淡々と…いきます
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-魔界-
剣士「あ…ここは?」
剣士「クソ…頭が痛い…」
剣士「この場所から推測するに…魔界?」
剣士「まあいい…とりあえず現在位置をしろう…」
吸血鬼「(あれ…人間だよね…?)
吸血鬼「(あれが人間…)」
吸血鬼「(うう…血…吸わないと…大人として認めてもらえない…)」
吸血鬼「(とりあえずあの人間と接触しなくては…)」
剣士「日が傾いてきた…まずい」
剣士「魔界での野営は避けたいし…頭を手当てしなくては…」
ガサガサ
剣士「何だ!?」
吸血鬼「(血に反応して…これが…吸血鬼の本能なの?)」
剣士「うう…駄目だ…安全な場所を見つけよう…」
-15分後-
剣士「ハァ…ハァ…思ったより傷が酷い…」ゼェゼェ
吸血鬼「(あの人間…弱ってる?)」
吸血鬼「(今はチャンスだけど…せっかくの初めてだし…)」
剣士「ぐぬぬ…ここで…」バタン
吸血鬼「え!?」
吸血鬼「ちょ、ちょっと!しっかりしてよ!」
剣士「ああ…お前は?」
吸血鬼「いいから…!手当てする!(何で手当てしてるんだ…!私)」
剣士「ありがとう…」ガタ
吸血鬼「え…!死なないでよ!」ウルウル
吸血鬼「死んじゃだめ…!」ウルウル
-吸血鬼の小屋-
剣士「うう…ここは?」
吸血鬼「ああ…よかった…(結局血を吸えなかった…)」フゥ
剣士「手当てを?」
吸血鬼「いや…まあ…(襲おうと待機してたら倒れたなんて言えない…)」
剣士「その…なんと言えばいいか…」
吸血鬼「き、気にしないで!」
吸血鬼「(うう…血を吸わないといけないのに…)」
剣士「ありがとう…!」
吸血鬼「え、あ、はい…//(人間の娘の翻弄されてる!?てか私もまあ同じ位だけど…)」
剣士「そうだ…!自己紹介する!」
吸血鬼「あ…はい」
剣士「私は剣士、人間の害となる『吸血鬼』狩りで来た!」
吸血鬼「へぇ…(こいつ…目的は私…!)」
剣士「貴女は?」
吸血鬼「その…あれです!」
吸血鬼「『商人』です…!」
剣士「へぇ…主に何を?」
吸血鬼「キノコです…!」
吸血鬼「(何か…キノコ売りになってしまった…)」
剣士「あの…邪魔だったら言って下さい…出ていくんで…」
吸血鬼「いえいえ…!そんな!」
吸血鬼「傷が完治するまではいてくださいね(信頼を得て背後から…)」
剣士「ありがたい…ぜひキノコ狩りも手伝う!」
吸血鬼「その…今はシーズンじゃないんです…」
剣士「なら…今は何を?」
吸血鬼「お、お散歩したりして楽しんでます!(無職の遊び人なんて言えない…)」
剣士「楽しいんだろうな…魔界だもの…ここまで綺麗な景色は…」
吸血鬼「あの…」
剣士「何だ…?」
吸血鬼「何故怪我を…?」
剣士「すまない…記憶が…」
吸血鬼「そう…ですよね…」
吸血鬼「(うう…何とかして血を…)」
吸血鬼「(でも…あの人は血を吸うと私の眷属に…)」
吸血鬼「(考えるな…!)」
剣士「あの…大丈夫か?」
剣士「何か悩み事か?」
吸血鬼「ああ…すみません」
吸血鬼「夕食つくりますから!」
剣士「私も…」
吸血鬼「怪我人は寝てて下さい!」
剣士「うう…すまない…世話になって」
吸血鬼「いえいえ!お構いなく…!」
吸血鬼「(とりあえず…様子を見よう)」
-夜-
吸血鬼「(結局…夕食もスキがなかった…)」ショボーン
吸血鬼「(まあまだ時間はある!)」
剣士「そろそろ…寝かせてもらう…」
吸血鬼「あ、はい!」
剣士「色々と…ありがとう…」
吸血鬼「気にしないで下さいよ…」
吸血鬼「大事なお客さんですし(意味深)」
剣士「その…じゃあ…おやすみなさい!」
吸血鬼「おやすみなさい!」
吸血鬼「隣にいるので呼んで下さい…!」
剣士「ああ…ありがとう!」
吸血鬼「ええ…」
吸血鬼「(私は…やれるのかな?)」
吸血鬼「(でも…やらないと…やられる…)」
吸血鬼「(まだ怪我してるうちに…)」
吸血鬼「(できないよ…私)」ウルウル
剣士「っ…」
-翌朝-
剣士「んん…朝か…」
吸血鬼「あ、おはようございます!」
剣士「おはよう…」フワァ
吸血鬼「あの…野草取りに行ってきますね…」
剣士「ああ…いってらっしゃい!」
吸血鬼「はい…行ってきますね…」
剣士「(何か様子がおかしいし…あの犬歯は…)」
剣士「(まあ…それはないか…あんなに優しい人が…)」
-森林-
吸血鬼「ねえ…眷属を持つってどんな感じ…?」
?「うん…人によるんじゃない?」
吸血鬼「それって奴隷みたいに扱う人もいれば、友達感覚の人もいるってこと…?」
?「そう!それ…!」
吸血鬼「私は…」
?「貴女なら…逆にやられちゃうかも…」クスクス
吸血鬼「ちょ、ちょっと…姉さん!」
姉「うそうそ…!冗談だよ…!」クスクス
吸血鬼「じゃあ…戻るね!」
姉「気をつけてね?相手…ハンターでしょ?」
吸血鬼「うん…!絶対にやるよ!私」
-吸血鬼の小屋-
吸血鬼「ただいま戻りました!」
剣士「ああ…おかえり…!」
吸血鬼「さあ!朝御飯つくります!」
剣士「頼む!」
吸血鬼「(私…やるよ!絶対に…)」
剣士「(急に態度が変わった…何かあったのか?)」
吸血鬼「1つ訊いてもいいですか?」
剣士「何だ?」
吸血鬼「今までに吸血鬼を討伐したことってありますか?」
剣士「実は…恥ずかしながらまだない…」
吸血鬼「もしかしてこれが初陣だったり…?」
剣士「魔界では初めてだ!」
剣士「今までは人間界で治安維持活動に従事していたんだ…」
吸血鬼「どうして魔界へ?」
剣
剣士「それは…」
吸血鬼「む、無理に言わなくていいですから!ね?」
剣士「ああ…」
吸血鬼「さあ…!出来ました」
吸血鬼「冷めないうちに食べてください!」
剣士「美味そうだ…」
吸血鬼「それじゃあ…」
「「いただきます!」」
-昼-
吸血鬼「あの…」
剣士「ん?どうしたんだ?」
吸血鬼「包帯替えましょうか…?」
剣士「あ、そうだな…色々とすまない…」
吸血鬼「い、いえ…(やるんだ…今しかない…)」
シュルシュル
剣士「い、痛た…」
吸血鬼「あ…痛かったですか?すみません!」
剣士「いや…ちょっとだけだ…」
吸血鬼「じゃあ、消毒を…」
剣士「消毒ぐらいは私が…」
吸血鬼「いいから…じっとしててくださいね?」
剣士「あ、うぐぐ…」ウルウル
吸血鬼「(さあ…覚悟を決めろ!私…!)」
吸血鬼「さあ…包帯を…」
(だ…!)
ミス…
吸血鬼「(今だ…!)」
吸血鬼「包帯を替えますから近づいて下さいね?」
剣士「ま、待て!」
吸血鬼「な…なんですか?(バレた?)」
剣士「包帯は自分でやる…」
吸血鬼「い、いや…でも…」
サササ
剣士「消毒ありがとう…じゃあまた眠るよ…」
吸血鬼「あ、はい…(バレたかと思った…)」フゥ
剣士「(うう…信じたくないが…)」
剣士「(今夜試すか…)」
-夜-
吸血鬼「(結局何も進展がない…)」
吸血鬼「(ああ…どうすれば…)」
剣士「おーいちょっといいか?」
吸血鬼「はい…なんですか?」
剣士「お前に見せたいものがある」
シュ ザク
吸血鬼「な、何を!?」
剣士「ああ…手を切ってしまった…」
吸血鬼「一体…何を?」
剣士「お前は…何者何だ?」
吸血鬼「(ば、バレた!)」
吸血鬼「私は…吸血鬼だ!」
ガバ
剣士「な…!?」
吸血鬼「や、やった…?」
剣士「いや…まだ噛まれてもないぞ…!」
吸血鬼「え…」
剣士「覚悟…!」シャキーン
吸血鬼「え、そんな…」ウルウル
剣士「とりあえず…眠れ!」ガン
吸血鬼「うう…」バタン
-朝-
吸血鬼「うう…」
剣士「目が覚めたか?」
吸血鬼「な!(手足が縛られてる…)」
剣士「私の傷だがだいぶマシになった…その点は感謝しているぞ…吸血鬼?」
吸血鬼「う、うるさい…!人間風情が…」
剣士「威勢はいいが…今の状況を見てみろ」
吸血鬼「ぐぬぬ…」
剣士「とりあえず飯だな…待っていろ」
吸血鬼「人間の作る飯なんて!」グゥ
剣士「体は正直だな」クスクス
吸血鬼「うう…(どうすれば…この状況を…)」
剣士「さあ出来た!口を開けろ」
吸血鬼「人間なんかに…」
剣士「本当は血しか吸えない獣なのか?」
吸血鬼「ぐぬぬ…」
剣士「よし…いい子だ」
吸血鬼「モグモグ(お、美味しい…)」
剣士「その…不味いなら言ってくれ」
吸血鬼「お、美味しい…だから…もっとくれ…//」
剣士「ああ…!勿論だ!(なかなかのツンデレだな…)」
吸血鬼「その…訊きたい事がある…」
剣士「答えられる範囲でなら…」
吸血鬼「どうして私を倒さない…?」
剣士「それは…」
吸血鬼「私はお前を…お前を…」ボロボロ
剣士「な、何故泣くんだ…!」
吸血鬼「実は…まだ血を吸った事がなくて…」ボロボロ
吸血鬼「お前が倒れてる時に吸おうと思ったのにできなかった…」
吸血鬼「とりあえず…手当てをして…それで…」
剣士「分かった…とりあえず落ち着け…」
吸血鬼「うう…すまない…騙してたんじゃない…できなかった…」ボロボロ
剣士「その…泣くな!」
吸血鬼「だって…私は騙したんだ!負傷しているところを襲おうとしたんだぞ…!」
剣士「(誇り高いな…吸血鬼は…卑怯な手は使えないのは本当だったのか…)」
剣士「だが私はお前を倒す気はない」
吸血鬼「やれ!私は卑怯者だ…!」
剣士「傷の手当ての恩返しだと思え…」
吸血鬼「うう…」
「!」や「?」を全角にしてくれるとありがたい
特に「!」一つのとこって判りにくいんだよね
全角ですね!
色々あって至急端末を替えたので操作がおぼつかない…
吸血鬼「私…なんで吸血鬼なんかに…」ウルウル
剣士「……」
吸血鬼「私は害なのか…?」
剣士「そうなのかもな…」
吸血鬼「なら何故私は産まれて…」ポロポロ
剣士「(心が痛む…でも彼女は吸血鬼なんだ…)」
吸血鬼「いっそのこと早く私を斬れ…!」
剣士「お、落ち着け!」
吸血鬼「頼む…」
パン
吸血鬼「え…?」
剣士「黙れ…!」
剣士「吸血鬼だってこの世に生を受けた生き物だろう…!」
吸血鬼「でも…」ポロポロ
吸血鬼「私は…生きてる価値なんて…」ポロポロ
剣士「価値なら私が見つけてやる…!だから…生きろ!」
吸血鬼「うう…見つかるまで一緒にいてくれる?」
剣士「ああ…当たり前だ!
吸血鬼「うう…けんしー!」ポロポロ
剣士「ま、待て!だ、抱きつくな…!」ギュゥ
吸血鬼「噛まないから大丈夫…」
剣士「そ、そういう問題では…」
PCは基本ゲーム以外使わないですw
めんどくさくても寝ながら投稿は楽なので…
剣士「てか…いつの間に縄を…?」
吸血鬼「かなり緩めに縛ってあったから…」
剣士「アザができない程度には縛っておいたけど…抜けるとは…」
吸血鬼「そこまで私のことを…?」ウルウル
剣士「ああ…泣きやんだと思えばまたか…」
吸血鬼「泣いてないもん!」ポロポロ
剣士「よしよし…」ナデナデ
吸血鬼「な、撫でられた…私」
剣士「撫でちゃ悪いのか?」
吸血鬼「撫でられたことなくて…」
剣士「(辛い思いをしてきたんだ…この娘は…)」
剣士「なら…私は精一杯撫でてやる…!精一杯抱きしめてやる…!」ダキ
吸血鬼「うん…ありがとう」ポロポロ
-数時間後-
剣士「さて…どうするか」
吸血鬼「何を?」
剣士「ここに留まっていても始まらないだろう?」
吸血鬼「そ、そうだね!」
剣士「とりあえず私は何故ここに来たのか思い出せない…」
吸血鬼「記憶喪失?」
剣士「ああ…」
吸血鬼「まあ、いずれ思い出せるよ!」
剣士「そうだな!」
吸血鬼「それで何処かへ向かうの?」
剣士「そうだな…魔界の首都だ!」
吸血鬼「え!?人間が行くなんて自殺行為だよ!」
剣士「まあ、向かいながら考える…」
-道-
吸血鬼「魔物が一杯いるね…」
剣士「ぐぬぬ…」
吸血鬼「フードはしっかり被って!」
剣士「そうだな…あくまでも戦争中だからな…」
吸血鬼「あの…関所はどうするの?」
剣士「関所?え…あるのか!?」
吸血鬼「戦争中なので…」
剣士「う…普通に通るのはダメか?」
吸血鬼「まず魔界に住んでる人間は手形を持っているし…」
剣士「手形を奪おう!」
吸血鬼「死んじゃうと思う…」
剣士「ぐぬぬ…」
剣士「関所破りは?」
吸血鬼「それも死んじゃう…」
剣士「どうすれば…」
吸血鬼「そういえば…『変わり身の術』というのが…」
剣士「それだ!よくやったぞ…」ナデナデ
吸血鬼「う、うん…//」
剣士「じゃあやってくれ」
吸血鬼「かなりの術者じゃないと…」
剣士「え…ダメじゃん」
吸血鬼「一応…心当たりがあるんだけど…」
剣士「それって?」
吸血鬼「姉さん…」
剣士「え?姉がいたのか!?」
吸血鬼「血は繋がってないけど…」
剣士「なら行こう!」
吸血鬼「うん…(気まずいな…)」
-姉の館-
吸血鬼「ここだよ…」
剣士「で、でかいなぁ…」
吸血鬼「う…」
剣士「気分でも悪いのか?」
吸血鬼「ちょっとね…」
?「あの…どちら様ですか?」
吸血鬼「え…ああ」
メイド「あ!妹さんと…人間!?」
吸血鬼「いや…これには…」
姉「あれ?来るなんて珍しいじゃない」
吸血鬼「ね、姉さん…」
姉「隣の人は眷属…ではないみたいだけど…」
吸血鬼「これには…訳が」
姉「ま、まあ入って…人間の方も…」
剣士「ああ…」
吸血鬼「(うう…姉さん怒ってるのかな?)」
メイド「あの…人間さん」
剣士「な、何か?」
メイド「その…気を付けて…」
-応接間-
姉「で…何か用?」
吸血鬼「姉さん…私…」
姉「血を吸うどころか返り討ちにあったの?」
吸血鬼「それは…」
姉「えっと…剣士さん?」
剣士「何だろう…?」
姉「この娘は貴女を吸血しようとした?」
剣士「ああ…」
姉「じゃあこの娘は吸血を躊躇った?」
剣士「それは…」
姉「躊躇ったんだ…」
吸血鬼「姉さん…ごめんなさい」ウルウル
パン
吸血鬼「え?」
剣士「なっ!?」
姉「貴女…もしも剣士さんがヤル気なら死んでいたんだよ!」
吸血鬼「それは…」ウルウル
姉「相手がよかったからまだしも…お願いだから心配かけさせないで!」ウルウル
吸血鬼「姉さん…」ポロポロ
姉「剣士さん…その…ありがとうございます」
剣士「何がだ…?」
姉「妹を許してくれて…」
剣士「いや…そんな」
姉「何かお役立ち出来ることなら…なんでも」
剣士「なら…貴女の妹を預からせて欲しい…あと変わり身の術をかけてくれ!」
姉「なぜ?」
剣士「コイツの為だ…」
姉「喜んで…!」
姉「じゃあ…いきますよ」
剣士「望むところだ…」
姉「【変わり身の術】」
ピカ
剣士「どうだ?変わったか?」
吸血鬼「えっと…」
姉「か、変わりましたけど…」
「猫耳…」
剣士「な…//戻せ!」ワタワタ
姉「暫くは無理です!」
剣士「そんな…」
姉「まあ…人型でよかったじゃないw」
剣士「ぐぬぬぬ…」
-王都前関所-
警備「次!」
魔物「はい!」
警備「よし…行け!」
警備「次!」
剣士「へい!(緊張のあまり噛んでしまった…)」
警備「よし…行け!」
剣士「ふぅ…」
警備「次!」…
-王都-
剣士「ここが王都…」
吸血鬼「人間からしたら敵の本丸ですよね!」
剣士「皆、魔王の首を狙っているし…」
吸血鬼「人間も王都はありますよね?」
剣士「ここまで活気ついていないが…」
商人「武器はいらねぇかー?猫耳娘」
剣士「な…」
吸血鬼「呼んでますよ?猫耳娘さん♪」
剣士「間に合っている…」
商人「そうかい…なら奴隷はどうだい?」
剣士「奴隷…だと?」
吸血鬼「奴隷…」
商人「この娘だ!」
サキュバス「は、離せ!」
吸血鬼「サキュバス…ですか?」
商人「色々あってね…正直売りモンにならねぇが…」
剣士「同じ魔族同士で…」グヌヌヌ
吸血鬼「落ち着いてください!」
商人「荷物持ちには便利だろ?」
吸血鬼「でも…お金が…」
商人「安くしとくよ?」
剣士「待て!幾らだ?」
商人「ああ…確か…」
-数分後-
商人「まいどー!」
吸血鬼「ちょっと!サキュバスなんかイヤですよ!」
剣士「とりあえず彼女にマシな服を着せよう」
サキュバス「ねぇ…この手枷外しなさいよ!」
吸血鬼「うう…こんな下品なサキュバスなんかと…」
剣士「黙っていろ!奴隷」
サキュバス「猫耳が何様の…」
剣士「あ?」ギロ
サキュバス「う…」
吸血鬼「このサキュバスはどうする気ですか?」
剣士「逃がす…」
吸血鬼「せっかく買ったのにですか!?」
剣士「そうだ…」
吸血鬼「そうですね…」
吸血鬼「(眷属に…でもこんなサキュバスなんか…)」
-宿-
剣士「ふぅ…疲れた…」
吸血鬼「ですね…」
サキュバス「この首輪を…」
剣士「ああ…そうだな」
サキュバス「あとどうして私を…?」
剣士「なんとなくだ…」
サキュバス「そう…あと着る物もありがとう…」
剣士「布切れじゃあ困るだろ?」
サキュバス「そうだ…」
剣士「こちらからも質問いいか?」
サキュバス「どうぞ」
剣士「なぜ奴隷に?」
サキュバス「言いたくない…」
剣士「ならいい…」
吸血鬼「ねぇサキュバス…?」
サキュバス「なに?」
吸血鬼「貴女…まだ処女?」
サキュバス「な、な…!?」
吸血鬼「よく観察すれば分かったからね!」
剣士「どうやって見分けた?」
吸血鬼「髪のツヤとか…?」
剣士「ああ…なるほど!」
剣士「あと…もう貴女は奴隷じゃない」
サキュバス「え?」
剣士「好きなところヘ行け!」
サキュバス「私は行くとこない…」
サキュバス「一緒に行動させて!お願い!」
吸血鬼「私はイヤです!」
サキュバス「いいじゃない…!」
剣士「私はお前を逃がす…」
サキュバス「なんでよ…!猫耳!」
剣士「ね、猫耳と言うな!」
サキュバス「てか…外と態度が違うけど…?」
剣士「奴隷と楽しく話をしていつのをだな…」
サキュバス「やっぱり世間の目よね…」
吸血鬼「ねえ?」
サキュバス「なによ?」
吸血鬼「貴女は奴隷印ついてるよね?」
サキュバス「ついてるけど…何よ?」
吸血鬼「ああ…そっか」
剣士「何か問題か?」
吸血鬼「奴隷印はあるだけで魔族としては扱われないので…」
剣士「関所が通過出来ない…」
サキュバス「え…」
吸血鬼「まあ…主がいれば別ですけど…」
剣士「なるほどな…」
吸血鬼「ま、まあ関所までなら一緒にいてもいいんじゃないですか…?」
剣士「そうだな!」
サキュバス「え?いいの?」
吸血鬼「私はサキュバスという種族は嫌いですが…貴女には同情しただけです…」
剣士「関所までだぞ?」
サキュバス「うん…!ありがとね」
吸血鬼「泣いてる?」
サキュバス「な、泣いてない!」
剣士「とりあえず本来の目的を終わらせよう」
吸血鬼「というかここで何するか聞いていませんけど…」
剣士「ああ…探し物だ」
サキュバス「探し物ねぇ…」
吸血鬼「何を探しているんですか?」
剣士「お前に一番必要なものだ」
吸血鬼「必要なものですか…?」
サキュバス「私も手伝うよ!」
剣士「1人でやるからお前たちは観光しておいてくれ…」
吸血鬼「観光…」
-大通り-
吸血鬼「結局…」
サキュバス「あれ!見てみて!」
吸血鬼「そうですね…(剣士は何探しているか教えてくれないし…)」
サキュバス「ナニコレ?」
吸血鬼「む、胸に入れて大きく見せるやつですよ…」
サキュバス「私は要らないかな!」
吸血鬼「そ、そうだね…(ぐぬぬぬぬ…エロ種族め…)」
サキュバス「1ついい?」
吸血鬼「何でしょう…?」
サキュバス「貴女種族は?」
吸血鬼「吸血…」
サキュバス「きゅ、吸血鬼!?」
吸血鬼「声が大きい!」
サキュバス「ごめん…」
吸血鬼「まあいいですけど…」
サキュバス「血は…吸うの?」
吸血鬼「あ、当たり前じゃないですか…!(嘘ついた)」
サキュバス「血を吸われた人はどうなるの…?」
吸血鬼「えっと…性的快楽を味わうよ…」
サキュバス「それってお互いにいいんじゃない?」
吸血鬼「吸われた人は眷属として一生仕えないといけない…」
サキュバス「へぇ…」
吸血鬼「すごいでしょ?」
サキュバス「眷属さんは?」
吸血鬼「そ、その…色々あって!」
サキュバス「そっか!」
-とある家-
剣士「邪魔するぞ…」
?「これは…剣士さんが何の用かしら?」
剣士「久しぶりだな…魔女」
魔女「お久しぶりですわ」
魔女「どうしてここが…?」
剣士「風の噂でな…」
魔女「わざわざ変装魔法を使ってまでとは…何か困っていらっしゃるようですね?」
剣士「ああ…まあ色々と」
魔女「まあ貴女には大きな借りがありますからねぇ…」
魔女「助けてあげますわ…」ニヤ
剣士「ああ…助かる!」
魔女「あと…」
剣士「なんだろう?」
魔女「魔王がどうやら気づいたようですわ」
剣士「長居はできないか…」
魔女「私はあとひと月でここをたちますので…」
剣士「それまでに頼む…」
-魔王の部屋-
魔王「どうやら人間が迷い込んでいるとは…」
側近「はい…複数名いると思われます!」
魔王「探し出し捕らえよ!」
魔王「この都は奴らの住むべきではないと思い知らせてやれ…!」
側近「はっ!」ビシ
-宿-
吸血鬼「はぁ…疲れた…」
サキュバス「猫耳はどこ行ってたの?」
剣士「昔からの友人に会っていた…」
吸血鬼「それって私は関係してます…?」
剣士「当たり前だ!」
サキュバス「なんか…深刻そうな顔してるけど?」
剣士「そ、そんな事はないぞ!」
吸血鬼「それより…軍の警備が慌しいですね」
サキュバス「何か事件とか…?」
剣士「き、気のせいだろう」
サキュバス「そうだね!」
剣士「(このままでは…皆殺される…)」
-翌日…魔女の家-
剣士「軍が我々の捜索をしている!」
魔女「そのようですわね…」
剣士「急いでくれ…!」
魔女「最低でもあと3日はかかりますわ…」
剣士「ここ以外では出来ないのか?」
魔女「魔翌力が強い所でないとだめですの…」
剣士「くっ…」
魔女「奴らは検問を張ります…それにかからなければ大丈夫ですわ…」
剣士「そうだな…」
-魔王の部屋-
魔王「まだか?」
側近「恐れながら…」
魔王「奴らは変幻の術で化けている…」
魔王「だが餌があれば寄って来るはずだ…」
側近「そうですね餌を撒きましょう」
魔王「頼むぞ…!」
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