P「もう765プロを助けてっていわれなくても・・・」【2】 (839)

前スレ
P「765プロを助けてっていわれても・・・」

P「765プロを助けてっていわれても・・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360247186/)

前の作品からの続き物となっております

この物語は完全にオリジナルな話になっており
そのアイドルはそこ所属じゃないだろ等
そういった意見が出てくることがあるかもしれません

嫌悪感も強く抱かせてしまう恐れがありますので
アイドルのイメージを崩されたくない方は読まないようお願いいたします

構わないという方はこのまま引き続きお楽しみください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362627818

とりあえずスレ立てだけしておきました

後で少しだけ更新するかもしれません

                      | ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄|\
                       |      ||      |\|
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乙だよ。なんか前スレで急かしたみたいになってすまんね。

このスレを開いて頂き
本当にありがとうございます
皆様とまたお会いできたことを嬉しく思います

>>9
なんだか感激いたしました

>>10
いえいえ、そんな事はありません
それほどまでに楽しみにして頂けているのだと
ポジティブにとらせて頂きました
ご丁寧にありがとうございます

それでは少しながら更新させてもらおうと思います

---県境中央病院---


P「・・・・・・」

P「ん・・・・」


ここは・・・・・・

・・・病院?

P「っ・・・!」

P「いてっ・・・」


頭が痛い・・・

俺は何を・・・


どうして病院に・・・

---ガララ


看護師研修生「あっ、目が覚めたんですね!」

P「えぇ・・・どうも」

看護師研修生「さっきまで沢山の可愛らしい子達が」

看護師研修生「ずっとあなたの事を心配して見てたんですよ?」

P「ずっと・・・?」

看護師研修生「はい、面会時間ギリギリまで」

看護師研修生「まるでテレビで見たアイドルみたいな子もいましたし」



P「・・・」

看護師研修生「あんなに沢山の女の子に心配してもらえるなんて、幸せ者ですね」フフ



P「・・・!」

そうだ・・・途中で気を失って・・・


響と貴音の収録は--

やよいのライブは--

P「すみません、俺こんな事している場合じゃないんです!」


看護師研修生「随分ご無理をされていたみたいですね」

看護師研修生「体が悲鳴をあげてしまってます」

P「いえ、そんなことは・・・」

看護師研修生「疲れてるから倒れたんですよ!?」

P「」ビクッ

看護師研修生「と・に・か・く!今日はもう遅いですし、ゆっくりなさっていってくださいね!」

P「時間・・・!」

もう月が昇っている

携帯は・・・どこだ

P「・・・」ガサッ


P「あった・・・!」

P「七時!?」

一体何時間寝てたんだよ!

もう何もかも終わっちゃってるじゃないか!


収録はどうなった

ライブは無事に終わったのか?

それに・・・この履歴の数


アイツはあの時、何をしていた・・・?

P「・・・」スッ

看護師研修生「あの・・・」

---カチャカチャ

看護師研修生「きゃっ・・・!」

P「すいません、お世話になりました」


看護師研修生「・・・」

看護師研修生「これからお仕事ですか・・・?」

P「違います」



P「可愛い女の子達に」

P「ちょっと頼まれた事がありましてね・・・」


看護師研修生「・・・」

看護師研修生「それならしょうがないですね・・・」

看護師研修生「じゃあ、これだけは約束してください」

P「なんです?」

看護師研修生「今度は倒れる前に病院に来ること!」

看護師研修生「約束ですよ?」

P「・・・分かりました」ニコ

看護師研修生「」ニコッ

P「それでは」

---ガララ

P「失礼します」ペコ

---ガララ


看護師研修生「・・・」

看護師研修生「はぁ・・・」

看護師研修生「情に流されやすくて、駄目だな私・・・」

看護師研修生「また怒られちゃうよ・・・」

看護師研修生「やっぱりこの仕事には向いてないのかも・・・」


看護師研修生「でも・・・あんなに泣いてる子達の顔を見ちゃったら、仕方ないよね・・・」

看護師研修生「あのプロデューサーさん・・・大丈夫だといいけど・・・」

-----
--
-

--ピッ

P「もしも---」

律子『プロデューサーですか!!?』

P「いっ・・・!」キーン

--プロデューサー!? 

--チョット!イマハワタシガ

--イイカラカワリナサイヨ!

--ジブ・・・ ガヤガヤ

P「ハハッ・・・」

みんな無事みたいで良かった・・・ 

律子『目が覚めたんですね!?』

P「えっと---」

律子『ハァーー・・・良かった・・・』

律子『もう!心配かけさせないでくださいよ!』

P「悪かったよ、最近あんまり寝てなかったからさ。急に眠たくなっちゃって」

P「そんで響達の収録が終わるのを待ってたら、どうやら廊下で寝ちゃってたみたいで・・・てへ」

律子『ハアァァ!?』

P「」ビクッ

--ナニナニ!? ドウシタ・・・

--イイカラハナレテナサイ!

P「・・・」

P「いや、その・・・悪かったとは---」

律子『人がどんだけ心配したと思って・・・!』

P「本当にごめん!今度何かで埋め合わせるから!」

律子『ハァ・・・本当にもう・・・』

律子『無事だったんならそれでいいですよ』

P「でも、律子さんがそこまで心配してくれてるとは・・・」

P「ちょっと嬉しいな」

律子『なっ・・・!』

律子『勘違いしているようだから言っておきますけど!』

律子『心配してたのは私じゃなくて、この子達ですからね?』

律子『特に伊織やひび・・・』

--ギャー ナニヲ・・・ イオリチャーン


今の声は・・・

・・・良かった

またみんなには迷惑かけちゃったみたいだな・・・

P「分かった、この件については明日改めて謝らせてもらうから」

律子『はい、何ですか?』

--モウ!イイカゲンニ・・・

P「とりあえず今日あった事を教えてくれないか?」

P「なるべく細かく」

律子『ハァ!?そんな事明日にでも---』

P「頼む・・・」

律子『まったく・・・』

律子『まず・・・』

-----
--
-

P「・・・分かった、ありがとう」

P「一人でよくそこまで頑張ってくれたな」

律子『すみませんでした・・・私の力が足りないばかりに---』

P「謝るのは俺の方だよ」

P「律子さんはよくやってくれた」


今回はアイドルを守る事を第一に考えてくれていたじゃないか・・・


律子『いえ・・・私なんて』

P「・・・ありがとう」

P「詳しいことはまた明日」

P「それじゃ」ピッ

律子『あ--』

律子さんに聞いた話をおおまかにまとめるとこうだ


やよいのステージが始まる直前

それまで何の滞りもなく進んでいた音響機材の整備に

『突如』支障が出たらしく

ステージ開始ギリギリの時間まで律子さんも粘ったが

その甲斐なくしてステージは中止

俺にも沢山電話をかけていたらしいが、俺からの応答はなし

そんな最中(さなか)収録を終えた貴音から

俺が倒れて病院に運ばれていたという連絡を受け

慌てて皆を連れて、夕留スタジオまで駆けつけ

響、貴音の挨拶をすませたが

『何故か』やんわりと、もう765プロのアイドルを使う気はない

というような事をほのめかされたらしい


そして、会場の中に


『アイツ』らしき姿の人物を見かけた・・・と


それ以上の事は言っていなかったが

恐らくはみんなには知られぬよう

なおかつ近づけないように

ずっと注意を払っていたに違いない

それだけでも既に律子さんは、いっぱいいっぱいだった筈なのに・・・

俺はのんきに寝ていたなんて・・・

自分で自分が許せない・・・!


もう全員を鍛え上げてからなんて、悠長なことは言っていられない・・・

このままだと、写真を撮られていない響達までが活動できなくなってしまう

そうなってしまったら

もう本当に打つ手がなくなってしまう・・・

P「あああああぁぁぁぁ!!!」

P「クソッッ!!!」

---ドンッ!!


P「俺だってどうにかしてやりたいよ!!」

---ドンッ!!


P「でも!!」

---ドンッ!!


貴音「・・・」スタスタ


P「どうすればいいか・・・!」

--ドン!


貴音「・・・」タタタッ


P「もうどうしたらいいか・・・!」ボロッ

--ドン・・・


P「分からないんだよ・・・」

貴音「あなた様!」バッ


---ギュウゥゥッ


P「たかねぇ・・・っ」ボロボロ

貴音「もういいのです・・・」

P「ッ・・・ッ・・・」

貴音「もう十分ですよ・・・あなた様」


貴音「あなた様が初めてわたくし達の目の前に現れたとき」


---俺が必ず765プロを立て直す---


貴音「わたくし達は、本当に心の底から歓喜いたしました」


---我那覇さん・高槻さん・四条さん、俺は三人の事を信じる---


貴音「わたくしはその一言で・・・」


---だから三人も、俺の事を信じてほしい・・・---


貴音「このお方なら信じても大丈夫だと・・・」

貴音「そう、確信いたしました」

P「ッ・・・」

貴音「あなた様はここまでお一人で、よく頑張られました」

貴音「あなた様のそのお気持ちと頑張りは、わたくしがよく分かっております」

貴音「ですから・・・ここまででも、もう十分なのです」

P「っく・・・っ・・・」

貴音「感謝しておりますよ、あなた様」ニコ

P「っ・・・っ・・・」


貴音の身体は温かくて・・・



まるで全ての不純物が心の内側から抜けていくようだった



でも俺はその顔を・・・

直視することができなかった

----
--
-

貴音「あなた様、温かいお飲み物などいかがですか?」

P「へっ?」

P「あぁ、ありがとうありがとう!頂くよ」

--ゴクッ

P「はぁー・・・」

貴音「落ち着かれましたか?」

P「うん」

P「あはは、ごめんな」

P「大の大人がこんな道端で、年下の女の子の前で泣いたりしちゃってさ」

貴音「ふふっ・・・まるで少年のような泣き顔でしたね」

P「やめてやめて!思い出すと顔から火が出そうになる!」

貴音「ふふふっ・・・これも、わたくしの役得といったところでしょうか」

P「笑わないで!」

貴音「申し訳・・・ございません」クス

P「まったく・・・」

P「それにしても、どうしてこんな所にいたんだ?」


まさか貴音がこんな病院の近くにいるなんて、思ってもみなかった

貴音「面会時間が終了だと聞いたので」

貴音「病院の外でしばらく待機していたのですが」

貴音「なにゆえか、こんな時にまでお腹は空くもので・・・」

P「ラーメンを食べていた・・・と」

貴音「お恥ずかしながら・・・」

貴音「ですが、行き違いにならずにすんでほっといたしました」

P「そっか、ありがとな」

貴音「いえ、わたくしが勝手にしたことですので」

貴音「どうかお気になさらず」

P「でも、面会時間が終わっちゃったんなら帰ってくれててよかったのに」

P「どうせ、今日はもう会えないはずだったんだからさ」ハハ


貴音「はて・・・?」

P「ん?」

貴音「次の面会時間とやらを待っていたつもりですが」

P「いや、貴音」

貴音「はい」

P「この後に次の面会時間なんてないからな?」

P「今日はもう終わりなんだよ、さっきの時間で」

貴音「なんと・・・!」

P「あははは、貴音はそういう所抜けてるよな」

貴音「面妖な・・・」

P「でも、嬉しかったよ」

P「貴音がここにいてくれなかったら」

P「俺はとんでもない行動に出ていたかもしれない」


そう・・・本当にとんでもない行動に・・・


P「だから、貴音がいてくれて助かった」

P「ようやく、次にすべき行動が分かったんだ」

貴音「・・・!」

貴音「あなた様・・・もう---」

P「おおっと!やめてくれよ!」

P「俺は諦めるなんて言うつもりはないからな?」

貴音「あなた様・・・」

P「貴音にもかなーり!格好悪いところを見せちゃったけどさ!」

P「俺はもう二度と弱音は吐かない!!」

P「約束する・・・」


P「だから、もう一度だけ・・・」

P「俺にチャンスを与えてくれ」

貴音「・・・」

P「駄目か・・・?」

貴音「本当にあなた様というお方は・・・」

貴音「本音を言ってしまえば、もうあなた様の辛そうにしているお姿など」

貴音「この目に入れたくはないのですが・・・」

P「・・・」

貴音「ですが、そこまでの決意を口にしているあなた様のお言葉を」

貴音「わたくしのような者が止められる権利など、はたしてお持ちでしょうか?」

P「貴音・・・」

貴音「ですが、一つだけ約束をしてください」

P「・・・」

貴音「もう、倒れるまでの無理はしないという事」

P「・・・分かっ---」

貴音「それと・・・」

P(それと!?)

貴音「わたくしが問いただした時、必ず本当の事を答えるという事」

P「むむっ・・・」

貴音「・・・」

P「・・・分かったよ」

貴音「それと」

P「まだあるの!?」

貴音「今日はこのまま寄り道せずに」

貴音「まっすぐ帰宅し」

貴音「体を休めること」

貴音「・・・以上です」ニコ


P「・・・ありがとう」


貴音「ふふ・・・」

P「明日はちゃんと同行するからな」

貴音「はい」



P「それじゃあ、また明日な!」

貴音「はい、それでは」


貴音「・・・」
-----
---
-

これまたド派手に情けない姿を見られたもんだ

気が動転していて、正直何を口走ったか覚えていない気さえする・・・

こんな俺が後から何を言ったところで

説得力は皆無なのかもしれないけど

貴音がいてくれたおかげで考えがまとまった



そうだ

俺は、いつまでも頼れるプロデューサーのままでいたいんだ

みんなから嫌われていてもいい

利用したいのなら利用してくれてもいい


ただ、皆に笑っていてもらえるのなら

この先、どんなに辛い事があっても

やり通してみせる



--ごめん、貴音・・・

早速約束を破って悪いけど

このまま家に帰るなんてできない


今行かなくちゃ駄目なんだ




961プロダクションへ

とりあえずここまでかなーって

乙!
そういえばトレーニングとかでシャボンとかボイトレに役立ちそうなのあるけどそういうの全部自分で考えたの?
ちょっとボイトレかじってる身としてはシャボン玉トレーニングリアルに役立ちそうな気がするけども

>>59
自分で色々と調査した結果に基づいて
効果のあるようになるよう
模索した結論となっております
なので、自分では実際にやっても
効果があるのではないかと考えております

もう少ししたら更新しますが
嫌悪感注意です

更新します

・・・ここが961プロか

さすがは大手企業


噂には聞いていたが、実際に来たのは初めてだ


もし、貴音がいてくれなかったら

俺は即座に勝負を挑んでいただろう

でも、今は違う

今俺がすべき事は、できるだけ時間を稼ぐこと


そして765プロ全員の子に、相応の実力をつけてもらい


アイドルらしく勝利に導くこと


ただ、上手くいく保証もない・・・

相手のペースに乗せられないよう

いかに駆け引きを行っていくか

すべては俺次第なんだ

冷静さを欠いちゃいけない・・・



・・・やってやるさ、必ず

---961プロダクション高層ビル---1階フロア---





---ウィーン



P「すみません、765プロダクションプロデューサー兼」

P「社長代理の者なんですが」

P「黒井社長にお会いしたいのですけれど」

受付嬢「はい、ご予約はされておりますか?」

P「いえ、しておりません」

受付嬢「そうしますと・・・本日お会いするのは難しいかと・・・」

受付嬢「社長はお忙しい身ですので」

P「不躾(ぶしつけ)なお願いと承知の上ですが、黒井社長に電話を繋いでみてもらえる事は出来ませんか?」

P「もし可能でしたら、765プロダクションの社長代理が来たと」

P「一言添えてみてください」

P「それでも無理なようでしたら、また改めて出直させてもらいますので」

受付嬢「ですが・・・」

P「お願いします」

受付嬢「・・・分かりました」

P「・・・」ペコ

--プルルル
-ッ

黒井『私だ』

受付嬢「お忙しいところ申し訳ございません」

黒井『用件はなんだ』

黒井『なるべく手短に話せ』

受付嬢「はっ、はい」

受付嬢「あの・・・只今一階のフロアに」

受付嬢「765プロダクションの社長代理とおっしゃられている方がお見えになっておりまして・・・」

黒井『・・・765プロの』

黒井『ほう・・・』

受付嬢「今から社長にお会いしたいそうなんですが・・・」

黒井『・・・』

受付嬢「お、お断りさせて頂きますね」

P「・・・」

黒井『構わん、通せ』

受付嬢「えっ・・・」

黒井『構わんと言っておるのだ!』

黒井『さっさと通せ!』

受付嬢「はい・・・!すぐにそちらまで!」

受付嬢「ししし、失礼します!」

--ッ

受付嬢「ハァー・・・」

P「あの・・・」


受付嬢「ご案内致しますので、こちらへどうぞ・・・」

P「はい・・・ありがとうございます」


まずは第一関門突破だ



貴音「・・・」

貴音「・・・やはり」

---961プロダクション最上階---社長室---


--コンコン


黒井「入れ」


--ガチャ


受付嬢「失礼します」

受付嬢「765プロダクション社長代理様をお連れ致しました」

黒井「ご苦労」


P「・・・失礼します」

ピ

受付嬢「それでは、失礼致します」

--ガチャン

黒井「これはこれは」


黒井「誰が来たかと思えば・・・弱小765プロのプロデューサーじゃないか」

黒井「そんな弱小765プロのプロデューサー如きが」

黒井「一体この私に、どんな用件があるというのだ?」ククッ





こいつが親玉か・・・

白々しい・・・



P「お初にお目にかかります」

P「765プロダクションプロデューサー兼社長代理を務めさせて頂いております」

P「Pと申します」

黒井「ハハッ、貴様のような奴が社長代理とは・・・」

黒井「弱小765プロも地に落ちたものだな」


好き勝手言いやがって・・・

--コンコン

黒井「ウィ」

--ガチャ

元P「失礼します」

--ガチャン


P「・・・!」

黒井「ククッ・・・」

黒井「私が呼んでおいたのだ」

黒井「貴様が用のあるのは、私じゃなくて」

黒井「我が社の有能なプロデューサーなのだろう?」

P「っ・・・!」

元P「おやおや・・・」

元P「僕に会いたいとおっしゃられているお方がいると」

元P「そうお聞きしてやってきたのですが・・・」

元P「まさか現765プロのプロデューサーだったとは」

元P「これは驚きですね」ニヤァ


フー・・・!

冷静に・・・冷静に・・・


元P「何やら今日は大変だったみたいですねぇ」

元P「『急に』機材が故障し、ライブが中止になったり」

元P「『急に』これから収録はしないなどという断りを入れられたりなどと」

P「・・・・・・」

元P「そういった事があったと、風の噂にお聞きしたのですが」

元P「まぁ、何が起こるのか分からない」

元P「この世界はそういう風にできておりますからね」

元P「そう気を落とさず」

元P「また『次に』頑張ればよろしいじゃないですか」


元P・黒井「ハハハッ」


P「・・・」カチーン

P「・・・黒井社長」

黒井「ウィ」

P「いくつかお聞きしたいことがあります」

黒井「聞きたいことか・・・」

黒井「今夜は機嫌がいい」

黒井「私に答えられる質問だったら、特別に答えてやろう」

P「では、まず」

P「765プロダクションに所属しているアイドルの子達に」

P「何か個人的な恨みでもあるんですか?」

黒井「ハハッ、何を聞いてくるのかと思えば・・・」

黒井「そんなのは知れたこと」

黒井「765プロダクションそのものが私にとっては憎むべき敵なのだ」

黒井「したがって、あえてその質問に答えるとすれば」

黒井「アイドル自体に恨みはない」

P「・・・」ピキッ

P「では次です」

P「どうしてそこまでして」

P「765プロに執着しているのですか?」

黒井「執着などしていない」

黒井「ただ気にくわんだけだ」

P「・・・」


P「それでは最後の質問です」

P「どうして、まだ売れてもいないアイドルのスキャンダル写真を・・・!」クルッ

元P「おっと・・・」

P「そこにいるプロデューサーに撮らせたんですか・・・?」

黒井「写真だと・・・?」

黒井「貴様は何を言って---」


--ピ



「まだ無名のアイドルのそんな写真を撮ってくるだけで、あの超一流企業の961プロダクションに入れるというのですから…」

「こんなに美味しい話はないでしょう?」

「違いますか?765のプロデューサーさん」


「いやぁー、どうしてまだ売れてもいないアイドルのゴシップ写真を欲しがるのかと疑問でしたが・・・」

「こういう時の為だったんですねぇ・・・さすがは黒井社長だ」


「ですが、勘違いはしないでくださいよ?」

「僕は忠告に来てあげただけですので」


「あまり出すぎたことをしていると、いつ社長があの写真を記事に載せるか」

「僕にも分かりませんから」


「・・・そんなにベラベラと喋っていて大丈夫なんですか・・・?」

「・・・・・・誰かに聞かれているかもしれませんよ」



「問題ありませんよ、961プロですからね・・・誰も手を出してはきません」

---
-


--ピ


元P「それは!!」

黒井「・・・!」

P「いやぁー、本当に961プロダクションのプロデューサーは・・・」

P「『有能』だなぁ」

元P「お前・・・!」

P「おおっと・・・」

P「随分と乱暴な言葉遣いですね?」


P「それがあなたの本性ですか・・・」

元P「調子に乗りやがって!」

黒井「やめろ!」

元P「ひっ・・・!」

P「・・・さすが黒井社長ともあろうお方だ」

黒井「・・・どうせ今も録音しているのだろう?」

P「お察しの通りです」スッ

P「最近のICレコーダーは優秀でしてね」

P「半径〜m位なら、綺麗に音を拾ってくれるんですよ」

黒井「フンッ、胸ポケットに入っているペン型か」

P「そこまでバレてしまったら、もうこの手は使えなさそうですね」

ピ


元P「・・・」

P「言っておきますけど」クルッ

元P「・・・!」

P「このペンを奪い取ったところで、データにも保存してありますから」

元P「くそっ!」

P「・・・」クルッ

P「それでは黒井社長」

P「質問の答えをお聞きできますよね?」


黒井「プロデューサー風情が・・・」

黒井「それで勝てたつもりか?」


黒井「そんな物、この使えない屑プロデューサーをクビにして」

黒井「始めから我が社には存在してなかったことにしてしまえば」

黒井「なんてことはない!」

元P「社長・・・!?」


やっぱりそうきたか・・・

黒井「それに、その方が我が社にとってもリスクがなくなるからな」

P「リスク・・・?」

黒井「せっかくだ、話の土産にでも見ておくといい」

--カチッ

--ガーー


映写機・・・



P「・・・!?」


黒井「ハハッ・・・無様な姿だ」

--カチッ


これは・・・

黒井「たかがプロデューサー如きに」

--カチッ


あ・・・


黒井「恋心なんぞ抱きおって」

--カチッ


ああ・・・


黒井「それも揃いも揃って・・・」

--カチッ


そうか・・・


黒井「この一人の男にだけ」

--カチッ



黒井「この順番通りに見ていくとどうだ」

--カチッ


そういう事だったのか・・・


黒井「実際に手は出していなくとも」

---カチッ

あずささんの飲酒の話を聞いた時から・・・

何かがおかしいと思っていたんだ・・・


その当時でもあずささんの年齢は二十歳


つまり、飲酒の写真をあずささんが撮られたところで

あずささんにとっては、まったくと言っていいほど

スキャンダルになっていない


俺も話しか聞いていなかったし

本人たちも写真は見ていないと言っていたから

どんな風に撮られているかまでは知らないといっていた


この写真を見たら

何故他の子達にもそういう写真を撮っていたのか・・・


・・・すべて合点がいった


あずささんは、酔ってお酌しているだけでよかったんだ・・・


こうして揃えてから見てみると・・・

---カチッ

黒井「まるで・・・」


黒井「超大手企業の我が961プロダクションに」

黒井「ククッ・・・」




黒井「寄ってたかって・・・」



黒井「枕営業をしているように見えないか?」


P「・・・・・・」



---返す言葉もないほどに



---その通りだった・・・

黒井「この男を我が社のプロデューサーとして残しておき」

黒井「この写真を世間に公表すればどうなるか・・・」


黒井「さすがの貴様でも想像はつくだろう?」

P「・・・っ」




そんな事をされれば・・・

765プロのアイドル達は

そうまでしてでも人気アイドルになりたいのか・・・と

世間からは、ずっと見下され続け

アイドルとして成功するのは不可能となるだろう

黒井「だが、そんな事をすれば」

黒井「勿論の事、こちら側への被害も大きい」


黒井「しかし!そんな事は想定の上だ!」

黒井「先に述べたように、最初からいないものとすれば・・・」

元P「そんな・・・」

黒井「我が961プロにとっては」

黒井「ノーリスク・ハイリターンだ!」


屑の親玉は特上級の屑か・・・



だが、そんな事よりも・・・

---スタスタスタ

--ガッ

元P「ひあっ・・・!」

P「アンタ・・・!」

P「本当にアイドルの子達には」

P「手を出していないんだろうな!!」

元P「」ビクッ!

元P「いいから手をはなせ!」

P「答えろ」ググッ


元P「分かった・・・!こ、答える・・・から手を」

--パッ

-ドシン

元P「ハー・・・ハー・・・」

P「答えろ」

元P「」ビクッ

元P「手なんか出してねーよ!」

P「なら、あの写真はどうやって撮ったんだ」

元P「ホテルに連れてったら勝手に脱ぎだしたんだよ!」

元P「下着なんだからいいだろうが!」

P「・・・」ピキ

P「・・・伊織の写真はどうした」

元P「ハハッ、アイツには一番苦労させられたぜ」

元P「他の奴らは皆落ちたってのに」

元P「アイツだけは、俺の事を信じてくれなくてな」

元P「だから、眠ってもらったところで」

元P「ちょっと強行手段をとらせてもらった」

P「・・・」ググッ

元P「起きた時のアイツの顔・・・」

元P「今思い出しても笑える・・・」ハハッ

P「お前・・・」

元P「だけど、勿論手は出しちゃいないぜ?」

元P「僕は年下には興味ねーからな」


P「」プチン


元P「それに、僕はあくまでも写真を撮っただけ」

元P「そんなのパパラッチだろうが、どこにでもいるもんだろ」

元P「実際、手も出していないんだから」

元P「法を犯す事は何一つしちゃいない」



P「だからってそんなこと・・・」

P「許されると思って・・・!」

---バンッ!


P・元P・黒井「・・・!」


貴音「おやめください、あなた様」

貴音「そのような輩の為に・・・」キッ

元P「」ビクッ

貴音「わざわざあなた様のお手を汚すような事もありません」


P「貴音・・・」


黒井「弱小765プロのアイドルか・・・」


貴音「わたくし達にはわたくし達らしい」

貴音「戦い方というものがあるはずです」

P「・・・・・・」


俺の後をつけてきてたのか・・・

また貴音に助けられる事になるとはな・・・

貴音「その前に・・・」

貴音「その不埒な映像を、今すぐに止めなさい!」


黒井「これは悪い事をした」

---カチッ

--ガーー


貴音「あなた様・・・」スッ

貴音「わたくしとの約束を破られましたね?」

P「すまない・・・」

貴音「ここから先・・・」

貴音「わたくし達は一心同体です」

P「あぁ・・・」スクッ

貴音「共に皆を救い出しましょう」

P「・・・あぁ」


本当に駄目な奴だな俺は・・・

一人じゃなんにも出来やしない

また本来の目的を見失っていた

P「・・・黒井社長」

黒井「なんだ?」


P「これ以上話をしていても仕方ありません」

黒井「そうみたいだな」

P「それなら・・・」

P「アイドルはアイドルらしく」

P「ステージの上で勝負しませんか?」

黒井「ほう・・・」



P「三ヵ月後に行われる」


P「歌姫・歌王子フェスで・・・!」

貴音「・・・」コクン

黒井「ククッ・・・」

黒井「貴様ら如きが勝てると」

黒井「本気でそう思っているのか?」

P「えぇ」

黒井「・・・」

黒井「フンッ、馬鹿らしい」

黒井「実にくだらん」

P「怖いんですか・・・?」

黒井「なにっ・・・!」

P「俺達がそちらのトップアイドル」

P「天ヶ瀬冬馬に勝つ事ができれば」

P「アイドルの子達の写真、データ、ネガ・・・」

P「すべての情報を俺の目の前で、消去・焼却処分してもらいます」

黒井「こちらが勝利したのならどうするつもりだ」


P「写真を記者に提供するなり、なんなりしてもらって構いません」

元P「!」

貴音「・・・」


黒井「面白い・・・」

P「ですが、その三ヶ月の期間」

P「765プロには手を出さないようお願いします」

黒井「・・・いいだろう」


よし・・・



黒井「だが・・・それだけとなると、まだ手ぬるいな」

P「・・・と言いますと?」

黒井「まぁ、万に一つも貴様らが勝つ事は考えられんが・・・」

黒井「もし、貴様らが勝った場合」

黒井「貴様には我が961プロダクションに人事異動してもらう」

P「なっ・・・!」

元P「・・・!」

貴音「何を・・・!」

黒井「弱小765プロのアイドル共が我がアイドルに勝てたとしたのなら」

黒井「それは間違いなく貴様の成果だ」

黒井「そこまでの手足れともあれば」

黒井「我が961プロとしても手元に置いておきたい存在とも言える」

黒井「どうだ?悪い話ではなかろう」

黒井「そうでなければ、私はこの話には乗らん」

P「・・・・・・」


P「本当にすべて処分していただけるんですね・・・?」

黒井「ウィ、勿論だ」

貴音「あなた様・・・いけません!」

黒井「私は約束だけは守る男なのだ」

P「俺が入れば・・・」

P「この先765プロには一生手を出さないと」

P「誓ってくれますか・・・」

貴音「駄目です!」

黒井「くどいな」

黒井「我が社の社員の願いを聞かんわけがなかろう」

P「・・・・・・」

P「分かりました」

貴音「あなた様!?」

黒井「ククッ・・・そうこなくてはな」


P「それでは三ヵ月後に・・・」

黒井「あぁ」

元P「・・・」


P「行くぞ・・・貴音」

貴音「・・・・・・」


P「失礼・・・しました」ペコ

黒井「ウィ」


---ガチャン

黒井「・・・」

黒井「何をボサッとしている」

元P「はっ・・・」

黒井「次のフェスで負ければ」

黒井「貴様はクビだ」

元P「クビ・・・」

黒井「あんなボロを出しおって」

黒井「私は頭の悪い奴が大嫌いなのだ」


黒井「さっさと行かんか!」

元P「はっ、はい!」

元P「失礼しました!」

---ガチャン

黒井「765プロのPか・・・」

黒井「高木よ・・・」

黒井「・・・また面白そうな奴を雇ったもんだな」

------
---
-

元P(大丈夫・・・)

元P(冬馬が負ける筈ない・・・)

元P(俺はクビになんてならない・・・)

元P(あんな奴なんかに・・・)

元P(この僕が負けるなんて・・・あり得ない!)

-----
--
-

とりあえずここまでかなーって

更新します

---夜景の綺麗な公園---



P「ほら、お茶」

貴音「・・・いりません」

P「そっか・・・」

貴音「・・・」


貴音「・・・あなた様は事の重大さを分かっておられるのですか?」

P「もちろん・・・」プシュッ

P「これで邪魔をするものは何もなくなった」ゴク

P「ここからが本当の765プロの始まりなんだ」

貴音「違います・・・」

P「一部まだ接触をしていない子達をのぞけば」

P「皆には既に相応の実力はついている」

P「それに、後三ヶ月ある」

P「その間にどんどんオーディション、フェス、その他諸々」

P「合間に縫って、通常レッスンに加えての特訓」

P「律子さんも、俺がいなくても仕事を回せるようになってきているし」


P「・・・極めつけは」

P「フェスで優勝すれば、この先765プロは安泰」

P「良いこと尽くめじゃないか・・・」


貴音「わたくしが言っているのは、そういう事ではありません・・・!」

P「・・・」

貴音「たとえ、そのような方法でわたくし達が勝利しても」

貴音「皆が心の底から喜べると」

貴音「本当に喜べると・・・」

貴音「そうお思いですか・・・?」


P「・・・・・・」

P「・・・あぁ」

P「逆に喜べない理由が思い当たらないな」


貴音(・・・・・・)


貴音「そうですか・・・」

貴音「それならば、わたくしはもう何も咎めません」

貴音「プロデューサーのお好きなようになさってください」

P「・・・」

P「あぁ・・・」

P「貴音に言われなくてもそうさせてもらうさ」

P「だけど---」

貴音「心配は無用です」

貴音「この事を他言するつもりはありませんので」

貴音「プロデューサーがそこまで非情であったと知れば」

貴音「皆が悲しむでしょうから」


プロデューサー・・・か


P「そうか・・・」

P「それならいいんだ」


貴音「それにこれから先のわたくしの行動は、律子嬢のみに付いて頂ければ十分ですので」

貴音「プロデューサーは、わたくし以外の者に同行してください」

P「・・・それは助かるな」

P「レッスンの予定も書いておくし」

P「律子さんには俺から伝えておくよ」

貴音「承知しました」

貴音「それでは・・・・・・失礼いたします」スタスタ

P「・・・おう」

P「貴音・・・!」


貴音「・・・」ピタッ


P「・・・っ」

P「・・・」

P「いや・・・何でもない」


貴音「・・・」

貴音「」スタスタ


P(貴音・・・)

貴音(あなた様・・・)


P(ごめんな・・・)

貴音(申し訳ございません・・・)



------
---
-

貴音は人の気持ちを思いやる事ができる優しい子だ・・・

いつもいつも陰では俺の事を支えてくれていた

少し俺と似ている所があって

人の事を素直に信用せず、裏の裏まで考えてしまう節(ふし)がある

それは俺が不甲斐ないせいで

いつもどこか不安な気持ちにさせてしまっていたからだろう


涙は悲しいときにだけ出るものじゃない

楽しいときには、素直に楽しんで

可笑しいときには、沢山笑って

緊張したときには、その時の気持ちを忘れないようにして


悔しいときには、今度こそはと奮い立って



---声も出ないほど嬉しい事があったときには、思い切り騒げばいい


貴音にはそうあってほしい

そんな子に、これ以上の事まで心配をかけたくない


律子さんが知識をつけ、765プロの不安要素がなくなりそうな今


無事に事を成し遂げる事ができたのなら

新しい女性プロデューサーでも雇いさえすれば




・・・もう俺はいなくても大丈夫だろう

その方が皆にとっては安心できるはずなんだから


これ以上深い関係になっては駄目なんだ・・・


ある程度まででいい


もう俺の事を信じてくれなくていい

信じてくれないほうがいい


利用してくれればそれで・・・

その方がお互いの為になると思うから---

〜(翌日)〜

---星井美希の特訓に付き合えなくなり始めて二日目---



---765プロ事務所---


---ガチャン

P「やぁ、みんなおはよう」


伊織・響・やよい・春香・千早・あずさ・小鳥・律子・亜美「・・・!」

真・雪歩「・・・」

貴音「・・・」


やっぱり双海さんは来てないか・・・

それに星井さんも・・・

伊織「おはようじゃないわよ!」

伊織「なんで電話にもでないわけ!?」

響「そうだぞ!」

響「自分も、いーっぱい電話したんだからな!」


確かにあれからも、鬼のような着信履歴が入っていた

昨日は話をしたい気分じゃなかったから

電源を切らせておいてもらったけど


春香「そうですよ・・・私達がどのくらい心配したと・・・」

P「あっ、いや・・・」

千早「一言くらいは私達にも声を聞かせてくれても良かったと思いますけど」

律子「・・・まったくですよ」

小鳥(良かった・・・)

P「その・・・」

やよい「うぅー・・・」

やよい「私も・・・プロデューサーがもし起きてくれなかったらって・・・」

やよい「そう考えると心配で・・・本当に心配で・・・」


P「やよい・・・」

P(・・・・・・)


亜美「んっふっふー、新人兄ちゃんも罪な男ですな→」

P「おいおい・・・」

あずさ「それにしても、無事でよかったです〜」

P「はい---」

あずさ「でも!」

P「」ビクッ

あずさ「これからは、こういうような事はなしですよ〜」

あずさ「プロデューサーさん?」ニコ

P「ぜ・・・善処します」

皆にこんなに心配をかけていたなんて・・・

俺は、とことんプロデューサーとして失格だな・・・


でも俺は・・・


貴音「・・・」

P「あ、あのさ貴・・・」

貴音「」スタスタ

P「・・・」


貴音には、すっかり愛想を尽かされちゃったみたいだ

そりゃそうか

自分でその道を選んだんだから・・・

このくらいで苦しんでいたら後が持たない



響(貴音・・・?)


伊織「そんな事より、何か私達に言う事があるんじゃないの?」

P「そうだな・・・」

伊織「まったく・・・」

P「みんなに言っておかなくちゃいけない事がある」

伊織「そんなこと分かってるわよ」

伊織「一思いに言っちゃいなさいよね」

P「・・・」

P「今日から約三ヵ月後に行われるフェスで」

伊織「」ウンウン

P「961プロダクション所属、天ヶ瀬冬馬と直接対決をする事になった」

伊織「えっ・・・」

響・やよい・春香・千早・あずさ・小鳥・律子・亜美・真・雪歩「・・・!?」

貴音「・・・」

P「皆には黙っておこうか、直前まで悩んでいたけど」

伊織「ちょっと待って・・・」

P「いきなり言ってメンタルを崩されても困ると判断した結果だ」

伊織「そんないきなり・・・!」

律子「そ、そうですよ!」

律子「一体何を考えて---」

P「だけど!」

P「チャンスはこの機会のたった一度だけなんだ」

P「これに勝利すれば・・・」

P「961プロは、今後一切765プロに手を出してくる事はない」

P「そう話をつけてきた」

貴音(・・・)

伊織・響・やよい・春香・千早・あずさ・小鳥・律子・亜美・真・雪歩「・・・!」

真「・・・」

真「その話・・・本当なんですか?」

P「あぁ・・・」

P「勿論、その間にも手を出してくる事はない」


P「信じてくれとは言わないが・・・」

P「全て事実だ」

P「俺がこんな嘘をついても仕方ないだろ」

真「・・・」

雪歩(・・・)

伊織「・・・だからって今の私達が勝てるわけないじゃない」

P「言ったろ」

P「まだ猶予はある」

伊織「三ヶ月しかないじゃない!」

P「違うな」

P「まだ三ヶ月『も』ある」

伊織「・・・!」

P「それに・・・負ければそれ相応のリスクも伴う」

伊織・響・やよい・春香・千早・あずさ・小鳥・律子・亜美・真・雪歩「・・・」ビクッ


伊織「どう転んでも・・・」

伊織「私達にはもうやるしかないって事ね・・・」

P「そういうことになるな」


伊織「アンタ・・・!」

伊織「みんなの気持ち考えてないの!?」

P「・・・」

やよい・春香・千早・あずさ・小鳥・律子・亜美・雪歩「・・・」

真・貴音・響(・・・)

伊織「私達に相談もなしに、ちょっと勝手がすぎるんじゃないかしら?」

P「そうだな」

伊織「・・・っ!」

伊織「そうだなって---」


すまない・・・伊織、みんな


P「だけど正直言うと俺は、対決はオマケだと考えている」

伊織「・・・」

P「これを機にみんなの---」

伊織「もういいわよ!」バン!

伊織「アンタの事、見損なったわ・・・!」

P「・・・」

伊織「もうやるしかないんでしょ!?」

伊織「なら、とっととレッスンに戻るわ!」

伊織「行くわよ!律子!」

律子「え、えぇ・・・」

律子「ほら、亜美とあずささんも」

亜美「うん・・・」

あずさ「はい・・・」


律子「・・・貴音も収録の仕事が入ってますけど」チラッ

P「あそこは前にも一緒に行ったろ」

P「・・・ついて行ってあげてくれ」

貴音「」スタスタ

律子「・・・分かりました」


律子「私が言うのもなんですけど・・・」

律子「・・・らしくないですね」

P「・・・」

---ガチャン

響・やよい・春香・千早・小鳥「・・・」

真・雪歩「・・・」

P「やよいは今日の仕事は入ってないから、春香、千早と一緒に」

P「ボイストレーニングに行ってくれ」

やよい「でも・・・」

P「俺の事は気にしなくていいから」

やよい「はい・・・」


本当はライブ明けの筈だったから

音無さんに、次の日は仕事を入れないでくれって頼んでおいたんだ

ごめんな・・・俺のせいで

P「千早もあれから歌ってないから早く歌いたいだろ?」

千早「それはそうですけど・・・」


だいぶ、前とは違っているはずだ

・・・思いっきり特訓の成果を実感して来いよ、千早


P「春香もだ」

P「今度は歌声を徹底してこい」

春香「プロデューサーさん・・・」

春香「なんだか今日はおかしいですよ・・・?」

P「・・・別におかしくなんかない」

春香「あっ、そうだ!きっと甘いものが足りてないんですよ!」

春香「私クッキー作ってきたんで良かったら---」

P「いいから早く言って来い!」

春香「」ビクッ

春香「す、すみません・・・」

千早「・・・今日のプロデューサーは本当にどうかしています」

P「・・・」

千早「行きましょう、春香、高槻さん」

やよい「はい・・・」

春香「うん・・・」

春香(この嫌な感じ・・・あの時と・・・)



響・小鳥(・・・)


---ガチャン・・・


春香もステップに関してはかなり改善されている

いや、かなりの足さばきになっている筈だ

それにバランス感覚

後は千早と一緒にボイストレーニングをして

自分と比較しながら、残る弱点を克服していってくれ

ごめんな・・・あんな言い方しか出来なくて

クッキー・・・いつもありがとな

とても美味しかった

・・・感謝してる

響「プロデューサー・・・」

P「響には、前々から今日はオーディションだって伝えておいただろ」

響「うん・・・」

P「すぐに行くから下で待っててくれ」

響「ねぇ、プロデューサー・・・?」

P「待っててくれ・・・」

響「・・・・・・分かったぞ」


響(どうしてそんなに悲しそうな顔をしてるんだ・・・)

響(貴音の態度も変だったし・・・)

響(絶対何か隠してるぞ)

響(そうでなきゃ・・・)

響(あの優しくて、いつもみんなを笑わせてくれるプロデューサーが・・・)

響(急にみんなに冷たくするなんて、考えられないよ・・・!)


---ガチャン

まだ春香達の全体的な様子を見ていないから

断言はできないが

響は今の所、伊織に続いての実力を持っている

ダンスに関しては伊織よりも上

今の響と競えるのは恐らく

星井さんくらいなものだろう

この二人が組んだらどうなるんだろうか

俺だったら、更に貴音も入れる

律子さん率いる伊織達のユニットにも負けないくらい・・・

そのくらいのユニットにまで育ててみたかったな・・・

きっと素晴らしいユニットが出来上がるはずだ

一人のダンス

一人のオーラ

一人のカリスマ性

考えただけでもワクワクする


でも、もう全て叶わない事

後に来るであろう新しいプロデューサーの為に

せめてノートを残しておこう

俺の想いを引き継いでもらえるように・・・

P「さて・・・」


真「・・・それじゃあボク達ももういいですか?」

真「誰かさんのせいで、大変な事になってしまったみたいですから」


ここまで嫌われるような事をしたんだ

もう仲がいいフリってわけにもいかないか


P「待ってくれ!」

P「みんなの許可も得ずに強行的な手段をとってしまった事については謝る!」

--ザッ

P「本当にすまなかった!」

小鳥・雪歩・真「・・・!?」

真「ちょ、ちょっと!止めてくださいよ土下座なんて!」

P「いいや、止めない!

真「大体、そう思っているなら」

真「どうしてさっき皆の前で謝らなかったんですか!」

P「それには訳がある・・・」

真「訳って・・・」

雪歩「なんですか・・・?」

P「それは・・・」

真・雪歩「・・・」


P「菊地さんと萩原さんが」

P「俺の特訓を受けてくれるのなら・・・・・・その理由を話す」

真・雪歩「・・・!」

小鳥(・・・)

とりあえずここまでかなーって

もう少ししたら更新します

更新します

P「頼む・・・悪いようにはしない」

P「過去に何があったかまでは知らないが」

P「君達がプロデューサーというものを信じられなくなってしまっている事だけは分かる」

P「だから・・・俺はもう信じてほしいとは言わない」

P「信じてくれなくていい」

P「俺の事をずっと疑いの目で見続けて」

P「利用してくれればそれでいい」

P「だから」

P「俺に君達二人をプロデュースさせてくれないか・・・?」


真(利用・・・)

雪歩「真ちゃん・・・」

真「・・・」

真「分かりました・・・」

雪歩「・・・!」

P「本当か!?」


真「確かに自分達のレッスンのやり方には、そろそろ限界を感じていたところです」

真「伊織達の様子を見たところ」

真「確かに腕はあるみたいですから」


どうしてボクは・・・

こんなに偉そうな態度をとっているんだ


P(・・・)

真「でも、あなたが言ったとおり」

真「ボクは・・・もうプロデューサーの事は信じられません」

P「・・・」

真「ですから、あくまでも教える側と教えられる側」

真「それだけの関係で、というのならいいでしょう」


ボクは何を言って・・・


P「勿論それで構わない」

真「雪歩も・・・それでいい?」

雪歩「うん・・・」

雪歩「真ちゃんがそうしたいって言うなら私も・・・」

P「分かった」

P「ただ、自分から言っておいてなんだけど」

P「これからやってもらう特訓は、ハッキリ言ってかなりキツイと思う」

雪歩「えぇっ・・・」

真「・・・」


P「それでもやってくれるか?」


やるに決まってる・・・

ずっとその言葉を待っていたんだから


真「・・・やります」

雪歩「やりますぅ・・・」


P「よし・・・!」

P「それじゃあ決まりだな」

P「これからよろしく頼むよ」

P「菊地さん、萩原さん」

真・雪歩「はい・・・」

P「それじゃあ---」

真「その前に」

真「理由を話してくれるんですよね?」


これでハッキリする・・・


P「・・・まぁね」



響(プロデューサー・・・遅いな)

響(何してるんだろ・・・)

響(・・・)

---カツカツ

響(・・・)

--カツカツ

響(・・・)

--カツカツ


---ギュッ


「皆には言ってなかった、向こうが提示してきた条件ってのが・・・実はもう一つあるんだ」


響「・・・!」ピタッ

響(・・・)

真「・・・なんなんですか?」

雪歩「もしかして・・・まだ他にも私達の・・・」

P「いや、何・・・」

P「そういう事じゃないから安心してくれ」

P「別にたいした事じゃない」


P「フェスで天ヶ瀬冬馬に勝った後」

P「俺は961プロダクションに人事異動しなくてはならない」

響・小鳥・真・雪歩「・・・!!」

真・雪歩(961プロに・・・)

小鳥「えっ・・・!ちょっ・・・プロデューサーさん!?」

P「すみません、黙っていて」

小鳥「本当なんですか、その話!」

P「はい、そうしないとこの話には乗らないと言われてしまいまして」

小鳥「そんな・・・」

真「だからみんなには、わざと冷たく振舞った・・・ってことですか」

P「みんなには悪いと思ってるさ・・・」


響(・・・)

雪歩(・・・)

真(・・・)

真「どうしてそれを、ボク達には話してくれたんですか?」

P「菊地さんと萩原さん達には、この事を話しておかないと」

P「またプロデューサーに裏切られたって・・・」

P「そう思われてしまうからな」

真(また・・・?)

真(・・・)

P「この事は、あと星井さん、双海真美さんにも話そうと考えている」

雪歩「他の子には・・・」

P「話すつもりはない」


P「自分で言うのもアレだけど・・・」

P「伊織・響」


響(・・・)


P「やよい・貴音・春香・千早・音無さん」

P「この七人とは良い信頼関係を築けたと思っている」

本当はあずささんもだけど・・・

P「そして、三浦さん・律子さん・双海亜美さん」

P「この三人とも、悪くない関係を築けたと思っている」


P「・・・俺の自意識過剰なのかもしれないけどさ」

P「みんなには、俺がいなくなる事で動揺させたくないんだ・・・」

P「・・・音無さんにはバレちゃいましたけどね」

小鳥「プロデューサーさん・・・」

真・雪歩(・・・)


P「だから逆に嫌われてしまえば」

P「俺が辞めたって知ったときでも・・・」

P「誰もが・・・辞めてくれて良かった---って安心するだろ?」


響(そんなこと・・・)


P「でも・・・欲を言わせてもらえれば」

P「菊地さんや、萩原さん、星井さんに、双海真美さん」

P「みんなとも友好的な信頼関係を結びたかった」

P「プロデューサーは、皆が皆悪い奴だけではないって事を」

P「分かってもらいたかった」


P「本当はこんな条件なんかつけて」

P「強制的に特訓をお願いするつもりなんてなかったんだ」


P「でも全て遅すぎた・・・」


P「三ヵ月後にフェスで優勝したとき」

P「その場で俺は敵に変わるのだから・・・」


P「どう?納得してもらえたかな」


・・・伊織の言ってた通りだ

やっぱりこのプロデューサーは・・・


真・雪歩「・・・はい」

P「でも安心してくれ」

P「今はまだ765プロのプロデューサー」

P「手を抜くつもりはないし」

P「負けるつもりもない」

P「必ず765プロ全員で優勝させてみせる」


---ガチャ・・・

響「納得なんて・・・できるわけないぞ・・・」

P「響・・・!?」



響「プロデューサーが961プロに・・・?」

響「そんなの・・・・・・」

響「嘘だよね・・・?」


P「聞いてたのか・・・」


そうだった・・・

響を下で待たせていたんだっけ

焦るとろくなことがないな・・・

そもそも事務所でしていい話じゃなかったのに

P「ハァー・・・」

P「下で待ってろって言ったのに」

P「俺が辞めるからって、別に響には関係ないだろ」

響「全部聞いてたんだからな・・・」

響「今さらそんな態度をとっても無駄だぞ!」

P「・・・」

響「それに!」

響「たとえプロデューサーに本当に嫌われたとしても・・・」

響「自分はプロデューサーの事を嫌いになんてなったりしない・・・!」

P「・・・っ」


響「でも・・・」

響「やっぱりこんなのって・・・辛すぎるよ・・・」グスッ


小鳥「響ちゃん・・・」

真・雪歩「・・・」

P「っ・・・!」

俺は一体何をしているんだ・・・

皆にはもう悲しい想いはさせないって

そう決めていたのに・・・

いきなりボロを出してしまうなんて・・・


響「・・・」ポロッ


P「ああああぁー!」ダダッ

P「駄目だ!」

P「ごめん!ごめんな響!?」ナデナデ

響「っ・・・っ・・・」

P「土下座する!100回する!好きなお菓子も10個まで買ってあげる!」

P「だからもう泣かないでくれ!」

--ギュッ・・・

響「そんなのいらない・・・!」

響「いらないから・・・」

響「961プロになんか・・・行かないでよ・・・!」

P「・・・」

P「ごめんな・・・」

P「それだけはできない」

響「ぅ・・・」

P「・・・」

P「」クルッ

P「菊地さん、萩原さん」

真「なんですか・・・?」

雪歩「・・・」

P「準備が整い次第、連絡を入れるから」

P「それまでは今まで通り自主トレしててくれるかな?」

真「・・・分かりました」

真「行こう、雪歩」

雪歩「う、うん・・・」


---ガチャン


響「っ・・・っ・・・」


さて・・・

どうしたもんかな・・・

------
----
-

---765プロ近辺公園---


真「はぁ・・・」

雪歩「ねぇ、真ちゃん・・・」

真「どうしたの雪歩」


雪歩「あのプロデューサーって」

雪歩「本当に悪い人なのかな・・・?」

真「・・・どうして?」

雪歩「今までもそうだったけど」

雪歩「あの響ちゃんを見てたら・・・」

雪歩「なんだか、もっとそんな風に思えてきて・・・」

真「確かに嘘をついてるようにも思えなかったけど・・・」

真「でも、それだけじゃ・・・」

真「それにアイツだって・・・初めの頃はそうだったじゃないか」

雪歩「でも・・・あのプロデューサーは私達に」

雪歩「自分を利用してくれとまで言ってくれてるんだよ・・・?」

真「・・・」

そんな事は、誰に言われるまでもなく

ボク自身が一番分かってる・・・

薄々気づいてはいたんだ

あのプロデューサーはアイツとは違うって・・・


本当はあの時だって、素直に手を挙げたかった・・・


---・・・大丈夫だから---

そう言ってもらえたとき、涙が止まらないほど嬉しかった


貴音達が色々な所から仕事のオファーを受けているのを見て

素直に羨ましかった


やよいや響達と話しているのを見て

楽しそうだなって思ってた


伊織達のオーディションでの上達ぶりを見て

・・・凄く悔しかった

だけど・・・

先陣切ってプロデューサーを辞めさせようとしていたこのボクが・・・

今さら、進んでよろしくお願いしますなんて

そんな都合のいいこと・・・

言えるわけないじゃないか・・・!

だから・・・


---プロデューサーは、皆が皆悪い奴だけではないって事を---

---分かってもらいたかった---


さっきの申し出は本当に・・・・・・嬉しかった・・・

このプロデューサーなら

もう一度だけ信じてみてもいい・・・

そう思う事ができた・・・


このプロデューサーに

もし、また裏切られたとしても

今度はもう諦めればいい・・・

そのくらいの覚悟は出来ているんだって事を伝えたかった・・・

雪歩「真ちゃん」

雪歩「私は真ちゃんの気持ち、よく分かってるよ」

真「・・・」

雪歩「今まで、私達を守ってくれようと必死だったんだよね?」

雪歩「真ちゃんは人一倍正義感が強いから」

雪歩「あえて汚れ役を買って出てくれて・・・」

真「・・・」

雪歩「今まで無理させちゃってごめんね・・・」

雪歩「私、臆病だから・・・」

雪歩「真ちゃんの後を付いて行くことしかできなかった・・・」

雪歩「でも、次は私が頑張る番だね」

雪歩「だから・・・もう無理しなくていいんだよ」


雪歩「・・・今まで私達を守ってくれてありがとう」

真「雪歩・・・」

雪歩「戻ろう?プロデューサーの所へ」

真「うん・・・」

雪歩「そして、今までの事を二人でちゃんと謝ろ?」

真「うん・・・」ポロッ

雪歩「」ニコッ

雪歩「それでこう言うの」


雪歩「私達も・・・プロデューサーの事を」


雪歩「信じます・・・って」

真「ゔん・・・ゔん・・・」ボロボロ

今まで本当にありがとう・・・真ちゃん

私も本当は怖いけど・・・

真ちゃんはもっともっと

辛くて怖い思いをしてたんだよね・・・

私も心のどこかで、真ちゃんなら強いから大丈夫

・・・そう思っている自分がいたんだ

でも違うんだよね

真ちゃんは、誰よりも女の子らしい女の子

人一倍の正義感がある分

人一倍誰よりも苦しんでいたはずなのに・・・

そんなこと、私が一番分かっていて・・・

その気持ちに甘えていただけ・・・


そんなだから、私はいつまでたっても

ちんちくりんのままなんだ・・・

だから今度は私が支える番


みんなからどれだけ罵られようと

本当の事を言って

何回でも頭を下げる

謝るのは私の唯一の得意分野だもん


それで、もし許してもらえなくても

真ちゃんだけは許してもらえるようにお願いする


この位しか・・・私にはできないから・・・

---トレーニングスタジオ---



ボーカル講師「はい、それじゃあ一旦休憩はさみまーす」

春香・千早・やよい「はい!」


春香「あはは・・・駄目だな私」

春香「また音程外れちゃったよ」

千早「でも、段々と良くなってきているわよ」

春香「そうだといいんだけど・・・」


春香「それに比べて、千早ちゃんは凄いね!」

春香「前から上手だったけど、もっともっと上手になってるよね!」

やよい「私もそう思いましたー!」

春香「私も見習わなくちゃ・・・」


千早「えぇ・・・正直な所、私自身も驚いているの」

千早「以前までと違って、ブレスが苦にならなくて」

千早「まるで、声の通り方が吐く息と一緒にスーッと抜けていくようなのよね」

春香「これもプロデューサーさんのおかげ・・・なんだよね」

千早・やよい「・・・」

春香「ねぇ・・・やよいと千早ちゃんは」

春香「さっきのプロデューサーさんの事、どう思った?」


やよい「私は・・・」

やよい「なんだか無理に私達に嫌われるようにしていたような気がするかなー・・・って」

千早「そうね・・・」

千早「私も高槻さんと同意見だわ」

千早「プロデューサーの事だから、何か意図があると思って」

千早「少しキツイ言い方をしてしまったけれど」

春香「やっぱりそうだよね・・・」

春香「どんなに私がミスしても、怒鳴られた事だけはなかったもん」

春香「それでね、私思ったんだ」

春香「できれば思い出したくないんだけど・・・」


春香「あの時の・・・・・・美希の時と・・・」

春香「逆の意味で似てるな・・・って」

千早「・・・」

やよい「美希さんの・・・?」

---(美希編《2》)---


〜(回想)〜


---ショッピング街---


さてと・・・

恐らくはこの辺りで買い物でもしている筈だ


--コレ カワイー


いたいた

今さっきアイドルを辞めるなんて言ってたくせに・・・

もう呑気に買い物なんてしてやがる

本当に神経の図太い奴だ

美希「うーん、どっちの方がいいかなー」

元P「美希にはこちらの方が似合うと思いますよ」

美希「そうかなー?ミキ的にはこっちの方が・・・」

美希「って!」

美希「どうしてプロ・・・じゃなかった、そこの人がここにいるの!?」

元P「どうしてと言われましても・・・」

元P「その理由をお教えすれば、美希は僕に従ってくれるのですか?」

美希「そんなわけないの!」フン

元P「では、僕も教えるわけにはいきませんねぇ」

美希「むむむっ・・・」

美希「別にいいの!」スタスタ

元P「」スタスタ


美希「」スタスタ

元P「」スタスタ

美希「この猫ちゃん可愛い〜」

元P「そうですか?僕はこちらのオウムの方が・・・」

美希「もう!」

美希「なんでミキについてくるの!?」

元P「たまたま行く場所が同じなだけではないでしょうかねぇ?」

美希「むー・・・!」

美希「」スタスタ

元P「」スタスタ

---ランジェリーショップ---


美希(ここなら・・・)チラッ

元P「美希には・・・これなんてどうでしょう?」

美希「なななっ・・・」

美希「いくらミキでも、そこまでえっちなのはつけないの!」

元P「それは残念ですね・・・お似合いだと思うのですが」

美希「プロ・・・そこの人は変態さんなの!」

美希「それに、やっぱりミキの後をついてきてるって思うな!」

元P「えぇ、そうですが何か?」

美希「あっさり認めたの・・・」

---湖のある公園---


美希「うーん・・・!」

美希「今日は久々に満喫したの」

元P「そうですか・・・それは良かったですねぇ」


このませガキが・・・

色々な店を回りやがって・・・

挙句の果てには、何も買いやしない

こっちがわざわざ選んでやってるっていうのに

どれも、違う違うの一点張り


どっちが似合うと思う?---だのと聞いてきたかと思えば

僕が選んだ方とは違う方が、自分には似合ってると思うとかぬかしやがる


だったら最初から自分で選べよ

これだからガキは嫌いなんだ

お前に似合うものなんて分かるわけねーだろ

僕がお前に興味すら持っていないんだから

美希「あ、カモ先生だ」

元P「先生?」

美希「うん」

美希「小学校の頃から、ずっと尊敬してるの」

元P「どうしてですか?」

美希「寝たままでもプカプカ〜って浮いてられるでしょ?」

美希「ミキもそうやって、楽に生きていけたらいいなーって思って」

元P「なるほど・・・ミキらしいですね」


バカかコイツは・・・


美希「ねぇ?」

元P「はい?」

美希「どうして今日はミキの後をついてきたの・・・?」

元P「それはもちろん・・・」

元P「美希を迎えにきたからですよ」ニコ

美希「プロデューサーが辞めろって言ったくせに・・・」

元P「おや?もうそこの人と呼ばなくてもよろしいのですか?」

美希「あっ・・・!」


元P「それに、何を勝手に勘違いしているのか知りませんが」

元P「僕は、辞めてほしいなどと言った覚えもなければ」

元P「思ってすらいませんよ」

美希「だって---」

元P「確かに少し言い過ぎてしまったことについては謝罪します」

元P「ですが、言い過ぎてしまうほどに」

元P「勿体無い・・・美希にはトップアイドルになれる素質が備わっているのに」

美希「・・・!」

元P「と、そう思っていたからです」

美希「・・・」

美希「ミキに素質・・・?」

元P「えぇ」


元P「もし、嫌じゃなければ教えて頂けませんか?」

元P「ミキがアイドルを目指している理由を・・・」


美希「・・・」

美希「ミキのパパとママはね・・・」

美希「ミキに、ミキのしたいことをしなさいって言ってくれるの」

元P「素晴らしいご両親ではありませんか」

美希「・・・うん」

美希「ミキも前はね、それでいいって思ってたの」

美希「好きな事だけして、楽しければそれでいいって」

美希「でもね・・・実は最近、それも違うのかもって思って」

元P「違うとは?」


美希「辛い事とか苦しい事とかあっても、それでもドキドキしたいって・・・そう思うようになったの」

元P「なるほど・・・」

元P「美希が最近ドキドキした事とは何ですか?」


美希「ミキね!この間、テレビで新幹少女を見たの!」

美希「歌も上手で、可愛い衣装も着て、ダンスもかっこよくて、すっごくキラキラしてたの!」

美希「ミキもあんな風にステージの上でキラキラできたらなーって・・・」


美希「でも、プロデューサーに言われた通り」

美希「やっぱりミキには向いてなかったのかなって思って・・・」

美希「だからもうアイドルを目指すのはやめるの」

元P「先ほども申しあげたとおり、向いていないとも思ってはいませんが・・・」

元P「どうしてそう思うのですか?」

美希「だって・・・美希、いっつも寝てるし・・・」

元P「それならば、今まで寝て過ごしていた時間を」

元P「レッスンに費やせばいい」

元P「今までのやる気がなかった頃よりも」

元P「もっとやる気を出せばいい」

元P「たったそれだけの事ではないですか」

美希「口で言うだけなら簡単なの!」

美希「そんなに簡単に---」

元P「どうしてやる前から諦めているのです?」

美希「・・・!」

元P「そんなに失敗するのが怖いのですか?」

美希「ミキは失敗なんて・・・!」

元P「なら・・・!」

元P「僕と共に、トップアイドルを目指していただけないでしょうか?」ニコ


美希「・・・」



美希「ミキも・・・新幹少女みたいにキラキラできる・・・?」

元P「えぇ・・・勿論」

美希「可愛い衣装着て、ステージに立って・・・」

美希「ミキの事をいーっぱいキラキラさせてくれるって」

美希「・・・約束してくれる?」

元P「えぇ」


美希「・・・」

美希「それならミキ・・・」

美希「もう一度だけ、アイドル目指してみてもいいかな・・・」


チョロいな・・・

元P「ありがとうございます美希・・・」

元P「それなら、早速ライブイベントの仕事でも取ってきましょうかね」

美希「ホント!?」

元P「え、えぇ・・・」

美希「そうと決まれば、こんな所でグズグズなんてしてられないの!」

元P「どこに行くのですか?」

美希「決まってるの!」

美希「みんなに謝ってくるの!」

元P「美希、僕も一緒に・・・」



美希「プロデューサー!」

元P「はい?」

美希「ありがとなのー!」

美希「ミキ!頑張るからねー!!」

--ダダッ
--
-

元P「・・・」

元P「ハハッ・・・」

元P「アハハハハハハハハハ」

元P「キラキラ・・・!?」

元P「アッハハハハ」

元P「できるわけねぇだろー?」

元P「クッ・・・これだから単純バカは・・・!」


これで好感度はかなり上がったはずだ・・・

あのバカの事だから

きっと、事務所のみんなに

俺の良いところを細かく喋ってくれるだろう

後は・・・

少し面倒だが

適当にライブの仕事を探してくればいいだけ・・・

これで、少しは伊織も僕の事を見直すだろうし


美希の信頼も得て、準備も整った・・・

ここからは僕の


疲れているアピールを重点的に行っていく

あくまでもさりげなくな・・・

とりあえずここまでかなーって

更新します

-------
----
-


---トレーニングスタジオ---



やよい「そんな事が・・・」

やよい「それなのに私・・・」

千早「高槻さんが気に病む必要はないわ」

やよい「でも・・・」

千早「・・・高槻さんたちが来る前の話だもの」

春香「そうだよ、今まで黙っていた私達だって悪いんだし・・・」

春香「ごめんね・・・嫌な話聞かせちゃって」

やよい「そんなことありません・・・!」

やよい「ありませんけど・・・美希さんが・・・」

千早「・・・」

やよい「私、そのプロデューサーの事・・・許せません!」

千早「高槻さんは優しいわね・・・」ナデ

やよい「はわっ・・・!」


千早「確かに春香の言うとおりかもしれないわ」

春香「うん・・・」

千早「でも、もし本当にその通りだったら・・・」

春香「プロデューサーさんは・・・」

千早「・・・」

やよい「あの・・・」


やよい「やっぱり事務所に戻ってみませんか?」

千早「・・・」

春香「うん、私も今そう言おうと思ってたところ」

春香「やっぱりプロデューサーさん本人に」

春香「直接聞いた方がいいよね」

千早「・・・あのプロデューサーが、素直に話してくれるとは思えないけれど・・・」

春香「そうだとしても、話してもらう」

春香「ねっ、やよい?」

やよい「はい!」

千早「まったく・・・レッスンはどうするのよ」

春香「ちゃんと断りをいれていくから大丈夫!」

春香「ほら、千早ちゃんも行くよ!」

千早「クスッ・・・はいはい」

---レッスンスタジオ---



律子「それじゃあ、私は貴音の収録に行ってくるから・・・」

律子「しっかりレッスンしておくのよ?」

亜美「うん・・・」

あずさ「はい・・・」

伊織「分かってるわよ・・・」

律子「・・・」

律子「貴音、行くわよ」

貴音「はい」


---ガチャン



亜美・あずさ・伊織「・・・」

亜美「あのさ---」

あずさ「その---」

伊織「ねぇ---」


亜美「あっ、いおりんから言っていいよ」

伊織「何よ、あずさから言いなさいよ」

あずさ「えっと・・・」


あずさ「それじゃあ・・・」


あずさ「亜美ちゃんも伊織ちゃんも」

あずさ「本当にプロデューサーさんが、私達の事を考えずに」

あずさ「あんな事をしたって・・・思ってるのかしら?」

伊織「・・・!」

亜美「分かんない・・・」

亜美「分かんないけど、いきなりアレはさすがに・・・」

あずさ「・・・」

あずさ「伊織ちゃんは・・・?」

伊織「もう知らないわよ・・・!あんな奴の事なんて!」


違うの・・・本当はそんな事思ってなんて・・・


あずさ「そう・・・」

伊織「あ---」

あずさ「私はそうは思わないわ」

伊織「っ・・・」

あずさ「今までの事を思い返してみても」

あずさ「プロデューサーさんが、私達の事を考えずに行動していたことなんて」

あずさ「一つもないもの」

亜美「あずさお姉ちゃん・・・?」

あずさ「ごめんなさいね、亜美ちゃん・・・」

亜美「えっ」

あずさ「私はもう、心の底から」

あずさ「あのプロデューサーさんの事を信じてるの」

亜美「・・・」

伊織(信じて・・・)

あずさ「だから私は、さっきのプロデューサーさんの態度には」

あずさ「何か、そうしなくちゃいけない意味があったと思ってるの」

あずさ「伊織ちゃんはどうかしら・・・?」

伊織「私は・・・!」

伊織「別に・・・」


---俺も伊織を信じてる---

---だから伊織も俺の事を信じて欲しい---


伊織(・・・)


あずさ「そう・・・残念ね」

あずさ「・・・」

---スタスタ


亜美「あずさお姉ちゃん!?」

伊織「ちょっ、ちょっとあずさ!?どこに行く気よ!」


あずさ「どこって・・・」

あずさ「プロデューサーさんの所よ?」ニコ

亜美・伊織「・・・!」

あずさは本当にアイツの事を信じてるのね・・・・

それに比べて私は・・・


伊織「・・・待ちなさいよ」

あずさ「な〜に?伊織ちゃん」


アイツはそんな事する奴じゃないって

分かっていたつもりだったのに・・・


伊織「あずさ一人だけじゃ、また迷子になっちゃうじゃない!」

あずさ「あらあら〜、それもそうね」

あずさ「どうしましょう」

あずさ「・・・伊織ちゃん、良かったら一緒に来てもらえないかしら?」

伊織「っ・・・フン!しょうがないわね!」

伊織「私がいないと、本当に駄目なんだから!」

あずさ「ウフフ・・・ごめんなさいね〜、伊織ちゃん」

伊織「ほら!とっとと行くわよ!」

あずさ「はいはい」

亜美「うあうあ〜!」

亜美「ちょっと待ってよ、いおりんにあずさお姉ちゃん!」

亜美「亜美も行くよ→!」


伊織「あずさ・・・」

あずさ「・・・?」

伊織「ありがと・・・」


あずさ「フフッ」

---街通り---



律子「あぁ!!」

貴音「どうかしましたか?」

律子「ごめんなさい、貴音・・・」

貴音「・・・?」

律子「さっき慌てて事務所を出てきたから」

律子「ノートを持ってくるのを忘れちゃって・・・」

律子「一度、取りに戻ってもいいかしら?」

貴音「のぉと?」

律子「えぇ」

律子「前にプロデューサーに貰った物なんだけど」

律子「あれがないと不安で・・・」

貴音(・・・)

貴音「それでは戻りましょう」

律子「本当にごめんなさいね・・・」

貴音「いえ・・・」

貴音「ところで、そののぉととやらには何が書かれているのですか?」

律子「えっ?」

貴音「そんなにも大切になさっているからには」

貴音「何か重要な事が書かれているのでは・・・と、思いまして」

律子「うーん・・・そうね」

律子「確かに書かれていることも重要なんだけど・・・」

律子「中身はもう、全部暗記してあるのよね」

貴音「それでは何故・・・」

律子「なんて言えばいいのかしら・・・」

律子「こう・・・心がこもってるっていうか・・・」

貴音「・・・」

律子「・・・」

律子「あの人にね」

律子「いきなり沢山のノートを渡されたの」

貴音「・・・」

律子「それで、三日間で覚えてくれるかな---って言われて」

律子「三日よ、三日!」

律子「一体何十冊あったと思ってるんだか・・・」

律子「でもね、それをあの人は一日もあれば覚えられちゃうと思うんだけど・・・なんて言ったの!」

律子「どう考えても、一日なんて無理」

律子「頭にきたから、つい分かりましたなんて言っちゃったけど」

律子「正直言うと、三日でも無理だって」

律子「その時はそう思ってたの」


律子「でもね・・・その後、そのノートを見てみたら・・・」

律子「私が知りたかった事や、全然知らなかった事まで」

律子「とても詳しく書かれていてね・・・」


律子「どのノートを見てみても、全部手書きだったの」

貴音「・・・」

律子「多分あの人は、わざわざ私の為に分かり易いように」

律子「一日やそこらで、書き上げてくれたんだと思う・・・」


律子「ただでさえ、自分の担当するアイドルで手一杯のはずなのに」

律子「プロデューサーの私まで、プロデュースしてしまうんだもの」

律子「・・・本当にたいしたもんよね」

律子「だから、あのノートは私のお守り代わりかしらね」

貴音「・・・」

貴音「えぇ」

貴音「わたくしも、あのお方がわたくし達のプロデューサーである事を」

貴音「とても誇らしく思います」

貴音「ですから・・・律子嬢も」

貴音「そろそろ意地を張るのは、止めた方がよろしいかと」

律子「貴音・・・あなた」

貴音「フフ・・・さぁ、参りましょう」

律子「・・・そうね」


プロデューサー殿の気持ちを確かめなくちゃ・・・

気になって仕事どころじゃないもの

それに貴音の言うとおりね・・・

---765プロ事務所---建物前---




雪歩「真ちゃん、大丈夫?」

真「うん」

真「雪歩のおかげで、ようやく決心がついたよ」

真「プロデューサーに、思いっきり殴ってもらうんだ」

雪歩「その考え方はどうなのかな・・・」

真「そうだよね・・・やっぱり一発ってわけには・・・」

雪歩(うぅ・・・そういうことじゃないのに・・・)

雪歩「そ、それじゃ・・・行く準---」


律子「あら?真と雪歩じゃない」

真・雪歩「・・・!」

真「律子・・・」

律子「まだこんな所にいたのね」

真・雪歩「・・・」


律子「・・・って」


律子・貴音「・・・」

律子「どうかしたの・・・?」

雪歩「あ・・・あの・・・」


春香「あれ、みんな揃ってどうしたの?」

真・雪歩「・・・!!」

真「や、やぁ・・・春香達こそ」

雪歩(どうしてこのタイミングで・・・)

春香「私達は・・・」

千早「プロデューサーの真意を確かめにきたのよ」

真・雪歩・律子「・・・!」


貴音(・・・)

やよい「そうなんですー!」

やよい(しんい・・・?)


真「・・・そっか」

千早「・・・」

千早「真達---」


亜美「おやおや→!?なにやらダイシューケツしておりますな→!」


雪歩(えぇ!?)

真「・・・」

春香「伊織・・・」


雪歩(うぅー・・・みんな集まってきちゃったよ・・・)

雪歩(どうしよう・・・)

雪歩(一人ずつ謝っていくつもりだったのにぃ・・・)


律子「アンタ達まで!?」

律子「ちゃんとレッスンしなさいって言って・・・」

亜美・伊織・あずさ「・・・」

律子「ハァ・・・」


伊織「どうやら、みんな目的は同じみたいね」

雪歩(私達は少し違いますぅ・・・)

真「あぁ、そうみたいだね」

雪歩(真ちゃん・・・?)

真「それじゃ・・・・・・行こうか」

伊織「えぇ・・・」

あずさ(あらあら・・・)

あずさ(やっぱりみんなも同じ事を考えていたみたいね)

あずさ(それに、真ちゃんの真剣な顔・・・)

あずさ(・・・)

律子(真・・・)


貴音(・・・)

---765プロ事務所---




P「少しは落ち着いたか?」

響「・・・うん」

P「ごめんな、酷い事言って・・・」

響「もういいってば」

響「嫌われてないって、分かっただけでも良かったぞ」

P「響・・・」

P「もう・・・響はかわいいなぁ!」

響「やっ・・・やめてよ!」

響「自分、可愛くなんて・・・」

P「いーや、可愛いね!」

P「ほら見てみろよ、この宣材写真」

響「なっ!どうしてそれをプロデューサーが持ってるんだ!?」

P「可愛いから」

響「キッパリ言うなー!」

響「そもそも、その写真は自分がヤダって言ったやつじゃないか!」

P「そうだよ」

P「だけど、勿体無いから貰ってきた」

響「うー・・・」

P「安心しろ、勿論他のみんなの写真もある」

小鳥「えっ!どれですか!?」

小鳥「私にも見せてください!」

P「いいですよ」

小鳥「わぁー!この響ちゃんかわいい〜」

響「うっ・・・」

小鳥「はっ!このやよいちゃん・・・まるで天使ね」

P「そうですよねー、俺もそう思いますよ」

響「じ、自分にも見せて!」

P「おう!」

P(・・・)



---アハハ コノタカネノカオ

--コノイオリノシャシン メガハンビラキダゾ

-コノチハヤトハルカダッテ



響「ハー・・・面白かった!」

小鳥「プロデューサーさん、この写真だけでも---」

P「ダメです」

小鳥「うぅ・・・」

P「あはは」

P「・・・」

P「さて・・・和んだところで」

P「物は相談なんだけど---」

響「嫌だぞ」

小鳥「・・・」

P「まだ何も言ってないじゃないか」

響「・・・言わなくても分かるよ」

響「どうせ、みんなにはこの事を内緒にしておいてほしいって言うんだろ・・・?」

P「おぉ・・・響も結構鋭いんだな」

響「そんなの誰だって分かるぞ!」

響「でも、自分は嫌だからね!」

響「すぐにでもみんなに話しちゃうぞ!」

響「そもそもプロデューサーが961プロに行くっていうのにも納得してないし!」

P「・・・」

響「プロデューサーが、わざとみんなに嫌われようとしているところも見たくない!」

P「なぁ、響」

響「だから嫌だって---」

P「響はさ、俺が961プロに行くって聞いてどう思った?」

響「どうって・・・」

P「・・・」

響「そんなの・・・悲しいに決まってるぞ」

P「そっか・・・」

P「響は優しいからなー」

響「そんなの自分だけじゃなくて、春香たちも・・・」

響「・・・!」

P「ははっ、そうだよな」

P「いくらこんな俺とはいえ・・・」

P「春香やみんなも、響と同じように優しい子だから」

P「きっと・・・俺のせいで悲しい想いをさせちゃうと思うんだ」

P「響なら分かってくれるよな?」

響「でも・・・」

響「フェスで勝ったとしたら、どのみち・・・」

響「プロデューサーは、いなくなっちゃうんだろ・・・?」

響「だったら・・・!」

響「みんなが悲しむのが少し遅くなるだけじゃないか!」

P「悲しくなんかないさ」

P「その日から765プロは、きっと大忙しになる」

P「なんてったって、あのトップアイドル」

P「天ヶ瀬冬馬に勝利するんだからな」

P「みんなの人気も急上昇」

P「悲しんでいる暇もないだろう」


響「それでも---」

P「俺は嬉しい」

響「・・・!」

P「俺と一緒に頑張ってくれたアイドル達が」

P「卑怯な手にも負けず、真っ向勝負だけでステージの上で輝き」

P「ようやく・・・もう誰に邪魔される事もなく」

P「世間に認められるんだ・・・」

P「俺はそれだけで・・・」

P「響たちと一緒にいれて・・・」

P「本当に良かったなって思える」

響「・・・」

P「だから、俺がいなくなるのは無駄じゃない」

P「皆を支える場所が少し変わるだけ」

P「向こうに行って、肩書きが765プロのプロデューサーから」

P「961プロのプロデューサーになったとしても」

P「俺はずっと・・・」


P「響達のプロデューサーだ」

響「プロジューサァー・・・」

P「響は泣き虫だなぁ」ナデナデ

P「まだすぐにいなくなるわけでもないんだし・・・」

P「午後からオーディションもあるのに・・・こんな顔じゃ---」


小鳥「プロジュゥサァさん・・・」

P「音無さんも!?」

そうだ

まだ三ヶ月ある

響を見て、このやり方は得策ではないという事が分かった

俺だって、みんなに嫌われたいなんて

本当は思っていない

でも、どうすればいいんだ・・・

響にはああ言ったものの

俺にはこの方法しか思いつかない


あずささん・・・

貴音・・・


伊織・・・・・・


こんな時、俺は一体どうすればいい・・・?


確実に問題は減っていっているけど

俺の中の気持ちはモヤモヤとしていく一方だ・・・


いいんだよな、これで

間違ってないよな

こうする事で765プロは救われるんだから・・・

---ガチャン


P「・・・・・・」


あぁ、まただ・・・


P「どうしたんだ・・・?みんな揃って」


問題事ってやつは一つ起これば

次から次へと・・・


千早「それは私達の台詞です」


春香「どうして・・・泣いているんですか・・・?」


P「泣いている・・・誰が?」

伊織「・・・三人ともよ」

P「あはは・・・何を言ってるんだ」

P「誰も泣いてなんて・・・」


あずさ「プロデューサーさん・・・」

やよい「プロデューサー・・・」

律子「プロデューサー殿・・・」

亜美「兄ちゃん・・・」


P「なんだよ皆して・・・」

P「ちょっと・・・目にゴミが入っただけで・・・」

--ゴシゴシ

P「ハァ・・・まったく」

雪歩「あの・・・私達も・・・」

P「萩原さんと菊地さんも」

P「自主トレに行ったんじゃなかったのか?」


真「ボク達、プロデューサーに言わなければいけない事があって・・・」

P「・・・何?」


真「今さらこんな事ボクが言える立場じゃないって・・・」

真「図々しいって・・・・・・そう思われるかもしれないけど・・・!」

P「・・・」


真「ボク達を・・・」

雪歩「・・・」コクン

真・雪歩「この765プロを・・・」


雪歩「助けてください・・・・・・!!」
真「助けてください・・・・・・!!」


またこの言葉だ・・・


P「・・・あぁ」


そんなこと・・・


伊織「・・・」

やよい「・・・」

春香「・・・」

千早「・・・」

あずさ「・・・」

律子「・・・」

亜美「・・・」


響「みんな・・・」

小鳥(・・・)


貴音(・・・)



もう765プロを助けてっていわれなくても・・・




P「分かってる・・・!」

とりあえずここまでかなーって

乙!毎回いいところで切るな 引き込まれてしまう。
このまま順調にいけば良いけど…まだ波乱あるかと怖くなる。
Pは頑張ってるな そして響かわいい!


タイトル来た!
がんばってくれ!Pも>>1もがんばってくれ!

もう少ししたら更新します

まだ読んでくださっている方々
本当にありがとうございます
なかなか返事を返せていなくてすみません

>>274
ありがとうございます
このまま順調にいくといいですよね

>>278
Pも1も頑張らせていただきたいと思います

更新します

〜(翌日)〜

---星井美希の特訓に付き合えなくなり始めて三日目---



---広場のある公園---



端的に言おう

あの後俺は皆に土下座をした

そう、また土下座だ

皆は、俺が何を隠しているのか

どうして話してくれないのか

そんな様な事を、次から次へとまくし立てるように聞いてきた

皆を騙すようで気が引けたが・・・隠していることは何もない

その一言のみで貫き通した

それならば、さっきまでの態度と泣いていた理由を話せ---と

伊織が、物凄い剣幕で問いただしてきた

あまりの剣幕に一瞬だけ

本当の事を話したほうがいいのかもしれない・・・

そう思ったが、やはり言うのを止めた


さっきまでの態度は、少しイライラしていただけ

泣いていたのは、本当に目にゴミが入ってしまっていただけ

そう言っておいた

こんな話、じゃあ響と音無さんは

どうして泣いていたんだよ・・・って話である

我ながら、嘘つくの下手すぎんだろ・・・と自分で突っ込みをいれたい位だ

しょうがないじゃないか

俺は嘘が嫌いなんだから


これは嘘ではない・・・

軽い冗談なのだ

そう自分に言い聞かせでもしなければ、とてもじゃないがやっていられない


俺に聞いても埒が明かないと観念したのか

案の定、響と音無さんへの質問攻めに変わった


だけど、音無さんと響も俺に口裏を合わせてくれた

響と音無さんには、本当に悪い事をしたと思っている

仲間に隠し事をするのは、とても辛い事だから・・・

その時に、一度だけ貴音と目が合ったが

すぐに逸(そ)らされてしまった

・・・だけど、嫌な事だけがあった訳ではない

それ以上に嬉しい事もあった


あの菊地さんと・・・

あの真と雪歩の二人が俺の事を・・・


信じると言ってくれた


それだけでも、正直また泣きそうになったんだけど

なんと・・・

実は今まで騙していた---と


真・雪歩・律子・亜美

この四人で

俺を含めた全員に、改めて謝罪をしてくれたのだ


あの時の事を思い出すだけで、俺は本当に・・・・・・

更に驚いた事に

それを聞いた春香達がなんて言ったと思う・・・?


--これで、ようやく本当に仲直りができたね・・・--

--私達の方こそ・・・ごめんなさい--


これには本当に言葉が出てこなかった・・・

春香達も、仲良くしているフリだって事に

気づいていたらしい


真達も驚きを隠せなかったらしく

皆で抱き合って

そりゃあもう、豪快に泣いていたんだ・・・


あぁ・・・この子達は、本当はずっと・・・心では繋がっていたままだったんだ


本当ならもっと早くに和解できていた筈なんだ

そんな事を思うと同時に


俺は、本当に奴の事が憎くてたまらなくなった・・・!


だから俺は・・・

何が何でも961プロに、負けるわけにはいかない

もう少しで全員で笑い合えるようになるんだ


そんな中、あえて俺が嫌な雰囲気を作り出す事もない

今まで通り接すればいいんだ

そう思った


皆より辛い想いをさせてしまって申し訳ないけど

この事を教えておくのは

貴音と音無さんと響と真と雪歩の五人だけにしておこう

真達も黙っておいてくれると言っていたし

その代わり、気が済むまでボクの事を殴ってください

そう言われた時にはどうしようかと思ったけど・・・

なんとか周りになだめられて、事なきを得た

あずささんにしろ、真にしろ

まったく・・・ここのアイドル達は・・・

ハハッ、殴れるわけないだろ



まぁ・・・貴音には愛想をつかされてしまっていて

俺は・・・

でも・・・そんな事も言ってはいられない

昨日の響のオーディションも一位通過

ますます動きに磨きがかかっていた


やるべき事は、今目の前にあること

星井さんは、恐らくはあの公園にいるという事が分かっている

問題は・・・


最終手段だった亜美から、話を聞いてみて分かった事

双海さんはどうやら

毎晩ベッドから抜け出して、亜美にあげたノートを読んでいるらしい

その話を聞く限りだと

どこか卓球のできる場所で、朝から晩まで壁卓球をしているに違いない

卓球ができる場所といえば、限られていない事もないんだが


いかんせん、範囲が広すぎる

双海さん宅の近くで待ち伏せし、後をついて行けばいいだけの話なのかもしれないけど・・・

そんなストーカーじみた事はしたくないし、する暇もない


さて・・・

となると、どうするべきか・・・

---タッタッタ


真「プロデューサーー!」

P「おぉ、真」

真「ダメです、ボクがいつも行っているジムにもいませんでした」

P「そっかー、わざわざありがとな」

真「いえ・・・これくらいの事じゃ償い---」

P「ハァ!」トン

真「いたっ!」

P「だから、そういうのは嫌いだって言ったろ」

真「す、すみません・・・」

P「でも気持ちは嬉しいよ」

P「償いとかじゃなければな?」

真「も、勿論!ボクがお手伝いしたいからで---」

P「ありがとう」ニコ

真「ボクの方こそ・・・ありがとうございます」

P「いやいや、俺の方がありがとうだよ」

真「何言ってるんですか!ボクの方がありがとうですよ!」

P「いやいやいや」

真「いやいやいやいや」


P・真「・・・」

P・真「ぷっ・・・」

P・真「アハハハハハハハ」


またこうして笑える日がくるなんて・・・


P「・・・ハハ」

P「もうキリがないから、お互いにありがとうはなしな」

真「・・・ハァ」

真「・・・」

P「真?」

真「ボク・・・実を言うと」

真「プロデューサーと、その・・・」

真「・・・ずっと、こうして話してみたいって思ってたんです」

P「・・・」

真「それだけじゃありません」

真「あの日、大丈夫だから・・・って言ってくれて」

真「ボクたちの事を、必死にかばってくれて・・・」


真「ずっと・・・ありがとうございますって」

真「そう言いたかった・・・!」

P「・・・」

真「今まで本当にごめんなさいって・・・」

真「その場で謝りたかった・・・・・・!」

P「分かってるよ・・・」

真「・・・」

真「プロデューサーは・・・」

真「もう知ってるんですよね・・・?」

P「・・・」

P「何を---」

真「いいんです、もう分かってますから・・・」

P「真・・・」

真「へへっ・・・」

真「ボクってバカだから・・・」

真「アイツの事、疑いもせずに・・・」

真「こんなにボクたちの事を考えてくれているんだ---って」





真「好意をもってしまっていたんです・・・」

P「っ・・・」

真「それで写真なんか撮られちゃって」

真「自分で自分の弱みを作ってしまったんですから・・・」

真「本当に笑えますよね・・・」

P「笑えない・・・」

真「だって、そうじゃないですか!」

真「向こうは、最初からボクたちの事を利用する為だけに近づいてきてたっていうのに!」

真「それに気づけもしないで!」




真「まんまとアイツの思惑通りに・・・目の前で---」

P「もうやめてくれ!!」

真「・・・!」

真「すみません・・・こんな話、聞きたく---」

P「そういうことを言ってるんじゃない・・・!」

P「真はただ普通に・・・」


P「女の子として、恋をしていただけじゃないか・・・!」

真「・・・」

P「真たちの事を親身になって考えてくれて・・・」

P「自分の事よりも真剣に取り組んでくれて・・・」

P「そんな人の事を・・・信用するなって方が無理なんだ・・・」

P「そんな一途な想いの真を笑えるかだって・・・?」

P「笑えるわけないだろ・・・!」

真「・・・っ」

P「それだけ酷い事をされたんだ」

P「第三者の俺が、簡単に忘れろなんて言えない・・・」


P「だけど!」

P「同じプロデューサーとして」

P「プロデューサーの立場を利用して」

P「仲良くなってから突き放す」

P「ましてや、人としてやってはいけない事に手をつけた」


P「そんな奴・・・許す事はできない」


P「アイドルの事を一番理解して、信頼を築き上げてこそのプロデューサーなのに・・・」

P「俺はアイツの事を、一生許さないし」

P「プロデューサーだとも認めない」

真「・・・っ」

P「・・・ここからは同じ男としての意見だ」


P「もし、自分の気持ちを押し殺さなくてもいいのなら・・・」」


P「こんなに可愛らしい女の子を傷つけたアイツこそを」


P「すぐにでも!」


P「気が済むまで殴ってやりたい・・・!」



---僕が真の事を・・・?---

---冗談はよしてくださいよ---

---誰が貴方みたいに男勝りの者を好むというのですか---

---まさか本当に僕が真の事を好きになっていたとでも?---




真「プロ・・・ゥサァー・・・」

P「だけど・・・それじゃあアイツと同じだ」


P「過去はもう、俺にはどうすることもできないけど」

P「それ以上に・・・・・・」

P「辛かった事なんて・・・」

P「思い出す暇もないくらいに・・・・・・」


P「俺が明るい未来に変えてやる」


真「っ・・・っ・・・!」


P「だからもう泣かないで・・・」

P「ほら、ハンケチ使ってハンケチ」


真「・・・」

--ゴシゴシ・・・

真「ぷっ・・・」

P「えっ」

真「アハハハハハ・・・」

P「おおぅ?」

真「なんですかそれ・・・」

P「オシャレだろ?」

真「ハハ、ちっともですよ・・・」

P「ぬぅ」

真「でも・・・」

真「ありがとうございます、プロデューサー」


真「なんだか、スッキリしました・・・」

P「そうか、良かった・・・」


真「いいんですか?プロデューサー」

P「何が?」


---ダダッ

P「あっ、おい!真!?」


--クルッ

真「言ったじゃないですか!ボク、バカだからって!」

P「えー?何だって?」

真「また・・・----------」

真「プロデューサーのこと!!」


P「俺がなんだってー?」

P「聞こえないよー!」


真「へへっ!なんでもないですよーだ!!」

--ダダッ


P「ちょっと・・・待てって・・・!」




今度は・・・

本気でね・・・・・・



------
---
-

〜(翌日)〜

---星井美希の特訓に付き合えなくなり始めて四日目---


今日も手当たり次第にスポーツジムを探し回ったが

双海さんは見つからず

早く四人を揃えなければ・・・





〜(翌日)〜

---星井美希の特訓に付き合えなくなり始めて五日目---

今日も真が一緒に探すのを手伝ってくれたが

やはり見つからず

響達の仕事、みんなのレッスンを往復しながらの事なので

効率が悪い

そして、とうとう・・・・・・



〜(現代)〜


〜(翌日)〜

---星井美希の特訓に付き合えなくなり始めて六日目---

--天候(雨)--


---漫画喫茶自由間---



今日の天気は、久しぶりの雨

朝は晴れていたのに、急に降り出してきたので

やむを得なく漫画喫茶での雨宿り

俺一人だったら、構わず探し続けるんだが

今日は雪歩が一緒についてきてくれている

風邪を引かせるわけにもいかないからな


星井さんは、こんな日はどうしているのだろうか

やっぱり事務所には来ていないし

自宅待機なのかな

できれば双海さんを見つけてから会いに行きたかったが・・・

もし、今日見つけることができなければ

順番を変えることも視野に入れておいたほうがよさそうだ

だが・・・そろそろ双海さんを見つけることができないと

本格的にマズイ


この辺りのジムは、あらかた探したし・・・

まさか、そんなに遠くまで行っているというのだろうか・・・



雪歩「あの・・・プロデューサー」

P「あぁ、こんな部屋に俺なんかと二人でごめんな」

P「本当は個室を借りたかったんだけど」

P「ファミリールームしか空いてないって言うからさ」

P「この部屋は二人以上じゃないと借りられなくて・・・」

P「でも、借りちゃえばこっちのもんだからさ」

P「お金はここに置いておくから、雨が止むまでゆっくりしていきな」

雪歩「プロデューサーは・・・?」

P「あっ、傘の事を心配してるのか?」

P「大丈夫、俺折り畳み傘も持ってるから」

雪歩「ちがっ・・・」

P「もし、止まないようならこの傘を使ってくれ」

P「じゃあ、今日はありがとな」

雪歩「・・・!」

P「くれぐれも風邪は引かないようにね」

雪歩「あっ・・・」

P「それじゃ」

雪歩「まっ・・・」


---ガチャン

雪歩「・・・」


うぅー・・・行っちゃったよぉ・・・

二人きりになれて、ちゃんとお礼を言い直す

いい機会だったのに・・・

どうして私はこんなにダメダメなんだろぅ・・・

信じるって・・・そう決めたのに・・・


それをこんな私なんかの為に気を遣わせちゃうなんて・・・

傘まで置いて・・・

・・・・・・

傘・・・?

プロデューサーが持っていた傘を私が借りる・・・

プロデューサーは傘がない

私はある


・・・ということは

はうっ・・・!


プロデューサーが風邪を引いちゃいますぅー!

どっ、どうしよう・・・

追いかけなくちゃ・・・


でも、こんな私なんかに追ってこられたら

きっと嫌だよね・・・

だけどプロデューサーが・・・

うぅっ・・・

どうすればいいのー・・・


------
--
-

---漫画喫茶自由間---ラウンジ---



雪歩は男性恐怖症らしいから

あんな狭い部屋に俺と二人だけなんて

とても耐えられないだろう

それに・・・

いや、もう思い出すのはよそう

気分が悪くなるだけだ・・・



それにしても・・・

意外と広いんだな


こういう所は入った事がなかったから知らなかった

会員証も作らされたし

今度一人でゆっくり来てみてもいいかもしれない

--ストン!

ダーツに・・・


--カーン!

ビリヤードに・・・


スコン!スコン!

卓球・・・

---セイッ! セイッ!


今時の漫画喫茶にはこんな物まで・・・

・・・・・・

・・・


P「卓球!!?」

P「えっ・・・!」


P「卓球だ!!」


それに・・・

あそこにいるのって・・・・・・!

とりあえずここまでかなーって



ここまで出来る>>1が凄過ぎる…

おはようございます

>>322
ありがとうございます
頭の中では完結しているのですが
文にするとなかなか書き終わらず、もどかしい思いです
更新が遅くて申し訳ございません

もう少ししたら更新します

更新します

---スコン!


真美「2022・・・」


---スコン!


真美「2023・・・!」


--スタスタ

P「・・・」


---スコン!


真美「20・・・26!」スコン!


P「すごいな・・・」


真美「・・・!?」

--スカッ

真美「あわぁー!!」

P「おあっ!」ビクッ


---コン コン コン・・・


P「・・・」スッ


真美「」クルッ

真美「・・・!」


P「ごめんごめん、驚かすつもりはなかったんだけど・・・」

P「はい」スッ


真美「・・・」


P「いらないの?」

真美「どうしてここに・・・」

P「・・・どうしてだと思う?」

真美「・・・」

P「・・・」

P「じゃあ、4択ね」

P「一、双海さんが心配だったから」

P「二、双海さんを探していたから」

真美「・・・」

P「三、双海さんと仲良くなりたかったから」

P「四、双海真美さんを」


P「プロデュースしたいから」

真美「・・・!」


P「さて、どれでしょう?」

真美「・・・分かんない」

P「んー・・・正解は・・・」

P「全部でした」

真美「全部って・・・」

真美「本気で言ってるの・・・?」

P「もちろん、もちろん」

P「俺は嘘が大嫌いだからな」

真美「へー・・・」

真美「散々真美に酷い事されたのに・・・」

真美「それでも真美の事を心配してくれて」

真美「わざわざこんな所にまで探しに来てくれて・・・」

P「・・・」

真美「そんでもって、仲良くなって・・・」

真美「真美の事を・・・・・・プロデュースしたい・・・?」

P「あぁ」

真美「あはは・・・そりゃ→いくらなんでも、人が良すぎるっしょ」

P「そうか?」

真美「そうだよ!」

真美「・・・」

真美「新人の兄ちゃんは気づいてないだろうけど・・・」

真美「真美達は嘘をついてたんだよ」

P「へぇ・・・」

真美「へぇ---って・・・!」

真美「新人兄ちゃんにも、みんなにも・・・」

真美「仲直りをしたように見せてただけなの!」

真美「騙してたんだよ・・・!分かる!?」

P「それは大変だったな・・・」

真美「・・・っ!」

真美「大変なのは---」

P「辛かっただろ・・・?」

真美「なに言って・・・」

P「嘘ってのはさ・・・」

P「つかれる方も傷つくけど」

P「つく方にも同等、もしくはそれ以上の辛さがあるもんなんだよ」

真美「どうしてそんなこと分かるのさ!」

P「分かるよ・・・」

真美「なんで・・・?」

P「俺だって・・・そうだから・・・」

真美「・・・?」

真美「・・・何言ってんの?」

P「別に気にしなくていい」

真美「・・・あっそ」

真美「とにかく・・・真美の事はほっといてよ」

真美「真美は一人で---」

P「嫌だね」

真美「えっ・・・」

P「嫌だって言ったんだ」

P「どんなに断られても」

P「例え嫌がられたとしても」

P「俺は双海さんの事を諦めない」

真美「・・・!」

真美「・・・・・・」

真美「どうしてさ・・・」

真美「あんなに酷い事されて・・・」

真美「それなのにどうして・・・!」

P「・・・分かってたから」

真美「何を・・・」

P「みんなの気持ち」

真美「そんなの・・・嘘だよ」

P「嘘じゃない・・・」

真美「嘘だ!」

真美「もし・・・そうだとしても・・・」

真美「そんなの・・・」

真美「簡単に信じられるわけ・・・!」



雪歩「ううん・・・プロデューサーの言ってる事は、本当だよ真美ちゃん」

真美「ゆきぴょん・・・!?」


P「雪歩・・・」

雪歩「私達・・・もうみんなに本当の事を話したの」

真美「・・・!」

雪歩「それでね・・・みんなも私達の事を許してくれて・・・」

雪歩「こんな話ができたのも、全部プロデューサーのおかげなの・・・」


--クルッ

雪歩「・・・」

P「・・・?」

雪歩「あの・・・私、ちゃんとお礼を言えてなくて・・・」

雪歩「ほ、本当に・・・ありがとうございました・・・!」

P「いや!もういいって!」

雪歩(ちゃんと・・・言えたよぉ・・・!)

P「それに、それは俺のおかげとは違うっていうか・・・」

雪歩「そ、そんなことありません!!」

P「おぉ・・・」

雪歩「全部全部プロデューサーのおかげで!」

雪歩「プロデューサーがいなかったら私達・・・!」


雪歩「それに、私と真ちゃんが言おうと思ってて!」

雪歩「だから・・えっと・・・!」

P「落ち着いて・・・」

雪歩「ハッ・・・!」

雪歩「私・・・そういうつもりじゃなくて・・・」

P「分かってる、分かってるから」

雪歩「うぅー・・・」

雪歩(恥ずかしいよぉ・・・)

真美「・・・」

真美「亜美も謝ったの?」

雪歩「う、うん」

真美「へー、そっか・・・」

真美「良かったね、ゆきぴょん!」

雪歩「だから、真美ちゃんも---」


真美「じゃあ、悪いのはもう真美だけなんだ」

雪歩「ち、違・・・!」

P「・・・」

真美「気にしなくていいんだぜ、ゆきぴょん!」

真美「真美は一人でも、ぜ→んぜんへ→きだから!」

雪歩「き、聞いて真美ちゃん!」

雪歩「真美ちゃんを一人になんて---」

真美「いいからもうほっといてよ!!」

雪歩「」ビクッ

真美「真美は一人でも平気だからって・・・」

真美「そう・・・言ってるじゃん・・・!」

雪歩「真美ちゃ---」


--スッ

P「・・・ありがとう、雪歩」

雪歩「プロデューサー・・・」

P「・・・」


P「本当に一人でも平気なんだな?」

真美「・・・トーゼンっしょ」

P「そうか」

P「後悔しないな?」

真美「・・・うん」

P「分かった」


P「それじゃ、行こうか雪歩」

真美「・・・!」

雪歩「えっ・・・でも」

P「本人があそこまで言ってるんだ」

P「それならもう、俺にはどうする事もできない」


諦めないって言ってたのに・・・


P「やる気がない奴にかまってやる程、俺は暇じゃないんだ」

雪歩「そんな言い方・・・!」

P「いいから・・・」

雪歩「・・・」

雪歩「」コクン


P「邪魔して悪かったな」

真美「・・・」


ホントに行っちゃうの・・・?

P「あっ、そうだ」

P「多分それ以上卓球しててもしょうがないと思うぞ?」

P「元々それは亜美の為に用意した特訓法だから」


亜美の・・・

そっか・・・

私は真美だもんね


やっぱりそうなんだ・・・


P「だけど・・・」

P「もし、まだやる気が少しでもあるのなら」

P「明後日の朝、何日か分の着替えを持って、いつもの時間に事務所に来てくれ」

真美「・・・」

雪歩(着替え・・・?)

P「来てくれたらのなら歓迎するし」

P「双海真美さん専用の特訓法も教える」


真美の・・・!


P「じゃあ」

真美「・・・」


-----
--
-

---漫画喫茶自由間---入口外



雪歩「本当にいいんですか・・・これで」

P「うーん、分からん」


こればかりは本当に自信がない

今の双海さんには

考えをまとめる時間が必要だと判断したんだけど・・・

少しキツイ言い方になってしまった


雪歩「えっ」

P「今までのみんなもそうだったけど」

P「やっぱり自分に負い目を感じてるんだろうな」

P「さっき双海さんも言ってたけど、今まで酷い事をしてたのに」

P「今さら・・・ってさ」

P「雪歩もそうだっただろ?」

雪歩「はい・・・」


P「俺からすれば、そんな事分かっていた事だから気にしてない---と言えるんだが」

P「双海さん達はそうもいかない」

P「だって、みんな優しい子だから」

雪歩「・・・」

P「それに、双海さんは恐らく俺が探しに来る事を分かっていたと思うんだ」

雪歩「どうしてですか?」

P「だって、俺が卓球するんだったら素直にスポーツセンターとか、ジムとか行くもん」

P「それを、あえて漫画喫茶なんて場所を選んでいたんだ」

P「探しに来るなって言ってるようなもんじゃないか」

P「少なくとも俺は、今日雨が降って、雪歩が一緒についてきてくれてなかったら」

P「多分双海さんを見つけることができなかったと思う」

P「だから、ありがとな雪歩」

雪歩「い、いえ・・・私なんて」

P「謙遜しなくてもいいよ」


P「きっと、雪歩やみんなの想いがこういう運命を作り上げたんだ」

雪歩「そう・・・なんでしょうか?」

P「雪歩は、運命ってあらかじめ最初から決まってるものだと思う?」

雪歩「えっ・・・ど、どうなんでしょう・・・」

P「俺はね、確かに軸となる部分は最初から決まっていると思うんだ」

雪歩「・・・」

P「それでさ、ゲームとかでよくあるみたいに」

P「所々で選択肢を迫られる」

P「その選択肢をどう選んでいくかによって、自分の運命は変えられると思ってる」

P「勿論、本当のゲームみたいにって訳にはいかないから」

P「やり直しはできないし、選んでみないと分からない」

P「その結果、嫌な事もあるかもしれないし、良い事があるかもしれない」

P「だけどさ」

P「俺は、あの時ああしておけば良かったなーとか」

P「そういう後悔ってしたくないんだ」

P「どうせ後悔するなら、やらないで後悔するよりも」

P「やって後悔する方がいいって・・・」

P「そう思う」

雪歩「・・・」

P「それに、よく言うだろ?」

P「神は、その人に乗り越えられる試練しか与えない---って」


P「だから、今がその時だと思うんだよ」

雪歩「試練・・・」

P「その試練を乗り切ったとき、必ず何か得られるものはあると思うから」

P「だから、もう少しだけ・・・」

P「俺と一緒に---」

雪歩「でも・・・こんなダメダメな私なんかにはとても・・・」

P「・・・」

P「雪歩は自分に自信がないんだな」

雪歩「はい・・・」


P「じゃあ、俺と一緒だ」ニカッ

雪歩「えっ・・・」

P「俺もさ、765プロに来るまでは」

P「ずーっと自信がなかったんだ」

雪歩「そうなんですか・・・?」

P「うん」

P「プロデューサーにはなりたかったんだけど」

P「実際に自分がやっている所を想像してみるとさ・・・」

P「なんかこう・・・あぁー、もう駄目だ---みたいな」

雪歩「わっ、分かりますぅ!」

雪歩「考えただけでも、緊張しちゃうんですよね!」

P「アハハ、そうそう」

雪歩「ふふ」

P「でもな・・・俺はここに来て変わることができたんだ」

P「どうしてだと思う・・・?」

雪歩「・・・どうしてですか?」

P「ちょっと恥ずかしいんだけど・・・」

雪歩「はい」



P「みんなを、助けてあげたいって」

P「そう思うようになったからかな・・・」


雪歩「みんなを・・・」

雪歩「・・・」

P「ま、まぁ・・・ゴチャゴチャと言ったけどさ」

P「とにかく、雪歩にも自信を持って」

P「後悔だけはしないように進んでくれって事だ」


雪歩「私も・・・みんなの力になれるでしょうか・・・?」

P「あぁ、勿論だ」


雪歩「・・・上手くできるか分からないけど」

雪歩「私・・・頑張ってみます」


P「おう」


プロデューサーも、自分を変えたんだ・・・

なんだか少し、ホッとしちゃったな・・・

こんなに凄い人でも自信がなかったなんて


きっと、本気で私達の事を考えてくれているからなんだよね


それなら・・・私もその期待に応えなくちゃ

雪歩「プロデューサー?」

P「ん?」

雪歩「今日はありがとうございました」

P「いや、俺の方こそ」

雪歩「私も、今私にしかできないことをやってみようと思います」

雪歩「だから、先に帰っていてください」

P(・・・)

P「そっか、分かった」

雪歩「あと、傘を---」

P「あぁ、それならさっきフロントで買ったから大丈夫」

雪歩「そうですか」

雪歩「じゃあ、お借りしておきますね」

P「うん、それでいい」

雪歩「では、失礼します」

P「またな」

---ガラン

P「・・・」

P「少しは吹っ切れたみたいだな・・・」

P「ハァ・・・」スタスタ

--バサッ

P「それに比べて俺は・・・」


偉そうなことを言っておきながら

やっぱり、一人じゃ何もできない


ありがとう、雪歩

雪歩になら、俺にはできなかったことができるはずだ


俺も信じてるからな・・・

-----
--
-


・・・最後は星井さん


こんな雨の中

いないとは思うけど・・・


とりあえず、行ってみよう

---漫画喫茶自由間---


真美「・・・」

--スコン・・・

真美「・・・」


真美「真美も・・・」

真美「いいのかな・・・」


雪歩「いいと思うよ」

真美「」ビクッ

真美「ゆきぴょん!?」

真美「・・・どうして戻ってきたのさ」

雪歩「だって私達・・・」

雪歩「仲間だから」

真美「・・・!」

雪歩「私もね、真美ちゃんと一緒だよ?」

雪歩「さっきも、こうしてる今も・・・」

雪歩「本当は、プロデューサーへの罪悪感で押しつぶされそうになってる」

真美「・・・」

雪歩「それに、実を言うと」

雪歩「まだ少しだけ・・・」

雪歩「やっぱりプロデューサーの事を怖がっている自分もいるの・・・」

雪歩「だけどね・・・」

雪歩「あのプロデューサーなら」

雪歩「もう一度信じてみてもいいかなって思ったの」

真美「・・・なんで?」

雪歩「それはもう真美ちゃんも気づいてるんじゃないかな?」

真美「・・・」

雪歩「・・・」

雪歩「プロデューサーね」

雪歩「961プロに行ったんだって」

真美「・・・!」

雪歩「それでね、三ヵ月後に行われるフェスで」

雪歩「私達が961プロに勝てば、これからはもう」

雪歩「私達に手を出してくることはないって・・・」

雪歩「そういう話をつけてきてくれたみたいなの」

真美「そんな勝---」

雪歩「勝手だって思う?」

真美「そりゃ、そーっしょ!」

雪歩「私もね、最初はそう思ったよ?」

雪歩「私なんか無理に決まってるのに---って」


雪歩「でもね・・・不思議なんだけど」

雪歩「プロデューサーと話してると」

雪歩「なんだか私にもできる様な、そんな気持ちになってくるの」

雪歩「だから、真美ちゃんも一度」

雪歩「ちゃんとプロデューサーと話をしてみてほしい」


真美「でも・・・」

真美「真美はあの兄ちゃんに、あんなに酷い事をしてきたんだよ・・・?」

雪歩「それは真美ちゃんだけじゃないよ」

雪歩「私だって・・・」

真美「ゆきぴょんはいいじゃん!」

真美「だってもうみんなで謝ったんでしょ!?」

真美「だったら関係ないじゃん!」

真美「もう真美だけなんだから・・・!」

真美「あのプロデューサーと同じなのは・・・」

真美「もう・・・真美だけなんだから・・・」ポロッ

--ギュッ

雪歩「違う・・・違うよ・・・!」

雪歩「真美ちゃんはあの人と同じなんかじゃない・・・」

真美「・・・っ」

雪歩「そんな事いったら・・・」

雪歩「私だって・・・」ポロッ

真美「っ・・・っ・・・」

雪歩「っ・・・・・・」

真美「ごめん・・・ごめ゙んね・・・・・・ゆきぴょん・・・」

雪歩「ッ・・・」

真美「真美も本当は・・・分かっでる」

真美「でも゙・・・」

真美「自分で自分が・・・・・・許せなくで」

雪歩「ゔん・・・」

真美「もゔどうぢたらいいか・・・」

真美「分がらなぐて・・・・・・」

雪歩「ゔん・・・ゔん」

真美「また酷い事・・・言っぢゃったよぉ・・・」

雪歩「私も一緒に謝るから・・・」

真美「っ・・・っ・・・」

雪歩「プロデューサーなら・・・」

雪歩「分かってくれてるから・・・」

真美「ゔん・・・」

雪歩「だから・・・心配しなくていいよ」

真美「ゆぎ・・・びょん・・・」


良かった・・・

本当に良かった・・・

真美ちゃんも真ちゃんと同じで

ずっと苦しんでいたんだ・・・

プロデューサー

私も、少しは変われましたよね?


後は・・・

美希ちゃんの事・・・

よろしくお願いします・・・


------
--
-

---湖のある公園---


---ザー ザー


P「やっぱりいるわけない・・・か」


P「ハァ・・・まだあれから六日しか経ってないんだよな」

P「なんか・・・色々な事があったな」


こんな事になってるなんて

あの時の俺は、想像もできなかった

まだ油断はできないけど

もうすぐだ・・・

もうすぐで、本当に俺の役目は終わる・・・

961プロにいる俺か・・・

これまた想像するのが難しいな・・・


P「・・・」

P「戻るか・・・」


P「ん・・・?」


--ヒョイ

P「なんだこれ・・・」


--ガシャガシャ


《Pと一緒にお昼を食べられますよカード》


P「・・・」ポロッ

P「アハハ・・・雨で濡れてクシャクシャになってる」

--これで、これからはミキ一人でお昼が食べられるの--


P「なんだ・・・そういう事だったんだ」


本当は・・・俺の事・・・


待っていてくれていたんだ・・・


それなのに俺は・・・

一度も見にきてあげることができなかった


分かっていた事じゃないか・・・

星井さんは素直ないい子だって・・・


それを・・・

星井さんならここの場所にいるだろうから大丈夫だって・・・

馬鹿か俺は・・・

ずっとずっと、俺が勝手に見に来る事を待っていたんだ

まだ六日しか?

もう六日も経っているんじゃないか!

のん気にしていたのは俺の方だったんだ・・・!


何がプロデューサーだよ・・・

アイドルの・・・みんなの気持ちも知らないで・・・

伊織に言われていた通りじゃないか


--ググッ・・・!

--スッ・・・

--ダッ

早く、早く美希に会って謝らないと・・・!


どこだ・・・どこに行けば会える・・・


--ダダッ


事務所?

いや、違う

最近は来ていない・・・


そうだ・・・もっと早く気がつくべきだったんだ

前までは事務所に顔を出していたはずだったのに・・・

そんな当たり前な事にも気がつかなかった


--ダダダッ


・・・くそっ

----
--
-

---湖のある公園---橋付近---



---ザー ザー ザー



美希「・・・・・・」


・・・!


あれは・・・


P「美希!!」

美希「・・・」


P「何やってんだこんな所で!」

---スッ

P「風邪引---」

美希「触らないで!」

--ドン!

P「うっ・・・」ドン!

美希「・・・!」

美希「ぁ・・・」

---ザーーーー

P「・・・・・・」グワングワン


美希「プ・・・プロデューサー・・・?」


P「・・・・・・」

美希「えっ・・・」


--タタッ

美希「ねぇ・・・」

P「・・・・・・」

美希「返事してよ・・・」

P「・・・」

美希「う、嘘・・・」

美希「プロデューサー!!」

P「何・・・?」ムクッ

美希「・・・!!」

P「いてて・・・まさか、いきなり突き飛ばされるとは・・・」


・・・っ!


美希「よかった・・・」

P「やっと呼んでくれたな・・・」

P「プロデューサーって・・・」

美希「ごめんなさい・・・!」


P(・・・・・・)


P「どうして美希が謝るんだよ・・・」

P「謝るのは俺の方だろ?」

P「待たせちゃって・・・ごめんな?」

美希「ううん・・・」

美希「ミキの方こそ・・・」

美希「ミキ、プロデューサーが来てくれなくなって分かったの・・・」

美希「ダンスとか・・・教えてもらっていた事より」

美希「プロデューサーと一緒にいられた事が楽しかったんだな・・・って」

美希「そういうのって、なくなってみて初めて分かる事だったんだね・・・」

美希「ミキ、知らなかった・・・」

P「・・・」

美希「それでね・・・最初のうちは」

美希「元に戻るだけだ---って思ってて」

美希「だけど・・・」

美希「もう来てくれないんだって・・・」

美希「そう思ったら・・・なんだかイライラしてきて」

美希「今度会ったら、絶対に話さないようにしようって・・・」

P「それで突き飛ばされたわけか・・・」

美希「・・・」


美希「でも・・・」

美希「今ので死んじゃってたらどうしよう・・・って」

美希「本当に怖くなって・・・」

P「ごめんな・・・本当に」

P「俺が悪かったんだ」

P「あいまいな言葉を残していったから・・・」

美希「・・・許さない」

P「だよな・・・」


美希「だけど・・・この質問の答えによっては・・・・・・考えてあげてもいいって思うな」

P「・・・どんな質問でも答えるよ」

---ザーーーーーーーーー


美希「・・・」

P「・・・」


美希「ミキの事を・・・・・・」


--スタスタ


美希「いーっぱいキラキラさせてくれるって」


--スタスタ


美希「・・・・・・約束してくれる?」


--ピタッ・・・



ふざけんな・・・・・・

ふざけんなよ・・・!

ルール違反だろ・・・そんなの・・・!

P「必ず・・・」

P「守ってみせるよ」


P「その約束も・・・」



P「美希の事も・・・・・・!」


美希「・・・!」ウルッ


P「だけど・・・」

P「その前に一つだけ聞かせてくれ」


美希「・・・何?」ポロッ

P「美希は・・・」


P「俺と・・・」

P「そこにいる元プロデューサーの・・・・・・」


P「どっちを信じてくれるんだ?」



元P「ククッ・・・」

美希「・・・」ボロボロ・・・


美希「ミキは・・・・・・」


美希「961プロに・・・」

美希「移籍するの・・・・・・」ニコ・・・


P「・・・・・・」



--そうして美希は


---961プロへと・・・引き抜かれていった


-----
---
-

とりあえずここまでかなーって・・・

…美希(´・ω・`)
こいつはあれか…765続投でも、
961移籍でも大団円を迎えるための布石かな。

>>1 美希が不幸になる未来だけはヽ(;´Д`)ノヤメテー
例え結末が決まっててもそれだけは勘弁

>>424
どうなるのか・・・
引き続きご想像しながら楽しんでいただければ・・・
と思います

それでは少しですが更新します

---翌日---


---東京スカイTV---



俺は、あの時の美希の泣き顔が・・・

無理に笑顔を作っていたあの顔が

頭から離れずにいた

あの後、俺はあまりにも突然の出来事に何もできず


どうして美希が961プロに・・・

一体奴に何を吹き込まれたのか・・・


そして、自分のあまりの不甲斐なさに

俺はもう、どうしていいのか分からなくなってしまっていた

なんだよあの顔

どうして笑顔なのに

泣いていたんだよ・・・


最後に美希が言った言葉


キラキラ・・・・・・


961に行ってしまったら

俺はどうやって美希の事をキラキラさせてあげればいいんだ


そもそも765には手を出さないという約束だったじゃないか・・・

だが、引っかかるのは


黒井社長の事・・・

約束だけは守る男と言っていた


確かに汚い男だとは思うが

俺にはどうも、あの社長が約束を破るようには思えない

変な所でプライドが高そうだった

こういう勝負所、ましてや自分のアイドルが負けるわけないと考えていながらも

負けたときの事も想定して条件を提示してきたんだ


そんな男が、わざわざこんな事をするだろうか・・・


考えてもしょうがない

どんな可能性も否定する事はできないんだ

まだ諦めるには早い

そもそも諦めるつもりは到底ないんだ

一日はさんで頭は冷やした


お望み通り来てやったんだ

すべて吐いてもらうぞ・・・


待っていてくれ、美希・・・

俺が必ず

守って見せるから---

律子「プロデューサー・・・?」

P「どうした?」

律子「どうしたじゃありませんよ!」

律子「浮かない顔して・・・」

律子「もしかして・・・また何かあったんですか?」

P「・・・」

P「大丈夫、心配するな」

律子「やっぱり・・・」

P「そんな事より、律子は三人のオーディションの事だけを考えていてくれ」

P「三人一気にともなると大変だぞ〜」

律子「ちょっと!脅かさないでくださいよ」

P「あはは」

P「俺も後ろの方から見守ってるからさ」

P「安心して彼女達をサポートしてあげてくれ」

律子「・・・そう・・・ですよね」

律子「頼りにしてますよ、プロデューサー殿!」

P「あぁ・・・」

律子「それじゃあ私、控え室の様子を見てきますから」

律子「何か私に抜けてるところがあったら電話してください」

P「大丈夫」

P「律子に抜けてるところなんてないよ」

律子「いえ、まだまだ---」

P「いいから、早くしないと始まっちゃうぞ?」

律子「もうこんな時間・・・!?」

律子「とにかく、また後で会いましょう!」


---タッタッタ


P「・・・」

伊織、あずささん、亜美

三人なら上手くいくよ

緊張しすぎないよう、頑張って来い


俺も頑張るから


----
--
-

---961側スタッフルーム---



--コンコン


「どうぞ」


・・・一か八か


ピ

---ガチャン


P「失礼します」

元P「まさか本当に来るとは・・・」

元P「来ないのではないかと」

元P「そう思っていたのですけどねぇ・・・」ニヤァ

P「御託はいい・・・」

P「話してもらうぞ」

P「美希に何を吹き込んだのか」


元P「おやおや・・・」

元P「たかがアイドルを一人引き抜かれたくらいで熱くなって・・・」

P「たかが・・・?」

元P「そうでしょう?まだアイドルは沢山いるではありませんか」

P「・・・俺を怒らせるつもりで呼んだのか?」

元P「いえいえ、そんなつもりは」

元P「今日は話し合いをしようと思ってお呼び立てしたのですから」

P「なら、さっさと---」

元P「まぁ・・・話し合いとは言ったものの」

元P「こちらからの一方的な話し合いですがね」

P「・・・どういうことだ」

元P「僕としましても、貴方みたいな弱小プロデューサーと長い事話をしたいわけではありませんので」

元P「ストレートに言わせていただきますが」

P「・・・」

元P「負けてもらえませんかね」


元P「歌姫・歌王子フェスで」

P「なっ・・・!」

元P「貴方のせいで、僕は961プロをクビになってしまうかもしれないのですよ」

元P「貴方のせいで・・・!」

P「何を言うかと思えば・・・」

P「そんな話に俺が乗ると思うのか?」

P「それに、随分と弱気じゃないか」

P「そっちには既にトップアイドルの天ヶ瀬冬馬がいるっていうのに」


P「アンタ・・・それでも本当にプロデューサーなのか?」

元P「口を慎め!!」


P「ハァ・・・」

P「そんなことより美希の---」

元P「その通りだ・・・美希・・・!」

元P「お前は美希がどうして961に来たのかを知りたいんだろう?」


P「最初からそう言ってるだろ」

元P「僕も最初から言ってるよなぁ」

元「僕からの一方的な話し合いだって・・・!」

P「・・・」


元P「美希がどうして961に移ったのか」

元P「お前は鈍そうだから教えてやるよ・・・!」




元P「脅したんだ」


P「・・・!」


脅す・・・?

こいつが美希を・・・

今さらどうやって---

元P「見ろよこれ・・・」スッ


P「おい・・・!」


写真・・・!


P「どうしてお前がその写真を持ってるんだ!」


元P「・・・」

元P「アッハハハハハハハハハ!」

P「・・・っ!」

元P「いいねぇ・・・その表情」

元P「もっと見せてくれよ・・・」


落ち着け・・・

まただ・・・

相手のペースに乗せられるな

P「っ・・・」

P「・・・いい趣味とは言えないな」


元P「・・・チッ」

元P「もう終いかよ・・・」


P「いいから答えろよ・・・」

P「どうしてお前がその写真を持っているんだ・・・」


元P「お前・・・」

元P「案外馬鹿なんだな・・・」

元P「そもそもこの写真を撮ったのは僕なんだぜ?」

P「・・・!」

元P「何も驚く事はない」

元P「撮った本人が持っている事は当然だろ?」


その通りだ・・・

見過ごしていた・・・・・・


元P「やぁーっと入った961プロ・・・」

元P「そうやすやすとクビになんてされてたまるもんか」


元P「僕だってそこまで考えていなかったわけじゃない」

元P「この写真を美希に見せて・・・」

元P「961に移籍しなければ全員の写真をすぐにでも記事にしてもらうぞー・・・なんて」

元P「たったそれだけの事で、コロッと頷いてくれたよ」

P「お前・・・・・・!」

元P「分かっただろ?」

元P「お前はもうフェスで負ける道しか・・・」


元P「選べねぇぇんだよぉ!!」

P「・・・」グググッ!


元P「安心しろよ、フェスで負けてさえくれりゃあ」

元P「写真はのせねぇし」

元P「黒井社長にも、のせねーように頼んでやるよ」


P「お前にそんな力があるわけ---」

元P「その為に『美希』を引き抜いたんだろーが!」

P「なんだと・・・?」

元P「どこに惹かれるのか知らねーけど、社長は」

元P「前々から美希の事を気にしていたみたいなんだよな」

元P「だから、俺が美希を引き抜いたとは言わず」

元P「同意の上で移籍してもらったと---」


元P「そう言えば、俺の言う事も聞いてくれるって訳」

元P「そうすりゃあ別に、変に手を出してるようにも見えねーだろ?」


元P「ああ見えて黒井社長はそういう人間なんだよ」


P「黒井社長は・・・この事を知らないってわけか・・・」


元P「ああ、そうだ」

元P「もし、この事を社長や美希に話してみろ・・・」

元P「すぐにでも記事にする」


P「っ・・・!!」

元P「しかし・・・」

元P「美希がまだフェスの事を知らなくて助かったぜ」


俺の・・・


元P「もしもこのフェスの勝利条件を先に聞いていたら」


俺が早く美希の所へ行かなかったせいで・・・・・・


元P「恐らくこの話に」


ごめん・・・ごめんな・・・


元P「のってくれなかったと思うからさぁ・・・」ニタァ


美希・・・・・・!


元P「と、いうことで・・・」

元P「フェスまでの間、何をしようと構いませんけれど」

P「・・・」

元P「歌姫・歌王子フェス」


元P「負けて頂けますよね?」

P「・・・」

P「・・・・・・」


P「とんだ屑野郎だな・・・」


元P「お褒めの言葉として受け取っておきましょう」ニコッ

P「・・・好きにしろ」


元P「ご理解頂き、感謝します」

P「・・・」スタ・・・

---ガチャン


元P「・・・」

元P「くくっ・・・」


-------
---
-

アイツの事を---

あまりにも甘く見すぎていた・・・

仮にもあの961の社員

俺のせいだ・・・


俺の・・・せいで・・・・・・


--美希

ごめん・・・


--みんな


ごめん・・・・・・

---もう俺


---今度こそダメかもしれない



もう二度と弱音は吐かないって---

貴音と約束した・・・


---だけど


・・・ついに打つ手がなくなった



---765プロを



---助け・・・・・・られないよ・・・

とりあえずここまでかなー・・・って

やはり鋭い方がいらっしゃいますね

少しだけ更新します

---同刻---


---空港---



高木「もういいのかい?」

善澤「あぁ」

高木「これでようやくあの子達を・・・」

善澤「おいおい・・・少し気が早すぎやしないか?」

善澤「いくら私でもできる事とできない事があるからな」

高木「ハッハッハ、分かっているよ」

高木「心配しなくとも、ウチには凄腕のプロデューサーがいるからねぇ」

善澤「随分と信頼してるようだが・・・大丈夫なのか?」

善澤「そのプロデューサーに任せっきりで」

高木「無論、心配はない---と言いたい所だが・・・」


高木「だからこうしてここにいるんじゃないか」

善澤「変わらないな・・・そういうところは」

高木「そうかね?」

善澤「あぁ」

高木「ハハハ」

------
---
-

---765プロ事務所---


P「・・・・・・」

小鳥「・・・」


小鳥「律子さん・・・」

律子「えぇ・・・」


律子「伊織達のオーディションが終わってから」

律子「ずっとあんな調子なんですよ・・・」


律子「訳を聞いても話してくれなくて・・・」


伊織「・・・」

亜美・あずさ「・・・」

伊織「ねぇ」

P「あぁ・・・」

伊織「・・・」


伊織「トマトジュース買ってきて」

P「あぁ・・・行って来る」スッ

伊織「・・・」ムッ


伊織「待ちなさいよ!」

P「ん、あぁ・・・」

伊織「前にもこんな事があったわよね・・・?」

P「・・・」

P「そうだっけ・・・」

伊織「・・・っ」


伊織「ちょっとアンタどうしちゃったのよ!」

伊織「私達三人とも合格したのよ!?」

P「・・・おめでとう」

伊織「おめでとう・・・じゃないわよ!」

--ガバッ

P「・・・」

律子「ちょっと伊織!」

伊織「私達のどこが良かったのか言ってみなさいよ!」

P「・・・」


亜美「いおりん・・・」

伊織「いつもみたいに・・・」

伊織「ちゃんと見てたって・・・言いなさいよ!」


あずさ「伊織ちゃん・・・」

P「悪い・・・見てなかった」


伊織「っ・・・!」

伊織「どうして・・・」

伊織「どうしてよ・・・!」


伊織「そんなに私達の事が信用できないっていうの!?」

小鳥「お、落ち着いて・・・伊織ちゃん」


伊織「だって・・・!」

伊織「話してくれても---」


P「信用・・・・・・ね」

---バッ

伊織「・・・!」

P「・・・」

P「それじゃあ話すよ」


P「今日の夜、またここに集まってくれ」

伊織・亜美・あずさ・律子・小鳥「・・・!」


P「どうせもう・・・無理なんだから」

伊織「無理・・・?」


--スタスタ


あずさ「プロデューサーさん」


P「すみません・・・あずささん」

P「ちょっと一人になりたい気分なんです・・・」

あずさ「・・・」

P「伊織もごめん・・・」

伊織「・・・」


P「ごめん・・・」


---ガチャン・・・


伊織・亜美・あずさ・律子・小鳥「・・・」


亜美「兄ちゃん・・・」

律子「相当の事があったみたいね・・・」

伊織「」ピッ ピッ

あずさ「伊織ちゃん・・・?」

伊織「・・・みんなに知らせてるのよ」

伊織「今度こそ、きちんと話してもらうわ」


あの時と同じ

何か大きな心境の変化がアイツに起こったんだ・・・


律子(やっぱりTV局で・・・)

小鳥(話すって・・・)


------
--
-

---湖のある公園---


P「・・・」


---手に取ったね!?---

---おにぎりに直接書くなんて卑怯すぎるのー!!---


P「・・・」ガサッ


---この袋の中に入っているおにぎりを触った者は・・・---

---もうーーーー!!---


---アハハハ・・・・・・---


P「・・・」モグ

--スッ


《Pと一緒にお昼を食べられますよカード》


P「・・・」モグ・・・


P「っ・・・」

P「っ・・・っ・・・」

ごめん・・・

本当に・・・・・・ごめん・・・


765プロ全員で勝たせてやるって


守ってみせるって


約束したのに・・・



これ以上どうしたらいいんだ

どうしてこうも問題ばかり・・・っ!


神様はその人に乗り越えられる試練しか与えないんじゃなかったのか・・・!

これを俺が乗り越えられると考えているなら


神様って奴は、俺の事を過大評価しすぎだ・・・

俺なんてなんにもできない

女の子一人救い出す事もできない

そんなちっぽけな俺に

プロダクションを助ける・・・?


できる訳がない


弱音を吐かない・・・

むしろ弱音しか出てこない


無理なんだ無理だったんだ


雪歩には偉そうなことを言っておきながら

本当の芯からは変われていなかったんだ

いつまでたっても自信がないまま

所詮俺なんてこんなもん


認めたくないけど

アイツの言ってた通り俺は

弱小プロデューサーだ・・・

悔しいなぁ・・・

あんな屑みたいな奴にそんな事を言われるのは

俺だけならまだしも

彼女たちまで馬鹿にするなんて・・・


やっぱり許せない


アイツには美希の天性の才能を見抜けていないみたいだった

それにひきかえ黒井社長・・・侮れない人物だ

他社にいながら美希の可能性に気がつくなんて・・・


他社にいながら・・・・・・

・・・

どっちにしろ、もう打つ手はないんだ


許せないだけでなんとかできるなら

とうにやってる

万策尽きたとは、まさにこの事だ


もう隠していても仕方ない

直に分かる事なんだ

どうせなら

みんなから責められたほうが

楽になれる・・・


-----
--
-

〜(晩)〜

---765プロ事務所---


--カチッ・・・カチッ・・・


P「・・・」


伊織「・・・」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


伊織「みんなには、メールを送って集まってもらったわ」


P「そうか・・・」

双海さんも来てくれてる・・・

雪歩・・・

頑張ってくれたんだな


P「でも美希がいない・・・」

伊織「美希は・・・・・・」

貴音(・・・)


伊織「みんなにまったく同じ文章で」

伊織「一斉送信されてきたわ」


P「・・・」


伊織「美希が961プロに移籍って・・・」

伊織「どういう事なの・・・?」


P「どういう事も何も」

P「言葉通りの意味だ」


P「美希は961プロに引き抜かれた」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・!」

響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・!」


伊織「引き抜きって・・・!」

とりあえずここまでかなーって・・・

もう少ししたら更新します

更新します

P「俺は・・・」

P「ただ見ている事しかできなかった・・・」


P「それだけじゃない」

P「もうフェスで・・・」


P「勝つことも許されなくなっちまったんだ」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


P「ハハッ・・・どうだ」

P「情けないだろ?」


P「笑いたいなら笑えよ」

春香「・・・」

千早「・・・」

亜美「・・・」

律子「・・・」

あずさ(・・・)

P「言いたい事があるなら言ってくれよ」

真「・・・」

雪歩「・・・」

真美「・・・」

小鳥「・・・」

貴音(・・・)

P「使えないプロデューサーだって・・・・・・罵ってくれよ」

響「・・・」

やよい「・・・」

伊織(・・・)


P「どうしたんだよ・・・」

P「責めてくれよ・・・!」

P「みんなとの約束を守れなかったんだぞ!?」

P「765プロ全員で優勝する事も・・・」

P「765プロを助ける事も・・・」


P「全部全部、もう無理なんだよ!!」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


P「どうして・・・何も言ってくれないんだ」


P「伊織・・・」

P「いつもみたいに俺の事引っ叩いてくれよ」

伊織「・・・」

P「・・・そんな価値もないって事か」


伊織「えぇ・・・・・・」

P「ハハッ・・・そうだよな」

P「その方が俺も---」

伊織「お望み通り・・・」

P「なに---」


伊織「引っ叩いてあげるわよ!!」

---パシン!!

P「っ・・・!」

伊織「・・・人生のどん底に落ちたとき、這い上がるのは自分次第」

伊織「アンタがそう言ったんでしょ・・・!?」


P「・・・」

P「あぁ・・・」

P「だが物事には限度ってものが---」

---パシン!!

P「・・・っ!」

伊織「まだそんな事言うっていうんなら・・・」

伊織「何回だって・・・・・・叩いてやるん・・・だから・・・!」

P「・・・・・・っ」

P「・・・・・・」

P「・・・フェスで負ければ765プロの存在価値は失われて」

P「フェスで勝ってもみんなの写真が記事に載る」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


伊織「・・・」


P「挙句の果てに美希を無理やり引き抜かれて」

P「助ける方法も・・・」

P「見つからない・・・」

P「こんな状況の中・・・俺はどうすればいいんだよ・・・」

P「どうすれば・・・」

P「みんなを傷つけずに・・・!」

春香「やっと話してくれましたね・・・」

千早「そうね」

P「・・・」

真「ごめんね伊織・・・」

真「またこんなマネさせちゃって・・・」

真「ボクがやると加減ができなさそうで」

伊織「別に・・・私がしたいからそうしただけよ」

P「・・・」

なんだ・・・?

雪歩「ハァー・・・」

真美「だいじょぶ?ゆきぴょん」

雪歩「う、うん・・・ありがとう」

亜美「まったく・・・ヒヤヒヤものだったよ↓」

律子「そうね・・・でもうまくいってよかったわ」


どういう・・・


あずさ「ごめんなさいね・・・プロデューサーさん」

あずさ「こうでもしないと、また話してくれないんじゃないかと思って・・・」

P「・・・」

響「そうだぞ、プロデューサー!」

響「みんなみんなって・・・」

響「プロデューサーは一人で抱え込みすぎさー!」

P「響・・・」

小鳥「みんな、プロデューサーさんの事が大好きなんですよ」

P「音無さん・・・」

やよい「はい!私もだーい好きですー!」

P「やよぃ・・・」

やよい「ねー、伊織ちゃん?」

伊織「わ・・・私は別に・・・」

やよい「・・・伊織ちゃん?」

伊織「・・・!」

伊織「き、嫌いじゃないわよ・・・もちろん」

やよい「プロデューサー!伊織ちゃんも好きって・・・!」

伊織「や、やよい!?」


---ボクダッテ ワタシモ アラアラー

P「・・・」

どうしてこんな俺の事を・・・


---スッ

貴音「・・・皆、あなた様の事をお慕いしているからですよ」

P「貴音・・・!」

貴音「皆の覚悟・・・しかとその胸で受け止めてください」

P「覚悟・・・」


響「あーー!みんな、貴音がいいところを持っていこうとしてるぞ!」

亜美「なんですと↑」

伊織「ちょっと貴音!?」

貴音「フフ・・・」

春香「美希は、私達の為に移籍してくれたんですよね?」

P「・・・」

真「ちゃんと答えてください!」

律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

P「・・・・・・」

P「あぁ・・・」

P「みんなの写真を見せられたらしい・・・」

真「っ・・・!」

真「やっぱり・・・!」

真「どこまで汚いんだアイツは・・・!」

P「・・・」

雪歩「私達・・・もう覚悟はできてるんです」

P「その覚悟って---」

---バッ

真美「その前に・・・」

亜美「真美・・・」


真美「プロデューサー!」

P「・・・来てくれたんだな」

雪歩「---」スッ

真美「ゆきぴょん・・・だいじょぶだから」

雪歩「・・・」

真美「ありがと」

雪歩「うん」

真美「今まで本当に、ごめんなさい!」

P「・・・いいよ」

真美「ううん・・・よくない!」

真美「真美の事を思いっきり叩いて---」

P「またかい!」ペシン

真美「あうっ・・・」

P「本当にもう・・・」

P「毎回毎回・・・どうして」

真美「兄・・・ちゃん?」


P「どうして・・・・・・」

P「皆そんなにいい子なんだ・・・!」

真美「いい子なんかじゃ・・・」


P「分かってるんだよ!」

P「みんながどれだけ辛い思いをしてきたのか・・・!」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


P「そりゃあ初めて来たときには、なんなんだよって思ったさ!」

P「雰囲気からしても歓迎されていないのは分かっていたし!」

P「明らかに俺を見る目が違う」


P「こんな所、来るんじゃなかった・・・って」

P「そう思った!」

真美「・・・」

P「だけど・・・!!」

P「伊織に助けてって言われたあの日から」

伊織「・・・」


P「みんなの事をどんどん知っていくうちに・・・」

P「本当はみんないい子達なんだ」


P「ただ、プロデューサーという存在を」

P「受け入れる事ができなくなってしまっているんだ---って」

P「その事を知ったとき、なんとかしてあげたいって思った!」


P「765プロを助けてって言われる度に」

真・雪歩「・・・」

P「絶対に助けてあげたい---って!」

P「そう思うようになった・・・!!」


伊織・あずさ・貴音「・・・」

P「俺だって・・・」

P「本当は諦めたくなんか・・・ない」

P「でも」

P「あの写真を握られていたらどうしようもないんだ!」

P「もう考えつかないんだよ・・・!」


P「皆にとって、なんでもできるプロデューサーでありたかった」

P「頼りになるプロデューサーとしてあり続けたかった・・・」


P「ごめ゙んな・・・」

P「頼りにな゙らない」


P「プロデューザーで・・・っ」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・っ・・・」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「っ・・・っ・・・」

真「どうしてプロデューサーが謝るんですか・・・」

P「・・・っ」

真「いくら謝っても足りないのはボク達の方なのに」


真美「ごめんなざい・・・」

真美「ごべんなさい・・・っ」


P「もういいんだっで・・・真美」

真美「っ・・・っ・・・」


亜美「亜美達は・・・」

亜美「もう兄ちゃんの事をそんな風に思ってないよ・・・」

P「・・・ありがとう亜美」

雪歩「プロデューサーは頼りにならないなんて・・・」

雪歩「そんなこと・・・ありません・・・!」

あずさ「いつだって助けてくれていたじゃありませんか・・・」

あずさ「こうしている今だって」

あずさ「私達は救われています・・・」

P「いいんですよ・・・無理しなくて」


春香「無理なんて・・・」

春香「してるのはいつだって・・・」

春香「プロデューサーさんの方じゃないですか・・・」

P「俺は無理なんて・・・」

伊織「していないとは言わせないわよ・・・」

P「伊織・・・」

響「いつもいつも自分たちの事をよく考えてくれて・・・」

響「プロデューサーはどうなるんだ・・・」

P「俺なんてどうでも・・・」

やよい「よくありません・・・!」

やよい「プロデューサーが倒れちゃったときまで・・・」

やよい「わだし・・・気がつかなくで・・・」

P「あれは俺のせいだ・・・」


律子「よく言いますね・・・」

律子「あれだけ無茶をしていれば誰だってそうなります」

律子「むしろそこまでさせてしまっていた・・・」

律子「私・・・が・・・っ」

P「律子のせいじゃないよ・・・」

千早「プロデューサー・・・」

P「・・・」

千早「私達の事を第一に考えてくれるのは嬉しいのですけれど・・・」


千早「少しは・・・!」

千早「ご自分の事も考えてくださいよ・・・!」

千早「そうでなければ・・・私・・・」

P「ごめんな・・・」


貴音「あなた様・・・」

P「・・・」

貴音「皆の気持ち」

貴音「分かっていただけたでしょうか・・・?」

P「あぁ・・・」


律子・小鳥・真・雪歩・真美・あずさ「・・・っ」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「っ・・・」


P「十分すぎるくらいな・・・」

P「だけどな」

P「それでももう・・・」


伊織「まだよ・・・」

P「まだって何が・・・」

伊織「話はまだ」


伊織「終わってないんだから・・・!」


P「終わりだよ・・・」

P「話も・・・」


P「俺の役目も・・・」

伊織「まだ・・・」

伊織「私達は諦めてない・・・!」

P「・・・」

律子・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

---スクッ

P「・・・」

P「どうしたんだよ・・・」

あずさ「いつもいつも・・・本当に感謝しています、プロデューサーさん」

真「ボク達のせいなのに、プロデューサーにまで苦しい思いをさせてしまって・・・」

雪歩「今・・・こうして私がここにいられるのも、全部プロデューサーのおかげなんです」

律子「同じプロデューサーとして・・・仲間として・・・尊敬していますよ、プロデューサー殿」

亜美「亜美たちをちゃんと分かってくれる、そんな兄ちゃんだから」

真美「こんな真美でも見捨てないで、助けてくれた兄ちゃんだから」

亜美・真美「また信じよう---って、思う事ができた」

春香「初めて事務所の前で会ったとき・・・こんな人がプロデューサーさんだったらいいのにな---って」

春香「実は、そう思っていました」

千早「ここまで私達の事を想ってくれている・・・そんなプロデューサーを、私は信用しています」

響「俺が必ず765プロを立て直す・・・そう言ってくれた時、涙が出るのを我慢するのが大変だったんだ・・・」

響「自分は今でもその言葉を・・・信じてる」

やよい「いつの間にか私の為に作ってくれていた衣装・・・すっごく嬉しかったんです」

やよい「今度こそ、ちゃんとステージの上で着られたらなーって」

やよい「もうプロデューサーに、無理はさせません!」

貴音「今までの振る舞い・・・どうかお許しください、あなた様・・・」

貴音「ですが、分かって頂きたかったのです・・・!」

貴音「あの時言ったではありませんか」

貴音「ここから先・・・わたくし達は一心同体です---と」

貴音「わたくしは、あなた様が何処へ行こうとも」

貴音「あなた様お一人には・・・させません」


P「っ・・・っ・・・っ」

伊織「あの日、アンタに言ったあの一言が・・・そこまでアンタの事を苦しめていたなんて・・・」

伊織「本当に・・・・・・ごめんなさい」

伊織「でもね、アンタはどう思っていたか知らないけど」

伊織「私は・・・・・・っ」



伊織「すっごく嬉しかっだ・・・!!」


P「・・・・・・・・・っ」


伊織「それなのに私達はずっと」

伊織「騙していた・・・」


伊織「その事にも気づいていたんでしょ・・・?」


伊織「アンタが気づかない訳ないものね・・・」

伊織「でも、アンタは諦めないでいてくれた」

伊織「ううん・・・違うわね」


伊織「だからこそ」

伊織「一生懸命になってくれた・・・!」


伊織「私・・・素直になれなくて」

伊織「いつもちゃんと言えてなかった」


伊織「今まで・・・」


伊織「本当に」


伊織「ありが・・・どう・・・・・・」


P「っ・・・っ」

伊織「ここまで苦しめぢゃっで・・・」


伊織「ごめんなざい・・・っ」


伊織「・・・・・・」


伊織「アンタがここでプロデューサーを辞めたとしても」

伊織「誰も文句を言える人はいないわ・・・」


伊織「だけどね、それを決める前に」

伊織「私達の最後のお願い・・・」

伊織「---覚悟を聞いてほしいの」

P「・・・」

真「美希がボク達のせいで苦しんでいる」

真「美希の方が辛いだろうけど」

真「それならボク達も一緒に分かち合いたい」


真「もう・・・写真なんてどうでもいい・・・っ!」


P「・・・・・・!」


真「美希がいない765プロなんて、765プロじゃない!」

真「お願いします・・・プロデューサー・・・!」

真「もし、まだボク達のプロデューサーでいてくれるというのなら・・・」


真「次のフェス---」


律子・真・雪歩・真美・あずさ「・・・」コクン

伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」コクン


律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「「勝たせてください!!」」


P「・・・・・・っ」

とりあえずここまでかなーって

作者が…
続きを頑張ってくれ!頼むから!

すみません
最近忙しくて更新が遅れてしまっています

>>553
まだ少し時間がかかってしまうとは思いますが
勿論完結させるつもりですので、安心して見守って頂ければと思います

それでは少しですが更新します

情けないなぁ俺・・・

考えて・・・

悩んでいたのは何も俺一人じゃなかったんだ


写真さえ気にしなくていいのなら・・・

確かにフェスで勝たせてあげることも可能だろう

勿論、俺一人では無理だ

俺ができるのは、あくまでもサポートのみ

みんなの今の向上心、対抗心、仲間意識・・・

それらが潜在能力を引き出してくれる

---悔しい気持ち

それは脳の力を引きずり出してくれるもの

例えるなら

エアーガンでは百発百中の名手がいたとする

そこで、ずぶの素人とサバイバルをする

当然勝つのは名手の方だろう


だが、それを本物の銃と交換し

もう一度行う


その結果

勝てる確立は五分五分にまでなるらしい

生死をかけた戦いをする時

人は隠れていた潜在能力を

危機感によって呼び起こす


実際に死ぬわけではないにしろ

今の状況はそれに近いと言える



皆の覚悟・・・十分に伝わったよ


だけど・・・ごめん

俺、今から意地悪な事言う



もし、それにも耐え抜いてくれる事ができたら

俺もその覚悟に---

P(・・・・・・)


P「皆の覚悟は伝わったよ・・・」

真「じゃあ・・・!」

P「だけどな」


P「それでも俺には---」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・春香・亜美「・・・!」

千早・貴音(・・・)


P「あの写真が記事になるって事の意味」

P「みんなは本当に分かっているのか?」

真「分かってますよ!ボク達はもうアイドルを---」

P「アイドルとしてだけじゃない!!」


P「私生活にまで影響が及ぶんだ!」


小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

P「みんなが傷つくのが分かっているのに」

P「その手伝いなんて俺には---」

真「美希は・・・」

P「・・・」

真「それじゃあ美希はどうなるっていうんですか・・・!」

P「・・・」

真「美希だけが傷ついているっていうのに・・・」

真「ボク達だけ平気な顔して」

真「黙ってそれを見ていろって言うんですか!?」

P「・・・」


真「ボクにはできない・・・!」

伊織「私達だってそうよ!」

伊織「私生活・・・?」

伊織「上等じゃない!」


亜美「言ったっしょー?」

真美「真美達には覚悟ができてるって!」


P「・・・」


雪歩「プロデューサー、私に言ってくれましたよね?」

雪歩「神様はその人に乗り越えられる試練しか与えない・・・って」

雪歩「今がその時なんじゃなかったんですか・・・?」

P「・・・」

あずさ「私達は写真を見たことがないから」

あずさ「心配してくれているんですよね・・・?」

あずさ「本当にプロデューサーさんはお優しいんですね」

P「・・・」

あずさ「勿論感謝しています」

あずさ「でも・・・」

あずさ「もっと私達の事を信じてください」


春香「そうですよ、プロデューサーさん」

春香「私達・・・もう嫌なんです」

春香「ようやく皆が一つになれたっていうのに・・・」

春香「またバラバラになるなんて---」


千早「みんな、少し落ち着いて」

律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・亜美「・・・」

千早「プロデューサーはまだ・・・」

P「・・・」

千早「やらないとは言っていないわ」

伊織「だって・・・!」

P「・・・」

千早「ですよね・・・?プロデューサー」

P「あぁ・・・」

律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・春香・亜美「・・・!」

貴音「・・・」

P「随分と冷静な判断ができるようになったな、千早」

千早「プロデューサーがそれを言うんですね」

P「言うようになったな」

P「ハハ・・・」

千早「クスッ・・・」

やよい「・・・?」

響「どういう---」


P「ごめん、みんな」

P「疑っていたわけじゃないが、皆の覚悟が本物かどうか」

P「少し確かめさせてもらった」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・春香・亜美「・・・!」

千早「・・・」


貴音(見事です・・・如月千早)


P「本当に・・・すまなかった・・・!」

---バッ

P「俺・・・弱気になってた」

真「や、やめてくださいよ・・・!」

真「頭をあげてくださいプロデューサー!」


P「本当に・・・もう無理だって」

P「そう思ってしまっていた・・・・・・」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

P「みんなを守ってあげたかった」

P「あんな物に脅(おびや)かされずに・・・」

P「どこまでも登りつめていく皆を」

P「ずっと・・・近くで見守っていてあげたかった・・・!」

春香「プロデューサーさん・・・」

真「プロデューサー・・・」


---バッ

P「皆の覚悟・・・しっかり受け止めたよ」


P「俺も、その覚悟に加担する」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・春香・亜美「・・・!」

千早・貴音(・・・)

P「美希の事は心配しなくていい」

P「ここから先、皆はフェスで勝つことだけに集中してくれ」

P「皆がフェスで勝ってさえくれれば、美希は---」


P「俺が必ず連れ戻してみせる」


伊織「美希は・・・って」

伊織「アンタ・・・まさか・・・」

P「・・・・・・」

あずさ「プロデューサーさん・・・?」

律子「プロデューサー・・・」

亜美「えっ、なになに?どゆこと!?」

やよい「うぅー・・・」

真美「兄ちゃん・・・せっかく・・・」

春香「み・・・みんな、ちょっと待ってよ!」

春香「これじゃあ、まるで・・・」

千早「春香・・・」

春香「千早・・・ちゃん」

響・真・雪歩・貴音・小鳥「・・・・・・」


P「皆がここまでしてくれているのに」

P「俺だけが体を張らないって訳にはいかないだろ・・・?」


小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


伊織「だけど・・・!」

P「伊織」

P「・・・ありがとう」

伊織「っ・・・」

私がDランクに昇格したって言われたあの日から

心の中で、ずっとモヤモヤとしている

この気持ちの正体が分からなかった

嬉しい事のはずなのに

何故か素直に喜べなかった

でも

ようやく今・・・その気持ちの正体が分かった気がする

私は---

P「みんなの覚悟も決まったところで・・・」

伊織「やめて・・・!」

真「伊織・・・」

P「・・・」


P「今度は俺の覚悟を聞いてほしい」

伊織「嫌よ!そんなの・・・聞きたくない!」

雪歩「伊織ちゃん・・・」


P「本当は最後まで黙っておくつもりだったんだけど」

伊織「だったら・・・黙ってなさいよ・・・!」

響「伊織・・・っ」

P「みんなの覚悟を聞いていたら、嘘隠しをするのはよくないって思ったんだ」

春香「・・・っ」

千早「・・・・・・ッ」

P「これでもう、本当に皆に隠していることは何もない」

P「だから聞いてほしい」

伊織「嫌・・・嫌・・・」

貴音「・・・」

やよい「っ・・・」

亜美「・・・」

律子「・・・」

あずさ「・・・っ」

真美「うっ・・・」

小鳥「っ・・・」


P「俺は---」

伊織「っ・・・っ・・・」

P「フェスで皆が勝利した後、961プロに異動する」

伊織「嫌ぁ・・・っ」

春香「そんなのっておかしいですよ・・・!」

春香「どうしてプロデューサーさんが・・・」

春香「だったら私達---」

真「春香・・・」

真「プロデューサーの気持ちも分かってあげようよ・・・」

P「・・・」

春香「だって・・・!」

春香「真は平気なの!?」

春香「プロデューサーさんが961プロに---」

真「平気なわけないだろ!?」

春香「・・・!」

春香「ごめん、真・・・」

真「いや、ボクの方こそ・・・」

春香・真「・・・・・・」

亜美「兄ちゃんが961プロに・・・」

真美「っ・・・」

あずさ「亜美ちゃん・・・真美ちゃん」


律子「仮に美希を取り戻せたとしても」

律子「プロデューサーがいなくなる・・・」

律子「それだと・・・」


伊織「本末転倒じゃない・・・!」

律子「伊織・・・」

P「・・・」

貴音(・・・)

そんな事ないよ


・・・なんて言ったら

また貴音に怒られちゃうかな

だけど

本当にそんな事はないんだよ

俺がいなくなって、美希が戻ってくれば

765プロは、本来の形に戻るだけ

あるべきであった形に・・・

写真を記事にされてしまったら

それもまた、叶わない事なのかもしれないけど

ここまできたら、このままでは終われない

最後まで、足掻いて足掻いて足掻きぬいてやる

アイツの思い通りになんて

なってたまるもんか・・・


まだなんとかなる

最後まで諦めなければ


必ず道は開けてくるものだから


そんな簡単な事にも気づく事ができなかった

・・・気づかせてくれた、この子達の為にも



だけど---

P「俺はみんなの覚悟を受け止めた」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

P「だから、俺の覚悟」

P「皆も受け止めて・・・」


P「くれるよな・・・?」


俺だって本当は---


伊織「そんなの・・・卑怯じゃない・・・」

P「あぁ・・・」

あずさ「・・・そうですよ」

あずさ「受け止めないわけには・・・っ」

P「えぇ・・・」

響「本当にズルいぞ・・・」

P「そうだな・・・」

亜美「そんな大事なこと・・・」

真美「後から言われたら・・・」

P「うん・・・うん」

やよい「断りたくても・・・断れません・・・っ」

P「ごめん・・・」

春香「謝るくらいなら・・・」

春香「最初に言って・・・ほしかっ・・・っ」

P「ごめんな・・・」

千早「もしかしたらとは思っていましたけど・・・」

P「千早も本当に鋭くなったな・・・」

千早「こんな鋭さなら・・・欲しくなかったです・・・」

千早「ッ・・・」

P「・・・」

律子「どうしてあなたはいつも」

律子「いつもいつも・・・」

律子「大切な事を後から・・・」

P「・・・」

律子「そんなに・・・信用できませんか・・・?」

P「信用してるからこそだよ・・・」

律子「そんなこと・・・」

律子(分かってますよ・・・)

律子「・・・っ」

P「・・・」

雪歩「プロデューサー・・・」

P「一緒に・・・乗り越えよう」

雪歩「うぅっ・・・」

P「・・・」

真「仕方ないんですよね・・・」

真「もうこうするしか・・・」

伊織「真・・・!」

P「いいんだ、伊織」

P「俺が決めた事だから・・・」

伊織「・・・っ」


真「・・・」

真「プロデューサーのおかげで皆と・・・」

真「また分かり合えるようになりました・・・」

P「・・・」

小鳥・律子・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

真「あなたがボク達のプロデューサーでいてくれたから・・・」

真「またプロデューサーの事を信じる事ができたんだ・・・!」


真「こんな事、言っちゃ駄目だって・・・分かってるけど・・・・・・!」



真「行かないでくださいよ!!」

真「プロデューザァー・・・!」

伊織「・・・っ」

真美「・・・っ・・・」


---プロデューサー・・・ っ・・・っ・・・


P「・・・っ」

貴音「真・・・無理を言っては・・・」

真「ごめん、貴音・・・」

真「分かってはいるんだ・・・」

真「いるんだけど・・・っ」

P「・・・」


P「ありがとう皆」


小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」

P「こんなに可愛くて」

真「・・・」

雪歩「・・・」

真美「・・・」

亜美「・・・」

P「素直で」

響「・・・」

やよい「・・・」

春香「・・・」

千早「・・・」

P「仲間想いの・・・」

小鳥「・・・」

律子「・・・」

あずさ「・・・」

貴音「・・・」


P「皆に出会えて、俺は幸せだった」

伊織「・・・っ」

P「俺からも、まだまだ言いたい事は沢山あるけれど」

P「まだ時間は残ってる」


P「互いの覚悟を共有した俺達ならできる」


小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


P「一つになった765プロの団結力は」

P「まだまだこんなもんじゃない」


P「世間に見せつけてやるんだ!」

---ゴシゴシ

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


春香「そう・・・ですよね・・・!」

真「どうせ記事になるのなら、それまでの三ヶ月・・・」

真「すべてを出し切って!」

伊織「全力で・・・いきましょう・・・」

伊織(・・・)

真美「泣いてばかりも・・・いられないよね・・・!」

亜美「んっふっふー、ホンキになった亜美たちの力・・・」

亜美・真美「見せてくれるわ!」

P「ハハッ」

小鳥「クスッ」

律子「そうね・・・」

律子「こうなったら、とことんやってやるわ!」

律子(準備はできてるんだから・・・!)

響(・・・プロデューサーを一人になんてさせないぞ)

貴音(・・・あなた様)

雪歩「私も頑張りますぅ・・・!」

やよい「私もですー!」

あずさ「私も・・・!」

千早「えぇ・・・!」

千早(まだ時間はあるわ・・・)

P(いい顔だ・・・)

P「歌姫・歌王子フェス・・・」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「・・・」


P「絶対勝つぞ!!」

小鳥・律子・真・雪歩・真美・あずさ・伊織・響・やよい・貴音・春香・千早・亜美「はい!!」


「「765プロー!」」


「「ファイトー!」」



---オーーー!!


------
----
-


もう少し待っていてくれ

美希・・・


必ずキミを


---助けてみせるから

とりあえずここまでかなーって

更新します

---歌姫・歌王子フェスまで残り一ヶ月---

あれから二月ほど経った



あの一件からの765プロは

正に快進撃の一言だった

真・雪歩・真美

三人の約一ヶ月の強化合宿も終わり

それぞれの能力は、飛躍的に上昇

その中でも特に・・・

俺はてっきり危機感によっての事だと思っていたが

どうやら違ったみたいだった

皆、今過ぎていく

一瞬一瞬を楽しんでいるように見える

もう何も気にせず

迷いがない

今だけを精一杯生きていると言ったら分かりやすいのかな

勿論、美希の事を気にしている場面も多々目につくことはある

一ヶ月ほど前、やよいのソロステージを皆で見に行ったときの事だ

ついにステージの上に立つことができたやよいは

本当に嬉しそうな顔をしていた


だけどその後

美希とアイツに出会った

みんな、アイツの事が怖いはずなのに

それでも美希の元へと駆け寄った


だが、美希はと言うと

まるで生気が感じられない

言い方は悪いかもしれないが

正に死んだ魚の目をしているようだった

そして

「・・・もう美希に近づかないで」

その一言を残し、会場を去っていった・・・


その時の美希の顔

皆の顔


そして

アイツの顔

まぶたの裏に焼きついて離れない


それ以来

いつの間にか、美希の事を口に出すのはタブーのようなものになってしまっている


それでも今を楽しもうとしているのは

俺が美希を連れ戻してくれるから

俺の事を信じてくれているからだ---と

俺はそう解釈している

この二ヶ月

あまりに色々な事がありすぎて

何から話していいのか分からないけど

凄いことも沢山あった

まずは社長からの電話の件について

これは相当心強い話だった


そして、今まで全ての仕事を断っていた伊織を筆頭に

律子率いる新ユニット

その名も

『竜宮小町』

これが大当たりしたのだ

さすがの4人と言えるだろ?

亜美とあずささんも伊織のDランクに並んだんだ

それに律子

衣装といい、ネーミングといい

センスがいい

もう俺がついていなくても大丈夫だ

むしろ、俺がいた方が邪魔かもしれない


伊織が初めてもらった時のギャラは3000円

それっぽっちかと思われるかもしれないけど

二人で騒いで大喜びしたもんだ

それが今はもう、こんなに成長しちゃって---

だけど、まだまだ765プロを甘く見てもらっちゃ困る

Dランクになった子はまだいるんだ

まず、ここへきて急成長を遂げた千早

[目が逢う瞬間]

これがなんと、いきなりの

有線チャートベスト100入りを果たした

千早は驚きを隠せなかったようだけど

俺からしたら納得のランクインだ

CDの売り上げも好調で

実は影で、このままミリオンいってしまうんじゃないか

---というような話まで出てきているくらいである

実に喜ばしい

続いて響・貴音・やよい

この三人もDに昇格

やよいはテーマパークでライブ

貴音は一日署長

響はゴールデンの動物番組のレギュラー

今じゃ、俺がいなくても

行ってきます!---と

元気に出かけていくくらいである


765プロは今乗りに乗っている

順風満帆(じゅんぷうまんぱん)ってわけだ


そして次に---


真「プロデューサー!」

P「おお、真ー」

今日は真のDランク昇格がかかっているオーディション

その付き添いに来ている


真「ボクの事、ちゃーんと見ててくださいね!」

P「へへっ!勿論!」

真「あー、またそうやってボクのマネするんですからー」

P「ごめんごめん、ついな」

真「もー」

P「ハハッ」

真「へへっ」

とは言ってもこのオーディション

今までのものとは少し違う

まるでライブのような野外ステージに

一般客が大勢いる中、ぶっつけ本番で行われる

完全観客審査システムなのである


P「き、緊張してないか・・・?」

P「おちっ・・・落ち着いていつものようにな・・・」

P「まも・・・真なら大丈夫だから」

真「ぷふっ」

真「プロデューサーの方が緊張してどうするんですか」

P「だって、これ初めてだし・・・」

P「本当に大丈夫なのか・・・?」

真「それはボクだって緊張してますよ・・・」

P「だよな・・・えっと---」

真「でも、プロデューサーがいてくれるから」

真「百人力です!」

P「そうか?」

真「そうなんです!」

P「うーん・・・何か俺にもできることがあればいいんだけどな」

真「できること・・・」

真「・・・」


真「そうだ!!」

P「うおっ!」

真「それじゃあ、もしボクが合格したら」

真「この後・・・その・・・」

P「どうした?」

真「デー・・・」

P「ん?」

真「デーーン!とした買い物がしたいので、少し付き合ってもらえませんか!?」

P「デーンって・・・そんなに大きい物でも買うのか?」

真「はい!そうなんですよ!」

真(ボクのバカバカバカ!なんだよ、デーンとした物って!)

真「やっぱり・・・忙しいですよね?」

P「・・・いや、行こう」

真「ホ、ホントですか!?」

P「あぁ、皆も最近は俺がいなくても大丈夫みたいだからさ」

P「むしろ一緒に行きたいかな」

真「へへっ!やーりぃ!」

P「アハハ」

真「ボク、燃えてきましたよー!」

真「ぶっち抜きで一位合格してみせます!」

P「楽しみにしてるぞ〜」

真「任せてください!」

P「・・・」グッ

真「・・・」グッ

---コツン

P「言って来い!」

真「はい!」

---タタタッ


P「・・・」

P「思い出作りか・・・」

P「ホント・・・泣かせてくれるよな・・・」

------
---
-

----------------------------
只今のアイドルランク一覧
----------------------------

---------------------------------------
天海春香 ----E
如月千早 ----D
萩原雪歩 ----E
菊地 真 ----E
星井美希 ----?
双海亜美 ----D
双海真美 ----C
三浦あずさ ----D
水瀬伊織 ----D
高槻やよい ----D
四条貴音 ----D
我那覇響 ----D
---------------------------------------

真「・・・」


『それでは続きましてこの方!』

『今、最も世間を騒がせている765プロダクションからのエントリー!』


---オォーーーーー!!


『菊地・・・・・・』


『真さんでーーーす!どうぞ!!』


やるぞ・・・!

---タタタッ

真「どうもー!」


---ウオーーーーー!!!


真「・・・!」

P(頑張れ・・・真)

真「・・・」

P「・・・」


この位で怖気づいてちゃだめだ・・・

ボク達にはまだ・・・

プロデューサーがついてくれているんだ・・・!


今この瞬間を

精一杯・・・!


真「765プロダクション所属、菊地真です!」

真「精一杯頑張りますので、皆さんよろしくお願いします!」


『元気が良くていいですねー!』

真「ありがとうございます!」

『それでは準備はいいですか?』

真「はい!」

『それでは聞いていただきましょう!』

『菊地真さんで、曲は・・・・・・』


『自転車です!!』


------♪

---♪


見ていてくださいプロデューサー

今、この一瞬を・・・

ボクの気持ちを・・・


歌にこめて・・・!


真「・・・」ギュッ

---「ちょっと待って!!」

---「ボクはキミを…」

---ギュッと抱きしめたクッション

---あ〜また夢だ

---何度目だろう

---やっぱちゃんと伝えなきゃ


初めて会ったあの時

ボクはあなたにとても酷い事を言ってしまいました

---さあ外出てみたら

---眩しさ瞳がウィンク

---チェーン外して

---ストッパー上げて

---漕ぐ度楽しく揺れるショートヘア


悔やんでも悔やみきれない

後悔しだしたらキリがないくらい

でも・・・

---どんな道だって

---負けないで

---進んでみせる


そんなボクでも受け入れてくれた

あなたに・・・


---好きだよ

---心込めて

---好きだよ

---力込めて


P「・・・・・・」


---思い切り回るペダル

---プロペラみたい飛べそうだね

---好きだよ

---声を上げて

---好きだよ

---速度上げて


---キュッ!


---この胸が苦しくなる

---だけど行ける・・・!


---クルッ

P「・・・」


------だってキミが・・・・・・好きだーーーー!!



---ウオオオオオォォォーーーーーー!!!


P「・・・・・・」


・・・俺が真の最初のファンだよ

-------
---
-

---電光掲示板---


---------------------------------------------------------


1.--Makoto Kikuchi--菊地 真---765プロダクション−SCORE−85.362pt 

2.--Mikokoro Sano--佐野 美心---DNAプロダクション−SCORE−65.300pt 

3.--Mizuki Kobayakawa--小早川 瑞樹---西園寺プロダクション−SCORE−56.990pt

4.--Hikari--ひかり---こだまプロダクション−SCORE−41.940pt

5.--Tubame--つばめ---こだまプロダクション−SCORE−35.990pt   


---------------------------------------------------------

合宿の成果はバッチリだった

今や響とどちらが上なのか

誰が誰よりとは

判断しかねるくらいである

このライブのような大舞台で、よくここまで・・・


真は見事、トップで合格を果たし

Dランクへの昇格を手にした

その後、ネットでは真の「好きだ」の破壊力を

その場にいた人たちが広め

今まで女性のファンが多かった真に

沢山の男性ファンもついた

乗りに乗っていた765プロの快進撃

その速度は落ちることなく

どんどんと加速していった


だけどどうしてか・・・

俺の気持ちは---


嬉しい事のはずなのに

このままいけば

社長が戻ってくれば

もしかしたら、このまま突き進んでいけるかもしれないのに・・・

美希が戻ってくれば

更にとどまる事を知らず

もっともっと上を目指せるかもしれないのに・・・


でも

その場所に俺の姿は・・・・・・

・・・

------
---
-

とりあえずここまでかなーって

乙です
焦らず頑張って下さい。
完結楽しみにしてます。

>>658
ありがとうございます
皆様のお言葉が励みになっております

更新します

---歌姫・歌王子フェスまで残り29日---



---765プロ事務所---


--ガチャン


P「只今戻りましたー」

小鳥「あら、お疲れ様です。プロデューサーさん」

P「お疲れ様です」

小鳥「お茶でもいれましょうか?」

P「はい、お願いします」

P「はぁ・・・」ギィ

P「・・・」

P「この事務所も静かになったなぁ・・・」

小鳥「そうですね」コト

P「あ、ありがとうございます」

P「聞いてたんですか・・・」

小鳥「えぇ」

小鳥「大きなため息なんかして、また何か問題事ですか・・・?」

P「いや、そんな事ありませんよ」

P「いたって順調です」

P「ただ・・・」

小鳥「なんです?」

P「いえ、なんでもないです」

小鳥「そういうのが一番気になるんです!」

P「アハハ」

P「・・・」

P「あんなに賑やかだった事務所が、一気に静かになったなぁ・・・と」

P「本当にそう思っただけです」

小鳥「皆、急に忙しくなりましたからねぇ」

P「いいことなんですけどね」

小鳥「少し寂しい・・・と」

P「・・・どうなんでしょうね」

小鳥「プロデューサーさんがそう感じているというのなら」

小鳥「あの子達だって、そう感じている筈ですよ」

P「そんなこと---」

小鳥「プロデューサーさん!」

P「すみません・・・」

小鳥「まったく・・・」

小鳥「ところで・・・」

小鳥「最近毎日のように書いている、それはなんなんですか?」

P「あぁ、これですか?」

小鳥「はい」

P「・・・俺の後に入ってきたプロデューサーの為に」

P「皆の事を色々と書いておいているんですよ」

小鳥「・・・そう・・・ですか」

小鳥「すみません・・・」

P「ちょっと!」

P「やめてくださいよ、そういうの」

P「俺が好きでやってる事なんですから」

小鳥「はい、すみません・・・」

P「次謝ったら、音無さんといえどチョップですからね」

小鳥「はい・・・」

P「分かってくれればいいんです」


強いな・・・プロデューサーさんは・・・


---ガチャン!


真美「ハロハロ→!!」


小鳥「・・・!」

P「おう、真美」

P「おはよう!」

真美「兄ちゃんにピヨちゃん!」

真美「おっは→!!」

小鳥「お、おはよう真美ちゃん」

P「相変わらず真美は元気だなぁ」

P「いいことだ」


真美「褒めらいでか!」

P「褒めらいでか!」


P・真美「あっはっはっは」


小鳥(息ピッタリね・・・)

P「ところで真美は、この後またすぐに雑誌の撮影だろ?」

P「なんでわざわざ事務所に寄ったんだ?」

真美「またって・・・」

真美「真美は毎回寄ってるんだYO!」

P「そうだったのか?」

小鳥(そういう所は鈍いんですよね・・・)

真美「とにかく!」

真美「今日こそはついて来てもらうかんね!」

P「俺がいなくても大丈夫だろ」

真美「もう!」

真美「こんなにカワイ→少女がお願いしてるっていうのに!」

P「アハハ」

真美「いいかい兄ちゃん・・・?」

P「おぉ・・・」

真美「兄ちゃんに拒否権はないんだぜ?」

P「そうだったのか・・・」

真美「くっ・・・こんな所でちんたらしている暇はない・・・!」

P「何っ・・・」

P「もうそこまで奴が来ているっていうのか・・・?」

真美「あぁ・・・どうやらそのようだ」

P「そいつはマズいな・・・」

P「ちっ・・・」

P「音無さん、ここはお願いします!」

---パサッ

小鳥「ちょっ、えっ!?」

P「・・・」

---タタタッ


--パシッ

真美「・・・!」

P「ほら、行くぞ!真美!」

真美「う、うん!」


---ガチャン


---アナタサマ ウワッ マミ!? ゴメン


小鳥「えぇー・・・」

---ガチャン

響「もー!一体なんだったんだ、今の・・・?」

貴音「実に面妖でしたね・・・」


小鳥「響ちゃん、貴音ちゃんおはよう」

貴音「おはようございます、小鳥嬢」

響「ぴよ子、おはようだぞ」


響「って、そんな事より」

響「今、プロデューサーと真美が・・・」

小鳥「何者かに追われていたみたいなのよ・・・」

響「んー・・・?」

貴音「まぁ良いではないですか、響」

響「そう・・・だな!」

貴音「フフフ・・・」

小鳥(貴音ちゃん・・・大人だわ)


---スタスタ


貴音「・・・」

貴音「これは・・・?」

響「なになに?そのノート」

小鳥「あっ、それは・・・」

---ペラペラ

貴音「・・・!」

響「・・・!」


小鳥「プロデューサーさん・・・出しっぱなしで行っちゃったみたいね」


---ペラッ

貴音「・・・」

響「・・・」


小鳥「なんて書いてあるの?」


---ペラッ

貴音「・・・」

響「・・・」


小鳥「貴音ちゃん、響ちゃん・・・?」

---パタン


貴音「いえ、特には・・・」

響「そうだな・・・」


小鳥「私にも見せ---」

響「人のものを勝手に見るなんて、よくないと思うぞ」

小鳥「だって今二人で・・・」

貴音「わたくし達は誰のものか知らなかったので」

響「ノーカンだぞ」

小鳥「えぇー・・・」

貴音「これは、あのお方の机に戻しておきましょう」

響「自分もそれがいいと思う」

---スッ


小鳥(気になる・・・)

小鳥「私、お茶いれてくるわね・・・」

貴音「ありがとうございます」

響「うん、お願いー」

小鳥(トホホ・・・)



響「・・・」

貴音「・・・」

---応接室---




響「貴音・・・」

貴音「・・・」

貴音「どうやら響も同じ事を考えていたようですね・・・」

響「やっぱり貴音もか・・・」

貴音「響は本当にそれで良いのですか?」

響「いいも何も・・・」

響「自分は最初からずっと考えてたんだ」

響「ただ・・・」

響「その方法が分からなくて」

貴音「なるほど・・・」

響「でも、あのノートを見て分かった・・・」

貴音「わたくしもです・・・」

響「貴音もいてくれるんだったら」

響「自分、もう何も怖いものはないぞ」

貴音「わたくしも響がいてくれて」

貴音「とても心強いですよ」

響「へへ」

貴音「フフ」


貴音「これは、わたくし達にしかできないことです」

響「あぁ」

響「今度は自分達が・・・」

貴音「そうですね」

貴音「ですが響」

響「なんだ?」

貴音「この事はまだ皆には秘密にしておきましょう」

響「そうだな・・・きっとみんなにも心配かけちゃうからな」

貴音「いずれ、皆にも話すたいみんぐとやらがやってくる筈です」

貴音「その時まで・・・」

響「うん」


響「・・・・・・」

貴音「響・・・?」

響「自分、実はさ・・・」

貴音「・・・」

響「みんなの覚悟・・・」

響「聞いたときからさ・・・」

響「自分だけ覚悟が足りないって思ってたんだ・・・」

貴音「・・・」

響「プロデューサーも美希もみんなも」

響「自分を犠牲にしてまで皆を助けようとしている」

響「それなのに自分は、何も犠牲になる物がない・・・」

貴音「響・・・皆、そういう風には---」

響「勿論分かってるさ」

響「ただ、自分で自分が嫌だったんだ」

貴音「それを言われてしまうとわたくしも・・・」

響「・・・」

響「だからさ、これが自分達の覚悟なんだと思う」

貴音「・・・」

響「みんなは美希を助けようとしてる」

響「プロデューサーは美希も皆も助けようとしてくれている」

響「なら自分達は・・・」




響「プロデューサーを助ける」

貴音「・・・響もそこまで考えていたのですね」

響「うん・・・」


貴音「共に・・・救い出しましょう・・・!」

響「うん・・・!」




小鳥(どうしましょう・・・)

小鳥(また聞いてはいけない事を聞いてしまった気がするわ・・・)


--------
-----
--
-

---撮影スタジオ---



『いいねー』

『次はもっとこういう感じで---』

真美「はい!」


P「・・・」

いい感じだな・・・


-----
--
-



P「よっ!お疲れ!」

真美「ど→だった!?」

P「よく撮れてたと思うぞ」

真美「も→そうじゃないっしょ↓?」

真美「もっとこう可愛いとか・・・」

P「うん、超可愛かったな」

真美「・・・!」

真美「あっ・・・えっと・・・」

真美「そう・・・かな?」

P「ネットで真美は俺の嫁とか書かれちゃう理由も分かるわ」

真美「・・・!」

真美「う、うん」

真美「ありがたいよね」

P「だけど真美は俺の嫁---」ピピッ

真美「ちょっと兄ちゃん!?」

P「ツイート!」ピッ

真美「ああっ!」

P「ハッハッハ」

P「大丈夫、これは一般のアカウントだか---」

真美「プロデューサーは真美の嫁---」ピピッ

P「あっ、それは冗談でも駄目なやつだ!」

---バッ

真美「あっ!」

P「はい消去ー」ピピッ

真美「何すんのさ!」

P「炎上するわ!」

P「真美は俺と違って超売れっ子になってきてるんだから」

P「軽率な行動は禁止でーす」

真美「むー」


P「まぁ、冗談でも嬉しいけどさ」

真美「冗談・・・」

真美「・・・!」

真美(うあうあ〜!何してんだろ・・・!」

真美(流れとはいえ・・・)

真美(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい・・・っ!)


P「真美?」

真美「・・・!」

真美「ま、まったく!兄ちゃんてば騙されやすいんだから!」

真美「いつか悪い女性に騙されちゃうかんね!」

P「じゃあ、真美みたいないい子を探さないとな」

真美「そう、真美みたいな・・・」

真美「・・・・・・」


真美「うあうあ〜〜!!」

---ダダダッ

P「ま、真美!?」


-----
--
-

---喫茶店---



P「いきなり走り出すなよー」

P「お腹が空いてたんならそう言ってくれれば---」

真美「違うYO!」

真美「も→兄ちゃんてばデリバリーなさすぎ!」

P「宅配はやってないわー」

真美「とにかく違うんだよ↓」

P「はいはい、分かったから」

真美「ホントに分かってるの!?」

P「腹ペコな真美は何が食べたいんだ?」

P「お兄さんがおごってあげよう」

真美「全然分かってないじゃん!」

P「アハハ」

とりあえずここまでかなーって

こんな時間ですが少しだけ更新します

P「でも、冗談抜きで最近の真美は本当に凄いと思うよ」

真美「ど、どったの急に・・・」

P「いや、なかなか言うタイミングがなかったからさ」

真美「ふーん・・・」

P「・・・」

真美「・・・」

P「あのさ---」

真美「ねぇ---」

真美「あっ」

P「えっと」


P「真美から---」

真美「兄ちゃんから---」


P「・・・ふっ」

真美「ぷっ・・・」


P「かぶりまくりだな」

真美「そだね→」

P「で、真美からどうぞ」

真美「んー・・・」

P「どうした・・・?」

P「何か言いにくい事か?」

真美「いやいや・・・」


真美(・・・)

真美「なんて言おうと思ったのか忘れちった!」

P「ハハ、なんだそれ」

真美「も→しょうがないっしょ→?」

真美「思い出したら言うから兄ちゃんから言ってYO!」


P「分かった」

P「・・・あのさ」

真美「うんうん」

P「無理・・・しなくてもいいんだぞ・・・?」

真美「えっ・・・」

P「ああ、いや・・・」

P「俺の勘違いならいいんだけど」

P「最近の真美を見てると、なんだか少し無理をしているように思えてさ」

真美「・・・」

真美「どうしてそう思うの・・・?」

P「それは・・・」

真美「・・・」


P「竜宮小町と・・・」

真美「・・・!」

P「亜美と自分を比べているんじゃないかって思って」

真美「・・・」

P「・・・!」

P「ごめんごめん!違うならいいんだ!」

P「ここ最近の真美は本当に凄いからさ」

P「疲れてるんじゃないかなって気になっただけだから!」

真美「・・・兄ちゃんてさ」

P「ん!?」

真美「本当に真美達の事、よく見てくれてるんだね」

P「まぁ、そりゃあな」


P「・・・って事は」

真美「大体当たってるかな・・・」

P「・・・!」

P「大丈夫なのか!?どっか痛いところとか---」

真美「もう!大体って言ったっしょ!?」

真美「疲れてる訳じゃなくて、お仕事は楽しいんだってば!」

P「そう・・・なのか?」

真美「うん、それはホント」

P「ならいいんだけど・・・」

真美「当たってたのは亜美と比べてるってとこかな・・・」

P「・・・」

真美「比べるって言うか・・・競争・・・?」

真美「亜美には負けたくないけど」

真美「亜美にも頑張ってほしいっていうか・・・」


真美「あぁ、もう!」

真美「ど→言ったらいいのか分かんないけど・・・」


真美「姉としての・・・その・・・胃炎ってやつ・・・?」

P「・・・それだと胃に炎症がある人の事だな」


真美「胃ガン・・・?」

P「症状が悪化した・・・」

真美「だから真美が言いたいのは---」

P「・・・やっぱりそうだったのか」

真美「どうせ、また分かってないんでしょ・・・?」

P(・・・)

P「亜美の事も素直に応援はしているけど」

P「姉として、同じアイドルとしては、また別の話」

P「負けたくないという気持ちを持ってしまうのは当たり前の事だ」


P「ましてや双子の姉妹」

P「プロデューサーの俺が真美は真美だと言ったところで、世間の目は違う」

P「どうしても比べられてしまうだろう」

真美「・・・!」

P「それはもう仕方のないことなんだ」

P「・・・っていう言い方も好きじゃないんだけど」

P「正直、そうなってしまうところはある」


P「ましてや今、竜宮小町は人気絶頂」

P「応援してあげたいのに、亜美よりも頑張らなくちゃ姉として・・・」

P「そういう真美の気持ちは痛いほど分かる」

真美「・・・」

P「まだ亜美よりもランクが下だった時」

P「・・・よく亜美と間違われてサインを頼まれていたもんな」

真美「知ってたの・・・?」

P「あぁ・・・」

P「ずっと真美の気持ちには気づいていたんだけど・・・」

P「声もかける事ができなかった・・・」

P「ごめんな・・・」


---ガタッ!

真美「兄ちゃんのせいじゃないよ!」

P「・・・いや、俺のせいだ」

P「プロデューサーとしては管理不行き届きだよ」

真美「そんなことないもん!」

P「・・・」

真美「兄ちゃんは・・・」

真美「一生懸命にやってくれてる・・・!」

真美「だから真美は今こうしていられるんだよ!?」

真美「真美の気持ちも分かってくれてて・・・」


真美「兄ちゃん以外がプロデューサーなんて・・・」

真美「真美・・・・・・」


真美「絶対に嫌だかんね・・・!!」

P「真美・・・」


真美「・・・!!」


言っちゃった・・・・・・


P「ありがとう・・・」

P「真美達には救われてばっかだよ」

真美「そんなこと---」


P「最近になって気づいたんだけどさ」

P「俺、卑怯なんだよ・・・」

真美「どこが・・・!」

P「自分で失敗したな---って思ったことなんてさ」

P「本来隠しておくべきなんだよ」

P「それを後から言って・・・」


P「多分・・・そんなことないよ---って」

P「そう言ってもらいたいんだと思う」

真美「・・・」


P「我ながら嫌になるな・・・」


P「なんかごめん・・・まだ中学生の真美にこんな事・・・」

真美「それの・・・」


真美「どこが悪いの・・・?」

P「だから---」

真美「確かに真美は、兄ちゃんからしたらまだ子供かもしれないけどさ・・・」

真美「真美は、それが卑怯なことだとは思わないよ」

P「・・・」

真美「ホントに卑怯な人だったら、その事も言わないと思うんだよね」

真美「それでも兄ちゃんは自分の事を卑怯だって思うんなら」

真美「別にいいけどさ・・・」

P「・・・」

真美「真美たちは、兄ちゃんの事を卑怯だなんて思ってないから」

真美「それだけは・・・勘違いしないでよね」

真美「・・・」

P「・・・」


P「ありがとう・・・ごめんな」

真美「べ、別に・・・!」

真美「真美は思ったことを言っただけだから!」


P「・・・撤回する」

真美「へっ?」


P「真美の事をまだ中学生なんて、子ども扱いして悪かった・・・」

真美「えっと・・・まぁ---」

P「俺なんかよりも十分に大人な考えを持ってるよ」

真美「や、やめてよ・・・!」

P(・・・)


馬鹿だな俺・・・


P「あーあ、本当は俺が励ますつもりだったのにさ・・・」

真美「なんかごめんね・・・偉そうなこと言って」

P「本当だよ・・・」

真美「・・・」

P「嬉しくてハゲちゃいそうだ」

真美「えっ!?」

P「ありがとうの言葉だけじゃ伝えきれないって、こういうことなんだろうな」

真美「兄ちゃん・・・」

P「だから、ありがとう×100な」

真美「それ・・・子供っぽいよ・・・」

P「ハハッ」

真美「ぷっ・・・」


---アハハハハ

-----
--
-

P「よし、ここからは俺のターンだ!」

真美「なむだって・・・にゃら真美は---」

P「食べながら喋るんじゃありません」

真美「・・・」


真美「ならば!トラップカード発動!」

P「なにっ!?」


---ピンポーン


真美「誘われし凍てつく神々の果物!」

『はい、ご注文は』

真美「このスペシャルミックスフルーツサンデーパフェく→ださい♪」

『はい、以上でよろしいでしょうか?』

P「・・・」

真美「兄ちゃんは?」

P「あ、じゃあコーヒーで」

『はい、かしこましりました』



真美「いや→楽しみ↑↑」

P「・・・トラップってパフェのことだったのか」


真美「もちのろんだよ↑」

P「・・・・・・中二病」

真美「何か言った?」

P「中二病!」

真美「えぇっ!?」

真美「そこは普通、何も・・・とか言うとこでしょ→!」

P「プ、プスススス」

P「あー、早く俺の漆黒の闇こないかなー」

真美「アハ、それコーヒーのこと→?」

P「もちのろんだよ」

真美「ぷっ・・・なにそれ」


真美「真美の誘われし冷たきパフェも早くこないかな↑↑」

P「さっきとちょっと違うし、もうパフェって言っちゃってるよ!」


---アハハハハ

----
--
-


P「もう勝手に話を進めるからな」

真美「おけおふぇ→」モグモグ

P「何これ、ループすんの?」


P「とにかく・・・俺からも言わせてもらう」

とりあえずここまでかなーって



三十路がメインヒロインとか終わってますね

>>734
お前は判ってないなピヨちゃんは敢えて2×歳(今までの推察から28か29)なんだよ
事務員にしてはスペックが高過ぎるだろ、だから敢えて欠点をつけてるんだよ。気づけよ

俺達に『プロデュースしたいけど、この年齢じゃ流石に無理かなーって』と遠回しに諦めさせる為に決まってんだろ
最近じゃモバマスの影響で『スペック考えたら無理って事も無いよね』って感じになってるがな。

これは面白い
>>1は他になんか書いてたことある?

もしあるならこれが完結してからでも良いから教えてほしいのだが

>>744
ありがとうございます
初作品となっております
これを完結させたら、また何か書こうかなとも考えておりますので
その時にまたお会いできたらと思います

もう少ししたら更新します

更新します

P「Cランク昇格おめでとう、真美」

真美「ふぇ・・・?」

真美「ゴホッ・・・!」

P「うあっ!大丈夫か?」


真美「だいじょぶかじゃないよ・・・」

真美「どったの、さっきから急に・・・」

P「ほら、ちゃんとおめでとうとも言えてなかったし」

P(・・・)

P「言える内に言っておかないとな」


真美(・・・・・・)


真美「ありがとう・・・」

P「Dランクで既に一人前のアイドルだけど」

P「Cランクといえば、人気アイドルと言っても過言ではない」

P「合宿にも耐えて、本当に良く頑張ったな」


真美「・・・そう!あの合宿!」

真美「コップなんか乗っけて!着替えが全然足りなかったYO!」

P「あはは、ビショビショになってたもんな」

真美「みんな絶対笑いすぎだったよね!」

P「まぁまぁ」

真美「もう・・・」


P「それと、これはまだ言ってなかったんだけど」

真美「なに?」

P「真美のスタ→トスタ→が」

P「携帯の着うたサイトトップ10入りを果たしたんだ!」

真美「ええぇぇえーーーーー!!?」


---ガヤガヤ


P「ちょっ!嬉しいのは分かるが、落ち着け真美!」

P(俺も初めて知ったとき、まったく同じリアクションをとったけど・・・)

真美「やったよ兄ちゃん!!」

P「やったな真美!」

---ゴソ

P「かくいう俺も使っている」

---ミラクル

---スタ→トスタ→(スタートスタ→)

---スタ→とスタ→

真美「わわっ!嬉しいけど今流さないでよ・・・!」

P「タリラン Turn it up! 無敵!」グッ

真美「うあうあ〜!」

真美「兄ちゃんのイジワル!」

P「いや、気に入ってるんだよ」

P「いい曲だよな」

真美「え、えへへ・・・」

真美「ありがとう」

P「野望 陰謀 レインボー!」パッ

真美「もういいっしょ!?」

P「あっはっはっは」

-------
---
-


どうすれば兄ちゃんを・・・

---歌姫・歌王子フェスまで残り28日---




---さくらTV---



春香「雪歩、本当にごめんね・・・」

雪歩「そ、そんな・・・!」

雪歩「気にしないでよ、春香ちゃん」

雪歩「私だって上手くできなかったし・・・」

春香「そんなことないよ」

春香「雪歩は完璧だった」

春香「それなのに私が大事なところで転んじゃって・・・」

雪歩「みんな笑ってたし大丈夫だよ」

春香「凄く笑われちゃってたもんね・・・」

雪歩「そういう意味じゃなくて・・・」

雪歩(うぅー・・・上手く伝えられないよぉ・・・)

----
--
-

P「二人ともお疲れ様」

雪歩「あ、ありがとうございますプロデューサー」

春香「プロデューサーさん・・・すみませんでした」

春香「私また・・・」

雪歩「春香ちゃん・・・」

雪歩「・・・」チラ

P「・・・」

P「雪歩、ちょっと先に控え室に戻っててくれるか?」

春香「・・・!」

春香(怒られる・・・)

雪歩「は、はい!」

P「すぐ戻るからさ、帰り支度でもしててくれ」

雪歩「分かりました」

雪歩「・・・」

P「うん」

---スタスタ


P「春香、ちょっとついてきてくれるか?」

春香「はい・・・」

P(・・・)

---休憩室---


P「・・・」

春香「・・・」


P「またステージで転んで、春香は本当にダメだな」

春香「・・・!!」

春香「はい・・・返す言葉も---」

P「って言われるとでも思ってるのか?」

春香「えっ・・・」

P「春香はさ、何にそんなに怯えてるんだ?」

春香「・・・」

P「はい、とりあえずコレでも飲んでさ」

春香「あ、ありがとうございます・・・」

春香「あの・・・」

P「うん、ちゃんと話してごらん」

春香「・・・はい」


春香「私・・・・・・」

P「・・・」

春香「皆がどんどんランクが上がっていっているのに・・・」

春香「その・・・焦っちゃって・・・」


・・・やっぱりそうか

春香も真美と・・・

春香「真美なんか、私よりも後からレッスンを始めたのに・・・」

春香「凄い速さで追い抜かれちゃうし・・・」

春香「一緒の時期に始めた千早ちゃんもDになって」

春香「一緒のランクだった真もDに上がって・・・」

春香「唯一一緒のランクの雪歩まで、この調子だともうすぐ・・・」


春香「私、このままだと一人に・・・」

春香「・・・」

春香「皆の事は、もちろん応援していますよ・・・」

春香「ただ・・・」

P「・・・」

春香「せっかくプロデューサーさんが一生懸命レッスンしてくれたのに」

春香「ごめんなさい、不器用で・・・」

春香「こんなんじゃ、フェスでもまた私がみんなの足を引っ張っちゃうと思うんですよね」

春香「だから私・・・・・・」


春香「フェスには出ない事に決め・・・---」

P「春香はさ、そんなに自分の事が嫌いか?」

春香「・・・」


春香「嫌い・・・ですね」

P「そうか」

P「でも俺は好きだぞ?」

春香「ふぇっ・・・!?」

P「よく転んで」

P「少しドジで」

P「おっちょこちょいなところもあるけど」

春香「・・・・・・」

P「だけど、美味しいお菓子も作ってきてくれて」

P「誰かが落ち込んでいたら、自分の事なんて考えもせずに励まして」

P「その日にミスした事は、誰もいなくなった後にスタジオに残って」

P「一人で練習して」

P「最後まで諦めない」

P「そんな努力家の春香の事が、俺は好きだ」


春香「・・・っ」

P「ランクランクって焦る気持ちも分かる」

P「でも、ランクが全てな訳じゃない」


P「物には二種類の考え方がある」

P「一つは、努力した過程よりも結果がすべてだという考え方」

P「もう一つは、結果よりもその間に積み重ねてきた経験の方が大切だという考え方」

春香「・・・」

P「勿論、結果も大切だ」

P「どんなにレッスンだけしていても、それを見せる機会がなければ意味がないから」

P「でもさ」

P「自分が努力してきた事は無駄じゃない」

P「それすらもしなければ、それを見せる機会すらもやってこないんだから」

P「あの人には才能があるけど、自分にはないから無理だ---とか」

P「俺はそういう考え方は違うと思う」


P「諦めない事こそが才能なんだ」

春香「諦めない事・・・」

P「楽しくなければ続かないだろ?」

P「春香は楽しくないか?」

春香「そんなこと・・・!」

P「最近の春香も辛そうな顔をしていたからな」

春香「私・・・も?」

P「春香みたいに優しい気持ちの子しかいないだろ、765プロには」

春香「悩んでいるのは私だけじゃ・・・」

P「さぁな」

P「春香は気づいてるか知らないけど」

P「レッスンの合間に俺にダンスを見せてくるときには、あの特訓以来転んだ事がないんだよ」

春香「そうでした・・・?」

P「あぁ」

P「それに生き生きとした表情をしていた」

春香(そうか・・・そうだったかもしれない)

P「多分あれは、レッスンの成果を俺に見せたかったからなんだろうな」


違う・・・あれはきっと・・・


P「だから俺からアドバイスを一つ」

P「ステージの上では、今一番見てもらいたい人の事を考えながら踊ったらいいんじゃないかな」

P「家族とか、友達とか、好きな人とか」


私が一番見ていてほしい人・・・

P「春香にも既に実力は備わっているんだ」

P「タイプとしては伊織と同じタイプかな」

春香「私が伊織と・・・?」


P「うん、だから自信を持て!」

P「春香は足手まといなんかじゃない」

P「フェスはもちろん、765プロにも欠かす事のできない」


P「大切な仲間だ」


春香「私・・・」

P「もう大丈夫みたいだな・・・」


春香「はい・・・!」

P「よし、それじゃあ戻ろうか」

P「雪歩も待ってることだろうし」

春香「あの、ありがとうございましたプロデューサーさん!」

P「俺は何もしてないよ」

春香「いえ、とても・・・気持ちが楽になりました」

P「それなら良かった」


春香「プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「ちゃんと・・・見ていてくれますか、私の事・・・」

P「もちのろん」グッ

春香「ふふっ・・・なんだか亜美と真美みたいですね、それ」

P「うつったかな・・・」

春香「ふふっ」

P「ハハッ」


プロデューサーさんも765プロには欠かせない・・・---


------
---
-

---車内---


春香「あっ、私ここで大丈夫です」

P「駅まで送ってくぞ?」

春香「いえ、少し寄りたい所があるので」

P「そうか」

春香「はい、今日はありがとうございました」

--ガチャ

春香「それじゃあ、またね。雪歩」

雪歩「うん、また明日ね。春香ちゃん」

P「気をつけて帰るんだぞ」

春香「はい」

---バタン

--
-


春香「さてと・・・」ピッ


春香「あ、もしもし?」

---
-

P「・・・」

雪歩「・・・」


雪歩「あの、プロデューサー」

P「ん?」

雪歩「その・・・春香ちゃんの事」

雪歩「ありがとうございました」

P「ハハ、どうして雪歩が礼を言うんだよ」

P「むしろ、ありがとな」

P「気にかけてくれて」

雪歩「そんな、私なんか・・・!」

P「はいまた出ました、私なんか」

P「私なんかは・・・・・・禁止ワードでございます!」

雪歩「うぅ・・・」

P「雪歩、お前は・・・・・・」

P「いい子すぎる!」

雪歩「えぇっ!?」

P「みんないい子だけど・・・・・・」

P「特にいい子すぎる!」

雪歩「そんなこと・・・!」

P「可愛すぎる!」

雪歩「・・・!?」


雪歩「な、何を・・・」

P「いやさ、雪歩って本当に健気だなって思ってさ」

雪歩「そう・・・でしょうか?」

P「うん」

P「さっきの収録でのステージ上でもさ」

P「常に春香に気を遣って、立ち位置を気にしていただろ?」

雪歩「はうっ・・・!」

P「大丈夫、他の人は気づいてなかったと思うよ」

雪歩(バレてないと思ってたのにぃ・・・)

雪歩「その事・・・春香ちゃんには・・・」

P「いう訳ないだろ?」

雪歩(よかった・・・)

P「それに、春香ならもう大丈夫だよ」

P「自分の考え方がまとまったみたいだからさ」

雪歩「・・・」

P「雪歩?」

雪歩「プロデューサーって・・・」

雪歩「本当に私達の事をよく見てくれていますよね・・・」

P「そりゃ、雪歩達のプロデューサーだからな」

雪歩「今はそうですけど・・・」

P「・・・・・・」

雪歩「・・・!」

雪歩「私・・・ごめんなさい!」

P「アハハ、謝ることないだろ」

雪歩「・・・」


今なら・・・

皆の為にも私が・・・


雪歩「一つ・・・聞いてもいいですか・・・?」

P(・・・)


P「ダメだな」

雪歩「えぇっ・・・!?」

P「あっはっはっは」


冗談だよね・・・?


雪歩「聞かせてくださ---」

P「ダメです!」

雪歩「えぇっ!?」

P「あっはっはっは」

雪歩「うぅー・・・」

雪歩「どうしてダメなんですか・・・?」

P「んー・・・」

P「なんとなく答えられなさそうな質問がくる予感がするからかな?」


鋭すぎますぅ・・・


雪歩「どうしてもダメですか・・・?」

P「・・・」

P「ダメじゃないけど・・・」

雪歩「じゃあ・・・!」

P「仮にその質問の答えを聞いたとして」

P「雪歩はどうするつもりなんだ?」

雪歩「えっ・・・」


プロデューサー・・・

どんな質問なのか分かってるのかな・・・


雪歩「それは・・・」

P「・・・」

心の優しい雪歩のことだ

きっと俺にこう聞いてくるに違いない・・・


『プロデューサーは・・・』

『765プロに・・・・・・---』


P「とにかく、この話はここでおしまい」

雪歩「・・・」

P「雪歩も、今日はもう仕事も終わったし」

P「家に帰るならこのまま近くまで送っていくけど?」

雪歩「プロデューサーは・・・?」

P「俺はこの後、竜宮小町の遊園地イベントステージを見に行くつもりだけど」

雪歩「じゃあ、私もご一緒してもいいですか・・・?」

P「えっ?」

雪歩「それとも・・・お邪魔でしょうか?」

P「いや!そんなことはないよ!」

P「じゃあ、一緒に見に行くか?」

雪歩「はいっ!」

P「おぉ・・・熱心なのは良い事だな・・・」


まだ・・・チャンスはあるよね・・・


P(・・・・・・)

---アニマルテーマパーク---


---特設控え室---



律子「大丈夫?皆、疲れてない?」


伊織「この位、スーパーアイドルの伊織ちゃんにとっては朝飯前よ!」


--グゥ〜・・・


亜美「本当に朝飯前で、お腹がペコペコだよー・・・」

あずさ「あらあら」

律子「忙しくて食べる暇がなかったものね・・・」

伊織「フンッ・・・情けないわね!」

伊織「私は・・・---」

---グゥ

伊織「・・・」

亜美「いおりんも鳴ってるじゃんよー・・・」

伊織「う・・・うるっさいわね・・・!」

あずさ「ウフフ」

律子「ごめんなさいね・・・私が何か買っておけば・・・」

伊織「大丈夫よ!」

亜美「だいじょばらないYO!」

伊織「大丈夫ったら大丈夫よ!」

亜美「ペコペコったらペコペコだYO!」

あずさ「あらあら・・・」

律子「終わったらどこでも好きなところに食べに連れて行ってあげるから・・・」

あずさ「あっ・・・!」

律子「どうしました、あずささん?」

あずさ「私がちょっとそこまで何か買いに・・・---」


律子・亜美・伊織「「それだけはダメ!!」」


あずさ「あ・・・あら〜・・・」


---コンコン


律子「は、はい」


---ガチャン

P「失礼しまーす」

雪歩「失礼しますぅ・・・」

伊織「・・・!!」

亜美「あ→!兄ちゃんとゆきぴょんだ→!!」

律子「プロデューサーと雪歩!?」

あずさ「どうしたんですか〜、プロデューサーさん!」


P「いや、思ったよりも早く雪歩達の収録が終わったからさ」

P「ちょいと見に来たんだ」

P「ほい」ガサッ


亜美「その手に持っているのはまさか・・・!」

P「ん?差し入れにおに・・・ぎりとかさ」

P(・・・・・・)

亜美「いやっほ→い!!」ガサッ

律子「亜美・・・!?」

P「いいよいいよ」

亜美「ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・」モグモグ

P「あははは」

律子「本当にすみません、助かりました・・・」

P「よく分かんないけど、ちょうど良かったみたいだな」

律子「えぇ、私としたことが・・・お弁当がきているものだと思っていたんですけど」

律子「まだきていなかったみたいで・・・」

P「あぁー、たまに遅れるからなアレ」


伊織「・・・」

律子「雪歩も、よく来たわねー」

雪歩「は、はい」

律子「雪歩も最近の活躍をよく・・・」

律子「雪歩・・・」

律子(・・・)

雪歩「律子さん・・・?」


律子「うふふ・・・」

雪歩「・・・?」


律子「プロデューサー?」

P「なんだ?」

律子「収録帰りって事は、衣装も車に乗ってるんですよね?」

P「ん、まぁそうだけど・・・」

律子「・・・」ニヤ

雪歩「・・・」ブルッ

P「まさか・・・・・・」


律子「ねぇ、雪歩?」

雪歩「は、はい・・・」

律子「疲れてたりするかしら?」

雪歩「い、いえ」

律子「そう・・・」

律子「まだ時間は・・・」


律子「大丈夫みたいね」


律子「ちょーっと、あっちでお話しましょうか雪歩」

--グイグイ

雪歩「プ、プロデューサー・・・!」


P「晩御飯までには帰るんだぞー」


---ソ ソンナァー・・・ ハイユキホーコッチヨー

P「・・・」

伊織「いいの・・・?」

P「まさかこんな事になるとは・・・」

P「許せ雪歩・・・」

伊織「アンタ・・・相変わらずね・・・」

P「雪歩なら問題ないさ」

P「律子みたいのが案外いい刺激になって、いい方向へ行ったりするんだよ」

伊織「ふーん・・・」

P「それにしても・・・」


P「あずささん」

あずさ「はい?」

P「いやー、よくお似合いですよ。その衣装」

あずさ「そうですかー?」

伊織「・・・」ムッ

あずさ「プロデューサーさんにそう言って頂けると、なんだか自信が出てきちゃいます〜」

P「いやいや、それにその髪型も」

P「随分と思い切りましたねー」

あずさ「うふふ、若く見えるって言われるようになったんですよ〜」

伊織「・・・」ムムッ


何よ・・・!

久々に会ったっていうのに

あずさあずさって・・・


亜美「んっふっふ〜」

亜美「青春でひゅな→」モグモグ

P「伊織もさ・・・---」

伊織「フン・・・!」


---スタスタ

--ガチャン


P「伊織・・・」


あずさ「どうです?若く見えますか?」

P「アハハ、見えるも何も・・・元から若いじゃないですか」

あずさ「もう〜、プロデューサーさんたら〜」

P「アハハ・・・」


P(・・・・・・)

とりあえずここまでかなーって

いつもありがとうございます

このスレッド内で書いておきたかったキリのいいところまで
書きあがってしまったので
次の更新を最後に、次スレに移らせて頂きたいと思います
次スレも少し書き溜めてから立てるつもりです
タイトルはまた、最後に書き込みます

まだ読んでくださっている方々には、ご迷惑をおかけしてしまい
本当に申し訳ございません
更新の遅れも重ねてお詫び申し上げます

それでは更新します

---テーマパーク内---


伊織「・・・」


・・・追ってもきてくれないわけね

いいわよ・・・

分かったわよ・・・!


----
--
-



---ステージ---


亜美「会場にいる兄ちゃん姉ちゃん→!!」

亜美「今日はとことん楽しんでいってよね↑↑」


---オオオォオォォォーーーーー!!

伊織「にひひ♪大丈夫よ亜美!」

伊織「この伊織ちゃんがいるからには、盛り上がらないわけないもの」

あずさ「そうね、伊織ちゃんがいれば安心だわ〜」

伊織「あ、当たり前でしょ!」

あずさ「うふふ」


---イオリーーン! 


P(・・・・・・)

始まったか・・・

それにしても・・・



---ステージ裏---


雪歩「男の人がいっぱい・・・」

律子「大丈夫よ雪歩」

律子「今の内にステージのお客様にも慣れておく、いいチャンスじゃない」

雪歩「そんなこと・・・急に言われても・・・」

雪歩(ここにいる方達は、私じゃなくて竜宮小町を見に来てくれているんですぅ・・・)


『すいませーん、ちょっといいですかー』


律子「はい、今行きます」

律子「とにかく雪歩は、そろそろ着替えてスタンバイしておいてちょうだいね」

---タタタッ


雪歩「・・・」


雪歩(やっぱり私には・・・)

雪歩(無理なんですぅ・・・!)

---ダダダッ

---
-

--女は 天下のまわりもの

--痺れるくびれ

--言わぬが 花となり散りる

--秘めたる身体〜



P「・・・」


--ダダダッ

律子「プ、プロデューサー!」

P「律子・・・?」

P「どうしたんだ、慌てて」

P「向こうにいなくても大丈夫なのか?」

律子「そ、それが・・・!」

P「落ち着けって・・・」

P「何があったんだよ」

律子「ゆ、雪歩が・・・」

律子「いなくなってしまったんです!」

P「雪歩が・・・?」

律子「は、はい・・・!」

律子「どうしよう・・・私のせいだわ・・・」

律子「私が雪歩の気持ちも考えずに、無理に誘ったものだから・・・」

P「・・・」

P「スタッフの方には、もうアンコールの準備の話をしちゃったんだろ?」

律子「・・・そうなんです」


--見慣れない感情 揺れる蜃気楼

--超えてゆく海 渡る風 ワイプ

--酒を甘くしないでほしい、と

--半端ない ろくでもない エゴイスト

--射止めるなら アンティークに濡れ


P(曲も中盤か・・・)

P「分かった・・・」

P「俺が雪歩を探してくるから、それまでの間なんとか繋いでおいてくれ」

律子「つ、繋ぐって・・・」

P「頼んだぞ!」

---ダダダッ


律子「あっ!」

律子「・・・」


律子「雪歩にちゃんと謝らないと・・・」

----
--
-


P「それにしても・・・」

P「この広い園内の中、どこを探せば・・・」

P(・・・)

---
-

律子(確かこういうアクシデントの時には・・・)ペラッ

律子「・・・」ギュッ


律子「すいません、この曲が終わったら」

律子「一度、間奏をはさんでもらってもいいですか?」


『間奏ですか?』


律子「お、お願いします!」


『分かりましたー』


律子「ありがとうございます!」

これで少しは・・・

プロデューサー・・・・・・

-----
--
-

---関係者専用駐車場---

雪歩(・・・)

思わず逃げ出しちゃったけど・・・

律子さん・・・怒ってるかな・・・

怒ってるよね・・・

でも・・・

お客さんは竜宮小町を見に来てるんだもん・・・

私なんかが出ていったら、きっと・・・


台無しになっちゃう・・・


---タタッ

--ガサッ

雪歩「・・・!」

P「ハァ・・・!」

P「やっぱり・・・ここに戻ってきてたか・・・・・・」


雪歩「プ、プロデューサー!」

雪歩「どうして・・・」

P「どうしてって・・・」

P「ハァ・・・」

雪歩(息が乱れてる・・・)

P「言ったじゃないか・・・」

P「俺は、雪歩達のプロデューサーだって・・・」

雪歩「・・・」


必死で私の事を探してくれてたんだ・・・


P「さっきの事についてはすまなかった・・・」

P「雪歩がそこまで出たくなかっただなんて、気づけなくて」

雪歩「・・・」

P「少し強引かもとは思っていたんだが、正直な話」

P「律子の話は、またとない良い機会だと思って・・・」

雪歩「プロデューサーも・・・やっぱりそうなんですね」

P「やっぱりって何が・・・」

雪歩「会場に見に来てくれている方達は、みんな竜宮小町を応援しに来てくれているんですぅ!」

P「・・・・・・」

雪歩「それなのに、アンコールで私なんかが出ていったりしたら・・・」

雪歩「みんな・・・がっかりするに決まってます・・・!」

P「どうして・・・---」

雪歩「そうに決まってるじゃないですか・・・!」

雪歩「あの竜宮小町なんですよ?」

雪歩「私となんかじゃ・・・釣り合いが取れません」

P「・・・」

P「また私なんか・・・・・・か」

雪歩「・・・しょうがないじゃないですか」

雪歩「本当の事ですから・・・」

P「・・・」


P「俺だって、常に俺なんか・・・って思ってるさ」

雪歩「・・・」

P「俺みたいな奴なんかが、本当にこの子達のプロデューサーでいいんだろうか・・・とか」

雪歩「・・・!」

P「俺なんかが、偉そうに指図なんてしていいんだろうか・・・とか」

雪歩「プロデューサーは指図なんて・・・」

P「・・・」


P「俺なんて・・・」

P「765プロには、いない方が・・・---」

雪歩「やめてください!」

P「・・・」

雪歩「それ以上言われてしまうと・・・私でも・・・---」

P「そう思っちゃうだろ・・・?」

雪歩「それはそう・・・---」

P「雪歩も、今の俺と同じ事を口にしていたんだ」

雪歩「・・・!」

P「分かってくれるだろ?」


P「俺だって、自分の事を凄いとか・・・そんな風に思ったことはないよ」

雪歩「・・・」

P「だけどさ、精一杯の事はしているつもりでいる」

P「俺は、雪歩の頑張っている姿も沢山見てきた」

P「そんな姿を知っているから」

P「辛くても頑張ってきた姿も、誰よりも一番近くで見てきたから」

P「だから・・・」

P「雪歩には、もっと自信を持って」

P「胸を張って」

P「前に進んでいってもらいたい」

雪歩「・・・」

P「そりゃ、怖くて逃げ出したいときもあるし」

P「失敗するのが怖くて、思うようにできない事もあるさ」

P「それでもいいじゃないか」

P「何も一人で抱え込む必要はないんだ」

P「その為の仲間が、ここには・・・」

P「この765プロにはいるじゃないか」

雪歩「プロデューサー・・・」


P「俺がしてやれるのはここまでだ」


P「辛くて助けて欲しいときには」

P「例えどんな時間だろうと、天気だろうと・・・」

P「・・・・・・どんなに離れていようと」


P「雪歩達から助けを求められれば、必ず応えるよ」


P「約束する」


雪歩「本当ですか・・・?」


P「あぁ・・・」

P「だから無理はしなくていい」

P「雪歩が無理だと言うのなら、俺がスタッフにかけ合って断りを入れる」

P「今、ステージに立つのかどうか」

P「それは雪歩自身が決めてくれ」

雪歩「・・・・・・」


雪歩「私------」

----
--
-

---ステージ裏---


---アンコール! アンコール! アンコール!


律子「ちょっ、ちょっと伊織!?」

伊織「何よ?」

律子「や、やっぱり私には無理よ!」

伊織「無理じゃなくて、やるしかないでしょ?」

律子「でも・・・」

亜美「んっふっふ→律っっちゃんも諦めたほうが身のためだぜぇ?」

---ガシッ

伊織「そうよ」

---ガシッ

律子「アンタ達・・・!?」


あずさ「律子さんなら大丈夫だと思いますよ〜」

律子「あずささんまで・・・」

伊織「私達のレッスンをしてくれていたのは律子なんだから」

伊織「振り付けも問題ないわよね?」

律子「それは・・・そうだけど・・・・・・」

亜美「あっ、もうそろそろみたいだよ!」

伊織「それじゃあ、行くわよ!」

律子「分かったから!腕を放しなさいって・・・!」


きっと雪歩もこんな気持ちだったのよね・・・

雪歩の気持ちも考えずに

最近は、人気を上げる事ばかり考えて・・・

あまりにも・・・自己中心的すぎていたわ

だけど

雪歩のステージを見てみたかった

この私の気持ちは嘘じゃない

プロデューサーとしての私の気持ちは・・・


今さらこんな衣装なんか着て


上手くできるといいけど・・・・・・

---タッタッタ!


雪歩「り、律子さーん・・・!」

雪歩「はぁ・・・はぁ・・・」


亜美・伊織・あずさ・律子「・・・!!」

律子「雪歩!!」

亜美「ゆきぴょん!」

律子「その衣装・・・」

雪歩「遅れちゃって・・・すみませんでした・・・!」

律子「ううん、私の方こそ・・・雪歩の---」

雪歩「みんなも、遅れちゃってごめんなさい・・・!」

伊織「いいのよ、雪歩」

伊織「それにほら、ちゃんと間に合ったじゃない」

雪歩「伊織ちゃん・・・」

亜美「おやおや→珍しくいおりんが素直ですな→」

伊織「う、うるさいわね!」

あずさ「そうよ、気にしないでね雪歩ちゃん」

雪歩「ありがとうございます!」

律子「雪・・・---」

雪歩「律子さん!」

律子「な、何かしら・・・」


雪歩「私も・・・・・・」



雪歩「ステージに立たせてください」

------
----
-


『い・・・・・・いえぇーーーーーーーーーーい!!!』



P「おぉ・・・」


---ウオオオオォォォォ!!


P(うまくいったみたいだな・・・)

「私------」


「もう逃げません!」


「みんなと」

「プロデューサーと」


「一緒に前に進んで行きたいですから」



皆こうして成長していく

共に悩み、共に喜び、共に涙する

そんな仲間がいるからこそ、分かる事が、出来ることがある

律子までステージに立っていたのには驚いたが・・・

---これで無事

QuartetもといQuintetライブも大成功

雪歩の人気にも火がついて、この事をきっかけに話題騒然

竜宮のライブなのに竜宮より目立ち、印象に残ったとして記事にもなり

Dランク昇格の足がかりとなった



本当にどんどん加速していく765プロの快進撃に

俺はもうこの時すでに、フェスで優勝したときの事だけを考えていた

この調子でいけば

いくらトップアイドルの天ヶ瀬冬馬とはいえ

ハッキリ言って、負ける気がしなかったから

961プロの行動をあまりよく見ていなかった


ズバリ調子に乗っていたのである

本来ならもっと早くに気がつく事ができていた筈だった

何故ここ最近、天ヶ瀬冬馬を見かけなくなったのか

何故既に相応の実力を持ち合わせている筈の美希すらにも、話題の一つも出てこないのか


疑問を抱くべきだった

優勝した後の事なんて、考えるのは今じゃなくてもよかったのに


これは完璧に俺の責任で

確実に俺の落ち度だ


その事に気づかされたのは、次の春香のオーディションでの時の事

そこから俺の嫌な予感は、的中していく事になる



---JUPITERの登場によって・・・・・・





---歌姫・歌王子フェスまで残り23日---

とりあえず、このスレでの更新はここまでかなーって

後ほど次スレの詳細を書き込みます

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