの廃小屋なので、こっそり来ればバレないと思いますよ。許可とかは無理そうですね……」

氷魔「……こそこそやるのは得意です……」

やる気「そっすね。俺っちに任せるっすよ」


それから一行は、彼女の学校にある、
廃小屋の近くまでやってきた
とはいえ、そこは校内ではなかった


ぶりっ子「結構高いですね……」


一行の前には大きな塀が立ちはだかっており、
どうにかこれを越えないことには、
その廃屋に辿り着くことはできないだろう

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「こんくらいなら余裕っすよ」


彼はそう言うと、その脚力で壁を伝い、
あっという間に塀の上まで登った


怪盗「いいですね!」

やる気「じゃ、縄垂らすっすよー」


残りのメンバーも、彼が垂らした縄を伝って、
塀を登って向こう側へと行くことができた

そうして向こう側に辿り着いた一行の前にあったのは、聞いた通りの小屋だ
明るかったであろう木材の色は、
泥と名状しがたい汚れで黒くくすんでいる


狙撃少女「小屋が腐ってるって感じですね」

男「嫌な感じはすごくするが……とにかく入ろう」


一行は湿ったドアを開き、内部へ侵入した

中華「じゃあ、儀式を始めようか」


男が酪農少女から聞いた限りでは、
儀式の内容はシンプルである
捧げ物を捧げ、ここの学校の校歌を歌うのだ
捧げ物は食べ物がよいとのことなので、
中華におにぎりを一つ用意してもらった
そして、校歌の一番を歌い終えると、
小屋の中心で風が逆巻き、少女が現れた


氷魔「……あなたが……神ですか……?」

少女「>>下1」

少女「いえ、天使型ミュータントです」

やる気「てんしがた……?」

天使型「……やはり、言っても伝わらないですね」


と、残念そうにしている
天使型というだけあって、
その背中には純白の翼が生えており、
光輪もまたその頭上にあった


男「……怒ってないのか?」

天使型「まだ寝付いていなかったので。あと、久しぶりにおいしいおにぎりを食べられたので」


そう言いながら備えたおにぎりを食べている
異様とも言える外見の彼女だが、
今は見た目相応のように見えるだろう

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「天使じゃないんですか?」

天使型「ふっ……天使に近い特徴と能力を保持した人間……知らないのですか?」


彼女は鼻で笑いながらすごく偉そうな顔をしている
やたら挑発的とはこういうことなのだろう


怪盗「なんだってそんな存在が産まれるんですかね」

天使型「それはもちろん、儀式によるものです。天使……代行者を持つほど強大な神に、産まれてくる子を捧げることにより、突然変異を発生させられるのです」

狙撃少女「なるほど、その理屈はよく分かりました」

天使型「あら、そうですか?」

男「なぜこんなところにいて、しかも儀式で召喚できるんだ?」

天使型「……私がこの土地を守護するために封じられたからです。天使の代わりなのだから当たり前でしょう?」

中華「辛くないの?」

天使型「見ず知らずの不法侵入者に心配される筋合いはありません。……それより!なんでわざわざ私を召喚したのですか?肝試しではなさそうですが」

男「>>下1」

男「宝探しに協力してもらいたい」

天使型「はぁ?」


つとめて丁寧な口調の彼女だったが、
突拍子もない発言に口角が歪み眉間に皺が寄る


男「探さないか?宝」

天使型「どうして私がそんなことしなきゃいけないの?私は天使の代行!そんなお遊びに付き合うために産まれてきたんじゃないの!」

男「確かに、天使の仕事ではないかもしれないな。……だがッ!」


男は迫真の表情となり、正面を睨む

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


天使型「な、なによ……」

男「これは断じて遊びなどではない!俺たちは世のため人のため、本気で宝を探しているんだ!」

天使型「急に暑苦しい……そもそも、宝って、一体なに探してるんですか」

男「>>下1だ!」


1.フェニックスの骨
2.金の烏骨鶏
3.自由安価

男「フェニックスの骨だ!」

天使型「はぁ、不老不死にでもなるつもりですか?」

男「違う。それを使った武器で魔王に対抗するんだ」


そう説明すると、彼女は黙り込んだ
なにか考えているようだが、
その内容を読み取ることはできない


天使型「いや、知らないですけどね。フェニックスの骨がどこにあるなんて」

氷魔「……なにも……私たちは労せずして骨だけ手に入れたい訳ではありません……」

天使型「なにが言いたいの?」

やる気「フェニックスの居所が分かれば、自力で後はどうにかできるっすよ」

天使型「……そう。魔王がなんで魔王の対抗する武器を求めるの?」


どうやら、この天使型ミュータントはやる気が魔王の資格を所持していることにも気付いているようだった


ぶりっ子「魔王の力を持つ人って偏在するんですよぉ。だから、その中でもヤバい奴をぶっ倒すためですねぇ」

本日はここまでです
ありがとうございました

天使型「ふぅーん、そう」


自分から聞いておいて、
ほとんど興味がなさそうな受け答えをする


怪盗「とは言っても、ほとんどアタリは付いています」

狙撃少女「原初の火山と呼ばれる地の所在さえ分かれば、あとはそこへ行くのみです」

男「そして、それを知っているのは『神殺しの邪神』のみ。だから、そいつの居所を知りたいんだ」

天使型「>>下1」

天使型「…私その神様の代行なんですけど」


彼女は諦めたような表情で口にする
それは、一行にとって衝撃的な事実である


中華「えっ!?」


中華が驚くと、今度は露骨に不機嫌になった


天使型「なんで私がこんなくっさい小屋に封じられてると思ってるんですかね!?あんのクソ神がやらかしやがったから私まで軽んじられてるんですよ!」

氷魔「……信者の方々は……」

天使型「全員どっか行ったわ!本当に腹が立つ……」

やる気「しかし、よく存在できるっすね。消滅したり堕天したりしそうなもんっすけど」

天使型「あくまで私は人間なの!天使と同じ力があるだけ!だから消えないし堕天もできない!」

ぶりっ子「わ……分かりましたから落ち着いてくださいぃ」

しばらくすると、彼女も落ち着きを取り戻した


天使型「……で、アレに会いたいんですね?」

怪盗「アレって……まぁいいですけど。そうですよ」

天使型「基本的には、供物を捧げて降臨してもらうほかないです。巫女であれば、あいつのゆかりの品を通じて念話することもできるけれど」

狙撃少女「それなら話が早いかもしれませんね!」

男「俺はどこからどう見ても男性だが……その巫女のようなことができると思われる」

本日はここまでです
ありがとうございました

天使型「おや、そうだったのですか?せっかくですから、女性にしてもよかったんですよ?」

男「もうたくさんだ……」

天使型「ほほう、もう女性になったことがあるんですね?」

男「だから嫌なんだよ!」

天使型「ひょっとしたら、一度女性になったときに巫女の力を得たのかもしれないですね」

男「そうかなぁ……?」

中華「でも男、巫女って感じはしないよね。そんな清廉潔白じゃないよ」

氷魔「……ふふ……はっきり言いますね……」

天使型「とにかく、こんなボロ小屋でも一応機能としては神殿です。巫女ならここから交信できるんじゃないですか」

やる気「そうなんすか?じゃあやってみるっすよ」

男「いいぜ。……ふぅ」


彼は精神を統一し、神の気配を探した
鋭敏になった感覚が、ボロ小屋の腐臭を伝えるが、
しばらくすると視界が開ける
そして、そこはまぎれもなく神の世界だった


>>下1……『神殺しの邪神』の姿

邪神「……あなたは何者ですか」


そこにいたのは、奇妙な機械だった
というよりは、一種の兵器のようだった
三本足で、顔の位置に砲塔のようなものが付いている


男「俺?まぁ巫女みたいなもんだ」

邪神「わたしと話せるのですか」

男「話せているじゃないか」

本日はここまでです
ありがとうございました

邪神「かつて色恋の神を殺したとき……人々はわたしを恐れました」

男「そうでしょうね」

邪神「それからどんどん私の姿は想像の中で歪められ、いつしか人の言葉を伝えることもできなくなったのです」

男「……ああ、そういうことですか。俺は喋るつもりがあるならどんな言語でも聞き取れるので安心していい」

邪神「どうやら、そのようですね」

男「……さて、俺は用事があって神の前にやってきたんだ」

邪神「用もなければこんなわたしの事は訪ねないでしょうね」

男「……なんか卑屈になってるな」

邪神「そうですか?永い時がそうさせたのかもしれませんね」

男「で、俺が知りたいのは『原初の火山』がどこにあるか、ということだ。教えてくれるか?」

邪神「>>下1」

邪神「北の果ての氷山ですよ」

男「氷山?」


火山なのに氷山とはいったいどういうことなのか?
彼はそう疑問に思った


邪神「長年の気候変動結果で大分変ってしまったよ」

男「そうなのか……まだフェニックスはいるのだろうか」

邪神「いるんじゃないかな?」

男「ありがとう、助かったよ。……ちなみに、あなたは本当はどういう神だったんですか?」

邪神「わたしは本来、性別を司る神です。跡継ぎがいない家や、男手の足りない所、同性を愛した者のために力を行使していました」

男「そうなのか。……じゃあ、教えてくれたお礼と言ってはなんだけど」

邪神「?」

男「もし誰かに神殺しの邪神について聞かれたら、性別を司る神だって教えておくよ」

邪神「それは、とてもありがたい!」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうして彼は神に別れを告げ、
元の世界へと帰還したのだった


男「……はっ!」

ぶりっ子「どうでしたかぁ?」

天使型「大方、会話もままならなかったのでしょう?」

男「いや、相手が話すつもりならそれだけで俺は十分だ。おかげで、原初の火山がどこにあるのかも分かった」

天使型「……おかしいですね。駆動音しかしないはずなんですが」

男「意志が籠ってれば俺には言葉に聞こえるのさ」

用を終えた一行は、その場を去ることにした
ボロ小屋に天使型ミュータントを置いていくのは可哀想に思えたが、男たちも不法侵入している身なので、他人の心配をしている場合ではなかった


怪盗「ふー……どうにか出てこれましたね」

狙撃少女「でも、うまく行ってよかったですね」

男「だが、結局は北を目指すことになるな」

中華「そういえば、原初の火山はどこにあるの?」

男「北の果ての氷山なんだと。……まぁ色々あったらしいよ」

氷魔「……単に北ではなく……果てですか……」

男「ああ。果てって言うが、果ての先には何があるんだ?」

やる気「分からないっすね。めちゃくちゃな海流とめちゃくちゃな天候で誰もたどり着けないんすよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「なるほどねー」


そう言って空を見上げれば、
もう空に赤みがかかってくる頃だった


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・夕方)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.北の果てを目指す
11.自由安価

ぶりっ子「ここの空気は相変わらず暑いですねぇ」


一行は依頼を受けるため、
本部ギルドへとやってきていた


受付嬢「あっ!待合室までお通ししますよ!」

怪盗「いえいえ、そんな気を使わなくていいですよ」

受付嬢「そうですか?迷わないでくださいね!」

すみません寝落ちしました


一行は単調な廊下を歩き、待合室にやってくる
今日は一行のほかには誰もいないようだ


狙撃少女「いませんね」

男「忙しそうだしな……あいつら」


それからしばらく待つと、受付嬢がやって来た
手には依頼書が握られている

受付嬢「お待たせしました!」

中華「……早いね」

受付嬢「基本、どの依頼をどのギルドに投げるかの目処は立てていますので!」

氷魔「……なんと勤勉なことでしょうか……涙が出ます……」


そう言ってわざとらしい泣き真似をする


受付嬢「私と酒飲んでそれ言うんですからひどいですよね」

やる気「はっはっはっは!……で、依頼なんすか?」

受付嬢「今回の依頼は>>下1」

受付嬢「便所の汲み取りです!」

ぶりっ子「ひいぃーっ!」

男「逃がさん」


信じられない言葉に、
反射的に逃げ出そうとするぶりっ子
男はどうにか彼女の服を掴んで止めた


怪盗「なんだってそんなことを……」

受付嬢「ま、ただの便所じゃないんで安心してください」

狙撃少女「便所の時点ですごく嫌なんですけどね」

受付嬢「魔力便所って知ってますか?」

男「……いや?魔力でうんこ流すのか?」


彼が想像したのは水洗便所のようなものだ


受付嬢「違いますけど」

氷魔「……世界には……マナを食べ……魔力を便として排出する種族がいるんですよ……」

中華「へぇ、そうなんだ。なんて種族?」

氷魔「……どれ……と言われても困りますね……色々な種族がその生態をしているので……」

やる気「ともかく、その排出された魔力を流すのが魔力便所っすよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

ぶりっ子「……つまり、その魔力便所ってやつの汲み取りをすればいいんですねぇ?」

受付嬢「そうなりますね!」


一分の曇りもない表情で言ってのける


怪盗「……とはいえ、排泄物の回収なんてやりたくないですよ」

受付嬢「そんなこと言わずに。街中の魔力で動くアイテムの動力になってることもあるんですからね!」

狙撃少女「そ、そうだったんですか……それで、その……魔力の便?って人間の便みたいな感じなんですか?」

受付嬢「>>下1」

受付嬢「成分的には真水とほとんど変わらないですね」

男「よかった」

受付嬢「じゃ、汲み取り場所はここです」


そう言って印がいくつか書かれた地図を貰った
両手では数えきれないほどの数あり、
なかなか難儀しそうな雰囲気を男は感じた


中華「……ちなみに、なんで僕たちにこの依頼を?」

受付嬢「力か魔法が必要な仕事なんですが、今人材が減ってて……で、平均値の高いギルドを探したら皆さんでした」

氷魔「……理由としては……妥当ですね……」

受付嬢「今名の売れた有名ギルドでも、汲み取りをしたことがある所は多いんですよ!」

やる気「へー、あんま聞かないっすけどそうなんすね」

受付嬢「ええ、まぁ……ある程度魔法に知識がないとあらぬ誤解を受けかねないですからね」

ぶりっ子「確かにそうですねぇ」

本日はここまでです
ありがとうございました

一行は依頼を受注したが、
もう夜になるので実行は明日に回すことにした
なので、今夜もギルドハウスへと帰ってきた


怪盗「いやーしかし、本当に焦りましたね」

狙撃少女「そうですか?」

男「……そりゃそうだろ」

狙撃少女「したことないんですか?便の汲み取り」

中華「逆に、したことあるんだ……すごいね。僕はやったことないや」

狙撃少女「教会って、お金ないんですよね……なんで、そういうこともするんですよ」

氷魔「……でも……その分たくましく育ったような気がしますね……」

狙撃少女「そうでしょうか?」

氷魔「……はい……特に精神ですね……」


まだ夕食までは時間がある


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の手伝い
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少年の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「いるか?」


彼は狙撃少女の部屋のドアをノックしていた
彼女は一瞬にしてドアを開き、


狙撃少女「どうかしましたか?」


と男に問う
彼が仲間の部屋を訪ねるのは毎夜のことだが、
特に彼女はノックしてからの反応が早い

本日はここまでです
ありがとうございました

男「いや……」

狙撃少女「特に用はないんですよね?」

男「……そうだな!」


今日はなんだか見透かしたような態度だ
しかし、それだけ彼女もリラックスできているということである
少なくとも、男はそう考えた


狙撃少女「しかし、北の果てですか」

男「ああ。寒いのは苦手か?」

狙撃少女「確かにそうですね。でも……それよりも楽しみさが勝ります」

男「秘境が好きなタイプか?」

狙撃少女「おとぎ話でたまに出てくるんですよ。北の果てが」

男「読み聞かせてもらった感じか」

狙撃少女「そうですね」


男は、ふとあることを思いついた


男「……案外真実が書いてあるかもしれないな。おとぎ話が気になるところだ」

狙撃少女「そうでしょうか?」

男「当たってたら楽しいってだけだけど、なんか北の果てについて言及されてたりしない?」

狙撃少女「うーん……>>下1が棲むと言われていますね」

狙撃少女「最古の種族である大巨人が棲むと言われていますね」

男「そんなのがいるのか!?」

狙撃少女「えぇ、まぁ真実かどうかは不明ですが」


と、あくまで信じないスタンスのようだ
実際、北の果てを確認した人間などほぼいないだろう


男「……原初の火山が北の果てにあるなら、そこに最古の種族が棲むのも道理だ。ありえるかもな」

本日はここまでです
ありがとうございました

と彼がひとしきり頷いたところで夕食の時間となり、
二人は広間の席に向かった


やる気「北の果てっすか……」

ぶりっ子「なんかアンニュイですねぇ?」

やる気「小さな頃はそんな所まで行くことになるとは思ってなかったっすからね」

怪盗「そうですね。私もです」

中華「いやあ、どうしようね」


と彼は困った表情だ
既に料理は並べ終わっているため、
その料理になにか問題がある訳ではなさそうだ

酪農少女「どうかしたんですか?」

中華「いや、北の果てでどんな料理を作るべきか……あるいは、持っていくべきかということを考えていてね」


誰が合図する訳でもなく、みなが一斉に食事を始める


氷魔「……特別寒いですからね……」

中華「そうなんだよねー……中華料理ってどうしても温かいことが大前提のものが多いからさ」

やる気「もう一度温めなおしても食べられる感じのやつを作るのが一番現実的じゃないっすかね?」

中華「そうだよねー……じゃ、そうしようかな」

そんなことを話して食事は終えられた
他にも話されことはあるが、
どれも他愛ない世間話だった


ぶりっ子「深刻な話がない期間は本当に平和を感じますねぇ」

怪盗「いつか毎日がこんな感じになるといいな」

狙撃少女「仕事は欲しいですけどね」


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の後片付け
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少女の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男は中華の元へと向かった
そして、並べられている皿を取ってシンクで洗いはじめる


男「明日は骨が折れそうだな」

中華「そうだね。魔力便かぁ」

男「やっぱり嫌か?」

中華「いや、両親が昔、魔力を形にして料理に入れたことがあったんけどね」

男「うん」

中華「後片付けのとき、普通にその辺に流したら配管が魔力で詰まったらしいんだよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「ほー……油みたいなもんなのかな」

中華「よく分からないけど……水と変わらないって言われたけどやっぱり怖くてね」

男「ま、ちゃんとやれば変にびちょびちょになったりしないだろ」

中華「だといいね」


と、話している内に後片付けの大半が終わった
明らかに二人とも手際がよくなっている

男「こんなもんか」

中華「そういえば」

男「ん?」

中華「フェニックスってどんな味がするんだろう?」

男「……さぁ?辛いんじゃない?」


かなり聞かれても困る質問だ


中華「そうかな。だったらいいな。中華料理と相性いいし」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうした話をして、男は自室に戻り、眠った
その夜、男は久しぶりに夢を見た
あるいは、最近見た夢は覚えていなかっただけかもしれない


男「……ここは?」


そこは深い森の中だった
どうして自分がこんなところにいるのか、という疑問は夢の幻想がかき消してしまう
まごついていると、木陰から>>下1が現れた

荘厳な装飾が施された石の扉が現れた
その扉は深緑の中で異彩を放っており、
世界を区切る異界への入り口としての『扉』としての役割をはっきりと果たしているように思われた


男「……どうしたものかな」


と、逡巡する素振りは見せるが、
気付けばその扉に手を着けていた
いわゆる押戸のようで、押せばその先へ行けるだろう
彼は無意識に扉を押し開き、向こうへ行った

そこに広がっていたのは、石造りの部屋だった
あまりにも殺風景で、古墳の石室のようだった
振り返れば、扉はもう消えていた
閉じ込められたのである


男「あれ……うーん」


前にも後ろにもなにもない
それはまるで転生する前の男の人生だった
困惑していると、石室の中心の空間が裂け、その闇の中から、>>下1が現れた

かなりじめじめとした根暗な少女が現れた


根暗少女「……はぁ」


彼女が現れると同時に、
部屋がなんだか湿気たように感じられた
それほどまでに特異なオーラを放っている


男「あのー」

根暗少女「……なに?」

男「ここから出して欲しいんですけどー……」

根暗少女「嫌だけど」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「んな殺生な!」

根暗少女「はぁ……」


男が縋るように叫んでも、
それすらも彼女は疎ましく思っていることを隠す様子がない


男「……俺は行かなきゃいけない所があるんだ。だから、出して欲しい。そのためならなんだってしてやる」


どこへ行かなければならないのか、
それは彼自身にも分からなかったが、
とにかく行かなければならない場所があることだけは確信していた


根暗少女「……それなら……>>下1」

根暗少女「私もこの世界から脱出させて」

男「お前も、ここに閉じ込められているのか?」

根暗少女「そう。……でも、この部屋じゃない。あなたも私もこの世界に封じられているの」

男「……えっ!?」

根暗少女「ここは夢の世界。……ある意味、牢獄」

男「そんな!俺なんかを当てにしても勝算はないぞ!?」

根暗少女「そう。確かな勝ち筋はない。けれど、あなたならやれる気がする」

男「んなこと言われても……この部屋からすらも出られないんだぞ、俺は」

根暗少女「別に、ここからなら出してあげられるよ」


彼女は壁を勢いよく引き裂く
外にはまた森ではない景色が広がっているが、
ともかく石室からは出られるようだ


男「すごいな、どうやってるんだ?」

根暗少女「……ちょっと事情がある。私はあなたと全く異なる存在……」

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


空間の亀裂を抜ければ、
そこは断崖絶壁の連なる山だった
大量の壁が立ち並ぶような光景は、
荒涼としていて絶望的だ


男「……ここを登っていかなければならないような気がする。でも……こんなところ、登れるだろうか?」

根暗少女「ここは夢……願えば叶うこともある。あなたにはまだ想いの力が足りないみたいだから、私の手を握りなさい」

男は促されるままにその手を握ると、
根暗少女は宙を片手で泳ぎ出した


男「うわ……!?」

根暗少女「怯えてはならない……恐怖はあなたの夢を弱くする」

男「わ、分かった!」


彼は一緒懸命楽しいことを考えた
必死で思案していると、空にイルカが浮かんだ


根暗少女「あれが、あなたの力。まだコントロールはできていないようだけれど、いずれ私のようになれる」

男「はぁ」


釈然としないものを抱えたまま、
彼は少女の手に牽かれて空へと登っていくのだった

根暗少女「あそこに入るよ……」


彼女が指差す先には、
扉の形にくり貫かれた真っ青ななにかがあった


男「あの先は?」

根暗少女「深海」

男「はっ、はぁ!?呼吸できない……ってかぶっ潰れるぞ!」

根暗少女「そうならないの……あなたがそう思えば、そのくらいはできる」


戸惑っていようがおかまいなしであり、
そのまま彼は深海に叩き込まれた

男「ぶはぁっ、はぁ……」


どうにか呼吸を実現する
恐る恐る目を開くと、大きな光の塊が近くにあった


根暗少女「あれがこの世界の出口……でも、守護者がいて、私には倒すことがてきない」

男「守護者?そいつを倒せばいいんだな。どんな奴だ?」

根暗少女「>>下1」

本日はここまでです
ありがとうございました

根暗少女「淫魔…中途半端に上級悪魔になったシスター風の少女よ」


彼女がそう言い終わると、
そこには修道服を着た少女が現れた


淫魔「おや?ここから出るつもりです?」

男「そうだが」

淫魔「残念ですけど、そうさせる訳にはいかないんですよ。私も仕事なんで、ねっ!」

根暗少女「……避けて!」

彼女が指を構え、銃の引き金を引くような素振りを見せると、本当にエネルギー弾が発射された


男「え!?」


しかし、根暗少女のアドバイスによって回避する


淫魔「ち……一撃でバラバラにして差し上げようと思ったのですが」

男「一撃でバラバラ!?お前淫魔なんだからもっと上品な搦め手使えよ!」

根暗少女「夢の世界において淫魔はほぼ最強……わざわざ妙な手を使うまでもなく強い」

淫魔「ふん……あなたがいると面倒ですね。しばらく傍観者になっていただきます」


彼女が指を弾くと、
根暗少女の周りにシャボン玉のようなものが現れ、
それに囚われてしまった


男「くっ……」

根暗少女「……あなたなら勝てます……多分」

男「分かったよ!やってやるさ!」

本日はここまでです
ありがとうございました

そう叫ぶと、男は右手に剣を具現化させ、斬りかかる


淫魔「うわっ!?」

男「ち……」


しかし、すんでの所で躱されてしまう


淫魔「こんなに早く夢の世界に適応してくるとはっ……予想外です!」


反撃に身をよじらせて鋭い蹴りを繰り出したが、
純粋な戦闘技術では男が勝っているため、
あっさりと回避した


男「おらっ!」

そして、より身動きの取りづらい体勢になった淫魔に剣で一撃を叩き込む
明確な手応えがあり、
ダメージを与えられていることは明白だ


淫魔「な……なんなんですかあなたは!」

男「こっちの台詞だわ!勝手に夢の世界に引きずり込みやがって!」

淫魔「うるさいなぁ!こっちだって仕事なんだよ!」

男「仕事……?裏に誰かいるな?おい、これはどいつの差し金だ?……教えてくれれば、俺が勝っても命までは取らないぞ」

淫魔「>>下1」

淫魔「大魔王ベリアルの命で魂をさらいに来たのよ」

男「大魔王だと?」

淫魔「魔を統べる魔王すら支配する最強の存在のことよ」

男「なるほどな……」

淫魔「ま、いまのは冥土の土産ってとこ」


彼女はそう宣言し、右手を構えて波動を放つ
その奇妙な力によって、
具現化した剣は霧散してしまった


男「なんじゃそりゃ!」

淫魔「この世界じゃ私の方が強い権限を持ってるってだけよ」

男「くっ!」


どうにか彼女を殴ろうとするが、
リーチが縮まっているのでうまく当てられない


淫魔「それそれっ!」


一方で彼女は水中を縦横無尽に逃げ回りながら、
エネルギー弾を放ってくる
男は立ち回りにおいて圧倒的なハンデを背負うこととなった


男「くそっ……!面倒なやつめ!」

本日はここまでです
ありがとうございました

淫魔「もう諦めたら?」


確かに状況は絶望的にも見えた
だが、男は決して諦めることはなかった


男「!」

淫魔「なによ」

男「いくぞっ!うおおおおっ!!!」


男は壮絶な叫び声を上げながら突撃した
しかし、これではいい的である

淫魔「やけっぱち?随分泥臭いのね」


そう吐き捨て、彼女はエネルギー弾を連射する
そして、それは男の肉体に直撃______


男「盾!」


______しなかった
武器を出したままでいると消されるため、
被弾の瞬間のみ盾を出現させることで対処したのだ


淫魔「ああもう!」


乱れ撃ちの様相を呈したが、
それらを全て防ぎきり、淫魔に接近することができた

男「覚悟しやがれ!」

淫魔「無駄よ!反射的に剣を消去することぐらいはできるわ!」

男「んなこたぁ分かってんだよ!食らえっ!!」


彼は鋭い蹴りを直線的に放つ
まさしく必殺の一撃だ


淫魔「私に盾が出せないわけないでしょ!」


と男がやって見せたように盾で受けきられてしまう

男「流石にそこまで甘くはないか!」

淫魔「そうよ、結局あなたが詰んでいることは変わらない」

男「……それはどうかな!?」

淫魔「一体なにを……はっ!」


淫魔が振り向くと、そこには一人の女性がいた
その姿はもはや男にとっては見慣れたものだが、淫魔にとっては不可解な存在だ


海神「夢の世界なら、私だって顕現できちゃうんですよ!」


海神が男の精神に丁度宿っていたため、
夢の世界に解き放つことができたのだ
さらにここは海中であるため、
その力が最大限に発揮される場所だ


男「よし海神!なんでもいいからぶちかませ!」

海神「おっまかせーっ!必殺!>>下1」

海神「大胆ウェーブ!!」

淫魔「なにがウェーブよ!盾で受けきるわ!」


と彼女は意気込んだが、無意味な心がけだった
海神の放ったその波はあまりに強大で、
そして盾で受けきれるような面積でもなかった


海神「そんなちんけな盾じゃ、私の波には勝てないよ!」

淫魔「っ……あっ!?」


と短く断末魔の叫びを上げて、
海中でもはっきりと分かる波に巻き込まれ、
全身に強烈な負荷を受けながらどこかへと流されていった

本日はここまでです
ありがとうございました

すると、根暗少女を覆っていたシャボンが弾けた
どうやら、淫魔を倒すことには成功したようだ


根暗少女「……殺しちゃったかも?」

男「別にやったの俺じゃないしー」

海神「えっ!?ひどくないですか!?」

根暗少女「……というか、神出せるんだ。初めて見たよそんな人」

男「色々あってな。……しかし、俺は割と身に覚えがあるが……君はなんで淫魔によって夢の世界に封じられたんだ?」

根暗少女「>>下1」

根暗少女「私は家柄だけの淫魔の落ちこぼれで飼い殺しにされてたのよ」


と、歯切れ悪く語った


海神「うっうっ……かわいそうですねぇ」

男「泣くなよ。なんか海神の涙が混ざった辺りの水だけとくに塩っぽいんだ」

海神「なんか辛辣じゃないですか?……それより!淫魔なのに夢から出て大丈夫なんですか?」

根暗少女「……別に、死にはしない。無害そうな人間の夢にでも憑いて暮らすわ」

男「一応言っとくけど悪いことするなよ。討伐依頼とか出回ったらお前倒さなきゃいけなくなるから嫌だぞ」

根暗少女「分かってる……」


そう言って男と根暗少女、
そして海神は夢の世界から脱出した


男「はぁっ!!」


彼は勢いよくベッドから飛び起きた
夢のことははっきり覚えていたし、
すぐに脳は覚醒状態になった


男「よし、広間行くか……」


ベリアルとやらが暗躍し始めているのは間違いないと男は確信し、その情報を共有することにした

本日はここまでです
ありがとうございました

そして、男は朝食の最中にベリアルについて話した


中華「なるほど……注意しなきゃね」

氷魔「……とはいえ……こちらからできることは……ありませんね……」

やる気「そっすね。とりあえず今日の仕事をやって、そっから考えるっすよ」

ぶりっ子「物騒ですねぇ、大魔王なんて……」

それから一行は食事を終え、
ギルドから支給された汲み取り用の装備を身に付け、
魔力便所の汲み取りに向かうのだった


怪盗「魔力便所はいっぱいありますし、手分けしましょう!」

狙撃少女「そうですね、みんなで持ち場を決めて……終わったら近いところの救援に行きましょう」

男「ナイスアイデア。じゃあ散開!やっていくぞ!」


そして仕事が始まった
全員を描写するときりがないため、
視点を絞って見ていこう


>>下1……誰の視点?
1.男
2.中華
3.氷魔
4.やる気
5.ぶりっ子
6.怪盗
7.狙撃少女

やる気「ここっすね!」


彼はなんとなく高所から飛び降りて目的地に着地した


守衛「な……なんですか、あなたは!?」

やる気「おっと、驚かせちゃったみたいっすね。俺っちはギルドの仕事で、魔力便所の汲み取りにやってきたんすよ」

守衛「……そ、そうですか。確かに冒険者らしいですね」


やる気がやって来ていたのは、
城下町の中心とも郊外とも言えない、
絶妙な場所に位置する豪邸であった

その屋敷には、マナを常食する種族が多く使用人として雇われている
当然、彼ら専用の魔力便所もあるのだ


やる気「ちわーっす、魔力便所の汲み取りに来ましたー」


左右に大きく開かれ、奥へと続く階段やいくつもの方向に伸びる通路のあるエントランスへと入った
すると、立派な髭をたくわえたいかにも高貴な男性が現れる


男性貴族「おお、ありがたい。最近人手が足りないと聞いていたのでね……」

やる気「そうみたいっすねー。それで、一体どこに魔力便所があるんすか?」

男性貴族「使用人詰所の奥だ。ここを左にひたすらまっすぐ行くとよい」

やる気「あざっす!そんじゃ、行ってくるっすよ!」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうして彼は、使用人詰所と書かれた扉を開き、
その突き当たり奥にあるトイレのドアをノックした


???「はい」

やる気「……おっと、失礼したっす。ごゆっくりどうぞ」


それから二分ほど待つと、水の流れる音がし、
扉が開くとともに中から下1>>が現れた

スライム娘「……どなた様ですか?」


ぬるりと出てきた彼女は、
いかにも不思議そうな顔でやる気を見つめる


やる気「えっ、あ、ああ!魔力便所の汲み取りに来たんすよ」

スライム娘「そうでございましたか。これはご無礼を……」

やる気「いや、気にする必要はないっす。ところで、ここで働いてるのはみんなスライム娘なんすか?」

スライム娘「そうですね。私どものメイドや執事としての需要はいつでも高いです」

やる気「へぇ」

スライム娘「地面を滑って移動するので、沢山いて歩き回っても足音がせず、静かだというのが主な理由ですね」

やる気「はぁーなるほど、そりゃ利点っすね」

スライム娘「あと、不審者が侵入しても粘液で傷付けずに制圧できたり……逆にその弾性、粘性を生かしてご主人の壁にもなれますので」

やる気「いいっすね。今度実家に帰ることがあれば親父に薦めてみるっす」

本日はここまでです
ありがとうございました

それからやる気は彼女を見送り、
仕事に取りかかることにした


やる気「準備が一番面倒なんすよねぇ……」


彼は装備付属の説明書を開いた
魔力を排出する生物はあまりにも多様であり、
それらそれぞれの便に対応するためのマニュアルとしてのはたらきをしている
ゆえに、説明書というには余りにも分厚い


やる気「スライム、スライム……」

やる気はスライムについて書かれたページを見ると、
支給されたアタッシュケースのようなものの中から、
説明書に指定のあるガジェットの部品を取り出し、
それらを即席で組み立てる
今回組み立てるのはスポイトと掃除機の中間のような物体だ


やる気「……せいっ!」


大気中には常にマナが含有されているが、
組み立ての最中、これが多量に入り込むと汲み取りの際に詰まりなどの問題が発生する
そのため、マナに対する知識と指先の巧緻性が求められる
感覚的に言えば、液晶のカバーを気泡の浮かないように貼るがごとく作業だ

やる気「そおいっ!」


そして手際よく完成させたそれを、
便器の裏にある蓋を隠された穴に挿入する
すると、自動でガジェットが動きだし、
便槽にある魔力便を吸い上げるとともに、
そこからマナだけを取り出して圧縮する


やる気「……これでよし!」


ここまでがオーソドックスな魔力便汲み取りである
対象の種族などによって対応が千差万別な仕事であるため、非常に神経を使う

本日はここまでです
ありがとうございました

そうしてやる気は一仕事終えると、
屋敷を後にするとともに、
使用した工具を本部ギルドに返却し、
追加の工具を受け取って再び街に繰り出した


やる気「なかなか順調っす!次は……」


彼は脳内の地図を広げ、次自分がどこで汲み取りをするのか思い出した


>>下1……次の汲み取り場所

やる気「……は?」


彼はその建物を見る
そして手元の普通の地図を見る
最後に再び建物を見る


やる気「どう考えてもここで排泄する知的生命体なんていないっすよ……」


そこは廃墟のごとくボロボロの建物であり、
削れてほぼ見えなくなった看板から、
ここが孤児院であったことが分かる


やる気「でも、ここじゃないわけないんすよねぇ……」

仕事であるので、止まる訳にはいかなかった
正門は当然施錠されていないので、
自然な雰囲気で開けて中へと侵入する


やる気「はぁ……」


やはり内装もボロボロで、
一見すればなんの気配も感じられない
資金難から、外装に拘らないタイプの孤児院かもしれないという淡い期待が完全に破られた

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「えーっと……確か地下っすね」


ギルドの職員から、その建物の地下に汲み取りを行う層があると知らされていた
入り口のすぐ右手に降りる階段があったため、
彼はそれを下っていく


やる気「……な……なんすかここ……」


そこは地下牢だった
とても孤児院とは思えない設備であり、
また目的地もここにあることから、
ここには誰かいるかもしれないとやる気は考えた



やる気「すみませーん……誰かいないっすかー……?」


>>下1……返事はあったか

耳をすませば声が聞こえてくる
しかしながら、それは彼の声に呼応したものではなかった
特有の抑揚から、呪文の詠唱であると分かる


やる気「……敵か?」


やる気は魔王の力を解放し、
声のする方へ一瞬にして移動した


看守?「????」

やる気「使われてからでは遅い。しばらく眠っていてもらおうか!」

本日はここまでです
ありがとうございました

彼は勢いよく後頭部を殴りつけ、
看守らしき人間を即座に気絶させた


やる気「なんなのだここは……」


彼は辺りを見回す
薄暗く長い通路の中に、ただ牢屋が並んでいるだけだ
それも、どこまで続いているかも分からない
ともかく、牢屋の中身を見てみることにした


やる気「照明魔法!」


やる気は魔法を使用し、近くの牢屋を照らすとともに覗き込む


>>下1……牢屋の中身

子供「………………」


痩せていて、貧相な見た目をしているために性別は一目見て分からないが、
ともかくそこには子供がいた
ただ押し黙って、現実から逃げるように俯いてなにもない地面を座って見つめている


やる気「おい」

子供「………………」

やる気「死んではいないようだが……どのみち、子供を幽閉している時点でクロか」

看守らしき存在を強引に気絶させた後ではあるが、
やる気としてはもしかするとここが合法な施設であるかもしれないという考えを捨てきれなかった
だが、子供を幽閉していると知れたことで、
彼はより大胆な行動を起こせるようになった


やる気「ふんっ」


目の前にある鉄格子を掴むと、
思い切り両側へ開くようにねじ曲げた
無理やり鉄格子を破壊して中へと侵入したのだ

本日はここまでです
ありがとうございました

子供「!」


ついに子供が反応を示した
もっとも、それは鉄格子を破って侵入してくる人間への純粋な恐怖だった


やる気「そう怯えるな……なにも君を取って食おうという訳ではない」

子供「………………」

やる気「この牢屋はなんだ?教えてくれ」

子供「>>下1」

子供「友達とけんかしてたら放り込まれた」

やる気「……え?」

子供「なにさ」

やる気「いや、なんでもない……」


もしかしたらちょっとやり方が過激なだけで、
ちゃんと孤児院なのかもしれない
やる気はまたもそう考え始めた


子供「というか、お兄さんこそ誰?」

やる気「俺は魔王だ」

子供「え?」

やる気「冗談だ。本当は魔力便所の汲み取りで来ていてな」

子供「なんだ、鉄格子開けたから本当に魔王なのかと思った」

やる気「ふふふ……それでな、魔力便所がどこにあるのか教えて欲しいのだ」

子供「魔力便所?」


どうやら子供にその言葉は聞き覚えがないらしく、
不思議そうな顔をするばかりだった


やる気「魔力を食事にしてる生き物が用を足す専用の便所だ。心当たりはないか?」

子供「>>下1」

子供「更に地下室に黒猫と白猫をよく見るから二匹がそうかも」

やる気「黒猫と白猫?……ただの猫ではないのか?」

子供「……化け猫だと思う」

やる気「ふむ、分かった。妙な尻尾してるか長寿かみたいな所か……礼を言うぞ」


彼はそう言うと、
自分が広げた格子の隙間から牢屋を出て、
また力任せに鉄格子を歪めて元の位置に戻した

本日はここまでです
ありがとうございました

そうしてやる気は再び地下牢の通路を歩き始めた
ここがどれほどの規模なのかは分からないが、
鋭敏になった聴覚を活かしてひたすら階段のありそうな方角へと進んでいく


やる気「……ん?」


地下へ下る階段のありそうな場所にやってきたが、
階段のすぐ前から気配を感じる
通路の曲がり角に半身を隠し、
階段のある場所を覗き込む


>>下1……そこにいた人物

そこには、ひらひらしたドレスのような衣服を纏った女性がいた
やる気が推察するには踊り子であり、
専門的にはジプシーダンサーである
会話が通じそうなので、
やる気はその姿を現すことにした


やる気「やぁお嬢さん」

ダンサー「あら、あなたは?」

やる気「魔力便所の汲み取りにやってきた者だ」

ダンサー「……本当かしら。確かに器具は持っているようだけど」

やる気「なにか疑わしい所でも?」

ダンサー「その妙な態度と……妙なオーラよ」

やる気「威圧してしまったなら申し訳ない」

ダンサー「明らかにヒトのオーラじゃないわ」

やる気「……心外だな。生物学的には間違いなく人間なのだが」

ダンサー「そうじゃないとも言えるわけね。……まぁいいわ、殺意はなさそうだし」

やる気「それで、魔力便所を探しているのだが」

ダンサー「ああ……それなら下にあるわ」


やる気は彼女に導かれるままに階段を下っていく
階段は長く、まったくの暗闇だった


やる気「……質問なんだが」

ダンサー「なに?」

やる気「結局この建物はなんなんだ?」

ダンサー「知らされてないの?」

やる気「ないな」

ダンサー「>>下1」

ダンサー「本来は存在しない幽霊の建物よ」

やる気「どういうことだ?」

ダンサー「ここはここであって『どこでもない』のよ」

やる気「?」


彼はダンサー風の女性が言っていることを理解できなかった


ダンサー「ここは一切の記録に残されていないの。だから、行き場の『どこにもない』幽霊たちがやってくる」

本日はここまでです
ありがとうございました

すみません遅れました


やる気「はぁ……」

ダンサー「ともかく、それが重要なの。他人に教えてもいいけれど、記録に記しちゃだめよ」

やる気「もしここが『どこか』になったらどうなるんすか?」

ダンサー「少なくとも、ここにはみんないられなくなるわ」

やる気「なんで、居場所がなくなっちゃうんすかね?」

ダンサー「例えば、怨念に支配されて彷徨い続けた霊が怨みの対象を忘れてしまった場合とか」

やる気「なるほど」

ダンサー「生まれが悪くて、誰にも愛されずに死んでいった霊とか……ともかくいろいろ。霊が自分の居場所を失ってしまうことは度々あるのよ」

やる気「気の毒だな」

ダンサー「気にしてもしょうがないわ。忘れてしまうのが吉よ」

やる気「……そういうあなたは、何者なんだ?」

ダンサー「>>下1」

ダンサー「この孤児院でショーをやってる」

やる気「ショー……か。鎮魂か?」

ダンサー「ショーで鎮めてどうするの。盛り上がってもらわなくちゃね」

やる気「それも、そうだな……」

ダンサー「こんな場所にしかいられない霊は、きっと生前はろくでもない人生よ。だったら、死後楽しめばいい」

やる気「ということは、あなたは生きているのか」

本日はここまでです
ありがとうございました

ダンサー「さぁ、どうかしらね」


そう言い終えるぐらいで、
長い長い暗闇の階段は終端を迎えた
牢の地下には、木材の壁で覆われた部屋があった
どこか湿気を帯びていて、苦手に思う人もいるだろう


やる気「ここに、白猫と黒猫がいると聞いたのだが、奴らは化け猫かなにかなのか?」

ダンサー「>>下1」

ダンサー「ふふっ、あ・た・し」

やる気「なにぃ!?」


ダンサーがそう告げると、突如空中で宙返りをし、
煙を放ちながら二匹の猫になった


白猫「私たちは二匹で一匹」

黒猫「同じ魂を持つ者よ」

やる気「なるほど。……なぜだ?」


堂々と言われたため、彼も納得しかけたが、
やはり理解できなかった
一つの存在が二つの分体を持つことは魔族の中ではまれにあることだが、二つで一つの存在が結合せず存在できるケースは聞いたことがないためだ


白猫「猫が長く生きて化け猫になると、尻尾が二又に別れるのはご存知?」

やる気「それは知っている」

黒猫「でも、飼い主が不気味がって割れた尻尾から紙を破くように体を引き裂いたの」

やる気「……分かったような分からないような……」

白猫「でも死ななかったし、なぜか二匹になったの。白と黒に別れたのは、私が白黒模様の猫だったからね」

本日はここまでです
ありがとうございました

やる気「つまり、俺は猫の糞を掃除すればいいってわけだ」

黒猫「ひっかくわよ」

やる気「はっはっは。魔王ともあろう者が、猫にひっかかれた程度で苦しむものか」

白猫「……魔王?」

やる気「……おっと、口が滑ったな」

黒猫「あなた魔王なの!?」

やる気「覚えていても役に立たないぞ。忘れろ」

白猫「魔王でも魔翌力便の汲み取りとかするのね……」

やる気「そういう依頼なものでな」


そう言うとやる気は、
近くにあった魔翌力便所を発見し、
手際よく作業を始め、ものの数分で終わらせた


黒猫「あなた、魔王だってことは絶対他の幽霊に教えちゃだめよ」

やる気「するつもりもないが、なぜだ」

黒猫「権威を居場所にしちゃう幽霊もいるからね」

やる気は仕事を終え、一息ついた


やる気「二ヶ所回れば大丈夫だ。少し休んだら本部ギルドに帰ろう……」

白猫「魔王なのにギルド活動やってるの?」

やる気「やっている。そもそも生まれから魔王ではないからな」

白猫「あーなるほど、なんか人間っぽいなぁって思ったのよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

それからやる気は来た階段を登って帰った
地下二階から牢屋までの階段は、
以前よりやけに短く感じられた


やる気「うーん、日光も悪くないっすね」


彼はじめじめした空間から抜け出した喜びを噛みしめ、
本部ギルドへと帰っていった


受付嬢「おっ、お帰りですか!」

やる気「そっすね、みんなはもう帰ってきてるっすか?」

受付嬢「>>下1」

受付嬢「怪盗さんから至急ヘルプの連絡が来てます!」

やる気「なにぃ!?今すぐ向かうっすよ!どこっすか!?」

受付嬢「魔術師ギルドです」

やる気「どこっすか?」

受付嬢「ここを出て通りをひたすら北にまっすぐです!なんか偉そうな建物があります!」

やる気「分かったっすよ!」

彼は慌ただしくギルドを出ると、
そのまま北に向かって駆け出した


やる気「あれっすね!」


しばらく走ると、時代を感じさせる大きな屋敷のような建造物があった
ぶりっ子が所有するギルドハウスもなかなかのものだが、そこにあったのは一回り古く、装飾も絢爛であった


やる気「なるほど、確かに偉そうな感じがするっすね」

本日はここまでです
ありがとうございました

正門には警備係と思われる魔術師が二人いた
しかし、勤務態度はあまり良くなく、
椅子に座って喋っていた


やる気「中で魔翌力便の汲み取りやってる女の子からヘルプを受けてきたんすけど」

門番A「あーそうなの?じゃあ通って下さい」

やる気「……もうちょい調べたりしないんすか?」

門番B「いやー、こういう仕事って下積みも下積みだからね。技能にならないから、適当でいいのさ」

やる気「大所帯のギルドも大変っすね」

使ってるアプリがアップデートでsaga使えなくなってるのでそのうち変えるかもしれないです


やる気は門を素通りして、木造りのドアを開き、
ギルドハウスの中へと侵入した


やる気「……どこっすかね、トイレ」

魔術師「あっ!もしかして汲み取りの方ですか!?」


やる気がどうしたものかと思考していると、
いかにも魔術師といった風貌の男性が話しかけてきた


やる気「そうっす!一体何が起こってるんすか!?」

魔術師「>>下1」

魔術師「つまりが起きていたようで逆流しているとか」

やる気「大変じゃないっすか!どこっすか!?」

魔術師「こっちです!着いてきて下さい!」


彼に案内され、
やる気はトイレのドアの前までやってきた


やる気「ここっすね!」

魔術師「はい、この中で彼女が格闘しているものと思われます」

本日はここまでです
ありがとうございました

扉を開けると、そこには衝撃的な光景が広がっていた


怪盗「きぇーい!!」


便器から逆流したものと思われる魔翌力便が床を覆い、
その根元である便器を怪盗がすっぽんでひたすら突いていたのだ


やる気「なにやってるんすか!?」

怪盗「つまりを取るにはこれしかありませんよ!」

そう言って彼女はひたすらすっぽんを押し引きし続ける
魔翌力便が完全に無色透明であるために、
もはや躊躇や恥は捨ててしまっているようだ


やる気「だあぁぁぁそうじゃないっすよ!問題はそんなことじゃないっす!」

怪盗「じゃあなんですか!」

やる気「こんな高濃度の魔翌力浴び続けてたら悪影響が出るんすよ!」

怪盗「えっ!そうなの!?」

やる気「そうっすよ!じゃなきゃわざわざ便扱いして溜め込まないっす!」

怪盗「え……ちなみに、どうなっちゃうの……?」


と、彼女はひきつった顔でやる気に問う
彼も目の前の惨事にひきつった顔で答える


やる気「>>下1」

やる気「最低数時間は薬物のトリップやオーバートーズみたいな状態になるっす!」

怪盗「えええっ!?」

やる気「分かったら早くそのすっぽんを渡して交代するっすよ!外で休むっす!」

怪盗「はっ、はい!」


怪盗は大慌てで外に出ていった
やる気はすっぽんを受け取り、便器の前に立った


やる気「さて、どうしたもんっすかね……」

やる気「単につまりを直すだけなら、水魔法の類をぶちこんで無理やり流してもいいんすけど……」


しかし、そうもいかないのが現状である
かなりの量が漏れてしまっているとはいえ、
一行の目的はあくまで汲み取りなのだ


やる気「しゃーないっす、俺っちも全力ですっぽんを使うっすよ!」


彼もまた、一心不乱にすっぽんを動かすのだった
それでも怪盗よりは自分にかかる魔翌力便に気を遣ってやっている

本日はここまでです
ありがとうございました

怪盗がある程度やってくれていたというのもあり、
十数分程度で詰まりは直すことができた


やる気「ふぅ……後は汲み取るだけっすね」


本日三度目の手慣れた手つきで、
やる気はあっさりとツールを完成させ、
汲み取りを終えてしまった


やる気「あー疲れた……」

もうくたくただったが、魔翌力便まみれのトイレに長くいるわけにもいかないので出ることにした
そしてそのとき、
怪盗は大丈夫だったのだろうかと思い至った


やる気「怪盗さーん?変になってないすかー?」


彼はトイレの扉を開きながら聞く


>>下1……そこに怪盗はまだいたか(いればどのような状態かも)

怪盗「どうしましたかやる気さん!」

やる気「……え……大丈夫すか?」

怪盗「はい、大丈夫ですよ。いやぁ流石に生きた心地がしませんでしたけどね、なんか変な風にはなってないんで大丈夫だと思いますよ」

やる気「そ、そっすか……はは」

怪盗「どうしたんですか?やっぱり疲れてるんですか?無理せず休むことも大切ですよ!そういえばやる気さんこそ魔翌力便大量に浴びてたりしませんか?もし危なそうならここの魔術師さんたちに相談するべきだと思いますが」

やる気「あー、大丈夫っす。大丈夫。それより本部ギルドに帰るっすよ」

本日はここまでです
ありがとうございました

そうして二人は本部ギルドに帰ってきた


男「……ええっと、ヘルプだっけ?」

やる気「もう終わったんで大丈夫っすよ」


丁度男が戻ってきて、
魔術師ギルドへ行こうとしている所だった


怪盗「お疲れ様です、こっちは大変でしたけどなんとかなりましたよ。まさか便器が詰まってるとは思わなかったんで、本当に焦りましたね」

男「……な、なんか……そうか……」

やる気「色々あってハイになってるんすよ。しばらくすれば落ち着くと思うっす」

それからさらに三十分ほど待っていたら、
残りのメンバーも次々に帰還してきた


中華「配管に関わることをしたのは久しぶりだね」

氷魔「……仕方なく凍らせたりもしましたが……大丈夫でしょうか……」

ぶりっ子「どんな仕事でも、私が華麗に解決ですよぉ!」

狙撃少女「……なんか、叫んでませんでしたか?」

ぶりっ子「な、なんのことですかねぇ!?」

男「丁度近く通ったけどめちゃくちゃ助けてもらってたぞ」

ぶりっ子「見てたんですかぁ!?」

男「ああ、しかし運がいいな。人手が足りないらしいが……」

ぶりっ子「なんでも結構経験のある冒険者さんらしいですよぉ?昔はイケイケだったそうです」

中華「ま、運とそれを掴み取るコミュニケーションも立派な能力ってことでね」

ぶりっ子「そう!それです!そういうことでっ!」

本日はここまでです
ありがとうございました

氷魔「……また……都合のいいことをおっしゃる……」

受付嬢「あっ、みなさん帰ってきてたんですね」

やる気「今揃ったとこっすよ」

怪盗「とびきりの報酬を頼みますよ……私はなにか大切なものを失いましたから……」


そう言う彼女はすっかり正気に戻ったようで、
自分の様子を相当恥じているようだった


受付嬢「そ、そうですか……報酬は>>下1」

受付嬢「貴重な錬金素材として有名な、ドラゴンのフンの乾燥粉末です」


彼女は重さ1.5キロほどの、
袋詰めにされたそれを出した


怪盗「便……」

受付嬢「え?」

怪盗「便じゃないですか!!」

受付嬢「便は便でも便利の便ですよ!」

怪盗「それ以前に大便ですよね!?」

一行はドラゴンのフンの乾燥粉末を手に入れた
メンバーの中に錬金術の心得があるものはいないが、
それでも十分な資産となるだろう


狙撃少女「ぼちぼち帰りましょうか」

男「そうだな。やたらハードだったが、終わってみれば悪くなかった」

怪盗「……そうですか」

中華「まぁまぁ」

本日はここまでです
ありがとうございました

・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージに+6、それ以外の武器では+3)
『平凡人』(戦闘能力以外を最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難易度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』(定期的な巡り合わせ)
武器:レジストソード(攻撃翌力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:火魔法 上級火魔法 氷魔法 上級氷魔法 闇魔法 風魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃翌力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値10/40……レベル31)

・中華
【筋力】133【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃翌力4)
防具:ミレニアムアーマー
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:火魔法 上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値22/38……レベル29)

・氷魔【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 水魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値12/47……レベル38)

・やる気
【筋力】157【HP】57【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『[ピーーー]気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス
防具:ミレニアムアーマー
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 闇魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値0/36……レベル27)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー
防具:ソードブレイカー 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔翌力吸収 )
習得魔法:水魔法 上級水魔法 氷魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値30/39……レベル30)

・怪盗
【HP】??+1
【筋力】120
【MP】136
【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌
防具:ソードブレイカー
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値6/34……レベル25)

・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+4
武器:守人のパチンコ(攻撃翌力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃翌力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃翌力8、一発)
(経験値11/39……レベル30)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)、無限に重なる葉っぱ、ホームセンターの便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体、ドラゴンのフンの粉末
【ギルドの資金】80361475

それから一行は本部ギルドを出た
かなり働いたため、もう陽が傾いている


氷魔「……時間が経つのが……今日は早いですね……」

やる気「そっすねー」

ぶりっ子「でも、まだ活動できるじかんたですよぉ」


>>下1……なにをしよう?(フェイズ・夕方)
1.資金集め!
2.買い物!
3.海神教団の信者を集める!
4.ギルドの依頼を受ける!
5.図書館に行く!
6.占いの館に行く!
7.錬金術師を訪ねる!
8.教団本部を訪ねる!
9.鑑定質屋に行く
10.北の果てを目指す
11.自由安価

それから一行は、ドラゴンのフンについて知るため、
錬金術師の家を訪ねた
呼び鈴を鳴らし、彼女が出てくるのを待つ


怪盗「なんですか、ここ?」

狙撃少女「私も知りませんね……」

男「錬金術師が住んでいる。蘊蓄が好きな変人だ」

怪盗「今回聞くのはうんちについてですけどね」

中華「今日ヤバくない?ゆっくり寝たほうがいいよ」

すると、扉が開いて錬金術師が顔を出した


錬金術師「やぁ、随分大所帯になったねー」

男「服は着て出てこい」

錬金術師「失礼」


扉は勢いよく閉められ、
中からバタバタと動き回る音が聞こえる
そして、三分ほど経って再びドアが開かれる


錬金術師「やぁ、随分大所帯になったねー」

氷魔「……もう一回やるんですね……」

ぶりっ子「ええ、色々ありましたがぁ……」

錬金術師「で、どうしたのさ」

狙撃少女「実は、ドラゴンのフンを粉にしたやつを手に入れまして……」

錬金術師「なるほどなるほど……自慢?」


納得したような顔で一行を見る


中華「ち、違います!使い道が分からないので、聞きに来たんですよ!」

錬金術師「はっはっは、それはそれは。今日の私は機嫌がいいからね、上がっていきなさい」

本日はここまでです
ありがとうございました

一行は客間に通された
テーブルを隔てて錬金術師がソファに座る


やる気「で、これがドラゴンのフンっすね」


そのテーブルの上に袋詰めのフンを置いた
重量感のある音がする


錬金術師「なかなかの量だねぇ」

ぶりっ子「これ、なにを錬金するのに使うんですかぁ?」

錬金術師「ずばり、>>下1」

錬金術師「香水や爆薬、薬品等の素材になります」

ぶりっ子「香水!?」

やる気「爆薬!?」

氷魔「……薬品……!」

錬金術師「食いつくねぇ。……どれも全然違うものなんだけどね」

狙撃少女「フンから作った香水ですか……」

錬金術師「錬金術の秘技をもってすれば、フンであろうとも最高の香水にできるのさ」

男「まさか、ドラゴンのフンにそこまでの発展性があるとはな」

錬金術師「で、君たちこれどうするの?」


口元は笑顔だが、目は据わっている
明らかにわざとである


中華「使いたいんですね、これ」

錬金術師「ふふふ……私は遠出が嫌いだからね、最近はその辺で手に入るような素材しか使ってなくてね……年甲斐もなくワクワクしてしまう」

やる気「年甲斐?」

錬金術師「おっと、聞かなかったことにしてくれたまえ」

氷魔「……見た目は非常にお若いですが……」

錬金術師「目に見えるものが全て真実とは限らないんですよ……って、何言わせるんだ」

ぶりっ子「あはは……でも、これだって私たちが働いて手に入れたものですからねぇ」

錬金術師「君たちは錬金術がしたいのではなく……成果品が欲しいんでしょう?だったら、けっこう渡せるさ」

怪盗「どういうことですか?」

錬金術師「私が錬金術師をしている理由に俗なものがあるのは否定できないが……成果品だけが私の喜びではない。それに、これだけの素材があれば私の手に余るほどのブツができるだろうね」

本日はここまでです
ありがとうございました

狙撃少女「そんなに恐ろしいものが……!?」

錬金術師「ああいや、単純に量ができるのさ」

男「そうか……まぁ、成果品をきちんと貰えるなら文句はないな」

錬金術師「話が分かるじゃないか。では、なにを作って欲しいのかリクエストを聞こう」


彼女はにやりと笑い、脚を組み直す
ソファにもたれて偉そうな表情だ


中華「うーん、どうする?」


>>下1……なにを作ってもらう?
1.香水
2.爆薬
3.薬品

それから一行は相談を行い、
薬品を作ってもらうことにした


氷魔「……やはり……薬品ですね……」

錬金術師「そうかい、それはいいね。実はその三つの中だと、一番色々なアプローチができるからね。私としても大助かりさ」

やる気「で、どんなものができるんすか?」

錬金術師「色々作ってみるさ。まー……明日にはできてるものもあるだろうし、気が向いたときに来なよ」

ぶりっ子「分かりましたぁ」

本日はここまでです
ありがとうございました

一行はフンを錬金術師に預け、
今日のところはギルドへ帰ることにした


怪盗「はぁ……どっと疲れました」

狙撃少女「なにがあったのかは聞かないでおきます」

男「朝から夕方まで拘束される本格的な肉体労働をしたのはすごく久しぶりかもしれないな……」


>>下1……何しよう?
1.中華の料理の手伝い
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少女の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「今、大丈夫か?」

酪農少女「はい、どうぞ」


彼女はノックに呼応してドアを開ける
どうやら今日も真面目に勉強をしていたようだ


男「今日も勉強か」

酪農少女「え?」

男「いや……学生なんだし、もうちょっと遊んでもいいんじゃないかなって」

酪農少女「そうですかね?」

男「いやまぁ、一切遊ばずに育った奴を知らないから、確実はことは言えないんだけど……」

酪農少女「では、なぜ?」

男「娯楽とはいえ、一つの経験だ。大人になるまでに、なにか大きく欠けている経験があると、人格に悪影響が出たりする……と聞いたことがある」

酪農少女「そうなんですね」

男「ああ、ほどほどに遊ぶべきだと思うぞ」

酪農少女「……でも僕、遊びなんて知りませんよ?なにで遊べばいいんですか?」


彼女の生まれを思えば当然のことだが、
だからといって遊びがないのはかわいそうだ


男「うーん……>>下1」

男「トランプカードとか」

酪農少女「なるほど、トランプタワーとかいいかもしれませんね」

男「やめろ!よりサイコパス感上がるわ!」

酪農少女「で……ではどうすれば?」

男「誰か誘えよ。俺だったら相手してやるからさ」

酪農少女「いいんですか?」

男「別にトランプぐらいみんなやってくれると思うぞ」

酪農少女「じゃあやりましょう」

男「いいぜ。なにやる?」

酪農少女「七並べはどうでしょうか」

男「タイマンで七並べ!?」

酪農少女「だめですか?」

男「……もっとこう、タイマンでも遊びの幅が出るゲームしようぜ」

酪農少女「となれば……なにがいいですかね?」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「神経衰弱とかかな」

酪農少女「なんですかその物騒な名前のゲームは」

男「……まぁ物騒だな。だが名前負けだ。いいか?」


それから男は酪農少女に神経衰弱のルールを説明した


酪農少女「そんなので神経が衰弱するんですか?」

男「しない」

酪農少女「よかったです」

それから二人は神経衰弱で勝負した
普段から暗記をしているからか、
酪農少女もかなり強かった
そして、それから夕食の時間になった


中華「今日はみんなボロボロになったと思うから、体が休まるメニューにしたよ」

氷魔「……ありがとうございます……」

やる気「ってことは、肉っすか?」

中華「うん、肉多めさ」

卓上には大量の肉料理が並べられ、
夕食の時間が始まった


ぶりっ子「ま、沢山働きましたしぃ……お肉食べても太らないでしょう!」

怪盗「そうですね!我慢せず食べましょう!」

狙撃少女「疲労には肉がいいんですね」

酪農少女「エネルギーが沢山詰まっていますからね」

本日はここまでです
ありがとうございました

男「やっぱ辛い肉は最高だな」

氷魔「……たまには……こういうのもいいですね……」

やる気「毎日これがいいっすね」

中華「あ、今日はデザートも用意してるよ」

ぶりっ子「デザート!?なんですかぁ!?」

中華「>>下1」

中華「フルーツたっぷりの杏仁豆腐だよ」

怪盗「おおっ!いいですね!中華さんの杏仁豆腐、すごい好きなんですよ!」

狙撃少女「フルーツが入ってるのもいいですね。今日は甘味が足りないなぁ、と思っていたので」

中華「でしょ?バランス取らないとね」

酪農少女「いいですよねフルーツ。とくに瑞々しさの強いものが好きですよ」

中華「待っててね、今取ってくるから」


一分もしない内に彼は杏仁豆腐を運んできた
さくらんぼやミカン、葡萄を中心に様々なフルーツの添えられた彩り鮮やかなデザートだ


男「すげぇ!店でこれ出したら女性客すごい付くぞ!」

中華「そ、そうかな!?それじゃメモしとくよ」

氷魔「……見た目も涼やかでいいですね……中華料理はどうしても暑苦しい雰囲気のものが多いので……メリハリがつきます……」

本日はここまでです
ありがとうございました

一行は杏仁豆腐を和やかに食べ、夕食を終えた


やる気「いやぁ、食ったっすねー」

ぶりっ子「いや、食べすぎですよぉ……どこに入っていくんですかね、食べ物」

怪盗「たまに居ますよね、並外れた大食いの人……」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……何しよう?
1.中華の料理の後片付け
2.氷魔の部屋を訪ねる
3.やる気の部屋を訪ねる
4.ぶりっ子の部屋を訪ねる
5.酪農少女の部屋を訪ねる
6.怪盗の部屋を訪ねる
7.狙撃少女の部屋を訪ねる
8.スライムをいじる
9.読書(誰がなんの本を読むかも)
10.自由安価

男「あっ、中華」

中華「うん?どうかしたかい?」

男「なんか食べ物余ってない?」

中華「……ってことは、スライムに食べさせるのかな?」

男「ああ、そうするつもりだ」

中華「おっけー、分かった。今持ってくるよ」

次に中華が厨房から現れたとき、
彼の右手にはバナナが握られていた


男「バナナなんてあったんだ」

中華「今日の杏仁豆腐と合わせようと思ったんだ。小さく切ればいい感じになるんじゃないかと思ってね」

男「なるほど?……でも、出なかったよな」

中華「試作の段階で、今日出した杏仁豆腐の付け合わせにさらに切ったバナナを盛ると、ちょっと派手すぎたんだよね」

男「ふぅん。でもデザートだし、派手でもいいんじゃないのか?」

中華「うーん……杏仁豆腐って、結構爽やかなデザートだからね。あまり派手にしすぎると悪趣味になっちゃうんだよ」

男「確かに……ゴテゴテの杏仁豆腐は人を選ぶかもな……」

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