P「765プロを助けてっていわれても・・・」(1000)

P「ハァ……今日もまた一日が終わる」

持っていた携帯をその辺に放り投げ、ゴロンと布団に横になる。

P「何やってんだろ俺……」

アイドルプロデューサー志望とか言いながら大学を卒業したが、かれこれ二年経った。
バイトから帰ってきては寝るだけの生活。
いや、正確に言うと風呂に入ったり、飯を食ったり、独学でプロデュース業を
勉強したりもしているが、毎日この繰り返し。

最近は自分が何をする為に生きているのか見失いそうになっている。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360247186

だが、そんな中でもプロデューサーになる事を諦めきれていない自分がいる。
というよりも、何故だか自分はプロデューサーになれると、心のどこかで確信
している自分がいた。本当に何故だかは分からないが・・・・・・。

プロデュースに関しての知識は結構付ける事が出来たつもりでいる。
ならば、どうして二年間もの間、のほほんと暮らしているのか。
それは、なんて事はない。特にどうも動いていないからだ。

俺はただただ勉強をして、知識を付けてきただけなのだ。

なりたいとは言っているものの、俺はハッキリ言って自信がなかったのだ。
もし仮にプロデューサーというものになれたとし、自分がアイドルを担当
する事になったとする。
アイドルと面と向き合い、成長させながら営業をこなし、スケジュールも
管理し、衣装に曲に挨拶回りに書類管理にその他諸々だ。
出来るのか俺に?
分からない、自信がない。



とにかく自信がなかった。

--そんなある日
いつも通りバイトから帰ってきてパソコンの電源を入れると、新着メール
が一通届いていた。
どうやら、俺が毎日今日は何の勉強をしたかをまとめて書いているブログ
にコメントが付いたらしい。

そんな事しか書いていなかったので、コメントなんて付いたのは初めての
事だった。
興味本意で見てみると、なにやら意味の分からない事が一言。


たかちん『ティンときた!』


なんだこれ・・・・・・どういう意味だ?
よく分からなかったが、とりあえずコメント欄に

P『閲覧ありがとうございました』

とだけ無難に書いておいた。

P「さて、風呂でも入るか・・・・・・」ピコーン

P「ん?またメールか」
今日は珍しいな・・・・・・
そう思いながらまた開いてみると


たかちん『ティンティン!』


P「返事早っ!ていうかティンティンってなんだよ!」

P「最初見たときに、もしかしてそういう意味かなーって少し思ったけど!」

P「やっぱりそういう意味かよ!気持ち悪っ!たかちん気持ち悪っ!」

ピコーン

P「また・・・・・・?」


たかちん『いや、ティンとはそういう意味ではなくてだね、勘違いしてくれては困るよキミィ』

P「」ゾワゾワゾワ

P「何何何!?どっかから見られてんの俺!?痒っ!なんか背中痒くなってきた!」

ピコーン

たかちん『ハッハッハ。まぁ私の手品という事にしておこうじゃないか』

P(・・・・・・もうこのブログは消そう)カタカタ

ピコーン

たかちん『まぁ、待ちたまえ。実は君に折り入って頼みたい事があるんだが』

P(どうしよう・・・・・・この人今度は勝手に語りだしたぞ。怖いなぁ、消しても大丈夫かなぁ)ガクガク

ピコーン


たかちん『我が社を、我が765プロダクションを』


ピコーン


たかちん『助けてもらえないだろうか』


P(ピコンピコンうるせぇ・・・・・・)

---数日後
P「ここが765プロ?」

信用したわけではなかったが、あの後メールがしつこくきてきりがなかったので
とりあえず話だけでもという事になった。

P「随分とボロっちい所だなこりゃ・・・」

春香「そう・・・ですかね、やっぱり?」

P「あぁ、そして心なしか臭いな」

春香「臭いんですか!?まだ入ってもいないのに!?」

P「入らなくても分かる。なんか臭い。ヘドロとワサビとヘドロの匂いがする」

春香「それはもうこのビルはヘドロなんじゃないんですか!?」

P「ところで君は誰なんだい?こんな変な匂いのするビルからは早く離れたほうが---」
春香「私、一応ここのビルの者なんですが・・・」

P「・・・あっ、そうなんだ!よく見てみると古風な感じでいいよねこのビル」

春香「でも、さっきヘドロの匂いがするって・・・」

P「違う違う!フェドルって言ったんだよ!スペイン語でハーブって意味なんだ」

春香「臭いとか---」
P「まぁまぁ!とりあえず中に入ったらどうかな?」

春香「あの、そこに立っていられると入れないんですが・・・」

P「・・・すみません」

春香「それはそうと、このビルに何か御用ですか?」

P「えっ、あぁ、まぁちょっとね。ここの高木さんって方に」

春香「あっ、社長のお知り合いの方だったんですね!それじゃあ一緒に行きましょう」

P「う、うん」(あの人社長だったのか。何がたかちんだよ、まったく)

春香「遅くなりましたけど私、天海春香って言います。一応ここでアイドルやってます!」

P「ご丁寧にどうも」
(やっぱりアイドルだったのか。一応って言うあたりに訳あり感を感じるが)

その後、事務員らしき女の人に連れられ、社長室へと案内された。

高木「いやぁー、待っていたよキミィ!」

P「どうも初めまして。私Pと申し---」
高木「じゃあ早速だがこの書類に印を押してもらえるかな」

P「ちょっと待ってくださいよ!話だけでもって言っていたじゃないですか!」

高木「765プロ ピンチ プロデューサー ホシイ」

P「なんでカタコトなんですか!」

高木「いいから早く!早く!」

P「待ってくださいってば!!!」

高木「」ビクッ!!

P「すいません、大きな声を出して・・・」

P「まず所属アイドルは何人いるんですか?」

高木「・・・13人です」シュン

P(13人か・・・思っていたよりも多いな)

P「では、プロデュース業を行っている者は?」

高木「1人です」

P(なるほど、1人か・・・)

P「ってうおぉわぁあい!!!」

高木「」ビクビクッ!!?

P「アイドルが13人もいるのにプロップ・・・プロデューサーが1人って!どうしてです!?」

高木「いや、君の前にも一人いたんだけど・・・アイドル達と、その・・・色々とあってね」

P「それまではその凄腕Pがほぼ1人で全員分を管理していたと、そういう訳ですか」

高木「そういう訳なんだ」

P(なるほどな。1人でそこまでの事を全てこなしていたなんて想像もつかない程の腕だが
・・・おおよそアイドルに手でも出してゴシップにでもなったんだろうな)

高木「こんな事、初めて会ったばかりの君に頼むには虫が良すぎると思われるかも
しれないが・・・お願いだ!次のプロデューサーが見つかるまででもいい!」

高木「キミのホームページを見つけて、これは・・・と思ったんだ」

高木「頼む・・・頼む・・・このままではあの子達が」ポロッ

P(おいおいおい、勉強をしていただけであって俺なんて、てんで素人だぞ?
出来るのか俺なんかに・・・)

P「でも、一人はいるんですよね?とりあえず」

高木「あっ、あぁ!律子君がいるぞ」ゴシゴシ

P「言っておきますけど、俺素人ですよ。本当にそんな奴なんかに
大切なアイドルを任せてもいいんですか?」

高木「無論だ」

P「同じ過ちを繰り返すかもしれませんよ?」

高木「それはないと信じているよ」

P「・・・それでは、新しいプロデューサーが見つかるまでという事で、
これからよろしくお願いいたします。高木社長」

高木「あぁ、こちらこそ!」



こうして俺は書類にサインをした

高木「えーゴホン!皆、今日から我が765プロに入る事となった新しいプロデューサーの
P君だ!よろしく頼むよー!」

P「今日からお世話になることになったPです。初めてプロデュース業に取り組む
ので、手馴れないことも多いとは思いますが、よろしくお願いします」

アイドル一同「・・・」パチ  パチ

P(うわー・・・全然歓迎さえてねぇ)

P(全員は揃ってないみたいだけど・・・)

P(あの金髪の子なんてあくびしてるし、影から隠れるようにこっちを見ている子も
いるし、思いっきり睨みつけている子までいるし、こりゃ前途多難だな)

高木「気を悪くしないでくれたまえ、この子達もまだ立ち直りきれていなくてね」

P「はぁ・・・」
(正直、気を悪くする位のレベルじゃないんだが)

高木「細かいことはあそこにいる音無君と律子君に聞いて、それからじっくりと誰を手がけていくか
考えてくれたまえ。期待してるからねぇキミィ」ハッハッハ

P(行っちまった)

P「さて・・・」

P(どっちが音無さんでどっちが律子さんか分からないけど、どっちも友好的・・・とは言えないみたいだな)

P(どうしたもんかなこれは。この事務所って俺の味方いないんじゃないかね)

P(まるで敵でも見ているような視線がグサグサと刺さる)

春香「あ、あの・・・プロデューサーさん」

P(とりあえずアイドルのプロフィールでも見ておくか・・・挨拶
するべきなんだろうが話しかけんなよオーラが凄い出てるし)

春香「プロデューサーさん!」

P「んおっ!?」

春香「さっきから呼んでるのに酷いですよ!」

P「ごめん、ごめん。キミは確かさっきの?」

春香「はい!天海春香です!プロデューサーさんだったんですね。それなら
そうと早く言ってくださいよ!」

P「いや、さっき急に決まったんだ」

春香「またまた~そんな訳---」
真「ちょっと春香!そんな奴と話すのやめなよ」

春香「えっ、だって新しいプロデューサーさんだよ?」

真「そんな初心者みたいな奴に僕たちの仕事を取って
これる訳ないだろ?どうせ前のプロデューサーと一緒さ!
この事務所には律子がいれば十分なんだよ!」

真「男のプロデューサーなんて・・・みんなクズなんだ!」

小鳥(私は・・・?)


P(酷い言われようだな)

春香「そ、そんな事ないよ!きっとこの人は前の人とは違って・・・!」

美希「一緒なの!どうせこの人だって美希達の事を売っ---」
伊織「美希!!」

美希「」ビクッ!!

伊織「それ以上はやめなさい!!」

美希「・・・」

P(なんなんだこの状況は・・・嫌われまくりなんてもんじゃないぞ)

アイドル一同「・・・」

P(重い、重すぎる・・・空気が)

P(プロフィール表はっと)ペラペラ

P(あの子は菊地真っていうのか・・・アイドルランクはFか)ペラリ

P(金髪の子は・・・F?)ペラン

P(あのおでこの子も・・・F・・・だと?)ピキーン

P(この双子もポニーの子もツインの子も銀髪もロングの子もショートの
子も、みんなみんなFじゃないか!どうしてだ!?)

P「前のプロデューサーは凄腕だったはずじゃ!!」

律子「はぁ!?誰が凄腕ですって!!?」

P「あっ!いや!」
(やべっ!声に出てた!)

律子「いいですか!?金輪際あの下衆プロデューサーの話はださないでくださいよ!?
ていうか、私にも話しかけないでください!」

P「・・・」

律子「わ・か・り・ま・し・た・か!?」

P「」カチーン

律子「まったく返事もろくにできないなんて社会人としても
終わってるんじゃないですか?」

真・美希・亜美・真美・千早・雪歩・あずさ「」クスクスクス

律子「ほら、みんなとっととレッスンに行くわよ!響とやよいと貴音は
先にスタジオで待ってるんだから」

真・美希・亜美・真美・千早・雪歩・あずさ「はーい」プスプス

律子「春香と伊織も早くしなさい!」

春香「・・・はい」スタスタ

---ガチャン


伊織「・・・アンタ、辞めるなら今の内よ」

P「・・・」

伊織「見ての通りここにはあんな連中しかいないわ・・・」

伊織「だから社長が帰ってきたら早く言った方が---」
P「・・・辞める?なんで?」

伊織「!?」

伊織「アンタ人の話聞いてなかったの!?」

伊織「ここにはあんな連中しかッ・・・!」
P「キミは?」

伊織「はっ、ハァ!?私は別にそういういじめみたいなのが
許せないだけで」

P「一ヶ月だ」

伊織「一ヶ月・・・?」

P「まずは一ヶ月でキミ・・・いや、Fランクアイドル水瀬伊織をEランクアイドルに
してみつぇる!」
(あっ、肝心な所で噛んだ。恥ずかしい、ミシェルみたいになった)

伊織「ハッ---!?ハァアァァァ!?」
(今、噛んだわよね?ミシェル?誰よ)

伊織「私たちがどの位の期間ずっとFランクのままか知ってて言ってんの!?」

P「なるほど、分からん」

ベゲシッ!!

P「あ痛っ!」

伊織「バカ言ってないでさっさと辞めた方が---」
P「だけど、自信はある」

P「やっぱりダメかな?実際にやった事はないんだけど、知識だけはあるつもりだよ?」

伊織「・・・」

P「そっか。分かったよ」

P「プロフィール表を見た時から水瀬さんの事をプロデュースしてみたいと
思っていたんだけど、仕方ない」

伊織「えっ・・・」

P「あんなにボロクソに言われたままで悔しいけど」

伊織「待って・・・」

P「水瀬さんの言う通りに辞めさせてもらうとしますか」

伊織「待ってってば・・・」

P「それじゃあ、水瀬さんも頑張ってね。いつかまた会うことがあればぜひ
プロ---」

ガバッ!!

P「・・・デュースをさせて」

伊織「・・・けて」ポロッ

P「あの、水瀬さん?後ろから抱きつかれると帰れないんですが」

伊織「765プロを・・・助けてぇー・・・」ボロボロ

とりあえずここまでです
書き溜めたらまた書き込みます

きりが悪かったのでもう少しだけ書き込みます
支援ありがとうございます


P「分かった!分かったからとりあえず落ち着いて水瀬さん!」
(女の子を泣かせてしまうとは・・・これだけは不覚だった)

伊織「ヒック・・・」

伊織「ごめんなさい・・・取り乱したわ」

P「はい、このハンケチ使ってハンケチ」

伊織「ハンケチってアンタ・・・プフフ」

P「あれー?ハンカチをオシャレに言ったつもりだったんだけど」

伊織「全然オシャレじゃないわよ、アンタって本当に意外とバカね

P「ほう、意外でしたか。水瀬さんにそう言ってもらえるとは光栄ですね」

伊織「そういう意味じゃないわよ!」

伊織「それと、その敬語と水瀬さんっていうのはやめなさい」

P「分かった。じゃあ、みなりんって呼ぶことに---」

ビベシッ!!

P「あたっ!」

伊織「伊織って呼びなさい!」

P「えっ、でも」

伊織「何よ、嫌なの?」

P「下の名前で呼ぶのはちょっと恋人みたいだなーって」

伊織「バッ、バッカじゃないの!?アンタ、バッカじゃないの!?」

伊織「別に呼びたくないなら---」


亜美・真美「」ジー



P「ところで伊織」

伊織「えっ、な・・・何よ」
(急に真面目な顔しちゃって)

P「俺のプロデュースを受けてくれるって事でいいのか?

伊織「えぇ・・・勿論よ。むしろこちらからお願い---」

P「だよな!俺のプロデュース希望を断っちまったら社長の顔に泥を塗ることになるもんな!」

伊織「ア、アンタ急に何を・・・」

P「っつー訳でお前には悪いが明日からおれのレッスンに付き合ってもらうから!」

伊織「ちょっといい加減にしなさいよ!!」

P「そういう訳でそこにいる双子!!」

伊織「えっ・・・」

ギー ガチャ

亜美・真美「ちぇ→ばれたか→」

P「俺と話したくないっていう律子さんにでも言っとけ!」

P「社会人として終わっている新人Pが、明日からしばらく水瀬伊織をプロデュースするってな!」

真美「今回だけは面白そうだから伝えといてやんよ」

亜美「そんで亜美達にも話しかけないでくんねー?」

P「はいはい、悪かったよ双子共」

亜美「明日っから事務所に居場所はないかもだね→新人兄ちゃん」

P(今だって無いんですけど・・・)

真美「いおりーん、りっちゃんが早く来いって言ってるよ↑」

伊織「えぇ・・・分かったわ。すぐに行くから先に行っててちょうだい」

亜美・真美「はいよ→ん」タッタッタ

亜美「そういえば、なんでピヨちゃんも車に乗ってんの?」

小鳥「ええっと・・・」

律子「あの下衆Pと二人きりになるのが嫌だからに決まってるでしょ!?」

律子「ねぇ!小鳥さん!」

真美「そっか↑」

小鳥「ぴよ・・・」
(言えない、実は良さそうな人だと思っているけどなんて・・・皆が怖くて言えないピヨーーーー!!)

亜美「そうそう社会人として終わっている新人兄ちゃんがね---」

春香「・・・」

P「行ったか」

伊織「なんでこんな事すんのよ・・・」

P「ごめん、気分悪くなったよな。謝るよ」

伊織「そうじゃない・・・」

P「伊織って呼んだのひょっとして聞かれてたかな?でもあの様子だとバレてないと思うんだけど」

伊織「そうじゃないって・・・!?」
P「伊織は本当に優しい子なんだなー」ナデナデ


(やめてよ・・・私は優しくなんかない)

伊織「だってアンタ明日から・・・どんな嫌がらせをされるか・・・」グスッ

P「いいんだよ俺はどうせ初めから嫌われてたから」

P「伊織から俺にお願いしてる所なんて聞かれてたら、それこそアウトだ」


(このプロデューサーなら・・・)


伊織「ごめんなさい・・・プロデューサー・・・私は・・・」
P「いいからいいから!この話はここで終わり!」



(私はなんて弱いんだろう・・・やっぱりその後に続く言葉が出てこない)

P「ほら!明日からの事は心配しなくていいから!俺がなんとかしておくからさ!」

P「明日からは俺が付きっきりだからなー」


(・・・優しくなんてしてほしくない・・・)


P「最後の皆とのレッスン楽しんでおいで」

P「明日からよろしくな、伊織!」


伊織(やっぱり皆に嫌われるのが怖いからかな・・・それとも---)


言えるわけない




---ごめんなさい


---プロデューサー


---私は









---裏切り者です

はいすいません
きりが悪かったんでとりあえずここまでってことでよろしくです
今度はもう少し書き溜めます
おやすみなさい

---レッスンスタジオ


伊織「・・・ちゃんと言われた通りにやってきたわよ」

美希「よくやったのでこちゃん!きっとあのプロデューサーもロリコンなの!」

伊織「・・・」

亜美「そうだよ↑遅いから心配しちゃったよ」

伊織「亜美たちが途中で見に来るなんて聞いてなかったわ」

真美「--もしかして裏切ったのかな?と思ってさ」

伊織「」ビクッ!!

真「伊織がそんな事する訳ないだろー?」

真「ねっ!春香?」ポン

春香「」ドキッ

真「ダメだよ春香~、勝手なこと喋っちゃ」

真「台本にない台詞言われるとボク達もアドリブきかせないといけなくなるじゃないかー」

雪歩「そうですよ~春香ちゃん」

春香(みんな、おかしいよ・・・こんなの狂ってる)

千早「春香をいじめるのはやめて」

春香「・・・千早ちゃん」

真「そんな、いじめるだなんてやめてよ。僕たちは---」

---ガタッ


貴音「わたくしはもう協力などいたしかねます」

やよい「私もです!新しいプロデューサーがかわいそうですー!」

響「自分ももうそういうのは止めたほうがいいと思うぞ!」



真「うるさいっ!!!」

真「貴音たちは後から入ってきたからそんなことが言えるんだ!」

貴・やよ・響「・・・」

律子「落ち着きなさい真、大丈夫よ」

律子「私がスケジュールを管理している限り、3人は下衆Pに会うことはおろか、話すこともできないわ」

貴・やよ・響「!?」

律子「それに、もしも勝手に会ったりなんてしたら・・・クビだから」

貴・やよ・響「!!?」

真「あぁ、ありがとう律子」

あずさ「だから今日も先に来ててもらったのよ~」

貴音「なんと!?」ガガーン



春香(こんなの酷すぎるよ・・・)


雪歩「これで安心ですぅ」

亜美「3人目兄ちゃんはこの手ですぐ辞めたんだけどね→」

真美「今回はいおりんをプロデュースだもんね→」

あずさ「やりやすくなって丁度いいんじゃないかしら~。ねぇ伊織ちゃん」

伊織「・・・えぇ」

亜美「でもいおりん、嘘泣きちょ→上手だったよね→真美?」

真美「あんな泣き落としまで使われたら信じるしかないって感じだよね↑」

伊織「あれは・・・」

亜美・真美「「ホントいおりんってば性格悪いんだから」」

伊織(・・・やめて)


春香(伊織・・・)

律子「伊織、明日から頼んだわよ?さっさと辞めさせちゃいなさい」

伊織「・・・はい」


真「律子ー、僕たちはー?」

律子「私は朝から営業に行くから、嫌がらせでも自主練でも好きなことしててちょうだい」

真・雪歩・美希・あずさ・亜美・真美「はーい」

美希「それにしてもでこちゃんを一ヶ月で1ランク上げるなんて・・・プフフ」

美希「バカなの、アホなの、ロリコンなのー!」

真「ハハハ、言いすぎだよ美希はー」


----アハハハハハ



伊織「」プルプル





小鳥「私は空気・・・私は空気」ブツブツ

---翌日の事務所


P「眠いな」ファァー

---ガチャン

P「・・・」

P(・・・俺の椅子にエグいくらいの数のサボテンが突き刺さっている)

P(机には大きく死の文字が赤いペンで書かれているし、引き出しの取っ手には、何あれ?スライムかな、緑だし)

P(清清しいくらいの陰湿ないじめだな、さすが現役学生アイドルといったところか・・・)


---クスクスクス

亜美「おやおや↑誰がこんな酷いことを↑」

真美「まるで何者かが早く辞めろとでも言っているようですな↑亜美隊員!」


---アハハハハ


P(高校生だった頃にこんないじめされてたら、確かに自殺とか考えちゃってたかもしれないな)

P(でも、今や社会人。いじめのニュースとか見ていて今だったらやり返してやるのになーとか考えていたところだ)

P(ましてや、最初からマイナスの状態でのスタート。こんなの、どうって事はない)

P「おー、丁度いいや!観賞用のサボテンが欲しかったところなんだよねー」

P「いやー、誰だか分からんがラッキーラッキー」

亜美・真美「ケッ」

P(このサボテンは、あの双子だな。全員分のプロフィールを頭に叩き込んできたから分かりやすい)

雪歩「大丈夫ですか~、プロデューサー。お茶置いておきましたから冷めないうちに飲んでくださいね~」

P「あぁ、ありがとう」
(多分この子は---)

P「頂くよ」ゴク
(うぁーーー!!!苦い苦い苦い熱い!!!分かってたけど!分かってたけどーーー!!)

雪歩「」ニヤニヤ

P「はぁー、苦味の中にもコクがあって美味しいなー、体もあったまるし。ありがとう萩原さん」

雪歩「!?」

P(効いてるみたいだな。やり返すとはいっても同じ事をすると、返って逆効果だからな)

P(これが今の俺に出来る最善の仕返しだ)

P「じゃあ、水瀬さん」

伊織「」テクテクテク


そして今、最も効果の高いであろう適切な仕返しは---


P「俺に付いてきてもらおうか」




---伊織を一ヶ月以内に『D』ランクアイドルにする事だ

P「ではこちらのお車にお乗りください、お嬢様」

伊織「・・・」

P「・・・ふむ」


バタンッ


P「あれー、おかしいな?こういう対応は間違ってないはずだろー?」

伊織「私たちの事、随分調べたみたいね」

P「まぁねー」

伊織「前にここで何があったか知ってるの?」

P「えっ?なにかあったの!?おせーておせーて!」

伊織「別に・・・アンタが気にするようなことじゃないわ」

P「なら言うな!」

P「チョップ、チョップ!」ドゲシ ドゲシ

伊織「いたっ!ちょっ、このスーパーアイドルの伊織ちゃんに向かってなんてことすんのよ!」

P「アハハハハ」ドゲシ ドゲシ

伊織「ちょっと運転!片手じゃ危ないじゃないのよー!」

P「いやーめんご、めんご」ハハハ

伊織「まったく!何考えてんのよアンタって奴は!」

P「でも、そっちの方が本当の伊織でしょ?」

伊織「ハァッ!?どういう意味よ!」
(コイツ・・・)

P「特にに深い意味はないよー」

伊織「フンッ!ところで、どこに向かってるのよ」


P「ちょっと隠れた名所に」

伊織「・・・?ふーん」

---穴場スタジオ




伊織「って!ここもただのレッスンスタジオじゃないのよ!」

P「でもここ、知る人ぞ知る隠れスタジオなんだけど」

伊織「さっきもそんな事言ってたわよね」

P「だってあそこもだから」

P「そのおかげで良い宣材写真も撮れたぞー!シャルルも一緒でかわいいかわいい!」

伊織「!?」

伊織「可愛くなんてないわよ、そんな写真!」

P「いーや!可愛いね!シャルルを抱いているだけで前の写真の100倍は可愛いね!」

P「これに比べたら前の写真なんてウンコだウンコ!」

伊織「・・・アンタ小学生?」

P「それに・・・いい表情(かお)してる」


伊織「・・・」
(変な奴・・・)

P「じゃ、早速だけど着替えてくれるかな?」

伊織「分かったわ」スタスタ

P「ちょっとちょっと!どこ行くの!」

伊織「どこってロッカーに決まってるでしょ」

P「ここで着替えるんだ」

伊織「ハァアァア!!?」

P「いいか伊織・・・これはお願いじゃない・・・命令---」

ベゲシッ!!

P「ソドムッ!!」バン!

伊織「変態かっ!!」

---P「いたた・・・ほんの軽いジョークなのに・・・」


伊織「いいから始めるわよ!で、まずは何をすればいいわけ?」

P「じゃあ、まずはこのREADY!!って曲から歌いながら踊ってもらおうかな」

伊織「分かったわ」





---アーユレディー♪




P(やっぱりか・・・なるほどね)カキカキ

伊織「フゥ・・・どうだったかしら?」


P「このままどんどんサウンド流していくから続けて続けて」

伊織「何曲やるつもりよ?」

P「えっ、全部」

伊織「えっ」

P「えっ」

---ツッパシーレー♪

---ススモウマイニチ-♪


-------カチッ
----
--
-
カチッ


P「・・・ココデ---ヲツカッテ」ブツブツブツ・・・

---メモメモ
--カキカキ
-ブツブツ ピコピコ

P「はいっお疲れさま」ピトッ

伊織「ひゃっ!?」

P「まだまだいけそうだね」

伊織「冷たくてビックリしただけよ!アンタ私を[ピーーー]つもり!?」パシッ

P「まぁまぁ、ジュースでも飲んで機嫌直してよ」

伊織「ジュースくらいで機嫌が良くなるとでも・・・オレンジジュース・・・」
(それも100パーセント・・・)

P「あっ、やっぱスポーツドリンクの方が良かった?変えてこようか?」

伊織「・・・いいけど、なんでこれにしたの?」

P「なんかオレンジジュース好きそうだなーって思って」

伊織(みんなの前ではコーヒーを飲むようにしてるのに・・・)

伊織「・・・ありがと」ボソッ

P「」ニコニコ


(コイツは今までの奴らとは違うの・・・?)


(分からない・・・)

P「じゃあ休憩が終わったらスタジオを隅から隅まで、この雑巾一枚で拭いてね。もちろん俺が帰ってくるまでずっと」

伊織「えっ」

P「えっ」

伊織「アンタは・・・?」

P「俺はちょっと昼ご飯でも買ってくるからさ」

伊織「何よそれ!?ヘトヘトなのにずっとなんて出来るわけ---」

P「人生のどん底に落ちたとき、這い上がるのは自分次第」

伊織「・・・」

P「俺の尊敬している人の言葉なんだ」

P「俺も伊織を信じてる」

P「だから伊織も俺の事を信じて欲しい」



P「まぁ、すぐ帰ってくるから」ダダダッ
(かっこつけすぎたーーー!!恥ずかしい恥ずかしい!![ピーーー]!俺!)

---本当にバカな奴

---信じる前から

---裏切られてるっていうのも知らずに・・・



コイツが四人目じゃなくて一人目・・・ううん
まだ二人目が来る前までに来てくれていたなら-----



---違っていたのにな・・・

---某テレビ局


P「はい!はい!ぜひ!」

---タッタッ

P「ありがとうございます!」

---タッタッタ

P「えっ!?本当ですか!?」

---ダダッ

P「その時にはよろしくお願いいたします!」

ダダダッ

P「いえいえ!私なんてそんな!」

---ハァ ハァ


P(いける・・・いけるぞ、これは)

片っ端から挨拶をしてまわり、気に留めてもらえた隙を逃さないよう、相手のタイミングをうかがって
あの宣材写真を引き合いに出し、そこからさらにさっき録音しておいたテープを聞かせて
見学という名目を使って話を進めていけば----

今月の全国オーディションの出場権は、まぁ一週目は他にやっておくことがあるから
断っちゃったけど、次の週からの三つは全て手に入れることが出来たし
うまく行けば三週目の後の地方ロケにくっついていって
あっちのオーディションを受けることも出来る

さすが伊織だなー
俺は良いアイドルと出会えてよかった



--他にも気になってる子はいるけど---

P(まぁ、今日は勤務初日みたいなもんだし、このくらいでいいかー)

P(しかし、あんなアイドルの原石みたいな伊織達が、どうしてFランクのままなんだ?)

P(それも13人をほぼ一人で管理していたような凄腕のPがいながら・・・)

P(俺には到底無理な話だなー)


P「いけねっ!もう夕方じゃん、早く戻らないと!」

---でもまさか、休憩も取らずにノンストップで20曲も踊り続けるとは

あんなアイドルがいるなんて、俺の教本にも載っていなかったな

あの持久力に、より良いテクニック・歌唱力・キレ・スピード・・・etc

これらがこの先『何事』もなく『普通』にプラスされていったのなら・・・




---彼女は間違いなくSランクアイドルにもなれる素質を持っているだろう

とりあえずここまでです
すいませんsage入れ忘れていました

様々なご意見ありがとうございます
参考にさせていただきたいと思います

感想は個々の自由ですので
どうぞ思った感想を書いていっていただければ幸いです

ですが
感想を見て自分のストーリーを変えるつもりはございませんので
その辺りはご了承願います
もちろん最後まで書き上げるつもりですが
もしかしたら区切りのいい所でここまでの話を一章とし 一度終わらせ
最後まで書ききってからもう一度新しいスレを立てようかとも考えております

なおこの先は話のオリジナリティーが強くなってきます
嫌悪感も強く出てきてしまう恐れがありますので
アイドルのイメージを崩されたくない方は読まないようお願いいたします

構わないという方はこのまま引き続きお楽しみください

---翌日
穴場スタジオ


伊織「で、今日は何をするのよ。このピカピカなスタジオで」ゲシゲシ

P「えっと・・・痛い痛い。ローキックやめてローキック」バシンバシン

P「今日は、このスタジオを---」
伊織「ピカピカなスタジオを!」

P「・・・このピカピカなスタジオをさらにピカピカにします」

伊織「へー、さらにピカピカに!?」ニコニコ

P「うん!さらにピカピカに---」
伊織「死ねえぇぇいぃ!!」バシン!!

P「ゴモラッ!!」バンッ!!

伊織「昨日すぐ帰ってくるとか言いながら何時間も私を待たせた挙句!」

伊織「お弁当も買ってこないでノコノコ帰ってきて!」

伊織「極め付けに今日も雑巾がけ!?」

伊織「ふざけるんじゃないわよ!!昨日どんだけの時間雑巾握ってたと思ってんのよ!?」

P「・・・いや、今日はワックスがけを」ヨロッ

伊織「黙りなさい!アンタ昨日は何してたって!?」

P「お腹いっぱい食べて車の中で眠りこけちゃいました。てへっ」

伊織「さっきも聞いたわよ!バーカバーカ!」

P「・・・だったらもう一回聞かなきゃいいのに」ボソボソ

伊織「何か言った!?」

P「いえ、別に」

P「まぁ、とにかく始めようか」

伊織「絶対に嫌よ」

P「うぇっ!?」

伊織「なんでそんなに意外そうなのよ。レッスンはどうすんの?」

P「いいか伊織?雑巾がけのあとにはワックスをかける。一般常識じゃないか」

伊織「そう・・・ね」
(そうなの?した事ないから分からないわ・・・)

P「なら、ちゃんと最後までやらなとな」

伊織「・・・うーん」

P「それに今日は大丈夫だ!ちゃんとお弁当も買ってある!」ドン

伊織「・・・アンタまさか?」

P「ワックスがけマニュアルも作成しておいたし」ガサゴソ

伊織「今日も私一人にやらせようって言うんじゃ・・・」

P「そのまさかだ!」

伊織「冗談じゃ---」
P「オレンジジュースも二本買ってある!」ドドン

伊織「!?」・・・ゴクリ

P「できるな・・・?伊織」

伊織「しょ、しょうがないわね!途中で投げ出すのが嫌いなだけなんだからね?」

P「分かってる。じゃあ行ってくる」バタバタ

伊織「今日は早く帰ってきなさいよ?」

P「了解!そうだ伊織」

伊織「何よ」

P「筋肉痛とかなってないか?」

伊織「なってるに決まってるでしょ!?手のひらも腕もふくらはぎもパンパンよ!」

P「そっか、あまり無理はするなよ?」ダダダッ

伊織「フン」

P(いい傾向だな・・・)

P(さて、まずは伊織の服をロッカーから拝借して---)

伊織(なになに---)ペラッ

伊織(ワックスがけってこんなに激しく動くものなのね・・・まるでダンスじゃない)ペラペラッ

伊織(まずはっと・・・)ジー


------
---
-

伊織「はぁっ・・・」ドテン

伊織「やっと終わったわ」

P「よっ、お疲れ様」

伊織「やっと帰ってきたわね・・・待ちくたびれたわよ」ハァハァ


P「今終わったって顔してるけど?」

伊織「ばかね、これはアレよ・・・そういう顔の演技の練習よ」フーフー

P「それは感心だな」

伊織「でしょ?それよりのどが渇いたわ。2本じゃ足りないわよ」

P「そう言うと思って買ってきたんだ。オレンジジュースじゃなくて俺の好きなジュースなんだけど、ほら」

伊織「なんでもいいからちょうだい。カラカラで死にそうよ・・・」ゴクゴクゴク

伊織「!?」

P「どう?なかなか売ってないんだぞ、それ」

伊織「・・・美味しいわ・・・すごく」キョトン

伊織「なにこれ・・・」

P「でしょ?100パーセントの特別製みかんジュース」

伊織「箱買いとか・・・」

P「無理です」

伊織「」プクー

P「あっはっはっ」

伊織「・・・ふふっ」


P・伊織「「あはははは」」



--------
-----
--
-

それから毎日
スケート、スポーツ観戦、スイミング、フットサル、別スタジオの掃除、カラオケ、足つぼマッサージ---
色々と意味の分からない理由を付けては様々な事をやらされたわ
やっぱりアイツは、ちょこちょこと出かけていたけど


---フン
別に楽しんでなんかないわよ
・・・つまらなかった訳でもないけど

今までやったことのない事ばかりだったから興味本位でやっていただけ
正直言って、レッスンなんて全然してないからアイツはもう一ヶ月で私の
ランクを上げるのは諦めたんだろうって
そう思ってた

---ついさっきまでは

P「よし伊織、明日は前日だからオフにして買い物に行こう!」

伊織「オフって、今までにレッスンなんてしてたかしら?それに前日ってなんの前日よ?」

P「おいおい、何をいまさら・・・」

伊織「?」

P「それはな・・・」

伊織「・・・」

P「それはだな伊織・・・」ゴゴゴ

伊織「・・・」ゴクッ・・・

P「・・・」ゴゴゴゴ

伊織「・・・」ゴクリッ

P「それは・・・」
伊織「早く言いなさいよ!!」ゲシン

P「ベルボッ!!」バンッ!!

伊織「なんなのよまったく!」

P「お約束かなーって思って」

伊織「何よそれ」

P「まぁ、どうってことはない。ただの全国オーディションだか---」
伊織「全国オーディションっ!!!?」ガタタッ

P「!!?」
(唾が顔にかかった・・・)

伊織「それって、審査員の前で歌って踊ったりする!あの全国オーディションの事!?」

P(・・・それ以外に何があるんだ?)

P「まぁ、そうだが・・・別にそんなに驚くことじゃ---」
伊織「驚くわよ!!!」

P「ヒィッ!」ビクッ

伊織「全国オーディションって、こんなに簡単に受けられるものだったの!?」

P「あぁ、まぁそうだな」

P「もしかして受けたことないのか・・・?」

伊織「あるわけないでしょ!?」

P「」ポカーン
(こいつは驚いた・・・だからこの子達は皆Fランクのままだったんだ)

伊織(私がオーディションに・・・)ドキドキ

P(前の凄腕Pはどうやってアイドルを売り出していたんだ・・・?)

P(これはその内探りを入れてみるべきなんだろうな、やっぱり)

P「ってわけでさ、明日は---」

伊織「あっ・・・」

P「どうした?」

伊織「やっぱりダメだわ・・・」

P「どうして?」

伊織「だって受かるわけないもの」

P「」アゼーン

P「あはははははは」

伊織「何笑ってんのよ!まともに練習もせずにアンタが言ってた事をやってたせいで---」
P「じゃあ久々に踊ってみようか」ポリポリ

P「初めてここで踊ってもらった以来踊ってないでしょ?」

伊織「それはアンタが俺がいいって言うまでは、勝手に踊るなって言ってたからでしょ!?」

P「伊織は俺の言ったことを守ってくれるから嬉しいなー」ナデナデ

伊織「・・・グググ」

P「もう筋肉痛は大丈夫か?」

伊織「平気よ!」

P「そっか、良かった」ニコッ

伊織「」ドキッ!

P「そんじゃ、軽くストレッチしてからREADY!!やってみようか」

伊織「わ、分かったわ」





-----スタートハジマルー♪


伊織「!!?」





P「」ニヤニヤ




-------
---
-

P「どう?感想は」ニコニコ


伊織「・・・・・・言葉にならないわ」


P「ははっ」

P「・・・それでもダメだって思う?」


伊織「・・・アンタって何者?」

P「一般ピーポー」

伊織「ふざけてないで---」
P「伊織が俺の事信じてくれていたからだよ」ナデナデ

伊織「・・・」

P「ありがとな、伊織」

伊織「」・・・コクン
(・・・本当は私のほうがありがとうって言わなくちゃいけないのに)

伊織「」ドキドキ

伊織「あ・・・明日はオフで買い物に行くんでしょ!?」

P「うん」

伊織「なら、私は一回事務所に戻るわ。しばらく行ってなかったから荷物とか取りに行きたいし」

P「そうか、じゃあ一緒に行くよ」

伊織「」ドキッ!

伊織「い・・・いいわよ!一人で行けるから!」

P「じゃあ、せめて送って---」

伊織「い、いいって行ってるでしょ!?一人で歩きたい気分なのよ!」

P「・・・分かったよ、明日もいつも通りの時間に伊織の家まで迎えに行くからな?」

伊織「えぇ、分かったわ。遅れるんじゃないわよ!?」ダダダッ


P「・・・」

上の訂正です




P「じゃあ、せめて送って---」

伊織「い、いいって言ってるでしょ!?一人で歩きたい気分なのよ!」

P「・・・分かったよ、明日もいつも通りの時間に伊織の家まで迎えに行くからな?」

伊織「えぇ、分かったわ。遅れるんじゃないわよ!?」ダダダッ


P「・・・」

---765プロ近辺公園



伊織(あれが私のステップ・・・)テクテク

伊織(アイツの言った通りにやっていただけで・・・)テクテク

伊織(数日前とは比べ物にならない動きが・・・)テクテク

---ふふっ・・・ふふふふっ ピタッ

伊織「やったわーーー!やったわよシャルルーーー!!!」ギュウゥゥッ

伊織「これならいけるわーーーー!!」

伊織「嬉しい嬉しい嬉しい!!」

伊織「どうしようシャルル!どうしよう!どうしよう!どーうーしーよーおーシャールールーーー!!!」クルクルクル



---こんなにもドキドキワクワクとしたのはどれくらい振りかしら



伊織「やっぱりアイツは今までの奴らとは違ってたのよシャルル!!」

---これなら!これなら!


---アイツは今までのプロデューサー達とは違うって!






---バカで変態で!


---意味分からないことばっかり言って!


---意味分からない行動もするけど!

---本当は全部に意味があって!

---本当はすっごくいい奴なんだって!







----きっと・・・・・・きっと










--------皆にも分かってもらえる!!!! 


とりあえずここまでです

---しばらくの間、毎朝事務所に通いつめて分かった事がいくつかある




一つ目、俺に悪質なことをしているのは、決まったアイドルだけであるという事
二つ目、社長はそれらの事を知っていながらも黙認しているという事
三つ目、三人ほど、いつ行っても事務所には来ないアイドルがいるという事
四つ目、何かに怯えているような目をしている子がいるという事
五つ目、音無さんは、一切口をはさまないという事

---そして、これは最初から分かっていたことだけど



--伊織が







-いいように使われているっていう事

---765プロ事務所




伊織「ハァッ・・・ハァッ」タッタッタ


---もう、私は迷わない!

---ありのままの私を!

---今のこの想いを・・・!

---皆に伝える!!

ガチャン

伊織「みんな!聞いてほしい事があるの!」



亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・真・春香・千早・小鳥「・・・・・・」


伊織「あの・・・!あのね!」

律子「・・・あら、伊織じゃないの。久しぶりね」

律子「どうしたの?そんなに慌てて・・・アイツを辞めさせる事でもできたの?

伊織「違うの律子!話を---」
律子「それとも!!!」


伊織「」ビクッ!!

律子「アイツに・・・上手いこと言いくるめられちゃったのかしら?」

伊織「そっ・・・そんなんじゃなくて」ビクビク

伊織(何を恐れているの、私・・・!)

伊織(もう決めたじゃない・・・!)


律子「それじゃあ何?」

律子「携帯も事務所に置きっぱなしで、近況報告も怠っていた伊織が」

律子「そんなにも慌てて急に戻ってきて、何が言いたいの?」


伊織「そっ・・・それは・・・!取りに来る暇がなくて・・・」

美希「今さら何を言っても、言い訳にしか聞こえないって思うな」

真「携帯なんかなくっても、電話くらいできるじゃないか」


伊織「・・・電話番号が」

雪歩「所詮、私たちとの友情なんてそんな程度だったんですぅ~」

伊織「・・・」ポロッ

あずさ「あらあら~、それは悲しいわね~」

真美「いおりんも4人目兄ちゃんの手先になっちまったようですぜぇ→亜美隊員!」

伊織「うっ・・・」ポロッ ポロッ

亜美「そいつぁ→しかたねぇ!いおりんはそこまでの奴だった・・・それだけの事じゃぁ→ねぇか!

伊織「うぅっ・・・」ボロボロッ


小鳥(もう・・・こんなの見ていられないわ・・・胃が・・・)キリキリ


伊織(・・・ごめんなさい、プロデューサー・・・やっぱり私じゃ・・・)ボロッボロッ

千早「・・・」スッ



春香「伊織っ!!」タッタッタ


---ギュッ

伊織「・・・春香」グスッ グスッ


亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・真・律子・小鳥「!!?」

春香「・・・伊織は強いね。ごめんね・・・私・・・見ているだけで・・・何も・・・何も・・・でぎなぐでっ・・・!」ボロボロッ ギュウゥ

伊織「・・・はるが」グスグスッ

春香「ごべん・・・ごべんねっ・・・!」ボロボロッ



真「やっぱり春香もそうなったか」

雪歩「春香ちゃんも私たちのお友達じゃなくなっちゃうなんて、悲しいですぅ~」

千早「・・・」スタスタ

千早「私もここまでするのには賛同できないわね」



真「・・・!」

真「・・・ハハッ、千早もかぁー」


雪歩「ていうことは、事務所から一気に3人もいなくなっちゃうんですかぁ~?」


伊織・春香・千早「・・・・・・」ビクッ

美希「寂しいけど仕方ないの!」


亜美「これが俗に言う、コストカットの力なのか・・・!」

真美「力が・・・力が溢れ出てくるようだ・・・!」

あずさ「・・・」


真「しょうがないよね、律子

律子「そうね」

律子「伊織」

伊織「」ビクッ

律子「春香」

春香「」ビクッ

律子「千早」

千早「くっ・・・」

律子「この3人を、本日この場を持って---」

---ガチャン


P「担当の権利を俺の元へ移行するものとする!!」バン!



亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・真・春香・千早・小鳥・律子・伊織「!!?」



P「あっ、あとこの子達もね」


ヒョコッ

響「えへへ~」


ピョコッ

やよい「うっうっー!」


スッ

貴音「面妖な・・・」



亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・真・春香・千早・小鳥・律子・伊織「!!?」




伊織(アイツ・・・・・・)ウルウルル

律子「なっ・・・!何を勝手なことを!」

律子「そんな権利があなたなんかにあるわけ---」


P「ほら」ピラッ

律子「それは・・・!」


P「社長代行証明書」

律子「そんなバカな!社長はどこに---」

P「もう今頃は海外じゃないかなー」

P「なんか急な用事ができたとかで・・・」

律子「なっ・・・」

やよい「ハイ!」

P・やよい「「ターッチ!」」パチン!

P・やよい「「イエイッ!!」」ダブルピーース


P・やよい「「あっはっはっはっ」」

響「あっ!ずるいぞー、また二人でやってー!自分もやりたいぞー!」

貴音「ふふ・・・」



---アハハハハハ

P「・・・という訳で、今はもう社長代行が律子さんだけではないので」

P「勝手にクビにする事はできませーん」ブッブー


律子「くっ・・・!」


P「だから---」



やよい「ハイ!」

P・やよい「「ターッチ!」」パチン!

P・やよい「「イエイッ!!」」ダブルピーース


P・やよい「「あっはっはっはっ」」

P「なので---」


やよい「ハイ!」

P・やよい「「ターッチ!」」パチン!

P・やよい「「イエイッ!!」」ダブルピーース


P・やよい「「あっはっはっはっ」」


P「あの、やよい。今は大事な話してる最中だからまた後で---」




やよい「ハイ!」

P・やよい「「ターッチ!」」パチン!

P・やよい「「イエイッ!!」」ダブルピーース


P・やよい「「あっはっはっはっ」」


P「や、やよい!?人の話聞いてる!?」


やよい「だって、嬉しいんですーー!」

P「そっかー、嬉しいのかー」

P「やよいはかわいいなぁ」ナデナデ

響「だーかーらー!やよい達ばっかり、ずーるーいーぞー!」


P「響!響!」

響「おっ!やってくれるのかー!?」



P「ハイ!」

響「ターッ---」


P「という訳で話を戻すが---」クルッ


響「やらないのか!?」ガーン

P「あっはっはっは」

響「うがー!ひどすぎるぞー!」


貴音「ですが響、とても嬉しそうな顔をしていますよ?」フフ

響「えへへ~」テレテレ

P「でも安心してください。俺の目的はあくまでも自分に担当アイドルを付けることでしたから」

P「これで伊織も正式に俺の担当アイドルになった事ですし、目的も無事果たせました」

P「なので律子さんは、今まで通りの行動をとってください」

P「俺はこれ以上のことまで関与するつもりはありませんので」



律子「・・・」

P「ですが!!!」


律子「」ビクッ



P「これから先、もしも俺の担当アイドルに何かしたら・・・」


亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・真・律子「」ゾゾゾゾッ


P「絶対に・・・許しませんから」


春香・千早・伊織・響・やよい・貴音「」パアアァァァ

P「それじゃあ天海さん」スタスタ

春香「はっ、はいっ!」

P「これから、よろしく」アクシュ

春香「はははっ・・・はいっ!よろしくっ、お、お願いしますっ!」ゴシゴシ ギュッ

P「如月さん、よろしく」

千早「あの・・・良いんですか、私・・・」

P「何が?」ホゲッ

千早「・・・!何がって・・・!私、プロデューサーに酷いことを・・・」

P「んー?俺、如月さんに酷いことされた記憶ないんだけど---」

P「・・・あっ!あった!確か一緒に笑われてたっけ」

千早「・・・」ズキン

P「だから俺達も笑う」

千早「・・・」

P「もちろん、如月さんも一緒にね」

千早「えっ・・・?」

P「俺達と一緒に笑って過ごしてくれれば、それでいい」

千早「・・・そんな」チラッ

春香「」ニコッ

千早「」チラッ

伊織「!?」ゴシゴシ

伊織「」ニコッ

千早「」チラッ

やよい・響・貴音「」ニカーー メンヨー

P「なっ?」

千早「でも・・・」

P「あぁー、もう!じゃあ謝って!」

千早「!」

千早「・・・本当に・・・・・・すみませんでした!」オジギッ!

P「許す!!」

千早「・・・!?」

千早「そんな・・・簡単に---」
P「伊織と天海さんをかばってくれてありがとう」

P「これから、よろしくな?」ニコッ アクシュ

千早「はい・・・!こちらこそ、よろしくお願いします、プロデューサー!」ガシッ

P「伊織・・・」


伊織「来なくていいって言ったのに・・・どうして来たのよ?」

P「んー、心配だったから・・・来ちゃった!てへっ」


伊織(本当にもう・・・コイツって奴は・・・)


P「迷惑だった?」



---迷惑なわけ・・・ないじゃない

伊織「・・・」

P「おーい伊織ー?」



---今なら心から言える



伊織「・・・ありがとう」ボソッ


P「えっ?」




--------この言葉を

伊織「ずっと!信じてる!!!」ダキッ!!


P「・・・おっ!?」

P「おう!!」




--------ワーワー ジブンモー ウッウー ガヤガヤ
-----
---
--
-

はい
とりあえずここまでですです

---伊織とアイドルとの接触が、あまりにも突然だった為に少しばかり焦ってしまった

・・・いや、ごめんなさい嘘です。正直かなり焦りました

俺は計画を頭の中で練っておいて、それを実行していくタイプなので、こういうアクシデントにはめっぽう弱い

最近じゃ、いつだって冷や冷やしっぱなしだ

今日からいきなり六人ものアイドルをプロデュースする事になるとは思っていなかっただけに、衝撃が大きい

本当は少しずつ人数を増やしていく予定だった

それも、この期間の予定じゃなかった

怖い、逃げ出したい、今にも吐きそうだ

俺なんて、所詮はただの初心者プロデューサー

出来るかなんて分からない、やったことがないから

でも、弱音を吐いてはいられない

この位でへばっていたら、この二倍のプロデュースなんて到底出来っこないから




---アイドルの前でだけは、強い自分を演じないと

---なんでも出来るプロデューサーを演じないと






---なんとか、この765プロを立て直すまでは・・・

---穴場スタジオ




P「いやー、増えた増えた!いきなり増えたねこれは!」

千早「・・・すみません」シュン

P「何いきなりシュンとしてんだ!」チョップ!

千早「いたっ」

P「全部予定通りなの!」

春香「そうなんですか!?」

P「フッフッフ・・・当たり前だ」

P「天海さんと如月さんは、絶対に伊織を助けてくれるって思ってたからな」

P「いやー、良かった良かった。なー、伊織?」

伊織「それについては・・・本当に感謝しているわ」

伊織「ありがとう、春香、千早」ペコ

春香「や、やめてよ伊織!頭を上げて、ね?」

千早「そうよ・・・私なんて・・・水瀬さんよりも酷い---」

P「こらぁぁーい」チョップ!

千早「ったっ」

P「自虐ネタ禁止!」ダブルチョーップ

千早「きゃっ・・・」

P「・・・」

P「」チョップ

千早「やっ・・・」

P「」チョップ

千早「あっ・・・」


P「・・・」

P「チョッ---」

伊織「こぉーらぁー!」ベゲシッ


P「ボナップ!!」バン

伊織「そんなに千早を叩くんじゃないわよ!」

P「だって・・・可愛かったから」シュン

千早「かっ・・・!かわっ・・・!?」


伊織「やっぱりただの変態じゃないの!」

P「響!響!」

響「おっ!なんだ、プロデュサー?」

P「チョーーップ!!」ベゲシッ!!

響「うがっ!?」

P「・・・うがってお前・・・うがってお前」

響「ひどいぞー!だって今絶対に千早の時よりも強かったぞ!?」


P「あっはっはっはっは」


千早「フフフ・・・フフッ・・・フフ」

P「やったぜ響!如月さんを笑わせることに成功した!」グッ

響「チャービラサイ!」グッ

P「どういう意味だ!」

響「ごめんくださいって意味さー!」フフン

P「なんで今使ったんだよ!!」ペシン


P・響「「はい!!」」ジャジャン

春香「・・・お、面白いですね」

伊織「バカよバカ」

貴音「はて・・・?」キョトン

やよい「すーっごく面白いですー!」ガルーン

P「やれやれ・・・響のつめが甘いから・・・」

響「何言ってるんだ!プロデューサーが---」


千早「プフッ・・・チャービ・・・プフフフフッ」


P「」ニッ

響「」ニッ




-----アハハハハハハ

P「さて、話がそれたけど」

伊織「アンタがそらしたんでしょ」


P「まぁまぁ」

P「今まではここを拠点として伊織達とはやってきたわけだけど」

P「六人ともなると、さすがにここだけという訳にもいかなくなってきた」

P「主にスケジュール管理とかな」

伊織「伊織達って、私だけだったじゃないの」

響「何言ってるんだ伊織ー?自分達も使ってたぞ?」

伊織「えっ!?」

P「あぁ、ほら」

P「伊織も結構いろんな所に一緒に行ったろ?」

伊織「えぇ・・・」

P「伊織が使ってないときは、響がこのスタジオを」

P「伊織と響が使ってないときは、やよいがこのスタジオを」

P「伊織と響とやよいが使ってないときは、貴音がこのスタジオを使っていたという訳だ」


春香・千早・伊織「・・・!?」

伊織「じゃっ・・・じゃあアンタは、私の行動に付き合いつつ、やよい達三人も同時に相手してたってわけ!?」


P「んー、まぁそうなるのかな?」

P「付きっきりってわけにはいかなかったから、結構な効率ダウンといえばそうだったんだけど」

P「まぁ今の所、伊織、やよい、響、貴音の能力にはあまり大差ないと思ってもらっていていい」

P(・・・個々の得意としている能力は全然違うけどね)


P「だからハッキリと把握させてもらう」

P「明後日に行われる」



P「全国オーディションで!」


伊織・響・やよい・貴音・春香・千早「!!?」




春香(・・・このプロデューサーさんを今までの人たちと比べていたなんて・・・)
千早(私達は・・・本当に愚かだったわね)

伊織(同じ日の同じオーディションに、同じプロダクションから四人も・・・!?)

伊織(そんな事も可能だったのね・・・)

伊織(いつも、ちょこちょこ抜けていたのはこういう訳だった・・・って事?)

伊織(体は大丈夫なの・・・?)

P「そこでだな、朝の拠点は765プロの事務所にしようと思う」


アイドル一同「ええぇっ!!!?」「面妖な・・・!」


P「ええぇっ!!!?」

春香「なっ・・・!どうしてですか!?プロデューサーさん!」

千早「そうですよ、またあそこに・・・?」

伊織「絶対に嫌よ!」

やよい「うぅー・・・?」

響「自分も嫌さー!」

貴音「何故なのです?あなた様・・・」

P「皆、落ち着いて俺の話を聞くんだ」

P「『朝の拠点は』と言った筈だ。何も一日中事務所にいろと言っている訳じゃない」

P「一度朝だけ、事務所に集まる。それ以外はこのスタジオで構わない」


伊織・響・やよい・貴音・春香・千早「・・・」


P「嫌かもしれないが、これだけは必要な事なんだ・・・」

貴音「あなた様のことです。何か考えがおありなのですね・・・?」


P「・・・考えってほどの事じゃないけど」


貴音「・・・分かりました。わたくしが行きましょう」


伊織・響・やよい・春香・千早「!?」

P「いいのか・・・!貴音?」

貴音「はい・・・わたくしはあなた様をお慕いしておりますので」


伊織・響・春香・千早「!?」 

やよい「おひたし・・・?」

P「」ドキッ

P「そ・・・そうか。ありがとな」

貴音「フフフ」

貴音「それに・・・」

貴音「わたくしはもう、皆の悲しそうな顔など見たくないのです・・・」



伊織・響・やよい・春香・千早「・・・・・・!!」

P「貴音・・・」

P(手・・・震えてるな)

P「大丈夫だ!みんなには二度と悲しい想いはさせない!」ニギッ!

貴音「あなた様・・・」

P「もちろん朝だって俺が一緒に連れて行くし---」

伊織「アンタあの車、六人も乗れるんでしょうね!?」


貴音「・・・!」

P「伊織・・・」

春香「行くんならみんな一緒ですよ!一緒!」

千早「そうね、当然だわ」

響「みんなで行けば、なんくるないさー!」

やよい「みーんなで行きましょーう!」

P「・・・みんな、ありがとう」

P「俺が責任持って連れて行くから安心してくれ!」



伊織・響・やよい・貴音・春香・千早「」ニコッ

春香「あっそうだ!プロデューサーさん!」

P「どうした?」

春香「私達の事も名前で呼んでくださいよ!仲間はずれみたいじゃないですか!」

P「いや・・・いきなり女の子の下の名前を呼んだりしたら失礼かと思って」


伊織(なんで、そういうところだけ紳士なのよ・・・)

春香「そんなことありませんよ!ねっ、千早ちゃん?」

千早「えぇ、私も気になっていたの。お願いします、プロデューサー」



P「分かった、じゃあ春香と千早」

春香・千早「はいっ!」

P「まずは踊ってもらうから、ここで着替え---」
伊織「アンタそれみんなに言ってたの!!?」




----------アハハハハハハ
------
---
-

---やっぱりアイドルっていうのは笑顔が一番似合う

早くあの子達にも笑顔を与えてあげたい

みんなで笑い合える事務所なんて、最高じゃないか

仕事だって上手くいくに決まってる






---これで、また一歩近づけた

毎朝みんなで事務所に行く

朝のほんの数分ならば、誰も文句は言わないだろう

そして、ごく自然に事務員である音無さんと接触もできる

これだけで大収穫だけど、俺が一番やりたかった事



---伊織達のスケジュールをホワイトボードに書き込める



----------俺の考え通りにいけば、事は一気に動き出すはずだ

とりあえずここまでです
読んでくださっている方々
ありがとうございます

同刻

---765プロ事務所




亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・真・小鳥・律子「・・・・・・」


あずさ「・・・な、なんだか嵐が去った後のようですね」


亜美・真美・雪歩・美希・真・律子「・・・・・・」



小鳥(プロデューサーさん・・・かっこよかったな)ポー

小鳥(もう、恐れる事はないわ・・・)

小鳥(私だって・・・・・・勇気を出すのよ小鳥!)


小鳥「そ・・・そうですね」

小鳥「・・・も、もしかしたらそんなに悪い人じゃないのかなー・・・って」

あずさ「・・・!」

あずさ「そ・・・そうよね!」アセアセ


亜美(真美・・・どう思う?)チラッ
真美(・・・分かんない)チラッ


美希「・・・」

真「・・・みんなそうやって騙されていったのかな」

真「・・・ハハッ」

真「・・・ハハハハハッ」


雪歩「真ちゃん・・・」


真「・・・・・・ハァ」



真「・・・みんな・・・・・・二人目のプロデューサーの事、忘れたわけじゃないよね?」


亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・小鳥・律子「・・・・・・」



真「・・・これはあの時とよく似てる」


---ダンッ!!

真「また裏切られたいのかっ!?」

亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・小鳥・律子「・・・!」ビクッ



真「僕はもうごめんだね!」

真「二度と・・・あんな想いはもう二度と・・・!」

真「信じたって裏切られる」

真「信じたところにつけこまれる」


真「あの男は、こうしている今だってあの場所でのほほんと過ごしてるんだぞ・・・!」

真「あろうことか・・・この僕達のおかげでね!!」


真「だったら自分達だけでレッスンをして」

真「律子にスケジュールを管理してもらっていれば!」


真「それでいいじゃないか!」

真「そうすればもう、裏切られる事はないんだから・・・!」


亜美・真美・あずさ・雪歩・美希・小鳥・律子「・・・・・・」






律子「・・・そうだわ」
(確か、社長に聞いてた話によると・・・)



律子「・・・・・・いいこと思いついたわよ、みんな」ニヤァ


律子「いい?これからあのプロデューサーに会った時には-----」


-----------
-------
----
--
-





----みてなさいよ・・・・・・




----今度は私達が利用してあげますからね



----プロデューサー



---あなたの立場を

---翌日

---伊織宅前---




P「よっ!おはよう伊織」

伊織「遅いわよ!いつまで待たせ---」


ウィーン

響「はいさーい!伊織ー!」

やよい「おはよう、伊織ちゃーん!」

貴音「面妖な・・・」


伊織(・・・私一人じゃなかったのね)


伊織「えぇ・・・おはよう」

バタン


伊織(・・・しかも助手席には響が乗ってるし)ムスー

P「貴音、面妖って言ってればいいやって思ってないか?」

貴音「そんな事は・・・」フム

P「そう---」
貴音「・・・ありますね」


P「あるんかい!」ピシッ

響「うぎゃっ!?」

響「どうして自分を叩くんさー!?」

貴音「あなた様」

P「どうした?」

貴音「冗談というものです」

P「冗談なのかよ!」ペチン!

響「ぎゃっ!」

響「だからなんで自分なんだー!」

P「響・・・ちょっとうるさいんだけど」

響「なっ・・・!なんでそうなるんだー!」ウガー


P「あっはっはっは」

響「まったくプロデューサーは・・・片手運転はやめてほしいぞ」

P「はいはい、ごめんなー」ナデナデ

響「え・・・えへへ~」


伊織「」イライラ




伊織「とっ・・・ところで春香達はどうしてるの?」


P「あぁ、春香は跳んだり跳ねたりで」

P「千早はフーフーしてるかな」


伊織「何よそれ・・・」

P「まぁ、気にしないで大丈夫だから」



伊織・響・やよい・貴音(すごく気になる・・・)

(回想1)

---穴場スタジオ---


春香「プロデューサーさーん!今日は---きゃっ・・・!」


ドテン!

春香「あいたたた・・・」


P「春香・・・お前って」

春香「は、はい・・・」


P「転びすぎじゃないか?」

春香「えっ・・!?」ガガーン

P「いや、なんでビックリしてるんだよ」

P「さっきから、もう何回転んでるんだ?」

春香「えへへ~」テレテレ

P「ほめとらんわ!ほめとらんわ!」ベシ!ベシ!

春香「あうっ!」


P「まぁいいよ。分かってた事だから」

春香「そうですよね!仕方ないですよね!?」


P(いや・・・仕方なくはないだろ・・・)


P「それはともかく、春香にはこれから毎日これをやってもらう!」ジャン!

春香「これは・・・?」

P「そうだね、ケンケンパだね」

春香「いや・・・あの」

P「ん?」

春香「それにしてはケンケンする所が段差になってるというか、積み重なってタワーのようになってるというか・・・」

P「スポンジ製でケガはしないから大丈夫」ニコッ

春香「それに、やけにコースがグネグネしてるというか、距離が長いというか・・・」

P「これこそ蛇の道だよね」ウンウン

春香「これは一体・・・?」

P「落ちないでケンケンしながらクリアできるようになったら報告するように!」

P「じゃっ、質問がなければこれで---」
春香「さっきから質問してますよね!?」

春香「私も早く伊織達に追いつきたいんですけど・・・」

P「じゃあ跳んで」

春香「えっ」

P「跳んで」

春香「は・・・はい」

春香「えいっ」ピョン

春香「ケン・・・きゃあぁ!」ステン

春香「あう~・・・」

春香「こんなの落ちないでなんて、跳べるわけないですよー・・・プロデューサーさん・・・」

P「伊織だったら、そう言いながらもやってくれるんだろうなぁー・・・」ハァ


春香(ムムムッ)

春香「わ、私だってやらないとは言ってませんからね!」

春香「ピョンピョン跳べるようになった私を見て、ビックリしないでくださいよ!?」


P「あぁ、楽しみにしてるよ春香」ヨシヨシ

春香「まっ・・・任せてください!」パァァ

(回想2)

---自然公園---




P「うん、千早の歌はなかなかだなー」

千早「ありがとうございます、プロデューサー」

千早「ですが・・・」

P「ん?」

千早「子供が集まって---」
子供達「ワーワー ジョーズー オネーチャーン」


P「あはは、千早の歌声が綺麗だったからだよ」

千早「そんな・・・私の歌なんてまだまだ・・・」

P「そうだな、確かにまだ足りないものがあるな」

千早「!?」

千早「それは一体なんなんですか!プロデューサー!?」グイグイッ

P「おおぅ!?」

P「まぁまぁ落ち着くんだ千早・・・顔が近い」

千早「あっ・・・!すっ、すみませんプロデューサー」カアァァ


P「ほら、そういうときはとりあえず、このシャボン玉でも吹いてさ」

千早「シャボン玉・・・ですか?」

P「いいからいいから、子供達が目を輝かせて待ってるぞ?」

子供達「ワアァァ」キラキラキラ

千早「はっ、はい!」プー


プカ プカ プカー



---キャッキャキャッキャ


千早「フフフ」

P「たまには息抜きも必要だからな」

P「今日はそのまま子供達と遊んであげるといい」

千早「はい・・・そうですね。ありがとうございます、プロデューサー」

P「まぁ、いいってことよ。換えのシャボン液はここに置いておくから」ドンッ!

P「全部使うまで戻ってくるなよ?命令だからな」

千早「はい、分かりました」プー プカプカ

P「じゃあ、ちょっと行くとこあるから。またな」

千早「はい」ププー



千早(・・・なんだか優と遊んでいた頃を思い出すわね)

千早(ありがとう・・・プロデューサー)

子供達「お姉ちゃーん もっとやってー」キャッキャ



千早「ウフフ、ちょっと待っててね。換えの液は・・・」

千早「!!?」


千早「これって、灯油入れるやつじゃないの・・・!」

千早「プ・・・プロデューサー!?」クルッ


千早(もういない・・・)


千早(一体、何リットル分をシャボン玉にしろというのかしら・・・」


子供達「お姉ちゃーん?」


千早「えっ・・・ええ、今やるわね」



千早(くっ・・・)



---------
-----
--
-

P「とにかくショッピングにレッツラゴー!」


伊織(きっと春香達も意味も分からずやってるんでしょうね・・・)


響「なー、プロデューサー!教えてよー」

P「いいからいいからー」

やよい「私もちょっと気になるかなーって」

貴音「わたくしもです」

P「やよいと貴音がそう言うんじゃ、しょうがないかー」


響「自分は!?」



P「あっはっはっは」

P「今日は色々と行きたい所があるから忙しいぞー」


響「自分達、明日はオーディションなのにこんな事してていいのかー?」


P「あっはっはっは」

響「もー!笑ってごまかすなー」



-----
--
-





事はすでに動き出していた

俺が考えていたよりもずっと早く





そして






着実に悪いほうへと・・・

---全国オーディション当日

---穴場スタジオ---


P「よしっ!みんな揃ったな。それじゃあ行くぞー」

春香・千早・伊織・響・やよい・貴音「はいっ!」







---765プロ事務所---





P「フゥ・・・」

P「よし!」


ガチャッ


P「おはようござっ---」スタスタ

亜美・真美・美希・真・雪歩・律子「おはようございます!プロデューサー!」ビシッ


P・伊織・春香・千早・響・やよい・貴音「・・・!!!?」

あずさ・小鳥「お・・・おはようございます~、プロデューサーさん」


P「これは・・・一体・・・!」


律子「お待ちしてましたよ~、プロデューサー殿」

P「律子・・・さん?」

律子「嫌ですねー、さん付けなんて止めてくださいよ!私のほうが年下なんですからー!」バシン

P「いてっ」

P(年なんて教えてたっけ・・・?)


律子「私達、この間のプロデューサー殿を見ていて、やっと気づいたんです・・・」


律子「あぁ、私達はなんて最低なことをしていたんだろう・・・って」

律子「今さら謝って許してもらおうなんて事は思ってませんけど・・・」

律子「それでも謝らせてください!」


亜美・真美・美希・真・雪歩・律子「今まで本当に・・・申し訳ありませんでした!」ペコリッ!


あずさ「・・・ごめんなさい」ボソッ ペコリ

小鳥「・・・」ペコリ





P・伊織・春香・千早・響・やよい・貴音「・・・!!?」

律子「伊織、春香、千早、貴音、やよい、響」クルッ




亜美・真美・美希・真・雪歩・律子「本当にごめんなさい!!」ペコリ


あずさ・小鳥「・・・」ペコリ



P・伊織・春香・千早・響・やよい・貴音「・・・」ポカーン




---・・・これには驚いた




P「こっ・・・ここまで謝ってくれてるんだし・・・みんな・・・ど、どうかな?ここはひとつ仲直りって事で・・・」



---俺の考えすぎだったんだろうか・・・

春香「そっ・・・そうですね!しましょう、仲直り!」

響「・・・確かに元々ケンカしてたってわけでもないんだしなー!」



---何も初めから、こんなに手の込んだ事をしなくてもよかったんだろうか・・・



やよい「うっうー!やっぱりみんな仲良しなのが一番ですー!ねっ、伊織ちゃん?」

伊織「えっ・・・えぇ、そうね。やよい」チラッ


---ということは、俺はここで目標を達成できたっていうことなんだろうか・・・


千早「・・・」チラッ

貴音「・・・」チラッ


---このときの俺は、伊織達のアイコンタクトすらも気づけずにいた



真「本当にごめん!春香」

雪歩「またお友達になってくれますか~?」



---何かがおかしい、と、必死で俺のほうを見つめていた三人の視線に・・・

美希「でこちゃん、本当にごめんなさいなの」

亜美・真美「ごめんねー、いおりーん」



---音無さんと三浦さんの不自然な対応に・・・





---あまりに想定外の出来事が







---完全に俺の思考を停止させていた

そうか・・・


俺はもう・・・


必要・・・・・・ない・・・?


---------------------

765プロを立て直すってどういう事だったっけ?


みんなの笑顔?


それが俺の達成目標・・・だったん・・・だよな?





----やっぱり俺は


----突然のアクシデントには弱かった

とりあえずここまでです
書くの遅くてすみませんです

本当は早く・・・一刻も早く

プロデューサーさんに教えなくちゃいけないのに・・・

別に口止めもされていないし、される理由もない

立場的に考えても、今教えられるのは私だけのはずだし

私がやるべき役目だという事も分かってはいるつもりです



---でも・・・

二度とあんな想いをして欲しくないのは、私だって一緒

真ちゃん達の気持ちも、痛いほどに分かります

ごめんなさい、プロデューサーさん・・・




---あなたが前のプロデューサーさん達とは違うって

きっと、私もみんなも分かってはいるはずなんです



---だから・・・

もうちょっと


後一押しだけでいいんです



あの子達を信じさせてあげてくれませんか・・・?







----きっと、この機会が最初で最後のチャンスだと思うから



---この機を逃してしまったら、あの子達は本当にこの先一生





---男性不信になってしまうと思うから

---------
----
-








---東京スカイTV---




真「へぇー!ここがテレビ局かー!」

雪歩「すごいですぅ~」

真美「これは探検のしがいがありそうですな→」キョロキョロ

亜美「さてさて・・・どこから行きますか→」ワクワク

律子「コラコラ、あんた達!応援にきたんだからバカやってないで行くわよ!」

美希「ここっておにぎり売ってないの?あずさ・・・あれ?」













伊織「・・・っと---」




今俺は、全国オーディションの行われる会場にいた

あれから、どうやって、何をして、誰と話をして、ここまで来たのか

あまりよく覚えていない・・・


伊織「ちょっと!アンタ聞いてないの!?」

あぁ、伊織と話してたんだっけ・・・



P「あぁ、悪い悪い。どうした?伊織」

伊織「・・・・・・」




伊織「さっき、アンタ私にはワンピースが似合うって言ってたじゃない?」




P「・・・あぁ、そうだったな。伊織は何を着ても---」
伊織「嘘よ・・・そんな話はさっきもしてなかったわ・・・」


P「・・・」

伊織「・・・」



P「・・・あはは、そうだったっけ?ごめんごめん」






伊織「・・・アンタ」

伊織「ちょっとあっちに行きましょうか・・・」



P「・・・おう」


---建物裏---



あずさ「あらあら~、ここはどこかしら?会場は・・・」

あずさ「困ったわね~・・・あら?あそこにいるのって・・・」







伊織「・・・アンタ急にどうしちゃったのよ」

P「急に?何が?」ハハ

伊織「・・・ごまかさないで」

P「ごまかすって・・・俺は何も---」
伊織「嘘よ・・・!!」


伊織「アンタは私の話を、一度だって適当に聞いていた事はなかったわ!」

P「・・・」

伊織「いつもバカな冗談言って・・・私達を笑わせてくれて・・・」

伊織「自分は変態だから、みたいな態度をとっていても・・・本当は真面目で・・・」


P「伊織・・・・・・」


伊織「いつも私達の事を見てくれていて、一番に考えてくれている・・・」

伊織「気がつかないわけないじゃない・・・私だって・・・いつもアンタの事を見ていたんだから」



P「・・・・・・」


伊織「だから、今アンタが考えていることを私にも---」
P「・・・事務所のみんなが堂々と応援に来てくれている」

伊織「・・・」

P「いや、勿論それはいいことなんだ・・・想定外だったってだけで」


P「でも・・・」



P「・・・俺の考え通りにいっていれば、ここには全員ではなく」

P「・・・数人だけが見に来る予定だったんだ」

P「・・・それも応援なんて堂々としたものじゃなく」

P「・・・隠れて見に来ている予定だった」



P「毎朝みんなで事務所に行って」

P「音無さんという内通者を得て」

P「伊織達と今日の予定を話し合って」

P「スケジュールをホワイトボードに書き込む」

P「・・・こうすれば事務所のアイドル達も触発されて、向上心と共に意欲に火をつけてあげる事が出来ていた筈なんだ」


伊織「・・・アンタ」

伊織「そこまで考えてくれていたのね・・・」




---コイツはいつもいつも


---そこまでして先の事を見越してくれていたんだ

P「でも、良かったよ」

P「これでもうすぐ俺の役目も終わる」

伊織「・・・どういう意味よ」


P「ほら、伊織」

P「始めて話したときに言ったろ・・・?」

P「765プロを助けて・・・ってさ」


伊織「・・・」


P「俺、本当はなんとなくだけど分かってたんだ」

P「あの時、伊織は皆に俺を辞めさせるように・・・って言われて事務所に残ってたんだろ?」



伊織「・・・!」ドキッ

伊織「それは---」
P「でも・・・765プロを助けてって、俺に言ってきた事と」

P「あの涙だけは嘘じゃなった」


伊織「・・・」ウルッ


P「だから思ったんだ」

P「この子を助けてあげたい、叶えてあげたいって」


P「たとえそれが出来なかったとしても、出来ることまではしてあげたい」

P「俺がいいように利用されて済む話なら、それでもいいから」



-----P「765プロを助けてあげたいって」


伊織「・・・」グスッ

P「みんなで仲直りする事が出来たんだ」

P「これで765プロは助けられた・・・って事でいいんだよな?」


伊織「」ポロッ ポロッ


P「何泣いてんだよ伊織・・・」

P「・・・ここは喜ぶところだろ?」


伊織「・・・だっで」グスグス


---嫌だ・・・

---プロデューサーが遠くに行ってしまう







P「伊織は泣き虫だなー」ヨシヨシ

伊織「・・・しないわよね?」

P「ん・・・?」

伊織「私たちを置いて・・・急に辞めたりなんてしないわよね?」

P「アハハッ、そんな事考えてたのか?」

伊織「・・・だって」グスッ

P「まったく・・・伊織は本当に可愛いなぁ」ナデナデ

伊織「・・・じゃあ・・・?」

P「あぁ、俺もいい大人だからな」

P「別れの挨拶もせずに、いきなりさよならバイバイって事はしないから安心してくれ」

伊織「ホント・・・?」




P「・・・あぁ」ニコッ

伊織「」パアアァァ

伊織「良かった・・・!」





---本当に・・・良かった




P「・・・・・・」





P「まだまだ心配な奴らばっかりだしなー、春香や千早のレッスンも途中だし---」

伊織「」ムスー

P「・・・それに、伊織のランクも上げてないしな!」

伊織「・・・!」


P「このままトップアイドルでも目指しちゃうか!」


伊織「にひひっ!このスーパーアイドルの伊織ちゃんとアンタが組めば、そんなの楽勝なんだから!」

P「・・・あぁ、そうだな」

P「その前には、まず目の前のオーディションだ。そろそろアップして、体を温めておいたほうがいいんじゃないか?」

伊織「・・・!そ、そうね!じゃあ、私は先に行ってるから・・・アンタも早く来なさいよ!?」ダダダッ

P「あぁ、分かった」




P「伊織!!」


伊織「なによ?」クルッ


P「ありがとな!」


伊織「にひひっ!」タッタッタ









P「ふぅーーー・・・」スー ハー

P「・・・だいぶ弱いところをみせちゃったな」ポリポリ

P「・・・そうだよな、まだ終わったわけじゃないし」

P「これからも、出来る限りでのフォローはしていこう!」


P「よしっ!気持ちを切り替えて頑張ろう!」



P「さて・・・伊---」
あずさ「・・・それが・・・そううまくはいかないかもしれません」ザッ ザッ



P「・・・!?」


あずさ「・・・プロデューサーさん」

P「・・・・・・あなたは」




---------
-----
---
--
-

P「今日のオーディションは上位5名の合格者が選びぬかれる」

P「その後、合格した者は一度休憩をはさみ、今度テレビで放送されるステージの撮影を開始するという段取りになっている」


伊織・やよい・響・貴音「・・・」ゴクリ



P「みんな!準備はいいか・・・?」


伊織・やよい・響・貴音「はっ・・・はいっ!!」ガクガク


P(・・・みんな力みすぎてるな)


P「それじゃあ、行ってこい!」



伊織・やよい・響・貴音「・・・はいっ!!」ガタガタ

P「・・・っとその前に!」ヨヨイ



伊織・やよい・響・貴音「」ズデン!



P「あっはっはっは」

伊織「な・・・なに笑ってんのよ!」

響「しまらないぞー!プロデューサー!」

やよい「うぅー・・・転んじゃいました」

貴音「あなた様は・・・いけずです」



P「ごめん、ごめん」

P「実は渡しておくものがあったんだ」



伊織・やよい・響・貴音「渡しておくもの・・・?」



P「あぁ」

P「まず、やよい!」

やよい「はーい!」

P「やよいにはコレな」ホイ

やよい「プロデューサー、何ですかこれ?」

P「それはな・・・サイちんのお守りだ」

やよい「サイちん・・・ですか?」

P「あぁ、そうだサイちんだ」

やよい「サイちん・・・」

P「そのサイちんは、やよいにあげよう」

やよい「くれるんですかー!?ありがとうございますー!」

P「はっはっは、大事にしてくれよサイちんを」

やよい「うっうー!サイちん可愛いですー!」

P「はっはっは、やよいはかわいいなー」ナデナデ




伊織(サイちんって言いすぎでしょ・・・)

P「次は貴音!」

貴音「はい!」

P「貴音にはコレ」ホイ

貴音「あなた様・・・これは?」

P「それは、ひよこダルマのお守りだ」

貴音「ひよことは・・・面妖な」

P「かわいいだろ?」

貴音「はい」

P「そっかそっか」

貴音「・・・あなた様から頂ける物でしたら、どのような物でも嬉しいというものです」ニコッ

P「そっ・・・そうか」ドキッ

P「貴音の言葉には、なんかこう・・・ドキッとさせる効果があるみたいだな」

貴音「フフフ・・・大切にさせていただきます」

P「あぁ」



伊織「」ジーーー

P「次に伊織!」

伊織「はい!」

P「伊織はコレ」ホイ

伊織「これは、なんなの?」

P「それは、スガモちゃんのお守りだ」

伊織「へぇー、可愛いじゃない」

P「・・・かわいいだけじゃないんだぞ」ボソッ

伊織「何か言った?」

P「いや?」

伊織「ありがとう・・・大事にするわ」

P「おう!」

伊織(本当に大事に・・・ね)ギュウ



P「さて!それじゃあお前達!行って---」
響「ちょっとちょっと!プロデューサー、自分のは!?」



P「あぁ、ごめん」

P「響には買ってない!」キッパリ!


響「そんなっ・・・!」ガーーン

響「・・・」

P「ウソウソウソ!!冗談だから!響、そんなに落ち込まないで!」アセアセ

響「」パアアァ


響「もうっ!プロデューサーは酷いぞ!なんで自分ばっかりイジワルするんさ!」

P「だって・・・響かわいいから、つい苛めたくなっちゃって」

響「なっ・・・」

P「そんなに嫌なら、もうしないから」

響「い・・・嫌とは言ってないぞ!しょうがないなー、プロデューサーは」

響「そのくらい大目に見てあげるぞ!自分、完璧だからな!」

P「まったく響はチョ・・・かわいいなぁー」ナデナデ

響「えへへ~」
(チョ・・・?)


P「そんな響にあげるのはコレ」ホイ

響「んっ?」

P「ワラなっぺぇ10世のお守りだ!」

響「ワラなっぺぇ!?」

P「そうだ、それも10世だぞ!」ドドン

響「いや、それスゴイとこなのか?」

P「何言ってんだ、スゴイだろ!」

P「なんてったって、10世に至るまでに9世もの歴史が刻まれているんだぞ!?」

響「・・・!確かに」

響「ありがとうプロデューサー!自分、大切にするさー!」

P「お、おう!」
(・・・響・・・チョロかわいい)

P「そのお守りは、持っていればきっと役に立ってくれるはずだ」



P「後は、自分でやってきたことを信じて!」

P「頑張って来い!!」






伊織・やよい・響・貴音「はいっ!!」ダダダッ


P(緊張は解けたみたいだな)




P「・・・・・・」



さて・・・

伊織達の順番まで、まだ少し時間がある

それまでの間・・・




--時間もあまり残されてないみたいだし


---対策でも練っておくとするか




------あずささんに聞いた話について・・・

とりあえずここまでです

楽しみに読んでくださっている方々
ありがとうございます

楽しんで読んで頂けていない方々
申し訳ございません


後で書き込みたいと思いますが
私用が忙しくまとまった更新が難しくなってきた事と
ある程度きりがいいところまで書けているので
次の更新で一度終わらせ
そこそこ書き溜めたら次のスレッドを立て
続編を書こうと思っています

タイトルは同じにするのか?

>>320

P「765プロを助けてっていわれても」(続)

分かりやすくこんな感じでいかがでしょうか

>>321
間違えました

P「765プロを助けてっていわれても・・・」(続)

こんな感じでいかがでしょう

(回想)



P「三浦さん・・・聞いていたんですか」

あずさ「・・・はい」





P「・・・・・・」

P「そうですか」

P「・・・で、それはどういう意味でしょう?」

P「うまくも何も、もうみんなで仲直りしたじゃないですか?」


P「・・・それともアレですか。実はまだ何かあるとでも?」


あずさ「・・・はい」




これは完璧にしくじったな・・・


という事は
このタイミングで過去の話か・・・




あずさ「ですから・・・私にもお手伝いをさせてほしいんです」





P「うぇっ・・・?」



P「・・・」ポカーン

あずさ「・・・ダメ・・・ですか?」

P「いや、あの・・・」

あずさ「では・・・これでどうでしょう」

あずさ「私の話を聞いてみて、もし信用できれば協力」

あずさ「信用できなければ、お互い聞かなかった事に」


あずさ「いかがですか・・・?」





どういうことだ・・・?

問題は解決したはずで・・・

てっきり過去の話の事だと思っていたけど

他にも一体どんな問題を抱えてるっていうんだ

とりあえず、聞いてみるだけの価値はありそうだな




P「・・・分かりました」

P「お話を聞かせてもらえますか?」


あずさ「・・・!はい」

あずさ「でっ、では・・・」



--------------
---------
-----
--
-

P「・・・・・・なるほど、そういう事ですか」

あずさ「あまり・・・驚かれないんですね」


P「・・・いえ、まぁ」

P「少しばかり、時間を頂いてもよろしいでしょうか?頭の中を整理したいので・・・」


あずさ「ど・・・どうぞ」


P「ふむ・・・」








---うっ!うわああおああぁぁぁおおぉぉおおおうぅぅ!!!!!

誰が驚いてないって!!!?

何言っとんじゃ!!!もう!何言っとんじゃ!!

驚きまくりんぐだよおおぉぉぉい!!

驚きすぎて、口の中から出てきてはいけない液体が出てきそうだ!!







P「・・・えっと、つまりはこういう事ですか?」クラクラ


あずさ(・・・どうしたのかしら?)


P「・・・」ヨロッ

P「まず事務所に残っているみんなは、仲直りをしたフリをしているだけで、実際はそんなつもりはない」

あずさ「・・・えぇ」



P「そのフリをし続ける事によって、俺にもう心配いりませんよーというアピールになる」


P「そこで、社長から事前に俺の契約条件を聞いていた律子さんが登場し」

P「何も聞いていなかった体(てい)で疲れている俺に近づき、体の心配をするフリをして、新しいプロデューサーでも雇いましょう、と、女性限定の募集をかけ始め」

P「新しいプロデューサーが入ってきたところで、俺の契約条件を今知ったんですけど・・・みたいな感じで、悲しいフリを続けながらも」

P「プロデューサーさようなら・・・と」



P「こういう訳ですか」


あずさ「プロデューサーさん・・・物分かりがいいんですね・・・」


P「そんな事ありませんよ」



こんな話・・・

もしも聞いてなかったら・・・





見事なまでに律子さんの計画通りになっていただろう



やっぱり見た目通り・・・いや、それ以上の切れ者だったか


その頭があれば、プロデュース活動だって上手くいくと思うんだが・・・


これからは、もっと用心しよう

P「それにしても、随分と気長な計画ですね」

あずさ「それは・・・プロデューサーさんも似ているようなところがあるんじゃ・・・」



P(・・・そういえば聞かれてたんだっけ)



あずさ「ど・・・どうです?」

あずさ「信じていただけましたか・・・?」




P「うーん・・・どうするか」ブツブツ

あずさ「やっぱり・・・今さらこんな私が話したところで、信じてなんてもらえませんよね・・・」


P「・・・となると」ブツブツ

あずさ「プロデューサーさんや、みんなにも沢山酷いこと言っちゃたもの・・・」



あずさ「でも・・・!」


信じて欲しいなんて、言える訳ないわ・・・

私だってプロデューサーさんの事信じることができなかったんだもの


でも今は・・・

伊織ちゃん達があんなにも慕っている気持ちが分かる

・・・けど、今さら分かったところで遅すぎたのね

もっと早く

私も素直に信じることができていれば・・・

P「いやー、三浦さん!本当にありがとうございました!おかげでなんとかなりそうです!」ブンブン!


あずさ「・・・!」

あずさ「えっ・・・!あの・・・その」カアァァ


P「あっ!すいません、いきなり手なんか握っちゃって」パッ

あずさ「あっ・・・いえ、そういう事では・・・」

P「いや、本当に助かりましたよ。危うくまんまと律子さんの作中にはまるところでした」フイー



あずさ「信じてくれるんですか・・・!?」

P「そりゃ信じますよ」

あずさ「で、でも・・・私が嘘を言っている可能性だって・・・」

P「それはないですね」キッパリ

あずさ「どうして・・・」




P「だって、そんな嘘ついても三浦さん達には何のメリットもないですからね」

あずさ「」ポカーン

あずさ「じゃ、じゃあもしも!本当は仲直りしているのに、私だけ悪い子で・・・!」アタフタ


P「・・・」


あずさ「プロデューサーさんをかっ、かく乱させようとしているかも・・・!」アタフタ


P「ぷっ・・・」

P「アハハハハハハ!!」

あずさ「なっ・・・!」

P「言ってることめちゃくちゃですよ?信じて欲しいんじゃなかったんですか?」アハハ

あずさ「それは・・・そうですけど・・・!」


P「それに」

P「本当に悪い奴は自分の事を悪い子だなんて言いませんよ」

P「三浦さんって大人っぽいイメージだったんですけど・・・」

P「結構子供っぽいんですね」ニコッ


あずさ「」ドキッ カアァァ


あずさ「プロデューサーさんこそ・・・」

あずさ「見かけによらず、イジワルなんですね」


P「いやぁ、よく言われます」



P・あずさ「「フフッ・・・」」



P・あずさ「「アハハハハハハハ」」

こんなに心の底から笑ったのは、あの時以来かしら


きっとみんなも、こんなプロデューサーさんだからこそ

好きになっていってしまうのね






P「いやぁ、こんなに美人で心強い味方ができるなんて、夢にも思っていませんでしたよー」

あずさ「プロデューサーさんは口がお上手ですね」

P「本当の事ですからね」

P「さて---」

あずさ「その前に!」

P「」ビクッ

あずさ「私の頬を思いっきりひっぱたいてください!」

P「ええっ!?」


あずさ「私がプロデューサーさんや皆にしてきた事が、この位で許されるとは思ってませんけど」

あずさ「これが私のケジメです!さぁ!」



P「・・・驚いたな」

あずさ「後で皆にも---」
P「いやいやいや!それじゃダメなんですって!」

P(というか、何回ひっぱたかれるつもりなんだよ・・・)



P「俺達が協力し合っていることは誰にも言わないでくださいよ?」

あずさ「えっ・・・でもそれじゃあ、どうやって私はプロデューサーさんのお手伝いをすれば・・・」


P「何、簡単なことですよ。俺がそちらの状況を聞きたいときにメールを送るんで、その度にメールを返してきてほしいんです」

P「勿論、俺とメールしているっていうのをバレないようにですよ?」

P「三浦さんも俺に何か聞きたいことがあったり、気づいたことがあればすぐにメールを送ってください」

P「いわゆる、お互いの内通者ってやつです」


あずさ「なるほど~・・・」

P「それじゃ、アドレス交換しちゃいましょう」ガサッ

あずさ「は、はい!」イソイソ


ブルブルッ


P「よし、これで準備はできました」

あずさ「そ、そうですね」

あずさ(プロデューサーさんとメール・・・)ドキドキ

あずさ「そういえば、音無さんも話せば協力してくれると思いますよ?」

P「いえ、音無さんとはまた、別の形でコンタクトを取っていこうとおもっているので、内緒にしておいてください」

P「いいですか?くれぐれも悟られぬよう、気をつけてくださいね?三浦さんの身が心配なんで」


あずさ「はい」
(こんな時まで私の心配を・・・)

P「じゃあ---」
あずさ「あっ・・・!」

P「」ビクッ

あずさ「私の頬をひっぱたいて---」
P「またそこからですか!?」




P「もういいですって」

P「これだけの話を教えてもらって、なおかつ協力してくれるって人を、ひっぱたけるわけないじゃないですか」

あずさ「でも・・・」

P「あっ、三浦さんってひょっとしてドMなんですか?」

あずさ「・・・!」

あずさ「なななな・・・」
P「こう見えて、本当に感謝しているんです」

P「手伝わせてほしいって言われて、嬉しかったんです」

P「だから、もう十分なんです」

P「ありがとうございます、三浦さん」



P「・・・これでもダメですか?」



あずさ「・・・本当にプロデューサーさんってズルい人ですね」


あずさ「ありがとうございます・・・!」ペコッ ポロッ

あずさ「本当に・・・ごめんなさい・・・!」ポロポロ


P「・・・!」

P「分かりましたから・・・!泣かないでくださいよ」オロオロ


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--
-

思いのほかあっさりしすぎているとは思っていたけど

まさかフリだったとは・・・

女子って怖い

改めてそう思ったね、俺は



仲間内に通ずる者がいるっていうのは本当に頼もしいものだ

まぁ、悪く言うと単なるスパイなんだけど・・・



でも、この状況をすぐに知ることができたのは、とても大きい

ピンチをチャンスにとはよく言ったものだ



もう騙されない


一人一人確実に的をしぼっていく

そうだな・・・

まず、これから始めにやるべき事は





---あの双子をバラけさせることだ





P「おっと、もう伊織達のオーディションが始まるな」


P「行かないと・・・」ブルブルブル


P「あずささんからメールか」ピッ


あずさ『下の名前で呼んでもらえるのって、やっぱりとっても嬉しいものなんですよ~』

あずさ『今度一緒にお食事でもしましょうね、プロデューサーさん』



P(あずささん・・・可愛いけど)

P(これじゃあ私用だよ・・・)



P「さて・・・」フラッ


P「おっと、立ちくらみか・・・」ヨタッ


P「・・・」ブンブン




P「よし!急ごう」タッタッタ


-----
--
-

とりあえずここまでです
引き続きこのまま頑張りますので
読んでくださると嬉しいです

---オーディション会場(特設スタジオルーム8)---





そりゃ、これだけの人数ですもの

いくつかの部屋でみんなが順番に受けるんだろうとは思っていたけど・・・

まさかこんな個人面談みたいな形になっているとは思っていなかったわ・・・





今このスタジオ内には、私と審査員を含めた四人のみ

そして窓の向こうには、沢山のアイドル候補生と・・・


真美「これがオーディションってやつですか→」ワクワク

亜美「そ、そうみたいですな↑」

亜美(これがオーディション・・・)ドキドキ





応援に来てくれている亜美と真美・・・

・・・何を話しているのかはよく聞きとれないけど

アイツは見に来てくれていないみたい・・・

・・・どうせ響の所にでも行ってるんでしょうね


みんなは上手くいっているのかしら・・・


いけない・・・また緊張してきてしまった





審査員「765プロダクション所属水瀬伊織さん」





・・・いよいよだわ


伊織「はいっ!」



審査員「それでは踊って頂けますか?」



伊織「はい・・・!」



あ・・・あれ?どうしたのかしら・・・


足が震えて・・・




真美「おやおや?なんだかいおりんの様子が変ですなー」

亜美「あっ・・・ホントだ---」
P「・・・」スッ

審査員「水瀬さん、どうかしましたか?」


伊織「あっ、いえ・・・!」



ダメだわ・・・

なんで急に・・・こんな時に---







---コンッ







窓から・・・?



P「(が)(ん)(ば)(れ)」パクパク

P「・・・」グッ!





・・・・・・アイツ


フフッ・・・



審査員「水瀬さん?」


伊織「」スッ







伊織「曲名はREADY!!です!聞いてください!」






P(伊織・・・お前なら大丈夫)

真美「ちょっとちょっと!いきなり出てきてビックリするじゃんかー!!ねぇ、亜美・・・」

亜美「・・・」ボーッ

真美「亜美・・・?」

亜美「えっ・・・!あっ、ホントだよ!新人兄ちゃん!」


P「・・・よーく見ておいたほうがいいぞ」


真美「そりゃ、応援しにきたんだから当たり前っしょ↑」

亜美「うん、そだね・・・」ジー



P「・・・」







伊織「・・・」ギュッ

---ARE YOU READY!!

---I'M LADY!!

---始めよう


---やれば出来るきっと

---絶対私NO.1



キュッ キュッ キュッ キュッ




いつもいつも肝心な時には傍にいてくれる





---START始まる今日のSTAGE

---CHECK!!マイク・メイク・衣装


---IT'S SHOW TIME♪ TRY CHALLENGE!!



いきなり意味も分からず雑巾がけさせられて

---STARDOM光り光るSPOTLIGHT

---眩しい輝きまっすぐDEBUT




キュキュッ キュッ ターン




その後にはやったこともないワックスがけ

フフッ・・・





---夢は叶うモノ

---私信じてる

---さあ位置についてLET'S GO☆




タタッ ギュン ピョンッ










ホント・・・・・・・・・・・・ばかみたい!!!

---ARE YOU READY!!

---I'M LADY!!

---歌を歌おう



ギュギュッ



---ひとつひとつ

---笑顔と涙は夢になるENTERTAINMENT


ターン ターン 



---ARE YOU READY!!

---I'M LADY!!

---始めよう



--------やれば出来るきっと


クルッ



-----絶対








---------------私NO'1







-------
----
--
-






審査員「・・・!」

P「・・・」メモメモ


P「」ピッ

ピピッ





P(伊織・・・よく頑張ったな)


P「」チラッ


亜美「ほぇー・・・」キラキラ

真美「・・・」ジー



P(・・・思った通りか)





あの後、早速あずささんと連絡を取り合い

上手い具合に皆をそれぞれのスタジオに分けてもらうよう指示を出し

さらに、双子だけを伊織の応援に来させるようにお願いしておいたのだ



・・・が、こうも上手く振り分けてくれるとは

あずささんも侮れないな



仲良しなら仲良しのフリを続けてもらっていたほうが

話も上手くできなかった以前よりも

断然今のほうがコンタクトをとりやすい


向こうもまさか、フリをフリでやり返されているとは夢にも思うまい



と、大口をたたいてはいるけれど・・・

ものの見事にあずささんのおかげなんだよね

本当に感謝しています、あずささん



この双子は、とにかく好奇心が旺盛だ




昔はどうであったか知らないが

フリではなく、本当の仲良しに戻れたとき




双海姉妹は

765プロにとって、かかすことのできない







---ムードメーカーになってくれるだろう








さて、結果発表までの間

みんなにご飯でもご馳走して




沢山褒めてあげないとな



---------
-----
--
-

---一般公開用食堂---



P「いやぁー、みんな!お疲れ様!俺のおごりだから何でも食べてくれ!」

真美「えぇっ!ホントに↑↑」

亜美「どれでもいいの!?新人兄ちゃ→ん!」


律子「コラコラ・・・!あんた達は何もしてないでしょ!いいからこっちに---」

P「いいよいいよ、応援頑張ってくれてたし!沢山食べな」


真美「さ→っすが新人兄ちゃん!」

亜美「誰かさんとは違って、太っ腹ですな→」


律子「アンタ達~・・・!」


亜美・真美「!?」



真美「」チラッ
亜美「」コクン


亜美・真美「「逃っげろ→い!」」ピューン



律子「コ・・・コラァー!待ちなさーい!」



これが偽りじゃなければ、どんなに楽しいだろうな

伊織「まったく、騒がしいわね~・・・」

響「でも、なんだか楽しいぞ!」

貴音「・・・そうですね・・・あなた様」チラッ ズルズル


P「あぁ・・・!そうだな貴音」

貴音「」ジーッ ズルズルズルズル


P(・・・ラーメンは食べ続けるんだな)


貴音は勘が鋭そうだから・・・

バレないようにしないと・・・





やよい「プロデューサー・・・ホントにどれでもいいんですか・・・?」

P「もちろんだぞ、やよい!」

P「ご褒美なんだから、食べてくれないと悲しいなー」

やよい「分かりました!私、いーっぱい食べちゃいますー!」


P「やよいが沢山食べてくれて嬉しいなー」ナデナデ

やよい「えへ~」ウットリ



ごめんな、みんな

もう少しだけ待っていてくれ

千早「私たちまでご馳走になってしまって・・・」

春香「ありがとうございます!プロデューサーさん!」モグモグ


P「千早と春香も遠慮しなくていいからな」

P(春香は遠慮してないけど)



千早「はい、ありがとうございます。プロデューサー」

春香「はい!」パクパク


千早「春香、行儀が悪いわよ」

春香「は~い」テヘヘー


千早「それにしても・・・凄かったわ。我那覇さんと四条さん」

春香「やよいも前までのステップとは見違えるようだったよー!」


P「そうだな・・・」

響は主にスピードとキレ・・・ダンスに関しては、今のところ誰よりもずば抜けている

貴音はビジュアル、ミステリアスな部分に魅せられて、そこからの鋭い動き、歌声から目が離せなくなる

やよいは、みんなを元気にしてくれる、アイドルには欠かすことの出来ないパワーを持っている




そして、伊織は持久力・・・




だと思っていたんだが、平均的にそつなくこなす

バランサータイプだったようだ




平均的というと、特に得意な事が何もなく、苦手な事も何もない・・・みたいな

平凡なイメージがあるかもしれないが




それは大きな間違いな解釈の仕方だ

・・・と、そこまで偉そうな事は言えないが




少なくとも俺の解釈の仕方はこうだ





得意な事は増やせるうえに、苦手な事も得意にすることが出来る

平均的とはいっても、苦手な事が何もない人間なんてのはいない

いるとすれば、それは気づいていないだけなのだ



それでも平均的にどれも一緒だと思うなら

逆に得意な事にも気づけていないだけ



つまりは

ベストな状態なのだ




俺は、本来人間はみんなこの状態でスタートしているものだと思っている


何かに秀でている者は、秀でるまでの間、間違いなく他の者よりもその何かをしてきている筈だ


まぁ、結果論で言うと努力の一言で片付けられてしまうかもしれないが・・・



とにかく俺が言いたいのは

苦手意識を一切持っていない平均タイプが、一番教わる状態としてはベストだという事だ



そして今の伊織の状態は


どれも平均的に普通なのではなく

どれも平均的に上手なのだ

これを、同じような実力のある者が見ると

なるほど、あそこはああすればいいのか・・・


---と、なるが



まだ実力が備わっていない者が見ると

わぁー、すごい!


---となる



なので、今の双海姉妹は後者の状況なわけである



あの好奇心の塊みたいな双子達が

さっきの伊織のダンスを見て、憧れないわけがない



それに、他の皆も響達のオーディションを見て

だいぶ触発されているはずだ




なんてったって今まで同じくらいの実力だった筈の仲間に、追い抜かれてしまっていたんだから

悔しくないわけがない


特に一番悔しがっているはずなのが---


・・・まぁ、今はいい


その悔しさを、後におもいっきりぶちまけてもらうからな・・・

伊織「ねぇ!」


P「おっ・・・!?」

伊織「何ボーッとしてんのよ」

伊織「あっ・・・!アンタまさか、まださっきの事を---」
P「ないないない!もう大丈夫だから、ちょっと考え事してただけだよ」


伊織「そう・・・ならいいんだけ---」

P「伊織、本当によく頑張ったな」ナデナデ

伊織「・・・まぁ、あのくらいなら余裕よ!」テレッ


P「そうか、足がガクガクしてたのは気のせいか」


伊織「なっ・・・!」


響「そうなのか?伊織」モグモグ

伊織「そ、そんな訳ないでしょ!?」


P「あっ、そうだ響」

響「なんだ?」



P「響は自腹な!」ドドン


響「えぇっ!?」




P「冗談、冗談!」

P「あっはっはっはっ」


響「うがー!!」




--------
----
--
-




そして


いよいよ結果発表だ

とりあえずここまでです

個々の感想・考察・話し合いはご自由にして頂いて構いません
勿論どんな批評も歓迎です

ですが
内容に関しましては不快な想いをさせてしまう可能性が大いにあります

それが疎ましく思えてしまう方は
再三警告しておりますが
見ないようお願い申し上げます


では・・・
この辺りから過去についての話になってまいりますが
引き続きお楽しみください

---電光掲示板前---


---------------------------------------------------------


1.--Touma Amagase--天ヶ瀬 冬馬---961プロダクション-SCORE-124.880pt 

2.--Iori Minase--水瀬 伊織---765プロダクション-SCORE-63.456pt 

3.--Hibiki Ganaha--我那覇 響---765プロダクション-SCORE-51.232pt

4.--Takane Shijou--四条 貴音---765プロダクション-SCORE-47.781pt

5.--Yayoi Takatsuki--高槻 やよい---765プロダクション-SCORE-40.008pt   


---------------------------------------------------------
---------
----
-
6.--Mikokoro Sano--佐野 美心---DNAプロダクション-SCORE-29.300pt

7.--Hikari--ひかり---こだまプロダクション-SCORE-28.880pt

5.・・・・・・・・・・・・・








・・・961プロの天ヶ瀬冬馬



既に業界で注目を浴びているAランクアイドルじゃないか


それが何故今さらこんなオーディションに・・・


それに、確かエントリーリストには載っていなかった筈だが・・・




当然まだ今の伊織達に勝てる相手ではない



だが、放っておけばいい

特に今は、関わる必要のない相手でもあるのだから

P「やったな!伊織!響!貴音!やよい!」

P「お前達ならやれるって信じてたぞ~俺は!」


やよい「うっうー!とーーっても嬉しいですー!」

P「よく頑張ったな~、やよい~」ナデナデ

やよい「これもプロデューサーのおかげですー」

P「そんな事ないぞ~、やよいが頑張ってくれたからこそだ」ナデナデ

やよい「いえ、私だけじゃとても・・・」

P「やよいはいい子だなぁ~」ナデナデ





P「貴音!よく頑張ったな!」

貴音「ありがとうございます」

P「疲れてないか?」

貴音「大丈夫です・・・ですが」

P「ん?」

貴音「昼食の時間が少なすぎるのではないかと・・・」

P(・・・まだ食べたりてなかったのか)

P「終わったら連れてってあげるからな!」

貴音「・・・はい!」パアアァ


貴音「あなた様・・・その・・・これからも、よろしくお願いいたします」


P「・・・あぁ、こちらこそ」ニコッ

P「響!」クルッ


響「おっ!?」

P「よく頑張ってくれたな~」ナデナデ

響「えへへ~、自分、完璧だからな!」

響「伊織と、あの天ヶ瀬って奴には負けちゃったけどな・・・」




伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩・真「・・・!」



P「順位なんて気にしなくていいんだよ」

P「響は今の自分の全力を出し切ったんだろ?」

響「もちろんだぞ・・・!」

P「ならそれでいいんだ」

P「そりゃ、結果を出すことも大事だけど、過程が大切なんだ」

P「それに結果だって、こうして付いてきているじゃないか」

響「確かに・・・前までの自分だったら、絶対に無理だったぞ」




響「だから・・・感謝してるよ!プロデューサー!」


P「・・・おう!」ニカッ






P「伊織!」クルッ

P「伊織もよくやったな!だが、伊織ならできると・・・」

P「・・・伊織?」


伊織「・・・」


P「・・・」

P「」クルッ




春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩・真「・・・」

・・・どうしたんだ?

なんで皆まで暗い顔をしている・・・?




P「伊織・・・?」





-----スタスタ



元P「やあやあ、765プロダクションの皆さん」



----スタスタ




元P「お久し振りですね」







伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩・真「・・・・・・!!」ゾゾゾゾッ




元P「あれ?忘れてしまったんですか、僕の事」





誰だ・・・?

元P「伊織も頑張っているみたいですねぇ」ナデナデ・・・


伊織「ヒッ・・・」ゾクッ





誰なんだ・・・・・・一体・・・




元P「亜美、真美」


亜美・真美「」ビクッ





元P「あずさ、雪歩」


あずさ・雪歩「」ビクッ





元P「春香、千早」


春香・千早「」ビクッ




元P「美希、真・・・それに律子」


美希・真・律子「」ゾクッ




元P「見慣れない顔も増えたようですが・・・」チラッ


響・やよい・貴音「」ゾワッ





元P「みんな元気みたいで、何よりです」ニコォッ




伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩・真「・・・」ゾゾゾゾッ

元P「あなたが今度の新しいプロデューサーですね?」


P「はい、そうですが・・・」



俺の事を知っている・・・?



元P「申し遅れました」

元P「わたくし、961プロダクションで天ヶ瀬を担当しております」

元P「こういう者です」スッ


P「あっ、ご丁寧にどうも・・・わたくしは---」サッ

元P「以前、765プロダクションでプロデューサーを務めておりました」





P「えっ・・・」





以前・・・・・・


という事は


俺の前にいたっていう例の・・・





凄腕プロデューサー・・・・・・?

P「」クルッ



それにしたって、この皆の様子・・・


響・貴音・やよい「・・・」


伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩・真「・・・」ガクガク



・・・・・・尋常じゃない反応の仕方だ

・・・




ピ



元P「・・・おやおや、僕も嫌われたものですね」


美希「」ブルブル



元P「昔はあんなにも、仲睦まじい間柄だったではないですか」





真「・・・お前の」ボソッ ワナワナ

元P「はい・・・?」

真「・・・お前のせいで・・・!」プルプル



真「お前が僕たちを売ったせいで!!!」







まずい・・・・・・!





P「菊地さん、落ち着くんだ!」ガバッ


菊地「お前が・・・!」ハァハァ







------ザワ ザワ ザワ ザワ






興奮しすぎだ・・・!


周りが騒ぎ始めている

元P「売ったとは・・・・・・人聞きが悪いですねぇ」


元P「ちょいとばかり、僕との思い出の写真を頂いた」

元P「たったそれだけの事ではないですか」



元P「まぁ、確かに皆さんにはばれない様撮らせて頂いたり、撮って頂いたりもしましたが」

元P「たったそれだけの事」



伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩・真「・・・」ブルブルブル



P「・・・・・・」



元P「まだ無名のアイドルのそんな写真を撮ってくるだけで、あの超一流企業の961プロダクションに入れるというのですから…」

元P「こんなに美味しい話はないでしょう?」

元P「違いますか?765のプロデューサーさん」



P「・・・・・・」ピキッ

元P「いやぁー、どうしてまだ売れてもいないアイドルのゴシップ写真を欲しがるのかと疑問でしたが・・・」

元P「こういう時の為だったんですねぇ・・・さすがは黒井社長だ」




元P「ですが、勘違いはしないでくださいよ?」

元P「僕は忠告に来てあげただけですので」



元P「あまり出すぎたことをしていると、いつ社長があの写真を記事に載せるか」

元P「僕にも分かりませんから」







P「・・・そんなにベラベラと喋っていて大丈夫なんですか・・・?」

P「・・・・・・誰かに聞かれているかもしれませんよ」



元P「問題ありませんよ、961プロですからね・・・誰も手を出してはきません」





冬馬「オーイ プロデューサー イツマデ---」

元P「さて、冬馬が呼んでおりますので僕はこれで」

元P「また後でスタジオで会いましょう」


元P「765プロの皆さん」ニヤァッ





P「・・・・・・」グググッ!



ピ



フー・・・!フー・・・!

耐えろ・・・耐えるんだ・・・





真「くっ・・・!」ガクガク


伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩「・・・・・・」


響・やよい・貴音「・・・」





俺が冷静にならなくてどうする・・・!


耐えろ・・・

P「・・・」ナデナデ


真「・・・」ポロッ


P「大丈夫・・・」


真「・・・」ポロ ポロッ


P「・・・大丈夫だから」




---俺が、なんとかするから・・・





伊織・春香・千早・亜美・真美・あずさ・美希・律子・雪歩「・・・」ポロッ




---だから・・・・・・



響・やよい・貴音「・・・」ポロッ





---そんなに悲しい顔を・・・・・・




---しないでくれ・・・

とりあえずここまでです

つデスノート(裏声)
元P
961社長と口論になって殺してしまい証拠隠滅のため
社長室に放火
その後あらゆる自殺法を考えるが失敗し、
最後は自分の考える一番苦しむ方法で死亡
 φ(.. )カキカキ

皆様の予想・考察・感想
こう考えていただけているのか等と
楽しく読ませていただきました

皆様のご期待に応えられるか分かりませんが
ここから過去編に突入いたします

気分を害されるかもしれませんのでご注意を

~~一昔前の765プロ~~






---765プロ事務所---





亜美「ねぇねぇ、りっちゃ→ん!新しいプロデューサーが来るのって今日っしょ?↑↑」

真美「んっふっふ~、これは楽しみですな↑↑」


律子「はいはい、アンタ達!そんなに騒がないの」

律子「もうすぐ来るはずだから」


真「僕の事、ちゃーんと女の子扱いしてくれる人だといいなー」キラキラ

雪歩「大丈夫だよ、真ちゃん」フフフ


美希「・・・あふぅ」スヤスヤ

あずさ「あらあら」ウフフ


春香「千早ちゃん!新しいプロデューサーさんだよ!新しいプロデューサーさん!」

千早「えぇ、そうね」クス

伊織「それだけの事でテンション上がりすぎじゃないかしら?」ソワソワ


亜美「いおりんだってソワソワしてるっぽいよ→」

伊織「そんなこと・・・!」ギクッ


真美「楽しみなんだもん、ちかたないね」

亜美・真美「「ちかたない、ちかたない」」ウンウン



伊織「アンタ達・・・・・・!」

小鳥「あっ!来たみたいですよ」



----ガチャ



高木「やあ、諸君!おはよう」



---アリャリャ


律子「・・・って社長じゃないですか!」


高木「ハッハッハ!勿論、彼もいるぞ?」



スッ


元P「お初にお目にかかります。わたくし、元Pという者です」


高木「彼は結構な手足れでねー、そんな彼がなんと・・・!ウチに入りたいと自ら志願してきてくれたんだ!」

高木「仲良くやってくれたまえよー、ハッハッハ」スタスタ




元P「これから、よろしくお願いいたします」ペコッ




ここが765プロか・・・・・・

律子「私、秋月律子って言います。プロデューサーは今の所私一人で大変だったんです!よろしくお願いしますね、プロデューサー」

小鳥「私は音無小鳥です。分からないことは私達に---きゃぁっ!」


真美「もう!りっちゃんもピヨちゃんも固いYO↑↑」

亜美「そうだよ→プリンみたいに柔らかくいこうよ→」


真「へへっ!そうですよ!僕は菊---」

元P「菊地真さんだね?」

真「わー!もう僕の名前、覚えてくれてるんですか?」

元P「勿論ですよ。皆の名前、好きなもの・・・大体把握済みです」ニコッ



----ワーワー ガヤガヤ 







なんて馬鹿そうな子ばかりなんだ

たったこれだけの事で、もう僕への信頼感が上がっている


よっぽど良いプロデューサーに出会えなかったみたいだな

まぁ、今度はもっと酷いプロデューサーに当たってしまった訳だけど






・・・・・・これは傑作だ

これなら、そう時間もかからなさそうだ


少し厄介そうなのもいるが・・・


順番に相手していってやろうじゃないか














---プロデュースごっこの始まりだ












------
---
-

それから半年間もの間

コツコツとアイドルとの距離を縮める事だけに専念し

なんとか好感度を上限近くまで上げることに成功した


・・・しかし、思いのほか時間がかかってしまった


まだ半信半疑の目で見ている奴もいるみたいだし


やたらと手間をかけさせる奴もいたからな


・・・妙な約束までさせやがって



チッ・・・


本来なら三ヶ月もありゃ、十分だったのに




オーディションもとらず、嘘の営業活動とレッスン、挨拶回り等・・・

これらと両立させるのがどんだけ大変だと思ってんだよコイツら



だけど、さすがにそろそろ何か仕事でも取ってこないとマズいな

嘘と本当の兼ね合いが重要だから


あのバカみたいな約束も一応は果たせることになるだろうしな


それに・・・あの小娘の目が少し気になる

そりゃ、そうだ

むしろ遅すぎるんだよ


半年もまともな仕事をしていないんだぞ



僕だったらすぐに異変に気づく



本当にコイツらには素質もなけりゃ、見る目までない






---駄目なアイドルの原石だ






だが、律子がプロデューサーになりたてで、営業活動以外は使い物にならなくて助かった





人気も出ていない頃から、そんな事ばかりしていても意味などないのに・・・


そんな初歩的な事さえ知らない律子を使うしかないほど

765プロは切羽詰まっている状況だということだ




非常にありがたい

さて、ここからやっと僕のやりたかった事ができるわけで




どうしてこんな無名アイドルなんかに執着しているんだか分からないが






僕にとってはやりやすいというだけの話



・・・焦らず順番に手に入れてやるさ



---961プロに入る為の必須アイテムとやらをね

---(亜美・真美編)---







---レッスン場---




亜美「ちかれたー・・・」フゥ

真美「さすがにクタクタだよー・・・」ハァ



元P「ははは、お疲れですね。亜美、真美」

元P「ちょっとハードすぎましたかねぇ」


真美「ハードもハード、ちょ→ハードだったよ→」

亜美「ホントだよ兄ちゃん!」


元P「それではお詫びに晩御飯でもご馳走しましょう」


亜美・真美「「ホントに!?」」ガバッ


元P「はっはっは、まだまだ元気そうじゃないですか」

亜美・真美「「嘘なの!?」」ガーン


元P「心配しなくとも、ちゃんと連れて行きますよ」

亜美「も→冗談はよし子ちゃんだぜぇ?」

真美「亜美・・・古いよ」



-----アッハッハッハ

---某レストラン---



元P「えぇ、はい。それでは手筈通りに・・・お願いしますよ」ピッ


亜美「なになに!?ひょっとして、亜美たちのお仕事の電話!?」ピョン

真美「そうなの!?兄ちゃん!」ピョン


元P「ええ、まぁそんな所ですね」



元P「とりあえず、離れていただけませんか?」

亜美・真美「「え→」」

元P「タバコを吸いたいのですが」


亜美「兄ちゃんタバコ吸ってたの!?見せて見せて!」


元P「見せ物じゃありませんよ」カチッ シュボッ

亜美「ほぉ→・・・」ジー




真美「・・・タバコは止めといたほうがいいと思うよ、兄ちゃん」

元P「お気遣いありがとうございます、真美は優しいですねぇ」ニコッ

真美「えへへ~」



元P「ちょっとお手洗いに行ってきますね」

亜美「うん、いってら→」

元P「決まったら注文していていいですからね?」

真美「は→い」


元P「では・・・」ニタァ スタスタ



------
---
-

亜美「兄ちゃん、火つけたまま行っちゃったね」

真美「うん」


亜美「けむい・・・」ゴホ

真美「消しておいていいかな・・・」ゴホ


亜美「じゃあ、亜美が消すよ↑」ホイッ

亜美「兄ちゃんの真似!」プカー


真美「やっ・・・止めときなって亜美!いいから早く消して!」

亜美「ちぇ↓ちょっとピースで掴んだだけじゃ→ん」


真美「も→亜美、誤解されたら大変だよ↓」

亜美「すぐ消したから大丈夫っしょ→」






ハハハッ・・・

本当に馬鹿な奴らだ


こうも上手くいくとは


ただタバコに触れてくれさえすれば、それでいいと思っていたが

吸ってるフリのサービスまでつけてくれるなんて



外でカメラに激写されているとも知らずに・・・



これで双子の写真は手に入れた




---残り七人

---(千早・あずさ・春香編)---










---某居酒屋裏---


元P「この角度からなら見えているでしょう?」

元P「ええ、あずさは僕と一緒に・・・」

元P「僕が嫌がり、両手を振った時に・・・」

元P「後の二人は二人だけで・・・」

元P「どれだけそれらしく見せるかですからね・・・」




元P「勿論出来ますよね?」



プロカメラマン「・・・」コクン





元P「では、頼みましたよ」スタスタ

---某居酒屋(畳部屋)---





千早「・・・こんばんは」


元P「千早、お待ちしていましたよ」





千早「あの・・・プロデューサー、私の歌の事について、話があるから呼んだんですよね?」


元P「ええ、そうですが」

千早「・・・それなら」チラッ



あずさ「あら~・・・千早ちゃんじゃないの~」ヒック

春香「千早ちゃーん!」フリフリ ヒック 


千早「何故この状況で、この場所なんですか・・・」


元P「いやぁ、その方が千早もリラックスして聞いていただけるかと思いまして」

千早「そう・・・ですか」

元P「ええ」ニコッ

春香「千早ちゃんは私の隣ね!」ポンポン

千早「えぇ、分かったから押さないでちょうだい・・・春香」



あずさ「ウフフ、プロデューサーさんは私の隣ですよ~」ヒック

元P「ハッハ、これは参りましたねぇ」


春香「むー・・・」ジー


春香「プロデューサーさん、鼻の下が伸びてますよ」


元P「では、春香。縮めてもらえますか?」ハハッ


春香「ええっ!?」




-----アッハッハッハ

元P「まぁ、千早も飲んでください」


千早「・・・ですが、これはお酒では?」

元P「ハッハッハ、バレましたか」

千早「・・・私、未成年ですから」




元P「では、春香」





春香「ハイ!」ガッ



千早「えっ・・・!ちょっと春香!?」

春香「」ゴクゴクッ


春香「ぷはー」ケプッ






千早「・・・!」


千早「プロデューサー!何を考えているんですか!」


元P「未成年だけど、まあいいかなと思いまして」

千早「・・・!いいわけ---」



元P・春香・あずさ「ハハハハハ」


千早「・・・!?」

春香「ごめんごめん、千早ちゃん・・・」ヒクッ

元P「それはノンアルコールといって、ジュースみたいなものなんですよ・・・」

千早「・・・そうなの?」キョトン






あずさ「ごめんなさいね~、千早ちゃん。騙すような真似して・・・」ヒック


千早「・・・いえ、それならいいんですけど」






元P「・・・だから千早も飲んでも大丈夫ですからねぇ」トクトクトク


千早「は・・・はい、ありがとうございます」

千早「・・・」ゴク


千早(これ・・・本当にノンアルコールなのかしら)チラッ


春香「アハハハ、おかわりですよ!おかわり!」ヒクッ


千早(それにしては・・・春香が少しおかしい様な・・・)ゴクッ

・・・まだだ


・・・もう少し酔わせてから









それらしく見えるよう

ビンを春香の近くに置く







・・・こんな大きなビンに入っているノンアルコールなんて


居酒屋にあるわけないじゃないか・・・


つくづく馬鹿なアイドル達だ





あずさ「プロデューサーさ~ん、お酌しますよ~」ウフフ ズイッ




きた・・・




元P「いえいえ、そんな・・・。アイドルのあずささんにお酌して頂くわけには・・・・・顔も近いですし」フリ フリ

これでいい・・・



全ては計画通りに進んでいく



-------
--
-


何枚かは僕も一緒に写っていた方が良いと言っていたからな

僕が少し嫌がる感じでって・・・こういう事でいいのか?



とにかく


あずさ、千早、春香の写真も手に入れた




---残り四人

---(雪歩編)---









---765プロ事務所---








雪歩「プロデューサー、美味しいお茶を頂いたので入れてみたんですけど・・・」

雪歩「どうですか・・・?」


元P「これは・・・」ゴクリ


雪歩「お口に合いませんでしたか・・・?」


元P「いえ、その逆ですよ」

元P「人間、本当に美味なるものを口にすると、言葉が出なくなるものなんです」

元P「とても美味しいですよ。ありがとうございます雪歩」ニコッ


雪歩「いいい、いえ・・・そ・・・そんな」ドキドキ



元P「・・・これは、いつも美味しいお茶を入れてくれる雪歩に」

元P「何かお礼でもしないといけませんねぇ」


雪歩「そ・・・!そんな・・・!私、そういうつもりじゃ・・・」

元P「ええ、勿論分かっていますよ。ただこれは、僕のわがままなんですが・・・」

元P「次のオフの日、お食事に付き合っていただけませんか?」


雪歩「・・・」


雪歩「えっ・・・ええぇぇ!!」



小鳥「あらあら、雪歩ちゃんたらデートに誘われちゃったわね!」ウィンク


雪歩「デ・・・デート」ボフン パタ


小鳥「ゆっ、雪歩ちゃん!?」


元P「おやおや・・・」チラッ



伊織「・・・・・・」





小娘のくせに・・・


なかなかどうして勘が鋭いじゃないか


まだ信用しきっていないとは


やっぱりコイツは後回しだな・・・

---雪歩オフ日---







元P「しっかりと僕達の後を付いてきてくださいよ」


プロカメラマン「・・・」コクン








---某広場---





雪歩(プロデューサーまだかな・・・)




雪歩「少し早く着きすぎちゃったかな・・・」



雪歩(このお洋服、変じゃないよね)パッ


雪歩(髪の毛も・・・)ササッ


雪歩(ふふっ・・・楽しみだなぁ)



----
--
-

元P「申し訳ありません、雪歩。だいぶお待たせしてしまいましたよね?」

元P「仕事が終わらず、こんな夕方になってしまいまして」




雪歩「プッ、プロデューサー・・・そんな事」

雪歩「お仕事忙しいのに・・・私なんかの為にわざわざ・・・」


元P「いえ、僕がお願いしたのですから」

元P「わざわざ来ていただきまして、ありがとうございます」ペコ



雪歩「そ、そんな!私も・・・楽しみで---」


元P「・・・では行きましょうか」ニコッ

雪歩「は、はい・・・!」


元P「予約しておいたいいお店があるんですよ」

雪歩「そうなんですか?・・・楽しみですぅ~」



--------
---
-

---ショッピング街---





元P「・・・いかがでしたか?」

雪歩「あっ、私・・・あんなに高そうなところ入ったことなくて・・・」

雪歩「お金とか・・・」


元P「いいんですよ、そんな事は気にしなくて」

元P「僕が勝手にしたことですから」




元P「・・・お気に召さなかったようで、少し残念ですが」ハハ・・・



雪歩「・・・!」

雪歩「いえ!そういうつもりじゃ・・・!」




元P「・・・大丈夫ですよ、そんなに気を使って頂かなくても・・・」

元P「返って、こんな時間までつき合わせてしまい、申し訳ありませんでした」


元P「・・・近くまで、お送りいたしましょう」



雪歩「私・・・そんな事思ってなんて---」

元P「ですが・・・いまだに僕と歩くときには、距離をとっているじゃありませんか・・・」ピタッ


雪歩「そ・・・それは・・・」

元P「分かっています。男性恐怖症のせいですよね?」


元P「つまりは、所詮僕もその辺りにいる男と一緒の認識というわけです」


雪歩「・・・!?」


元P「こんなにも皆に尽くしてきているというのに・・・!」






元P「・・・すみません、余計な事でしたね。忘れてください」

元P「・・・・・・帰りましょう」



雪歩「私・・・・・・!」






・・・かかった






雪歩「そんな事思ってません!!」

雪歩「プロデューサーを普通の男の人と一緒だなんて---」

元P「では!!」



雪歩「」ビクッ



元P「僕に・・・抱きつけますか・・・・・・?」クルッ パッ




雪歩「えっ・・・」


元P「やはり・・・無理ですよね・・・?」



雪歩「・・・・・・」



元P「・・・分かりました。明日からは、雪歩の担当を律子に変えてもらいましょう」


雪歩「!!」


元P「その方が雪歩の為に---」

雪歩「でっ・・・できます!!」





雪歩「私だって・・・・・・」タタタッ



雪歩「そのくらい・・・!」ギュウゥゥー!





元P「雪歩・・・」



元P「ありがとう・・・ございます」

元P「十分に伝わりましたよ」


雪歩「・・・」ギュウゥゥッ

元P「明日からも、よろしくお願いしますね。雪歩」


雪歩「はい!」パアァァ








元P「・・・」ニヤァ









アッハッハッハッハッハッハ・・・・・・!!!


こうも気持ちよく思い通りになると・・・




ハハハッ・・・

心が痛むどころか、気分さえも良くなってくる・・・!




これで雪歩も完了・・・っと



次からは少々手間取りそうだが・・・





---残り三人

とりあえずここまでです

更新します

---(美希編《1》)---





~(回想)~






---765プロ事務所---








元P「どうですか?そろそろ真面目にレッスンを受けていただける気になりましたか?」


美希「今日は、まだおにぎり食べてないからやる気でないの」ゴロン


元P「・・・毎日同じ事を言ってますよね」


元P「それに、今日はもう買ってきた分を渡したではありませんか」

美希「全然足りないの」ゴロローン


元P「・・・」






・・・調子に乗りやがって





元P「美希はアイドルとして、成功したくはないのですか?」

美希「うーん・・・」


美希「ミキ的には、楽しく毎日が過ごせればそれでいいかなって」





なら、さっさとアイドルなんて辞めろよ

真「美希、レッスンくらいちゃんと受けなよ」

真「プロデューサーが困ってるじゃないか」



美希「真くんには関係ないの」ゴロッ

真「そんな言い方---」

元P「まぁまぁ」



元P「本人がこう言っているのであれば仕方ないでしょう」

元P「無理強いもさせられませんからねぇ」


美希「プロデューサーだってそう言ってくれてるの!」

真「だからって・・・」


元P「真、気にかけて頂き、ありがとうございます」ニコッ


真「いえ、そんな・・・」




元P「では、美希」

元P「一つお聞きしますが・・・」


美希「な~に?」ゴロゴロー

元P「本当に毎日が楽しいですか?」


美希「・・・」ピタッ


美希「・・・楽しいよ」




元P「例えばどんな事です?」



美希「えっと・・・」

美希「いっぱい遊んで」


元P「はい」


美希「みんなと楽しくおしゃべりして」


元P「はい」


美希「お買い物して」


元P「はい」


美希「好きなときにおにぎり食べて・・・」


元P「はい」


美希「いっぱい寝る・・・」


元P「はい」


美希「・・・」


元P「おや、他にはないのですか?」


美希「・・・あるよ」

元P「では、続けてください」


美希「・・・!」


元P「どうしました?やはりないのですか?」


美希「そんなこと・・・!」

美希「急に言われても、全部なんて言いきれないの!」ボフン!




真「プロデューサー・・・」



元P「ふむ・・・」

元P「言われてみればもっともですが・・・」



元P「それは」



元P「アイドルを続けている意味などあるのですかねぇ」


美希「・・・!!」


元P「それだけで楽しい、毎日が充実していると言えるのならば」


元P「僕だったら、とうに辞めていると思いますが・・・」




春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・!」

美希「・・・・・・」



美希「それは・・・ミキに辞めろって言ってるの・・・?」








元P「いえいえ、別にそういう訳では」

元P「そう聞こえてしまっていたのならば謝りますが」



元P「毎日レッスンをするわけでもなく」

元P「ただ事務所のソファーで寝ているだけなのに」



元P「わざわざここに来る意味など、果たしてあるのか・・・」


元P「と、少々疑問に感じただけです」



小鳥「プロデューサーさん、何もそこまで言わなくても・・・」

小鳥「美希ちゃんだって、美希ちゃんなりに頑張って・・・」



元P「寝ることをですか?」


小鳥「それは・・・」

春香「美希がいるだけで事務所が明るいんですよ!」


あずさ「そ、そうよねぇ~!美希ちゃんがいないと寂しいわ~」





元P「本来、事務所にアイドルが勢揃いしているこの状況自体がマズい筈です」



春香・あずさ「・・・」



元P「まあ、それは仕事を取ってくることが出来ていない、僕のせいなのですが」


春香「そ、それはプロデューサーさんのせいじゃ・・・」

あずさ「そうですよ~・・・私達の実力が足りなくて・・・」


伊織「・・・」

美希「小鳥」

美希「春香にあずさもありがとうなの」



春香「美希・・・」





美希「・・・・・・分かったの」



美希「ミキ・・・アイドルなんて辞めるの」





春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・!」



小鳥「美希ちゃん!?」



元P「・・・」



真「ちょっと美希!何言ってるの!?何もそこまで・・・」

春香「そうだよ美希!辞める必要なんて・・・!」


あずさ「ちょっと考え直して・・・」

千早「・・・」




伊織「黙って聞いてれば・・・・・・ちょっとアンタ!いくらなんでも言いすぎよ!」

元P「・・・」






・・・仲間意識は相当強いみたいだな

千早「・・・いえ、プロデューサーの言う事にも一理あるわ」

千早「勿論美希の事は、大切な仲間だと思っているけれど」

千早「アイドルを目指している以上、きちんとけじめはつけて行動するべきだと思うの」




これは以外だった・・・




伊織「千早!?ちょっと・・・!アンタまで何を---」


美希「でこちゃんももういいの!」


美希「プロデューサーと千早さんの言う通りなの」



伊織「美希・・・」




美希「プロデューサー、みんな!」

美希「今日までありがとうございましたなの」


美希「今ここにいないみんなにも、よろしく言っておいてほしいの」



真「美希!」


美希「真くん・・・さっきはごめんね」


真「そんなの!気にしなくていいから・・・!」



美希「それじゃ、みんな・・・・・・」クルッ








美希「バイバイなの・・・!」タタタッ






-------ガチャン!!

春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・・・・」





元P「さて・・・」




真「プロデューサー・・・見損ないましたよ・・・」


元P「・・・」ガサゴソ



伊織「最低ね・・・アンタ」


元P「・・・」


小鳥「プロデューサーさん・・・」

あずさ「何も辞めさせなくても・・・」

千早「・・・」



元P「・・・」



春香「私も・・・あそこまでする必要なかったと思います」




元P「・・・」ガサゴソ





春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・・・・」

---ガチャン



亜美・真美「おっはろ→ん!!」


律子「いいから早く入りなさいよアンタ達」


雪歩「お、おはようございますぅー」





---シーン・・・



元P・春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・」






真美「って・・・アレアレ?どったのみんな?」


亜美「これは・・・事件の匂いがしますなぁ・・・」


雪歩「み、みんな・・・どうしちゃったんですかぁ?」




律子「・・・」

律子「プロデューサー・・・何かあったんですか?」





真「・・・美希が辞めたんだよ」



亜美・真美・雪歩・律子「!?」

亜美「・・・なぁ→んちゃって!」ピョコン

真美「もう→まこちん!嘘にはついていい嘘と、そうでない嘘が・・・」



春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・」



真美「あれ・・・?」

亜美「もしかして・・・マジ・・・?」






伊織「・・・ソイツが辞めさせたのよ!」ピシッ

元P「・・・」





いいぞ・・・

もっと罵れ・・・・・・






律子「・・・プロデューサー」

律子「どういう事か説明してもらえますか?」


元P「・・・」

伊織「説明も何も・・・」


伊織「ソイツが美希に遠まわしに!」


伊織「辞めろって言ったのよ!!」







最高のアシストだ、伊織・・・







雪歩「えっ・・・」


律子「プロデューサー・・・話によっては---」





元P「みなさん・・・・・・」




元P「さっきから何をおっしゃられているのですか?」



伊織「ハアァ!?」

伊織「アンタが---」





元P「僕は、一度も辞めてほしいなどとはいってませんよ?」



春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・!?」

伊織「だから、それを遠まわしに---」





元P「遠まわしに言ったつもりもありません」



春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・!」


律子・亜美・真美・雪歩「・・・?」





元P「初めて美希のレッスンを見たとき、この子には才能がある」

元P「僕はそう思いました」



元P「ですが、それ以来真面目に取り組んでいる美希を、僕は見たことがありません」


元P「美希は・・・誰もが憧れるアイドルになれる素質を持ち合わせているはずなのです」




元P「ですから・・・少しばかり荒療治だとは思いましたがこんなまねを・・・」



伊織「・・・」


真「プロデューサー・・・」

あずさ「そんな事を考えていてくれたんですね・・・」

元P「なので・・・」

元P「これから美希を連れ戻してきます」



元P「もし、僕が美希を連れ戻すことが出来なかった場合」

元P「責任を持って辞めさせていただきます」





春香・千早・あずさ・小鳥・真・伊織「・・・!」


律子・亜美・真美・雪歩「・・・!?」






元P「それでは・・・」タッタッタ







---ガチャン!

美希に素質・・・


そんなものある筈がない



自分で言っていて笑いそうになる




仮に、そんなものがあったとして

こんなちっぽけな事務所ごときにいる筈もない


僕はさっさと961に行き

こんな屑なアイドル達よりも遥かに

素質を持っているアイドル達をプロデュースする





それなのに、いちいち面倒な事ばかりさせやがって

だが、失敗はできないからな・・・

一度下げて、また上げる

これで美希を連れ戻し、事務所に戻ったときには




僕はヒーローだ


誰もが僕の事を信用するだろう



その為に大きく罵倒される必要があったが

伊織のおかげで


効果を引き上げることができた




アイツはまだ僕の事を信用しきっていないみたいだからな


いいチャンスとばかりに罵ってきたが


見事に敵に塩を送ることになっちまったわけだ






美希のよく行くところもリサーチ済み


そうでなければ、大見得切って辞めるとは言えない



ちょちょいと迎えに行ってくるか



---悲劇のヒロインを・・・

とりあえずここまでです

更新します


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------
---
-





~(現代)~






---あずさ行きつけのBar---












P「・・・・・・そんな事があったんですね」ググッ



P「すみません・・・辛い事を思い出させてしまって・・・」



あずさ「・・・いえ」





俺は、あずささんから事の一部始終を聞いていた

---あの後


今のままの精神状態では、とてもじゃないが収録は出来ないと判断した俺は

番組側に、急な体調不良という事で、今回は出演が出来なくなってしまった事を伝えた




番組のディレクターさんを逆に気遣わせてしまい、収録の日程を変えようとまで提案していただいたが

そこまでしてもらう訳にもいかず・・・というよりも出来ず

こちら側の勝手な都合なので・・・と断りを入れ

次回のオーディションの時、またお世話になります・・・とだけ言っておいた


気のいいディレクターさんで、待っていると言ってくれた




向こう側で元プロデューサーがほくそ笑んでいた

これで天ヶ瀬冬馬のソロステージになったんだからな


・・・計画の内って訳なんだろう









・・・・・・クソッ

これで安易に沢山オーディションを受けることも出来なくなった・・・


それに、うまくいっていた筈の伊織達の精神状態までも・・・おかしくされてしまうというオマケ付きだ



どうしたらいい・・・


どうしたらいいんだ・・・・・・


考えろ・・・


アイツに一矢報いるにはどうすれば・・・・・・




みんなの写真を握られている以上・・・迂闊な事も出来ない











・・・考えがない事もない


---ゴソッ


・・・・・・が、成功する保障もない

それに、みんなには天ヶ瀬冬馬と同等・・・もしくはそれ以上の実力をつけてもらわないといけない


・・・それも一発勝負



失敗はできない・・・・・・



今のあの子達の精神状態では


とてもじゃないが、上手く実力がついてくるとも思えない











---そんな事よりも






まだ幼いあの子達の・・・


人を信じる純粋な気持ちを・・・






踏みにじり・・・弄んだ・・・



あの元プロデューサーを・・・・・・









------俺は絶対に許さない

どれも比べるなんてできない

それは全てにおいて、人として絶対にやってはいけない事だ




だがアイツは・・・・・・

男としても最もやってはならない


女の子の恋心にまで手をつけた・・・




許せない・・・



絶対に


許せない・・・!





今アイツに会ってしまったら


俺は冷静でいられるだろうか・・・!








駄目だ・・・!


そんな事をしても、根本的な解決には繋がらない




なら、どうすれば・・・



どうすれば・・・


俺はあの子達に本当の笑顔を取り戻してあげられるんだ・・・

P「・・・・・・」グビ・・・




あずさ「・・・」



あずさ「プロデューサーさんは・・・」

あずさ「本当にお優しいんですね・・・」



P「・・・そんな事ありません」


あずさ「そんな事・・・ありますよ」フフ



あずさ「だって・・・こんな私たちの為なんかに・・・」スッ

あずさ「涙を流してくれているじゃありませんか」フキ



P「これは・・・・・・汗です」ウルッ グビッ


あずさ「あらあら~」ウフフ


あずさ「プロデューサーさん、どうか重く考えすぎないでくださいね・・・?」


あずさ「こう見えて私たちは・・・強いんですから」ウルッ





P「・・・」ウルッ グビッ





・・・いい年した男が

泣いてどうする・・・

P「涙を流しているのは、あずささんの方じゃないですか」クルッ ゴシッ


あずさ「そんな事は・・・」アセアセ




涙は涙に誘われる





P「あずささんも、このハンケチ使ってください。ハンケチ」ニカッ

あずさ「フフフッ・・・!ハンケチって・・・プロデューサーさんって面白い人ですね」クスクス





笑顔も笑顔に誘われる





P「やっぱり、あずささんには笑顔の方が良く似合います」



あずさ「」ドキッ


P「心配しなくても大丈夫ですよ」


P「必ず!俺がなんとかしてみせます!」ドン


P「必ずです!!」ドドン

P「ですから、あずささんも・・・」

P「もう悲しい顔を・・・しないでください」


あずさ「・・・」プシュー



P「あずささん?」


あずさ「はっ・・・はい?」


P「大丈夫ですか?」


あずさ「はい!気にしないでください」ポオォォー


P「・・・そうですか」





プロデューサーさん・・・

なんて優しいのかしら・・・





P「それでですね、いくつかのお願いと」

P「ちょっと耳に入れておいてほしいお話があるんですけど」




あずさ「な、なんでも言ってください・・・!」

P「えっとですね・・・」


P「まず、あずささんに昔のアノ話を聞いたことは、みんなには言わないでおいてほしいんです」


あずさ「どうしてですか・・・?」キョトン




P(あずささんって、ホント天然だな・・・)ホゲー

P(まぁ、そこもあずささんの良い所なんだけど)




P「昼の一件があったとはいえ・・・みんなからの俺への警戒が弱まったわけではありません」


P「むしろ、トラウマを呼び起こされて強くなったとも言えます」

P「そんな中、俺とあずささんが内通していることを知らないみんなが聞いたらどうなるか・・・」


P「分かりますよね・・・?」



あずさ「・・・」

あずさ(どうしましょう・・・お話が難しすぎて分からないわ・・・)


あずさ(プロデューサーさんにバカだと思われないようにしないと・・・)


あずさ(とりあえず・・・分かってる風な顔を・・・)




あずさ「ええ・・・!そうですね」フンフン ホウホウ



P(あ・・・これ、分かってもらえてないや)

P「分かりやすく言うとですね・・・」


P「まだ俺の事をよく思っていない律子さん側のアイドルが、俺に過去を知られたことを知る」

P「それも、同じ側のあずささんが話したことも知る」


P「すると、どうでしょう」

P「あのプロデューサーにまで、弱みに付け込まれる」


P「どうしてくれるんだ、あずさ」

P「・・・と、こうなるわけです」


あずさ(プロデューサーさんが私の名前を・・・)カアァァ



P「それに・・・自分達の知らないところで昔の話を話されて・・・」

P「いい気分になる子はいない・・・ですよね?」

P「・・・特に、菊地さん、星井さん、萩原さんについては・・・・・・」



あずさ「・・・!」

P「す、すみません!デリカシーが無さすぎました・・・!」」

P「俺からあずささんに無理やり頼み込んで聞いたんですから」

P「あずささんは、自分を責めないでくださいね!?」



あずさ「大丈夫ですよ・・・プロデューサーさんのお気持ちは分かってますから」ニコッ


P「・・・ありがとうございます、あずささん」


P「それで、二つ目なんですが・・・」

あずさ「はい」




P「図々しい話なんですけど・・・まだ俺の事を手伝ってもらえますか・・・?」

あずさ「・・・・・・」

P「・・・やっぱり無---」

あずささん「プロデューサーさん・・・!」


あずさ「怒りますよ・・・?」



P「えっ・・・」



あずさ「プロデューサーさんがここまで私たちの事を想ってくれているのに」

あずさ「何も手伝わないわけないじゃないですか」


あずさ「むしろ、こちらからお願いする事です」



P「でも・・・あずささんだってトラウ---」


あずさ「プロデューサーさん・・・?」



P「はい、すみませんでした」


P(あずささん・・・怒ると一番怖いタイプの人だな・・・)

あずさ「私はもう・・・プロデューサーさんの事を信用しています」


P「・・・」


あずさ「ですから・・・私からお願いさせてください」


あずさ「765プロを・・・」


あずさ「765プロのみんなを・・・」





あずさ「助けていただけませんか・・・?」







P「・・・・・・」









P「はい、勿論です」ニコッ


あずさ「」ニコッ









P「それで、耳に入れておいてほしいお話というのがですね・・・」




---------
----
--
-

正直な話、どうすればあの961のプロデューサーの思惑通りならずに済むのか


まだ考えはまとまっていない


話を聞いた限りでも、とんだ悪知恵が働く奴だということは分かったから










響・やよい・貴音


この三人からは、みんなよりも後に入ってきたから

詳しい話までは知らないと、初めて会ったときに聞いていたが





あずささんの話には


伊織についての話も出てこなかった



伊織には何があったのか・・・






いや、悪い考えは捨てるんだ


深く考えすぎたら駄目なんだ

まずは当初の目的通り、双海姉妹であることの妹


双海亜美の素質から引っ張り出す




そして



三人の特訓に加え

俺の事を信用してくれている

みんなへの特訓



予定を変更するしかない



今はこの三人にかかっている










問題は全アイドルのモチベーションだ


どこまで俺にやれるのか・・・




今は今できることを・・・


精一杯やるだけだ

せっかくステージの衣装も用意したのにな・・・

早く着ているところを見てみたい




きっと

伊織も響もやよいも貴音も・・・喜んでくれるはずだ


そうだ、とても言える雰囲気じゃなかったから

まだ言えてなかったけど



明日会ったら真っ先に言ってあげよう




みんな



アイドルランク昇格おめでとう・・・って









-------------------------
只今のアイドルランク一覧
-------------------------

---------------------------------------
天海春香 ----F
如月千早 ----F
萩原雪歩 ----F
菊地 真 ----F
星井美希 ----F
双海亜美 ----F
双海真美 ----F
三浦あずさ ----F
水瀬伊織 ----D
高槻やよい ----E
四条貴音 ----E
我那覇響 ----E
---------------------------------------

とりあえずここまでです

前者の「撮らせて頂いた」のは「自分で」亜美真美の喫煙を撮ったってことで、
後者の「撮って頂いた」のは「カメラマン」に雪歩と春香の件を撮ってもらったって事だろ。

---翌日







---穴場スタジオ---









俺まで気落ちしていてはいけない

明るく振舞わないと








P「みんな、おはよう!」




伊織「えぇ・・・」


響「・・・おはようだぞ」


やよい・春香・千早・貴音「おはようございます・・・」






やはり、引きずっているな・・・

・・・無理もないか





-----
--
-

---765プロ事務所---








P「おはよう!」



律子・亜美・真美・雪歩「・・・おはようございます」


真「・・・・・・ます」


美希「・・・」ゴロン


あずさ「・・・おはようございます~」オロオロ


小鳥「おはよう・・・ございます」ペコ



春香・千早・伊織「おはよう・・・」テクテク


貴音・やよい「・・・ございます」

響「だぞ・・・」





・・・想像以上に悪いモチベーションだ

P「みんな、昨日はお疲れ様」



P「初めてオーディションというものを間近で感じ」

P「各々思うことはあったと思うけど」


P「今日は一つ、俺からみんなにお願いがあるんだ」





P「一度、みんなで一緒に踊ってみてくれないかな?」






律子・亜美・真美・雪歩・美希・真「・・・・・・」

伊織・春香・千早・やよい・響・貴音「・・・・・・」





まぁ・・・そうなるよな





あずさ「あ、あら~、それは楽しそうね~」

小鳥「そ・・・そうね」




P「いえ、あ・・・三浦さん、音無さん」

P「無理にやっても逆効果なんで・・・」

P「やりたくないのであれば、強制にとは言えませんが---」


P「あっ!!そうだ!」ポン


P「肝心なことを言うのを忘れてたな~、あ~イカンイカン」

P「俺としたことが・・・!こんなに大切なことを・・・くっ!」チラッ





律子・亜美・真美・雪歩・美希・真・あずさ・小鳥「・・・?」

伊織・春香・千早・やよい・響・貴音「・・・?」




P「響、前へ!」


響「・・・?」

響「どうしたんだ・・・?」



P「いいから前へ!」

響「は・・・はい・・・!」ビクッ スタッ



P「響・・・」

響「な・・・何さ」



P「おめでとう・・・」サッ

響「えっ・・・これは・・・?」





P「今日からEランクアイドルだ!!」

響「えっ・・・」



律子・亜美・真美・雪歩・美希・真・あずさ・小鳥「・・・!?」

伊織・春香・千早・やよい・貴音「・・・!!」

響「えっ・・・えっ?」


P「よく頑張ったな~」ヨシヨシ

P「さすが自分で完璧と言うだけの事はある」ウンウン




響「ええぇえぇぇぇ!!?」

P「」ビクッ!




響「本当か!?本当なのか!プロデューサー!?」


P「あぁ、本当だ」

P「そこに書いてあるだろ?」


響「うわぁぁー!やったぞぉー!!」バッ


P「おめでとう」ニコッ

響「うん!プロデューサー!ありがとー!!」



響「でもこういうのって、手書きで書いてあるもんなんだなぁー!」

響「自分、大切にするぞ!」


P「あぁ、頑張って書いたんだから、大事にしてくれ!」

響「えっ、これ・・・プロデューサーが書いたの?」


P「なんか、賞状的な感じにしたかったんだけどな」

P「あんまりうまくできなかった・・・」ショボーン

響「ううん、そんなことないぞ!自分、一生の宝物にするね!」

P「そう言ってくれると、頑張った甲斐があるな」


響「でも、プロデューサー?」

P「なんだ?」


響「結構女の子っぽい字、書くんだな」

P「・・・そこはほっといてくれ」








P「次は貴音!前へ!」


貴音「は、はい・・・!」スタッ


P「貴音も・・・Eランク昇格おめでとう」スッ



律子・亜美・真美・雪歩・美希・真・小鳥「・・・」




春香(あのプロデューサーさんだもんね)

千早(不思議なことに、当然と思えるようになってきたわね・・・)

貴音「あ・・・ありがとうございます」


P「貴音・・・よく頑張ったな」


貴音「いえ・・・」

貴音「わたくしはあなた様を信じて」

貴音「言われた通りやってきただけですので・・・」


貴音「本当に頑張っておられるのは、あなた様ではないかと・・・」




律子・亜美・真美・雪歩・美希・真「・・・!」




P「ありがとう貴音、心配してくれて」

P「でもそれは、やっぱり貴音達が熱心に聞いて、行動に移してくれるからなんだ」

P「俺みたいに、ただやり方を教えるだけなら誰だって出来る」

P「ありがとな、いつも真剣に取り組んでくれて」


貴音(あんなレッスンのやり方など・・・あなた様以外の誰が教えられるというのでしょう)


貴音「いえ・・・こちらこそ」スッ


貴音(確かに、殿方が書いた字には見えませんね・・・面妖な)ジー

P「そして、やよい!前へ!」



やよい「えぇっ!?」



律子・亜美・真美・雪歩・美希・真・小鳥「・・・!!?」



真(やよい・・・!?)


美希(そんな・・・!)



律子(まさか・・・)







やよい「わっ・・・私もですか!?」


P「何をそんなに驚いてるんだ?当然じゃないか」アハハ


やよい「で・・・でも」

やよい「私なんて、響さんや貴音さん達と比べて・・・」

P「比べる?どうして比べる必要があるんだ?」


やよい「だって私、動きはとろいし、歌も上手に歌えなくて・・・」

P「そっかー、やよいはそんな風に思ってたんだなー」ヨシヨシ



P「もちろん俺は、そんなこと思ったことないけど」

P「でもな?やよい」

P「俺は、そういう部分を全部ひっくるめてやよい自身だと思うんだ」



P「ちょっと言葉は悪いけど」

P「例えば審査員の人や他の人が、やよいの事を見て」

P「うわっ、歌下手くそだなー、ダンスもイマイチだし・・・」

P「と、思っていたとしよう。仮にな」


やよい「・・・」


P「なら、どうしてやよいはオーディションにも合格し、ランクもEに上がったんでしょうか?」


やよい「うぅー・・・よく分かりません」

やよい「私が審査員の人だったら、合格にはしないと思います・・・」


P「そういうことだ」

やよい「・・・?」


P「つまり、やよいは自分で自分の事をまだよく分かっていない状態なんだ」

P「その事に気づけるようになれば、やよいはもっと成長できるよ」

やよい「???」


P「ちょっと難しすぎちゃったなー、ごめんなー?」ナデナデ

P「とにかく、やよいにはやよいにしかない、アイドルとしての素質があるって事だ!」







美希・真・亜美・真美・律子・あずさ・雪歩・春香・千早・伊織(・・・・・・素質・・・!)

P「だから、胸を張っていい!」

P「やよい、Eランク昇格おめでとう!」スッ



やよい「うっうー!なんだかちょっとだけ分かった気がします!」

やよい「プロデューサー!ありがとうございますー!」ガルーン



P「あっはっは、やよいは賢いなぁー」ナデナデ







P「最後に伊織!おいで!」
(あっ・・・前へって言うつもりだったのに・・・間違えた)


伊織「は・・・はい」
(前へじゃないのね・・・)



真(まさか四人に一気に抜かれるとはね・・・)


美希(ミキだって頑張ってるのに・・・)



亜美(・・・)ボーッ

真美(・・・)


律子(一体どうやって・・・)


雪歩(・・・)


あずさ(プロデューサーさんて・・・本当に凄い人なのね・・・)ポー


小鳥(やっぱりあの人なら・・・)

P「まずは、このDVDを見てもらいたいから・・・」ガサッ

P「みんな、そっちのテレビの所に集まってもらってもいいかな?」




------ゾロゾロ




P(・・・前に呼ぶ必要もなかった)

P「伊織も・・・な?」



伊織「え、えぇ・・・」








P「では・・・」


-------ウィーン

--

-



--パッ



《エー ホンジツオコナワレタ ゼンコクアイドル・・・》




アイドル一同「これは・・・?」

P「見ての通り、昨日みんなで行ってきた東京スカイTVだよ」


P「あの後に収録があるって言ってただろ?」

P「本当は放送日は昨日じゃなかったらしいんだけど・・・」

P「急遽あの後すぐに変更になったらしいんだ」



伊織「・・・でも私たち・・・出てないじゃない」


真「・・・僕たちにアイツのソロステージなんて見せて・・・」

真「プロデューサーはどうしたいんですか・・・?」



P「いや、アイツの所はとばすー」ピピッ キュルキュル

真「えっ」

P「えっ」




俺はもう何回も見たからな




P「いや・・・見てほしいのはここからなんだ」ピッ




《ミゴトゴイニ ニュウショウシタ エントリー タカツキー・・・ 》





律子・亜美・真美・雪歩・美希・真・あずさ・小鳥「・・・・・・!!」

伊織・春香・千早・やよい・響・貴音「・・・・・・!!」

やよい「わっ・・・私が映ってますーー!!」


P「テレビに映ってるやよいもかわいいなぁ」



P「それに・・・」ピッ



貴音「わたくしも・・・?」



P「そして・・・」ピッ


響「じ、自分も映ってるぞ・・・!」



P「んで、最後に・・・」ピッ




伊織「・・・!」



P「伊織だ」



《アーユレディー アイムレイディー・・・》



伊織「ど、どういう事---」

美希「どういう事なの!?なんで・・・なんででこちゃん達がテレビに映ってるの!!」



P(・・・)



P「それが・・・昨日の夜、その番組のディレクターさんから電話があってな」

P「伊織や響達を審査した審査員の方が、出演できなくなったのなら」

P「オーディションの時の映像を流せばいいって猛反発を起こしたらしくて・・・」


P「俺達に確認取ろうにも、急遽すぐに放送予定が変わってしまった為」

P「勝手に流すようなまねになって申し訳ないと連絡が入ったんだ」


美希「な・・・!」


P「で、すぐにDVDをもらいに行ってきたんだが・・・」




P「なんか番組が、過去に例を見ないほどの大盛況だったらしくて・・・」

P「電話の対応も追いつかない勢いで」


P「やよい達のファンが急増したんだってさ」




P「そんな訳で伊織もDランクに---」


アイドル一同「Dランク!!!?」




P(あっ・・・さらっと言っちゃったよ)




伊織「私が・・・Dランク・・・?」

P「あぁ、伊織・・・おめでとう」スッ



伊織「・・・ありがとう」




私がDランクアイドルだなんて・・・




P「あまり喜ばないんだな」


伊織「・・・いえ」


伊織「凄く・・・嬉しいわ」



P「・・・」


P「なら、いいんだけど・・・」




信じられないほど嬉しいことのはずなのに・・・

なんだろうこの気持ち・・・




美希(でこちゃんは一気にD・・・)

美希(やよい達にまで抜かされた)



美希(ミキだって・・・こんなに頑張ってるのに・・・!)

P「さて・・・今度は少し言い方を変えて、もう一度だけ聞くけど」







P「伊織・響・やよい・貴音・春香・千早達と一緒に」




P「俺の前で踊ってみてもいいって子はいないかな?」








律子・亜美・真美・雪歩・美希・真「・・・・・・!!」


あずさ(・・・そういうことだったんですね)



春香・千早・やよい・響・貴音(プロデューサー・・・)


伊織「・・・・・・」






---------
----
-

本当の事を言うと、状況はあまりよくはない

なんとかアイドル達のモチベーションを上げることは出来たが・・・





問題は伊織の写真だ


いきなりアイドルランクがここまで上がるなんて普通では考えられない

伊織も本当ならまだあの時点ではEのはずだった




見ていた人達には伊織達の魅力が伝わった

それはそれで、大変喜ばしい事なんだ・・・


それに、やよい達の知名度が上がったのも非常にありがたい




だけど・・・

961プロの行動が予想できない以上

伊織を今売り出すのは得策ではない


分かっていたから収録の予定日も変えてもらわず

断ったというのに・・・


さすがに、すぐに何かを仕掛けてはこないだろうけど

油断も出来ない




このままではオファーもくるだろう




音無さんとも話をしておかないと




今の所の安全圏は四人だけなんだ











ここで一気に折れてくれると尚ありがたいんだが・・・


-----
--
-

とりあえずここまでです

改行多くてすみません
そうなんです間を感じていただきたかったんです
これからは少し詰めてみます


では更新します

---翌日






---レッスンスタジオ---






結果から言おう

昨日あの後、俺にいい返事をくれたのは

双海亜美さんと律子さんの二人だけである



目の前には、壁に向かってひたすらピンポンをしている双海亜美さん


俺の隣には、その様子を怪訝な目で見つめている律子さん



律子さんはというと、勿論踊るためにここにいるのではなく

俺がどういうレッスンをしているのか見てみたいとの事

双海妹が乗り気になってくれたのは、予定通りなんだけど・・・

それ以上に予定外だったのが、双海姉が乗ってこなかったことと

律子さんが引っ付いてきたという事だ


まぁ、嬉しい誤算ともいえなくはないが・・・


俺としては、あれ?もしかして、みんな踊ってくれるんじゃね?


という淡い期待もなかった訳ではなくて・・・


そうすると一気に全員の特訓をどうやろうかとか

色々と悩んでみたけど、すべて無駄な考えに終わってしまった


双海姉は、思っていたよりも強情らしい


それに、あの様子からすると

星井さんは、やってみると言い出してくれると思っていたんだが・・・

やっぱり現実は、そう上手くはいかないみたいだ

亜美「へいっ!ていっ!サァ!」コン コン コン


律子「・・・・・・」

律子「あの、プロデューサー・・・?」


P「はい?」

律子「なんなんです、これは?」

P「見ての通り」

P「壁卓球ですけど?」フフン


律子「いえ、そんなに得意気に言われなくても分かってますよ・・・」

律子「私が聞いているのは、どうして亜美にこんなことをさせているのかっていうことです!」


P「どうしてと言われても・・・」チラッ

亜美「フン!フン!」チラッ スコン スコン



P・亜美「「・・・」」コクン



律子「なんなんですか!そのアイコンタクトは!勝手に意思疎通しないでくださいよ!」

P「怒られた・・・」シュン

律子「いや、そういう訳では・・・!」

律子(この人・・・ホントなんなのかしら)



律子「最初に少し踊っただけで、後はただ卓球をしているだけ---」

亜美「まぁまぁ、りっちゃ→ん!これ、結構楽しいよ↑」スコン スコン


亜美「きっと、その新人兄ちゃんにも何か考えが・・・ホッ!」スコン

亜美「あるんだ・・・ヨッ!」スコン!


律子「亜美・・・」


亜美(ま、ホントは卓球がおもろいだけだけど)


P「そうなんだよー、よく分かってくれてるなー双海さんは!」



飽きっぽそうだからな

どこまで続けられるか・・・






----プルルルルル



P「あっ、ちょっとすみません」スタスタ




---ガチャン

律子「・・・」


律子「ちょっと亜美、どういうつもり?」

律子「まさか、本気で言いなりになるつもりじゃないわよね?」



亜美「・・・そんなわけないじゃん」スコン スコン

亜美(・・・)

律子「アンタが踊ってみようかな、なんて言い出すとは思ってなかったから、びっくりしたわよ」


亜美「りっちゃんこそ、どうして付いてきたの・・・?」スコン

律子「わ、私は・・・!」

律子「亜美が心配だったからよ・・・」


亜美「ふーん・・・そっか」

亜美「あんがとね・・・」


律子「・・・」


---
--
-

P「もしもし、あずささんですか?」

あずさ『はい~』

P「どうです、何か分かりました?」

あずさ『えぇ・・・美希ちゃんたら湖のある公園で、一人ダンスの練習をしているみたいなんです』

P「・・・そうですか」

P「すみません、あずささんに後をつけさせるマネなんかさせてしまって・・・」

あずさ『いえ、いいんですよ~』

あずさ『私もプロデューサーさんのお役に立てて嬉しいです』

あずさ『こうして声も聞けましたし・・・』


P「えっ?」ドキッ

あずさ『いえ、なんでも』ウフフ

P「・・・そうですか」

P「とにかく、今からそこに行ってみます」

P「あずささんも戻って、レッスンを続けていてください」

P「後で見に行きますからね?」

あずさ『分かりました~』

P「それでは気をつけて、本当にありがとうございました」

あずさ『は~い、それではまた』プツッ



あずさ「美希ちゃん・・・いつもこんな所で練習していたのね・・・」

あずさ「・・・私も頑張らなくちゃ」


あずさ「うーん、それにしても良いお天気ね~」

あずさ「帰り道は・・・確かこっちでよかったわよね・・・?」トテトテ



----
--
-



何もしていないように見せて

実は影で努力を怠らないタイプか・・・



・・・とりあえず行ってみよう

お弁当でも買ってな

---ガチャン




P「いやー、どうもすみません」テクテク


P「あれ?何かありました?」



律子「な、何もないですよ!プロデューサーこそ、電話はもういいんですか?」

P「・・・」

P「はい、たいした事では・・・」


P「それよりも俺、ちょっとお弁当でも買ってきますよ」

亜美「ホントに!?」

亜美「亜美はお肉のお弁当でヨロ→」スコン


律子「ちょっと亜美!」

律子「お弁当だったら私が---」

P「いや、いいですって!俺の代わりに双海さんがサボらないよう、見ていてください」

亜美「も→新人兄ちゃん!亜美がサボるわけないっしょ!?」


P「では」スタタッ

律子「あっ」


亜美「そんなことより、双海さんじゃ亜美だか真美だか分からな---」

律子「もう行っちゃったわよ・・・」


律子「・・・」




----
--
-

---コンビニ---



P(好きな食べ物は・・・確かおにぎりと・・・苺ババロアだったよな)

P(おにぎりの具は何がいいんだろう・・・)

P(あっ・・・丁度百円セール中だ)

P(いいや、どうせみんなにも買っていかないといけないし・・・)

P(30個くらい買っていこう)ガサガサ

P(あと貴音にはカップ麺を・・・)

P(もやしラーメンか・・・これは貴音の目の前でやよいに食べてもらおう)ガサッ

P(ババロアは・・・売ってるわけないか。今度、洋菓子屋でも行こう)

P(飲み物は・・・)ゴトゴト

P(さすがに重い・・・車に置いておこう))




---アリガトウゴザイマシター

---湖のある公園---




P(あずささんが言っていたのはここの事だよな・・・?)キョロキョロ

P(意外と広いな・・・)


それにこの公園って確か・・・・・・


P(とりあえず探すか)スタスタ



-------
---
-





いた!

金髪で踊っている女の子

間違いない、星井さんだ



それにしても・・・



あれが星井さんか




事務所で見かける時とは大違いじゃないか・・・

一度、踊っているところを見てみたいとは思っていたが、これは・・・



想像以上に隠れた逸材だ



初めて見た時から765プロには、プロデュースしてみたい子ばかりいると思っていたけど

この子は既にこんなに高いレベルだったのか・・・



・・・このままもう少し様子を見させてもらおう


----
--
-

美希「ふう・・・」フキフキ


P「あれ?もしかして星井さん?」ガサッ

美希「・・・!!」


美希「見てたの・・・?」

P「まぁね、少し見蕩れてたよ」


美希「嘘ばっかり・・・」

P「・・・」


P「そうだ、お腹空いてない?ご飯買ってきたんだけど・・・」ガサッ

美希「空いてないの・・・帰って」グゥ~


P「でもお腹が鳴って---」

美希「そんなのいらないから帰ってほしいの!」


・・・あれ、仲良くするフリは?


P「・・・そっか」ドテッ

P「じゃあ俺はここでお昼にしよっと」ペリペリ


美希「・・・!」

美希「・・・何してるの?」

P「おにぎり食べながらお茶飲んでる」モングモング

美希「そんなの見れば分かるの!」

美希「帰ってって言ったのに・・・」

P「あー、おにぎり30個はさすがに買いすぎたかー」

P「どうしようこれー、弱ったー弱ったなこれー」チラッ

美希「!」

P「誰か食べてくれるとありがたいんだけどなー」

P「そんなに都合よくはいないかー」チラッ

P「はぁー、参った参ったなーこれー」チラッ チラッ



美希「そ、そんなに困ってるんなら・・・」

美希「食べるくらいは・・・手伝ってあげてもいいの」


P「本当に!?」ガバッ

美希「」ビクッ

美希「う、うん・・・」


P「いやー、ありがとう!」

P「じゃあ、好きなのからどんどん食べてくれ!」ガサー


美希「わぁーー」キラキラ

P「・・・」ジー

美希「・・・!」

美希「エフン・・・まったく・・・」ガサガサ


P「あっ!おにぎりを手に取ったね!その袋の中から!」

美希「えっ!えっ・・・」オドオド


P「そのコンビニの袋の裏側見てくれる?」

美希「・・・?」クルッ ガサッ


美希「この袋の中に入っているおにぎりを触った者は・・・Pと一緒にお昼を食べること・・・?」

美希「なんなのこの紙!こんなのズルなの!卑怯なの!」


P「あっはっは」

P「何とでも言ってくれたまえ」

P「もう契約は成立しているのだから」アッハッハ


美希「うぅー・・・」

美希「」トスン!

美希「一緒に食べればいいんでしょ!」モグモグ


P「・・・・・・うん」



・・・一緒に食べてくれるんだ

別に守る筋合いもないとは思うんだけど・・・


素直で可愛いところもあるんだな

P「あのさ・・・」

美希「何・・・」モグモグ


P「いつもさっきみたいに一人で練習してるの?」

美希「別に練習なんてしてないの」プイッ

P「だってさっきまで---」

美希「あれはただ踊ってただけなの」モグモグ


それを練習って言うんだと思うけど


P「そっか」

P「練習にしてはあまり効率が良くないと思ってたけど・・・」

P「ただ踊ってただけなら納得だ」ゴクゴク


美希「・・・!」


美希「どこが良くないって思うの・・・?」


P「んー、動きに無駄があるとか・・・色々あるけど」

P「しいて言うなら・・・良くない動き方を体で覚えちゃってて」

P「それを癖として同じように繰り返しちゃってるところとかかな」


美希「!!」

P「でもまぁ、見ていて一番気になったのは」

P「全然楽しそうに踊ってないってとこ」モグモグ


美希「!!」


P「何かと戦っているわけじゃないんだし、もうちょっと楽しく踊ればいいと思うよ」

P「・・・力を抜いてね」


美希「力を・・・」

美希「・・・」ペリペリ


P(真剣な顔だけど・・・おにぎり食べるのは早いな)



美希(ミキはいつだって戦って・・・)

美希「・・・」モグモグ


P「・・・」


------
---
-

美希「よしっ!補充完了なの!」スクッ


P(・・・かなり食べたな)

P(あのお腹のどこに・・・)



うぷ・・・久々にお昼なんて食べたな




美希「ミキ、お腹いっぱいになったら、なんだかまた踊りたくなってきちゃった」

美希「・・・見てほしいから踊るわけじゃなくて、踊りたいから踊るんだけど」


美希「見たいなら勝手に見ていけばいいの」


P「・・・」


美希「それで、もし駄目なところとかあったら勝手に呟いていけばいいの」




なるほど・・・そうきたか

P「それじゃあ、せっかくだから勝手に見させてもらうとしようかな」



美希「・・・勝手にすれば」スチャッ

---カチッ

P「あぁ・・・勝手にする」



---♪



P「あぁー、そこはもっとアップすればいいのになぁー」



---♪


P「その切り替えしがワンテンポ遅れてなければ、次のステップに上手く続けられるのになぁー」



---♪


P「そこで力が入り-----」

P「ウォークが---」
----
--
-




P「あっ、ヤバい!そろそろ行かないと!」

美希「えっ・・・」

P「・・・・・・」


P「あーあ、毎日ここで踊ってるんだったら、また勝手に見に来るんだけどなぁー」

美希「・・・!」


美希「ミキ最近おにぎりの食べすぎで、ちょっと太っちゃったかもしれないなー」

美希「これは毎日ここで踊って、痩せるしかないかもしれないのー」


P「・・・」ハハ

美希「・・・」クス




P「さーて、かーえろーっと」スタスタ


美希「切り替えし・・・」ブツブツ


---カチッ


---♪





------
---
-

なんだか思わぬ展開になったけど・・・


星井さんなら、このやり方でもうまくいく

飲み込みが早すぎる


ほんの少しの指摘だけで、まさかああも変わるとは・・・

末が恐ろしい


あの子も本当は素直な子なんだろう



それをアイツは・・・!


駄目だ・・・

今さら昔の事をとやかく言っても仕方ない


俺に過去を変えてあげることは出来ないが



未来を変えてあげることは出来る




ここまでやってきたんだ

なんとかしてみせる



ハァ・・・

なんか最近やたらと肩が凝ってるな



早くみんなの所へ行かなくちゃ・・・

とりあえずここまでかなーって

更新します

---穴場スタジオ---








春香「はぁー・・・今日も疲れたー」

千早「そうね、春香」プー

春香「今日はもう終わりだよ!千早ちゃん」

千早「えぇ・・・分かってはいるのだけれど」プー

千早「全然減る気配がないのよ、このシャボン液・・・」

春香「そう・・・みたいだね」チラッ アハハ・・・

春香(千早ちゃんが、隅っこで体育座りをしながら私の方に飛ばしてくるおかげで)

春香(ツルツル滑っちゃって、難易度が急に跳ね上がったとは言い出しにくいな・・・)

千早「プロデューサーは、あまり強く吹くなと言うし・・・」プー

春香「千早ちゃんも大変みたいだね・・・」ポリポリ

千早「春香はもう少しでクリアできそうよね」

千早「いつも私の前で落下しているみたいだけれど・・・」


春香「」ギクッ


千早「もしかして・・・私って邪魔かしら・・・?」シュン

春香「いやいやいや!そんなことないよ!」

春香「千早ちゃんがいてくれているおかげで、もっと頑張れてるんだよ!私!」アセアセ

千早「そう・・・?」パアァァ


春香「うんうん!そうだよ~」

春香「一緒に頑張ろうね!千早ちゃん!」ニコッ

千早「えぇ」ニコッ

---穴場スタジオ(別室)---





---ポヨン ポヨン



伊織「・・・・・・」



---ポヨン ポヨン



伊織「・・・あと10分」チラッ



---ポヨン



伊織「・・・苦痛だわ」

---スポーツジム---






---パコン!


あずさ「118・・・」タタタッ


---パコン!


あずさ「119・・・」タタタッ



あずさ「あっ・・・」



---スカッ


あずさ「ハァ・・・ハァ・・・」

あずさ「119・・・回・・・」ゴロン



あずさ「千回まで・・・まだまだ先は長そうね・・・」ハァ ハァ

あずさ「そんなに繋げられるかしら・・・」


あずさ「って・・・ダメダメ!」フルフル

あずさ「プロデューサーさんも・・・みんなも・・・」

あずさ「頑張ってるんだもの、私も・・・!」スタッ


あずさ「次こそ・・・」


---765プロ事務所---





---ガチャン




亜美「ちかれたー・・・」

律子「只今戻りました・・・」



小鳥「あら、お帰りなさい二人とも」フゥ

小鳥「真美ちゃん、帰ってきたわよ?」


真美「う、うん・・・」


亜美「真美、待っててくれたんだ→」

真美「お疲れ様・・・」

真美「どうだった・・・?」


亜美「ずっとこれだったよ↑」シュッ シュッ

真美「・・・?」

亜美「サァ!サァ!」シュッ シュッ


律子「一人で壁卓球してたのよ・・・」ギィ トスン


律子「それも一日中・・・!」ハァ


真美「えっ」

小鳥「・・・」

小鳥「律子さんも大変だったみたいですね・・・」コポコポ

小鳥「どうぞ」コトッ


律子「あっ、すみません・・・小鳥さん」ゴクッ

小鳥「・・・いえ」


亜美「まこちんとゆきぴょんは?」ドテッ

真美「ついさっき戻ってきて帰ったよ」

亜美「ミキミキは?」

真美「ミキミキはいつもお昼には帰るっしょ・・・?」


亜美「あ→そうでしたそうでした→」ガサッ ゴクゴク


真美「・・・」


亜美「あれ?じゃあ、あずさお姉ちゃんは?」

真美「分かんないよ・・・」イラッ


亜美「ふーん」ゴクゴク

亜美「いやぁ→久々にあんなに動いたよ→」

真美「・・・」

亜美「あれもレッスンになるのかね→」シュッ

真美「・・・」

亜美「まったく・・・あの新人兄ちゃんも」

亜美「何を考えてるんだ・・・かっ」シュッ!

真美「・・・」


亜美「あっ、今のイイ感じだったな→」

真美「・・・」イラッ

亜美「真美もやるって言えば良かったのに→」


真美「・・・」

真美「・・・そうだね」イライラ

小鳥「・・・」

小鳥「律子さんは何か参考になりました?」


律子「いえ・・・これといってまったく!」

律子「明日から私にも何か教えることがある・・・とか、なんとか言ってましたけど・・・」

律子「まさか私にも卓球をやらせるんじゃ・・・ってヒヤヒヤしてますよ」ゴク


小鳥(・・・ウフフ)


小鳥「そうですか、違うといいですね」

律子「えぇ・・・」ゴクッ


小鳥(二人とも楽しそう)

小鳥(でも・・・)

小鳥(真美ちゃん・・・)

~(回想)~





---765プロ事務所屋上---




-----
--
-


P「はい、多分明日から色々な局からのオファーの電話がくると思うんです」

小鳥「そう・・・ですよね」

P「ですから・・・もしかかってきたら・・・その」

小鳥「私が応対すればいいんですよね?」ニコッ


P「・・・!」

P「は、はい!」

P「でも・・・」


小鳥「すみませんでした!」


P「えっ!」

小鳥「私も・・・ずっとプロデューサーさんに謝らないと・・・って思っていたんですけど」

小鳥「なかなか言い出せなくて・・・」

P「いやいやいや!何を急に!」


P「音無さんにも特に何もされてないじゃないですか!」アセアセ

小鳥「でも・・・私、何も言え---」

P「いや!だから大丈夫ですって!」

P「律子さんにクビにされるのを恐れて、何も言えなかったんですよね?」


小鳥「・・・!」


小鳥「でもそれだけじゃ・・・」

P「本当に大丈夫ですから!もう勘弁してくださいこういうのは!」ペコッ

P「みんなから謝られる度に、心が痛むんですよ」

P「みんな本当はしたくて、こんな事をしていたんじゃないって・・・」

P「分かってますから・・・」


小鳥「プロデューサーさん・・・」


P「・・・」

小鳥「・・・」


小鳥「・・・律子さんも本心では、私やみんなをクビにしたいわけではないんです」


P「・・・・・・」

小鳥「ただ、みんなを守れなかった自分が悔しくて・・・」

小鳥「守るために必死になってくれているだけで・・・」


P「・・・分かってますよ」

P「心配しないでください」

P「必ず俺がなんとかしますから」


小鳥「はい・・・!」


P「ですが、これから音無さんにも---」

小鳥「はい!私に出来ることなら、なんでもやらせてください!」


P「わ、分かりました・・・お願いします」

小鳥「はい!」

P「まず、響、やよい、貴音に関しての各所からのオファーは、なるべく受けてほしいんです」

P「それで、音無しさんには主にスケジュールの調整を兼ねてお願いしたいと思っています」

小鳥「分かりました」


P「次に伊織の件についてなんですが・・・」


小鳥「はい」


P「これが一番大変だと思うんですけど・・・」

P「伊織へ対してのオファーは全て、スケジュールに空きがないというのを柔らかく伝えてほしいんです」


小鳥「全てですか・・・!?」

P「はい、全てです」


小鳥「・・・」

P「もし、手に負えないような件があったら、俺の携帯番号を教えておいてください」

P「俺が応対します」

小鳥「あの・・・プロデューサーさん」

P「大変だと思いますけど、お願い---」

小鳥「いえ、そうではなくて・・・」



小鳥「昔の事・・・誰かに聞きました?」


P「いえ、聞いてませんけど」

小鳥「ならどうして・・・」


P「響達から、この三人は後から来たと聞いていたので」

P「今はこの三人だけを売り出していくのがベストかなと・・・」

P「そう思っただけです」

P「ですが、音無さんが伊織も売り出していくべきだと思うのなら・・・」

小鳥「そ、そうでしたか・・・」

小鳥「でしたら私も、もう深くは聞きません」

小鳥「電話の応対は任せておいてください!」


P「音無さん・・・ありがとうございます」


小鳥「プロデューサーさんも、あまり無理はなさらないでくださいね」

P「えぇ、大丈夫ですよ」ニコッ


-------
----
--
-

---夜景の綺麗な公園---





P「みんな疲れてるのに、わざわざこんな所に連れてきてごめんな」

P「ほい、温かいお茶しかなくて悪いけど・・・飲んでくれ」


響「ありがと」

やよい「ありがとうございますー」

貴音「ありがとうございます」



響「それにしても、プロデューサーのレッスンは本当に意味が分からないぞ」

P「あはは」


P「でも・・・?」チラッ

響「やるけどな!」


P・響「・・・」ニカッ


貴音・やよい「・・・」クス



貴音「わたくしもまさかあんな・・・」

P「きつかった?」

貴音「目の前でらぁめんを食べられるという・・・屈辱を受けるとは」

貴音「それも・・・普段はこんなにも優しいやよいから・・・」


P・響「・・・」

やよい「あわわわ・・・!あの時は本当にすみませんでした、貴音さん!」

やよい「私、貴音さんがそんなにラーメンが好きだったなんて知らなくて・・・」


P・響「あっはっはっは」


P「あの時はおもしろかったなぁー」

響「貴音の顔が凄いことになってたぞー」


やよい「うぅー・・・プロデューサーも響さんもひどいですよー」

やよい「知ってたんなら、教えてくださいよ・・・」


P「あぁー、ごめんなやよいー」ナデナデ

P「ちょっと反応が見てみたくてさ」

響「あぁ、自分も謝るから許してほしいさー」ナデナデ


やよい「私はいいですけど、貴音さんが・・・」

貴音「・・・」クスッ

貴音「やよい・・・」

やよい「あのあの・・・本当に」シュン


貴音「わたくしは怒ってなどいませんよ」

貴音「冗談というものです」クスッ


やよい「・・・!」パアァァ

やよい「本当ですか!貴音さん!」

貴音「えぇ、わたくしがやよいに怒りを覚えるなどということ」

貴音「到底ありえないこと」ニコッ


やよい「ほっとしました~・・・」ペタン

貴音「フフ」ナデナデ

貴音「・・・」チラッ


P(あ・・・俺に対してはちょっと怒ってる)




貴音「それで、あなた様・・・話というのは?」




P「あぁ・・・そのことなんだけど」

とりあえずここまでですー

更新します

P「これから響・貴音・やよい達三人には仕事、レッスン、オーディション」

P「この三つを主にこなしてもらいたい」


響・貴音・やよい「・・・!」


P「その中でも特に、仕事とオーディションをメインに動いてほしい」

P「とはいっても、レッスンをないがしろにする訳じゃない」

P「優先事項がこの二つというだけだ」


貴音「仕事・・・ですか?」

響「自分達に仕事なんて入ってくるのか?」

やよい「・・・」


P「この間のテレビの影響で、色々な所から仕事の依頼がくると思っていて間違いないだろう」

P「体力的にも精神的にも、初めての事だらけで大変だとは思うんだけど・・・」


響「おー!自分、なんだか燃えてきたぞー!」

貴音「なるほど・・・」



やよい「私なんかにできるでしょうか・・・?」


P「やよい・・・」

響・貴音「・・・」

やよい「私・・・」

やよい「あっ・・・!すみません、暗くなっちゃって!」

やよい「みなさんと一緒なら私、頑張れると思います!」


響「そ・・・そうだぞ、やよい!一緒に頑張ろう!」


P「・・・」

貴音「・・・」

貴音「そうですよ、やよい」

貴音「わたくし達もついています」ニコ


やよい「はい・・・!ありがとうございますー!」ガルーン


P「俺も出来る限りのサポートはするから、安心してくれ・・・」

やよい「よろしくお願いしますー」


P(・・・)

貴音(・・・)チラッ



やよい「はい」

響・やよい「「ターッチ!」」パチン

響・やよい「「イエイッ!!」」ピース


響・やよい「あははははは」





貴音「あなた様・・・ちょっと」スス

P「・・・」

P「あぁ・・・」スタスタ

P「響、やよい、ちょっと自販機でコーヒー買ってくるからさ」

P「悪いんだけど少し待っててくれないか?」


やよい「はーい」

響「分かったぞ」


P「少し肌寒くなってきたから、車の中で待っててくれ。ほいっ」ポーン

響「うわっと」キャッチ


P「危ないから、ちゃんとロックかけておくんだぞー」スタスタ

響「もー!子供扱いしてー」


P「アハハハハ」



---
--
-

貴音「・・・やよいは皆が一緒に同じ所に行くと考えているようですが・・・」

貴音「そうではないのですよね・・・?」


P「やっぱり貴音は鋭いな・・・」

貴音「いえ、響も分かっているかと」


P「・・・」

P「その通りだ・・・」


P「今の貴音達は、自分達で思っている以上に人気が出始めている」

P「あのオーディションの映像が一度流れたくらいでそんな・・・」

P「やよいはこう思っているだろう」

貴音「・・・」


P「でも---」

貴音「だから、わたくし達はEランクになれた・・・と」

P「・・・」コクン

P「売れ始めって言うのは、かなり肝心でな」

P「その機会を逃してしまうと、案外騒がれなくなっちゃったりするんだよ」

P「だから、この機会に貴音達に人気を上げていってもらえば・・・」

貴音「後の皆にも、脚光を集めやすい・・・」

貴音「その為にも、わたくし達に色々な地方からくる仕事を受けてもらいたい・・・」

貴音「こういう事ですか?」


P「・・・貴音は本当に鋭いな」


貴音「あなた様のお顔を、毎日も見ていれば・・・」

貴音「考えも伝わってくるというものです」クス

P「・・・あはは、参ったな」

P「で、話にもあがったけど問題は---」

貴音「わたくし達がバラバラになってしまう為」

貴音「誰に同行すべきか悩んでいる・・・といったところでしょうか」


P「貴音・・・俺の心の中を読みすぎじゃないか・・・?」

貴音「はて・・・何のことやら」クス


P(・・・笑えないよ)

P「あはは・・・まぁ、そういうわけなんだけどさ」

P「そんなに離れてなければ、俺が行ったり来たりすればなんとかなると思うんだけど・・・」

P「あまり遠い場合はな・・・」


貴音「なるほど・・・」

貴音「わたくし達は一人でも大丈夫です」

P「それは駄目---」

貴音「・・・と言いたいところなのですが」

P「おおぅ・・・」

貴音「さすがに一度も経験したことがないことですので、やっぱり・・・」


P「大丈夫、俺が言い出したことだ」

P「貴音達に心細いまねはさせない」

貴音「・・・あなた様」

貴音「では一体・・・」


P「律子さんに協力をしてもらう」

貴音「なんと・・・!!」


P「前までの律子さんだったら嫌だったかもしれないけど」

P「仲直りをした今だったらもう平気だろ?」

P「いずれは律子さんがやっていかなくちゃいけない事だし・・・基礎から教えられるいい機会と考えて---」

貴音「あなた様」

P「ん?」

貴音「いつ律子嬢のわだかまりがとけたのでしょう」


P「えっ・・・」


貴音「律子嬢だけではありません。皆も同じです」

P「何を言ってるんだ貴音」

P「あんなにも一生懸命に、謝ってくれたじゃないか」


貴音「それに・・・なにやらその言い方だと」

貴音「まるで、あなた様が辞めてしまうようにもとれますが・・・」


P「いや・・・」


貴音「・・・」

貴音「では聞きますが・・・」

貴音「あなた様は響の事は、なんとお呼びでしょう?」


P「なんで今さらそんな・・・」

貴音「なんとお呼びでしょう?」


P「響は響だな」

貴音「では、やよいの事は?」

P「・・・やよい」

貴音「伊織の事は」

P「伊織」

貴音「春香の事は」

P「春香」

貴音「如月千早の事は」

P「・・・千早」

貴音「・・・わたくしの事は」

P「貴音だよ・・・」

P「なぁ、もう・・・」


貴音「それでは・・・・・・双海亜美の事は・・・?」


P「双海さんだよ!」

P「もういいか?話を戻すけど---」


貴音「・・・やはりそうなのですね」

P「・・・?」

P「何が?」

貴音「あなた様は、信頼を寄せている相手には下の名前で呼んでおられます」

P「・・・!」

貴音「ずっとおかしいとは思っていたのですが・・・」

貴音「これで確証を得ることができました」


P「いや・・・!それはそういうつもりじゃなくて・・・」


貴音「あなた様は・・・いけずです」ムスッ

貴音「まだ、私の事は信用するに足りないというのですか・・・」


P「違う違う!十分すぎるほどに信用してるよ!」

P「それに、ほら!貴音って下の名前で呼んでるだろ!?」アタフタ


貴音「認めましたね・・・」

P「な・・・!」

貴音「ですが・・・とても嬉しく思います」ニコ

P「」ドキッ


P「はぁー・・・ホント貴音には敵わないな・・・」

P「分かったよ・・・」

俺は、きっと貴音には秘密にしておくことはできないだろうと観念し

フリ、企み、あずささん、音無さん---

隠していたことを大体は教えた


ただ・・・過去の話については、何も話してはいない

これは俺から言うべき事ではないし

話してくれたあずささんの気持ちに背く事にもなってしまうから


貴音も俺の意図を汲んでくれたのだろう

特に追及もしてくることはなかった

貴音「・・・」

貴音「そのようなことが起こっていたのですね」

P「ごめんな、黙ってて・・・」

貴音「いえ、わたくしもあなた様と同じ立場に置かれていたら」

貴音「恐らくは、同じような行動をとっていたと思います」


P「・・・ありがとう」


貴音「・・・本当にあなた様というお方は」ダキッ

P「た・・・たきゃね・・・!?」

貴音「無理をしすぎです・・・」ギュッ

P「・・・・・・っ!」


P「そんなことは・・・」

貴音「・・・」ギュウ


P「たか・・・ね?」

貴音「・・・」パッ


貴音「分かりました・・・」

貴音「わたくしには律子嬢をつけてください」

P「・・・」

貴音「ですから、あなた様は響とやよいの傍にいてあげてください」

P「・・・」

貴音「わたくしの事なら、心配なさらずとも大丈夫です」

貴音「何故なら・・・わたくしはあなた様の事を」



貴音「お慕いしておりますので」ニコッ



P「・・・」グッ

P「ありがとう・・・貴音」

P「俺も初めのうちは一緒に同行する」

P「それに、貴音を不安になんて絶対にさせない!」

P「約束する・・・」


貴音「信じておりますよ」フフ



---------
----
-

貴音は洞察力が鋭い

下の名前か・・・


よく気がついたもんだ

でも、音無さんは下の名前ってわけにはいかないよな・・・





俺が考えるに、来週あたりから

スケジュールが詰まってくる筈だ

その前までになんとか・・・

下準備を整えないと




それに、律子さんへの手ほどき



上手くいけば大きすぎるほどの前進になる

もう少し・・・もう少しだ



みんなに手伝ってもらってばかりで

情けない・・・


今が肝心なんだ

俺が頑張らないと・・・



明日からはもっと忙しくなりそうだから・・・

とりあえずここまでです

皆様いつもありがとうございます

更新します

---翌日




---湖のある公園---





P「はい、そうですね」

P「分かりました・・・」カキカキ

P「では、よろしくお願いします」

P「失礼します」ピッ



P「ハァ・・・やっぱりか」スタスタ




美希「・・・!」ガタタッ


---カチッ


---♪

P「あーまた来ちゃったなー」ガサッ

P「しょうがないから、また見ていこうかなー」


美希「また変な人が見に来たのー」

美希「でも、ミキには関係ないからこのまま踊り続けるのー」


----
--
-



美希「ふぅ・・・」


---カチッ



P「いやー、勝手に呟いて悪かったね」

美希「別に・・・美希は心が広いから、勝手に何か言われてても」

美希「そんなの、これっぽっちも気にならないの」フキフキ


P「ふーん」

P「じゃあ、お昼にしますかー」ガサガサ


美希「勝手にすればいいの」

P「良かったら一緒にどう?」

美希「」プイッ


P「ふむ・・・」

P「じゃあ、一緒に食べなくてもいいからさ」トン

P「おにぎりだけでも食べない?」

P「また買いすぎちゃってさー」アハハ


美希「・・・」チラッ

美希「・・・」

美希「・・・・・・」ウズウズ


P「・・・」

P「ほら俺、勝手に見に来て偉そうなことブツブツ言ってるし・・・」

P「その見学料ってことでどうかな?」


美希「見学料・・・」ボソッ

美希「それならあり・・・かな」ブツブツ


美希「分かったの」

美希「そこまで言うなら・・・見学料ってことで」

美希「もらっておいてあげてもいいの」


P「あぁ、ぜひ頼むよ」

P「じゃあ、また好きなの取って食べてくれ」


美希「一緒には食べないからね」ガサッ

美希「どれに・・・」キラキラ

P「・・・」ジー

美希「・・・!」

美希「あっ・・・!まさか!」ガサッ


美希「また変なメモが貼ってあるかと思ったの・・・」

P「あはは」

美希「これで安心して選べるの」ルンルン

P「さすがの俺も、同じところには貼らないよ」ハハ

美希「これにするの」ガサッ


P「あっ!手に取ったね!」

美希「な・・・なに!?」ビクゥ!

P「その袋の中から!またしても手に取ったね!」

美希「だからなんなの!今日は貼ってなかったの!」


P「袋の外側の下を見てみてくれ」

美希「袋の下・・・?」ガササッ

美希「なっ・・・!」ペラン

美希「この袋の中に入っているおにぎりを触った者は・・・Pと一緒にお昼を・・・」


美希「もう!またなの!なんなのなの!!」


P「あっはっはっはっは」

美希「むぅー・・・!」

美希「・・・」スタスタ

美希「ふん!」トスン


P「それじゃあ、一緒にお昼を食べよう!」

美希「うるさいの!」モグモグ

P「星井さんはツンデレっと・・・」メモメモ

美希「なに書いてるの!」

美希「それはでこちゃんの・・・!」

P「・・・でこちゃん?」

美希「別になんでもないの・・・」モグ


P「・・・」

P「ところでさ」

P「・・・星井さんって、どうしてアイドルを目指してるの?」

美希「・・・!」




---アイドルを続けている意味などあるのですかねぇ---




美希「そんなの・・・」

美希「勝手に見に来てるような人に教える義務はないの!」モグモグ


P「・・・それもそうか」ゴク


美希「そんなことより!」ズイッ

美希「ミキはどうしたら、もっと上手くなれるの?」


P(ダンスは結構な上級なんだけどな・・・)


P「そうだな・・・」

美希「うん」

P「ってアレ?素直に聞くんだな」

美希「・・・!!」

美希「ち、違うの!間違えたの!キョーミほんいってやつなの!」アタフタ

P(どっちだよ・・・)

P「まぁ、課題としては---」

-------
----
--
-

---翌日





美希「今日はもう騙されないの!」ガサッ ヒョイ

美希「・・・」ジーッ

美希「・・・」チラッ


P「・・・大丈夫だって」


美希「うん、今日はどこにも貼ってないの!」ガサッ

美希「じゃあこれに---」ガサッ

P「あぁ!取ってしまったね!その袋の中から!」

美希「」ビビクッ

美希「きょ、今日は下にも横にも上にも!」

美希「どこにも貼ってないから大丈夫なの!」

P(上ってどこだよ・・・)


P「袋の中に入ってるおにぎりをかき分けてみたまえ」

美希「中・・・?」ガサゴソ


---ペラン


美希「・・・・・・」

美希「この袋の中に入っているおにぎりを触った者は・・・」

P「さっ、お昼にしますよ」ポンポン

美希「もうーーーー!!」

----
--
-

---翌日




美希「今日こそは・・・」ガサッ

P「あぁ!!」

美希「またなの!?」



---翌日


P「手に取ったね!?」

美希「おにぎりに直接書くなんて卑怯すぎるのー!!」

P「あっはっはっは」

---翌日




美希「・・・」ジーッ

P「今日は袋にもおにぎりにも何も書いてないって・・・」


美希「信じられないの・・・」ジー

P「今までも嘘はついてなかっただろ?」

美希「むむむ・・・」

美希「確かに今の所、嘘はついていないみたいなの」


P「今の所って・・・」


美希「・・・」ジー

美希「えいっ!」ガサッ

美希「・・・」チラッ

P「・・・」

美希「本当に、何も書いてなかったの・・・?」

P「あぁ、俺は嘘は嫌いだからな」

美希「そっか・・・」

P「まぁ、ほら」

P「お茶でも飲んでさ、ほいっ」

美希「う、うん・・・あり---」

P「そのお茶を手に取ったね!?」

美希「なっ・・・!」ビクッ!

美希「まさか!」クルッ

美希「このお茶を触った者は・・・Pと一緒にお昼を・・・」


美希「ひっ・・・ひどいのー!」

美希「やっぱり騙したの!!」


P「おいおい・・・やめてくれよ」

P「俺は、今日は袋にもおにぎりにも何も書いてないって」

P「そう言っただけだぞ?」

P「だから、嘘なんてついてません!」キッパリ


美希「むむむ・・・!」

美希「・・・」ニコッ


美希「なぁーんちゃって」

P「ん?」

美希「ミキには今日からこのカードがあるから大丈夫なのー!」ゴソッ

P「何それ?」

美希「Pと一緒にお昼を食べなくてもいいですよカードなの!」ジャジャン

P「・・・へぇ」

P「ちょっと見せて」

美希「いいよー、はい」ポン

P「ん、ありがと」


P「へぇー、意外にもよくできてるな」

美希「自信作なの」エッヘン

P「ふーん・・・」


美希「じゃあ返し---」



P「そぉい!!」ビリャリャー

美希「なななな・・・!」

美希「一生懸命作ったのに何するの!?」

P「俺と一緒にお昼を食べなくてもいいなんて・・・」

P「そんな物を一生懸命作るな!アホか!」


美希「だって・・・」

P「さぁ、いいから一緒に食べよう」スタスタ

P「まったく・・・どうせなら逆のカードとか・・・」ブツブツ


美希「・・・」


-----
--
-

---翌日




P「明日からか・・・」

P「もっと時間があればな・・・」スタスタ





美希「っ・・・!」ガタッ



美希「フー・・・疲れたの」チラッ

美希「次はどう踊ろうかなー・・・あっ!」

美希「来てたの?」


P「・・・」ブツブツ


美希「まったく・・・よくも毎日毎日見に来るの」

P「星井さん・・・」

美希「まぁ、ミキ的にはおにぎりも貰えるし」

美希「勝手に見られるくらいなら、気にならないからいいけど」


P「踊らないの・・・?」

美希「言われなくたって、今やろうとしてたところなの」

美希「まったく・・・ミキは踊りたいから踊ってるだけでって何度も・・・」ブツブツ


---カチッ


P「・・・」


美希「・・・?」



---♪


P「そこは・・・」


---♪


P「そうじゃなくて・・・」


---♪

P「ウォームが・・・」

----
--
-

美希「ふー・・・いい汗かいたのー」


P「じゃあ・・・お昼にしようか」ガサッ

美希「ふっふーん」

美希「今日こそは絶対絶対!一緒になんて食べてあげないの!」

美希「・・・」ジーッ


P「・・・そっか」

P「なら、もう安心して取っても大丈夫だよ」

美希「えっ?」


P「もう本当に何もない」

美希「・・・」

美希「とかなんとか言ってー」

美希「本当に貼ってなかった事は---」

美希「なかったの!」ガサッ

美希「」チラッ


P「・・・」


美希「わ・・・分かったの!」

美希「きっとまたペットボトルに書いてあるに決まってるの!」パシッ

美希「」クルクル

美希「・・・」

美希「」チラッ


P「・・・」


美希「本当にないんだね」

P「・・・嘘は嫌いって言ったろ」


美希「ふ・・・ふーん」

美希「じゃあミキ、一人で食べちゃうからね・・・?」

P「あぁ・・・好きにしてくれていい」

P「明日から見に来ることができなくなりそうだからな・・・」

美希「えっ・・・」

美希「・・・そうなんだー」

P「星井さん・・・」

美希「まぁ、でもミキは別に見に来てって頼んだわけでもないし・・・」

P「もし良かったらなんだけど・・・俺と---」

美希「・・・これで清々するかな!あはっ!」


P「・・・・・・そうか」


美希「これで、これからはミキ一人でお昼が食べられるの」

美希「ダンスも勝手に見に来る人がいなくなって・・・」

美希「お昼寝だってし放題なの!」



やっぱりまだ勝手に見に来る人か

もう少し時間があったら---


P「もし見に来れそうな時があったら---」

美希「別にいいの!」

P「・・・」

美希「忙しいんでしょ?」

美希「・・・早く行けば?」


P「分かったよ・・・」スタスタ




せっかく悪い癖がとれてきたところだったのに

せっかく少しずつだけど笑ってくれるようになってきてたのに

せっかくプロデューサーは悪い人ばかりじゃないって・・・

分かってもらえそうだったのに


結局一度もプロデューサーと呼んでもらうこともできなかった


歌い方だって教えてあげたかった

俺にもう少しの力と時間があれば・・・


俺は・・・


-------
----
--
-

---翌日



---湖のある公園---




美希「」ボーッ

美希「・・・そろそろ来てもいい頃」

---
--
-


美希「・・・やっぱり来ないの」




---翌日


美希「今日も来ない・・・」


---翌日


美希「来ない・・・」

---翌日




美希「本当にもう来てくれないんだ・・・」

美希「別に今までだって一人でやってきてたんだし」

美希「前みたいに戻っただけなの!」


美希「よし!明日からはまた頑張るのー!」オー

美希「・・・」

-----
--
-

---翌日




---♪


---カチッ



美希「フゥ・・・」フキフキ



---ガサッ


美希「プロデューサー・・・!?」クルッ



---ニャオーン

--タッタッタ



美希「猫だったの・・・」

美希「・・・」グゥー


美希「・・・明日からはおにぎり持ってくるの」

---翌日--天候(雨)--




美希「あーめあーめザーザー♪」

美希「なーのなーのなーの♪」

美希「・・・」モグ


美希「・・・」ガサッ


---その袋の中から!またしても手に取ったね!


美希「あーめあーめ♪」


---この袋の中に入っているおにぎりを触った者は・・・Pと一緒にお昼を・・・


美希「ザーザー♪」


---もう!またなの!


美希「なーのなーのなーの♪」


---あっはっはっは



美希「・・・」モグ


美希「こんなカード作ったって・・・」ゴソッ

美希「見せられなくちゃ・・・」ギュゥッ


美希「意味なんてないの!!」ポイッ!


---ガサッ


美希「・・・・・・」モグ

美希「・・・」モグ・・・


-----
--
-

~(回想)~


---12日前



---レッスンスタジオ---




--スコン スコン



P「いやー、意外なことにも続いてるね」

亜美「ちょっとちょっと!」スコン

亜美「それは失礼ってもんでしょ!」


P「いやーごめんごめん」ハハ

P「でも、そろそろ飽きてきたんじゃない?」

亜美「うん、飽きた」スコン


P「おいっ!そこは冗談でも---」

律子「そこは私も亜美に同意ですね」

P「えっ・・・」シュン

律子「どうして所々落ち込むんですか!」

P「だって怒ってるみたいですし・・・」

律子「怒ってません!」

P「」ビクッ

律子「それに、敬語は使わなくていいって」

律子「前に言いませんでしたっけ?」

P「言ってましたね・・・」

律子「ほらまた敬語!」ピシッ

P「はい!」

律子「まったく・・・」


P「それで、今日はですね・・・」

律子「敬語!」

P「ヒィッ!」


亜美(新人兄ちゃん・・・ドンマイ)ウィンク


P(あいつ・・・)




---カチャ

真美「・・・」ジー



律子「それで今日がなんですって?」

P「えっと・・・」

P「今日は律子さんに---」

律子「さん・・・?」

P「いや、そこはいいでしょ!」

律子「・・・まぁ、いいでしょう」
(呼び捨てにされるのも気分が悪いし)


P「とにかく今日から律子さんには、俺の知っている知識の範囲内での」

P「プロデュース全般の業務作業のやり方を身につけてもらいま・・・う」

律子「えっ・・・」


P「えって・・・」

P「どうして驚いてるんで・・・だ?」

律子「いえ・・・てっきり私も壁卓球かと・・・」

P「あっはっはっは」

P「律子さんがやってどうするんだか」アッハッハ


律子(この人・・・私がアイドルやってた事知らないんだ)


律子「そうですよね!すみません」アハハ

P「じゃあ、とりあえず」ドサドサドサー

P「ここに書かれてる事を三日以内に全部覚えてくれるかな」

律子「・・・!?」


P「まぁ一日もあれば覚えられちゃうとは思うんだけど」

P「しっかりと覚えてもらいたいから---」

律子「この量を一日!?」

P「いや、だから三日で大丈夫だって」

律子(こんなの三日で覚えられるわけ・・・)ペラペラ

律子(・・・)


P(・・・)

P「あれ?ひょっとして無---」

律子「分かりました!三日でいいんですよね・・・?」ペラッ

P「うん」

律子「十分です!」


P「・・・じゃあ頑張って」

律子「はい」

亜美「新人兄ちゃ→ん!亜美は亜美は→?」スコン

P「双海さんは・・・」

P「ちょっと一旦ストップ」

亜美「ほい」ピタ

P「昨日一日でだいぶ慣れたでしょ?」

亜美「ま→ね→」


P「ラケット貸して」

亜美「はい」


亜美「おやおや→とうとう亜美も次の段階に---」

P「はい、今度はこっち使って」

亜美「ん?ナニコレ」

亜美「形が少し変わったけど」

P「シェークハンドって言ってな」

P「こう握るんだ」

亜美「ふーん・・・」

P「それと・・・ほい、これからやってほしい事を書いておいたからさ」

P「見ながら卓球を続けてくれ」


亜美「え→まだやるの?」

P「嫌ならやらなくてもいいけど」


P「伊織達みたいになりたいんだろ・・・?」


亜美「・・・」


亜美「いや・・・・・・その上だね!」


P「言うな・・・」フフン

亜美「・・・」フフン

P「それじゃあ二人とも」

P「これから三日間、朝も帰りも事務所には寄らなくていいから」

P「ここで頑張ってくれ」

律子「私もここで勉強するんですか!?」

P「だってほら、双海さんがサボるかもしれないし」

亜美「だからサボらないって!」

P「あっはっは」


P「それに家に帰っても覚えられるでしょ?」

律子「それは・・・そうですけど」

P「あっ!それともやっぱり無---」

律子「やってみせます!」


P(・・・)

P「俺はちょっと三日間見に来る事はできないけど」

P「三日後に会うのを楽しみにしてるから」


P「それじゃあ頑張って」スタスタ

律子「はい」

亜美「ほい」




真美(こっちにくる・・・!)

真美(隠れないと・・・)アタフタ



---ガチャン



P「・・・」ピタッ

P(頭隠して尻尾隠さず・・・か)ハハハ



真美(行ったかな・・・?)

真美「ふー・・・危なかった」


---カチャ

真美「・・・」ジー

亜美「何この打ち方!かっくい→」シュッ

亜美「ピンポンチャレンジ・・・?」ペラ



律子「意外とまともな事が書いてあるのね・・・」ペラ

律子「あっ!こうすれば・・・!」

律子「なるほどなるほど・・・」

律子(これ・・・全部手書き・・・?)




真美(真美も卓球すればいいのかな・・・?)

------
---
-




よし、次は・・・

とりあえずここまでです

乙ですよ乙
美希の語尾”だよ” ”だね” ”って思うな”とか使ったらより近いと思いますよ!

>>772
助言ありがとうございます
確かにそうですね
次からの参考にさせていただきたいと思います

もう少ししたら更新します

更新します

---スポーツジム---




P(あずささんがいない・・・)

P(まさか・・・)ピッ


P「もしもし、あずささん」

P「今どこにいます?」

あずさ『あの・・・ごめんなさい』

P「怒ってませんよ。迷子なんですよね?」

あずさ『お恥ずかしながら・・・』

P「今から迎えに行きますから、安心してください」

P「近くに何か目立つものはありますか?」

あずさ『えっと・・・赤いタワーが見えます』

P(どうやったらそんな所まで迷子に・・・)

P(しかも昨日一度来てるはずなのに・・・)

あずさ『プロデューサーさん・・・?』

P「あっ、すいません」

P「分かりました。今からすぐ行きますので、そこを絶対に動かないでくださいね」

あずさ『わかりました~』

P「それでは」ピッ

---赤いタワー付近---



P「あっ、いた!」

P「あずささーん」


あずさ「プロデューサーさん!」

P「すいません・・・お待たせしました」ゼェ


あずさ「ご迷惑をおかけしてしまって・・・」

P「いえ、大丈夫ですから・・・」ゼェ

P「気にしないでください」

あずさ「ありがとうございます」ペコ

あずさ(そんなに息を切らして・・・)

P「あはは、まるでデートの待ち合わせみたいで楽しかったですよ」

あずさ(デ、デート・・・!?)

P「じゃあ行きましょうか」

あずさ「は、はい!」

P「いやー、それにしても良い天気ですね」

あずさ「そうですね~」

P「こんな日にあずささんみたいな綺麗な人と散歩ができて、光栄ですよ」ハハ

あずさ「いえ、そんな・・・私なんか」

P「気づいてないんですか?」

あずさ「何がです?」

P「通りすがる男性が、みんなあずささんの方を見ているって事ですよ」

あずさ「そうですか?私はプロデューサーさんの方を見ている気がしますけど・・・」

P「いや、そんなわけないじゃないですか」

P(確かに敵意のある視線は感じるけど・・・)

あずさ「プロデューサーさんは、同性から『も』おモテになるんですね」ウフフ

P「やめてくださいよ・・・」


あずさ(あら・・・『も』を強調したつもりなんですけどね・・・)

---スポーツジム---



P(ついのんびりしてしまった・・・)



P「それじゃああずささん」

P「どこまで続くようになったか、一度見せてもらってもいいですか?」

あずさ「はい」




---パコン!


あずさ「ハァ・・・」


---パコン!


あずさ「っ・・・!」ハァ


---パコン!

--
-

あずさ「どうでしょうか・・・?」

P「・・・そうですね」

P「悪くはないんですけど・・・ちょっと見ててください」

あずさ「はい」


---バコン!

---バコン!

---バコン!


あずさ「・・・!」


P「どうです?」

P「あずささんの打ち方と何が違うか分かりますか?」

あずさ「・・・はい」

あずさ「プロデューサーさんの場合は・・・あまりその場から動いてませんね・・・」

P「そうですね、何故あまり動かなくても続けられるか分かります?」

あずさ「同じところにばかりボールを当てているから・・・ですか?」

P「ご名答です」

P「あずささんの場合はですね」

P「考えもなしに、とにかく壁に当てればいいや」

P「そう思っているから続かないんです」

P「だから、あっちこっち動き回らないと打ち返すことができないんです」

あずさ「なるほど・・・そうだったんですね」

P「はい」

あずさ「でも・・・」

P「何の為にやっているのか分からない・・・と」

あずさ「はい・・・」

P「うーん・・・そうですね」

P「動体視力、体力、フットワーク、足腰の鍛練・・・」

P「この練習の効果をあげるとすれば、きりがないんですが・・・」


P「これはあずささんに限ったことではなく、アイドル全員に言える事なんですけど」

P「とにかく動きに無駄が多いんですよね」

あずさ「無駄ですか?」

P「はい」

P「まだ全員のダンスを見たわけではないので、なんとも言えませんが・・・」

P「俺が今まで見てきた子達は、ほぼ全員に同じことが言えました」

あずさ「全員って---」

P「その中でも、今一番無駄な動きを無くしてもらいたいのが、あずささん」

あずさ「私ですか・・・?」

P「はい」

P「それに、伊織と双海さん」

P「この三人です」

あずさ「双海さんって---」

P「あぁ、双海亜美さんですよ」

P「なので、双海さんにもあずささんと似たようなことをしてもらっています」

P「伊織は・・・まぁちょっとだけ違いますけど」

P「効果は似たようなもんです」

あずさ「この三人・・・という事は・・・前に耳に入れておいてほしいと言っていた」

あずさ「あの時の・・・?」


P「そうです」


P「後にこの三人で組んでもらおうと思っている」


P「ユニットの為です」


あずさ「ユニット・・・」


P「ユニットは三人で同じ動きをしますからね」

P「各々の無駄な動きが一番栄えて映ってしまうんです」


あずさ「・・・」

P「そして、それを担当してもらおうと考えているのが---」

あずさ「・・・律子さん」


P「・・・というわけです」

あずさ「ですけど・・・律子さんは---」

P「それも前に話しましたよね」

あずさ「・・・」

P「必ず俺がなんとかします・・・と」

あずさ「・・・」

P「あずささんの考えていることも、不安な気持ちも」

P「ちゃんと分かってますから」

あずさ「・・・」



P「・・・」

P「あずささんが今考えている一番の不安要素は、律子さんの事と」

P「・・・写真の事」


あずさ「・・・」


P「律子さんの事なら大丈夫ですよ」

P「みっちり鍛え上げますから」ピース


あずさ「プロデューサーさん・・・」


P「律子さんの場合は知識不足だったんです」

P「既に痛いほど痛感していると思いますけど・・・」


P「それに」

P「・・・律子さんの気持ちはよく分かるんです」


P「俺だって自分の目の前にいながら、気づくこともできず・・・」

P「あんな事をされていたら・・・!」


あずさ「・・・」


P「・・・」

P「写真の件についても考えてあります」



彼女達にはもう二度と悲しい顔はさせない




P「ですから出来れば信じてほしいんです」

P「俺の事を・・・」

あずさ「私も前にお話しましたよね」

あずさ「プロデューサーさんの事を信用しています・・・って」


あずさ「私も精一杯やってみます」

P「・・・あずささん」


あずさ「ですから・・・教えていただけますか?」

P「もちろんですよ・・・!」


あずさ「ウフフ」

P「あはは」


-----
--
-

P「それでは、あずささん」

P「三日後を楽しみにしています」

あずさ「任せてください」


P「では・・・」



P「あっ!そうだあずささん、もう一つ聞いておきたいことが」

あずさ「はい?」

P「あずささんが写真を撮られた時って年齢は・・・」


---ネンレイッテ! 

--イヤ!ソウイウツモリジャ・・・

-

---穴場スタジオ---



春香「ケン」

--ピョン

春香「パ・・・!」ズルッ

春香「きゃあっ!」

---ズテン


春香「あいたたた・・・」


P「・・・春香」

春香「・・・言わないでください」


千早「・・・?」プー



P「千早・・・?」

千早「はい」

春香「プ、プロデューサーさん!」


P「シャボン液どれくらい減った?」

千早「半分くらいでしょうか」

P「どれ・・・よっ」ドン


P(予想してたよりかは早いほうか・・・)

P「結構減ってるじゃないか」

千早「そうですか・・・?」

P「うん」

P「でもシャボン玉は外でやった方がいいと思わないか?」

P「だってほら、千早の前だけビチョビチョであぶな・・・」ズデン


P「・・・」

千早・春香「・・・」


P「な?」

千早・春香「」プクク

P「何笑っとんじゃ!」チョップ

千早・春香「あいたっ」


P「まったく・・・あはは」

千早「クスッ」

春香「フフフ」


---アハハハハ

P「とにかく、シャボン玉は外でやりなさい」

千早「もしかして、今まで春香が私の前でよく落ちていたのって・・・」

春香「その・・・!」

P「いや、それは関係ない」

P「春香がただ転んでいただけだ」

春香「そうだよ千早ちゃん!」タタッ

春香「私なんてどこだって・・・きゃっ!」ステン


春香「ね・・・?」テヘヘ

千早「クスッ」

千早「えぇ、ありがとう春香」


千早「それではプロデューサー、行って---」

P「あっ、待った待った」

P「話はまだ終わってない」

千早「なんですか?」

P「シャボン液が無くなったらな・・・」ガサゴソ

千早「・・・?」

P「今度はコレをやってほしいんだ」ガサガサー


春香・千早「!?」


千早「これは風船・・・ですか?」

P「そうそう」

千早「それにしては・・・」

春香「随分といっぱいあるね・・・」


P「吹き方は普通でいいし、大きさもよく見るあのサイズくらいでいいから」

P「シャボン玉と合わせて、期限は今日から六日間な」

千早「六日!?」

P「無理そう?」

千早「シャボン液もまだ半分残っているんですけど・・・」

P「今のペースでいければシャボン玉は後三日もかからないと思うけど」

千早「けれど・・・」


P「もし出来れば、千早の歌声に足りてなかったものが手に入る」

P「・・・そう言ってもか?」

千早・春香「!」

千早「・・・分かりました」

千早「必ずやりとげてみせます・・・!」

P「おう、でもあまり無理はしちゃ駄目だぞ」ニコ

千早「はい!」

---タッタッタ



春香(今ならもうクリアできるはず・・・!)

春香「プロデューサーさん!私、クリアできますよ!クリア!」

P「うん、分かってる」

P「さっきはキツい言い方してごめんな」

春香「よぉーし!できる・・・えっ?」

P「だから春香は、段差の高さをバラバラにして」

P「間隔を少し広げて、コースの長さ、形を少し変える」

春香「えっ・・・」

P「あっ、あとこれからはコレを利き手で持ちながらやってくれ」

春香「なんですか・・・これ?」

P「振ってみて」

春香「・・・」ブン

P「メテオインパクト!」

春香「あの・・・」

P「魔法少女ハルカだな」アハハ

春香「もうそんな年齢じゃありませんよ!」

P「いや、でも春香は可愛いからな」

春香「かわっ・・・!」

P「そういう仕事も入ってくるかもなー」

春香「そ、そうですかね~」テレテレ

P「うんうん、間違いないな」

春香「分かりました!プロデューサーさんがそこまで言うのでしたら」

春香「天海春香!頑張ります!」

P「その調子だ!」オー

春香「はい!」オー

P「春香も期限は六日!」

春香「はい!」

P「絶対にクリアする!」

春香「はい!」

P「出来なかったら俺とデート!」

春香「はい!」


春香「って・・・ええぇぇ!?」

P「返事しちゃったからな、春香」

春香「えーっと・・・」

P「それが嫌なら頑張るんだぞ?」

P「じゃあ、六日後に迎えに来るから頑張って」

P「じゃ!」ダダダッ


春香「あっ!」


---ガチャン


春香「行っちゃった・・・」

春香「できなかったらデート・・・」

春香「頑張るべきなんだろうけど・・・」

春香「うーん・・・・・・」

-----
--
-

---穴場スタジオ(別室)---



---カチャ

P「」ジー



---ポヨン ポヨン



伊織「・・・・・・」



P「・・・」ソー

--スタ

--スタ


---ポヨン ポヨン



伊織「・・・・・・」


P「・・・」ソー

--スタ

--スタ


P「いーおーりっ!!」ポン

伊織「嫌っ!!」ビクッ! ドン!


P「トリスッ!」ドン!

伊織「プ・・・プロデューサー!?」


伊織「ハァー・・・」

伊織「ちょっと!ビックリさせないでよね!」


P「まさかボールに乗ったまま反動で頭突きされるとは・・・」

伊織「この伊織ちゃんを驚かせた、当然の報いね!」フン


P(今・・・)


P「あはは、ごめんごめん」


伊織「まったく・・・」

P(・・・)


伊織「それで、私はいつまでこのボールの上に乗っかっていればいいわけ?」

P「・・・」

伊織「ちょっとアンタ!聞いてるの?」

P「あぁ、ごめん」

とりあえずここまでです

お疲れ様です、毎回楽しみに読ませていただいてます。
PがPらしいSSってとっても面白くて読みたくなりますね。
作者さん、頑張ってください。

内容:そうそうこういうのが読みたかったんだよオモシレー!と思ってたら追いついてしまった…

>>812
ありがとうございます
そう言って頂ける事を嬉しく思います

>>827
好き嫌いが分かれるストーリーだと思いますので
こういった感想はありがたいです

皆様も毎度コメントを残していただき
本当にありがとうございます

もう少ししたら更新します

>>836
おつおつ

ここまで人に嫌悪感を抱かせるキャラをたてられたんは>>1の能力だと思う。
なにをいってるかわからないが、ともかく>>1

>>837
お褒めのお言葉ありがとうございます
この先も嫌悪感を抱かせてしまうことが
多々あるとは思いますが
引き続きお付き合いください

それでは更新します

P「今は座ってるだろ?」

伊織「そうね・・・」

P「今度は立ったまま乗ってもらう」

伊織「立ったまま!?」

P「そうだ」

P「まるで、サーカスのクマのようにな!」ハハン

伊織「死ねぇえぇぇい!!」ドン!


P「トムスッ!」ドン

P(・・・)


P「伊織はあいかわらずだな」アハハ

伊織「アンタがムカつくようなことばっかり言うからでしょ!」


P「・・・ごめん」

伊織「な、何普通に謝ってんのよ!」

伊織「アンタだっていつもの事じゃない」


P「・・・」


P「冗談ですよ!冗談!」

伊織「ぷっ・・・何よそれ」

伊織「春香の真似でもしてるつもり?」

P「似てるだろ?」ハハ

伊織「ちっとも似てないわよ」クス


---アハハハ

P「ハハ・・・」

--
-


無意識か・・・

P「まぁ、クマのようにってのは流石に失礼だったけど」

伊織「失礼すぎるわよ」

P「あながち間違ってはいないんだ」

伊織「どういうこと?」

P「伊織はポジション的にも真ん中だから・・・」

伊織「ポジション・・・?」

P「あぁ、なんでもない。こっちの話」


伊織「・・・?」

伊織「で、だからなんなわけ?」

P「まぁ、ようするにだ」

P「伊織には、もう少しバランス感覚を磨いてもらいたいということだ」

伊織「だから、その名の通りのバランスボールに乗せられていたってわけね?」

P「うん、そうなんだけど・・・」

P「珍しく物分かりがいいな」

伊織「アンタはいつも一言余計なのよ!」

P「あはは」


伊織「でも立ったままって・・・」

伊織「最初にも一度やったけど、全然乗れなかったじゃない」

P「それはボールが柔らかかったからだよ」



P「だから・・・ちょっと待っててくれ」

伊織「えぇ・・・」

---
-


--ゴロゴロ

-ゴロゴロ


伊織「・・・!」


P「よっ・・・と」ゴロッ

P「次からは、この硬めのボールの上に乗ってもらう」

伊織「ちょっと大きくないかしら・・・」


P「それは大丈夫」

P「床もケガをしないように、マットな素材に変えてもらえるよう言っておくから安心してくれ」

伊織「・・・」

P「あっ、そっか」


P「はい、踏み台」スス

伊織「・・・ありがと」

P「伊織はちっちゃいもんなー」

伊織「ホントいちいちムカつくわね・・・」

P「とにかく一度乗ってみてくれないか」

伊織「えぇ」

伊織「・・・」チラッ

P「大丈夫、俺を信じて」


伊織「・・・」コクン



伊織「うぅ・・・」ソー


--スタッ



P「もう片方の足も」

P「・・・ゆっくりでいいからな」


伊織「分かってるわよ・・・」ソー


--スタッ


--グラグラッ


--ピタッ



伊織「あれ・・・?」



P「」ニヤッ

伊織「私・・・立ってるわよね?」

P「あぁ、立ってるぞ」

伊織「アンタ、ボールを押さえたりとか・・・」

P「してないな、ほら」パッ


伊織「・・・」


伊織「ボールの硬さが違うだけで、こんなにも違うものなの?」

P「うん、確かにだいぶ違うんだけど・・・」

伊織「だったら、始めからこっちでやってれば出来たんじゃないの?」


P「・・・」

P「じゃあ、ちょっとそのままボールを足で転がすように歩いてみてくれるか?」


伊織「こう・・・かしら?」

--ゴロン・・・


--ゴロン・・・

P「そうそう」

P「今はゆっくりだけど、ちゃんと出来てるよな?」

伊織「そうね・・・」


P「初めて立って乗ったとき、今よりも全然小さくて」

P「なおかつ、少し柔らかかっただけのボールに」

P「三秒と立ってもいられなかったっていうのに・・・」

P「本当にあの時に」

P「今と同じ事が出来たと思う?」


伊織「・・・」



P「あぁ!ごめんな!」

P「別に責めてるわけじゃないんだ」

P「ただ---」

伊織「いえ・・・私が悪かったわ」

伊織「アンタが意味のない事をやらせるわけないものね」

P「・・・」

伊織「説明してもらえるかしら・・・?」ニコ

P「任せとけ!」ニカ

P「まず、どうして伊織にはバランスボールの上に、ずっと座ってもらっていたかというとな」

P「最終的には、この大きなボールの上で玉乗りをしてもらいたかったからなんだけど・・・」


P「さっき伊織が言ったとおり」

P「なら、何故最初から玉乗りをしなかったのか」

P「答えは簡単」

P「ただ危ないだけだったから」


伊織「・・・」

P「確かにいきなり乗っていたとしても、乗れなくはなかったと思う」

P「だけど、効率は極めて非効率」

P「最初にバランスボールの上に立ってもらったときに確信したんだ」

P「やっぱりバランス感覚が足りてないってね」


P「実はダンスを見ているときにも、そう思ってたんだけど・・・」

P「特にターンが終わった後の切り替えし」

P「いつも足元がグラついてたよな?」


伊織「そうね・・・」

P「それに、重心もぶれていたし、集中力も散漫としていた」

P「まだ言えば、下半身、下腹部の力も弱かった」

P「結果的に言うと、そういう全ての意味を含んでの無駄な動きが多い」

伊織「・・・」


P「そこらを矯正させる意味でも、バランスボールは最適だったってこと」

P「まぁ、下準備ってところかな」

P「ここまでだけでも、結構効果は出てると思うけど・・・」


P「さらに、ここから」

P「俺が用意した玉乗り練習法を三日以内に出来れば・・・」

P「かなりの体幹バランスが身につく筈だ」



P「以上説明終わり!」

P「どうする・・・難しいかもしれないけどやってみるか?」

伊織「ハァー・・・」

P「どうした?」

伊織「そういうことだったのね」

P「うん」

伊織「どうして、いつも最初に説明しないのよ」

P「そこはほら、なんていうか・・・」

P「信頼関係を確かめる為っていうか・・・」

伊織「ハァー・・・」

P「幸せが逃げていくぞ?」

伊織「アンタ毎回ちょこちょこといなくなるけど・・・」

伊織「いったい何人にレッスンしてるのよ?」

P「企業秘密でございます!」

伊織「まぁ普通に考えて、あの時やるって言っていた亜美と律子を足した人数としか考えられないから・・・」

伊織「八人よね?」

P「あぁ・・・まぁそれくらいか」

伊織「もしかして・・・全員を一人でプロデュースするつもりじゃないわよね・・・?」

P「アハハ、それじゃあ俺の体がもたないよ」

伊織「そうよね・・・」ホッ

P「心配してくれるのか~?」

伊織「バ、バカね!アンタなんかには無理だって事を教えてあげようと思っただけよ!」

P「確かに無理かもなー」

伊織「そうよ!」

伊織「それに・・・」

伊織「真達にはこのやり方は通じないと思う・・・」ボソッ

P「・・・」


P「えっ、なんか言った?ちょっとボーっとしてた」

伊織「別に!何でもないわよ!」

伊織「まったくアンタは・・・」ブツブツ


P(・・・)

P「あっ、そうだ」ゴソッ

P「これも利き手で持ちながらやってな」スッ

伊織「アンタ・・・これって・・・」

P「ちょっと振ってみて」

伊織「これも・・・意味があるのよね?」

P「・・・」コクン


伊織「」ブン!

---ポンッ!

P「わおっ!何の変哲もない普通のステッキから花が出てきたわ!」

伊織「・・・」

P「いやー、ビックリですわー」

伊織「どんな意味があるの・・・?」

P「振ると花が出てくる」

伊織「・・・」グッ

P「あっ、やめてやめて!投げようとしないで!」

P「ちゃんとした意味もあるから!」

P「ちょっともう一回花を押し込んでみてくれ」

伊織「・・・」ギュギュッ

伊織「できたわよ・・・」

P「じゃあ、今度は軽く振ってみて」

伊織「こう・・・?」ユサッ

---ポンッ!

伊織「」ビクッ

伊織「ほんのちょっとしか揺らしてないのに・・・」

P「そこがポイントなんだ」

P「ほんの少しの揺れだけで花が飛び出すように、ちょっとだけ細工してみた」

P「花が飛び出さないように歩けるよう」

P「頑張ってくれ」

伊織(こんなに少しの揺れでも出てくるのに・・・)

P「あぁ、利き手っていっても・・・そうだな」

P「例えば伊織は転んだとき、どっちの手が先に反射的にでてくる?」

伊織「えっ・・・えっと」

P「つまり、そういう意味の利き手な」

P「まぁ、詳しいことはここに書いておいたからさ」


P「とりあえず、説明しておきたいし」

P「一回降りてくれるか?」

伊織「分かったわ」



P「ほら、手を貸すから」スッ

伊織「ひっ・・・!」

---バチンッ!


P「・・・っ!」



伊織「あ・・・あら?」

伊織「えっ・・・?」

伊織「ご・・・ごめんなさい・・・」

伊織「私、そういうつもりじゃ・・・」



P(・・・)

P「いやー、ごめんな伊織?」

P「いきなり触られたら、そりゃ誰だってそうなるわ」


私・・・


P「あっはっは、これからは気をつけるからな」


そんなんじゃ・・・


P「気にしなくていいから、とりあえず降りてくれるか?」


伊織「えぇ・・・」

---トンッ


プロデューサーに・・・

そんなことするつもりなんて・・・


P「お腹も空いてきたしなー」

P「あと少しだけだからな?」


どうして・・・?


伊織「・・・」

P「・・・それで---」

P「バランスは左右の手とステッキで---]

-----
---
-

P「それじゃ、三日後に!」

伊織「了解よ」

P「では健闘を祈る!」ダダッ


---ガチャン



伊織「・・・・・・」

伊織「・・・やってやるわよ」ペラッ

---
-

間違いない

元プロデューサーと会ってしまったことによって

伊織の何かしらのトラウマがよみがえってしまっている・・・

それも本人には自覚がない状態で・・・


クソッ・・・

一体アイツはいくつ後遺症を残していけば気が済むんだ!


伊織に何をしたんだ!

この子達が何をしたっていうんだ!


自分の地位だけの為に・・・

たったそれだけの為に・・・!


P「っ・・・!」クラッ

--

P「ハァ・・・」


P(これで三日間は響達と星井さんに付きっきりで教えられる・・・)




P「みてろよ・・・あの野郎・・・!」

----
--
-

---765プロ事務所---



小鳥「来週から響ちゃん達のスケジュールをつめていきますね」

P『はい、そうですね』

小鳥「六日後が三人の初仕事になります」

小鳥「やよいちゃんがイベント内でのソロライブ」

小鳥「出る番組は違いますけど、響ちゃんと貴音ちゃんは同局内でのラジオ出演となっています」

小鳥「現場はそう遠くはなさそうですけど・・・」

P『分かりました・・・』カキカキ

小鳥「すみません・・・!また電話が!」

P『では、よろしくお願いします』

小鳥「はい、分かりました」

P『失礼します』ピッ




小鳥「はい、こちら765プロダクション---」




真「・・・」

雪歩「・・・」


真「ボク達もそろそろ行こうか・・・雪歩」

雪歩「うん・・・」

~(それから三日後)~



---車内



P「いやー、まさか三日間で本当に出来るようになるとは---」

伊織「何よ、散々俺を信じろとか言ってたくせにアンタは私の事を---」

P「思ってたよ」ニコ

伊織「っ・・・!」

伊織「あっそ!」プイ

P(確かに出来ていた)

P(出来ていたんだけど・・・)


伊織「それで、どこに向かってるのよ」

P「ん?」



P「あ、いたいた」

伊織「あずさ・・・?」


P「ちょっと車の中で待っててくれ」

伊織「えぇ・・・」


---バタン


伊織(ここって・・・スポーツジム?)

伊織(アイツ、あずさも・・・)

---スポーツジム---



シュッ

--バコン!

シュッ

--バコン!


---タタッ


あずさ「852・・・っ!」

--バコン!


あずさ「85・・・3っ!」


--パコッ


あずさ「くっ・・・!」タッタッタ


--トン


あずさ「はぁっ・・・」キュッ


--コロコロ・・・


P(よしっ!)

あずさ「すみません・・・」ハァ

あずさ「プロデューサーさん・・・」

あずさ「任せてくださいなんて偉そうなことを言っておきながら・・・千回は・・・」


---パチパチパチ


P「いえ、十分です!」

P「千回っていうのはあくまでも目安なんです」

あずさ「でも・・・」

P「いいですか?あずささん」

P「スカッシュをやったこともない人が、三日前は100回前後だった」

P「正直言うと、これだけでもかなり凄いことなんです」

P「でもあずささんは、これしか出来ないなんて・・・」

P「そう思っていそうな顔をしていましたよね」

あずさ「はい・・・」

P「それは何故ですか?」

あずさ「だって・・・」

あずさ「プロデューサーさんが千回を目指してって---」

P「そうですよね」

P「それじゃあ、もしも俺が500回を目指してください」

P「こう言っていたらどうでしょう」

あずさ「えっ」

P「恐らく、あの時点では50も続かなかったと思いますよ」

あずさ「・・・!」


P「何か目指している目標がある場合」

P「その目標のみを目指していると・・・」

P「大体は達成できずに終わってしまう事が多いんです」

P「ですがその逆に、自分が本来目指している目標の1ランク・2ランク上を目指していると・・・」

P「不思議なことに、案外あっさりと達成できてしまうものなんですよね」

P「それも、その事を自分で決めたのではなく」

P「第三者の俺が決めた」

P「そしてこの部分が重要なポイントです」

P「あずささん本人は自分では千回を目指しているつもりだったかもしれませんが・・・」


P「俺が本来目指していた目標は500回です」

あずさ「えっ・・・!」

P「今日の時点で、850回」

P「あずささんは見事なまでに俺の予想を裏切ってくれたというわけです」

P「もちろん、いい意味でですよ?」ニコッ


あずさ「プロデューサーさん・・・」

P「よく頑張ってくれましたね」

P「お疲れ様です」ニッ


あずさ「かっこよすぎますよ・・・」ボソッ


P「それじゃあ、行きましょうか」

P「伊織も車内で待ってますからね」


あずさ「はい!」ニコ

----
--
-

とりあえずここまでかなーって

少し短いかもしれませんが
キリのいい所まで書けたので
もう少ししましたら、このスレ最後の更新を始めます

それでは更新します

---レッスンスタジオ---


P(この三日間で響達の特訓も終われば・・・)



---ガチャン


P「おはよう!」


亜美「あっ、新人兄ちゃん!」

亜美「おはおは→」


律子「来ましたね・・・」

律子「覚えて---」


伊織「おはよう」

あずさ「おはようございます~」

亜美「あずさお姉ちゃん!?」

律子「あずささん!?」

亜美「・・・と、いおりん?」

律子「・・・と伊織?」

伊織(ついでみたいな言い方ね・・・)

律子「どうして、あずささんと伊織がここに?」

P「そのことなんだけど」

P「まぁ、ちょっと落ち着いてから話そうか」

P「とりあえずお茶でも飲んでさ」ガサッ

---
-

律子「すみません、いただきます」ゴク

律子(伊織はともかく、どうしてあずささんが一緒に・・・)チラッ

あずさ「・・・」アセアセ

P「・・・」

P「まず、あずささんの事についてなんだけど」

P「嫌がるあずささんにしつこくまとわりつき」

P「半ば強制的に付いてきてもらいました」


あずさ・伊織・亜美「・・・!?」

律子「強制的にって・・・」

P「別に拉致したわけじゃないからな?」

P「とりあえずの承諾は得たんだから、そこんところ勘違いしないように」エッヘン

律子(何で威張ってるのよ・・・)

律子(ほぼストーカーじゃない・・・)

律子(・・・やっぱりこの人にも注意が必要ね)

あずさ「あの・・・!強制的とは---」

P「でも、何故あずささんを連れて行きたいのか」

P「その理由はちゃんとお話しました」

P「ですよね、あずささん?」

あずさ「は、はい」

---タッタッタ


真美「寝坊しちゃったよ↓」


--タンタンタン


真美「必殺!一段抜かし!」

真美「よっ!」

---タン

真美(もう始めちゃってるかな・・・?)


---カチャ

真美(新人兄ちゃんは来てる・・・んっ!?)ガタ


P「・・・」


真美(ヤバい・・・気づかれてない・・・かな?)

P「---」


真美(だいじょぶっぽいね・・・)

真美(なんでいおりん達もいるんだろ・・・)ジー


P(・・・)

P「そして、何故伊織も一緒に連れてきたのか」

P「その話をする前に、まずは二人の成果を見せてほしい」

亜美・律子「・・・」

P「その結果によっては、なかった事にするかもしれないから」


律子「・・・いいでしょう」


律子「少々腑に落ちませんけど、そこまで言われてしまったからには」

律子「私にも思うところはあります」

P「随分な自信だけど」

P「勿論・・・」

律子「えぇ・・・」

律子「全部覚えましたよ」

P「それじゃあいくつか質問を・・・」

律子「どうぞ」


P「レッスンの合理的な---」

律子「判断できる---」

P「売り出していく上での必須---」

律子「まず先方の---」

P「スタジオの---」

P「ステージ---」

P「演出・・・」

P「曲・・・」

---
-

伊織・あずさ・亜美(全然意味が・・・)

真美(分からない・・・)

P「なるほど・・・即答か」

律子「どうですか?」

P「素晴らしいですね」

律子「やった・・・」グッ


律子「フフン・・・!そうでしょうそうでしょう!」

律子「元々、暗記するのは結構得意な方なんですからね!」フフ

P「うん、素直に見直した」

律子「もう!プロデューサー殿、そんなに褒めないでくださいよー!」バシン!

P「いたっ!」バシ

P「あははは」

律子「ふふふ」


亜美・あずさ・真美「・・・」ジーッ

律子「・・・!」ハッ

律子「オホン・・・とにかくこれでいいんですよね?」

P「そうだな、基礎的な部分はこれで大丈夫」

P「あとは---」

亜美「もう新人兄ちゃん!次は亜美っしょ→?」

P「そうだな・・・じゃあ先に見せてもらおうか」


真美(亜美の番・・・)


亜美「オッケ→」

--コツ!

亜美「981!」シュッ キュッ

--コツ!


亜美「982!」シュッ キュキュッ

--コツ!


P(驚いたな・・・)

P(普通にできちゃうタイプだったのか・・・)

あずさ(多分私の時と一緒よね・・・)


--コツ!

亜美「986!」シュッ


P「もうちょっと出来るところまで続けてみてくれ」

亜美「アイアイサ→!」シュッ キュッ

--コツ!


P(・・・)

-----
--
-


P「うん、もういいよ」

--コン!

亜美「ほい!」パシン

亜美「まだまだいけたのに→」

P「いや、もう十分だ・・・」ハハ


P「・・・」ニヤニヤ


亜美「どしたの?」

P「あぁ・・・別に」


これならいける・・・


亜美「でも卓球が上手くなってもしょうがないっしょ↓」

亜美「亜美を卓球の選手にでもするつもり?」

P「それじゃあ、どうして俺の言うとおりに卓球しかしてなかったんだ?」

P「そう思うなら自分でダンスでも踊っていればよかったじゃないか」

亜美「それは新人兄ちゃんが置いてったノートに」

亜美「踊るなって書いてあったからじゃん!」

伊織「・・・!」

P「ちゃんと守ってくれたんだな・・・」

亜美「んっふっふ→偉いっしょ?」

P「ありがとな」

亜美「なんで新人兄ちゃんが---」


P「それじゃあ俺も守らないとな」

P「上にいくんだろ・・・?」

亜美「う、うん・・・」

P「よし!なら任せろ!」



律子(亜美・・・)

P「じゃあ、ちょっと問題な」

亜美「なになに?」

P「世界で一番卓球が上手なのって誰だと思う?」

亜美「そりゃ→プロの選手っしょ→」

P「違うな」

P「壁だ」

亜美「壁・・・?」

P「どうしてだか分かるか?」

亜美「えー・・・?」

P「正解は」

P「人と打ち合うよりも正確に」

P「なおかつ、確実に返ってくるから」

亜美「・・・」

P「俺が用意したこの卓球台」

P「半分にたたんであるから当たり前なんだけど」

P「相手のコートがないだろ?」

亜美「そりゃ・・・」

P「本来は相手が打ち返してくるまでの間」

P「少しだけど構える時間がとれる筈なんだ」

P「だけど壁卓球には、待機する時間はほぼない」

P「誰かとラリーする、その二倍の速さで返ってくるんだ」

P「自分で打った球が目の前で跳ね返ってくるだけなんだから」

P「当たり前だよな?」

P「つまり、反射的に打ち返さなければならない」

P「確かに跳ね返ってくる場所も、スピードも自分で調整は出来るから」

P「一見すると、簡単そうにも思えるんだけど・・・」

P「双海さんには、ラケットを振りぬくように打ってくれとノートに書いておいたよな?」

亜美「・・・うん」

P「それだけでも、球のスピードをゆっくりにする事なんて出来ないんだ」

P「そのスピードで打った球が、同じスピードで」

P「更には通常の二倍の間隔の速さで返ってくる」



P「それをこんなに続けられるようになったんだ」

P「分かるな・・・?」

亜美「・・・」コクン

亜美「亜美は卓球で世界を目指せるってわけだね・・・?」

P「・・・」コクン

P「そういうことだ」


P「って・・・違うわ!」ビシッ

亜美「あうっ・・・」


P「色々と鍛えられた筈だって言ってんだよ!」

亜美「ちょっとしたジョークじゃーん・・・」


律子(そんな意味が・・・)



真美(良かった・・・)

真美(やっぱり真美も卓球をやってて正解だったんだ・・・)

P「よし!とりあえず二人とも合格だ」


亜美「イエ→イ!」

律子「それじゃあ話してもらえますか?」

P「分かった」

P「もったいぶっても仕方ないから単刀直入に言うけど」

P「伊織・あずささん・双海亜美さん」

P「この三人でユニットを組んでもらいたいと思っている」


真美(ユニット・・・!?)

伊織・亜美・律子「ユニット!!?」

あずさ(ユニット・・・)

P「それが二人を連れてきた理由だ」

P「あずささんにだけは、この事を事前に伝えた上で承諾を得てある」

あずさ「えぇ、そうなんです」

伊織(あずさにだけ・・・)

伊織(どうして私には教えてくれなかったのよ・・・!)ググッ


律子「ユニットって・・・」

律子「どうしてまた急に・・・」

P「いや、俺は最初からずっと考えてたけどね」

律子「・・・いつからですか?」

P「プロフィール表を見た時からかな?」

伊織・あずさ・亜美・真美・律子「・・・!」


P「とは言っても、それぞれの性格とかも把握してからじゃないと判断できなかったから・・・」

P「ちゃんと意識しだしたのは、みんなで仲直りしてから」


律子(この人・・・)


P(本当は少し違うけど・・・)

P(まぁ・・・あながち嘘でもないしな)

P「とにかく今の三人の能力を見る限り---」

律子「一つだけ聞いてもいいですか?」

P「えっ・・・うん」

律子「どうしてこの三人なんですか?」

律子「ユニットを組むにしても、他にもアイドルはいるじゃないですか」

P(それを今言おうとしてたのに・・・)


真美(そうだよ・・・亜美じゃなくても・・・)


伊織「そうね、私も気になるわ」

亜美「新人兄ちゃんも亜美のミリョクに気づいちゃったってわけですな↑」

あずさ「・・・」

伊織(あずさは理由も聞いてるのね・・・)

P「勿論、この三人にした理由もちゃんとある」


P「まず、リーダーは伊織」

伊織「私!?」

亜美・真美・律子「!」


P「あぁ」

P「伊織は年齢も高くなく、身長も外見も見た目相応」

P「確かに普通の女子中学生よりも、気品は漂っているかもしれないが」

P「まさしく典型的な中学生と言っても過言ではない」

伊織「悪かったわね・・・」

律子「なら、どうして伊織をリーダーに---」

P「だけど、そんなルックスとは裏腹に・・・」

P「とても芯が強い」

P「自分の考え、意思を強く持って生きている」

伊織・律子「・・・」

P「平たく言えば、年の割には落ち着いている」

P「精神年齢が高いという事だな」

P「実年齢よりも精神年齢が高いって子なら他にもいるけど・・・」

P「この年齢と外見の中学生」

P「それなのにしっかり者というところがミソだ」

P「場の空気を読めるってのも大きい」

P「それだけでも皆をまとめられるリーダーの器があると思わないか?」

律子「・・・なるほど」


亜美・真美(この新人兄ちゃん・・・)

伊織(本当に・・・)


P「だけどそれだけじゃない」

P「実力的に見ても、安定して抜きん出ている」


P(極端にずば抜けすぎている子なら、他にもいるんだけどな)


P「伊織のオーディションの映像を見てるんだ」

P「説明しなくても分かってくれてるよな?」

律子「そうですね・・・」

律子(正直、鳥肌が立ったもの・・・)


伊織(よく見てくれてるのね・・・)クスッ

P「次に双海亜美さん」

真美(・・・!)

真美(・・・)ジーッ


亜美「よっ!待ってました→!」


P「伊織に続いて若年層」

P「765プロの中でも最年少のアイドルだ」

亜美「ピッチピチだよ→ん」

P「こうして立て続けに幼い子ばかり集めていると」

P「年齢で考えてないか?」

P「とか思われているかもしれないけど」

P「俺が注目したのはそこじゃない」

亜美「そうなの?」

亜美「亜美はてっきりロリコンなのかと思ってたぜ!」

P「うるさい!違うわ!」

P「それで・・・どこに注目したのかというと」

P「子供っぽい、あどけなさだ」

亜美「やっぱりロリ---」

P「違うっての!」


律子(ロリコンね・・・)

伊織(まさか・・・)

あずさ(ふふっ・・・)


P「やめろやめろ!そんな目で俺を見るな!」


P「子供の頃の気持ちを大切に・・・とか」

P「よく言うだろ?」

亜美「うーん・・・」

P「言うの!」

P「そもそも俺が言っているのは外見の話じゃなくて」

P「内面の話だからな?」

P「双海さんの内面の子供っぽさ、あどけなさに注目したんだよ」

亜美「ふ→ん」


P「しっかりしてない・・・とまでは言わないんだけど」

P「なんて言ったらいいのかな・・・」

P「やよいとはまた違う・・・」


P「純粋に楽しんでいるという気持ちかな?」

P「それと屈託のない笑顔に元気」

P「そういう人が、ただ居てくれるだけでも場の空気が変わる」

P「作っている、無理に楽しい『フリ』を続けているだけでは」

P「見ている人にもその気持ちが伝わってしまうものだから・・・」


亜美・真美・律子「・・・」

P「それに加えて双海さんの技術は、非常にテクニカルな方向に向いている」

P「機敏さ、俊敏さ、集中力、持久力、耐久力、フットワーク、反射神経・・・」

P「今の双海さんなら申し分ないだろう」

P「誰も予測できない、トリッキーな部分にも期待している」


どのアイドル達も歌声は悪くない

きっと、ボイストレーニングを主体としていたんだろう

レッスン次第では、まだまだ伸びしろはあるけれど


亜美「でも・・・」

亜美「それなら、亜美じゃなくて真美でもよかったんじゃない?」

真美(・・・!)

P「・・・」

P「どうしてそう思う?」

亜美「だって、亜美達は双子なんだよ?」

P「だから?」

亜美「だから・・・って」

亜美「どっちでも一緒---」

P「一緒じゃない」

真美(・・・!)

亜美「えっ」

P「双子だからなんなんだ」

P「双海亜美は双海亜美」

P「双海真美は双海真美」

P「双子ではあるかもしれないが、同じじゃない」


---どちらでも一緒ではないですか---

---双子なんですから---



亜美・真美「・・・」

P「まだ少ししか一緒に過ごせてないけど・・・」

P「俺は双海亜美さんの良い所が分かってきたよ」

P「だからユニットにも入ってもらいたいって思ったんだ」

P「ユニットの件は、最初から考えていたって言ったけど」

P「実際にこうして話してみて、素直ないい子だと思ったから・・・」


P「まぁ、初めての時はお互いにいがみ合ってたかもしれないけどさ・・・」

亜美・律子「・・・」


P「そうじゃなければ」

P「ユニットなんて組める筈もない」



P「だから俺は・・・」

P「できれば双海真美さんとも・・・まだあまり話したことがないアイドルの子達とも・・・」

P「沢山話してみたいって・・・そう思うよ」チラッ ニコ

真美(・・・!)ドキッ

P「他に聞きたいことは?」

亜美「・・・」

亜美「ない・・・かな」

P「そっか」ニコ


真美(真美とも・・・)

P「で、最後があずささん」

あずさ「はい」

P「あずささんは765プロ唯一での最年長」

あずさ「・・・」ムッ

P「・・・!」

P(あずささんには説明したじゃないか・・・)


P「とは言っても・・・もちろん若年層」

P「それに、やっぱり年齢で決めたわけではありません」


P「あずささんも一見すると、おっとりとしていて」

P「少し天然気味」

P「普段からしっかりとしていそうなのに・・・」

P「迷子癖があったりと、幼い一面も残している」

P「第一印象のみで決めていたとしたら、やはりユニット向けとは言えなかったでしょう」

あずさ「・・・」ムムー

P(だから何故・・・)

P「ですが、あずささんともお話をしてみて分かった事が沢山あります」

P「ひたむきに一途であるという事」

P「根も真面目だという事」

P「諦めない根性があるという事」


P「本当は仲間想いであるという事」


あずさ(・・・)


P「まだ日数の浅い俺でも、こんなに気づけることがあったんです」



P「それに、しっかり者と真面目は違います」

P「あずささんにも俺の指導を受けてもらいましたが・・・」

P「成果を見てもらえればきっと驚くでしょう」

P「今までとの技術の違いに」

P「いい意味でも、悪い意味でも」

P「この三人でのユニットは、上手い具合に相対的になっています」

P「伊織には、リーダーシップ」

P「あずささんには、伊織とはまた違った統率力」

P「双海亜美さんには、伊織・あずささんに足りていない主導権」


P「一人の悪い所は」

P「それをしのぐ、良い所を持っている一人が助け」

P「一人の良い所は」

P「良い所を持っている二人が合わさりあい、更に良くする」


P「そんなサイクルがベストに出来上がっているんです」



P「色々ゴチャゴチャと言いましたが・・・」

P「これが、俺が三人を選出した理由です」


律子(こんなに考えて・・・)

律子「分かりました・・・」

律子「確かにこれなら、納得をせざるを得ませんね・・・」


P「でも、ここから先は皆で決める事だ」

P「俺は、この三人で組んでもらいたいという意思を表明しただけだから」

P「無理強いはしない」


伊織(・・・そこまで言われたらやるしかないわよ)

亜美(これって・・・亜美にもソシツがあるって・・・)

亜美(そういうこと・・・?)

あずさ(・・・)

---カチャン・・・


真美(あの三人でユニットか・・・)

--テクテク

真美(あずさお姉ちゃんもレッスン受けてたみたいだし・・・)

真美(きっとユニットも組むに決まってるよね・・・)


---双子ではあるかもしれないが、同じじゃない---


真美(亜美の真似して卓球なんてしてても・・・意味ないのかな)


---できれば双海真美さんとも・・・---

---沢山話してみたいって・・・そう思うよ---



真美だったら、どんなレッスンをしてくれるんだろう

あの新人兄ちゃんなら・・・もう一回だけ信じてみてもいいのかな・・・

前の兄・・・プロデューサーみたいに・・・


真美達に酷いことしたり・・・


アイドルとしてのソシツがない---なんて

言ったりしないのかな・・・


仲の良いフリまでして近づいてき・・・



---そっか・・・

真美たちも新人兄ちゃんに同じ事をしようとしてるんだ・・・

アハハ・・・やってる事はあのプロデューサーと一緒なんだ


ハハ・・・

ハ・・・

・・・




--やだ・・・

やだよぅ・・・


あんな人と同じなんて・・・


いやだよぅ・・・・・・

っ・・・っ・・・

------
---
-

P「あくまでも四人の意見を尊重するつもりでいる」

伊織・亜美・律子「四人?」

P「うん」

伊織「四人って・・・」

あずさ「多分・・・律子さんの事だと」

伊織「律子・・・?」クルッ

律子「私!?」

P「その通り」

伊織(あずさと随分仲良くなったのね・・・)

伊織(・・・)プクー


律子「なっ・・・何を言ってるんですか!」

律子「私が今さらアイドルなんて・・・!」

律子「そもそもユニットは三人って---」

P「んん・・・?」

P「何を言ってるんだ?」

P「俺が言ってるのは、担当の話だぞ?」

律子「た、担当!?」

P「あぁ」

P「律子さんがこのユニットを立ち上げるんだ」

律子「えっ?」

亜美「へっ?」

伊織「はぁっ?」

あずさ「あらあら・・・」


P「あのノートの中身を全部暗記したっていうなら」

P「律子さんには、もうプロデュース業の基礎知識は頭の中に入っているはずだ」

P「あと足りていないとするなら・・・」

P「慣れだ」

律子「・・・慣れ?」

P「だからこれからは、度々俺と行動を共にして」

P「現場、その他諸々に慣れてもらう」

律子「そんな大雑把な・・・」

律子「そもそも私は---」

P「なんだ、自信ないんだ?」

律子「」ムカッ

律子「自信ならありますよ!?」

律子「ありますけど・・・」

律子「プロデューサーは大切なことを忘れて---」

P「忘れてるわけないだろ・・・!」

律子・伊織・亜美「・・・!」

律子「・・・すみません・・・私が軽率でした」

P「・・・あはは・・・ごめんごめん」


P「ちゃんと考えてあるからさ」

P「俺に任せてもらえないかな?」

律子(・・・)

律子「分かりました・・・」


律子「では私は賛成です」

P「ありがとう」


亜美(りっちゃんが・・・)

亜美(・・・)


亜美「亜美もさんせ→い!」ピョン

P「ありがとう」

P「」クルッ


伊織(一体なんなのよ・・・)

あずさ「私もやります」

P「ありがとうございます」


伊織(どうしてアンタじゃないのよ・・・)


P「伊織?」


伊織「やるわよ・・・!」

P「・・・・・・ありがとう」ニコッ


P「それじゃあ、俺はちょっとこの後用があるから」

P「なるべく手短にこれからの事を説明する」

P「まず、このユニットが活動するのは---」

------
---
-

あの時からずっと感じている胸騒ぎ・・・

このモヤモヤとした気持ちの正体が分からない

きっと気のせいよね・・・

だって約束したもの

---このままトップアイドルでも目指しちゃうか!---

って・・・・・・

~(更にそれから三日後)~

---星井美希の特訓に付き合えなくなり始めた初日---




---夕留スタジオ---




今ここにいるのは

響、貴音、俺の三人だ


スケジュールの時間が上手くずれるようにしてくれている

音無さんに感謝しないとな

なんといっても、今日はやよいの初めてのソロライブ

向こうの特設イベントステージには

春香・千早・律子さんがいる

伊織達はレッスンスタジオで留守番だ


やよいの入りの時間の方が先だったから

先に向こうで挨拶を済ませ、ライブが始まるまでの間を律子さんに託し

響と貴音を連れてこちらに来て


今、響達がラジオの収録をしている最中

終わり次第、すぐに戻れば何の問題なく間に合うという算段だ

---あれから三日間、更に特訓を重ね・・・

---ついに


伊織・響・やよい・貴音・春香・千早

あずささん・双海亜美さん

計八名のアイドルの土台作りが終わった


やっとだ・・・

やっとここまでこれた・・・

ようやく一息つける


ここから先は通常レッスンをこなしつつ

一人一人に出した、別枠での宿題をやってもらえれば問題ない

そして、律子さんのプロデュースのプロデュース

マネジメント・プロジェクトマネジメント

これに関しても、極めて順調に進んでいる


暗記するだけでなく、物覚えもよかったらしい


いや・・・こんなに簡単な言葉で説明しちゃいけないな

それだけ皆の為に必死になってくれているという事だ


唯一心残りなのが

この時点で後四人の子が、一緒にこの場所に来れていないという事だ


---問題点は残り四つ

双海真美さんは、あれから一度も事務所には来なかった

あの後すぐに追いかけたが、既に近辺にも姿は見えず

双海亜美さんに聞くわけにもいかなくて

無駄に三日間を過ごしてしまった


菊地さんと萩原さんは、音無さんが二人で話していた会話に聞き耳を立てた結果

どうやらどこかの道場で、一緒にレッスンをしているらしい

という事が分かった



そして・・・

星井さん

もう少し時間に余裕があれば・・・

だけどまだ大丈夫

早く終わったら、その足であの公園に向かえばいい

美味しいって評判のある洋菓子屋を見つけておいたんだ

きっと喜んでくれるはず

そうだな・・・今度は・・・

Pに一口食べさせてあげること・・・

これでいこう

ハハッ、どんな顔をするんだろう

今から楽しみだ

P(響のやつ、やっぱり緊張してるみたいだなー)

P(体の動き方から想像するに・・・)


P(いやいやいや)

P(自分)

P(ぜーんぜん)

P(緊張なんてしてないぞー)

P(こう言っているに違いない)

P(ハハ、やっぱりパーソナリティの人に笑われてる)

P(これも響の良さって分かってもらえたんだな)

P(くくっ・・・それにしてもあの顔)

P(後でいじって遊んであげよっと)

P(そんで、好きなお菓子を買ってあげよう)

-----
--
-

P(貴音は・・・)

P(いた・・・)

P(うわ・・・ガラス張りで通行人にも見えるようになってたのか)

P(初めてだってのに、凄い人だかりだな)

P(顔には出てないみたいだけど)

P(緊張してるだろうな・・・)

P(貴音も俺にくらいは弱みを見せてくれてもいいのにな)

P(あっ、あの顔・・・)

P(面妖な・・・)

P(ははっ・・・絶対言ってたな)

P(今度好きなだけラーメンをおごってやるからな)

-----
--
-

P「ふぅ・・・収録が終わるまで後二十分か」トスン

P「そうだ、今の内に挨拶回りでもしておこう」

P「あの様子だと、この局はこれからもごひいきにしてくれそうだからな」


P「ハァー・・・」


---ガチャン

元P「それでは、よろしくお願いしますよ・・・」

--
-


P「・・・!!」

P「今のスタジオから出てきたのって・・・まさか・・・」

P「・・・」ダダダッ


---ガチャン


P「すみません765プロダクションの者ですが・・・!」

P「今ここにいたのって・・・!」

管理局員「・・・!」

管理局員「さてと・・・」スタスタ

P「・・・」



この反応・・・

間違いない

アイツだ・・・・・・!


P「失礼しましたっ・・・!」

---ガチャン


--タッタッ


あの野郎・・・

どうしてこうもこうも・・・!


--タッタッ


いつまであの子達を苦しめ続けるつもりだ!


もう・・・我慢できない!

今すぐ話をつけてやる・・・!

それにあの局員の反応・・・


--タッタッ


クソッ・・・!

いない!


まさか・・・!?

--
-

P「っ・・・!?」

P「いっ・・・!」


P「や・・・」


P「ぃ・・・」

P「・・・」

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-

以上、このスレでの最後の更新でした
お楽しみいただけましたでしょうか?

唯一1000までいかなかったのだけが心残りです・・・

ここまで閲覧してくださった皆様
本当にありがとうございました
皆様の温かいお言葉があったからこそ
なんとかここまで書き上げる事ができました

初めての投稿だったのですが
ここまで楽しんで読んでいただけたのなら幸いです
恐らく次のスレで終わるとは思っているのですが・・・


次スレはやはり以前にもお伝えしたように

P「765プロを助けてっていわれなくても・・・」【2】

になります

少々書き溜めてから立てるつもりです


それでは皆様、また次のスレでも

会えたら嬉しいかなーって

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