P「結論から言おう、俺は反対だ。それに竜宮小町はどうするんだ?」
律子「どうしてもやりたいんです、その人にはアイドルの才能があるんです」
律子「それに......竜宮小町もトップアイドルにしてみせます」
P(そこまで律子に言わせる奴か、興味深いな)
P「......どんな奴なんだ?」
id変わります
律子「正直言って2.5枚目なんですが、異様にモテます」
P 「……才能あるのか、それ? アイドルとしてはどうなんだ?」
律子「はい、その人にモテている自覚は無いんです。 かといって無闇矢鱈と手を出すような人物で無いんです」
律子「ギャップ萌えっていうんですか? 普段ちゃらんぽらんな癖に要所でかっこい……い表情を見せることがあるんです」
P(なんか律子の目が若干怖いな)
P「随分と肩を持つな。 だけど765プロは現在女性しかいないプロダクション。 問題があ―」
社長「ウオッッホン! それに関しては私の了承済みだ」
P「社長! いくら何でも」
社長「当プロダクションとしては必要な人材と判断した。 君には律子君のサポートをしてほしい」
P「……それで社長、どうなんですか」
社長「……ティンときたのは間違いがない」
P「協力しますが、条件を出させてください」
律子「……」
P「律子のサポートは週2までにさせてください。 美希、やよい、千早の三人のプロデューサーとしてのお願いです」
社長「……分かった。 今回の件は社運をかけた企画でもある、全力を尽くしたまえ」
P、律子「はい」
P「はぁ、今日対面か。 気が重いな」
早朝、まだ日も昇らない時間。 いつものように鏡を見ながら支度を整える。
P「俺は、最高のアイドルを育てる。 皆を笑顔に出来るような、素敵なアイドルをプロデュースする」
目を瞑り自分に言い聞かせるが、今日ばかりはいまいち気合いが乗らない……。
いや……誰であろうとアイドルに変わりはない。 全力を尽くさなければ。
そう言い聞かせ、レッスンスタジオに向かう電車に乗った。
律子「あ、プロデューサー! おはようございます! 私の方が早かったですね!」
P「……おはよう律子。 それで、件の彼はもう来てる?」
律子「……はい、つい先ほど来ましたよ」
P「そうか、俺たちも入ろう」
律子「はい! 早くこの仕事をしたくて楽しみだったんです。 またプロデューサーと一緒に仕事が出来るなんて!」
P「俺は例の彼のプロデューサーじゃないんだぞ、あくまでも……」
律子「はい! 早くスタジオにはいりましょ!」
P(やけに上機嫌だなぁ……アイドルの前でモチベーションを上げるのは大切だな、律子に負けてられないな)
P「? 照明が随分と暗いな? 件の彼――」
律子「さあさあ、ちょっと座ってリラックスしましょ、椅子に座ってください」
鏡の前に用意された椅子に腰掛ける。 鏡越しに張り切ってテンションの上がった律子が見える。
律子「リラックスしてください」
律子が肩を静かにさすり、ゆっくりとマッサージをしてくれる。 そういえば朝早くてちょっと眠い……
律子「よく見てくださいね」シュボッ
律子「あなたは――凄く素敵な――アイドル――」
ライター? なんだろう、すごく落ち着いてくる……
パチンッ
???「そう、完璧じゃないですか」
???「凄く切れが良い」
P(なんだろう、凄く心地良いような、この額に当たるのはなんだろう?)
律子「……――プロデューサー、プロデューサー」
P「おつかれー……ふにゃっ?」
律子「そろそろ時間ですよ」
P「!!」ハッ
P「……今眠ってた?」
律子「ちょっと眠ってました。
P「すまん」
律子「今日は良いレッスンでした。 またお願いしますね」
P「俺なんかしたっけ?」
律子「はい、覚えてないんですか?」
P「うー…ボンヤリとしてるけど……確かに覚えてるな」
P「しかし、なぜはっきりと“彼”のレッスンを思い出せないんだろうな」
いつも通り顔を洗い、鏡の前で自分に問いかける。
……いやいや、確かにレッスンはしてる。 間違いない。
それよりも今日は律子、竜宮小町、そして彼らのオーディションの日だ。
サポート役として、プロデューサーとして役目をこなす。
それだけでもちゃんとこなさないとな。
律子「今日はオーディション、絶対負けられない」
P「そうだな、うまくいけばEランクどころかDもいけるだろ」
あずさ「ふふふ、緊張します~」
亜美「ふふふー!お兄ちゃんと一緒にいれば無敵なのだ-!」
伊織「当たり前でしょ!律子の厳しすぎる特訓をこなして負けたら恥だわ」
律子「それじゃあ三人はこっちの控え室で、Pさんはここで待機してて」
P「はいはーい」
冬馬「お、今日のライバルか」
律子「……そうみたいね」
P「確か、961さんとこのJUPITERか……」
北斗「お、感激!知っててくれたのか! 確か、765さんとこのPさんか!」
翔太「ぜって―負けないからな!」
P「俺たちに勝てるかな」
小嶋「……あのう」ボソボソ
慌ただしくJUPITERの面々は過ぎていってしまった。
この正々堂々と戦うようなムード、嫌が応でも燃えてくる。
律子「……Pさん、あまり相手の対抗意識は燃やさないように。 いつも通りリラックスしていきましょう」
P「すまん」
――
社長「ご苦労さん、今月のアイドルランキングだ」
結果としては、うちの三人娘はランクD上、続いて竜宮小町はほぼ同率、例の彼はランクE……もう少しでランクDだった。
デビューから2ヶ月半なら上々と言ったところだろうか。
律子「思ったより伸びませんでしたね」
社長「HAHAHA、ひとまずオーディション合格からTV出演、上出来だよ、律子君」
P「そうそう、映像チェックしたけど負けてないからな」
律子「そう、ついに私たちのユニットが雑誌に載るんですよ」
P「おお、さっき読んでいたFAXか」
律子「はい、楽しみです」
アイドル雑誌の見本誌に目を通すと、765の二組と「恋を始めよう」で大々的にヒットを飛ばしたJUPITERの記事が載っていた。
そしてその次のページの端っこに、小さな“彼”の写真……のあった場所。
誰だ、事務所の雑誌をスクラップしたやつは。
美希「やっぱり格好いいの!」
やよい「うっうー! こうやってみるとやっぱり格好いいかなーって」
千早「ちょっと寂しい気もするわ、だって」
P「おっはよっ! 皆! 何見てるんだ?」
千早「ぷ、プロデューサー! おはようございます」
やよい「!?」ビクッ
美希「ハニイイイイ!おはようなのー!!」ダキッ
P「っっっ!落ち着け美希!なんなんだ?」
美希「何でもないの!」
やよい「うんうん」
千早「かーぜーがー天をかけーて――」
P「怪しいな」
やよい「えへへへへ、プロデューサー、おはようございます」
律子「おはようございます。 Pさん。 早速ですが行きましょう!」
P「あ、ああ! じゃあ行ってくる」
やよい「私たちも-!」
美希「ずるいの!」
千早「……出来れば同行したいのですが・・・プロデューサーも今日は休日なので……」
社長「HAHAHA、仲良きことは良いことかな」
律子「じゃ、じゃあ行ってきます! レッスンですからね!」
美希「ハニーーーー!」
律子「従兄弟の……ほらっ」
涼「はじめましてっ! 秋月涼です! Pさんの事は律子お姉ちゃんから良く聞いてますっ!」
P「よろしく! 今日はありがとう。 りっちゃんにもこんな可愛い従姉妹がいたのか」
涼「これでボクもぉぉぉぉ! 格好良くなっ――」
律子「ほらっ、行くわよ」
涼「ぎゃおおおおぉぉぉん!」
P「……仲良きことは良きことかな、ウォッホン! ってこれじゃ社長みたいだな」
律子「それじゃ、いい? 今日の目的はライバルJUPITERの研究すること」
P「876プロ所属なのに、手伝ってもらって悪いね、涼ちゃん」
涼「とんでもない! ボクこそ今人気のPさんの格好良さむぐぅ」
律子「あはは、じゃあ早速始めましょうか」
北斗「チーッス!」
冬馬「おい冬馬、勝手に入ったらまず……い」
北斗「やっぱり秋月さんとPさんか。 今日はダンスレッスン?」
P「そうだ、今日はライバルである君たちの分析をしようと思ってね」
翔太「へー、それはうれしいねえ」
冬馬「おい冬馬、勝手に入ったらまず……い」 ×
冬馬「おい北斗、勝手に入ったらまず……い」 ○
律子「ちょっと!プロデューサー!」
北斗「折角だから俺たちと一緒にやらないか」
律子「……」
北斗「この前のオーディション、俺たちの実力だけで勝ったとは思ってないからな」
翔太「いいね、教えるからやろうよ」
小嶋「社長に……怒られる」ボソボソ
冬馬「賛成だ。 小嶋さん、社長が知らなきゃいい事だよ」
小嶋「まいったなぁ」ボソボソ
ちょっと休みます。 たぶん保守いらないと思います
ふぅ
P「そろそろスタートして4ヶ月か、気合いの入れ時だな……」
秋冷えが酷くなり今年初めてのコートを着て事務所へと向かう。
今度は大舞台への挑戦、事務所の方針で765プロのユニットは別々のオーディションへと参加することになった。
……その中で久々にJUPITERとの直接対決を行うことになり、嫌が応にも気合いが高まってくる。
事務所のドアの前に佇む。
ここで気合いを一発、挨拶はどうしようか。
「……この写真格好いいの!」
「これ……」
「うっうー!……」
ドアの向こうから楽しそうな声。 ゆっくりとドアを開けて入ってから驚かせようか。
静かにドアを開けると、なにやら本を囲んでワイワイやっている。
こっそり机の下から近づくと、こちらを見て小鳥さんが固まった。
小鳥さんの視線に気づいた美希がこちらを振り向き固まる。
続いて気がついた千早が何かを後ろに隠した。
美希「!? ぷプロデューサー、おはようなの」
やよい「おっはよーございまーす!」
千早「ぷ、ぷろっおはようございます! 早いんですね」
P「おはよう」
素っ気なく自分のデスクに座る。
机の上に乗った雑誌の切りかすを見ると、どうやらアイドル雑誌を切り取っていたのはこの三人で間違いない。
P(可能性を生み出したらアウト、か。 しかしアイドルとしてノッてきている時期に)
P(うちの事務所内とはやっかいだ)
P(あとで少しカマをかけてみよう、落ち込ませない方向で)
P「ここは個人面談だな」
P「やよい、ちょっと応接室に来てくれないか」
やよい「はい!」
やよいをソファに座らせ、ドアを閉める。
P「ところでやよい、大きい目標は持ってる?」
やよい「プロデューサーに負けない凄いアイドルになります!」
P(俺に対して力不足ってことはないだろうに)
やよい「続きはトップアイドルになったら言いまーす!」
P(良い傾向だ、今のところは)
P「OK,次は千早呼んできて」
やよい「はーい!」
迷走してきたwwww
千早「プロデューサー、とうとう知ってしまわれたんですね」
P「……千早?」
千早「そう、私の心から溢れ出る思いは」
P「おーい千早さーん?」
千早「! プロデューサー、ち、近いです」カァァァ
P(これは重傷だな……)
P「千早、今は重要な時期なんだ。 まずは目の前の事に集中してくれ」
千早「目の前……分かりました」ジーッ
P(やりづらい……)
P「……千早の歌、トップアイドルになったらもっと届く。 だから一歩一歩積み重ねよう」
千早「……はい」コクッ
P「つ、次は美希を呼んできてくれ」
落ちまでの道筋が浮かばなくなった
支援ありがとうまた出直しますごめんなさい
美希「ハニーはもう気づいてるでしょ?」
P「まあね」
美希「美希も考えたんだけど、やっぱりアイドル同士の恋愛はダメだよね」
P「今後を考えたらそうだな」
美希「だから美希がトップアイドルになって養うの!」
P「……そこまで入れ込むほど好きなのか?」
美希「ハニー、美希にそれを聞くの? 今でもずっと我慢してるけど、皆の前で言っても良い?」
P「それはまずいな」
P(折角の才能を持った娘たちが……なんてスケコマシ野郎なんだ……許せん)
その後3つのユニットはオーディションに合格した。
事務所の方針は決まり、それが“彼”の最後のライブと決定した。
ライブ直前に応援にやってきたやよい、美希、千早によって偶然催眠術が切れ、“彼”は素のPに戻ってしまう。
(催眠時の記憶はあまりない)
しかし、壮大なドッキリと勘違いしたPは、無事ライブを成功させる(教える側だから出来て当たり前的な感覚で)
その後、ライブはPの知らないところで一部の間で伝説となった
律子「」
P「」
で、他も交えて最後は修羅場エンド
おわり
会話が全く浮かばなくなったのでこれで終了します。
保守ありがとうごめんなさい
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